有価証券報告書(内国投資証券)-第34期(2022/06/01-2022/11/30)
(1)法令に基づく制限
① 利益相反取引の制限
資産運用会社は、法令の定めるところにより、利害関係人等との取引について次の行為を行うことが禁じられています。
(イ)資産運用会社が自己又はその取締役若しくは執行役との間における取引を行うことを内容とした運用を行うこと(金融商品取引法第42条の2第1号)。但し、投資者の保護に欠け、若しくは取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるおそれのないものとして業府令第128条で定めるものを除きます。
(ロ)資産運用会社が自己の監査役、役員に類する役職にある者又は使用人との間における取引を行うことを内容とした運用を行うこと(業府令第128条各号に掲げる行為を除きます。)(金融商品取引法第42条の2第7号、業府令第130条第1項第1号)。
(ハ)資産運用会社は、法令の定めるところにより、以下のとおりその親法人等又は子法人等が関与する行為につき禁止行為が定められています(金融商品取引法第44条の3第1項、投信法第223条の3第3項、投信法施行令第130条第2項)。ここで、「親法人等」とは、金融商品取引業者の総株主等の議決権の過半数を保有していることその他の当該金融商品取引業者と密接な関係を有する法人その他の団体として金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)で定める要件に該当する者をいい(金融商品取引法第31条の4第3項)、「子法人等」とは、金融商品取引業者が総株主等の議決権の過半数を保有していることその他の当該金融商品取引業者と密接な関連を有する法人その他の団体として金融商品取引法施行令で定める要件に該当するものをいいます(金融商品取引法第31条の4第4項)。
a.通常の取引と異なる条件であって取引の公正を害するおそれのある条件で、当該金融商品取引業者の親法人等又は子法人等と有価証券の売買その他の取引、店頭デリバティブ取引又は対象資産の売買その他の取引を行うこと(金融商品取引法第44条の3第1項第1号)。
b.当該金融商品取引業者との間で金融商品取引法第2条第8項各号に掲げる行為に関する契約を締結することを条件としてその親法人等又は子法人等がその顧客に対して信用を供与していることを知りながら、当該顧客との間で当該契約を締結すること(同項第2号)。
c.当該金融商品取引業者の親法人等又は子法人等の利益を図るため、その行う投資助言業務に関して取引の方針、取引の額若しくは市場の状況に照らして不必要な取引を行うことを内容とした助言を行い、又はその行う投資運用業に関して運用の方針、運用財産の額若しくは市場の状況に照らして不必要な取引を行うことを内容とした運用を行うこと(同項第3号)。
d.aからcまでに掲げるもののほか、当該金融商品取引業者の親法人等又は子法人等が関与する行為であって投資者の保護に欠け、若しくは取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるおそれのあるものとして業府令に定める行為(同項第4号、業府令第153条)。
② 利害関係人等との取引における役員会の承認
資産運用会社は、登録投資法人の委託を受けて当該登録投資法人の資産の運用を行う場合において、当該登録投資法人と当該資産運用会社の利害関係人等とのa.有価証券の取得又は譲渡、b.有価証券の貸借、c.不動産の取得又は譲渡、又は、d.不動産の貸借(当該登録投資法人の資産に及ぼす影響が軽微なものとして投信法施行規則で定めるものを除きます。)が行われることとなるときは、当該資産運用会社は、あらかじめ、当該登録投資法人の同意を得なければなりません(投信法第201条の2第1項)。この場合、執行役員は、当該同意を与えるためには、役員会の承認を受けなければなりません(同条第2項)。
資産運用会社は、その制定する「利益相反対策ルール」において、本投資法人のために、投信法上の利害関係人等との間で、上記a.乃至d.の取引(以下「投信法上の利害関係人等取引」といいます。)を行おうとするときは、あらかじめ(但し、資産運用会社の定める社内手続を経る必要がある場合は、当該手続を経た後で、投信法上の利害関係人等取引に着手する前に)、本投資法人役員会の承認に基づく本投資法人の同意を得なければならないものとしています。但し、当該取引が投信法施行規則第245条の2第1項各号に掲げる取引に該当する場合は、この限りではありません。なお、資産運用会社が本投資法人の役員会の承認を求めた場合において、当該役員会が投信法上の利害関係人等取引を承認せず、資産運用会社に対してその中止又は内容の変更を指示した場合、資産運用会社は、内容の変更の指示を受けたものについては、内容の変更を行った後(但し、資産運用会社の定める社内手続を経る必要がある場合は、変更後の内容につき、当該手続を経た後)でなければ、再度、本投資法人の役員会にその承認を求めることができないものとします。また、本投資法人の役員会から当該投信法上の利害関係人等取引の中止の指示を受けた場合、これを廃案にするものとします。
③ 利益相反のおそれがある場合の書面の交付
資産運用会社は、資産の運用を行う投資法人と自己又はその取締役若しくは執行役、資産の運用を行う他の投資法人、利害関係人等その他の投信法施行令で定める者との間における特定資産(投信法に定める指定資産及び投信法施行規則で定めるものを除きます。以下、本項において同じ意味で用います。)の売買その他の投信法施行令で定める取引が行われたときは、投信法施行規則で定めるところにより、当該取引に係る事項を記載した書面を当該投資法人、資産の運用を行う他の投資法人(当該特定資産と同種の資産を投資の対象とするものに限ります。)その他投信法施行令で定める者に対して交付しなければなりません(投信法第203条第2項)。但し、資産運用会社は、かかる書面の交付に代えて投信法施行令に定めるところにより、当該資産の運用を行う投資法人、資産の運用を行う他の投資法人(当該特定資産と同種の資産を投資の対象とするものに限ります。)その他投信法施行令で定める者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって投信法施行規則に定めるものにより提供することができます(投信法第203条第4項、第5条第2項)。
④ 資産の運用の制限
登録投資法人は、a.その執行役員又は監督役員、b.その資産運用会社、c.その執行役員又は監督役員の親族(配偶者並びに二親等以内の血族及び姻族に限ります。)、d.その資産運用会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含みます。以下同じです。)、監査役若しくは執行役若しくはこれらに類する役職にある者又は使用人との間で次に掲げる行為その他投信法施行令で定める取引(投資主の保護に欠けるおそれが少ないと認められる行為として投信法施行令で定める行為を除きます。)を行ってはなりません(投信法第195条、第193条、投信法施行令第116条乃至第118条)。
(イ)有価証券の取得又は譲渡
(ロ)有価証券の貸借
(ハ)不動産の取得又は譲渡
(ニ)不動産の貸借
(ホ)不動産の管理の委託
なお、投信法施行令第117条において、ⅰ.資産運用会社に宅地又は建物の売買又は貸借の代理又は媒介を行わせること、ⅱ.不動産の管理業務を営む資産運用会社に不動産の管理を委託すること等が認められています。
⑤ 特定資産の価格等の調査
投信法第201条及びこれに関する法令等により定められた特定資産(土地若しくは建物又はこれらに関する権利若しくは資産であって投信法施行令で定めるものに限ります。)について取得又は譲渡が行われた場合は、不動産鑑定士であって、資産運用会社の利害関係人等でない者による当該特定資産に係る不動産の鑑定評価を受けるものとします(投信法第201条第1項)。但し、当該取得又は譲渡に先立って鑑定評価を取得している場合は改めて取得する必要はありません(同項但書)。
また、ここで規定する価格等の調査は、利害関係人等以外の第三者との間で取引が行われた場合にも、実施しなければならないことに留意します。
(2)利益相反対策ルール
資産運用会社は、資産運用業務に関する取引を行う上で、自己又は利害関係者との取引に係る規程を大要以下のとおり定めています。
① 法令の遵守
資産運用会社は、利害関係者との間において、本投資法人の利益を害する取引又は不必要な取引を行ってはなりません。利害関係者と取引を行う場合は、投信法、投信法施行令、投信法施行規則及び利益相反対策ルールの定めを遵守するものとします。
② 利害関係者
利害関係者とは次の者をいいます。
(イ)投信法に規定される利害関係人等
(ロ)資産運用会社の発行済株式の100分の5以上を保有している株主及び資産運用会社の子会社
(ハ)上記(イ)又は(ロ)に該当する者が過半の出資、匿名組合出資又は優先出資を行っている、又は上記(イ)又は(ロ)に該当する者の役職員が役員に就任している特別目的会社
(ニ)資産運用会社、上記(イ)又は(ロ)に該当する者へ物件の取得、売却等に係るアセット・マネジメント業務を委託している顧客
③ 利害関係者との取引
利益相反対策ルールにおいては以下に定める取引毎に、以下のとおりの条件を定めています。
(イ)資産の取得
利害関係者から運用資産を取得する場合の価格は、運用資産の種類に従い、以下の金額を上限とします。
a.不動産及び不動産信託受益権
不動産鑑定士(但し、利害関係者の役員又は使用人ではなく、かつ利害関係者と資本関係を有していない独立した者であることを要します。)による鑑定評価額。但し、利害関係者が本投資法人への譲渡を前提に、一時的にSPC等の組成を行うなどして負担した合理的かつ適正な費用が存する場合は、当該費用を鑑定評価額に加えた額を上限とします。なお、取得価格には、税金、取得費用、信託設定に要する費用、信託勘定内の積立金及び信託収益並びに固定資産税等の期間按分精算額等を含みません。
b.その他の資産
時価。但し、時価が算定できない場合には、資産運用会社から独立した専門家により算定された合理的な評価額とします。
(ロ)資産の譲渡
利害関係者に対して運用資産を売却する場合の価格は、運用資産の種類に従い、以下の金額を下限とします。
a.不動産及び不動産信託受益権
不動産鑑定士(但し、利害関係者の役員又は使用人ではなく、かつ利害関係者と資本関係を有していない独立した者であることを要します。)による鑑定評価額。
b.その他の資産
時価。但し、時価が算定できない場合には、資産運用会社から独立した専門家により算定された合理的な評価額とします。
(ハ)不動産の賃貸
利害関係者に対して運用資産を賃貸する場合は、第三者作成のマーケットデータ又は意見書に基づき、市場相場及び同種の物件の標準的な賃貸条件等を総合的に勘案して、適正な賃貸条件によらなければなりません。
(ニ)プロパティ・マネジメント業務の委託
利害関係者に対し、運用資産のプロパティ・マネジメント業務を委託する場合には、複数の業者からの見積を取得の上、当該業務受託の実績等を勘案した合理的な契約条件によらなければなりません。
(ホ)不動産等の売買及び賃貸の媒介業務の委託
a.利害関係者が本投資法人の運用資産に係る売買の媒介を行った場合に、本投資法人から当該利害関係者に対して支払われる報酬は、売買価格の3%(消費税等相当額別)を上限として、売買価格、業務の難易度等を判断の上、合理的な金額によらなければなりません。
b.利害関係者が本投資法人の運用資産に係る賃貸の媒介を行った場合に、本投資法人から当該利害関係者に対して支払われる報酬は、契約賃料の1ヶ月分相当を上限として、契約賃料、業務の難易度等を判断の上、合理的な金額によらなければなりません。
(へ)工事の発注
利害関係者に対し、運用資産に係る工事を発注する場合には、複数の業者からの見積を取得の上、工事の難易度、工事期間等を勘案した合理的な契約条件によらなければなりません。
④ 利害関係者との取引に関する手続
利害関係者との間で前記「③ 利害関係者との取引」を行う場合、社内規程の定めに従い、当該利害関係者との間の取引内容につき、1件当たりの契約金額(注)が1千万円を下回る場合を除いて、以下の手続を経るものとします。
(注)契約金額の基準につき、運用資産の賃貸については、当該賃貸借期間の合計金額を基準とします。
(イ)担当部は、利害関係者との取引の検討を行う場合、取引の種類に応じ、以下に定める書類を取締役会に提出します。
a.運用資産の取得又は譲渡
(不動産又は不動産信託受益権の場合)
不動産鑑定評価書
(それ以外の場合)
当該資産の時価を示す書類又は不動産鑑定評価書に準ずる書類
b.運用資産の賃貸
第三者作成のマーケットデータ又は意見書
c.運用資産に係るプロパティ・マネジメント業務の委託
複数の業者からの見積書
d.運用資産に係る工事の発注
複数の業者からの見積書
(ロ)利害関係者との取引に関する取締役会の承認手続に先立ち、コンプライアンス・オフィサーによる審査並びにDOI投資委員会及びコンプライアンス委員会での審議を経るものとします。
(ハ)全員出席の取締役会における全会一致の承認を得ることとします。なお、当該利害関係者の役職員を兼職している取締役は、当該決議において議決権を行使することができず、この行使することができない議決権は、出席した取締役の議決権には算入しないものとします。また、DOI投資委員会及びコンプライアンス委員会の審議においても同様とします。
(ニ)投信法上の利害関係人等との間で、投信法上の利害関係人等取引を行おうとするときは、上記(イ)乃至(ハ)の手続きを経た後、投信法上の利害関係人等取引に着手する前に、本投資法人役員会の承認に基づく本投資法人の同意を得るものとします。但し、当該取引が投信法施行規則第245条の2第1項各号に掲げる取引に該当する場合は、この限りではありません。
なお、上記に基づき、本投資法人の役員会の承認を求めた場合において、当該役員会が投信法上の利害関係人等取引を承認せず、資産運用会社に対してその中止又は内容の変更を指示した場合、資産運用会社は、内容の変更の指示を受けたものについては、内容の変更を行った後(但し、上記(イ)乃至(ハ)の手続きを経る必要がある場合には、変更後の内容につき、当該手続を経た後)でなければ、再度、本投資法人の役員会にその承認を求めることができないものとします。また、本投資法人の役員会から当該投信法上の利害関係人等取引の中止の指示を受けた場合、これを廃案にするものとします。
① 利益相反取引の制限
資産運用会社は、法令の定めるところにより、利害関係人等との取引について次の行為を行うことが禁じられています。
(イ)資産運用会社が自己又はその取締役若しくは執行役との間における取引を行うことを内容とした運用を行うこと(金融商品取引法第42条の2第1号)。但し、投資者の保護に欠け、若しくは取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるおそれのないものとして業府令第128条で定めるものを除きます。
(ロ)資産運用会社が自己の監査役、役員に類する役職にある者又は使用人との間における取引を行うことを内容とした運用を行うこと(業府令第128条各号に掲げる行為を除きます。)(金融商品取引法第42条の2第7号、業府令第130条第1項第1号)。
(ハ)資産運用会社は、法令の定めるところにより、以下のとおりその親法人等又は子法人等が関与する行為につき禁止行為が定められています(金融商品取引法第44条の3第1項、投信法第223条の3第3項、投信法施行令第130条第2項)。ここで、「親法人等」とは、金融商品取引業者の総株主等の議決権の過半数を保有していることその他の当該金融商品取引業者と密接な関係を有する法人その他の団体として金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)で定める要件に該当する者をいい(金融商品取引法第31条の4第3項)、「子法人等」とは、金融商品取引業者が総株主等の議決権の過半数を保有していることその他の当該金融商品取引業者と密接な関連を有する法人その他の団体として金融商品取引法施行令で定める要件に該当するものをいいます(金融商品取引法第31条の4第4項)。
a.通常の取引と異なる条件であって取引の公正を害するおそれのある条件で、当該金融商品取引業者の親法人等又は子法人等と有価証券の売買その他の取引、店頭デリバティブ取引又は対象資産の売買その他の取引を行うこと(金融商品取引法第44条の3第1項第1号)。
b.当該金融商品取引業者との間で金融商品取引法第2条第8項各号に掲げる行為に関する契約を締結することを条件としてその親法人等又は子法人等がその顧客に対して信用を供与していることを知りながら、当該顧客との間で当該契約を締結すること(同項第2号)。
c.当該金融商品取引業者の親法人等又は子法人等の利益を図るため、その行う投資助言業務に関して取引の方針、取引の額若しくは市場の状況に照らして不必要な取引を行うことを内容とした助言を行い、又はその行う投資運用業に関して運用の方針、運用財産の額若しくは市場の状況に照らして不必要な取引を行うことを内容とした運用を行うこと(同項第3号)。
d.aからcまでに掲げるもののほか、当該金融商品取引業者の親法人等又は子法人等が関与する行為であって投資者の保護に欠け、若しくは取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるおそれのあるものとして業府令に定める行為(同項第4号、業府令第153条)。
② 利害関係人等との取引における役員会の承認
資産運用会社は、登録投資法人の委託を受けて当該登録投資法人の資産の運用を行う場合において、当該登録投資法人と当該資産運用会社の利害関係人等とのa.有価証券の取得又は譲渡、b.有価証券の貸借、c.不動産の取得又は譲渡、又は、d.不動産の貸借(当該登録投資法人の資産に及ぼす影響が軽微なものとして投信法施行規則で定めるものを除きます。)が行われることとなるときは、当該資産運用会社は、あらかじめ、当該登録投資法人の同意を得なければなりません(投信法第201条の2第1項)。この場合、執行役員は、当該同意を与えるためには、役員会の承認を受けなければなりません(同条第2項)。
資産運用会社は、その制定する「利益相反対策ルール」において、本投資法人のために、投信法上の利害関係人等との間で、上記a.乃至d.の取引(以下「投信法上の利害関係人等取引」といいます。)を行おうとするときは、あらかじめ(但し、資産運用会社の定める社内手続を経る必要がある場合は、当該手続を経た後で、投信法上の利害関係人等取引に着手する前に)、本投資法人役員会の承認に基づく本投資法人の同意を得なければならないものとしています。但し、当該取引が投信法施行規則第245条の2第1項各号に掲げる取引に該当する場合は、この限りではありません。なお、資産運用会社が本投資法人の役員会の承認を求めた場合において、当該役員会が投信法上の利害関係人等取引を承認せず、資産運用会社に対してその中止又は内容の変更を指示した場合、資産運用会社は、内容の変更の指示を受けたものについては、内容の変更を行った後(但し、資産運用会社の定める社内手続を経る必要がある場合は、変更後の内容につき、当該手続を経た後)でなければ、再度、本投資法人の役員会にその承認を求めることができないものとします。また、本投資法人の役員会から当該投信法上の利害関係人等取引の中止の指示を受けた場合、これを廃案にするものとします。
③ 利益相反のおそれがある場合の書面の交付
資産運用会社は、資産の運用を行う投資法人と自己又はその取締役若しくは執行役、資産の運用を行う他の投資法人、利害関係人等その他の投信法施行令で定める者との間における特定資産(投信法に定める指定資産及び投信法施行規則で定めるものを除きます。以下、本項において同じ意味で用います。)の売買その他の投信法施行令で定める取引が行われたときは、投信法施行規則で定めるところにより、当該取引に係る事項を記載した書面を当該投資法人、資産の運用を行う他の投資法人(当該特定資産と同種の資産を投資の対象とするものに限ります。)その他投信法施行令で定める者に対して交付しなければなりません(投信法第203条第2項)。但し、資産運用会社は、かかる書面の交付に代えて投信法施行令に定めるところにより、当該資産の運用を行う投資法人、資産の運用を行う他の投資法人(当該特定資産と同種の資産を投資の対象とするものに限ります。)その他投信法施行令で定める者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって投信法施行規則に定めるものにより提供することができます(投信法第203条第4項、第5条第2項)。
④ 資産の運用の制限
登録投資法人は、a.その執行役員又は監督役員、b.その資産運用会社、c.その執行役員又は監督役員の親族(配偶者並びに二親等以内の血族及び姻族に限ります。)、d.その資産運用会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含みます。以下同じです。)、監査役若しくは執行役若しくはこれらに類する役職にある者又は使用人との間で次に掲げる行為その他投信法施行令で定める取引(投資主の保護に欠けるおそれが少ないと認められる行為として投信法施行令で定める行為を除きます。)を行ってはなりません(投信法第195条、第193条、投信法施行令第116条乃至第118条)。
(イ)有価証券の取得又は譲渡
(ロ)有価証券の貸借
(ハ)不動産の取得又は譲渡
(ニ)不動産の貸借
(ホ)不動産の管理の委託
なお、投信法施行令第117条において、ⅰ.資産運用会社に宅地又は建物の売買又は貸借の代理又は媒介を行わせること、ⅱ.不動産の管理業務を営む資産運用会社に不動産の管理を委託すること等が認められています。
⑤ 特定資産の価格等の調査
投信法第201条及びこれに関する法令等により定められた特定資産(土地若しくは建物又はこれらに関する権利若しくは資産であって投信法施行令で定めるものに限ります。)について取得又は譲渡が行われた場合は、不動産鑑定士であって、資産運用会社の利害関係人等でない者による当該特定資産に係る不動産の鑑定評価を受けるものとします(投信法第201条第1項)。但し、当該取得又は譲渡に先立って鑑定評価を取得している場合は改めて取得する必要はありません(同項但書)。
また、ここで規定する価格等の調査は、利害関係人等以外の第三者との間で取引が行われた場合にも、実施しなければならないことに留意します。
(2)利益相反対策ルール
資産運用会社は、資産運用業務に関する取引を行う上で、自己又は利害関係者との取引に係る規程を大要以下のとおり定めています。
① 法令の遵守
資産運用会社は、利害関係者との間において、本投資法人の利益を害する取引又は不必要な取引を行ってはなりません。利害関係者と取引を行う場合は、投信法、投信法施行令、投信法施行規則及び利益相反対策ルールの定めを遵守するものとします。
② 利害関係者
利害関係者とは次の者をいいます。
(イ)投信法に規定される利害関係人等
(ロ)資産運用会社の発行済株式の100分の5以上を保有している株主及び資産運用会社の子会社
(ハ)上記(イ)又は(ロ)に該当する者が過半の出資、匿名組合出資又は優先出資を行っている、又は上記(イ)又は(ロ)に該当する者の役職員が役員に就任している特別目的会社
(ニ)資産運用会社、上記(イ)又は(ロ)に該当する者へ物件の取得、売却等に係るアセット・マネジメント業務を委託している顧客
③ 利害関係者との取引
利益相反対策ルールにおいては以下に定める取引毎に、以下のとおりの条件を定めています。
(イ)資産の取得
利害関係者から運用資産を取得する場合の価格は、運用資産の種類に従い、以下の金額を上限とします。
a.不動産及び不動産信託受益権
不動産鑑定士(但し、利害関係者の役員又は使用人ではなく、かつ利害関係者と資本関係を有していない独立した者であることを要します。)による鑑定評価額。但し、利害関係者が本投資法人への譲渡を前提に、一時的にSPC等の組成を行うなどして負担した合理的かつ適正な費用が存する場合は、当該費用を鑑定評価額に加えた額を上限とします。なお、取得価格には、税金、取得費用、信託設定に要する費用、信託勘定内の積立金及び信託収益並びに固定資産税等の期間按分精算額等を含みません。
b.その他の資産
時価。但し、時価が算定できない場合には、資産運用会社から独立した専門家により算定された合理的な評価額とします。
(ロ)資産の譲渡
利害関係者に対して運用資産を売却する場合の価格は、運用資産の種類に従い、以下の金額を下限とします。
a.不動産及び不動産信託受益権
不動産鑑定士(但し、利害関係者の役員又は使用人ではなく、かつ利害関係者と資本関係を有していない独立した者であることを要します。)による鑑定評価額。
b.その他の資産
時価。但し、時価が算定できない場合には、資産運用会社から独立した専門家により算定された合理的な評価額とします。
(ハ)不動産の賃貸
利害関係者に対して運用資産を賃貸する場合は、第三者作成のマーケットデータ又は意見書に基づき、市場相場及び同種の物件の標準的な賃貸条件等を総合的に勘案して、適正な賃貸条件によらなければなりません。
(ニ)プロパティ・マネジメント業務の委託
利害関係者に対し、運用資産のプロパティ・マネジメント業務を委託する場合には、複数の業者からの見積を取得の上、当該業務受託の実績等を勘案した合理的な契約条件によらなければなりません。
(ホ)不動産等の売買及び賃貸の媒介業務の委託
a.利害関係者が本投資法人の運用資産に係る売買の媒介を行った場合に、本投資法人から当該利害関係者に対して支払われる報酬は、売買価格の3%(消費税等相当額別)を上限として、売買価格、業務の難易度等を判断の上、合理的な金額によらなければなりません。
b.利害関係者が本投資法人の運用資産に係る賃貸の媒介を行った場合に、本投資法人から当該利害関係者に対して支払われる報酬は、契約賃料の1ヶ月分相当を上限として、契約賃料、業務の難易度等を判断の上、合理的な金額によらなければなりません。
(へ)工事の発注
利害関係者に対し、運用資産に係る工事を発注する場合には、複数の業者からの見積を取得の上、工事の難易度、工事期間等を勘案した合理的な契約条件によらなければなりません。
④ 利害関係者との取引に関する手続
利害関係者との間で前記「③ 利害関係者との取引」を行う場合、社内規程の定めに従い、当該利害関係者との間の取引内容につき、1件当たりの契約金額(注)が1千万円を下回る場合を除いて、以下の手続を経るものとします。
(注)契約金額の基準につき、運用資産の賃貸については、当該賃貸借期間の合計金額を基準とします。
(イ)担当部は、利害関係者との取引の検討を行う場合、取引の種類に応じ、以下に定める書類を取締役会に提出します。
a.運用資産の取得又は譲渡
(不動産又は不動産信託受益権の場合)
不動産鑑定評価書
(それ以外の場合)
当該資産の時価を示す書類又は不動産鑑定評価書に準ずる書類
b.運用資産の賃貸
第三者作成のマーケットデータ又は意見書
c.運用資産に係るプロパティ・マネジメント業務の委託
複数の業者からの見積書
d.運用資産に係る工事の発注
複数の業者からの見積書
(ロ)利害関係者との取引に関する取締役会の承認手続に先立ち、コンプライアンス・オフィサーによる審査並びにDOI投資委員会及びコンプライアンス委員会での審議を経るものとします。
(ハ)全員出席の取締役会における全会一致の承認を得ることとします。なお、当該利害関係者の役職員を兼職している取締役は、当該決議において議決権を行使することができず、この行使することができない議決権は、出席した取締役の議決権には算入しないものとします。また、DOI投資委員会及びコンプライアンス委員会の審議においても同様とします。
(ニ)投信法上の利害関係人等との間で、投信法上の利害関係人等取引を行おうとするときは、上記(イ)乃至(ハ)の手続きを経た後、投信法上の利害関係人等取引に着手する前に、本投資法人役員会の承認に基づく本投資法人の同意を得るものとします。但し、当該取引が投信法施行規則第245条の2第1項各号に掲げる取引に該当する場合は、この限りではありません。
なお、上記に基づき、本投資法人の役員会の承認を求めた場合において、当該役員会が投信法上の利害関係人等取引を承認せず、資産運用会社に対してその中止又は内容の変更を指示した場合、資産運用会社は、内容の変更の指示を受けたものについては、内容の変更を行った後(但し、上記(イ)乃至(ハ)の手続きを経る必要がある場合には、変更後の内容につき、当該手続を経た後)でなければ、再度、本投資法人の役員会にその承認を求めることができないものとします。また、本投資法人の役員会から当該投信法上の利害関係人等取引の中止の指示を受けた場合、これを廃案にするものとします。