有価証券報告書(内国投資証券)-第21期(平成28年3月1日-平成28年8月31日)
(1)【投資方針】
本投資法人と本資産運用会社との間で締結された資産運用委託契約の規定に従い、本資産運用会社は、本投資法人の資産の運用及び管理に係る方針につき、以下のとおり、その社内規程として資産運用ガイドラインを制定しています。
① 基本方針
(イ)基本方針
本投資法人は、その規約に従い、投資主価値の最大化を目的とし、中長期的観点から、安定的な収益の確保と着実な運用資産の成長を目指して運用を行います(規約第26条第1項)。
本投資法人より資産運用の委託を受けた本資産運用会社は、この規約上の目的を達成するため、規約に基づき、その社内規程として資産運用ガイドラインを設定し、「アコモデーション資産への投資」と「三井不動産グループの活用」という2つの戦略を採用します。
a.アコモデーション資産への投資
本投資法人は、主として居住の用に供される不動産(複数の不動産で一体開発若しくは一体利用されている場合を含みます。以下同じとします。)が本体又は裏付けとなっている不動産関連資産(後記「(2)投資対象 ① 投資対象とする資産の種類、内容等(イ)」に掲げる資産をいいます。)に対して投資を行います(規約第27条第2項)。
人々のライフスタイルや家族構成の変化に伴い、そのさまざまなニーズに対応する形態の居住用不動産が社会において大きな需要となっており、現在開発されている不動産はこのような社会の変化と新しいニーズを踏まえたものとなっています。本投資法人は、このような社会構造やニーズの変化の中で、主として居住の用に供される不動産のうち、「賃貸住宅」、「学生寮」・「学生マンション」、「サービスアパートメント」、「シニア住宅」、「社宅」を「アコモデーション資産」と定義付け、これらを本投資法人の投資対象とします。
(注)「アコモデーション(Accommodation)」という言葉の由来となっている“Accommodate”という英語表現には、「人に便宜をはかる」という意味があります。
本投資法人は入居者の多様なニーズに対応した居住・滞在空間において、入居者のウォンツ(要望・要請)に対応した便宜、すなわちアコモデーションを提供することが、居住・滞在空間であるアコモデーション資産の価値の最大化に資すると考えています。
本投資法人は、居住・滞在時間が比較的長い「賃貸住宅」から短期居住の「サービスアパートメント」に至るまで、これらを、本投資法人の目指すアコモデーション資産として適切に運用していくことにより安定的な収益の確保を目指します。
b.三井不動産グループの活用
アコモデーション資産とは、上記のとおり居住・滞在空間を提供する資産であるため、本投資法人は、企画・開発から管理・運営に至るまで統一的な品質管理(トータル・クオリティ・マネジメント)の下、事業が遂行されることが重要と考えています。そのため、このようなノウハウと経験を有する三井不動産並びにその子会社及び関連会社(以下併せて「三井不動産グループ」といいます。)を、本投資法人の資産運用に積極的かつ最大限活用することを基本方針とします。
このような基本方針に従い、本資産運用会社は、三井不動産レジデンシャル、三井不動産リアルティ及び三井不動産レジデンシャルリースそれぞれとの間で、以下の契約を締結しています。
(※)本資産運用会社は、三井不動産との間で不動産情報・アドバイザリーサービス提供に関する契約を締結(平成18年2月23日付)していましたが、三井不動産の賃貸住宅事業に関する権利義務は、会社分割により平成27年10月1日付で三井不動産レジデンシャルへ承継されました。かかる承継に伴い、同契約(その後の変更契約を含みます。)に基づく三井不動産の権利義務は、平成27年10月1日付けで三井不動産レジデンシャルへ承継されています。
(ロ)アコモデーション資産への投資
今後も本投資法人の物件取得戦略の中心は「賃貸住宅」の安定的な取得ですが、資産規模の拡大によって収益基盤に一定の安定性が実現され、また、「賃貸住宅」以外の「その他アコモデーション資産」の投資市場も一部のカテゴリーにおいては成熟度を増してきたものとの認識から、「その他アコモデーション資産」についても取得を開始しています。
(注)「その他アコモデーション資産」とは、前記「(イ)基本方針 a.アコモデーション資産への投資」記載の「アコモデーション資産」のうち、「学生寮」・「学生マンション」、「サービスアパートメント」、「シニア住宅」、「社宅」をいいます。以下同じとします。
a.「賃貸住宅」
賃貸住宅への投資には、「賃貸住宅の供給」「賃貸住宅に対する需要」「賃貸住宅の収益の安定性」といった側面において以下のような特徴・特性があると認識しています。
(i)賃貸住宅の供給
2000年頃までの賃貸住宅は、資産有効活用を目的とする土地所有者(個人)や地方公共団体、独立行政法人都市再生機構を代表とする公的セクターからの供給が主でした。
これらの賃貸住宅は、耐震、防犯、収納、遮音、断熱等の基本性能の他、総合的なグレード感や管理サービスにおいて、分譲住宅に劣っていたことを否めません。しかし、21世紀に入り、J-REITをはじめとした不動産ファンドの出現をきっかけに、民間デベロッパーによる投資に資する質の高い賃貸住宅の供給が増加しました。分譲住宅購入までの仮の住処でなく、それに代わる選択肢としての賃貸住宅の供給が新たな需要を生む状況になってきています。
(ⅱ)賃貸住宅に対する需要
わが国の総人口は将来的に減少傾向にあると予想されていますが、少子高齢化や核家族化の進行により、単身世帯、エンプティ・ネスト世帯(子供が巣立った後の夫婦世帯)等の小規模世帯は逆に増加することが予想され、また社会(特に大都市)における就労環境の変化や、より高い生活利便性を求めて都心居住が進行する等、ライフスタイルが変化しており、人口の減少に比して世帯数は安定的に推移するものと推計されています。
また、上記のような分譲住宅並みの質を持つ賃貸住宅の供給を背景としたライフスタイルの多様化に応じた持ち家から賃貸住宅へのシフトや、持ち家を所有しつつ賃貸住宅を含めた複数の住宅を使い分けるライフスタイルの動き等もあり、賃貸住宅に対する需要予測にあたり、このような視点からも検討することとします。
(ⅲ)賃貸住宅の収益の安定性
賃貸住宅に対する出費は、「衣・食・住」という生活上、必要不可欠な出費のひとつであるために、一般的には景気や資産価格の変動に影響を受けにくく安定的であるという特徴があります。過去においても賃貸住宅の賃料は安定的に推移してきています。さらに賃貸住宅はその特質として、オフィスビル等の法人向け中心の賃貸用不動産の場合と比較して賃貸借契約が小口化されており、またそれぞれの賃貸借契約時期や更新・解約時期に差があるため、賃貸住宅の資産ポートフォリオ全体において、一挙に大量の空室が発生し、又は賃料水準が一挙に上下動するリスクが相対的に低く、他の用途の不動産と比較しても収益の変動可能性がより低いことが挙げられます。
また、賃貸住宅は、一般的に物件規模やテナント規模がオフィスビル等に比較すると小さく、物件数やテナント数で分散されたポートフォリオ構築が可能であり、このような特質を持つ賃貸住宅への投資は、本投資法人の基本方針である「安定的な収益の確保」に本質的に適合する投資対象と考えられます。さらに本投資法人の投資対象とする良質な賃貸住宅は、賃貸住宅ストックの中でも供給量が少ないため稀少性の高い存在であり、市場競争力と資産性を確保することができると考えます。
b.「その他アコモデーション資産」
「賃貸住宅」以外の「その他アコモデーション資産」である、「学生寮」・「学生マンション」、「サービスアパートメント」、「シニア住宅」、「社宅」についても投資を行います。但し、「賃貸住宅」と同様に、投資を行う場合は、投資採算性、マーケット環境等を検討の上、個別物件の選定を行います。
本書において「学生寮」・「学生マンション」、「サービスアパートメント」、「シニア住宅」、「社宅」とは主として以下のとおりであり、本投資法人が投資を行う場合、以下の諸点に配慮して慎重に投資判断を行います。
以下の表は、「賃貸住宅」「学生寮」・「学生マンション」「サービスアパートメント」「シニア住宅」「社宅」の位置付けを示したものです。
(ハ)三井不動産グループの活用
本投資法人は、三井不動産グループが有する情報収集力、住宅開発能力、管理運営能力等の総合力を、本投資法人の外部成長及び内部成長に積極的かつ最大限活用するものとします。また、本投資法人が運営上で得られたテナントのウォンツ・ニーズを三井不動産グループにフィードバックすることでさらに付加価値を高め、賃貸住宅開発能力、管理運営能力の向上を図り、外部成長及び内部成長に活かすものとします。
a.三井不動産グループの「バリューチェーン」の活用
三井不動産グループは、賃貸住宅のマーケティング、用地選定・取得、企画・開発からリーシング、管理・運営に至るまでのそれぞれの業務を行うグループ会社を擁し、賃貸住宅に関するすべての業務をグループ内で完結する一貫した業務体制を有しており、全体で一つの有機的なバリューチェーン(価値連鎖)として既に機能しているといえます。
本投資法人がその資産運用を遂行するにあたり、このようなバリューチェーンを有する三井不動産グループのグループ各社がそれぞれのフェーズ(段階)において業務を遂行します。
(ⅰ)三井不動産グループの「バリューチェーン」(賃貸住宅の開発、管理・運営業務一貫体制)
以下の表は、賃貸住宅の開発、管理・運営業務の各フェーズにおける一連の業務の内容を示したものです。
三井不動産グループは、以上の表のような一連の賃貸住宅の開発、管理・運営業務を一貫して遂行できる体制を構築しています。以下は、各フェーズにおける三井不動産グループ各社の役割分担を図で示したものです。
(ⅱ)三井不動産グループとの各種サポート契約の締結
上記のとおり三井不動産グループは賃貸住宅について全体として一つの有機的なバリューチェーンを有しており、本投資法人は、この三井不動産グループの持つ賃貸住宅における総合力とバリューチェーンを活用して、そのポートフォリオを構築し、管理・運営します。
このために、本資産運用会社は、本投資法人の資産運用業務の確実かつ円滑な遂行のため、三井不動産との間で平成18年2月23日付にて不動産情報・アドバイザリーサービス提供に関する契約(以下「不動産情報・アドバイザリーサービス提供契約」といいます。)を締結し(三井不動産の賃貸住宅事業に関する権利義務は、会社分割により平成27年10月1日付で三井不動産レジデンシャルへ承継されています。かかる承継に伴い、同契約に基づく三井不動産の権利義務は、平成27年10月1日付で三井不動産レジデンシャルへ承継されています。)、三井不動産リアルティとの間で平成18年3月31日付にて不動産仲介情報提供等に関する覚書(以下「物件情報提供に関する覚書」といいます。)を締結し、また三井不動産レジデンシャルリースとの間で平成18年3月31日付にてプロパティ・マネジメント業務に関する基本合意書(以下「プロパティ・マネジメント基本合意書」といいます。)を締結し、更に、三井不動産レジデンシャルとの間で平成19年9月26日付にて不動産情報提供に関する契約を締結しました。
b.三井不動産グループを活用したポートフォリオ構築方針
本投資法人は、三井不動産グループの賃貸住宅における総合力とバリューチェーンを活用してそのポートフォリオを構築します。
本書の日付現在で保有する運用資産のうち、大川端賃貸棟、芝浦アイランドエアタワー及び「パークアクシス」シリーズは、企画、開発から管理・運営までの全ての業務を三井不動産グループが一貫して遂行した賃貸住宅です。「パークキューブ」シリーズは、三井不動産グループ以外の他社が企画、開発を行った物件で、三井不動産グループが持つ技術力やノウハウに基づく設計・品質等の確認を行った賃貸住宅です。
本投資法人は、今後も「パークアクシス」シリーズを中心に、三井不動産グループの総合力を活用しながらポートフォリオを構築していく方針とします。
② 「賃貸住宅」の成長戦略
(イ)外部成長
本投資法人は、「a.三井不動産レジデンシャルとの不動産情報・アドバイザリーサービス提供契約の活用」、「b.三井不動産グループの情報力・情報ネットワークの活用」、「c.本資産運用会社独自の情報収集」、以上3つの物件情報収集ルートを活用することにより、競争力の高い優良物件を取得し、着実な外部成長を目指します。
a.三井不動産レジデンシャルとの不動産情報・アドバイザリーサービス提供契約の活用
本投資法人は、三井不動産グループが開発するアコモデーション資産を安定的かつ継続的に取得することに努めます。また、三井不動産レジデンシャルに集まる物件情報のうち、本投資法人が取得可能な物件に関する情報は、この不動産情報・アドバイザリーサービス提供契約に基づいて収集、活用し、本投資法人による物件取得に繋げます。不動産情報・アドバイザリーサービス提供契約の内容は主として以下のとおりです。
本投資法人がその運用資産を取得し管理運営するにあたり、三井不動産レジデンシャルの情報とノウハウを活用するため、三井不動産レジデンシャルは不動産情報・アドバイザリーサービス提供契約に基づき多様なサポートを本資産運用会社に提供します。
三井不動産レジデンシャル及び本資産運用会社は、互いに自由に不動産等の売買を行うことを原則とし、本投資法人による不動産等の売買は、いかなる意味においても制限されません。不動産情報・アドバイザリーサービス提供契約の概要は以下の表のとおりです。
b.三井不動産グループの情報力・情報ネットワークの活用
本投資法人は、三井不動産リアルティ、三井不動産レジデンシャルをはじめとするグループ各社の広範な情報ネットワークを活用し、良質なアコモデーション資産の取得機会獲得に努めます。なお、本資産運用会社は三井不動産リアルティ及び三井不動産レジデンシャルとの間で物件情報提供に関する覚書等を締結しています。概要は以下の表のとおりです。
c.本資産運用会社独自の情報収集
本資産運用会社は、三井不動産グループからの物件情報獲得に加え、今後、本資産運用会社独自の情報収集ルートも開拓し、良質なアコモデーション資産の取得に努めます。
(ロ)内部成長
本投資法人は、以下に記載のとおり、「a.本投資法人の運用資産におけるブランド戦略の推進」、「b.三井不動産グループのノウハウを活かした管理・運営」、「c.資産価値維持のための施策」により、賃料、稼働率の維持・向上やコスト削減を図り、確実な内部成長を目指します。
a.本投資法人の運用資産におけるブランド戦略の推進
本投資法人は、運用資産のうち大川端賃貸棟及び芝浦アイランドエアタワーを除く「賃貸住宅」については、原則として「パークアクシス」シリーズ及び「パークキューブ」シリーズによりポートフォリオを構築していく方針です。
本資産運用会社は、「パークアクシス」シリーズ及び「パークキューブ」シリーズのブランド化の推進を図ることが、本投資法人の資産ポートフォリオの一体的価値向上に資すると考えており、三井不動産グループとの協働により、両シリーズを運用資産における商品ブランドとして確立することを目指します。
(ⅰ)商品ブランドの確立
本資産運用会社は、現在の賃貸住宅に求められるさまざまな機能、性能を備えた賃貸住宅への投資が投資主の価値の最大化に資すると考えています。本投資法人の運用資産である「パークアクシス」シリーズ等は、原則として以下のような特性をもつ賃貸住宅です。
(ⅱ)テナントに対するサービス・サポートの充実によるブランド戦略の推進
本資産運用会社は、テナントに対するサービス・サポートの充実により、利便性と快適性の向上を図り、競合物件との差別化を実現するブランド戦略を推進します。
本投資法人の「賃貸住宅」においては、マスター・プロパティ・マネジメント会社である三井不動産レジデンシャルリースにより、さまざまなサービスとサポートが提供される体制が整えられています。
以下は、本投資法人の運用資産において既に提供されているサービス・サポートの概要を記載したものです。これらは、すべての運用資産において提供されているわけではありませんが、本投資法人は、今後、このようなサービス・サポートをさらに充実させていきます。
b.三井不動産グループのノウハウを活かした管理・運営
本投資法人は、専門性の高い三井不動産グループ各社のノウハウを活用した最適な管理・運営体制の下、資産価値を長期的に維持することにより、賃料、稼働率の維持、向上に努めます。
本投資法人は、中長期的な管理・運営業務の品質の維持向上及び効率化を目指し、三井不動産レジデンシャルリースをマスター・プロパティ・マネジメント会社として選定しています。
(ⅰ)マスターリース及びプロパティ・マネジメント業務
本投資法人は、運用資産及び将来取得する運用資産に関するマスターリース及びプロパティ・マネジメント業務を、原則として、三井不動産レジデンシャルリースに一括委託する方針です。本書の日付現在において、芝浦アイランドエアタワー以外の「賃貸住宅」に関する上記業務を、三井不動産レジデンシャルリースに一括委託しています。物件の管理・運営に関するデータを三井不動産レジデンシャルリースが一元管理することで業務遂行の確実性の向上と効率化を図ります。本資産運用会社は三井不動産レジデンシャルリースとの間で平成18年3月31日付にて、プロパティ・マネジメント基本合意書を締結済みです。
三井不動産レジデンシャルリースは、本投資法人が将来取得する運用資産について、本資産運用会社が要請した場合、原則として当該運用資産のマスターリース会社となり、かつ当該運用資産のプロパティ・マネジメント業務をすべて受託することになります。
三井不動産レジデンシャルリースが行うプロパティ・マネジメント業務のうち主要な業務は以下のとおりです。
賃貸管理業務
・リーシング業務
・契約関連業務
・出入金業務
・テナント対応業務(入退居を含む)
建物管理業務
・建物・設備の保守、点検
・建物維持管理プランの策定
・建物・設備の修理、改修、更新の実施
本資産運用会社に対するレポーティング業務
以下、マスター・プロパティ・マネジメント会社から再委託される主要な業務の概要を記載します。
(ⅱ)リーシング
本投資法人は、「賃貸住宅」のリーシングを三井不動産レジデンシャルリースに委託しています。三井不動産レジデンシャルリースは、レジデントファースト株式会社(三井不動産レジデンシャルリース100%子会社、以下「レジデントファースト」といいます。)を中心に賃貸仲介会社のネットワークを活用してリーシングを行っています。
レジデントファーストは、三井不動産グループ内において賃貸住宅のリーシング機能を担う会社として、深いブランド理解の下、顧客に直接営業することによって、より効率的なリーシングを行っています。
(ⅲ)建物共用部管理
建物共用部管理業務(ビルメンテナンス)は、資産価値の維持、向上に関して最も重要な業務のひとつです。本資産運用会社はプロパティ・マネジメント会社を通じ、建物共用部管理を建物管理会社に再委託しています。建物管理会社は、コスト及び提供されるサービスのレベルを考慮の上、物件特性に応じて決定されます。
三井不動産グループには、建物管理会社として三井不動産レジデンシャルサービス株式会社(以下「三井不動産レジデンシャルサービス」といいます。)があります。三井不動産レジデンシャルサービスは三井不動産グループが分譲したマンションを中心に、幅広いタイプのマンションにおいて建物共用部管理を行っています。本投資法人も三井不動産レジデンシャルサービスを建物管理会社のひとつとして、長期的競争力の維持のためにその建物管理能力を活用していく方針です。
c.資産価値維持のための施策
本投資法人は、プロパティ・マネジメント会社を通じて運用資産の状況やテナントの満足度を常時注視し、最適な修繕計画の策定に努めます。また修繕計画の実施にあたっては、三井不動産グループ各社の技術力や分譲住宅事業においても蓄積されたノウハウを活用し、有効かつ効果的な方法を選択します。
本投資法人が保有する大川端賃貸棟(昭和63年及び平成1年竣工)は、竣工後相当の期間が経過していますが、資本的支出を長期的視点から適切に実施してきています。さらに、住戸内の間取り、仕様の変更等のバリューアップ工事も必要に応じて実施しており、競争力の維持・向上に努めています。
また、大川端賃貸棟以外の運用資産においても、セキュリティ及び競争力向上の観点からの資本支出や、ブランド認知度向上及び入居者アメニティ向上のための資本支出を適時実施しています。
③ ポートフォリオ構築方針
(イ)投資資産の分類別比率
本投資法人は「賃貸住宅」を中心に投資を行い、「賃貸住宅」以外のアコモデーション資産である「その他アコモデーション資産」のポートフォリオ全体に占める割合は、当面の上限につき、10%(取得価格ベース)を目途として運用を行います。
(ロ)投資エリア
本投資法人は、「賃貸住宅」については東京23区を主とした東京圏及び地方中核政令指定都市を、「その他アコモデーション資産」については全国の主要都市並びにそれらの周辺部を基本的な投資エリアとし、それぞれ資産特性に応じた需要に厚みのあるエリアに所在するアコモデーション資産への投資を行います。地域別投資比率は、「賃貸住宅」と「その他アコモデーション資産」を含めたポートフォリオ全体では東京23区内の占める割合を80%以上(取得価格ベース)とします。
個別の投資の検討にあたっては、地域の特性やテナントのニーズを調査検討の上、それらに合致した住戸プラン構成、グレードの物件に投資します。
(注)「東京圏」とは、東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県を、「地方中核政令指定都市」とは、札幌、仙台、名古屋、大阪、京都、神戸、広島、福岡の各都市圏をいいます。
(ハ)投資基準
本資産運用会社は、投資対象となる運用資産の選定にあたっては、以下の表の基準に基づき、投資の可否を判断します。
(ニ)デュー・ディリジェンス基準
本投資法人は、投資対象となる運用資産の選定にあたっては、経済的調査、物理的調査及び法的調査等のデュー・ディリジェンスを資産運用ガイドラインに基づき行います。
デュー・ディリジェンスは、第三者である専門家より各種評価書・報告書を取得し、これらの内容を参考に、原則として下記事項を調査の上、本資産運用会社が投資の可否を総合的に判断します。
④ 不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券への投資方針
(イ)投資基準
本投資法人は、不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券への投資を行う場合には以下の事項を検討して投資を行うものとします。
a.不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券の裏付けとなる不動産等が上記③(ハ)の投資基準に適合した資産であること。
b.不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券の運用対象とされる不動産等の売却時に、本投資法人による取得機会が与えられていること。
(ロ)デュー・ディリジェンス基準
不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券への投資を行う場合は、裏付となる不動産等に関して上記③(ニ)に準じたデュー・ディリジェンスを行うことを原則とします。また、上記③(ニ)の記載事項に加え、原則として下記事項を調査の上、投資の可否を総合的に判断します。
(ハ)投資比率
不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券への投資を行う場合は、本投資法人の資産の総額に対する、不動産に関する匿名組合出資持分及び不動産対応証券の合計額の割合(いずれも直近の簿価による。)が10%以内となるようにします。
⑤「シニア住宅」取得に際しての留意事項
(イ)ヘルスケア施設の取得にかかる専門家の関与方法
本投資法人が、「シニア住宅」取得に際し、ヘルスケア施設(ヘルスケア施設とは、高齢者の居住の安定確保に関する法律第5条に規定する「サービス付き高齢者向け住宅」並びに老人福祉法第29条に規定する「有料老人ホーム」及び同法第5条の2第6項に基づく「認知症高齢者グループホーム」をいう。以下同じ)に該当する資産の取得を行う場合、ヘルスケア施設への投資業務、融資業務、デュー・ディリジェンス業務、不動産鑑定評価業務又はオペレーション業務の経験等により、ヘルスケア施設の事業特性を十分に理解しているコンサルタント会社等の外部専門家から、外部環境分析及び事業計画分析等につき、必要な助言を受けることとします。
(ロ)利用者への配慮事項
ヘルスケア施設の取得を行う場合、利用料及び契約内容等について、利用者に不安を抱かせることのないよう、以下の事項につき、できる限り留意し、本投資法人の資産運用を行うものとします。
a.本投資法人の仕組みの周知
オペレータが利用者に本投資法人の仕組み(例えば、①施設の所有者は本投資法人であり、施設のサービスはオペレータが提供していること、②本投資法人は運用対象施設を長期保有することが原則であること等)を十分に周知させるよう、オペレータに働きかけるとともに、必要に応じ、本資産運用会社が利用者に周知活動を行うよう可能な限り努力します。
b.ヘルスケア施設の適切な運営の確認
利用者の安心感を確保するため、施設の状態、利用料及び契約内容等について、関係法令に適合しているものであるかどうかの確認や、地方公共団体による通知等への対応状況の確認などを行うようできる限り努力します。
c.ヘルスケア施設の適切な運営の確保
利用者の安心感を確保するため、オペレータに対し、利用料及び契約内容等に関して、本投資法人とオペレータの賃貸借契約書又はこれに代わる協定書、覚書等において、オペレータが本投資法人の運用対象となるヘルスケア施設に適用される関係法令に適合し、行政指導に対応した運営を行う旨を表明させるようできる限り努力します。
⑥ ポートフォリオ運営管理方針
(イ)基本運営方針
本資産運用会社は、本投資法人の運用資産の運用等について、年度毎の年度運用計画を作成するものとします。年度運用計画には、運用資産の管理計画、物件資本支出見込(大規模修繕計画を含みます。)等が含まれており、投資委員会によって決定されます。
本資産運用会社は、策定された年度運用計画により、プロパティ・マネジメント会社と協働して運用資産の運営・管理を行い、年度運用計画の見直しが必要となるような著しい環境等の変化が起きた場合には、適宜年度運用計画の修正や見直しを行います。
(ロ)プロパティ・マネジメント会社の選定・モニタリング等
アコモデーション資産、なかでも「賃貸住宅」の管理において特に重要なことは、日常の現場レベルでのテナント管理及び建物管理に関する種々の施策の提案、実施等、業務を遂行するプロパティ・マネジメント会社の果たす役割です。プロパティ・マネジメント業務に精通した高い専門性は勿論のこと、多数の分散された物件・テナントを対象に高品質かつ均質なサービスを提供するための組織的かつ効率的な業務遂行能力が不可欠であると考えています。
本投資法人は、当該要件を満たすプロパティ・マネジメント会社として三井不動産レジデンシャルリースをマスター・プロパティ・マネジメント会社として選定しています。本投資法人は、以下の要件を満たすことを条件として、将来取得する運用資産に関しても原則としてプロパティ・マネジメント業務を三井不動産レジデンシャルリースに委託する予定です。
・本資産運用会社が求める運用業務仕様に基づき、プロパティ・マネジメント業務を遂行できる組織的体制が構築されていること。
・新規テナント募集業務が円滑に遂行されることが可能な体制が構築されていること。
・管理業務報酬が市場水準と比較して妥当な範囲であること。
また、本資産運用会社は、選定したプロパティ・マネジメント会社が選定基準に合致する能力等を維持しているかを定期的にモニタリングし、その結果によっては、改善の指示を行う他、プロパティ・マネジメント会社を変更する場合があります。
なお、「その他アコモデーション資産」カテゴリーにおいては、運用資産の特性に応じて適切と判断する管理形態及びオペレータを選定します。
(ハ)建物損害保険の付保方針
建物損害保険の付保に関しては、火災等の災害や事故により生じる建物の損害又は第三者からの損害賠償請求に対応するため、本投資法人は資産特性に応じ、適正と判断される内容の火災保険及び包括賠償責任保険等の損害保険を付保するものとします。
地震保険の付保に関しては、地震発生時に予想される個別物件及びポートフォリオ全体に対する影響と保険の実効性等とを勘案して総合的に判断します。個別物件の地震予想損失率PML値が20%を上回る場合、又は当該物件が加わることによってポートフォリオ全体のPML値が15%を上回る場合は、災害による影響と保険料負担等を総合的に比較の上、地震保険の付保を検討します。
(ニ)修繕計画及び資本的支出に関する基本方針
本投資法人の運用資産に関する修繕計画については、通常必要とされる経常的支出(小修繕)の他、中長期的な市場競争力及びテナント満足度の維持向上に必要な資本的支出を考慮した営業戦略的な修繕計画とし、必要な修繕と資本的支出を行います。
12年間の中期修繕見込を物件ごとに把握した上で、年度管理計画において1年ごとの修繕計画の策定と見直しを行います。
修繕積立金については、中長期的なポートフォリオ運営を踏まえて、減価償却費と修繕計画を考慮した上で必要な額を積み立てます。資本的支出については、原則としてポートフォリオ全体の修繕積立金の範囲内で実施します。
⑦ 売却方針
本投資法人の運用資産は、原則として中長期にわたり保有することで安定収益を確保することを目的としており、原則として短期的な売却は行いません。
但し、個別運用資産を売却する際には、将来における当該エリアの賃貸マーケット動向、資産価値の増減及びその予測、不動産の劣化又は陳腐化リスク及びそれに対するコスト予測等を検討の上、ポートフォリオ全体が受ける影響等も考慮に入れて総合的に判断します。
⑧ 財務方針
(イ)募集投資口の発行
資産の取得、修繕等、本投資法人の運営に要する資金、又は債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として募集投資口の発行を機動的に行います。
(ロ)デットファイナンス
資産の取得、修繕費若しくは分配金の支払い、本投資法人の運営に要する資金、又は債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として、資金を借入れ(コール市場を通じる場合を含みます。)又は投資法人債(短期投資法人債を含みます。別段の記載がない限り、以下同じとします。)を発行します。資金を借入れる場合は、租税特別措置法に規定する機関投資家からの借入れに限るものとします。また、借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ1兆円とし、その合計額が1兆円を超えないものとします。借入れ又は投資法人債の発行につき、本投資法人は運用資産を担保として提供することができます(規約第35条)。
(ハ)ローン・トゥー・バリュー・レシオ
本投資法人の総資産に対して有利子負債が占める割合(以下「ローン・トゥー・バリュー・レシオ」又は「LTV」といいます。)の上限につき60%を目途としています(但し、資産の取得等に伴い、一時的に60%を超えることがあります。)。
(ニ)デリバティブ
本投資法人が行うデリバティブ取引は、負債から生じる金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的とした運用に限るものとします(規約第29条第2項)。
⑨ 情報開示方針
「開かれた透明性のある投資法人」であることを自ら示し、社会の認知を得ることを開示の方針とします。また全ての投資主に対して正確で偏りのない情報を遅滞なく伝達できる環境を常に整え、情報開示においても投資家に対して“Accommodate”(アコモデート=人に便宜をはかる)との本投資法人の基本方針に合致したものとなるよう努めます。
本投資法人は投信法、金商法、東京証券取引所、投資信託協会等がそれぞれ要請する様式に従って開示を行う他、自主的に投資判断上重要と考える情報を積極的に開示します。
⑩ サステナビリティに関する方針
本資産運用会社は、本投資法人の資産運用会社として、環境への配慮等を始めとしたサステナビリティに関する取り組みが資産運用業務における重要な課題であるとの認識に基づき、三井不動産グループが定める「グループ環境方針」のもと、環境負荷の低減、安全・安心、快適性の向上及び様々な主体との多様な連携・協力に配慮した資産運用業務を行うよう努めます。
本投資法人と本資産運用会社との間で締結された資産運用委託契約の規定に従い、本資産運用会社は、本投資法人の資産の運用及び管理に係る方針につき、以下のとおり、その社内規程として資産運用ガイドラインを制定しています。
① 基本方針
(イ)基本方針
本投資法人は、その規約に従い、投資主価値の最大化を目的とし、中長期的観点から、安定的な収益の確保と着実な運用資産の成長を目指して運用を行います(規約第26条第1項)。
本投資法人より資産運用の委託を受けた本資産運用会社は、この規約上の目的を達成するため、規約に基づき、その社内規程として資産運用ガイドラインを設定し、「アコモデーション資産への投資」と「三井不動産グループの活用」という2つの戦略を採用します。
a.アコモデーション資産への投資
本投資法人は、主として居住の用に供される不動産(複数の不動産で一体開発若しくは一体利用されている場合を含みます。以下同じとします。)が本体又は裏付けとなっている不動産関連資産(後記「(2)投資対象 ① 投資対象とする資産の種類、内容等(イ)」に掲げる資産をいいます。)に対して投資を行います(規約第27条第2項)。
人々のライフスタイルや家族構成の変化に伴い、そのさまざまなニーズに対応する形態の居住用不動産が社会において大きな需要となっており、現在開発されている不動産はこのような社会の変化と新しいニーズを踏まえたものとなっています。本投資法人は、このような社会構造やニーズの変化の中で、主として居住の用に供される不動産のうち、「賃貸住宅」、「学生寮」・「学生マンション」、「サービスアパートメント」、「シニア住宅」、「社宅」を「アコモデーション資産」と定義付け、これらを本投資法人の投資対象とします。
(注)「アコモデーション(Accommodation)」という言葉の由来となっている“Accommodate”という英語表現には、「人に便宜をはかる」という意味があります。
本投資法人は入居者の多様なニーズに対応した居住・滞在空間において、入居者のウォンツ(要望・要請)に対応した便宜、すなわちアコモデーションを提供することが、居住・滞在空間であるアコモデーション資産の価値の最大化に資すると考えています。
本投資法人は、居住・滞在時間が比較的長い「賃貸住宅」から短期居住の「サービスアパートメント」に至るまで、これらを、本投資法人の目指すアコモデーション資産として適切に運用していくことにより安定的な収益の確保を目指します。
b.三井不動産グループの活用
アコモデーション資産とは、上記のとおり居住・滞在空間を提供する資産であるため、本投資法人は、企画・開発から管理・運営に至るまで統一的な品質管理(トータル・クオリティ・マネジメント)の下、事業が遂行されることが重要と考えています。そのため、このようなノウハウと経験を有する三井不動産並びにその子会社及び関連会社(以下併せて「三井不動産グループ」といいます。)を、本投資法人の資産運用に積極的かつ最大限活用することを基本方針とします。
このような基本方針に従い、本資産運用会社は、三井不動産レジデンシャル、三井不動産リアルティ及び三井不動産レジデンシャルリースそれぞれとの間で、以下の契約を締結しています。
| 契約 | 相手方 | 契約締結日 | 主な契約内容 |
| 不動産情報・アドバイザリーサービス提供に関する契約(※) | 三井不動産レジデンシャル | 平成18年2月23日 | 不動産売却情報の提供、不動産運用情報の提供、アドバイザリーサービスの提供等 |
| 不動産情報提供に関する契約 | 平成19年9月26日 | 三井不動産レジデンシャルの保有・開発中の不動産等に係る売却情報の提供等 | |
| 不動産仲介情報提供等に関する覚書 | 三井不動産リアルティ | 平成18年3月31日 | 不動産仲介情報の提供 |
| プロパティ・マネジメント業務に関する基本合意書 | 三井不動産レジデンシャルリース | 平成18年3月31日 | プロパティ・マネジメント業務の包括的な受託 |
(※)本資産運用会社は、三井不動産との間で不動産情報・アドバイザリーサービス提供に関する契約を締結(平成18年2月23日付)していましたが、三井不動産の賃貸住宅事業に関する権利義務は、会社分割により平成27年10月1日付で三井不動産レジデンシャルへ承継されました。かかる承継に伴い、同契約(その後の変更契約を含みます。)に基づく三井不動産の権利義務は、平成27年10月1日付けで三井不動産レジデンシャルへ承継されています。
(ロ)アコモデーション資産への投資
今後も本投資法人の物件取得戦略の中心は「賃貸住宅」の安定的な取得ですが、資産規模の拡大によって収益基盤に一定の安定性が実現され、また、「賃貸住宅」以外の「その他アコモデーション資産」の投資市場も一部のカテゴリーにおいては成熟度を増してきたものとの認識から、「その他アコモデーション資産」についても取得を開始しています。
(注)「その他アコモデーション資産」とは、前記「(イ)基本方針 a.アコモデーション資産への投資」記載の「アコモデーション資産」のうち、「学生寮」・「学生マンション」、「サービスアパートメント」、「シニア住宅」、「社宅」をいいます。以下同じとします。
a.「賃貸住宅」
賃貸住宅への投資には、「賃貸住宅の供給」「賃貸住宅に対する需要」「賃貸住宅の収益の安定性」といった側面において以下のような特徴・特性があると認識しています。
(i)賃貸住宅の供給
2000年頃までの賃貸住宅は、資産有効活用を目的とする土地所有者(個人)や地方公共団体、独立行政法人都市再生機構を代表とする公的セクターからの供給が主でした。
これらの賃貸住宅は、耐震、防犯、収納、遮音、断熱等の基本性能の他、総合的なグレード感や管理サービスにおいて、分譲住宅に劣っていたことを否めません。しかし、21世紀に入り、J-REITをはじめとした不動産ファンドの出現をきっかけに、民間デベロッパーによる投資に資する質の高い賃貸住宅の供給が増加しました。分譲住宅購入までの仮の住処でなく、それに代わる選択肢としての賃貸住宅の供給が新たな需要を生む状況になってきています。
(ⅱ)賃貸住宅に対する需要
わが国の総人口は将来的に減少傾向にあると予想されていますが、少子高齢化や核家族化の進行により、単身世帯、エンプティ・ネスト世帯(子供が巣立った後の夫婦世帯)等の小規模世帯は逆に増加することが予想され、また社会(特に大都市)における就労環境の変化や、より高い生活利便性を求めて都心居住が進行する等、ライフスタイルが変化しており、人口の減少に比して世帯数は安定的に推移するものと推計されています。
また、上記のような分譲住宅並みの質を持つ賃貸住宅の供給を背景としたライフスタイルの多様化に応じた持ち家から賃貸住宅へのシフトや、持ち家を所有しつつ賃貸住宅を含めた複数の住宅を使い分けるライフスタイルの動き等もあり、賃貸住宅に対する需要予測にあたり、このような視点からも検討することとします。
(ⅲ)賃貸住宅の収益の安定性
賃貸住宅に対する出費は、「衣・食・住」という生活上、必要不可欠な出費のひとつであるために、一般的には景気や資産価格の変動に影響を受けにくく安定的であるという特徴があります。過去においても賃貸住宅の賃料は安定的に推移してきています。さらに賃貸住宅はその特質として、オフィスビル等の法人向け中心の賃貸用不動産の場合と比較して賃貸借契約が小口化されており、またそれぞれの賃貸借契約時期や更新・解約時期に差があるため、賃貸住宅の資産ポートフォリオ全体において、一挙に大量の空室が発生し、又は賃料水準が一挙に上下動するリスクが相対的に低く、他の用途の不動産と比較しても収益の変動可能性がより低いことが挙げられます。
また、賃貸住宅は、一般的に物件規模やテナント規模がオフィスビル等に比較すると小さく、物件数やテナント数で分散されたポートフォリオ構築が可能であり、このような特質を持つ賃貸住宅への投資は、本投資法人の基本方針である「安定的な収益の確保」に本質的に適合する投資対象と考えられます。さらに本投資法人の投資対象とする良質な賃貸住宅は、賃貸住宅ストックの中でも供給量が少ないため稀少性の高い存在であり、市場競争力と資産性を確保することができると考えます。
b.「その他アコモデーション資産」
「賃貸住宅」以外の「その他アコモデーション資産」である、「学生寮」・「学生マンション」、「サービスアパートメント」、「シニア住宅」、「社宅」についても投資を行います。但し、「賃貸住宅」と同様に、投資を行う場合は、投資採算性、マーケット環境等を検討の上、個別物件の選定を行います。
本書において「学生寮」・「学生マンション」、「サービスアパートメント」、「シニア住宅」、「社宅」とは主として以下のとおりであり、本投資法人が投資を行う場合、以下の諸点に配慮して慎重に投資判断を行います。
| 「その他アコモデーション資産」カテゴリー | 主な特徴 |
| 学生寮・学生マンション | 主として学生に向けて貸し出される寮及び賃貸マンションであり、本投資法人の場合、原則としてワンルームマンション形式のものを投資対象とする方針です。 |
| サービスアパートメント | 家具付きでリネン(寝具)サービス、クリーニングサービス、フロント(受付)サービス等を提供する賃貸住宅のことをいい、もっぱら短期の居住用に供されます。そのサービス提供・運営には独自の運営組織が必要となることがあるため、本投資法人がサービスアパートメントに投資を行う場合、専門のオペレータに運営を委託することを視野に入れます。 |
| シニア住宅 | 介護サービスの提供が行えることを視野に入れた賃貸住宅または介護施設等であり、上記のサービスアパートメント同様、介護サービス提供等には独自の運営組織とノウハウが必要となるため、本投資法人がシニア住宅に投資を行う場合、必要な施設運営能力と信用力を備えていると判断した専門のオペレータへの一括賃貸を原則とします。 |
| 社宅 | 法人がテナントとなり、当該法人が自社グループ社員等へ転貸する形式の賃貸住宅です。本投資法人が社宅に投資を行う場合、テナントである法人への一括賃貸を原則とします。また、テナントが退去した際にも、一般の賃貸住宅として個別に賃貸運営が可能な構造・様式・特性を有する物件を投資対象とする方針です。 |
以下の表は、「賃貸住宅」「学生寮」・「学生マンション」「サービスアパートメント」「シニア住宅」「社宅」の位置付けを示したものです。
(ハ)三井不動産グループの活用
本投資法人は、三井不動産グループが有する情報収集力、住宅開発能力、管理運営能力等の総合力を、本投資法人の外部成長及び内部成長に積極的かつ最大限活用するものとします。また、本投資法人が運営上で得られたテナントのウォンツ・ニーズを三井不動産グループにフィードバックすることでさらに付加価値を高め、賃貸住宅開発能力、管理運営能力の向上を図り、外部成長及び内部成長に活かすものとします。
a.三井不動産グループの「バリューチェーン」の活用
三井不動産グループは、賃貸住宅のマーケティング、用地選定・取得、企画・開発からリーシング、管理・運営に至るまでのそれぞれの業務を行うグループ会社を擁し、賃貸住宅に関するすべての業務をグループ内で完結する一貫した業務体制を有しており、全体で一つの有機的なバリューチェーン(価値連鎖)として既に機能しているといえます。
本投資法人がその資産運用を遂行するにあたり、このようなバリューチェーンを有する三井不動産グループのグループ各社がそれぞれのフェーズ(段階)において業務を遂行します。
(ⅰ)三井不動産グループの「バリューチェーン」(賃貸住宅の開発、管理・運営業務一貫体制)
以下の表は、賃貸住宅の開発、管理・運営業務の各フェーズにおける一連の業務の内容を示したものです。
| フェーズ | 業務内容 |
| マーケット調査・分析 | ・経済、不動産、分譲住宅、賃貸住宅に関する各種統計資料・データ分析、他社物件供給計画調査、新規供給物件の稼働状況調査、定点観測等によりマーケットの需給動向の把握、検討物件・開発物件周辺の供給事例調査、仲介会社へのヒアリング、賃料・稼働率の推移といった豊富なトラックレコード(実績)等により、ミクロマーケットの特性とニーズを検証 |
| 用地取得 | ・マクロマーケットや潜在需要動向も踏まえた用地取得戦略の策定 |
| ・小規模な物件の開発から複合開発・大規模開発までさまざまなタイプの物件開発能力等により裏付けられる豊富な用地情報の収集 | |
| 企画・設計 | ・用途、居住人数、家族構成、ライフスタイルに応じた詳細なターゲット顧客設定と物件コンセプトの策定 |
| ・設定ターゲット及びコンセプトに合致した戦略的プランバリエーション、スペック、グレード、テイスト等の企画 | |
| ・デザイン、安全性、機能性、管理・運営、ランニングコスト、メンテナンス・更新性等の視点で検討された戦略的プラン設計 | |
| 施工管理・監修 | ・許認可、コストコントロール、スケジュールコントロール、設計施工管理(テナント・入居者からのフィードバック等不動産開発ノウハウの活用) |
| ・クオリティコントロール(三井不動産レジデンシャル独自の賃貸住宅設計チェックリスト等の活用) | |
| ・建築、構造、設備各方面のプロフェッショナル・スタッフによる現場打ち合わせ、チェックの実施 | |
| リーシング | ・個別のプラン評価、住環境、競争環境等の与条件の検討ときめ細かな賃料設定 |
| ・商品の魅力を確実に伝達するための体制構築(リーシング専門会社の活用) | |
| ・仲介業者ネットワークのコントロール・活用 | |
| 管理・運営 | ・入居者ニーズの把握と再投資、開発へのフィードバック |
| ・適切な投資収益分析に基づくリニューアル、リノベーション(再投資)の実施 | |
| ・スケールメリットを活かした付加価値サービスの提供 |
三井不動産グループは、以上の表のような一連の賃貸住宅の開発、管理・運営業務を一貫して遂行できる体制を構築しています。以下は、各フェーズにおける三井不動産グループ各社の役割分担を図で示したものです。
(ⅱ)三井不動産グループとの各種サポート契約の締結
上記のとおり三井不動産グループは賃貸住宅について全体として一つの有機的なバリューチェーンを有しており、本投資法人は、この三井不動産グループの持つ賃貸住宅における総合力とバリューチェーンを活用して、そのポートフォリオを構築し、管理・運営します。
このために、本資産運用会社は、本投資法人の資産運用業務の確実かつ円滑な遂行のため、三井不動産との間で平成18年2月23日付にて不動産情報・アドバイザリーサービス提供に関する契約(以下「不動産情報・アドバイザリーサービス提供契約」といいます。)を締結し(三井不動産の賃貸住宅事業に関する権利義務は、会社分割により平成27年10月1日付で三井不動産レジデンシャルへ承継されています。かかる承継に伴い、同契約に基づく三井不動産の権利義務は、平成27年10月1日付で三井不動産レジデンシャルへ承継されています。)、三井不動産リアルティとの間で平成18年3月31日付にて不動産仲介情報提供等に関する覚書(以下「物件情報提供に関する覚書」といいます。)を締結し、また三井不動産レジデンシャルリースとの間で平成18年3月31日付にてプロパティ・マネジメント業務に関する基本合意書(以下「プロパティ・マネジメント基本合意書」といいます。)を締結し、更に、三井不動産レジデンシャルとの間で平成19年9月26日付にて不動産情報提供に関する契約を締結しました。
b.三井不動産グループを活用したポートフォリオ構築方針
本投資法人は、三井不動産グループの賃貸住宅における総合力とバリューチェーンを活用してそのポートフォリオを構築します。
本書の日付現在で保有する運用資産のうち、大川端賃貸棟、芝浦アイランドエアタワー及び「パークアクシス」シリーズは、企画、開発から管理・運営までの全ての業務を三井不動産グループが一貫して遂行した賃貸住宅です。「パークキューブ」シリーズは、三井不動産グループ以外の他社が企画、開発を行った物件で、三井不動産グループが持つ技術力やノウハウに基づく設計・品質等の確認を行った賃貸住宅です。
本投資法人は、今後も「パークアクシス」シリーズを中心に、三井不動産グループの総合力を活用しながらポートフォリオを構築していく方針とします。
② 「賃貸住宅」の成長戦略
(イ)外部成長
本投資法人は、「a.三井不動産レジデンシャルとの不動産情報・アドバイザリーサービス提供契約の活用」、「b.三井不動産グループの情報力・情報ネットワークの活用」、「c.本資産運用会社独自の情報収集」、以上3つの物件情報収集ルートを活用することにより、競争力の高い優良物件を取得し、着実な外部成長を目指します。
a.三井不動産レジデンシャルとの不動産情報・アドバイザリーサービス提供契約の活用
本投資法人は、三井不動産グループが開発するアコモデーション資産を安定的かつ継続的に取得することに努めます。また、三井不動産レジデンシャルに集まる物件情報のうち、本投資法人が取得可能な物件に関する情報は、この不動産情報・アドバイザリーサービス提供契約に基づいて収集、活用し、本投資法人による物件取得に繋げます。不動産情報・アドバイザリーサービス提供契約の内容は主として以下のとおりです。
本投資法人がその運用資産を取得し管理運営するにあたり、三井不動産レジデンシャルの情報とノウハウを活用するため、三井不動産レジデンシャルは不動産情報・アドバイザリーサービス提供契約に基づき多様なサポートを本資産運用会社に提供します。
三井不動産レジデンシャル及び本資産運用会社は、互いに自由に不動産等の売買を行うことを原則とし、本投資法人による不動産等の売買は、いかなる意味においても制限されません。不動産情報・アドバイザリーサービス提供契約の概要は以下の表のとおりです。
| 契約名称 | 不動産情報・アドバイザリーサービス提供に関する契約 |
| 契約当事者 | 三井不動産レジデンシャル、本資産運用会社 |
| 主な業務内容 | 本資産運用会社は三井不動産レジデンシャルに対して資産運用ガイドラインのうち取得ガイドラインを予め開示します。 |
| <三井不動産レジデンシャルが保有・開発する不動産等の情報の提供>三井不動産レジデンシャル賃貸住宅事業部が所管し、保有又は開発する売却予定の不動産等で資産運用ガイドラインに合致する不動産等を売却するため、第三者に対して情報の提供その他取得の勧誘を行おうとする場合、当該行為を開始するより前または遅くとも同時に、三井不動産レジデンシャルは、権利関係者等の同意等を理由とする止むを得ない事情がある場合等を除き、本資産運用会社に対して当該売却予定不動産等に関する情報を通知することとします。 これを受けて本資産運用会社が当該売却予定不動産等の購入を検討する意向を三井不動産レジデンシャルに書面にて示した場合、三井不動産レジデンシャルは、本投資法人を、少なくとも第三者と同順位の購入候補者として取り扱うものとします。 | |
| <第三者の不動産売却情報の提供> | |
| 三井不動産レジデンシャルは、取得源と取得経路を問わず、三井不動産レジデンシャル賃貸住宅事業部が入手した第三者保有の不動産等に関する情報で資産運用ガイドラインに合致するものである場合には、権利関係者等の同意等を理由とする止むを得ない事情がある場合や、開発及び保有を目的として三井不動産レジデンシャル自身が直接取得する意向がある場合等を除き、原則としてこれを本資産運用会社に通知することとします。 | |
| <不動産運用情報の提供> | |
| 三井不動産レジデンシャル賃貸住宅事業部が所管する不動産運用情報(注)のうち、本資産運用会社が要請し、三井不動産レジデンシャルが提供することに同意したものは本資産運用会社の要請に応じて少なくとも年に1回、書面により本資産運用会社に報告するものとしています。 | |
| (注)ここに「不動産運用情報」とは、以下の情報を指します。 (a)中長期的な賃貸住宅の市場環境の動向に関して、三井不動産レジデンシャルが認識する定性的見解(日本経済の動向、人口動態、住宅ストック動向等を踏まえたものも含まれるが、それに限らず中長期的な賃貸住宅の市場環境の動向についての定性的見解全般を含むが、これに限られない。) (b)短期的な賃貸住宅の市場環境の動向に関して、三井不動産レジデンシャルが認識する定性的見解(賃貸住宅の新規供給動向(不動産等概要、賃料水準及び初期リーシング状況に関する情報を含む。)、個別賃貸住宅の募集成約事例、エリアマーケティング調査、他の不動産投資法人の財務データ及び個別不動産等の収支データ等、賃貸住宅市場の動向(空室率及び賃料トレンドに関する情報等)も含まれるが、それに限られない。) (c)過去及び現時点までの賃貸住宅の市場環境の状況に関して、三井不動産レジデンシャルが保持する定量的データ(三井不動産レジデンシャル及び本投資法人が保有する賃貸住宅のレントロール情報及び成約・解約情報及びそれに関連する諸費用等の付帯情報等が含まれるが、それに限らない。) (d)その他本資産運用会社が随時依頼する上記各号に関連し又は付随する事項 |
| <アドバイザリーサービスの提供>三井不動産レジデンシャルの不動産等の運用に関する知識及びノウハウ等を活用することにより、本資産運用会社が本投資法人から委託を受けた資産運用業務をより効率的に行うこと並びにそれにより本投資法人及びその投資家の利益を図ることを目的として、三井不動産レジデンシャルは、本投資法人が取得検討する不動産等及び本投資法人が既に取得した不動産等の建物設備に関する技術的な助言(ただし、如何なる場合でも投資助言は含まれないものとします。)の提供を行います。かかる技術的な助言には、以下の内容が含まれます。 (a)当該不動産等の管理に関して、建物設備の日常メンテナンス計画及び長期修繕計画の立案または実施を行う際の技術的アドバイスの提供及び検討補助(計画立案または実施につき、本投資法人の支出が予定される金額の概算査定を含みます。) (b)当該不動産等の管理に関して、小修繕・更新工事及び定期点検・設備機器リコール対応の計画立案または実施する際の技術的アドバイスの提供及び検討補助(計画立案または実施につき、本投資法人の支出が発生する発注金額の詳細査定を含みます。) (c)当該不動産等の管理に関して、大規模修繕工事の計画立案または実施についての技術的アドバイスの提供及び検討補助等(計画立案または実施につき、本投資法人の支出が予定されるまたは発生する金額の概算査定または詳細査定を含みます。) | |
| 報酬 | 本資産運用会社は、三井不動産レジデンシャルに本契約にかかる報酬を別途協議の上支払います。 |
| 期間 | 本契約の期間満了日は平成28年3月31日となっています。期間満了日の3ヶ月前までに互いに相手方に対し書面による本契約更新拒絶の通知を送付した場合を除き、本契約の有効期間は期間満了日より1年間、同一の条件にて更新され、以後も同様となります。但し、本投資法人と本資産運用会社との間の資産運用委託契約が解除又は終了した場合には、本契約は終了します。本書の日付現在、本契約は有効に成立しています。 |
b.三井不動産グループの情報力・情報ネットワークの活用
本投資法人は、三井不動産リアルティ、三井不動産レジデンシャルをはじめとするグループ各社の広範な情報ネットワークを活用し、良質なアコモデーション資産の取得機会獲得に努めます。なお、本資産運用会社は三井不動産リアルティ及び三井不動産レジデンシャルとの間で物件情報提供に関する覚書等を締結しています。概要は以下の表のとおりです。
| 契約名称 | 不動産仲介情報提供等に関する覚書 |
| 契約当事者 | 三井不動産リアルティ、本資産運用会社 |
| 主な業務内容 | <第三者の不動産売却情報の提供> |
| 三井不動産リアルティは、自らが入手した第三者保有の不動産等に関する情報のうち本資産運用会社が定めた資産運用ガイドラインに合致するものである場合には、権利関係者等の同意等を理由とする止むを得ない事情がある場合等を除き、原則としてこれを本資産運用会社に通知することとします。 | |
| 期間 | 本覚書の有効期間は覚書締結日から1年間となっています。期間満了日の3ヶ月前までに互いに相手方に対し書面による本覚書更新拒絶の通知を送付した場合を除き、本覚書の有効期間は期間満了日より1年間、同一の条件にて更新され、以後も同様となります。但し、本投資法人と本資産運用会社との間の資産運用委託契約が解除又は終了した場合には、本覚書は終了します。本書の日付現在、本契約は有効に成立しています。 |
| 契約名称 | 不動産情報提供に関する契約 |
| 契約当事者 | 三井不動産レジデンシャル、本資産運用会社 |
| 主な業務内容 | <不動産売却情報の提供> |
| 三井不動産レジデンシャルは、自らが保有し、又は開発中の不動産等の中で、本投資法人の資産運用に係る資産運用ガイドラインのうち取得ガイドラインに合致すると同社が判断する不動産等のうち、情報提供の支障がないと自ら判断する不動産等について、本資産運用会社の要請に応じ、原則として遅くとも第三者に対して購入の勧誘その他の売却活動を開始するのと同時に、当該不動産等の情報を同社が判断する範囲で本資産運用会社に提供します。また、三井不動産レジデンシャルが本資産運用会社に対し、かかる売却対象不動産等に関する情報を提供した後、同社の売却活動の支障のない時期までに、本投資法人が当該売却対象不動産等の購入を検討する意向を本資産運用会社が書面にて示した場合には、同社は、本投資法人を、少なくとも第三者と同順位の購入候補者として取り扱うものとします。 なお、三井不動産レジデンシャル賃貸住宅事業部が所管し、保有又は開発する不動産等に関する情報の提供に関しては不動産情報・アドバイザリーサービス提供に関する契約の定めに従うこととします。 | |
| 期間 | 本契約の有効期間は契約締結日から1年間となっています。期間満了日の3ヶ月前までに互いに相手方に対し書面による本契約更新拒絶の通知を送付した場合を除き、本契約の有効期間は期間満了日より1年間、同一の条件にて更新され、以後も同様となります。但し、本投資法人と本資産運用会社との間の資産運用委託契約が解除又は終了した場合には、本契約は終了します。本書の日付現在、本契約は有効に成立しています。 |
c.本資産運用会社独自の情報収集
本資産運用会社は、三井不動産グループからの物件情報獲得に加え、今後、本資産運用会社独自の情報収集ルートも開拓し、良質なアコモデーション資産の取得に努めます。
(ロ)内部成長
本投資法人は、以下に記載のとおり、「a.本投資法人の運用資産におけるブランド戦略の推進」、「b.三井不動産グループのノウハウを活かした管理・運営」、「c.資産価値維持のための施策」により、賃料、稼働率の維持・向上やコスト削減を図り、確実な内部成長を目指します。
a.本投資法人の運用資産におけるブランド戦略の推進
本投資法人は、運用資産のうち大川端賃貸棟及び芝浦アイランドエアタワーを除く「賃貸住宅」については、原則として「パークアクシス」シリーズ及び「パークキューブ」シリーズによりポートフォリオを構築していく方針です。
本資産運用会社は、「パークアクシス」シリーズ及び「パークキューブ」シリーズのブランド化の推進を図ることが、本投資法人の資産ポートフォリオの一体的価値向上に資すると考えており、三井不動産グループとの協働により、両シリーズを運用資産における商品ブランドとして確立することを目指します。
(ⅰ)商品ブランドの確立
本資産運用会社は、現在の賃貸住宅に求められるさまざまな機能、性能を備えた賃貸住宅への投資が投資主の価値の最大化に資すると考えています。本投資法人の運用資産である「パークアクシス」シリーズ等は、原則として以下のような特性をもつ賃貸住宅です。
| 多様化するニーズに応える企画 | シングルからファミリーまでの多様化するライフスタイルや、若年層からシニア世代までの幅広いライフステージに対応することが、現在の賃貸住宅には求められています。「パークアクシス」シリーズは、三井不動産グループのマーケティング力を活かし、立地・環境等の外部条件に応じて、きめ細かなターゲット設定がなされ、そのターゲットのニーズに即した企画(間取り、設備、仕様等)で開発されており、多様なライフスタイルやライフステージに対応した企画となっています。 |
| より確かな品質 | 「パークアクシス」シリーズは、三井不動産グループの住宅事業で培ったノウハウをもとに、トータル・クオリティ・マネジメントの下で設計、施工されています。三井不動産レジデンシャル独自の設計基準に沿った専門スタッフによる図面及び現場のチェック、検査を経て竣工します。竣工後の設備更新の容易性、低コストメンテナンス、テナントの使い勝手にも配慮されています。本投資法人は、同様の考え方に基づき品質確認がなされた「パークキューブ」シリーズをポートフォリオに加えて、その運用資産とすることで、ポートフォリオ全体での資産価値の劣化を防ぎ、かつ資産価値の維持向上を図ります。 |
| 機能とデザインを兼ね備えた意匠 | 長期的な魅力を維持するため、三井不動産レジデンシャルは、「パークアクシス」シリーズの設計にあたり、ファサード(外観)、エントランス(入口)、共用廊下、住戸アプローチに至るまで、機能性を有しつつデザイン性にも富む意匠を採用しています。立地と顧客特性に応じたデザインを建築デザイナーとの協働関係の中で構築し、更なる差別化を目指しています。 |
| 先進的な情報・通信環境 | 多様な情報通信網が整備され進展していく中で、光ファイバーの導入によるインターネット対応環境の整備、豊富な情報コンテンツの提供を可能とする通信情報環境(CATV、BS、CS放送等の受信設備)の整備を行うことで、テナントニーズに対応した情報インフラを提供しています。 |
| 安全と安心 | 現代社会において居住空間の最も重要な課題のひとつが、安全と安心の確保です。「パークアクシス」シリーズ、「パークキューブ」シリーズは顧客訴求度の高いセキュリティ機能(入口オートロック、ディンプルキー、ダブルロック(二重鍵)、24時間365日の機械警備体制、防犯カメラ設置等)を標準的に導入し、かつ侵入しやすいルートを減らす工夫をするなど安全性に配慮した賃貸住宅です。 |
(ⅱ)テナントに対するサービス・サポートの充実によるブランド戦略の推進
本資産運用会社は、テナントに対するサービス・サポートの充実により、利便性と快適性の向上を図り、競合物件との差別化を実現するブランド戦略を推進します。
本投資法人の「賃貸住宅」においては、マスター・プロパティ・マネジメント会社である三井不動産レジデンシャルリースにより、さまざまなサービスとサポートが提供される体制が整えられています。
以下は、本投資法人の運用資産において既に提供されているサービス・サポートの概要を記載したものです。これらは、すべての運用資産において提供されているわけではありませんが、本投資法人は、今後、このようなサービス・サポートをさらに充実させていきます。
| 利便性向上を図るサービス・サポート | |
| コンシェルジュ | 日常生活のみならず、充実したライフスタイルを追求する入居者のニーズを満たすため、コンシェルジュ(ホテル接客業務担当)に類似のフロントサービスの提供。 |
| ハウスホールドサービス | ハウスクリーニングや家電1台からの家具・家電リース、食材、料理等のケータリングサービス、洗濯や買い物の代行、病院・学校への送迎等、入居者の利便性を高めるサービスを、他業者との提携により提供。 |
| 保証人不要システム | 貸主と入居者との間に保証会社が入り、入居者は保証会社に保証料金を払うことによって連帯保証人を不要とするサービス。 |
| 安全と安心確保のためのサービス・サポート | |
| お客様サポート窓口 C-desk | 水漏れ、エアコン・給湯器等の設備機器トラブルのみならず、賃貸借契約更新や車庫証明の発行等も24時間年中無休・フリーダイアルで受付、対処するサービスを提供。 |
| 入居者ガイドブック | 入居の準備から退居時まで賃貸ライフのガイドとなる「ご入居者ガイドブック」を配布。水道、ガス、電気等の公共料金の諸手続きもサポート。 |
b.三井不動産グループのノウハウを活かした管理・運営
本投資法人は、専門性の高い三井不動産グループ各社のノウハウを活用した最適な管理・運営体制の下、資産価値を長期的に維持することにより、賃料、稼働率の維持、向上に努めます。
本投資法人は、中長期的な管理・運営業務の品質の維持向上及び効率化を目指し、三井不動産レジデンシャルリースをマスター・プロパティ・マネジメント会社として選定しています。
(ⅰ)マスターリース及びプロパティ・マネジメント業務
本投資法人は、運用資産及び将来取得する運用資産に関するマスターリース及びプロパティ・マネジメント業務を、原則として、三井不動産レジデンシャルリースに一括委託する方針です。本書の日付現在において、芝浦アイランドエアタワー以外の「賃貸住宅」に関する上記業務を、三井不動産レジデンシャルリースに一括委託しています。物件の管理・運営に関するデータを三井不動産レジデンシャルリースが一元管理することで業務遂行の確実性の向上と効率化を図ります。本資産運用会社は三井不動産レジデンシャルリースとの間で平成18年3月31日付にて、プロパティ・マネジメント基本合意書を締結済みです。
三井不動産レジデンシャルリースは、本投資法人が将来取得する運用資産について、本資産運用会社が要請した場合、原則として当該運用資産のマスターリース会社となり、かつ当該運用資産のプロパティ・マネジメント業務をすべて受託することになります。
三井不動産レジデンシャルリースが行うプロパティ・マネジメント業務のうち主要な業務は以下のとおりです。
賃貸管理業務
・リーシング業務
・契約関連業務
・出入金業務
・テナント対応業務(入退居を含む)
建物管理業務
・建物・設備の保守、点検
・建物維持管理プランの策定
・建物・設備の修理、改修、更新の実施
本資産運用会社に対するレポーティング業務
以下、マスター・プロパティ・マネジメント会社から再委託される主要な業務の概要を記載します。
(ⅱ)リーシング
本投資法人は、「賃貸住宅」のリーシングを三井不動産レジデンシャルリースに委託しています。三井不動産レジデンシャルリースは、レジデントファースト株式会社(三井不動産レジデンシャルリース100%子会社、以下「レジデントファースト」といいます。)を中心に賃貸仲介会社のネットワークを活用してリーシングを行っています。
レジデントファーストは、三井不動産グループ内において賃貸住宅のリーシング機能を担う会社として、深いブランド理解の下、顧客に直接営業することによって、より効率的なリーシングを行っています。
(ⅲ)建物共用部管理
建物共用部管理業務(ビルメンテナンス)は、資産価値の維持、向上に関して最も重要な業務のひとつです。本資産運用会社はプロパティ・マネジメント会社を通じ、建物共用部管理を建物管理会社に再委託しています。建物管理会社は、コスト及び提供されるサービスのレベルを考慮の上、物件特性に応じて決定されます。
三井不動産グループには、建物管理会社として三井不動産レジデンシャルサービス株式会社(以下「三井不動産レジデンシャルサービス」といいます。)があります。三井不動産レジデンシャルサービスは三井不動産グループが分譲したマンションを中心に、幅広いタイプのマンションにおいて建物共用部管理を行っています。本投資法人も三井不動産レジデンシャルサービスを建物管理会社のひとつとして、長期的競争力の維持のためにその建物管理能力を活用していく方針です。
c.資産価値維持のための施策
本投資法人は、プロパティ・マネジメント会社を通じて運用資産の状況やテナントの満足度を常時注視し、最適な修繕計画の策定に努めます。また修繕計画の実施にあたっては、三井不動産グループ各社の技術力や分譲住宅事業においても蓄積されたノウハウを活用し、有効かつ効果的な方法を選択します。
本投資法人が保有する大川端賃貸棟(昭和63年及び平成1年竣工)は、竣工後相当の期間が経過していますが、資本的支出を長期的視点から適切に実施してきています。さらに、住戸内の間取り、仕様の変更等のバリューアップ工事も必要に応じて実施しており、競争力の維持・向上に努めています。
また、大川端賃貸棟以外の運用資産においても、セキュリティ及び競争力向上の観点からの資本支出や、ブランド認知度向上及び入居者アメニティ向上のための資本支出を適時実施しています。
③ ポートフォリオ構築方針
(イ)投資資産の分類別比率
本投資法人は「賃貸住宅」を中心に投資を行い、「賃貸住宅」以外のアコモデーション資産である「その他アコモデーション資産」のポートフォリオ全体に占める割合は、当面の上限につき、10%(取得価格ベース)を目途として運用を行います。
(ロ)投資エリア
本投資法人は、「賃貸住宅」については東京23区を主とした東京圏及び地方中核政令指定都市を、「その他アコモデーション資産」については全国の主要都市並びにそれらの周辺部を基本的な投資エリアとし、それぞれ資産特性に応じた需要に厚みのあるエリアに所在するアコモデーション資産への投資を行います。地域別投資比率は、「賃貸住宅」と「その他アコモデーション資産」を含めたポートフォリオ全体では東京23区内の占める割合を80%以上(取得価格ベース)とします。
個別の投資の検討にあたっては、地域の特性やテナントのニーズを調査検討の上、それらに合致した住戸プラン構成、グレードの物件に投資します。
(注)「東京圏」とは、東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県を、「地方中核政令指定都市」とは、札幌、仙台、名古屋、大阪、京都、神戸、広島、福岡の各都市圏をいいます。
(ハ)投資基準
本資産運用会社は、投資対象となる運用資産の選定にあたっては、以下の表の基準に基づき、投資の可否を判断します。
| 項目 | 基準 |
| 投資額 | 概ね1棟10億円以上を目途としますが、物件特性や収益性等を考慮の上、1棟10億円未満の物件にも投資します。 |
| 権利関係 | 1棟完全所有を原則としますが、共有物件、区分所有物件、借地物件(定期借地を含む)、底地物件についても、物件ごとに検討を行って投資します。 |
| 構造 | 構造は、原則として、RC(鉄筋コンクリート)造又はSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造とします。但し、利用目的に照らし適切と判断した場合には、例外的にS(鉄骨)造の物件にも投資します。建物診断を行った上で、新耐震基準(昭和56年に改正された建築基準法(昭和25年法律第201号、その後の改正を含みます。以下「建築基準法」といいます。)に適合しているもの)又はそれと同水準以上のものを原則とします。 |
| 開発物件 | 取得時において既に安定的な賃料収入が確保されている物件を取得することとし、自ら土地取得後建物の建築を行う開発型物件への投資は原則として行わないものとします。但し、未竣工ではあるものの、建物の竣工、引渡し、その後のテナント確保についてのリスクが極小化されていると判断できる物件については、当該物件未竣工時点での取得契約の締結も検討可能とします。 |
(ニ)デュー・ディリジェンス基準
本投資法人は、投資対象となる運用資産の選定にあたっては、経済的調査、物理的調査及び法的調査等のデュー・ディリジェンスを資産運用ガイドラインに基づき行います。
デュー・ディリジェンスは、第三者である専門家より各種評価書・報告書を取得し、これらの内容を参考に、原則として下記事項を調査の上、本資産運用会社が投資の可否を総合的に判断します。
| 項目 | 調査事項 | |
| 経済的調査 | 市場調査 | ① 所在地域の居住環境の現状確認 ② 所在地域における賃貸住宅の需給 ③ 所在地域における競合賃貸住宅の動向 ④ 所在地域における市場賃料 ⑤ 割引率及び還元利回りの水準 |
| テナント調査 | ① テナントの信用度、賃料収入状況 ② テナントの利用目的・反社会的勢力の入居の有無の確認 | |
| 収益関係調査 | ① 建物運営経費の現況確認 ② 修繕・更新費の中長期計画の策定 ③ 収支計画の策定 ④ ポートフォリオ戦略との整合性の検証 | |
| 物理的調査 | 立地 | ① 街路の状況、主要交通機関からの利便性 ② 利便施設、官公署からの接近性 ③ 隣地との境界・越境の現況(主として目視確認による) ④ 眺望、採光、騒音、通風等の居住性 ⑤ 嫌悪施設の有無 ⑥ 周辺地域の将来の開発計画 |
| 建築及び設備・仕様 | ① 建物構造、築年数、施工業者等 ② 間取り、天井高、内部仕様(天井・壁・床等)、内外装の使用資材、衛生設備、空調設備、電気設備、昇降機設備、駐車場等の設備の維持管理 ③ 緊急修繕の必要性 | |
| 建物管理関係 | ① 関係法令(以下例示)の遵守状況 ・建築基準法 ・都市計画法(昭和43年法律第100号、その後の改正を含む。) ・アスベスト関連法規 ・公有地の拡大の推進に関する法律(昭和47年法律第66号) ・国土利用計画法(昭和49年法律第92号、その後の改正を含む。) ② 実際の管理状況 ③ 管理会社の質及び契約関係 | |
| 耐震性能・PML | ① 新耐震基準(※に基づく建物等の耐震基準を指す。)又はそれと同水準以上の性能の確保 ※昭和56年に改正された建築基準法(昭和25年法律第201号、その後の改正を含む。) ② 施工会社、設計会社、構造設計会社、建築確認検査機関のチェックと、構造計算書に偽造がなされていないことの確認 ③ 地震PML(予想最大損失率)値15%未満を原則とし、20%以上の物件については取得を見合わせる又は取得する場合には耐震補強工事の実施又は地震保険の付保等の対応を検討 | |
| 環境・土壌等 | ① 建物有害物質含有調査 ② 土地利用履歴、土壌汚染調査 | |
| 項目 | 調査事項 | |
| 法的調査 | 権利関係 | 前所有者の権利の確実性を検討します。 ① 所有権・抵当権の権利関係 ② 賃貸借契約関係(賃貸住戸面積の確認含む) ③ 土地の境界確認書や越境に係る覚書等 ④ 道路法に基づく道路占用許可 ⑤ 環境保全等のための規制法令(以下例示)の遵守状況 ・自然環境保全法(昭和47年法律第85号、その後の改正を含む。) ・都市緑地法(昭和48年法律第72号、その後の改正を含む。) ⑥ 前所有者の権利の確実性を阻害する要因の存在 |
| 共有物件、区分所有物件、借地物件(定期借地を含む)、底地物件等、本投資法人が所有権を有しないか又は単独では所有権を有しない等権利関係が複雑な物件については、以下の点を含めその権利関係について慎重に検討を行います。 | ||
| ① 借地権に関しての対抗要件具備の有無及び借地権に優先する他の権利の有無 ② 敷地権登記の有無、建物と敷地権の分離処分の制限及びその登記の有無、持分割合の状況 ③ 敷金保全措置、長期修繕計画に基づく積立金の方針・措置 ④ 共有物不分割特約及びその登記の有無、共有物分割請求及び共有持分売却等に関する適切な措置並びに共有者間における債権債務関係 ⑤ 区分所有物件の区分性 ⑥ 本投資法人による取得前に設定された担保の設定状況や契約の内容とその承継の有無 ⑦ 借地権設定者、借地権者、区分所有者及び共有者等と締結された規約・特約等の内容 ⑧ 借地権設定者、借地権者、区分所有者及び共有者等の法人・個人の別等の属性 ⑨ 不動産を信託する信託受益権については信託契約の内容 | ||
④ 不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券への投資方針
(イ)投資基準
本投資法人は、不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券への投資を行う場合には以下の事項を検討して投資を行うものとします。
a.不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券の裏付けとなる不動産等が上記③(ハ)の投資基準に適合した資産であること。
b.不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券の運用対象とされる不動産等の売却時に、本投資法人による取得機会が与えられていること。
(ロ)デュー・ディリジェンス基準
不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券への投資を行う場合は、裏付となる不動産等に関して上記③(ニ)に準じたデュー・ディリジェンスを行うことを原則とします。また、上記③(ニ)の記載事項に加え、原則として下記事項を調査の上、投資の可否を総合的に判断します。
| 項目 | 調査事項 | |
| 法的調査 | 不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券への投資 | ① スキームの遵法性 ② 投資の有限責任性 ③ アセットマネージャーの業務遂行能力 ④ 関係者に対する報酬水準その他運営コスト ⑤ ローン条件、レバレッジ水準その他資金調達条件 ⑥ 税務上の導管性の有無その他投資効率 ⑦ 倒産隔離ストラクチャーの組成の有無、前所有者からのオフバランスの有無、他業の有無、その他第三者・他物件のリスクからの遮断の状況 ⑧ 投資に伴い本投資法人が取得する権限の内容 ⑨ 裏付けとなる不動産等の譲受けに関する優先交渉権の有無・内容 |
(ハ)投資比率
不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券への投資を行う場合は、本投資法人の資産の総額に対する、不動産に関する匿名組合出資持分及び不動産対応証券の合計額の割合(いずれも直近の簿価による。)が10%以内となるようにします。
⑤「シニア住宅」取得に際しての留意事項
(イ)ヘルスケア施設の取得にかかる専門家の関与方法
本投資法人が、「シニア住宅」取得に際し、ヘルスケア施設(ヘルスケア施設とは、高齢者の居住の安定確保に関する法律第5条に規定する「サービス付き高齢者向け住宅」並びに老人福祉法第29条に規定する「有料老人ホーム」及び同法第5条の2第6項に基づく「認知症高齢者グループホーム」をいう。以下同じ)に該当する資産の取得を行う場合、ヘルスケア施設への投資業務、融資業務、デュー・ディリジェンス業務、不動産鑑定評価業務又はオペレーション業務の経験等により、ヘルスケア施設の事業特性を十分に理解しているコンサルタント会社等の外部専門家から、外部環境分析及び事業計画分析等につき、必要な助言を受けることとします。
(ロ)利用者への配慮事項
ヘルスケア施設の取得を行う場合、利用料及び契約内容等について、利用者に不安を抱かせることのないよう、以下の事項につき、できる限り留意し、本投資法人の資産運用を行うものとします。
a.本投資法人の仕組みの周知
オペレータが利用者に本投資法人の仕組み(例えば、①施設の所有者は本投資法人であり、施設のサービスはオペレータが提供していること、②本投資法人は運用対象施設を長期保有することが原則であること等)を十分に周知させるよう、オペレータに働きかけるとともに、必要に応じ、本資産運用会社が利用者に周知活動を行うよう可能な限り努力します。
b.ヘルスケア施設の適切な運営の確認
利用者の安心感を確保するため、施設の状態、利用料及び契約内容等について、関係法令に適合しているものであるかどうかの確認や、地方公共団体による通知等への対応状況の確認などを行うようできる限り努力します。
c.ヘルスケア施設の適切な運営の確保
利用者の安心感を確保するため、オペレータに対し、利用料及び契約内容等に関して、本投資法人とオペレータの賃貸借契約書又はこれに代わる協定書、覚書等において、オペレータが本投資法人の運用対象となるヘルスケア施設に適用される関係法令に適合し、行政指導に対応した運営を行う旨を表明させるようできる限り努力します。
⑥ ポートフォリオ運営管理方針
(イ)基本運営方針
本資産運用会社は、本投資法人の運用資産の運用等について、年度毎の年度運用計画を作成するものとします。年度運用計画には、運用資産の管理計画、物件資本支出見込(大規模修繕計画を含みます。)等が含まれており、投資委員会によって決定されます。
本資産運用会社は、策定された年度運用計画により、プロパティ・マネジメント会社と協働して運用資産の運営・管理を行い、年度運用計画の見直しが必要となるような著しい環境等の変化が起きた場合には、適宜年度運用計画の修正や見直しを行います。
(ロ)プロパティ・マネジメント会社の選定・モニタリング等
アコモデーション資産、なかでも「賃貸住宅」の管理において特に重要なことは、日常の現場レベルでのテナント管理及び建物管理に関する種々の施策の提案、実施等、業務を遂行するプロパティ・マネジメント会社の果たす役割です。プロパティ・マネジメント業務に精通した高い専門性は勿論のこと、多数の分散された物件・テナントを対象に高品質かつ均質なサービスを提供するための組織的かつ効率的な業務遂行能力が不可欠であると考えています。
本投資法人は、当該要件を満たすプロパティ・マネジメント会社として三井不動産レジデンシャルリースをマスター・プロパティ・マネジメント会社として選定しています。本投資法人は、以下の要件を満たすことを条件として、将来取得する運用資産に関しても原則としてプロパティ・マネジメント業務を三井不動産レジデンシャルリースに委託する予定です。
・本資産運用会社が求める運用業務仕様に基づき、プロパティ・マネジメント業務を遂行できる組織的体制が構築されていること。
・新規テナント募集業務が円滑に遂行されることが可能な体制が構築されていること。
・管理業務報酬が市場水準と比較して妥当な範囲であること。
また、本資産運用会社は、選定したプロパティ・マネジメント会社が選定基準に合致する能力等を維持しているかを定期的にモニタリングし、その結果によっては、改善の指示を行う他、プロパティ・マネジメント会社を変更する場合があります。
なお、「その他アコモデーション資産」カテゴリーにおいては、運用資産の特性に応じて適切と判断する管理形態及びオペレータを選定します。
(ハ)建物損害保険の付保方針
建物損害保険の付保に関しては、火災等の災害や事故により生じる建物の損害又は第三者からの損害賠償請求に対応するため、本投資法人は資産特性に応じ、適正と判断される内容の火災保険及び包括賠償責任保険等の損害保険を付保するものとします。
地震保険の付保に関しては、地震発生時に予想される個別物件及びポートフォリオ全体に対する影響と保険の実効性等とを勘案して総合的に判断します。個別物件の地震予想損失率PML値が20%を上回る場合、又は当該物件が加わることによってポートフォリオ全体のPML値が15%を上回る場合は、災害による影響と保険料負担等を総合的に比較の上、地震保険の付保を検討します。
(ニ)修繕計画及び資本的支出に関する基本方針
本投資法人の運用資産に関する修繕計画については、通常必要とされる経常的支出(小修繕)の他、中長期的な市場競争力及びテナント満足度の維持向上に必要な資本的支出を考慮した営業戦略的な修繕計画とし、必要な修繕と資本的支出を行います。
12年間の中期修繕見込を物件ごとに把握した上で、年度管理計画において1年ごとの修繕計画の策定と見直しを行います。
修繕積立金については、中長期的なポートフォリオ運営を踏まえて、減価償却費と修繕計画を考慮した上で必要な額を積み立てます。資本的支出については、原則としてポートフォリオ全体の修繕積立金の範囲内で実施します。
⑦ 売却方針
本投資法人の運用資産は、原則として中長期にわたり保有することで安定収益を確保することを目的としており、原則として短期的な売却は行いません。
但し、個別運用資産を売却する際には、将来における当該エリアの賃貸マーケット動向、資産価値の増減及びその予測、不動産の劣化又は陳腐化リスク及びそれに対するコスト予測等を検討の上、ポートフォリオ全体が受ける影響等も考慮に入れて総合的に判断します。
⑧ 財務方針
(イ)募集投資口の発行
資産の取得、修繕等、本投資法人の運営に要する資金、又は債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として募集投資口の発行を機動的に行います。
(ロ)デットファイナンス
資産の取得、修繕費若しくは分配金の支払い、本投資法人の運営に要する資金、又は債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として、資金を借入れ(コール市場を通じる場合を含みます。)又は投資法人債(短期投資法人債を含みます。別段の記載がない限り、以下同じとします。)を発行します。資金を借入れる場合は、租税特別措置法に規定する機関投資家からの借入れに限るものとします。また、借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ1兆円とし、その合計額が1兆円を超えないものとします。借入れ又は投資法人債の発行につき、本投資法人は運用資産を担保として提供することができます(規約第35条)。
(ハ)ローン・トゥー・バリュー・レシオ
本投資法人の総資産に対して有利子負債が占める割合(以下「ローン・トゥー・バリュー・レシオ」又は「LTV」といいます。)の上限につき60%を目途としています(但し、資産の取得等に伴い、一時的に60%を超えることがあります。)。
(ニ)デリバティブ
本投資法人が行うデリバティブ取引は、負債から生じる金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的とした運用に限るものとします(規約第29条第2項)。
⑨ 情報開示方針
「開かれた透明性のある投資法人」であることを自ら示し、社会の認知を得ることを開示の方針とします。また全ての投資主に対して正確で偏りのない情報を遅滞なく伝達できる環境を常に整え、情報開示においても投資家に対して“Accommodate”(アコモデート=人に便宜をはかる)との本投資法人の基本方針に合致したものとなるよう努めます。
本投資法人は投信法、金商法、東京証券取引所、投資信託協会等がそれぞれ要請する様式に従って開示を行う他、自主的に投資判断上重要と考える情報を積極的に開示します。
⑩ サステナビリティに関する方針
本資産運用会社は、本投資法人の資産運用会社として、環境への配慮等を始めとしたサステナビリティに関する取り組みが資産運用業務における重要な課題であるとの認識に基づき、三井不動産グループが定める「グループ環境方針」のもと、環境負荷の低減、安全・安心、快適性の向上及び様々な主体との多様な連携・協力に配慮した資産運用業務を行うよう努めます。