有価証券報告書(内国投資証券)-第36期(2023/09/01-2024/02/29)
(1)【投資方針】
本投資法人と本資産運用会社との間で締結された資産運用委託契約の規定に従い、本資産運用会社は、本投資法人の資産の運用及び管理に係る方針につき、以下のとおり、その社内規程として資産運用ガイドラインを制定しています。
① 基本方針
(イ)基本方針
本投資法人は、投資主価値の最大化を目的とし、中長期的な観点から安定的な収益の確保と着実な運用資産の成長を目指し、資産の運用を行うことを基本方針としています(規約第26条第1項)。
本資産運用会社は、本投資法人の資産運用の基本方針として、「アコモデーション資産への投資」と「三井不動産グループの活用」という2つの戦略を採用します。
a.アコモデーション資産への投資
本投資法人は、主として居住の用に供され、又は供されることが可能な不動産(複数の不動産で一体開発若しくは一体利用されている場合を含みます。以下同じとします。)が本体又は裏付けとなっている不動産関連資産(後記「(2)投資対象 ① 投資対象とする資産の種類、内容等(規約第28条)(イ)」に掲げる資産をいいます。)を主な投資対象とします。また、これに加えて、主として宿泊の用に供され、又は供されることが可能な不動産が本体又は裏付けとなっている不動産関連資産も投資対象とします(規約第27条第2項)。
人々のライフスタイルや家族構成の変化、経済環境や社会情勢の変化に伴い、居住や宿泊に対するニーズは多様化しています。本投資法人は、このような社会構造やニーズの変化の中で、主として居住及び宿泊の用に供され、又は供されることが可能な不動産(分譲住宅を除きます。)を「アコモデーション資産」と定義し、「賃貸住宅」と「ホスピタリティ施設」の2分野を投資対象とします。
本投資法人は、滞在空間や滞在時間において入居者や利用者の多様なニーズやウォンツに対応し、顧客満足度を高めることが、アコモデーション資産の価値の最大化に資すると考えています。滞在時間が比較的長い「賃貸住宅」から短期滞在の「宿泊施設」まで、これらアコモデーション資産を適切に運用していくことにより、安定的な収益の確保を目指します。
なお、「ホスピタリティ施設」とは、寮・社宅、サービスアパートメント、シニア住宅及び宿泊施設の4つのカテゴリーを総称したものとします(図1)。
b.三井不動産グループの活用
居住・宿泊空間における入居者や利用者の顧客満足を高めるためには、アコモデーション資産の企画・開発から管理・運営に至るまで、一貫した品質管理の下で事業を遂行することが重要と考えています。そのため、このようなノウハウと経験を有する三井不動産株式会社(以下「三井不動産」といいます。)並びにその子会社及び関連会社(以下併せて「三井不動産グループ」といいます。)を、本投資法人の資産運用に積極的かつ最大限に活用します。
(ロ)アコモデーション資産への投資
本投資法人の投資戦略の中心は「賃貸住宅」の継続的な取得と安定的な運用です。
また、資産規模の拡大によって堅固な収益基盤を実現していること、賃貸住宅以外のアコモデーション資産の投資市場の成熟度や市場規模が増してきたことから、「ホスピタリティ施設」に一定規模を投資します。
(図1)アコモデーション資産

a.賃貸住宅
(ⅰ)需要の安定性
日本の総人口は減少傾向にあると予想されていますが、少子高齢化や核家族化の進行により、単身世帯、エンプティ・ネスト世帯(子供が巣立った後の夫婦世帯)等の小規模世帯は逆に増加が予想され、社会(特に大都市)における就労環境の変化や、より高い生活利便性を求めて都心居住が進行する等、ライフスタイルが変化しており、都市部では人口や世帯数は安定的に推移するものと推計されています。
また、高品質な賃貸住宅の供給を背景として、持ち家から賃貸住宅への居住形態のシフトや、持ち家を所有しつつ賃貸住宅を含めた複数の住宅を住まい分けるライフスタイルの動きもあり、賃貸住宅に対する中期的な需要は安定的だと考えています。
(ⅱ)収益の安定性
賃貸住宅に対する出費は、「衣・食・住」という必要不可欠な生計の一つであるために、景気や資産価格の変動に影響を受けにくいという特徴があります。また、オフィスビル等の法人向け中心の賃貸用不動産と比較して、賃貸住宅の賃貸借契約は小口化されており、各契約の更新・解約時期が分散しているため、大量の空室が一斉に発生したり、賃料が一挙に上下動したりするリスクが相対的に低くなります。さらに、オフィスビル等と比較すると、賃貸住宅は物件規模が小さく、分散されたポートフォリオ構築が可能です。
(ⅲ)投資方針
需要と収益の安定性を持つ賃貸住宅への投資は、本投資法人の基本方針である「安定的な収益の確保」に本質的に適合します。本投資法人は、中期的な市場競争力と資産性を確保するため、稀少性の高い良質な賃貸住宅を投資対象とします。
b.ホスピタリティ施設
不動産の投資マーケットでは、オフィスや商業、賃貸住宅に加えて、ホテルやヘルスケア施設、学生寮などが投資対象となり取引が活性化しています。本投資法人では、寮・社宅、サービスアパートメント、シニア住宅及び宿泊施設を総称したホスピタリティ施設を投資対象とします。投資を行う場合は、投資採算性、マーケット環境及び運営形態等を総合的に検討の上で物件を選定します。
物件の選定においては、表1の投資対象及び留意点に配慮して判断します。
(表1)ホスピタリティ施設の投資方針
(ハ)三井不動産グループの活用
本投資法人は、外部成長及び内部成長を図るため、三井不動産グループが有する情報収集力、企画開発力、管理運営力等の総合力を最大限活用します。
a.賃貸住宅事業のバリューチェーン
三井不動産グループは、賃貸住宅のマーケティング、用地選定・取得、企画・開発からリーシング、管理・運営に至るまでのそれぞれの業務(表2)を担うグループ会社を擁し、賃貸住宅に関する全ての業務をグループ内で完結する体制を有しています(図2)。本投資法人が賃貸住宅を取得し、中長期にわたり資産運用するにあたっては、本資産運用会社はこのバリューチェーンを構成する三井不動産グループ各社のノウハウやサポートを活用します。
(表2)賃貸住宅事業の業務内容
(図2)三井不動産グループのバリューチェーン(賃貸住宅事業)

b.アコモデーション事業の実績
三井不動産グループは、ホスピタリティ施設のカテゴリー(表1)に関しても、ホテルやサービスアパートメント、シニア住宅や学生寮など多彩な事業の実績を有し、マーケット調査や用地取得から企画開発、管理運営に至るフェーズにおいてのノウハウが豊富です。
本投資法人は、ホスピタリティ施設の投資運用において、これらのノウハウを最大限に活用して、資産の取得と安定した運用を遂行します。
c.三井不動産グループとのサポート契約
三井不動産グループのバリューチェーンやノウハウを活用してポートフォリオを構築し、管理運営するために、本資産運用会社は以下のサポート契約を締結しています。
・三井不動産レジデンシャルとの不動産情報・アドバイザリーサービス提供に関する契約(2018年7月24日付)
・三井不動産リアルティとの不動産仲介情報提供等に関する覚書(2006年3月31日付)
・三井不動産レジデンシャルリースとのプロパティ・マネジメント業務に関する基本合意書(2006年3月31日付)
② 成長戦略
(イ)外部成長
本資産運用会社は、本投資法人が三井不動産グループの保有・開発するアコモデーション資産を安定的かつ継続的に取得することに努めます。また、三井不動産グループの情報ネットワークと本資産運用会社独自の情報収集ルートを活用することにより、三井不動産グループ外からも競争力の高い優良物件を取得し、着実な外部成長を目指します。
a.三井不動産レジデンシャルとの不動産情報・アドバイザリーサービス提供契約の活用
本資産運用会社は、三井不動産レジデンシャルとの間で締結した不動産情報・アドバイザリーサービス提供に関する契約(表3)に基づいて、同社が保有・開発する不動産の売却情報や、他社の売却物件情報を収集、活用し、本投資法人による物件取得に繋げます。また、本投資法人が運用資産を取得するにあたり、本資産運用会社は三井不動産レジデンシャルの不動産運用情報と建物設備に関するノウハウを活用します。
なお、三井不動産レジデンシャル及び本資産運用会社は、互いに自由に不動産等の売買を行うことを原則とし、本投資法人による不動産等の売買は、いかなる意味においても制限されません。
(表3)不動産情報・アドバイザリーサービス提供に関する契約
b.三井不動産グループの情報力・情報ネットワークの活用
本資産運用会社は、三井不動産グループ各社の広範な情報ネットワークを活用し、良質なアコモデーション資産の取得機会の獲得に努めるため、三井不動産リアルティとの間で物件情報提供に関する覚書等を締結しています。概要は表4のとおりです。
(表4)不動産仲介情報提供等に関する覚書
c.本資産運用会社独自の情報収集
三井不動産グループからの物件情報獲得に加え、本資産運用会社は独自の情報収集ルートを開拓し、良質なアコモデーション資産の取得に努めます。
(ロ)内部成長
本資産運用会社は、運用資産のブランド戦略やテナントサービス、三井不動産グループのバリューチェーンと専門性の高いノウハウを活かした最適な管理・運営により、顧客満足度や資産価値を長期的に維持し、賃料、稼働率の維持・向上やコスト削減を図り、確実な内部成長を目指します。
a.ブランド戦略
本投資法人の主要な運用資産である賃貸住宅については、三井不動産グループが企画・開発する「パークアクシス」シリーズをブランド戦略のコアに据え、「パークアクシス」に準じた性能を持つ「パークキューブ」シリーズと共にポートフォリオを構築していきます(図3)。
本資産運用会社は、「パークアクシス」と「パークキューブ」の両シリーズが高品質な住宅のブランドとして賃貸住宅マーケットで認知・浸透されるために、三井不動産グループと協働して、表5に掲げるパークアクシス品質を長期的に入居者へ提供するなどのブランド戦略を展開します。
(図3)ブランドステートメント


(表5)Park Axis Quality
b.入居者サービスの充実
本資産運用会社は、入居者に対して利便性と快適性の向上を図り、安全で安心な居住空間を提供することで高い顧客満足度を実現します。
表6は本投資法人の運用資産において提供している入居者サービスです。本資産運用会社は三井不動産グループと協働してサービスをさらに充実させていきます。
(表6)入居者サービスのメニュー
※ 一部の運用資産におけるサービスです。
c.マスターリース及びプロパティ・マネジメント業務
(ⅰ)賃貸住宅
賃貸住宅のプロパティ・マネジメント会社の役割は、テナント管理や建物管理に関する施策の提案・実施を遂行することであり、業務に精通した高い専門性を持ち、多数の分散された物件・テナントを対象に高品質かつ均質なサービスを提供するための組織的かつ効率的な業務遂行能力が不可欠です。本資産運用会社は、このような能力を備えたプロパティ・マネジメント会社として三井不動産レジデンシャルリースを選定し、同社との間でプロパティ・マネジメント基本合意書(2006年3月31日付)を締結しています。
基本合意書に基づき、投資法人が現に運用する賃貸住宅と将来取得する賃貸住宅のマスターリース及びプロパティ・マネジメント業務を三井不動産レジデンシャルリースに委託することにより、プロパティ・マネジメント業務の高質化と均質化を図ります。なお、主なプロパティ・マネジメント業務は以下のとおりです。
賃貸管理業務
・リーシング業務
・契約関連業務
・出入金業務
・テナント対応業務(入退居を含む)
建物管理業務
・建物・設備の保守、点検
・建物維持管理プランの策定
・建物・設備の修理、改修、更新の実施
・本資産運用会社に対するレポーティング業務
(ⅱ)ホスピタリティ施設
ホスピタリティ施設に関しては、本資産運用会社は各施設の事業体制や運営体制を考慮検討の上で賃借人となるオペレータ又は事業法人を個別に選定します。本投資法人は原則として当該オペレータや事業法人へ一括して建物を賃貸し、施設の運営及びプロパティ・マネジメント業務を原則として賃借人たるオペレータ又は事業法人に一任します。
d.リーシング
本投資法人から賃貸住宅のリーシング業務を受託した三井不動産レジデンシャルリースは、同社の100%子会社で賃貸仲介会社のレジデントファースト株式会社をはじめとして多数の賃貸仲介会社のネットワークを有しており、これらを活用してリーシングを行います。
e.建物共用部管理
建物共用部管理業務は、資産価値の維持、向上に関して最も重要な業務の一つです。本投資法人の運用資産に関しては、プロパティ・マネジメント会社を通じ建物共用部管理業務を建物管理会社に委託します。
建物管理会社の選定は、賃貸住宅では委託料やサービスレベル、物件特性を考慮の上、本資産運用会社と三井不動産レジデンシャルリースの協議により決定し、ホスピタリティ施設では原則として施設を運営するオペレータが決定します。
三井不動産グループは、分譲住宅を中心に豊富な建物管理実績を持つ三井不動産レジデンシャルサービス株式会社を有しています。本資産運用会社及び三井不動産レジデンシャルリースは、同社を建物管理会社の一つとしてその建物管理能力を活用していきます。
f.資産価値の維持
本資産運用会社は、プロパティ・マネジメント会社を通じて運用資産の状況やテナントの満足度を常時注視し、長期的な資産価値を維持する最適な修繕計画の策定に努めます。運用資産の築年数に応じて、競争力やセキュリティ、テナントアメニティ向上の観点から機動的かつ効果的な資本的支出を実施します。
修繕計画の策定及び実施にあたっては、三井不動産グループ各社の住宅事業とアコモデーション事業において蓄積された技術力やノウハウを活用しつつ、外部の専門家の活用も視野に入れて、有効かつ効果的な方法を選択します。
③ ポートフォリオ構築方針
(イ)資産の運用比率
本投資法人は賃貸住宅を中心に投資を行い、ホスピタリティ施設のポートフォリオに占める割合は、当面の上限につき10%(取得価格ベース)を目途として運用します。
(ロ)投資エリア
賃貸住宅の投資エリアは東京23区を主とした東京圏(※1)及び地方中核政令指定都市圏(※2)とし、ホスピタリティ施設の投資エリアは全国の主要都市並びにそれらの周辺部とします。本投資法人は、それぞれ資産特性に応じた需要に厚みのあるエリアに所在するアコモデーション資産へ投資します。
地域別投資比率は、賃貸住宅とホスピタリティ施設を含めたポートフォリオ全体に占める東京23区内の資産割合を80%以上(取得価格ベース)とします。本投資法人は、地域の特性やテナントのニーズを調査検討の上、それらに合致した建物プランとグレードの物件に投資します。
(※1)「東京圏」とは、東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県をいいます。
(※2)「地方中核政令指定都市圏」とは、札幌市、仙台市、名古屋市、大阪市、京都市、神戸市、広島市及び福岡市の各都市圏をいいます。
(ハ)投資基準
本資産運用会社は運用資産の選定にあたって、表7の基準に基づき投資の可否を判断します。
(表7)投資基準
(ニ)デュー・ディリジェンス基準
本資産運用会社は運用資産の選定にあたって、経済的調査、物理的調査及び法的調査等のデュー・ディリジェンスを行います。
デュー・ディリジェンスは、第三者である専門家から各種評価書や報告書を取得し、これらの内容を参考に、原則として表8の事項を調査の上、本資産運用会社が投資の可否を総合的に判断します。なお、表8は賃貸住宅用の調査事項であり、ホスピタリティ施設についても表8と同等の調査事項のデュー・ディリジェンスを行います。
(表8)デュー・ディリジェンス調査事項(賃貸住宅用)
(ホ)匿名組合出資持分・不動産対応証券への投資
a.投資基準
本投資法人が不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券へ投資を行う場合には、以下の事項を検討して投資を行います。
・裏付けとなる不動産等が表7の投資基準に適合していること。
・運用対象とされる不動産等の売却時に、本投資法人による取得機会が与えられていること。
b.投資比率
本投資法人の運用資産の総額に対する匿名組合出資持分及び不動産対応証券の合計額の割合は10%以内(直近の簿価ベース)とします。
c.デュー・ディリジェンス基準
不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券への投資を行う場合は、裏付となる不動産等に関して表8に準じたデュー・ディリジェンスを行うことを原則とします。また、表8の記載事項に加え、原則として表9の事項を調査の上、投資の可否を総合的に判断します。
(表9)デュー・ディリジェンス調査事項(匿名組合出資等)
(へ)シニア住宅の取得に際しての留意事項
a.外部専門家からの助言
本投資法人が、シニア住宅の取得に際し、ヘルスケア施設(※)に該当する資産の取得を行う場合、ヘルスケア施設への投資業務、融資業務、デュー・ディリジェンス業務、不動産鑑定評価業務又はオペレーション業務の経験等により、ヘルスケア施設の事業特性を十分に理解しているコンサルタント会社等の外部専門家から、外部環境分析及び事業計画分析等につき、必要な助言を受けることとします。
(※)ヘルスケア施設とは、高齢者の居住の安定確保に関する法律第5条に規定する「サービス付き高齢者向け住宅」並びに老人福祉法第29条に規定する「有料老人ホーム」及び同法第5条の2第6項に基づく「認知症高齢者グループホーム」をいいます。
b.利用者への配慮事項
ヘルスケア施設の取得を行う場合、利用料及び契約内容等について、利用者に不安を抱かせることのないよう、以下の事項につき、できる限り留意し、本投資法人の資産運用を行うものとします。
(ⅰ)本投資法人の仕組みの周知
オペレータが利用者に本投資法人の仕組み(例えば、①施設の所有者は本投資法人であり、施設のサービスはオペレータが提供していること、②本投資法人は運用対象施設を長期保有することが原則であること等)を十分に周知させるよう、オペレータに働きかけるとともに、必要に応じ、本資産運用会社が利用者に周知活動を行うよう可能な限り努力します。
(ⅱ)ヘルスケア施設の適切な運営の確認
利用者の安心感を確保するため、施設の状態、利用料及び契約内容等について、関係法令に適合しているものであるかどうかの確認や、地方公共団体による通知等への対応状況の確認などを行うようできる限り努力します。
(ⅲ)ヘルスケア施設の適切な運営の確保
利用者の安心感を確保するため、オペレータに対し、利用料及び契約内容等に関して、本投資法人とオペレータの賃貸借契約書又はこれに代わる協定書、覚書等において、オペレータが本投資法人の運用対象となるヘルスケア施設に適用される関係法令に適合し、行政指導に対応した運営を行う旨を表明させるようできる限り努力します。
④ ポートフォリオ運営管理方針
(イ)年度運用計画
本資産運用会社は、本投資法人の運用資産について年度ごとの運用計画(以下「年度運用計画」といいます。)を作成します。年度運用計画には、運用資産の管理計画や資本的支出の見込(大規模修繕計画を含む)等を含み、投資委員会によって決定します。
本資産運用会社は、策定した年度運用計画に基づき、プロパティ・マネジメント会社と協働して運用資産の運営・管理を行い、著しい環境等の変化が起きた場合には、適宜年度運用計画の修正や見直しを行います。
(ロ)プロパティ・マネジメント会社のモニタリング
a.賃貸住宅
本資産運用会社は、プロパティ・マネジメント会社として選定した三井不動産レジデンシャルリースが以下の要件を全て満たしているかを定期的にモニタリングします。
・本資産運用会社が求める運用業務仕様に基づき、プロパティ・マネジメント業務を遂行できる組織的体制が構築されていること。
・新規テナント募集業務が円滑に遂行されることが可能な体制が構築されていること。
・管理業務報酬が市場水準と比較して妥当な範囲であること。
モニタリングの結果によっては、改善の指示を行う他、プロパティ・マネジメント会社を変更する場合があります。
b.ホスピタリティ施設
本資産運用会社はホスピタリティ施設の資産特性及び賃貸借契約の内容に応じて、オペレータ又は事業法人の施設管理状況や運営状況を定期的にモニタリングします。モニタリングの結果によっては、改善の要請を行うなど健全な管理運営が遂行されるようにオペレータ又は事業法人と協議調整を図ります。
(ハ)建物損害保険の付保
火災等の災害や事故により生じる建物の損害又は第三者からの損害賠償請求に対応するため、本資産運用会社は資産特性に応じ、適正と判断する内容の火災保険及び包括賠償責任保険等の損害保険を付保します。
地震保険の付保に関しては、地震発生時に予想される個別物件及びポートフォリオ全体に対する影響と保険の実効性等とを勘案して判断します。個別物件のPML値が20%を上回る場合、又は当該物件が加わることによってポートフォリオ全体のPML値が15%を上回る場合は、災害による影響と保険料負担等を比較の上、地震保険の付保を検討します。
(ニ)修繕計画と資本的支出
本投資法人の運用資産に関する修繕計画は、通常必要とされる経常的支出(小修繕)の他、中長期的な市場競争力及びテナント満足度の維持向上に必要な資本的支出を考慮した営業戦略的な修繕計画とし、必要な修繕と資本的支出を行います。
物件取得時及び以降およそ5年ごとに取得するエンジニアリングレポートにて、その後12年間の中期修繕見込を把握した上で、年度運用計画において当該年度の修繕計画の策定と見直しを行います。
⑤ 売却方針
本投資法人の運用資産は、原則として中長期にわたり保有することで安定収益を確保することを目的としており、原則として短期的な売却は行いません。
但し、運用資産を売却する際には、現時点と将来における賃貸及び売買マーケットの動向、資産価値の増減及びその予測、不動産の劣化又は陳腐化リスク及びそれに対するコスト予測等を検討の上、ポートフォリオ全体が受ける影響等も考慮に入れて総合的に判断します。
⑥ 財務方針
(イ)募集投資口の発行
資産の取得、修繕等、本投資法人の運営に要する資金、又は債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として募集投資口の発行を機動的に行います。
(ロ)デットファイナンス
資産の取得、修繕費若しくは分配金の支払い、本投資法人の運営に要する資金、又は債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として、資金を借入れ(コール市場を通じる場合を含みます。)又は投資法人債(短期投資法人債を含みます。別段の記載がない限り、以下同じとします。)を発行します。資金を借入れる場合は、租税特別措置法に規定する機関投資家からの借入れに限るものとします。また、借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ1兆円とし、その合計額が1兆円を超えないものとします。借入れ又は投資法人債の発行につき、本投資法人は運用資産を担保として提供することができます(規約第35条)。
(ハ)ローン・トゥー・バリュー・レシオ(LTV)
本投資法人の総資産に対して有利子負債が占める割合(以下「ローン・トゥー・バリュー・レシオ」又は「LTV」といいます。)の上限は60%を目途とします(但し、資産の取得等に伴い、一時的に60%を超えることがあります。)。
(ニ)デリバティブ
本投資法人が行うデリバティブ取引は、負債から生じる金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的とした運用に限るものとします(規約第29条第2項)。
⑦ 情報開示方針
「開かれた透明性のある投資法人」であることを自ら示し、社会の認知を得ることを開示の方針とします。また全ての投資主に対して正確で偏りのない情報を遅滞なく伝達できる環境を常に整えます。本投資法人は投信法、金商法、東京証券取引所、投資信託協会等がそれぞれ要請する様式に従って開示を行う他、投資判断上重要と考える情報を積極的に開示します。
⑧ サステナビリティに関する方針
本資産運用会社は、持続可能な社会の実現が本投資法人の持続可能な成長にとって不可欠であるとの認識のもと、環境負荷の低減及び社内外の様々な主体との多様な連携・協力に配慮した資産運用業務を行うよう努めます。
また、コーポレート・ガバナンスについても重要な課題であるとの認識に基づき、コンプライアンスの徹底、リスク管理体制の構築等に努めます。
なお、上記課題を推進するにあたって、本資産運用会社ではスポンサーである三井不動産が定めるサステナビリティに関する各種のグループ方針を参照し、必要に応じて資産運用業務の遂行における行動規範とする場合があります。
本投資法人と本資産運用会社との間で締結された資産運用委託契約の規定に従い、本資産運用会社は、本投資法人の資産の運用及び管理に係る方針につき、以下のとおり、その社内規程として資産運用ガイドラインを制定しています。
① 基本方針
(イ)基本方針
本投資法人は、投資主価値の最大化を目的とし、中長期的な観点から安定的な収益の確保と着実な運用資産の成長を目指し、資産の運用を行うことを基本方針としています(規約第26条第1項)。
本資産運用会社は、本投資法人の資産運用の基本方針として、「アコモデーション資産への投資」と「三井不動産グループの活用」という2つの戦略を採用します。
a.アコモデーション資産への投資
本投資法人は、主として居住の用に供され、又は供されることが可能な不動産(複数の不動産で一体開発若しくは一体利用されている場合を含みます。以下同じとします。)が本体又は裏付けとなっている不動産関連資産(後記「(2)投資対象 ① 投資対象とする資産の種類、内容等(規約第28条)(イ)」に掲げる資産をいいます。)を主な投資対象とします。また、これに加えて、主として宿泊の用に供され、又は供されることが可能な不動産が本体又は裏付けとなっている不動産関連資産も投資対象とします(規約第27条第2項)。
人々のライフスタイルや家族構成の変化、経済環境や社会情勢の変化に伴い、居住や宿泊に対するニーズは多様化しています。本投資法人は、このような社会構造やニーズの変化の中で、主として居住及び宿泊の用に供され、又は供されることが可能な不動産(分譲住宅を除きます。)を「アコモデーション資産」と定義し、「賃貸住宅」と「ホスピタリティ施設」の2分野を投資対象とします。
本投資法人は、滞在空間や滞在時間において入居者や利用者の多様なニーズやウォンツに対応し、顧客満足度を高めることが、アコモデーション資産の価値の最大化に資すると考えています。滞在時間が比較的長い「賃貸住宅」から短期滞在の「宿泊施設」まで、これらアコモデーション資産を適切に運用していくことにより、安定的な収益の確保を目指します。
なお、「ホスピタリティ施設」とは、寮・社宅、サービスアパートメント、シニア住宅及び宿泊施設の4つのカテゴリーを総称したものとします(図1)。
b.三井不動産グループの活用
居住・宿泊空間における入居者や利用者の顧客満足を高めるためには、アコモデーション資産の企画・開発から管理・運営に至るまで、一貫した品質管理の下で事業を遂行することが重要と考えています。そのため、このようなノウハウと経験を有する三井不動産株式会社(以下「三井不動産」といいます。)並びにその子会社及び関連会社(以下併せて「三井不動産グループ」といいます。)を、本投資法人の資産運用に積極的かつ最大限に活用します。
(ロ)アコモデーション資産への投資
本投資法人の投資戦略の中心は「賃貸住宅」の継続的な取得と安定的な運用です。
また、資産規模の拡大によって堅固な収益基盤を実現していること、賃貸住宅以外のアコモデーション資産の投資市場の成熟度や市場規模が増してきたことから、「ホスピタリティ施設」に一定規模を投資します。
(図1)アコモデーション資産

a.賃貸住宅
(ⅰ)需要の安定性
日本の総人口は減少傾向にあると予想されていますが、少子高齢化や核家族化の進行により、単身世帯、エンプティ・ネスト世帯(子供が巣立った後の夫婦世帯)等の小規模世帯は逆に増加が予想され、社会(特に大都市)における就労環境の変化や、より高い生活利便性を求めて都心居住が進行する等、ライフスタイルが変化しており、都市部では人口や世帯数は安定的に推移するものと推計されています。
また、高品質な賃貸住宅の供給を背景として、持ち家から賃貸住宅への居住形態のシフトや、持ち家を所有しつつ賃貸住宅を含めた複数の住宅を住まい分けるライフスタイルの動きもあり、賃貸住宅に対する中期的な需要は安定的だと考えています。
(ⅱ)収益の安定性
賃貸住宅に対する出費は、「衣・食・住」という必要不可欠な生計の一つであるために、景気や資産価格の変動に影響を受けにくいという特徴があります。また、オフィスビル等の法人向け中心の賃貸用不動産と比較して、賃貸住宅の賃貸借契約は小口化されており、各契約の更新・解約時期が分散しているため、大量の空室が一斉に発生したり、賃料が一挙に上下動したりするリスクが相対的に低くなります。さらに、オフィスビル等と比較すると、賃貸住宅は物件規模が小さく、分散されたポートフォリオ構築が可能です。
(ⅲ)投資方針
需要と収益の安定性を持つ賃貸住宅への投資は、本投資法人の基本方針である「安定的な収益の確保」に本質的に適合します。本投資法人は、中期的な市場競争力と資産性を確保するため、稀少性の高い良質な賃貸住宅を投資対象とします。
b.ホスピタリティ施設
不動産の投資マーケットでは、オフィスや商業、賃貸住宅に加えて、ホテルやヘルスケア施設、学生寮などが投資対象となり取引が活性化しています。本投資法人では、寮・社宅、サービスアパートメント、シニア住宅及び宿泊施設を総称したホスピタリティ施設を投資対象とします。投資を行う場合は、投資採算性、マーケット環境及び運営形態等を総合的に検討の上で物件を選定します。
物件の選定においては、表1の投資対象及び留意点に配慮して判断します。
(表1)ホスピタリティ施設の投資方針
| カテゴリー | 投資対象・留意点 |
| 寮・社宅 | ・主として学生や社会人に向けて貸し出される賃貸住宅や寄宿舎をいい、本投資法人は主に単身者向けの施設を投資対象とします。 ・本投資法人が寮・社宅に投資を行う場合、オペレータをテナントとした一括賃貸を原則とし、当該オペレータが入居者に転貸する運営形態を採用します。なお、オペレータには従業員等の利用を目的とする法人を含みます。 |
| サービスアパートメント | ・リネン交換サービス、室内清掃サービス、フロントサービス等を提供する家具付きの賃貸住宅のことをいい、もっぱら短期居住の用に供されます。 ・施設運営には、サービスの提供や入退去管理など専門の運営組織とノウハウが必要となるため、本投資法人がサービスアパートメントに投資を行う場合、十分な運営能力と信用力を備えていると判断した専門のオペレータか、専門のオペレータに運営を委託して事業を営む法人(以下「事業法人」といいます。)への一括賃貸を原則とします。 |
| シニア住宅 | ・有料老人ホーム及び介護サービスを提供する賃貸住宅をいいます。 ・施設運営には、介護サービスの提供や収益管理など専門の運営組織とノウハウが必要となるため、本投資法人がシニア住宅に投資を行う場合、十分な運営能力と信用力を備えていると判断した専門のオペレータへの一括賃貸を原則とします。 |
| 宿泊施設 | ・旅館業法第3条第1項の許可を受けた宿泊の用に供する施設をいいます。 ・施設運営には、サービスの提供や収益管理など専門の運営組織とノウハウが必要となるため、本投資法人が宿泊施設に投資を行う場合、十分な運営能力と信用力を備えていると判断した専門のオペレータか、専門のオペレータに運営を委託する事業法人への一括賃貸を原則とします。 |
(ハ)三井不動産グループの活用
本投資法人は、外部成長及び内部成長を図るため、三井不動産グループが有する情報収集力、企画開発力、管理運営力等の総合力を最大限活用します。
a.賃貸住宅事業のバリューチェーン
三井不動産グループは、賃貸住宅のマーケティング、用地選定・取得、企画・開発からリーシング、管理・運営に至るまでのそれぞれの業務(表2)を担うグループ会社を擁し、賃貸住宅に関する全ての業務をグループ内で完結する体制を有しています(図2)。本投資法人が賃貸住宅を取得し、中長期にわたり資産運用するにあたっては、本資産運用会社はこのバリューチェーンを構成する三井不動産グループ各社のノウハウやサポートを活用します。
(表2)賃貸住宅事業の業務内容
| フェーズ | 業務内容 |
| マーケット調査・分析 | ・経済、不動産、分譲住宅、賃貸住宅に関する各種統計資料・データ分析 ・供給計画調査、新規供給物件の稼働状況調査、定点観測等によるマーケット動向の把握 ・用地取得検討物件や開発物件の周辺競合調査、賃料・稼働率に関する豊富なトラックレコード等によるミクロマーケットの把握とニーズの検証 |
| 用地取得 | ・マクロマーケットや潜在需要動向も踏まえた用地取得戦略の策定 ・小規模物件の開発から複合開発・大規模開発まで様々なタイプの開発能力等に裏付けられる豊富な用地情報の収集 |
| 企画・設計 | ・用途、居住人数、家族構成、ライフスタイルに応じた詳細なターゲット設定と開発コンセプトの策定 ・ターゲットとコンセプトに合致した建物プラン、スペック、グレード、テイスト等の戦略的な企画 ・デザイン性、安全性、機能性、経済性、メンテナンス性等の視点による戦略的な設計 |
| 施工管理・監修 | ・三井不動産レジデンシャルの賃貸住宅設計チェックリスト等を活用した品質管理とコスト管理 ・建築、構造、設備各方面のプロフェッショナル・スタッフによる施工現場管理や施工図面のチェック |
| リーシング | ・建物プランの評価、市場環境や住環境の把握に基づく競争力のある賃料設定 ・仲介業者ネットワークの活用によるテナント募集 |
| 管理・運営 | ・テナントニーズの把握と適切な建物の維持管理 ・適切な投資収益評価に基づくリニューアルやリノベーションの実施 ・スケールメリットを活かした付加価値サービスの提供 |
(図2)三井不動産グループのバリューチェーン(賃貸住宅事業)

b.アコモデーション事業の実績
三井不動産グループは、ホスピタリティ施設のカテゴリー(表1)に関しても、ホテルやサービスアパートメント、シニア住宅や学生寮など多彩な事業の実績を有し、マーケット調査や用地取得から企画開発、管理運営に至るフェーズにおいてのノウハウが豊富です。
本投資法人は、ホスピタリティ施設の投資運用において、これらのノウハウを最大限に活用して、資産の取得と安定した運用を遂行します。
c.三井不動産グループとのサポート契約
三井不動産グループのバリューチェーンやノウハウを活用してポートフォリオを構築し、管理運営するために、本資産運用会社は以下のサポート契約を締結しています。
・三井不動産レジデンシャルとの不動産情報・アドバイザリーサービス提供に関する契約(2018年7月24日付)
・三井不動産リアルティとの不動産仲介情報提供等に関する覚書(2006年3月31日付)
・三井不動産レジデンシャルリースとのプロパティ・マネジメント業務に関する基本合意書(2006年3月31日付)
② 成長戦略
(イ)外部成長
本資産運用会社は、本投資法人が三井不動産グループの保有・開発するアコモデーション資産を安定的かつ継続的に取得することに努めます。また、三井不動産グループの情報ネットワークと本資産運用会社独自の情報収集ルートを活用することにより、三井不動産グループ外からも競争力の高い優良物件を取得し、着実な外部成長を目指します。
a.三井不動産レジデンシャルとの不動産情報・アドバイザリーサービス提供契約の活用
本資産運用会社は、三井不動産レジデンシャルとの間で締結した不動産情報・アドバイザリーサービス提供に関する契約(表3)に基づいて、同社が保有・開発する不動産の売却情報や、他社の売却物件情報を収集、活用し、本投資法人による物件取得に繋げます。また、本投資法人が運用資産を取得するにあたり、本資産運用会社は三井不動産レジデンシャルの不動産運用情報と建物設備に関するノウハウを活用します。
なお、三井不動産レジデンシャル及び本資産運用会社は、互いに自由に不動産等の売買を行うことを原則とし、本投資法人による不動産等の売買は、いかなる意味においても制限されません。
(表3)不動産情報・アドバイザリーサービス提供に関する契約
| 契約当事者 | 三井不動産レジデンシャル、本資産運用会社 |
| 主な内容 | <資産運用ガイドラインの開示>本資産運用会社は三井不動産レジデンシャルに対して資産運用ガイドラインを開示します。 <三井不動産レジデンシャルが保有・開発する不動産等の情報の提供>三井不動産レジデンシャルは、自らが保有又は開発する不動産等を売却する場合は、本資産運用会社に対して当該売却に関する情報を提供します。 これを受けて本資産運用会社が当該不動産等の購入を検討する意向を三井不動産レジデンシャルに書面にて示した場合には、三井不動産レジデンシャルは本投資法人を少なくとも第三者と同順位の購入候補者として取り扱うものとします。 <第三者の不動産売却情報の提供>三井不動産レジデンシャルは、入手した第三者保有の不動産等に関する情報で、資産運用ガイドラインに合致するものを本資産運用会社に提供します。 <不動産運用情報の提供>三井不動産レジデンシャルは、賃貸住宅等運用情報(賃貸住宅及び寮・社宅の市場環境に関する定性的見解及び定量的データ)のうち、情報提供が可能なものを本資産運用会社に提供します。 <アドバイザリーサービスの提供>三井不動産レジデンシャルは、本投資法人が取得検討する不動産等及び本投資法人が既に取得した不動産等の建物設備に関する技術的な助言(投資助言は含まない。)を本資産運用会社に提供します。 |
| 報酬 | 本資産運用会社は、三井不動産レジデンシャルに本契約にかかる報酬を支払います。 |
b.三井不動産グループの情報力・情報ネットワークの活用
本資産運用会社は、三井不動産グループ各社の広範な情報ネットワークを活用し、良質なアコモデーション資産の取得機会の獲得に努めるため、三井不動産リアルティとの間で物件情報提供に関する覚書等を締結しています。概要は表4のとおりです。
(表4)不動産仲介情報提供等に関する覚書
| 契約当事者 | 三井不動産リアルティ、本資産運用会社 |
| 主な内容 | <第三者の不動産売却情報の提供>三井不動産リアルティは、入手した第三者保有の不動産等に関する情報のうち、本資産運用会社が定めた資産運用ガイドラインに合致するものを本資産運用会社に提供します。 |
c.本資産運用会社独自の情報収集
三井不動産グループからの物件情報獲得に加え、本資産運用会社は独自の情報収集ルートを開拓し、良質なアコモデーション資産の取得に努めます。
(ロ)内部成長
本資産運用会社は、運用資産のブランド戦略やテナントサービス、三井不動産グループのバリューチェーンと専門性の高いノウハウを活かした最適な管理・運営により、顧客満足度や資産価値を長期的に維持し、賃料、稼働率の維持・向上やコスト削減を図り、確実な内部成長を目指します。
a.ブランド戦略
本投資法人の主要な運用資産である賃貸住宅については、三井不動産グループが企画・開発する「パークアクシス」シリーズをブランド戦略のコアに据え、「パークアクシス」に準じた性能を持つ「パークキューブ」シリーズと共にポートフォリオを構築していきます(図3)。
本資産運用会社は、「パークアクシス」と「パークキューブ」の両シリーズが高品質な住宅のブランドとして賃貸住宅マーケットで認知・浸透されるために、三井不動産グループと協働して、表5に掲げるパークアクシス品質を長期的に入居者へ提供するなどのブランド戦略を展開します。
(図3)ブランドステートメント


(表5)Park Axis Quality
| 基本性能品質 | 立地や建物の特性を踏まえた最適な耐震性や耐久性、遮音性など、 建物のクオリティを高いレベルで実現します。 |
| 安心・安全品質 | さまざまな防犯設備やセキュリティ対策、耐震設備、健康に配慮した仕様など、毎日が安心できる都市生活を提供します。 |
| 空間デザイン品質 | 建物外観をはじめ、植栽、エントランス、そして住戸内の間取り、収納、コンセント位置まで、機能性が高く美しい空間デザインを提供します。 |
| メンテナンス品質 | 賃貸住宅ならではのメンテナンスの容易さや更新性に優れた設備や仕様を提供し、長期にわたって資産価値を保持する建物です。 |
| 環境性能品質 | 快適に暮らしながら、エネルギー使用量や光熱費を抑える取り組みを推進して います。 |
b.入居者サービスの充実
本資産運用会社は、入居者に対して利便性と快適性の向上を図り、安全で安心な居住空間を提供することで高い顧客満足度を実現します。
表6は本投資法人の運用資産において提供している入居者サービスです。本資産運用会社は三井不動産グループと協働してサービスをさらに充実させていきます。
(表6)入居者サービスのメニュー
| 利便性向上を図るサービス | |
| 三井の住まいLOOP | 三井不動産グループが供給、管理又はサービス提供を行う住宅の所有者や居住者を対象としたメンバーシップ・サービスです(入会手続き必要)。 部屋まわりのサービスや暮らしのサービスを受けることができます。 |
| コンシェルジュ ※ | 日常生活のみならず、充実したライフスタイルを追求する入居者のニーズを満たすためのフロントサービスを提供します。 |
| ハウスホールドサービス ※ | ハウスクリーニングや家具・家電リース、ケータリングサービス、家事代行等、入居者の利便性を高めるサービスを他業者との提携により提供します。 |
| 保証人不要システム | 貸主と入居者との間に保証会社が入り、入居者は保証会社に保証料金を払うことによって連帯保証人を不要とするサービスです。 |
| 安全と安心確保のためのサービス・サポート | |
| お客様サポート窓口 C-desk | 水漏れ、エアコン・給湯器等の設備機器トラブル、賃貸借契約更新や車庫証明の発行等も24時間年中無休・フリーダイアルで受付、対処するサービスを提供します。 |
| 入居者ガイドブック | 入居の準備から退居時まで賃貸ライフのガイドとなる「ご入居者ガイドブック」を配布し、水道、ガス、電気等の公共料金の諸手続きもサポートします。 |
※ 一部の運用資産におけるサービスです。
c.マスターリース及びプロパティ・マネジメント業務
(ⅰ)賃貸住宅
賃貸住宅のプロパティ・マネジメント会社の役割は、テナント管理や建物管理に関する施策の提案・実施を遂行することであり、業務に精通した高い専門性を持ち、多数の分散された物件・テナントを対象に高品質かつ均質なサービスを提供するための組織的かつ効率的な業務遂行能力が不可欠です。本資産運用会社は、このような能力を備えたプロパティ・マネジメント会社として三井不動産レジデンシャルリースを選定し、同社との間でプロパティ・マネジメント基本合意書(2006年3月31日付)を締結しています。
基本合意書に基づき、投資法人が現に運用する賃貸住宅と将来取得する賃貸住宅のマスターリース及びプロパティ・マネジメント業務を三井不動産レジデンシャルリースに委託することにより、プロパティ・マネジメント業務の高質化と均質化を図ります。なお、主なプロパティ・マネジメント業務は以下のとおりです。
賃貸管理業務
・リーシング業務
・契約関連業務
・出入金業務
・テナント対応業務(入退居を含む)
建物管理業務
・建物・設備の保守、点検
・建物維持管理プランの策定
・建物・設備の修理、改修、更新の実施
・本資産運用会社に対するレポーティング業務
(ⅱ)ホスピタリティ施設
ホスピタリティ施設に関しては、本資産運用会社は各施設の事業体制や運営体制を考慮検討の上で賃借人となるオペレータ又は事業法人を個別に選定します。本投資法人は原則として当該オペレータや事業法人へ一括して建物を賃貸し、施設の運営及びプロパティ・マネジメント業務を原則として賃借人たるオペレータ又は事業法人に一任します。
d.リーシング
本投資法人から賃貸住宅のリーシング業務を受託した三井不動産レジデンシャルリースは、同社の100%子会社で賃貸仲介会社のレジデントファースト株式会社をはじめとして多数の賃貸仲介会社のネットワークを有しており、これらを活用してリーシングを行います。
e.建物共用部管理
建物共用部管理業務は、資産価値の維持、向上に関して最も重要な業務の一つです。本投資法人の運用資産に関しては、プロパティ・マネジメント会社を通じ建物共用部管理業務を建物管理会社に委託します。
建物管理会社の選定は、賃貸住宅では委託料やサービスレベル、物件特性を考慮の上、本資産運用会社と三井不動産レジデンシャルリースの協議により決定し、ホスピタリティ施設では原則として施設を運営するオペレータが決定します。
三井不動産グループは、分譲住宅を中心に豊富な建物管理実績を持つ三井不動産レジデンシャルサービス株式会社を有しています。本資産運用会社及び三井不動産レジデンシャルリースは、同社を建物管理会社の一つとしてその建物管理能力を活用していきます。
f.資産価値の維持
本資産運用会社は、プロパティ・マネジメント会社を通じて運用資産の状況やテナントの満足度を常時注視し、長期的な資産価値を維持する最適な修繕計画の策定に努めます。運用資産の築年数に応じて、競争力やセキュリティ、テナントアメニティ向上の観点から機動的かつ効果的な資本的支出を実施します。
修繕計画の策定及び実施にあたっては、三井不動産グループ各社の住宅事業とアコモデーション事業において蓄積された技術力やノウハウを活用しつつ、外部の専門家の活用も視野に入れて、有効かつ効果的な方法を選択します。
③ ポートフォリオ構築方針
(イ)資産の運用比率
本投資法人は賃貸住宅を中心に投資を行い、ホスピタリティ施設のポートフォリオに占める割合は、当面の上限につき10%(取得価格ベース)を目途として運用します。
(ロ)投資エリア
賃貸住宅の投資エリアは東京23区を主とした東京圏(※1)及び地方中核政令指定都市圏(※2)とし、ホスピタリティ施設の投資エリアは全国の主要都市並びにそれらの周辺部とします。本投資法人は、それぞれ資産特性に応じた需要に厚みのあるエリアに所在するアコモデーション資産へ投資します。
地域別投資比率は、賃貸住宅とホスピタリティ施設を含めたポートフォリオ全体に占める東京23区内の資産割合を80%以上(取得価格ベース)とします。本投資法人は、地域の特性やテナントのニーズを調査検討の上、それらに合致した建物プランとグレードの物件に投資します。
(※1)「東京圏」とは、東京都、神奈川県、千葉県及び埼玉県をいいます。
(※2)「地方中核政令指定都市圏」とは、札幌市、仙台市、名古屋市、大阪市、京都市、神戸市、広島市及び福岡市の各都市圏をいいます。
(ハ)投資基準
本資産運用会社は運用資産の選定にあたって、表7の基準に基づき投資の可否を判断します。
(表7)投資基準
| 項目 | 基準 |
| 投資額 | 概ね1棟10億円以上を目途としますが、物件特性や収益性等を考慮の上、1棟10億円未満の物件も投資対象とします。 |
| 権利関係 | 1棟完全所有を原則としますが、物件特性を考慮の上、共有物件、区分所有物件、借地物件(定期借地を含む)及び底地物件も投資対象とします。 |
| 構造 | 鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造(軽量鉄骨を除く)及びこれらの混構造の建物とします。但し、建物用途の特性に照らし適切と判断した場合には、木造(耐火建築物に限る)の建物も投資対象とします。 |
| 耐震基準 | 建築基準法の昭和56年改正後の耐震基準である新耐震基準に適合している建物又はそれと同水準の耐震性能を有する建物とします。 |
| PML値 (予想最大損失率) | 15%以上の物件は取得を見合わせるか、取得する場合には耐震補強工事の実施又は地震保険の付保等の対応をします。 |
| 未竣工物件 | 既に安定的な賃料収入が確保されている物件を取得することを原則としますが、未竣工ではあるものの、建物の竣工、引渡し及びテナント確保のリスクが極小化されていると判断できる物件については、建築確認取得から竣工までの間に、竣工と同時又は竣工後速やかに引渡を受ける内容の売買契約の締結を可能とします。 |
| 開発物件 | 投資法人が土地を取得又は借地をし、建物の建築主となる開発物件への投資は行わないものとします(運用資産の建替えや増築を除く)。 |
(ニ)デュー・ディリジェンス基準
本資産運用会社は運用資産の選定にあたって、経済的調査、物理的調査及び法的調査等のデュー・ディリジェンスを行います。
デュー・ディリジェンスは、第三者である専門家から各種評価書や報告書を取得し、これらの内容を参考に、原則として表8の事項を調査の上、本資産運用会社が投資の可否を総合的に判断します。なお、表8は賃貸住宅用の調査事項であり、ホスピタリティ施設についても表8と同等の調査事項のデュー・ディリジェンスを行います。
(表8)デュー・ディリジェンス調査事項(賃貸住宅用)
| 項目 | 調査事項 | |
| 経済的調査 | 市場調査 | ① 所在地域の居住環境の現状確認 ② 所在地域における賃貸住宅の需給 ③ 所在地域における競合賃貸住宅の動向 ④ 所在地域における市場賃料 ⑤ 割引率及び還元利回りの水準 |
| テナント調査 | ① テナントの信用度、賃料収入状況 ② テナントの利用目的・反社会的勢力の入居の有無の確認 | |
| 収益関係調査 | ① 建物運営経費の現況確認 ② 修繕・更新費の中長期計画の策定 ③ 収支計画の策定 ④ ポートフォリオ戦略との整合性の検証 | |
| 物理的調査 | 立地 | ① 街路の状況、主要交通機関からの利便性 ② 利便施設、官公署からの接近性 ③ 隣地との境界・越境の現況(主として目視確認による) ④ 眺望、採光、騒音、通風等の居住性 ⑤ 嫌悪施設の有無 ⑥ 周辺地域の将来の開発計画 |
| 建築及び設備・仕様 | ① 建物構造、築年数、施工業者等 ② 間取り、天井高、内部仕様(天井・壁・床等)、内外装の使用資材、衛生設備、空調設備、電気設備、昇降機設備、駐車場等の設備の維持管理 ③ 緊急修繕の必要性 | |
| 建物管理関係 | ① 関係法令の遵守状況 ② 実際の管理状況 ③ 管理会社の質及び契約関係 | |
| 耐震性能・PML | ① 新耐震基準又はそれと同水準以上の性能の確保 ② 施工会社、設計会社、構造設計会社、建築確認検査機関のチェックと、構造計算書に偽造がなされていないことの確認 ③ 地震PML(予想最大損失率)値 | |
| 環境・土壌等 | ① 建物有害物質含有調査 ② 土地利用履歴、土壌汚染調査 | |
| 項目 | 調査事項 | |
| 法的調査 | 権利関係 | 前所有者の権利の確実性を検討します。 ① 所有権・抵当権の権利関係 ② 賃貸借契約関係(賃貸住戸面積の確認含む) ③ 土地の境界確認書や越境に係る覚書等 ④ 道路法に基づく道路占用許可 ⑤ 環境保全等のための規制法令の遵守状況 ⑥ 前所有者の権利の確実性を阻害する要因の存在 共有物件、区分所有物件、借地物件(定期借地を含む)及び底地物件等、本投資法人が所有権を有しないか又は単独では所有権を有しない等権利関係が複雑な物件については、以下の点を含めその権利関係を慎重に検討します。 ① 借地権に関しての対抗要件具備の有無及び借地権に優先する他の権利の有無 ② 敷地権登記の有無、建物と敷地権の分離処分の制限及びその登記の有無、持分割合の状況 ③ 敷金保全措置、長期修繕計画に基づく積立金の方針・措置 ④ 共有物不分割特約及びその登記の有無、共有物分割請求及び共有持分売却等に関する適切な措置並びに共有者間における債権債務関係 ⑤ 区分所有物件の区分性 ⑥ 本投資法人による取得前に設定された担保の設定状況や契約の内容とその承継の有無 ⑦ 借地権設定者、借地権者、区分所有者及び共有者等と締結された規約・特約等の内容 ⑧ 借地権設定者、借地権者、区分所有者及び共有者等の法人・個人の別等の属性 ⑨ 不動産を信託する信託受益権については信託契約の内容 |
(ホ)匿名組合出資持分・不動産対応証券への投資
a.投資基準
本投資法人が不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券へ投資を行う場合には、以下の事項を検討して投資を行います。
・裏付けとなる不動産等が表7の投資基準に適合していること。
・運用対象とされる不動産等の売却時に、本投資法人による取得機会が与えられていること。
b.投資比率
本投資法人の運用資産の総額に対する匿名組合出資持分及び不動産対応証券の合計額の割合は10%以内(直近の簿価ベース)とします。
c.デュー・ディリジェンス基準
不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券への投資を行う場合は、裏付となる不動産等に関して表8に準じたデュー・ディリジェンスを行うことを原則とします。また、表8の記載事項に加え、原則として表9の事項を調査の上、投資の可否を総合的に判断します。
(表9)デュー・ディリジェンス調査事項(匿名組合出資等)
| 項目 | 調査事項 | |
| 法的調査 | 不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券への投資 | ① スキームの遵法性 ② 投資の有限責任性 ③ アセットマネージャーの業務遂行能力 ④ 関係者に対する報酬水準その他運営コスト ⑤ ローン条件、レバレッジ水準その他資金調達条件 ⑥ 税務上の導管性の有無その他投資効率 ⑦ 倒産隔離ストラクチャーの組成の有無、前所有者からのオフバランスの有無、他業の有無、その他第三者・他物件のリスクからの遮断の状況 ⑧ 投資に伴い本投資法人が取得する権限の内容 ⑨ 裏付けとなる不動産等の譲受けに関する優先交渉権の有無・内容 |
(へ)シニア住宅の取得に際しての留意事項
a.外部専門家からの助言
本投資法人が、シニア住宅の取得に際し、ヘルスケア施設(※)に該当する資産の取得を行う場合、ヘルスケア施設への投資業務、融資業務、デュー・ディリジェンス業務、不動産鑑定評価業務又はオペレーション業務の経験等により、ヘルスケア施設の事業特性を十分に理解しているコンサルタント会社等の外部専門家から、外部環境分析及び事業計画分析等につき、必要な助言を受けることとします。
(※)ヘルスケア施設とは、高齢者の居住の安定確保に関する法律第5条に規定する「サービス付き高齢者向け住宅」並びに老人福祉法第29条に規定する「有料老人ホーム」及び同法第5条の2第6項に基づく「認知症高齢者グループホーム」をいいます。
b.利用者への配慮事項
ヘルスケア施設の取得を行う場合、利用料及び契約内容等について、利用者に不安を抱かせることのないよう、以下の事項につき、できる限り留意し、本投資法人の資産運用を行うものとします。
(ⅰ)本投資法人の仕組みの周知
オペレータが利用者に本投資法人の仕組み(例えば、①施設の所有者は本投資法人であり、施設のサービスはオペレータが提供していること、②本投資法人は運用対象施設を長期保有することが原則であること等)を十分に周知させるよう、オペレータに働きかけるとともに、必要に応じ、本資産運用会社が利用者に周知活動を行うよう可能な限り努力します。
(ⅱ)ヘルスケア施設の適切な運営の確認
利用者の安心感を確保するため、施設の状態、利用料及び契約内容等について、関係法令に適合しているものであるかどうかの確認や、地方公共団体による通知等への対応状況の確認などを行うようできる限り努力します。
(ⅲ)ヘルスケア施設の適切な運営の確保
利用者の安心感を確保するため、オペレータに対し、利用料及び契約内容等に関して、本投資法人とオペレータの賃貸借契約書又はこれに代わる協定書、覚書等において、オペレータが本投資法人の運用対象となるヘルスケア施設に適用される関係法令に適合し、行政指導に対応した運営を行う旨を表明させるようできる限り努力します。
④ ポートフォリオ運営管理方針
(イ)年度運用計画
本資産運用会社は、本投資法人の運用資産について年度ごとの運用計画(以下「年度運用計画」といいます。)を作成します。年度運用計画には、運用資産の管理計画や資本的支出の見込(大規模修繕計画を含む)等を含み、投資委員会によって決定します。
本資産運用会社は、策定した年度運用計画に基づき、プロパティ・マネジメント会社と協働して運用資産の運営・管理を行い、著しい環境等の変化が起きた場合には、適宜年度運用計画の修正や見直しを行います。
(ロ)プロパティ・マネジメント会社のモニタリング
a.賃貸住宅
本資産運用会社は、プロパティ・マネジメント会社として選定した三井不動産レジデンシャルリースが以下の要件を全て満たしているかを定期的にモニタリングします。
・本資産運用会社が求める運用業務仕様に基づき、プロパティ・マネジメント業務を遂行できる組織的体制が構築されていること。
・新規テナント募集業務が円滑に遂行されることが可能な体制が構築されていること。
・管理業務報酬が市場水準と比較して妥当な範囲であること。
モニタリングの結果によっては、改善の指示を行う他、プロパティ・マネジメント会社を変更する場合があります。
b.ホスピタリティ施設
本資産運用会社はホスピタリティ施設の資産特性及び賃貸借契約の内容に応じて、オペレータ又は事業法人の施設管理状況や運営状況を定期的にモニタリングします。モニタリングの結果によっては、改善の要請を行うなど健全な管理運営が遂行されるようにオペレータ又は事業法人と協議調整を図ります。
(ハ)建物損害保険の付保
火災等の災害や事故により生じる建物の損害又は第三者からの損害賠償請求に対応するため、本資産運用会社は資産特性に応じ、適正と判断する内容の火災保険及び包括賠償責任保険等の損害保険を付保します。
地震保険の付保に関しては、地震発生時に予想される個別物件及びポートフォリオ全体に対する影響と保険の実効性等とを勘案して判断します。個別物件のPML値が20%を上回る場合、又は当該物件が加わることによってポートフォリオ全体のPML値が15%を上回る場合は、災害による影響と保険料負担等を比較の上、地震保険の付保を検討します。
(ニ)修繕計画と資本的支出
本投資法人の運用資産に関する修繕計画は、通常必要とされる経常的支出(小修繕)の他、中長期的な市場競争力及びテナント満足度の維持向上に必要な資本的支出を考慮した営業戦略的な修繕計画とし、必要な修繕と資本的支出を行います。
物件取得時及び以降およそ5年ごとに取得するエンジニアリングレポートにて、その後12年間の中期修繕見込を把握した上で、年度運用計画において当該年度の修繕計画の策定と見直しを行います。
⑤ 売却方針
本投資法人の運用資産は、原則として中長期にわたり保有することで安定収益を確保することを目的としており、原則として短期的な売却は行いません。
但し、運用資産を売却する際には、現時点と将来における賃貸及び売買マーケットの動向、資産価値の増減及びその予測、不動産の劣化又は陳腐化リスク及びそれに対するコスト予測等を検討の上、ポートフォリオ全体が受ける影響等も考慮に入れて総合的に判断します。
⑥ 財務方針
(イ)募集投資口の発行
資産の取得、修繕等、本投資法人の運営に要する資金、又は債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として募集投資口の発行を機動的に行います。
(ロ)デットファイナンス
資産の取得、修繕費若しくは分配金の支払い、本投資法人の運営に要する資金、又は債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として、資金を借入れ(コール市場を通じる場合を含みます。)又は投資法人債(短期投資法人債を含みます。別段の記載がない限り、以下同じとします。)を発行します。資金を借入れる場合は、租税特別措置法に規定する機関投資家からの借入れに限るものとします。また、借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ1兆円とし、その合計額が1兆円を超えないものとします。借入れ又は投資法人債の発行につき、本投資法人は運用資産を担保として提供することができます(規約第35条)。
(ハ)ローン・トゥー・バリュー・レシオ(LTV)
本投資法人の総資産に対して有利子負債が占める割合(以下「ローン・トゥー・バリュー・レシオ」又は「LTV」といいます。)の上限は60%を目途とします(但し、資産の取得等に伴い、一時的に60%を超えることがあります。)。
(ニ)デリバティブ
本投資法人が行うデリバティブ取引は、負債から生じる金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的とした運用に限るものとします(規約第29条第2項)。
⑦ 情報開示方針
「開かれた透明性のある投資法人」であることを自ら示し、社会の認知を得ることを開示の方針とします。また全ての投資主に対して正確で偏りのない情報を遅滞なく伝達できる環境を常に整えます。本投資法人は投信法、金商法、東京証券取引所、投資信託協会等がそれぞれ要請する様式に従って開示を行う他、投資判断上重要と考える情報を積極的に開示します。
⑧ サステナビリティに関する方針
本資産運用会社は、持続可能な社会の実現が本投資法人の持続可能な成長にとって不可欠であるとの認識のもと、環境負荷の低減及び社内外の様々な主体との多様な連携・協力に配慮した資産運用業務を行うよう努めます。
また、コーポレート・ガバナンスについても重要な課題であるとの認識に基づき、コンプライアンスの徹底、リスク管理体制の構築等に努めます。
なお、上記課題を推進するにあたって、本資産運用会社ではスポンサーである三井不動産が定めるサステナビリティに関する各種のグループ方針を参照し、必要に応じて資産運用業務の遂行における行動規範とする場合があります。