訂正有価証券報告書(内国投資証券)-第20期(平成29年1月1日-平成29年7月31日)
(1) リスク要因
以下には、本投資証券又は本投資法人債券への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。ただし、以下は本投資証券又は本投資法人債券への投資に関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。また、本投資法人が取得した個別の不動産又は信託受益権の信託財産である不動産に特有のリスクについては、後記「5 運用状況 (2) 投資資産 ③ その他投資資産の主要なもの」を併せてご参照下さい。
本投資法人は、対応可能な限りにおいてこれらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分である保証はありません。以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資証券若しくは本投資法人債券の市場価格が下落又は分配金の額が減少し、その結果、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で、本投資証券又は本投資法人債券に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、本投資法人及び本資産運用会社の目標及び意図を含め、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、これらの事項は本書の日付現在における本投資法人及び本資産運用会社の判断、目標、一定の前提又は仮定に基づく予測によるものであり、実際の結果が異なることとなる可能性があります。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 投資証券又は投資法人債券の商品性に関するリスク
(イ) 本投資証券又は本投資法人債券の市場価格の変動に関するリスク
(ロ) 投資証券の市場での取引に関するリスク
(ハ) 金銭の分配に関するリスク
(ニ) 収入及び支出の変動に関するリスク
(ホ) 投資法人債券の償還・利払に関するリスク
(ヘ) 新投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ) 投資対象を産業用不動産に特化していることによるリスク
(ロ) 公的セクターに対する投資が予定どおり進捗しないリスク
(ハ) 少数の賃借人に依存していることによるリスク
(ニ) 運用資産の立地の地域的な偏在及び種類的な偏在に関するリスク
(ホ) 本投資法人の成長戦略に関するリスク
(ヘ) 保有物件の再開発に関するリスク
(ト) インフラ施設を投資対象としていることによるリスク
③ 本投資法人の運用に関する一般的なリスク
(イ) 不動産を取得又は処分できないリスク
(ロ) 新投資口の発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
(ハ) 敷金及び保証金に関するリスク
④ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ) 三菱商事株式会社及びユービーエス・エイ・ジーへの依存、利益相反に関するリスク
(ロ) 本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
(ハ) 本資産運用会社の人材に依存しているリスク
(ニ) 本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
(ホ) 本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
⑤ 不動産及び信託受益権に関するリスク
(イ) 不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
(ロ) 賃貸借契約に関するリスク
(ハ) 災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
(ニ) 不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
(ホ) 土地の境界等に係るリスク
(ヘ) 不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(ト) 法令の制定・変更に関するリスク
(チ) 売主の倒産等の影響を受けるリスク
(リ) 転貸に関するリスク
(ヌ) マスターリース契約に関するリスク
(ル) 賃借人等による不動産の利用状況に関するリスク
(ヲ) 共有物件に関するリスク
(ワ) 区分所有建物に関するリスク
(カ) 底地物件に関するリスク
(ヨ) 借地物件に関するリスク
(タ) 借家物件に関するリスク
(レ) 使用許可を取得した敷地上に所在する物件に関するリスク
(ソ) 開発物件に関するリスク
(ツ) 埋立地に関するリスク
(ネ) 有害物質等に関するリスク
(ナ) 不動産を信託受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
(ラ) フォワード・コミットメント等に係るリスク
(ム) 減損会計の適用に関するリスク
(ウ) 太陽光発電設備が設置されている物件に係るリスク
⑥ 税制に関するリスク
(イ) 導管性要件に関するリスク
(ロ) 税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
(ハ) 不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(ニ) 一般的な税制の変更に関するリスク
⑦ その他
(イ) 専門家の意見への依拠に関するリスク
(ロ) 匿名組合出資持分への投資に関するリスク
(ハ) 一時差異等調整引当額の戻入れにより利益の分配が減少するリスク
① 投資証券又は投資法人債券の商品性に関するリスク
(イ)本投資証券又は本投資法人債券の市場価格の変動に関するリスク
本投資法人は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型であるため、投資主が本投資証券を換金する手段は、第三者に対する売却に限定されます。
本投資証券又は本投資法人債券の市場価格は、取引所における需給バランスにより影響を受け、一定の期間内に大量の売却が出た場合には、大きく価格が下落する可能性があります。また、市場価格は、本投資証券又は本投資法人債券に対する需給状況、金利情勢、経済情勢、不動産市況その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動します。
そのため、投資主又は投資法人債権者は、本投資証券又は本投資法人債券を取得した価格で売却できない可能性があり、その結果、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
(ロ)投資証券の市場での取引に関するリスク
本投資証券は、東京証券取引所に上場していますが、本投資法人の資産総額の減少、投資口の売買高の減少その他の東京証券取引所の有価証券上場規程に定める上場廃止基準に抵触する場合には、本投資証券の上場が廃止されます。
本投資証券の上場が廃止された場合、投資主は、保有する本投資証券を相対で譲渡する他に換金の手段がないため、本投資法人の純資産額に比して廉価で譲渡せざるを得ない場合や本投資証券の譲渡自体が事実上不可能となる場合があり、その結果、投資主が損失を被る可能性があります。
(ハ)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針 (3) 分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無及びその金額は、いかなる場合においても保証されるものではありません。本投資法人が取得する不動産及び不動産を裏付けとする資産の当該裏付け不動産(以下、本「(1) リスク要因」の項において「不動産」と総称します。)の賃貸状況、売却に伴う損益や建替えに伴う除却損等により、期間損益が大きく変動し、投資主への分配金が増減し、又は一切分配されないことがあります。
また、本投資法人は、前記「2 投資方針 (3) 分配方針 ② 利益を超えた金銭の分配」に記載のとおり、一時的な利益超過分配を実施することがありますが、利益を超えた金銭の分配は、出資の払戻しに相当するため、利益を超えた金銭の分配が実施された場合、本投資法人の純資産は減少することになります。また、これにより手元資金が減少することとなるため、想定外の事象等により本投資法人の想定を超えて資本的支出を行う必要が生じた場合などに手元資金の不足が生じる可能性や、機動的な物件取得にあたり資金面での制約となる可能性があります。
(ニ)収入及び支出の変動に関するリスク
本投資法人の収入は、不動産の賃料収入に主として依存しています。不動産に係る賃料収入は、不動産の稼働率の低下(建物の建替え及び大規模修繕等を要因とする場合も含みます。)等により、大きく減少する可能性があるほか、賃借人との協議や賃借人からの請求等により賃料が減額されたり、契約どおりの増額改定を行えない可能性もあります(なお、これら不動産に係る賃料収入に関するリスクについては、後記「⑤ 不動産及び信託受益権に関するリスク (ロ) 賃貸借契約に関するリスク」をご参照下さい。)。個別の資産の過去の受取賃料の状況は、当該資産の今後の受取賃料の状況と一致する保証はありません。また、不動産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料が、一般的な賃料水準に比して適正な水準にあるとは限りません。
一方、収入の減少だけでなく、退去する賃借人への預り敷金及び保証金の返還、大規模修繕等に要する支出、多額の資本的支出、不動産の取得等に要する費用、その他不動産に関する支出が状況により増大し、キャッシュ・フローを減ずる要因となる可能性があります。
このように、不動産からの収入が減少する可能性があるとともに、不動産に関する支出は増大する可能性があり、個別の資産及び運用資産全体の過去の収支の状況が必ずしも将来の収支の状況と一致し又は同様の傾向を示すとは限りません。何らかの理由によりこれらの収支に変更が生じた場合、投資主への分配金額が減少したり、本投資証券の市場価格が下落することがあります。
(ホ)投資法人債券の償還・利払に関するリスク
本投資法人の信用状況の悪化その他の事由により、本投資法人債券について元本や利子の支払が滞ったり、支払不能が生じるリスクがあります。
(ヘ)新投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
本投資法人は、新投資口を随時発行する予定ですが、かかる発行により既存の投資主の保有する投資口の持分割合が減少します。また、本投資法人の計算期間中に発行された投資口に対して、当該計算期間の期初から存在する投資口と同額の金銭の分配が行われるため、既存の投資主は、当該新投資口の発行がなかった場合に比して、1口当たりの受取分配金額が減少する可能性があります。更に、当該新投資口の発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの価値や市場における需給バランスが影響を受け本投資証券の市場価格が下落する可能性があります。
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)投資対象を産業用不動産に特化していることによるリスク
本投資法人は、インダストリアル不動産及びインフラ不動産からなる産業用不動産を投資対象としており、この投資対象の特性による特有のリスクを有しています。
a. 産業用不動産全体に対する需要が減少するリスク
産業用不動産は、歴史的に工場・研究所の立地件数や設備投資額等について、景気動向の影響を受けています。したがって、今後の我が国の景気動向、為替動向、人口推移、国際競争力、生産活動の海外移転等の進捗状況等の如何によっては、本投資法人が投資対象とする産業用不動産に対する全般的需要が減少し、その結果、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
b. 特定の種類の産業用不動産に対する需要が減少するリスク
産業用不動産全体に対する需要が減少しない場合でも、今後の我が国の産業構造、交通・通信・エネルギーその他のインフラのあり方の変化等により、特定の種類の産業用不動産に対する需要が低下し、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、産業用不動産には、ガスターミナル、発電所その他の天然資源等の需給変動により当該施設に対する需要が減少し、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性もあります。
c. 個別の産業用不動産に対する需要が減少するリスク
産業用不動産全体又は特定の種類の産業用不動産に対する需要が減少しない場合でも、個別の産業用不動産に対する需要が減少する可能性もあります。例えば、ある産業用不動産の周辺地域の宅地化・市街地化、周辺のインフラの利便性の低下、将来の生産活動、物流及び交通・通信・エネルギーその他のインフラのあり方の変化による特定の産業用不動産の用途適合性の低下、喪失等を理由として当該不動産の産業用不動産としての価値が損なわれ、その結果、当該産業用不動産に対する賃借需要が後退し、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
d. 用途が限定されていること及び単一賃借人、少数賃借人物件であることによるリスク
産業用不動産は、インダストリアル不動産、インフラ不動産いずれについても、特定の又は特殊な用途に適合するように建設され、用途の変更が困難である場合が多く、多くの場合、物件の特性から賃借人となりうる者が限定されることになります。したがって、既存の賃借人が退去した場合、オフィス、住居、商業施設などに比べ、代替賃借人となりうる者が限定され、代替賃借人が入居するまでの非稼働期間が長期化する可能性があります。
また、本投資法人の運用資産は、産業用不動産としての特性から、すべて、単一の賃借人又は少数の賃借人が物件全体を賃借する形態となっており、今後の取得資産についても同様の場合が多いと考えられます。
したがって、これらの賃借人が退去した場合、賃貸スペースの広さ等から、代替賃借人となりうる者が限定され、代替賃借人が入居するまでの空室期間が長期化する可能性があります。
これらの結果、当該物件の稼働率が大きく減少したり、代替賃借人確保のために賃料水準を引き下げざるを得なくなることがあり、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
e. 環境関連法による規制及び環境関連法規制の変更に関するリスク
産業用不動産においては、立地の特性及び施設の用途から、土壌汚染や地下水汚染又は有害物質使用等の問題が生じる可能性が比較的高く、土壌汚染対策法等様々な環境関連法規制の対象となっており、問題が生じた場合は賃借人等の本投資法人以外の者の行為による場合であっても本投資法人が責任を負担することになる可能性があります。また、環境関連法規制が強化された場合には、かかる規制を遵守するために、本投資法人が多大なコストを負担することになる可能性があり、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
f. 産業用不動産に関する法規制等に伴うリスク
産業用不動産は、環境関連法規制に加え、用途に応じた多くのかつ厳格な安全規制などの様々な法規制の対象となっています。これらの規制については今後強化される可能性が高く、このような規制強化により、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性もあります。また、産業用不動産に関する用途規制、地域規制等の変更・強化により、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性があります。
g. 産業用不動産固有の事故等に関するリスク
本投資法人が投資対象とする産業用不動産においては、工場操業、危険物の運送その他の本質的に危険性のある活動が行われる場合があり、万が一、運用資産において、火災、爆発その他の事故(以下「事故等」と総称します。)が発生した場合、不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が影響を受ける可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した個所を修復するために多額の費用を要したり、一定期間建物の不稼働を余儀なくされることにより、賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。不動産の個別事情により保険契約が締結されていない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない事故等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額される若しくは遅れる場合には、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
また、インフラ不動産の場合、公衆が多数利用する場合も想定され、事故等が発生し第三者に損害を与えた場合、本投資法人に故意又は過失がない場合であっても、本投資法人も民法上の土地工作物責任等の理論により、責任を負担する可能性があり、その結果、本投資法人に損害が生じる可能性があります(詳しくは、後記「⑤ 不動産及び信託受益権に関するリスク (ニ) 不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク」をご参照下さい。)。
更に、本投資法人の運用資産において事故等が発生した場合、本投資法人が法的責任を負担しない場合又は損害が損害保険等によって填補され実害が生じない場合等であっても、事故等が生じたことから資産を保有する本投資法人に対する社会からの評価(いわゆるレピュテーション)が低下し、その結果、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性もあります。
h. 産業用不動産に設置された設備等に関するリスク
産業用不動産には、その用途のために様々な特別な設備等が設置されることがあり、その価格は高額になる場合もあります。当該設備等の設置、補修等が賃借人の費用と責任により行われる場合であっても、当該賃借人が当該不動産から退去する場合には、当該不動産の効用を維持するために当該設備等を本投資法人が買い取らざるを得なくなる場合も想定されます。仮に無償譲渡を受けた場合であっても、この場合、本投資法人に当該設備等の補修等のための費用が発生する可能性もあります。これらにより、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性があります。
(ロ)公的セクターに対する投資が予定どおり進捗しないリスク
本投資法人は、現在公的セクターが保有している産業用不動産についても、将来本投資法人のような民間セクターによる取得・保有ニーズが増加するものと考え、このような公的セクターが現在保有している産業用不動産への投資を引き続き検討していくこととしています。
しかし、公的セクターが保有している産業用不動産の取得に当たっては、法規制の改正その他の規制緩和、政府、地方公共団体その他の諸機関との調整を必要とする場合があり、このような場合において、かかる規制緩和、調整が本投資法人の想定どおり進捗するとは限りません。
したがって、本投資法人の投資方針にもかかわらず、これらの産業用不動産を予定どおり取得できないリスクがあります。
また、公的セクターが保有している産業用不動産を取得できたとしても、政府、地方公共団体その他の諸機関によって、賃料等が規制される可能性があり、その結果、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
更に、公的セクター以外が保有している場合であっても、産業用不動産固有の法的、経済的、事実上の制約により、本投資法人の投資方針にもかかわらず、これらの産業用不動産を予定どおり取得できないリスクがあります。
(ハ)少数の賃借人に依存していることによるリスク
本投資法人の運用資産のうち相当部分は、少数の賃借人へ賃貸されており、本投資法人の収入は、かかる賃借人に大きく依存しています。したがって、これらの賃借人の営業状況、財務状況が悪化し、賃料支払が遅延したり、物件から退去した場合には、本投資法人の収益等に大きな悪影響が生じる可能性があります。
(ニ)運用資産の立地の地域的な偏在及び種類的な偏在に関するリスク
平成29年7月末時点における、本投資法人が保有する不動産及び信託受益権の鑑定評価額の総額に占める東京圏所在の物件の割合は、65.2%となっており、東京圏における産業構造の変化、経済情勢の悪化、地震その他の災害などの理由により、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性があります。
また、今後の運用次第では、本投資法人の運用資産の立地にその他の地域的な偏在が生じたり、特定の種類の不動産の割合が高くなる可能性もあります。地域的な偏在が生じた場合には、上記同様、当該地域に特有の事由により、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性があります。また、特定の種類に利用される不動産の割合が高くなった場合には、当該特定の種類に特有の事由により(詳しくは、前記「(イ) 投資対象を産業用不動産に特化していることによるリスク b. 特定の種類の産業用不動産に対する需要が減少するリスク」をご参照下さい。)、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性があります。
(ホ)本投資法人の成長戦略に関するリスク
本投資法人は、保有資産の拡大に当たって、本資産運用会社による積極的な提案型の物件取得活動を行っていますが、かかる活動が成果を上げるとは限りません。また、本投資法人は、稼働率の低い物件や未竣工の物件の場合にはフォワード・コミットメント等(先日付での売買契約であって、契約締結から1か月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているものその他これに類する契約をいいます。以下同じです。)により物件を取得する仕組みを三菱商事株式会社その他の適切と考えるパートナーと構築すべく取り組んでいますが、本投資法人が希望する場合にかかる仕組みが構築できない可能性もあります。
更に、本投資法人は、三菱商事株式会社等との協働による物件の取得を、外部成長戦略の一つとしていますが、三菱商事株式会社等との間でかかる協働関係を規律する契約は存在しません。
したがって、本投資法人は、三菱商事株式会社等から本投資法人が適切であると判断する物件を必ずしも希望どおり取得できるとは限りません。
また、本投資法人は、運用資産について、施設拡張工事・改築等を実施することを内部成長戦略の一つとしていますが、法規制上の制限その他の理由により、必ずしも本投資法人の希望する工事・改築等が行えるとは限りません。
(ヘ)保有物件の再開発に関するリスク
投信法上、投資法人は、自ら建物の建築を行うことはできませんが、工事期間中のテナントの退去によるキャッシュ・フローの変動がポートフォリオ全体に過大な影響を与える場合等の一定の場合を除き、建物の建築に係る請負契約の注文者となることはできると考えられています。そのため、投資法人は、一般に建物の建築に係る請負契約の注文者となって、不動産の再開発事業を手がける可能性があります。
本投資法人は、今後保有物件の状況に照らし必要と判断される場合には保有物件の再開発を実行していく予定です。しかし、再開発事業は、不動産の開発に係る各種リスク(開発リスク、許認可リスク、完工リスク、テナントリスク、価格変動リスク、開発中の金利変動リスク及び大規模な自然災害発生リスク等)を伴うものであることから、需給の状況その他の経済環境の変化、テナントの獲得や必要な資金の確保の困難、法令改正による不動産に適用される規制の変更、再開発敷地における地中埋設物の発見、開発時の近隣との紛争の発生その他様々な事由により、開発が遅延し、変更を余儀なくされ、中止され、又は追加の費用負担が発生する可能性があります。これらの場合、本投資法人は、予定した再開発計画を実施できず、又は当初の計画どおりの再開発事業が完了できないことにより、予定された時期又は内容の物件を取得できない可能性があります。また、再開発事業が実施された場合であっても、建築された建物のキャッシュ・フローは需給の状況その他の経済環境の影響を受けることから、期待どおりに稼働しない可能性もあります。
これらの結果、再開発事業による収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担する若しくは被る可能性があり、その結果、本投資法人の収益等が悪影響を受け、投資主が得られる分配金が大幅に減少する可能性があります。また、再開発事業に伴い本投資法人の保有する資産を取り壊す場合には、当該資産を除却することに伴い損失が生じることから、当該損失が多額に及び、投資主が得られる分配金が大幅に減少する可能性があります。
(ト)インフラ施設を投資対象としていることによるリスク
本投資法人は、交通、通信、エネルギー、水道、公共施設等産業活動の基盤として整備される施設(以下、本(ト)において「インフラ施設」といいます。)を投資対象としていますが、インフラ施設には、本書の日付現在、制度上本投資法人による投資が困難なものも有ります。
加えて、本書の日付現在、インフラ施設の一部(空港、港湾施設、鉄道施設、道路・自動車道、水道、下水道、熱供給施設等のうち、公共的な性質を有するもの)は、平成27年4月30日付で東京証券取引所が開設したインフラファンド市場における投資対象にも指定されています。
本書の日付現在、同市場に上場しているファンドは3銘柄のみであり、かつ、本投資法人の投資対象と実質的な投資対象が重複する事態も生じていないものの、同市場に上場するファンドの増加により、本投資法人の投資対象と投資対象が実質的に一部重複する上場ファンドが現れ又は増加する可能性があります。この場合、本投資法人の投資対象であるインフラ施設に関する投資が活発化し、インフラ施設への需要が拡大する可能性があります。ただし、この場合においてもインフラ施設への需要が必ずしも増大するとは限らず、また、仮にインフラ施設への需要が拡大した場合においても、かかる需要の拡大に伴い取得競争が活発化した場合、本投資法人は、必ずしも、希望するインフラ施設を取得することができるとは限りません。また、取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性もあります。
③ 本投資法人の運用に関する一般的なリスク
(イ)不動産を取得又は処分できないリスク
本投資法人が投資対象とする産業用不動産のうちインダストリアル不動産については、一般的に、オフィス、住宅、商業施設といった他の種類の不動産に比べて取得機会が少なく、また、インフラ不動産については、未だその流通市場が形成されているとはいえません。他方、不動産投資信託その他の不動産ファンド及びその他の投資家等による不動産に対する投資は一般的に活発化する傾向にあり、産業用不動産への需要も拡大する可能性があります。したがって、本投資法人は、必ずしも、希望する不動産等を取得することができるとは限りません。また、取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性もあります。加えて、本投資法人が不動産等の取得を決定し、売主と譲渡について合意した場合であっても、売主との間で締結した不動産等に係る売買契約において定められた一定の条件が満たされない等の場合には、本投資法人が当該不動産等を予定した期日に取得できない可能性があります。更に、本投資法人が不動産等を取得した後にこれらを処分する場合にも、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性もあります。その結果、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があります。
(ロ)新投資口の発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
新投資口の発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行並びにそれらの条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後本投資法人の希望する時期及び条件で新投資口の発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行を行うことができる保証はなく、その結果、予定した資産を取得できなかったり、予定しない資産の売却を余儀なくされたり、更には資金繰りがつかなくなる可能性があります。また、本投資法人が既存の借入れ及び投資法人債の返済資金を新たな借入れ等で調達することを予定していたにもかかわらず、かかる調達ができない場合には、既存の借入れ等の返済ができないことにより債務不履行となる可能性があります。
また、本投資法人が金銭の借入れ又は投資法人債の発行を行う場合において、当該金銭の借入れ又は投資法人債の発行の条件として、現在設定されている資産・負債等に基づく一定の財務指標上の数値を維持する等の財務制限条項のほかに、追加的に、投資主への金銭の分配を制約する、本投資法人の信用状態に関する評価を一定の水準に維持する等の財務制限条項が設けられたり、運用資産に担保を設定することとなったり、規約の変更が制限される等の可能性があります。このような制約が本投資法人の運営に支障をきたし、又は投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、これらの制限に違反した場合には、追加の担保設定や費用負担等を求められ、又は当該借入契約に係る借入金若しくは投資法人債の元利金について期限の利益を喪失するなどの可能性があり、その結果、本投資法人の運営に重大な悪影響が生じる可能性があります。
更に、借入れ及び投資法人債の金利は、借入れ時及び投資法人債発行時の市場動向に左右され、変動金利の場合には、その後の市場動向にも左右されます。過去10年以上にわたり日本では低金利状態が続いていますが、今後、新規借入れや新規発行投資法人債に適用される金利が上昇したり、変動金利の適用金利が上昇する可能性があります。借入れ及び投資法人債の金利が上昇し、又は本投資法人の借入額及び投資法人債発行額が増加した場合には、本投資法人の利払額は増加します。このような利払額の増加により、投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)敷金及び保証金に関するリスク
本投資法人は、運用資産の賃借人が無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を運用資産の取得資金の一部として利用する場合があります。ただし、敷金又は保証金を本投資法人が利用する条件として、本投資法人が敷金又は保証金の返還債務を負う場合があり、当該返還債務の履行に必要な資金を借入れ等により調達する可能性があります。その結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
④ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)三菱商事株式会社及びユービーエス・エイ・ジーへの依存、利益相反に関するリスク
三菱商事株式会社及びユービーエス・エイ・ジーのグループ会社であるユービーエス・アセット・マネジメント・エイ・ジーは、本書の日付現在、本資産運用会社の発行済株式総数のそれぞれ51%及び49%を保有し、また、本資産運用会社の役員中数名が三菱商事株式会社及びユービーエス・エイ・ジーの子会社等の出身です。したがって、三菱商事株式会社又はユービーエス・エイ・ジーの利益が本投資法人又は本投資法人の他の投資主の利益と異なる場合、利益相反の問題が生じる可能性があります。三菱商事株式会社又はユービーエス・エイ・ジーは、それぞれ本投資法人が三菱商事株式会社若しくはその関連会社等又はユービーエス・エイ・ジー若しくはその関連会社等から資産を取得する場合、物件の賃貸又はその他の業務を行う場合に、本投資法人に対して影響力を行使する可能性があり、三菱商事株式会社及びユービーエス・エイ・ジーの双方の関連会社等である者から資産を取得する場合、物件の賃貸又はその他の業務を行う場合には、本投資法人に対してより強い影響力を行使する可能性があります。また、本投資法人は、三菱商事株式会社若しくはその関連会社等又はユービーエス・エイ・ジー若しくはその関連会社等と資産の取得等に関し直接又は間接的に競合する場合もあります。かかる場合、本投資法人の業務、財政状態又は経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があり、本投資法人の投資口価格や分配金が減少する可能性があります。
(ロ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、執行役員及び監督役員から構成される役員会において重要な意思決定を行い、資産の運用を本資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に、それぞれ委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者、特に本資産運用会社の能力、経験及びノウハウに依存するところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を維持できる保証はありません。また、投信法は、本投資法人の執行役員及び監督役員並びに本投資法人の関係者に関する義務及び責任を定めていますが、これらの本投資法人の関係者が投信法その他の法令に反し、又は法定の措置をとらないときは、投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
また、本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者が、法令上又は契約上負っている善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)、本投資法人のために忠実に職務を遂行する義務(忠実義務)、利益相反行為を行わない義務、その他の義務に違反した場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。特に、本投資法人のために資産の運用を行う本資産運用会社において、その利害関係者のために本投資法人の利益を害する取引が行われるリスクがあり、本資産運用会社では、かかるリスクに適切に対処するための社内規程(自主ルール)として、利害関係者取引規程を定めています(前記「1 投資法人の概況 (4) 投資法人の機構 ③ 投資運用の意思決定機構」及び後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 本投資法人に関する利益相反取引ルール」をご参照下さい。)が、かかる対策が完全に機能するとは限りません。
なお、投信法上、資産運用会社は、複数の投資法人等の資産運用を受託することを禁じられてはおらず、本投資法人の資産運用会社である三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社は、本投資法人のほか、日本リテールファンド投資法人からも資産の運用を受託しています(詳細については前記「1 投資法人の概況 (4) 投資法人の機構 ② 投資法人の運用体制」をご参照下さい。)。また、本資産運用会社の子会社であるMidCityは、MidCity REITから資産の運用に係る業務を受託しています。更に、本資産運用会社の子会社であるMJAは、私募ファンド等の顧客からアセット・マネジメント業務を受託しています。日本リテールファンド投資法人は、商業施設を投資対象とする投資法人であり、MidCity REITは、主としてオフィスビルを投資対象とする投資法人であることから、産業用不動産を投資対象とする本投資法人とは、本書の日付現在、その投資対象が異なっていますが、私募ファンドの投資対象は、本投資法人の投資対象と重複することがあります。なお、MidCity REITは主としてオフィスビルを投資対象としており、かつ、MidCity REITの規約及びMidCityの資産運用ガイドラインによれば、産業用不動産については新規取得を行わないこととされています。本資産運用会社は、各投資法人の資産の運用並びにMidCity及びMJAへの投資情報の提供に際して各投資法人、MidCity REIT及び私募ファンド間における利益相反が生じることのないように、投資法人間の利益相反防止のためのチェックリストを作成していますが、かかるチェックリストが想定どおり機能しない場合もあり得ます。
また、本投資法人に係る資産運用に従事するインダストリアル本部及び日本リテールファンド投資法人に係る資産運用に従事するリテール本部に係る運用の意思決定はそれぞれ独立して行うものとされていますが、投資対象資産の発掘、情報の管理及び配分並びに取得及び処分に関する交渉等を行うアクイジション本部及びコーポレート本部においてはかかる区別はなされていません。MidCity及びMJAは本資産運用会社とは別個の法人ですが、本資産運用会社の役職員がその役員を兼任し、また、本資産運用会社は親会社としてMidCity及びMJAの事業運営に関与しうる立場にあります。加えて、本資産運用会社においては、インダストリアル本部、リテール本部、MidCity及びMJAの間で生じ得る投資物件を取得する機会の競合に関し、投資情報に係る優先検討権ルール(詳細については前記「1 投資法人の概況 (4) 投資法人の機構 ② 投資法人の運用体制 c. 投資情報に係る優先検討権ルール」をご参照下さい。)を設けていますが、当該ルールに反する物件の取得検討が行われる可能性は否定できません。更に、かかるルールは今後変更される可能性があり、当該変更により、本投資法人が本書の日付現在と同様の物件取得機会を確保できないこととなる可能性もあります。その場合、本投資法人の取得機会が減少すること等により、本投資法人にとって望ましいと考えられるポートフォリオの構築が実現しにくくなる可能性があり、結果として、本投資法人の収益性や資産の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、本資産運用会社のインダストリアル本部のみならずリテール本部、MidCity又はMJAにおいて不適切な行為が行われた場合、行政処分が本資産運用会社、MidCity又はMJAに対して課せられ、その結果、本投資法人の資産運用に悪影響を与える可能性や、本投資法人のレピュテーションも低下する可能性があります。
このほかに、本資産運用会社又は本投資法人若しくは運用資産である信託受益権に関する信託受託者から委託を受ける業者として、プロパティ・マネジメント会社、建物の管理会社等があります。本投資法人の収益性の向上のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところも大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。これらの者について業務の懈怠その他の義務違反があった場合や業務遂行能力が失われた場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)本資産運用会社の人材に依存しているリスク
本投資法人は、資産運用を本資産運用会社に委託しており、その運営は、本資産運用会社の人材に大きく依存しています。したがって、本資産運用会社の人材が失われた場合、本投資法人の運営に悪影響をもたらす可能性があります。
(ニ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び本資産運用会社の取締役会が定めた、より詳細な投資方針、ポートフォリオ構築方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。
(ホ)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
本投資法人は、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。)(以下「破産法」といいます。)上の破産手続、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。)(以下「民事再生法」といいます。)上の再生手続及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服する可能性があります。
本投資法人は、投信法に基づいて投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合に投信法に従ってその登録が取り消される可能性があります(投信法第216条)。その場合には、本投資証券の上場が廃止され、本投資法人は解散し、清算手続に入ります。
本投資法人が清算される場合、投資主は、すべての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産の分配に与ることによってしか投資金額を回収することができません。このため、投資主は、投資金額の全部又は一部について回収を得ることができない可能性があります。
⑤ 不動産及び信託受益権に関するリスク
本投資法人の主たる運用資産は、前記「1 投資法人の概況 (2) 投資法人の目的及び基本的性格 ① 投資法人の目的及び基本的性格」に記載のとおり、不動産等資産です。不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産の所有者は、その信託財産である不動産又は裏付けとなる不動産を直接所有する場合とほぼ同様の経済的状況に置かれます。したがって、以下に記載する不動産に関するリスクは、不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産についても、ほぼ同様にあてはまります。
なお、信託受益権特有のリスクについては、後記「(ナ) 不動産を信託受益権の形態で保有する場合の固有のリスク」をご参照下さい。
(イ)不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
不動産には権利、地盤、地質、構造等に関して欠陥、瑕疵等が存在している可能性があり、また、かかる欠陥、瑕疵等が取得後に判明する可能性もあります。建築基準法等の行政法規が求める所定の手続を経由した不動産についても、建築基準関係規定の求める安全性や構造耐力等を有するとの保証はなく、取得時には想定し得ない隠れた構造上その他の欠陥・瑕疵の存在等が取得後に判明するおそれもあります。また、本投資法人の取得時の調査においても、物理的、時間的その他の制約があり、調査が完全であるとの保証はありません。本投資法人は、状況によっては、前所有者又は前信託受益者に対し一定の事項につき表明及び保証を要求し、瑕疵担保責任を負担させる予定ですが、表明及び保証又は瑕疵担保責任を負担させることができない可能性があるほか、負担させた場合においてかかる表明及び保証が真実でなかったことを理由とする損害賠償責任や瑕疵担保責任を追及できたとしても、これらの責任の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、前所有者又は前信託受益者が解散したり無資力になっているために実効性がない場合もありえます。このようなリスクは前所有者又は前信託受益者が特別目的会社である場合により高いと考えられます。
これらの場合には、当該欠陥、瑕疵等の程度によっては当該不動産の資産価値が低下することを防ぐために買主である本投資法人が当該欠陥、瑕疵等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、本投資法人が不動産を売却する場合、本投資法人は、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。)(以下「宅地建物取引業法」といいます。)上、宅地建物取引業者とみなされるため、同法に基づき、売却の相手方が宅地建物取引業者である場合を除いて、不動産の売買契約において、瑕疵担保責任に関し、買主に不利となる特約をすることが制限されています。したがって、本投資法人が不動産を売却する場合は、売却した不動産の欠陥、瑕疵等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
加えて、不動産をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、不動産に関する権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。その結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
また、不動産登記簿の記載を信じて取引した場合にも、買主は不動産に係る権利を取得できないことがあります。更に、権利に関する事項のみならず、不動産登記簿中の不動産の表示に関する事項が現況と一致していない場合もあります。このような場合、上記と同じく、本投資法人は売主等に対して法律上又は契約上可能な範囲で責任を追及することとなりますが、その実効性があるとの保証はありません。
(ロ)賃貸借契約に関するリスク
a. 賃貸借契約の解約及び更新に関するリスク
賃借人が賃貸借契約上解約権を留保している場合等には、契約期間中であっても賃貸借契約が終了したり、また、賃貸借契約の期間満了時に契約の更新がなされない場合もあります。これらの理由等により、保有物件に空室が生じることとなった場合、本投資法人は新たな賃借人を誘致するよう努めますが、新たな賃借人の獲得競争が激しく、新たな賃借人を早期に誘致できない場合には、当該不動産の空室状態が長期化して稼働率が低下し、賃料収入が減少することがあります。また、解約禁止条項、解約ペナルティ条項等を置いて期間中の解約権を制限している場合や更新料を定めている場合でも、賃借人との交渉の結果、契約締結時に合意した金額からの減額に応じざるを得ない可能性があるほか、裁判所によって所定の金額から減額されたり、かかる条項の効力が否定される可能性があります。
以上のような事由により、賃料収入等が減少した場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
b. 賃料不払に関するリスク
賃借人の財務状況が悪化した場合又は破産法上の破産手続、民事再生法上の再生手続若しくは会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。)(以下「会社更生法」といいます。)上の更生手続その他の倒産手続(以下、併せて「倒産等手続」と総称します。)の対象となった場合、賃貸借契約に基づく賃料支払が滞る可能性があり、この延滞賃料等の債務の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超える状況になった場合には、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
c. 賃料改定に係るリスク
不動産賃貸借契約においては、契約期間が長期間であっても、多くの場合、賃料等の賃貸借契約の内容について、定期的に見直しが行われます。
したがって、このような見直しが行われた場合には、本投資法人が締結する賃貸借契約が長期のものであっても、本書に記載の賃料が維持される保証はありません。賃料改定により賃料が減額された場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
また、定期的に賃料等を増額する旨の規定が賃貸借契約にある場合でも、賃借人との交渉如何によっては、必ずしも、規定どおりに賃料を増額できるとは限りません。
d. 賃借人による賃料減額請求権行使のリスク
建物の賃借人は、定期建物賃貸借契約において借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)(以下「借地借家法」といいます。)第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合を除いて、同条に基づく賃料減額請求をすることができます。定期建物賃貸借契約の効力が認められるためには、借地借家法第38条所定の要件を充足する必要があります。このため、定期建物賃貸借契約を新たに締結し又は既存の建物賃貸借契約を定期建物賃貸借契約に変更した上で借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合であっても、借地借家法第38条所定の要件が充足されなかった場合には、賃料減額請求権を排除することができず、当該請求が認められた場合、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。また、建物の所有を目的とする土地の賃借人についても、借地借家法第11条に基づく土地の借賃の減額請求が認められています。請求が認められた場合、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
e. 優先的購入権又は先買権その他の合意が存在することによるリスク
本投資法人は、単一のテナントへ物件全体を賃貸するいわゆるシングルテナント物件か少数の核となる大規模テナントが存在する核テナント物件を投資対象としています。これらの物件の賃貸借契約においては、賃借人との間で優先的購入や処分禁止に関する合意(その内容は様々です。)をすることにより、賃貸人等が物件の所有権又はこれらを信託財産とする信託の受益権を第三者に売却しようとする場合に賃借人に優先的に又は排他的に購入できる機会又は権利(いわゆる優先的購入権や先買権)が与えられたり、その他賃貸人等による物件の自由な売却その他の処分が制限される場合があります。
本投資法人が現在保有する物件の一部においてもかかる合意が存在しますが、かかる合意がなされている場合、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(ハ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
火災、地震、地震に伴う液状化現象、津波、暴風雨、洪水、落雷、火山の噴火、高潮、竜巻、戦争、暴動、騒乱、テロのほか原子力発電所における事故等(以下「災害等」と総称します。)により不動産が滅失、毀損若しくは劣化し、又は不動産の正常な運営が妨げられ、それにより、当該不動産に係る収益が減少し若しくは費用が増加し、又はその価値が影響を受ける可能性があります。このような場合には、滅失、毀損又は劣化した個所を修復するために多額の費用を要したり、一定期間建物の不稼働を余儀なくされることにより賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。例えば、災害等により、不動産の個別事情により保険契約が締結されていない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額される若しくは遅れる場合には、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
(ニ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
運用資産である不動産を原因として、第三者の生命、身体又は財産等に損害を与えた場合に、本投資法人に損害賠償義務が発生する可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上の土地工作物責任等の理論により、無過失責任を負うことがあります。不動産の個別事情により保険契約が締結されていない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額される若しくは遅れる場合には、本投資法人は悪影響を受ける可能性があります。
また、不動産につき毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となる場合には、かかる修繕に関連して多額の費用を要し、修繕のために一定期間建物を不稼働とすることを余儀なくされる場合には賃料収入が減少する可能性があります。また、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、不動産から得られる賃料収入が減少し、不動産の価格が下落する可能性があります。
(ホ)土地の境界等に係るリスク
国内においては、土地の境界が曖昧であることが稀ではありませんが、隣地の所有者若しくは占有者からの境界確認書その他境界を確定させる書面が取得できない場合、又は境界標の確認ができないまま当該不動産を取得する場合には、後日、このような不動産を処分するときに実質的な障害が発生する可能性や、境界に関して紛争が発生し、所有敷地の面積の減少、損害賠償責任の負担等、これらの不動産について予定外の費用又は損失が発生する可能性があります。同様に、越境物の存在により、不動産の利用が制限され賃料に悪影響を与える可能性や、越境物の除去費用等の追加負担が本投資法人に発生し、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例、都市計画法の改正、新たな立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為の規定の施行又は適用の際、原則としてこれらの規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)又はその敷地については、当該規定が適用されない扱いとされています(いわゆる既存不適格)。しかし、かかる既存不適格の建物の建替え等を行う場合には、現行の規定が適用されるので、現行の規定に合致するよう手直しをする必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建物を建築できない可能性があります。
また、不動産に係る様々な行政法規や各地の条例による規制が運用資産である不動産に適用される可能性があります。例えば、都市計画法、地方公共団体の条例による風致地区内における建築等の規制、河川法(昭和39年法律第167号。その後の改正を含みます。)による河川保全区域及び土地区画整理法(昭和29年法律第119号。その後の改正を含みます。)(以下「土地区画整理法」といいます。)による土地区画整理事業施行地区における工作物の新築等の制限及び清算金の徴収の決定、文化財保護法(昭和25年法律第214号。その後の改正を含みます。)に基づく試掘調査義務、一定割合において住宅を付置する義務、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務並びに雨水流出抑制施設設置義務等が挙げられます。このような義務が課せられている場合、当該不動産の処分及び建替え等に際して、事実上の困難が生じたり、これらの義務を遵守するための追加的な費用負担が生じる可能性があります。更に、運用資産である不動産を含む地域が道路設置等の都市計画の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少し収益が減少する可能性があります。また、当該不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建物を建築できない可能性があります。その他、法律又は条例により、地球温暖化対策として、一定の要件を満たす不動産の所有者等に温室効果ガス排出に関する報告や排出量制限の義務が課されることがあり、排出量削減のための義務等を履行できない場合には、排出権に関する支出等を余儀なくされる可能性があります。
(ト)法令の制定・変更に関するリスク
土壌汚染対策法並びにフロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(平成13年法律第64号。その後の改正を含みます。)のほか、将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
また、消防法その他不動産の管理に影響する関係法令の改正により、不動産の管理費用等が増加する可能性があるほか、エネルギーや温室効果ガス削減を目的とした法令、条例等の制定、改正等によっても、追加的な費用負担等が発生する可能性があります。更に、建築基準法、都市計画法の改正、新たな立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為等により不動産に関する権利が制限される可能性があります。このような法令若しくは行政行為又はその変更等が本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(チ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
本投資法人が、債務超過の状況にある等財務状態が実質的危機状態にあると認められる又はその疑義がある者を売主として不動産を取得した場合には、当該不動産の売買が売主の債権者により取消(詐害行為取消)される可能性があります。また、本投資法人が不動産を取得した後、売主について倒産等手続が開始した場合には、不動産の売買が破産管財人、監督委員又は管財人により否認される可能性が生じます。
また、本投資法人が、ある売主から不動産を取得した別の者(以下、本項において「買主」といいます。)から更に不動産を取得した場合において、本投資法人が、当該不動産の取得時において、売主と買主との間の当該不動産の売買が詐害行為として取消され又は否認される根拠となりうる事実関係を知っている場合には、売主と買主との間の売買が否認され、本投資法人に対してもその効果を主張される可能性があります。
本投資法人は、管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等について諸般の事情を慎重に検討し、実務的に可能な限り管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等を回避するよう努めますが、このリスクを完全に排除することは困難です。
更に、取引の態様如何によっては売主と本投資法人との間の不動産の売買が、担保取引であると判断され、当該不動産は破産者である売主の破産財団の一部を構成し、又は更生会社若しくは再生債務者である売主の財産に属するとみなされる可能性(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)もあります。
(リ)転貸に関するリスク
本投資法人の運用資産である不動産の賃借人(転借人を含みます。)に、不動産の一部又は全部を転貸する権限を与えた場合、本投資法人は、不動産に入居する賃借人を自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなる可能性があるほか、賃借人の賃料が、転借人の賃借人に対する賃料に連動する場合、転借人の信用状態等が、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、賃貸借契約が合意解約された場合又は債務不履行を理由に解除された場合であっても、賃貸借契約上、賃貸借契約終了の場合に転貸人の転借人に対する敷金等の返還義務が賃貸人に承継される旨規定されている場合等には、かかる敷金等の返還義務が、賃貸人に承継される可能性があります。このような場合、敷金等の返還原資は賃貸人の負担となり、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ヌ)マスターリース契約に関するリスク
本投資法人は、マスターレッシーが本投資法人又は信託受託者とマスターリース契約を締結した上で、各転借人に対して転貸するマスターリースの形態をとる物件を取得することがあります。マスターリースの形態をとる物件においてマスターレッシーの財務状況が悪化した場合、転借人がマスターレッシーに賃料を支払ったとしても、マスターレッシーの債権者がマスターレッシーの転借人に対する賃料債権を差し押さえる等により、マスターレッシーから本投資法人又は信託受託者への賃料の支払が滞る可能性があります。
(ル)賃借人等による不動産の利用状況に関するリスク
不動産の賃貸借においては、日常の管理等が賃借人等に委託されている場合が多く、そうでない場合であっても、賃借人等による不動産の利用状況等により、当該不動産の資産価値、ひいては本投資法人の収益に悪影響が及ぶ可能性があります。賃貸人は賃借人と普通建物賃貸借契約を締結した場合、又は定期建物賃貸借契約において借地借家法第38条所定の要件が充足されないことにより定期建物賃貸借契約としての効力が否定された場合、正当事由があると認められなければ、賃借人との賃貸借契約を終了することができず、運用資産である不動産のテナント属性の悪化を阻止できない可能性があります。
(ヲ)共有物件に関するリスク
運用資産である不動産が第三者との共有物件である場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の過半数で行うものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
更に、共有の場合、他の共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性(民法第256条)、及び裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性(民法第258条第2項)があり、ある共有者の意図に反して他の共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
上記の分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、この特約は5年を超えては効力を有しません。また、登記済みの不分割特約がある場合でも、特約をした者が倒産等手続の対象となった場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。ただし、共有者は、倒産等手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、会社更生法第60条、民事再生法第48条)。
他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。したがって、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、分割後の運用資産についても、他の共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、共有不動産については、共有者間で共有持分の優先的購入権や先買権の合意をすることにより、共有者がその共有持分を第三者に売却しようとする場合に他の共有者が優先的に又は排他的に購入できる機会又は権利を与えるようにする義務を負い、またその他物件の自由な売却その他の処分が制限される場合があります。
不動産の共有者が賃貸人となる場合、一般的に敷金返還債務は不可分債務になると解されており、また、賃料債権も不可分債権になると解される可能性があり、共有者は他の賃貸人である共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
共有者間において、他の共有者に共有物の賃貸権限を付与し、当該他の共有者からその対価を受領する旨の合意をする場合がありますが、かかる場合、共有者の収入は賃貸人である他の共有者の信用リスクに晒されることとなります。これを回避するために、賃借人からの賃料を、賃貸人ではない共有者の口座に払い込むように取り決めることがありますが、かかる取決めによっても、賃貸人である他の共有者の債権者により当該他の共有者の各賃借人に対する賃料債権が差し押さえられることもあり、他の共有者の信用リスクは完全には排除されません。また、複数の共有者が、他の共有者に共有物の賃貸権限を付与する場合、かかる複数の共有者の他の共有者に対する賃料分配債権が不可分債権と解される可能性があり、共有者はかかる他の共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の低下要因が増す可能性があります。
(ワ)区分所有建物に関するリスク
区分所有建物とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。)(以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分(居室等)と共有となる共用部分(エントランス部分等)及び建物の敷地部分から構成されます。区分所有建物の場合には、区分所有法上、法定の管理方法及び規約(規約の定めがある場合)によって管理方法が定められます。規約の設定、変更及び廃止は、集会において区分所有者及び議決権(規約に別段の定めのない限り、その有する専有部分の床面積の割合)の各4分の3以上の決議が、また、建替え決議をする場合には集会において区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数の決議が必要とされる等(区分所有法第31条、第62条)、区分所有法の適用を受けない単独所有物件と異なり管理方法に制限があります。
区分所有建物の専有部分の処分は自由に行うことができますが、区分所有者間で優先的購入権、先買権又は処分禁止の合意をする場合があることは、共有物件の場合と同様です。
区分所有建物と敷地の関係については以下のようなリスクがあります。
区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利を敷地利用権といいます。区分所有建物では、専有部分と敷地利用権の一体性を保持するために、法律で、専有部分とそれに係る敷地利用権を分離して処分することが原則として禁止されています(区分所有法第22条)。ただし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の禁止を善意の第三者に対抗することができず、分離処分が有効となります(区分所有法第23条)。また、区分所有建物の敷地が数筆に分かれ、区分所有者が、それぞれ、その敷地のうちの一筆又は数筆の土地について、単独で、所有権、賃借権等を敷地利用権(いわゆる分有形式の敷地利用権)として有している場合には、分離して処分することが可能とされています。このように専有部分とそれに係る敷地利用権が分離して処分された場合、敷地利用権を有しない区分所有者が出現する可能性があります。
また、敷地利用権が使用借権及びそれに類似した権利である場合には、当該敷地が売却、競売等により第三者に移転された場合に、区分所有者が当該第三者に対して従前の敷地利用権を対抗できなくなる可能性があります。
このような区分所有建物と敷地の関係を反映して、区分所有建物の場合には、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の低下要因が増す可能性があります。
(カ)底地物件に関するリスク
本投資法人は、第三者が賃借してその上に建物を所有している土地、いわゆる底地を取得することがあります。底地物件の場合は特有のリスクがあります。借地権は、定期借地権の場合は借地契約に定める期限の到来により当然に消滅し、普通借地権の場合には期限到来時に本投資法人が更新を拒絶しかつ本投資法人に更新を拒絶する正当事由がある場合に限り消滅します。借地権が消滅する場合、本投資法人は借地権者より時価での建物買取を請求される場合があります(借地借家法第13条、借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。)(以下「借地法」といいます。)第4条)。普通借地権の場合、借地権の期限到来時に更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、借地権者より時価での建物買取を請求される場合においても、買取価格が本投資法人が希望する価格以下である保証はありません。
また、借地権者の財務状況が悪化した場合又は破産手続、再生手続若しくは更生手続その他の倒産手続の対象となった場合、借地契約に基づく土地の賃料の支払が滞る可能性があり、この延滞賃料の合計額が敷金及び保証金等で担保される範囲を超える場合は投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。借地契約では、多くの場合、賃料等の借地契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。賃料の改定により賃料が減額された場合、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。借地権者は借地借家法第11条に基づく土地の借賃の減額請求をすることができ、これにより、当該底地から得られる賃料収入が減少し、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ヨ)借地物件に関するリスク
借地権とその借地上に存在する建物については、自らが所有権を有する土地上に存在する建物と比べて特有のリスクがあります。借地権は、所有権と異なり永久に存続するものではなく、期限の到来により当然に消滅し(定期借地権の場合)又は期限到来時に借地権設定者が更新を拒絶しかつ更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します(普通借地権の場合)。また、借地権が地代の不払その他による解除、その他の理由により消滅してしまう可能性もあります。借地権が消滅すれば、時価での建物買取りを請求できる場合(借地借家法第13条、借地法第4条)を除き、借地上に存在する建物を取り壊した上で、土地を返還しなければなりません。普通借地権の場合、借地権の期限到来時の更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、仮に建物の買取請求権を有する場合でも、買取価格が本投資法人が希望する価格以上である保証はありません。
また、本投資法人又は信託受託者が借地権を有している土地の所有権が、他に転売されたり、借地権設定時に既に存在する土地上の抵当権等の実行により第三者に移ってしまう可能性があります。この場合、借地権について適用のある法令に従い第三者対抗要件が具備されていないときは、本投資法人又は信託受託者は、借地権を当該土地の新所有者に対して対抗できず、当該土地の明渡義務を負う可能性があります。
更に、借地権が賃借権である場合、借地権を譲渡するには、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。借地上の建物の所有権を譲渡する場合には、当該借地に係る借地権も一緒に譲渡することになるので、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。かかる借地権設定者の承諾に関しては、借地権設定者への承諾料の支払が予め約束されていたり、約束されていなくても慣行を理由として借地権設定者が承諾料を承諾の条件として請求してくる場合があります(ただし、法律上借地権設定者に当然に承諾料請求権が認められているものではありません。)。
加えて、借地権設定者の資力の悪化や倒産等により、借地権設定者に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。借地権設定者に対する敷金及び保証金等の返還請求権について担保設定や保証はなされないのが通例です。
借地権とその借地上に存在する建物については、敷地と建物を一括して所有している場合と比べて、上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の低下要因が増す可能性があります。
(タ)借家物件に関するリスク
本投資法人は、建物(共有持分、区分所有権等を含みます。)を第三者から賃借の上又は信託受託者に賃借させた上、当該賃借部分を直接若しくは信託受託者を通じて保有する建物と一体的に又は当該賃借部分を単独で、賃借人へ転貸することがあります。
この場合、建物の賃貸人の資力の悪化や倒産等により、建物の賃貸人に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があることは、前記(ヨ)の借地物件の場合と同じです。
加えて、民法上、本投資法人が第三者との間で直接又は信託受託者を通じて締結した賃貸借契約が何らかの理由により終了した場合、原則として、本投資法人又は当該受託者と賃借人の間の転貸借契約も終了するとされているため、賃借人から、転貸借契約の終了に基づく損害賠償請求等がなされるおそれがあります。
(レ)使用許可を取得した敷地上に所在する物件に関するリスク
本投資法人は、国等から、敷地について使用許可を取得した上で、当該敷地上の建物を取得することがあります。かかる使用許可を受けてする敷地の使用については、借地借家法の適用はありません(国有財産法(昭和23年法律第73号。その後の改正を含みます。)(以下「国有財産法」といいます。)第18条第8項)。使用許可の期間が終了した後、使用許可が更新される保証はなく、使用許可には、一定の場合には一方的に使用許可の取消しができるなどの本投資法人に不利益となる条件が付される可能性もあります。このように、使用許可を取得した敷地上に所在する物件については、通常の借地物件とは異なった固有のリスクが存在し、これらの要因により、本投資法人が当該物件の使用収益を継続できなくなったり、収益性が低下する可能性があります。なお、本投資法人の保有する資産のうち、IIF羽田空港メインテナンスセンターは、国からこのような使用許可を取得した敷地上に所在する物件です。
(ソ)開発物件に関するリスク
本投資法人は、規約に定める投資方針に従って、竣工後の物件を取得するために予め開発段階で売買契約その他建物等の所有権等を取得するための契約(以下、本項において「売買契約」といいます。)を締結する可能性があります。また、本投資法人は、規約に定める投資方針に従って、新たな建物を建築する目的で更地を購入したり、不動産の開発を行う特別目的会社に出資を行う可能性もあります。かかる場合、既に完成した物件につき売買契約を締結して取得する場合とは異なり、様々な事由により、開発が遅延し、変更され、又は中止されることにより、売買契約どおり物件の引渡しを受けられない可能性その他の不動産の開発に係る各種リスク(開発リスク、許認可リスク、完工リスク、テナントリスク、価格変動リスク、開発中の金利変動リスク及び大規模な自然災害発生リスク等)を負担する可能性があります。また、仮にこれらのリスクを排除又は軽減するための契約上の手当てをしている場合であってもそれが十分である保証はありません。この結果、開発物件からの収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担する若しくは被る可能性があり、その結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ツ)埋立地に関するリスク
本投資法人が投資対象とする産業用不動産は埋立地に立地することがありますが、埋立地には、埋立に使用した土壌に含まれることのある汚染物質に関するリスク、津波、高潮その他の災害、海面上昇等による被害を受けやすいリスク、建物が沈下するリスク、液状化リスク等の特有のリスクがあります。これらの理由により当該不動産が損害を被った場合、当該不動産の価値が下落し、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
(ネ)有害物質等に関するリスク
本投資法人が土地又は土地の賃借権若しくは地上権又はこれらを信託する信託の受益権を取得する場合において、当該土地について産業廃棄物、放射性物質等の有害物質が埋蔵されている可能性、地下水に有害物質が含まれている可能性や、近隣の施設や賃借人の活動によりかかる有害物質で当該土地が汚染される可能性があり、これらの場合には当該土地の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質の除去及びかかる有害物質による汚染拡大の防止のために、土壌の入替えや洗浄、水質の測定、揚水や遮水壁等による地下水汚染拡大の防止、継続的モニタリング等の措置が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負う可能性があります。なお、土壌汚染対策法によれば、土地の所有者、管理者又は占有者は、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の特定有害物質による土地の土壌の汚染の状況について、都道府県知事により調査・報告を命ぜられることがあり、また、土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。
上記に加え、土壌に含まれる油分により油臭や油膜等が発生した場合には、土壌汚染対策法上の特定有害物質に該当しない場合であっても、同様に土壌の入替えや洗浄を余儀なくされる可能性があります。
これらの場合、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があり、また、本投資法人は、支出を余儀なくされた費用について、その原因となった者やその他の者から常に償還を受けられるとは限りません。仮に売主やテナント等との間でこれらのリスクを排除又は軽減するための契約上の手当てをしている場合であってもそれが十分である保証はありません。
特に、本投資法人が投資対象とする産業用不動産の場合、立地が工場跡地、工業地域内等の土壌汚染が懸念される地域であったり、当該産業用不動産において土壌汚染を惹起する可能性のある活動が行われていることもあり、上記リスクは他の資産を取得する場合に比して相対的に高いものとなることがあります。
また、本投資法人が建物又は建物を信託する信託の受益権を取得する場合において、当該建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材が使用されているか又は使用されている可能性がある場合やポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物が保管されている場合等には、当該建物の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために建材の全面的若しくは部分的交換が必要となる場合又は有害物質の処分若しくは保管が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務が発生する可能性があります。これらの場合についても、仮に売主やテナント等との間でこれらのリスクを排除又は軽減するための契約上の手当てをしている場合であってもそれが十分である保証はありません。
将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
(ナ)不動産を信託受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
本投資法人は、不動産を信託受益権の形式で取得することがあります。
信託受託者が信託財産としての不動産、不動産の賃借権又は地上権を所有し管理するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的にはすべて受益者に帰属することになります。したがって、本投資法人は、信託受益権の保有に伴い、信託受託者を介して、運用資産が不動産である場合と実質的に同じリスクを負担することになります。
信託契約においては、信託受益権を譲渡しようとする場合に信託受託者の承諾を要求されるのが通常です。更に、不動産、不動産の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権は原則として私法上の有価証券としての性格を有していませんので、債権譲渡と同様の譲渡方法によって譲渡することになり、私法上の有価証券のような流動性がありません。
信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含みますが、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)による改正前のもの)及び信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。)上、信託受託者が倒産手続の対象となった場合に、信託受益権の目的となっている不動産が信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要があり、仮にかかる登記が具備されていない場合には、本投資法人は、当該不動産が信託受益権の目的となっていることを第三者に対抗できない可能性があります。
また、信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。
更に、信託契約上、信託開始時において既に存在していた信託不動産の欠陥、瑕疵等につき、当初委託者が信託財産の受託者に対し一定の瑕疵担保責任を負担する場合に、信託財産の受託者が、かかる瑕疵担保責任を適切に追及しない、又はできない結果、本投資法人が不測の損害を被り、投資主又は投資法人債権者が損害を被る可能性があります。
借地権が信託財産となっている場合において、当該借地の所有者から信託受益権の譲渡に関して承諾を得なければならないものとされている場合において当該借地の所有者が当該承諾をしない場合においても、信託受益権の譲受人は、当該借地の所有者に対して、借地借家法上の借地非訟手続を利用することはできません。
本投資法人が信託受益権を準共有する場合、共有物件とほぼ同様のリスクが存在します。まず、準共有する信託受益権の行使については、それが信託財産の管理に関する事項である場合、準共有者間で別段の定めをした場合を除き、準共有者の過半数で行うものと解されるため(民法第264条、民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該信託受益権の行使について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、準共有持分の処分は、準共有者間で別段の定めをした場合を除き、単独所有する場合と同様に自由に行えると解されていますが、準共有する信託受益権については、準共有者間の合意により、他の準共有者の承諾なく準共有持分につき譲渡その他の処分を行わないことが義務づけられたり、準共有者がその準共有持分を第三者に売却する場合に他の準共有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。IIF東雲ロジスティクスセンター、IIF福岡箱崎ロジスティクスセンターⅠ、IIF福岡箱崎ロジスティクスセンターⅡ、IIF板橋ロジスティクスセンター、IIF大阪住之江ロジスティクスセンターⅠ及びIIF大阪住之江ロジスティクスセンターⅡは、このような信託受益権を準共有している物件であり、受益者間協定書において、受益者としての意思形成には、原則として、準共有者全員の合意が必要である旨、他の準共有者の承諾なく準共有持分につき譲渡その他の処分ができない旨や優先的購入に関する定めなどが設けられています(後記「5 運用状況 (2) 投資資産 ③ その他投資資産の主要なもの (ハ) 個別資産の概要 L-1 IIF東雲ロジスティクスセンター、L-34 IIF福岡箱崎ロジスティクスセンターⅠ、L-35 IIF福岡箱崎ロジスティクスセンターⅡ、L-36 IIF板橋ロジスティクスセンター、L-39 IIF大阪住之江ロジスティクスセンターⅠ及びL-40 IIF大阪住之江ロジスティクスセンターⅡ」をご参照下さい。)。準共有する信託受益権については、単独保有する場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、減価要因となる可能性があります。
(ラ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
本投資法人は、不動産又は不動産信託受益権を取得するにあたり、金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針に定めるフォワード・コミットメント等を行うことがあります。不動産売買契約が買主の事情により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負担することとなります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産又は不動産を信託する信託の受益権の売買価格に対して一定の割合の違約金が発生する旨の合意がなされることも少なくありません。フォワード・コミットメント等の場合には、契約締結後、決済・物件引渡しまでに1月以上の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払により、本投資法人の財務状況等が悪影響を受ける可能性があります。
(ム)減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日)が、平成17年4月1日以後開始する事業年度より強制適用されたことに伴い、本投資法人においても減損会計が適用されています。減損会計とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。減損会計の適用に伴い、地価の動向及び運用資産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の損益や分配金の支払能力に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ウ)太陽光発電設備が設置されている物件に係るリスク
本投資法人の保有資産の一部においては太陽光発電設備が設置されており、かかる太陽光発電設備はテナントその他の者に対して賃貸されているか、又は、信託受託者が当該太陽光発電設備を用いて売電事業を営んでいます。信託受託者が売電事業を営んでいる場合、信託受託者による売電事業の経済的成果は信託受益者である本投資法人に(本投資法人が信託受益権の準共有持分を保有する場合は当該持分割合に応じて)帰属することとなります。しかしながら、売電事業については、天候、売電事業者間の競争環境、売電事業に関する国の施策及び規制その他様々な要因によるリスクを伴い、これらの要因により、売電事業から得られる収入が減少した場合、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
⑥ 税制に関するリスク
(イ)導管性要件に関するリスク
税法上、「投資法人に係る課税の特例規定」により、一定の要件(導管性要件)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、利益の配当等を投資法人の損金に算入することが認められています。
本投資法人は、導管性要件を満たすよう努めていますが、今後、下記に記載する要因又はその他の要因により導管性要件を満たすことができない可能性があります。本投資法人が、導管性要件を満たすことができなかった場合、利益の配当等を損金算入することができなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
a. 会計処理と税務処理との取扱いの不一致によるリスク
会計処理と税務処理との不一致(税会不一致)が生じた場合、会計上発生した費用・損失について、税務上その全部又は一部を損金に算入することができない等の理由により、法人税等の税負担が発生し、配当の原資となる会計上の利益は減少します。支払配当要件における配当可能利益の額(又は配当可能額)は会計上の税引前利益に基づき算定されることから、多額の法人税額が発生した場合には、配当可能利益の額の90%超の配当(又は配当可能額の90%超の金銭分配)ができず、支払配当要件を満たすことが困難となる可能性があります。なお、平成27年度税制改正により、交際費、寄附金、法人税等を除く税会不一致に対しては、一時差異等調整引当額の分配により法人税額の発生を抑えることができるようになり本リスクを軽減するための手当てがとられていますが、本投資法人の過去の事業年度に対する更正処分等により多額の追徴税額(過年度法人税等)が発生した場合には、法人税等は一時差異等調整引当額の対象とならないため、支払配当要件を満たすことができないリスクは残ります。
b. 借入先要件に関するリスク
本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合若しくは本投資法人の既存借入金に関する貸付債権が機関投資家以外に譲渡された場合、又はこの要件の下における借入金の税法上の定義が明確ではないため、賃借人等からの預り金等が借入金に該当すると解釈された場合においては、借入先要件を満たせなくなる可能性があります。
c. 投資主の異動について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
本投資口が市場で流通することにより、本投資法人のコントロールの及ばないところで、所有先要件あるいは非同族会社要件が満たされなくなる可能性があります。
(ロ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において行った利益の配当等の損金算入が否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、規約における投資制限において、その有する特定資産の価額の合計額に占める、特定不動産の価額の合計額の割合を100分の75以上とすること(規約第13条第2項)としています。本投資法人は、上記内容の運用方針を規約に定めること、及びその他の税法上の要件を充足することを前提として、直接に倉庫等以外の不動産を取得する場合の不動産流通税(登録免許税及び不動産取得税)の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更された場合において、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。
(ニ)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、信託受益権その他本投資法人の資産に関する税制若しくは本投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、資本の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有又は売却による投資主の手取金の額が減少し、又は税務申告等の税務上の手続面での負担が投資主に生じる可能性があります。
⑦ その他
(イ)専門家の意見への依拠に関するリスク
不動産の鑑定評価額及び不動産価格調査の調査価格は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査等を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査の方法若しくは時期によって鑑定評価額、調査価格の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在又は将来において当該鑑定評価額や調査価格により当該不動産の売買が可能であると保証又は約束するものではありません。
建築物環境調査報告書、土壌環境評価報告書も、個々の調査会社が行った分析に基づく意見の表明であり、評価方法、調査の方法等によってリスク評価の内容が異なる可能性があります。また、かかる報告書は、専門家が調査した結果を記載したものにすぎず、土壌汚染等の環境上の問題が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
また、マーケットレポート等により提示される第三者によるマーケット分析は、個々の調査会社の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正なエリア特性、需要と供給、マーケットにおける位置付け、市場の動向等と一致するとは限りません。同じ物件について調査分析を行った場合でも、調査分析会社、分析方法又は調査方法若しくは時期によってマーケット分析の内容が異なる可能性があります。
建物状況調査報告書の作成者並びに確認検査機関からは特に問題点が指摘されているようなものはないとの調査結果が記載された報告書を得ていますが、建物の状況及び構造に関して専門家が調査した結果を記載したものにすぎず、不動産に欠陥、瑕疵等が存在しないことを保証又は約束するものではありません。また、各調査会社が試算した修繕費用は、あくまでも調査会社の意見であり、その内容の妥当性、正確性が保証されているものではありません。
また、不動産に関して算出されるPMLは、個々の専門家の分析に基づく予想値であり、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
(ロ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、不動産等匿名組合出資持分への投資を行うことがあります。本投資法人が出資するかかる匿名組合では、本投資法人の出資金を営業者が不動産等に投資することとなりますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合や当該不動産等の価値が下落した場合等には、本投資法人が匿名組合員として得られる分配金や元本の償還金額等が減少し、その結果、本投資法人が営業者に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については契約上譲渡が制限されていることがあり、又は確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があります。また、不動産等匿名組合出資持分への投資は、営業者が保有する不動産等に係る優先交渉権又は優先購入権の取得を目的として行われることがありますが、かかる優先交渉権又は優先購入権により当該新規物件を取得できる保証はありません。
(ハ)一時差異等調整引当額の戻入れにより利益の分配が減少するリスク
本投資法人が貸借対照表の純資産の部に一時差異等調整引当額を計上している場合、一時差異等調整引当額の計上は、会計と税務における損益の認識のタイミングの調整のために行われるものであるため、当該引当額の計上に起因した税会不一致が解消したタイミングでその戻入れが求められます。当該戻入れは本投資法人の利益をもって行われることから、当期未処分利益が一時差異等調整引当額の戻入れに充当される結果、分配可能金額が減少する可能性があります。
なお、純資産控除項目(主に繰延ヘッジ損益のマイナス)に起因する一時差異等調整引当額に関しては、その戻入れの原資となる利益が過年度から繰り越されるため、当該戻入れによって当期の利益に対応する利益分配金が減少することはありません。
(2) 投資リスクに対する管理体制
本投資法人及び本資産運用会社は、以上のような投資リスクを踏まえ、その上でこのようなリスクに最大限対応できるよう以下のリスク管理体制を整備しています。
しかし、当該リスク管理体制については、十分に効果があることが保証されているものではなく、リスク管理体制が適切に機能しない場合、投資主又は投資法人債権者に損害が及ぶおそれがあります。
本投資法人は、執行役員1名及び監督役員2名により構成される役員会により運営されています。かかる役員会については、役員全員の出席のもと開催できるよう年初において1年間の予定を作成して日程を確保の上、原則として毎月2回開催します。本投資法人は、役員会において、本資産運用会社に、運用状況の報告と共に資産運用に関連する各種議案の説明を求めており、同社による資産運用業務の状況を確認しています。その上で、法令遵守状況に係る監視機能を強化するため、原則として役員会には毎回顧問法律事務所へも出席を求めています。また、財務諸表承認決議の役員会においては、顧問法律事務所と共に会計監査人の出席を求め、法令遵守や内部管理態勢の状況について十分な議論を行います。
更に、半年に一度、定期的に一般事務受託会社及び資産保管会社から執行状況、法令遵守や内部管理態勢等について報告させることとしています。
加えて、監督役員による監視機能の実効性を高めるため、原則2年に1回外部専門家を活用し監督役員主導による業務監査を実施することとしています。
一方、本投資法人の委託を受けた本資産運用会社では、以下のような重層的かつ相互牽制的な検証システムを通じて、投資運用に係るリスクその他のリスク等について、各リスクの内容と程度に合わせて、必要・適正なレベルで、複数の検証システムによる管理を行っており、重要な事項は取締役会に報告されています。
まず、本資産運用会社は、インダストリアル本部において、資産の取得又は処分に伴う各種リスク(主に不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク、売主の倒産に伴うリスク、共有物件に伴うリスク、開発物件に関するリスク、有害物質に関するリスク)、資産の運用管理に伴う各種リスク(主に賃貸借契約に関するリスク、災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク、不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク)及び本投資法人の資金調達等に関する各種リスクについて管理を行います。これらのリスク管理に加え、リスク管理統括者(マネジメント室長)の下で、マネジメント室が、他の各本部・部・室(以下、本(2)において「各本部」といいます。)から独立した、全社的な立場から本資産運用会社のリスク管理態勢の企画・立案を行うと共に、その整備状況及び運用状況の確認・改善業務を統括します。
次に、本資産運用会社は、資産の取得・処分・運用管理、投資方針・基準、運用管理方針・基準、予決算及び資金調達等に関するポートフォリオ全体の総合的なリスクを、資産運用検討委員会において検証・議論し、また同時にそれらのリスクに対する対応策を決定しています。
更に、社長、副社長、本部長、副本部長、コンプライアンス管理室長、内部監査室長及びマネジメント室長を常任委員として構成されるリスク管理委員会が、原則として3か月に1度開催され、資産運用検討委員会に係属する事項以外のリスクについて適時に把握、検討し、必要な対応策及び管理方針を策定する体制にあります。
常勤監査役は、資産運用検討委員会及びリスク管理委員会のそれぞれに出席し、意見を述べることができます。なお、各委員会の概要については、前記「1 投資法人の概況 (4) 投資法人の機構 ② 投資法人の運用体制」をご参照下さい。
また、内部監査室は、全社及び各本部におけるリスク管理の状況について、内部監査規程に基づき定期的に内部監査を実施し、内部監査報告書を作成します。本資産運用会社では、上記各体制に加えて、コンプライアンス管理室による法令等遵守に対する点検の確認、利害関係者との利益相反行為の有無の確認、更には社内規程との整合性の確認など網羅的な内部牽制により、常勤監査役との連携を図りながらリスク管理体制の充実と実効性の向上を図っています。
また、利害関係者との取引等に関しては、本資産運用会社の社内規程(自主ルール)として、利害関係者取引規程を定め、これを遵守することにより、当該取引を適切に管理し、もって本資産運用会社が本投資法人に対して負う善管注意義務及び忠実義務の履行を十全ならしめる体制を取っています(後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 本投資法人に関する利益相反取引ルール」をご参照下さい。)。
このように、投資リスクに対しては、本投資法人及び本投資法人から委託を受けた本資産運用会社の重層的かつ相互牽制的な検証システムを通じ、実効性のあるリスク管理体制を整備し、最大限の効果の発揮に努めています。
以下には、本投資証券又は本投資法人債券への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。ただし、以下は本投資証券又は本投資法人債券への投資に関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。また、本投資法人が取得した個別の不動産又は信託受益権の信託財産である不動産に特有のリスクについては、後記「5 運用状況 (2) 投資資産 ③ その他投資資産の主要なもの」を併せてご参照下さい。
本投資法人は、対応可能な限りにおいてこれらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分である保証はありません。以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資証券若しくは本投資法人債券の市場価格が下落又は分配金の額が減少し、その結果、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で、本投資証券又は本投資法人債券に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、本投資法人及び本資産運用会社の目標及び意図を含め、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、これらの事項は本書の日付現在における本投資法人及び本資産運用会社の判断、目標、一定の前提又は仮定に基づく予測によるものであり、実際の結果が異なることとなる可能性があります。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 投資証券又は投資法人債券の商品性に関するリスク
(イ) 本投資証券又は本投資法人債券の市場価格の変動に関するリスク
(ロ) 投資証券の市場での取引に関するリスク
(ハ) 金銭の分配に関するリスク
(ニ) 収入及び支出の変動に関するリスク
(ホ) 投資法人債券の償還・利払に関するリスク
(ヘ) 新投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ) 投資対象を産業用不動産に特化していることによるリスク
(ロ) 公的セクターに対する投資が予定どおり進捗しないリスク
(ハ) 少数の賃借人に依存していることによるリスク
(ニ) 運用資産の立地の地域的な偏在及び種類的な偏在に関するリスク
(ホ) 本投資法人の成長戦略に関するリスク
(ヘ) 保有物件の再開発に関するリスク
(ト) インフラ施設を投資対象としていることによるリスク
③ 本投資法人の運用に関する一般的なリスク
(イ) 不動産を取得又は処分できないリスク
(ロ) 新投資口の発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
(ハ) 敷金及び保証金に関するリスク
④ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ) 三菱商事株式会社及びユービーエス・エイ・ジーへの依存、利益相反に関するリスク
(ロ) 本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
(ハ) 本資産運用会社の人材に依存しているリスク
(ニ) 本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
(ホ) 本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
⑤ 不動産及び信託受益権に関するリスク
(イ) 不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
(ロ) 賃貸借契約に関するリスク
(ハ) 災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
(ニ) 不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
(ホ) 土地の境界等に係るリスク
(ヘ) 不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(ト) 法令の制定・変更に関するリスク
(チ) 売主の倒産等の影響を受けるリスク
(リ) 転貸に関するリスク
(ヌ) マスターリース契約に関するリスク
(ル) 賃借人等による不動産の利用状況に関するリスク
(ヲ) 共有物件に関するリスク
(ワ) 区分所有建物に関するリスク
(カ) 底地物件に関するリスク
(ヨ) 借地物件に関するリスク
(タ) 借家物件に関するリスク
(レ) 使用許可を取得した敷地上に所在する物件に関するリスク
(ソ) 開発物件に関するリスク
(ツ) 埋立地に関するリスク
(ネ) 有害物質等に関するリスク
(ナ) 不動産を信託受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
(ラ) フォワード・コミットメント等に係るリスク
(ム) 減損会計の適用に関するリスク
(ウ) 太陽光発電設備が設置されている物件に係るリスク
⑥ 税制に関するリスク
(イ) 導管性要件に関するリスク
(ロ) 税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
(ハ) 不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(ニ) 一般的な税制の変更に関するリスク
⑦ その他
(イ) 専門家の意見への依拠に関するリスク
(ロ) 匿名組合出資持分への投資に関するリスク
(ハ) 一時差異等調整引当額の戻入れにより利益の分配が減少するリスク
① 投資証券又は投資法人債券の商品性に関するリスク
(イ)本投資証券又は本投資法人債券の市場価格の変動に関するリスク
本投資法人は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型であるため、投資主が本投資証券を換金する手段は、第三者に対する売却に限定されます。
本投資証券又は本投資法人債券の市場価格は、取引所における需給バランスにより影響を受け、一定の期間内に大量の売却が出た場合には、大きく価格が下落する可能性があります。また、市場価格は、本投資証券又は本投資法人債券に対する需給状況、金利情勢、経済情勢、不動産市況その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動します。
そのため、投資主又は投資法人債権者は、本投資証券又は本投資法人債券を取得した価格で売却できない可能性があり、その結果、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
(ロ)投資証券の市場での取引に関するリスク
本投資証券は、東京証券取引所に上場していますが、本投資法人の資産総額の減少、投資口の売買高の減少その他の東京証券取引所の有価証券上場規程に定める上場廃止基準に抵触する場合には、本投資証券の上場が廃止されます。
本投資証券の上場が廃止された場合、投資主は、保有する本投資証券を相対で譲渡する他に換金の手段がないため、本投資法人の純資産額に比して廉価で譲渡せざるを得ない場合や本投資証券の譲渡自体が事実上不可能となる場合があり、その結果、投資主が損失を被る可能性があります。
(ハ)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針 (3) 分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無及びその金額は、いかなる場合においても保証されるものではありません。本投資法人が取得する不動産及び不動産を裏付けとする資産の当該裏付け不動産(以下、本「(1) リスク要因」の項において「不動産」と総称します。)の賃貸状況、売却に伴う損益や建替えに伴う除却損等により、期間損益が大きく変動し、投資主への分配金が増減し、又は一切分配されないことがあります。
また、本投資法人は、前記「2 投資方針 (3) 分配方針 ② 利益を超えた金銭の分配」に記載のとおり、一時的な利益超過分配を実施することがありますが、利益を超えた金銭の分配は、出資の払戻しに相当するため、利益を超えた金銭の分配が実施された場合、本投資法人の純資産は減少することになります。また、これにより手元資金が減少することとなるため、想定外の事象等により本投資法人の想定を超えて資本的支出を行う必要が生じた場合などに手元資金の不足が生じる可能性や、機動的な物件取得にあたり資金面での制約となる可能性があります。
(ニ)収入及び支出の変動に関するリスク
本投資法人の収入は、不動産の賃料収入に主として依存しています。不動産に係る賃料収入は、不動産の稼働率の低下(建物の建替え及び大規模修繕等を要因とする場合も含みます。)等により、大きく減少する可能性があるほか、賃借人との協議や賃借人からの請求等により賃料が減額されたり、契約どおりの増額改定を行えない可能性もあります(なお、これら不動産に係る賃料収入に関するリスクについては、後記「⑤ 不動産及び信託受益権に関するリスク (ロ) 賃貸借契約に関するリスク」をご参照下さい。)。個別の資産の過去の受取賃料の状況は、当該資産の今後の受取賃料の状況と一致する保証はありません。また、不動産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料が、一般的な賃料水準に比して適正な水準にあるとは限りません。
一方、収入の減少だけでなく、退去する賃借人への預り敷金及び保証金の返還、大規模修繕等に要する支出、多額の資本的支出、不動産の取得等に要する費用、その他不動産に関する支出が状況により増大し、キャッシュ・フローを減ずる要因となる可能性があります。
このように、不動産からの収入が減少する可能性があるとともに、不動産に関する支出は増大する可能性があり、個別の資産及び運用資産全体の過去の収支の状況が必ずしも将来の収支の状況と一致し又は同様の傾向を示すとは限りません。何らかの理由によりこれらの収支に変更が生じた場合、投資主への分配金額が減少したり、本投資証券の市場価格が下落することがあります。
(ホ)投資法人債券の償還・利払に関するリスク
本投資法人の信用状況の悪化その他の事由により、本投資法人債券について元本や利子の支払が滞ったり、支払不能が生じるリスクがあります。
(ヘ)新投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
本投資法人は、新投資口を随時発行する予定ですが、かかる発行により既存の投資主の保有する投資口の持分割合が減少します。また、本投資法人の計算期間中に発行された投資口に対して、当該計算期間の期初から存在する投資口と同額の金銭の分配が行われるため、既存の投資主は、当該新投資口の発行がなかった場合に比して、1口当たりの受取分配金額が減少する可能性があります。更に、当該新投資口の発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの価値や市場における需給バランスが影響を受け本投資証券の市場価格が下落する可能性があります。
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)投資対象を産業用不動産に特化していることによるリスク
本投資法人は、インダストリアル不動産及びインフラ不動産からなる産業用不動産を投資対象としており、この投資対象の特性による特有のリスクを有しています。
a. 産業用不動産全体に対する需要が減少するリスク
産業用不動産は、歴史的に工場・研究所の立地件数や設備投資額等について、景気動向の影響を受けています。したがって、今後の我が国の景気動向、為替動向、人口推移、国際競争力、生産活動の海外移転等の進捗状況等の如何によっては、本投資法人が投資対象とする産業用不動産に対する全般的需要が減少し、その結果、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
b. 特定の種類の産業用不動産に対する需要が減少するリスク
産業用不動産全体に対する需要が減少しない場合でも、今後の我が国の産業構造、交通・通信・エネルギーその他のインフラのあり方の変化等により、特定の種類の産業用不動産に対する需要が低下し、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、産業用不動産には、ガスターミナル、発電所その他の天然資源等の需給変動により当該施設に対する需要が減少し、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性もあります。
c. 個別の産業用不動産に対する需要が減少するリスク
産業用不動産全体又は特定の種類の産業用不動産に対する需要が減少しない場合でも、個別の産業用不動産に対する需要が減少する可能性もあります。例えば、ある産業用不動産の周辺地域の宅地化・市街地化、周辺のインフラの利便性の低下、将来の生産活動、物流及び交通・通信・エネルギーその他のインフラのあり方の変化による特定の産業用不動産の用途適合性の低下、喪失等を理由として当該不動産の産業用不動産としての価値が損なわれ、その結果、当該産業用不動産に対する賃借需要が後退し、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
d. 用途が限定されていること及び単一賃借人、少数賃借人物件であることによるリスク
産業用不動産は、インダストリアル不動産、インフラ不動産いずれについても、特定の又は特殊な用途に適合するように建設され、用途の変更が困難である場合が多く、多くの場合、物件の特性から賃借人となりうる者が限定されることになります。したがって、既存の賃借人が退去した場合、オフィス、住居、商業施設などに比べ、代替賃借人となりうる者が限定され、代替賃借人が入居するまでの非稼働期間が長期化する可能性があります。
また、本投資法人の運用資産は、産業用不動産としての特性から、すべて、単一の賃借人又は少数の賃借人が物件全体を賃借する形態となっており、今後の取得資産についても同様の場合が多いと考えられます。
したがって、これらの賃借人が退去した場合、賃貸スペースの広さ等から、代替賃借人となりうる者が限定され、代替賃借人が入居するまでの空室期間が長期化する可能性があります。
これらの結果、当該物件の稼働率が大きく減少したり、代替賃借人確保のために賃料水準を引き下げざるを得なくなることがあり、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
e. 環境関連法による規制及び環境関連法規制の変更に関するリスク
産業用不動産においては、立地の特性及び施設の用途から、土壌汚染や地下水汚染又は有害物質使用等の問題が生じる可能性が比較的高く、土壌汚染対策法等様々な環境関連法規制の対象となっており、問題が生じた場合は賃借人等の本投資法人以外の者の行為による場合であっても本投資法人が責任を負担することになる可能性があります。また、環境関連法規制が強化された場合には、かかる規制を遵守するために、本投資法人が多大なコストを負担することになる可能性があり、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
f. 産業用不動産に関する法規制等に伴うリスク
産業用不動産は、環境関連法規制に加え、用途に応じた多くのかつ厳格な安全規制などの様々な法規制の対象となっています。これらの規制については今後強化される可能性が高く、このような規制強化により、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性もあります。また、産業用不動産に関する用途規制、地域規制等の変更・強化により、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性があります。
g. 産業用不動産固有の事故等に関するリスク
本投資法人が投資対象とする産業用不動産においては、工場操業、危険物の運送その他の本質的に危険性のある活動が行われる場合があり、万が一、運用資産において、火災、爆発その他の事故(以下「事故等」と総称します。)が発生した場合、不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が影響を受ける可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した個所を修復するために多額の費用を要したり、一定期間建物の不稼働を余儀なくされることにより、賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。不動産の個別事情により保険契約が締結されていない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない事故等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額される若しくは遅れる場合には、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
また、インフラ不動産の場合、公衆が多数利用する場合も想定され、事故等が発生し第三者に損害を与えた場合、本投資法人に故意又は過失がない場合であっても、本投資法人も民法上の土地工作物責任等の理論により、責任を負担する可能性があり、その結果、本投資法人に損害が生じる可能性があります(詳しくは、後記「⑤ 不動産及び信託受益権に関するリスク (ニ) 不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク」をご参照下さい。)。
更に、本投資法人の運用資産において事故等が発生した場合、本投資法人が法的責任を負担しない場合又は損害が損害保険等によって填補され実害が生じない場合等であっても、事故等が生じたことから資産を保有する本投資法人に対する社会からの評価(いわゆるレピュテーション)が低下し、その結果、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性もあります。
h. 産業用不動産に設置された設備等に関するリスク
産業用不動産には、その用途のために様々な特別な設備等が設置されることがあり、その価格は高額になる場合もあります。当該設備等の設置、補修等が賃借人の費用と責任により行われる場合であっても、当該賃借人が当該不動産から退去する場合には、当該不動産の効用を維持するために当該設備等を本投資法人が買い取らざるを得なくなる場合も想定されます。仮に無償譲渡を受けた場合であっても、この場合、本投資法人に当該設備等の補修等のための費用が発生する可能性もあります。これらにより、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性があります。
(ロ)公的セクターに対する投資が予定どおり進捗しないリスク
本投資法人は、現在公的セクターが保有している産業用不動産についても、将来本投資法人のような民間セクターによる取得・保有ニーズが増加するものと考え、このような公的セクターが現在保有している産業用不動産への投資を引き続き検討していくこととしています。
しかし、公的セクターが保有している産業用不動産の取得に当たっては、法規制の改正その他の規制緩和、政府、地方公共団体その他の諸機関との調整を必要とする場合があり、このような場合において、かかる規制緩和、調整が本投資法人の想定どおり進捗するとは限りません。
したがって、本投資法人の投資方針にもかかわらず、これらの産業用不動産を予定どおり取得できないリスクがあります。
また、公的セクターが保有している産業用不動産を取得できたとしても、政府、地方公共団体その他の諸機関によって、賃料等が規制される可能性があり、その結果、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
更に、公的セクター以外が保有している場合であっても、産業用不動産固有の法的、経済的、事実上の制約により、本投資法人の投資方針にもかかわらず、これらの産業用不動産を予定どおり取得できないリスクがあります。
(ハ)少数の賃借人に依存していることによるリスク
本投資法人の運用資産のうち相当部分は、少数の賃借人へ賃貸されており、本投資法人の収入は、かかる賃借人に大きく依存しています。したがって、これらの賃借人の営業状況、財務状況が悪化し、賃料支払が遅延したり、物件から退去した場合には、本投資法人の収益等に大きな悪影響が生じる可能性があります。
(ニ)運用資産の立地の地域的な偏在及び種類的な偏在に関するリスク
平成29年7月末時点における、本投資法人が保有する不動産及び信託受益権の鑑定評価額の総額に占める東京圏所在の物件の割合は、65.2%となっており、東京圏における産業構造の変化、経済情勢の悪化、地震その他の災害などの理由により、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性があります。
また、今後の運用次第では、本投資法人の運用資産の立地にその他の地域的な偏在が生じたり、特定の種類の不動産の割合が高くなる可能性もあります。地域的な偏在が生じた場合には、上記同様、当該地域に特有の事由により、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性があります。また、特定の種類に利用される不動産の割合が高くなった場合には、当該特定の種類に特有の事由により(詳しくは、前記「(イ) 投資対象を産業用不動産に特化していることによるリスク b. 特定の種類の産業用不動産に対する需要が減少するリスク」をご参照下さい。)、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性があります。
(ホ)本投資法人の成長戦略に関するリスク
本投資法人は、保有資産の拡大に当たって、本資産運用会社による積極的な提案型の物件取得活動を行っていますが、かかる活動が成果を上げるとは限りません。また、本投資法人は、稼働率の低い物件や未竣工の物件の場合にはフォワード・コミットメント等(先日付での売買契約であって、契約締結から1か月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているものその他これに類する契約をいいます。以下同じです。)により物件を取得する仕組みを三菱商事株式会社その他の適切と考えるパートナーと構築すべく取り組んでいますが、本投資法人が希望する場合にかかる仕組みが構築できない可能性もあります。
更に、本投資法人は、三菱商事株式会社等との協働による物件の取得を、外部成長戦略の一つとしていますが、三菱商事株式会社等との間でかかる協働関係を規律する契約は存在しません。
したがって、本投資法人は、三菱商事株式会社等から本投資法人が適切であると判断する物件を必ずしも希望どおり取得できるとは限りません。
また、本投資法人は、運用資産について、施設拡張工事・改築等を実施することを内部成長戦略の一つとしていますが、法規制上の制限その他の理由により、必ずしも本投資法人の希望する工事・改築等が行えるとは限りません。
(ヘ)保有物件の再開発に関するリスク
投信法上、投資法人は、自ら建物の建築を行うことはできませんが、工事期間中のテナントの退去によるキャッシュ・フローの変動がポートフォリオ全体に過大な影響を与える場合等の一定の場合を除き、建物の建築に係る請負契約の注文者となることはできると考えられています。そのため、投資法人は、一般に建物の建築に係る請負契約の注文者となって、不動産の再開発事業を手がける可能性があります。
本投資法人は、今後保有物件の状況に照らし必要と判断される場合には保有物件の再開発を実行していく予定です。しかし、再開発事業は、不動産の開発に係る各種リスク(開発リスク、許認可リスク、完工リスク、テナントリスク、価格変動リスク、開発中の金利変動リスク及び大規模な自然災害発生リスク等)を伴うものであることから、需給の状況その他の経済環境の変化、テナントの獲得や必要な資金の確保の困難、法令改正による不動産に適用される規制の変更、再開発敷地における地中埋設物の発見、開発時の近隣との紛争の発生その他様々な事由により、開発が遅延し、変更を余儀なくされ、中止され、又は追加の費用負担が発生する可能性があります。これらの場合、本投資法人は、予定した再開発計画を実施できず、又は当初の計画どおりの再開発事業が完了できないことにより、予定された時期又は内容の物件を取得できない可能性があります。また、再開発事業が実施された場合であっても、建築された建物のキャッシュ・フローは需給の状況その他の経済環境の影響を受けることから、期待どおりに稼働しない可能性もあります。
これらの結果、再開発事業による収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担する若しくは被る可能性があり、その結果、本投資法人の収益等が悪影響を受け、投資主が得られる分配金が大幅に減少する可能性があります。また、再開発事業に伴い本投資法人の保有する資産を取り壊す場合には、当該資産を除却することに伴い損失が生じることから、当該損失が多額に及び、投資主が得られる分配金が大幅に減少する可能性があります。
(ト)インフラ施設を投資対象としていることによるリスク
本投資法人は、交通、通信、エネルギー、水道、公共施設等産業活動の基盤として整備される施設(以下、本(ト)において「インフラ施設」といいます。)を投資対象としていますが、インフラ施設には、本書の日付現在、制度上本投資法人による投資が困難なものも有ります。
加えて、本書の日付現在、インフラ施設の一部(空港、港湾施設、鉄道施設、道路・自動車道、水道、下水道、熱供給施設等のうち、公共的な性質を有するもの)は、平成27年4月30日付で東京証券取引所が開設したインフラファンド市場における投資対象にも指定されています。
本書の日付現在、同市場に上場しているファンドは3銘柄のみであり、かつ、本投資法人の投資対象と実質的な投資対象が重複する事態も生じていないものの、同市場に上場するファンドの増加により、本投資法人の投資対象と投資対象が実質的に一部重複する上場ファンドが現れ又は増加する可能性があります。この場合、本投資法人の投資対象であるインフラ施設に関する投資が活発化し、インフラ施設への需要が拡大する可能性があります。ただし、この場合においてもインフラ施設への需要が必ずしも増大するとは限らず、また、仮にインフラ施設への需要が拡大した場合においても、かかる需要の拡大に伴い取得競争が活発化した場合、本投資法人は、必ずしも、希望するインフラ施設を取得することができるとは限りません。また、取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性もあります。
③ 本投資法人の運用に関する一般的なリスク
(イ)不動産を取得又は処分できないリスク
本投資法人が投資対象とする産業用不動産のうちインダストリアル不動産については、一般的に、オフィス、住宅、商業施設といった他の種類の不動産に比べて取得機会が少なく、また、インフラ不動産については、未だその流通市場が形成されているとはいえません。他方、不動産投資信託その他の不動産ファンド及びその他の投資家等による不動産に対する投資は一般的に活発化する傾向にあり、産業用不動産への需要も拡大する可能性があります。したがって、本投資法人は、必ずしも、希望する不動産等を取得することができるとは限りません。また、取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性もあります。加えて、本投資法人が不動産等の取得を決定し、売主と譲渡について合意した場合であっても、売主との間で締結した不動産等に係る売買契約において定められた一定の条件が満たされない等の場合には、本投資法人が当該不動産等を予定した期日に取得できない可能性があります。更に、本投資法人が不動産等を取得した後にこれらを処分する場合にも、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性もあります。その結果、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があります。
(ロ)新投資口の発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
新投資口の発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行並びにそれらの条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後本投資法人の希望する時期及び条件で新投資口の発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行を行うことができる保証はなく、その結果、予定した資産を取得できなかったり、予定しない資産の売却を余儀なくされたり、更には資金繰りがつかなくなる可能性があります。また、本投資法人が既存の借入れ及び投資法人債の返済資金を新たな借入れ等で調達することを予定していたにもかかわらず、かかる調達ができない場合には、既存の借入れ等の返済ができないことにより債務不履行となる可能性があります。
また、本投資法人が金銭の借入れ又は投資法人債の発行を行う場合において、当該金銭の借入れ又は投資法人債の発行の条件として、現在設定されている資産・負債等に基づく一定の財務指標上の数値を維持する等の財務制限条項のほかに、追加的に、投資主への金銭の分配を制約する、本投資法人の信用状態に関する評価を一定の水準に維持する等の財務制限条項が設けられたり、運用資産に担保を設定することとなったり、規約の変更が制限される等の可能性があります。このような制約が本投資法人の運営に支障をきたし、又は投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、これらの制限に違反した場合には、追加の担保設定や費用負担等を求められ、又は当該借入契約に係る借入金若しくは投資法人債の元利金について期限の利益を喪失するなどの可能性があり、その結果、本投資法人の運営に重大な悪影響が生じる可能性があります。
更に、借入れ及び投資法人債の金利は、借入れ時及び投資法人債発行時の市場動向に左右され、変動金利の場合には、その後の市場動向にも左右されます。過去10年以上にわたり日本では低金利状態が続いていますが、今後、新規借入れや新規発行投資法人債に適用される金利が上昇したり、変動金利の適用金利が上昇する可能性があります。借入れ及び投資法人債の金利が上昇し、又は本投資法人の借入額及び投資法人債発行額が増加した場合には、本投資法人の利払額は増加します。このような利払額の増加により、投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)敷金及び保証金に関するリスク
本投資法人は、運用資産の賃借人が無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を運用資産の取得資金の一部として利用する場合があります。ただし、敷金又は保証金を本投資法人が利用する条件として、本投資法人が敷金又は保証金の返還債務を負う場合があり、当該返還債務の履行に必要な資金を借入れ等により調達する可能性があります。その結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
④ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)三菱商事株式会社及びユービーエス・エイ・ジーへの依存、利益相反に関するリスク
三菱商事株式会社及びユービーエス・エイ・ジーのグループ会社であるユービーエス・アセット・マネジメント・エイ・ジーは、本書の日付現在、本資産運用会社の発行済株式総数のそれぞれ51%及び49%を保有し、また、本資産運用会社の役員中数名が三菱商事株式会社及びユービーエス・エイ・ジーの子会社等の出身です。したがって、三菱商事株式会社又はユービーエス・エイ・ジーの利益が本投資法人又は本投資法人の他の投資主の利益と異なる場合、利益相反の問題が生じる可能性があります。三菱商事株式会社又はユービーエス・エイ・ジーは、それぞれ本投資法人が三菱商事株式会社若しくはその関連会社等又はユービーエス・エイ・ジー若しくはその関連会社等から資産を取得する場合、物件の賃貸又はその他の業務を行う場合に、本投資法人に対して影響力を行使する可能性があり、三菱商事株式会社及びユービーエス・エイ・ジーの双方の関連会社等である者から資産を取得する場合、物件の賃貸又はその他の業務を行う場合には、本投資法人に対してより強い影響力を行使する可能性があります。また、本投資法人は、三菱商事株式会社若しくはその関連会社等又はユービーエス・エイ・ジー若しくはその関連会社等と資産の取得等に関し直接又は間接的に競合する場合もあります。かかる場合、本投資法人の業務、財政状態又は経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があり、本投資法人の投資口価格や分配金が減少する可能性があります。
(ロ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、執行役員及び監督役員から構成される役員会において重要な意思決定を行い、資産の運用を本資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に、それぞれ委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者、特に本資産運用会社の能力、経験及びノウハウに依存するところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を維持できる保証はありません。また、投信法は、本投資法人の執行役員及び監督役員並びに本投資法人の関係者に関する義務及び責任を定めていますが、これらの本投資法人の関係者が投信法その他の法令に反し、又は法定の措置をとらないときは、投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。
また、本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者が、法令上又は契約上負っている善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)、本投資法人のために忠実に職務を遂行する義務(忠実義務)、利益相反行為を行わない義務、その他の義務に違反した場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。特に、本投資法人のために資産の運用を行う本資産運用会社において、その利害関係者のために本投資法人の利益を害する取引が行われるリスクがあり、本資産運用会社では、かかるリスクに適切に対処するための社内規程(自主ルール)として、利害関係者取引規程を定めています(前記「1 投資法人の概況 (4) 投資法人の機構 ③ 投資運用の意思決定機構」及び後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 本投資法人に関する利益相反取引ルール」をご参照下さい。)が、かかる対策が完全に機能するとは限りません。
なお、投信法上、資産運用会社は、複数の投資法人等の資産運用を受託することを禁じられてはおらず、本投資法人の資産運用会社である三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社は、本投資法人のほか、日本リテールファンド投資法人からも資産の運用を受託しています(詳細については前記「1 投資法人の概況 (4) 投資法人の機構 ② 投資法人の運用体制」をご参照下さい。)。また、本資産運用会社の子会社であるMidCityは、MidCity REITから資産の運用に係る業務を受託しています。更に、本資産運用会社の子会社であるMJAは、私募ファンド等の顧客からアセット・マネジメント業務を受託しています。日本リテールファンド投資法人は、商業施設を投資対象とする投資法人であり、MidCity REITは、主としてオフィスビルを投資対象とする投資法人であることから、産業用不動産を投資対象とする本投資法人とは、本書の日付現在、その投資対象が異なっていますが、私募ファンドの投資対象は、本投資法人の投資対象と重複することがあります。なお、MidCity REITは主としてオフィスビルを投資対象としており、かつ、MidCity REITの規約及びMidCityの資産運用ガイドラインによれば、産業用不動産については新規取得を行わないこととされています。本資産運用会社は、各投資法人の資産の運用並びにMidCity及びMJAへの投資情報の提供に際して各投資法人、MidCity REIT及び私募ファンド間における利益相反が生じることのないように、投資法人間の利益相反防止のためのチェックリストを作成していますが、かかるチェックリストが想定どおり機能しない場合もあり得ます。
また、本投資法人に係る資産運用に従事するインダストリアル本部及び日本リテールファンド投資法人に係る資産運用に従事するリテール本部に係る運用の意思決定はそれぞれ独立して行うものとされていますが、投資対象資産の発掘、情報の管理及び配分並びに取得及び処分に関する交渉等を行うアクイジション本部及びコーポレート本部においてはかかる区別はなされていません。MidCity及びMJAは本資産運用会社とは別個の法人ですが、本資産運用会社の役職員がその役員を兼任し、また、本資産運用会社は親会社としてMidCity及びMJAの事業運営に関与しうる立場にあります。加えて、本資産運用会社においては、インダストリアル本部、リテール本部、MidCity及びMJAの間で生じ得る投資物件を取得する機会の競合に関し、投資情報に係る優先検討権ルール(詳細については前記「1 投資法人の概況 (4) 投資法人の機構 ② 投資法人の運用体制 c. 投資情報に係る優先検討権ルール」をご参照下さい。)を設けていますが、当該ルールに反する物件の取得検討が行われる可能性は否定できません。更に、かかるルールは今後変更される可能性があり、当該変更により、本投資法人が本書の日付現在と同様の物件取得機会を確保できないこととなる可能性もあります。その場合、本投資法人の取得機会が減少すること等により、本投資法人にとって望ましいと考えられるポートフォリオの構築が実現しにくくなる可能性があり、結果として、本投資法人の収益性や資産の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、本資産運用会社のインダストリアル本部のみならずリテール本部、MidCity又はMJAにおいて不適切な行為が行われた場合、行政処分が本資産運用会社、MidCity又はMJAに対して課せられ、その結果、本投資法人の資産運用に悪影響を与える可能性や、本投資法人のレピュテーションも低下する可能性があります。
このほかに、本資産運用会社又は本投資法人若しくは運用資産である信託受益権に関する信託受託者から委託を受ける業者として、プロパティ・マネジメント会社、建物の管理会社等があります。本投資法人の収益性の向上のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところも大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。これらの者について業務の懈怠その他の義務違反があった場合や業務遂行能力が失われた場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)本資産運用会社の人材に依存しているリスク
本投資法人は、資産運用を本資産運用会社に委託しており、その運営は、本資産運用会社の人材に大きく依存しています。したがって、本資産運用会社の人材が失われた場合、本投資法人の運営に悪影響をもたらす可能性があります。
(ニ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び本資産運用会社の取締役会が定めた、より詳細な投資方針、ポートフォリオ構築方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。
(ホ)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
本投資法人は、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。)(以下「破産法」といいます。)上の破産手続、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。)(以下「民事再生法」といいます。)上の再生手続及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服する可能性があります。
本投資法人は、投信法に基づいて投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合に投信法に従ってその登録が取り消される可能性があります(投信法第216条)。その場合には、本投資証券の上場が廃止され、本投資法人は解散し、清算手続に入ります。
本投資法人が清算される場合、投資主は、すべての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産の分配に与ることによってしか投資金額を回収することができません。このため、投資主は、投資金額の全部又は一部について回収を得ることができない可能性があります。
⑤ 不動産及び信託受益権に関するリスク
本投資法人の主たる運用資産は、前記「1 投資法人の概況 (2) 投資法人の目的及び基本的性格 ① 投資法人の目的及び基本的性格」に記載のとおり、不動産等資産です。不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産の所有者は、その信託財産である不動産又は裏付けとなる不動産を直接所有する場合とほぼ同様の経済的状況に置かれます。したがって、以下に記載する不動産に関するリスクは、不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産についても、ほぼ同様にあてはまります。
なお、信託受益権特有のリスクについては、後記「(ナ) 不動産を信託受益権の形態で保有する場合の固有のリスク」をご参照下さい。
(イ)不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク
不動産には権利、地盤、地質、構造等に関して欠陥、瑕疵等が存在している可能性があり、また、かかる欠陥、瑕疵等が取得後に判明する可能性もあります。建築基準法等の行政法規が求める所定の手続を経由した不動産についても、建築基準関係規定の求める安全性や構造耐力等を有するとの保証はなく、取得時には想定し得ない隠れた構造上その他の欠陥・瑕疵の存在等が取得後に判明するおそれもあります。また、本投資法人の取得時の調査においても、物理的、時間的その他の制約があり、調査が完全であるとの保証はありません。本投資法人は、状況によっては、前所有者又は前信託受益者に対し一定の事項につき表明及び保証を要求し、瑕疵担保責任を負担させる予定ですが、表明及び保証又は瑕疵担保責任を負担させることができない可能性があるほか、負担させた場合においてかかる表明及び保証が真実でなかったことを理由とする損害賠償責任や瑕疵担保責任を追及できたとしても、これらの責任の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、前所有者又は前信託受益者が解散したり無資力になっているために実効性がない場合もありえます。このようなリスクは前所有者又は前信託受益者が特別目的会社である場合により高いと考えられます。
これらの場合には、当該欠陥、瑕疵等の程度によっては当該不動産の資産価値が低下することを防ぐために買主である本投資法人が当該欠陥、瑕疵等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、本投資法人が不動産を売却する場合、本投資法人は、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。)(以下「宅地建物取引業法」といいます。)上、宅地建物取引業者とみなされるため、同法に基づき、売却の相手方が宅地建物取引業者である場合を除いて、不動産の売買契約において、瑕疵担保責任に関し、買主に不利となる特約をすることが制限されています。したがって、本投資法人が不動産を売却する場合は、売却した不動産の欠陥、瑕疵等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
加えて、不動産をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、不動産に関する権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。その結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
また、不動産登記簿の記載を信じて取引した場合にも、買主は不動産に係る権利を取得できないことがあります。更に、権利に関する事項のみならず、不動産登記簿中の不動産の表示に関する事項が現況と一致していない場合もあります。このような場合、上記と同じく、本投資法人は売主等に対して法律上又は契約上可能な範囲で責任を追及することとなりますが、その実効性があるとの保証はありません。
(ロ)賃貸借契約に関するリスク
a. 賃貸借契約の解約及び更新に関するリスク
賃借人が賃貸借契約上解約権を留保している場合等には、契約期間中であっても賃貸借契約が終了したり、また、賃貸借契約の期間満了時に契約の更新がなされない場合もあります。これらの理由等により、保有物件に空室が生じることとなった場合、本投資法人は新たな賃借人を誘致するよう努めますが、新たな賃借人の獲得競争が激しく、新たな賃借人を早期に誘致できない場合には、当該不動産の空室状態が長期化して稼働率が低下し、賃料収入が減少することがあります。また、解約禁止条項、解約ペナルティ条項等を置いて期間中の解約権を制限している場合や更新料を定めている場合でも、賃借人との交渉の結果、契約締結時に合意した金額からの減額に応じざるを得ない可能性があるほか、裁判所によって所定の金額から減額されたり、かかる条項の効力が否定される可能性があります。
以上のような事由により、賃料収入等が減少した場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
b. 賃料不払に関するリスク
賃借人の財務状況が悪化した場合又は破産法上の破産手続、民事再生法上の再生手続若しくは会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。)(以下「会社更生法」といいます。)上の更生手続その他の倒産手続(以下、併せて「倒産等手続」と総称します。)の対象となった場合、賃貸借契約に基づく賃料支払が滞る可能性があり、この延滞賃料等の債務の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超える状況になった場合には、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
c. 賃料改定に係るリスク
不動産賃貸借契約においては、契約期間が長期間であっても、多くの場合、賃料等の賃貸借契約の内容について、定期的に見直しが行われます。
したがって、このような見直しが行われた場合には、本投資法人が締結する賃貸借契約が長期のものであっても、本書に記載の賃料が維持される保証はありません。賃料改定により賃料が減額された場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
また、定期的に賃料等を増額する旨の規定が賃貸借契約にある場合でも、賃借人との交渉如何によっては、必ずしも、規定どおりに賃料を増額できるとは限りません。
d. 賃借人による賃料減額請求権行使のリスク
建物の賃借人は、定期建物賃貸借契約において借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)(以下「借地借家法」といいます。)第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合を除いて、同条に基づく賃料減額請求をすることができます。定期建物賃貸借契約の効力が認められるためには、借地借家法第38条所定の要件を充足する必要があります。このため、定期建物賃貸借契約を新たに締結し又は既存の建物賃貸借契約を定期建物賃貸借契約に変更した上で借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合であっても、借地借家法第38条所定の要件が充足されなかった場合には、賃料減額請求権を排除することができず、当該請求が認められた場合、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。また、建物の所有を目的とする土地の賃借人についても、借地借家法第11条に基づく土地の借賃の減額請求が認められています。請求が認められた場合、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
e. 優先的購入権又は先買権その他の合意が存在することによるリスク
本投資法人は、単一のテナントへ物件全体を賃貸するいわゆるシングルテナント物件か少数の核となる大規模テナントが存在する核テナント物件を投資対象としています。これらの物件の賃貸借契約においては、賃借人との間で優先的購入や処分禁止に関する合意(その内容は様々です。)をすることにより、賃貸人等が物件の所有権又はこれらを信託財産とする信託の受益権を第三者に売却しようとする場合に賃借人に優先的に又は排他的に購入できる機会又は権利(いわゆる優先的購入権や先買権)が与えられたり、その他賃貸人等による物件の自由な売却その他の処分が制限される場合があります。
本投資法人が現在保有する物件の一部においてもかかる合意が存在しますが、かかる合意がなされている場合、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(ハ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
火災、地震、地震に伴う液状化現象、津波、暴風雨、洪水、落雷、火山の噴火、高潮、竜巻、戦争、暴動、騒乱、テロのほか原子力発電所における事故等(以下「災害等」と総称します。)により不動産が滅失、毀損若しくは劣化し、又は不動産の正常な運営が妨げられ、それにより、当該不動産に係る収益が減少し若しくは費用が増加し、又はその価値が影響を受ける可能性があります。このような場合には、滅失、毀損又は劣化した個所を修復するために多額の費用を要したり、一定期間建物の不稼働を余儀なくされることにより賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。例えば、災害等により、不動産の個別事情により保険契約が締結されていない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額される若しくは遅れる場合には、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
(ニ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
運用資産である不動産を原因として、第三者の生命、身体又は財産等に損害を与えた場合に、本投資法人に損害賠償義務が発生する可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上の土地工作物責任等の理論により、無過失責任を負うことがあります。不動産の個別事情により保険契約が締結されていない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払が他の何らかの理由により行われず、減額される若しくは遅れる場合には、本投資法人は悪影響を受ける可能性があります。
また、不動産につき毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となる場合には、かかる修繕に関連して多額の費用を要し、修繕のために一定期間建物を不稼働とすることを余儀なくされる場合には賃料収入が減少する可能性があります。また、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、不動産から得られる賃料収入が減少し、不動産の価格が下落する可能性があります。
(ホ)土地の境界等に係るリスク
国内においては、土地の境界が曖昧であることが稀ではありませんが、隣地の所有者若しくは占有者からの境界確認書その他境界を確定させる書面が取得できない場合、又は境界標の確認ができないまま当該不動産を取得する場合には、後日、このような不動産を処分するときに実質的な障害が発生する可能性や、境界に関して紛争が発生し、所有敷地の面積の減少、損害賠償責任の負担等、これらの不動産について予定外の費用又は損失が発生する可能性があります。同様に、越境物の存在により、不動産の利用が制限され賃料に悪影響を与える可能性や、越境物の除去費用等の追加負担が本投資法人に発生し、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例、都市計画法の改正、新たな立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為の規定の施行又は適用の際、原則としてこれらの規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)又はその敷地については、当該規定が適用されない扱いとされています(いわゆる既存不適格)。しかし、かかる既存不適格の建物の建替え等を行う場合には、現行の規定が適用されるので、現行の規定に合致するよう手直しをする必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建物を建築できない可能性があります。
また、不動産に係る様々な行政法規や各地の条例による規制が運用資産である不動産に適用される可能性があります。例えば、都市計画法、地方公共団体の条例による風致地区内における建築等の規制、河川法(昭和39年法律第167号。その後の改正を含みます。)による河川保全区域及び土地区画整理法(昭和29年法律第119号。その後の改正を含みます。)(以下「土地区画整理法」といいます。)による土地区画整理事業施行地区における工作物の新築等の制限及び清算金の徴収の決定、文化財保護法(昭和25年法律第214号。その後の改正を含みます。)に基づく試掘調査義務、一定割合において住宅を付置する義務、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務並びに雨水流出抑制施設設置義務等が挙げられます。このような義務が課せられている場合、当該不動産の処分及び建替え等に際して、事実上の困難が生じたり、これらの義務を遵守するための追加的な費用負担が生じる可能性があります。更に、運用資産である不動産を含む地域が道路設置等の都市計画の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少し収益が減少する可能性があります。また、当該不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建物を建築できない可能性があります。その他、法律又は条例により、地球温暖化対策として、一定の要件を満たす不動産の所有者等に温室効果ガス排出に関する報告や排出量制限の義務が課されることがあり、排出量削減のための義務等を履行できない場合には、排出権に関する支出等を余儀なくされる可能性があります。
(ト)法令の制定・変更に関するリスク
土壌汚染対策法並びにフロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(平成13年法律第64号。その後の改正を含みます。)のほか、将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
また、消防法その他不動産の管理に影響する関係法令の改正により、不動産の管理費用等が増加する可能性があるほか、エネルギーや温室効果ガス削減を目的とした法令、条例等の制定、改正等によっても、追加的な費用負担等が発生する可能性があります。更に、建築基準法、都市計画法の改正、新たな立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為等により不動産に関する権利が制限される可能性があります。このような法令若しくは行政行為又はその変更等が本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(チ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
本投資法人が、債務超過の状況にある等財務状態が実質的危機状態にあると認められる又はその疑義がある者を売主として不動産を取得した場合には、当該不動産の売買が売主の債権者により取消(詐害行為取消)される可能性があります。また、本投資法人が不動産を取得した後、売主について倒産等手続が開始した場合には、不動産の売買が破産管財人、監督委員又は管財人により否認される可能性が生じます。
また、本投資法人が、ある売主から不動産を取得した別の者(以下、本項において「買主」といいます。)から更に不動産を取得した場合において、本投資法人が、当該不動産の取得時において、売主と買主との間の当該不動産の売買が詐害行為として取消され又は否認される根拠となりうる事実関係を知っている場合には、売主と買主との間の売買が否認され、本投資法人に対してもその効果を主張される可能性があります。
本投資法人は、管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等について諸般の事情を慎重に検討し、実務的に可能な限り管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等を回避するよう努めますが、このリスクを完全に排除することは困難です。
更に、取引の態様如何によっては売主と本投資法人との間の不動産の売買が、担保取引であると判断され、当該不動産は破産者である売主の破産財団の一部を構成し、又は更生会社若しくは再生債務者である売主の財産に属するとみなされる可能性(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)もあります。
(リ)転貸に関するリスク
本投資法人の運用資産である不動産の賃借人(転借人を含みます。)に、不動産の一部又は全部を転貸する権限を与えた場合、本投資法人は、不動産に入居する賃借人を自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなる可能性があるほか、賃借人の賃料が、転借人の賃借人に対する賃料に連動する場合、転借人の信用状態等が、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、賃貸借契約が合意解約された場合又は債務不履行を理由に解除された場合であっても、賃貸借契約上、賃貸借契約終了の場合に転貸人の転借人に対する敷金等の返還義務が賃貸人に承継される旨規定されている場合等には、かかる敷金等の返還義務が、賃貸人に承継される可能性があります。このような場合、敷金等の返還原資は賃貸人の負担となり、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ヌ)マスターリース契約に関するリスク
本投資法人は、マスターレッシーが本投資法人又は信託受託者とマスターリース契約を締結した上で、各転借人に対して転貸するマスターリースの形態をとる物件を取得することがあります。マスターリースの形態をとる物件においてマスターレッシーの財務状況が悪化した場合、転借人がマスターレッシーに賃料を支払ったとしても、マスターレッシーの債権者がマスターレッシーの転借人に対する賃料債権を差し押さえる等により、マスターレッシーから本投資法人又は信託受託者への賃料の支払が滞る可能性があります。
(ル)賃借人等による不動産の利用状況に関するリスク
不動産の賃貸借においては、日常の管理等が賃借人等に委託されている場合が多く、そうでない場合であっても、賃借人等による不動産の利用状況等により、当該不動産の資産価値、ひいては本投資法人の収益に悪影響が及ぶ可能性があります。賃貸人は賃借人と普通建物賃貸借契約を締結した場合、又は定期建物賃貸借契約において借地借家法第38条所定の要件が充足されないことにより定期建物賃貸借契約としての効力が否定された場合、正当事由があると認められなければ、賃借人との賃貸借契約を終了することができず、運用資産である不動産のテナント属性の悪化を阻止できない可能性があります。
(ヲ)共有物件に関するリスク
運用資産である不動産が第三者との共有物件である場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の過半数で行うものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
更に、共有の場合、他の共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性(民法第256条)、及び裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性(民法第258条第2項)があり、ある共有者の意図に反して他の共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
上記の分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、この特約は5年を超えては効力を有しません。また、登記済みの不分割特約がある場合でも、特約をした者が倒産等手続の対象となった場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。ただし、共有者は、倒産等手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、会社更生法第60条、民事再生法第48条)。
他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。したがって、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、分割後の運用資産についても、他の共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、共有不動産については、共有者間で共有持分の優先的購入権や先買権の合意をすることにより、共有者がその共有持分を第三者に売却しようとする場合に他の共有者が優先的に又は排他的に購入できる機会又は権利を与えるようにする義務を負い、またその他物件の自由な売却その他の処分が制限される場合があります。
不動産の共有者が賃貸人となる場合、一般的に敷金返還債務は不可分債務になると解されており、また、賃料債権も不可分債権になると解される可能性があり、共有者は他の賃貸人である共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
共有者間において、他の共有者に共有物の賃貸権限を付与し、当該他の共有者からその対価を受領する旨の合意をする場合がありますが、かかる場合、共有者の収入は賃貸人である他の共有者の信用リスクに晒されることとなります。これを回避するために、賃借人からの賃料を、賃貸人ではない共有者の口座に払い込むように取り決めることがありますが、かかる取決めによっても、賃貸人である他の共有者の債権者により当該他の共有者の各賃借人に対する賃料債権が差し押さえられることもあり、他の共有者の信用リスクは完全には排除されません。また、複数の共有者が、他の共有者に共有物の賃貸権限を付与する場合、かかる複数の共有者の他の共有者に対する賃料分配債権が不可分債権と解される可能性があり、共有者はかかる他の共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の低下要因が増す可能性があります。
(ワ)区分所有建物に関するリスク
区分所有建物とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。)(以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分(居室等)と共有となる共用部分(エントランス部分等)及び建物の敷地部分から構成されます。区分所有建物の場合には、区分所有法上、法定の管理方法及び規約(規約の定めがある場合)によって管理方法が定められます。規約の設定、変更及び廃止は、集会において区分所有者及び議決権(規約に別段の定めのない限り、その有する専有部分の床面積の割合)の各4分の3以上の決議が、また、建替え決議をする場合には集会において区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数の決議が必要とされる等(区分所有法第31条、第62条)、区分所有法の適用を受けない単独所有物件と異なり管理方法に制限があります。
区分所有建物の専有部分の処分は自由に行うことができますが、区分所有者間で優先的購入権、先買権又は処分禁止の合意をする場合があることは、共有物件の場合と同様です。
区分所有建物と敷地の関係については以下のようなリスクがあります。
区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利を敷地利用権といいます。区分所有建物では、専有部分と敷地利用権の一体性を保持するために、法律で、専有部分とそれに係る敷地利用権を分離して処分することが原則として禁止されています(区分所有法第22条)。ただし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の禁止を善意の第三者に対抗することができず、分離処分が有効となります(区分所有法第23条)。また、区分所有建物の敷地が数筆に分かれ、区分所有者が、それぞれ、その敷地のうちの一筆又は数筆の土地について、単独で、所有権、賃借権等を敷地利用権(いわゆる分有形式の敷地利用権)として有している場合には、分離して処分することが可能とされています。このように専有部分とそれに係る敷地利用権が分離して処分された場合、敷地利用権を有しない区分所有者が出現する可能性があります。
また、敷地利用権が使用借権及びそれに類似した権利である場合には、当該敷地が売却、競売等により第三者に移転された場合に、区分所有者が当該第三者に対して従前の敷地利用権を対抗できなくなる可能性があります。
このような区分所有建物と敷地の関係を反映して、区分所有建物の場合には、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の低下要因が増す可能性があります。
(カ)底地物件に関するリスク
本投資法人は、第三者が賃借してその上に建物を所有している土地、いわゆる底地を取得することがあります。底地物件の場合は特有のリスクがあります。借地権は、定期借地権の場合は借地契約に定める期限の到来により当然に消滅し、普通借地権の場合には期限到来時に本投資法人が更新を拒絶しかつ本投資法人に更新を拒絶する正当事由がある場合に限り消滅します。借地権が消滅する場合、本投資法人は借地権者より時価での建物買取を請求される場合があります(借地借家法第13条、借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。)(以下「借地法」といいます。)第4条)。普通借地権の場合、借地権の期限到来時に更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、借地権者より時価での建物買取を請求される場合においても、買取価格が本投資法人が希望する価格以下である保証はありません。
また、借地権者の財務状況が悪化した場合又は破産手続、再生手続若しくは更生手続その他の倒産手続の対象となった場合、借地契約に基づく土地の賃料の支払が滞る可能性があり、この延滞賃料の合計額が敷金及び保証金等で担保される範囲を超える場合は投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。借地契約では、多くの場合、賃料等の借地契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。賃料の改定により賃料が減額された場合、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。借地権者は借地借家法第11条に基づく土地の借賃の減額請求をすることができ、これにより、当該底地から得られる賃料収入が減少し、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ヨ)借地物件に関するリスク
借地権とその借地上に存在する建物については、自らが所有権を有する土地上に存在する建物と比べて特有のリスクがあります。借地権は、所有権と異なり永久に存続するものではなく、期限の到来により当然に消滅し(定期借地権の場合)又は期限到来時に借地権設定者が更新を拒絶しかつ更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します(普通借地権の場合)。また、借地権が地代の不払その他による解除、その他の理由により消滅してしまう可能性もあります。借地権が消滅すれば、時価での建物買取りを請求できる場合(借地借家法第13条、借地法第4条)を除き、借地上に存在する建物を取り壊した上で、土地を返還しなければなりません。普通借地権の場合、借地権の期限到来時の更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、仮に建物の買取請求権を有する場合でも、買取価格が本投資法人が希望する価格以上である保証はありません。
また、本投資法人又は信託受託者が借地権を有している土地の所有権が、他に転売されたり、借地権設定時に既に存在する土地上の抵当権等の実行により第三者に移ってしまう可能性があります。この場合、借地権について適用のある法令に従い第三者対抗要件が具備されていないときは、本投資法人又は信託受託者は、借地権を当該土地の新所有者に対して対抗できず、当該土地の明渡義務を負う可能性があります。
更に、借地権が賃借権である場合、借地権を譲渡するには、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。借地上の建物の所有権を譲渡する場合には、当該借地に係る借地権も一緒に譲渡することになるので、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。かかる借地権設定者の承諾に関しては、借地権設定者への承諾料の支払が予め約束されていたり、約束されていなくても慣行を理由として借地権設定者が承諾料を承諾の条件として請求してくる場合があります(ただし、法律上借地権設定者に当然に承諾料請求権が認められているものではありません。)。
加えて、借地権設定者の資力の悪化や倒産等により、借地権設定者に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。借地権設定者に対する敷金及び保証金等の返還請求権について担保設定や保証はなされないのが通例です。
借地権とその借地上に存在する建物については、敷地と建物を一括して所有している場合と比べて、上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の低下要因が増す可能性があります。
(タ)借家物件に関するリスク
本投資法人は、建物(共有持分、区分所有権等を含みます。)を第三者から賃借の上又は信託受託者に賃借させた上、当該賃借部分を直接若しくは信託受託者を通じて保有する建物と一体的に又は当該賃借部分を単独で、賃借人へ転貸することがあります。
この場合、建物の賃貸人の資力の悪化や倒産等により、建物の賃貸人に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があることは、前記(ヨ)の借地物件の場合と同じです。
加えて、民法上、本投資法人が第三者との間で直接又は信託受託者を通じて締結した賃貸借契約が何らかの理由により終了した場合、原則として、本投資法人又は当該受託者と賃借人の間の転貸借契約も終了するとされているため、賃借人から、転貸借契約の終了に基づく損害賠償請求等がなされるおそれがあります。
(レ)使用許可を取得した敷地上に所在する物件に関するリスク
本投資法人は、国等から、敷地について使用許可を取得した上で、当該敷地上の建物を取得することがあります。かかる使用許可を受けてする敷地の使用については、借地借家法の適用はありません(国有財産法(昭和23年法律第73号。その後の改正を含みます。)(以下「国有財産法」といいます。)第18条第8項)。使用許可の期間が終了した後、使用許可が更新される保証はなく、使用許可には、一定の場合には一方的に使用許可の取消しができるなどの本投資法人に不利益となる条件が付される可能性もあります。このように、使用許可を取得した敷地上に所在する物件については、通常の借地物件とは異なった固有のリスクが存在し、これらの要因により、本投資法人が当該物件の使用収益を継続できなくなったり、収益性が低下する可能性があります。なお、本投資法人の保有する資産のうち、IIF羽田空港メインテナンスセンターは、国からこのような使用許可を取得した敷地上に所在する物件です。
(ソ)開発物件に関するリスク
本投資法人は、規約に定める投資方針に従って、竣工後の物件を取得するために予め開発段階で売買契約その他建物等の所有権等を取得するための契約(以下、本項において「売買契約」といいます。)を締結する可能性があります。また、本投資法人は、規約に定める投資方針に従って、新たな建物を建築する目的で更地を購入したり、不動産の開発を行う特別目的会社に出資を行う可能性もあります。かかる場合、既に完成した物件につき売買契約を締結して取得する場合とは異なり、様々な事由により、開発が遅延し、変更され、又は中止されることにより、売買契約どおり物件の引渡しを受けられない可能性その他の不動産の開発に係る各種リスク(開発リスク、許認可リスク、完工リスク、テナントリスク、価格変動リスク、開発中の金利変動リスク及び大規模な自然災害発生リスク等)を負担する可能性があります。また、仮にこれらのリスクを排除又は軽減するための契約上の手当てをしている場合であってもそれが十分である保証はありません。この結果、開発物件からの収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担する若しくは被る可能性があり、その結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ツ)埋立地に関するリスク
本投資法人が投資対象とする産業用不動産は埋立地に立地することがありますが、埋立地には、埋立に使用した土壌に含まれることのある汚染物質に関するリスク、津波、高潮その他の災害、海面上昇等による被害を受けやすいリスク、建物が沈下するリスク、液状化リスク等の特有のリスクがあります。これらの理由により当該不動産が損害を被った場合、当該不動産の価値が下落し、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。
(ネ)有害物質等に関するリスク
本投資法人が土地又は土地の賃借権若しくは地上権又はこれらを信託する信託の受益権を取得する場合において、当該土地について産業廃棄物、放射性物質等の有害物質が埋蔵されている可能性、地下水に有害物質が含まれている可能性や、近隣の施設や賃借人の活動によりかかる有害物質で当該土地が汚染される可能性があり、これらの場合には当該土地の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質の除去及びかかる有害物質による汚染拡大の防止のために、土壌の入替えや洗浄、水質の測定、揚水や遮水壁等による地下水汚染拡大の防止、継続的モニタリング等の措置が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負う可能性があります。なお、土壌汚染対策法によれば、土地の所有者、管理者又は占有者は、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の特定有害物質による土地の土壌の汚染の状況について、都道府県知事により調査・報告を命ぜられることがあり、また、土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。
上記に加え、土壌に含まれる油分により油臭や油膜等が発生した場合には、土壌汚染対策法上の特定有害物質に該当しない場合であっても、同様に土壌の入替えや洗浄を余儀なくされる可能性があります。
これらの場合、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があり、また、本投資法人は、支出を余儀なくされた費用について、その原因となった者やその他の者から常に償還を受けられるとは限りません。仮に売主やテナント等との間でこれらのリスクを排除又は軽減するための契約上の手当てをしている場合であってもそれが十分である保証はありません。
特に、本投資法人が投資対象とする産業用不動産の場合、立地が工場跡地、工業地域内等の土壌汚染が懸念される地域であったり、当該産業用不動産において土壌汚染を惹起する可能性のある活動が行われていることもあり、上記リスクは他の資産を取得する場合に比して相対的に高いものとなることがあります。
また、本投資法人が建物又は建物を信託する信託の受益権を取得する場合において、当該建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材が使用されているか又は使用されている可能性がある場合やポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物が保管されている場合等には、当該建物の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために建材の全面的若しくは部分的交換が必要となる場合又は有害物質の処分若しくは保管が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務が発生する可能性があります。これらの場合についても、仮に売主やテナント等との間でこれらのリスクを排除又は軽減するための契約上の手当てをしている場合であってもそれが十分である保証はありません。
将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
(ナ)不動産を信託受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
本投資法人は、不動産を信託受益権の形式で取得することがあります。
信託受託者が信託財産としての不動産、不動産の賃借権又は地上権を所有し管理するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的にはすべて受益者に帰属することになります。したがって、本投資法人は、信託受益権の保有に伴い、信託受託者を介して、運用資産が不動産である場合と実質的に同じリスクを負担することになります。
信託契約においては、信託受益権を譲渡しようとする場合に信託受託者の承諾を要求されるのが通常です。更に、不動産、不動産の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権は原則として私法上の有価証券としての性格を有していませんので、債権譲渡と同様の譲渡方法によって譲渡することになり、私法上の有価証券のような流動性がありません。
信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含みますが、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)による改正前のもの)及び信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。)上、信託受託者が倒産手続の対象となった場合に、信託受益権の目的となっている不動産が信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要があり、仮にかかる登記が具備されていない場合には、本投資法人は、当該不動産が信託受益権の目的となっていることを第三者に対抗できない可能性があります。
また、信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。
更に、信託契約上、信託開始時において既に存在していた信託不動産の欠陥、瑕疵等につき、当初委託者が信託財産の受託者に対し一定の瑕疵担保責任を負担する場合に、信託財産の受託者が、かかる瑕疵担保責任を適切に追及しない、又はできない結果、本投資法人が不測の損害を被り、投資主又は投資法人債権者が損害を被る可能性があります。
借地権が信託財産となっている場合において、当該借地の所有者から信託受益権の譲渡に関して承諾を得なければならないものとされている場合において当該借地の所有者が当該承諾をしない場合においても、信託受益権の譲受人は、当該借地の所有者に対して、借地借家法上の借地非訟手続を利用することはできません。
本投資法人が信託受益権を準共有する場合、共有物件とほぼ同様のリスクが存在します。まず、準共有する信託受益権の行使については、それが信託財産の管理に関する事項である場合、準共有者間で別段の定めをした場合を除き、準共有者の過半数で行うものと解されるため(民法第264条、民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該信託受益権の行使について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、準共有持分の処分は、準共有者間で別段の定めをした場合を除き、単独所有する場合と同様に自由に行えると解されていますが、準共有する信託受益権については、準共有者間の合意により、他の準共有者の承諾なく準共有持分につき譲渡その他の処分を行わないことが義務づけられたり、準共有者がその準共有持分を第三者に売却する場合に他の準共有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。IIF東雲ロジスティクスセンター、IIF福岡箱崎ロジスティクスセンターⅠ、IIF福岡箱崎ロジスティクスセンターⅡ、IIF板橋ロジスティクスセンター、IIF大阪住之江ロジスティクスセンターⅠ及びIIF大阪住之江ロジスティクスセンターⅡは、このような信託受益権を準共有している物件であり、受益者間協定書において、受益者としての意思形成には、原則として、準共有者全員の合意が必要である旨、他の準共有者の承諾なく準共有持分につき譲渡その他の処分ができない旨や優先的購入に関する定めなどが設けられています(後記「5 運用状況 (2) 投資資産 ③ その他投資資産の主要なもの (ハ) 個別資産の概要 L-1 IIF東雲ロジスティクスセンター、L-34 IIF福岡箱崎ロジスティクスセンターⅠ、L-35 IIF福岡箱崎ロジスティクスセンターⅡ、L-36 IIF板橋ロジスティクスセンター、L-39 IIF大阪住之江ロジスティクスセンターⅠ及びL-40 IIF大阪住之江ロジスティクスセンターⅡ」をご参照下さい。)。準共有する信託受益権については、単独保有する場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、減価要因となる可能性があります。
(ラ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
本投資法人は、不動産又は不動産信託受益権を取得するにあたり、金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針に定めるフォワード・コミットメント等を行うことがあります。不動産売買契約が買主の事情により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負担することとなります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産又は不動産を信託する信託の受益権の売買価格に対して一定の割合の違約金が発生する旨の合意がなされることも少なくありません。フォワード・コミットメント等の場合には、契約締結後、決済・物件引渡しまでに1月以上の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払により、本投資法人の財務状況等が悪影響を受ける可能性があります。
(ム)減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日)が、平成17年4月1日以後開始する事業年度より強制適用されたことに伴い、本投資法人においても減損会計が適用されています。減損会計とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。減損会計の適用に伴い、地価の動向及び運用資産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の損益や分配金の支払能力に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ウ)太陽光発電設備が設置されている物件に係るリスク
本投資法人の保有資産の一部においては太陽光発電設備が設置されており、かかる太陽光発電設備はテナントその他の者に対して賃貸されているか、又は、信託受託者が当該太陽光発電設備を用いて売電事業を営んでいます。信託受託者が売電事業を営んでいる場合、信託受託者による売電事業の経済的成果は信託受益者である本投資法人に(本投資法人が信託受益権の準共有持分を保有する場合は当該持分割合に応じて)帰属することとなります。しかしながら、売電事業については、天候、売電事業者間の競争環境、売電事業に関する国の施策及び規制その他様々な要因によるリスクを伴い、これらの要因により、売電事業から得られる収入が減少した場合、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
⑥ 税制に関するリスク
(イ)導管性要件に関するリスク
税法上、「投資法人に係る課税の特例規定」により、一定の要件(導管性要件)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、利益の配当等を投資法人の損金に算入することが認められています。
| 投資法人の主な導管性要件 | |
| 支払配当要件 | 配当等の額が配当可能利益の額の90%超であること (利益を超えた金銭の分配を行った場合には、金銭の分配の額が配当可能額の90%超であること) |
| 国内50%超募集要件 | 規約において、投資口の発行価額の総額のうち国内において募集される投資口の発行価額の占める割合が50%を超える旨の記載又は記録があること |
| 借入先要件 | 機関投資家(租税特別措置法第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定するものをいう。次の所有先要件において同じ。)以外の者から借入れを行っていないこと |
| 所有先要件 | 事業年度の終了の時において、発行済投資口が50人以上の者によって所有されていること又は機関投資家のみによって所有されていること |
| 非同族会社要件 | 事業年度の終了の時において、投資主の1人及びその特殊関係者により発行済投資口の総数あるいは議決権総数の50%超を保有されている同族会社に該当していないこと |
| 会社支配禁止要件 | 他の法人の株式又は出資の50%以上を有していないこと(一定の海外子会社を除く) |
本投資法人は、導管性要件を満たすよう努めていますが、今後、下記に記載する要因又はその他の要因により導管性要件を満たすことができない可能性があります。本投資法人が、導管性要件を満たすことができなかった場合、利益の配当等を損金算入することができなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
a. 会計処理と税務処理との取扱いの不一致によるリスク
会計処理と税務処理との不一致(税会不一致)が生じた場合、会計上発生した費用・損失について、税務上その全部又は一部を損金に算入することができない等の理由により、法人税等の税負担が発生し、配当の原資となる会計上の利益は減少します。支払配当要件における配当可能利益の額(又は配当可能額)は会計上の税引前利益に基づき算定されることから、多額の法人税額が発生した場合には、配当可能利益の額の90%超の配当(又は配当可能額の90%超の金銭分配)ができず、支払配当要件を満たすことが困難となる可能性があります。なお、平成27年度税制改正により、交際費、寄附金、法人税等を除く税会不一致に対しては、一時差異等調整引当額の分配により法人税額の発生を抑えることができるようになり本リスクを軽減するための手当てがとられていますが、本投資法人の過去の事業年度に対する更正処分等により多額の追徴税額(過年度法人税等)が発生した場合には、法人税等は一時差異等調整引当額の対象とならないため、支払配当要件を満たすことができないリスクは残ります。
b. 借入先要件に関するリスク
本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合若しくは本投資法人の既存借入金に関する貸付債権が機関投資家以外に譲渡された場合、又はこの要件の下における借入金の税法上の定義が明確ではないため、賃借人等からの預り金等が借入金に該当すると解釈された場合においては、借入先要件を満たせなくなる可能性があります。
c. 投資主の異動について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
本投資口が市場で流通することにより、本投資法人のコントロールの及ばないところで、所有先要件あるいは非同族会社要件が満たされなくなる可能性があります。
(ロ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において行った利益の配当等の損金算入が否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、規約における投資制限において、その有する特定資産の価額の合計額に占める、特定不動産の価額の合計額の割合を100分の75以上とすること(規約第13条第2項)としています。本投資法人は、上記内容の運用方針を規約に定めること、及びその他の税法上の要件を充足することを前提として、直接に倉庫等以外の不動産を取得する場合の不動産流通税(登録免許税及び不動産取得税)の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更された場合において、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。
(ニ)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、信託受益権その他本投資法人の資産に関する税制若しくは本投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、資本の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有又は売却による投資主の手取金の額が減少し、又は税務申告等の税務上の手続面での負担が投資主に生じる可能性があります。
⑦ その他
(イ)専門家の意見への依拠に関するリスク
不動産の鑑定評価額及び不動産価格調査の調査価格は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査等を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査の方法若しくは時期によって鑑定評価額、調査価格の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在又は将来において当該鑑定評価額や調査価格により当該不動産の売買が可能であると保証又は約束するものではありません。
建築物環境調査報告書、土壌環境評価報告書も、個々の調査会社が行った分析に基づく意見の表明であり、評価方法、調査の方法等によってリスク評価の内容が異なる可能性があります。また、かかる報告書は、専門家が調査した結果を記載したものにすぎず、土壌汚染等の環境上の問題が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
また、マーケットレポート等により提示される第三者によるマーケット分析は、個々の調査会社の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正なエリア特性、需要と供給、マーケットにおける位置付け、市場の動向等と一致するとは限りません。同じ物件について調査分析を行った場合でも、調査分析会社、分析方法又は調査方法若しくは時期によってマーケット分析の内容が異なる可能性があります。
建物状況調査報告書の作成者並びに確認検査機関からは特に問題点が指摘されているようなものはないとの調査結果が記載された報告書を得ていますが、建物の状況及び構造に関して専門家が調査した結果を記載したものにすぎず、不動産に欠陥、瑕疵等が存在しないことを保証又は約束するものではありません。また、各調査会社が試算した修繕費用は、あくまでも調査会社の意見であり、その内容の妥当性、正確性が保証されているものではありません。
また、不動産に関して算出されるPMLは、個々の専門家の分析に基づく予想値であり、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
(ロ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、不動産等匿名組合出資持分への投資を行うことがあります。本投資法人が出資するかかる匿名組合では、本投資法人の出資金を営業者が不動産等に投資することとなりますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合や当該不動産等の価値が下落した場合等には、本投資法人が匿名組合員として得られる分配金や元本の償還金額等が減少し、その結果、本投資法人が営業者に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については契約上譲渡が制限されていることがあり、又は確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があります。また、不動産等匿名組合出資持分への投資は、営業者が保有する不動産等に係る優先交渉権又は優先購入権の取得を目的として行われることがありますが、かかる優先交渉権又は優先購入権により当該新規物件を取得できる保証はありません。
(ハ)一時差異等調整引当額の戻入れにより利益の分配が減少するリスク
本投資法人が貸借対照表の純資産の部に一時差異等調整引当額を計上している場合、一時差異等調整引当額の計上は、会計と税務における損益の認識のタイミングの調整のために行われるものであるため、当該引当額の計上に起因した税会不一致が解消したタイミングでその戻入れが求められます。当該戻入れは本投資法人の利益をもって行われることから、当期未処分利益が一時差異等調整引当額の戻入れに充当される結果、分配可能金額が減少する可能性があります。
なお、純資産控除項目(主に繰延ヘッジ損益のマイナス)に起因する一時差異等調整引当額に関しては、その戻入れの原資となる利益が過年度から繰り越されるため、当該戻入れによって当期の利益に対応する利益分配金が減少することはありません。
(2) 投資リスクに対する管理体制
本投資法人及び本資産運用会社は、以上のような投資リスクを踏まえ、その上でこのようなリスクに最大限対応できるよう以下のリスク管理体制を整備しています。
しかし、当該リスク管理体制については、十分に効果があることが保証されているものではなく、リスク管理体制が適切に機能しない場合、投資主又は投資法人債権者に損害が及ぶおそれがあります。
本投資法人は、執行役員1名及び監督役員2名により構成される役員会により運営されています。かかる役員会については、役員全員の出席のもと開催できるよう年初において1年間の予定を作成して日程を確保の上、原則として毎月2回開催します。本投資法人は、役員会において、本資産運用会社に、運用状況の報告と共に資産運用に関連する各種議案の説明を求めており、同社による資産運用業務の状況を確認しています。その上で、法令遵守状況に係る監視機能を強化するため、原則として役員会には毎回顧問法律事務所へも出席を求めています。また、財務諸表承認決議の役員会においては、顧問法律事務所と共に会計監査人の出席を求め、法令遵守や内部管理態勢の状況について十分な議論を行います。
更に、半年に一度、定期的に一般事務受託会社及び資産保管会社から執行状況、法令遵守や内部管理態勢等について報告させることとしています。
加えて、監督役員による監視機能の実効性を高めるため、原則2年に1回外部専門家を活用し監督役員主導による業務監査を実施することとしています。
一方、本投資法人の委託を受けた本資産運用会社では、以下のような重層的かつ相互牽制的な検証システムを通じて、投資運用に係るリスクその他のリスク等について、各リスクの内容と程度に合わせて、必要・適正なレベルで、複数の検証システムによる管理を行っており、重要な事項は取締役会に報告されています。
まず、本資産運用会社は、インダストリアル本部において、資産の取得又は処分に伴う各種リスク(主に不動産の欠陥・瑕疵に関するリスク、売主の倒産に伴うリスク、共有物件に伴うリスク、開発物件に関するリスク、有害物質に関するリスク)、資産の運用管理に伴う各種リスク(主に賃貸借契約に関するリスク、災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク、不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク)及び本投資法人の資金調達等に関する各種リスクについて管理を行います。これらのリスク管理に加え、リスク管理統括者(マネジメント室長)の下で、マネジメント室が、他の各本部・部・室(以下、本(2)において「各本部」といいます。)から独立した、全社的な立場から本資産運用会社のリスク管理態勢の企画・立案を行うと共に、その整備状況及び運用状況の確認・改善業務を統括します。
次に、本資産運用会社は、資産の取得・処分・運用管理、投資方針・基準、運用管理方針・基準、予決算及び資金調達等に関するポートフォリオ全体の総合的なリスクを、資産運用検討委員会において検証・議論し、また同時にそれらのリスクに対する対応策を決定しています。
更に、社長、副社長、本部長、副本部長、コンプライアンス管理室長、内部監査室長及びマネジメント室長を常任委員として構成されるリスク管理委員会が、原則として3か月に1度開催され、資産運用検討委員会に係属する事項以外のリスクについて適時に把握、検討し、必要な対応策及び管理方針を策定する体制にあります。
常勤監査役は、資産運用検討委員会及びリスク管理委員会のそれぞれに出席し、意見を述べることができます。なお、各委員会の概要については、前記「1 投資法人の概況 (4) 投資法人の機構 ② 投資法人の運用体制」をご参照下さい。
また、内部監査室は、全社及び各本部におけるリスク管理の状況について、内部監査規程に基づき定期的に内部監査を実施し、内部監査報告書を作成します。本資産運用会社では、上記各体制に加えて、コンプライアンス管理室による法令等遵守に対する点検の確認、利害関係者との利益相反行為の有無の確認、更には社内規程との整合性の確認など網羅的な内部牽制により、常勤監査役との連携を図りながらリスク管理体制の充実と実効性の向上を図っています。
また、利害関係者との取引等に関しては、本資産運用会社の社内規程(自主ルール)として、利害関係者取引規程を定め、これを遵守することにより、当該取引を適切に管理し、もって本資産運用会社が本投資法人に対して負う善管注意義務及び忠実義務の履行を十全ならしめる体制を取っています(後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 本投資法人に関する利益相反取引ルール」をご参照下さい。)。
このように、投資リスクに対しては、本投資法人及び本投資法人から委託を受けた本資産運用会社の重層的かつ相互牽制的な検証システムを通じ、実効性のあるリスク管理体制を整備し、最大限の効果の発揮に努めています。