訂正有価証券報告書(内国投資証券)-第8期(平成27年8月1日-平成28年1月31日)
(1)【投資方針】
① 本投資法人の基本戦略
本投資法人は、グローバル化や金融商品化が進み、多様な要因による影響を受けやすくなった不動産投資市場において、「長期的に安定した賃貸収益の獲得」を目指すべく、主として、賃貸住宅等の主要な用途が居住用施設である不動産関連資産への投資を行います。賃貸住宅に代表される居住用施設は、他の用途の不動産と比較して、賃料の変動が小さく、テナントも分散されており、1物件当たりの規模も小さいためリスク分散を図りやすく、相対的にリスクが低い投資対象であると、本投資法人は考えています。
一方で、賃貸住宅等への投資が他の用途の不動産と比較して安定的な収益を見込めるとしても、変化の激しい不動産投資市場の中で安定した賃貸収益の獲得と資産規模の着実な成長を実現するためには、本投資法人は、不動産に関連するあらゆるトレンドを的確に把握の上、最適と考える投資機会及び収益機会を「柔軟」に追求し、迅速な情報収集と意思決定に基づき「機動的」に投資及び運用を行うことが重要であると考えています。
本資産運用会社のスポンサーであるケネディクス株式会社は、独立系不動産運用会社として不動産投資ファンドの組成及び運用を主たる事業として営んでおり、「柔軟性」と「機動性」をもった不動産投資運用を行うことを旨としています。
本投資法人は、ケネディクス株式会社の理念(独立系不動産運用会社として不動産投資家の立場に即し運用サービスを提供すること)と人材を受け継ぐ本資産運用会社に資産運用を委託し、「目利きを活かした着実な外部成長」、「効率的な収益マネジメント」及び「新しい取組みへの挑戦」という三つの基本戦略に基づき投資・運用を行います。賃貸住宅等の居住用施設への投資に際しては、地域の人口動態や経済見通し、人々のライフスタイルの変化、少子高齢化、晩婚化及び核家族化等の世帯構成の変化に伴う賃貸住宅への需要の変動、持家に対する考え方の変化等、不動産に関連するあらゆるトレンドを見極めることが重要であると考えています。本投資法人は、「柔軟性」と「機動性」をもった不動産投資運用を通じ、賃貸住宅等の居住用施設が有する特性を活かしながら、長期的に安定した賃貸収益の獲得を実現し、投資主価値の最大化を目指しています。
(イ) 目利きを活かした着実な外部成長
本投資法人は、土地自体が有する潜在的な収益力、いわば「土地が人を惹きつける力(人に住みたいと思わせる力)」に着目した投資判断を重視しています。すなわち、まずは土地が人を惹きつける力を見極めた上で、「土地の特性に合致した住戸タイプ」(主として単身世帯を対象とするシングルタイプ、主として夫婦世帯及び乳幼児等がいる家族世帯を対象とするスモール・ファミリータイプ又は主として3人以上の家族世帯を対象とするファミリータイプの賃貸住宅等)で構成されている物件を投資対象としています。この土地が人を惹きつける力は、単に最寄り駅からの距離だけで測れるものではなく、また、住戸タイプも今後も増加が見込まれている単身世帯向けであれば良いというものでもなく、例えば、駅に近くても夜遅くまで喧騒が止まない場所よりは、最寄り駅から多少時間を要する距離にあっても閑静な住宅街の方が、ファミリータイプの安定的な需要が期待できると、本投資法人は考えています。かかる土地の評価に際しては、土地が人を惹きつける力を幅広い視点から分析すべく、具体的には以下の三つの投資尺度を用います。
■「地位(じぐらい)の高さ」
地位の高い土地とは、「歴史的に由緒があり成熟した場所」又は「政策的若しくは人為的に優良な住居地域として開発された場所」で、長期的に高い競争力を有する土地をいいます。
■「生活利便性の高さ」
生活利便性の高い土地とは、単に「最寄り駅までの至近性」や主要ターミナル駅・ビジネス街への「交通アクセスの良い土地」のみならず、周辺の商業施設や教育施設又は公園等の「生活周辺施設」が整備された土地をいいます。
■「特殊マーケットの有無」
特殊マーケットのある土地とは、一般的な賃貸需要に加え、「事業所、研究所、学校等の周辺」で、それらの施設の利用者による賃貸住宅への更なる安定した需要が見込まれる土地をいいます。
この観点から、本投資法人は、東京経済圏(東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県の主要都市をいいます。以下同じです。)はもちろん、東京経済圏以外の地域においても、賃貸住宅等について安定した需給バランスが見込まれ、投資対象として魅力ある土地が数多く存在すると考えています。本投資法人は、上記の投資尺度に基づき、東京経済圏や地方経済圏(政令指定都市を始めとする地方中核都市をいいます。以下同じです。)に所在する賃貸住宅等の居住用施設について、土地が人を惹きつける力を詳細に分析した上で、その立地特性に応じて、安定的な賃貸需要が見込まれる住戸タイプを見極めながら、積極的に投資を行います。
<本投資法人の投資領域の考え方>ケネディクス・グループは、私募ファンド等の運用を通じて、国内における賃貸住宅への投資を10年超にわたり行っています。ケネディクス・グループは、これまでの賃貸住宅への投資及び運用経験を通じて、有力住宅デベロッパーをはじめとした不動産等の取得のためのソーシング・ルートを日本全国に幅広く構築しており、ケネディクス・グループの過去の賃貸住宅に係る投資は、その多くが競争入札を介さない売主との相対取引となっています。また、ケネディクス・グループは、各地域ごとの賃貸住宅の立地特性及びテナント需要の把握に努めており、築年数・間取り等に応じた運用ノウハウ及び的確な投資判断を行うための独自の市況データ(未公開の不動産売買価格、NOI利回り、投資家名、契約賃料を含む賃貸条件など)を蓄積しています。
本投資法人は、かかるケネディクス・グループの日本全国における賃貸住宅への投資及び運用の経験を活かし、ケネディクス株式会社が独立系不動産運用会社として築いた不動産業界及び金融業界における全方位的なネットワークを通じて広く集まる情報(不動産売却情報、マーケット情報、テナント情報、周辺開発情報等)の提供を受け、これを分析し、不動産市場のトレンドを的確に把握した上で、幅広い投資領域の中から厳選された優良な投資機会を発掘し、迅速な意思決定に基づき、タイミングを捉えて資産の取得を行います。
(ロ) 効率的な収益マネジメント
物件のリーシング活動においては、サブマーケット(特定の不動産に固有の一定の特性に着目した需要層ごとに細分化された賃貸市場をいいます。)の動向を見極めた上で、リーシング実績を精緻に分析し、テナント需要の多い時期に重点的な広告宣伝活動を行うことにより新規需要の早期取込みを図ります。一方、高稼働物件においてはテナント募集費用の削減や礼金の取得を目指すなど、運用資産ごとの特性に応じた計画的かつ機動的な年間リーシング計画を策定し、当該計画に基づいたリーシングを行うことで、テナント入替期間の短縮、賃料水準の維持・向上を図ります。更に、ケネディクス・グループのこれまでの居住用施設への投資・運用実績を通じて蓄積されたノウハウを活用して、各運用資産に適した修繕計画を策定し、当該計画を適切に実施することで、入居者満足度の向上に結びつけ、稼働率及び資産価値の長期的な維持・向上を図ります。
また、効率的な物件管理による費用削減も継続的に進めていきます。具体的には、地域・立地ごとの効率的な物件管理を通じた建物管理費用の圧縮、ポートフォリオ全体のスケールメリットを活かした損害保険料の見直しによるコスト削減、特定優良リフォーム業者への原状回復工事集中発注による修繕費用の圧縮等を通じて費用の削減を図ります。
加えて、賃貸住宅等の運営・管理を手がけるPM会社の選定に際して、各PM会社の地域・立地及び都市ごと、賃料帯ごと、又はテナント層ごと(法人・個人)の得意分野を考慮し、物件ごとに最適と考えられるPM会社を採用します。ケネディクス・グループが有する幅広いPM会社との取引実績を活用し、本投資法人は、各物件の特性に合致した適切な運営・管理を行う能力を有するPM会社を個別に選定し、その上で、本投資法人が各PM会社の管理を一元的に行うことで賃貸住宅等の最適かつ効率的な運営・管理に努めます。
本資産運用会社のレジデンシャル・リート本部資産運用部は、ケネディクス・グループで居住用施設の運用を担当してきた主要な人材により構成されているため、本投資法人は、ケネディクス・グループが築いた賃貸住宅等の運営・管理ノウハウ及びPM会社との幅広いネットワークを活用することが可能です。また、本資産運用会社は、賃貸住宅等の取得及び運営・管理の経験を持った人材をケネディクス・グループ外からも招聘しており、これらの人材の知見も活用することにより、将来にわたり、地域・立地特性及びテナント需要の変化、ポートフォリオ全体の経年劣化、本投資法人の保有する不動産等の拡大に対して、適切に対応することができると考えています。
更に、ケネディクス・グループは、私募ファンドの運用を通じて、不動産市況の波を確実に捉えながら、投資家の立場に立って運用パフォーマンスの安定化・最大化を実現するべく、最適なタイミングで確実に運用物件を売却する機動力を確保することに注力しています。本投資法人においても、ケネディクス・グループで培われたそのノウハウを活用し、投資主利益の最大化のために、不動産市況を的確に見極めた機動的な個別資産の入替えを進める戦略的アセットマネジメントを遂行することにより、ポートフォリオ全体の収益性の維持・向上を実現し、運用資産からの収益の極大化を目指します。
(ハ) 新しい取組みへの挑戦
本投資法人は、本資産運用会社の役職員が有する不動産と金融の両分野における多様な経験と高い専
門的知識を活かし、前例や既成概念に囚われることなく、上場以降、例えば以下のような新しい取組み
への挑戦を行っています。本投資法人は、引き続きJ-REITとして行うことができる新しい取組みに挑戦
することで、環境の変化にいち早く対応し、投資主利益の最大化を目指します。
a. 住宅系J-REITとして初めてとなる底地物件への投資
上場時に取得した物件において、本投資法人と同様に賃貸住宅等を主たる投資対象とするJ-REIT
(以下「住宅系J-REIT」といいます。)としては初めてとなる底地物件への投資(ニチイホームたまプラーザ(底地)(注)及びコスモハイム元住吉(底地))を行い、介護付き有料老人ホームや社員寮といった施設運営者付き居住用施設のオペレーティング・リスクを抑制しながら投資を実行しました。
(注)ニチイホームたまプラーザ(底地)は、平成27年6月1日付で譲渡しており、本書の日付現在、本投資法人の保有資産ではありません。
b. 上場後の公募増資において発行済投資口の総口数を3.2倍にする大胆な資金調達を通じた資産規模の拡大と投資口市場流動性の向上
平成25年8月に実施した公募増資において、60物件(取得価格の合計68,556百万円)を取得するため
の資金の一部として、本投資法人は新投資口を166,182口(公募増資に併せて行われた第三者割当に係
る新投資口発行分を含みます。)発行しましたが、これにより本投資法人の発行済投資口の総口数は75,440口から241,622口へと3.2倍に増加しました。これは、J-REITが上場後に実行した公募増資としては、実施時点においては、前例のない発行済投資口の総口数の増加率であり、かかる公募増資による積極的な資金調達を行うことで資産規模を一気に拡大するとともに、本投資法人の投資口の市場流動性(東京証券取引所における売買金額)の向上を促すことに成功しました。
<ケネディクス株式会社の沿革>
(注)本書におけるケネディクス・グループにおける受託資産残高の記載については、以下の基準に基づき、ケネディクス株式会社にて受託資産残高を集計した数値を記載しています。
・ケネディクス・グループがアセットマネジメント業務を受託している不動産関連資産を対象とし、竣工前の開発物件は含みません。
・取得時の取得価格(税抜)で集計し、会計上の簿価を構成するものであっても取得付随費用及びバリューアッド費用(物件価値を上昇させるための資本的支出)等は含まず、億円未満を切り捨てて記載しています。
・ケネディクス・グループが一時的に自己勘定で取得し、アセットマネジメント業務を行っている不動産関連資産を含みます。また、ケネディクス・オフィス投資法人、ケネディクス・プライベート投資法人、ケネディクス商業リート投資法人、日本ロジスティクスファンド投資法人、プレミア投資法人及びジャパン・シニアリビング投資法人が保有する不動産関連資産も含みます。
<ケネディクス・グループの主要会社(本資産運用会社以外)>a. 私募ファンドビジネス
・ケネディクス株式会社
b. J-REITビジネス
・ジャパン・シニアリビング・パートナーズ株式会社
・三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社
・プレミア・リート・アドバイザーズ株式会社
c. 海外ビジネス
・Kenedix Asia Pte. Ltd.
・Kenedix Westwood, LLC
・KW Multi-Family Management Group, LLC
d. グループサポート、その他ビジネス
・ケネディクス・デベロップメント株式会社
・株式会社アセット・ワン
・株式会社クレス
・株式会社スペースデザイン
・ケネディクス・プロパティ・マネジメント株式会社
② 本投資法人の成長戦略
(イ) 不動産等の取得方法(外部成長戦略)
本投資法人は、前記「① 本投資法人の基本戦略 (イ) 目利きを活かした着実な外部成長」に記載のとおり、個々の投資対象不動産等の収益力や付加価値を付与することで顕在化する潜在的な収益力に着目する等して、幅広い投資領域から投資対象を選定します。また、不動産等の取得ソースとなる複数のパイプラインを構築することにより、継続的な不動産等の取得機会を確保し、ポートフォリオの着実な成長を目指します。
a. 本資産運用会社独自のネットワークによる不動産等の取得
本投資法人が資産の運用に係る業務を委託する本資産運用会社の役職員の多くは、不動産運用業務や金融業務に長年にわたり携わっており、また、本資産運用会社には、不動産鑑定士、一般社団法人不動産証券化協会による不動産証券化協会認定マスター、公認会計士、税理士、日本証券アナリスト協会による証券アナリスト、又は日本ファイナンシャル・プランナーズ協会によるファイナンシャル・プランナー等に認定されている者が在籍しています。
本投資法人は、本資産運用会社の役職員が有する多様な知識、経験及び高い専門性を活用の上、不動産及び金融の両分野で全方位的に展開される独立系ならではの幅広いネットワークに基づき、本資産運用会社独自の情報収集を不動産市場で行うことにより、着実な外部成長を目指します。
b. ケネディクス株式会社のサポートラインによる不動産等の取得
本投資法人及び本資産運用会社は、ケネディクス株式会社との間で、サポートライン覚書を締結しています。サポートライン覚書に基づき、本資産運用会社は、ケネディクス株式会社が保有又は運用業務を受託する主たる用途が居住用施設である不動産、不動産信託受益権、匿名組合出資持分及び不動産対応証券等(後記「⑤ 匿名組合出資持分又は不動産対応証券等への投資」に定義する意味を有するものとします。以下同じです。)(開発段階の不動産を含み、以下、本b.及び後記c.において「不動産等」と総称します。)について、本資産運用会社以外の者に遅れることなく購入を検討することができます。サポートライン覚書の内容については、後記「(ハ) ケネディクス株式会社のサポート」をご参照下さい。
c. ウェアハウジング機能を活用した機動的な不動産等の取得
本資産運用会社は、サポートライン覚書に基づき、本投資法人が取得を希望する不動産等について、ケネディクス株式会社に対して(i)不動産投資ファンドの組成及び当該ファンドでの不動産等の取得の依頼、並びに(ii)不動産等の取得及び一時的な所有の依頼をすることができ、ケネディクス株式会社は、本資産運用会社によるかかる依頼を誠実に検討します(かかるケネディクス株式会社による不動産等の一時的な取得を、以下「ウェアハウジング機能」といいます。)。本投資法人は、ウェアハウジング機能の活用により、資金調達の時期や投資基準との整合性等の理由で本投資法人が直ちに取得できない不動産等について、本投資法人の取得機会を優先的に確保し、機動的な取得機会の確保を図ります。ウェアハウジング機能の詳細については、後記「(ハ) ケネディクス株式会社のサポート」をご参照下さい。
なお、本投資法人は、ケネディクス株式会社及びその子会社等との間の取引について、利害関係取引の基準を定めた本資産運用会社の内部規程であるレジデンシャル・リート本部利害関係取引規程等に基づき、また、実際の運営面においても独立性を保つ等、コンプライアンスやガバナンスの体制に十分に注意して行います。レジデンシャル・リート本部利害関係取引規程の詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) レジデンシャル・リート本部利害関係取引規程」をご参照下さい。
(ロ) 保有不動産の運営管理方法(内部成長戦略)
本投資法人は、前記「① 本投資法人の基本戦略 (ロ) 効率的な収益マネジメント」に記載のとおり、投資家の立場に即して、本投資法人の保有に係る不動産(以下「保有不動産」といいます。)から得られる賃貸収益を厳格に管理することで、その維持・向上を図ります。保有不動産の具体的な運営管理の方法は、次のとおりです。
a. 収入の維持向上
本投資法人は、以下の施策を実行することにより、保有不動産の稼働率の向上を図り、もって収入の維持向上を目指します。
i. 保有不動産の特性及びテナントの属性に適した良質なサービスを提供し、テナントとのリレーションの充実を図ることにより、テナント満足度の向上を実現します。
ii. テナント動向を早期に把握し、賃貸市場の動向を見据えた機動的なリーシング活動に努めます。
iii. 運用資産に適した長期修繕計画を策定し、計画的な修繕及び設備投資を行うことにより、取得資産の価値や相対的な競争力を極大化することを目指します。
b. 運営・管理コストの低減
本投資法人は、妥当な管理水準の検証を定期的に行うと共に、運営・管理コストにつき低減策を検討・実行し、収益の極大化を目指します。管理水準の見直しや費用の低減は、収益の維持向上に必要と判断される水準とのバランスを勘案しながら決定します。
c. 地域特性に合わせたプロパティ・マネジメント業務の委託
本投資法人は、賃貸住宅への投資に際し、地域分散を図るため、地域特性を適切に把握することが必要となります。このため、各地域特性を熟知し地域に密着した独自のネットワークを有するPM会社を選定することが、収益の維持向上を図る上で非常に重要です。
本投資法人は、保有不動産の管理・運営に際し、経験及び実績、新規テナントの募集能力の高さ、各保有不動産の所在する周辺地域における不動産市場への精通度等を勘案し、収益の最適化を目的として、各保有不動産の特性に見合った最適と考えるPM会社を選定します。また、本投資法人は、各PM会社が、継続的に安定し、均質あるプロパティ・マネジメント業務を行えるよう、PM会社と長期的な協働関係を構築し、管理・運営ノウハウの蓄積を図ります。
d. ブランド戦略の推進
本投資法人は、原則として、「KDX Residence」(KDXレジデンス)というブランドにて、物件名称及び標識の統一を図り、ポートフォリオ全体において上質な統一感を醸成し、一体的な資産価値の維持向上を目指します。また、今般成長に伴い「KDX Residence」ブランドの物件数が大きく増加することにより、賃貸住宅市場におけるブランドの浸透が進むことも期待されます。なお、物件特性(例えば取得前の物件名称の認知度の高さ)や名称変更手続の煩雑さ等を理由として、保有不動産の一部において、「KDX Residence」ブランドに係る物件名称及び標識を使用しない場合があります。
(ハ) ケネディクス株式会社のサポート
本投資法人、本資産運用会社、ケネディクス株式会社は、主たる用途が居住用施設である不動産、不動産信託受益権、匿名組合出資持分及び不動産対応証券等(開発段階の不動産を含み、以下、本「(ハ) ケネディクス株式会社のサポート」において「不動産等」と総称します。)の情報提供並びに売買に係る方法及び手順等を定めることを目的として、サポートライン覚書を締結しています。
サポートライン覚書の概要は、以下のとおりです。なお、サポートライン覚書の内容は、不動産等のうち居住用施設について適用されます。
(注)スポンサー会社であるケネディクス株式会社は、平成26年10月30日付で、本投資法人と一部投資対象が重複するJ-REITであるプレミア投資法人の資産運用を受託しているプレミア・リート・アドバイザーズ株式会社の発行済株式の一部(持株割合30%)を取得しており、また、ジャパン・シニアリビング投資法人の資産運用を受託しているジャパン・シニアリビング・パートナーズ株式会社の発行済株式の60%を保有する、同社の親会社でもあります。なお、本投資法人及び本資産運用会社は、サポートライン覚書に基づき、ケネディクス株式会社が入手した不動産等の売却情報を、本資産運用会社以外の者に対する提供に遅れることなく提供を受けることができるため、かかる株式の取得及び保有に伴う本投資法人の物件取得機会への影響は、特段無いものと判断しています。
a. ケネディクス株式会社による不動産等の供給面でのサポート
i. ケネディクス株式会社が入手した不動産等売却情報の提供
ケネディクス株式会社は、サポートライン覚書の各当事者以外の者により保有又は運用される不動産等の売却情報(以下、本「(ハ) ケネディクス株式会社のサポート」において「不動産等売却情報」といいます。)を自ら入手した場合において、当該不動産等が本投資法人の投資基準に合致すると合理的に判断した場合には、本資産運用会社以外の者に対する提供に遅れることなく、当該不動産等売却情報を本資産運用会社に対して提供します。ただし、ケネディクス株式会社が締結している諸契約若しくは合意又は法令等により、本資産運用会社に対する情報提供が禁止される場合はこの限りではありません。
ii. ケネディクス株式会社の自己投資不動産等の売却
ケネディクス株式会社は、自己、自己が全額出資する法人、自己が全額投資するファンド(匿名組合を含みますがこれに限られません。)若しくは自己が全額出資する法人が全額投資するファンド(匿名組合を含みますがこれに限られません。)にて所有し、又は取得する予定である不動産等(後記「c. ケネディクス株式会社によるウェアハウジング」に記載の本資産運用会社からのウェアハウジングの依頼に基づき所有する不動産等を除きます。)の売却を検討する場合において、当該不動産等が本投資法人の投資基準に合致すると合理的に判断した場合には、本資産運用会社以外の者に対する提供に遅れることなく、当該不動産等売却情報を本資産運用会社に対して提供します。ただし、ケネディクス株式会社が締結している諸契約若しくは合意又は法令等により、本投資法人に対する売却が禁止される場合はこの限りではありません。
iii. ケネディクス株式会社の私募ファンドからの不動産等の売却
ケネディクス株式会社は、自己がアセットマネジメント業務を受託する不動産投資ファンド(後記「b. ウェアハウジングファンドからの不動産等の売却」に記載のウェアハウジングファンドを除きます。)が所有する不動産等を売却する場合において、当該不動産等が本投資法人の投資基準に合致すると合理的に判断した場合には、本資産運用会社以外の者に対する提供に遅れることなく、当該不動産等売却情報を本資産運用会社に対して提供します。ただし、ケネディクス株式会社が締結している諸契約若しくは合意又は法令等により、本資産運用会社に対する情報提供が禁止される場合はこの限りではありません。
b. ウェアハウジングファンドからの不動産等の売却
本資産運用会社は、サポートライン覚書の各当事者以外の者により保有又は運用される不動産等につき、将来における本投資法人での取得機会の確保を目的として、ケネディクス株式会社に不動産ファンドの組成を依頼することができます。ケネディクス株式会社は、本資産運用会社から当該依頼を受けた場合には、これを誠実に検討します。
ケネディクス株式会社は、本資産運用会社による当該依頼を承諾した場合、自己がアセットマネジメント業務を受託する不動産ファンド(以下「ウェアハウジングファンド」といいます。)を組成し、ウェアハウジングファンドで当該依頼に係る不動産等を取得します。
ケネディクス株式会社は、ウェアハウジングファンドが所有する不動産等(以下「ウェアハウジングファンド不動産」といいます。)を売却する場合、以下の売却手続に従います。
i. ケネディクス株式会社は、ウェアハウジングファンド不動産の本投資法人への売却を本資産運用会社に対して優先的に申し入れます。
ii. ケネディクス株式会社は、上記i.の本資産運用会社への売却申入れ後、本資産運用会社とウェアハウジングファンド不動産の売買条件について誠実に協議します。
iii. ケネディクス株式会社は、上記ii.の協議においてウェアハウジングファンド不動産の売買について合意に至らなかった場合等、一定の事由(以下「第三者売却事由」といいます。)に該当することとなった場合には、ウェアハウジングファンド不動産の売却を本資産運用会社以外の者に申し入れる旨を本資産運用会社に通知した上で、ウェアハウジングファンド不動産の売却を第三者に申し入れることができます。
前段の売却手続や第三者売却事由の詳細については、組成されるウェアハウジングファンドごとに個別に定めた上で、サポートライン覚書の各当事者及びウェアハウジングファンドの間で別途合意します。
c. ケネディクス株式会社によるウェアハウジング
本資産運用会社は、サポートライン覚書の各当事者以外の者により保有又は運用される不動産等につき、将来における本投資法人での取得機会の確保を目的として、その取得及び一時的な所有をケネディクス株式会社に依頼することができます。ケネディクス株式会社は、本資産運用会社から当該依頼を受けた場合は、これを誠実に検討します。
ケネディクス株式会社は、本資産運用会社による当該依頼を承諾した場合、ケネディクス株式会社又はケネディクス株式会社が全額出資する法人において当該依頼に係る不動産等を取得します。
ケネディクス株式会社が本資産運用会社による当該依頼に基づき不動産等を取得した場合、取得日から1年間、本資産運用会社以外の者に対し当該不動産等の売却その他の処分の申入れをしてはならず、また、かかる期間内に本資産運用会社が本投資法人による取得を申し出た場合、これに応じなければなりません。
d. その他の事項
サポートライン覚書の有効期間は、サポートライン覚書の締結日から1年間とされています。サポートライン覚書は、いずれかの当事者が有効期間満了日の30日前までに他の全覚書当事者に対して期限の更新をしない旨の書面による通知を行わない限り、更に1年間、同一の条件にて自動更新され、以後も同様とします。また、サポートライン覚書に基づく情報提供等の結果、本投資法人が不動産等を取得する場合における媒介報酬の有無及びその金額については、法令、通常の商慣習及び役務提供の内容に基づき、個別の案件に応じて別途協議により定めます。
本資産運用会社は、本投資法人の他に、ケネディクス・オフィス投資法人、ケネディクス・プライベート投資法人、ケネディクス商業リート投資法人その他のアセットマネジメント業務を受託する不動産投資ファンド等に対して資産運用に関する業務を提供しており、ケネディクス株式会社及び本資産運用会社は、ケネディクス・オフィス投資法人、ケネディクス・プライベート投資法人、ケネディクス商業リート投資法人その他のアセットマネジメント業務を受託する不動産投資ファンド等との間で、上記と同様のサポートライン覚書を締結しています。
また、サポートライン覚書においては、サポートライン覚書に基づきケネディクス株式会社より提供を受けた不動産等売却情報及びウェアハウジングされた不動産等について、本資産運用会社が善良なる管理者の注意をもって忠実に、取得を検討した上で本投資法人による取得を見送る判断をした場合、取得見送り不動産等を本投資法人以外の各ファンドにおいて検討し、当該他の各ファンドがこれに基づいて取得見送り不動産等を取得することがあることをあらかじめ了承するものとされています(ただし、本資産運用会社は、当該他の各ファンドが取得見送り不動産等を取得した場合において、当該取得見送り不動産等が本投資法人が買付証明書を提出したものであったときは、遅滞なくこれを本投資法人に報告するものとされています。)。
なお、本資産運用会社は、恣意的な不動産等売却情報の配分を防止し、各ファンド間における利益相反を防止し、各ファンドに対する業務の忠実性を確保することを目指して「パイプライン会議」を設置し、「優先検討権」に関するルールを採用しています。当該ルールの詳細については、前記「1 投資法人の概況 (4) 投資法人の機構 ③ KDR資産運用業務に係る投資運用の意思決定に関する事項 (ハ) 各ファンド間における利益相反の防止(優先検討権の概要)」をご参照下さい。
(ニ) 商標使用許諾契約
本投資法人及び本資産運用会社は、ケネディクス株式会社との間で商標使用許諾契約を締結し、ケネディクス株式会社が保有する商標を無償で使用することについて許諾を受けています。
③ ポートフォリオ構築方針
(イ) 用途
本投資法人は、以下の要素等を勘案し、賃貸住宅に加えて、社宅、学生寮及び学生マンション等の住居系不動産、高齢化社会への移行に伴い安定した需要が見込まれる高齢者向け住宅、サービスアパートメント、短期滞在型マンションその他の独自の運営組織とノウハウ、サービス提供が必要な主たる用途を居住用施設とする不動産等、並びに、上記に定める建物が存在する借地権が設定された土地(底地)等に分散投資を行い、収益の安定化を目指します。
a. 不動産市場における流通性及び取引市場規模
b. 不動産マーケット情報の整備度合い
c. テナント層(単身者、ファミリー等)の分散確保
本投資法人が、高齢者向け住宅等の独自の運営組織とノウハウを必要とする不動産等に投資を行う場合には、直接的であるか間接的であるかを問わず原則として専門のオペレーターに一括賃貸するとともに、以下の手法等によりリスクマネジメントを実施します。
ⅰ) オペレーターの事業環境、運営状況、入居一時金保全状況の確認を含む財務状況のモニタリングによるオペレーターのクレジット・リスクの管理
ⅱ) バックアップオペレーターの設置によるオペレーターへの依存リスクの低減
ⅲ) 底地のみに投資することによるオペレーターのクレジット・リスクの軽減並びに施設に係る設備投資及び修繕のためのコスト増大リスクの回避
本投資法人の用途別投資比率(取得価格ベース)の目標は、以下のとおりです。
本投資法人は、オフィスビル、商業施設、物流・倉庫施設、アミューズメント及びゴルフ場を投資対象外とします。また、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。その後の改正を含みます。)第2条第5項に定める性風俗関連特殊営業店も投資対象外とします。
(ロ) 地域
本投資法人は、国内最大の経済・人口集積エリアである東京経済圏に所在する不動産等、並びに地域経済や不動産マーケットの変動、地震及び台風等の自然災害、人口変動等の地域偏在リスクの軽減を目的として、地方経済圏に所在する不動産等に分散投資を行います。
本投資法人の地域別投資比率(取得価格ベース)の目標は、以下のとおりです。
(ハ) 規模
本投資法人は、次の要素等を勘案し、以下に記載する投資規模の基準目標に従って不動産等への投資を行います。
a. 不動産市場における流通性
b. 不動産の規模別の分散確保
c. テナント層(単身者、ファミリー等)の分散確保
d. 運営管理面での投資経済性
本投資法人の取得価格における最低投資規模及び最高投資規模の基準目標は、以下のとおりです。
ただし、投資対象不動産等が当該最低投資規模の基準を充足しない場合であっても、以下のいずれかに該当する場合には、当該不動産等を取得することがあります。
a. 複数の不動産等を一括で取得する際に、最低投資規模の基準を下回る取得価格の不動産等が含まれる場合
b. 投資基準に合致する不動産等の取得条件交渉を行った結果、鑑定評価額は最低投資規模の基準を上回るものの、取得価格が最低投資規模の基準を下回る場合
(ニ) 耐震性(地震対策)
本投資法人は、原則として新耐震基準(昭和56年に改正された建築基準法に基づく建物等の耐震基準をいいます。以下同じです。)に適合している不動産等又はそれと同水準以上の耐震性能を有している不動産等に投資します。
(ホ) 環境・地質等
本投資法人は、原則として、建物状況調査報告書(エンジニアリング・レポート)において、有害物質の使用及び管理状況について問題が指摘されておらず、土壌汚染の恐れがないことが調査により確認できている不動産等に投資を行います。ただし、当該条件を充足しない場合であっても、対応工事を行うことで当該条件を充足することができる場合には投資することがあります。
(ヘ) 運用期間
本投資法人は、原則として中長期的観点から不動産等を取得し、短期売買目的の取得を行いません。ここで、短期とは1年未満の期間を、中期とは1年以上5年以下の期間を、長期とは5年を超える期間をいいます。
ただし、保有不動産等について以下のいずれかに該当する事象が発生した場合には、取得後間もない保有不動産等であっても売却を検討及び実行することがあります。
a. 本投資法人のポートフォリオの構築上、売却を行うことが本投資法人の中長期的な戦略から見て適切であると判断される場合
b. 平均的な実勢価格を超える購入価格を提示する購入希望先が現れた場合等、売却を行うことが本投資法人の収益獲得に寄与する場合
c. 経済情勢の著しい変化又は災害等による建物の毀損若しくは劣化等により、当初想定した賃貸事業収支の確保が困難となり、追加的な措置によっても回復の見込みがないと判断される場合
④ 個別投資基準
本投資法人は、中長期にわたり安定した収益を確保することを目的として、以下の投資基準に従い、不動産等を取得します。
不動産等の取得にあたっては、対象不動産等の収益性調査、市場調査、法的調査、鑑定評価等の詳細な調査(デューデリジェンス)を実施します。各種調査及び鑑定評価については、専門性、客観性、透明性の観点から、利害関係を有しない独立した外部業者へ調査を委託します。
⑤ 匿名組合出資持分又は不動産対応証券等への投資
本投資法人は、(i)不動産に関する匿名組合出資持分、(ii)不動産対応証券、(iii)特定社債券、(iv)不動産等又は不動産対応証券に投資することを目的とする特定目的会社又は特別目的会社その他のこれらに類する形態の法人等に対する貸付債権その他の金銭債権又は(v)信託財産を(i)から(iv)までに掲げる資産に対する投資として運用することを目的とする金銭の信託の受益権(本⑤において、以下「匿名組合出資持分又は不動産対応証券等」と総称します。)に投資する際には、主として以下の(イ)及び(ロ)の基準に従います。
(イ) 総額基準
当該投資後において、匿名組合出資持分又は不動産対応証券等に対する投資額の合計が、本投資法人の総資産額の10%以内となること。
(ロ) 投資対象資産基準
匿名組合出資持分又は不動産対応証券等の発行者又は債務者(以下本⑤において「発行者等」といいます。)が直接に、又は信託受託者を通じて間接に保有している不動産について、以下のa.及びb.の双方を充足すること。
a. 本投資法人の投資方針及び投資基準に合致していること。
b. 発行者等が売却する際に、本投資法人において取得機会が得られること。
⑥ 運営管理方針
(イ) 運用計画の策定
本資産運用会社は、本投資法人の営業期間ごとに「年度運用計画」を策定し、計画的な資産運用を行います。年度運用計画は、保有不動産ごとの収支計画を踏まえて、ポートフォリオ全体及び本投資法人全体の収支計画により構成され、コンプライアンス委員会及びKDR運用委員会の審議及び決議を経て、各営業期間開始後2か月以内に策定されます。レジデンシャル・リート本部長は、年度運用計画が策定された場合には、取締役会への報告後直ちに本投資法人の役員会に提出し、承認を得ます。
本資産運用会社は、保有不動産ごと及びポートフォリオ全体について、収支実績を随時検証します。月次又は期中の収支予算と実績に著しい乖離が見られる等、年度運用計画の見直しが必要と判断される場合には、速やかに修正運用計画を策定します。
不動産等の取得又は売却、市場環境の変化等、保有不動産及びポートフォリオ全体の状況に大きな変化が生じた場合についても、適宜、年度運用計画の修正や見直しを行います。
(ロ) 運営管理のモニタリング
本資産運用会社は、前記「(イ) 運用計画の策定」に基づき策定された「年度運用計画」を基に、保有不動産の賃貸運営、建物管理、修繕・改修等の各方面から、プロパティ・マネジメント業務の状況を本資産運用会社内でモニタリングします。
プロパティ・マネジメント業務のモニタリングを所管する本資産運用会社のレジデンシャル・リート本部資産運用部は、概ね以下の事項に関する確認及び対応策等についての業務報告会を、PM会社との間で定期的(原則として毎月)に開催し、計画に沿った運営管理を実行・維持するための協議を行います。
a. 収支実績及び予算との対比
b. 稼働率の状況
c. 既存テナントの動向(賃料等の回収・延滞状況、テナントからの要望・苦情等の有無とその対処状況、賃貸借契約の更新・解約等の動向等)
d. 周辺地域における賃貸市場の動向
e. 新規テナント募集活動の状況(入居検討先、募集条件、空室期間等)
f. 建物管理の状況(躯体や設備の維持管理状況、法定定期点検の実施状況等)
g. 修繕工事の実施状況及び予算との対比
h. 今後必要な修繕工事及び大規模改修工事の計画
i. 収益向上及び経費削減に向けた方策の検討
j. その他、協議が必要と考えられる事項
⑦ 付保方針
(イ) 損害保険
災害及び事故等による建物の損害及び収益の減少、対人及び対物事故による第三者からの損害賠償請求によるリスクを回避するため、保有不動産の特性に応じ適切な損害保険(火災保険・賠償責任保険・利益保険等)を付保します。
(ロ) 地震保険
個別の不動産のPML値(注)が20%を超過する場合又は個別の不動産が加わることによりポートフォリオ全体のPML値が10%を超過する場合には、災害による影響と保険料負担等とを総合的に比較した上で、地震保険の付保を検討します。
(注) 「PML値」とは、地震による予想最大損失率(Probable Maximum Loss)を意味し、個別の不動産に関するものと、ポートフォリオ全体に関するものとがあります。PML値についての統一された厳密な定義はありませんが、本書においては、想定した予定使用期間(50年=一般的建物の耐用年数)中に想定される最大規模の地震(再現期間475年、50年間に起こる可能性が10%の大地震)によりどの程度の被害を被るかを、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率(%)で示したものをいいます。
(ハ) 引受保険会社の保険格付
引受保険会社の保険格付は、付保時点においてムーディーズ・ジャパン株式会社によるA3以上又はスタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社によるA-以上であることを基準とします。
(ニ) 引受保険会社の選定
引受保険会社の選定にあたっては、保険代理店を通じて複数の保険会社の条件を検証し、適切な選定を行います。
⑧ 修繕及び設備投資の方針
(イ) 中長期にわたり安定的な収益を確保することを目的として、保有不動産の競争力の維持・向上につながる効率的な修繕計画を保有不動産ごとに作成し、修繕及び設備投資を行います。
(ロ) 修繕及び設備投資については、原則として、ポートフォリオ全体での合計額がポートフォリオ全体の減価償却費合計額の範囲内となるように実施します。ただし、ポートフォリオ全体の競争力を維持・向上させるために必要と判断される多額の支出や緊急性を要する多額の支出が発生する場合には、財務政策上支障のない範囲で、ポートフォリオ全体の減価償却費合計額を超える額の修繕及び設備投資を行うことがあります。
(ハ) テナントのライフスタイルの変化への対応、主たるテナント層の変更による新規需要獲得等、中長期にわたる収益の維持向上を目的として、営業戦略上有用と判断される専有部及び共用部のリニューアルを検討及び実施します。
(ニ) 本投資法人は、原則として新耐震基準に適合している不動産等に投資を行いますが、耐震補強が必要と判断される保有不動産については、当該保有不動産の運用状況に配慮しつつ、補強工事を速やかに検討及び実施し、地震による損失リスクの低減に努めます。
⑨ 売却方針
中長期にわたり安定的な収益を確保するという本投資法人の基本方針に基づき、原則として中長期的観点から投資を行いますが、必要に応じて保有不動産等の売却検討を行います。その場合、当該保有不動産等の現状における収益力並びにマーケット動向を踏まえた将来的な収益見通し及び資産価値の増減等を総合的に勘案し、ポートフォリオ全体における当該保有不動産等の存在意義を判断した上で、当該保有不動産に関する売却方針を決定します。
保有不動産等の売却にあたっては、より高い価格での売却が実現できるよう、競争入札方式の導入、有力不動産仲介業者の活用等の方策を検討します。また、購入検討先の属性や購入資金調達状況、購入目的等の調査を行い、不測のトラブルの回避を図ります。
⑩ 財務方針
(イ) 財務の基本指針
本投資法人は、中長期にわたる安定的な収益の確保及び運用資産の持続的な成長を目的として、以下の基本指針に基づき、計画的かつ機動的な財務戦略を立案し、かつ実行します。
a. 調達面:資産の取得、設備投資、分配金の支払、本投資法人の運営資金又は債務の返済(敷金及び保証金の返還、借入金の返済、投資法人債の償還を含みます。)等の諸資金の手当てを目的として、安定的な長期資金と機動的な短期資金とを効率よく組み合わせた調達を行います。
b. 運用面:資金の安全性、流動性及び効率性を重視した運用を行います。
(ロ) 資金調達:エクイティ
投資口の追加発行は、本投資法人の総資産額に対する借入金及び投資法人債の合計額の割合(以下「有利子負債比率」といいます。)や不動産等の取得時期等を勘案した上で、投資口の希薄化にも配慮しつつ実行します。
(ハ) 資金調達:デット
a. 資金の借入れは、以下の方針に基づき行います。
i. 金利変動リスクを軽減するため、長期・短期の借入期間、固定・変動の金利形態等のバランスを図ります。
ii. リファイナンスリスク(資金再調達リスク)を軽減するため、返済期限や借入先の分散を図ります。
iii. 借入先は、金融商品取引法第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)に限ります。
iv. 借入先の選定にあたっては、借入期間、金利、担保提供の要否、手数料等の諸条件につき複数の金融機関と交渉し、マーケット水準とも比べながら、その内容を総合的に考慮して効率的な資金調達を図ります。
v. 各種必要資金の機動的な調達を目的として、極度貸付枠設定契約やコミットメントライン契約等、事前の借入枠設定又は随時借入予約契約の締結を必要に応じて検討します。
vi. 借入れに際しては、無担保・無保証を原則としますが、円滑な資金調達を目的として、本投資法人の保有不動産等を担保として提供する場合があります。
b. 投資法人債の発行は、長期かつ安定的な資金調達と調達先の分散を目的として行います。
c. デット調達における借入期間、金利形態等については、年度運用計画において定めます。
d. 借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ1兆円とし、かつ、その合計額が1兆円を超えないものとします。
e. 本投資法人は、後記「(2) 投資対象 ① 投資対象とする資産の種類 (ハ) j.」に記載の市場デリバティブ取引に係る権利及び後記「(2) 投資対象 ① 投資対象とする資産の種類 (ハ) k.」に記載の店頭デリバティブ取引に係る権利への投資については、本投資法人に係る負債から生じる金利変動リスク、その他のリスクをヘッジすることを目的としたものに限って行います。
f. 有利子負債比率は、原則として60%を上限とします。ただし、資産の取得に伴い、一時的に60%を超えることがあります。
(ニ) 資金運用
a. 本投資法人の固有勘定内及び不動産信託の信託勘定内に存する本投資法人に帰属する余剰資金は、無利息型の普通口座(預金保険制度により全額保護の対象となる普通預金)又はムーディーズ・ジャパン株式会社の短期債務格付がP-2以上である銀行の普通預金口座、定期預金口座又は譲渡性預金口座に預け入れます。
b. 本投資法人は、原則として、余剰資金を以下の項目に対して支出することができます。なお、規約において、安全性及び換金性を重視した上で有価証券及び金銭債権(後記「(2) 投資対象 ① 投資対象とする資産の種類 (ハ) d.」及び同「f.」に掲げる有価証券及び金銭債権をいいます。以下、本b.において同じです。)への投資ができることとされていますが、当面は運用を目的とした有価証券及び金銭債権への投資は行いません。
i. 不動産関連資産の取得又は設備投資等
ii. 本投資法人の運営資金
iii. 分配金の支払
iv. 債務の返済(敷金及び保証金の返還、借入金の返済、投資法人債の償還を含みます。)
c. 保有不動産の賃貸に際して受領する敷金又は保証金等の預り金の取扱いは、原則として前記a.に従います。ただし、ヒストリカルデータの蓄積やコミットメントラインの導入等、預り金返還の安全性が確保できると判断した場合は、資金効率の観点から前記b.に従い支出することがあります。
⑪ 情報開示方針
(イ) 資産運用に関する情報については、投資主及び投資家の理解が得られるよう、可能な限り迅速かつ正確な情報開示に努めます。
(ロ) 情報開示は、投信法及び金融商品取引法並びに東京証券取引所及び投信協会等がそれぞれ定める内容、様式に従って行うとともに、法定開示事項以外にも投資主及び投資家にとって重要かつ有用な情報を、資産運用に支障が生じない限り開示します。
(ハ) 利害関係者又は本資産運用会社との取引の透明性を確保するために、利害関係者又は本資産運用会社と本投資法人との取引に関する情報の開示を行います。利害関係取引に関しては、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) レジデンシャル・リート本部利害関係取引規程 ③ 利害関係者との取引」をご参照下さい。
① 本投資法人の基本戦略
本投資法人は、グローバル化や金融商品化が進み、多様な要因による影響を受けやすくなった不動産投資市場において、「長期的に安定した賃貸収益の獲得」を目指すべく、主として、賃貸住宅等の主要な用途が居住用施設である不動産関連資産への投資を行います。賃貸住宅に代表される居住用施設は、他の用途の不動産と比較して、賃料の変動が小さく、テナントも分散されており、1物件当たりの規模も小さいためリスク分散を図りやすく、相対的にリスクが低い投資対象であると、本投資法人は考えています。
一方で、賃貸住宅等への投資が他の用途の不動産と比較して安定的な収益を見込めるとしても、変化の激しい不動産投資市場の中で安定した賃貸収益の獲得と資産規模の着実な成長を実現するためには、本投資法人は、不動産に関連するあらゆるトレンドを的確に把握の上、最適と考える投資機会及び収益機会を「柔軟」に追求し、迅速な情報収集と意思決定に基づき「機動的」に投資及び運用を行うことが重要であると考えています。
本資産運用会社のスポンサーであるケネディクス株式会社は、独立系不動産運用会社として不動産投資ファンドの組成及び運用を主たる事業として営んでおり、「柔軟性」と「機動性」をもった不動産投資運用を行うことを旨としています。
本投資法人は、ケネディクス株式会社の理念(独立系不動産運用会社として不動産投資家の立場に即し運用サービスを提供すること)と人材を受け継ぐ本資産運用会社に資産運用を委託し、「目利きを活かした着実な外部成長」、「効率的な収益マネジメント」及び「新しい取組みへの挑戦」という三つの基本戦略に基づき投資・運用を行います。賃貸住宅等の居住用施設への投資に際しては、地域の人口動態や経済見通し、人々のライフスタイルの変化、少子高齢化、晩婚化及び核家族化等の世帯構成の変化に伴う賃貸住宅への需要の変動、持家に対する考え方の変化等、不動産に関連するあらゆるトレンドを見極めることが重要であると考えています。本投資法人は、「柔軟性」と「機動性」をもった不動産投資運用を通じ、賃貸住宅等の居住用施設が有する特性を活かしながら、長期的に安定した賃貸収益の獲得を実現し、投資主価値の最大化を目指しています。
(イ) 目利きを活かした着実な外部成長
| 本投資法人は、投資対象を東京都心部及び主要駅へのアクセスが良い立地に所在する不動産や築年数が比較的浅い不動産に限定することなく、不動産投資運用のプロフェッショナルとして培った投資機会を選別する「目利き」を活かして幅広い投資領域の中から優良な投資機会を選別するとともに、物件獲得競争を回避しながら着実な外部成長を実現することを目指します。 |
本投資法人は、土地自体が有する潜在的な収益力、いわば「土地が人を惹きつける力(人に住みたいと思わせる力)」に着目した投資判断を重視しています。すなわち、まずは土地が人を惹きつける力を見極めた上で、「土地の特性に合致した住戸タイプ」(主として単身世帯を対象とするシングルタイプ、主として夫婦世帯及び乳幼児等がいる家族世帯を対象とするスモール・ファミリータイプ又は主として3人以上の家族世帯を対象とするファミリータイプの賃貸住宅等)で構成されている物件を投資対象としています。この土地が人を惹きつける力は、単に最寄り駅からの距離だけで測れるものではなく、また、住戸タイプも今後も増加が見込まれている単身世帯向けであれば良いというものでもなく、例えば、駅に近くても夜遅くまで喧騒が止まない場所よりは、最寄り駅から多少時間を要する距離にあっても閑静な住宅街の方が、ファミリータイプの安定的な需要が期待できると、本投資法人は考えています。かかる土地の評価に際しては、土地が人を惹きつける力を幅広い視点から分析すべく、具体的には以下の三つの投資尺度を用います。
■「地位(じぐらい)の高さ」
地位の高い土地とは、「歴史的に由緒があり成熟した場所」又は「政策的若しくは人為的に優良な住居地域として開発された場所」で、長期的に高い競争力を有する土地をいいます。
■「生活利便性の高さ」
生活利便性の高い土地とは、単に「最寄り駅までの至近性」や主要ターミナル駅・ビジネス街への「交通アクセスの良い土地」のみならず、周辺の商業施設や教育施設又は公園等の「生活周辺施設」が整備された土地をいいます。
■「特殊マーケットの有無」
特殊マーケットのある土地とは、一般的な賃貸需要に加え、「事業所、研究所、学校等の周辺」で、それらの施設の利用者による賃貸住宅への更なる安定した需要が見込まれる土地をいいます。
この観点から、本投資法人は、東京経済圏(東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県の主要都市をいいます。以下同じです。)はもちろん、東京経済圏以外の地域においても、賃貸住宅等について安定した需給バランスが見込まれ、投資対象として魅力ある土地が数多く存在すると考えています。本投資法人は、上記の投資尺度に基づき、東京経済圏や地方経済圏(政令指定都市を始めとする地方中核都市をいいます。以下同じです。)に所在する賃貸住宅等の居住用施設について、土地が人を惹きつける力を詳細に分析した上で、その立地特性に応じて、安定的な賃貸需要が見込まれる住戸タイプを見極めながら、積極的に投資を行います。
<本投資法人の投資領域の考え方>ケネディクス・グループは、私募ファンド等の運用を通じて、国内における賃貸住宅への投資を10年超にわたり行っています。ケネディクス・グループは、これまでの賃貸住宅への投資及び運用経験を通じて、有力住宅デベロッパーをはじめとした不動産等の取得のためのソーシング・ルートを日本全国に幅広く構築しており、ケネディクス・グループの過去の賃貸住宅に係る投資は、その多くが競争入札を介さない売主との相対取引となっています。また、ケネディクス・グループは、各地域ごとの賃貸住宅の立地特性及びテナント需要の把握に努めており、築年数・間取り等に応じた運用ノウハウ及び的確な投資判断を行うための独自の市況データ(未公開の不動産売買価格、NOI利回り、投資家名、契約賃料を含む賃貸条件など)を蓄積しています。
本投資法人は、かかるケネディクス・グループの日本全国における賃貸住宅への投資及び運用の経験を活かし、ケネディクス株式会社が独立系不動産運用会社として築いた不動産業界及び金融業界における全方位的なネットワークを通じて広く集まる情報(不動産売却情報、マーケット情報、テナント情報、周辺開発情報等)の提供を受け、これを分析し、不動産市場のトレンドを的確に把握した上で、幅広い投資領域の中から厳選された優良な投資機会を発掘し、迅速な意思決定に基づき、タイミングを捉えて資産の取得を行います。
(ロ) 効率的な収益マネジメント
| 本投資法人は、投資家の立場に即した効率的な賃貸運営を通じて、運用資産から得られる賃貸収益を最大化することで、資産価値の維持・向上を図ります。 |
物件のリーシング活動においては、サブマーケット(特定の不動産に固有の一定の特性に着目した需要層ごとに細分化された賃貸市場をいいます。)の動向を見極めた上で、リーシング実績を精緻に分析し、テナント需要の多い時期に重点的な広告宣伝活動を行うことにより新規需要の早期取込みを図ります。一方、高稼働物件においてはテナント募集費用の削減や礼金の取得を目指すなど、運用資産ごとの特性に応じた計画的かつ機動的な年間リーシング計画を策定し、当該計画に基づいたリーシングを行うことで、テナント入替期間の短縮、賃料水準の維持・向上を図ります。更に、ケネディクス・グループのこれまでの居住用施設への投資・運用実績を通じて蓄積されたノウハウを活用して、各運用資産に適した修繕計画を策定し、当該計画を適切に実施することで、入居者満足度の向上に結びつけ、稼働率及び資産価値の長期的な維持・向上を図ります。
また、効率的な物件管理による費用削減も継続的に進めていきます。具体的には、地域・立地ごとの効率的な物件管理を通じた建物管理費用の圧縮、ポートフォリオ全体のスケールメリットを活かした損害保険料の見直しによるコスト削減、特定優良リフォーム業者への原状回復工事集中発注による修繕費用の圧縮等を通じて費用の削減を図ります。
加えて、賃貸住宅等の運営・管理を手がけるPM会社の選定に際して、各PM会社の地域・立地及び都市ごと、賃料帯ごと、又はテナント層ごと(法人・個人)の得意分野を考慮し、物件ごとに最適と考えられるPM会社を採用します。ケネディクス・グループが有する幅広いPM会社との取引実績を活用し、本投資法人は、各物件の特性に合致した適切な運営・管理を行う能力を有するPM会社を個別に選定し、その上で、本投資法人が各PM会社の管理を一元的に行うことで賃貸住宅等の最適かつ効率的な運営・管理に努めます。
本資産運用会社のレジデンシャル・リート本部資産運用部は、ケネディクス・グループで居住用施設の運用を担当してきた主要な人材により構成されているため、本投資法人は、ケネディクス・グループが築いた賃貸住宅等の運営・管理ノウハウ及びPM会社との幅広いネットワークを活用することが可能です。また、本資産運用会社は、賃貸住宅等の取得及び運営・管理の経験を持った人材をケネディクス・グループ外からも招聘しており、これらの人材の知見も活用することにより、将来にわたり、地域・立地特性及びテナント需要の変化、ポートフォリオ全体の経年劣化、本投資法人の保有する不動産等の拡大に対して、適切に対応することができると考えています。
更に、ケネディクス・グループは、私募ファンドの運用を通じて、不動産市況の波を確実に捉えながら、投資家の立場に立って運用パフォーマンスの安定化・最大化を実現するべく、最適なタイミングで確実に運用物件を売却する機動力を確保することに注力しています。本投資法人においても、ケネディクス・グループで培われたそのノウハウを活用し、投資主利益の最大化のために、不動産市況を的確に見極めた機動的な個別資産の入替えを進める戦略的アセットマネジメントを遂行することにより、ポートフォリオ全体の収益性の維持・向上を実現し、運用資産からの収益の極大化を目指します。
(ハ) 新しい取組みへの挑戦
| 本投資法人は、その資産運用をケネディクス株式会社の理念(「独立系運用会社として不動産投資家の立場に即した運用サービスを提供すること」を指します。以下同じです。)と人材を受け継ぐ本資産運用会社に委託しており、本投資法人の目的である安定した賃貸収益の獲得と資産規模の着実な成長に資することを前提に、「機動性」と「柔軟性」をもった不動産投資運用を通じて、J-REITとして行うことができる新しい取組みにも挑戦していきます。 |
本投資法人は、本資産運用会社の役職員が有する不動産と金融の両分野における多様な経験と高い専
門的知識を活かし、前例や既成概念に囚われることなく、上場以降、例えば以下のような新しい取組み
への挑戦を行っています。本投資法人は、引き続きJ-REITとして行うことができる新しい取組みに挑戦
することで、環境の変化にいち早く対応し、投資主利益の最大化を目指します。
a. 住宅系J-REITとして初めてとなる底地物件への投資
上場時に取得した物件において、本投資法人と同様に賃貸住宅等を主たる投資対象とするJ-REIT
(以下「住宅系J-REIT」といいます。)としては初めてとなる底地物件への投資(ニチイホームたまプラーザ(底地)(注)及びコスモハイム元住吉(底地))を行い、介護付き有料老人ホームや社員寮といった施設運営者付き居住用施設のオペレーティング・リスクを抑制しながら投資を実行しました。
(注)ニチイホームたまプラーザ(底地)は、平成27年6月1日付で譲渡しており、本書の日付現在、本投資法人の保有資産ではありません。
b. 上場後の公募増資において発行済投資口の総口数を3.2倍にする大胆な資金調達を通じた資産規模の拡大と投資口市場流動性の向上
平成25年8月に実施した公募増資において、60物件(取得価格の合計68,556百万円)を取得するため
の資金の一部として、本投資法人は新投資口を166,182口(公募増資に併せて行われた第三者割当に係
る新投資口発行分を含みます。)発行しましたが、これにより本投資法人の発行済投資口の総口数は75,440口から241,622口へと3.2倍に増加しました。これは、J-REITが上場後に実行した公募増資としては、実施時点においては、前例のない発行済投資口の総口数の増加率であり、かかる公募増資による積極的な資金調達を行うことで資産規模を一気に拡大するとともに、本投資法人の投資口の市場流動性(東京証券取引所における売買金額)の向上を促すことに成功しました。
<ケネディクス株式会社の沿革>
| 年月 | 概要 |
| 平成 7年 4月 | ケネディ・ウィルソン・ジャパン株式会社を設立 |
| 平成14年 2月 | 大阪証券取引所ナスダックジャパン市場に株式を上場 |
| 平成14年10月 | 大阪営業所を設置 |
| 平成15年12月 | 東京証券取引所市場第二部に株式を上場 |
| 平成16年12月 | 東京証券取引所市場第一部銘柄に指定 |
| 平成17年 5月 | ケネディクス株式会社に商号変更 |
| 平成17年 5月 | 日本ロジスティクスファンド投資法人が東京証券取引所に上場 |
| 平成17年 7月 | ケネディクス不動産投資法人(現商号 ケネディクス・オフィス投資法人)が東京証券取引所に上場 |
| 平成19年 4月 | Challenger Kenedix Japan Trustがオーストラリア証券取引所に上場(平成22年2月付で非上場の私募ファンド化) |
| 平成22年 6月 | ケネディクス・グループにおける受託資産残高が1兆円(注)を突破 |
| 平成24年 4月 | ケネディクス・レジデンシャル投資法人が東京証券取引所に上場 |
| 平成25年10月 | ケネディクス・グループの組織再編を実施。3社(ケネディクス・レジデンシャル・パートナーズ株式会社、ケネディクス・アドバイザーズ株式会社、ケネディクス・オフィス・パートナーズ株式会社)が合併し、存続会社であるケネディクス・レジデンシャル・パートナーズ株式会社はケネディクス不動産投資顧問株式会社へ商号変更 |
| 平成26年 3月 | ケネディクス・プライベート投資法人が運用開始 |
| 平成26年10月 | プレミア投資法人の資産運用会社であるプレミア・リート・アドバイザーズ株式会社の発行済株式の30%を取得 |
| 平成27年 2月 | ケネディクス商業リート投資法人が東京証券取引所に上場 |
| 平成27年 7月 | ジャパン・シニアリビング投資法人が東京証券取引所に上場 |
(注)本書におけるケネディクス・グループにおける受託資産残高の記載については、以下の基準に基づき、ケネディクス株式会社にて受託資産残高を集計した数値を記載しています。
・ケネディクス・グループがアセットマネジメント業務を受託している不動産関連資産を対象とし、竣工前の開発物件は含みません。
・取得時の取得価格(税抜)で集計し、会計上の簿価を構成するものであっても取得付随費用及びバリューアッド費用(物件価値を上昇させるための資本的支出)等は含まず、億円未満を切り捨てて記載しています。
・ケネディクス・グループが一時的に自己勘定で取得し、アセットマネジメント業務を行っている不動産関連資産を含みます。また、ケネディクス・オフィス投資法人、ケネディクス・プライベート投資法人、ケネディクス商業リート投資法人、日本ロジスティクスファンド投資法人、プレミア投資法人及びジャパン・シニアリビング投資法人が保有する不動産関連資産も含みます。
<ケネディクス・グループの主要会社(本資産運用会社以外)>a. 私募ファンドビジネス
・ケネディクス株式会社
b. J-REITビジネス
・ジャパン・シニアリビング・パートナーズ株式会社
・三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社
・プレミア・リート・アドバイザーズ株式会社
c. 海外ビジネス
・Kenedix Asia Pte. Ltd.
・Kenedix Westwood, LLC
・KW Multi-Family Management Group, LLC
d. グループサポート、その他ビジネス
・ケネディクス・デベロップメント株式会社
・株式会社アセット・ワン
・株式会社クレス
・株式会社スペースデザイン
・ケネディクス・プロパティ・マネジメント株式会社
② 本投資法人の成長戦略
(イ) 不動産等の取得方法(外部成長戦略)
本投資法人は、前記「① 本投資法人の基本戦略 (イ) 目利きを活かした着実な外部成長」に記載のとおり、個々の投資対象不動産等の収益力や付加価値を付与することで顕在化する潜在的な収益力に着目する等して、幅広い投資領域から投資対象を選定します。また、不動産等の取得ソースとなる複数のパイプラインを構築することにより、継続的な不動産等の取得機会を確保し、ポートフォリオの着実な成長を目指します。
a. 本資産運用会社独自のネットワークによる不動産等の取得
本投資法人が資産の運用に係る業務を委託する本資産運用会社の役職員の多くは、不動産運用業務や金融業務に長年にわたり携わっており、また、本資産運用会社には、不動産鑑定士、一般社団法人不動産証券化協会による不動産証券化協会認定マスター、公認会計士、税理士、日本証券アナリスト協会による証券アナリスト、又は日本ファイナンシャル・プランナーズ協会によるファイナンシャル・プランナー等に認定されている者が在籍しています。
本投資法人は、本資産運用会社の役職員が有する多様な知識、経験及び高い専門性を活用の上、不動産及び金融の両分野で全方位的に展開される独立系ならではの幅広いネットワークに基づき、本資産運用会社独自の情報収集を不動産市場で行うことにより、着実な外部成長を目指します。
b. ケネディクス株式会社のサポートラインによる不動産等の取得
本投資法人及び本資産運用会社は、ケネディクス株式会社との間で、サポートライン覚書を締結しています。サポートライン覚書に基づき、本資産運用会社は、ケネディクス株式会社が保有又は運用業務を受託する主たる用途が居住用施設である不動産、不動産信託受益権、匿名組合出資持分及び不動産対応証券等(後記「⑤ 匿名組合出資持分又は不動産対応証券等への投資」に定義する意味を有するものとします。以下同じです。)(開発段階の不動産を含み、以下、本b.及び後記c.において「不動産等」と総称します。)について、本資産運用会社以外の者に遅れることなく購入を検討することができます。サポートライン覚書の内容については、後記「(ハ) ケネディクス株式会社のサポート」をご参照下さい。
c. ウェアハウジング機能を活用した機動的な不動産等の取得
本資産運用会社は、サポートライン覚書に基づき、本投資法人が取得を希望する不動産等について、ケネディクス株式会社に対して(i)不動産投資ファンドの組成及び当該ファンドでの不動産等の取得の依頼、並びに(ii)不動産等の取得及び一時的な所有の依頼をすることができ、ケネディクス株式会社は、本資産運用会社によるかかる依頼を誠実に検討します(かかるケネディクス株式会社による不動産等の一時的な取得を、以下「ウェアハウジング機能」といいます。)。本投資法人は、ウェアハウジング機能の活用により、資金調達の時期や投資基準との整合性等の理由で本投資法人が直ちに取得できない不動産等について、本投資法人の取得機会を優先的に確保し、機動的な取得機会の確保を図ります。ウェアハウジング機能の詳細については、後記「(ハ) ケネディクス株式会社のサポート」をご参照下さい。
なお、本投資法人は、ケネディクス株式会社及びその子会社等との間の取引について、利害関係取引の基準を定めた本資産運用会社の内部規程であるレジデンシャル・リート本部利害関係取引規程等に基づき、また、実際の運営面においても独立性を保つ等、コンプライアンスやガバナンスの体制に十分に注意して行います。レジデンシャル・リート本部利害関係取引規程の詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) レジデンシャル・リート本部利害関係取引規程」をご参照下さい。
(ロ) 保有不動産の運営管理方法(内部成長戦略)
本投資法人は、前記「① 本投資法人の基本戦略 (ロ) 効率的な収益マネジメント」に記載のとおり、投資家の立場に即して、本投資法人の保有に係る不動産(以下「保有不動産」といいます。)から得られる賃貸収益を厳格に管理することで、その維持・向上を図ります。保有不動産の具体的な運営管理の方法は、次のとおりです。
a. 収入の維持向上
本投資法人は、以下の施策を実行することにより、保有不動産の稼働率の向上を図り、もって収入の維持向上を目指します。
i. 保有不動産の特性及びテナントの属性に適した良質なサービスを提供し、テナントとのリレーションの充実を図ることにより、テナント満足度の向上を実現します。
ii. テナント動向を早期に把握し、賃貸市場の動向を見据えた機動的なリーシング活動に努めます。
iii. 運用資産に適した長期修繕計画を策定し、計画的な修繕及び設備投資を行うことにより、取得資産の価値や相対的な競争力を極大化することを目指します。
b. 運営・管理コストの低減
本投資法人は、妥当な管理水準の検証を定期的に行うと共に、運営・管理コストにつき低減策を検討・実行し、収益の極大化を目指します。管理水準の見直しや費用の低減は、収益の維持向上に必要と判断される水準とのバランスを勘案しながら決定します。
c. 地域特性に合わせたプロパティ・マネジメント業務の委託
本投資法人は、賃貸住宅への投資に際し、地域分散を図るため、地域特性を適切に把握することが必要となります。このため、各地域特性を熟知し地域に密着した独自のネットワークを有するPM会社を選定することが、収益の維持向上を図る上で非常に重要です。
本投資法人は、保有不動産の管理・運営に際し、経験及び実績、新規テナントの募集能力の高さ、各保有不動産の所在する周辺地域における不動産市場への精通度等を勘案し、収益の最適化を目的として、各保有不動産の特性に見合った最適と考えるPM会社を選定します。また、本投資法人は、各PM会社が、継続的に安定し、均質あるプロパティ・マネジメント業務を行えるよう、PM会社と長期的な協働関係を構築し、管理・運営ノウハウの蓄積を図ります。
d. ブランド戦略の推進
本投資法人は、原則として、「KDX Residence」(KDXレジデンス)というブランドにて、物件名称及び標識の統一を図り、ポートフォリオ全体において上質な統一感を醸成し、一体的な資産価値の維持向上を目指します。また、今般成長に伴い「KDX Residence」ブランドの物件数が大きく増加することにより、賃貸住宅市場におけるブランドの浸透が進むことも期待されます。なお、物件特性(例えば取得前の物件名称の認知度の高さ)や名称変更手続の煩雑さ等を理由として、保有不動産の一部において、「KDX Residence」ブランドに係る物件名称及び標識を使用しない場合があります。
(ハ) ケネディクス株式会社のサポート
本投資法人、本資産運用会社、ケネディクス株式会社は、主たる用途が居住用施設である不動産、不動産信託受益権、匿名組合出資持分及び不動産対応証券等(開発段階の不動産を含み、以下、本「(ハ) ケネディクス株式会社のサポート」において「不動産等」と総称します。)の情報提供並びに売買に係る方法及び手順等を定めることを目的として、サポートライン覚書を締結しています。
サポートライン覚書の概要は、以下のとおりです。なお、サポートライン覚書の内容は、不動産等のうち居住用施設について適用されます。
(注)スポンサー会社であるケネディクス株式会社は、平成26年10月30日付で、本投資法人と一部投資対象が重複するJ-REITであるプレミア投資法人の資産運用を受託しているプレミア・リート・アドバイザーズ株式会社の発行済株式の一部(持株割合30%)を取得しており、また、ジャパン・シニアリビング投資法人の資産運用を受託しているジャパン・シニアリビング・パートナーズ株式会社の発行済株式の60%を保有する、同社の親会社でもあります。なお、本投資法人及び本資産運用会社は、サポートライン覚書に基づき、ケネディクス株式会社が入手した不動産等の売却情報を、本資産運用会社以外の者に対する提供に遅れることなく提供を受けることができるため、かかる株式の取得及び保有に伴う本投資法人の物件取得機会への影響は、特段無いものと判断しています。
a. ケネディクス株式会社による不動産等の供給面でのサポート
i. ケネディクス株式会社が入手した不動産等売却情報の提供
ケネディクス株式会社は、サポートライン覚書の各当事者以外の者により保有又は運用される不動産等の売却情報(以下、本「(ハ) ケネディクス株式会社のサポート」において「不動産等売却情報」といいます。)を自ら入手した場合において、当該不動産等が本投資法人の投資基準に合致すると合理的に判断した場合には、本資産運用会社以外の者に対する提供に遅れることなく、当該不動産等売却情報を本資産運用会社に対して提供します。ただし、ケネディクス株式会社が締結している諸契約若しくは合意又は法令等により、本資産運用会社に対する情報提供が禁止される場合はこの限りではありません。
ii. ケネディクス株式会社の自己投資不動産等の売却
ケネディクス株式会社は、自己、自己が全額出資する法人、自己が全額投資するファンド(匿名組合を含みますがこれに限られません。)若しくは自己が全額出資する法人が全額投資するファンド(匿名組合を含みますがこれに限られません。)にて所有し、又は取得する予定である不動産等(後記「c. ケネディクス株式会社によるウェアハウジング」に記載の本資産運用会社からのウェアハウジングの依頼に基づき所有する不動産等を除きます。)の売却を検討する場合において、当該不動産等が本投資法人の投資基準に合致すると合理的に判断した場合には、本資産運用会社以外の者に対する提供に遅れることなく、当該不動産等売却情報を本資産運用会社に対して提供します。ただし、ケネディクス株式会社が締結している諸契約若しくは合意又は法令等により、本投資法人に対する売却が禁止される場合はこの限りではありません。
iii. ケネディクス株式会社の私募ファンドからの不動産等の売却
ケネディクス株式会社は、自己がアセットマネジメント業務を受託する不動産投資ファンド(後記「b. ウェアハウジングファンドからの不動産等の売却」に記載のウェアハウジングファンドを除きます。)が所有する不動産等を売却する場合において、当該不動産等が本投資法人の投資基準に合致すると合理的に判断した場合には、本資産運用会社以外の者に対する提供に遅れることなく、当該不動産等売却情報を本資産運用会社に対して提供します。ただし、ケネディクス株式会社が締結している諸契約若しくは合意又は法令等により、本資産運用会社に対する情報提供が禁止される場合はこの限りではありません。
b. ウェアハウジングファンドからの不動産等の売却
本資産運用会社は、サポートライン覚書の各当事者以外の者により保有又は運用される不動産等につき、将来における本投資法人での取得機会の確保を目的として、ケネディクス株式会社に不動産ファンドの組成を依頼することができます。ケネディクス株式会社は、本資産運用会社から当該依頼を受けた場合には、これを誠実に検討します。
ケネディクス株式会社は、本資産運用会社による当該依頼を承諾した場合、自己がアセットマネジメント業務を受託する不動産ファンド(以下「ウェアハウジングファンド」といいます。)を組成し、ウェアハウジングファンドで当該依頼に係る不動産等を取得します。
ケネディクス株式会社は、ウェアハウジングファンドが所有する不動産等(以下「ウェアハウジングファンド不動産」といいます。)を売却する場合、以下の売却手続に従います。
i. ケネディクス株式会社は、ウェアハウジングファンド不動産の本投資法人への売却を本資産運用会社に対して優先的に申し入れます。
ii. ケネディクス株式会社は、上記i.の本資産運用会社への売却申入れ後、本資産運用会社とウェアハウジングファンド不動産の売買条件について誠実に協議します。
iii. ケネディクス株式会社は、上記ii.の協議においてウェアハウジングファンド不動産の売買について合意に至らなかった場合等、一定の事由(以下「第三者売却事由」といいます。)に該当することとなった場合には、ウェアハウジングファンド不動産の売却を本資産運用会社以外の者に申し入れる旨を本資産運用会社に通知した上で、ウェアハウジングファンド不動産の売却を第三者に申し入れることができます。
前段の売却手続や第三者売却事由の詳細については、組成されるウェアハウジングファンドごとに個別に定めた上で、サポートライン覚書の各当事者及びウェアハウジングファンドの間で別途合意します。
c. ケネディクス株式会社によるウェアハウジング
本資産運用会社は、サポートライン覚書の各当事者以外の者により保有又は運用される不動産等につき、将来における本投資法人での取得機会の確保を目的として、その取得及び一時的な所有をケネディクス株式会社に依頼することができます。ケネディクス株式会社は、本資産運用会社から当該依頼を受けた場合は、これを誠実に検討します。
ケネディクス株式会社は、本資産運用会社による当該依頼を承諾した場合、ケネディクス株式会社又はケネディクス株式会社が全額出資する法人において当該依頼に係る不動産等を取得します。
ケネディクス株式会社が本資産運用会社による当該依頼に基づき不動産等を取得した場合、取得日から1年間、本資産運用会社以外の者に対し当該不動産等の売却その他の処分の申入れをしてはならず、また、かかる期間内に本資産運用会社が本投資法人による取得を申し出た場合、これに応じなければなりません。
d. その他の事項
サポートライン覚書の有効期間は、サポートライン覚書の締結日から1年間とされています。サポートライン覚書は、いずれかの当事者が有効期間満了日の30日前までに他の全覚書当事者に対して期限の更新をしない旨の書面による通知を行わない限り、更に1年間、同一の条件にて自動更新され、以後も同様とします。また、サポートライン覚書に基づく情報提供等の結果、本投資法人が不動産等を取得する場合における媒介報酬の有無及びその金額については、法令、通常の商慣習及び役務提供の内容に基づき、個別の案件に応じて別途協議により定めます。
本資産運用会社は、本投資法人の他に、ケネディクス・オフィス投資法人、ケネディクス・プライベート投資法人、ケネディクス商業リート投資法人その他のアセットマネジメント業務を受託する不動産投資ファンド等に対して資産運用に関する業務を提供しており、ケネディクス株式会社及び本資産運用会社は、ケネディクス・オフィス投資法人、ケネディクス・プライベート投資法人、ケネディクス商業リート投資法人その他のアセットマネジメント業務を受託する不動産投資ファンド等との間で、上記と同様のサポートライン覚書を締結しています。
また、サポートライン覚書においては、サポートライン覚書に基づきケネディクス株式会社より提供を受けた不動産等売却情報及びウェアハウジングされた不動産等について、本資産運用会社が善良なる管理者の注意をもって忠実に、取得を検討した上で本投資法人による取得を見送る判断をした場合、取得見送り不動産等を本投資法人以外の各ファンドにおいて検討し、当該他の各ファンドがこれに基づいて取得見送り不動産等を取得することがあることをあらかじめ了承するものとされています(ただし、本資産運用会社は、当該他の各ファンドが取得見送り不動産等を取得した場合において、当該取得見送り不動産等が本投資法人が買付証明書を提出したものであったときは、遅滞なくこれを本投資法人に報告するものとされています。)。
なお、本資産運用会社は、恣意的な不動産等売却情報の配分を防止し、各ファンド間における利益相反を防止し、各ファンドに対する業務の忠実性を確保することを目指して「パイプライン会議」を設置し、「優先検討権」に関するルールを採用しています。当該ルールの詳細については、前記「1 投資法人の概況 (4) 投資法人の機構 ③ KDR資産運用業務に係る投資運用の意思決定に関する事項 (ハ) 各ファンド間における利益相反の防止(優先検討権の概要)」をご参照下さい。
(ニ) 商標使用許諾契約
本投資法人及び本資産運用会社は、ケネディクス株式会社との間で商標使用許諾契約を締結し、ケネディクス株式会社が保有する商標を無償で使用することについて許諾を受けています。
③ ポートフォリオ構築方針
(イ) 用途
本投資法人は、以下の要素等を勘案し、賃貸住宅に加えて、社宅、学生寮及び学生マンション等の住居系不動産、高齢化社会への移行に伴い安定した需要が見込まれる高齢者向け住宅、サービスアパートメント、短期滞在型マンションその他の独自の運営組織とノウハウ、サービス提供が必要な主たる用途を居住用施設とする不動産等、並びに、上記に定める建物が存在する借地権が設定された土地(底地)等に分散投資を行い、収益の安定化を目指します。
a. 不動産市場における流通性及び取引市場規模
b. 不動産マーケット情報の整備度合い
c. テナント層(単身者、ファミリー等)の分散確保
本投資法人が、高齢者向け住宅等の独自の運営組織とノウハウを必要とする不動産等に投資を行う場合には、直接的であるか間接的であるかを問わず原則として専門のオペレーターに一括賃貸するとともに、以下の手法等によりリスクマネジメントを実施します。
ⅰ) オペレーターの事業環境、運営状況、入居一時金保全状況の確認を含む財務状況のモニタリングによるオペレーターのクレジット・リスクの管理
ⅱ) バックアップオペレーターの設置によるオペレーターへの依存リスクの低減
ⅲ) 底地のみに投資することによるオペレーターのクレジット・リスクの軽減並びに施設に係る設備投資及び修繕のためのコスト増大リスクの回避
本投資法人の用途別投資比率(取得価格ベース)の目標は、以下のとおりです。
| 用途 | 投資比率目標 | ||
| 区 分 | 賃貸住宅 | 賃貸可能面積の過半が住宅用途である賃貸住宅 | 80%~100% |
| 施設運営者 付き住宅 | 賃貸可能面積の過半が住宅用途であるサービスアパートメント、高齢者向け住宅、社宅、学生寮・学生マンション、短期滞在型マンション等 | 0%~20% | |
| その他 | 上記に定める建物が所在する借地権が設定された土地(底地)等 | 0%~20% | |
本投資法人は、オフィスビル、商業施設、物流・倉庫施設、アミューズメント及びゴルフ場を投資対象外とします。また、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。その後の改正を含みます。)第2条第5項に定める性風俗関連特殊営業店も投資対象外とします。
(ロ) 地域
本投資法人は、国内最大の経済・人口集積エリアである東京経済圏に所在する不動産等、並びに地域経済や不動産マーケットの変動、地震及び台風等の自然災害、人口変動等の地域偏在リスクの軽減を目的として、地方経済圏に所在する不動産等に分散投資を行います。
本投資法人の地域別投資比率(取得価格ベース)の目標は、以下のとおりです。
| 地域 | 投資比率目標 | ||
| 区 分 | 東京経済圏 | 東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県の主要都市 | 50%以上 |
| 地方経済圏 | 政令指定都市を始めとする地方中核都市 | 50%以下 | |
(ハ) 規模
本投資法人は、次の要素等を勘案し、以下に記載する投資規模の基準目標に従って不動産等への投資を行います。
a. 不動産市場における流通性
b. 不動産の規模別の分散確保
c. テナント層(単身者、ファミリー等)の分散確保
d. 運営管理面での投資経済性
本投資法人の取得価格における最低投資規模及び最高投資規模の基準目標は、以下のとおりです。
| 区分 | 取得価格 | |
| 最低投資規模 | 賃貸住宅、施設運営者付き住宅 | 1投資物件当たり 3億円以上 |
| その他 | 1投資物件当たり 1億円以上 | |
| 最高投資規模 | 当該不動産等の取得後の取得価格の合計に対する当該不動産等の取得価格の比率の上限は20%とする。 | |
ただし、投資対象不動産等が当該最低投資規模の基準を充足しない場合であっても、以下のいずれかに該当する場合には、当該不動産等を取得することがあります。
a. 複数の不動産等を一括で取得する際に、最低投資規模の基準を下回る取得価格の不動産等が含まれる場合
b. 投資基準に合致する不動産等の取得条件交渉を行った結果、鑑定評価額は最低投資規模の基準を上回るものの、取得価格が最低投資規模の基準を下回る場合
(ニ) 耐震性(地震対策)
本投資法人は、原則として新耐震基準(昭和56年に改正された建築基準法に基づく建物等の耐震基準をいいます。以下同じです。)に適合している不動産等又はそれと同水準以上の耐震性能を有している不動産等に投資します。
(ホ) 環境・地質等
本投資法人は、原則として、建物状況調査報告書(エンジニアリング・レポート)において、有害物質の使用及び管理状況について問題が指摘されておらず、土壌汚染の恐れがないことが調査により確認できている不動産等に投資を行います。ただし、当該条件を充足しない場合であっても、対応工事を行うことで当該条件を充足することができる場合には投資することがあります。
(ヘ) 運用期間
本投資法人は、原則として中長期的観点から不動産等を取得し、短期売買目的の取得を行いません。ここで、短期とは1年未満の期間を、中期とは1年以上5年以下の期間を、長期とは5年を超える期間をいいます。
ただし、保有不動産等について以下のいずれかに該当する事象が発生した場合には、取得後間もない保有不動産等であっても売却を検討及び実行することがあります。
a. 本投資法人のポートフォリオの構築上、売却を行うことが本投資法人の中長期的な戦略から見て適切であると判断される場合
b. 平均的な実勢価格を超える購入価格を提示する購入希望先が現れた場合等、売却を行うことが本投資法人の収益獲得に寄与する場合
c. 経済情勢の著しい変化又は災害等による建物の毀損若しくは劣化等により、当初想定した賃貸事業収支の確保が困難となり、追加的な措置によっても回復の見込みがないと判断される場合
④ 個別投資基準
本投資法人は、中長期にわたり安定した収益を確保することを目的として、以下の投資基準に従い、不動産等を取得します。
| 立地 | 地域、規模等の特性に応じた地域分析や個別分析を行い、投資対象地域を「地位の高いエリア」、「生活利便性重視エリア」及び「その他エリア」における「特殊マーケット・エリア」の三種類のセグメントに分類した上で、これらを総合的に勘案して投資判断を行います。 | ||
| 住戸タイプ | 原則として、以下の基準に合致する不動産等を対象とします。ただし、複数の不動産等を一括で取得する際に、以下の基準を満たさない不動産等が一部含まれる場合には、当該不動産等を取得できるほか、高齢者向け住宅等、以下の基準を適用することが相当でないと判断される物件については、それぞれの用途に合致した住戸タイプを有すると判断される不動産等を取得することができます。 主な用途:賃貸住宅 | ||
| (i) | シングルタイプ(主として単身世帯を対象とする住宅) | ||
| ・主たる住戸の1戸当たり専有面積が18㎡以上30㎡未満であり、かつ、1棟当たりの住戸数が20戸以上であるもの。 | |||
| (ii) | スモール・ファミリータイプ(主として夫婦世帯及び乳幼児等がいる家族世帯を対象とする住宅) | ||
| ・主たる住戸の1戸当たり専有面積が30㎡以上60㎡未満であり、かつ、1棟当たりの住戸数が15戸以上であるもの。 | |||
| (iii) | ファミリータイプ(主として3人以上の家族世帯を対象とする住宅) | ||
| ・主たる住戸の1戸当たり専有面積が60㎡以上であり、かつ、1棟当たりの住戸数が5戸以上であるもの。 | |||
| 設備・仕様 | 以下をはじめとする項目が、地域又はそれぞれの用途における標準的水準以上の仕様と判断される不動産等又は標準的水準以上の仕様に変更可能な不動産等を対象とします。 | ||
| |||
| 遵法性 | 都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)(以下「都市計画法」といいます。)、建築基準法等、関連する諸法令を遵守している不動産等(既存不適格物件を含みます。)を対象とします。ただし、諸法令を遵守していない不動産等のうち、取得後、是正可能な不動産等に関しては、投資対象とすることがあります。 | ||
| 構造 | 鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造又は鉄骨造の不動産等を対象とします。 | ||
| テナント | 不動産等のテナントに関しては、以下の事項を総合的に勘案の上、投資対象とする不動産等を選別します。なお、不動産等のテナントにおいて、本投資法人の取得済不動産等と同一のテナントがある場合には、当該テナントがポートフォリオ全体の賃料収入に占める比率にも配慮します。 | |
| (i) | テナントの信用情報、賃料支払状況 | |
| (ii) | テナントの業種(法人テナントの場合)、使用目的、契約内容 | |
| (iii) | テナント入替の可能性等 | |
| 権利関係 | 原則として、敷地も含めた一棟の建物全体に係る独立した所有権を取得できる不動産等を対象とします。ただし、以下の各形態の不動産等についても、各々に定める検証を行った上で投資対象とすることがあります。 | |
| (i) | 共有物件 | |
| ・ 管理運営の自由度を確保するため、共有持分割合が50%超であることを原則としますが、他の共有者の属性や信用力、不動産等の特性等を総合的に判断し、個別に投資判断を行います。 ・ 処分の自由度を確保するため、共有者間協定等による共有者間の優先買取権や譲渡制限等の有無、内容等を確認します。 ・ 収益の安定性を確保するため、他の共有者の属性や信用力等を十分確認の上、仕組み上の手当て(共有物不分割特約の締結、登記の具備や敷地の相互利用に関する取決めを含みますが、これらに限りません。)を講じます。 | ||
| (ii) | 区分所有建物及び敷地 | |
| ・ 管理運営の自由度を確保するため、区分所有議決権が50%超であることを原則としますが、他の区分所有者の属性や信用力、不動産等の特性等を総合的に判断し、個別に投資判断を行います。 ・ 処分の自由度を確保するため、管理規約等による区分所有者間での優先買取権や譲渡制限等の有無、内容を確認します。 ・ 収益の安定性を確保するため、管理組合の運営状況(積立金、負債比率、付保状況等)を確認し、必要に応じて独自の手当て(本投資法人内の積立額増額、管理組合とは別途の共用部付保や敷地権の登記の具備を含みますが、これらに限りません。)を講じます。 | ||
| (iii) | 借地権付建物 | |
| ・ 原則として、借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。)(以下「借地法」といいます。)又は借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)(以下「借地借家法」といいます。)に基づく借地権を投資対象とします。 ・ 底地権者の属性を慎重に検討し、地代の改定、借地契約更新時の更新料、建替え時の承諾料又は売却の際の承諾料等が収益性に与える影響を考慮の上、投資判断を行います。 | ||
| 権利関係 | (iv) | 借地権が設定された土地(底地) |
| ・ 借地権者の属性や賃料負担能力の有無等を慎重に検討し、借地契約期間満了後の収益確保の見通しも踏まえて総合的に投資判断を行います。 | ||
| (v) | 境界 | |
| ・ 隣接地との境界確認が未了の不動産等については、隣接地の所有者の属性、境界確認が未了である理由、現地の状況等を確認し、投資物件の収益性や権利の安定性に与える影響を考慮した上で投資判断を行います。 | ||
| (vi) | 用益権や越境物等 | |
| ・ 第三者に対する地上権又は地役権等の用益権が設定されている不動産等については、その内容や権利者の属性を確認し、投資物件の収益性や権利の安定性に与える影響を考慮した上で投資判断を行います。 | ||
| ・ 隣接地からの越境物が存在する物件、又は隣接地への越境物が存在する物件については、越境物の内容、越境物の所有者の属性、越境物が存在する理由、覚書締結の有無等を確認し、投資物件の収益性や権利の安定性に与える影響を考慮した上で投資判断を行います。 | ||
| (vii) | その他 | |
| ・ 借家権は、不動産等を取得する際に付随して取得が必要となる場合を除き、原則として投資対象としません。 ・ 抵当権等の担保権が設定されている不動産等は、原則として投資対象としません。不動産等の取得の検討の際に、担保権の有無や購入時の担保権抹消の可能性等を確認します。 | ||
| 開発案件 | 原則として、安定的な賃貸事業収入又はこれに類する収入が現に生じている又は生じる見込みがある不動産等を投資対象とします。 第三者が開発中又は建設中である不動産等については、賃貸マーケットの状況又は賃貸借予約契約等により竣工後のテナントの確保が十分可能であり、建物竣工及び建物引渡し後のリスクが極小化されている場合には、建物竣工前においても投資対象とすることがあります。 本投資法人が土地を取得し、開発又は建物の建築を行う開発案件への投資は行いません。 | |
| 現物不動産と信託受益権の選択 | 不動産等の取得にあたり、現物不動産の形態で取得するか、信託設定を行った上で信託受益権の形態で取得するかは、現所有者の意向、取得時の流通コスト、取得後の管理コスト等を総合的に勘案して判断を行います。 | |
不動産等の取得にあたっては、対象不動産等の収益性調査、市場調査、法的調査、鑑定評価等の詳細な調査(デューデリジェンス)を実施します。各種調査及び鑑定評価については、専門性、客観性、透明性の観点から、利害関係を有しない独立した外部業者へ調査を委託します。
⑤ 匿名組合出資持分又は不動産対応証券等への投資
本投資法人は、(i)不動産に関する匿名組合出資持分、(ii)不動産対応証券、(iii)特定社債券、(iv)不動産等又は不動産対応証券に投資することを目的とする特定目的会社又は特別目的会社その他のこれらに類する形態の法人等に対する貸付債権その他の金銭債権又は(v)信託財産を(i)から(iv)までに掲げる資産に対する投資として運用することを目的とする金銭の信託の受益権(本⑤において、以下「匿名組合出資持分又は不動産対応証券等」と総称します。)に投資する際には、主として以下の(イ)及び(ロ)の基準に従います。
(イ) 総額基準
当該投資後において、匿名組合出資持分又は不動産対応証券等に対する投資額の合計が、本投資法人の総資産額の10%以内となること。
(ロ) 投資対象資産基準
匿名組合出資持分又は不動産対応証券等の発行者又は債務者(以下本⑤において「発行者等」といいます。)が直接に、又は信託受託者を通じて間接に保有している不動産について、以下のa.及びb.の双方を充足すること。
a. 本投資法人の投資方針及び投資基準に合致していること。
b. 発行者等が売却する際に、本投資法人において取得機会が得られること。
⑥ 運営管理方針
(イ) 運用計画の策定
本資産運用会社は、本投資法人の営業期間ごとに「年度運用計画」を策定し、計画的な資産運用を行います。年度運用計画は、保有不動産ごとの収支計画を踏まえて、ポートフォリオ全体及び本投資法人全体の収支計画により構成され、コンプライアンス委員会及びKDR運用委員会の審議及び決議を経て、各営業期間開始後2か月以内に策定されます。レジデンシャル・リート本部長は、年度運用計画が策定された場合には、取締役会への報告後直ちに本投資法人の役員会に提出し、承認を得ます。
本資産運用会社は、保有不動産ごと及びポートフォリオ全体について、収支実績を随時検証します。月次又は期中の収支予算と実績に著しい乖離が見られる等、年度運用計画の見直しが必要と判断される場合には、速やかに修正運用計画を策定します。
不動産等の取得又は売却、市場環境の変化等、保有不動産及びポートフォリオ全体の状況に大きな変化が生じた場合についても、適宜、年度運用計画の修正や見直しを行います。
(ロ) 運営管理のモニタリング
本資産運用会社は、前記「(イ) 運用計画の策定」に基づき策定された「年度運用計画」を基に、保有不動産の賃貸運営、建物管理、修繕・改修等の各方面から、プロパティ・マネジメント業務の状況を本資産運用会社内でモニタリングします。
プロパティ・マネジメント業務のモニタリングを所管する本資産運用会社のレジデンシャル・リート本部資産運用部は、概ね以下の事項に関する確認及び対応策等についての業務報告会を、PM会社との間で定期的(原則として毎月)に開催し、計画に沿った運営管理を実行・維持するための協議を行います。
a. 収支実績及び予算との対比
b. 稼働率の状況
c. 既存テナントの動向(賃料等の回収・延滞状況、テナントからの要望・苦情等の有無とその対処状況、賃貸借契約の更新・解約等の動向等)
d. 周辺地域における賃貸市場の動向
e. 新規テナント募集活動の状況(入居検討先、募集条件、空室期間等)
f. 建物管理の状況(躯体や設備の維持管理状況、法定定期点検の実施状況等)
g. 修繕工事の実施状況及び予算との対比
h. 今後必要な修繕工事及び大規模改修工事の計画
i. 収益向上及び経費削減に向けた方策の検討
j. その他、協議が必要と考えられる事項
⑦ 付保方針
(イ) 損害保険
災害及び事故等による建物の損害及び収益の減少、対人及び対物事故による第三者からの損害賠償請求によるリスクを回避するため、保有不動産の特性に応じ適切な損害保険(火災保険・賠償責任保険・利益保険等)を付保します。
(ロ) 地震保険
個別の不動産のPML値(注)が20%を超過する場合又は個別の不動産が加わることによりポートフォリオ全体のPML値が10%を超過する場合には、災害による影響と保険料負担等とを総合的に比較した上で、地震保険の付保を検討します。
(注) 「PML値」とは、地震による予想最大損失率(Probable Maximum Loss)を意味し、個別の不動産に関するものと、ポートフォリオ全体に関するものとがあります。PML値についての統一された厳密な定義はありませんが、本書においては、想定した予定使用期間(50年=一般的建物の耐用年数)中に想定される最大規模の地震(再現期間475年、50年間に起こる可能性が10%の大地震)によりどの程度の被害を被るかを、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率(%)で示したものをいいます。
(ハ) 引受保険会社の保険格付
引受保険会社の保険格付は、付保時点においてムーディーズ・ジャパン株式会社によるA3以上又はスタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社によるA-以上であることを基準とします。
(ニ) 引受保険会社の選定
引受保険会社の選定にあたっては、保険代理店を通じて複数の保険会社の条件を検証し、適切な選定を行います。
⑧ 修繕及び設備投資の方針
(イ) 中長期にわたり安定的な収益を確保することを目的として、保有不動産の競争力の維持・向上につながる効率的な修繕計画を保有不動産ごとに作成し、修繕及び設備投資を行います。
(ロ) 修繕及び設備投資については、原則として、ポートフォリオ全体での合計額がポートフォリオ全体の減価償却費合計額の範囲内となるように実施します。ただし、ポートフォリオ全体の競争力を維持・向上させるために必要と判断される多額の支出や緊急性を要する多額の支出が発生する場合には、財務政策上支障のない範囲で、ポートフォリオ全体の減価償却費合計額を超える額の修繕及び設備投資を行うことがあります。
(ハ) テナントのライフスタイルの変化への対応、主たるテナント層の変更による新規需要獲得等、中長期にわたる収益の維持向上を目的として、営業戦略上有用と判断される専有部及び共用部のリニューアルを検討及び実施します。
(ニ) 本投資法人は、原則として新耐震基準に適合している不動産等に投資を行いますが、耐震補強が必要と判断される保有不動産については、当該保有不動産の運用状況に配慮しつつ、補強工事を速やかに検討及び実施し、地震による損失リスクの低減に努めます。
⑨ 売却方針
中長期にわたり安定的な収益を確保するという本投資法人の基本方針に基づき、原則として中長期的観点から投資を行いますが、必要に応じて保有不動産等の売却検討を行います。その場合、当該保有不動産等の現状における収益力並びにマーケット動向を踏まえた将来的な収益見通し及び資産価値の増減等を総合的に勘案し、ポートフォリオ全体における当該保有不動産等の存在意義を判断した上で、当該保有不動産に関する売却方針を決定します。
保有不動産等の売却にあたっては、より高い価格での売却が実現できるよう、競争入札方式の導入、有力不動産仲介業者の活用等の方策を検討します。また、購入検討先の属性や購入資金調達状況、購入目的等の調査を行い、不測のトラブルの回避を図ります。
⑩ 財務方針
(イ) 財務の基本指針
本投資法人は、中長期にわたる安定的な収益の確保及び運用資産の持続的な成長を目的として、以下の基本指針に基づき、計画的かつ機動的な財務戦略を立案し、かつ実行します。
a. 調達面:資産の取得、設備投資、分配金の支払、本投資法人の運営資金又は債務の返済(敷金及び保証金の返還、借入金の返済、投資法人債の償還を含みます。)等の諸資金の手当てを目的として、安定的な長期資金と機動的な短期資金とを効率よく組み合わせた調達を行います。
b. 運用面:資金の安全性、流動性及び効率性を重視した運用を行います。
(ロ) 資金調達:エクイティ
投資口の追加発行は、本投資法人の総資産額に対する借入金及び投資法人債の合計額の割合(以下「有利子負債比率」といいます。)や不動産等の取得時期等を勘案した上で、投資口の希薄化にも配慮しつつ実行します。
(ハ) 資金調達:デット
a. 資金の借入れは、以下の方針に基づき行います。
i. 金利変動リスクを軽減するため、長期・短期の借入期間、固定・変動の金利形態等のバランスを図ります。
ii. リファイナンスリスク(資金再調達リスク)を軽減するため、返済期限や借入先の分散を図ります。
iii. 借入先は、金融商品取引法第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)に限ります。
iv. 借入先の選定にあたっては、借入期間、金利、担保提供の要否、手数料等の諸条件につき複数の金融機関と交渉し、マーケット水準とも比べながら、その内容を総合的に考慮して効率的な資金調達を図ります。
v. 各種必要資金の機動的な調達を目的として、極度貸付枠設定契約やコミットメントライン契約等、事前の借入枠設定又は随時借入予約契約の締結を必要に応じて検討します。
vi. 借入れに際しては、無担保・無保証を原則としますが、円滑な資金調達を目的として、本投資法人の保有不動産等を担保として提供する場合があります。
b. 投資法人債の発行は、長期かつ安定的な資金調達と調達先の分散を目的として行います。
c. デット調達における借入期間、金利形態等については、年度運用計画において定めます。
d. 借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ1兆円とし、かつ、その合計額が1兆円を超えないものとします。
e. 本投資法人は、後記「(2) 投資対象 ① 投資対象とする資産の種類 (ハ) j.」に記載の市場デリバティブ取引に係る権利及び後記「(2) 投資対象 ① 投資対象とする資産の種類 (ハ) k.」に記載の店頭デリバティブ取引に係る権利への投資については、本投資法人に係る負債から生じる金利変動リスク、その他のリスクをヘッジすることを目的としたものに限って行います。
f. 有利子負債比率は、原則として60%を上限とします。ただし、資産の取得に伴い、一時的に60%を超えることがあります。
(ニ) 資金運用
a. 本投資法人の固有勘定内及び不動産信託の信託勘定内に存する本投資法人に帰属する余剰資金は、無利息型の普通口座(預金保険制度により全額保護の対象となる普通預金)又はムーディーズ・ジャパン株式会社の短期債務格付がP-2以上である銀行の普通預金口座、定期預金口座又は譲渡性預金口座に預け入れます。
b. 本投資法人は、原則として、余剰資金を以下の項目に対して支出することができます。なお、規約において、安全性及び換金性を重視した上で有価証券及び金銭債権(後記「(2) 投資対象 ① 投資対象とする資産の種類 (ハ) d.」及び同「f.」に掲げる有価証券及び金銭債権をいいます。以下、本b.において同じです。)への投資ができることとされていますが、当面は運用を目的とした有価証券及び金銭債権への投資は行いません。
i. 不動産関連資産の取得又は設備投資等
ii. 本投資法人の運営資金
iii. 分配金の支払
iv. 債務の返済(敷金及び保証金の返還、借入金の返済、投資法人債の償還を含みます。)
c. 保有不動産の賃貸に際して受領する敷金又は保証金等の預り金の取扱いは、原則として前記a.に従います。ただし、ヒストリカルデータの蓄積やコミットメントラインの導入等、預り金返還の安全性が確保できると判断した場合は、資金効率の観点から前記b.に従い支出することがあります。
⑪ 情報開示方針
(イ) 資産運用に関する情報については、投資主及び投資家の理解が得られるよう、可能な限り迅速かつ正確な情報開示に努めます。
(ロ) 情報開示は、投信法及び金融商品取引法並びに東京証券取引所及び投信協会等がそれぞれ定める内容、様式に従って行うとともに、法定開示事項以外にも投資主及び投資家にとって重要かつ有用な情報を、資産運用に支障が生じない限り開示します。
(ハ) 利害関係者又は本資産運用会社との取引の透明性を確保するために、利害関係者又は本資産運用会社と本投資法人との取引に関する情報の開示を行います。利害関係取引に関しては、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) レジデンシャル・リート本部利害関係取引規程 ③ 利害関係者との取引」をご参照下さい。