有価証券報告書(内国投資証券)-第18期(令和2年9月1日-令和3年2月28日)
(1)リスク要因
以下において、本投資法人の投資口(以下「本投資口」といいます。)及び投資法人債(以下「本投資法人債」といいます。)への投資に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。但し、以下は本投資口及び本投資法人債への投資に係るすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。以下における不動産に関する記述は、不動産を主たる信託財産とする信託の受益権(以下「不動産信託受益権」といいます。)その他の不動産関連資産についてもほぼ同様に当てはまりますが、資産としての種類の違いに応じて、この他にも発生する可能性のあるリスクがあります。また、本書に記載の事項には、特に本投資法人及び資産運用会社の目標及び意図を含め、将来に関する事項が存在しますが、別段の記載のない限り、これらの事項は本書の日付現在における本投資法人及び資産運用会社の判断、目標、一定の前提又は仮定に基づく予測等であって、不確実性を内在するため、実際の結果と異なる可能性があります。
本投資法人は、可能な限りこれらのリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分であるとの保証はありません。
| 以下に記載するリスクが現実化した場合、分配金の額が低下し、又は本投資口若しくは本投資法人債の市場価格が下落する可能性があり、その結果、各投資家が投資した金額を回収できなくなる可能性があります。 各投資家は、自らの責任において、本項及び本書における本項以外の記載事項を慎重に検討した上で本投資口及び本投資法人債に関する投資判断を行う必要があります。 |
① 一般的なリスク
A.投資口・投資証券の商品性に係るリスク
B.投資口又は投資法人債の市場性に係るリスク
C.投資口の払戻しがないことに係るリスク
D.投資口又は投資法人債の価格の変動に係るリスク
E.投資口の希薄化に係るリスク
F.金銭の分配に係るリスク
G.投資法人債の償還・利払いに関するリスク
H.総資産に対する有利子負債の比率に係るリスク
I.投資法人の資金調達に係るリスク
J.投資主の権利が株主の権利と同一でないことに係るリスク
K.投資法人の法律上、税制上、その他諸制度上の取扱いに係るリスク
② 投資法人の関係者及び仕組みに係るリスク
A.業務委託に係るリスク
B.資産運用会社に係るリスク
C.投資法人の登録取消リスク
D.投資法人の倒産リスク
E.GLPグループへの依存に係るリスク
F.売買予約契約及びOptimal Takeout Arrangement (OTA)に基づく物件取得等が想定通りに行えないリスク
③ 不動産に係るリスク
A.不動産の流動性に係るリスク
B.投資対象を物流施設に特化していることによるリスク
C.不動産の偏在に係るリスク
D.不動産の瑕疵及び契約不適合に係るリスク
E.土地の境界等に係るリスク
F.建物の毀損・滅失・劣化に係るリスク
G.建築基準法等の規制に係るリスク
H.有害物質に係るリスク
I.不動産の所有者責任に係るリスク
J.共有物件に係るリスク
K.借地権に係るリスク
L.仮換地及び保留地に係るリスク
M.売主の倒産等の影響に係るリスク
N.専門家報告書等に係るリスク
O.マーケットレポートへの依存に関するリスク
P.収入及び支出に係るリスク
Q.PM会社に係るリスク
R.テナント集中に係るリスク
S.敷金及び保証金に関するリスク
T.転貸に係るリスク
U.マスターリースに係るリスク
V.フォワード・コミットメント等に係るリスク
W.地球温暖化対策に係るリスク
X.固定資産の減損に係る会計基準の適用に係るリスク
Y.太陽光発電設備が付帯した物件に係るリスク
Z.底地物件に関するリスク
④ 不動産信託受益権に係るリスク
A.信託受益者として負うリスク
B.不動産信託受益権の流動性に係るリスク
C.不動産信託受託者の破産等の倒産手続に係るリスク
D.不動産信託受託者の信託違反に伴うリスク
E.不動産信託受益権の準共有等に係るリスク
⑤ 税制に係るリスク
A.導管性要件に係るリスク
B. 多額の法人税等の発生により配当可能利益の額の90%超を配当できないリスク
C. 利益が計上されているにもかかわらず資金不足により配当が十分にできないリスク
D. 借入れに係る導管性要件に関するリスク
E. 同族会社に該当するリスク
F. 投資口を保有する投資主数に関するリスク
G.投資口の国外募集に関するリスク
H.税務調査等による更正処分のため、追加的な税負担が発生するリスク及び導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
I.不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
J.一般的な税制の変更に係るリスク
K.会計処理と税務処理との不一致により税負担が増大するリスク
⑥ その他
A.匿名組合出資持分への投資に関するリスク
① 一般的なリスク
A.投資口・投資証券の商品性に係るリスク
投資口又は投資証券は、株式会社における株式又は株券に類似する性質を持ち、投資金額の回収や利回りの如何は、投資法人の収益又は財産及び業務の状況に影響され、譲渡による換価時点において投資金額以上の金額の回収を図ることができるか否かは定かではありません。
投資口に対して投下された投資主からの投資金額については、いかなる保証も付されておらず、また、投資口は金融機関の預金等と異なり、預金保険等の対象ではありません。
したがって、投資法人につき、投資主総会での決議等に基づく通常の清算手続が開始され又は倒産手続により清算される場合、投資主は、投資法人のすべての債権者への弁済の後でなければ、投資口の払戻しを受けることはできません。特に倒産手続に基づく清算の場合には、債権の弁済後の投資法人の資産が投資口すべての投資金額に不足し、投資主が投資金額を回収できない可能性があります。
B.投資口又は投資法人債の市場性に係るリスク
本投資法人の資産総額の減少、本投資口の売買高の減少その他により、東京証券取引所の定める有価証券上場規程に規定される不動産投資信託証券の上場廃止基準に抵触する場合には、本投資口の上場が廃止されます。本投資口の上場市場における売却が困難又は不可能となった場合には、本投資口の売却を希望する投資主は、相対による売却による他なく、本投資口を希望する時期や売却価格を含む条件で換価できないか、全く換価できない可能性があり、これにより損害を被る可能性があります。
また、投資法人債は一般に上場されないことから、流動性は低く、希望する時期や価格で売却することができず、その償還期限前に換金することが困難となる可能性があり、これにより損害を被る可能性があります。
C.投資口の払戻しがないことに係るリスク
本投資口については、投資主からの請求による払戻しは行われません。したがって、投資主が本投資口を換価するためには、これを売却することが必要となります。本投資口の売却が困難となった場合には、希望する時期や売却価格を含む条件で換価できないか、全く換価できない可能性があり、これにより損害を被る可能性があります。
D.投資口又は投資法人債の価格の変動に係るリスク
投資口及び投資法人債の譲渡価格や当初の投資金額については、いかなる保証も付されていません。投資口の市場価格は、金利動向や為替相場等の金融環境の変化に影響されることがあるほか、投資口の売買高及び需給バランス、不動産投資信託証券以外の金融商品に対する投資との比較における優劣、不動産投資信託証券市場以外の金融商品市場の変動、市場環境や将来的な景気動向、感染症の拡大(パンデミック)等によって左右され、場合によっては大幅に変動することがあります。また、金利上昇局面においては、投資口の分配金利回りの魅力が相対的に低下し、投資口の市場価格が下落する可能性があります。また、投資法人債についても、金利動向や不動産市場その他の市場環境、信用格付の変更等によりその価値が変動し、取得価格を下回るおそれがあります。また、投資口及び投資法人債は、不動産投資信託証券市場の動向、不動産市場の趨勢、不動産賃貸市場の需給バランス、不動産の賃貸需要を左右することのある経済の全般的状況、法制又は税制の変更等、不動産関連市場を取り巻く要因による影響を受けることもあります。
特に、感染が世界的に拡大している新型コロナウイルスの影響により、経済活動は停滞し、不動産投資信託証券の市場価格も影響を受けています。今後、新型コロナウイルス感染症が更に拡大し、又はその影響が長期間にわたる場合には、経済活動の抑制又はその長期化が生じ、金融商品市場や本投資口の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
また、投資口が取引所において一時的に大量に売却される場合、投資口の市場価格が大幅に下落する可能性があります。
E.投資口の希薄化に係るリスク
投資法人は、その事業遂行のために必要に応じて資金を調達しますが、その資金調達が投資口の追加発行により行われる場合には、既存の投資主が有する投資口の投資法人の発行済投資口の総口数に対する割合が希薄化し、また、投資口1口当たりの純資産額の減少等のため投資口の投資利回りが低下し、投資口の価値が下落する可能性があります。また、期中において投資口が追加発行される場合、その期の投資口保有期間にかかわらず、既存の投資口と同額の金銭の分配がなされるため、既存の投資口への分配額に影響を与える可能性があります。さらに、今後、投資口の追加発行がなされる場合、市場における投資口の需給バランスに悪影響を与える場合があり、その結果、投資口の価格が悪影響を受けるおそれがあります。
F.金銭の分配に係るリスク
本投資法人は本書記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、本投資法人による金銭の分配の有無、金額及びその支払は、いかなる場合においても保証されるものではありません。想定している不動産等の取得又は売却が行われない場合やその時期に変更が生じた場合、資産から得られる賃料収入の低下、保有資産の売却による損失や減損損失、建替えに伴う除却損等の損失の発生、現金不足等が生じた場合などには、予想されたとおりの分配を行えない可能性があります。
また、本投資法人は、利益の範囲内で行う金銭の分配に加え、前記「2 投資方針 / (3)分配方針 / ② 利益を超える金銭の分配」に記載の方針に従い、利益を超える金銭の分配を行います。
毎期継続的な利益を超える金銭の分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し)を行うに当たり、本投資法人では、保有資産の競争力の維持・向上に向けて必要となる資本的支出の金額及び本投資法人の財務状態に十分配慮して、その実施及び金額を決定することとし、当面の間は当該分配を実施する計算期間の直前の計算期間に計上された減価償却費相当額の100分の30に相当する金額を目処として分配を行う予定です。
しかしながら、上記の方針にかかわらず、経済環境、不動産市場の動向、保有資産の状況及び財務の状況等によっては、利益を超える金銭の分配(税法上の出資等減少分配に該当する出資の払戻し)の額が上記の目処を下回る可能性や、利益を超える金銭の分配を一切行わない可能性があり、この場合には、投資主が利益を超える金銭の分配を踏まえて期待した投資利回りを得られない可能性があります。また、利益を超える金銭の分配の実施は手元資金の減少を伴うため、突発的な事象等により本投資法人の想定を超えて資本的支出等を行う必要が生じた場合に手元資金の不足が生じる可能性や、機動的な物件取得にあたり資金面での制約となる可能性があります。
また、本投資法人は、GLPグループの開発力を活用したバリューアップ工事等の実施を検討する場合があり、これに関連して一時的に賃料収入の減少や建物取壊費用等が発生することに伴い利益分配金額が減少する可能性があります。かかる施策の実施を含む建物若しくは設備等の除却や大規模修繕又は新投資口の発行等の資金調達等に伴い一時的な1口当たり分配金額が一定程度減少することが見込まれる場合においては、分配金水準の安定性の維持を目的とした一時的な利益超過分配を実施する方針を採用していますが、かかる一時的な利益超過分配の実施は、保有資産の競争力の維持・向上に向けて必要となる資本的支出の金額及び本投資法人の財務状態に十分配慮して決定することとしており、実際にかかる利益超過分配を実施する保証はありません。
さらに、投資法人の利益を超える金銭の分配に関する投資信託協会の規則等につき将来新たな改正が行われる場合には、改正後の投資信託協会の規則等に従って利益を超える金銭の分配を行う必要があることから、これを遵守するために、利益を超える金銭の分配の額が本書記載の方針による金額と異なる可能性や、利益を超える金銭の分配を一時的に、又は長期にわたり行うことができなくなる可能性があります。
G.投資法人債の償還・利払いに関するリスク
本投資法人の信用状況の悪化その他の事由により、本投資法人債について元本や利子の支払が滞ったり、支払不能が生じるおそれがあります。
H.総資産に対する有利子負債の比率に係るリスク
本投資法人の総資産に対する有利子負債の比率(LTV)は、60%を上限の目処としつつ、当面は45%~55%を目標とする安定的な水準で運営していく方針です。しかしながら、資産の取得等に伴い一時的にかかる水準を超えることがあります。本投資法人のLTVの値が高まれば高まるほど、一般的に、分配可能金額が金利変動の影響を受け易くなり、その結果投資主への分配金額が減少するおそれがあります。
I.投資法人の資金調達に係るリスク
本投資法人は、本書記載の投資方針に従い、継続的に適格機関投資家からの借入れ及び投資法人債の発行による資金調達を行います。本投資法人が資金調達を行う場合、借入れ及び投資法人債の発行の条件は、その時々の金利実勢、本投資法人の収益及び財務状況、一般的な経済環境のほか、投資法人債に係る信用格付、貸付人の自己資本比率規制その他の法的・経済的状況等の多くの要因に従って決定されるため、本投資法人が必要とする時期及び条件で機動的に借入れ又は投資法人債の発行を行うことができる保証はありません。
なお、借入れについて返済期限が到来した場合に、同一の借入先からほぼ同一の条件で新規の借入れを行う借り換えについても、かかる借り換えができないことや、金利、担保提供、財務制限条項等の点でより不利な条件での借入れを余儀なくされることがあります。
借入れについては、貸付人の保全措置の一環として、他の債務のための担保提供の制限、本投資法人の収益状況や財務状態が一定の条件を下回った場合における担保の提供及びキャッシュ・リザーブ積立額の付加その他の一定資産の留保、一定の財務指標を基準とした追加借入制限、資産取得の制限、投資主への分配に係る制限、その他本投資法人の収益状況や財務状態及び業務に係る約束や制限(以下「財務制限条項」といいます。)が課されることがあります。このような約束や制限が本投資法人の運営に支障をもたらし、又は投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、借入れに当たり、本投資法人は、保有する資産又はその原資産の全部又は一部を資金の貸付人に対して担保に供することがあります。この場合、本投資法人は、被担保債権を弁済しない限り、担保対象たる資産を処分し、又は不動産たる建物の建替等を行うに当たり、貸付人の承諾を取得する等の制限を受けることとなります。その結果、本投資法人が必要とする時期や売却価格を含む条件で資産や不動産を処分できないおそれがあります。なお、本書の日付現在、本投資法人が借入先に対して担保に供している資産はありませんが、本投資法人が借入先との間で締結する金銭消費貸借契約には上記のような一般的な財務制限条項が設けられています。さらに、本投資法人の資産の売却等により借入資金の期限前返済を行う場合には、期限前返済コスト(違約金等)が発生する場合があります。この場合、このコストはその発生時点における金利情勢によって決定される場合がある等、予測し難い経済状況の変更により投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
本投資法人が資金を調達しようとする場合には、借入れのほか、投資法人債若しくは短期投資法人債の発行又は投資口の追加発行の方法によることがあります。投資口の追加発行により資金調達を行う場合、投資口の発行時期及び価格はその時々の市場価格により左右され、場合により、本投資法人の希望する時期及び条件でこれを発行することができないおそれがあります。また、投資法人債又は短期投資法人債の発行を行う場合、一般に、様々な財務制限条項や誓約事項が規定されます。かかる財務制限条項等に抵触する場合、本投資法人は投資法人債又は短期投資法人債についての期限の利益を喪失することがあります。
また、本投資法人は、中長期的に安定的な財務基盤を構築するため、強固なバンクフォーメーションの構築、長期・固定化の進展及び返済期限の分散化を図る方針ですが、これらの財務方針が実現できる保証はなく、また意図した効果をもたらす保証もありません。
J.投資主の権利が株主の権利と同一でないことに係るリスク
本投資法人の投資主は、投資主総会を通じて、一定の重要事項につき本投資法人の意思決定に参画できるほか、本投資法人に対して一定の権利を行使することができますが、かかる権利は株式会社における株主の権利とは同一ではありません。例えば、金銭の分配に係る計算書を含む本投資法人の計算書類等は、役員会の承認のみで確定し(投信法第131条第2項)、投資主総会の承認を得る必要はなく、投資主総会は決算期毎に招集されるわけではありません。また、投資主総会に出席せず、かつ議決権を行使しないときは、当該投資主はその投資主総会に提出された議案(複数の議案が提出された場合において、これらのうちに相反する趣旨の議案があるときは、当該議案のいずれをも除き、また、投信法第104条第1項(役員及び会計監査人の解任)、第140条(規約の変更)(但し、みなし賛成に関連する規定の策定又は改廃に限ります。)、第143条第3号(解散)、第205条第2項(資産の運用に係る委託契約の解約に対する同意)又は第206条第1項(資産の運用に係る委託契約の解約)に係る議案を除きます。)について賛成するものとみなされます(投信法第93条第1項、規約第15条第1項、同条第2項)。さらに、本投資法人は、資産の運用に係る業務その他の業務を資産運用会社その他の第三者に委託しています。これらの要因により、投資主による資産の運用に係る業務その他の業務に対する統制が効果的に行えない可能性もあります。
K.投資法人の法律上、税制上、その他諸制度上の取扱いに係るリスク
投資法人に関する法律上、税制上、その他諸制度上の取扱い若しくは解釈が大幅に変更され、又は新たな法律が制定される可能性があり、それに伴い、本投資法人の現在の運用方針、運営形態等の変更が必要となる可能性があります。その結果、本投資法人の存続、収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 投資法人の関係者及び仕組みに係るリスク
A.業務委託に係るリスク
投資法人は、資産の運用以外の行為を営業として行うことができず、使用人を雇用することはできません。資産の運用については、投資法人は、「資産運用会社にその資産の運用に係る業務の委託をしなければならない」こと(投信法第198条第1項)となっています。また、投信法には、投資法人が、「資産保管会社にその資産の保管に係る業務を委託しなければならない」こと(投信法第208条第1項)、並びにその資産の運用及び保管に係る業務以外の業務に係る事務であって投信法第117条に定めるものを、投信法施行規則で定めるところにより他の者に委託しなければならないことが定められています。したがって、投資法人の業務全般が円滑に執行されるか否かは、資産運用会社、資産の保管に係る業務の委託を受けている資産保管会社及び投資法人の投信法第117条に定める事務の委託を受けている一般事務受託者の能力や信用性に依拠することになります。
金商法上、資産運用会社は投資運用業の登録が必要とされており、また、投信法上、資産保管会社は一定の要件を満たす法人に資格が限定されており、一般事務受託者については、投資法人の設立時及び設立後に新たに行う一般事務受託者との契約締結時に、不適当な者でないことの調査が執行役員及び監督役員により行われています。しかし、それぞれの業務受託者において、業務遂行に必要とされる人的・財産的基盤が今後も維持されるとは限らず、かかる人的・財産的基盤が損なわれた場合には、業務遂行が十分に行われず、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者の業務遂行は適正に行われることが必要であるため、金商法及び投信法上、これらの者はそれぞれ、投資法人に対して善管注意義務を負い、また、投資法人のため忠実義務を負いますが、そのいずれかが職務遂行上、善管注意義務又は忠実義務に反する行為を行った場合は、結果として投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。
投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、資産運用会社は、より詳細な投資方針を定める運用ガイドライン又はこれに類する投資方針に係る社内規程を、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、投資法人の投資主の意思が反映されないまま、運用ガイドラインが変更される可能性があります。
その他、資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者のそれぞれが、破産手続又は会社更生手続その他の倒産手続等により業務遂行能力を喪失する場合においては、投資法人はそれらの者に対する債権の回収に困難が生じるおそれがあり、更に資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者との契約を解約し又は解除することが求められることがあります。そのような場合、投資法人は、投信法上、資産の運用、資産の保管及び一般事務に関しては第三者へ委託することが義務付けられているため、日常の業務遂行に影響を受けることになります。また、委託契約が解約又は解除された場合には、新たな資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託者を選定し、これらの者に対して上記各業務を委託することが必要とされます。しかし、投資法人の希望する時期及び条件で現在と同等又はそれ以上の能力と専門性を有する第三者を選定し、上記各業務及び事務を委託できるとの保証はなく、そのような第三者を速やかに選定できない場合には、投資法人の収益等が悪影響を受けるおそれがあります。また、適切な資産運用会社を選定できない場合には、東京証券取引所の有価証券上場規程によりその投資口が上場廃止になる可能性もあります。
B.資産運用会社に係るリスク
投信法上、投資法人は、資産の運用行為しか行えず、また資産運用会社にその資産の運用に係る業務を委託しなければならないため、投資法人の資産の運用成果は、資産の運用に係る業務を行う資産運用会社の業務遂行能力に依拠することになります。資産運用会社についての主なリスクは以下のとおりです。
(イ)資産運用会社の運用能力に係るリスク
資産運用会社は、投資法人に対し善管注意義務を負い、また、投資法人のために忠実義務を負いますが、資産運用の結果に対して何らの保証を行うものではありません。また、金商法上、資産運用会社は投資運用業の登録が必要であり、金融庁等の監督官庁による監督を受けており、その信用力の維持には一定限度の制度的な裏付けがありますが、金商法はその運用能力まで保証するものではありません。監督官庁により金融商品取引業者としての登録の取消しを含む処分等がなされた場合には、投資法人の資産運用業務にも影響が生じ、結果として投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
投資法人は、一般的には運用能力の不足する資産運用会社を解任することができますが、他方、投資法人は、投信法上、資産の運用に係る業務を資産運用会社に委託しなければならないため、解任するまでに後任の資産運用会社の選定が必要になります。かかる選定に時間を要することがあり、その期間中は、能力不足と判断された資産運用会社による運用資産の運用が続くことになります。また、後任の資産運用会社が適切な運用能力を有することが保証されているわけでもありません。それらの場合には、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ロ)資産運用会社の行為に係るリスク
資産運用会社は、投資法人に対し善管注意義務を負い、また、投資法人のために忠実義務を負いますが、更に資産運用会社の行為により投資法人が損害を被るリスクを軽減するため、金商法において資産運用会社の業務遂行に関して行為準則が詳細に規定されています。
しかしながら、資産運用会社が、行為準則に反し、又は法定の措置を適正に取らない場合には、投資主に損害が発生するリスクがあります。
その他、投資法人の資産運用会社に関し、その株主、その役職員の出向元企業又はその関係会社等といった関係者が、投資法人の資産又は不動産について、その取得又は運用に関する取引に関与する可能性があります。また、金商法上、資産運用会社自身による投資活動は禁止されていません。そのような場合、上記のとおり、金商法により一定の行為が禁止され、その結果、投資法人、ひいては投資主の利益が害されないように法的な規制はなされていますが、個別具体的には、実質的にどのような基準でこれらの取引がなされた場合に金商法の規制が遵守されたかが一義的には明らかではなく、したがって、結果として資産運用会社が自己又は第三者の利益を図るため、投資法人の利益を害することとなる取引を行わないとの保証はありません。
C.投資法人の登録取消リスク
投資法人は、資産の運用を行うために投信法に基づき投資法人としての登録を受けますが、一定の事由が発生した場合、かかる登録を取り消される可能性があります。登録が取り消されると、本投資口の上場が廃止されるとともに、投資法人は解散することとなります。投資法人が解散し、清算する場合には、投資主又は投資法人債権者は、当初の投資金額の回収を期待できない可能性があります。
D.投資法人の倒産リスク
投資法人は、一般の法人と同様に、その資産を超える負債を有する状態となる可能性があります。投資法人は現行法上の倒産手続として破産法、民事再生法及び投信法上の特別清算手続に服します。投資法人につき、これらの倒産手続を回避するための特別の制度や保証はありません。
投資法人におけるこれらの法的倒産手続により、投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。
E.GLPグループへの依存に係るリスク
本投資法人は、当初ポートフォリオのすべてをGLPグループから取得したほか、本書記載の投資方針のとおり、今後もGLPグループのバリューチェーンを積極的に活用していく方針です。具体的には、GLPグループが所有し、本投資法人の投資基準に適合すると考えられる物流施設について、将来における当該物件の取得機会確保の観点から売買予約契約を締結することが有用であると判断するときには、売買予約契約を締結することがあります。加えて、GLPグループが国内において保有する他の物流施設(GLPファンド物件等を除きます。)を対象とする追加の売買予約契約の締結に向け誠実に協議する旨合意しています。また、日本GLP株式会社とのスポンサー・サポート契約に基づき、マーケットリサーチ、物件取得業務の補助、運用物件の運営・管理に関する助言等の業務支援及び物流施設の売却情報の提供を受けることができることとなっています。さらに、本投資法人は、原則としてGLPのグループ会社である日本GLP株式会社を運用資産のPM会社に選定する方針です。上記の他、本投資法人は、前記「2 投資方針 / (1)投資方針 / ②成長戦略 /A. 外部成長 / (ハ)GLPファンド物件の取得機会の活用」に記載のとおり、GLPファンドが開発・保有する先進的物流施設の取得を、本投資法人の外部成長の柱の一つと位置付けています。
また、GLPは、本書の日付現在、そのグループ会社を通じて、本投資法人の投資口169,440口(発行済投資口の総口数の3.9%)を保有しており、大口投資主として本投資法人の運営に一定の影響を及ぼし得るほか、資産運用会社の株式のすべてを間接的に保有しており、同社の役職員のうち大半はGLPグループの出身者であることから、GLPグループは、資産運用会社を通じて本投資法人の資産運用に重大な影響を及ぼしており、また、資産運用会社の人材はGLPグループからの人材供給に相当程度依存しています。したがって、本投資法人がGLPグループとの間で、本書の日付現在と同様の関係を維持できなくなった場合等には、本投資法人に重大な悪影響が及ぶ可能性があります。
また、運用資産の取得を含む本投資法人とGLPグループとの間の取引においては、本投資法人と資産運用会社とは利益相反の関係にあり、PM業務やその他の業務支援においても、GLPグループが、自己又はその顧客の利益を図るために本投資法人の投資主又は投資法人債権者の利益に反する行為を行う可能性があります。GLPグループは、日本国内において、GLPグループが保有する物流施設、及びGLPファンドが保有する物流施設を管理・運営しており、また、今後も日本国内において物流施設の開発若しくは取得を行い、又はその管理・運営を受託する場合があります。これらの物流施設を含むGLPグループが保有し、又はGLPファンドが保有し、管理・運営する物流施設等と、本投資法人の保有する物流施設が、テナントリーシング等において競合する可能性があります。かかる利益相反リスクに対する対策については、後記「(2)投資リスクに関する管理体制」をご参照ください。本投資法人及び資産運用会社は、これらの対策を含む投資主又は投資法人債権者の利益を害することがないよう適切と考えられる体制を整備していますが、これらの体制及び対策にもかかわらず、GLPグループが本投資法人の利益に反する取引を行った場合には、投資主又は投資法人債権者に損害が発生することがあります。
F.売買予約契約及びOptimal Takeout Arrangement (OTA)に基づく物件取得等が想定通りに行えないリスク
本投資法人は、GLPグループが保有する一定の物流施設につき、将来本投資法人が一定期間内に予約完結権を行使することにより当該物流施設を取得できることを内容とする売買予約契約を締結することがあります。この場合、本投資法人が将来予約完結権を行使して、対象物件の取得を希望するか否かは、その時点における本投資法人の財務状況、ポートフォリオ構成、資金調達条件等の諸要素を勘案して判断されます。また、売買予約契約の対象物件が予約完結権行使の時点において本投資法人の投資基準に適合するとの保証はありません。さらに、予約完結権行使時における当該物件の直近の鑑定評価額(予約完結権の行使に先立つ6ヶ月以内の日を基準日とする鑑定評価額とします。)が売買金額を下回り、その乖離率が利害関係人取引規程に基づき設定された乖離許容率を超過する場合には、本投資法人は予約完結権を行使しないこととしています。
本投資法人が予約完結権を行使するか否かはこれらの将来における諸要因に応じて決定されることとなるため、本投資法人が売買予約契約を締結した場合においても、本投資法人が売買予約契約に基づく予約完結権を行使し、対象物件の一部又は全部を購入するとの保証はありません。本投資法人が定められた期間内に予約完結権を行使しなかった場合には、手付金は返還されないこととなります。
なお、本投資法人は、その財務状況、対象となる物件の状況その他の諸般の状況に鑑み、GLPグループが所有し、本投資法人の投資基準に適合すると考えられる物流施設について、将来における当該物件の取得機会確保の観点から売買予約契約を締結することが有用であると判断するときには、GLPグループに対して新たな売買予約契約の締結を申し入れることがありますが、GLPグループがかかる申し入れに応じて売買予約契約の締結が実現するとの保証はありません。また、GLPとの間で締結した物件情報提供契約において、GLPは、本投資法人が締結済みの売買予約契約に基づく予約完結権の全部又は一部を行使した場合には、GLPグループが国内において保有する他の物流施設(GLPファンドが保有する物流施設等を除きます。)を対象とする追加の売買予約契約の締結に向け誠実に協議する旨合意していますが、かかる合意は、追加の売買予約契約の締結をGLPに義務づけるものではなく、誠実協議を行った結果追加の売買予約契約が締結できるとの保証はありません。
また、本投資法人は、前記「2 投資方針 / (1)投資方針 / ②成長戦略 /A. 外部成長 / (ハ)GLPファンド物件の取得機会の活用」に記載のとおり、GLPファンドが開発・保有する先進的物流施設の取得を、本投資法人の外部成長の柱の一つと位置付けていますが、GLPファンドが保有する物件を売却する場合に本投資法人又は資産運用会社がその取得につき優先的に情報提供を受け、交渉する機会を提供されることについて契約上の保証はありません。なお、GLPは、2020年8月に、先進的物流施設に対して投資するオープンエンド型私募ファンドであるGLP Japan Income Fund(以下「JIF」といいます。)を設立し、2020年10月より関東圏及び関西圏に立地する先進的物流施設を当初ポートフォリオとして運用を開始しています。GLPファンドにはGLPグループ以外の第三者が出資しており、GLPファンド側の事情やJIFの運用によりGLPファンドからの物件取得戦略に一定の影響を及ぼすこととなる可能性があります。また、そのような事情がない場合であっても、本投資法人が期待通りにGLPファンドの開発・保有物件を取得できず、本投資法人の外部成長に寄与しない可能性があります。
また、本投資法人は、前記「2 投資方針 / (1)投資方針 / ②成長戦略 /A. 外部成長 / (ヘ)ブリッジスキームを活用した将来の物件取得機会の確保」に記載のとおり、一定の取得期間中の本投資法人が指定する日に物件を取得する権利又は取得に係る優先交渉権を有し、取得する時期によっては取得価格を一定程度逓減させることができることとするような取り組みとして、「Optimal Takeout Arrangement (OTA)」と称する契約形態での売買契約の締結又は優先交渉権の取得を行っており、かかる取り組みを、優良物件の取得機会を確保するためのブリッジスキームの一つとして位置付け、外部成長戦略の一つとしています。しかしながら、OTAが売買契約による場合には、定められた期間中に本投資法人が取得義務を負うこととなることから、後記「③ 不動産に係るリスク / V.フォワード・コミットメント等に係るリスク」に記載のリスクがあり、また、優先交渉権を取得しているに過ぎない場合には、本投資法人が優先交渉権を行使した場合であってもOTA対象資産を取得できる保証はなく、また、取得する場合においても、本投資法人がOTAによって企図した取得価格の逓減が実現できる保証はありません。
なお、資産運用会社の社内規程である利害関係人取引規程に基づき、本投資法人がGLPグループから不動産を取得する場合の取得価格は、鑑定評価額に資産運用会社の投資委員会が定める一定の乖離許容率を乗じた額を上乗せした額が上限となり、かつ当該乖離許容率は10%を超えてはならないこととされています。一般に市場価格が鑑定評価額に反映されるまでには一定のタイムラグがあること、特に不動産の市場価格が上昇している局面では、鑑定評価額が実勢市場価格を下回る傾向にあることから、GLPグループからの取得が困難となるおそれがあります。
③ 不動産に係るリスク
本投資法人が投資対象とする不動産及び不動産信託受益権の信託財産である不動産については、以下のリスクがあります。
A.不動産の流動性に係るリスク
不動産は、それを譲渡する場合、流通市場の発達した有価証券と比較すると、相対的に流動性が低いという性格を有します。また、売買時に相当の時間と費用をかけてその物理的状況や権利関係等を詳細に調査する(デュー・ディリジェンス)こともあります。デュー・ディリジェンスの結果、当該不動産の物理的状況や権利関係等について重大な欠陥や瑕疵等が発見された場合には、流動性が低下したり、売買価格が下落する可能性があります。その他、不動産もそれ以外の資産と同様、経済変動等によりその市場価格は変動します。
また、物件取得競争が激化するなど市場環境の動向や、投資採算の観点から、希望した価格や時期その他の条件での物件取得ができず、又は物件取得資金を調達できない等の事情により、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考えるポートフォリオの実現や、物件の取得による外部成長を達成できない可能性があります。
さらに、本投資法人が不動産を取得した後にこれらを処分する場合にも、投資採算の視点から希望どおりの価格や時期その他の条件で売却できない可能性があります。これらの結果、本投資法人の投資方針に従った運用ができず、本投資法人が悪影響を受ける可能性があります。
B.投資対象を物流施設に特化していることによるリスク
前記「2 投資方針 / (1)投資方針」記載のとおり、本投資法人は、先進的物流施設について引き続き底堅い需要が継続するものと考えており、主として先進的物流施設に対して投資を行っていく方針です。しかしながら、3PL事業の拡大及び電子商取引市場の拡大等の先進的物流施設に対する需要を高めていると考えられる要因に変動が生じ、あるいは先進的物流施設の供給が想定以上に増加し競合状況に変動が生じる可能性があり、先進的物流施設について希少性が高く需要が供給を上回る状態が今後も持続するとは限りません。その場合、本投資法人の収益に悪影響が生じる可能性があります。
また、本投資法人は、上記以外にも主たる投資対象を物流施設とすることに伴う特有のリスクを抱えています。
例えば、運用資産の周辺の市街地化により、共同住宅・戸建住宅や学校・病院等の公益施設の建設が近隣で行われ、周辺環境が変動し、テナントの操業に支障が発生することがあります。その結果、テナント需要が後退し、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、現状の船舶、鉄道、航空機、自動車による物流輸送の役割が、技術革新や、インフラの利便性の変化、環境関連法規の制定による規制等により大きく変化し、それぞれを主要な輸送手段とする物流施設の役割が衰退することとなった場合、当該物流施設のテナント需要が低下する可能性があります。さらに、本投資法人が投資対象としている物流施設には海外への輸出又は海外からの輸入拠点として使用される物件も含まれることから、それらの物件のテナント需要は、為替相場や経済情勢にも左右される可能性があります。
また、景気減速により消費者行動が影響を受ける結果、テナントの事業及びその物流施設に対する需要が悪影響を受けるなど、物流業界全体における全般的な景気が悪化した場合、本投資法人の収益に悪影響が生じる可能性があります。
さらに、今後も物流市場の変化、電力供給不足等による施設の稼働状況、テナントの事業活動への支障が生じること等により、本投資法人の収益に悪影響が生じる可能性があります。
物流施設スペースの供給過剰若しくは需要の低下又は賃料水準の低下等物流施設に関する市況悪化により物流施設が不採算となる可能性や、他の物流施設との競争の状況、物流施設への潜在的テナントの誘致力並びに既存物流施設の保守、改修及び再開発能力等によっても、本投資法人の収益は左右されます。
さらには、用途指定・用途制限、収用及び再開発等に関連する法令及び税法等の改正により、これらに関する規制が変更又は強化され、物流施設運営に影響を与える場合には、本投資法人の収益が悪影響を受けるおそれがあります。また、港湾労働法(昭和63年法律第40号。その後の改正を含みます。)に規定する港湾に所在する物流施設については、港湾労働法その他関係法令の適用を受けまた一定の事業慣行の影響を受けるため、テナントの人件費及び営業費用が他の地域に比べ高くなる場合があり、テナントの事業への悪影響を通じ本投資法人の収益にも悪影響が生じる可能性があります。
上記のほかにも、本投資法人が物流施設を投資対象としていることから、その建物の特性、適用規制、テナント特性等に起因して、特有のリスクが生じ、これらが本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
C.不動産の偏在に係るリスク
本投資法人は、本書記載の投資方針に基づき資産の運用を行いますが、本投資法人の運用資産が一定の地域、特に首都圏に偏在するおそれがあります。また、本投資法人の投資対象は物流施設等に限定されています。したがって、一定地域、特に首都圏の物流施設等における収益環境等の変化が本投資法人の収益に悪影響を及ぼすおそれがあります。
さらに、本投資法人の不動産が近接して所在する場合には、物流施設等のマーケットにおいて相互に競合し、その結果、本投資法人の収益に悪影響を与えるおそれがあります。
D.不動産の瑕疵及び契約不適合に係るリスク
不動産は、物件毎に個性を持ち、代替性が低いという性質を有しています。したがって、本投資法人が取得する不動産(不動産信託受益権の原資産たる不動産を含みます。以下同じです。)に一定の瑕疵があった場合、又は種類、品質若しくは数量に関して契約の内容に適合しない場合、本投資法人は損害を被ることがあります。かかる瑕疵又は契約不適合が存在する場合として、例えば、建物の構造、用いられる材質、地盤、特に土地に含有される有毒物質、地質の構造等に関する欠陥や瑕疵等があり、このほか、不動産には様々な法規制が適用されているため、法令上の規制違反の状態をもって瑕疵又は契約不適合とされることもあり得ます。また、不動産に関する権利が第三者の権利により制限を受け、又は第三者の権利を侵害していることもあり得ます。また、民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)(以下「民法改正法」といいます。)による民法改正(以下「民法改正」といい、民法改正前の民法を「旧民法」といいます。)が施行された2020年4月1日より前に締結された不動産の売買においては、旧民法の規定が適用され(民法改正法附則第34条第1項等)、特約で排除されていない限り、その対象となる不動産に隠れた瑕疵があった場合には、売主は、旧民法第570条により買主に対して瑕疵担保責任を負うことになります。買主は瑕疵があることを知った日から1年以内に解除権又は損害賠償請求権の行使をすることができます。したがって、本投資法人が特定の不動産の買主となる場合、不動産に係る物理的、法的な瑕疵があり、それが隠れたものである場合には、上記に従い、本投資法人は売主に対して瑕疵担保責任を追及することができますが、かかる期間制限を超えて瑕疵担保責任を追及することはできません。
他方で、民法改正法が施行された2020年4月1日以降に締結された不動産の売買においては、改正後の民法が適用され、その対象となる不動産が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであった場合には、特約で排除されていない限り、売主は、買主に対して契約不適合による担保責任を負うことになります。買主は、契約不適合を知った時から1年以内に、売主に対して契約不適合であることについて通知をした場合、責任を追及することができ、また、売主が不動産の引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときには、かかる期間制限なく、契約不適合による担保責任を追及することができます。買主は、契約不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものである場合を除き、責任の追及として、契約不適合が売主の責めに帰すべき事由によるものであるか否かを問わず、履行の追完請求権や代金減額請求権を行使することができます。また、買主は、不履行の程度が契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときを除き、契約を解除することができます。さらに、買主は、契約不適合について売主の責めに帰すべき事由がある場合、履行利益も含み得る損害賠償責任を追及することができます。したがって、本投資法人が特定の不動産の買主となる場合、上記に従い、本投資法人は売主に対して契約不適合による担保責任を追及することができますが、上記一定の場合を除き期間制限を超えて責任を追及することはできません。
上記に加え、本投資法人が買主であるときに、売主が既に解散・清算されている場合、又は売主が倒産し、若しくはその主要な資産が本投資法人に売却した不動産のみであったためにその資力が十分でない場合には、買主である本投資法人は、実際には売主との関係において上記の瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任による保護を受けることができず、損害を被ることになります。また、個別の事情により、売買契約上売主が瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を負担する期間又は補償金額を限定し、又はこれを全く負わない旨の特約をすることがあります。さらに、売主が表明・保証した事項が真実かつ正確であるとの保証はなく、表明・保証は法律上の制度ではないため、個別の事情により、売主が行う表明・保証の対象、これに基づく補償責任の期間又は補償金額が限定され、あるいは表明・保証が全く行われない場合もあり得ます。
不動産信託受益権においても、直接の売買対象である不動産信託受益権又はその原資産である不動産に隠れた瑕疵又は契約不適合があった場合については、上記と同様のリスクがあります。そこで、不動産の信託契約及び受益権譲渡契約において、売主に信託設定日等において既に存在していた原資産である不動産の瑕疵又は契約不適合について瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を負担させ、又は一定の事実に関する表明及び保証を取得することがあります。しかし、このような責任を負担させても上記のように実効性がない場合及びそもそも責任を負担させなかった場合には、当該不動産の実質的所有者である本投資法人がこれを負担することになり、予定しない補修費用等が発生し、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性があります。また、当該瑕疵の程度によっては、補修その他の措置を執ったとしても、不動産の資産価値の減耗を防ぐことができない可能性があります。
なお、投資法人は、宅地建物取引業法上宅地建物取引業者とみなされ(同法第77条の2第2項)、投資法人が宅地建物取引業者でない者に対して不動産を売却する場合には、民法改正の前後を問わず、宅地建物取引業法上、不動産の売主として民法上負う瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を完全に排除することができません(同法第40条)。したがって、本投資法人又は不動産信託受託者が不動産の売主となる場合には一定限度の瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を負うことになる場合があります。
加えて、わが国の法制度上、不動産登記にはいわゆる公信力がありません。したがって、不動産登記簿の記載を信じて取引した場合にも、買主は不動産に係る権利を取得できないことや予想に反して当該不動産に第三者の権利が設定されていることがあり得ます。このような場合、上記と同じく、本投資法人は売主等に対して法律上又は契約上許容される限度で責任を追及することとなりますが、その実効性があるとの保証はありません。
E.土地の境界等に係るリスク
わが国においては、土地の境界が曖昧であることが稀ではありませんが、隣地の所有者若しくは占有者からの境界確認書その他境界を確定させる書面が取得できない場合、又は境界標の確認ができないまま当該不動産を取得する場合には、後日、このような不動産を処分するときに事実上の障害が発生する可能性や、境界に関して紛争が発生し、所有敷地の面積の減少、損害賠償責任の負担等、これらの不動産について予定外の費用又は損失が発生する可能性があります。同様に、越境物の存在により、不動産の利用が制限され賃料に悪影響を与える可能性や、越境物の除去費用等の追加負担が本投資法人に発生し、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
F.建物の毀損・滅失・劣化に係るリスク
建物の全部又は一部は、突発的な事故又は地震・津波や風水害・土砂災害等の天災地変によって、毀損、滅失又は劣化する可能性があります。このような場合には、毀損、滅失した個所を修復するため予期せぬ費用が発生するばかりでなく、一定期間建物が稼働不能となることを余儀なくされ、賃料収入が減少して、費用が増加することで本投資法人が損害を受ける可能性があります。また、完全な修復が行われたか否かにかかわらず、評価額が下落するおそれもあります。
本投資法人は、火災・水害等による損害を補償する火災保険(特約による利益補償としての財産保険、家賃保険を含むことがあります。)又は賠償責任保険等を一般的に付保します。このような複数の保険を組み合わせることによって、予期せざるリスクが顕在化した場合にも、かかる保険による保険金をあてることで、原状回復を行うことが一定程度期待できます。但し、個々の不動産に関する状況により保険契約が締結されない可能性、保険金の上限額を上回る損害が発生する可能性、保険でカバーされない災害や事故(戦争やテロ行為等に基づくものは必ずしもすべて保険でカバーされるとは限りません。また、通常の火災保険では地震による火災はカバーされません。)が発生する可能性、又は保険会社が当該保険会社の財務状態の如何にかかわらず保険金を完全に支払わず、若しくは支払が遅れる可能性も否定できません。また、保険金が支払われた場合でも、行政上の規制その他の理由により、建物を事故発生前の状態に回復させることができない可能性があります。
加えて、天災地変とりわけ広い地域に被害をもたらす大地震・大津波・豪雨が起こった場合、本投資法人の保有する不動産のうち複数の建物が同時に天災地変の影響を受ける可能性は否定できません。本投資法人は、取得する資産について、専門家による地震リスク診断に基づき地震保険の付保の要否を検討・判断しますが、その結果、地震保険を付保しないこととした物流施設については、地震・津波によりこれらの資産に損害が生じた場合に、保険によりこれを回復することはできません。また、地震保険を付保することとした物流施設であっても、対人的被害の賠償については保険でカバーされないこともあります。
G.建築基準法等の規制に係るリスク
不動産のうち建物は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する基準等を定める建築基準法の規制に服します。その建築時点(正確には建築確認取得時点)においては、建築基準法上及び関連法令上適格であった建物でも、その後の建築基準法等の改正に基づく規制の変更により、変更後の規制のもとでは不適格になることがあります。例えば、建築基準法は、耐震基準について1981年にいわゆる新耐震基準を採用し、それ以降に建築されるべき建物にはそれ以前とは異なる耐震基準が適用されています。
その他、不動産は、様々な規制の下にあり、国の法令のほか、各地方公共団体の条例や行政規則等による規制があることもあります。例えば、駐車場の付置義務、住宅の付置義務、福祉施設の付置義務等のほか、これらの義務に関連して、建物の新築・増築に際して地方公共団体等と協議する義務等を課されることがあります。また、道路指定により敷地面積・容積率が結果として減少することもあります。そして、これらの規制も、随時改正・変更されています。
法規制の変化によりかつて法令に適合していながら後日適合しなくなった建物を「既存不適格」と呼ぶことがあります。既存不適格の建物は、これを改築したり、建替えたりしようとする際に、従前の建物と同等の建ぺい率・容積率・高さ・設備等を維持できなくなり、追加の設備が必要とされ、又は建替自体が事実上困難となる可能性があります。このような場合には、不動産の資産価値や譲渡価格が下がり、その結果、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
以上のほか、土地収用法や土地区画整理法のような私有地の収用・制限を定めた法律の改正等により、不動産の利用、用途、収用、再開発、区画整理等に規制が加えられ、又はその保有、管理、処分その他の権利関係等に制限が加えられることがあり、その結果、関連する費用等が増加し、又は不動産の価値が減殺される可能性があります。
H.有害物質に係るリスク
土地については、一般的に産業廃棄物等の有害物質が埋蔵されている可能性は否定できず、不動産たる土地に係る有害物質が埋蔵されている場合には当該土地の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替や洗浄が必要となる場合には、予想外の費用が発生する可能性があります。さらに、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は不動産信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負担する可能性があります。
特に、本投資法人が主たる投資対象とする物流施設の立地する地域は、工場跡地等の土壌汚染が懸念される地域であることが多く、上記リスクは他の物件を取得する場合に比して相対的に高いものとなります。
土壌汚染等に関しては、土壌汚染対策法が制定され、2003年2月より施行されています。同法に規定する特定有害物質に係る一定の施設を設置していた場合や土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が生ずるおそれがあると認められる場合には、その土地の所有者、管理者又は占有者等は、かかる汚染の状況について調査報告を命じられ、又は当該汚染の除去、当該汚染の拡散の防止その他必要な措置を講ずべきことを命じられることがあります。この場合、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があり、また、本投資法人は支出を余儀なくされた費用についてその原因となった者やその他の者から常に償還を受けられるとは限りません。
また、建物について、一般的に建材等にアスベスト、PCBその他の有害物質を含む建材又は設備が使用され、又は過去に使用されていた可能性があります。かかる場合には、当該建物の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために建材の全面的又は部分的交換が必要となる場合には予想外の費用が発生する可能性があります。さらに、有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は不動産信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負担する可能性があります。
また、環境関連法令につき、将来不動産に関して規制が強化され、不動産の所有者に大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務が課され、又は過失がなくても責任を問われることとなる可能性があります。
I.不動産の所有者責任に係るリスク
土地の工作物(建物を含みます。)の設置又は保存に瑕疵があり、そのために第三者に損害を与えた場合には、第一次的にはその占有者、そしてその占有者が損害の発生を防止するに必要な注意を行っていた場合には、その所有者が損害の賠償義務を負うとされ、この所有者の義務は無過失責任とされています(民法第717条)。したがって、本投資法人の不動産の設置又は保存に瑕疵があり、それを原因として、第三者に損害を与えた場合には、直接又は不動産信託受託者を通じて間接的に、本投資法人が損害賠償義務を負担するおそれがあります。
本投資法人は、その運用資産に関し、賠償責任保険その他の適切な保険を付保する方針ですが、保険契約に基づいて支払われる保険金の上限額を上回る損害が発生しないとの保証はなく、また、保険事故が発生した場合に常に十分な金額の保険金が適時に支払われるとの保証はありません。
J.共有物件に係るリスク
不動産を単独で所有している場合に比べ、共有不動産は、法的に様々な側面で制約を伴います。
まず、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有物の変更に当たる行為には共有者全員の合意を要し(民法第251条)、変更に当たらない管理は共有者の持分の過半数で決定する(民法第252条)ものとされています。したがって、特に本投資法人が持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるかかる権利行使によって、本投資法人の当該不動産の利用が妨げられる可能性があります。
共有不動産を賃貸する場合、賃料債権は不可分債権であり、敷金返還債務は不可分債務であると一般的には解されています。したがって、他の共有者(賃貸人)の債権者が当該共有者の持分の割合を超えて賃料債権全部を差し押さえ、又は他の共有者がテナントからの敷金返還債務をその持分の割合に応じて履行しない場合に、本投資法人が敷金全額を返還せざるを得なくなる可能性があります。これらの場合、本投資法人は、差し押さえられた賃料のうち自己の持分に応じた金額の支払や返還した敷金のうち他の共有者の持分に応じた金額の償還を当該他の共有者に請求することができますが、当該他の共有者の資力の如何によっては、支払又は償還を受けることができない可能性があります。共有不動産に課税される固定資産税等の公租公課、共有不動産の修繕費、保険料等にも、他の共有者が債務を履行しない場合につき、同様の問題があります。
また、不動産を共有する場合、他の共有者から共有物の分割請求(民法第256条)を受ける可能性があります。分割請求が権利の濫用等として排斥されない場合で、現物による分割が不可能である場合又は著しくその価値を損なうおそれのある場合は、本投資法人の意向にかかわらず、裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性があります(民法第258条第2項)。共有者間で不分割の合意をすることは可能ですが(民法第256条)、合意の有効期間は5年以内とされています。しかも、不動産に関する不分割特約は、その旨の登記をしなければ当該不動産の共有持分の譲受人等第三者に対抗できないことがあります。また、共有者において、破産手続、会社更生手続又は民事再生手続が開始された場合は、特約があっても、管財人等は分割の請求をすることができます。但し、共有者は、破産手続、会社更生手続又は民事再生手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、会社更生法第60条、民事再生法第48条)。
共有者は、自己の共有持分を自由に処分することができます。したがって、本投資法人の意向にかかわりなく他の共有者が変更される可能性があります。これに対し、共有者間の協定書等において、共有者が共有持分を処分する場合に他の共有者に先買権若しくは優先交渉権を与え、又は一定の手続の履践義務等が課される場合があります。この場合は、本投資法人の知らない間に他の共有者が変動するリスクは減少しますが、本投資法人がその共有持分を処分する際に制約を受けることになります。
また、他の共有者の共有持分に抵当権又は根抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた不動産全体について、当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。したがって、本投資法人の不動産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、分割後の本投資法人の不動産についても、他の共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
以上のとおり、共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、既に述べた流動性のリスクや、それらのリスクを反映した価格の減価要因が増す可能性があります。
K.借地権に係るリスク
本投資法人は、借地権(土地の賃借権及び地上権)と借地権設定地上の建物(以下「借地物件」といいます。)に投資することがありますが、借地物件は、土地建物ともに所有する場合に比べ、特有のリスクがあります。
まず、借地権は、土地の賃借権の場合も地上権の場合も、永久に存続するものではなく、期限の到来により消滅し、借地権設定者側に正当な事由がある場合には更新を拒絶されることがあり、また、借地権者側に地代不払等の債務不履行があれば解除により終了することもあります。借地権が消滅すれば、建物買取請求権が確保されている場合を除き、建物を取り壊して土地を返還しなければなりません。仮に、建物買取請求が認められても本投資法人が希望する価格で買い取られる保証はありません。
さらに、敷地が売却され、又は抵当権の実行により処分されることがありますが、この場合に、本投資法人が借地権について民法、借地借家法等の法令に従い対抗要件を具備しておらず、又は競売等が先順位の対抗要件を具備した担保権の実行によるものである場合、本投資法人は、譲受人又は買受人に自己の借地権を主張できないこととなります。
また、借地権が土地の賃借権である場合には、これを取得し、又は譲渡する場合には、賃貸人の承諾が必要です。かかる承諾が速やかに得られる保証はなく、また、得られたとしても承諾料の支払を要求されることがあります。その結果、本投資法人が希望する時期や売却価格を含む条件で借地物件を処分することができないおそれがあります。
また、本投資法人が借地権を取得するに際して保証金を支払うこともあり得ますが、借地を明渡す際に、敷地所有者の資力が保証金返還に足りないときは、保証金の全部又は一部の返還を受けられないおそれがあります。
L.仮換地及び保留地に係るリスク
本投資法人は、土地区画整理法に基づく土地区画整理事業において仮換地又は保留地として指定されている土地を敷地とする物件に投資することがありますが、かかる物件には特有のリスクがあります。仮換地に関しては、仮換地は将来の換地処分において換地と一致するとは限らないため、換地として当初想定していた土地と物理的に同一の土地に係る権利を最終的に取得できるという保証はありません。また、仮換地には従前地の権利関係の影響が及ぶため、従前地に関する権利が第三者の権利により制限を受けていた場合は、仮換地に関する権利も同様の制限を受けることとなります。さらに、仮換地の取得時に従前地の権利関係に関する十分な情報を入手できないことも少なくありません。
保留地に関しては、保留地予定地の所有権は、換地計画に当該土地が保留地として定められ、かかる換地計画に基づき換地処分がなされた場合に、かかる換地処分の公告があった日の翌日において、土地区画整理事業の施行者が原始取得します。そのため、上記の換地処分がなされない限り、本投資法人は、保留地予定地の所有権を取得できません。また、保留地予定地は将来の換地処分において実際に保留地として指定される土地と一致するとは限らないため、想定していた保留地と物理的に同一の土地に係る所有権を最終的に取得できるという保証はありません。また、換地処分の公告の日の翌日以降でなければ、仮換地及び保留地に係る権利(所有権、賃借権等)についての登記をすることができないため、相当期間かかる権利の取得について第三者に対する対抗要件を具備することができない可能性があります。
M.売主の倒産等の影響に係るリスク
本投資法人が不動産等を取得した後に、売主について破産手続、民事再生手続、会社更生手続等の倒産手続が開始された場合、当該不動産等の売買契約又はその対抗要件具備行為は、倒産した売主の管財人等により否認される可能性があります。この場合、不動産等は、破産財団等に取戻される一方で、本投資法人が売主に支払った売買代金等の返還請求権は、倒産手続における平等弁済の対象となり、著しく低い金額しか回収できないことがあります。倒産手続が開始されない場合であっても、売主の財務状況が劣悪である場合には、当該不動産等に係る売買契約が当該売主の債権者により詐害行為を理由に取り消される可能性があります。
また、いわゆる真正売買の問題として、裁判所又は管財人等が、本投資法人を買主とするある売買取引を、その実質に従い又はその他の理由により、担保付融資取引の性質を持つ取引であると法的に評価し、その結果、当該不動産等がなおも売主(倒産手続であればその財団等)に属すると判断することがあります。この場合には、本投資法人は、あたかも当該不動産等についての担保権者であるかのように取り扱われ、担保権(とみなされた権利)の行使に対する制約を受けることとなります。特に、会社更生手続では、担保権の実行は会社更生手続に従って行われ、弁済金額が切下げられることとなるなど、担保権の実行を手続外で行える破産手続等に比較して、本投資法人はより大きな損害を受けるおそれがあります。
また、上記否認の問題は、売主の前所有者(本投資法人から見て前々所有者等)が倒産した場合にも生じ得ます。すなわち、本投資法人が、不動産等を取得した際に、前所有者である売主が前々所有者から否認を主張される原因があることを認識していた場合には、かかる否認の効力が転得者である本投資法人にも及ぶことになります(破産法第170条、会社更生法第93条、民事再生法第134条)。
以上のとおり、本投資法人又はその売主の売買契約が否認され、詐害行為取消権の行使を受け、又は真正売買性が否定された場合には、本投資法人に損害が生じるおそれがあります。
本投資法人においては、売主等の財務状況等も十分に検討した上で投資を決定しますが、売主又はその前所有者に関する正確な財務情報が入手できる保証はなく、上記リスクが現実化するおそれは否定できません。
N.専門家報告書等に係るリスク
不動産の鑑定評価額及び不動産価格調査の調査価格は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における不動産鑑定士等による評価を示したものにとどまります。また、その評価の目的・方法は、必ずしも転売や再取得の場合における市場価格を算出することではありません。加えて、同じ不動産について鑑定等を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査の方法若しくは時期によって鑑定評価額や調査価格が異なる可能性があります。したがって、かかる鑑定及び価格調査の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額や調査価格による売買を保証又は約束するものではなく、不動産が将来売却される場合であっても当該鑑定評価額又は当該調査価格をもって売却されるとは限りません。特に、不動産の市場価格が大幅に変動する市場環境にあっては、不動産の鑑定評価額及び不動産価格調査の調査価格が、市場における実勢価格と大幅に乖離する可能性もあります。
本投資法人では、不動産を取得するに際して、建物の構造、耐震性、法令や条例の適合状況、有害物質等の有無、隣地との境界等について、専門業者からのエンジニアリング・レポート(建物状況調査報告書)、地震リスク評価報告書等を取得することとしています。建物状況調査報告書及び地震リスク評価報告書等には、建物の評価に関する専門家が、設計図書等の確認、現況の目視調査及び施設管理者への聞取りを行うことにより、現在又は将来発生することが予想される建物の不具合、必要と考えられる修繕又は更新工事の抽出及びそれらに要する概算費用及び再調達価格の算出並びに建物の耐震性能及び地震による損失リスク等を検討した結果が記載されており、本投資法人では、これらの専門業者からの報告書等をもとに取得対象資産の欠陥及び瑕疵の有無、耐震性能評価の確認を行うこととしています。
しかし、専門業者から提供されるこれらの諸資料の内容とその精度には限界があり、提供される資料の内容、依頼を受けた専門家の能力、売主やその前所有者やテナントの協力の程度、調査が可能な書面等の範囲及び時間的な制約等から、取得対象資産に欠陥、瑕疵等が存在しないことを保証又は約束するものではなく、本投資法人による取得後に、取得した不動産に欠陥や瑕疵等が判明する可能性があります。
また、不動産の地震リスク分析の結果算出されるPMLも個々の専門家の分析に基づく予想値に過ぎません。PMLは、予想損失額の再調達価格に対する比率で示されますが、将来地震が発生した場合、予想以上に多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
O.マーケットレポートへの依存に関するリスク
第三者によるマーケット分析は、個々の調査会社の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものに留まり、客観的に適正なエリア特性、需要と供給、マーケットにおける位置づけ等と一致するとは限りません。同じ物件について調査分析を行った場合でも、調査分析会社、分析方法又は調査方法若しくは時期によってマーケット分析の内容が異なる可能性があります。特に物流施設に関する情報はオフィスビルや住宅に比べるとサンプル数が少ない等、投資判断に必要なすべての情報が網羅されている訳ではありません。
P.収入及び支出に係るリスク
一般的に本投資法人の収入は、本投資法人が取得する不動産等の賃料収入に主として依存します。不動産に係る賃料収入は、不動産の稼働率の低下等により大きく減少する可能性があるほか、賃借人との協議や賃借人からの請求等により賃料が減額されること等により減少する可能性があります。
本投資法人の主たる投資対象である物流施設に関するテナントとの賃貸借契約の期間は、比較的長期間であることが一般的ですが、このような契約においては、多くの場合、賃料等の賃貸借契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。また、テナントは、定期賃貸借契約において明文で排除されている場合を除き、賃料が不相当に高い場合には借地借家法に基づく賃料減額請求権を行使することができます。したがって、本書の日付現在の賃料が今後も維持される保証はなく、賃料改定又は賃料減額請求により賃料が減額されることにより不動産に係る賃料収入が減少する可能性があります。
本投資法人の主要な営業費用は減価償却費、固定資産税や都市計画税等の固定的な費用で構成されており、賃料収入の減少により本投資法人の収益性や分配金の水準が大きく悪化する可能性があります。
また、退去するテナントへの預り敷金及び保証金の返還、多額の資本的支出、不動産の取得等に要する費用、その他不動産に関する支出が状況により増大する可能性があります。
さらに、賃貸借契約において、賃貸借契約が更新される際の更新料、契約期間中に賃借人が解約した場合の違約金に関して敷金・保証金の没収について規定することがありますが、かかる規定は状況によってはその全部又は一部が無効とされ、その結果本投資法人に予定外の収入の減少や費用負担が発生する可能性があります。
不動産からの収入の減少及び不動産に関する支出の増大の、双方又は一方の事由が生じた場合、本投資法人の収支が悪影響を受ける可能性があります。
また、民法改正後の民法においては、①賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、若しくは賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当期間内に必要な修繕をしないとき、又は②急迫の事情がある場合、賃借人が修繕権を持つものとされています。かかる修繕権を賃貸借契約上特約で排除していない場合、予期しない金額で賃借人が賃貸人のコントロールの及ばない修繕を行うおそれがあり、かかる費用の請求を受けるおそれがあります。
Q.PM会社に係るリスク
一般に、オフィスや住居等の不動産に比べて物流施設のテナント候補は限定されており、テナントとの良好かつ強固な関係を有するPM会社を選定し、そのリーシング能力を活用することが極めて重要です。また、建物の保守管理、テナントの管理を含めた不動産の管理状況等の良否も、建物を管理するPM会社の能力、経験、ノウハウによるところが大きく、本投資法人においても、リーシングの成否、管理の良否及びそれらの結果としての収益性の確保について、PM会社の業務遂行能力に大きく依拠することになります。本投資法人がPM会社を選定するに当たって、その候補業者の資質、経験、ノウハウ、テナント・リレーション等を慎重に考慮し、十分な能力を持つ業者を資産運用会社に選定させる場合でも、選任に係る調査は完全であるとは限らず、選定されたPM会社における人的・財産的基盤が優良である保証はありません。また、仮に選任時点では優良であってもそれが将来にわたって維持されるとの保証もありません。PM会社の業務遂行能力に大きな変化があった場合やPM会社が交替する場合等、当該不動産の管理状況が悪化し、収益の悪化等により本投資法人が損失を被るおそれがあります。
R.テナント集中に係るリスク
本投資法人の保有する物流施設の多くは、極めて少数のテナントに依存していますが、不動産が一又は少数のテナントに賃貸される場合には、当該テナントの資力、退去、利用状況等により、当該不動産の収益が大きく影響を受けるおそれがあります。かかるテナントが賃料の支払能力を失った場合や賃料の減額を要求する場合には、収益が大きく圧迫されます。さらに、かかるテナントが退去する場合には、敷金等の返還のため一度に多額の資金の出捐を余儀なくされ、かつ、大きな面積の空室が生じるため、一時的に当該不動産の収益が急激に悪化することがあります。さらに、多くのテナントを誘致するのは、時間を要し、その誘致に要する期間と条件次第では、本投資法人の収益が悪影響を受けるおそれがあります。特に、物流施設はBTS(Build to Suit: 顧客の要望に沿った立地及び設備を有する物流施設)を前提に供給される物件が比較的多いこともあり、相対的に代替テナントとなりうる者が限定され、代替テナントが入居するまでの空室期間が長期化する可能性や改装等のために多額のコスト負担が生じる可能性があります。その結果、物件の稼働率が大きく減少し、代替テナント確保のために賃料水準を引き下げざるを得なくなり、賃料収入が大きな影響を受ける可能性があります。
S.敷金及び保証金に関するリスク
物流施設においては、賃借人が多額の敷金及び保証金を長期間にわたって無利息又は低利で賃貸人に預託することが多く、本投資法人は、今後、これらの資金を資産の取得資金や資産の運用にかかる支出の一部として活用することを想定しています。しかし、賃貸市場の動向、賃借人との交渉等により、本投資法人の想定よりも賃借人からの敷金及び保証金の預託額が少なくなり、又は預託期間が短くなる可能性があります。この場合、必要な資金を借入れ等により調達せざるを得なくなり、その結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
T.転貸に係るリスク
(イ)転借人に係るリスク
本投資法人は、その保有する不動産等につき、転貸を目的として賃借人に一括して賃貸することがあります。このように、賃借人に不動産等の全部又は一部を転貸させる権限を与えた場合、本投資法人は、不動産等に入居するテナントを自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなる可能性があります。また、賃借人の賃料が転借人から賃借人に対する賃料に連動する場合、転借人の信用状態等が、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ロ)敷金等の返還義務に係るリスク
賃貸借契約が合意解約された場合その他一定の場合には賃貸人が転貸人の地位を承継し、転貸人の転借人に対する敷金等の返還義務が賃貸人に承継される可能性があります。
U.マスターリースに係るリスク
投資対象となる不動産等において、PM会社等が当該不動産等の所有者である本投資法人又は信託受託者との間でマスターリース契約を締結してマスターリース会社となり、その上でエンドテナントに対して転貸する場合があります。
本投資法人又は信託受託者がマスターリース契約を締結する場合、マスターリース会社の財務状態の悪化により、マスターリース会社の債権者がマスターリース会社のエンドテナントに対する賃料債権を差し押さえる等により、マスターリース会社から賃貸人である本投資法人又は信託受託者への賃料の支払が滞る可能性があります。
V.フォワード・コミットメント等に係るリスク
本投資法人は、不動産等を取得するにあたり、いわゆるフォワード・コミットメント(先日付の売買契約であって、契約締結から一定期間経過した後に決済・物件引渡しを行うことを約する契約)等を行うことがあります。不動産売買契約が、買主の事情により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負担することとなります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産等売買価格に対して一定の割合の違約金が発生する旨の合意がなされることも少なくありません。フォワード・コミットメント等の場合には、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払により、本投資法人の財務状態が悪化する可能性があります。
W.地球温暖化対策に係るリスク
法律又は条例により、地球温暖化対策として、一定の不動産の所有者に温室効果ガス排出に関する報告や排出量制限の義務が課されることがあります。これらの制度の創設又は拡充に伴い、排出権削減のための建物改修工事を実施したり、排出権等を取得する等の負担を余儀なくされる可能性があります。
またテナントの事業はトラック輸送に大きく依存しているため、地方公共団体の自動車排出窒素酸化物及び粒子状物質の総量規制等の規制が強化された場合、テナントの費用が増加する結果、物流施設に対する需要が縮小する可能性があります。
X.固定資産の減損に係る会計基準の適用に係るリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 2002年8月9日))及び固定資産の減損に係る会計基準の適用指針(企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第6号 2003年10月31日)によれば、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった不動産等については、一定の条件の下で回収可能額を反映させるように固定資産の帳簿価額を減額する会計処理(減損処理)を行うこととされており、今後、本投資法人の保有する不動産等の市場価格及び収益状況によっては減損処理を行う可能性があります。この結果本投資法人の財務状態や収益が悪化する可能性があり、また、税務上は当該資産の売却まで損金を認識することができない(税務上の評価損の損金算入要件を満たした場合や減損損失の額のうち税務上の減価償却費相当額を除きます。)ため、税務と会計の齟齬が発生することとなり、本投資法人の税負担が増加する可能性があります。但し、一時差異等調整引当額の増加額に相当する利益超過配当を行うことで、かかる税負担を回避又は軽減できる可能性があります。
Y.太陽光発電設備が付帯した物件に係るリスク
本投資法人は太陽光発電設備が付帯している物件を保有しており、当該太陽光発電設備を太陽光発電事業者に対して賃貸しています。当該テナントとの賃貸借契約上、賃料についてはテナントによる売電事業の売電収入に連動する変動賃料が含まれており、本投資法人の賃料収入はテナントの売電事業の成果により影響を受けることとなっています。売電事業については、天候、売電事業者間の競争環境、売電事業に関する国の施策及び規制その他様々な要因によるリスクを伴い、これらの要因により、当該テナントによる売電事業の売電収入が減少した場合、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。例えば、太陽光発電設備の性能が取得後に想定以上に低下し、又は太陽光発電設備に故障、不具合等が発生し、想定していた発電量が得られず、売電収入に連動する変動賃料が減少する可能性があります。さらに、太陽光発電設備の発電量は日射量によって変動するため、季節変動が生じやすく、夏場の変動賃料に比べ冬場の変動賃料が大幅に減少する可能性があります。また、発電事業者は、原則として、太陽光発電設備が接続電気事業者の送電設備に電気的に接続され、当該送電設備その他の送電に関連する第三者の設備が維持されている場合のみ売電することができます。したがって、これらの設備が故障又は損壊した場合、発電事業者は、一定期間太陽光発電設備の不稼働を余儀なくされる可能性があり、結果として本投資法人の太陽光発電設備に係る変動賃料が減少し又はかかる賃料が得られなくなる可能性があります。なお、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則(平成24年経済産業省令第46号。その後の改正を含みます。)によれば、天災事変による接続電気事業者の電気工作物の故障又は故障を防止する装置の作動による停止等の場合、売電の停止(出力の抑制)に対する補償は行われないこととなっています。これらの場合、賃借人である発電事業者の売電収入が減少する可能性があり、その結果、本投資法人の受領する変動賃料が減少し、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
Z.底地物件に関するリスク
本投資法人は、さらなる収益の確保と運用資産の成長を図るとの観点から、第三者が賃借してその上に建物を所有している土地、いわゆる底地を取得することがあります。なお、底地の取得に際しては、底地上に物流施設が存在している底地だけではなく、再開発により将来その上に物流施設を建設することが可能と見込まれる底地に対して投資を行う場合があります。かかる底地に対する投資についての主なリスクは以下のとおりです。
(イ)底地物件に係る一般的なリスク
底地に設定される借地権は、定期借地権の場合は借地契約に定める期限の到来により当然に消滅し、普通借地権の場合には期限到来時に本投資法人が更新を拒絶しかつ本投資法人に更新を拒絶する正当事由がある場合に限り消滅します。借地権が消滅する場合、本投資法人は借地権者より時価での建物買取を請求される場合があります(借地借家法第13条、借地法(大正10年法律第49条。その後の改正を含みます。)第4条)。普通借地権の場合、借地権の期限到来時に更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、借地権者より時価での建物買取を請求される場合においても、買取価格が本投資法人が希望する価格以下である保証はありません。
また、借地権が賃借権である場合、借地権者による借地権の譲渡には、原則として、本投資法人の承諾が必要となりますが、裁判所が承諾に代わる許可をした場合(借地借家法第19条)や、借地契約上事前に一定範囲での借地権の譲渡を承諾している場合には、本投資法人の承諾なく借地権が譲渡される結果、財政状態に問題がある等の本投資法人が望まない者に借地権が譲渡される可能性があり、その結果、本投資法人の収益に悪影響が生じる可能性があります。
さらに、借地契約に基づく土地の賃料の支払が滞り、延滞賃料の合計額が敷金及び保証金などで担保される範囲を超える場合は、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。加えて、土地の賃料の改定又は借地権者による借地借家法第11条に基づく土地の借賃の減額請求により、当該底地から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益に悪影響が生じる可能性があります。
(ロ)底地上の建物に係るリスク
本投資法人が、再開発により将来物流施設を建設することが可能と見込んだ場合、底地上の建物の用途が物流施設以外の場合であっても、当該底地に対して投資する場合があり、また、再開発までの期間が長期にわたる可能性もあります。
この場合、当該建物の用途が物流施設以外であることに伴う当該用途特有のリスク、例えば工場である場合の土壌汚染リスクやテナントの操業停止等に伴う賃料延滞又は賃料減額請求等のリスクがあり、物流施設特化型である本投資法人のポートフォリオに物流施設以外の用途に係る投資リスクが生じるうえ、資産運用会社が当該用途特有の運用リスク等に必ずしも精通していない結果、取得時における評価を適切に行えない可能性や、取得後に想定外の損失が生じる可能性も否定できません。
(ハ)再開発に係るリスク
本投資法人が、物流施設への再開発を見込んで底地物件を取得し、当該底地上で再開発を行う場合、工事期間中のテナント退去により当該底地からの賃料収入が得られなくなる可能性があり、また、a)開発途中において、地中障害物、埋蔵文化財、土壌汚染等が発見されることなどにより、開発の遅延、変更又は中止を余儀なくされる可能性、b)工事請負業者の倒産又は請負契約の不履行により、開発が遅延、変更又は中止される可能性、c)開発コストが当初の計画を大きく上回る可能性、d)天災地変により開発が遅延、変更又は中止される可能性、e)行政上の許認可手続により開発が遅延、変更又は中止される可能性、f)開発過程において事故又は近隣等との間で紛争等が生じる可能性、g)その他予期せぬ事情により開発が遅延、変更又は中止される可能性等の開発リスクがあります。また、再開発後の物流施設を想定どおりにテナントに賃貸することができず、又は想定した賃料収入が得られない可能性もあります。これらの結果、底地物件取得時に企図した物流施設への再開発を実現できず売却を余儀なくされ、又は再開発中若しくは再開発後の物件からの収益が本投資法人の期待を大きく下回り又は全く得られないこととなり、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性や、本投資法人が想定外の費用、損害又は損失を被る可能性があります。
④ 不動産信託受益権に係るリスク
本投資法人が投資対象とする不動産信託受益権については、以下のリスクがあります。
なお、以下、2007年9月30日施行の信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。)を「新信託法」といい、従前の信託法(大正11年法律第62号。信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)(以下「信託法整備法」といいます。)による改正を含みません。)を「旧信託法」といいます。信託契約等に別段の定めがない限り、2007年9月30日より前に効力を生じた信託については、信託財産についての対抗要件に関する事項を除き、旧信託法が適用されます(信託法整備法第2条)。
A.信託受益者として負うリスク
信託の収益は、信託交付金等の形で信託受益者に引渡され、信託が終了するときは、信託契約等の定めにもよりますが、信託財産すべてが信託受益者に交付されるのが通例です。他方で、旧信託法の下では、信託財産に関する租税、不動産信託受託者の報酬、信託財産に瑕疵があることを原因として第三者が損害を被った場合の賠償費用等(以下「信託費用等」といいます。)は、信託受益者に対して直接補償請求することができるとされているなど、最終的に信託受益者が負担することになっています(旧信託法第36条、第37条、第54条等)。また、新信託法の下でも、信託費用等は、不動産信託受託者が信託財産から償還・賠償を受けることができ、最終的に信託受益者が負担することになっています(新信託法第48条、第53条等)。さらに、受託者は、信託受益者と合意することにより、旧信託法に基づく信託と同様に、信託受益者に対して直接信託費用等の支払を求めることもできます(新信託法第48条第5項、第53条第2項等)。すなわち、旧信託法においても、新信託法においても、信託受益者は、名義上は信託財産の所有者ではありませんが、信託財産に係る経済的利益及び損失の最終的な帰属主体といえます。したがって、不動産信託受益権を保有する場合も、不動産そのものを所有する場合と同様に不動産に係るリスクを負うことになります。
B.不動産信託受益権の流動性に係るリスク
本投資法人が不動産信託受益権を資産とする場合において、不動産信託受託者を通じて信託財産たる不動産を処分する場合には、既に述べた不動産の流動性リスクが存在します。
また、不動産信託受益権を譲渡しようとする場合には、通常、不動産信託受託者の事前の承諾を要求されます。さらに、不動産信託受益権は金商法上の有価証券とみなされますが、指名債権と同様の譲渡方法によって譲渡することになります。対抗要件としては、不動産信託受託者への確定日付のある通知又は承諾が必要です。
C.不動産信託受託者の破産等の倒産手続に係るリスク
不動産信託受託者につき破産手続、民事再生手続、会社更生手続その他の倒産手続が開始された場合における信託財産の取扱いに関しては、旧信託法の下では、明文の規定はないものの、同法の諸規定や信託財産の独立性という観点から、信託財産が破産財団、再生債務者又は更生会社の財産その他不動産信託受託者の固有財産に属すると解釈される可能性は、極めて小さいものと考えられていました。新信託法においては、信託財産は不動産信託受託者の固有財産に属しない旨が明文で規定されています(新信託法第25条第1項、第4項及び第7項)。但し、不動産、地上権又は土地の賃借権の場合には、信託の登記が必要です。
D.不動産信託受託者の信託違反に伴うリスク
不動産信託受託者は、信託業務を行うにあたり、受益者に対して忠実義務及び善管注意義務を負います(信託業法(平成16年法律第154号。その後の改正を含みます。)第28条第1項、第2項)。また、受益者を害するおそれのある一定の行為を行ってはならないものとされています(同法第29条第1項、第2項)。しかし、不動産信託受託者が、かかる義務又は信託契約上の義務に反して信託財産である不動産を処分すること、又は信託財産である不動産を引当てとして何らかの債務を負うこと等がないとはいいきれず、これらの場合には、不動産信託受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。かかるリスクに備え、旧信託法及び新信託法は、信託の本旨に反した信託財産の処分行為の取消権を信託受益者に認めていますが(旧信託法第31条及び新信託法第27条)、常にかかる権利の行使等により損害を回避・回復できるとは限りません。
E.不動産信託受益権の準共有等に係るリスク
不動産信託受益権が準共有されている場合、単独で保有する場合には存在しない種々の問題が生じる可能性があります。旧信託法の下では、所有権以外の財産権の準共有については、所有権の共有に関する規定が可能な限り準用されます(民法第264条)。新信託法の下では信託受益者が複数の場合の意思決定の方法に関する明文規定があり(新信託法第105条以下)、不動産信託受益権が準共有されている場合にもかかる規定の適用があるものと解されるため、所有権の共有に関する民法の規定に優先してかかる規定がまず適用されます。
準共有持分の処分については、旧信託法及び新信託法いずれの下でも、準共有者は、不動産信託受託者の承諾を得ることを条件として、自己の準共有持分を自己の判断で処分することができます。したがって、本投資法人の意向にかかわりなく他の準共有者が変更される可能性があります。これに対し、準共有者間の協定書等において、準共有者が準共有持分を処分する場合に他の準共有者に先買権若しくは優先交渉権を与え、又は一定の手続の履践義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人の知らない間に他の準共有者が変動するリスクは減少しますが、本投資法人がその準共有持分を処分する際に制約を受けることになります。
旧信託法では、準共有者間で別段の定めをした場合を除き、準共有されている不動産信託受益権の変更に当たる行為には準共有者全員の合意を要し(民法第251条)、変更に当たらない管理は、準共有者の準共有持分の過半数で決定する(民法第252条)ものと考えられます。したがって、特に本投資法人が準共有持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
一方、新信託法の下では、信託契約において意思決定の方法が定められていない場合、一定の行為を除き、準共有者の全員一致によることになるものと解されます(新信託法第105条第1項本文)。この場合には、他の準共有者全員が承諾しない限り、当該不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができないこととなります。また、信託契約において別の意思決定の方法が定められている場合でも、当該方法が本投資法人の意向を反映するような形で定められているとは限らず、同様に信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
不動産信託受益権の準共有者が不動産信託受託者に対して有する信託交付金の請求権及び不動産信託受託者に対して負担する信託費用等の支払義務は、別段の合意のない限り、準共有される財産に関する債権債務として不可分債権及び不可分債務であると一般的には解されています。したがって、他の準共有者の債権者が当該準共有者の準共有持分の割合を超えて信託交付金請求権全部を差し押さえ、又は他の準共有者が不動産信託受託者からの信託費用等の請求をその準共有持分の割合に応じて履行しない場合に、本投資法人が請求された全額を支払わざるを得なくなる可能性があります。不動産自体が共有されている場合と同様、これらの場合、本投資法人は、差し押さえられた信託交付金請求権のうち自己の準共有持分に応じた金額の支払や支払った信託費用等のうち他の準共有者の準共有持分に応じた金額の償還を当該他の準共有者に請求することができますが、当該他の準共有者の資力の如何によっては、支払又は償還を受けることができない可能性があります。
⑤ 税制に係るリスク
本投資法人には、以下のような税制に関するリスクが存在します。本投資法人は、本投資法人の会計処理に関する助言を専門家に継続的に依頼して、税制についての情報や現行の税制についての税務当局の見解を収集して、できる限り事前に対応する体制を取っています。
A.導管性要件に係るリスク
税法上、「投資法人に係る課税の特例規定」により一定の要件(以下「導管性要件」といいます。)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、投資法人による利益の配当等を投資法人の損金に算入することが認められています。
本投資法人は、導管性要件を満たすよう努める予定ですが、今後、本投資法人の投資主の異動、多額の法人税額等の発生、分配金支払原資の制限・不足、機関投資家以外の者からの借入の発生、税務当局と本投資法人との見解の相違、法律の改正、その他の要因により導管性要件を満たすことができない可能性があります。本投資法人が、導管性要件を満たすことができなかった場合、利益の配当等を損金算入できなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、導管性要件に関しては、後記「4 手数料等及び税金 / (5)課税上の取扱い / ② 投資法人の税務 / A.利益配当等の損金算入」をご参照ください。
B. 多額の法人税等の発生により配当可能利益の額の90%超を配当できないリスク
導管性要件のうち、配当可能利益の額(会計上の税引前当期純利益に前期繰越損失、買換特例圧縮積立金、一時差異等調整積立金及び繰越利益等超過純資産控除項目額に係る一定の調整を加えた後の額)の90%超(又は配当可能額の90%超)の分配を行わなければならないとする要件(以下「支払配当要件」といいます。)については、会計上の税引前当期純利益を基礎とした配当可能利益の額と税引後当期利益を基礎とした実際の利益配当等の額(一時差異等調整引当額の増加額に相当する利益超過配当金額を加えた後の額)の比較によりその判定を行うこととされていますが、何らかの要因によって本投資法人に多額の法人税等の課税が行われる場合(但し、一時差異等調整引当額の増加額に相当する利益超過配当を行うことで、かかる課税を回避又は軽減できる可能性があります。)には、支払配当要件を満たすことが困難となり、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
C. 利益が計上されているにもかかわらず資金不足により配当が十分にできないリスク
本投資法人において利益が生じている際の配当原資が不足する場合、借入金や資産の処分により原資を確保する可能性があります。しかし、導管性要件を満たすための借入先の制限や資産処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、支払配当要件を満たせなくなる可能性があります。この場合、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
D. 借入れに係る導管性要件に関するリスク
導管性要件のひとつに機関投資家(租税特別措置法第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定するものをいいます。以下、F.において同じです。)以外の者から借入れを行っていないことという要件があります。したがって、本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合、機関投資家以外の者に借入れにかかる債権を譲渡された場合、又は保証金若しくは敷金等の全部若しくは一部がテナントからの借入金に該当すると解釈された場合には、導管性要件を満たせないことになります。この結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
E. 同族会社に該当するリスク
導管性要件のうち、事業年度の終了時に同族会社のうち一定のものに該当していないこと(発行済投資口の総口数又は一定の重要な事項に関する議決権の50%超が上位1位の投資主グループによって保有されていないこと)とする要件については、本投資口が市場で流通するため、本投資法人の意思にかかわらず、結果としてこれを満たさなくなる可能性があります。この場合、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
F. 投資口を保有する投資主数に関するリスク
導管性要件のひとつに、事業年度の終了時において投資法人の投資口が機関投資家のみにより保有されること、又は50人以上の者に保有されることという要件があります。本投資法人は投資主による本投資口の売買をコントロールすることができないため、本投資法人の投資口が50人未満の者に保有される(機関投資家のみに保有される場合を除きます。)こととなる場合においては、導管性要件を満たせないことになります。この結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
G.投資口の国外募集に関するリスク
本投資法人は、規約において、本投資法人の投資口の発行価額の総額のうち、国内に おいて募集される投資口の発行価額の占める割合は、100分の50を超えるものとすると定めており、この規定により導管性要件のうちの投資口の50%超国内募集要件を満たすことを予定しています。しかし、本投資法人が何らかの理由により、国外募集による多額の投資口の発行を余儀なくされ、投資口の発行価額の総額のうちに国外において募集される投資口の発行価額の占める割合が100分の50以上となった場合には、上記要件を満たせないことになります。かかる場合、利益の配当等の額を損金算入することができなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響をもたらす可能性があります。
H.税務調査等による更正処分のため、追加的な税負担が発生するリスク及び導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、税務当局との見解の相違により過年度の課税所得計算について追加の税務否認項目等の更正処分を受けた場合には、追加的な税負担が発生することがあります。また、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる場合には、本投資法人が過年度において損金算入した配当金が税務否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
I.不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、規約において、特定不動産(不動産、不動産の賃借権若しくは地上権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の合計額の本投資法人の有する特定資産の価額の合計額に占める割合を100分の75以上とすること(規約第31条、規約別紙1 Ⅱ 4)としています。本投資法人は、上記内容の投資方針を規約に定めることその他の税制上の要件を充足することを前提として、不動産を取得する場合の不動産流通税(登録免許税及び不動産取得税)の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更され若しくは軽減措置が廃止された場合において、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。なお、投資法人に係る登録免許税及び不動産取得税の軽減措置は2023年3月31日までとされています。
J.一般的な税制の変更に係るリスク
不動産、不動産信託受益権その他投資法人の運用資産に関する税制若しくは投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、出資の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、投資口の保有又は売却による投資主の手取金の額が減少し、又は、税務申告等の税務上の手続面での負担が投資主に生じる可能性があります。
K.会計処理と税務処理との不一致により税負担が増大するリスク
会計処理と税務処理との間に不一致が生じた場合、会計上発生した費用・損失について、税務上その全部又は一部を損金に算入することができない等の理由により、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。但し、利益を超える金銭の分配のうち一時差異等調整引当額の増加額と同額である当該分配を行うことでかかる課税を回避又は軽減できる可能性があります。
⑥ その他
A.匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、不動産に関する匿名組合出資持分への投資を行うことがあります。匿名組合に出資する場合、本投資法人の出資を営業者が不動産等に投資することになりますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合、当該不動産等の価値が下落した場合、意図されない課税が生じた場合や匿名組合に係る不動産等が想定した価格で売却できない場合等には、当該匿名組合出資持分より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により本投資法人が営業者に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については契約上譲渡が禁止若しくは制限されている場合があり、又は、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。また、匿名組合出資持分への投資は、営業者が開発する新規物件に係る優先交渉権の取得を目的として行われることがありますが、かかる優先交渉権により当該新規物件を取得できる保証はありません。
(2)投資リスクに関する管理体制
上記の様々なリスクに鑑み、本投資法人及び資産運用会社は、本投資法人の資産運用に関し、以下の検証システムを通じ、実効性のあるリスク管理体制を整備し、最大限の効果の発揮に努めています。本投資法人及び資産運用会社は可能な限り、本投資口及び本投資法人債への投資に関するリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の対応に努める方針ですが、これらの措置が結果的に十分な成果を収めるとの保証はありません。
① 本投資法人の体制
本投資法人は、投信法に基づき設立され、執行役員1名及び監督役員2名により構成される役員会により運営されています。執行役員は、3ヶ月に1回以上の頻度で役員会を開催し、法令で定められた承認事項に加え、本投資法人の運営及び資産運用会社の業務遂行状況の詳細な報告を行います。この報告手続を通じ、資産運用会社又はその利害関係人から独立した地位にある監督役員は的確に情報を入手し、執行役員の業務執行状況を監視できる体制を維持しています。同時に、かかる報告により、本投資法人は、資産運用会社の利害関係人との取引について、利益相反取引のおそれがあるか否かについての確認を行い、利益相反等に係るリスクの管理に努めています。
本投資法人は、資産運用委託契約上、資産運用会社から各種報告を受ける権利及び資産運用会社の帳簿その他の資料の調査を行う権利を有しています。かかる権利の行使により、本投資法人は、運用会社の業務執行状況を監視できる体制を維持しています。
また、本投資法人は、内部者取引管理規則を定めて、役員によるインサイダー取引の防止に努めています。
② 資産運用会社の体制
資産運用会社は、運用及び管理に係るリスクについて、原則としてレベルの異なる、かつ複数の検証システムを通じてモニターし、管理しています。
A.資産運用会社は、リスク管理規程及びリスク管理マニュアルを定め、資産運用会社の経営及び投資法人から委託された運用資産に対して直接間接に影響を及ぼすリスクを定期的に分析・評価し、それに対する対策を講じ、またモニタリングすることにより、リスクの管理に努めています。
B.資産運用会社は、運用ガイドラインにおいて、分散投資によるポートフォリオの構築方針、投資を決定する際の物件調査基準及び物件評価基準、並びに運営管理方針(テナント管理及び賃貸方針、不動産運営管理、売却方針、付保方針並びに外部委託管理方針を含みます。)等を定めています。かかる運用ガイドラインを遵守することにより、不動産や不動産信託受益権に係るリスクの管理に努めています。
C.資産運用会社は、本書記載の本投資法人の運用体制のとおり、委員会規程を定めて本投資法人の資産運用に係る重要な事項の決定プロセスの明確化を図っているほか、不動産等の取得、管理運営その他の業務それぞれについて、客観的な業務手順を確立して、リスクの管理に努めています。
D.資産運用会社は、本書記載の運用体制(コンプライアンス体制)のとおり、コンプライアンス規程及びコンプライアンス・マニュアルを定めて、コンプライアンス・オフィサー及びコンプライアンス委員会による法令遵守の確認、コンプライアンス委員会による利害関係人との取引等についてのコンプライアンス上の問題の有無の確認を行い、これによって、法令違反のリスク、利益相反のリスクの防止に努めています。
E.資産運用会社は、内部者取引管理規程を定めて、役員及び従業員によるインサイダー取引の防止に努めています。