臨時報告書(内国特定有価証券)

【提出】
2017/10/11 15:01
【資料】
PDFをみる

提出理由

本投資法人は、平成29年10月11日開催の本投資法人の資産運用会社である株式会社星野リゾート・アセットマネジメントの取締役会において、本投資法人の運用等に関する方針を定めた運用ガイドラインの改正について決議が行われたことに伴い、以下のとおり同日付で本投資法人の運用に関する基本方針が変更されることとなりましたので、金融商品取引法第24条の5第4項並びに特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令第29条第1項及び同条第2項第3号に基づき本臨時報告書を提出するものです。

ファンドの運用に関する基本方針又は運用体制等の重要な変更

(1)変更の理由
本投資法人は、これまで、本投資法人の基本方針(注1)に基づき、本投資法人の投資主が投資口の保有を通じてニッポンの観光産業の分野においてその成長の果実を享受できる仕組みを作るとの目標の下、ホテル、旅館及び付帯施設に投資を行い、着実な運用を行ってきました。
本投資法人及び星野リゾートグループ(注2)は、我が国の各地域が有する多様性が観光資源として注目され、その活用のための取組みがこれまで行われてきていることに鑑みると、地域色豊かな都市には都市観光に対する観光ニーズがあると考えています。公益社団法人日本観光振興協会の平成28年度版「観光の実態と志向」によると、日本人が国内観光で希望する旅行の種類は、「食を楽しむ」、「寺社・仏閣を楽しむ」、「都市の建築物や文化施設、各種展示会などを楽しむ」等の本投資法人が「都市観光」カテゴリーに属すると考えている観光ニーズが、上位に位置しており、このことからも都市観光に対する観光ニーズが裏付けられていると、本投資法人は考えています。
このように都市観光に対する観光ニーズが存在すると考えられることから、都市観光の拠点となる宿泊施設について、都市観光需要を背景に、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であり、これに対する投資を行うことが投資主価値の継続的な向上に繋がるものと、本投資法人は考えています。これに沿って、投資方針の明確化及び見直しを行った結果、運用ガイドラインの改定を行うこととしました。
(注1)本投資法人は、中長期にわたり、観光産業の中核となり、安定的な利用が見込まれるホテル、旅館及び付帯施設に対する投資を行うこと、その中でも特に長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれる施設に重点的に投資を行うことを基本方針としています。
(注2)株式会社星野リゾート並びにその親会社及びその子会社を総称していいます。
(2)変更の概要
平成29年7月27日付で提出された有価証券報告書の「第一部 ファンド情報 第1 ファンドの状況 2 投資方針 (1) 投資方針」に記載の「② 基本方針 (イ) ホテル、旅館及び付帯施設への投資」及び同「(ハ) 星野リゾートグループ以外のオペレーターが運営する物件に対する投資」、「③ ポートフォリオ構築方針 (イ) 投資対象資産」及び同「(ハ) 資産規模の拡大及びポートフォリオ分散化の促進」、「④ 成長戦略 (イ) 外部成長」並びに「⑦ 投資基準 (イ) 立地」が平成29年10月11日付で以下のとおり変更されます。なお、特に断らない限り、平成29年7月27日付有価証券報告書で定義された用語は、本書においても同一の意味を有するものとします。
____の部分は変更箇所を示します。
第一部 ファンド情報
第1 ファンドの状況
2 投資方針
(1) 投資方針
② 基本方針
(イ) ホテル、旅館及び付帯施設への投資
本投資法人は、中長期にわたり、観光産業の中核となり、安定的な利用が見込まれるホテル、旅館及び付帯施設に対する投資を行います。その中でも特に長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれる施設に重点的に投資を行います。
まず、本投資法人は、星野リゾートグループが運営するホテル、旅館及び付帯施設(以下「星野リゾートグループ運営物件」ということがあります。)については、上記の方針に合致する星野リゾートグループの運営するサブブランド(サブブランドの詳細については、後記「⑤ 星野リゾートグループの概要 (イ) 星野リゾートグループの事業規模とブランディング戦略 b. ブランディング戦略」をご参照ください。)のうち本投資法人が競争力のあると考えるブランド(以下「主要ブランド」といいます。)が付された物件(以下「主要ブランド物件」といいます。)を中心に、継続的に投資を行います。本書の日付現在の主要ブランドは、星野リゾートグループの基幹ブランドであり、圧倒的な非日常感と世界スタンダードなサービスを提供することを目的とする「星のや」、有名温泉観光地に立地する高級温泉旅館「星野リゾート 界」及び大人も子供もそれぞれに楽しめるリゾートホテル(注1)をコンセプトとする「星野リゾート リゾナーレ」(以下、それぞれ「星のや」、「界」及び「リゾナーレ」ということがあります。)の3つがあると、本投資法人は考えています。本投資法人は、主要ブランド物件を中心に、星野リゾートグループ運営物件に対し継続的に投資を行うことにより、収益の安定性を確保することが可能なポートフォリオの構築を目指します。
また、星野リゾートグループ以外のオペレーターが運営する施設についても、安定的な利用が見込まれ、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれるホテル、旅館及び付帯施設には積極的な投資を行い、収益の安定性を確保しつつ、外部成長を図っていきます。
(後略)
(ハ) 星野リゾートグループ以外のオペレーターが運営する物件に対する投資
本投資法人は、安定的な利用が見込まれ、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれるホテル、旅館及び付帯施設であれば、星野リゾートグループ以外のオペレーターが運営する物件(以下「星野リゾートグループ以外運営物件」といいます。)についても積極的な投資を行います。
具体的には、星野リゾートグループ以外運営物件のうち、都市観光に対する観光ニーズが存在すると考えられる都市観光の拠点となるホテル、旅館及び付帯施設(以下「都市観光物件」といいます。)については、当該物件が所在する都市における都市観光需要を背景に、ソフト又はハードの優位性の観点から、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保できると判断できる場合に、当該物件の取得を検討します(都市観光及びそれに対する観光ニーズ並びにソフト及びハードの優位性の各詳細については、後記「③ ポートフォリオ構築方針 (イ) 投資対象資産 b. 星野リゾートグループ以外運営物件」をご参照ください。)。また、都市観光以外の観光ニーズが存在すると考えられる、都市観光物件以外のホテル、旅館及び付帯施設(以下「外部オペレーターその他物件」といいます。)についても、ソフト又はハードの優位性の観点から、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保できると判断できる場合に、当該物件の取得を検討します。
(後略)
③ ポートフォリオ構築方針
(イ) 投資対象資産
(中略)
a. 星野リゾートグループ運営物件
本投資法人は、上記の観点から本書の日付現在、星野リゾートグループの運営する主要ブランド物件に対する投資を行うことが望ましいと考えています。
「星のや」は、圧倒的な非日常感と世界スタンダードなサービスを提供することを目的とした、星野リゾートグループの基幹ブランドであり、国内リゾート市場にスモールラグジュアリー(注)の概念を定着させたブランドであると、本投資法人は考えています。
「星野リゾート 界」は、有名温泉観光地に立地する高級温泉旅館であり、小さくて上質、地域の魅力を感じる特別で快適なステイを提供することを目的としています。このブランドについては、日本独自のリゾート業態である「温泉旅館」として、「星のや」と同様に訪日外国人観光客の利用の増加も見込まれると、本投資法人は考えています。また、星野リゾートグループでは、これらのブランドの下で、経営難や後継者不足等で事業継続が困難となった既存旅館から経営・運営を承継することを一つのビジネスモデルにしており、今後、更なるパイプラインの拡大を見込めるものと考えています。
「星野リゾート リゾナーレ」は、大人も子供もそれぞれに楽しめるリゾートホテルをコンセプトとし、四季折々の豊富なアクティビティやリゾートならではの癒しを体験できる魅力を提案することを目標としており、ファミリー層から支持を受けるブランドを目指しています。
本投資法人は、主要ブランド物件に投資することで、収益の安定性を確保することが可能であると考えています。本投資法人は、星野リゾートとのスポンサーサポート契約を積極的に活用し、主要ブランド物件の情報を入手していく方針であり、その結果、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると判断した場合には、積極的に投資を行います。
また、その他の星野リゾートグループ運営物件(以下「星野リゾートグループその他物件」といいます。)に対しても、安定的な利用が見込まれ、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれる場合には、投資を行うことがあります。
(注) 「スモールラグジュアリー」な施設とは、小規模ながら高級志向に重点をおいた商品構成となっており、高度なパーソナル・サービスを中心とする、食事、文化、景観、自然、滞在中のアクティビティ、温泉等が魅力を演出する施設をいいます。
b. 星野リゾートグループ以外運営物件
前記「① 本投資法人の基本理念」に記載のとおり、本投資法人は、投資主が投資口の保有を通じてニッポンの観光産業の分野においてその成長の果実を享受できる仕組みを作ることを目指していますが、「観光」には、大別して以下のとおり「リゾート観光」、「温泉観光」及び「都市観光」の3つのタイプがあると、本投資法人は考えています。
観光のタイプ概要
リゾート観光リゾート地に滞在することを主たる目的とする観光
温泉観光温泉保養を主たる目的とする観光
都市観光歴史的町並みや都市文化(コンサート、美術館、現代建築等)、夜景、産業遺産・文化遺産、都市の生活文化(食事、ショッピング)等を楽しむことを主たる目的とする観光

(注) 本投資法人及び星野リゾートグループが観光のニーズを捉える上で独自に分類したものであり、記載のとおりのタイプ別の観光ニーズがあることを保証又は約束するものではありません。
本投資法人及び星野リゾートグループは、前記「① 本投資法人の基本理念」に記載の「観光立国」の考え方の中では、我が国の各地域が有する多様性が観光資源として注目され、その活用のための取組みがこれまで行われてきていることに鑑みると、地域色豊かな都市には都市観光に対する観光ニーズがあると考えています。
本投資法人は、このように都市観光に対する観光ニーズが存在すると考えられることから、都市観光の拠点となる宿泊施設について、都市観光需要を背景に、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であり、これに対する投資を行うことが投資主価値の継続的な向上に繋がるものと考えています。
また、一般的にコモディティ化(似ている商品やサービスが大量に誕生し、それらが最適な生産性で生産され、効率的に消費者に届けられることで、どの企業も競争優位を維持できなくなる状態)の傾向が見られるホテル・旅館業界にあって、今後も安定した収益を生み、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能なのは、ビジネスモデルや運営力、立地等の優位性などで差別化された施設であると、本投資法人は考えています。このような観点から、本投資法人は、i.ソフトの優位性
競合他社と異なる差別化されたビジネスモデル、ブランド力等を有しており、運営について高い専門性を有するオペレーターにより運営されているかどうか
ii.ハードの優位性
立地の優位性や建物の希少性等により施設自体に優位性があるかどうか
という2つの観点から、投資対象資産を選定していきます。
本投資法人は、本資産運用会社による十分な情報収集に基づき、上記の観点から適切な物件に投資することで、星野リゾートグループが運営する物件に投資する場合と同様に、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保することができると考えています。
以上のとおり、本投資法人は、星野リゾートとのスポンサーサポート契約及び本資産運用会社独自のネットワークを積極的に活用して、星野リゾートグループ以外のオペレーターが運営する都市観光に対する観光ニーズが認められる都市観光の拠点となるホテル、旅館及び付帯施設(都市観光物件)の情報を入手し、その結果、当該物件の所在する都市における都市観光需要を背景に、ソフト又はハードの優位性の観点から、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると判断した場合には、積極的に投資を行います。
また、都市観光以外の観光ニーズが認められる都市観光物件以外のホテル、旅館及び付帯施設(外部オペレーターその他物件)の情報を入手し、その結果、ソフト又はハードの優位性の観点から、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると判断した場合にも、積極的に投資を行います。
(後略)
(ハ) 資産規模の拡大及びポートフォリオ分散化の促進
本投資法人は、資産規模の拡大を通じて収益安定性を強化させると同時に、ポートフォリオの分散を進展させ、旅行者の旅のニーズ又はトレンドの変化、災害、国内外の景気動向等により、本投資法人のキャッシュ・フローが大きく低下するリスクを軽減することも目指しています。
星野リゾートグループは、投資対象となるホテル、旅館及び付帯施設を様々な観点で各ブランドに分類の上、各施設を運営しています。本投資法人は、星野リゾートグループが有する一つのブランドに集中的に投資するのではなく、規模や価格設定、ターゲット顧客層が異なる主要ブランド物件及び星野リゾートグループその他物件に投資すると同時に、星野リゾートグループ以外運営物件である都市観光物件及び外部オペレーターその他物件並びに海外における星野リゾートグループ関与物件にも投資することで、ポートフォリオの分散効果の獲得と、収益の安定化を図ります。
本書の日付現在のポートフォリオは、「星のや」、「星野リゾート 界」及び「星野リゾート リゾナーレ」に属する主要ブランド物件並びに星野リゾートグループその他物件、並びに星野リゾートグループ以外運営物件である都市観光物件及び外部オペレーターその他物件を含んでおり、規模や価格設定、ターゲット顧客層が異なるため、ポートフォリオの分散効果が期待されます。
また、本投資法人は、今後も主要ブランド物件を中心とした星野リゾートグループ運営物件並びに星野リゾートグループ以外運営物件である都市観光物件及び外部オペレーターその他物件について、積極的な投資を検討していく予定です。
(後略)
④ 成長戦略
(イ) 外部成長
本投資法人は、以下の施策により運用資産を取得する方針です。
本投資法人は、星野リゾートグループから継続的に運用資産を取得する方針であり、星野リゾート及び本資産運用会社との間で締結したスポンサーサポート契約や共同投資に向けた合意等を活用し、主要ブランド物件を中心に星野リゾートグループが所有、開発、運営する物件及び海外における星野リゾートグループ関与物件を取得していく予定です。
星野リゾートグループにおいても、今後、市場成長性と星野リゾートグループ独自の運営の仕組みが有する強みを生かし、主要ブランド物件を中心に運営施設数を増やし、更なるスケールメリットを追求していくことを、成長戦略として掲げています。
更に、本投資法人は、主要ブランド物件を中心とする星野リゾートグループが所有、開発、運営する物件の取得に限定せず、安定的な利用が見込まれ、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれる星野リゾートグループ以外運営物件である都市観光物件及び外部オペレーターその他物件も積極的に取得する方針です。
(中略)
c. 本資産運用会社独自の星野リゾートグループ以外運営物件情報の活用
(中略)
i.星野リゾートグループ以外運営物件の取得
本投資法人は、情報を入手した物件のオペレーターが、競合他社と異なる差別化されたビジネスモデル、ブランド力や高い専門性等を活かして、物件を効率的に運営しており、当該オペレーターに運営を行わせることによって本投資法人が将来にわたり長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保できると判断した場合には、オペレーターを変更することなく当該物件を取得します。具体的には、(i)都市観光に対する観光ニーズが存在すると考えられる、都市観光物件については、当該物件の所在する都市における都市観光需要を背景に、ソフト又はハードの優位性の観点から、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保できると判断できる場合に、当該物件の取得を検討します。また、(ii)都市観光物件以外にも、都市観光以外の観光ニーズが存在すると考えられる外部オペレーターその他物件について、ソフト又はハードの優位性の観点から、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保できると判断した場合に、当該物件の取得を検討します。
これらの場合、星野リゾートグループ以外の既存のオペレーターによる運営を継続、又は新たな星野リゾートグループ以外のオペレーターを選定することがあります。
(後略)
⑦ 投資基準
(イ) 立地
立地については、投資対象資産のブランドに適した立地であることを重視するほか、一般社団法人投資信託協会の制定する「不動産投資信託及び不動産投資法人に関する規則」を踏まえ、海外不動産等の所在する国又は地域についての不動産法制や司法制度全般の整備の状況、外国為替相場や制度の整備状況、及び資金決済や海外送金制度の整備状況等も総合的に考慮した上で、投資対象地域を選定します。具体的には、以下の基準に従うものとします。
区分立地基準
星野リゾートグループ
運営物件
集客が十分に見込めると本投資法人が判断したリゾート又は今後の成長により集客が十分に見込めるリゾートになると本投資法人が判断した地域に立地することを原則とします。
星野リゾートグループ
以外運営物件
ホテル、旅館及び付帯施設の対象客層や性質等を踏まえ、旅客数、知名度その他の事情に照らし、安定して運営できると本投資法人が判断した地域に立地することを原則とします。
海外における星野リゾートグループ関与物件世界的に観光地としての知名度が高い地域を中心に、当面の間は、米国、ヨーロッパ等の地域を中心とした中長期的に安定した経済基盤や、人口増加による経済成長が見込める地域のうち、国内と同様、安定して運営できると本投資法人が判断した地域に立地することを原則とします。

(注) 海外における星野リゾートグループ関与物件に対する投資比率は、15.0%を上限とします。
(3)変更の年月日
平成29年10月11日