有価証券報告書(内国投資証券)-第2期(平成25年11月1日-平成26年4月30日)
(1)【投資方針】
① 本投資法人の基本理念
本投資法人は、星野リゾートをスポンサーとして、平成25年3月6日に設立され、平成25年7月12日に東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場(銘柄コード:3287)しました。本投資法人は、上場直後の平成25年7月16日に6物件(取得価格の合計15,000百万円)を取得し、実質的な資産運用を開始しました。
本投資法人は、観光産業の中核となり、安定的な利用が見込まれるホテル、旅館及び付帯施設に投資を行い、中長期的な観点から運用資産の着実な成長と収益の安定的な確保を図ることにより、本投資法人の投資主価値の継続的な拡大を目指します。
観光庁によれば、平成24年の国内の旅行消費額(注)は22.5兆円となっており、観光産業の市場としての大きさが容易に窺われます。かかる旅行消費がもたらす経済波及効果は、生産波及効果で46.7兆円、付加価値誘発効果で23.8兆円、これによる雇用誘発効果は399万人、また、税収効果は4.1兆円と推計されています。本投資法人は、このような経済波及効果及び雇用誘発効果を有する観光産業について、各地の地域経済への貢献が可能であり、少子高齢化時代における我が国の経済活性化の切り札として重要な産業分野と位置付けることができると考えています。
(注) 「旅行消費額」とは、旅行中又は旅行のために消費した支出額の合計(他者が支払ったもの及びお土産代を含みます。)の推計額をいいます。
本投資法人は、星野リゾートの全額出資子会社である本資産運用会社に資産運用を委託し、星野リゾートグループが有する情報、ノウハウ及び経営資源等を、本投資法人の運用資産の安定的な運営による着実な成長と収益の安定的な確保のために、最大限活用する方針です。
本投資法人は、本投資法人の投資主が投資口の保有を通じてニッポンの観光産業の分野においてその成長の果実を享受できる仕組みを作ることを目指しており、これにより投資主価値の継続的な拡大を図っていきます。
■国内における旅行消費額(平成24年)
(出所) 観光庁「旅行・観光消費動向調査」
② 基本方針及びポートフォリオ構築方針の明確化及び見直しについて
本投資法人は、平成26年4月4日付で、基本方針及びポートフォリオ構築方針の明確化及び見直しを行いました。当該基本方針及びポートフォリオ構築方針の明確化及び見直しについては、前記「1 投資法人の概況 (1)主要な経営指標等の推移 ② 事業の概況 (イ)当期の概況 e.基本方針及びポートフォリオ構築方針の明確化及び見直しについて」をご参照下さい。
③ 基本方針
(イ) ホテル、旅館及び付帯施設への投資
本投資法人は、中長期にわたり、観光産業の中核となり、安定的な利用が見込まれるホテル、旅館及び付帯施設に対する投資を行います。その中でも特に長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれる施設に重点的に投資を行います。
まず、本投資法人は、星野リゾートグループが運営するホテル、旅館及び付帯施設(以下「星野リゾートグループ運営物件」ということがあります。)のうち、上記の方針に合致するものに対し、継続的に投資を行います。中でも、星野リゾートグループの基幹ブランドであり、圧倒的な非日常感と世界スタンダードなサービスを提供することを目的とする「星のや」、有名温泉観光地に立地する高級温泉旅館「星野リゾート 界」及び大人も子供もそれぞれ楽しめるリゾートホテル(注)をコンセプトとする「星野リゾート リゾナーレ」の3つのブランドに対する投資を行うことにより、収益の安定性を確保することが可能なポートフォリオの構築を目指します。
また、星野リゾートグループ以外のオペレーターが運営する施設についても、安定的な利用が見込まれ、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれるホテル、旅館及び付帯施設にも積極的な投資を行い、収益の安定性を確保しつつ、外部成長を図っていきます。
具体的な投資対象の選定方針については、後記「④ ポートフォリオ構築方針 (イ) 投資対象資産」をご参照下さい。
(注) 本書において、「リゾート」とは大勢の人が休暇・余暇を過ごす場所又は行楽地をいい、「リゾートホテル」とはリゾートに所在するホテルをいいます。
(ロ) 星野リゾートグループの運営力の活用
本投資法人は、「リゾート運営の達人になる」というビジョンのもと、事業規模の拡大を図り、また他社との運営の仕組みの差別化により業界内でのプレゼンスを高めてきた、星野リゾートグループが有する施設運営に関する高い専門性を最大限活用することで、運用資産の競争力を維持し、安定的な運用を目指します。
星野リゾートグループは、平成26年5月31日現在、国内31箇所に拠点を有しており、グループ全体が一つのバリューチェーンとして機能しています。すなわち、ホテル、旅館及び付帯施設に関わる取得、開発、保有・運営、再生、リーシング、プロパティ・マネジメント、各種コンサルティング等、様々なホテル、旅館及び付帯施設に関連するソリューションを提供しており、本投資法人はこれらを以下a.乃至c.のとおり最大限に活用していきます。
星野リゾートグループについては、後記「⑥ 星野リゾートグループの概要」をご参照下さい。
a. 情報活用
本投資法人は、星野リゾートから、星野リゾートグループが有する施設の売買・運営に関する情報を含む観光産業に関する情報及びその他の情報の提供を受けることとしています。星野リゾートグループは、取得検討物件の評価、運営計画の立案、物件のリスク分析等について、豊富な施設運営により独自のノウハウを有していると、本投資法人は考えています。本投資法人は、このような星野リゾートグループからの情報の提供を活用し、外部成長及び内部成長を図ります。
b. 外部成長
本投資法人は、星野リゾートとのスポンサーサポート契約に基づき、優先的に提供される物件情報及び優先的売買交渉権を活用し、今後も星野リゾートグループが運営する収益力の安定した資産を継続的に取得していく方針です。
c. 内部成長
本投資法人は、物件ごとに適切な賃借人又は運営受託者の選定を図る方針です。本投資法人が適切と考える場合には、施設の「運営分野」を主たる事業領域として定めてノウハウ蓄積を行ってきた星野リゾートグループを運用資産の賃借人又は運営受託者に選定することにより、星野リゾートグループが有するホテル・旅館業界におけるトップクラスの運営力を最大限活用する方針です。
(ハ)星野リゾートグループ以外のオペレーターが運営する物件に対する投資
本投資法人は、安定的な利用が見込まれ、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれるホテル、旅館及び付帯施設であれば、星野リゾートグループ以外のオペレーターが運営する物件(以下「外部オペレーター運営物件」といいます。)についても積極的な投資を行います。
星野リゾートグループから提供される情報に加え、本資産運用会社がホテル・旅館業界において独自に有するネットワーク並びに本資産運用会社の役職員が本投資法人の資産の運用やホテル・旅館業に携わった経験等により培った取得検討物件のオペレーターの運営力や立地、物件の価値についての知識及び経験(オペレーターの運営力や立地、物件の価値に対する目利き力)を活用することで、外部オペレーター運営物件についても、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能な高い収益力を有するホテル・旅館施設の取得を図る方針です。
外部オペレーター運営物件の取得後、当該物件の運営について、本投資法人の運用資産の特性を深く理解し、当該運用資産に適合的なビジネスモデルやノウハウを有する場合など、当該施設の安定的なキャッシュ・フローを維持することが可能と判断した場合には、星野リゾートグループ以外のオペレーターによる運営を継続するか、又は星野リゾートグループ以外のオペレーターを新たに選定することがあります。かかる場合にも、本資産運用会社の役職員が有する施設運営ノウハウを活用することで、星野リゾートグループ以外のオペレーターによる安定的かつ効率的な施設運営を目指すとともに、必要に応じて星野リゾートグループとバックアップオペレーター契約を締結し、当該オペレーターの退去リスク等に備えることで、外部オペレーターに関するリスクを低減するよう努めます。
詳細は後記「④ ポートフォリオ構築方針 (イ) 投資対象資産 b. 外部オペレーター運営物件」をご参照下さい。
④ ポートフォリオ構築方針
本投資法人は、観光客の旅のニーズに応えるホテル、旅館及び付帯施設を中心とした安定的な収益基盤を持ったポートフォリオを構築していくことを基本戦略としています。保有資産については、その運営実績に照らし、安定した収益性の確保が可能な物件であると、本投資法人は考えています。
(イ) 投資対象資産
一般的にコモディティ化(似ている商品やサービスが大量に誕生し、それらが最適な生産性で生産され、効率的に消費者に届けられることで、どの企業も競争優位を維持できなくなる状態)の傾向が見られるホテル・旅館業界にあって、今後も安定した収益を生み、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能なのは、ビジネスモデルや運営力、立地等の優位性などで差別化された施設であると、本投資法人は考えています。このような観点から、本投資法人は、i ソフトの優位性
競合他社と異なる差別化されたビジネスモデル、ブランド力等を有しており、運営について高い専門性を有するオペレーターにより運営されているかどうか
ii ハードの優位性
立地の優位性や建物の希少性等により施設自体に優位性があるかどうか
という2つの観点から、投資対象資産を選定していきます。
また、本投資法人は、具体的な投資対象資産の選定にあたり、星野リゾートグループ運営物件及び外部オペレーター運営物件の両方の物件売却情報を積極的に入手した上で、それぞれについて以下のとおり投資対象資産を選別し、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保のため最適と考えられるポートフォリオを柔軟に構築する方針です。
a. 星野リゾートグループ運営物件
本投資法人は、上記の観点から本書の日付現在、星野リゾートグループの運営する「星のや」、「星野リゾート 界」及び「星野リゾート リゾナーレ」の3つのブランドに対する継続的な投資を行うことが望ましいと考えています。
「星のや」は、和風高級リゾートとして圧倒的な非日常感を提供することを目的とした、星野リゾートグループの基幹ブランドであり、国内リゾート市場にスモールラグジュアリー(注)の概念を定着させたブランドであると、本投資法人は考えています。
「星野リゾート 界」は、有名温泉観光地に立地する高級温泉旅館であり、小さくて上質、地域の魅力を感じる特別で快適なステイを提供することを目的としています。このブランドについては、日本独自のリゾート業態である「温泉旅館」として、「星のや」と同様に訪日外国人観光客の利用の増加も見込まれると、本投資法人は考えています。また、星野リゾートグループでは、このブランドの下で、経営難や後継者不足等で事業継続が困難となった既存旅館から経営・運営を承継することを一つのビジネスモデルにしており、今後、更なるパイプラインの拡大を見込めるものと考えています。
「星野リゾート リゾナーレ」は、大人も子供もそれぞれに楽しめるリゾートホテルをコンセプトとし、四季折々の豊富なアクティビティやリゾートならではの癒しを体験できる魅力を提案することを目標としており、ファミリー層から支持を受けるブランドを目指しています。
本投資法人は、かかる3つのブランドに継続的に投資することで、収益の安定性を確保することが可能であると考えています。本投資法人は、星野リゾートとのスポンサーサポート契約を積極的に活用し、かかる3ブランドの施設の情報を入手していく方針であり、その結果、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると判断した場合には、積極的に投資を行います。
(注) 「スモールラグジュアリー」な施設とは、小規模ながら高級志向に重点をおいた商品構成となっており、高度なパーソナル・サービスを中心とする、食事、文化、景観、自然、滞在中のアクティビティ、温泉等が魅力を演出する施設をいいます。
b. 外部オペレーター運営物件
本投資法人は、本資産運用会社による十分な情報収集に基づき、前記i及びiiの2つの観点から適切な物件に投資することで、星野リゾートグループが運営する物件に投資する場合と同様に、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保することができると考えています。
このような観点から、本投資法人は、星野リゾートとのスポンサーサポート契約及び本資産運用会社独自のネットワークを積極的に活用して、星野リゾートグループ以外のオペレーターが運営するホテル、旅館及び付帯施設の情報を入手し、その結果、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると判断した場合には、積極的に投資を行います。
(ロ) 投資期間
本投資法人は、原則として、中長期の保有を目的としてホテル、旅館及び付帯施設を取得します。
(ハ) 資産規模の拡大及びポートフォリオ分散化の促進
a. 資産規模の拡大
本投資法人は、資産規模の拡大を通じて、収益力を向上させることを目指します。また、本投資法人の運用に関連するコストの一部は、資産規模の拡大に比例するほど増加しないことが想定されるため、運用関連コストの収益に占める比率を低減させることを目指します。
b. ポートフォリオ分散化の促進
本投資法人は、ポートフォリオの分散を促進し、旅のトレンドの変化、災害等により、本投資法人のキャッシュ・フローが大きく低下するリスクを軽減することを目指します。
星野リゾートグループは、投資対象となるホテル、旅館及び付帯施設を様々な観点で各ブランドに分類の上、各施設を運営しています。本投資法人は、星野リゾートグループが有する一つのブランドに集中的に投資するのではなく、「星のや」、「星野リゾート 界」及び「星野リゾート リゾナーレ」に継続して分散投資を行うと同時に、外部オペレーター運営物件にも投資することにより、ポートフォリオの分散効果を促進することで、収益の安定化を図ります。
本書の日付現在のポートフォリオは、「星のや」、「星野リゾート 界」及び「星野リゾート リゾナーレ」の3ブランド並びにロードサイド型ホテルを含んでおり、規模や価格設定、ターゲット顧客層が異なるため、ポートフォリオの分散効果が期待されます。
また、本投資法人は、「星のや」、「星野リゾート 界」及び「星野リゾート リゾナーレ」の3ブランド並びにロードサイド型ホテル以外のホテル、旅館及び付帯施設についても投資を検討していく予定です。
平成26年4月30日現在及び本書の日付現在のブランド別分散状況(固定賃料ベース)は、以下のとおりです。
■ブランド別分散(固定賃料ベース)
また、本投資法人は、運用資産のブランド分散のみならず、各施設が所在する地域についても、分散を図る方針です。平成26年4月30日現在及び本書の日付現在の地域別分散(固定賃料ベース)は、以下のとおりです。
■地域別分散(固定賃料ベース)
⑤ 成長戦略
本投資法人は、本資産運用会社にその資産の運用を委託し、利益相反取引への対策に留意しつつ、星野リゾートグループが有するホテル、旅館及び付帯施設の開発、運営、リーシング、プロパティ・マネジメント等に関する情報、ノウハウ及び経営資源等を、本投資法人が有する運用資産の安定的な運営及び着実な外部成長に最大限活用していく方針です。星野リゾートグループは、本投資法人のスポンサーである星野リゾートを中心としたリゾート施設の運営会社グループであり、リゾート施設の運営の他、リゾート施設の新規開発及び再生事業等、デベロッパーとしての機能等を有しています。
また、本投資法人の上場及び本資産運用会社独自の人的ネットワーク及び積極的なソーシング活動により増加した物件売却情報に基づいて取得する外部オペレーター運営物件についても、上記の星野リゾートグループが有するノウハウ等を最大限活用することで、当該外部オペレーター運営物件に対する適正な評価、当該物件の取得後における安定的かつ効率的な運営を目指します。
(イ) 外部成長
本投資法人は、安定的な成長及び外部成長のスピードを重視し、以下の施策により運用資産を取得する方針です。
本投資法人は、安定成長を実現する目的で、星野リゾートグループから継続的に運用資産を取得する方針であり、星野リゾート及び本資産運用会社との間で締結したスポンサーサポート契約を活用し、星野リゾートグループが所有、開発、運営する物件を継続的に取得していく予定です。
星野リゾートグループにおいても、今後、市場成長性と星野リゾートグループ独自の運営の仕組みが有する強みを生かし、「星のや」、「星野リゾート 界」、「星野リゾート リゾナーレ」という3ブランドを中心に運営施設数を増やし、さらなるスケールメリットを追求していくことを、成長戦略として掲げています。
更に、本投資法人は、外部成長のスピードを早めるためにも、星野リゾートグループが所有、開発、運営する物件の取得に限定せず、安定的な利用が見込まれ、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれる外部オペレーター運営物件も取得する方針です。
外部成長実現に向けた施策は、以下のとおりです。
a. スポンサーサポート契約の活用
本投資法人は、星野リゾートグループが保有する物件の情報、人的・物的資源及び観光産業やリゾート分野における知識・経験・ノウハウ等の提供等、包括的なスポンサーサポートを利用します。
星野リゾートグループが所有するホテル、旅館及び付帯施設が、本投資法人の将来の外部成長に資する重要なパイプラインとして期待されるとの基本認識のもと、星野リゾートグループが所有するホテル、旅館及び付帯施設を本投資法人が安定的かつ継続的に取得すること、並びに星野リゾートグループが保有する人的・物的資源、観光産業やリゾート分野における知識・経験・ノウハウ及び国内外のネットワークを利用して、本投資法人の資産取得業務等を効率的に行うことを目的として、本投資法人及び本資産運用会社は星野リゾートとの間で、平成25年5月27日付でスポンサーサポート契約を締結しています。本投資法人及び本資産運用会社は、星野リゾートグループが国内において保有する物件の売却に関する情報及び星野リゾートの取引先等が所有、開発又は運営する適格不動産(後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (3) 利害関係者との取引状況等 ④ スポンサーサポート契約の概要」において定義します。)の売却に関する情報を、スポンサーサポート契約に基づいて優先的に入手し、本投資法人の外部成長を図っていきます。
本投資法人は、他にも(i)優先的売買交渉権の付与、(ii)資産取得業務等の支援、(iii)ウェアハウジング機能の提供、(iv)投資主優待制度の提供等のサポートを受けています。なお、詳細については後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (3) 利害関係者との取引状況等 ④ スポンサーサポート契約の概要」をご参照下さい。
b. 星野リゾートグループの再生ノウハウの活用
スポンサーサポート契約に基づき、本投資法人及び本資産運用会社は、星野リゾートグループから物件情報の提供を受けるとともに、星野リゾートグループの再生ノウハウにより魅力を取り戻した物件の情報についても提供を受けます。また、本投資法人が取得を希望するホテル、旅館及び付帯施設について、ウェアハウジング機能を活用すべく星野リゾートグループに一時的に保有することを依頼した場合にも、かかる一時的な保有の間に星野リゾートグループが再生ノウハウを用いて当該施設の魅力をより高めることが期待できます。なお、再生案件施設の取得においては、星野リゾートグループが先行して物件取得を行い、当該物件のキャッシュ・フローが改善・安定し、中長期的な視点で安定的に収益が確保される状態になった段階で、本投資法人が当該物件を取得することにより、投資リスクを低減することができるものと考えており、これらの取組みは本投資法人の外部成長と収益の安定性に資するものと考えています。
なお、本投資法人は、星野リゾートグループにより再生が行われた施設について、引き続き外部成長のためのパイプラインとなることを期待しています。
c. 本資産運用会社独自の外部オペレーター運営物件情報の活用
本資産運用会社は、星野リゾートグループに限らず、全国のホテル、旅館及び付帯施設の所有者及びオペレーター等との間でネットワークを構築し、物件取得に関する情報を収集しています。本投資法人は、スポンサーサポート契約に基づき提供される星野リゾートグループからの情報に加え、本資産運用会社独自の情報収集力を活かし、競争力の高い物件の取得に努めます。
i 星野リゾートグループ以外のオペレーターが運営する物件の取得
本投資法人は、情報を入手した物件のオペレーターが、競合他社と異なる差別化されたビジネスモデル、ブランド力や高い専門性等を活かして、物件を効率的に運営しており、当該オペレーターに運営を行わせることによって本投資法人が将来にわたり長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保できると判断した場合には、オペレーターを変更することなく当該物件を取得します。また、立地の優位性や建物の希少性等により、他の施設との差別化を図ることができており、施設自体に優位性がある物件について、本投資法人が将来にわたり長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保できると判断した場合には、当該物件の取得を検討します。その場合、星野リゾートグループ以外の既存のオペレーターによる運営を継続、又は新たな星野リゾートグループ以外のオペレーターを選定することがあります。更に、本投資法人は、これらの物件の運用に関しても星野リゾートグループの経営ノウハウを活用するほか、必要に応じて、星野リゾートグループをバックアップオペレーターに選定する方針です。
ii 星野リゾートグループのスポンサー力を活用した、外部オペレーター運営物件の取得
本資産運用会社独自の情報収集力により物件情報を入手した場合、本投資法人は、現所有者及び現オペレーターに対して星野リゾートグループのノウハウを活用した多様な取得方法及び運営方法を提案することで、投資機会を逃さずに外部オペレーター運営物件の取得が可能となり、その結果、外部成長のスピードを早めることができるものと考えています。
第一に、前記「a. スポンサーサポート契約の活用」に記載のとおり、本投資法人は、星野リゾートからウェアハウジング機能の提供を受けることで、資金調達の時期や投資基準との整合性等の理由で本投資法人が直ちに取得できない物件について、本投資法人の取得機会を優先的に確保することにより、機動的な取得機会の確保を図ることができます。
第二に、前記「b. 星野リゾートグループの再生ノウハウの活用」に記載のとおり、ウェアハウジング機能を活用すべく星野リゾートグループにホテル、旅館及び付帯施設を一時的に保有することを依頼した場合、かかる一時的な保有の間に星野リゾートグループの再生ノウハウを用いて当該施設の魅力をより高めることを期待することができます。また、本投資法人が競争力の向上に資すると考える場合には、星野リゾートグループ以外がオペレーターとなっているホテル、旅館及び付帯施設を本投資法人が取得した上で、オペレーターを星野リゾートグループに変更することがあります。
(ロ) 内部成長
本投資法人は、オペレーター及び本資産運用会社による施策を通じて、変動賃料のベースとなる売上げ拡大及び安定的かつ効率的な運営を通じた施設の競争力の維持・向上を通じて、安定的分配及び分配金の成長の両立を目指します。
内部成長実現に向けた施策は、以下のとおりです。
a. オペレーター及び本資産運用会社による内部成長
本投資法人は、投資家の立場に即して、本投資法人の保有するポートフォリオから得られる運営上のキャッシュ・フロー及びその賃貸収入を厳格に管理し、その維持・向上を図ります。
(i) オペレーターによる内部成長
ホテル・旅館事業は、施設を所有する役割と、運営する役割に大きく分けることができます。本投資法人は、本投資法人の運用資産の特性を深く理解し、当該運用資産に適合的なビジネスモデルやノウハウを有する者を運用資産のオペレーターに選定することで施設の競争力を維持・向上させる方針です。
平成4年以来、星野リゾートグループは、施設の「運営分野」を主たる事業領域と定め、この分野におけるノウハウ蓄積を行ってきました。本投資法人は、ホテル、旅館及び付帯施設の安定的な運営の実現という観点から、本投資法人が適切と考える場合には、星野リゾートグループを運用資産のオペレーターに選定する方針です。なお、星野リゾートグループをオペレーターに選定した場合には、本投資法人は、その運用資産の運営に際し星野リゾートグループの名称及びロゴ等を使用できるため、星野リゾートグループが有するブランド力を活用できるものと考えています。
(ii) 本資産運用会社による内部成長
本資産運用会社は、施設競争力の維持・向上のための運営、管理及びリニューアルを実施し、ポートフォリオの収益力の強化を目指します。
本投資法人は、星野リゾートグループ運営物件については、星野リゾートグループが独自のノウハウを有し、運用資産毎の特性を十分に理解していると考えており、適切と考える場合には星野リゾートグループにプロパティ・マネジメント業務を委託することにより、星野リゾートグループが有するホテル・旅館業界におけるトップクラスの運営力を最大限引き出す方針です。
また、本投資法人は、外部オペレーター運営物件については、本投資法人の運用資産の特性を深く理解し、当該運用資産に適合的なプロパティ・マネジメントのノウハウを有する者を必要に応じてプロパティ・マネージャーに選定することとしています。
b. 売上実績に連動した変動賃料の導入
オペレーターのノウハウによるホテル、旅館及び付帯施設の業績向上の恩恵を本投資法人が享受することを可能とする仕組みとして、本投資法人は、賃貸借契約において、固定賃料に加えて、ブランド及び施設の運営特性に応じた変動率を設定し、売上実績に連動した変動賃料を定めることを検討します。本投資法人の保有資産の賃貸借契約においては、いずれも固定賃料に加えてかかる変動賃料が定められています。
具体的には、保有資産について、基準売上に一定の比率(変動率)を乗じた額から固定賃料額を減じた額を変動賃料とすることで、キャッシュ・フローの安定性及び成長性の両立を図っています。なお、基準売上に一定の比率を乗じた額から固定賃料額を減じた額が正の数とならない場合には、変動賃料が生じません。
本投資法人は、変動賃料のベースとなる売上を向上させるために、運用資産については星野リゾートグループ及びソラーレグループ(ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ株式会社及びその子会社をいいます。以下同じです。)をオペレーターとすることで施設の運営パフォーマンスを向上させるとともに、運営パフォーマンスについて本資産運用会社によるモニタリングを実施する他、高い施設運営力との相乗効果が狙えるような施設自体の魅力・競争力の向上につながる資本的支出を実行します。
c. 中長期的な視点による資本的支出及び修繕計画の策定・実行を通じた運用資産の資産価値・競争力の維持・向上
本投資法人は、中長期的な観点から、運用資産の資産価値・競争力の維持・向上を図ると共に、慎重かつ十分な資本的支出を通じて将来における過大な修繕発生リスク及び施設の魅力減少に起因する売上減少リスクを低減させることで、運営収益の安定を目指します。本資産運用会社は、オペレーターの意見を参考に、綿密な費用対効果分析を行い、大規模修繕計画等、資本的支出に係る方針を策定します。
(ハ) 星野リゾートグループとの共存共栄(星野リゾートグループのコミットメント)
a. 基本方針
i. 本投資法人におけるメリット
本投資法人は、星野リゾートとの間で締結しているスポンサーサポート契約を活用することで、星野リゾートグループが保有する施設の情報等を優先的に入手し、高い競争力及び収益の安定性が見込めると判断した場合、当該施設を取得する方針です。
ii. 星野リゾートグループにおけるメリット
星野リゾートグループのバリューチェーンを活用した本投資法人の成長戦略、その中核の一つをなす星野リゾートグループが所有するホテル、旅館及び付帯施設を取得して外部成長を図る本投資法人の戦略は、施設の「運営分野」を主たる事業領域と定め、その上で拠点数の拡大を目指している星野リゾートグループの利益にも資するものであり、星野リゾートグループの戦略とも合致するものと、本投資法人は考えています。
iii.競争力強化のサイクルによる共存共栄モデルの実現
世界のホテル業界において、所有と運営の分離は、施設所有者(投資家)と運営会社それぞれの強みを活かし、相乗効果を発揮する手法として一般的になっていると、本投資法人は考えています。所有と運営を分離することで、運営会社は施設運営に特化してノウハウを蓄積し、運営力を向上させることが期待できます。運営会社の運営力が向上すれば、施設の収益性は安定し、成長することが期待できます。これにより、施設所有者(投資家)の収益性は安定し、更に、変動賃料の導入を組み合わせれば、収益性の向上も実現できると、本投資法人は考えています。収益性が安定かつ成長した場合には、施設所有者(投資家)は新たに施設を取得することが可能となり、かかる施設の運営を受託することで、運営会社の運営施設数を拡大し、さらなるノウハウの蓄積や運営の効率化が可能となり、競争力の強化をはかることが期待できます(競争力強化のサイクル)。
かかる競争力強化のサイクルを通じて、施設を所有する本投資法人と施設を運営する星野リゾートグループには密接な共存共栄の関係が構築されると、本投資法人は考えています。本投資法人は、保有資産のうち、「星のや」、「星野リゾート 界」及び「星野リゾート リゾナーレ」に属する9物件については、星野リゾートグループに相当期間運営を行わせ、安定したキャッシュ・フローを確保するため、当該資産に係る本投資法人と星野リゾートグループの賃貸借契約について、契約期間を20年とし、取得後10年間は賃貸人の同意なく中途解約することができない契約としています。本投資法人は、本投資法人の収益性が安定及び成長することで、競争力強化のサイクルに入り、星野リゾートグループとともに利益を最大化することを追求していきます。更に、本投資法人は、引き続きホテル、旅館及び付帯施設の情報をスポンサーサポート契約に基づき優先的に入手することで、適切な施設の取得を図りますが、保有資産以外の星野リゾートグループが現在所有しているホテル、旅館及び付帯施設についても、本投資法人が取得し、星野リゾートグループに賃貸することにより、競争力強化のサイクルの効果を高めることを目指します。
このように本投資法人と星野リゾートグループは協働関係にあるものの、本投資法人と星野リゾートグループとの間の利益相反の問題が不可避的に生じうることから、本投資法人、本資産運用会社及び星野リゾートグループは、本投資法人の投資主利益と星野リゾートグループの利益を合致させることを目的として、以下の施策を実施することとしています。
・星野リゾートグループによる本投資法人の投資口の保有
・投資主優待制度の導入による、投資主の満足度並びに星野リゾートグループの運営する各施設の知名度及び売上の向上
b. 投資主優待制度の導入による投資主利益と星野リゾートグループの利益の合致
本投資法人が投資するホテル、旅館及び付帯施設について、その特徴を体験し、理解を深める機会を投資主に提供する目的で、投資主優待制度(以下「本優待制度」といいます。)を設けています。
本優待制度においては、各決算期における最終の投資主名簿に記載又は記録された投資主を対象として、各決算期において本投資法人が所有し、かつ星野リゾートグループが賃借するホテル、旅館及び付帯施設(ただし、星野リゾート並びに本投資法人及び本資産運用会社が別途合意するものを除きます。)への宿泊に際して1名1回の大人料金での利用につき2,000円相当の宿泊代金の割引を受けられる優待券の贈呈を実施する予定です。
(注1) 第2回は、平成26年4月30日現在の保有資産6物件への宿泊に際して1名1回の大人料金での利用につき2,000円相当の宿泊代金の割引を受けられる優待券の贈呈を実施します。なお、優待券送付は、1口当たり1枚とし、上限を投資主1名当たり10枚とします。
(注2) 本優待制度の内容等は今後変更され、又は実施が停止される場合があります。後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑥ その他 (ニ) 投資主優待制度に関するリスク」をご参照下さい。
(注3) 今後本優待制度の対象となる物件が増加又は減少する可能性があります。また、ロードサイド型ホテル21物件(保有資産のうちソラーレグループが運営する21物件のロードサイド型ホテルをいいます。以下同じです。)については本優待制度の対象とすることを予定していません。
⑥ 星野リゾートグループの概要
本投資法人は、ホテル、旅館及び付帯施設の運営について高い専門性を有する星野リゾートグループのサポートを活用し、運用資産の安定的な運営を目指します。本投資法人は、「高い生産性を達成する新しい仕組み」及び「ブランディング戦略によりスケールメリットを活かせる持続可能な競争力」を有していることが、星野リゾートグループのリゾート運営会社としての強みであると考えています。
星野リゾートグループの強みと特徴は、以下のとおりです。
(イ) 星野リゾートグループの事業規模とブランディング戦略
a. 事業規模の拡大
星野リゾートグループは、「リゾート運営の達人になる」をビジョンとして独自の戦略で事業規模拡大を進めています。明治37年に軽井沢の地で創業し、大正3年には星野温泉旅館をオープンし、同旅館をオープンしてから、今年で100年目を迎えます。平成13年以降、本拠地の長野・軽井沢を飛び出して、施設価値再生を求めるリゾート施設・旅館の経営・運営に携わりながら拠点を拡大してきました。平成26年5月31日現在、星野リゾートグループは国内31箇所に拠点を有します。
星野リゾートグループでは、世界の人々を結び付け、相互理解と世界平和を促進することが観光産業の役割であると考え、このような観光産業の一翼を担うべく、全ての利用者に満足感を与えること、新しい旅の形を提案することをめざし、リゾート施設・旅館の運営事業に取り組んでいます。
(参考情報)
株式会社星野リゾートホールディングス及びその子会社の財務状態及び経営成績の状況(連結)は、以下のとおりです。
(出所) 星野リゾートグループ
(注1) 上記数値は、株式会社星野リゾートホールディングス及びその子会社各社の計算書類を基に、星野リゾートグループが、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成したものですが、金融商品取引法及び会社法において公認会計士又は監査法人による監査を行うことを要請されていないため、計算書類の作成にあたり、かかる監査を経たものではありません。あくまでも参考として作成された数値に過ぎず、不完全又は不正確であるおそれもあります。
なお、本投資法人は、星野リゾートから調査業務を受託する新創監査法人との間で合意された手続(我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して行われる監査手続及び四半期レビュー基準に基づく四半期レビュー手続に準拠して行われるレビュー手続とは異なるものであり、いかなる保証の提供もされないものです。)により、上記数値の計算過程について同監査法人の確認を受けています。
(注2) 平成24年11月期は30拠点、平成25年11月期は31拠点を運営しています。
(注3) 星野リゾートは、平成25年11月13日を効力発生日として、星野リゾートの発行済株式の全部を、新設する株式会社星野リゾートホールディングスに取得させる株式移転を行っています。平成24年11月期の財務状態及び経営成績の状況は、かかる株式移転が行われる前の星野リゾート及びその子会社のものです。
拠点数の増加については、星野リゾートグループが積極的にリゾート運営会社として受託や拠点拡大の意向をアピールしてきたことで外部からの物件情報が得られたこと、生産性と顧客満足度を同時に高める運営ノウハウを蓄積して実績を残してきたこと、そして、所有・経営・運営の分離がリゾート業界や旅館業界でも進んできたことも影響していると、本投資法人は考えています。
平成24年には、6月に「星のや 竹富島」が開業し、12月には「界 箱根」の運営を開始しました。既存運営施設のリブランド化も加速しており、平成25年には、11月に「花乃井」が「界 遠州」としてリブランドされました。
このように、施設数も増え、手がける形態も、自社所有、賃貸借又は運営受託とさまざまな形になってきています。
(参考情報)
以下は、星野リゾートグループが運営する施設の一覧です。なお、本投資法人の保有資産以外の物件も含まれていますが、平成26年5月31日現在、本投資法人がこれらの物件を取得する具体的な予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
■星野リゾートグループの沿革と運営室数の推移
(出所) 星野リゾートより受領した資料に基づき本資産運用会社が作成。
(注1) 平成26年5月31日現在、星野リゾートグループが運営している各施設及びその運営室数を基礎として、上記各時点で運営していた施設の運営室数の合計を記載しています。運営室数に平成26年5月31日現在星野リゾートグループが運営を中止している施設は含まれておらず、また、各施設の運営室数は、施設の増改築や季節要因等によっても変動するため、上記数値は、当該時点における星野リゾートグループの運営室数と必ずしも一致しません。
(注2) 星野リゾートグループが運営する施設について記載したものであり、本投資法人の保有資産以外の物件並びに運営を中止した施設も含まれています。本書の日付現在、本投資法人がこれらの物件を取得する具体的な予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
■ポートフォリオマップ
(出所) 星野リゾートより受領した資料に基づき本資産運用会社が作成。
(注1) 平成26年5月31日現在の情報に基づくものであり、同時点で運営を中止している施設を含みません。
(注2) 星野リゾートグループが運営し、又は運営を予定している施設であり、本投資法人の保有資産以外の物件も含まれています。本書の日付現在、本投資法人がこれらの物件を取得する具体的な予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
(注3) 開業予定は、今後変更となる可能性があります。施設名は、仮称を含みます。
■各施設の運営開始日と所有・運営の形態
(出所) 星野リゾートより受領した資料に基づき本資産運用会社が作成。
(注1) 平成26年5月31日現在。
(注2) 施設名はマスターブランド「星野リゾート」を省略して記載しています。
(注3) 星野リゾートグループが運営する施設の一覧であり、本投資法人の保有資産以外の物件も含まれています。本書の日付現在、保有資産を除き、本投資法人がこれらの物件を取得する具体的な予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
(注4) 「保有資産」の欄には、保有資産を★で示しています。
星野リゾートグループは、施設数の増加とともに、スケールメリットを活かした運営面の生産性向上に向けた取組みを進めています。星野リゾートグループ独自の運営の仕組みである、マルチタスク、調理プロセス管理や統合予約センターの設置等を通じ、他の運営会社と比較して高い生産性を実現しているものと、本投資法人は考えています。
かかる星野リゾートグループ独自の運営の仕組みについては、後記「(ロ) 星野リゾートグループ独自の運営の仕組み」をご参照下さい。
b. ブランディング戦略
星野リゾートグループは、集客面においては星野リゾートグループ内のリピートを目的として、平成21年頃から施設カテゴリーの整理を行い、ブランディング戦略を展開しています。
まず、星野リゾート独自の調査により、観光・リゾートホテルの分野で「星野リゾート」の認知度が徐々に高まってきたとの認識の下、「星野リゾート」をマスターブランドとして位置付け、次にコンセプトやカテゴリーを示す名称として運営施設の大半を、「星のや」、「星野リゾート 界」及び「星野リゾート リゾナーレ」の3つのブランドに分類しました。各ブランドを総称して「サブブランド」と位置付け、これに「地域名」を組み込みました。このようなブランディング戦略に基づき、例えば、「星野リゾート 界」というブランドに分類されることで、星野リゾートが運営する温泉旅館であることが識別可能であり、また、地域名を組み合わせることで、地域性も明確になると考えられます。本書の日付現在、各ブランドには複数の施設がありますが、施設ごとに個別にPRするのではなく、各ブランドのイメージを包括的にPRしていくことによりブランドとしての知名度が高まり、各施設の集客力が向上するものと、本投資法人は考えています。
星野リゾートグループは、当面、「星のや」、「星野リゾート 界」及び「星野リゾート リゾナーレ」の3ブランドに集中して展開していく予定であり、国内の再生案件や運営を引き継ぐ際には、この3ブランドのコンセプトにふさわしいかを一つの基準にしていく方針を示しています。
(ロ) 星野リゾートグループ独自の運営の仕組み
星野リゾートグループは、国際的なコモディティ化が進んでいる高級宿泊施設セグメントにおいて、世界中のホテル及び旅館の所有者と観光旅行者に星野リゾートグループを選択してもらえるよう、脱コモディティ化を図るため、以下a.からf.までを含む独自の運営の仕組みを作り出してきました。
これらの運営の仕組みは、ホテル及び旅館の所有者に対しては、高い生産性を産む効率的運営による利益の最大化を、顧客に対しては、顧客満足度の最大化をもたらすことを目的としています。星野リゾートグループの運営の仕組みの特徴は、以下のとおりです。
a. マルチタスク(サービスチーム編成)
星野リゾートグループの運営システムにおける最大の特徴の一つがマルチタスクです。ホテル・旅館等の運営におけるマルチタスクとは、一人の従業員が複数業務を手掛けることによって、施設の効率運営を目指す手法です。星野リゾートグループは、平成14年からホテル組織で通常見られる部門別の分業化を廃止し、従業員の多能工化を進めてサービスチームとして編成し、手待ち時間を極小化する効率的運営手法を導入しています。
ホテル・旅館運営に必要な約200超の業務を、フロント、料飲サービス、ハウスキーピング
(客室清掃)、調理の4つの業務に整理し、多能工化を促進させ、業務量に応じてスタッフを適正配備して業務の効率化及び労働生産性の向上を推進しています。
b. 調理プロセス管理(セントラルキッチン)
星野リゾートグループは、本部が管轄するセントラルキッチンを千葉県千葉市に開設しています。セントラルキッチンとは、全部又は一部の調理プロセスをある一箇所に集約して行うことで規模のメリットを追求する料理提供手段です。この背景には、食材の一括購入によるコスト低減、一次調理(仕込み)の集中化による調理業務の効率化、施設間の料理品質の維持という観点だけでなく、マルチタスキングの生産性を最大化させるために、現場での調理業務を「見える化」(可視化されづらい作業の可視化)、そして標準化するという観点があります。
セントラルキッチンでは、一次処理を済ませた半製品を現場調理に納品し、各施設のレストラン厨房では、料理の最終調理を行って顧客に料理を提供する業務フローを標準化しています。
c. マーケティング
星野リゾートグループの運営におけるもう一つの特徴は、本部主導のマーケティング機能とその集客力です。このマーケティング機能は、マーケティングチーム及び広報チームで構成されています。
マーケティングチームは、獲得優先のセールス及び利益率最大化のためのプラン造成チームです。具体的には、全施設の販売戦略を立案し、各種エージェント(ネットエージェント、リアルエージェント、募集団体エージェント)と提携し、RevPARの最大化、つまり、グループ全体の収益の最大化を図っています。
広報チームは、数多くのマスコミ(テレビ・雑誌・ラジオ・WEB)との強固な関係を構築し、全施設の広報機能を包括して担うことにより、星野リゾートグループ各施設のブランドイメージの構築を行っています。
d. 予約チャネル管理(統合予約センター)
統合予約センターは、拠点での電話問い合わせによる業務の中断や接客対応中の機会損失をなくすために存在しています。コールセンター機能を集中させることにより、予約1件当たりの獲得コストを低く抑えています。更に、希望の施設に空きがない場合には、ニーズにあった星野リゾートグループの他の施設を紹介することにより、運営施設全体の獲得率につながっています。WEBやエージェント経由の受注も担当しており、直近年度では統合予約センターの受注シェアは全稼働客室の大部分を占めています。
e. CS(顧客満足度)
星野リゾートグループでは、CS調査をマネジメントに活かして運営上の競争力を高めています。
CS調査手法はインターネットを利用する方式であり、その調査結果は、パート・アルバイトを含むスタッフ全員がイントラネットを介してリアルタイムで共有できる体制が構築されています。また、CSデータを客観的な視点で理解し活用できる知識が組織全体に浸透するよう研修に努めています。
CS調査は、顧客満足へのネガティブ要因の改善に繋げるだけではなく、新商品を開発するプロセスでも活用されています。
f. ブランド化
星野リゾートグループのブランド化については、前記「 (イ) 星野リゾートグループの事業規模とブランディング戦略 b. ブランディング戦略」のとおりですが、星野リゾートグループでは年1回秋に、外部の調査機関を使って、過去1年間で国内宿泊旅行をした首都圏及び関西圏在住の日本人を対象に、星野リゾートグループのマスターブランド(星野リゾート)及びサブブランド(星のや・界・リゾナーレ)に対する認知率及び利用意向度に係るWEB調査を行っており、他の有力ブランドとの相対比較を通じて自らの市場ポジショニングをモニターしています。
平成25年9月に実施した星野グループ独自の調査結果では、マスターブランド(星野リゾート)については、平成21年からの4年間で確実に認知率も利用意向度も向上していることが判明しました。
⑦ 我が国の旅行市場の概況
本投資法人は、国内宿泊旅行市場の将来展望について、長引くデフレ経済時代においても、国内宿泊旅行に対する潜在需要が高いこと、そして、今後、相当数の訪日外国人旅行者数の増加が期待できるとの見通しであることから、今後も安定した市場規模が維持されるものと考えています。
(イ) 旅行市場の状況
a. 旅行市場及び国内日本人宿泊旅行の動向
前記「① 本投資法人の基本理念」のとおり、観光庁の公表データによると、平成24年の国内における旅行消費額は22.5兆円(国内宿泊旅行15.3兆円、日帰り旅行4.4兆円、海外旅行の国内消費分1.4兆円、訪日外国人旅行の消費分1.3兆円)となっています。
また、観光庁の「宿泊旅行統計調査(平成25年1月~12月)」によると、平成25年における日本人国内延べ宿泊者数は、前年比で約5%の増加を示しています。
本投資法人は、日本人国内延べ宿泊者数の回復の理由として、「レジャー・余暇生活」や観光旅行に対する日本人の関心の高さがあげられると考えています。
平成25年6月の「国民生活に関する世論調査」によると、今後の生活で重点を置きたい分野として「レジャー・余暇生活」を挙げる人数の割合が36.9%と最も多く、昭和58年以来連続して第1位を占めています。また、平成25年1月実施の公益財団法人日本生産性本部の調査によると、余暇活動に関して参加を希望するものについて、全国の15歳から79歳までの男女に複数回答にて調査を行ったところ(有効回収数3,334件)、参加希望率(ある余暇活動を将来やってみたい、又は今後も続けたいとする人の割合)は国内観光旅行がドライブや海外旅行を上回って第1位であり、国民の関心が高いことを示しています。
■今後の生活で重点をおきたい分野(複数回答)
(出所) 内閣府「国民生活に関する世論調査」(平成25年)
(注1) 「耐久消費財」とは、自動車、電気製品、家具等を指します。
(注2) 平成12年度は調査が行われていません。
b. 訪日外国人旅行者の動向
訪日外国人旅行者数は、平成15年の「ビジット・ジャパン・キャンペーン」開始後順調に増加し、平成21年に新型インフルエンザの影響で一時的な落ち込みを見せましたが、平成22年には羽田空港の国際定期便就航などの追い風を受け、アジアからの訪日客数が伸び、過去最高の861万人となりました。平成23年は東日本大震災の影響により621万人と一時的に減少し、平成24年は日中関係の悪化による影響があったと考えられますが、835万人まで回復し、独立行政法人国際観光振興機構(JNTO)の発表によると、平成25年は過去最高の1,036万人となりました。
■訪日外国人旅行者数
(出所) 独立行政法人国際観光振興機構(JNTO)
⑧ 投資基準
本投資法人は、ホテル、旅館及び付帯施設への投資にあたっては、国内のホテル・旅館等のマーケット環境を分析して当該物件の競争力及び将来性を検討するとともに、ポートフォリオ全体の成長性及び収益性と、ポートフォリオ全体におけるリスクも勘案の上、投資の可否を総合的に判断します。なお、本投資法人は、かかる判断にあたり、以下に記載の基準で検討するものとします。
(イ) 立地
立地については、投資対象資産のブランドに適した立地であることを重視します。具体的には、以下の基準に従うものとします。
(ロ) 投資金額
1物件当たりの投資金額が5億円以上であることを原則とします。ただし、その他の事項も含め総合的に勘案して投資が適正と判断される場合には、投資金額が1物件当たり5億円未満の物件についても、投資を行うことができるものとします。
(ハ) 取得価格
不動産等の取得価格については、本資産運用会社による独自の価格評価に基づき、不動産鑑定評価額を参考に判断します(なお、本資産運用会社の利害関係人等との取引においては、利益相反防止策として、利害関係人等でない不動産鑑定士(法人を含みます。)が鑑定した鑑定評価額を超えて取得してはならない旨の自主ルールを設けています。かかる利益相反防止策の詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2)利害関係人等取引規程」をご参照下さい。)。
(ニ) 建物構造
建物構造については、ホテル、旅館及び付帯施設としての目的に照らして必要な強度を有し、宿泊施設としての安全性に問題がないと判断できる物件に投資します。なお、本投資法人は、旅館等として使用する不動産等については、建物が周辺自然環境と調和していることや、建物が歴史的建造物であることなどが、旅館等としての希少性を高め、集客力や競争力に寄与することがあると考えています。したがって、建物構造については特段の限定を設けず、木造を含む全ての種類の建物構造に投資を行うことができるものとします。
なお、本投資法人は、必要な強度を有しているかの判断にあたり、当該物件のPML(Probable Maximum Loss:予想最大損害率)(以下「PML」といいます。)(注)を参考にし、当該物件のPMLが20%を超える場合、本投資法人は、地震保険の付保を検討します。
(注) 「PML」とは、当該地域で予想される最大規模の地震(475年に1度起こる可能性のある大地震=50年間に起こる可能性が10%を超える大地震)を対象物件が受けた場合に、被災後の建物を被災前の状態に戻すための工事費が総建替費に占める割合(%)を示したものをいいます。以下同じです。
(ホ) テナント及びオペレーター
テナント及びオペレーターの選定にあたっては、当該業者の社会的信用力を確認し、運営実績、競争力等について評価・分析の上、経済的信用力を有する等当該物件の競争力を維持又は向上できると判断できるテナント及びオペレーターを選定します。なお、テナントに対して運用資産を賃貸する場合には、テナントの信用状況等を調査の上、物件特性や当該テナントの信用状況等に応じた適切な担保(敷金及び保証金(固定賃料の6か月以上を原則とします。)、親会社等の保証を含みます。)を獲得するよう努めるものとします。
(ヘ) 権利関係
当該物件の特性に照らし、本投資法人による運用に支障がないと判断できる権利関係であることを原則とします。具体的には、所有権、賃借権、地上権等権利の形態を確認した上で、共有、区分所有又は借地の場合は、物件の特性を総合的に勘案し、権利関係者の属性等をも考慮の上、運営・管理における制約事項が少ないことを原則とします。
(ト) 運営実績
本投資法人は、原則として、過去の運営実績が無い未稼働のホテル、旅館及び付帯施設(建設予定又は建設中のホテル、旅館及び付帯施設を含みます。以下本(ト)において同じです。)への投資は行いません。ただし、未稼働のホテル、旅館及び付帯施設であっても、運営開始後の安定した運営が十分に見込まれ、本投資法人が取得した後に安定した収益が得られるものと判断した場合には、未稼働の物件に対しても、投資を行うことができるものとします。
⑨ デュー・ディリジェンス基準
本投資法人は、投資するホテル、旅館及び付帯施設を選定するにあたっては、以下に挙げる事業性に関する調査項目(調査主要項目一覧表①)について、可能な限り調査し、当該調査結果に基づき、当該物件の生み出す運営上のキャッシュ・フローの見込み、賃料収入の予想及びそれらに基づく収益価格等、当該物件の収益性及び安定性並びに投資の採算性について検証します。
また、かかる事業性に関する調査に加え、投資するホテル、旅館及び付帯施設を選定するにあたっては、土地、建物の物理的調査及び法的調査(調査主要項目一覧表②)についても十分に実施し、当該物件の生み出す運営上のキャッシュ・フローの安定性・成長性等を阻害する要因の在否の把握等を中心とした、当該物件の投資対象としての妥当性を検討します。
なお、上記調査プロセスにおいては、公正かつ調査能力・経験があると認めた第三者の専門家による不動産鑑定評価書、エンジニリアリングレポートを取得するほか、必要と判断する場合にはマーケットレポートその他の第三者の専門家の報告書等を取得し、これらの内容についても考慮します。
本投資法人は、これらの調査及び検証の結果、当該物件の生み出す運営上のキャッシュ・フローが本投資法人の投資対象として妥当と判断される賃料収入を達成するために必要な水準に達している(又は改善の見込みがあり当該改善後は必要な水準に達する蓋然性が高い)と判断できるとともに、当該物件の生み出す運営上のキャッシュ・フローの安定性・成長性等を阻害する要因がない又はかかる要因はあるものの限定的であり、総合的に判断して当該物件の投資対象としての妥当性が認められると判断した物件について投資します。
調査主要項目一覧表①
(注1) 「客室稼働率」とは、以下の計算式により求められる数値をいいます。以下同じです。
客室稼働率=販売客室数÷販売可能客室数
(注2) 星野リゾートグループをテナント・オペレーターに選定する場合は、当該項目の調査は原則として行いません。
調査主要項目一覧表②
(注) 星野リゾートグループをテナント・オペレーターに選定する場合は、当該項目の調査は原則として行いません。
木造物件については、売主へのヒアリング調査等を含む過去の修繕状況の確認を行い、必要に応じ、専門家レポートに基づく建物劣化診断、中長期修繕・更新計画の検討を行います。
具体的には以下のフローにしたがって検討を行います。
(注1) 投資を検討する建物の全部事項証明書を確認し、構造が木造であればステップ2に、それ以外であればステップ5に進みます。
(注2) 専門家レポート、図面(改修図を含みます。)、修繕履歴等を検証して得られた情報に基づき、安全性を検討します。この時点で売主による修繕、是正を前提としても安全性の確保が難しいと判断された場合には投資を断念し、それ以外の場合にはステップ3に進みます。
(注3) 目視調査等の非破壊調査においては、以下の事項を確認し、安全性を検討します。
この時点で売主による修繕、是正を前提としても安全性の確保が難しいと判断された場合又は安全性確保に必要な修繕、是正を売主が拒んだ場合は投資を断念し、安全性確保に必要な修繕を売主が了承した場合にはステップ4に進み、修繕、是正を行わなくても安全性が確保されている場合にはステップ5に進みます。
(注4) 通常のデュー・ディリジェンスに従った検証は、ステップ1からステップ4までの手続と並行して行われることがあります。
(注5) 上記各ステップにおいて、安全性が確認できない場合等安全性の確保が難しいと判断された場合は投資検討を中止し、必要な安全性が確保できると判断した木造物件のみを、投資適格と判断します。
⑩ フォワード・コミットメント
フォワード・コミットメント(先日付での売買契約であって、契約締結日から1か月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているもの、その他これに類する契約をいいます。以下同じです。)等を行う場合には、以下の点に留意することとします。
・契約不履行に関する解約違約金の水準、ポートフォリオ全体の収支及び配当水準等に与える影響等(東京証券取引所の定める上場廃止基準を含みます。)
・売買契約締結から物件引渡しまでの期間、当該期間中における金融環境及び不動産市場等の変動リスクの可能性並びに決済資金の調達方法等
⑪ ポートフォリオ運営・管理方針
(イ) 基本方針
運用資産の運用については、投資主のニーズに合致した高品質で魅力的な運用商品を提供するために、運用資産からの安定した収益の確保と資産価値の向上を目指し、透明性の高い運用を行うことを基本方針としています。
(ロ) 賃借人による運営のパフォーマンスのモニタリング
本投資法人は、賃借人との間で賃貸借契約を締結する際、固定賃料部分と変動賃料部分を組み合わせた賃料構成とすることを検討します。賃貸借契約において変動賃料を導入する場合、賃借人に対しホテル・旅館の運営収支等について一定の報告義務等を課すことが一般的であり、本投資法人においても賃貸借契約の中でかかる報告義務を課すことを基本方針とします。これにより、本投資法人の賃料収入に大きな影響を与えることとなる賃借人による運営パフォーマンスについて、本資産運用会社が一定の範囲でモニタリングすることが可能となります。
(ハ) 資本的支出
中長期的な観点から、運用資産の資産価値、競争力の維持・向上を図り、運営収益の安定を目指し、慎重かつ十分な資本的支出を行います。
a. 本投資法人が行う資本的支出の範囲
・資産価値・競争力の維持を目的とし、運用資産が良好な物理的状態を保ち、将来に渡り競争力を発揮するために必要な資本的支出
・資産価値・競争力の向上を目的とし、客室及び料飲施設に関する単価及び客室稼働率のアップを図るのに必要な資本的支出
b. 資本的支出の原資
本投資法人は、資本的支出について、基本的には毎期計上する減価償却の額の範囲内で対応しますが、必要に応じて借入れ等により調達することがあります。
c. 資本的支出計画策定プロセス
毎期作成される年度運用計画において、資産運用会社は、賃借人の意見を参考に、費用対効果分析を綿密に行って、大規模修繕計画等、資本的支出にかかる方針を策定します。資本的支出の実行においては、可能な限り業者からの入札プロセスを採用し、市場水準に比較して価格的及び質的に適切な内容となるよう努めます。
(ニ) 付保方針
a. 損害保険
災害や事故等による建物等の損害又は第三者への損害賠償を担保するため、運用資産のうち建物やその付帯施設・設備について火災保険、賠償責任保険等必要と判断した保険を付保します。
b. 地震保険
PMLが20%を超える建物やその付帯施設・設備及び地震保険の付保を検討するべき特段の事情がある建物やその付帯施設・設備につき、災害による影響と損害保険料等を比較検討して地震保険の付保を検討します。
⑫ 売却方針
原則として短期的な物件の売却は行いませんが、ポートフォリオ全体の構成、ニーズの変化、個別物件の状況、収益性の見通し、周辺環境の変化等を総合的に判断した結果、当該物件の売却がポートフォリオの収益の安定に資するものと判断される場合には、適切な時期での売却を検討することがあります。
⑬ 年度運用計画
本投資法人のアセットマネージャーたる役割を担う本資産運用会社は、その業務の一つとして、賃借人のパフォーマンスのモニタリングを行うとともに、本投資法人の資産ポートフォリオの年度運用計画(大規模改装工事計画等を含みます。)の策定を行い、計画的な運用資産の運用を行います。
(イ) 運用資産別のパフォーマンスのモニタリング
本資産運用会社は、賃借人に対して、月別の売上予測の提供並びに月次の売上、客室稼働率、ADR及びRevPARの実績の報告等を原則として求め、各施設のパフォーマンスについて逐次モニタリングするように努めます。
(ロ) 年度運用計画
本資産運用会社は、本投資法人の資産ポートフォリオ全体について、本投資法人の営業期間毎に、年度運用計画を策定し、計画的な運営管理を実施します。年度運用計画は、各営業期間開始時点のポートフォリオ全体の運営予算及び運用資産別のパフォーマンスに関する計画より構成され、各営業期間の開始までに投資運用委員会及びコンプライアンス委員会による審議及び承認を経た後、取締役会で決定されます。
(ハ) 年度運用計画の修正、検証
a. 月次での検証
本資産運用会社は、運用資産毎及びポートフォリオ全体での月次運営実績を検証します。上記(イ)に基づく月次レポートのレビューにより、月次運営予算と実績に乖離が見られる等、年度運用計画の見直しが必要と判断される場合には、速やかに修正年度運用計画(期中運用計画)を策定します。なお、期中に資産の取得又は売却を行った場合も同様とします。
b. 営業期毎の検証
本資産運用会社は、運用資産毎及びポートフォリオ全体の運用状況を分析し、それを踏まえて、翌営業期間以降の年度運用計画を策定します。
⑭ 財務方針
(イ) 基本方針
本投資法人は、収益の確保と運用資産の着実な成長に資するため、計画的かつ効率的な財務戦略を立案し、中長期にわたり安定的な財務基盤を構築することを目指します。
(ロ) エクイティ・ファイナンス
新投資口の発行は、運用資産の長期的かつ安定的な成長を目的として機動的に行います。その際には、経済環境や資本市場の動向、新たな運用資産の取得時期、及び投資口の希薄化(新規投資口の追加発行による投資口の持分割合の低下及び投資口1口当たりの純資産額又は分配金の減少)に十分配慮した上で総合的に判断するものとします。
(ハ) デット・ファイナンス
a. 安定性重視の財務方針
主要金融機関を中心にバランスの取れたバンクフォーメーションを構築することを目指します。また、借入金の長期固定化と返済期限の分散による、安定性重視の財務方針を採用します。
b. LTV水準
LTV(本投資法人の総資産額のうち、投資法人債を含む借入金残高の割合)の水準は財務健全性の確保のため、原則として50%を上限とします。ただし、新たな資産取得等に伴い、一時的に50%を超えることがあります。
c. アモチゼーション方針
本投資法人が投資対象とする施設は立地の点から相対的に建物比率が大きくなる傾向があり、営業期間毎に減価償却費として計上される金額が実際に必要とされる資本的支出の金額を相当程度上回ることがあります。この一部を戦略的なアモチゼーション(借入れの分割返済)に充てることにより、リファイナンスリスクの低減、及び支払利息の負担軽減による運用収益の増加を目指すことがあります。
d. 借入限度及び借入先
借入金及び投資法人債発行の限度額はそれぞれ1兆円とし、かつ、その合計額が1兆円を超えないものとします。なお、借入先は、金商法第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)に限定されます。また、借入先については候補となる複数の機関投資家と交渉の上、固定金利借入れの割合、約定弁済、借入期間、担保設定の有無等の借入諸条件を、比較して決定します。
e. 担保設定方針
資金調達に際しては、本投資法人の運用資産を担保として提供することができるものとします。
f. 投資法人債
金利の動向、資金調達コスト、支払金利の形態、調達先、調達期間及び債務の返済・償還期日を総合的に勘案した上で、投資法人債の発行を行うことがあります。
g. 短期投資法人債
金利の動向、資金調達コスト、支払金利の形態、調達先、調達期間及び債務の返済・償還期日を総合的に勘案した上で、短期投資法人債の発行を行うことがあります。
⑮ 情報開示方針
(イ) 本投資法人は、資産運用にあたり、常に投資家の視点に立ち、迅速、正確かつ公平に情報を開示することに努めます。
(ロ) 投資家に開示すべき情報の集約体制を整え、これを維持することに努めます。
① 本投資法人の基本理念
本投資法人は、星野リゾートをスポンサーとして、平成25年3月6日に設立され、平成25年7月12日に東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場(銘柄コード:3287)しました。本投資法人は、上場直後の平成25年7月16日に6物件(取得価格の合計15,000百万円)を取得し、実質的な資産運用を開始しました。
本投資法人は、観光産業の中核となり、安定的な利用が見込まれるホテル、旅館及び付帯施設に投資を行い、中長期的な観点から運用資産の着実な成長と収益の安定的な確保を図ることにより、本投資法人の投資主価値の継続的な拡大を目指します。
観光庁によれば、平成24年の国内の旅行消費額(注)は22.5兆円となっており、観光産業の市場としての大きさが容易に窺われます。かかる旅行消費がもたらす経済波及効果は、生産波及効果で46.7兆円、付加価値誘発効果で23.8兆円、これによる雇用誘発効果は399万人、また、税収効果は4.1兆円と推計されています。本投資法人は、このような経済波及効果及び雇用誘発効果を有する観光産業について、各地の地域経済への貢献が可能であり、少子高齢化時代における我が国の経済活性化の切り札として重要な産業分野と位置付けることができると考えています。
(注) 「旅行消費額」とは、旅行中又は旅行のために消費した支出額の合計(他者が支払ったもの及びお土産代を含みます。)の推計額をいいます。
本投資法人は、星野リゾートの全額出資子会社である本資産運用会社に資産運用を委託し、星野リゾートグループが有する情報、ノウハウ及び経営資源等を、本投資法人の運用資産の安定的な運営による着実な成長と収益の安定的な確保のために、最大限活用する方針です。
本投資法人は、本投資法人の投資主が投資口の保有を通じてニッポンの観光産業の分野においてその成長の果実を享受できる仕組みを作ることを目指しており、これにより投資主価値の継続的な拡大を図っていきます。
■国内における旅行消費額(平成24年)
(出所) 観光庁「旅行・観光消費動向調査」
② 基本方針及びポートフォリオ構築方針の明確化及び見直しについて
本投資法人は、平成26年4月4日付で、基本方針及びポートフォリオ構築方針の明確化及び見直しを行いました。当該基本方針及びポートフォリオ構築方針の明確化及び見直しについては、前記「1 投資法人の概況 (1)主要な経営指標等の推移 ② 事業の概況 (イ)当期の概況 e.基本方針及びポートフォリオ構築方針の明確化及び見直しについて」をご参照下さい。
③ 基本方針
(イ) ホテル、旅館及び付帯施設への投資
本投資法人は、中長期にわたり、観光産業の中核となり、安定的な利用が見込まれるホテル、旅館及び付帯施設に対する投資を行います。その中でも特に長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれる施設に重点的に投資を行います。
まず、本投資法人は、星野リゾートグループが運営するホテル、旅館及び付帯施設(以下「星野リゾートグループ運営物件」ということがあります。)のうち、上記の方針に合致するものに対し、継続的に投資を行います。中でも、星野リゾートグループの基幹ブランドであり、圧倒的な非日常感と世界スタンダードなサービスを提供することを目的とする「星のや」、有名温泉観光地に立地する高級温泉旅館「星野リゾート 界」及び大人も子供もそれぞれ楽しめるリゾートホテル(注)をコンセプトとする「星野リゾート リゾナーレ」の3つのブランドに対する投資を行うことにより、収益の安定性を確保することが可能なポートフォリオの構築を目指します。
また、星野リゾートグループ以外のオペレーターが運営する施設についても、安定的な利用が見込まれ、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれるホテル、旅館及び付帯施設にも積極的な投資を行い、収益の安定性を確保しつつ、外部成長を図っていきます。
具体的な投資対象の選定方針については、後記「④ ポートフォリオ構築方針 (イ) 投資対象資産」をご参照下さい。
(注) 本書において、「リゾート」とは大勢の人が休暇・余暇を過ごす場所又は行楽地をいい、「リゾートホテル」とはリゾートに所在するホテルをいいます。
(ロ) 星野リゾートグループの運営力の活用
本投資法人は、「リゾート運営の達人になる」というビジョンのもと、事業規模の拡大を図り、また他社との運営の仕組みの差別化により業界内でのプレゼンスを高めてきた、星野リゾートグループが有する施設運営に関する高い専門性を最大限活用することで、運用資産の競争力を維持し、安定的な運用を目指します。
星野リゾートグループは、平成26年5月31日現在、国内31箇所に拠点を有しており、グループ全体が一つのバリューチェーンとして機能しています。すなわち、ホテル、旅館及び付帯施設に関わる取得、開発、保有・運営、再生、リーシング、プロパティ・マネジメント、各種コンサルティング等、様々なホテル、旅館及び付帯施設に関連するソリューションを提供しており、本投資法人はこれらを以下a.乃至c.のとおり最大限に活用していきます。
星野リゾートグループについては、後記「⑥ 星野リゾートグループの概要」をご参照下さい。
a. 情報活用
本投資法人は、星野リゾートから、星野リゾートグループが有する施設の売買・運営に関する情報を含む観光産業に関する情報及びその他の情報の提供を受けることとしています。星野リゾートグループは、取得検討物件の評価、運営計画の立案、物件のリスク分析等について、豊富な施設運営により独自のノウハウを有していると、本投資法人は考えています。本投資法人は、このような星野リゾートグループからの情報の提供を活用し、外部成長及び内部成長を図ります。
b. 外部成長
本投資法人は、星野リゾートとのスポンサーサポート契約に基づき、優先的に提供される物件情報及び優先的売買交渉権を活用し、今後も星野リゾートグループが運営する収益力の安定した資産を継続的に取得していく方針です。
c. 内部成長
本投資法人は、物件ごとに適切な賃借人又は運営受託者の選定を図る方針です。本投資法人が適切と考える場合には、施設の「運営分野」を主たる事業領域として定めてノウハウ蓄積を行ってきた星野リゾートグループを運用資産の賃借人又は運営受託者に選定することにより、星野リゾートグループが有するホテル・旅館業界におけるトップクラスの運営力を最大限活用する方針です。
(ハ)星野リゾートグループ以外のオペレーターが運営する物件に対する投資
本投資法人は、安定的な利用が見込まれ、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれるホテル、旅館及び付帯施設であれば、星野リゾートグループ以外のオペレーターが運営する物件(以下「外部オペレーター運営物件」といいます。)についても積極的な投資を行います。
星野リゾートグループから提供される情報に加え、本資産運用会社がホテル・旅館業界において独自に有するネットワーク並びに本資産運用会社の役職員が本投資法人の資産の運用やホテル・旅館業に携わった経験等により培った取得検討物件のオペレーターの運営力や立地、物件の価値についての知識及び経験(オペレーターの運営力や立地、物件の価値に対する目利き力)を活用することで、外部オペレーター運営物件についても、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能な高い収益力を有するホテル・旅館施設の取得を図る方針です。
外部オペレーター運営物件の取得後、当該物件の運営について、本投資法人の運用資産の特性を深く理解し、当該運用資産に適合的なビジネスモデルやノウハウを有する場合など、当該施設の安定的なキャッシュ・フローを維持することが可能と判断した場合には、星野リゾートグループ以外のオペレーターによる運営を継続するか、又は星野リゾートグループ以外のオペレーターを新たに選定することがあります。かかる場合にも、本資産運用会社の役職員が有する施設運営ノウハウを活用することで、星野リゾートグループ以外のオペレーターによる安定的かつ効率的な施設運営を目指すとともに、必要に応じて星野リゾートグループとバックアップオペレーター契約を締結し、当該オペレーターの退去リスク等に備えることで、外部オペレーターに関するリスクを低減するよう努めます。
詳細は後記「④ ポートフォリオ構築方針 (イ) 投資対象資産 b. 外部オペレーター運営物件」をご参照下さい。
④ ポートフォリオ構築方針
本投資法人は、観光客の旅のニーズに応えるホテル、旅館及び付帯施設を中心とした安定的な収益基盤を持ったポートフォリオを構築していくことを基本戦略としています。保有資産については、その運営実績に照らし、安定した収益性の確保が可能な物件であると、本投資法人は考えています。
(イ) 投資対象資産
一般的にコモディティ化(似ている商品やサービスが大量に誕生し、それらが最適な生産性で生産され、効率的に消費者に届けられることで、どの企業も競争優位を維持できなくなる状態)の傾向が見られるホテル・旅館業界にあって、今後も安定した収益を生み、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能なのは、ビジネスモデルや運営力、立地等の優位性などで差別化された施設であると、本投資法人は考えています。このような観点から、本投資法人は、i ソフトの優位性
競合他社と異なる差別化されたビジネスモデル、ブランド力等を有しており、運営について高い専門性を有するオペレーターにより運営されているかどうか
ii ハードの優位性
立地の優位性や建物の希少性等により施設自体に優位性があるかどうか
という2つの観点から、投資対象資産を選定していきます。
また、本投資法人は、具体的な投資対象資産の選定にあたり、星野リゾートグループ運営物件及び外部オペレーター運営物件の両方の物件売却情報を積極的に入手した上で、それぞれについて以下のとおり投資対象資産を選別し、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保のため最適と考えられるポートフォリオを柔軟に構築する方針です。
a. 星野リゾートグループ運営物件
本投資法人は、上記の観点から本書の日付現在、星野リゾートグループの運営する「星のや」、「星野リゾート 界」及び「星野リゾート リゾナーレ」の3つのブランドに対する継続的な投資を行うことが望ましいと考えています。
「星のや」は、和風高級リゾートとして圧倒的な非日常感を提供することを目的とした、星野リゾートグループの基幹ブランドであり、国内リゾート市場にスモールラグジュアリー(注)の概念を定着させたブランドであると、本投資法人は考えています。
「星野リゾート 界」は、有名温泉観光地に立地する高級温泉旅館であり、小さくて上質、地域の魅力を感じる特別で快適なステイを提供することを目的としています。このブランドについては、日本独自のリゾート業態である「温泉旅館」として、「星のや」と同様に訪日外国人観光客の利用の増加も見込まれると、本投資法人は考えています。また、星野リゾートグループでは、このブランドの下で、経営難や後継者不足等で事業継続が困難となった既存旅館から経営・運営を承継することを一つのビジネスモデルにしており、今後、更なるパイプラインの拡大を見込めるものと考えています。
「星野リゾート リゾナーレ」は、大人も子供もそれぞれに楽しめるリゾートホテルをコンセプトとし、四季折々の豊富なアクティビティやリゾートならではの癒しを体験できる魅力を提案することを目標としており、ファミリー層から支持を受けるブランドを目指しています。
本投資法人は、かかる3つのブランドに継続的に投資することで、収益の安定性を確保することが可能であると考えています。本投資法人は、星野リゾートとのスポンサーサポート契約を積極的に活用し、かかる3ブランドの施設の情報を入手していく方針であり、その結果、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると判断した場合には、積極的に投資を行います。
(注) 「スモールラグジュアリー」な施設とは、小規模ながら高級志向に重点をおいた商品構成となっており、高度なパーソナル・サービスを中心とする、食事、文化、景観、自然、滞在中のアクティビティ、温泉等が魅力を演出する施設をいいます。
| ブランド名称 | 立地 | コンセプト・目的 |
| 星のや | 文化的ポテンシャルがある立地 | 『現代を休む日』 圧倒的な非日常感・世界スタンダードなサービス |
| 星野リゾート 界 | 全国的に知名度がある温泉地 | 『和心地な温泉旅館』 小さくて上質、地域の魅力を感じる特別で快適なステイ |
| 星野リゾート リゾナーレ | 集客が十分に見込めるリゾート又は今後の成長により集客が十分に見込めるリゾートになる地域 | 『洗練されたデザインと豊富なアクティビティをそなえる西洋型リゾート』 大人も子どももそれぞれに楽しめるリゾートホテル |
b. 外部オペレーター運営物件
本投資法人は、本資産運用会社による十分な情報収集に基づき、前記i及びiiの2つの観点から適切な物件に投資することで、星野リゾートグループが運営する物件に投資する場合と同様に、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保することができると考えています。
このような観点から、本投資法人は、星野リゾートとのスポンサーサポート契約及び本資産運用会社独自のネットワークを積極的に活用して、星野リゾートグループ以外のオペレーターが運営するホテル、旅館及び付帯施設の情報を入手し、その結果、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると判断した場合には、積極的に投資を行います。
(ロ) 投資期間
本投資法人は、原則として、中長期の保有を目的としてホテル、旅館及び付帯施設を取得します。
(ハ) 資産規模の拡大及びポートフォリオ分散化の促進
a. 資産規模の拡大
本投資法人は、資産規模の拡大を通じて、収益力を向上させることを目指します。また、本投資法人の運用に関連するコストの一部は、資産規模の拡大に比例するほど増加しないことが想定されるため、運用関連コストの収益に占める比率を低減させることを目指します。
b. ポートフォリオ分散化の促進
本投資法人は、ポートフォリオの分散を促進し、旅のトレンドの変化、災害等により、本投資法人のキャッシュ・フローが大きく低下するリスクを軽減することを目指します。
星野リゾートグループは、投資対象となるホテル、旅館及び付帯施設を様々な観点で各ブランドに分類の上、各施設を運営しています。本投資法人は、星野リゾートグループが有する一つのブランドに集中的に投資するのではなく、「星のや」、「星野リゾート 界」及び「星野リゾート リゾナーレ」に継続して分散投資を行うと同時に、外部オペレーター運営物件にも投資することにより、ポートフォリオの分散効果を促進することで、収益の安定化を図ります。
本書の日付現在のポートフォリオは、「星のや」、「星野リゾート 界」及び「星野リゾート リゾナーレ」の3ブランド並びにロードサイド型ホテルを含んでおり、規模や価格設定、ターゲット顧客層が異なるため、ポートフォリオの分散効果が期待されます。
また、本投資法人は、「星のや」、「星野リゾート 界」及び「星野リゾート リゾナーレ」の3ブランド並びにロードサイド型ホテル以外のホテル、旅館及び付帯施設についても投資を検討していく予定です。
平成26年4月30日現在及び本書の日付現在のブランド別分散状況(固定賃料ベース)は、以下のとおりです。
■ブランド別分散(固定賃料ベース)
また、本投資法人は、運用資産のブランド分散のみならず、各施設が所在する地域についても、分散を図る方針です。平成26年4月30日現在及び本書の日付現在の地域別分散(固定賃料ベース)は、以下のとおりです。
■地域別分散(固定賃料ベース)
⑤ 成長戦略
本投資法人は、本資産運用会社にその資産の運用を委託し、利益相反取引への対策に留意しつつ、星野リゾートグループが有するホテル、旅館及び付帯施設の開発、運営、リーシング、プロパティ・マネジメント等に関する情報、ノウハウ及び経営資源等を、本投資法人が有する運用資産の安定的な運営及び着実な外部成長に最大限活用していく方針です。星野リゾートグループは、本投資法人のスポンサーである星野リゾートを中心としたリゾート施設の運営会社グループであり、リゾート施設の運営の他、リゾート施設の新規開発及び再生事業等、デベロッパーとしての機能等を有しています。
また、本投資法人の上場及び本資産運用会社独自の人的ネットワーク及び積極的なソーシング活動により増加した物件売却情報に基づいて取得する外部オペレーター運営物件についても、上記の星野リゾートグループが有するノウハウ等を最大限活用することで、当該外部オペレーター運営物件に対する適正な評価、当該物件の取得後における安定的かつ効率的な運営を目指します。
(イ) 外部成長
本投資法人は、安定的な成長及び外部成長のスピードを重視し、以下の施策により運用資産を取得する方針です。
本投資法人は、安定成長を実現する目的で、星野リゾートグループから継続的に運用資産を取得する方針であり、星野リゾート及び本資産運用会社との間で締結したスポンサーサポート契約を活用し、星野リゾートグループが所有、開発、運営する物件を継続的に取得していく予定です。
星野リゾートグループにおいても、今後、市場成長性と星野リゾートグループ独自の運営の仕組みが有する強みを生かし、「星のや」、「星野リゾート 界」、「星野リゾート リゾナーレ」という3ブランドを中心に運営施設数を増やし、さらなるスケールメリットを追求していくことを、成長戦略として掲げています。
更に、本投資法人は、外部成長のスピードを早めるためにも、星野リゾートグループが所有、開発、運営する物件の取得に限定せず、安定的な利用が見込まれ、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれる外部オペレーター運営物件も取得する方針です。
外部成長実現に向けた施策は、以下のとおりです。
a. スポンサーサポート契約の活用
本投資法人は、星野リゾートグループが保有する物件の情報、人的・物的資源及び観光産業やリゾート分野における知識・経験・ノウハウ等の提供等、包括的なスポンサーサポートを利用します。
星野リゾートグループが所有するホテル、旅館及び付帯施設が、本投資法人の将来の外部成長に資する重要なパイプラインとして期待されるとの基本認識のもと、星野リゾートグループが所有するホテル、旅館及び付帯施設を本投資法人が安定的かつ継続的に取得すること、並びに星野リゾートグループが保有する人的・物的資源、観光産業やリゾート分野における知識・経験・ノウハウ及び国内外のネットワークを利用して、本投資法人の資産取得業務等を効率的に行うことを目的として、本投資法人及び本資産運用会社は星野リゾートとの間で、平成25年5月27日付でスポンサーサポート契約を締結しています。本投資法人及び本資産運用会社は、星野リゾートグループが国内において保有する物件の売却に関する情報及び星野リゾートの取引先等が所有、開発又は運営する適格不動産(後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (3) 利害関係者との取引状況等 ④ スポンサーサポート契約の概要」において定義します。)の売却に関する情報を、スポンサーサポート契約に基づいて優先的に入手し、本投資法人の外部成長を図っていきます。
本投資法人は、他にも(i)優先的売買交渉権の付与、(ii)資産取得業務等の支援、(iii)ウェアハウジング機能の提供、(iv)投資主優待制度の提供等のサポートを受けています。なお、詳細については後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (3) 利害関係者との取引状況等 ④ スポンサーサポート契約の概要」をご参照下さい。
b. 星野リゾートグループの再生ノウハウの活用
スポンサーサポート契約に基づき、本投資法人及び本資産運用会社は、星野リゾートグループから物件情報の提供を受けるとともに、星野リゾートグループの再生ノウハウにより魅力を取り戻した物件の情報についても提供を受けます。また、本投資法人が取得を希望するホテル、旅館及び付帯施設について、ウェアハウジング機能を活用すべく星野リゾートグループに一時的に保有することを依頼した場合にも、かかる一時的な保有の間に星野リゾートグループが再生ノウハウを用いて当該施設の魅力をより高めることが期待できます。なお、再生案件施設の取得においては、星野リゾートグループが先行して物件取得を行い、当該物件のキャッシュ・フローが改善・安定し、中長期的な視点で安定的に収益が確保される状態になった段階で、本投資法人が当該物件を取得することにより、投資リスクを低減することができるものと考えており、これらの取組みは本投資法人の外部成長と収益の安定性に資するものと考えています。
なお、本投資法人は、星野リゾートグループにより再生が行われた施設について、引き続き外部成長のためのパイプラインとなることを期待しています。
c. 本資産運用会社独自の外部オペレーター運営物件情報の活用
本資産運用会社は、星野リゾートグループに限らず、全国のホテル、旅館及び付帯施設の所有者及びオペレーター等との間でネットワークを構築し、物件取得に関する情報を収集しています。本投資法人は、スポンサーサポート契約に基づき提供される星野リゾートグループからの情報に加え、本資産運用会社独自の情報収集力を活かし、競争力の高い物件の取得に努めます。
i 星野リゾートグループ以外のオペレーターが運営する物件の取得
本投資法人は、情報を入手した物件のオペレーターが、競合他社と異なる差別化されたビジネスモデル、ブランド力や高い専門性等を活かして、物件を効率的に運営しており、当該オペレーターに運営を行わせることによって本投資法人が将来にわたり長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保できると判断した場合には、オペレーターを変更することなく当該物件を取得します。また、立地の優位性や建物の希少性等により、他の施設との差別化を図ることができており、施設自体に優位性がある物件について、本投資法人が将来にわたり長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保できると判断した場合には、当該物件の取得を検討します。その場合、星野リゾートグループ以外の既存のオペレーターによる運営を継続、又は新たな星野リゾートグループ以外のオペレーターを選定することがあります。更に、本投資法人は、これらの物件の運用に関しても星野リゾートグループの経営ノウハウを活用するほか、必要に応じて、星野リゾートグループをバックアップオペレーターに選定する方針です。
ii 星野リゾートグループのスポンサー力を活用した、外部オペレーター運営物件の取得
本資産運用会社独自の情報収集力により物件情報を入手した場合、本投資法人は、現所有者及び現オペレーターに対して星野リゾートグループのノウハウを活用した多様な取得方法及び運営方法を提案することで、投資機会を逃さずに外部オペレーター運営物件の取得が可能となり、その結果、外部成長のスピードを早めることができるものと考えています。
第一に、前記「a. スポンサーサポート契約の活用」に記載のとおり、本投資法人は、星野リゾートからウェアハウジング機能の提供を受けることで、資金調達の時期や投資基準との整合性等の理由で本投資法人が直ちに取得できない物件について、本投資法人の取得機会を優先的に確保することにより、機動的な取得機会の確保を図ることができます。
第二に、前記「b. 星野リゾートグループの再生ノウハウの活用」に記載のとおり、ウェアハウジング機能を活用すべく星野リゾートグループにホテル、旅館及び付帯施設を一時的に保有することを依頼した場合、かかる一時的な保有の間に星野リゾートグループの再生ノウハウを用いて当該施設の魅力をより高めることを期待することができます。また、本投資法人が競争力の向上に資すると考える場合には、星野リゾートグループ以外がオペレーターとなっているホテル、旅館及び付帯施設を本投資法人が取得した上で、オペレーターを星野リゾートグループに変更することがあります。
(ロ) 内部成長
本投資法人は、オペレーター及び本資産運用会社による施策を通じて、変動賃料のベースとなる売上げ拡大及び安定的かつ効率的な運営を通じた施設の競争力の維持・向上を通じて、安定的分配及び分配金の成長の両立を目指します。
内部成長実現に向けた施策は、以下のとおりです。
a. オペレーター及び本資産運用会社による内部成長
本投資法人は、投資家の立場に即して、本投資法人の保有するポートフォリオから得られる運営上のキャッシュ・フロー及びその賃貸収入を厳格に管理し、その維持・向上を図ります。
(i) オペレーターによる内部成長
ホテル・旅館事業は、施設を所有する役割と、運営する役割に大きく分けることができます。本投資法人は、本投資法人の運用資産の特性を深く理解し、当該運用資産に適合的なビジネスモデルやノウハウを有する者を運用資産のオペレーターに選定することで施設の競争力を維持・向上させる方針です。
平成4年以来、星野リゾートグループは、施設の「運営分野」を主たる事業領域と定め、この分野におけるノウハウ蓄積を行ってきました。本投資法人は、ホテル、旅館及び付帯施設の安定的な運営の実現という観点から、本投資法人が適切と考える場合には、星野リゾートグループを運用資産のオペレーターに選定する方針です。なお、星野リゾートグループをオペレーターに選定した場合には、本投資法人は、その運用資産の運営に際し星野リゾートグループの名称及びロゴ等を使用できるため、星野リゾートグループが有するブランド力を活用できるものと考えています。
(ii) 本資産運用会社による内部成長
本資産運用会社は、施設競争力の維持・向上のための運営、管理及びリニューアルを実施し、ポートフォリオの収益力の強化を目指します。
本投資法人は、星野リゾートグループ運営物件については、星野リゾートグループが独自のノウハウを有し、運用資産毎の特性を十分に理解していると考えており、適切と考える場合には星野リゾートグループにプロパティ・マネジメント業務を委託することにより、星野リゾートグループが有するホテル・旅館業界におけるトップクラスの運営力を最大限引き出す方針です。
また、本投資法人は、外部オペレーター運営物件については、本投資法人の運用資産の特性を深く理解し、当該運用資産に適合的なプロパティ・マネジメントのノウハウを有する者を必要に応じてプロパティ・マネージャーに選定することとしています。
b. 売上実績に連動した変動賃料の導入
オペレーターのノウハウによるホテル、旅館及び付帯施設の業績向上の恩恵を本投資法人が享受することを可能とする仕組みとして、本投資法人は、賃貸借契約において、固定賃料に加えて、ブランド及び施設の運営特性に応じた変動率を設定し、売上実績に連動した変動賃料を定めることを検討します。本投資法人の保有資産の賃貸借契約においては、いずれも固定賃料に加えてかかる変動賃料が定められています。
具体的には、保有資産について、基準売上に一定の比率(変動率)を乗じた額から固定賃料額を減じた額を変動賃料とすることで、キャッシュ・フローの安定性及び成長性の両立を図っています。なお、基準売上に一定の比率を乗じた額から固定賃料額を減じた額が正の数とならない場合には、変動賃料が生じません。
本投資法人は、変動賃料のベースとなる売上を向上させるために、運用資産については星野リゾートグループ及びソラーレグループ(ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ株式会社及びその子会社をいいます。以下同じです。)をオペレーターとすることで施設の運営パフォーマンスを向上させるとともに、運営パフォーマンスについて本資産運用会社によるモニタリングを実施する他、高い施設運営力との相乗効果が狙えるような施設自体の魅力・競争力の向上につながる資本的支出を実行します。
c. 中長期的な視点による資本的支出及び修繕計画の策定・実行を通じた運用資産の資産価値・競争力の維持・向上
本投資法人は、中長期的な観点から、運用資産の資産価値・競争力の維持・向上を図ると共に、慎重かつ十分な資本的支出を通じて将来における過大な修繕発生リスク及び施設の魅力減少に起因する売上減少リスクを低減させることで、運営収益の安定を目指します。本資産運用会社は、オペレーターの意見を参考に、綿密な費用対効果分析を行い、大規模修繕計画等、資本的支出に係る方針を策定します。
(ハ) 星野リゾートグループとの共存共栄(星野リゾートグループのコミットメント)
a. 基本方針
i. 本投資法人におけるメリット
本投資法人は、星野リゾートとの間で締結しているスポンサーサポート契約を活用することで、星野リゾートグループが保有する施設の情報等を優先的に入手し、高い競争力及び収益の安定性が見込めると判断した場合、当該施設を取得する方針です。
ii. 星野リゾートグループにおけるメリット
星野リゾートグループのバリューチェーンを活用した本投資法人の成長戦略、その中核の一つをなす星野リゾートグループが所有するホテル、旅館及び付帯施設を取得して外部成長を図る本投資法人の戦略は、施設の「運営分野」を主たる事業領域と定め、その上で拠点数の拡大を目指している星野リゾートグループの利益にも資するものであり、星野リゾートグループの戦略とも合致するものと、本投資法人は考えています。
iii.競争力強化のサイクルによる共存共栄モデルの実現
世界のホテル業界において、所有と運営の分離は、施設所有者(投資家)と運営会社それぞれの強みを活かし、相乗効果を発揮する手法として一般的になっていると、本投資法人は考えています。所有と運営を分離することで、運営会社は施設運営に特化してノウハウを蓄積し、運営力を向上させることが期待できます。運営会社の運営力が向上すれば、施設の収益性は安定し、成長することが期待できます。これにより、施設所有者(投資家)の収益性は安定し、更に、変動賃料の導入を組み合わせれば、収益性の向上も実現できると、本投資法人は考えています。収益性が安定かつ成長した場合には、施設所有者(投資家)は新たに施設を取得することが可能となり、かかる施設の運営を受託することで、運営会社の運営施設数を拡大し、さらなるノウハウの蓄積や運営の効率化が可能となり、競争力の強化をはかることが期待できます(競争力強化のサイクル)。
かかる競争力強化のサイクルを通じて、施設を所有する本投資法人と施設を運営する星野リゾートグループには密接な共存共栄の関係が構築されると、本投資法人は考えています。本投資法人は、保有資産のうち、「星のや」、「星野リゾート 界」及び「星野リゾート リゾナーレ」に属する9物件については、星野リゾートグループに相当期間運営を行わせ、安定したキャッシュ・フローを確保するため、当該資産に係る本投資法人と星野リゾートグループの賃貸借契約について、契約期間を20年とし、取得後10年間は賃貸人の同意なく中途解約することができない契約としています。本投資法人は、本投資法人の収益性が安定及び成長することで、競争力強化のサイクルに入り、星野リゾートグループとともに利益を最大化することを追求していきます。更に、本投資法人は、引き続きホテル、旅館及び付帯施設の情報をスポンサーサポート契約に基づき優先的に入手することで、適切な施設の取得を図りますが、保有資産以外の星野リゾートグループが現在所有しているホテル、旅館及び付帯施設についても、本投資法人が取得し、星野リゾートグループに賃貸することにより、競争力強化のサイクルの効果を高めることを目指します。
このように本投資法人と星野リゾートグループは協働関係にあるものの、本投資法人と星野リゾートグループとの間の利益相反の問題が不可避的に生じうることから、本投資法人、本資産運用会社及び星野リゾートグループは、本投資法人の投資主利益と星野リゾートグループの利益を合致させることを目的として、以下の施策を実施することとしています。
・星野リゾートグループによる本投資法人の投資口の保有
・投資主優待制度の導入による、投資主の満足度並びに星野リゾートグループの運営する各施設の知名度及び売上の向上
b. 投資主優待制度の導入による投資主利益と星野リゾートグループの利益の合致
本投資法人が投資するホテル、旅館及び付帯施設について、その特徴を体験し、理解を深める機会を投資主に提供する目的で、投資主優待制度(以下「本優待制度」といいます。)を設けています。
本優待制度においては、各決算期における最終の投資主名簿に記載又は記録された投資主を対象として、各決算期において本投資法人が所有し、かつ星野リゾートグループが賃借するホテル、旅館及び付帯施設(ただし、星野リゾート並びに本投資法人及び本資産運用会社が別途合意するものを除きます。)への宿泊に際して1名1回の大人料金での利用につき2,000円相当の宿泊代金の割引を受けられる優待券の贈呈を実施する予定です。
(注1) 第2回は、平成26年4月30日現在の保有資産6物件への宿泊に際して1名1回の大人料金での利用につき2,000円相当の宿泊代金の割引を受けられる優待券の贈呈を実施します。なお、優待券送付は、1口当たり1枚とし、上限を投資主1名当たり10枚とします。
(注2) 本優待制度の内容等は今後変更され、又は実施が停止される場合があります。後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑥ その他 (ニ) 投資主優待制度に関するリスク」をご参照下さい。
(注3) 今後本優待制度の対象となる物件が増加又は減少する可能性があります。また、ロードサイド型ホテル21物件(保有資産のうちソラーレグループが運営する21物件のロードサイド型ホテルをいいます。以下同じです。)については本優待制度の対象とすることを予定していません。
⑥ 星野リゾートグループの概要
本投資法人は、ホテル、旅館及び付帯施設の運営について高い専門性を有する星野リゾートグループのサポートを活用し、運用資産の安定的な運営を目指します。本投資法人は、「高い生産性を達成する新しい仕組み」及び「ブランディング戦略によりスケールメリットを活かせる持続可能な競争力」を有していることが、星野リゾートグループのリゾート運営会社としての強みであると考えています。
星野リゾートグループの強みと特徴は、以下のとおりです。
(イ) 星野リゾートグループの事業規模とブランディング戦略
a. 事業規模の拡大
星野リゾートグループは、「リゾート運営の達人になる」をビジョンとして独自の戦略で事業規模拡大を進めています。明治37年に軽井沢の地で創業し、大正3年には星野温泉旅館をオープンし、同旅館をオープンしてから、今年で100年目を迎えます。平成13年以降、本拠地の長野・軽井沢を飛び出して、施設価値再生を求めるリゾート施設・旅館の経営・運営に携わりながら拠点を拡大してきました。平成26年5月31日現在、星野リゾートグループは国内31箇所に拠点を有します。
星野リゾートグループでは、世界の人々を結び付け、相互理解と世界平和を促進することが観光産業の役割であると考え、このような観光産業の一翼を担うべく、全ての利用者に満足感を与えること、新しい旅の形を提案することをめざし、リゾート施設・旅館の運営事業に取り組んでいます。
(参考情報)
株式会社星野リゾートホールディングス及びその子会社の財務状態及び経営成績の状況(連結)は、以下のとおりです。
| (単位:千円) |
| 平成24年11月期 | 平成25年11月期 | |
| 営業収益 | 18,678,783 | 22,840,817 |
| 経常利益 | 1,266,663 | 1,658,375 |
| 当期純利益 | 1,094,775 | 4,727,497 |
| 総資産額 | 28,144,822 | 29,558,574 |
| 純資産額 | 7,024,751 | 11,831,776 |
| 有利子負債 | 16,860,237 | 9,591,349 |
(出所) 星野リゾートグループ
(注1) 上記数値は、株式会社星野リゾートホールディングス及びその子会社各社の計算書類を基に、星野リゾートグループが、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成したものですが、金融商品取引法及び会社法において公認会計士又は監査法人による監査を行うことを要請されていないため、計算書類の作成にあたり、かかる監査を経たものではありません。あくまでも参考として作成された数値に過ぎず、不完全又は不正確であるおそれもあります。
なお、本投資法人は、星野リゾートから調査業務を受託する新創監査法人との間で合意された手続(我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して行われる監査手続及び四半期レビュー基準に基づく四半期レビュー手続に準拠して行われるレビュー手続とは異なるものであり、いかなる保証の提供もされないものです。)により、上記数値の計算過程について同監査法人の確認を受けています。
(注2) 平成24年11月期は30拠点、平成25年11月期は31拠点を運営しています。
(注3) 星野リゾートは、平成25年11月13日を効力発生日として、星野リゾートの発行済株式の全部を、新設する株式会社星野リゾートホールディングスに取得させる株式移転を行っています。平成24年11月期の財務状態及び経営成績の状況は、かかる株式移転が行われる前の星野リゾート及びその子会社のものです。
拠点数の増加については、星野リゾートグループが積極的にリゾート運営会社として受託や拠点拡大の意向をアピールしてきたことで外部からの物件情報が得られたこと、生産性と顧客満足度を同時に高める運営ノウハウを蓄積して実績を残してきたこと、そして、所有・経営・運営の分離がリゾート業界や旅館業界でも進んできたことも影響していると、本投資法人は考えています。
平成24年には、6月に「星のや 竹富島」が開業し、12月には「界 箱根」の運営を開始しました。既存運営施設のリブランド化も加速しており、平成25年には、11月に「花乃井」が「界 遠州」としてリブランドされました。
このように、施設数も増え、手がける形態も、自社所有、賃貸借又は運営受託とさまざまな形になってきています。
(参考情報)
以下は、星野リゾートグループが運営する施設の一覧です。なお、本投資法人の保有資産以外の物件も含まれていますが、平成26年5月31日現在、本投資法人がこれらの物件を取得する具体的な予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
■星野リゾートグループの沿革と運営室数の推移
(出所) 星野リゾートより受領した資料に基づき本資産運用会社が作成。
(注1) 平成26年5月31日現在、星野リゾートグループが運営している各施設及びその運営室数を基礎として、上記各時点で運営していた施設の運営室数の合計を記載しています。運営室数に平成26年5月31日現在星野リゾートグループが運営を中止している施設は含まれておらず、また、各施設の運営室数は、施設の増改築や季節要因等によっても変動するため、上記数値は、当該時点における星野リゾートグループの運営室数と必ずしも一致しません。
(注2) 星野リゾートグループが運営する施設について記載したものであり、本投資法人の保有資産以外の物件並びに運営を中止した施設も含まれています。本書の日付現在、本投資法人がこれらの物件を取得する具体的な予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
■ポートフォリオマップ
(出所) 星野リゾートより受領した資料に基づき本資産運用会社が作成。
(注1) 平成26年5月31日現在の情報に基づくものであり、同時点で運営を中止している施設を含みません。
(注2) 星野リゾートグループが運営し、又は運営を予定している施設であり、本投資法人の保有資産以外の物件も含まれています。本書の日付現在、本投資法人がこれらの物件を取得する具体的な予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
(注3) 開業予定は、今後変更となる可能性があります。施設名は、仮称を含みます。
■各施設の運営開始日と所有・運営の形態
| 保有 資産 (注4) | 施設名 | 客室 数 | 所在地 | 運営 開始日 | 所有 | 運営 | 備考 |
| ホテルブレストンコート | 39 | 長野県 | 平成 7年 | 星野リゾート グループ | 星野リゾート グループ | ||
| ★ | リゾナーレ 八ヶ岳 | 172 | 山梨県 | 平成 13年 | 本投資法人 | 星野リゾート グループ | |
| ★ | トンボの湯、村民食堂 (星のや 軽井沢付帯施設) | - | 長野県 | 平成 14年 | 本投資法人 | 星野リゾート グループ | |
| アルツ磐梯 | - | 福島県 | 平成 15年 | 第三者所有 | 星野リゾート グループ | ||
| 磐梯山温泉ホテル | 152 | 福島県 | 平成 15年 | 第三者所有 | 星野リゾート グループ | ||
| トマムスキー場 | - | 北海道 | 平成 16年 | 第三者所有 | 星野リゾート グループ | ||
| トマム | 613 | 北海道 | 平成 16年 | 第三者所有 | 星野リゾート グループ | 旧「アルファリゾートトマム」 | |
| リゾナーレ トマム | 200 | 北海道 | 平成 16年 | 第三者所有 | 星野リゾート グループ | 旧「ガレリア タワー」 | |
| ★ | 星のや 軽井沢 | 77 | 長野県 | 平成 17年 | 本投資法人 | 星野リゾート グループ | 前身である星野温泉旅館のオープンは大正3年 |
| 界 加賀 | 23 | 石川県 | 平成 17年 | 星野リゾート グループ | 星野リゾート グループ | 旧「白銀屋」 | |
| ★ | 界 伊東 | 34 | 静岡県 | 平成 17年 | 本投資法人 | 星野リゾート グループ | 旧「いづみ荘」 |
| 青森屋 | 238 | 青森県 | 平成 17年 | 第三者所有 | 星野リゾート グループ | ||
| 奥入瀬渓流ホテル | 189 | 青森県 | 平成 17年 | 第三者所有 | 星野リゾート グループ |
| 保有 資産 (注4) | 施設名 | 客室 数 | 所在地 | 運営 開始日 | 所有 | 運営 | 備考 |
| ★ | 界 松本 | 26 | 長野県 | 平成 18年 | 本投資法人 | 星野リゾート グループ | 旧「貴祥庵」 |
| 界 アルプス | 28 | 長野県 | 平成 18年 | 星野リゾート グループ | 星野リゾート グループ | 旧「松延」 | |
| ★ | 界 出雲 | 24 | 島根県 | 平成 19年 | 本投資法人 | 星野リゾート グループ | 旧「有楽」 |
| アンジン | 37 | 静岡県 | 平成 19年 | 星野リゾート グループ | 星野リゾート グループ | ||
| 界 熱海 | 16 | 静岡県 | 平成 20年 | 星野リゾート グループ | 星野リゾート グループ | 旧「蓬莱」 | |
| 界 熱海別館 (ヴィラ・デル・ソル) | 7 | 静岡県 | 平成 20年 | 星野リゾート グループ | 星野リゾート グループ | ||
| 裏磐梯猫魔スキー場 | - | 福島県 | 平成 20年 | 第三者所有 | 星野リゾート グループ | ||
| 裏磐梯ホテル | 241 | 福島県 | 平成 21年 | 第三者所有 | 星野リゾート グループ | ||
| ウトコ オーベルジュ&スパ | 17 | 高知県 | 平成 21年 | 第三者所有 | 星野リゾート グループ | ||
| ★ | ハルニレテラス (星のや 軽井沢付帯施設) | - | 長野県 | 平成 21年 | 本投資法人 | 星野リゾート グループ | |
| ★ | 星のや 京都 | 25 | 京都府 | 平成 21年 | 本投資法人 | 星野リゾート グループ | |
| 界 遠州 | 32 | 静岡県 | 平成 22年 | 第三者所有 | 星野リゾート グループ | 旧「花乃井」 | |
| 界 津軽 | 40 | 青森県 | 平成 22年 | 第三者所有 | 星野リゾート グループ | 旧「錦水」 | |
| ★ | 界 阿蘇 | 12 | 大分県 | 平成 23年 | 本投資法人 | 星野リゾート グループ | 旧「界ASO」 |
| リゾナーレ 小浜島 | 160 | 沖縄県 | 平成 23年 | 第三者所有 | 星野リゾート グループ | ||
| ニラカナイ 西表島 | 140 | 沖縄県 | 平成 23年 | 第三者所有 | 星野リゾート グループ | ||
| リゾナーレ 熱海 | 76 | 静岡県 | 平成 23年 | 第三者所有 | 星野リゾート グループ | ||
| ★ | 界 箱根 | 31 | 神奈川県 | 平成 24年 | 本投資法人 | 星野リゾート グループ | 旧「桜庵」 |
| 星のや 竹富島 | 48 | 沖縄県 | 平成 24年 | 星野リゾート グループ | 星野リゾート グループ | ||
| ★ | 界 川治 | 54 | 栃木県 | 平成 24年 | 本投資法人 | 星野リゾート グループ | 平成24年に「宿屋伝七」として運営開始、平成26年、「界 川治」として開業 |
| 界 日光 | 33 | 栃木県 | 平成 25年 | 星野リゾート グループ | 星野リゾート グループ | 平成25年に「楓雅」として運営開始、平成26年、「界 日光」として開業 |
(出所) 星野リゾートより受領した資料に基づき本資産運用会社が作成。
(注1) 平成26年5月31日現在。
(注2) 施設名はマスターブランド「星野リゾート」を省略して記載しています。
(注3) 星野リゾートグループが運営する施設の一覧であり、本投資法人の保有資産以外の物件も含まれています。本書の日付現在、保有資産を除き、本投資法人がこれらの物件を取得する具体的な予定はなく、また、今後取得できる保証もありません。
(注4) 「保有資産」の欄には、保有資産を★で示しています。
星野リゾートグループは、施設数の増加とともに、スケールメリットを活かした運営面の生産性向上に向けた取組みを進めています。星野リゾートグループ独自の運営の仕組みである、マルチタスク、調理プロセス管理や統合予約センターの設置等を通じ、他の運営会社と比較して高い生産性を実現しているものと、本投資法人は考えています。
かかる星野リゾートグループ独自の運営の仕組みについては、後記「(ロ) 星野リゾートグループ独自の運営の仕組み」をご参照下さい。
b. ブランディング戦略
星野リゾートグループは、集客面においては星野リゾートグループ内のリピートを目的として、平成21年頃から施設カテゴリーの整理を行い、ブランディング戦略を展開しています。
まず、星野リゾート独自の調査により、観光・リゾートホテルの分野で「星野リゾート」の認知度が徐々に高まってきたとの認識の下、「星野リゾート」をマスターブランドとして位置付け、次にコンセプトやカテゴリーを示す名称として運営施設の大半を、「星のや」、「星野リゾート 界」及び「星野リゾート リゾナーレ」の3つのブランドに分類しました。各ブランドを総称して「サブブランド」と位置付け、これに「地域名」を組み込みました。このようなブランディング戦略に基づき、例えば、「星野リゾート 界」というブランドに分類されることで、星野リゾートが運営する温泉旅館であることが識別可能であり、また、地域名を組み合わせることで、地域性も明確になると考えられます。本書の日付現在、各ブランドには複数の施設がありますが、施設ごとに個別にPRするのではなく、各ブランドのイメージを包括的にPRしていくことによりブランドとしての知名度が高まり、各施設の集客力が向上するものと、本投資法人は考えています。
星野リゾートグループは、当面、「星のや」、「星野リゾート 界」及び「星野リゾート リゾナーレ」の3ブランドに集中して展開していく予定であり、国内の再生案件や運営を引き継ぐ際には、この3ブランドのコンセプトにふさわしいかを一つの基準にしていく方針を示しています。
(ロ) 星野リゾートグループ独自の運営の仕組み
星野リゾートグループは、国際的なコモディティ化が進んでいる高級宿泊施設セグメントにおいて、世界中のホテル及び旅館の所有者と観光旅行者に星野リゾートグループを選択してもらえるよう、脱コモディティ化を図るため、以下a.からf.までを含む独自の運営の仕組みを作り出してきました。
これらの運営の仕組みは、ホテル及び旅館の所有者に対しては、高い生産性を産む効率的運営による利益の最大化を、顧客に対しては、顧客満足度の最大化をもたらすことを目的としています。星野リゾートグループの運営の仕組みの特徴は、以下のとおりです。
a. マルチタスク(サービスチーム編成)
星野リゾートグループの運営システムにおける最大の特徴の一つがマルチタスクです。ホテル・旅館等の運営におけるマルチタスクとは、一人の従業員が複数業務を手掛けることによって、施設の効率運営を目指す手法です。星野リゾートグループは、平成14年からホテル組織で通常見られる部門別の分業化を廃止し、従業員の多能工化を進めてサービスチームとして編成し、手待ち時間を極小化する効率的運営手法を導入しています。
ホテル・旅館運営に必要な約200超の業務を、フロント、料飲サービス、ハウスキーピング
(客室清掃)、調理の4つの業務に整理し、多能工化を促進させ、業務量に応じてスタッフを適正配備して業務の効率化及び労働生産性の向上を推進しています。
b. 調理プロセス管理(セントラルキッチン)
星野リゾートグループは、本部が管轄するセントラルキッチンを千葉県千葉市に開設しています。セントラルキッチンとは、全部又は一部の調理プロセスをある一箇所に集約して行うことで規模のメリットを追求する料理提供手段です。この背景には、食材の一括購入によるコスト低減、一次調理(仕込み)の集中化による調理業務の効率化、施設間の料理品質の維持という観点だけでなく、マルチタスキングの生産性を最大化させるために、現場での調理業務を「見える化」(可視化されづらい作業の可視化)、そして標準化するという観点があります。
セントラルキッチンでは、一次処理を済ませた半製品を現場調理に納品し、各施設のレストラン厨房では、料理の最終調理を行って顧客に料理を提供する業務フローを標準化しています。
c. マーケティング
星野リゾートグループの運営におけるもう一つの特徴は、本部主導のマーケティング機能とその集客力です。このマーケティング機能は、マーケティングチーム及び広報チームで構成されています。
マーケティングチームは、獲得優先のセールス及び利益率最大化のためのプラン造成チームです。具体的には、全施設の販売戦略を立案し、各種エージェント(ネットエージェント、リアルエージェント、募集団体エージェント)と提携し、RevPARの最大化、つまり、グループ全体の収益の最大化を図っています。
広報チームは、数多くのマスコミ(テレビ・雑誌・ラジオ・WEB)との強固な関係を構築し、全施設の広報機能を包括して担うことにより、星野リゾートグループ各施設のブランドイメージの構築を行っています。
d. 予約チャネル管理(統合予約センター)
統合予約センターは、拠点での電話問い合わせによる業務の中断や接客対応中の機会損失をなくすために存在しています。コールセンター機能を集中させることにより、予約1件当たりの獲得コストを低く抑えています。更に、希望の施設に空きがない場合には、ニーズにあった星野リゾートグループの他の施設を紹介することにより、運営施設全体の獲得率につながっています。WEBやエージェント経由の受注も担当しており、直近年度では統合予約センターの受注シェアは全稼働客室の大部分を占めています。
e. CS(顧客満足度)
星野リゾートグループでは、CS調査をマネジメントに活かして運営上の競争力を高めています。
CS調査手法はインターネットを利用する方式であり、その調査結果は、パート・アルバイトを含むスタッフ全員がイントラネットを介してリアルタイムで共有できる体制が構築されています。また、CSデータを客観的な視点で理解し活用できる知識が組織全体に浸透するよう研修に努めています。
CS調査は、顧客満足へのネガティブ要因の改善に繋げるだけではなく、新商品を開発するプロセスでも活用されています。
f. ブランド化
星野リゾートグループのブランド化については、前記「 (イ) 星野リゾートグループの事業規模とブランディング戦略 b. ブランディング戦略」のとおりですが、星野リゾートグループでは年1回秋に、外部の調査機関を使って、過去1年間で国内宿泊旅行をした首都圏及び関西圏在住の日本人を対象に、星野リゾートグループのマスターブランド(星野リゾート)及びサブブランド(星のや・界・リゾナーレ)に対する認知率及び利用意向度に係るWEB調査を行っており、他の有力ブランドとの相対比較を通じて自らの市場ポジショニングをモニターしています。
平成25年9月に実施した星野グループ独自の調査結果では、マスターブランド(星野リゾート)については、平成21年からの4年間で確実に認知率も利用意向度も向上していることが判明しました。
⑦ 我が国の旅行市場の概況
本投資法人は、国内宿泊旅行市場の将来展望について、長引くデフレ経済時代においても、国内宿泊旅行に対する潜在需要が高いこと、そして、今後、相当数の訪日外国人旅行者数の増加が期待できるとの見通しであることから、今後も安定した市場規模が維持されるものと考えています。
(イ) 旅行市場の状況
a. 旅行市場及び国内日本人宿泊旅行の動向
前記「① 本投資法人の基本理念」のとおり、観光庁の公表データによると、平成24年の国内における旅行消費額は22.5兆円(国内宿泊旅行15.3兆円、日帰り旅行4.4兆円、海外旅行の国内消費分1.4兆円、訪日外国人旅行の消費分1.3兆円)となっています。
また、観光庁の「宿泊旅行統計調査(平成25年1月~12月)」によると、平成25年における日本人国内延べ宿泊者数は、前年比で約5%の増加を示しています。
本投資法人は、日本人国内延べ宿泊者数の回復の理由として、「レジャー・余暇生活」や観光旅行に対する日本人の関心の高さがあげられると考えています。
平成25年6月の「国民生活に関する世論調査」によると、今後の生活で重点を置きたい分野として「レジャー・余暇生活」を挙げる人数の割合が36.9%と最も多く、昭和58年以来連続して第1位を占めています。また、平成25年1月実施の公益財団法人日本生産性本部の調査によると、余暇活動に関して参加を希望するものについて、全国の15歳から79歳までの男女に複数回答にて調査を行ったところ(有効回収数3,334件)、参加希望率(ある余暇活動を将来やってみたい、又は今後も続けたいとする人の割合)は国内観光旅行がドライブや海外旅行を上回って第1位であり、国民の関心が高いことを示しています。
■今後の生活で重点をおきたい分野(複数回答)
(出所) 内閣府「国民生活に関する世論調査」(平成25年)
(注1) 「耐久消費財」とは、自動車、電気製品、家具等を指します。
(注2) 平成12年度は調査が行われていません。
b. 訪日外国人旅行者の動向
訪日外国人旅行者数は、平成15年の「ビジット・ジャパン・キャンペーン」開始後順調に増加し、平成21年に新型インフルエンザの影響で一時的な落ち込みを見せましたが、平成22年には羽田空港の国際定期便就航などの追い風を受け、アジアからの訪日客数が伸び、過去最高の861万人となりました。平成23年は東日本大震災の影響により621万人と一時的に減少し、平成24年は日中関係の悪化による影響があったと考えられますが、835万人まで回復し、独立行政法人国際観光振興機構(JNTO)の発表によると、平成25年は過去最高の1,036万人となりました。
■訪日外国人旅行者数
| 平成19年 | 8,346,969人 |
| 平成20年 | 8,350,835人 |
| 平成21年 | 6,789,658人 |
| 平成22年 | 8,611,175人 |
| 平成23年 | 6,218,752人 |
| 平成24年 | 8,358,105人 |
| 平成25年 | 10,363,904人 |
(出所) 独立行政法人国際観光振興機構(JNTO)
⑧ 投資基準
本投資法人は、ホテル、旅館及び付帯施設への投資にあたっては、国内のホテル・旅館等のマーケット環境を分析して当該物件の競争力及び将来性を検討するとともに、ポートフォリオ全体の成長性及び収益性と、ポートフォリオ全体におけるリスクも勘案の上、投資の可否を総合的に判断します。なお、本投資法人は、かかる判断にあたり、以下に記載の基準で検討するものとします。
(イ) 立地
立地については、投資対象資産のブランドに適した立地であることを重視します。具体的には、以下の基準に従うものとします。
| ブランド | 立地基準 |
| 「星のや」 | 地域独特の文化的なポテンシャルがあると本投資法人が判断した地域に立地することを原則とします。 |
| 「星野リゾート 界」 | 全国的に知名度があると本投資法人が判断した温泉地に立地することを原則とします。 |
| 「星野リゾート リゾナーレ」 | 集客が十分に見込めると本投資法人が判断したリゾート又は今後の成長により集客が十分に見込めるリゾートになると本投資法人が判断した地域に立地することを原則とします。 |
| その他 | ホテル、旅館及び付帯施設の対象客層や性質等を踏まえ、旅客数、知名度その他の事情に照らし、安定して運営できると本投資法人が判断した地域に立地することを原則とします。 |
(ロ) 投資金額
1物件当たりの投資金額が5億円以上であることを原則とします。ただし、その他の事項も含め総合的に勘案して投資が適正と判断される場合には、投資金額が1物件当たり5億円未満の物件についても、投資を行うことができるものとします。
(ハ) 取得価格
不動産等の取得価格については、本資産運用会社による独自の価格評価に基づき、不動産鑑定評価額を参考に判断します(なお、本資産運用会社の利害関係人等との取引においては、利益相反防止策として、利害関係人等でない不動産鑑定士(法人を含みます。)が鑑定した鑑定評価額を超えて取得してはならない旨の自主ルールを設けています。かかる利益相反防止策の詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2)利害関係人等取引規程」をご参照下さい。)。
(ニ) 建物構造
建物構造については、ホテル、旅館及び付帯施設としての目的に照らして必要な強度を有し、宿泊施設としての安全性に問題がないと判断できる物件に投資します。なお、本投資法人は、旅館等として使用する不動産等については、建物が周辺自然環境と調和していることや、建物が歴史的建造物であることなどが、旅館等としての希少性を高め、集客力や競争力に寄与することがあると考えています。したがって、建物構造については特段の限定を設けず、木造を含む全ての種類の建物構造に投資を行うことができるものとします。
なお、本投資法人は、必要な強度を有しているかの判断にあたり、当該物件のPML(Probable Maximum Loss:予想最大損害率)(以下「PML」といいます。)(注)を参考にし、当該物件のPMLが20%を超える場合、本投資法人は、地震保険の付保を検討します。
(注) 「PML」とは、当該地域で予想される最大規模の地震(475年に1度起こる可能性のある大地震=50年間に起こる可能性が10%を超える大地震)を対象物件が受けた場合に、被災後の建物を被災前の状態に戻すための工事費が総建替費に占める割合(%)を示したものをいいます。以下同じです。
(ホ) テナント及びオペレーター
テナント及びオペレーターの選定にあたっては、当該業者の社会的信用力を確認し、運営実績、競争力等について評価・分析の上、経済的信用力を有する等当該物件の競争力を維持又は向上できると判断できるテナント及びオペレーターを選定します。なお、テナントに対して運用資産を賃貸する場合には、テナントの信用状況等を調査の上、物件特性や当該テナントの信用状況等に応じた適切な担保(敷金及び保証金(固定賃料の6か月以上を原則とします。)、親会社等の保証を含みます。)を獲得するよう努めるものとします。
(ヘ) 権利関係
当該物件の特性に照らし、本投資法人による運用に支障がないと判断できる権利関係であることを原則とします。具体的には、所有権、賃借権、地上権等権利の形態を確認した上で、共有、区分所有又は借地の場合は、物件の特性を総合的に勘案し、権利関係者の属性等をも考慮の上、運営・管理における制約事項が少ないことを原則とします。
(ト) 運営実績
本投資法人は、原則として、過去の運営実績が無い未稼働のホテル、旅館及び付帯施設(建設予定又は建設中のホテル、旅館及び付帯施設を含みます。以下本(ト)において同じです。)への投資は行いません。ただし、未稼働のホテル、旅館及び付帯施設であっても、運営開始後の安定した運営が十分に見込まれ、本投資法人が取得した後に安定した収益が得られるものと判断した場合には、未稼働の物件に対しても、投資を行うことができるものとします。
⑨ デュー・ディリジェンス基準
本投資法人は、投資するホテル、旅館及び付帯施設を選定するにあたっては、以下に挙げる事業性に関する調査項目(調査主要項目一覧表①)について、可能な限り調査し、当該調査結果に基づき、当該物件の生み出す運営上のキャッシュ・フローの見込み、賃料収入の予想及びそれらに基づく収益価格等、当該物件の収益性及び安定性並びに投資の採算性について検証します。
また、かかる事業性に関する調査に加え、投資するホテル、旅館及び付帯施設を選定するにあたっては、土地、建物の物理的調査及び法的調査(調査主要項目一覧表②)についても十分に実施し、当該物件の生み出す運営上のキャッシュ・フローの安定性・成長性等を阻害する要因の在否の把握等を中心とした、当該物件の投資対象としての妥当性を検討します。
なお、上記調査プロセスにおいては、公正かつ調査能力・経験があると認めた第三者の専門家による不動産鑑定評価書、エンジニリアリングレポートを取得するほか、必要と判断する場合にはマーケットレポートその他の第三者の専門家の報告書等を取得し、これらの内容についても考慮します。
本投資法人は、これらの調査及び検証の結果、当該物件の生み出す運営上のキャッシュ・フローが本投資法人の投資対象として妥当と判断される賃料収入を達成するために必要な水準に達している(又は改善の見込みがあり当該改善後は必要な水準に達する蓋然性が高い)と判断できるとともに、当該物件の生み出す運営上のキャッシュ・フローの安定性・成長性等を阻害する要因がない又はかかる要因はあるものの限定的であり、総合的に判断して当該物件の投資対象としての妥当性が認められると判断した物件について投資します。
調査主要項目一覧表①
| 調査 | 項目 | 内容 |
| 事業性調査 | 施設・設備 | ・ 客室 客室数/客室タイプ/客室面積等 ・ レストラン・大浴場・その他施設・機能 施設数・施設構成等 |
| マーケット | ・ 地域経済・マーケット全般 ・ 立地 周辺環境/立地・アクセス/周辺施設/ 交通インフラ/温泉湯量等 | |
| 運営実績 | ・ 運営主要指標の調査 ・ 運営実績に基づく賃料負担力の調査 客室稼働率(注1)、ADR、RevPAR等 | |
| テナント・ オペレーター(注2) | ・ テナント・オペレーター調査 テナント・オペレーターの信用力/業績/実績等 |
(注1) 「客室稼働率」とは、以下の計算式により求められる数値をいいます。以下同じです。
客室稼働率=販売客室数÷販売可能客室数
(注2) 星野リゾートグループをテナント・オペレーターに選定する場合は、当該項目の調査は原則として行いません。
調査主要項目一覧表②
| 調査 | 項目 | 内容 |
| 物理的調査 | 建物の遵法性 | ・ 建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)(以下「建築基準法」といいます。)や都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)(以下「都市計画法」といいます。)等の建築関連法令等の遵守状況の確認 ・ 既存不適格の有無・程度 ・ 建築関連法令、条例、協定等による建築制限等の有無 |
| 建物の状況 | ・ アスベスト、ポリ塩化ビフェニル(PCB)等の有害汚染物質の含有機器及び含有廃棄物の有無 ・ 建築基準法、消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)(以下「消防法」といいます。)、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和45年法律第20号。その後の改正を含みます。)(以下「ビル管理法」といいます。)等の建物管理関連法令に沿った各種定期調査報告実施状況 ・ 建物管理状況 | |
| 建物の修繕・ 資本的支出 | ・ 緊急修繕必要箇所の有無 ・ 長期修繕計画 ・ 過去の修繕状況 | |
| 地震リスク・ 耐震性能調査、土壌環境汚染調査 | ・ PML値の算出 ・ 土壌調査 | |
| 法的調査 | 境界調査 | ・ 境界確認の有無(境界に関する訴訟その他の紛争の有無) ・ 越境・非越境物の有無 ・ 未登記建物の有無 |
| 権利関係の確認 | ・ 土地及び建物に関する権利関係の確認(完全所有権、地上権、借地権、共有、分有、区分所有等) ・ 権利に付随する各種契約書等(温泉権又は水利権に関するものを含みます。)の内容 | |
| テナント・ オペレーター属性 | ・ テナント関連契約(賃貸借契約、転貸借契約、使用貸借契約等)の調査 ・ 運営委託関連契約の調査 ・ 反社会的勢力の調査(注) |
(注) 星野リゾートグループをテナント・オペレーターに選定する場合は、当該項目の調査は原則として行いません。
木造物件については、売主へのヒアリング調査等を含む過去の修繕状況の確認を行い、必要に応じ、専門家レポートに基づく建物劣化診断、中長期修繕・更新計画の検討を行います。
具体的には以下のフローにしたがって検討を行います。
(注1) 投資を検討する建物の全部事項証明書を確認し、構造が木造であればステップ2に、それ以外であればステップ5に進みます。
(注2) 専門家レポート、図面(改修図を含みます。)、修繕履歴等を検証して得られた情報に基づき、安全性を検討します。この時点で売主による修繕、是正を前提としても安全性の確保が難しいと判断された場合には投資を断念し、それ以外の場合にはステップ3に進みます。
(注3) 目視調査等の非破壊調査においては、以下の事項を確認し、安全性を検討します。
| 構造躯体 | 建物の土台、躯体(柱及び梁を含みます。)等の構造体を目視にて確認し、図面と整合しているかを確認します。 |
| 外壁 | 屋根、外壁等の外部仕上げ材に、目立った亀裂、クラック等が無いか目視にて確認します。 |
| 内部仕上げ | 建物内部において目立った亀裂、クラック等が無いか、漏水箇所が無いかを目視にて確認します。 |
| 天井裏 | 建物内部の点検口より目視にて天井裏の状態を確認します。 |
この時点で売主による修繕、是正を前提としても安全性の確保が難しいと判断された場合又は安全性確保に必要な修繕、是正を売主が拒んだ場合は投資を断念し、安全性確保に必要な修繕を売主が了承した場合にはステップ4に進み、修繕、是正を行わなくても安全性が確保されている場合にはステップ5に進みます。
(注4) 通常のデュー・ディリジェンスに従った検証は、ステップ1からステップ4までの手続と並行して行われることがあります。
(注5) 上記各ステップにおいて、安全性が確認できない場合等安全性の確保が難しいと判断された場合は投資検討を中止し、必要な安全性が確保できると判断した木造物件のみを、投資適格と判断します。
⑩ フォワード・コミットメント
フォワード・コミットメント(先日付での売買契約であって、契約締結日から1か月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているもの、その他これに類する契約をいいます。以下同じです。)等を行う場合には、以下の点に留意することとします。
・契約不履行に関する解約違約金の水準、ポートフォリオ全体の収支及び配当水準等に与える影響等(東京証券取引所の定める上場廃止基準を含みます。)
・売買契約締結から物件引渡しまでの期間、当該期間中における金融環境及び不動産市場等の変動リスクの可能性並びに決済資金の調達方法等
⑪ ポートフォリオ運営・管理方針
(イ) 基本方針
運用資産の運用については、投資主のニーズに合致した高品質で魅力的な運用商品を提供するために、運用資産からの安定した収益の確保と資産価値の向上を目指し、透明性の高い運用を行うことを基本方針としています。
(ロ) 賃借人による運営のパフォーマンスのモニタリング
本投資法人は、賃借人との間で賃貸借契約を締結する際、固定賃料部分と変動賃料部分を組み合わせた賃料構成とすることを検討します。賃貸借契約において変動賃料を導入する場合、賃借人に対しホテル・旅館の運営収支等について一定の報告義務等を課すことが一般的であり、本投資法人においても賃貸借契約の中でかかる報告義務を課すことを基本方針とします。これにより、本投資法人の賃料収入に大きな影響を与えることとなる賃借人による運営パフォーマンスについて、本資産運用会社が一定の範囲でモニタリングすることが可能となります。
(ハ) 資本的支出
中長期的な観点から、運用資産の資産価値、競争力の維持・向上を図り、運営収益の安定を目指し、慎重かつ十分な資本的支出を行います。
a. 本投資法人が行う資本的支出の範囲
・資産価値・競争力の維持を目的とし、運用資産が良好な物理的状態を保ち、将来に渡り競争力を発揮するために必要な資本的支出
・資産価値・競争力の向上を目的とし、客室及び料飲施設に関する単価及び客室稼働率のアップを図るのに必要な資本的支出
b. 資本的支出の原資
本投資法人は、資本的支出について、基本的には毎期計上する減価償却の額の範囲内で対応しますが、必要に応じて借入れ等により調達することがあります。
c. 資本的支出計画策定プロセス
毎期作成される年度運用計画において、資産運用会社は、賃借人の意見を参考に、費用対効果分析を綿密に行って、大規模修繕計画等、資本的支出にかかる方針を策定します。資本的支出の実行においては、可能な限り業者からの入札プロセスを採用し、市場水準に比較して価格的及び質的に適切な内容となるよう努めます。
(ニ) 付保方針
a. 損害保険
災害や事故等による建物等の損害又は第三者への損害賠償を担保するため、運用資産のうち建物やその付帯施設・設備について火災保険、賠償責任保険等必要と判断した保険を付保します。
b. 地震保険
PMLが20%を超える建物やその付帯施設・設備及び地震保険の付保を検討するべき特段の事情がある建物やその付帯施設・設備につき、災害による影響と損害保険料等を比較検討して地震保険の付保を検討します。
⑫ 売却方針
原則として短期的な物件の売却は行いませんが、ポートフォリオ全体の構成、ニーズの変化、個別物件の状況、収益性の見通し、周辺環境の変化等を総合的に判断した結果、当該物件の売却がポートフォリオの収益の安定に資するものと判断される場合には、適切な時期での売却を検討することがあります。
⑬ 年度運用計画
本投資法人のアセットマネージャーたる役割を担う本資産運用会社は、その業務の一つとして、賃借人のパフォーマンスのモニタリングを行うとともに、本投資法人の資産ポートフォリオの年度運用計画(大規模改装工事計画等を含みます。)の策定を行い、計画的な運用資産の運用を行います。
(イ) 運用資産別のパフォーマンスのモニタリング
本資産運用会社は、賃借人に対して、月別の売上予測の提供並びに月次の売上、客室稼働率、ADR及びRevPARの実績の報告等を原則として求め、各施設のパフォーマンスについて逐次モニタリングするように努めます。
(ロ) 年度運用計画
本資産運用会社は、本投資法人の資産ポートフォリオ全体について、本投資法人の営業期間毎に、年度運用計画を策定し、計画的な運営管理を実施します。年度運用計画は、各営業期間開始時点のポートフォリオ全体の運営予算及び運用資産別のパフォーマンスに関する計画より構成され、各営業期間の開始までに投資運用委員会及びコンプライアンス委員会による審議及び承認を経た後、取締役会で決定されます。
(ハ) 年度運用計画の修正、検証
a. 月次での検証
本資産運用会社は、運用資産毎及びポートフォリオ全体での月次運営実績を検証します。上記(イ)に基づく月次レポートのレビューにより、月次運営予算と実績に乖離が見られる等、年度運用計画の見直しが必要と判断される場合には、速やかに修正年度運用計画(期中運用計画)を策定します。なお、期中に資産の取得又は売却を行った場合も同様とします。
b. 営業期毎の検証
本資産運用会社は、運用資産毎及びポートフォリオ全体の運用状況を分析し、それを踏まえて、翌営業期間以降の年度運用計画を策定します。
⑭ 財務方針
(イ) 基本方針
本投資法人は、収益の確保と運用資産の着実な成長に資するため、計画的かつ効率的な財務戦略を立案し、中長期にわたり安定的な財務基盤を構築することを目指します。
(ロ) エクイティ・ファイナンス
新投資口の発行は、運用資産の長期的かつ安定的な成長を目的として機動的に行います。その際には、経済環境や資本市場の動向、新たな運用資産の取得時期、及び投資口の希薄化(新規投資口の追加発行による投資口の持分割合の低下及び投資口1口当たりの純資産額又は分配金の減少)に十分配慮した上で総合的に判断するものとします。
(ハ) デット・ファイナンス
a. 安定性重視の財務方針
主要金融機関を中心にバランスの取れたバンクフォーメーションを構築することを目指します。また、借入金の長期固定化と返済期限の分散による、安定性重視の財務方針を採用します。
b. LTV水準
LTV(本投資法人の総資産額のうち、投資法人債を含む借入金残高の割合)の水準は財務健全性の確保のため、原則として50%を上限とします。ただし、新たな資産取得等に伴い、一時的に50%を超えることがあります。
c. アモチゼーション方針
本投資法人が投資対象とする施設は立地の点から相対的に建物比率が大きくなる傾向があり、営業期間毎に減価償却費として計上される金額が実際に必要とされる資本的支出の金額を相当程度上回ることがあります。この一部を戦略的なアモチゼーション(借入れの分割返済)に充てることにより、リファイナンスリスクの低減、及び支払利息の負担軽減による運用収益の増加を目指すことがあります。
d. 借入限度及び借入先
借入金及び投資法人債発行の限度額はそれぞれ1兆円とし、かつ、その合計額が1兆円を超えないものとします。なお、借入先は、金商法第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)に限定されます。また、借入先については候補となる複数の機関投資家と交渉の上、固定金利借入れの割合、約定弁済、借入期間、担保設定の有無等の借入諸条件を、比較して決定します。
e. 担保設定方針
資金調達に際しては、本投資法人の運用資産を担保として提供することができるものとします。
f. 投資法人債
金利の動向、資金調達コスト、支払金利の形態、調達先、調達期間及び債務の返済・償還期日を総合的に勘案した上で、投資法人債の発行を行うことがあります。
g. 短期投資法人債
金利の動向、資金調達コスト、支払金利の形態、調達先、調達期間及び債務の返済・償還期日を総合的に勘案した上で、短期投資法人債の発行を行うことがあります。
⑮ 情報開示方針
(イ) 本投資法人は、資産運用にあたり、常に投資家の視点に立ち、迅速、正確かつ公平に情報を開示することに努めます。
(ロ) 投資家に開示すべき情報の集約体制を整え、これを維持することに努めます。