有価証券報告書(内国投資証券)-第18期(令和3年11月1日-令和4年4月30日)

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2022/07/27 15:00
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53項目
(1)【投資方針】
① 本投資法人の基本理念
本投資法人は、観光産業の中核となり、安定的な利用が見込まれるホテル、旅館及び付帯施設に投資を行い、中長期的な観点から運用資産の着実な成長と収益の安定的な確保を図ることにより、本投資法人の投資主価値の継続的な拡大を目指します。
2003年、政府の観光立国懇談会(注1)が「住んでよし、訪れてよしの国づくり」を基本理念とした「観光立国」の考え方を打ち出して以降、我が国においては観光地と観光産業に国際競争力を与え、世界に誇る魅力あふれる観光立国を実現するため、様々な施策が実施されてきています。その中で、我が国が有する自然、文化遺産、多様な地域性等の観光資源としての有用性が繰り返し指摘されており、これらの有効活用を、地域経済の活性化や雇用機会の増大につなげることが目指されています。
これらの施策の効果も受けつつ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大前である2019年の国内の旅行消費額(注2)は29.2兆円となっており(注3)、観光産業の市場としての大きさが容易に窺われる水準となっています。また、かかる旅行消費がもたらす経済波及効果は、生産波及効果で55.8兆円、付加価値効果で28.4兆円、これによる雇用効果は456万人、また、税収効果は5.3兆円と推計されています(注3)。
本投資法人は、このような経済波及効果、雇用効果及び税収効果を有する観光産業について、各地の地域経済への貢献が可能であり、少子高齢化時代における我が国の経済活性化の切り札として重要な産業分野と位置付けることができると考えています。
本投資法人は、本投資法人の投資主が投資口の保有を通じてニッポンの観光産業の分野においてその成長の果実を享受できる仕組みを作ることを目指しており、これにより投資主価値の継続的な拡大を図ります。
(注1)「観光立国懇談会」とは、2003年1月に内閣総理大臣が、幅広い観点から、我が国の観光立国としての基本的なあり方を検討するために開催した会議をいいます。
(注2)「旅行消費額」とは、旅行中又は旅行のために消費した支出額の合計(他者が支払ったもの及びお土産代を含みます。)の推計額をいいます。以下同じです。
(注3)出所:観光庁「旅行・観光産業の経済効果に関する調査研究」(2019年版)
■国内における旅行消費額(国際基準)(2019年)
0101010_006.png(出所)観光庁「旅行・観光産業の経済効果に関する調査研究」(2019年版)
② 基本方針
(イ) ホテル、旅館及び付帯施設への投資
本投資法人は、中長期にわたり、観光産業の中核となり、安定的な利用が見込まれるホテル、旅館及び付帯施設に対する投資を行います。その中でも特に長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれる施設に重点的に投資を行います。
まず、本投資法人は、星野リゾートグループ運営物件については、上記の方針に合致する星野リゾートグループの運営するサブブランドのうち本投資法人が競争力のあると考える主要ブランド物件を中心に継続的に投資を行います。本書の日付現在の主要ブランドは、星野リゾートグループの基幹ブランドであり、圧倒的な非日常感と世界スタンダードなサービスを提供することを目的とする「星のや」、有名温泉観光地に立地する高級温泉旅館「界」及び大人も子供もそれぞれに楽しめるリゾートホテル(注)をコンセプトとする「星野リゾート リゾナーレ」の3つがあると、本投資法人は考えています。本投資法人は、主要ブランド物件を中心に、星野リゾートグループ運営物件に対し継続的に投資を行うことにより、収益の安定性を確保することが可能なポートフォリオの構築を目指します。
また、星野リゾートグループ以外運営物件についても、安定的な利用が見込まれ、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれるホテル、旅館及び付帯施設に積極的な投資を行い、収益の安定性を確保しつつ、外部成長を図っていきます。
更に、本投資法人は、安定的な利用が見込まれ、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれる海外に所在するホテル、旅館及び付帯施設のうち、海外における星野リゾートグループ関与物件に対しては投資を行います。なお、海外における星野リゾートグループ関与物件への投資にあたっては、投資対象が所在する国・地域の情報を的確に入手し、政治動向、人口動態、経済成長等マクロ的な観点を踏まえ、各国の不動産市場動向・制度及び規則等を含めた投資対象資産の位置する市場を総合的に分析し、各国の法制度、会計制度、税制等のリスクや投資及び収益還元に関連する為替リスク等も総合的に勘案して、慎重に投資を行います。
具体的な投資対象の選定方針については、後記「③ ポートフォリオ構築方針 (イ) 投資対象資産」をご参照ください。
(注) 本書において、「リゾート」とは大勢の人が休暇・余暇を過ごす場所又は行楽地をいい、「リゾートホテル」とはリゾートに所在するホテルをいいます。以下同じです。
(ロ) 星野リゾートグループの運営力の活用
本投資法人は、事業規模の拡大及び他社との運営の仕組みの差別化により業界内でのプレゼンスを高めてきた、星野リゾートグループが有する施設運営に関する高い専門性を最大限活用することで、運用資産の競争力を維持し、安定的な運用を目指します。
星野リゾートグループは、本書の日付現在、国内外で40を超える宿泊施設を運営しており、グループ全体が1つのバリューチェーンとして機能しています。すなわち、ホテル、旅館及び付帯施設に関わる取得、開発、保有・運営、再生、リーシング、プロパティ・マネジメント、各種コンサルティング等、様々なホテル、旅館及び付帯施設に関連するソリューションを提供しており、本投資法人はこれらを以下a.乃至c.のとおり最大限に活用していきます。
星野リゾートグループについては、後記「⑤ 星野リゾートグループの概要」をご参照ください。
a.情報活用
本投資法人は、星野リゾートから、星野リゾートグループが有する施設の売買・運営に関する情報を含む観光産業に関する情報及びその他の情報の提供を受けることとしています。星野リゾートグループは、取得検討物件の評価、運営計画の立案、物件のリスク分析等について、豊富な施設運営により独自のノウハウを有していると、本投資法人は考えています。本投資法人は、このような星野リゾートグループからの情報の提供を活用し、外部成長及び内部成長を図ります。
b.外部成長
本投資法人は、星野リゾートとのスポンサーサポート契約に基づき、優先的に提供される物件情報及び優先的売買交渉権を活用し、今後も星野リゾートグループが運営する収益力の安定した資産を継続的に取得していく方針です。
c.内部成長
本投資法人は、物件ごとに適切な賃借人又は運営受託者の選定を図る方針です。本投資法人が適切と考える場合には、施設の「運営分野」を主たる事業領域として定めてノウハウ蓄積を行ってきた星野リゾートグループを運用資産の賃借人又は運営受託者に選定することにより、星野リゾートグループが有する運営力を最大限活用する方針です。
(ハ) 星野リゾートグループ以外運営物件に対する投資
本投資法人は、安定的な利用が見込まれ、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれるホテル、旅館及び付帯施設であれば、星野リゾートグループ以外運営物件についても積極的な投資を行います。
具体的には、星野リゾートグループ以外運営物件のうち、都市観光物件については、当該物件の所在する都市における都市観光需要を背景に、ソフト又はハードの優位性の観点から、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保できると判断できる場合に、当該物件の取得を検討します(都市観光及びそれに対する観光ニーズ、並びにソフト及びハードの優位性の各詳細については、後記「③ ポートフォリオ構築方針 (イ) 投資対象資産 b. 星野リゾートグループ以外運営物件」をご参照ください。)。また、外部オペレーターその他物件についても、ソフト又はハードの優位性の観点から、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保できると判断できる場合に、当該物件の取得を検討します。
星野リゾートグループから提供される情報に加え、本資産運用会社がホテル・旅館業界において独自に有するネットワーク、並びに本資産運用会社の役職員が本投資法人の資産の運用やホテル・旅館業に携わった経験等により培った取得検討物件のオペレーターの運営力や立地、物件の価値についての知識及び経験(オペレーターの運営力や立地、物件の価値に対する目利き力)を活用することで、星野リゾートグループ以外運営物件についても、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能な高い収益力を有するホテル、旅館及び付帯施設の取得を図る方針です。
星野リゾートグループ以外運営物件の取得後、当該物件の運営について、本投資法人の運用資産の特性を深く理解し、当該運用資産の特性を踏まえ最適と考えられるビジネスモデルやノウハウを有する場合など、当該施設の安定的なキャッシュ・フローを維持することが可能と判断した場合には、星野リゾートグループ以外のオペレーターによる運営を継続するか、又は星野リゾートグループ以外のオペレーターを新たに選定することがあります。かかる場合にも、本資産運用会社の役職員が有する施設運営ノウハウを活用することで、星野リゾートグループ以外のオペレーターによる安定的かつ効率的な施設運営を目指すとともに、本投資法人は、必要に応じて星野リゾートグループとバックアップオペレーター契約を締結し、当該オペレーターの退去リスク等に備えることで、星野リゾートグループ以外のオペレーターに関するリスクを低減するよう努めます。
③ ポートフォリオ構築方針
(イ) 投資対象資産
本投資法人は、今後も安定した収益を生み、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能なのは、ビジネスモデルや運営力、立地等の優位性などで差別化された施設であると考えています。本投資法人は、ソフトの優位性とハードの優位性という2つの観点から、投資対象資産を選定していきます。
また、本投資法人は、具体的な投資対象資産の選定にあたり、星野リゾートグループ運営物件、星野リゾートグループ以外運営物件及び海外における星野リゾートグループ関与物件の物件売却情報を積極的に入手し、それぞれについて以下のとおり投資対象資産を選別し、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保のため最適と考えられるポートフォリオを柔軟に構築する方針です。
a. 星野リゾートグループ運営物件
本投資法人は、上記の観点から、星野リゾートグループの運営する主要ブランド物件に対する投資を行うことが望ましいと考えています。
「星のや」は、圧倒的な非日常感と世界スタンダードなサービスを提供することを目的とした、星野リゾートグループの基幹ブランドであり、国内リゾート市場にスモールラグジュアリーの概念を定着させたブランドであると、本投資法人は考えています。
「界」は、有名温泉観光地に立地する高級温泉旅館であり、小さくて上質、地域の魅力を感じる特別で快適なステイを提供することを目的としています。これらのブランドについては、日本独自のリゾート業態である「温泉旅館」として、「星のや」と同様に訪日外国人観光客の利用の増加も見込まれると、本投資法人は考えています。また、星野リゾートグループでは、このブランドのもとで、経営難や後継者不足等で事業継続が困難となった既存旅館から経営・運営を承継することを1つのビジネスモデルにしており、今後、更なるパイプラインの拡大を見込めるものと考えています。
「星野リゾート リゾナーレ」は、大人も子供もそれぞれに楽しめるリゾートホテルをコンセプトとし、四季折々の豊富なアクティビティやリゾートならではの癒しを体験できる魅力を提案することを目標としており、ファミリー層から支持を受けるブランドを目指しています。
本投資法人は、主要ブランド物件に投資することで、収益の安定性を確保することが可能であると考えています。本投資法人は、星野リゾートとのスポンサーサポート契約を積極的に活用し、主要ブランド物件の情報を入手していく方針であり、その結果、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると判断した場合には、積極的に投資を行います。
また、星野リゾートグループその他物件に対しても、安定的な利用が見込まれ、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれる場合には、投資を行うことがあります。
b. 星野リゾートグループ以外運営物件
前記「① 本投資法人の基本理念」に記載のとおり、本投資法人は、投資主が投資口の保有を通じてニッポンの観光産業の分野においてその成長の果実を享受できる仕組みを作ることを目指していますが、「観光」には、大別して以下のとおり「リゾート観光」、「温泉観光」及び「都市観光」の3つのタイプがあると、本投資法人は考えています。
0101010_007.png(注)本投資法人及び星野リゾートグループが観光のニーズを捉える上で独自に分類したものであり、記載のとおりのタイプ別の観光ニーズがあることを保証又は約束するものではありません。
本投資法人及び星野リゾートグループは、前記「① 本投資法人の基本理念」に記載の「観光立国」の考え方の中では、我が国の各地域が有する多様性が観光資源として注目され、その活用のための取組みがこれまで行われてきていることに鑑みると、地域色豊かな都市には都市観光に対する観光ニーズがあると考えています。
本投資法人は、このように都市観光に対する観光ニーズが存在すると考えられることから、都市観光の拠点となる宿泊施設について、都市観光需要を背景に、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であり、これに対する投資を行うことが投資主価値の継続的な向上に繋がるものと考えています。
また、一般的にコモディティ化の傾向が見られるホテル・旅館業界にあって、今後も安定した収益を生み、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能なのは、ビジネスモデルや運営力、立地等の優位性などで差別化された施設であると、本投資法人は考えています。このような観点から、本投資法人は、i.ソフトの優位性
競合他社と異なる差別化されたビジネスモデル、ブランド力等を有しており、運営について高い専門性を有するオペレーターにより運営されているかどうか
ii.ハードの優位性
立地の優位性や建物の希少性等により施設自体に優位性があるかどうか
という2つの観点から、投資対象資産を選定していきます。
本投資法人は、本資産運用会社による十分な情報収集に基づき、上記の観点から適切な物件に投資することで、星野リゾートグループ運営物件に投資する場合と同様に、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保することができると考えています。
以上のとおり、本投資法人は、星野リゾートとのスポンサーサポート契約及び本資産運用会社独自のネットワークを積極的に活用して、星野リゾートグループ以外のオペレーターが運営する都市観光物件の情報を入手し、その結果、当該物件の所在する都市における都市観光需要を背景に、ソフト又はハードの優位性の観点から、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると判断した場合には、積極的に投資を行います。
また、外部オペレーターその他物件の情報を入手し、その結果、ソフト又はハードの優位性の観点から、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると判断した場合にも、積極的に投資を行います。
c. 海外における星野リゾートグループ関与物件
本投資法人は、海外における星野リゾートグループ関与物件については、投資対象が所在する国・地域の情報を的確に入手し、政治動向、人口動態、経済成長等マクロ的な観点を踏まえ、各国の不動産市場動向・制度及び規則等を含めた投資対象資産の位置する市場を総合的に分析し、各国の法制度、会計制度、税制等のリスクや投資及び収益還元に関連する為替リスク等も総合的に勘案して、慎重に投資を行う方針であり、安定的な利用が見込まれ、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれる海外における星野リゾートグループ関与物件を慎重に選別し、投資を行う方針です。
(ロ) 投資期間
本投資法人は、原則として、中長期の保有を目的としてホテル、旅館及び付帯施設を取得します。
(ハ) 資産規模の拡大及びポートフォリオ分散化の促進
本投資法人は、資産規模の拡大等を通じて収益安定性を強化させると同時に、ポートフォリオの分散を進展させ、旅行者の旅のニーズ又はトレンドの変化、災害、国内外の景気動向等により、本投資法人のキャッシュ・フローが大きく低下するリスクを軽減することを目指しています。
星野リゾートグループは、投資対象となるホテル、旅館及び付帯施設を様々な観点で各ブランドに分類の上、各施設を運営しています。本投資法人は、星野リゾートグループが有する1つのブランドに集中的に投資するのではなく、規模や価格設定、ターゲット顧客層が異なる主要ブランド物件及び星野リゾートグループその他物件に投資すると同時に、星野リゾートグループ以外運営物件である都市観光物件及び外部オペレーターその他物件、並びに海外における星野リゾートグループ関与物件にも投資することで、ポートフォリオの分散効果の獲得と、収益の安定化を図ります。
本書の日付現在のポートフォリオは、主要ブランド物件及び星野リゾートグループその他物件、並びに星野リゾートグループ以外運営物件である都市観光物件及び外部オペレーターその他物件を含んでおり、ポートフォリオの分散効果及び収益の安定化が期待できると本投資法人は考えています。
また、本投資法人は、今後も主要ブランド物件を中心とした星野リゾートグループ運営物件、並びに星野リゾートグループ以外運営物件である都市観光物件及び外部オペレーターその他物件について、積極的な投資を検討していく方針です。本書の日付現在の投資区分別分散(取得価格ベース)、賃借人別分散(取得価格ベース)及びオペレーター別分散(取得価格ベース)は、以下のとおりです。
■投資区分別分散(取得価格ベース)
0101010_008.png■賃借人別分散(取得価格ベース)
0101010_009.png(注)「ソラーレ」とは、ソラーレグループ(ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ株式会社及びその子会社)を、「カンデオ」とは、株式会社カンデオ・ホスピタリティ・マネジメントを、「コアグローバル」とは、コアグローバルマネジメント株式会社を、「グリーンズ」とは、株式会社グリーンズを、「旭食品」とは、旭食品株式会社を、それぞれいいます。以下同じです。
■オペレーター別分散(取得価格ベース)
0101010_010.png(注) 「IHG・ANA・ホテルズ」とは、IHG・ANA・ホテルズグループジャパン合同会社を、「ハイアット」とは、ハイアット・インターナショナル・アジア・パシフィック・リミテッド(Hyatt International-Asia Pacific, Limited)を、「イシン・ホテルズ」とは、株式会社イシン・ホテルズ・グループ及びその子会社を、「グリーンホスピタリティ」とは、株式会社グリーンホスピタリティマネジメントを、「オークラ ニッコー」とは、株式会社オークラ ニッコーホテルマネジメントを、それぞれいいます。以下同じです。
加えて、本投資法人は、投資区分、賃借人及びオペレーターの分散のみならず、各物件が所在する地域についても、分散を図る方針です。本書の日付現在の地域別分散(取得価格ベース)は、以下のとおりです。
■地域別分散(取得価格ベース)
0101010_011.png
(ニ) 星野リゾートグループの事業領域の拡大と共に成長
a.観光産業を基礎付ける3つの観光のタイプと本投資法人の投資対象
前記「①本投資法人の基本理念」に記載のとおり、本投資法人は、投資主が投資口の保有を通じてニッポンの観光産業の分野においてその成長の果実を享受できる仕組みを作ることを目指しています。前記「(イ) 投資対象資産 b. 星野リゾートグループ以外運営物件」に記載のとおり、「観光」には、大別して「リゾート観光」、「温泉観光」及び「都市観光」の3つのタイプがあると、本投資法人は考えています。
b.本投資法人と星野リゾートグループの「都市観光」参入について
星野リゾートグループは、前記の3つの観光タイプのうち、「リゾート観光」に対するニーズには主に「星のや」と「リゾナーレ」ブランドで、「温泉観光」に対するニーズには主に「界」ブランドでサービス提供を実施しています。本投資法人も上場以来、「リゾート観光」及び「温泉観光」の各タイプへの投資を行っており、更に残る1つの観光タイプである「都市観光」にも参入することで、新たな観光タイプのニーズを取り込むため、2015年11月に「ANAクラウンプラザ3物件」(注)等を取得し、その後「OMO7旭川」や「ハイアットリージェンシー大阪」、「グランドハイアット福岡」等への投資を行いました。「OMO7旭川」における運営は、星野リゾートグループとして、それまで経営参画のみを行っていた都市観光タイプのホテルでの初の自主運営物件です。
本件において星野リゾートグループが「都市観光」の分野におけるサービスの提供に新規に参入し、その事業領域を拡大することができたことは、星野リゾートグループが都市観光の分野におけるサービスの提供を、本投資法人が都市観光の分野を対象とする施設の取得及び保有を、協働して行うという星野リゾートグループと本投資法人の「相互成長」の成果の1つであると、本投資法人は考えています。
本投資法人及び星野リゾートグループは、前記「①本投資法人の基本理念」に記載の「観光立国」の考え方の中では、我が国の各地域が有する多様性が観光資源として注目され、その活用のための取組みがこれまで行われてきていることに鑑みると、地域色豊かな地方都市には都市観光に対する観光ニーズがあると考えています。公益社団法人日本観光振興協会の令和3年度版「観光の実態と志向」によると、日本人が国内観光で希望する旅行の種類は、「地域固有の食を楽しむ」、「地域の寺社仏閣を楽しむ」、「都市の建築物や文化施設、各種展示会などを楽しむ」等の本投資法人が「都市観光」カテゴリーに属すると考えている観光ニーズが、これまで星野リゾートグループがターゲット市場としてきた本投資法人が「リゾート観光」及び「温泉観光」カテゴリーに属すると考えている観光ニーズと並んで上位に位置しており、このことからも都市観光に対する観光ニーズが裏付けられていると、本投資法人は考えています。このように、日本人国内旅行者のニーズは、リゾート観光及び温泉観光だけでなく、都市観光にも広がっていると、本投資法人は考えています。
(注)「ANAクラウンプラザ3物件」とは、「ANAクラウンプラザホテル広島」、「ANAクラウンプラザホテル金沢」及び「ANAクラウンプラザホテル富山」をいいます。以下同じです。
<日本人国内観光客の「都市観光」へのニーズ>・希望する旅行の種類(複数回答)
0101010_012.png(出所)公益社団法人日本観光振興協会 令和3年度版「観光の実態と志向」
本投資法人は、地方都市にはかかる都市観光に対する観光ニーズが存在すると考えられることから、地方都市に所在する都市観光の拠点となる宿泊施設について、地方都市観光需要を背景に、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であり、これに対する投資を行うことが投資主価値の継続的な向上に繋がるものと考えています。
c.本投資法人と星野リゾートグループの共生
本投資法人は、本投資法人及び星野リゾートグループが以下の役割を相互に果たすことにより、シナジー効果が生まれると考えています。前記「b.本投資法人と星野リゾートグループの「都市観光」参入について」に記載のとおり、本投資法人及び星野リゾートグループの双方が成長の機会を有していると考えている都市観光の分野に対して、本投資法人と星野リゾートグループが協働して参入することは、かかるシナジー効果が発揮された一例であって、今後も、本投資法人と星野リゾートグループの共生関係は、本投資法人の資産規模の拡大及び収益の向上を通じた投資主価値の継続的な向上に寄与すると、本投資法人は考えています。
ⅰ.本投資法人の役割
本投資法人は、施設の「所有」を通じて、星野リゾートグループの運営施設数の増加と事業規模の拡大を推進することにより、星野リゾートグループに「事業拡大の機会」を提供します。
ⅱ.星野リゾートグループの役割
星野リゾートグループは、長年の経験を経て培われた観光市場や宿泊施設に対する「目利き力」を活用し、本投資法人の新たな成長機会を開拓します。また、同時に、本投資法人が保有する施設及び今後本投資法人が取得する施設に対して「運営力」を提供します。
<本投資法人・星野リゾートグループの共生>0101010_013.png
(ホ) 星野リゾートグループとの協働による様々な手法を用いた外部成長機会の実現
本投資法人は、上場時から、スポンサーパイプラインからの物件取得(スポンサーサポート契約の活用)、星野リゾートグループが再生完了した物件の取得(星野リゾートグループの再生ノウハウの活用)、星野リゾートグループ以外貸借物件の取得(本資産運用会社独自ルート)など、様々な取得手法を活用して外部成長を進めてきました。
本投資法人は、ホテル・旅館等の取得が厳しい環境下においても、上記に加え、星野リゾートグループと協働する手法(協働投資ストラクチャー)といった様々な取得手法を活用することにより、物件取得の可能性や取得の効率を向上させることを目指しており、これらにより継続的に外部成長を進めていく方針です。
④ 成長戦略
本投資法人は、本資産運用会社にその資産の運用を委託し、利益相反取引への対策に留意しつつ、星野リゾートグループが有するホテル、旅館及び付帯施設の開発、運営、リーシング、プロパティ・マネジメント等に関する情報、ノウハウ及び経営資源等を、本投資法人が有する運用資産の安定的な運営及び着実な外部成長に最大限活用していく方針です。星野リゾートグループは、本投資法人のスポンサーである星野リゾートを中心としたリゾート施設の運営会社グループであり、リゾート施設の運営のほか、リゾート施設の新規開発及び再生事業等、デベロッパーとしての機能等を有しています。
また、本資産運用会社独自の人的ネットワーク及び積極的なソーシング活動(投資対象となり得る物件情報の収集及び物件取得に向けた交渉等、投資対象物件を取得するための活動をいいます。)により入手した物件売却情報に基づいて取得する星野リゾートグループ以外運営物件についても、上記の星野リゾートグループが有するノウハウ等を最大限活用することで、当該星野リゾートグループ以外運営物件に対する適正な評価、当該物件の取得後における安定的かつ効率的な運営を目指します。
(イ) 外部成長
本投資法人は、以下の施策により運用資産を取得する方針です。
本投資法人は、星野リゾートグループから継続的に運用資産を取得する方針であり、星野リゾート及び本資産運用会社との間で締結したスポンサーサポート契約や共同投資に向けた合意等を活用し、主要ブランド物件を中心に星野リゾートグループが所有、開発、運営する物件及び海外における星野リゾートグループ関与物件を取得していく予定です。
星野リゾートグループにおいても、今後、市場成長性と星野リゾートグループ独自の運営の仕組みが有する強みを生かし、主要ブランド物件を中心に運営施設数を増やし、更なるスケールメリットを追求していくことを、成長戦略として掲げています。
更に、本投資法人は、主要ブランド物件を中心とする星野リゾートグループが所有、開発、運営する物件の取得に限定せず、安定的な利用が見込まれ、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローの確保が可能であると見込まれる星野リゾートグループ以外運営物件である都市観光物件及び外部オペレーターその他物件も積極的に取得する方針です。
外部成長実現に向けた施策は、以下のとおりです。
a.スポンサーサポート契約の活用
本投資法人は、星野リゾートグループが保有する物件の情報、人的・物的資源及び観光産業やリゾート分野における知識・経験・ノウハウ等の提供等、包括的なスポンサーサポートを活用します。
星野リゾートグループが所有するホテル、旅館及び付帯施設が、本投資法人の将来の外部成長に資する重要なパイプラインとして期待されるとの基本認識のもと、星野リゾートグループが所有するホテル、旅館及び付帯施設を本投資法人が安定的かつ継続的に取得すること、並びに星野リゾートグループが保有する人的・物的資源、観光産業やリゾート分野における知識・経験・ノウハウ及び国内外のネットワークを利用して、本投資法人の資産取得業務等を効率的に行うことを目的として、本投資法人及び本資産運用会社は星野リゾートとの間で、スポンサーサポート契約を締結しています。本投資法人及び本資産運用会社は、星野リゾートグループが国内において保有する物件の売却に関する情報及び星野リゾートの取引先等が所有、開発又は運営する適格不動産(後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (3) 利害関係者との取引状況等 ④ スポンサーサポート契約の概要」において定義します。)の売却に関する情報を、スポンサーサポート契約に基づいて優先的に入手し、本投資法人の外部成長を図っていきます。
本投資法人は、他にも(i)優先的売買交渉権の付与、(ii)資産取得業務等の支援、(iii)ウェアハウジング機能(後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (3) 利害関係者との取引状況等 ④ スポンサーサポート契約の概要」において定義します。以下同じです。)の提供等のサポートを受けています。なお、詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (3) 利害関係者との取引状況等 ④ スポンサーサポート契約の概要」をご参照ください。
b.星野リゾートグループの再生ノウハウの活用
スポンサーサポート契約に基づき、本投資法人及び本資産運用会社は、星野リゾートグループから物件情報の提供を受けるとともに、星野リゾートグループの再生ノウハウにより魅力を取り戻した物件の情報についても提供を受けます。また、本投資法人が取得を希望するホテル、旅館及び付帯施設について、ウェアハウジング機能を活用すべく星野リゾートグループに一時的に保有することを依頼した場合にも、かかる一時的な保有の間に星野リゾートグループが再生ノウハウを用いて当該施設の魅力をより高めることが期待できます。なお、再生案件施設の取得においては、星野リゾートグループが先行して物件取得を行い、当該物件のキャッシュ・フローが改善・安定し、中長期的な視点で安定的に収益が確保される状態になった段階で、本投資法人が当該物件を取得することにより、投資リスクを低減することができるものと考えており、これらの取組みは本投資法人の外部成長と収益の安定性に資するものと考えています。
なお、本投資法人は、星野リゾートグループにより再生が行われた施設について、引き続き外部成長のためのパイプラインとなることを期待しています。
c.本資産運用会社独自の星野リゾートグループ以外運営物件情報の活用
本資産運用会社は、星野リゾートグループに限らず、全国のホテル、旅館及び付帯施設の所有者及びオペレーター等との間でネットワークを構築し、物件取得に関する情報を収集しています。本投資法人は、スポンサーサポート契約に基づき提供される星野リゾートグループからの情報に加え、本資産運用会社独自の情報収集力を活かし、競争力の高い物件の取得に努めます。
ⅰ.星野リゾートグループ以外運営物件の取得
本投資法人は、情報を入手した物件のオペレーターが、競合他社と異なる差別化されたビジネスモデル、ブランド力や高い専門性等を活かして、物件を効率的に運営しており、当該オペレーターに運営を行わせることによって本投資法人が将来にわたり長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保できると判断した場合には、オペレーターを変更することなく当該物件を取得します。具体的には、(i)都市観光に対する観光ニーズが存在すると考えられる都市観光物件については、当該物件の所在する都市における都市観光需要を背景に、ソフト又はハードの優位性の観点から、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保できると判断できる場合に、当該物件の取得を検討します。また、(ii)都市観光物件以外にも、都市観光以外の観光ニーズが存在すると考えられる外部オペレーターその他物件について、ソフト又はハードの優位性の観点から、長期的かつ安定的なキャッシュ・フローを確保できると判断した場合に、当該物件の取得を検討します。
これらの場合、星野リゾートグループ以外の既存のオペレーターによる運営を継続、又は新たな星野リゾートグループ以外のオペレーターを選定することがあります。更に、本投資法人は、これらの物件の運用に関しても星野リゾートグループの経営ノウハウを活用するほか、必要に応じて、星野リゾートグループをバックアップオペレーターに選定する方針です。なお、本投資法人の保有資産のうちロードサイド22物件、カンデオ5物件及びグリーンズ3物件(注)については、星野リゾートをバックアップオペレーターに選定し、バックアップオペレーター契約を締結しています。
(注)「ロードサイド22物件」とは、本書の日付現在の保有資産のうち、ソラーレグループが運営する22物件のバジェット型ホテル(エコノミーかつ宿泊に特化したホテルをいいます。)をいい、「カンデオ5物件」とは、「カンデオホテルズ半田」、「カンデオホテルズ茅野」、「カンデオホテルズ福山」、「カンデオホテルズ佐野」及び「カンデオホテルズ亀山」をいい、「グリーンズ3物件」とは、「コンフォートホテル函館」、「コンフォートホテル苫小牧」及び「コンフォートホテル呉」をいいます。以下同じです。
ⅱ.星野リゾートグループのスポンサー力を活用した、星野リゾートグループ以外運営物件の取得
本資産運用会社独自の情報収集力により物件情報を入手した場合、本資産運用会社は、現所有者及び現オペレーターに対して星野リゾートグループのノウハウを活用した多様な取得方法及び運営方法を提案することで、本投資法人が投資機会を逃さずに星野リゾートグループ以外運営物件を取得することが可能となり、その結果、外部成長のスピードを早めることができるものと考えています。
(ロ) 内部成長
本投資法人は、オペレーター及び本資産運用会社による施策を通じて、変動賃料の指標となる売上高又は利益の拡大及び安定的かつ効率的な運営を通じた施設の競争力の維持・向上を通じて、安定的分配及び分配金の成長の両立を目指します。
内部成長実現に向けた施策は、以下のとおりです。
a.オペレーター及び本資産運用会社による内部成長
本投資法人は、投資家の立場に即して、本投資法人の保有するポートフォリオから得られる運営上のキャッシュ・フロー及びその賃貸収入を厳格に管理し、その維持・向上を図ります。
ⅰ.オペレーターによる内部成長
ホテル・旅館事業は、施設を所有する役割と、運営する役割に大きく分けることができます。本投資法人は、本投資法人の運用資産の特性を深く理解し、当該運用資産の特性を踏まえ最適と考えられるビジネスモデルやノウハウを有する者を運用資産のオペレーターに選定することで、施設の競争力を維持・向上させる方針です。
ii.本資産運用会社による内部成長
本資産運用会社は、施設競争力の維持・向上のための運営管理及びリニューアルを実施し、ポートフォリオの収益力の強化を目指します。
本投資法人は、星野リゾートグループ運営物件については、星野リゾートグループが独自のノウハウを有し、運用資産毎の特性を十分に理解していると考えており、適切と考える場合には星野リゾートグループにプロパティ・マネジメント業務を委託することにより、星野リゾートグループが有する運営力を最大限引き出す方針です。
また、本投資法人は、星野リゾートグループ以外運営物件については、本投資法人の運用資産の特性を深く理解し、当該運用資産の特性を踏まえ最適と考えられるプロパティ・マネジメントのノウハウを有する者を必要に応じてプロパティ・マネージャーに選定することとしています。
b.売上高又は利益に連動した変動賃料の導入
オペレーター及び賃借人のノウハウによるホテル、旅館及び付帯施設の業績向上の恩恵を本投資法人が享受することを可能とする仕組みとして、本投資法人は、賃貸借契約において、固定賃料に加えて、ブランド及び施設の運営特性に応じた変動賃料の算式を設定し、売上高又は利益に連動した変動賃料を定めることを検討します。
本投資法人は、保有資産について、固定賃料と変動賃料とを適切に組み合わせることにより、キャッシュ・フローの安定性及び成長性の両立を図っています。
本投資法人は、変動賃料の指標となる売上高又は利益を向上させるために、運営パフォーマンスについて本資産運用会社によるモニタリングを実施するほか、高い施設運営力との相乗効果が狙えるような施設自体の魅力・競争力の向上につながる資本的支出を実行します。本書の日付現在の賃料形態は、以下のとおりです。
<賃料形態>0101010_014.png(注1) 「リゾナーレ八ヶ岳」については、エンドテナントへの転貸区画の一部について、賃料の一部が転貸区画数に応じて算出される旨の定めが採用されています。詳細については、「5 運用状況 (2) 投資資産 ③ その他投資資産の主要なもの (ワ) 個別不動産等の概要」をご参照ください。
(注2) 「ザ・ビー4物件」とは、「ザ・ビー 赤坂」、「ザ・ビー 三軒茶屋」、「ザ・ビー 名古屋」及び「ザ・ビー 神戸」をいいます。以下同じです。
(注3) 「界 玉造」は、2022年4月1日付で「界 出雲」から名称変更を行ったものです。以下同じです。
<変動賃料の仕組み>■売上連動型
・毎月の変動賃料(注)の基準売上の期間
毎月の変動賃料は、(i)毎年5月から10月までは、前年4月から当年3月までの12か月分の売上高を基準売上とし、(ii)毎年11月から翌年4月までは、前年10月から当年9月までの12か月分の売上高を基準売上とします。
■利益連動型
・毎月の変動賃料(注)の基準利益の期間
毎月の変動賃料は、(i)毎年5月から10月までは、前々年12月から前年11月までの12か月分の利益を基準利益とし、(ii)毎年11月から翌年4月までは、前年6月から当年5月までの12か月分の利益を基準利益とします。
(注)変動賃料の発生時期や具体的な算出方法は各物件の取得時期等により異なります。なお、一部の物件については、賃貸借開始後一定の期間についてのみ適用される、特定の金額又は期間に応じて段階的に変動する金額の固定賃料について合意されていますので、「グランドハイアット福岡」を除き、当該固定賃料期間が終了するまでは、ホテル、旅館及び付帯施設の売上高又は利益の金額にかかわらず、変動賃料は発生しません。ただし、「OMO7旭川」については、当該固定賃料を超えて変動賃料が発生する見込みとなった場合、当該固定賃料期間を終了できる権利を本投資法人は有しています。
c.中長期的な視点による資本的支出及び修繕計画の策定・実行を通じた運用資産の資産価値・競争力の維持・向上
本投資法人は、中長期的な観点から、運用資産の資産価値・競争力の維持・向上を図るとともに、慎重かつ十分な資本的支出を通じて将来における過大な修繕発生リスク及び施設の魅力減少に起因する売上減少リスクを低減させることで、運営収益の安定を目指します。本資産運用会社は、オペレーターの意見を参考に、綿密な費用対効果分析を行い、大規模修繕計画等、資本的支出に係る方針を策定し、適切なバリューアップ工事を実施することで、更なる売上高又は利益の向上を目指します。
(ハ) 星野リゾートグループとの共存共栄(星野リゾートグループのコミットメント)
a.本投資法人におけるメリット
本投資法人は、星野リゾートとの間で締結しているスポンサーサポート契約を活用することで、星野リゾートグループが所有する施設の情報等を優先的に入手し、高い競争力及び収益の安定性が見込めると判断した場合、当該施設を取得する方針です。
b.星野リゾートグループにおけるメリット
星野リゾートグループのバリューチェーンを活用した本投資法人の成長戦略、その中核の1つをなす星野リゾートグループが所有するホテル、旅館及び付帯施設を取得して外部成長を図る本投資法人の戦略は、施設の「運営分野」を主たる事業領域と定め、その上で拠点数の拡大を目指している星野リゾートグループの利益にも資するものであり、星野リゾートグループの戦略とも合致するものと、本投資法人は考えています。
c.競争力強化のサイクルによる共存共栄モデルの実現
世界のホテル業界において、所有と運営の分離は、施設所有者と運営会社それぞれの強みを活かし、相乗効果を発揮する手法として一般的になっていると、本投資法人は考えています。所有と運営を分離することで、運営会社は施設運営に特化してノウハウを蓄積し、運営力を向上させることが期待できます。運営会社の運営力が向上すれば、施設の収益性は安定し、成長することが期待できます。これにより、施設所有者の収益性は安定し、更に、変動賃料の導入を組み合わせれば、収益性の向上も実現できると、本投資法人は考えています。収益性が安定かつ成長した場合には、施設所有者は新たに施設を取得することが可能となり、運営会社はかかる施設の運営を受託することで、運営会社の運営施設数を拡大し、更なるノウハウの蓄積や運営の効率化が可能となり、競争力の強化を図ることが期待できます。
かかる競争力強化のサイクルを通じて、施設を所有する本投資法人と施設を運営する星野リゾートグループには密接な共存共栄の関係が構築されると、本投資法人は考えています。本投資法人は、本書の日付現在、保有資産のうち、星野リゾートグループ運営物件については、星野リゾートグループに相当期間運営を行わせ、安定したキャッシュ・フローを確保するため、当該資産に係る本投資法人と星野リゾートグループの賃貸借契約について、契約期間を20年とし、取得後10年間は賃貸人の同意なく中途解約することができない契約としています。本投資法人は、本投資法人の収益性が安定及び成長することで、競争力強化のサイクルに入り、星野リゾートグループとともに利益を最大化することを追求していきます。更に、本投資法人は、引き続きホテル、旅館及び付帯施設の情報をスポンサーサポート契約に基づき優先的に入手することで、適切な施設の取得を図りますが、保有資産以外の星野リゾートグループが現在所有しているホテル、旅館及び付帯施設についても、本投資法人が取得し、星野リゾートグループに賃貸することにより、競争力強化のサイクルの効果を高めることを目指します。
⑤ 星野リゾートグループの概要
本投資法人は、ホテル、旅館及び付帯施設の運営について高い専門性を有する星野リゾートグループのサポートを活用し、運用資産の安定的な運用を目指します。本投資法人は、「高い生産性を達成する新しい仕組み」及び「ブランディング戦略によりスケールメリットを活かせる持続可能な競争力」を有していることが、星野リゾートグループのリゾート運営会社としての強みであると考えています。
星野リゾートグループの強みと特徴は、以下のとおりです。
(イ) 星野リゾートグループの事業規模とブランディング戦略
a. 事業規模の拡大
星野リゾートグループは1904年に軽井沢の地で創業しました。1914年には星野温泉旅館をオープンしました。2001年以降、本拠地の長野・軽井沢を飛び出して、施設価値再生を求めるリゾート施設や旅館の経営・運営に携わりながら拠点を拡大してきました。また、コロナ禍においては、ホテル業界全体として、業績の悪化によるホテル事業からの撤退や廃業等の事案が多々発生したなかで、星野リゾートグループは、マイクロツーリズムや地域連携プロジェクト等の先駆的な取組みを実施したことで、その危機対応力が評価され、運営受託案件等が増加した結果、拠点拡大の動きはむしろ加速しました。本書の日付現在、星野リゾートグループは国内外で40を超える宿泊施設を運営しています。
星野リゾートグループでは、世界の人々を結び付け、相互理解と世界平和を促進することが観光産業の役割であると考え、このような観光産業の一翼を担うべく、全ての利用者に満足感を与えること、新しい旅の形を提案することを目指し、リゾート施設・旅館及びホテルの運営事業に取り組んでいます。
(参考情報)
株式会社星野リゾートホールディングスの財務状態及び経営成績の状況(連結)は、以下のとおりです。
(単位:千円)
2020年11月期2021年11月期
営業収益48,908,24954,045,780
経常利益
又は経常損失(△)
△5,017,584887,038
当期純利益
又は当期純損失(△)
△4,197,298△7,623
総資産額78,129,99392,145,159
純資産額28,334,27630,019,740
有利子負債25,760,11936,324,538

(出所)星野リゾートグループ
(注)上記数値は、株式会社星野リゾートホールディングス及びその子会社各社の計算書類を基に、星野リゾートグループが、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成したものですが、金融商品取引法及び会社法において公認会計士又は監査法人による監査を行うことを要請されていないため、計算書類の作成にあたり、かかる監査を経たものではありません。あくまでも参考として作成された数値に過ぎず、不完全又は不正確であるおそれもあります。なお、本投資法人は、星野リゾートから調査業務を受託する新創監査法人との間で合意された手続(我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して行われる監査手続及び四半期レビュー基準に基づく四半期レビュー手続に準拠して行われるレビュー手続とは異なるものであり、いかなる保証の提供もされないものです。)により、上記数値の計算過程について同監査法人の確認を受けています。
拠点数の増加については、星野リゾートグループが積極的にリゾート運営会社として運営受託や拠点拡大の意向をアピールしてきたことで外部からの物件情報が得られたこと、生産性と顧客満足度を同時に高める運営ノウハウを蓄積して実績を残してきたこと、そして、所有・運営の分離がリゾート業界や旅館業界でも進んできたことも影響していると、本投資法人は考えています。
星野リゾートグループは、運営施設数の増加とともに、スケールメリットを活かした運営面の生産性向上に向けた取組みを進めています。星野リゾートグループ独自の運営の仕組みであるマルチタスク、セントラルキッチンによる調理プロセス管理や統合予約センターの設置等を通じ、他の運営会社と比較して高い生産性を実現しているものと、本投資法人は考えています。
b. ブランディング戦略
星野リゾートグループは、集客面においては星野リゾートグループ内のリピートを目的として、2009年頃から施設カテゴリーの整理を行い、ブランディング戦略を展開しています。
まず、星野リゾート独自の調査により、観光・リゾートホテルの分野で「星野リゾート」の認知率が徐々に高まってきたとの認識のもと、「星野リゾート」をマスターブランドとして位置付けました。
次に、コンセプトやカテゴリーを示す名称として、運営施設の大半を、「星のや」、「星野リゾート 界」、「星野リゾート リゾナーレ」、「星野リゾート OMO」及び「星野リゾート BEB」の5つのブランドに分類し、各ブランドを総称して「サブブランド」と位置付け、これに「地域名」を組み込みました。このようなブランディング戦略に基づき、例えば、「星野リゾート 界」というブランドに分類されることで、星野リゾートが運営する温泉旅館であることが識別可能であり、また、地域名を組み合わせることで、地域性も明確になると考えたためです。
そして、星野リゾートグループは、2021年にはサブブランドの強化を企図し、「星野リゾート 界」から「界」へ、「星野リゾート OMO」から「OMO by 星野リゾート」へ、各ブランドの名称を変更しました。本書の日付現在、各ブランドには複数の施設がありますが、施設ごとに個別にPRするのではなく、各ブランドのイメージを包括的にPRしていくことによりブランドとしての知名度が高まり、各施設の集客力が向上するものと、本投資法人は考えています。
星野リゾートグループは、当面、「星のや」、「界」、「星野リゾート リゾナーレ」、「OMO by 星野リゾート」及び「星野リゾート BEB」の5ブランドに集中して展開していく予定であり、再生案件や運営を引き継ぐ際には、この5ブランドのコンセプトにふさわしいかを1つの基準にしていく方針を示しています。
(ロ) 星野リゾートグループ独自の運営の仕組み
星野リゾートグループは、国際的なコモディティ化が進んでいる高級宿泊施設セグメントにおいて、世界中のホテル及び旅館の所有者と観光旅行者に星野リゾートグループを選択してもらえるよう、脱コモディティ化を図るため、以下a.乃至f.を含む独自の運営の仕組みを作り出してきました。
これらの運営の仕組みは、ホテル及び旅館の所有者に対しては、高い生産性を産む効率的運営による利益の最大化を、顧客に対しては、顧客満足度の最大化をもたらすことを目的としています。星野リゾートグループの運営の仕組みの特徴は、以下のとおりです。
0101010_015.png
a. マルチタスク(サービスチーム編成)
星野リゾートグループの運営システムにおける最大の特徴の1つがマルチタスクです。ホテル・旅館等の運営におけるマルチタスクとは、一人の従業員が複数業務を手掛けることによって、施設の効率運営を目指す手法です。星野リゾートグループは、2002年からホテル組織で通常見られる部門別の分業化を廃止し、従業員の多能工化を進めてサービスチームとして編成し、手待ち時間を極小化する効率的運営手法を導入しています。
ホテル・旅館運営に必要な約200超の業務を、フロント、料飲サービス、ハウスキーピング(客室清掃)、調理の4つの業務に整理し、多能工化を促進させ、業務量に応じてスタッフを適正配備して業務の効率化及び労働生産性の向上を推進しています。
b. 調理プロセス管理(セントラルキッチン)
星野リゾートグループは、本部が管轄するセントラルキッチンを千葉県習志野市に開設しています。セントラルキッチンとは、全部又は一部の調理プロセスをある1箇所に集約して行うことで規模のメリットを追求する料理提供手段です。この背景には、食材の一括購入によるコスト低減、1次調理(仕込み)の集中化による調理業務の効率化、施設間の料理品質の維持という観点だけでなく、マルチタスキングの生産性を最大化させるために、現場での調理業務を「見える化」(可視化されづらい作業の可視化)、そして標準化するという観点があります。
セントラルキッチンでは、1次処理を済ませた半製品を現場調理に納品し、各施設のレストラン厨房では、料理の最終調理を行って顧客に料理を提供する業務フローを標準化しています。
c. マーケティング
星野リゾートグループの運営におけるもう1つの特徴は、本部主導のマーケティング機能とその集客力です。このマーケティング機能は、マーケティングチーム及び広報チームで構成されています。
マーケティングチームは、獲得優先のセールス及び利益率最大化のためのプラン造成チームです。具体的には、全施設の販売戦略を立案し、各種エージェント(ネットエージェント、リアルエージェント、募集団体エージェント)と提携し、RevPARの最大化、つまり、グループ全体の収益の最大化を図っています。
広報チームは、数多くのマスコミ(テレビ・雑誌・ラジオ・WEB)との強固な関係を構築し、全施設の広報機能を包括して担うことにより、星野リゾートグループ各施設のブランドイメージの構築を行っています。
d. 予約チャネル管理(統合予約センター)
統合予約センターは、拠点での電話問い合わせによる業務の中断や接客対応中の機会損失をなくすために存在しています。コールセンター機能を集中させることにより、予約1件当たりの獲得コストを低く抑えています。更に、希望の施設に空きがない場合には、ニーズにあった星野リゾートグループの他の施設を紹介することにより、運営施設全体の獲得につながっています。WEBやエージェント経由の受注も担当しており、直近年度では統合予約センターの受注シェアは全稼働客室の大部分を占めています。
e. CS(顧客満足度)
星野リゾートグループでは、CS調査をマネジメントに活かして運営上の競争力を高めています。
CS調査手法はインターネットを利用する方式であり、その調査結果は、パート・アルバイトを含むスタッフ全員がイントラネットを介してリアルタイムで共有できる体制が構築されています。また、CSデータを客観的な視点で理解し活用できる知識が組織全体に浸透するよう研修に努めています。
CS調査は、顧客満足へのネガティブ要因の改善に繋げるだけではなく、新商品を開発するプロセスでも活用されています。
f. ブランド化
星野リゾートグループのブランド化については、前記「 (イ) 星野リゾートグループの事業規模とブランディング戦略 b. ブランディング戦略」のとおりですが、星野リゾートグループでは年1回秋に、外部の調査機関を使って、過去1年間で国内宿泊旅行をした首都圏及び関西圏在住の日本人を対象に、星野リゾートグループのマスターブランド(星野リゾート)及びサブブランド(星のや・界・リゾナーレ・OMO・BEB)に対する認知率及び利用意向度に係るWEB調査を行っており、他の有力ブランドとの相対比較を通じて自らの市場ポジショニングをモニターしています。
2021年に実施した星野リゾートグループ独自の調査結果では、マスターブランド(星野リゾート)については、2010年からの12年間で安定的に認知率も利用意向度も向上しており、また、各サブブランドについては、認知率が安定的に向上していることが判明しました。
⑥ 我が国の旅行市場の概況
本投資法人は、我が国の国内宿泊旅行市場の将来展望について、少子高齢化時代においても、国内宿泊旅行に対する潜在需要が高いこと、そして、今後、訪日外国人旅行者数は、新型コロナウイルス感染症が収束に向かえば、相応の時間を要しつつもコロナ禍前と同水準までの回復若しくはそれ以上の増加が期待できるとの見通しであることから、今後も安定した市場規模が維持されるものと考えています。
(イ) 旅行市場の状況
a. 旅行市場及び国内日本人宿泊旅行の動向
2020年以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、旅行市場規模は一時的に落ち込んでいるものの、前記「① 本投資法人の基本理念」のとおり、観光庁の公表データによると、新型コロナウイルス感染症の感染拡大前である2019年の国内における旅行消費額は29.2兆円(国内宿泊旅行17.5兆円、日帰り旅行4.8兆円、海外旅行の国内消費分1.5兆円、訪日外国人旅行の消費分5.4兆円)となっています。
公益財団法人日本生産性本部の「レジャー白書2020」によると、新型コロナウイルス感染症の感染拡大前である2019年における余暇活動の潜在需要の第2位は「国内観光旅行」となっており、本投資法人は、国内宿泊旅行に対する潜在需要が高い理由として、レジャー・余暇生活や観光旅行に対する日本人の関心の高さがあげられると考えています。
■余暇活動の潜在需要(希望率-参加率)上位5種目(2019年)
0101010_016.jpg(出所)公益財団法人日本生産性本部「レジャー白書2020」
新型コロナウイルス感染症の感染拡大前である2020年1月実施の公益財団法人日本生産性本部調査によると、余暇活動に関して参加を希望するものについて、全国の15歳から79歳までの男女に複数回答にて調査を行ったところ(有効回収数3,539件)、参加希望率(ある余暇活動を将来やってみたい、又は今後も続けたいとする人の割合)は国内観光旅行が第1位であり、国民の関心が高いことを示しています。
更に、公益社団法人日本観光振興協会の令和2年度版「観光の実態と志向」によると、日本人が国内観光で希望する旅行の種類は、「食を楽しむ」、「寺社仏閣を楽しむ」、「都市の建築物や文化施設、各種展示会などを楽しむ」等の本投資法人が「都市観光」カテゴリーに属すると考えている観光ニーズが、これまで星野リゾートグループがターゲット市場としてきた本投資法人が「リゾート観光」及び「温泉観光」カテゴリーに属すると考えている観光ニーズと並んで上位に位置していることからもこのことが裏付けられていると、本投資法人は考えています。
b. 訪日外国人旅行者の動向
訪日外国人旅行者数は、2003年の「ビジット・ジャパン・キャンペーン」開始後順調に増加し、2009年に新型インフルエンザの影響で一時的な落ち込みを見せましたが、2010年には羽田空港の国際定期便就航などの追い風を受け、アジアからの訪日客数が伸び、過去最高の861万人となりました。2011年は東日本大震災の影響により621万人と一時的に減少したものの、2012年は日中関係の悪化による影響があったと考えられる中でも、835万人まで回復しました。その後は、独立行政法人国際観光振興機構(通称:日本政府観光局)(JNTO)の発表によると、2018年は3,119万人、2019年は3,188万人に達する等、年間の過去最高記録を更新し続けました。しかし、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響によって、2020年及び2021年の訪日外国人旅行者数は、2019年と比較し大きく落ち込みました。今後については、同感染症が収束に向かえば、訪日外国人旅行者数は、相応の時間を要しながらも徐々に回復していくものと、本投資法人は考えています。
■訪日外国人旅行者数
2008年8,350,835人
2009年6,789,658人
2010年8,611,175人
2011年6,218,752人
2012年8,358,105人
2013年10,363,904人
2014年13,413,467人
2015年19,737,409人
2016年24,039,700人
2017年28,691,073人
2018年31,191,856人
2019年31,882,049人
2020年4,115,828人
2021年245,862人

(出所)日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数の動向」
⑦ 投資基準
本投資法人は、ホテル、旅館及び付帯施設への投資にあたっては、国内外のホテル・旅館等のマーケット環境を分析して当該物件の競争力及び将来性を検討するとともに、ポートフォリオ全体の成長性及び収益性と、ポートフォリオ全体におけるリスクも勘案の上、投資の可否を総合的に判断します。なお、海外における星野リゾートグループ関与物件については、投資対象が所在する国・地域の情報を的確に入手し、政治動向、人口動態、経済成長等マクロ的な観点を踏まえ、各国の不動産市場動向・制度及び規則等を含めた投資対象資産の位置する市場を総合的に分析し、各国の法制度、会計制度、税制等のリスクや投資及び収益還元に関連する為替リスク等も総合的に勘案して、慎重に投資を行います。なお、本投資法人は、かかる判断にあたり、原則として以下に記載の基準で検討するものとしますが、海外における星野リゾートグループ関与物件に関する判断については、所在する国・地域での実務を勘案し、以下の基準に必要な修正ができるものとします。
(イ) 立地
立地については、投資対象資産のブランドに適した立地であることを重視するほか、一般社団法人投資信託協会の制定する「不動産投資信託及び不動産投資法人に関する規則」を踏まえ、海外不動産等の所在する国又は地域についての不動産法制や司法制度全般の整備の状況、外国為替相場や制度の整備状況、及び資金決済や海外送金制度の整備状況等も総合的に考慮した上で、投資対象地域を選定します。具体的には、以下の基準に従うものとします。
区分立地基準
星野リゾートグループ運営物件ホテル、旅館及び付帯施設の対象客層や性質等を踏まえ、旅客数、知名度その他の事情に照らし、安定して運営できると本投資法人が判断した地域に立地することを原則とします。
主要ブランド物件については、各主要ブランド物件の競争力及び特徴に鑑み、上記の立地基準を踏まえて、それぞれ、例えば、以下のような立地に所在する物件に投資します。
・星のや
地域独特の文化的なポテンシャルがあると本投資法人が判断した立地に所在する場合
・界
全国的に知名度があると本投資法人が判断した温泉地に立地する場合
・星野リゾート リゾナーレ
集客が十分に見込めると本投資法人が判断したリゾート又は今後の成長により集客が十分に見込めるリゾートになると本投資法人が判断した地域に立地する場合
星野リゾートグループ以外運営物件ホテル、旅館及び付帯施設の対象客層や性質等を踏まえ、旅客数、知名度その他の事情に照らし、安定して運営できると本投資法人が判断した地域に立地することを原則とします。
海外における星野リゾートグループ関与物件(注)世界的に観光地としての知名度が高い地域を中心に、当面の間は、米国、ヨーロッパ等の地域を中心とした中長期的に安定した経済基盤や、人口増加による経済成長が見込める地域のうち、国内と同様、安定して運営できると本投資法人が判断した地域に立地することを原則とします。

(注) 海外における星野リゾートグループ関与物件に対する投資比率は、15.0%を上限とします。
(ロ) 投資金額
1物件当たりの投資金額(海外における星野リゾートグループ関与物件その他の海外資産の場合には、取得時における投資金額の邦貨換算額)が5億円以上であることを原則とします。ただし、その他の事項も含め総合的に勘案して投資が適正と判断される場合には、投資金額が1物件当たり5億円未満の物件についても、投資を行うことができるものとします。
(ハ) 取得価格
不動産等の取得価格については、本資産運用会社による独自の価格評価に基づき、不動産鑑定評価額(海外における星野リゾートグループ関与物件については、国土交通省の定める「海外投資不動産鑑定評価ガイドライン」(平成20年1月25日制定。その後の改正を含みます。)に準拠して得られた不動産鑑定評価額)を参考に判断します(なお、本資産運用会社の利害関係人等との取引においては、利益相反防止策として、利害関係人等でない不動産鑑定士(法人を含みます。)が鑑定した鑑定評価額を超えて取得してはならない旨の自主ルールを設けています。かかる利益相反防止策の詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 利害関係人等取引規程」をご参照ください。)。
(ニ) 建物構造
建物構造については、ホテル、旅館及び付帯施設としての目的に照らして必要な強度を有し、宿泊施設としての安全性に問題がないと判断できる物件に投資します。なお、本投資法人は、旅館等として使用する不動産等については、建物が周辺自然環境と調和していることや、建物が歴史的建造物であることなどが、旅館等としての希少性を高め、集客力や競争力に寄与することがあると考えています。したがって、建物構造については特段の限定を設けず、木造を含む全ての種類の建物構造に投資を行うことができるものとします。
本投資法人は、必要な強度を有しているかの判断にあたり、当該物件のPML(Probable Maximum Loss:予想最大損害率)(以下「PML」といいます。)(注)を参考にし、当該物件のPMLが20%を超える場合、本投資法人は、地震保険の付保を検討します。
ただし、海外における星野リゾートグループ関与物件については、所在する国・地域における耐震性の法令上の基準を遵守しているかどうかを必要な強度を有しているかの判断にあたっての基準とし、PMLは、当該国・地域でのホテル、旅館及び付帯施設への投資の実務において参考とすることが一般的である場合にのみ参考とするものとします。
(注)「PML」とは、当該地域で予想される最大規模の地震(475年に1度起こる可能性のある大地震=50年間に起こる可能性が10%を超える大地震)を対象物件が受けた場合に、被災後の建物を被災前の状態に戻すための工事費が総建替費に占める割合(%)を示したものをいいます。以下同じです。
(ホ) テナント及びオペレーター
テナント及びオペレーターの選定にあたっては、当該業者の社会的信用力を確認し、運営実績、競争力等について評価・分析の上、経済的信用力を有する等当該物件の競争力を維持又は向上できると判断できるテナント及びオペレーターを選定します。なお、本投資法人がテナントに対して運用資産を賃貸する場合には、テナントの信用状況等を調査の上、物件特性や当該テナントの信用状況等に応じた適切な担保(敷金及び保証金、親会社等の保証を含みます。)を獲得するよう努めるものとします。
(ヘ) 権利関係
当該物件の特性に照らし、本投資法人による運用に支障がないと判断できる権利関係であることを原則とします。具体的には、所有権、賃借権、地上権等権利の形態を確認した上で、共有、区分所有又は借地の場合は、物件の特性を総合的に勘案し、権利関係者の属性等をも考慮の上、運営・管理における制約事項が少ないことを原則とします。
また、海外における星野リゾートグループ関与物件においては、所在する国・地域における権利関係等の調査を行い、かつ当該国・地域での実務を勘案し総合的に判断します。
(ト) 運営実績
本投資法人は、原則として、過去の運営実績が無い未稼働のホテル、旅館及び付帯施設(建設予定又は建設中のホテル、旅館及び付帯施設を含みます。以下本(ト)において同じです。)への投資は行いません。ただし、未稼働のホテル、旅館及び付帯施設であっても、運営開始後の安定した運営が十分に見込まれ、本投資法人が取得した後に安定した収益が得られるものと判断した場合には、未稼働の物件に対しても、投資を行うことができるものとします。
(チ) 海外における星野リゾートグループ関与物件への投資における間接投資の利用
本投資法人は、海外における星野リゾートグループ関与物件への投資に際し、所在する国・地方における法制度若しくは税制度上の制約又は投資に際するリスクの限定その他の理由により適切と判断した場合には、海外における星野リゾートグループ関与物件を所有する海外法人の発行する不動産対応証券、株券、社債券その他の有価証券(投信法施行規則第221条の2第1項に規定する法人(以下「海外不動産保有法人」といいます。)の発行済株式を含みます。)の取得を通じて、海外における星野リゾートグループ関与物件への投資を行うことができます。
⑧ デュー・ディリジェンス基準
本投資法人は、投資するホテル、旅館及び付帯施設を選定するにあたっては、以下に挙げる事業性に関する調査項目(調査主要項目一覧表①)について、可能な限り調査し、当該調査結果に基づき、当該物件の生み出す運営上のキャッシュ・フローの見込み、賃料収入の予想及びそれらに基づく収益価格等、当該物件の収益性及び安定性、並びに投資の採算性について検証します。
また、かかる事業性に関する調査に加え、投資するホテル、旅館及び付帯施設を選定するにあたっては、土地、建物の物理的調査及び法的調査(調査主要項目一覧表②)についても十分に実施し、当該物件の生み出す運営上のキャッシュ・フローの安定性・成長性等を阻害する要因の在否の把握等を中心とした、当該物件の投資対象としての妥当性を検討します。
なお、上記調査プロセスにおいては、公正かつ調査能力・経験があると認めた第三者の専門家による不動産鑑定評価書、エンジニアリングレポートを取得するほか、必要と判断する場合にはマーケットレポートその他の第三者の専門家の報告書等を取得し、これらの内容についても考慮します。
本投資法人は、投資する海外における星野リゾートグループ関与物件を選定するにあたっては、原則として上記に定めるところに準じて調査及び検討を実施しますが、所在する国・地域における権利関係等の調査を行い、かつ当該国・地域での実務を勘案するものとします。
本投資法人は、これらの調査及び検証の結果、当該物件の生み出す運営上のキャッシュ・フローが本投資法人の投資対象として妥当と判断される賃料その他の収入を達成するために必要な水準に達している(又は改善の見込みがあり当該改善後は必要な水準に達する蓋然性が高い)と判断できるとともに、当該物件の生み出す運営上のキャッシュ・フローの安定性・成長性等を阻害する要因がない又はかかる要因はあるものの限定的であり、総合的に判断して当該物件の投資対象としての妥当性が認められると判断した物件について投資します。
調査主要項目一覧表①
調査項目内容
事業性調査施設・設備・ 客室
客室数/客室タイプ/客室面積等
・ レストラン・大浴場・その他施設・機能
施設数・施設構成等
マーケット(注1)・ 地域経済・マーケット全般
・ 立地
周辺環境/立地・アクセス/周辺施設/
交通インフラ/温泉湯量等
運営実績・ 運営主要指標の調査
・ 運営実績に基づく賃料負担力の調査
客室稼働率(注2)、ADR(注3)、RevPAR(注4)等
テナント・
オペレーター(注5)
・ テナント・オペレーター調査
テナント・オペレーターの信用力/業績/実績等

(注1) 海外における星野リゾートグループ関与物件については、所在する国・地域におけるカントリーリスク等も考慮して総合的に判断します。
(注2)「客室稼働率」とは、以下の計算式により求められる数値をいいます。以下同じです。
客室稼働率=販売客室数÷販売可能客室数×100
(注3)「ADR」とは、平均客室販売単価(Average Daily Rate)をいい、一定期間の宿泊売上高合計を同期間の販売客室数(稼働した延べ客室数)合計で除した値をいいます。以下同じです。
(注4)「RevPAR」とは、1日当たり販売可能客室数当たり宿泊売上高合計(Revenue Per Available Room)をいい、一定期間の宿泊売上高合計を同期間の販売可能客室数合計で除した値をいいます。以下同じです。
(注5) 星野リゾートグループをテナント・オペレーターに選定する場合は、当該項目の調査は原則として行いません。
調査主要項目一覧表②
調査項目内容
物理的調査
(注1)
建物の遵法性・ 建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)(以下「建築基準法」といいます。)や都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)(以下「都市計画法」といいます。)等の建築関連法令等の遵守状況の確認
・ 既存不適格の有無・程度
・ 建築関連法令、条例、協定等による建築制限等の有無
建物の状況・ アスベスト、ポリ塩化ビフェニル(PCB)等の有害汚染物質の含有機器及び含有廃棄物の有無
・ 建築基準法、消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)(以下「消防法」といいます。)、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和45年法律第20号。その後の改正を含みます。)等の建物管理関連法令に沿った各種定期調査報告実施状況
・ 建物管理状況
建物の修繕・
資本的支出
・ 緊急修繕必要箇所の有無
・ 長期修繕計画
・ 過去の修繕状況
地震リスク・
耐震性能調査、土壌環境汚染調査
・ PML値の算出
・ 土壌調査
法的調査
(注1)
境界調査・ 境界確認の有無(境界に関する訴訟その他の紛争の有無)
・ 越境・非越境物の有無
・ 未登記建物の有無
権利関係の確認・ 土地及び建物に関する権利関係の確認(完全所有権、地上権、借地権、共有、分有、区分所有等)
・ 権利に付随する各種契約書等(温泉権又は水利権に関するものを含みます。)の内容
テナント・
オペレーター属性
・ テナント関連契約(賃貸借契約、転貸借契約、使用貸借契約等)の調査
・ 運営委託関連契約の調査
・ 反社会的勢力の調査(注2)

(注1)海外における星野リゾートグループ関与物件に関する調査については、所在する国・地域での実務を勘案し、上記の調査項目の一部を行わないことがあります。
(注2)星野リゾートグループをテナント・オペレーターに選定する場合は、当該項目の調査は原則として行いません。
木造物件については、売主へのヒアリング調査等を含む過去の修繕状況の確認を行い、必要に応じ、専門家レポートに基づく建物劣化診断、中長期修繕・更新計画の検討を行います。
具体的には以下のフローに従って検討を行います。
0101010_017.png(注1)投資を検討する建物の全部事項証明書を確認し、構造が木造であればステップ2に、それ以外であればステップ5に進みます。
(注2)専門家レポート、図面(改修図を含みます。)、修繕履歴等を検証して得られた情報に基づき、安全性を検討します。この時点で売主による修繕、是正を前提としても安全性の確保が難しいと判断された場合には投資を断念し、それ以外の場合にはステップ3に進みます。
(注3)目視調査等の非破壊調査においては、以下の事項を確認し、安全性を検討します。
構造躯体建物の土台、躯体(柱及び梁を含みます。)等の構造体を目視にて確認し、図面と整合しているかを確認します。
外壁屋根、外壁等の外部仕上げ材に、目立った亀裂、クラック等が無いか目視にて確認します。
内部仕上げ建物内部において目立った亀裂、クラック等が無いか、漏水箇所が無いかを目視にて確認します。
天井裏建物内部の点検口より目視にて天井裏の状態を確認します。

この時点で売主による修繕、是正を前提としても安全性の確保が難しいと判断された場合又は安全性確保に必要な修繕、是正を売主が拒んだ場合は投資を断念し、安全性確保に必要な修繕を売主が了承した場合にはステップ4に進み、修繕、是正を行わなくても安全性が確保されている場合にはステップ5に進みます。
(注4)通常のデュー・ディリジェンスに従った検証は、ステップ1からステップ4までの手続と並行して行われることがあります。
(注5)上記各ステップにおいて、安全性が確認できない場合等安全性の確保が難しいと判断された場合は投資検討を中止し、必要な安全性が確保できると判断した木造物件のみを、投資適格と判断します。
⑨ フォワード・コミットメント
フォワード・コミットメント等(先日付での売買契約であって、契約締結から1か月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているものその他これに類する契約をいいます。以下同じです。)を行う場合には、以下の点に留意することとします。
・契約不履行に関する解約違約金の水準、ポートフォリオ全体の収支及び配当水準等に与える影響等(東京証券取引所の定める上場廃止基準を含みます。)
・売買契約締結から物件引渡しまでの期間、当該期間中における金融環境及び不動産市場等の変動リスクの可能性、並びに決済資金の調達方法等
⑩ ポートフォリオ運営・管理方針
(イ) 基本方針
運用資産の運用については、投資主のニーズに合致した高品質で魅力的な運用商品を提供するために、運用資産からの安定した収益の確保と資産価値の向上を目指し、透明性の高い運用を行うことを基本方針としています。
(ロ) 賃借人による運営のパフォーマンスのモニタリング
本投資法人は、賃借人との間で賃貸借契約を締結する際、固定賃料部分と変動賃料部分を組み合わせた賃料構成とすることを検討します。賃貸借契約において変動賃料を導入する場合、賃借人に対しホテル・旅館の運営収支等について一定の報告義務等を課すことが一般的であり、本投資法人においても賃貸借契約の中でかかる報告義務を課すことを基本方針とします。これにより、本投資法人の賃料収入に大きな影響を与えることとなる賃借人による運営パフォーマンスについて、本資産運用会社が一定の範囲でモニタリングすることが可能となります。
(ハ) 海外における星野リゾートグループ関与物件の運営・管理方針
本投資法人は、海外における星野リゾートグループ関与物件への投資に係る業務の適正な遂行のため、本資産運用会社の担当各部において海外における星野リゾートグループ関与物件の投資に関与する担当者を、海外不動産等への投資に関する一定の知識を有する者とします。また、海外における星野リゾートグループ関与物件への投資を実施するにあたっての海外不動産等に関する法制・税制等や投資対象の候補となる物件に関する情報の収集及び調査等に関しては、投資判断に先立ち、各海外不動産等の所在する国・地域において専門的な知見を有する法律事務所その他の専門家に依頼し、専門家の助言やレポート等を取得するなど、海外不動産等への投資に関する必要な情報を取得するものとします。
本投資法人は、投資した海外における星野リゾートグループ関与物件の運用に際しては、所在する国・地域における時差や言語の違い等にかかわらず、適時適切に必要な情報を取得し、対応・対策その他の適切な管理を行うことができるよう、当該海外不動産等のテナント及びオペレーターとの間で緊密な連絡体制を構築します。
本投資法人は、現地国・地域におけるテナント及びオペレーターとの業務連絡に際しては、その記録等の適切な保管を行うことができるよう、その記録等の保管体制について当該テナント及びオペレーターとの間で適切に取り決めます。
本投資法人は、本投資法人が有する海外における星野リゾートグループ関与物件に係る業務関係の記録を、本資産運用会社のアクイジション部、アセットマネジメント1部、アセットマネジメント2部において適切に保管します。
(ニ) 資本的支出
中長期的な観点から、運用資産の資産価値、競争力の維持・向上を図り、運営収益の安定を目指し、慎重かつ十分な資本的支出を行います。
a. 本投資法人が行う資本的支出の範囲
・資産価値・競争力の維持を目的とし、運用資産が良好な物理的状態を保ち、将来に渡り競争力を発揮するために必要な資本的支出
・資産価値・競争力の向上を目的とし、客室及び料飲施設に関する単価及び客室稼働率のアップを図るのに必要な資本的支出
b. 資本的支出の原資
本投資法人は、資本的支出について、基本的には毎期計上する減価償却の額の範囲内で対応しますが、必要に応じて借入れ等により調達することがあります。
c. 資本的支出計画策定プロセス
毎期作成される年度運用計画において、本資産運用会社は、賃借人の意見を参考に、費用対効果分析を綿密に行って、大規模修繕計画等、資本的支出にかかる方針を策定します。資本的支出の実行においては、可能な限り業者からの入札プロセスを採用し、市場水準に比較して価格的及び質的に適切な内容となるよう努めます。
(ホ) 付保方針
a. 損害保険
災害や事故等による建物等の損害又は第三者への損害賠償を担保するため、運用資産のうち建物やその付帯施設・設備について火災保険、賠償責任保険等必要と判断した保険を付保します。なお、海外における星野リゾートグループ関与物件についても原則として同様としますが、当該物件が所在する国・地域における特有のリスクの調査を行い、かつ当該国・地域での実務を勘案して総合的に判断します。
b. 地震保険
PMLが20%を超える建物やその付帯施設・設備及び地震保険の付保を検討するべき特段の事情がある建物やその付帯施設・設備につき、災害による影響と損害保険料等を比較検討して地震保険の付保を検討します。
⑪ 売却方針
原則として短期的な物件の売却は行いませんが、ポートフォリオ全体の構成、ニーズの変化、個別物件の状況、収益性の見通し、周辺環境の変化等を総合的に判断した結果、当該物件の売却がポートフォリオの収益の安定に資するものと判断される場合には、適切な時期での売却を検討することがあります。
⑫ 年度運用計画
本投資法人のアセットマネージャーたる役割を担う本資産運用会社は、その業務の1つとして、賃借人のパフォーマンスのモニタリングを行うとともに、本投資法人の資産ポートフォリオの年度運用計画(大規模改装工事計画等を含みます。)の策定を行い、計画的な運用資産の運用を行います。
(イ) 運用資産別のパフォーマンスのモニタリング
本資産運用会社は、賃借人に対して、月別の売上予測の提供、並びに月次の売上、客室稼働率、ADR及びRevPAR等の実績の報告等を原則として求め、各施設のパフォーマンスについて逐次モニタリングするように努めます。
(ロ) 年度運用計画
本資産運用会社は、本投資法人の資産ポートフォリオ全体について、本投資法人の営業期間毎に、年度運用計画を策定し、計画的な運営管理を実施します。年度運用計画は、各営業期間開始時点のポートフォリオ全体の運営予算及び運用資産別のパフォーマンスに関する計画より構成され、各営業期間の開始までに投資運用委員会及びコンプライアンス委員会による審議及び承認を経た後、取締役会で決定されます。
(ハ) 年度運用計画の修正、検証
a. 月次での検証
本資産運用会社は、運用資産毎及びポートフォリオ全体での月次運営実績を検証します。上記(イ)に基づく月次レポートのレビューにより、月次運営予算と実績に乖離が見られる等、年度運用計画の見直しが必要と判断される場合には、速やかに修正年度運用計画(期中運用計画)を策定します。なお、期中に資産の取得又は売却を行った場合も同様とします。
b. 営業期毎の検証
本資産運用会社は、運用資産毎及びポートフォリオ全体の運用状況を分析し、それを踏まえて、翌営業期間以降の年度運用計画を策定します。
⑬ 財務方針
(イ) 基本方針
本投資法人は、収益の確保と運用資産の着実な成長に資するため、計画的かつ効率的な財務戦略を立案し、中長期にわたり安定的な財務基盤を構築することを目指します。
(ロ) エクイティ・ファイナンス
新投資口の発行は、運用資産の長期的かつ安定的な成長を目的として機動的に行います。その際には、経済環境や資本市場の動向、新たな運用資産の取得時期、及び投資口の希薄化(新規投資口の追加発行による投資口の持分割合の低下及び投資口1口当たりの純資産額又は分配金の減少)に十分配慮した上で総合的に判断するものとします。
(ハ) デット・ファイナンス
本投資法人は、海外不動産等への投資を行う場合には、現地通貨建てで借入れを行う場合があります。また、調達時点のマーケット環境等を勘案し、円建てで調達し、現地通貨へ換金する場合もあります。
a. 安定性重視の財務方針
主要金融機関を中心にバランスの取れたバンクフォーメーションを構築することを目指します。また、借入金の長期固定化と返済期限の分散による、安定性重視の財務方針を採用します。
b. LTV水準
LTV(本投資法人の総資産額のうち、投資法人債を含む借入金残高の割合)の水準は財務健全性の確保のため、原則として50%を上限とします。ただし、新たな資産取得等に伴い、一時的に50%を超えることがあります。
c. アモチゼーション方針
本投資法人が投資対象とする施設は立地の点から相対的に建物比率が大きくなる傾向があり、営業期間毎に減価償却費として計上される金額が実際に必要とされる資本的支出の金額を相当程度上回ることがあります。この一部を戦略的なアモチゼーション(借入れの分割返済)に充てることにより、リファイナンスリスクの低減、及び支払利息の負担軽減による運用収益の増加を目指すことがあります。
d. 借入限度及び借入先
借入金及び投資法人債発行の限度額はそれぞれ1兆円とし、かつ、その合計額が1兆円を超えないものとします。なお、借入先は、金融商品取引法第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)に限定されます。また、借入先については候補となる複数の機関投資家と交渉の上、固定金利借入れの割合、約定弁済、借入期間、担保設定の有無等の借入諸条件を、比較して決定します。
e. 担保設定方針
資金調達に際しては、本投資法人の運用資産を担保として提供することができるものとします。
f. 投資法人債
金利の動向、資金調達コスト、支払金利の形態、調達先、調達期間及び債務の返済・償還期日を総合的に勘案した上で、投資法人債の発行を行うことがあります。
g. 短期投資法人債
金利の動向、資金調達コスト、支払金利の形態、調達先、調達期間及び債務の返済・償還期日を総合的に勘案した上で、短期投資法人債の発行を行うことがあります。
(ニ) グリーンファイナンス・フレームワーク
a. グリーンボンドとしての適格性について
本投資法人はグリーンボンドの発行を含むグリーンファイナンス実施のために国際資本市場協会(International Capital Market Association:ICMA)の定める「グリーンボンド原則(Green Bond Principles)2018年版」、ローンマーケット協会(Loan Market Association:LMA)、アジア太平洋ローンマーケット協会(Asia Pacific Loan Market Association:APLMA)及びローンシンジケーション・トレーディング協会(Loan Syndication and Trading Association:LSTA)の定める「グリーンローン原則(Green Loan Principles)2020年版」、並びに環境省の定める「グリーンボンドガイドライン2020年版」及び「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2020年版」に即したグリーンファイナンス・フレームワークを策定しました。
当該フレームワークの適格性についてグリーンファイナンス評価機関である株式会社日本格付研究所(以下、「JCR」といいます。)より「JCRグリーンファイナンス・フレームワーク評価」の最上位評価である「Green1(F)」の評価を取得しています。
b. 適格クライテリアについて
ⅰ. グリーンビルディング及び環境に資する付加的な取組み
下記(ⅰ)から(ⅳ)までの第三者認証機関の認証(下記(ⅰ)については下記①から⑤までに定める取組みが行われていることを要します。)のいずれかを取得済若しくは今後取得予定の物件。なお、(ⅱ)から(ⅳ)までについて①から⑤までに定める取組みが行われている場合、物件全体をグリーン適格物件とみなすものとします。
(ⅰ)BELS(Building-Housing Energy-efficiency Labeling System/建築物省エネルギー性能表示制度)認証における2つ星、かつ当該物件において本投資法人若しくはオペレーターにより以下の取組みが1つ以上行われていること
<環境に資する付加的な取組み>① EIMY(Energy In My Yard)による自然エネルギーの調達(水力発電等)
② ①以外の自然エネルギー調達
③ 「ゼロ・エミッション活動」による3Rの実施
④ プラスチック製品の使用削減
・ 個包装ソープからポンプボトルへの切り替え
・ 歯ブラシリサイクルの実施
・ ペットボトル廃止 等
⑤ 自然保護活動
(ⅱ)BELS認証における3つ星以上
(ⅲ)LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)認証におけるSilver以上
(ⅳ)CASBEE(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency/建築環境総合性能評価システム)認証におけるB+以上
ⅱ. 省エネルギー性能
空調機器の更新、照明器具のLED化、蓄電システムの導入等省エネルギー機器の導入に関する費用(従来比10%以上の使用量若しくは排出量の削減効果が見込まれるもの)
ⅲ. 改修工事
(ⅰ)保有資産に係る改修工事で、CO2、エネルギー、水等の使用量又は排出量の削減等、環境面において有益な改善が可能な工事(従来比、10%以上の使用量若しくは排出量の削減効果が見込まれるもの)
(ⅱ)環境認証の取得、再取得、又は1段階以上の改善を目的とした工事
ⅳ. 再生可能エネルギー
再生可能エネルギー発電設備の取得又は設置
c. プロジェクトの評価及び選定プロセス
グリーンファイナンスの資金調達の使途となる適格クライテリアに適合するプロジェクトについては、チーフ・サステナビリティ・オフィサーによって選定され、本資産運用会社の代表取締役社長、投資運用本部長、財務管理本部長、企画管理部長、コンプライアンス・オフィサー、並びにチーフ・サステナビリティ・オフィサーで構成されるESG委員会で評価・審議された後、取締役会にて決定され、役員会で報告されます。
d. 調達資金の管理
グリーンファイナンスにより調達した資金は、口座に入金された後、遅滞なく適格クライテリアの取得資金に充当若しくは適格クライテリアの取得に要した借入金のリファイナンスに充当します。
調達資金の充当が決定されるまでの間は、調達資金は現金又は現金同等物にて管理します。全額充当後においても、評価対象の債券等が償還するまでに資金使途の対象となる資産が売却又は毀損などにより、資金使途の対象から外れる場合、一時的に発生する未充当資金はポートフォリオ管理にて管理します。
ポートフォリオ管理とは、決算期毎にグリーンファイナンス残高の合計額が、グリーン適格負債上限額(適格クライテリアを満たす資産合計額×LTV+上記「b.適格クライテリアについて」のⅱ.からⅳ.までに記載の適格クライテリアに充当した金額の合計額)を超えないことを確認する管理方法です。
e. レポーティング
ⅰ. 資金充当状況に関するレポーティング
本投資法人は、本書の日付現在、以下の内容を、決算期毎に本投資法人のウェブサイト上にて、該当するもののみ開示する方針です。
・ グリーンファイナンスによる調達時点で未充当資金がある場合、充当計画
・ 資金使途の対象となる資産を償還・返済期間までに売却した場合にはポートフォリオ管理にて残高管理をしている旨、またグリーンファイナンス残高及びグリーン適格負債上限額
ⅱ. 環境改善効果に関するレポーティング
本投資法人は、本書の日付現在、以下の内容を本投資法人のウェブサイト上にて、該当するもののみ年次で開示する方針です。
・ 取得資産の環境認証数・種類
・ (改修工事を対象とした場合)改修前と改修後のエネルギー使用量/水使用量
・ (再生可能エネルギーを対象とした場合)投資対象となる発電設備の年間発電量・CO2削減量(推定値)
・ EIMY(Energy In My Yard)による年間発電量(水力発電等)
・ EIMY以外での自然エネルギー調達量
・ 生ゴミの堆肥化継続(2011年より)
・ プラスチック容器の削減量
(ⅰ)シャンプー、コンディショナー、ボディソープのポンプボトル化継続(2019年より)
(ⅱ)ペットボトルミネラルウォーターの段階的切り替え
・ リサイクル対象となった歯ブラシの本数
・ 自然保護活動の概要
⑭ 情報開示方針
(イ) 本投資法人は、資産運用にあたり、常に投資家の視点に立ち、迅速、正確かつ公平に情報を開示することに努めます。
(ロ) 投資家に開示すべき情報の集約体制を整え、これを維持することに努めます。

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