有価証券報告書(内国投資証券)-第7期(平成29年3月1日-平成29年8月31日)

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2017/11/24 15:00
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(1)【投資方針】
① 本投資法人の基本理念
本投資法人は、ヒューリックをスポンサー(以下「スポンサー」ということがあります。)として、平成25年11月7日に設立され、平成26年2月7日に東京証券取引所J-REIT市場に上場(以下「新規上場」といいます。)しました(銘柄コード:3295)。
本投資法人は、まず第一に、投資主やテナントをはじめとする全てのステイクホルダーの利益に貢献することを目的とし、中長期的な収益の維持・向上及び運用資産の規模と価値の成長を実現することで、投資主価値を最大化していくことを目指します。
第二に、本投資法人は、ヒューリックとの間で、「お客さまの社会活動の基盤となる商品・サービスを提供することにより、永く『安心と信頼に満ちた社会の実現』に貢献します」という企業理念を共有しています。
本投資法人は、これら二つの基本理念を追求するため、「東京コマーシャル・プロパティ(Tokyo Commercial Properties)」(以下「東京コマーシャル・プロパティ」といいます。)(注1)及び「次世代アセット(Next Generation Assets)」(以下「次世代アセット」といいます。)(注2)への投資を行います。
(注1)本書において、「東京コマーシャル・プロパティ」とは、オフィス及び商業施設のうち、本投資法人の基本理念に合致する資産を総合的に包含する本投資法人特有の概念であり、具体的には、オフィスにおいては、東京23区内にあって、原則として「最寄駅から徒歩5分以内」に立地し、当該立地において十分な競争力を有するオフィスをいい、商業施設においては、東京都及び東京都近郊の主要都市にあって原則として「最寄駅から徒歩5分以内」又は「繁華性のあるエリア」に立地し、商圏特性に適合した商品・サービスを提供するテナントからの需要が期待できる視認性の高い商業施設をいいます。
(注2)本書において、「次世代アセット」とは、本投資法人がその基本理念に基づき投資対象と定めた資産であり、具体的には、将来的な社会的ニーズの高まりと、将来にわたって堅実な需要が見込まれると本投資法人が判断する賃貸不動産であり、原則として単一のテナントとなる事業者との間で長期賃貸借契約を締結する施設をいい、本書提出日現在、本投資法人は、「有料老人ホーム」(以下「有料老人ホーム」といいます。)、「ネットワークセンター」(以下「ネットワークセンター」といいます。)及び「ホテル」(以下「ホテル」といいます。)を次世代アセットに該当するものと位置づけています。なお、将来において、社会的ニーズの高まりと、堅実な需要が見込まれると本投資法人が判断する場合には、次世代アセットの具体的範囲は拡大し又は変化することがあります。詳細につきましては、後記「② 本投資法人の基本方針/(イ)次世代アセットへの投資」をご参照ください。
② 本投資法人の基本方針
本投資法人は、商業用不動産として確立されたアセットであり、ヒューリックが豊富な運用実績及びノウハウを有する東京コマーシャル・プロパティを重点投資対象と位置づけ、ポートフォリオの80%~90%程度(注)を投資するものとし、主たる投資対象に東京コマーシャル・プロパティを据えることで、中長期的な投資主価値の最大化を目指します。
また、本投資法人は、将来の「安心と信頼に満ちた社会の実現」のためのインフラとしてニーズの拡大が見込まれ、かつ、ヒューリックが培ってきたテナント管理等のノウハウを活用することにより、適切なリスク管理と収益の獲得が可能な投資対象と考える次世代アセットにポートフォリオの10%~20%程度(注)を投資するものとし、次世代アセットへの投資により長期的に安定した収益の獲得を目指します。
(注)取得価格ベースとし、取得時の消費税・地方消費税及び手数料等を含みません。なお、本投資法人が個別具体的な資産の取得を行った場合に、これらの比率とは異なる投資比率となることがあります。
(ア)東京コマーシャル・プロパティへの重点投資
a.立地の選定を重視したポートフォリオ
本投資法人は、東京コマーシャル・プロパティに対して重点的に投資を行います。その際、中長期にわたり競争力を有するポートフォリオを構築するため、周辺環境を含めた立地の選定を最も重視しつつ、用途、規模、クオリティ、スペック(仕様)及びテナント等の個別要素を総合的に勘案した上で慎重に投資判断を行います。東京コマーシャル・プロパティは、オフィス及び商業施設のうち、本投資法人の基本理念に合致するものとし、具体的には以下のとおりです。
b.オフィス
本投資法人が東京コマーシャル・プロパティの一つの柱として投資する「オフィス」は、東京23区内にあって、原則として「最寄駅から徒歩5分以内」に立地し、当該立地において十分な競争力を有するオフィスをいいます。
c.商業施設
本投資法人が東京コマーシャル・プロパティのもう一つの柱として投資する「商業施設」は、東京都及び東京都近郊の主要都市にあって、原則として「最寄駅から徒歩5分以内」又は「繁華性のあるエリア」に立地し、商圏特性に適合した商品・サービスを提供するテナントからの需要が期待できる視認性の高い商業施設をいいます。
d.投資比率
「東京コマーシャル・プロパティ」合計でポートフォリオの80%~90%程度とします。
(イ)次世代アセットへの投資
本投資法人は、将来的な社会的ニーズの高まりを背景として、将来にわたって堅実な需要が見込まれると本投資法人が判断する次世代アセットに対しても、原則として長期賃貸借契約を締結するテナントの事業及び財務に係るデューディリジェンスを実施した上で、厳選して投資します。本投資法人は、本書提出日現在、少子高齢化の進展する我が国において社会的ニーズの更なる高まりが見込まれる「有料老人ホーム」、情報化社会の進展によって社会的重要性が増大し、更なる投資の拡大が見込まれる通信インフラ施設である「ネットワークセンター」、並びに安定的な観光利用及びビジネス利用等に加え、日本政府の施策推進による訪日外国人の増加等を背景として、更なる需要の拡大が見込まれる「ホテル」を次世代アセットと位置づけています。
本投資法人は、これらの次世代アセットについて、社会的ニーズの高まりを背景として堅実な需要が見込まれる一方で、東京コマーシャル・プロパティには存在しない様々なリスクが顕在化する可能性のある資産であると考えています。したがって、本投資法人は、次世代アセットへの投資に際しては、各アセットの特性や固有のリスクを十分に分析し、資産保有・運営管理・売却の局面ごとに内包する各種のリスクに対処するために、万全と考えられる各種の対応策を講じた上で、厳選して投資します。
かかる次世代アセットの特性と固有のリスクに対処するため、本投資法人は、新たな次世代アセットの選定にあたっては、本資産運用会社内に設置する投資委員会において独立性のある外部専門家の意見も聴取しながら、当該次世代アセットの特性と固有のリスク等の分析を踏まえて多角的な検討を実施します。
a.有料老人ホーム
有料老人ホームとは、老人福祉法(昭和38年法律第133号、その後の改正を含みます。以下「老人福祉法」といいます。)に規定された施設類型の1つで、居住者となる高齢者に何らかのサービス提供を行う施設が属するカテゴリーであり、株式会社による運営が可能です。老人福祉法及び介護保険法(平成9年法律第123号、その後の改正を含みます。以下「介護保険法」といいます。)において、有料老人ホームにも様々な類型が存在しますが、入居者の属性により「自立者向け」と「要介護者向け」に、入居者の権利形態により「建物賃貸借方式」、「終身建物賃貸借方式」と「利用権方式」に分類することができます。
本投資法人のスポンサーであるヒューリックは、平成17年9月に企業寮の建替えによりアリア松原を開発して以来、多くの介護事業者との間で有料老人ホームの賃貸事業等を展開し、ノウハウを蓄積しています。また、介護事業者の施設新設ニーズを踏まえた開発案件にも取り組むなど、ノウハウの蓄積及び活用に取り組んでまいりました。
本投資法人が投資対象とする「有料老人ホーム」は、主に介護が必要な高齢者を対象とする介護付有料老人ホーム(介護保険法上の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた有料老人ホーム)のうち、想定月額利用料(注1)が市場相場における高価格帯に属する利用権方式(注2)の施設です。
本投資法人は、「有料老人ホーム」のテナントである介護事業者との間で長期賃貸借契約を締結しています(注3)。利用権方式の介護付有料老人ホームの介護事業者に対しては、入居者からは月額利用料及び入居一時金(注4)が、保険者(市町村)からは介護報酬が、それぞれ支払われており、入居者の増減、月額利用料の延滞、社会保障制度が変更された場合における介護報酬の増減等によって介護事業者の収入は影響を受けることになりますが、本投資法人が受領する賃料は、原則として介護事業者の収入の増減による影響を受けません。なお、厚生労働省の「有料老人ホーム設置運営標準指導指針について」により、有料老人ホームに係る賃貸借契約の契約期間については、借家により有料老人ホームを設置する場合、かつ入居者との入居契約の契約期間の定めがない場合には、「当初契約の契約期間は20年以上であることとし、更新後の契約期間(極端に短期間でないこと)を定めた自動更新条項が契約に入っていること」が要件とされています。
(注1)本書において「想定月額利用料」とは、入居一時金を60ヶ月(想定入居期間)で除して得た金額を、月額利用料に加算した金額をいい、入居者の実感的な負担感を簡易的に想定した金額になります。なお、入居一時金が存在しないケースもあります。
(注2)「利用権方式」とは、有料老人ホームの入居者が専用居室や共有スペースを終身で利用する権利を取得する方式です。なお、利用権は譲渡・売却・相続の対象とはなりません。
(注3)本投資法人は、テナントである介護事業者との間で長期賃貸借契約を締結するに際し、スポンサー又はそのグループ会社をマスターリース会社として賃料パススルー型の転貸借を介して契約を行う場合があります。
(注4)有料老人ホームに入居する場合、入居一時金の有無、金額及び償却期間・償却方法は、有料老人ホーム毎に決められています。入居一時金は、有料老人ホーム毎に決められている償却期間・償却方法によって償却されますが、償却期間内に退去する場合は、未償却残額が返還されます。
本投資法人は、有料老人ホームへの投資に際して、物件のスペック(施設・立地)、介護事業者、契約内容等に関して定めた投資基準に従って慎重に検討し、厳選して投資します。また、本投資法人は、ヘルスケア施設を取得するにあたり、ヘルスケア施設の事業特性を十分に理解しているコンサルタント会社等の外部専門家を選任し、当該外部専門家から取引の対象となるヘルスケア施設や対象となるヘルスケア施設のオペレーター等について助言を受けることとしています。
b.ネットワークセンター
本投資法人が投資対象とする「ネットワークセンター」は、各通信事業者(注)が保有する通信網を日本国内全体にわたって接続する役割を果たしており、音声ネットワークサービスやデータネットワークサービス等の各種通信サービスを提供するための基盤となる施設です。
(注)本書提出日現在、日本国内の主な通信事業者としては、エヌ・ティ・ティグループ、ソフトバンクグループ及びKDDIグループ等があります。
通信事業者は、音声通信やデータ通信等を通信サービス加入者へ提供するための通信網を保有して事業を行っています。これらの通信網は、大きく分けて長距離通信網と地域通信網に分類することができます。長距離通信網は中継系ネットワークと呼ばれ、主に都道府県間での通信を実現しています。一方、地域通信網は加入系ネットワークと呼ばれ、通信サービス加入者へ直接接続して通信サービスを届ける役割を担っています。
(出所)本資産運用会社にて作成
(ⅰ)中継系ネットワークにおける位置づけ
ネットワークセンターは、全国のネットワークセンターと接続することで都道府県間での通信を実現しています。また、日本国内の通信事業者3社(注)の保有するネットワークセンターとも接続し、事業者間での通信も実現しています。さらに、携帯電話通信のネットワークの結節点としての役割を果たし、携帯電話等の通話やインターネット接続を可能にしています。
(注)日本国内の通信事業者3社とは、株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社及びソフトバンク株式会社を指しています。
(ⅱ)加入系ネットワークにおける位置づけ
ネットワークセンターは、長距離通信網と地域通信網を橋渡しする役割を果たしています。長距離通信網からの通信データは、ネットワークセンターで各地域の中継局へ振り分けられ、通信サービス加入者のもとへ届けられます。
本投資法人は、テナントである通信事業者との間に長期賃貸借契約を締結しています。通信事業者に対しては、各種通信サービス利用者から通信サービス利用料が支払われており、通信サービス利用料の増減は通信事業者の収入に影響を与えることとなりますが、本投資法人が受領する賃料は、原則として通信事業者の収入の増減による影響を受けません。
本投資法人は、ネットワークセンターへの投資に際して、通信事業者の事業継続可能性と、通信事業者の事業における当該施設の重要性及び使用継続可能性、通信事業者との契約内容等を慎重に検討し、厳選して投資します。
c.ホテル
本投資法人が投資対象とする「ホテル」は、交通利便性が良好又は国内有数の観光地等に立地し、観光利用又はビジネス利用等の需要が見込まれる施設です。
本投資法人のスポンサーであるヒューリックは、ホテル運営会社としてヒューリックホテルマネジメント株式会社(100%子会社)を設立し、銀行店舗の建替えにより開発したヒューリック雷門ビルにおいて平成24年8月に「THE GATE HOTEL 雷門 by HULIC」を開業して以来、ホテルの運営を行っています。
また、ヒューリックは、3K(高齢者・観光・環境)ビジネスのうち、観光の一環としての「ホテル」にも注力し、多くのホテル事業者との間でホテルの賃貸事業等を展開するなかで、ホテルのテナント管理・運営等のノウハウを蓄積しているほか、ホテル事業者の施設新設ニーズを踏まえた開発案件にも取り組むなど、ノウハウの蓄積及び活用に取り組んできました。
本投資法人は、ホテルへの投資に際して、物件のスペック(施設・立地)、ホテル事業者、契約内容等に関して定めた投資基準に従って慎重に検討し、厳選して投資します。
なお、本投資法人は、原則として「ホテル」のテナントであるホテル事業者との間で、長期賃貸借契約を締結します(注)。
(注) 本投資法人は、テナントであるホテル事業者との間で長期賃貸借契約を締結するに際し、スポンサー又はそのグループ会社をマスターリース会社として賃料パススルー型の転貸借を介して契約を行う場合があります。
d.投資比率
「次世代アセット」合計でポートフォリオの10%~20%程度とします。
e.リスクコントロール
「次世代アセット」への投資にあたっては、本資産運用会社内に設置された投資委員会において、独立性のある外部専門家の意見も聴取しながら、リスク等の分析を踏まえて多角的な検討を実施し、それぞれの不動産等の用途タイプ毎に、固有の投資基準・モニタリング基準を設けて、その基準を遵守しながら投資を実行することとします。
投資に際しては、物件に係るデューディリジェンスに加えて、長期賃貸借契約を締結するテナントの事業及び財務に係るデューディリジェンスを実施し、取得後においては、定期及び不定期のモニタリングを実施します。
(ウ)ヒューリックグループとのコラボレーション
本投資法人及び本資産運用会社は、ヒューリックグループとのコラボレーションに基づく成長戦略により、本投資法人の基本理念の実現を目指すため、スポンサーであるヒューリックとの間でスポンサーサポート契約を締結しています。また、本投資法人はヒューリックとの間で商標使用許諾契約を締結し、ヒューリックが保有する商標を原則として無償で使用することの許諾を受けています。本投資法人及び本資産運用会社は、これらの契約を通じ、ヒューリックグループが培ってきた開発力、ネットワーク、施設運営ノウハウ、ブランド力等を最大限に活用します。スポンサーサポート契約の内容につきましては、後記「④ 成長戦略」をご参照ください。
(エ)投資主価値を最大化する充実したガバナンス体制
本投資法人は、その資産運用に際し、投資主の利益とヒューリックグループの利益の一体化を可能な限り図りつつ、利益相反対策と第三者性を確保した運営体制を採用することとし、この2つを中心的な枠組とした上で、中立的かつ透明性の高いガバナンス(企業統治)体制の整備・充実を図る方針です。
(オ)安定的かつ健全な財務運営
本投資法人は、中長期的な収益の維持・向上及び運用資産の規模と価値の成長を実現することを目的として、安定的かつ健全な財務運営を構築することを基本方針とします。具体的には、財務健全性確保のため、LTVについては、原則として60%を上限とし(注)、当面はポートフォリオ規模等を考慮して40%から45%程度の水準で保守的に運営し、中長期的には40%から50%の水準で運営することを目指します。また、メガバンクを中心とする複数の金融機関との間で強固かつ安定的な取引関係を築きます。
また、本投資法人は、減価償却費相当額の内部留保金を含む余剰資金を原資として、物件の新規取得、借入金の返済等、その時々において最も有効的かつ戦略的なキャッシュ・マネジメントを行います。
(注)新規投資や資産評価の変動等により、一時的に60%を超えることがあります。
③ 本投資法人が投資対象とする「東京コマーシャル・プロパティ」と「次世代アセット」
(ア)「東京コマーシャル・プロパティ」への重点投資の意義
a.東京コマーシャル・プロパティの優位性
本投資法人は、我が国の行政機関の多くが東京都に所在し、経済活動や文化活動も東京都を中心として展開されていることから、東京都に人口が集中していく傾向は、今後も継続すると考えています。したがって、基本的に東京都の「駅近」又は「繁華性のある地域」に立地する東京コマーシャル・プロパティは、我が国の経済成長に加え、東京都への人口・企業集中による収益を享受することが期待できる優位な投資対象であると考えています。
(ⅰ)オフィス
東京都は、我が国の経済活動の一大中心地であり、東京都に本社をかまえる企業だけでなく、大阪圏や名古屋圏をはじめとする東京都以外の地域に本社のある企業や、我が国に進出する外資系企業の多くも、東京都にオフィスを置く傾向があります。また、東京都はグローバルな比較においても、JR・私鉄・地下鉄といった大量輸送交通網が充実しているという企業活動に有利な特性と優位性を有しています。また、東京23区には、他の国内主要都市を大きく上回る賃貸オフィスビルのストックが存在しており、国内外の多様な投資主体が参画する売買マーケットが形成されています。本投資法人は、立地とスペックを中心に選別的に投資をすることで、投資主価値の最大化を目指します。
(ⅱ)商業施設
本投資法人は、東京圏への人口集中傾向は変わらず、東京都及び東京都近郊の主要都市に立地する商業施設の商圏人口の増加は継続すると見込んでおり、特に広域な商圏をターゲットとすることができる「最寄駅から徒歩5分以内」又は「繁華性のあるエリア」は、今後も商業施設立地としての優位性を保持していくエリアであると考えています。
我が国の一大消費地である東京圏の中で、広域な商圏をターゲットとすることが期待できる立地にあり、かつ、立地エリアの特性に適合した物件タイプの商業施設は、商圏人口の多さと潜在的な消費力の大きさに着目して出店するテナントのニーズに応えることができ、安定的な稼働とマーケット賃料の上昇局面における賃料増加額が期待できる優位な投資対象であると本投資法人は考えており、重点投資対象である「東京コマーシャル・プロパティ」の一つの柱として、東京都及び東京都近郊の主要都市に所在する商業施設に投資します。
b.スポンサーの物件情報提供による本投資法人の優位性
本投資法人のスポンサーであるヒューリックは、「都心」かつ「駅近」のオフィス及び商業施設用途の物件取得実績を豊富に有しており、これまで不動産業者及び事業会社からヒューリックに対して「東京コマーシャル・プロパティ」の多数の物件の売却情報が持ち込まれています。本投資法人は、ヒューリックがこれら「東京コマーシャル・プロパティ」に係る物件売却情報を入手した場合には、スポンサーサポート契約により原則としてその情報を入手できるため、かかる情報提供サポートを通じ、より広く「東京コマーシャル・プロパティ」の物件売却情報を入手することができると考えています。
c.スポンサーの「保有資産の再開発サポート」による本投資法人の優位性
本投資法人のスポンサーであるヒューリックは、「東京」所在の「駅近」のオフィス物件等につき各種の再開発事業を展開し、多くの実績とノウハウを有しています。したがって、本投資法人は、将来において、本投資法人保有の東京コマーシャル・プロパティにつき再開発のニーズが生じたと判断した場合には、スポンサーサポート契約に規定する「再開発サポートの提供」を活用することを検討します。この再開発サポートとは、本投資法人がその保有資産につき再開発のニーズが生じたと判断した場合、スポンサーへの再開発の提案を行い、スポンサーはこれを真摯に検討することとされるものであり、かかるスポンサーの再開発サポートを通じ、本投資法人は、スポンサーの再開発能力を活用することができると考えています。
一般に、築年数の経過した物件は、将来の処分可能性への懸念があることから投資家が限定されますが、本投資法人は築年数の経過した物件であっても、スポンサーによる再開発事業の対象となりうる立地・物件規模等を有する物件であれば、収益性を十分に考慮した上で、投資することができます。スポンサーによる「保有資産の再開発サポート」を前提として、築年数の制約を受けることなく、相対的に取得環境が緩やかな「築年数の経過した物件」に厳選投資できることは、外部成長を実現する上で他の投資法人に比して優位性を有していると本投資法人は考えています。
(イ)「次世代アセット」への投資の意義
本投資法人が投資対象とする次世代アセットについては、社会的ニーズの高まりを背景とした堅実な需要が見込まれます。しかしながら、次世代アセットについては、一般的な商業用不動産とは異なる特有のリスクが存在するため、投資家が相対的に限定され、一般的な商業用不動産と比較して高い収益性が期待できる特徴があるものと本投資法人は考えています。
本投資法人は、スポンサーにおいて開発及び賃貸実績を有することから、スポンサーのノウハウとネットワークの活用が可能な次世代アセットに投資することで、上記のような一般的な商業用不動産とは異なるリスクを適切にコントロールしながら、投資主価値の向上に資する物件を取得し資産運用ができると考えています。また、他社に先行して次世代アセットへ投資を行ってきた運用実績を有するスポンサーの幅広いネットワークを活用すること、他社に先行して投資することで取引相手との間で良好な関係が構築できることを通じ、物件取得のパイプラインの拡大が可能となるものと本投資法人は考えています。
本投資法人は、次世代アセットに対する投資の先行者となり、良質な物件をリスクに見合った適正な価格で取得する機会を確保することにより、ポートフォリオの収益性を引き上げ、投資主価値の向上を目指していきたいと考えています。
スポンサーは、民間企業のCRE戦略(注1)や国・自治体のPPP戦略(注2)、社会的意義のある先進的事業への取組等を通じて、様々な資産の運用ノウハウを蓄積してきました。本投資法人は、これらのノウハウを活用することで、次世代アセットへの的確な投資判断を行うことが可能であると考えています。
(注1)CRE(Corporate Real Estate)戦略とは、民間企業が保有する不動産を活用し、企業価値の向上を目指す戦略をいいます。
(注2)PPP(Public Private Partnership)戦略とは、国・自治体が保有する不動産(公的資産)について、官と民が連携・協力しながら、効率的な活用・運用を目指す戦略をいいます。
また、本投資法人が次世代アセットに投資することにより、スポンサーが注力している、CRE戦略やPPP戦略とのシナジー効果が発揮され、社会的意義のある先進的事業への取組と投資主利益向上の追求が可能になると考えています。
なお、本投資法人は、本投資法人の成長戦略において、スポンサーが取り組んでいる3Kビジネス(高齢者向け事業・観光ビジネス・環境ビジネス)に注目しており、各種の情報交換等を行う体制を構築しています。
a.有料老人ホームへの投資の意義
(ⅰ)我が国の人口と高齢化率、要介護者数の推移
近年、我が国の人口は減少傾向にありますが、高齢者数は、当面、増加する見通しであり、高齢者数の増加に伴い、有料老人ホームの潜在的な利用者である要介護者数も増加することが見込まれます。
(ⅱ)有料老人ホームの事業運営に係るリスク分析と事業デューディリジェンス
有料老人ホームの事業運営は、ホスピタリティサービス(コンシェルジェ、食事、トランスポーテーション、イベント等コミュニティ関連のサービス)からヘルスケアサービス(介護、看護、リハビリテーション、医療連携等のサービス)まで多岐にわたるため、運営の安定性の観点からその内容と経済合理性について十分に検証する必要があります。
また、介護事業者には中小事業者、新規参入事業者が多数存在するため、介護事業者としての事業継続性について検証を行うことも必要です。
本投資法人は、有料老人ホームへの投資に際し、物件のデューディリジェンスに加えて、当該施設のテナントである介護事業者に対し、外部専門家等と協働して介護事業者の事業、財務及び遵法性等に係るデューディリジェンスを実施し、当該介護事業者による長期的に安定した施設運営が可能であると判断できる物件のみに投資します。また、取得後は、当該介護事業者の事業、財務及び遵法性等の状況についてモニタリングを実施することで、運営リスクの管理に努めるものとし、将来において介護事業者の事業継続性に懸念が生じた場合には、運営を引き継ぐ後継テナントの確保等を検討します。
なお、本投資法人が投資する有料老人ホームは、優良立地の一定のスペックを備えた施設であり、必要に応じた後継テナントの確保は相対的に容易であると本投資法人は考えています。
(ⅲ)我が国の社会保障制度の動向による影響度の分析
有料老人ホームの事業性は、高齢化の進展や要介護者の増加といった、景気や不動産市況とは異なった要素による影響を受けるため、高齢化の進展する我が国においては、そのニーズは今後も大きく拡大することが予想されます。一方、有料老人ホームにおいて提供されるサービスのうち介護サービスの事業性は、社会保障制度、特にその中でも介護保険制度の動向の影響を受けることになりますが、介護付有料老人ホームの場合、テナントである介護事業者が介護サービスを自ら提供するため、その介護保険制度の動向は介護事業者の売上水準に影響する可能性があります。
但し、本投資法人の投資対象とする高価格帯の有料老人ホームは、介護報酬の売上高に占める割合が、それ以外の価格帯の有料老人ホームと比べて低いことから、制度変更の影響が相対的に小さいと考えられます。
(ⅳ)有料老人ホームへの投資に係る分析
有料老人ホームは、今後、我が国において更なる高齢化が進展し、要介護者が増加することが見込まれる中で、要介護者にサービスを提供する施設として社会的ニーズが高まると考えられる施設です。
本投資法人は、投資対象を高価格帯の利用権方式の介護付有料老人ホームとし、長期賃貸借契約を締結する介護事業者の事業、財務及び遵法性等に係るデューディリジェンスを外部専門家等と協働で実施した上、優良立地等の一定のスペックを備えた施設に厳選投資します。また、取得後は、当該介護事業者の事業、財務及び遵法性等の状況についてモニタリングを実施することにより、事業運営に係るリスクをコントロールすることで、社会的ニーズの高い施設の供給を通じた社会への貢献と長期的に安定した収益の確保を実現することができると考えています。
b.ネットワークセンターへの投資の意義
(ⅰ)通信事業の動向と通信事業者のネットワーク設備への投資状況
最近の電気通信サービスの動向によれば、固定通信の加入者数は若干減少傾向にあるものの、通信の高度化やコンテンツのリッチ化に伴い、固定通信のトラヒック量は増大しており、今後もさらにトラヒック量が増えると予測されます。移動通信に関しても、スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、モバイルトラヒック量は急激に増大しており、今後も継続的な増加が見込まれることから、トラヒック量増大に耐えうる通信の高速化、ネットワーク強化が急務となっており、通信網を構成するネットワークセンターの重要性もさらに高まるものと期待されます。
(ⅱ)ネットワークセンターの代替性に係る分析
近年の通信技術の動向によれば、通信網を介さず端末同士で通信が可能となるP2P通信技術や、地上の基地局ではなく衛星を介して通信を実現する衛星通信等のように、現在のネットワークセンターを必要とする通信手段に対し、代替的なモデルの出現が考えられます。しかしながら、P2P通信方式には、日本全国で通信を可能とする携帯端末を発信源とする長距離向けの電波が存在しないという技術的な問題があり、衛星通信方式には、通信コストが高額であることに加え、衛星1機当たりの利用回線数に限りがあり、ユーザー数が増加してもユーザー1人当たりの負担が軽減できないことから、実用に耐えられないという問題があります。本投資法人は、これらの通信手段が、現在の通信方法を補完する形で存在することは考えられるものの、主流となる可能性は極めて低く、今後もネットワークセンターを必要とする通信手段が中心になっていくと考えています。
(ⅲ)既存のネットワークセンターの継続使用可能性に係る分析
現存するネットワークセンターが移転・集約(廃止を含みます。)される可能性は否定できません。しかしながら、ネットワークセンターを移転・集約する場合には、技術的な観点から10年程度のスパンでの計画が必要になるものと想定され、また、非常に多くの通信利用者に多大な影響が発生することから、その可能性は相対的に低いものと本投資法人は考えています。
また、現在のテナントである通信事業者が、通信事業から撤退する可能性も否定できません。しかしながら、現在のテナントが通信事業から撤退することになった場合でも、通信サービスの利用者は存在し続け、従前どおりに社会インフラとしての通信サービスは提供される必要があるため、他の通信事業者がサービスを引き継ぐものと考えられます。他の通信事業者がサービスを引き継ぐ場合、自社の設備に移行するよりも、従前のネットワークセンターを利用する方が格段にコストを抑制することができることから、既存のネットワークセンターは、他の通信事業者により継続的に使用される可能性が高いと本投資法人は考えています。
(ⅳ)ネットワークセンターへの投資に係る分析
情報化社会の進展に伴う更なるトラヒック量の増大が予測されるなか、ネットワークセンターを必要とする通信の代替手段が実質的に存在しないことを考慮すると、ネットワークセンターは、各種通信サービスの提供に不可欠な施設として、今後ますます社会的重要性が高まると期待されることから、テナントとの長期的な契約が可能であり、かつ、契約更新可能性の高い投資対象であるため、長期的に安定した収益が期待できる投資対象であると本投資法人は考えています。
なお、本投資法人はネットワークセンターに関して、定期及び不定期のモニタリングを継続するとともに、設備拡張や契約の更新へのニーズを随時把握し、適時に適切な対応を可能とするため、テナントと定期的に協議をすることとします。
c.ホテルへの投資の意義
我が国においては、平成24年3月に、観光立国の実現に関する基本的な計画として新たな「観光立国推進基本計画」が閣議決定され、当該基本計画に従って各種施策が実施されており、訪日外国人旅行者数は、東日本大震災等の影響により621万人まで減少した平成23年以降、一貫して増加しており、平成28年には前年比約22%増の約2,404万人となりました。
明日の日本を支える観光ビジョン構想会議(議長:内閣総理大臣)が平成28年3月に策定した「明日の日本を支える観光ビジョン ―世界が訪れたくなる日本へ―」においては、訪日外国人旅行者数の政府目標は、従来の平成32年2,000万人・平成42年3,000万人から平成32年4,000万人・平成42年6,000万人に引き上げられており、また、平成29年3月には平成29年度からの新たな「観光立国推進基本計画」が閣議決定されるなど、「「観光先進国」の実現に向け、政府一丸、官民を挙げて、常に先手を打って攻めていく」とされています。このように、政府による訪日外国人受入れ環境の整備も進んでおり、ホテルを取り巻くマクロ環境は堅調に推移しているものと本投資法人は考えています。
「ホテル」という資産区分への投資拡大につきましては、平成32年の東京オリンピック招致成功のほか、政府による我が国観光立国化への各種の施策等を背景として、(i)観光やビジネス等の安定的な利用に加え、インバウンドによる訪日外国人の増加等により、「ホテル」は更なる需要の拡大が見込まれる投資対象であること、(ii)スポンサーであるヒューリックは、3K(高齢者・観光・環境)ビジネスのうち、観光の一環としての「ホテル」にも注力し、テナント管理・運営等のノウハウや経験を培っており、これらを活用することで適切なリスク管理等が可能であること、(iii)ヒューリックが今後開発し、又は保有する物件について、一定のパイプライン(取得機会)が見込まれること、等の理由により、本投資法人は、原則として長期賃貸借契約を前提とする次世代アセットとして「ホテル」をその投資対象としています。
④ 成長戦略
本投資法人は、中長期的に投資主価値を最大化していくために、外部成長及び内部成長の両面においてヒューリックグループによるサポートを活用し、さらにヒューリックとの間の「資産循環モデル」(注)も活用しつつ、本資産運用会社独自の取組も組み合わせることにより、中長期的な収益の維持・向上及び運用資産の規模と価値の成長を目指します。
(注)本投資法人における「資産循環モデル」とは、一定以上の築年数が経過した本投資法人保有物件をヒューリックが建替え、本投資法人は、ヒューリックとの優先交渉権に基づいてその建替物件を含むヒューリック保有物件を取得するという、本投資法人とヒューリックの間の長期にわたる保有物件の循環を実現する事業モデルをいいます。
(ア)ヒューリックグループとのコラボレーション
本投資法人のスポンサーであるヒューリックは、昭和32年3月、株式会社富士銀行(現:株式会社みずほ銀行)の所有不動産に関する当時の銀行法(昭和2年法律第21号)等の各種規制に対応するため、日本橋興業株式会社として設立されました。設立当初は、同銀行の銀行店舗・センター・企業寮の所有及び管理受託を主要な事業としていましたが、その後、「都心の駅近のオフィス」等を外部から取得することで、不動産賃貸業務を拡大する一方で、築年数の経過した保有不動産について立地の特性に適した建替えを進める建替事業への進出のほか、銀行店舗や企業寮の建替事業で培ったノウハウを活用した開発事業、CRE事業及びPPP事業を展開するなど事業領域の拡大と強化を進めています。
(イ)外部成長戦略
a.ヒューリックとのサポート契約に基づく外部成長戦略
本投資法人及び本資産運用会社は、以下の内容のスポンサーサポート契約をヒューリックとの間で締結しています(注)。これにより、外部成長に関連するヒューリックグループからの様々なサポートを活用することが可能となり、今後の外部成長に寄与するものと本投資法人は考えています。
(注)スポンサーサポート契約の有効期間は、平成26年1月6日(本投資法人が新規上場を公表した日)から3年間ですが、有効期間満了日の3ヶ月前までに、各当事者が他の当事者に対して当該契約を更新しない旨を書面により通知しない限り、さらに3年間、同一の条件にて自動更新されるものとしており(以降も同様)、本書提出日現在においても本契約は有効となっています。
<スポンサーサポート契約の内容(外部成長戦略)>(ⅰ)優先交渉権の付与
スポンサーは、ヒューリックグループが対象不動産(注)の売却を計画する場合には、原則として、本資産運用会社に当該対象不動産に関する合理的に提供可能な情報を提供し、第三者に優先して交渉する権利を付与しています。なお、優先交渉権の有効期間については、売却希望会社と本資産運用会社が別途合意する期間(1ヶ月を経過しない期間)とします。
(注)「対象不動産」とは、本資産運用会社がその社内規程として定める運用ガイドラインに規定する本投資法人の投資基準に適合すると合理的に想定される不動産等(東京コマーシャル・プロパティ及び次世代アセットを中心とする不動産等)をいい、開発中の不動産等及び不動産等を裏付とする信託受益権、匿名組合出資等の本投資法人が取得可能な資産を含むものをいいます。
(ⅱ)第三者保有物件の売却情報提供
スポンサーは、第三者から対象不動産の売却に関する情報が提供された場合、所有者その他関係当事者の事前承諾を得られることを条件に、本投資法人及び本資産運用会社に対し、当該対象不動産に関する合理的に提供可能な情報を速やかに提供します。
また、スポンサーは、ヒューリックグループが出資している特別目的会社、又は、ヒューリックグループの意向を受けて不動産等のアセットマネジメント業務を受託しているアセットマネジメント会社が管理する特別目的会社が対象不動産の売却を予定する場合には、関係当事者の事前承諾を得られることを条件に、原則として、遅くとも第三者と同時に、本資産運用会社に対し、当該対象不動産に関する合理的に提供可能な情報を提供します。
(ⅲ)ウェアハウジング機能の提供
本資産運用会社は、本投資法人による不動産等の機動的な取得を目的として、スポンサーに対し、当該不動産等の本投資法人への譲渡を前提とした一時的な保有(ウェアハウジング)を依頼することができ、スポンサーは、当該依頼について真摯に検討します。
(ⅳ)物件共有への協力
本資産運用会社は、スポンサーに対して本投資法人との物件の共有(準共有を含みます。)を依頼することができ、スポンサーは、当該依頼について真摯に検討するものとします。
(ⅴ)物件取得及び運用業務の補助サービス
スポンサーは、本資産運用会社から要請された場合には、原則として、物件取得及び運用に関する助言・補助を行うものとします。
b.資産運用会社独自の情報収集に基づく外部成長戦略
本資産運用会社は、投資及び運用に関する知識と経験の豊富な役職員を投資・運用部に配置し、本投資法人の資産の着実な成長と安定した収益の確保ができる体制を整えています。本投資法人は、ヒューリックグループからの物件情報に加え、本資産運用会社独自のネットワークを活用し、積極的に情報収集を行い、優良資産の取得に努めることにより、本投資法人の外部成長を目指します。
(ウ)内部成長戦略
a.利用者の快適さと環境への配慮を両立する設備の提供と運営
本投資法人は、保有物件における設備の提供及び運営に際して、利用者の快適さと環境への配慮の両立を実現し、利用者の満足度の向上を図ることにより、本投資法人の内部成長を目指します。
b.ヒューリックとのサポート契約に基づく内部成長戦略
本投資法人及び本資産運用会社は、以下の内容のスポンサーサポート契約をヒューリックとの間で締結しています。また、本投資法人は、以下の内容の商標使用許諾契約をヒューリックとの間で締結しています。これにより、内部成長に関連するヒューリックグループからの様々なサポート及びスポンサーのブランド力を活用することが可能となり、今後の内部成長に寄与するものと本投資法人は考えています。
<スポンサーサポート契約の内容(内部成長戦略)>(ⅰ)リーシングサポート
スポンサーは最新の賃貸需要動向に関する情報を本資産運用会社に提供するものとします。
また、スポンサーは、本投資法人が保有又は取得を検討する物件に関して本投資法人が依頼した場合には、ヒューリックグループによるリーシングサポートの提供につき真摯に検討するものとします。
(ⅱ)プロパティ・マネジメント業務の受託
スポンサーは、本資産運用会社から要請された場合には、原則として、プロパティ・マネジメント業務を受託します。
(ⅲ)環境配慮技術・ノウハウの提供
スポンサーは、本資産運用会社が依頼する場合には、リニューアル工事や物件運営において、テナント満足度の向上、水道光熱費の節約等に資する環境配慮技術・ノウハウを提供するよう可能な範囲で努力するものとします。
(ⅳ)マーケット情報の提供
スポンサーは、不動産の売買、開発に関するマーケット情報を提供するとともに、不動産の賃貸マーケットに関する情報を提供するものとします。
(ⅴ)人的サポート・ノウハウの提供
スポンサーは、本資産運用会社から要請された場合には、人材の確保(本資産運用会社による本投資法人の運営に必要な物件取得・物件管理・財務・IR等のノウハウを有する人材の派遣(出向・転籍)を含みます。)に合理的な範囲で協力するものとします。
また、スポンサーは、本資産運用会社の役職員に対する研修の提供その他の必要な支援を行うものとします。
(ⅵ)保有資産の再開発サポート
本投資法人の保有資産について、一定以上の築年数が経過し、本資産運用会社が再開発の必要を認めた場合には、本資産運用会社は第三者に先立ち、スポンサーに対して再開発計画の検討・提案を要請します。なお、本資産運用会社は、再開発された物件について優先交渉権を付与されます。
(ⅶ)固定賃料のマスターリース
スポンサーは、本投資法人が保有し又は取得を検討する物件につき、本投資法人の運用資産の安定収益確保を目的として、本資産運用会社から要請がなされた場合には、ヒューリックグループによる、固定賃料のマスターリース契約の締結及び諸条件につき真摯に検討するものとします。
<商標使用許諾契約の内容>(ⅰ)商標(ヒューリックブランド)の使用
本投資法人は、ヒューリックとの間で、商標使用許諾契約を締結し、本投資法人が事業を推進するに当たり、本投資法人が保有する物件が「ヒューリック」及び「HULIC」の名称並びにそのロゴマークについてスポンサーが保有する商標を原則として無償で使用することの許諾を受けています。
(ⅱ)有効期間
商標使用許諾契約の有効期間は、当初平成25年11月7日から平成26年11月6日までの1年間ですが、当該期間満了日の1ヶ月前までに、各当事者が他の当事者に対して当該契約を更新しない旨を書面により通知しない限り、さらに1年間、同一の条件にて自動更新されるものとしており(以降も同様)、本書提出日現在においても、商標使用許諾契約は有効となっています。
⑤ 投資主利益に配慮した運営体制の確保
本投資法人は、その資産運用に際し、投資主の利益とヒューリックグループの利益の一体化を図るとともに、利益相反対策と第三者性を確保した運営体制を採用することとし、この2つを中心的な枠組とした上で、中立的かつ透明性の高いガバナンス(企業統治)体制の整備・充実を図る方針です。
(ア)投資主の利益とヒューリックグループの利益の一体化
本投資法人は、投資主の利益とヒューリックの利益とを一致させ、本投資法人とヒューリックが協働して事業を行う体制を築き、本投資法人及びヒューリックの相互の利益向上を図るため、ヒューリックとの間で、同社が本資産運用会社の親会社である限り、ヒューリックが本投資法人への出資を一定期間維持し、将来の投資口の追加発行の際は一部取得を真摯に検討すること、及び本投資法人の取得する物件の一部について共有することを真摯に検討することについて合意しています。
a.セイムボート出資
本投資法人は新規上場時の公募増資において、国内一般募集における本投資口のうち、ヒューリックに対して79,500口の本投資口を割り当てており、その後の国内一般募集における割り当てにより、ヒューリックは、本書提出日現在において126,620口(発行済投資口の総口数の11.40%、小数第3位以下を切り捨てて表示)を保有しています。
ヒューリックは、スポンサーサポート契約において、本投資法人が発行する投資口に関して、①本投資法人がその投資口を新たに発行する場合には、当該新投資口の一部を取得することについて真摯に検討を行うこと、及び②本投資法人の投資口を保有する場合には、保有した投資口について、特段の事情がない限り、継続して保有するように努めることを、本資産運用会社に対して表明しています。
b.スポンサーとの一部物件の共有
本投資法人の保有資産である「ヒューリック神谷町ビル」、「HULIC &New SHIBUYA」及び「相鉄フレッサイン東京六本木」については、本書提出日現在、本投資法人は当該物件を信託財産とする信託受益権の準共有持分の一部を保有しており、残りはスポンサーが保有しています。また、同じく本投資法人の保有資産である「御茶ノ水ソラシティ」については、本書提出日現在、本投資法人は当該物件を信託財産とする信託受益権の準共有持分の一部を保有しており、残りはスポンサー他1社が保有しています(これらの保有資産の詳細については、後記「5 運用状況/(2)投資資産/③ その他投資資産の主要なもの/I.不動産等の概要」をご参照ください。)。
今後も、本投資法人が物件を取得する際には、規模や個別特性を勘案し、REIT単独による取得が困難な大規模物件などについては必要に応じてヒューリックとの共有も含めて検討を行う方針です。物件を共有することによって、個別物件におけるヒューリックとの利害関係を一致させた運営が可能となると考えています。
c.資産運用会社の運用報酬体系
本資産運用会社は、運用総資産額に連動する運用報酬のほかに、1口当たり分配金に連動する運用報酬を導入しています。詳細については後記「4 手数料等及び税金/(3)管理報酬等」をご参照ください。
d.資産運用会社の役職員の報酬体系
本資産運用会社は、役職員の報酬体系に、1口当たり分配金に一部連動させるインセンティブ賞与を導入しています。
(イ)利益相反対策と第三者性を確保した運営体制の採用
資産の取得等に際し、利害関係者取引の場合やコンプライアンス・オフィサーが必要と判断した場合には、コンプライアンス委員会における承認が必要とされます。その上で、コンプライアンス・オフィサー(但し、コンプライアンス委員会を招集した場合はコンプライアンス委員会)の承認を受けた後、本資産運用会社の投資委員会における決議が必要とされます。また、投信法に定義される利害関係人等との間で、不動産又は有価証券の取得若しくは譲渡若しくは貸借(利害関係者取引に該当するものを含みます。以下「投信法上の利害関係人等取引」といいます。)を行おうとするときは、本投資法人役員会の承認に基づく本投資法人の同意が必要とされます。但し、当該取引が投信法第201条の2第1項により投資法人の資産に及ぼす影響が軽微なものとされる取引に該当する場合は、この限りではありません。
本資産運用会社は、投資委員会とコンプライアンス委員会の双方に外部専門家を委員として選任し、資産の取得等に係るコンプライアンス委員会の決議は、対象となる議案について議決権を有する過半数の委員が出席し(但し、コンプライアンス・オフィサー及び外部委員の出席は必須とします。)、対象となる議案について議決権を有する出席委員のうち、コンプライアンス・オフィサー及び外部委員を含む過半数の委員の賛成により決定されます。また、投資委員会の決議は、コンプライアンス・オフィサー及び対象となる議案について議決権を有する委員のうち過半数の委員が出席し(但し、外部委員の出席は必須とします。)、対象となる議案について議決権を有する出席委員(なお、コンプライアンス・オフィサーは議決権を有しない委員であるため除かれています。)のうち、外部委員を含む過半数の委員の賛成により決定されます。
また、運用資産の売却その他の処分に関する事項は、運用資産の取得の場合と同様の運営体制(但し、物件デューディリジェンスの作業を除きます。)にて実行されます。
さらに、年度運用管理計画に規定されていない運用資産の賃貸及び管理についての決定及び変更(但し、本投資法人(本投資法人が不動産を保有する場合)又は本投資法人の保有する信託受益権に係る受託者が新たなプロパティ・マネジメント契約、マスターリース契約又は大規模修繕(費用が1億円以上のものをいいます。)に係る請負契約を締結する場合及び利害関係者との取引に該当する場合に限ります。)に関する事項についても、運用資産の取得の場合と同様の運営体制(但し、物件デューディリジェンスの作業を除きます。)にて実行されます。
本資産運用会社は、かかる運営体制を採用することにより、投資判断等につき、第三者性を確保するように致します。
本投資法人は、利害関係者取引における利益相反対策を含め、投資主の利益保護の観点から適切な価格・条件での資産取得を行えるよう体制を構築しています。利害関係人等との取引制限については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限」をご参照ください。
⑥ 投資基準
本投資法人は、個別の不動産等を取得するに際し、我が国における不動産の売買・賃貸マーケット環境を分析し、ポートフォリオ全体の成長性と収益性及びリスク要因等と併せ、以下に列挙する各事項を勘案し、総合的な判断の下で取得決定を行うこととしています。
なお、本投資法人は、以下の各事項に加え、本投資法人が主たる投資対象とするオフィスビルへの投資判断に際しては、オフィス集積状況や駅からのアクセス性等を分析のうえ、建物規模やフロア規模・形状、設備仕様等に基づく地域内での競争力の分析を行います。また、商業施設への投資判断に際しては、商圏人口・人口動態等を基に地域の将来性を含めた商圏分析を行った上で、テナント業態・賃貸借契約の内容と商圏特性との適合性や新規競合店の出店可能性等の分析を行います。
また、本投資法人は、建物と一体としてその敷地を取得するほか、その利用に供される土地の所有権その他の権利(いわゆる底地)のみを取得することがあります。また、本投資法人は、社会経済的な利用形態において一体的に利用される一又は複数の不動産から構成される施設又はこれを裏付けとする不動産関連資産(以下「複合資産」といいます。)について、当該複合資産の利用目的又は実際の利用形態が主として東京コマーシャル・プロパティ及び次世代アセット(又はそのいずれか)であるときは、当該複合資産の全部又は一部を取得することができるとされています。
(ア)耐震性能
新耐震基準(昭和56年改正の建築基準法に基づく耐震基準)に基づく施工又は補強工事等により新耐震基準と同等以上の耐震性能を有すると判断される物件を原則取得します。なお、現況で基準を満たしていない場合でも、取得後速やかに補強工事等により新耐震基準と同等以上の耐震性能を有することが見込まれる場合は、例外的に取得を決定することがあります。
(イ)地震PML値(注)
ポートフォリオPML値が15%を超える場合、個別PML値が15%を超える物件について火災保険及び利益保険の特約として地震保険の付保を検討します。
(注)地震PML(Probable Maximum Loss:予想最大損失率)値とは、想定した予定使用期間中(50年=一般的建物の耐用年数)での超過確率10%の損失を生じる地震によりどの程度の被害を受けるかを、90%非超過確率に相当する予想損失額の再調達価格に対する割合(%)で示したものを意味します。但し、予想損失額は、地震動による建物(構造体、仕上げ、建築設備)のみの直接損失に関するものだけであり、機器、家具、什器等の被害や地震後の水又は火災による損失、被災者に対する補償、営業中断による営業損失等の二次的被害は含まれていません。
(ウ)環境・地質
建物内におけるアスベスト等の有害物質の使用状況及び敷地内の土壌の状況が大気汚染防止法(昭和43年法律第97号、その後の改正を含みます。)や土壌汚染対策法(平成14年法律第53号、その後の改正を含みます。以下「土壌汚染対策法」といいます。)等関連法令に適合している若しくはこれらへの対応策が講じられていることを原則とします。但し、現況で基準を満たしていない場合でも、取得後速やかに是正可能な場合は、例外的に取得を決定することがあります。
(エ)テナント
社会的信用力等を確認した上で、賃料水準、賃貸借契約期間、業種、競争力等についても評価・分析し、経済的信用力を有するテナントであることを原則とします。
また、次世代アセットのテナントについては、事業及び財務に係るデューディリジェンスを実施し、当該テナントによる長期的に安定した施設運営が可能であると判断できることを原則とします。
(オ)権利関係
所有権、賃借権、地上権等権利の態様を確認し、特に、共有、区分所有、借地の場合は物件の特性を総合的に勘案した上で、権利関係者の信用力・属性等に特段問題が無く、運営・管理や持分処分における制約事項が少ない場合に、投資を行うことを原則とします。
(カ)開発不動産等
本投資法人は、原則として、未稼働の不動産等は投資対象としません。但し、未稼働不動産等又は建設予定若しくは建設中の不動産等であっても、稼働又は竣工後のテナントの確保が十分に見込まれ、取得後の収益の安定性が見込める場合には、建物の完工・引渡し等のリスクを軽減させるための措置を施した上で、投資を行うことができるものとします。
⑦ デューディリジェンス基準
不動産関連資産への投資にあたっては、本資産運用会社は下記経済的調査、物理的調査及び法的調査を十分に実施し、運用不動産の物件特性(立地の優位性、建物の性能及び規模、賃料水準、競合物件の有無をはじめとする資産価値の維持・向上を阻害する要因等の有無等)の把握及びそれらの評価を中心とした、当該運用資産の投資対象としての妥当性について検討を行います。
かかる検討・評価を目的として、調査能力及び経験を有する第三者が作成するエンジニアリングレポート、マーケットレポート、地震リスク調査報告書を参考とし、現地調査、譲渡予定者等へのヒアリング等による物件調査を行います。
また、東京コマーシャル・プロパティの場合に比して、次世代アセットにおいては、成長性が見込まれると同時に、その収益性と資産価値は、テナントの事業運営力及び財務内容に大きく依拠しており、その見地において、対象資産及びテナントについて、それらテナント等の協力の得られる範囲において、様々な見地での調査や検証等のデューディリジェンスを行うことを原則とします。
なお、次世代アセットである有料老人ホームの取得に際し、介護事業者の遵法性等のデューディリジェンスを行うことについては、前記「③ 本投資法人が投資対象とする「東京コマーシャル・プロパティ」と「次世代アセット」/(イ)「次世代アセット」への投資の意義/a.有料老人ホームへの投資の意義/(ⅱ)有料老人ホームの事業運営に係るリスク分析と事業デューディリジェンス」をご参照ください。
(ア)調査(デューディリジェンス)の実施
調査項目内容
経済的調査テナント調査・テナントの信用状況(業種、業容、業歴、決算内容、財務状況等)
・テナントの賃料支払状況、テナントと現所有者との紛争の有無及び可能性等
・テナントの賃借目的、契約形態、契約内容及びその継承の有無
・過去の稼働率、賃料推移
・各建物における各既存テナントの占有割合、分布割合
マーケット調査・商圏の状況(商圏人口、世帯数及び商業指標等)
・周辺の市場賃料、稼働率の調査
・周辺の競合物件の状況
・周辺の開発計画の動向
・テナントの需要動向
・テナント誘致の可能性
・物件の処分(売却)の可能性
収益性調査・賃貸借契約形態と賃料の安定性
・現行賃料と市場賃料の乖離状況と将来見通し
・テナント異動の可能性と代替テナント確保の容易性
・テナント入退居見込、賃料減額の見込等の有無
・プロパティ・マネジメント会社(以下「PM会社」といいます。)/マスターリース会社による中長期的なリーシング方針
・公租公課の変動可能性(軽減措置期間の終了、再開発進行等による評価額の上昇等)
・プロパティ・マネジメント業務委託契約の形態と管理水準、報酬の適正性
・建物管理業務委託契約の形態と管理体制、管理水準、報酬の適正性
・水道光熱費等の水準とテナントからの戻入状況
・修繕履歴と修繕計画、現行の劣化状況を踏まえた予想修繕費、設備等の更新費等の負担及びその妥当性
・修繕積立の状況と積立金額の妥当性(区分所有等)
・次世代アセットにつき、施設損益、賃料カバレッジ、それらの安定性、賃料負担能力等(テナント協力の得られる範囲内)

調査項目内容
物理的調査立地調査・街路の状況、主要幹線道路へのアクセス状況
・鉄道等の公共交通機関の利便性
・周辺の土地利用状況、水害及び火災等の災害履歴
・周辺の利便施設、官公諸施設等の配置及び近接性
・地域の知名度及び評判、規模等の状況
・商圏の安定性及びその成長性、競合の状況、周辺での開発状況、転用の可能性(商業施設の場合)
建物調査・意匠、主要構造、築年数、設計者・確認検査機関・施工業者等
・内外装の部材の状況
・賃貸可能面積、天井高、空調方式、床荷重、セキュリティ設備、電気容量、照明照度、区画割対応、防災設備、給排水設備、昇降機設備、駐車場その他共用設備の状況
・設計図書、建築確認通知書、検査済証等の書類調査
・外構、屋上、外装、設備等についての現地調査
・エンジニアリングレポートにおける長期修繕計画の検証
・建築基準法(昭和25年法律第201号、その後の改正を含みます。以下「建築基準法」といいます。)・都市計画法(昭和43年法律第100号、その後の改正を含みます。以下「都市計画法」といいます。)等関連法令の遵守状況等
・耐震性能(新耐震基準又は同等の耐震性能を有しているか)
・地震PML値(予想最大損失率)の検証
・管理委託契約の内容(形態、仕様水準等)及び建物管理状況の良否、建物管理会社等へのヒアリング
・管理細則等の有無及びその内容、管理会社の質と信用力
環境調査・アスベスト・PCB等の有害物質の使用履歴、使用状況及び保管状況
・地質状況、土地利用履歴、土壌汚染状況等

調査項目内容
法的調査権利関係・土地及び建物について、その権利関係(完全所有権、地上権、借地権、共有、分有、区分所有、区分所有の共有等)の把握と権利関係に付随する各種契約等の内容の検討
・隣接地権者等との紛争の有無
・信託契約の内容
法令上の制限・遵法性、既存不適格の有無
・建築関連法規、条例、協定等による建築制限、用途制限、使用制限等の有無
契約関係・賃貸借契約、転貸借契約、使用契約等の調査
・テナントとの紛争の有無
境界調査・境界確定の状況、越境物の有無とその状況
・実測面積の確定状況
・境界紛争の有無

(イ)専門性、客観性及び透明性の確保
デューディリジェンスにおける調査項目のうち、以下の項目については、専門性、客観性及び透明性の確保の観点から、第三者である外部の専門家に調査を委託します。
・鑑定評価(価格調査)
・建物調査
・地震PML調査
・環境調査
・テナントの事業及び財務(注)
(注)次世代アセットのうち、本資産運用会社が必要と認める場合に調査を委託します。但し、ヘルスケア施設を取得する際には、必ず、ヘルスケア施設の事業特性を十分に理解している外部専門家を選任し、当該外部専門家から取引の対象となるヘルスケア施設や対象となるヘルスケア施設のオペレーター等について助言を受けることとしています。
⑧ フォワード・コミットメントに関する方針
フォワード・コミットメント(先日付での売買契約であって、契約締結日から1ヶ月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているもの及びその他これに類する契約をいいます。)を行う場合には、以下の点に留意します。
・契約不履行に関する解約違約金に関して、当該違約金の水準が、ポートフォリオ全体の収支及び配当水準等に与える影響(東京証券取引所の定める上場廃止要件を含みます。)
・売買契約締結から物件引渡しまでの期間、当該期間中における金融環境及び不動産市場等の変動リスク可能性、決済資金の調達方法等
⑨ ポートフォリオ運営・管理方針
(ア)年度運用管理計画の策定及び管理
本投資法人は、中長期にわたる安定した収益の確保と資産価値の維持・向上及びテナント満足度を高めることを目指し、以下の方法に基づき、賃貸収入や稼働率の維持・向上、適切な管理・修繕の実施、管理コストの適正化・効率化に努めます。
本資産運用会社は、その社内規程である運用ガイドラインに基づき、本投資法人の運用資産の運用に係る年度運用管理計画を策定し、年度運用管理計画に沿った運営・管理を行います。なお、年度運用管理計画の策定にあたっては、原則としてPM会社の協力により運用資産毎の詳細を検討します。
年度運用管理計画は、原則として本投資法人の決算期毎に見直し、必要に応じて変更します。また、それ以外の場合でも必要に応じて、その都度変更することとしています。
(イ)リーシング方針
マーケット動向を調査・把握し、個別物件における適正な賃貸条件等の検討を行うとともに、PM会社を最大限活用し、優良テナントの選定に努めます。
テナントとの賃貸借契約に際しては、本資産運用会社がその社内規定に従い信用度及び反社会的勢力との関係をチェックし、賃料水準、賃貸借契約形態、期間及び再契約の可能性等を総合的に判断するものとします。
(ウ)PM会社の選定・モニタリング
PM会社の選定に当たっては、不動産運営・管理の経験や能力、対象となる運用資産における実績、運用計画に沿った業務遂行の実現性、コスト水準、運用の継続性等を総合的に勘案し、本投資法人の総合的な収益向上に寄与する会社を選定します。
なお、上記業務委託に当たり、「利害関係者取引規程」及び「外部委託・評価基準」に基づき、業務水準や報酬額等についての評価を定期的に行い、適正な業務遂行及び報酬レベルが維持できない場合は、契約の解除を行うこと又は契約の更新を行わないことを検討します。
(エ)次世代アセットのテナントのデューディリジェンス・モニタリング
次世代アセットに関しては、取得時においてテナントの事業及び財務に係るデューディリジェンスを実施し、取得後においては、テナントの事業及び財務の状況について定期及び不定期のモニタリングを実施します。
(オ)修繕計画・資本的支出に関する方針
中長期的な運用資産の収益の維持及び向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性、テナントニーズ等を考慮した個別物件毎の修繕計画をPM会社と協議のうえ策定し、必要な修繕・資本的支出を行うものとします。
修繕及び設備投資は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費も勘案して判断するものとします。但し、テナントの満足度向上に向けた政策上の観点から必要なものについては早期に実施するものとします。
(カ)付保方針
火災・事故等に起因する建物への損害や、第三者からの損害賠償請求等のリスクに対処するため、必要な火災保険及び損害賠償保険等を運用資産に付保します。
また、地震保険の付保については、地震の発生時に予想されるポートフォリオ全体に対する影響及び保険の実効性を考慮し、ポートフォリオPML値が15%超の場合は、個別物件の地震PML値が15%超の物件について、火災保険及び利益保険の特約として地震保険を付保することを検討します。
⑩ 売却方針
本投資法人は、中長期にわたって運用資産を保有し、収益の維持・向上を図ることを基本方針としているため、原則として運用資産を短期間で売却することは企図しないものとします。但し、不動産マーケットの状況及びその分析等を勘案して最適なポートフォリオを維持するために必要であると判断する場合には、保有資産の売却を検討することがあります。
売却に際しては、不動産鑑定評価等の第三者意見を参考としつつ、主に以下の観点から判断します。
・不動産マーケットの見通し
・当該運用資産の周辺の開発予測
・当該運用資産の収益見通し
・当該運用不動産の劣化又は陳腐化への対応状況
・テナントの属性及び契約内容
・ポートフォリオ構成
⑪ 財務方針
本投資法人は、中長期的な収益の維持・向上及び運用資産の規模と価値の成長を実現することを目的として、安定的かつ健全な財務運営を構築することを基本方針とします。
(ア)エクイティ・ファイナンス
資産の取得、工事代金の支払、敷金・保証金の返済、本投資法人の運営に係る費用の支払又は債務の返済等を目的として、新投資口の発行を行うことができます。新投資口の発行は、運用資産の規模と価値の成長を目的として、既存投資主の権利の希薄化及びそれに伴う投資口の取引価格の低下等に配慮しつつ、新たに取得する不動産関連資産の取得時期及びスポンサーのウェアハウジング機能の活用可能性、LTV、有利子負債の返済時期及び返済までの残存期間並びに経済市況等を総合的に勘案して決定します。
(イ)デット・ファイナンス
運用資産の着実な成長並びに効率的な運用及び運用の安定性に資するため、資産の取得、修繕費若しくは分配金の支払、本投資法人の運営に要する資金、若しくは債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び投資法人債(短期投資法人債を含みます。以下本⑪において同じです。)の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として、資金を借入れ(コール市場を通じる場合を含みます。)又は投資法人債を発行することができます。但し、短期投資法人債の発行により調達した資金の使途又は目的については、法令に定める範囲に限るものとします。なお、資金を借り入れる場合は、金融商品取引法(昭和23年法律第25号、その後の改正を含みます。以下「金融商品取引法」といいます。)に規定する適格機関投資家(但し、租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)からの借入れに限るものとします。
資金の借入れ及び投資法人債の発行に際しては、資金調達の機動性と財務の安定性のバランスに配慮した資金調達を行います。具体的には長期比率、固定比率、返済期限の分散、調達方法(借入金・投資法人債)、コミットメントラインの設定等を検討します。
借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ2兆円とし、かつ、その合計額が2兆円を超えないものとします。
原則として無担保無保証での資金調達を行うものの、資金の借入れ及び投資法人債の発行において、運用資産を担保として提供することができます。
本投資法人は、メガバンクを中心とする複数の金融機関との間で強固かつ安定的な取引関係を築きます。さらに、借入金の長期固定化とマチュリティ分散(返済期限の分散化)を図り、安定的かつ健全な運営を行います。
(ウ)LTV
LTVの水準は、資金余力の確保に留意しつつ、原則として60%を上限とします。但し、新規投資や資産評価の変動等により、一時的に60%を超えることがあります。
当面はポートフォリオ規模等を考慮して40%から45%程度の水準で保守的に運営し、中長期的には40%から50%の水準で運営することを目指します。
(エ)キャッシュ・マネジメント
本投資法人は、保有するポートフォリオにおける資金ニーズを常にモニタリングし、的確に把握して、効率的かつ適切なキャッシュ・マネジメントを行うものとします。
なお、本投資法人は、テナントから預託された敷金・保証金の一部についても、必要に応じ、運用資金の一部に活用することがあります。また、諸々の資金ニーズ(修繕及び資本的支出、分配金の支払、小口債務の返済、本投資法人の運営に関わる運転資金、敷金等の返還、又は不動産関連資産の新規購入等)に対し、機動的に対応するため、融資枠等の設定状況も勘案した上で、適切と考えられる金額を現預金として保有するものとします。
⑫ 情報開示方針
(ア)本投資法人は、投資主に対し透明性を確保し、投資主の投資判断に必要な情報を適時かつ適切に開示するものとします。また、情報の透明性及び解りやすさに配慮し、法定開示以外の情報開示についても、投資主のニーズに応えるべく自ら内容を検討し、適時かつ適切な情報の開示に努める方針とします。
(イ)投資主に公平な情報取得機会を提供できるよう、正確かつ有用な情報を集約できる体制を構築し、速やかに開示できるように努めます。
(ウ)専門的な見解を積極的に取り入れ、より一層、開示情報の正確さを追求します。
(エ)投信法、金融商品取引法、東京証券取引所、一般社団法人投資信託協会等にて定められている開示情報は、各々の所定様式に基づき適切に開示を行うものとします。

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