臨時報告書(内国特定有価証券)
- 【提出】
- 2018/03/28 15:45
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提出理由
積水ハウス・リート投資法人(以下「本投資法人」といいます。)の運用に関する基本方針及び運用体制が以下のとおり変更されますので、金融商品取引法第24条の5第4項並びに特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令第29条第1項及び同条第2項第3号の規定に基づき本臨時報告書を提出するものであります。
ファンドの運用に関する基本方針又は運用体制等の重要な変更
(1)変更の理由
2018年5月1日を効力発生日とする、本投資法人を吸収合併存続法人、積水ハウス・レジデンシャル投資法人(以下「SHI」といいます。)を吸収合併消滅法人とする吸収合併(以下「本投資法人合併」といいます。)により、本投資法人が、SHIの保有する居住用不動産を受け入れるとともに、本投資法人合併後においては居住用不動産を主な投資対象に追加し、質の高い「住居・オフィスビル」を中核資産とする安定性の高い総合型REITへの転換を図ることを予定していることから、本投資法人が資産の運用を委託する積水ハウス投資顧問株式会社(以下「本資産運用会社」といいます。)は、運用資産及び投資対象の拡大に対応し、内部統制を強化すべく、本投資法人合併の効力発生を条件として、組織体制につき所要の変更を行います。
また、本資産運用会社は、本投資法人合併に伴い、本投資法人の運用資産及び投資対象の拡大に対応すべく、本投資法人合併の効力発生を条件として、運用ガイドラインにつき所要の変更を行います。
これに伴い、本投資法人の運用に関する基本方針及び運用体制が変更されることとなりました。
(2)変更の内容についての概要
2018年1月24日付で提出された有価証券報告書(以下「2018年1月24日付有価証券報告書」といいます。)の「第一部 ファンド情報 第1 ファンドの状況 1 投資法人の概況 (4)投資法人の機構」の一部及び「第一部 ファンド情報 第1 ファンドの状況 2 投資方針 (1)投資方針」の一部が本投資法人合併の効力発生日付で以下のとおり変更されます。
なお、特に断らない限り、2018年1月24日付有価証券報告書で定義された用語は、本書においても同一の意味を有するものとします。
の部分は変更箇所を示します。
第一部 ファンド情報
第1 ファンドの状況
1 投資法人の概況
(4) 投資法人の機構
(中略)
② 投資法人の運用体制
前記のとおり、本投資法人は資産の運用を本資産運用会社に委託して行います。
(イ)業務運営の組織体制
本資産運用会社の業務運営の組織体制は、以下のとおりです。
本資産運用会社は、上記組織の下、本投資法人より委託を受けた資産の運用に係る業務を行います。各種業務は、不動産投資一部、不動産投資二部(以下、総称して「不動産投資各部」といいます。)、不動産運用一部、不動産運用二部、不動産運用三部(以下、総称して「不動産運用各部」といいます。)、アカウンティング部、技術管理部及びこれらを統括する不動産統括部並びに財務部、IR部、経理部及び総務部、並びに経営戦略室及び内部統制推進室の各部署に分掌されます。なお、各業務担当取締役は、それぞれ関連する業務を所管します。
また、コンプライアンスに関する審議を行う機関としてコンプライアンス委員会を、投資判断に関する審議を行う機関として投資委員会を設置しています。
(ロ)本資産運用会社の各組織の業務分掌体制
各組織の業務分掌体制は、以下のとおりです。
(ハ)委員会の概要
各委員会の概要は、以下のとおりです。
a. 投資委員会
(中略)
b. コンプライアンス委員会
(中略)
③ 投資運用の意思決定機構
(中略)
(イ)本投資法人の資産の運用に係る投資方針に関する意思決定
投資方針の策定及び変更については、起案部署である不動産統括部が起案し、コンプライアンス・オフィサーの事前審査、投資委員会の審議及び決議並びにコンプライアンス委員会の審議及び決議を経て、取締役会に上程され、取締役会において審議及び決議されることにより、策定又は変更されます。ただし、当該投資方針の策定又は変更が、利害関係者との取引制限に関する事項の策定又は変更である場合には、取締役会の決議後、更に本投資法人の役員会に上程され、本投資法人の役員会において審議及び承認されることにより、策定又は変更されます。なお、かかる意思決定手続の過程において否決された議案は、起案部署に差し戻されるものとされています。
資産管理計画書の策定及び変更については、起案部署が、資産管理計画書の策定の場合には総務部になり、改正の場合には、改正の内容に対応した所管部署になる他は、投資方針の策定及び変更と同様の手続で決定されます。
(ロ)資産の取得及び売却に関する意思決定
資産の取得及び売却については、起案部署である不動産投資各部が起案し、不動産統括部長の承認、コンプライアンス・オフィサーの事前審査、投資委員会の審議及び決議並びにコンプライアンス委員会の審議及び決議を経て、取締役会に上程され、取締役会において審議及び決議されることにより、決定されます。ただし、当該資産の取得又は売却が、利害関係者取引である場合には、取締役会の決議後、更に本投資法人の役員会に上程され、本投資法人の役員会において審議及び承認の決議並びに当該決議に基づき本投資法人による同意がなされることにより、決定されます。なお、かかる意思決定手続の過程において否決された議案は、起案部署に差し戻されるものとされています。
(中略)
2 投資方針
(1)投資方針
① 基本理念
本投資法人は、投資主やテナントをはじめとする全てのステークホルダーと共に発展することを目的とし、中長期にわたる安定した収益の確保と運用資産の着実な成長を目指した資産運用を通じて、質の高い社会資本の提供と投資主価値の最大化を目指すことを基本理念としています。
本投資法人は、かかる基本理念を打ち立てるに際し、資産の運用を委託する本資産運用会社のスポンサーである積水ハウスとその取組み(人間性豊かな住まいと環境の創造に取り組み、全ての人々が快適に暮らせる社会の構築に寄与できる「住環境創造企業」を目指すこと)を共有しています。即ち、積水ハウスは、住まいとまちが作り出す住環境を人の大切な生活基盤と受け止め、新しい時代の社会資本となる都市開発に取り組んでいます。また、自然と共生し、時が経つほどに美しさが高まる「経年美化」の思想に基づき、都市空間、住環境を創造し、質の高い社会資本を提供していくことを目指しており、これらを実現することで、人間性豊かな住まいと環境の創造に取り組み、全ての人々が快適に暮らせる社会の構築に寄与できる「住環境創造企業」となることを目指しています。更に、積水ハウスは、住宅を基軸としたサステナブル社会(持続可能な社会)の実現を目指しており、「住まいづくり」「まちづくり」を通じて地球温暖化、エネルギー不安、生態系の破壊等を含む様々な社会課題に取り組んでいます。
本投資法人は、かかる基本理念の背景として、主な投資対象と位置付ける居住用不動産(注1)及び商業用不動産等(注2)のキャッシュ・フローの源泉となるテナントにおいて、入居者の「持続可能な生活拠点」又はテナント企業の「持続可能な事業活動拠点」に適した立地(本投資法人は、このような立地を「戦略的立地」と呼称します。以下同じです。)に所在している不動産、及び快適性や安全性など住居としての高い基本性能やテナント企業が求める機能性等(本投資法人は、これらの要素を個別に又は総称して「高品質」と呼称します。以下同じです。)を有する不動産に対するニーズが高まりつつあるとの基本認識を有しています。
本投資法人は、かかる基本理念及び基本認識の下、主な投資対象の中でも、戦略的立地に所在する高品質な居住用不動産及び商業用不動産等について、中長期にわたる安定した収益の確保が期待される投資対象であると考え、これをプライム・プロパティと呼称し、重点的な投資対象とします(以下、本投資法人が重点的な投資対象とするかかる居住用不動産及び商業用不動産等を「プライム・プロパティ」といいます。)。
本投資法人は、これまでに居住用不動産及び商業用不動産等を開発し、運営してきた豊富な実績を有する積水ハウスの不動産開発力及び運営力等を、スポンサーサポートを通じて最大限に活用する成長戦略を推進することで、中長期にわたる安定した収益の確保と運用資産の着実な成長を実現し、投資主価値を最大化することを目指します。
(注1) 「居住用不動産」とは、主たる用途が住居(学生寮、社宅、サービスアパートメント(*1)(*2)に該当しない家具家電付住居を含みます。)に用いられる不動産をいいます。以下同じです。
(注2) 「商業用不動産等」とは、主たる用途がオフィスビル、ホテル(サービスアパートメントを含みます。以下同じです。)及び商業施設等(サービス付高齢者向け住宅、有料老人ホーム及びデイケアセンター(*2)を含みます。以下同じです。)の住居以外の事業的用途に用いられる不動産をいいます。以下同じです。
(*1) 「サービスアパートメント」とは、専門のオペレーターが利用者に対して一定のサービスを提供する家具家電付住居をいいます。以下同じです。
(*2) サービスアパートメント並びにサービス付高齢者向け住宅、有料老人ホーム及びデイケアセンターには、建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)(以下「建築基準法」といいます。)上の共同住宅に該当するものを含む場合があります。以下同じです。
② 基本方針
(イ)「戦略的立地」と「高品質」を柱としたプライム・プロパティへの重点投資
本投資法人は、前記「① 基本理念」に記載のとおり、プライム・プロパティへの投資を行いますが、プライム・プロパティを選別して投資するに際しては、戦略的立地に所在しており、かつ、高品質を有しているかを見極める基準として、居住用不動産及び商業用不動産等において、それぞれキャッシュ・フローの源泉となる入居者が「持続可能な生活拠点」として又はテナント企業が「持続可能な事業活動拠点」として不動産に求める要素を重視します。
本投資法人は、この「入居者が『持続可能な生活拠点』として又はテナント企業が『持続可能な事業活動拠点』として不動産に求める要素」には、(a)経済圏、(b)利便性、(c)機能性/居住性、(d)環境配慮、(e)事業継続計画(Business Continuity Planning)(以下「BCP」といいます。)/安全性、及び(f)ブランドの6つの要素があると考えており、これらの6つの要素を投資の着眼点として重視し分析した上で総合的判断を行うことにより、当該不動産が、戦略的立地に所在しており、かつ、高品質を有しているか、すなわちプライム・プロパティに該当するかについて見極め、投資判断を行う方針です。
また、本投資法人が投資対象の中心と位置付けるプライム・プロパティにおいては、立地や機能性の観点から十分な競争力があると判断されるものの、一定以上の築年数が経過している物件を取得する場合も想定されます。こうした物件の取得に際しては、取得後における将来的な本投資法人の収益性に対する影響及びその対処に関わるリニューアル・バリューアップ等の戦略等について、積水ハウスをはじめとする関係者との協働により検討の上、判断していく方針です。加えて、本投資法人は、プライム・プロパティに該当する居住用不動産及び商業用不動産等以外にも、ポートフォリオの収益性の向上に資することが期待される物件については、中長期的に安定した収益の確保が見込まれるか慎重に検討の上、厳選して投資を行う方針です。
更に、本投資法人は、規約第33条第2項に基づき、投資エリアを主として国内とするとともに、海外に対しても投資できると定めており、上記の居住用不動産及び商業用不動産等への投資方針(投資戦略)と基本的に同様の方針の下、海外に所在する居住用不動産及び商業用不動産等への投資を行う方針です(注)。なお、本投資法人が海外に所在する不動産に投資する場合には、原則として積水ハウス、又は積水ハウスが出資する事業体等が開発に関与し、当該国・地域での信頼のおける不動産運営事業者が運営している不動産又は当該不動産を裏付けとする資産を投資対象とする方針です。
(注) 海外不動産投資に関する基本的な方針に本書の日付現在において特段の変更はありませんが、海外不動産投資を取り巻く現行の法制度及び税制度の進展状況、為替変動をはじめとした投資に関わるリスク、また、これらも背景の一つとして考えられる海外不動産投資に対する投資家の懸念、並びに本投資法人による投資スキームの検討状況等に鑑み、本投資法人としては、本書の日付現在において海外不動産への投資は時期尚早であり、かかる状況について一定の変化や改善等が確認できるまでの少なくとも当面の間は、海外不動産投資全般に関して慎重姿勢をとる方針です。以下同じです。
(ロ)積水ハウス及び積和不動産グループによる多様なサポートを最大限に活用した成長戦略
本投資法人は、積水ハウスとの間でスポンサー・サポート契約(注)を締結し、積水ハウスの有する都市再開発事業に関する実績やノウハウを活用して、(a)積水ハウスが保有又は開発する国内不動産等の売却に関する優先交渉権の付与、(b)第三者が国内において保有又は開発する不動産等に関する情報提供、(c)ウェアハウジング機能の提供並びに(d)保有資産の再開発サポートといった、外部成長のための物件取得に向けたサポート(パイプラインサポート)を積水ハウスより受けることができます。
(注) 当該スポンサー・サポート契約においては、本書の日付現在、本投資法人及び積水ハウス・レジデンシャル投資法人(以下「SHI」といいます。)との間で締結された2018年1月24日付合併契約書に基づく、本投資法人を吸収合併存続法人とし、SHIを吸収合併消滅法人とする吸収合併(以下「本投資法人合併」といいます。)の効力が発生することが効力発生の停止条件とされています。以下同じです。
また、積和不動産各社(7社)(注1)との間で優先交渉権(等)に関する契約を締結し(注2)、特に居住用不動産について、積和不動産各社(7社)が保有又は開発する国内不動産等の売却に関する優先交渉権の付与といった、外部成長のための物件取得に向けたサポートを積和不動産各社(7社)から受けることができます。
積水ハウス及び積和不動産グループ(注3)は、(a)テナントリレーションに基づくPM力、(b)不動産開発事業者としての大規模修繕、リニューアル・バリューアップ及び再開発等による不動産価値の維持・向上を図るノウハウ、並びに(c)様々なタイプのマスターリース事業を展開するノウハウを有しています。本投資法人と本資産運用会社は、積水ハウスとの間でPM業務委託契約(以下「PM契約」ということがあります。)やスポンサー・サポート契約を締結することにより、(a)商業用不動産等に関するPM業務の提供や、(b)内部成長のための保有資産の運用に関わる(i)テナント満足度の向上又は省エネルギー・環境配慮等をはじめとするリニューアル・バリューアップ等に資する技術及びノウハウの提供、(ii)本投資法人の運営に必要なノウハウの提供を含む人的サポート、並びに(iii)商業用不動産等に関するマスターリース契約の締結協議等のサポートを受けることができます。また、積和不動産グループは、全国ネットワークを活用したテナント募集及び効率的な管理実績に裏付けられたPM業務のノウハウを含めたPM力を有しています。本投資法人と本資産運用会社は、積和不動産グループとの間でPM契約を締結することにより、積和不動産グループが有するPM力を活用します。
本投資法人は、これらの外部成長及び内部成長のための積水ハウス及び積和不動産グループの多様なサポートを成長戦略に最大限に活用し、安定的な収益の確保と運用資産の着実な成長を実現し、投資主価値を最大化することを目指します。
(注1) 「積和不動産各社(7社)」とは、積水ハウスが100%出資し、全国に展開する積水ハウスグループ(*)の不動産部門の中核企業である積和不動産株式会社(以下「積和不動産」といいます。)、積和不動産関東株式会社(以下「積和不動産関東」といいます。)、積和不動産東北株式会社(以下「積和不動産東北」といいます。)、積和不動産中部株式会社(以下「積和不動産中部」といいます。)、積和不動産関西株式会社(以下「積和不動産関西」といいます。)、積和不動産中国株式会社(以下「積和不動産中国」といいます。)及び積和不動産九州株式会社(以下「積和不動産九州」といいます。)の総称です。以下同じです。
(*) 「積水ハウスグループ」とは、積水ハウスとその連結子会社及び持分法適用会社で構成される企業集団をいいます。以下同じです。
(注2) 本書の日付現在、本投資法人は、本投資法人合併に伴い、積和不動産各社(7社)、SHI及び積水ハウス・アセットマネジメント株式会社(以下「SHAM」といいます。)との間で締結された各優先交渉権(等)に関する契約(以下、本注において「現行契約」といいます。)を、本投資法人合併の効力発生日である2018年5月1日をもってSHIから承継する方針です。なお、現行契約には、本書の日付現在、SHIと積水ハウス・アセットマネジメント株式会社との間で締結された2005年4月21日付資産運用委託契約書が解約された場合には現行契約も解約される旨の定めがありますが、本投資法人及びSHIは、かかる定めを本投資法人合併に伴い変更の上、承継する方針です。以下同じです。
(注3) 「積和不動産グループ」とは積和不動産各社(7社)が中核となり、その子会社及び関連会社で構成される企業集団をいいます。以下同じです。
(中略)
(ニ)安定的かつ健全な財務運営
本投資法人は、中長期的に安定収益の確保及び投資主価値の向上のために安定的かつ健全な財務運営を行っていく方針です。具体的には、スポンサーである積水ハウスの信用力を背景に、メガバンク中心の国内有力金融機関との強固かつ安定的な取引関係を築くとともに、返済期限の分散化及び長期化並びに金利の固定化等を図ることで、リファイナンスリスクや金利変動リスクを低減していく方針です。本投資法人のLTVはのれんを含まない総資産ベースで45%程度を上限の目処とし、資金余力の確保に留意して保守的な水準で運営する方針です。
(中略)
③ 投資戦略
(イ)プライム・プロパティを中心とした投資
本投資法人は、前記「① 基本理念」に記載のとおり、主としてプライム・プロパティを中心に投資を行うことを通じて、中長期にわたる安定した収益の確保の実現を目指します。
居住用不動産に係る国内における主たる投資対象地域については、東京圏を重点投資エリアと位置付け、その中でも、入居者のニーズに適した立地及び快適性や安全性などの住居としての高い基本性能等を備えたプライム・プロパティが数多く存在すると考えられ、豊富な賃貸需要と優良な物件供給が期待できると考える東京23区を中心に投資することとし、また、積水ハウス及び積和不動産各社(7社)のネットワークを最大限活用できる政令指定都市をはじめとする東京圏以外の全国主要都市及びその周辺通勤圏にも投資を行います。
商業用不動産等に係る国内における主たる投資対象地域については、我が国の経済活動の中心になり、テナント企業の「持続可能な事業活動拠点」に適した立地及び機能性を備えたプライム・プロパティが数多く存在すると考えられ、また、積水ハウスの開発実績に基づき知見がある東京23区、大阪市及び名古屋市の三大都市を中核とする三大都市圏を重点投資エリアと位置付け、その中でも、テナント企業の事業活動の拠点としての需要の厚みを背景として安定的な運用が期待できると考える三大都市を中心に投資することとします。また、三大都市圏以外の全国主要都市も投資対象地域としています。
海外においては、国内不動産にかかわる投資戦略と基本的に同様の方針の下、海外に所在する居住用不動産及び商業用不動産等への投資を行うこととし、積水ハウスの開発実績に基づき知見があるシンガポール、オーストラリア及びアメリカを中心的な投資対象地域に位置付けています。
a. 本投資法人が着目する「戦略的立地」及び「高品質」について
居住用不動産については、入居者の生活の拠点として用いられるものであることから、その生活の拠点に適した立地であること及び快適性や安全性等をはじめとする高い機能性を備えていることがとりわけ重要視され、そのような立地及び機能性を備えた居住用不動産は、入居者の「持続可能な生活拠点」として、相対的に高い賃貸需要が見込まれ、競争上の優位性を有していると、本投資法人は考えています。
また、商業用不動産等については、テナント企業の事業活動の拠点として用いられるものであることから、その事業の活動の拠点に適した立地であること及び利便性等をはじめとする高い機能性を備えていることがとりわけ重要視され、そのような立地・品質を備えた商業用不動産等は、テナント企業の「持続可能な事業活動拠点」として、相対的に高い賃貸需要が見込まれ、競争上の優位性を有していると、本投資法人は考えています。
b. プライム・プロパティに該当するかについて判断する際の着眼点
本投資法人は、居住用不動産及び商業用不動産等への投資に際しては、前記「② 基本方針 (イ) 「戦略的立地」と「高品質」を柱としたプライム・プロパティへの重点投資」に記載のとおり、居住用不動産及び商業用不動産等において、それぞれキャッシュ・フローの源泉となる入居者が「持続可能な生活拠点」として又はテナント企業が「持続可能な事業活動拠点」として不動産に求める要素を重視しています。本投資法人は、この「入居者が『持続可能な生活拠点』として、又はテナント企業が『持続可能な事業活動拠点』として不動産に求める要素」には、(a)経済圏、(b)利便性、(c)機能性/居住性、(d)環境配慮、(e)BCP/安全性、及び(f)ブランドの6つの要素があると考えています。そして、本投資法人は、これらの6つの要素を重点的に分析した上で総合的判断を行うことで、当該不動産がプライム・プロパティに該当するかを選別することとしています。
なお、本投資法人が取得を検討する住居又はオフィスビルである不動産について、かかる6つの要素の分析結果を判断する際の着眼点は、以下のとおりです。
<本投資法人によるかかる6つの要素及びその着眼点>・住居についての具体的な例
・オフィスビルについての具体的な例
(注) 「関連事項」に記載された「立地」は戦略的立地を、「品質」は高品質を、それぞれ意味し、上記各要素が優れていることが戦略的立地に所在することと高品質を有することのいずれに強く関連すると本投資法人が分析しているかについて記載しています。上記は本投資法人における分析を簡略化して示したものであり、当該要素が優れている不動産が戦略的立地に所在するか、又は高品質を有することを保証又は約束するものではありません。
また、本投資法人は、プライム・プロパティに該当する不動産以外にも、独自の市場性を有する物件や、当該エリアにおいて特筆するランドマーク性を有する物件、ポートフォリオの収益性の向上に資することが期待される物件については、総合的判断からプライム・プロパティに該当しないと判断される場合であっても、中長期的に安定した収益の確保が見込まれるかについて慎重に検討の上、厳選して投資を行うことがあります。
(ロ)海外不動産への投資
本投資法人は、国内不動産に関わる投資戦略と基本的に同様の戦略の下、海外に所在する居住用不動産及び商業用不動産等への投資も行っていく方針です。すなわち、成長戦略の主軸である国内不動産への投資に組み合わせ、海外不動産への投資機会の確保による外部成長余地の拡大及び当該国・地域における経済成長や人口増加等に伴う不動産から創出されるキャッシュ・フローの増加による内部成長を追求する投資を行うことで、中長期の視点に立った運用資産の着実な成長と安定的な収益の確保を目指す戦略を掲げています。
投資対象とする海外不動産については、国内不動産と同様、プライム・プロパティを中心に投資を行います。また、本投資法人は、海外不動産への投資に当たっては、政治動向、人口動態、経済成長等マクロ的な観点を踏まえ、各国の不動産市場動向・制度及び規則等を含めた投資対象資産の位置する市場を総合的に分析します。また、投資収益性と投資に関わる潜在的リスクの検証(投資適格性の検証)に加え、取得後の現地における管理・運営(リスク管理)の実施が必要になることから、原則として、スポンサーである積水ハウス、又は積水ハウスが出資する事業体等が開発に関与し、当該国・地域での信頼のおける不動産運営事業者が運営し、本投資法人が、投資判断における充分な情報及び管理・運営面のサポートを容易に得られる不動産を投資対象とする方針です。本投資法人の海外不動産に関する投資対象地域は、積水ハウスの開発実績に基づき知見があるシンガポール、オーストラリア及びアメリカを中心的な投資対象エリアとしています。また、各国の法制度、会計制度、税制等のリスクや投資及び収益還元に関連する為替リスク等も総合的に勘案し、慎重に投資を行う方針です。なお、本書の日付現在、積水ハウスは、海外不動産事業を、原則として、当該国・地域における有力な不動産開発・運営事業者(以下「現地パートナー」といいます。)との協働事業として取り組んでいます。そのため、本投資法人が海外不動産への投資を検討する際には、当該現地パートナーが当該物件に対して有する運営力等も重視して、投資判断を行う方針です。
(中略)
④ 成長戦略
(イ)外部成長戦略
a. 積水ハウスのスポンサーサポートを活用した外部成長戦略
-積水ハウスの物件供給力を活用した資産規模の拡大-
本投資法人は、スポンサーである積水ハウスと締結したスポンサー・サポート契約に基づき、日本を代表するハウスメーカーである同社の有する賃貸住宅等の設計、施工及び請負等やオフィスビル開発を含む多数の大規模な都市再開発事業に関わる実績とノウハウを各物件の特性に応じて活用し、着実な外部成長を図っていく方針です。
本投資法人は、スポンサー・サポート契約を、本投資法人及び本資産運用会社並びに積水ハウスとの間で締結しています。
本投資法人は、スポンサー・サポート契約に基づいて、(a)積水ハウスが保有又は開発する国内不動産等の売却に関する優先交渉権の付与、(b)第三者が国内において保有又は開発する不動産等に関する情報提供、(c)ウェアハウジング機能の提供、及び(d)保有資産の再開発サポートを受けることができます。
(中略)
b. 積和不動産各社(7社)との優先交渉権を活用した外部成長戦略
-積和不動産各社(7社)からの物件取得ルートの更なる強化-
積水ハウスグループにおける不動産部門(売買、分譲、賃貸借、物件管理・運営、リフォーム等)を展開する積和不動産グループは、いずれも不動産売買の仲介、賃貸住宅におけるリーシング及び賃貸住宅の管理・運営等を業務内容とする不動産総合企業として、地域毎の営業戦略をもってそれぞれ全国各地で事業を展開しており、地元に密着することで得られる各地域の賃貸住宅マーケット情報を活用して賃貸住宅の企画・開発やその価値を認めた外部の物件に投資・保有を行っています。
本投資法人は、積和不動産各社(7社)からの居住用不動産に係る物件取得ルートの更なる強化を図るべく、積水ハウスからの物件取得ルートに加えて、積和不動産をはじめとする積和不動産各社(7社)とそれぞれ優先交渉権(等)に関する契約を締結し、積和不動産各社(7社)との協働体制を確立しています。これにより、物件取得ルートを東京圏のみならず全国主要都市にも展開し、本投資法人の居住用不動産に係る投資対象地域を網羅的にカバーすることが可能な積和不動産各社(7社)の物件パイプラインを活用して外部成長を図っていく方針です。
本投資法人及び本資産運用会社は、積和不動産及び積和不動産関東との間でそれぞれ優先交渉権等に関する契約を締結しており、当該契約に基づき(a)積和不動産及び積和不動産関東が保有又は開発する国内不動産等の売却に関する優先交渉権の付与、(b)第三者が国内において保有又は開発する不動産等に関する情報提供を受けることができます。また、本投資法人及び本資産運用会社は、積和不動産東北、積和不動産中部、積和不動産関西、積和不動産中国及び積和不動産九州との間でそれぞれ優先交渉権に関する契約を締結しており、当該契約に基づき(a)積和不動産東北、積和不動産中部、積和不動産関西、積和不動産中国及び積和不動産九州が保有又は開発する国内不動産等の売却に関する優先交渉権の付与を受けることができます。
本投資法人は、これらの積和不動産各社(7社)からのサポートを活用することにより、居住用不動産を中心とする安定的な物件取得機会を確保していく方針です。
c. 本資産運用会社の独自のノウハウ等を活用した外部成長戦略
-本資産運用会社独自のルートによる第三者からのソーシング-
本資産運用会社は、積水ハウスにおいて都市再開発事業(本投資法人の主な投資対象となる居住用不動産及び商業用不動産等の開発・運営・管理等)を長年にわたり経験したメンバーとJ-REITの資産運用会社において資産運用を長年にわたり経験したメンバーを中心に構成されています。本資産運用会社は、積水ハウスからの情報提供に基づく資産取得による外部成長のみならず、かかるメンバーが積水ハウスでの開発・運営又はJ-REITの資産運用会社における資産運用等で培った資産取得に関する独自のノウハウと情報収集ネットワークを活用して、本投資法人の外部成長を目指します。
(ロ)内部成長戦略
本投資法人は、積水ハウスとの間で積水ハウスのノウハウ等を活用するため、PM契約やスポンサー・サポート契約を締結し、積水ハウスより、(a)商業用不動産等に関するPM業務の提供や、(b)内部成長のための保有資産の運用に関わる(i)テナント満足度の向上又は省エネルギー・環境配慮等をはじめとするリニューアル・バリューアップ等に資する技術及びノウハウの提供、(ii)本投資法人の運営に必要なノウハウの提供を含む人的サポート、並びに(iii)商業用不動産等に関するマスターリース契約の締結協議等のサポートを受けます。また、本投資法人は、不動産賃貸事業に係るノウハウ及び全国ネットワークを有する積和不動産グループに本投資法人が保有する居住用不動産に係るPM業務を委託することで、居住用不動産の運営・管理における協働体制を確立しています。
積水ハウス及び積和不動産グループは、(a)テナントリレーションに基づくPM力、(b)不動産開発事業者としてのリニューアル・バリューアップ等による不動産価値の維持・向上を図るノウハウ、及び(c)様々なタイプのマスターリース事業を展開するノウハウを有しています。本投資法人は、かかるサポートを各物件の特性に応じて活用して内部成長を実現する方針です。
a. テナントリレーションに基づくプロパティ・マネジメント
本投資法人は、PM会社と協働して、テナントニーズを反映したきめ細かい対応を行い、テナント満足度の向上と解約によるテナント流出の回避に努めることで、賃料及び稼働率の維持向上を図る方針です。かかる方針を実現するため、本投資法人は、個々の運用資産の運営に当たり、当該不動産のテナントとのテナントリレーション、新規テナントリーシングに関する情報網、営業力、及び当該不動産に対する管理能力等の観点から、積水ハウス又は積和不動産グループの有するPM力を活用することが有効かつ適切と判断される場合には、後記「⑦ ポートフォリオ運営・管理方針 (ロ) PM会社の選定・管理方針」に定めるPM会社の選定基準を満たすことを条件に、原則として積水ハウス又は積和不動産グループにPM業務を委託し、そのPM力を活用します。
b. 積水ハウス及び積和不動産グループの有するノウハウを活用した運営管理
本投資法人は、各運用資産において、PM会社等と協働の上、運営管理の効率化及び管理費用の随時見直しにより、費用の適正化に努める方針です。管理費用の削減に際しては、運用資産の競争力及びテナント満足度の維持向上を図りつつ、総合的な観点から、以下のような一連のコストマネジメントを実施します。
・テナント退去後の原状回復費用及び予防保全の観点での計画修繕等工事に関する品質・コスト・工程の適切な管理
・運営管理の効率化と管理費用の適正化
・リーシングコストの適正化
・省エネ機器等の新技術の導入によるエネルギー使用量の削減に伴う水道光熱費のコストダウン
また、本投資法人は、かかる施策の実施にあたり、積水ハウス又は積和不動産グループの持つコストマネジメントに関するノウハウを運用資産の特性に応じて活用することで、本投資法人が保有する運用資産のプレゼンスを高め、内部成長をより効果的に達成することを目指します。
c. リニューアル・バリューアップ等を通じた不動産価値の維持・向上を図る取組み
本投資法人は、各運用資産のPM会社等と協働の上、入居者及びテナント企業に対して、安全で快適な環境及び空間の提供と、その満足度を高める環境性能や高い機能性を確保するため、リニューアル・バリューアップ等を含む適切なメンテナンスを実施し、これらを通じて各運用資産の価値と競争力の維持・向上を図っていく方針です。また、本投資法人は、積水ハウスの有するテナント満足度の向上又は省エネルギー・環境配慮等をはじめとするリニューアル・バリューアップ等に資する技術及びノウハウを活用し、各運用資産の競争力の維持及び向上を図る方針です。
かかる方針を実現するため、本投資法人は、積水ハウスの有する不動産開発事業者として培った環境配慮技術や、住宅事業において培われた自然光の採光や良好な外構計画等のノウハウをはじめとする様々なノウハウを各運用資産の特性に応じて活用します。
d. マスターリースの導入による円滑な資産運用
本投資法人は、各運用資産の状況、賃料収入の安定性及び運営管理の効率性等の事情を総合的に勘案し、各運用資産の特性に応じて、テナントとの直接契約(ダイレクトリース)、パススルー型マスターリース又は賃料固定型マスターリース等の賃貸借スキームを採用する方針です(かかる運用会社の賃貸借スキーム選定方針の詳細については、後記「⑦ ポートフォリオ運営・管理方針 (イ) テナント管理・リーシング方針 c. 賃貸借スキーム選定方針」をご参照下さい。)。また、取得を検討している商業用不動産等において、本資産運用会社が有効と判断した場合、スポンサー・サポート契約に基づき、本資産運用会社は積水ハウスとの間で各物件の特性に応じた形態によるマスターリース契約の締結等に向けた検討・協議を行うことができるものとされています。本投資法人は、各商業用不動産等の特性に応じて積水ハウスをマスターレッシーに採用するなど、各運用資産の特性に応じた形態での賃貸借スキームを採用することで、高い信用力を有するテナントを確保しつつ、必要に応じて収益連動型賃料による運用資産の内部成長余力等を確保する等、円滑な資産運用に向けた施策を検討していく方針です。
(ハ)海外不動産投資にかかる成長戦略
本投資法人は、国内不動産に関わる投資戦略と基本的に同様の戦略の下、海外に所在する居住用不動産及び商業用不動産等への投資も行っていくに当たり、投資に関わるデュー・ディリジェンス(投資適格性の検証)の観点、取得後の管理・運営(リスク管理)の観点から、原則として積水ハウス、又は積水ハウスが出資する事業体等が開発に関与し、当該国・地域での信頼のおける不動産運営事業者が運営している不動産を投資対象とする方針です。
本投資法人は、前記「② 基本方針 (イ) 「戦略的立地」と「高品質」を柱としたプライム・プロパティへの重点投資」に記載のとおり、海外不動産投資に際しては、原則として積水ハウス、又は積水ハウスが出資する事業体等が開発に関与し、当該国・地域での信頼のおける不動産運営事業者が運営している不動産又は当該不動産を裏付けとする資産を投資対象とする方針であり、投資対象地域は、積水ハウスの開発実績に基づき知見があるシンガポール、オーストラリア及びアメリカを中心的な投資対象エリアとしています。
(中略)
⑥ 投資方針
(イ)ポートフォリオ構築方針
本投資法人は、主たる用途が住居又はオフィスビルである不動産をポートフォリオの中核資産として位置付け、用途別の投資比率及び中長期的な投資比率目標は、それぞれ以下を目途とします。
<用途別投資比率>
(注1) 複合的な用途に供される不動産について、その主たる用途を判断するに際しては、以下に掲げる基準を参考として決定します。なお、複合的な用途に供される不動産には、一棟の建物が複合的な用途に供されている場合のほか、総合的設計制度等により複数の建物が一体として機能している場合又は複数の建物が隣接する場合も含みます。
(i) 主たる用途は、原則として賃貸可能面積比率が過半を超える用途としますが、著しく収益性が異なるなど賃貸可能面積の比率により用途を決することが妥当でない場合には、賃料収入の比率等を考慮の上、総合的に判断します。
(ii)取得価格、不動産鑑定評価等のバリュエーション等において用途別の分別管理が可能な場合には用途毎に分割します。
(iii)取得価格、不動産鑑定評価等のバリュエーション上、群管理が必要となるような施設設計であり一体としての運用が望ましい場合、群管理後の一体となった不動産で判断することも可能とします。
(注2) 中長期的に目標とするポートフォリオにおける投資比率の目安を記載しています。当該各比率を達成することについて保証又は約束するものではなく、実際の投資比率は当該各比率と大幅に異なる可能性があります。
投資エリアは、主として国内とし、その比率は80%以上(海外への投資比率は20%未満)(取得価格ベース)を目途として運用します。国内への投資のうち居住用不動産については東京圏を、商業用不動産等については三大都市圏を重点投資エリアと位置付け、居住用不動産については、東京圏の中でも、豊富な賃貸需要と優良な物件供給が期待できると考える東京23区を中心に投資をしていく方針です。商業用不動産等については、重点投資エリアである三大都市圏の中でも、テナント企業の事業活動の拠点としての需要の厚みを背景として安定的な運用ができると期待できると考える三大都市を中心に投資をしていく方針です。なお、投資エリアごとの投資比率の詳細については、以下に記載の表のとおりとします。
<居住用不動産の投資エリア別投資比率>
(注1) 「政令指定都市等」とは、東京圏以外の都市で、政令指定都市、中核市、施行時特例市及び県庁所在地のいずれかに該当するものをいいます。
(注2) 「通勤圏」とは、対象の都市の中心部から概ね30分程度の所要時間にて通勤可能な周辺部をいいます。
<商業用不動産等の投資エリア別投資比率>
(ロ)投資基準
本投資法人は、国内不動産及び海外不動産を取得するに際し、以下の投資基準により投資を行います。
a. 用途別
i.住居
ii.オフィス
(i) 投資金額 原則として10億円以上とします。
(ii) 立地 三大都市を中核とする三大都市圏及び三大都市圏以外の全国主要都市を主たる投資対象地域と位置付け、そのうち特に三大都市圏を重点投資エリアとし、中でも三大都市を中心に投資します。
(iii) 規模 原則として、建物の延床面積3,000㎡以上の物件を投資対象とします。
iii.ホテル
(i) 投資金額 原則として10億円以上とします。
(ii) 立地 三大都市を中核とする三大都市圏及び三大都市圏以外の全国主要都市を主たる投資対象地域と位置付け、そのうち特に三大都市圏を重点投資エリアとし、中でも三大都市を中心に投資します。
(iii) 規模 ホテルについては様々な業態があり、業態によって物件特性が異なることに鑑み、具体的な規模の基準は設けず、対象不動産ごとに、個別の立地特性による地域性、業態ごとの規模・客室数等を総合的に勘案した上で、投資を行います。
iv.商業施設等
投資金額については、原則として3億円以上とし、エリアについては、三大都市を中核とする三大都市圏及び三大都市圏以外の全国主要都市を主たる投資対象地域と位置付け、そのうち特に三大都市圏を重点投資エリアとし、中でも三大都市を中心に投資しますが、商業施設等については様々な用途があり、用途によって物件特性が異なることに鑑み、具体的な用途別の規模等の基準は設けず、対象不動産ごとに、個別の立地特性による地域性、代替テナント確保の容易性、設備の汎用性等を総合的に勘案した上で、投資を行います。
b. 共通
i. 取得価格
投資に際しては、鑑定評価額を参考に、本資産運用会社の評価額を基本として総合的に判断します。
利害関係者との取引においては、鑑定評価額(不動産鑑定評価額等の対象となっていない税金及び取得費用等のほか、信託勘定内の積立金、信託収益、固定資産税等の期間按分の精算額を含みません。)を超えた価格での取得は行いません。
なお、海外資産についても上記に準じるものとします。
ii. 耐震性
原則として、新耐震基準(昭和56年改正の建築基準法に基づく耐震基準)に基づく施工又は補強工事等により新耐震基準と同等以上の耐震性能を有すると判断される物件を取得します。
なお、海外資産については、当該国・地域における耐震性の法令上の基準を遵守し、かつ地域での実務を勘案し総合的な判断の上投資決定をします。
iii. 地震PML
個別PML(Probable Maximum Loss: 予想最大損失率)(以下「PML」といいます。)値(注)が20%を超える場合は地震保険の付保を検討します。原則、国内ポートフォリオPML値は10%を超えないものとします。
なお、海外資産については、当該国・地域における耐震性の法令上の基準を遵守し、かつ地域でのPML値の取得の可否、地震保険の存否、現地実務等を勘案し総合的な判断を行います。
(注) 「PML値」とは、本書においては、想定した予定使用期間中に想定される最大規模の地震(50年間で10%を超える確率で発生すると予想される大地震=再現期間475年相当の大地震)によりどの程度の被害を受けるかを、非超過確率に相当する予想損失額の再調達価格に対する割合(%)で示したものです。ただし、予想損失額は、地震動による建物(構造体、仕上げ、建築設備)のみの直接損失に関するものだけであり、機器、家具、什器等の被害や地震後の水又は火災による損失、被災者に対する補償、営業中断による営業損失等の二次的被害は含まれていません。以下同じです。なお、海外においてPMLに準じた規制又は基準がない場合には、これに代わる基準を定めて投資決定をします。
iv. 環境・地質
建物内におけるアスベスト等の有害物質の取扱・保管状況及び敷地内の土壌の状況・状態が大気汚染防止法(昭和43年法律第97号。その後の改正を含みます。)や土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。)(以下、「土壌汚染対策法」といいます。)等関連法令に適合している若しくはこれらへの対応策が十分に講じられていることを原則とします。ただし、取得後是正が見込まれる場合には、取得することがあります。
また、海外資産においては、当該国・地域における環境・地質等の法令上の基準を遵守し、かつ地域での実務を勘案し総合的な判断の上投資決定をします。
v. 権利関係
所有権、賃借権、地上権等権利の態様を確認した上で、共有、区分所有、借地の場合は、物件の特性を総合的に勘案し、権利関係者の信用力・属性等に特段問題が無く、運営・管理や持分処分における制約事項・リスクが少ないことを原則とします。
また、海外資産においては、当該国・地域における権利関係等の調査を行い、かつ地域での実務を勘案し総合的な判断の上投資決定をします。
vi. 安定稼働不動産への投資
本投資法人は、安定したキャッシュ・フローを確保するため、原則として、安定してキャッシュ・フローを創出している不動産等に投資をします。ただし、短期的に稼働率の低下した不動産等については、将来における稼働率の向上が早期に見込める場合や、スポンサー・サポートを伴う場合には、厳選して投資決定を行うことがあります。この場合には、慎重な判断を行うものとします。
なお、海外資産についても同様とします。
vii. 開発物件に対する投資
建設中の不動産については、竣工後のテナントの確保が十分可能と判断され、かつ完工・引渡しのリスクが低い場合、建物竣工後の取得及び当該不動産にかかるデュー・ディリジェンスの結果に問題がないことを条件として、当該建設中の不動産等にかかる不動産関連資産又は不動産対応証券の取得に関する契約を締結できます。
(ハ)デュー・ディリジェンス基準
投資対象資産の取得に際して、本資産運用会社は以下に記載の経済的調査、物理的調査及び法的調査を十分に実施し、資産価値の維持・向上を阻害する要因等の有無等の把握及びそれらの評価を中心とした、当該運用資産の投資対象としての妥当性について検討を行います。かかる検討に当たり、本資産運用会社は調査能力及び経験を有する第三者が作成する建物状況調査報告書、マーケットレポート、地震リスク調査報告書等を参考とし、現地調査、譲渡予定者等へのヒアリング等を実施します。
なお、海外不動産に投資する場合は、基本的に日本の不動産に投資する場合の基準に準じ、現地の法制度や特殊事情を加味した上でデュー・ディリジェンスを実施します(注)。
(中略)
⑦ ポートフォリオ運営・管理方針
本投資法人は、日本国内において取得した資産の運営及び管理を行うに際し、以下の方針と基準によるものとします。
また、海外において取得した資産の運営及び管理に際しても、原則として、日本国内に準じた基準によるものとします。
(イ)テナント管理・リーシング方針
a. テナント管理方針
i. テナント管理
本投資法人は、PM会社の協力の下で、テナントとの良好な関係を構築し、テナントの意見・不満・要望等を反映した運営管理を行うことを目指します。また、テナントからのクレームに対しては、PM会社と協働して誠実に対応します。
これらを通じて、テナント満足度の向上に努めます。
ii. 賃料保全策
(i) 居住用不動産の場合
本投資法人は、賃貸借契約締結の際、テナントが保証会社の倒産リスク等を負うことをPM会社を通じ事前に伝えた上で、テナントに、連帯保証人による保証又は保証会社による賃料保証を選択させます。
(ii) 商業用不動産等の場合
本投資法人は、商業用不動産等については、敷金による賃料保全を原則としますが、テナントの属性、資力等を勘案して、保証による賃料保全が必要と判断した場合には、PM会社を通じて、テナントが負うべき保証会社の倒産リスク等を含め協議した上で、連帯保証人による保証、保証会社による賃料保証等を用いた適切な賃料保全を図るものとします。
iii. 賃料回収手続
万一賃料の延滞が発生した場合には、PM会社を通じ、テナント若しくは連帯保証人に対する催告又は保証会社への賃料督促及び賃料回収代行の依頼を行い、一定期間内に回収できない賃料については、連帯保証人又は保証会社に代位弁済を求めます。賃料の遅延が長期化し、その解消が見込めないと本投資法人が判断した場合は、賃貸人をして、賃貸借契約を解除させ、当該テナントの早期退去を求めるとともに、敷金の清算及び未収金の回収を行わせます。
b. リーシング方針
運用資産の立地、用途、テナント等の分類に応じた周辺の賃貸マーケット動向及びテナントの需要動向を調査・把握し、個別物件における適正な賃貸条件等の検討を行うとともに、PM会社を、最大限に活用し、的確なリーシング活動を実施することにより、テナント情報の収集及び優良テナントの選定に努めます。
また、PM会社と連携し、良好なテナントリレーションを維持することにより、既存テナントの転居、増床又は移転ニーズ等の早期把握に努めます。
テナントとの賃貸借契約締結に際しては、本資産運用会社がその社内規程に従い属性、業績、信用力、及び賃料、賃貸借期間等の契約内容等について検討を行い、総合的に判断するものとします。
c. 賃貸借スキーム選定方針
本投資法人は、運用資産の状況、賃料収入の安定性及び運営管理の効率性等の事情を総合的に勘案し、テナントとの直接契約(ダイレクトリース)、パススルー型マスターリース又は賃料固定型マスターリース等の賃貸借スキームを選定します。
本投資法人の用いる主たる賃貸借スキームは、以下のとおりです。
(注) 「ML会社」とは、信託受託者又は本投資法人から各物件を一括して借り受け、各物件の区画を他の第三者に転貸する者をいい、以下「マスターリース会社」ということがあります。また、「エンドテナント」とは、借り受けた各物件の区画につき、賃貸人に対して実質的に賃料を支払う者(賃料固定型マスターリースにおけるML会社を含みます。)をいいます。以下同じです。
d. 商業用不動産等に係る賃料固定型マスターリースにおける一部収益連動型賃料の採用
本投資法人は、商業用不動産等について賃料固定型マスターリースを賃貸借スキームに採用した場合において、運用資産の内部成長余力等を勘案し、賃料の一部に、ML会社が獲得する収益が一定額を超過した場合等、一定の場合にML会社の収益に連動した賃料が支払われる旨の定め(収益連動型賃料)を採用することがあります。
(ロ)PM会社の選定・管理方針
a. PM会社の選定・管理
PM会社の選定に当たっては、業歴や財務体質、管理体制及び人員体制等の組織体制、対象となる運用資産の所在地域に関する知識・経験、対象となる運用資産における実績、報酬及び手数料の水準等を総合的に考慮し、本投資法人の総合的な収益向上に寄与する会社を選定します。
なお、上記業務委託に当たり、「利害関係者取引規程」及び「プロパティ・マネジメント会社選定・管理基準」に基づき、業務遂行状況等について外部の評価機関による評価等を定期的に行い、その結果が一定水準に達しない場合には、業務内容の変更及び改善の指示を行い、又はPM会社の変更を行います。
b. 物件管理運営状況の把握
本投資法人は、PM会社から原則として毎月、各運用資産の収支状況、テナントからの要望・クレーム等、諸問題に関し、管理運営状況を把握して、運営計画と実績について差異分析を行うとともに、PM会社に必要な指図を行い、安定した収益の確保を目指します。
(中略)
(ニ)不動産に関する匿名組合出資、優先出資等のエクイティ出資案件における管理等の方針
不動産に関する匿名組合出資、優先出資等の不動産を裏付けとした資産たるエクイティ出資を行う場合における当該不動産の管理等に当たっては、当該エクイティ出資先の管理の状況を適切にモニタリングするように努めるとともに、当該エクイティ出資先に必要な要請を行う等により、適切な管理を実施させるよう努めることを原則としますが、共同出資者の有無及び持分割合、エクイティ出資先の管理能力、パートナーの有無及び関与の程度その他諸般の事情を総合的に考慮し、必要に応じて個別に対応します。
(ホ)運用資産に関する付保の方針
火災・事故等に起因する建物への損害や、第三者からの損害賠償請求等のリスクに対処するため、必要な火災保険及び損害賠償保険等を運用資産に付保します。
地震保険の付保は、前記「第一部 ファンド情報 第1 ファンドの状況 2 投資方針 (1)投資方針 ⑥ 投資方針 (ロ)投資基準」記載のとおり、個別PML値が20%を超える場合において、地震の発生時に予想される個別物件及びポートフォリオ全体に対する影響並びに保険の実効性を勘案して総合的に判断します。
海外において取得した資産についても原則として上記と同様としますが、当該国・地域における特有のリスクの調査を行い、かつ地域での実務を勘案して総合的に判断します。
⑧ 財務方針
(中略)
(ハ)キャッシュ・マネジメント
本投資法人は、資金効率の向上に向けた最適なキャッシュ・マネジメントを図っていく方針です。
本投資法人は、居住用不動産及び商業用不動産等の管理・運営において高い専門性と実績を有する積水ハウスグループによるPM力を最大限に活用することで、運用資産の競争力の維持・向上に向けた適切な対応を行うと共に、資金効率の向上に向けた最適なキャッシュ・マネジメントを図っていく方針です。具体的には、以下への配分を考えます。本投資法人は、かかるキャッシュ・マネジメントに関するこれらの直接的及び間接的な施策を通じて、中長期的な投資主価値の向上を図ります。
i. 新規の不動産投資
ii. 不動産の競争力を高める適切な維持管理修繕
iii.有利子負債返済による負債コストの削減
iv. 利益超過分配の実施
v. 自己投資口の取得
なお、本投資法人は、キャッシュ・マネジメントに係る以下の3つの基本的な方針を定めています。
a. 本投資法人の想定される資金需要に対応するため、妥当と考えられる金額の現預金を常時保有します。
b. 余剰資金の運用は、安全性及び換金性を考慮し、市場環境及び資金繰りの状況を十分に勘案の上、慎重に行います。
c. 本投資法人がテナントから預かった敷金及び保証金等を資金として活用することができます。
(後略)
(3)変更の年月日
2018年5月1日(予定)
2018年5月1日を効力発生日とする、本投資法人を吸収合併存続法人、積水ハウス・レジデンシャル投資法人(以下「SHI」といいます。)を吸収合併消滅法人とする吸収合併(以下「本投資法人合併」といいます。)により、本投資法人が、SHIの保有する居住用不動産を受け入れるとともに、本投資法人合併後においては居住用不動産を主な投資対象に追加し、質の高い「住居・オフィスビル」を中核資産とする安定性の高い総合型REITへの転換を図ることを予定していることから、本投資法人が資産の運用を委託する積水ハウス投資顧問株式会社(以下「本資産運用会社」といいます。)は、運用資産及び投資対象の拡大に対応し、内部統制を強化すべく、本投資法人合併の効力発生を条件として、組織体制につき所要の変更を行います。
また、本資産運用会社は、本投資法人合併に伴い、本投資法人の運用資産及び投資対象の拡大に対応すべく、本投資法人合併の効力発生を条件として、運用ガイドラインにつき所要の変更を行います。
これに伴い、本投資法人の運用に関する基本方針及び運用体制が変更されることとなりました。
(2)変更の内容についての概要
2018年1月24日付で提出された有価証券報告書(以下「2018年1月24日付有価証券報告書」といいます。)の「第一部 ファンド情報 第1 ファンドの状況 1 投資法人の概況 (4)投資法人の機構」の一部及び「第一部 ファンド情報 第1 ファンドの状況 2 投資方針 (1)投資方針」の一部が本投資法人合併の効力発生日付で以下のとおり変更されます。
なお、特に断らない限り、2018年1月24日付有価証券報告書で定義された用語は、本書においても同一の意味を有するものとします。
の部分は変更箇所を示します。
第一部 ファンド情報
第1 ファンドの状況
1 投資法人の概況
(4) 投資法人の機構
(中略)
② 投資法人の運用体制
前記のとおり、本投資法人は資産の運用を本資産運用会社に委託して行います。
(イ)業務運営の組織体制
本資産運用会社の業務運営の組織体制は、以下のとおりです。
本資産運用会社は、上記組織の下、本投資法人より委託を受けた資産の運用に係る業務を行います。各種業務は、不動産投資一部、不動産投資二部(以下、総称して「不動産投資各部」といいます。)、不動産運用一部、不動産運用二部、不動産運用三部(以下、総称して「不動産運用各部」といいます。)、アカウンティング部、技術管理部及びこれらを統括する不動産統括部並びに財務部、IR部、経理部及び総務部、並びに経営戦略室及び内部統制推進室の各部署に分掌されます。なお、各業務担当取締役は、それぞれ関連する業務を所管します。
また、コンプライアンスに関する審議を行う機関としてコンプライアンス委員会を、投資判断に関する審議を行う機関として投資委員会を設置しています。
(ロ)本資産運用会社の各組織の業務分掌体制
各組織の業務分掌体制は、以下のとおりです。
部門名 | 業務範囲 |
取締役会 | 取締役会は、法令又は定款に定める事項のほか、次の事項を決定します。 a. 本資産運用会社の株主総会等に関する事項 b. 本資産運用会社の役員・使用人等に関する事項 c. 本資産運用会社の資産又は財務に関する事項 d. 本資産運用会社の業務運営に関する重要な事項 e. 本投資法人の資産運用に関する重要な事項 f. コンプライアンスに関する事項 g. その他業務執行に関する重要な事項 |
不動産統括部 | a. 不動産投資各部、不動産運用各部、アカウンティング部及び技術管理部の統括業務 b. 本投資法人の投資方針の策定に関する業務 c. 本投資法人の運用資産の売却方針の策定に関する業務 d. 本投資法人の運用方針の策定に関する業務 e. その他付随する業務 |
不動産投資各部 | a. 本投資法人の投資計画・売却計画の策定に関する業務 b. 運用資産の取得のための物件調査に関する業務 c. 運用資産の取得の実行及び諸契約締結に関する業務 d. 運用資産の売却の実行及び諸契約締結に関する業務 e. 不動産売買市場の調査及び分析に関する業務 f. その他付随する業務 |
部門名 | 業務範囲 |
不動産運用各部 | a. 本投資法人の運用計画の策定に関する業務 b. 運用資産の価値維持・向上に関する業務 c. 運用資産に係る物件調査に関する業務 d. 不動産の管理状況の把握に関する業務 e. PM業務の受託者の指示及び監督に関する業務 f. 運用資産に係る諸契約締結に関する業務 g. 不動産の賃借人からの苦情対応に関する業務 h. 不動産賃貸市場の調査及び分析に関する業務 i. その他付随する業務 |
アカウンティング部 | a. 運用資産の予実管理に関する業務 b. 本投資法人のポートフォリオ管理に関する業務 c. 不動産市場全般の動向調査及び分析に関する業務 d. その他付随する業務 |
技術管理部 | a. 運用資産の長期修繕計画の策定及び実施管理に関する業務 b. 運用資産に係る各種工事の技術的検討及び助言に関する業務 c. 運用資産及び取得対象資産に係る専門的調査に関する業務 d. 不動産投資各部及び不動産運用各部の支援に関する業務 e. その他付随する業務 |
財務部 | a. ファイナンス方針及び計画の策定に関する業務 b. 本投資法人の資金調達に関する業務 c. 分配方針及び計画の策定及び実行に関する業務 d. 余資の運用方針及び計画の策定及び実行に関する業務 e. 金融市場の動向調査及び分析に関する業務 f. その他付随する業務 |
IR部 | a. 本投資法人の情報開示(IR)及びディスクロージャーに関する業務 b. 投資口発行に伴う有価証券届出書等の作成及び投資家対応に関する業務 c. 投資主等からの苦情対応及び一般的事項に関する照会等に関する業務 d. J-REIT市場の動向調査及び分析に関する業務 e. その他付随する業務 |
経理部 | a. 本資産運用会社の年度経理方針及び予算策定に関する業務 b. 本資産運用会社の経理及び出納に関する業務 c. 本投資法人の会計、税務及び資金管理の補助に関する業務 d. その他付随する業務 |
総務部 | a. 本資産運用会社の人事に関する業務 b. 本資産運用会社の広報に関する業務 c. 本資産運用会社の株主総会及び取締役会運営に関する業務 d. 本投資法人の機関運営(投資主総会等)の補助に関する業務 e. 本資産運用会社の規程の改廃に関する業務 f. 情報システム機器の運用、保全及び管理に関する業務 g. その他付随する業務 |
経営戦略室 | a. 本資産運用会社の経営戦略及び事業戦略の立案、企画及び推進に関する業務 b. 本資産運用会社の業務改革の提案に関する業務 c. ESG(Environment, Social, Governance)に関する企画及び推進に関する業務 d. 不動産市場及び金融市場の動向調査及び分析の統括業務 e. その他付随する業務 |
部門名 | 業務範囲 |
内部統制推進室 | a. 本資産運用会社各部署におけるリスク管理の統括に関する業務 b. 本資産運用会社の内部管理に関する業務 c. 本資産運用会社の内部監査に関する業務 d. 法令諸規則遵守状況のモニタリングに関する業務 e. 本資産運用会社の法務に関する業務 f. 本投資法人の法務に関する業務 g. 行政機関及び業界諸団体等への定例報告及び届出等その他の対応に関する業務 h. 本資産運用会社の各種稟議等の事前審査に関する業務 i. 不動産の賃借人及び投資主等その他からの苦情対応の統括に関する業務 j. その他付随する業務 |
コンプライアンス・ オフィサー | a. 本資産運用会社のコンプライアンスに関する統括業務 b. 本投資法人のコンプライアンスに関する統括業務 c. 内部統制推進室に分掌される各業務の統括業務 d. その他付随する業務 |
(ハ)委員会の概要
各委員会の概要は、以下のとおりです。
a. 投資委員会
委員 | 代表取締役社長(委員長)及び取締役としての地位を有するコンプライアンス・オフィサー(以下「取締役コンプライアンス・オフィサー」といいます。)を含む全常勤取締役、不動産統括部長、財務部長、IR部長、経理部長及び総務部長並びに外部委員(注)。 なお、外部委員の選任及び解任は、本資産運用会社の取締役会の決議をもって行いますが、事前又は事後に本投資法人の役員会の承認を得ることが必要とされています。 |
審議内容 | ・ 本投資法人の投資方針及び投資計画の策定及び改定 ・ 本投資法人の運用方針及び運用計画の策定及び改定 ・ 本投資法人の資金調達に係る基本方針の策定及び改定 ・ 本投資法人の資産の取得及び売却の決定 ・ 本投資法人の資産の賃貸借、管理の委託及び工事の実施の決定(本資産運用会社の「職務権限規程」に定めるものに限ります。) ・ 長期修繕計画の策定及び改定 ・ 本投資法人の資金調達に係る事項の決定 ・ その他「利害関係者取引規程」に定める本投資法人と利害関係者(以下「利害関係者」といいます。なお、「利害関係者」については2018年1月24日付有価証券報告書「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 本資産運用会社の自主ルール(利害関係者取引規程)」をご参照下さい。以下同じです。)との間の取引の決定 ・ 本投資法人の投資方針に係る重要事項 ・ 各委員が審議及び決議を求めた事項 ・ 委員長が必要と認めた事項及び本資産運用会社の社内規程により別途定める事項 ・ その他付随する事項 |
審議方法等 | ・ 投資委員会は、議決に加わることのできる委員の過半数の出席により成立します。ただし、委員長、取締役コンプライアンス・オフィサー、不動産統括部長及び不動産鑑定士の資格を有する外部委員1名以上の出席(なお、不動産鑑定士の資格を有する外部委員の代理出席をする場合は、代理人となる補欠外部委員も、不動産鑑定士の資格を有する者でなければならないものとされています。)は必須とされています。 ・ 投資委員会の決議は、外部委員を含む出席した議決権を有する委員全員の賛成によります。 ・ 取締役コンプライアンス・オフィサーは、投資委員会の決議に当たり、法令・諸規則等の遵守その他コンプライアンスに関する観点から問題の有無を検証し、コンプライアンス上の問題がある議案については反対しなければならず、また、その議決権については、主として議案のコンプライアンス面からの検証の観点から行使するものとされています。なお、取締役コンプライアンス・オフィサーは、コンプライアンス上重大な問題があると判断する場合、投資委員会の審議中においても審議の中断を命じ、又は議案を起案部署に差し戻さなければなりません。 ・ 投資委員会は、必要に応じ、審議事項に関係ある役職員を委員会に出席させ、その報告又は意見を徴することができます。なお、各部署の長は、原則として委員会に出席し、その報告又は意見を投資委員会に提供するように努めるものとされています。 ・ (コンプライアンス・オフィサーが取締役でない場合の特則) コンプライアンス・オフィサーが取締役でなく、投資委員会の委員とならない場合には、コンプライアンス・オフィサーは、オブザーバーとして投資委員会に出席するものとします。かかる場合、コンプライアンス・オフィサーは、委員会において、委員と同様に発言又は質問その他の方法により議事に参加することができます。ただし、コンプライアンス・オフィサーは、委員会での決議に当たり、議決権を有しないものとします。なお、かかる場合においても、コンプライアンス・オフィサーの出席は必須とされています。 |
(中略)
b. コンプライアンス委員会
委員 | コンプライアンス・オフィサー(委員長)、社長を含む全常勤取締役及び外部委員(注)。 なお、外部委員の選任及び解任は、本資産運用会社の取締役会の決議をもって行いますが、事前又は事後に本投資法人の役員会の承認を得ることが必要とされています。 |
審議内容 | ・ 利害関係者との間の取引の決定 ・ コンプライアンス規程、コンプライアンス・マニュアル及びコンプライアンス・プログラムの策定及び改定 ・ 内部監査規程の策定及び改定 ・ 本資産運用会社のリスク管理に関する事項 ・ 委員長が審議及び決議を求めた事項 ・ 委員長が必要と認めた事項及び本資産運用会社の社内規程により別途定める事項 ・ 本資産運用会社に対する苦情等の処理に関する事項その他コンプライアンス上不適切な行為及び不適切であるとの疑義がある行為に関する事項 ・ 本投資法人の資産の取得及び売却の決定 ・ その他付随する事項 |
審議方法等 | ・ コンプライアンス委員会は、議決に加わることのできる委員の過半数の出席により成立します。ただし、委員長及び外部委員の出席は必須とされています。 ・ コンプライアンス委員会の決議は、委員長及び外部委員を含む出席した議決権を有する委員全員の賛成によるものとされています。 |
(中略)
③ 投資運用の意思決定機構
(中略)
(イ)本投資法人の資産の運用に係る投資方針に関する意思決定
投資方針の策定及び変更については、起案部署である不動産統括部が起案し、コンプライアンス・オフィサーの事前審査、投資委員会の審議及び決議並びにコンプライアンス委員会の審議及び決議を経て、取締役会に上程され、取締役会において審議及び決議されることにより、策定又は変更されます。ただし、当該投資方針の策定又は変更が、利害関係者との取引制限に関する事項の策定又は変更である場合には、取締役会の決議後、更に本投資法人の役員会に上程され、本投資法人の役員会において審議及び承認されることにより、策定又は変更されます。なお、かかる意思決定手続の過程において否決された議案は、起案部署に差し戻されるものとされています。
資産管理計画書の策定及び変更については、起案部署が、資産管理計画書の策定の場合には総務部になり、改正の場合には、改正の内容に対応した所管部署になる他は、投資方針の策定及び変更と同様の手続で決定されます。
(ロ)資産の取得及び売却に関する意思決定
資産の取得及び売却については、起案部署である不動産投資各部が起案し、不動産統括部長の承認、コンプライアンス・オフィサーの事前審査、投資委員会の審議及び決議並びにコンプライアンス委員会の審議及び決議を経て、取締役会に上程され、取締役会において審議及び決議されることにより、決定されます。ただし、当該資産の取得又は売却が、利害関係者取引である場合には、取締役会の決議後、更に本投資法人の役員会に上程され、本投資法人の役員会において審議及び承認の決議並びに当該決議に基づき本投資法人による同意がなされることにより、決定されます。なお、かかる意思決定手続の過程において否決された議案は、起案部署に差し戻されるものとされています。
(中略)
2 投資方針
(1)投資方針
① 基本理念
本投資法人は、投資主やテナントをはじめとする全てのステークホルダーと共に発展することを目的とし、中長期にわたる安定した収益の確保と運用資産の着実な成長を目指した資産運用を通じて、質の高い社会資本の提供と投資主価値の最大化を目指すことを基本理念としています。
本投資法人は、かかる基本理念を打ち立てるに際し、資産の運用を委託する本資産運用会社のスポンサーである積水ハウスとその取組み(人間性豊かな住まいと環境の創造に取り組み、全ての人々が快適に暮らせる社会の構築に寄与できる「住環境創造企業」を目指すこと)を共有しています。即ち、積水ハウスは、住まいとまちが作り出す住環境を人の大切な生活基盤と受け止め、新しい時代の社会資本となる都市開発に取り組んでいます。また、自然と共生し、時が経つほどに美しさが高まる「経年美化」の思想に基づき、都市空間、住環境を創造し、質の高い社会資本を提供していくことを目指しており、これらを実現することで、人間性豊かな住まいと環境の創造に取り組み、全ての人々が快適に暮らせる社会の構築に寄与できる「住環境創造企業」となることを目指しています。更に、積水ハウスは、住宅を基軸としたサステナブル社会(持続可能な社会)の実現を目指しており、「住まいづくり」「まちづくり」を通じて地球温暖化、エネルギー不安、生態系の破壊等を含む様々な社会課題に取り組んでいます。
本投資法人は、かかる基本理念の背景として、主な投資対象と位置付ける居住用不動産(注1)及び商業用不動産等(注2)のキャッシュ・フローの源泉となるテナントにおいて、入居者の「持続可能な生活拠点」又はテナント企業の「持続可能な事業活動拠点」に適した立地(本投資法人は、このような立地を「戦略的立地」と呼称します。以下同じです。)に所在している不動産、及び快適性や安全性など住居としての高い基本性能やテナント企業が求める機能性等(本投資法人は、これらの要素を個別に又は総称して「高品質」と呼称します。以下同じです。)を有する不動産に対するニーズが高まりつつあるとの基本認識を有しています。
本投資法人は、かかる基本理念及び基本認識の下、主な投資対象の中でも、戦略的立地に所在する高品質な居住用不動産及び商業用不動産等について、中長期にわたる安定した収益の確保が期待される投資対象であると考え、これをプライム・プロパティと呼称し、重点的な投資対象とします(以下、本投資法人が重点的な投資対象とするかかる居住用不動産及び商業用不動産等を「プライム・プロパティ」といいます。)。
本投資法人は、これまでに居住用不動産及び商業用不動産等を開発し、運営してきた豊富な実績を有する積水ハウスの不動産開発力及び運営力等を、スポンサーサポートを通じて最大限に活用する成長戦略を推進することで、中長期にわたる安定した収益の確保と運用資産の着実な成長を実現し、投資主価値を最大化することを目指します。
(注1) 「居住用不動産」とは、主たる用途が住居(学生寮、社宅、サービスアパートメント(*1)(*2)に該当しない家具家電付住居を含みます。)に用いられる不動産をいいます。以下同じです。
(注2) 「商業用不動産等」とは、主たる用途がオフィスビル、ホテル(サービスアパートメントを含みます。以下同じです。)及び商業施設等(サービス付高齢者向け住宅、有料老人ホーム及びデイケアセンター(*2)を含みます。以下同じです。)の住居以外の事業的用途に用いられる不動産をいいます。以下同じです。
(*1) 「サービスアパートメント」とは、専門のオペレーターが利用者に対して一定のサービスを提供する家具家電付住居をいいます。以下同じです。
(*2) サービスアパートメント並びにサービス付高齢者向け住宅、有料老人ホーム及びデイケアセンターには、建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)(以下「建築基準法」といいます。)上の共同住宅に該当するものを含む場合があります。以下同じです。
② 基本方針
(イ)「戦略的立地」と「高品質」を柱としたプライム・プロパティへの重点投資
本投資法人は、前記「① 基本理念」に記載のとおり、プライム・プロパティへの投資を行いますが、プライム・プロパティを選別して投資するに際しては、戦略的立地に所在しており、かつ、高品質を有しているかを見極める基準として、居住用不動産及び商業用不動産等において、それぞれキャッシュ・フローの源泉となる入居者が「持続可能な生活拠点」として又はテナント企業が「持続可能な事業活動拠点」として不動産に求める要素を重視します。
本投資法人は、この「入居者が『持続可能な生活拠点』として又はテナント企業が『持続可能な事業活動拠点』として不動産に求める要素」には、(a)経済圏、(b)利便性、(c)機能性/居住性、(d)環境配慮、(e)事業継続計画(Business Continuity Planning)(以下「BCP」といいます。)/安全性、及び(f)ブランドの6つの要素があると考えており、これらの6つの要素を投資の着眼点として重視し分析した上で総合的判断を行うことにより、当該不動産が、戦略的立地に所在しており、かつ、高品質を有しているか、すなわちプライム・プロパティに該当するかについて見極め、投資判断を行う方針です。
また、本投資法人が投資対象の中心と位置付けるプライム・プロパティにおいては、立地や機能性の観点から十分な競争力があると判断されるものの、一定以上の築年数が経過している物件を取得する場合も想定されます。こうした物件の取得に際しては、取得後における将来的な本投資法人の収益性に対する影響及びその対処に関わるリニューアル・バリューアップ等の戦略等について、積水ハウスをはじめとする関係者との協働により検討の上、判断していく方針です。加えて、本投資法人は、プライム・プロパティに該当する居住用不動産及び商業用不動産等以外にも、ポートフォリオの収益性の向上に資することが期待される物件については、中長期的に安定した収益の確保が見込まれるか慎重に検討の上、厳選して投資を行う方針です。
更に、本投資法人は、規約第33条第2項に基づき、投資エリアを主として国内とするとともに、海外に対しても投資できると定めており、上記の居住用不動産及び商業用不動産等への投資方針(投資戦略)と基本的に同様の方針の下、海外に所在する居住用不動産及び商業用不動産等への投資を行う方針です(注)。なお、本投資法人が海外に所在する不動産に投資する場合には、原則として積水ハウス、又は積水ハウスが出資する事業体等が開発に関与し、当該国・地域での信頼のおける不動産運営事業者が運営している不動産又は当該不動産を裏付けとする資産を投資対象とする方針です。
(注) 海外不動産投資に関する基本的な方針に本書の日付現在において特段の変更はありませんが、海外不動産投資を取り巻く現行の法制度及び税制度の進展状況、為替変動をはじめとした投資に関わるリスク、また、これらも背景の一つとして考えられる海外不動産投資に対する投資家の懸念、並びに本投資法人による投資スキームの検討状況等に鑑み、本投資法人としては、本書の日付現在において海外不動産への投資は時期尚早であり、かかる状況について一定の変化や改善等が確認できるまでの少なくとも当面の間は、海外不動産投資全般に関して慎重姿勢をとる方針です。以下同じです。
(ロ)積水ハウス及び積和不動産グループによる多様なサポートを最大限に活用した成長戦略
本投資法人は、積水ハウスとの間でスポンサー・サポート契約(注)を締結し、積水ハウスの有する都市再開発事業に関する実績やノウハウを活用して、(a)積水ハウスが保有又は開発する国内不動産等の売却に関する優先交渉権の付与、(b)第三者が国内において保有又は開発する不動産等に関する情報提供、(c)ウェアハウジング機能の提供並びに(d)保有資産の再開発サポートといった、外部成長のための物件取得に向けたサポート(パイプラインサポート)を積水ハウスより受けることができます。
(注) 当該スポンサー・サポート契約においては、本書の日付現在、本投資法人及び積水ハウス・レジデンシャル投資法人(以下「SHI」といいます。)との間で締結された2018年1月24日付合併契約書に基づく、本投資法人を吸収合併存続法人とし、SHIを吸収合併消滅法人とする吸収合併(以下「本投資法人合併」といいます。)の効力が発生することが効力発生の停止条件とされています。以下同じです。
また、積和不動産各社(7社)(注1)との間で優先交渉権(等)に関する契約を締結し(注2)、特に居住用不動産について、積和不動産各社(7社)が保有又は開発する国内不動産等の売却に関する優先交渉権の付与といった、外部成長のための物件取得に向けたサポートを積和不動産各社(7社)から受けることができます。
積水ハウス及び積和不動産グループ(注3)は、(a)テナントリレーションに基づくPM力、(b)不動産開発事業者としての大規模修繕、リニューアル・バリューアップ及び再開発等による不動産価値の維持・向上を図るノウハウ、並びに(c)様々なタイプのマスターリース事業を展開するノウハウを有しています。本投資法人と本資産運用会社は、積水ハウスとの間でPM業務委託契約(以下「PM契約」ということがあります。)やスポンサー・サポート契約を締結することにより、(a)商業用不動産等に関するPM業務の提供や、(b)内部成長のための保有資産の運用に関わる(i)テナント満足度の向上又は省エネルギー・環境配慮等をはじめとするリニューアル・バリューアップ等に資する技術及びノウハウの提供、(ii)本投資法人の運営に必要なノウハウの提供を含む人的サポート、並びに(iii)商業用不動産等に関するマスターリース契約の締結協議等のサポートを受けることができます。また、積和不動産グループは、全国ネットワークを活用したテナント募集及び効率的な管理実績に裏付けられたPM業務のノウハウを含めたPM力を有しています。本投資法人と本資産運用会社は、積和不動産グループとの間でPM契約を締結することにより、積和不動産グループが有するPM力を活用します。
本投資法人は、これらの外部成長及び内部成長のための積水ハウス及び積和不動産グループの多様なサポートを成長戦略に最大限に活用し、安定的な収益の確保と運用資産の着実な成長を実現し、投資主価値を最大化することを目指します。
(注1) 「積和不動産各社(7社)」とは、積水ハウスが100%出資し、全国に展開する積水ハウスグループ(*)の不動産部門の中核企業である積和不動産株式会社(以下「積和不動産」といいます。)、積和不動産関東株式会社(以下「積和不動産関東」といいます。)、積和不動産東北株式会社(以下「積和不動産東北」といいます。)、積和不動産中部株式会社(以下「積和不動産中部」といいます。)、積和不動産関西株式会社(以下「積和不動産関西」といいます。)、積和不動産中国株式会社(以下「積和不動産中国」といいます。)及び積和不動産九州株式会社(以下「積和不動産九州」といいます。)の総称です。以下同じです。
(*) 「積水ハウスグループ」とは、積水ハウスとその連結子会社及び持分法適用会社で構成される企業集団をいいます。以下同じです。
(注2) 本書の日付現在、本投資法人は、本投資法人合併に伴い、積和不動産各社(7社)、SHI及び積水ハウス・アセットマネジメント株式会社(以下「SHAM」といいます。)との間で締結された各優先交渉権(等)に関する契約(以下、本注において「現行契約」といいます。)を、本投資法人合併の効力発生日である2018年5月1日をもってSHIから承継する方針です。なお、現行契約には、本書の日付現在、SHIと積水ハウス・アセットマネジメント株式会社との間で締結された2005年4月21日付資産運用委託契約書が解約された場合には現行契約も解約される旨の定めがありますが、本投資法人及びSHIは、かかる定めを本投資法人合併に伴い変更の上、承継する方針です。以下同じです。
(注3) 「積和不動産グループ」とは積和不動産各社(7社)が中核となり、その子会社及び関連会社で構成される企業集団をいいます。以下同じです。
(中略)
(ニ)安定的かつ健全な財務運営
本投資法人は、中長期的に安定収益の確保及び投資主価値の向上のために安定的かつ健全な財務運営を行っていく方針です。具体的には、スポンサーである積水ハウスの信用力を背景に、メガバンク中心の国内有力金融機関との強固かつ安定的な取引関係を築くとともに、返済期限の分散化及び長期化並びに金利の固定化等を図ることで、リファイナンスリスクや金利変動リスクを低減していく方針です。本投資法人のLTVはのれんを含まない総資産ベースで45%程度を上限の目処とし、資金余力の確保に留意して保守的な水準で運営する方針です。
(中略)
③ 投資戦略
(イ)プライム・プロパティを中心とした投資
本投資法人は、前記「① 基本理念」に記載のとおり、主としてプライム・プロパティを中心に投資を行うことを通じて、中長期にわたる安定した収益の確保の実現を目指します。
居住用不動産に係る国内における主たる投資対象地域については、東京圏を重点投資エリアと位置付け、その中でも、入居者のニーズに適した立地及び快適性や安全性などの住居としての高い基本性能等を備えたプライム・プロパティが数多く存在すると考えられ、豊富な賃貸需要と優良な物件供給が期待できると考える東京23区を中心に投資することとし、また、積水ハウス及び積和不動産各社(7社)のネットワークを最大限活用できる政令指定都市をはじめとする東京圏以外の全国主要都市及びその周辺通勤圏にも投資を行います。
商業用不動産等に係る国内における主たる投資対象地域については、我が国の経済活動の中心になり、テナント企業の「持続可能な事業活動拠点」に適した立地及び機能性を備えたプライム・プロパティが数多く存在すると考えられ、また、積水ハウスの開発実績に基づき知見がある東京23区、大阪市及び名古屋市の三大都市を中核とする三大都市圏を重点投資エリアと位置付け、その中でも、テナント企業の事業活動の拠点としての需要の厚みを背景として安定的な運用が期待できると考える三大都市を中心に投資することとします。また、三大都市圏以外の全国主要都市も投資対象地域としています。
海外においては、国内不動産にかかわる投資戦略と基本的に同様の方針の下、海外に所在する居住用不動産及び商業用不動産等への投資を行うこととし、積水ハウスの開発実績に基づき知見があるシンガポール、オーストラリア及びアメリカを中心的な投資対象地域に位置付けています。
a. 本投資法人が着目する「戦略的立地」及び「高品質」について
居住用不動産については、入居者の生活の拠点として用いられるものであることから、その生活の拠点に適した立地であること及び快適性や安全性等をはじめとする高い機能性を備えていることがとりわけ重要視され、そのような立地及び機能性を備えた居住用不動産は、入居者の「持続可能な生活拠点」として、相対的に高い賃貸需要が見込まれ、競争上の優位性を有していると、本投資法人は考えています。
また、商業用不動産等については、テナント企業の事業活動の拠点として用いられるものであることから、その事業の活動の拠点に適した立地であること及び利便性等をはじめとする高い機能性を備えていることがとりわけ重要視され、そのような立地・品質を備えた商業用不動産等は、テナント企業の「持続可能な事業活動拠点」として、相対的に高い賃貸需要が見込まれ、競争上の優位性を有していると、本投資法人は考えています。
b. プライム・プロパティに該当するかについて判断する際の着眼点
本投資法人は、居住用不動産及び商業用不動産等への投資に際しては、前記「② 基本方針 (イ) 「戦略的立地」と「高品質」を柱としたプライム・プロパティへの重点投資」に記載のとおり、居住用不動産及び商業用不動産等において、それぞれキャッシュ・フローの源泉となる入居者が「持続可能な生活拠点」として又はテナント企業が「持続可能な事業活動拠点」として不動産に求める要素を重視しています。本投資法人は、この「入居者が『持続可能な生活拠点』として、又はテナント企業が『持続可能な事業活動拠点』として不動産に求める要素」には、(a)経済圏、(b)利便性、(c)機能性/居住性、(d)環境配慮、(e)BCP/安全性、及び(f)ブランドの6つの要素があると考えています。そして、本投資法人は、これらの6つの要素を重点的に分析した上で総合的判断を行うことで、当該不動産がプライム・プロパティに該当するかを選別することとしています。
なお、本投資法人が取得を検討する住居又はオフィスビルである不動産について、かかる6つの要素の分析結果を判断する際の着眼点は、以下のとおりです。
<本投資法人によるかかる6つの要素及びその着眼点>・住居についての具体的な例
要素 | 着眼点 | 関連事項 (注) |
(a) 経済圏 | ■ 通勤圏内・居住人口・駅乗降客数等の観点から安定的な賃貸需要の期待できるエリア | 立地 |
(b) 利便性 | ■ 主要交通路線や主要ターミナルへの良好なアクセス、商業店舗等の併設 | 立地 |
(c) 居住性 | ■ 居住空間としての快適性を与える設計と機能的な設備の設置 ■ 快適な共用空間や機能的な設備の設置、サービスの提供 | 品質 |
(d) 環境配慮 | ■ 共用部及び専有部の省エネ設備等により環境性能を具備 ■ 生物多様性に配慮した植栽やランドスケープデザイン | 品質 |
(e) 安全性 | ■ 災害に対してリスクマネジメントに配慮された建物 ■ 安全性の高い立地、建物の耐震性、災害時の強靭性 | 立地 品質 |
(f) ブランド | ■ エリアとしての人気、物件の認知度 ■ 建物グレード・デザイン性等、品質の高さ | 立地 品質 |
・オフィスビルについての具体的な例
要素 | 着眼点 | 関連事項 (注) |
(a)経済圏 | ■ 商圏人口・居住人口・駅乗降客数等、経済圏としての厚み | 立地 |
(b)利便性 | ■ 主要交通路線からの良好なアクセス ■ 通勤・集客に資する利便性・商業集積・繁華性等 | 立地 |
(c)機能性 | ■ テナント企業の生産性向上につながる快適性を備えた機能設計 ■ 十分な基準階床面積やゆとりある空間設計等 | 品質 |
(d)環境配慮 | ■ 省エネ、屋上緑化等、環境性能を具備 | 品質 |
(e)BCP | ■ 「事業継続性」の基盤となる重要施設を提供 ■ 災害に対する立地・スペック両面からの耐性 | 立地 品質 |
(f)ブランド | ■ エリアとしての品位や建物としての高級感・清潔感 | 立地 品質 |
(注) 「関連事項」に記載された「立地」は戦略的立地を、「品質」は高品質を、それぞれ意味し、上記各要素が優れていることが戦略的立地に所在することと高品質を有することのいずれに強く関連すると本投資法人が分析しているかについて記載しています。上記は本投資法人における分析を簡略化して示したものであり、当該要素が優れている不動産が戦略的立地に所在するか、又は高品質を有することを保証又は約束するものではありません。
また、本投資法人は、プライム・プロパティに該当する不動産以外にも、独自の市場性を有する物件や、当該エリアにおいて特筆するランドマーク性を有する物件、ポートフォリオの収益性の向上に資することが期待される物件については、総合的判断からプライム・プロパティに該当しないと判断される場合であっても、中長期的に安定した収益の確保が見込まれるかについて慎重に検討の上、厳選して投資を行うことがあります。
(ロ)海外不動産への投資
本投資法人は、国内不動産に関わる投資戦略と基本的に同様の戦略の下、海外に所在する居住用不動産及び商業用不動産等への投資も行っていく方針です。すなわち、成長戦略の主軸である国内不動産への投資に組み合わせ、海外不動産への投資機会の確保による外部成長余地の拡大及び当該国・地域における経済成長や人口増加等に伴う不動産から創出されるキャッシュ・フローの増加による内部成長を追求する投資を行うことで、中長期の視点に立った運用資産の着実な成長と安定的な収益の確保を目指す戦略を掲げています。
投資対象とする海外不動産については、国内不動産と同様、プライム・プロパティを中心に投資を行います。また、本投資法人は、海外不動産への投資に当たっては、政治動向、人口動態、経済成長等マクロ的な観点を踏まえ、各国の不動産市場動向・制度及び規則等を含めた投資対象資産の位置する市場を総合的に分析します。また、投資収益性と投資に関わる潜在的リスクの検証(投資適格性の検証)に加え、取得後の現地における管理・運営(リスク管理)の実施が必要になることから、原則として、スポンサーである積水ハウス、又は積水ハウスが出資する事業体等が開発に関与し、当該国・地域での信頼のおける不動産運営事業者が運営し、本投資法人が、投資判断における充分な情報及び管理・運営面のサポートを容易に得られる不動産を投資対象とする方針です。本投資法人の海外不動産に関する投資対象地域は、積水ハウスの開発実績に基づき知見があるシンガポール、オーストラリア及びアメリカを中心的な投資対象エリアとしています。また、各国の法制度、会計制度、税制等のリスクや投資及び収益還元に関連する為替リスク等も総合的に勘案し、慎重に投資を行う方針です。なお、本書の日付現在、積水ハウスは、海外不動産事業を、原則として、当該国・地域における有力な不動産開発・運営事業者(以下「現地パートナー」といいます。)との協働事業として取り組んでいます。そのため、本投資法人が海外不動産への投資を検討する際には、当該現地パートナーが当該物件に対して有する運営力等も重視して、投資判断を行う方針です。
(中略)
④ 成長戦略
(イ)外部成長戦略
a. 積水ハウスのスポンサーサポートを活用した外部成長戦略
-積水ハウスの物件供給力を活用した資産規模の拡大-
本投資法人は、スポンサーである積水ハウスと締結したスポンサー・サポート契約に基づき、日本を代表するハウスメーカーである同社の有する賃貸住宅等の設計、施工及び請負等やオフィスビル開発を含む多数の大規模な都市再開発事業に関わる実績とノウハウを各物件の特性に応じて活用し、着実な外部成長を図っていく方針です。
本投資法人は、スポンサー・サポート契約を、本投資法人及び本資産運用会社並びに積水ハウスとの間で締結しています。
本投資法人は、スポンサー・サポート契約に基づいて、(a)積水ハウスが保有又は開発する国内不動産等の売却に関する優先交渉権の付与、(b)第三者が国内において保有又は開発する不動産等に関する情報提供、(c)ウェアハウジング機能の提供、及び(d)保有資産の再開発サポートを受けることができます。
(中略)
b. 積和不動産各社(7社)との優先交渉権を活用した外部成長戦略
-積和不動産各社(7社)からの物件取得ルートの更なる強化-
積水ハウスグループにおける不動産部門(売買、分譲、賃貸借、物件管理・運営、リフォーム等)を展開する積和不動産グループは、いずれも不動産売買の仲介、賃貸住宅におけるリーシング及び賃貸住宅の管理・運営等を業務内容とする不動産総合企業として、地域毎の営業戦略をもってそれぞれ全国各地で事業を展開しており、地元に密着することで得られる各地域の賃貸住宅マーケット情報を活用して賃貸住宅の企画・開発やその価値を認めた外部の物件に投資・保有を行っています。
本投資法人は、積和不動産各社(7社)からの居住用不動産に係る物件取得ルートの更なる強化を図るべく、積水ハウスからの物件取得ルートに加えて、積和不動産をはじめとする積和不動産各社(7社)とそれぞれ優先交渉権(等)に関する契約を締結し、積和不動産各社(7社)との協働体制を確立しています。これにより、物件取得ルートを東京圏のみならず全国主要都市にも展開し、本投資法人の居住用不動産に係る投資対象地域を網羅的にカバーすることが可能な積和不動産各社(7社)の物件パイプラインを活用して外部成長を図っていく方針です。
本投資法人及び本資産運用会社は、積和不動産及び積和不動産関東との間でそれぞれ優先交渉権等に関する契約を締結しており、当該契約に基づき(a)積和不動産及び積和不動産関東が保有又は開発する国内不動産等の売却に関する優先交渉権の付与、(b)第三者が国内において保有又は開発する不動産等に関する情報提供を受けることができます。また、本投資法人及び本資産運用会社は、積和不動産東北、積和不動産中部、積和不動産関西、積和不動産中国及び積和不動産九州との間でそれぞれ優先交渉権に関する契約を締結しており、当該契約に基づき(a)積和不動産東北、積和不動産中部、積和不動産関西、積和不動産中国及び積和不動産九州が保有又は開発する国内不動産等の売却に関する優先交渉権の付与を受けることができます。
本投資法人は、これらの積和不動産各社(7社)からのサポートを活用することにより、居住用不動産を中心とする安定的な物件取得機会を確保していく方針です。
c. 本資産運用会社の独自のノウハウ等を活用した外部成長戦略
-本資産運用会社独自のルートによる第三者からのソーシング-
本資産運用会社は、積水ハウスにおいて都市再開発事業(本投資法人の主な投資対象となる居住用不動産及び商業用不動産等の開発・運営・管理等)を長年にわたり経験したメンバーとJ-REITの資産運用会社において資産運用を長年にわたり経験したメンバーを中心に構成されています。本資産運用会社は、積水ハウスからの情報提供に基づく資産取得による外部成長のみならず、かかるメンバーが積水ハウスでの開発・運営又はJ-REITの資産運用会社における資産運用等で培った資産取得に関する独自のノウハウと情報収集ネットワークを活用して、本投資法人の外部成長を目指します。
(ロ)内部成長戦略
本投資法人は、積水ハウスとの間で積水ハウスのノウハウ等を活用するため、PM契約やスポンサー・サポート契約を締結し、積水ハウスより、(a)商業用不動産等に関するPM業務の提供や、(b)内部成長のための保有資産の運用に関わる(i)テナント満足度の向上又は省エネルギー・環境配慮等をはじめとするリニューアル・バリューアップ等に資する技術及びノウハウの提供、(ii)本投資法人の運営に必要なノウハウの提供を含む人的サポート、並びに(iii)商業用不動産等に関するマスターリース契約の締結協議等のサポートを受けます。また、本投資法人は、不動産賃貸事業に係るノウハウ及び全国ネットワークを有する積和不動産グループに本投資法人が保有する居住用不動産に係るPM業務を委託することで、居住用不動産の運営・管理における協働体制を確立しています。
積水ハウス及び積和不動産グループは、(a)テナントリレーションに基づくPM力、(b)不動産開発事業者としてのリニューアル・バリューアップ等による不動産価値の維持・向上を図るノウハウ、及び(c)様々なタイプのマスターリース事業を展開するノウハウを有しています。本投資法人は、かかるサポートを各物件の特性に応じて活用して内部成長を実現する方針です。
a. テナントリレーションに基づくプロパティ・マネジメント
本投資法人は、PM会社と協働して、テナントニーズを反映したきめ細かい対応を行い、テナント満足度の向上と解約によるテナント流出の回避に努めることで、賃料及び稼働率の維持向上を図る方針です。かかる方針を実現するため、本投資法人は、個々の運用資産の運営に当たり、当該不動産のテナントとのテナントリレーション、新規テナントリーシングに関する情報網、営業力、及び当該不動産に対する管理能力等の観点から、積水ハウス又は積和不動産グループの有するPM力を活用することが有効かつ適切と判断される場合には、後記「⑦ ポートフォリオ運営・管理方針 (ロ) PM会社の選定・管理方針」に定めるPM会社の選定基準を満たすことを条件に、原則として積水ハウス又は積和不動産グループにPM業務を委託し、そのPM力を活用します。
b. 積水ハウス及び積和不動産グループの有するノウハウを活用した運営管理
本投資法人は、各運用資産において、PM会社等と協働の上、運営管理の効率化及び管理費用の随時見直しにより、費用の適正化に努める方針です。管理費用の削減に際しては、運用資産の競争力及びテナント満足度の維持向上を図りつつ、総合的な観点から、以下のような一連のコストマネジメントを実施します。
・テナント退去後の原状回復費用及び予防保全の観点での計画修繕等工事に関する品質・コスト・工程の適切な管理
・運営管理の効率化と管理費用の適正化
・リーシングコストの適正化
・省エネ機器等の新技術の導入によるエネルギー使用量の削減に伴う水道光熱費のコストダウン
また、本投資法人は、かかる施策の実施にあたり、積水ハウス又は積和不動産グループの持つコストマネジメントに関するノウハウを運用資産の特性に応じて活用することで、本投資法人が保有する運用資産のプレゼンスを高め、内部成長をより効果的に達成することを目指します。
c. リニューアル・バリューアップ等を通じた不動産価値の維持・向上を図る取組み
本投資法人は、各運用資産のPM会社等と協働の上、入居者及びテナント企業に対して、安全で快適な環境及び空間の提供と、その満足度を高める環境性能や高い機能性を確保するため、リニューアル・バリューアップ等を含む適切なメンテナンスを実施し、これらを通じて各運用資産の価値と競争力の維持・向上を図っていく方針です。また、本投資法人は、積水ハウスの有するテナント満足度の向上又は省エネルギー・環境配慮等をはじめとするリニューアル・バリューアップ等に資する技術及びノウハウを活用し、各運用資産の競争力の維持及び向上を図る方針です。
かかる方針を実現するため、本投資法人は、積水ハウスの有する不動産開発事業者として培った環境配慮技術や、住宅事業において培われた自然光の採光や良好な外構計画等のノウハウをはじめとする様々なノウハウを各運用資産の特性に応じて活用します。
d. マスターリースの導入による円滑な資産運用
本投資法人は、各運用資産の状況、賃料収入の安定性及び運営管理の効率性等の事情を総合的に勘案し、各運用資産の特性に応じて、テナントとの直接契約(ダイレクトリース)、パススルー型マスターリース又は賃料固定型マスターリース等の賃貸借スキームを採用する方針です(かかる運用会社の賃貸借スキーム選定方針の詳細については、後記「⑦ ポートフォリオ運営・管理方針 (イ) テナント管理・リーシング方針 c. 賃貸借スキーム選定方針」をご参照下さい。)。また、取得を検討している商業用不動産等において、本資産運用会社が有効と判断した場合、スポンサー・サポート契約に基づき、本資産運用会社は積水ハウスとの間で各物件の特性に応じた形態によるマスターリース契約の締結等に向けた検討・協議を行うことができるものとされています。本投資法人は、各商業用不動産等の特性に応じて積水ハウスをマスターレッシーに採用するなど、各運用資産の特性に応じた形態での賃貸借スキームを採用することで、高い信用力を有するテナントを確保しつつ、必要に応じて収益連動型賃料による運用資産の内部成長余力等を確保する等、円滑な資産運用に向けた施策を検討していく方針です。
(ハ)海外不動産投資にかかる成長戦略
本投資法人は、国内不動産に関わる投資戦略と基本的に同様の戦略の下、海外に所在する居住用不動産及び商業用不動産等への投資も行っていくに当たり、投資に関わるデュー・ディリジェンス(投資適格性の検証)の観点、取得後の管理・運営(リスク管理)の観点から、原則として積水ハウス、又は積水ハウスが出資する事業体等が開発に関与し、当該国・地域での信頼のおける不動産運営事業者が運営している不動産を投資対象とする方針です。
本投資法人は、前記「② 基本方針 (イ) 「戦略的立地」と「高品質」を柱としたプライム・プロパティへの重点投資」に記載のとおり、海外不動産投資に際しては、原則として積水ハウス、又は積水ハウスが出資する事業体等が開発に関与し、当該国・地域での信頼のおける不動産運営事業者が運営している不動産又は当該不動産を裏付けとする資産を投資対象とする方針であり、投資対象地域は、積水ハウスの開発実績に基づき知見があるシンガポール、オーストラリア及びアメリカを中心的な投資対象エリアとしています。
(中略)
⑥ 投資方針
(イ)ポートフォリオ構築方針
本投資法人は、主たる用途が住居又はオフィスビルである不動産をポートフォリオの中核資産として位置付け、用途別の投資比率及び中長期的な投資比率目標は、それぞれ以下を目途とします。
<用途別投資比率>
主な投資対象資産 | 用途 (注1) | 投資比率 (取得価格ベース) | 中長期的な 投資比率目標 (注2) |
居住用不動産 | 住居 | 30%~55% | 45%程度 |
商業用不動産等 | オフィスビル | 30%~55% | 45%程度 |
ホテル | 0%~30% | 10%程度 | |
商業施設等 | 0%~10% | 0%~10%程度 |
(注1) 複合的な用途に供される不動産について、その主たる用途を判断するに際しては、以下に掲げる基準を参考として決定します。なお、複合的な用途に供される不動産には、一棟の建物が複合的な用途に供されている場合のほか、総合的設計制度等により複数の建物が一体として機能している場合又は複数の建物が隣接する場合も含みます。
(i) 主たる用途は、原則として賃貸可能面積比率が過半を超える用途としますが、著しく収益性が異なるなど賃貸可能面積の比率により用途を決することが妥当でない場合には、賃料収入の比率等を考慮の上、総合的に判断します。
(ii)取得価格、不動産鑑定評価等のバリュエーション等において用途別の分別管理が可能な場合には用途毎に分割します。
(iii)取得価格、不動産鑑定評価等のバリュエーション上、群管理が必要となるような施設設計であり一体としての運用が望ましい場合、群管理後の一体となった不動産で判断することも可能とします。
(注2) 中長期的に目標とするポートフォリオにおける投資比率の目安を記載しています。当該各比率を達成することについて保証又は約束するものではなく、実際の投資比率は当該各比率と大幅に異なる可能性があります。
投資エリアは、主として国内とし、その比率は80%以上(海外への投資比率は20%未満)(取得価格ベース)を目途として運用します。国内への投資のうち居住用不動産については東京圏を、商業用不動産等については三大都市圏を重点投資エリアと位置付け、居住用不動産については、東京圏の中でも、豊富な賃貸需要と優良な物件供給が期待できると考える東京23区を中心に投資をしていく方針です。商業用不動産等については、重点投資エリアである三大都市圏の中でも、テナント企業の事業活動の拠点としての需要の厚みを背景として安定的な運用ができると期待できると考える三大都市を中心に投資をしていく方針です。なお、投資エリアごとの投資比率の詳細については、以下に記載の表のとおりとします。
<居住用不動産の投資エリア別投資比率>
区分 | 具体的なエリア | 投資比率 (取得価格ベース) |
東京圏 ≪重点投資エリア≫ | (a)東京都 (b)神奈川県 (c)千葉県 (d)埼玉県 | 70%以上 |
全国主要都市 | (a)政令指定都市等(注1) (b)上記(a)の通勤圏(注2) | 30%未満 |
(注1) 「政令指定都市等」とは、東京圏以外の都市で、政令指定都市、中核市、施行時特例市及び県庁所在地のいずれかに該当するものをいいます。
(注2) 「通勤圏」とは、対象の都市の中心部から概ね30分程度の所要時間にて通勤可能な周辺部をいいます。
<商業用不動産等の投資エリア別投資比率>
区分 | 具体的なエリア | 投資比率 (取得価格ベース) |
三大都市圏 ≪重点投資エリア≫ | (a)東京圏 (b)大阪圏 (c)名古屋圏 | 80%以上 |
その他 | 三大都市圏以外の全国地域 | 20%未満 |
(ロ)投資基準
本投資法人は、国内不動産及び海外不動産を取得するに際し、以下の投資基準により投資を行います。
a. 用途別
i.住居
(i) 投資金額(注) | 原則として3億円以上とします。ただし、区分所有物件の持分、共有物件の共有持分、運用資産の隣接地の不動産又は運用資産と一体として機能している不動産を買い増す場合には、この限りではありません(以下、投資金額について同じです。)。 (注) 「投資金額」とは、取得価格をいい、消費税等の諸費用(海外不動産の場合は、税金及び諸費用)は含まず、海外不動産の場合は、邦貨換算額によります。ただし、国内不動産又は海外不動産を保有する法人の株式や匿名組合出資等を含まず、これらの資産には、投資金額の制限は適用しません。以下同じです。 |
(ii) 立地 | 東京圏及び政令指定都市をはじめとする東京圏以外の全国主要都市並びにそれらの周辺通勤圏を主たる投資対象地域と位置付け、そのうち特に東京圏を重点投資エリアとし、中でも三大都市を中心に投資します。 |
(iii) 規模 | 原則として建物の延床面積が660㎡以上の物件を投資対象とします。 |
(iv) 住居タイプ | 本投資法人は、以下の住居タイプの物件を投資対象とします。その中でも、相対的に高い賃貸需要と収益性が見込まれるシングル・コンパクトタイプを主な住居タイプとする物件に加え、エリア特性を勘案し、安定的な収益性が見込まれるファミリータイプを主な住居タイプとする物件を主たる投資対象とします。 また、ラージタイプを主な住居タイプとする物件については、立地環境等を慎重に分析の上、厳選して投資を行います。 |
区分 | 投資基準・分類方法 |
シングル | ○主たるテナント 単身生活者 会社都合による単身生活者 ○望ましい立地環境 交通利便性、商業利便性が高い周辺住環境 |
コンパクト | ○主たるテナント 子供のいない共働きの夫婦 所得水準の高い単身生活者 会社都合による単身生活者及び夫婦 子供が独立した高齢の夫婦 自宅を仕事場とする独立事業者(SOHO) ○望ましい立地環境 交通利便性、商業利便性が高く、文化施設至近の周辺住環境 |
ファミリー | ○主たるテナント 家族数2から4名程度の一般的家族 所得水準の高い単身生活者 会社都合による単身生活者、夫婦及び家族 ○望ましい立地環境 職場への通勤利便性、教育施設への通学利便性が高く、かつ閑静で治安良好な周辺住環境 |
ラージ | ○主たるテナント 企業経営者、個人事業主、外国人駐在員等の富裕層 ○望ましい立地環境 東京圏主要都市部においても厳選した立地にあり、職場への通勤利便性が著しく高く、かつ閑静で治安良好な周辺住環境 |
ii.オフィス
(i) 投資金額 原則として10億円以上とします。
(ii) 立地 三大都市を中核とする三大都市圏及び三大都市圏以外の全国主要都市を主たる投資対象地域と位置付け、そのうち特に三大都市圏を重点投資エリアとし、中でも三大都市を中心に投資します。
(iii) 規模 原則として、建物の延床面積3,000㎡以上の物件を投資対象とします。
iii.ホテル
(i) 投資金額 原則として10億円以上とします。
(ii) 立地 三大都市を中核とする三大都市圏及び三大都市圏以外の全国主要都市を主たる投資対象地域と位置付け、そのうち特に三大都市圏を重点投資エリアとし、中でも三大都市を中心に投資します。
(iii) 規模 ホテルについては様々な業態があり、業態によって物件特性が異なることに鑑み、具体的な規模の基準は設けず、対象不動産ごとに、個別の立地特性による地域性、業態ごとの規模・客室数等を総合的に勘案した上で、投資を行います。
iv.商業施設等
投資金額については、原則として3億円以上とし、エリアについては、三大都市を中核とする三大都市圏及び三大都市圏以外の全国主要都市を主たる投資対象地域と位置付け、そのうち特に三大都市圏を重点投資エリアとし、中でも三大都市を中心に投資しますが、商業施設等については様々な用途があり、用途によって物件特性が異なることに鑑み、具体的な用途別の規模等の基準は設けず、対象不動産ごとに、個別の立地特性による地域性、代替テナント確保の容易性、設備の汎用性等を総合的に勘案した上で、投資を行います。
b. 共通
i. 取得価格
投資に際しては、鑑定評価額を参考に、本資産運用会社の評価額を基本として総合的に判断します。
利害関係者との取引においては、鑑定評価額(不動産鑑定評価額等の対象となっていない税金及び取得費用等のほか、信託勘定内の積立金、信託収益、固定資産税等の期間按分の精算額を含みません。)を超えた価格での取得は行いません。
なお、海外資産についても上記に準じるものとします。
ii. 耐震性
原則として、新耐震基準(昭和56年改正の建築基準法に基づく耐震基準)に基づく施工又は補強工事等により新耐震基準と同等以上の耐震性能を有すると判断される物件を取得します。
なお、海外資産については、当該国・地域における耐震性の法令上の基準を遵守し、かつ地域での実務を勘案し総合的な判断の上投資決定をします。
iii. 地震PML
個別PML(Probable Maximum Loss: 予想最大損失率)(以下「PML」といいます。)値(注)が20%を超える場合は地震保険の付保を検討します。原則、国内ポートフォリオPML値は10%を超えないものとします。
なお、海外資産については、当該国・地域における耐震性の法令上の基準を遵守し、かつ地域でのPML値の取得の可否、地震保険の存否、現地実務等を勘案し総合的な判断を行います。
(注) 「PML値」とは、本書においては、想定した予定使用期間中に想定される最大規模の地震(50年間で10%を超える確率で発生すると予想される大地震=再現期間475年相当の大地震)によりどの程度の被害を受けるかを、非超過確率に相当する予想損失額の再調達価格に対する割合(%)で示したものです。ただし、予想損失額は、地震動による建物(構造体、仕上げ、建築設備)のみの直接損失に関するものだけであり、機器、家具、什器等の被害や地震後の水又は火災による損失、被災者に対する補償、営業中断による営業損失等の二次的被害は含まれていません。以下同じです。なお、海外においてPMLに準じた規制又は基準がない場合には、これに代わる基準を定めて投資決定をします。
iv. 環境・地質
建物内におけるアスベスト等の有害物質の取扱・保管状況及び敷地内の土壌の状況・状態が大気汚染防止法(昭和43年法律第97号。その後の改正を含みます。)や土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。)(以下、「土壌汚染対策法」といいます。)等関連法令に適合している若しくはこれらへの対応策が十分に講じられていることを原則とします。ただし、取得後是正が見込まれる場合には、取得することがあります。
また、海外資産においては、当該国・地域における環境・地質等の法令上の基準を遵守し、かつ地域での実務を勘案し総合的な判断の上投資決定をします。
v. 権利関係
所有権、賃借権、地上権等権利の態様を確認した上で、共有、区分所有、借地の場合は、物件の特性を総合的に勘案し、権利関係者の信用力・属性等に特段問題が無く、運営・管理や持分処分における制約事項・リスクが少ないことを原則とします。
また、海外資産においては、当該国・地域における権利関係等の調査を行い、かつ地域での実務を勘案し総合的な判断の上投資決定をします。
vi. 安定稼働不動産への投資
本投資法人は、安定したキャッシュ・フローを確保するため、原則として、安定してキャッシュ・フローを創出している不動産等に投資をします。ただし、短期的に稼働率の低下した不動産等については、将来における稼働率の向上が早期に見込める場合や、スポンサー・サポートを伴う場合には、厳選して投資決定を行うことがあります。この場合には、慎重な判断を行うものとします。
なお、海外資産についても同様とします。
vii. 開発物件に対する投資
建設中の不動産については、竣工後のテナントの確保が十分可能と判断され、かつ完工・引渡しのリスクが低い場合、建物竣工後の取得及び当該不動産にかかるデュー・ディリジェンスの結果に問題がないことを条件として、当該建設中の不動産等にかかる不動産関連資産又は不動産対応証券の取得に関する契約を締結できます。
(ハ)デュー・ディリジェンス基準
投資対象資産の取得に際して、本資産運用会社は以下に記載の経済的調査、物理的調査及び法的調査を十分に実施し、資産価値の維持・向上を阻害する要因等の有無等の把握及びそれらの評価を中心とした、当該運用資産の投資対象としての妥当性について検討を行います。かかる検討に当たり、本資産運用会社は調査能力及び経験を有する第三者が作成する建物状況調査報告書、マーケットレポート、地震リスク調査報告書等を参考とし、現地調査、譲渡予定者等へのヒアリング等を実施します。
なお、海外不動産に投資する場合は、基本的に日本の不動産に投資する場合の基準に準じ、現地の法制度や特殊事情を加味した上でデュー・ディリジェンスを実施します(注)。
調査項目 | 内容 | |
経済的調査 | テナント調査 | ・信用状況(業種、業容、業歴、決算内容、財務状況等) ・賃料支払状況等 ・テナント数、賃借目的、契約形態、契約内容及びその継承の有無、世帯状況( 居住用不動産の場合)及び用途等 ・現在及び過去の稼働率、平均入居期間、賃料推移及び将来の見通し ・各物件における各既存テナントの専有割合、分布割合等 ・連帯保証人の有無及びその保証能力 |
マーケット調査 | ・商圏の状況(商圏人口、世帯数及び商業指標等) ・市場賃料、稼働率の調査 ・競合物件の有無及び競合状況 ・周辺の開発計画の動向 ・テナントの需要動向等 ・テナント誘致の可能性 ・物件の処分(売却)の可能性 | |
収益性調査 | ・賃貸借契約形態と賃料の安定性 ・レントロールの確認 ・賃貸借契約水準、賃貸借契約体系及び更新の可能性 ・費用水準、費用関係の契約体系及び更新の可能性 ・適正賃料水準、適正費用水準の調査及び将来予想される費用負担の可能性 ・修繕履歴及び修繕計画との比較 ・修繕積立状況 ・公租公課の確認 |
調査項目 | 内容 | |
物理的調査 | 立地調査 | ・街路の状況、鉄道等の公共交通機関の利便性及び公共交通機関の乗降客数 ・利便施設、経済施設、教育施設、官公署、娯楽施設等の配置及び近接性(居住用不動産の場合) ・周辺土地の利用状況及び将来の動向 ・日照、眺望、景観及び騒音等の状況 ・公共サービス・インフラ整備状況(居住用不動産の場合) ・都市計画及び地区計画 ・地域の知名度及び評判、規模の状況 |
建物調査 | ・意匠、主要構造、築年数、設計者・確認検査機関・施工業者等 ・内外装の部材状況 ・設計図書、建築確認通知書、検査済証等の書類調査 ・外構、屋上、外装、設備等についての現地調査 ・建築基準法・消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含む。)・都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)(以下「都市計画法」といいます。)等建築関連法令及び自治体による指導要項等の遵守状況等 ・耐震性能(新耐震基準又は同等の耐震性能を有しているか) ・地震リスク分析、耐震診断実施、地震PML値の検証 ・管理規約の有無・内容、管理委託契約の内容(形態、仕様水準等)及び建物管理状況の良否、建物管理会社等へのヒアリング ・施工業者からの保証及びアフターサービス内容 ・近隣住民との協定書の有無 <居住用不動産>・戸数、住居タイプ、間取り、天井高、空調設備、防犯設備、放送受信設備、インターネット配備状況、給排水設備、昇降機設備、駐車場、駐輪場、エントランス仕様等その他共用設備の状況等 <商業用不動産等>・前面道路との位置関係及び前面道路からの視認性、周辺環境の繁華性、開口又は奥行等の形状と広さ、賃貸可能面積、テナント数、営業可能業種、階数、天井高、空調方式、フリーアクセスフロア、床荷重、セキュリティ設備、電気容量、照度、区画割対応、防災設備、昇降機設備、駐車場その他共用設備の状況 | |
環境調査 | ・アスベスト・PCB等の有害物質の使用履歴、使用状況及び保管状況 ・地質状況、土地利用履歴、土壌汚染状況等 | |
法的調査 | 権利関係 | ・土地及び建物について、その権利関係(完全所有権、地上権、借地権、共有、分有、区分所有、区分所有の共有等)の把握と権利関係に付随する各種契約等(共有物分割請求及び共有物分割等に関する措置、対抗要件具備の状況等を含む。)の内容の検討 ・抵当権、地役権及び通行権等の権利の付着 ・隣接地権者等との紛争の有無 |
法令上の制限 | ・遵法性、既存不適格の有無 ・建築関連法規、条例、協定等による建築制限、用途制限、使用制限等の有無 | |
契約関係 | ・信託契約、賃貸借契約、転貸借契約、使用契約等の第三者との契約内容の確認・調査 ・テナントとの紛争の有無 | |
境界調査 | ・境界確定の状況、越境物の有無とその状況 ・実測面積の確定状況 ・境界紛争の有無 |
(中略)
⑦ ポートフォリオ運営・管理方針
本投資法人は、日本国内において取得した資産の運営及び管理を行うに際し、以下の方針と基準によるものとします。
また、海外において取得した資産の運営及び管理に際しても、原則として、日本国内に準じた基準によるものとします。
(イ)テナント管理・リーシング方針
a. テナント管理方針
i. テナント管理
本投資法人は、PM会社の協力の下で、テナントとの良好な関係を構築し、テナントの意見・不満・要望等を反映した運営管理を行うことを目指します。また、テナントからのクレームに対しては、PM会社と協働して誠実に対応します。
これらを通じて、テナント満足度の向上に努めます。
ii. 賃料保全策
(i) 居住用不動産の場合
本投資法人は、賃貸借契約締結の際、テナントが保証会社の倒産リスク等を負うことをPM会社を通じ事前に伝えた上で、テナントに、連帯保証人による保証又は保証会社による賃料保証を選択させます。
(ii) 商業用不動産等の場合
本投資法人は、商業用不動産等については、敷金による賃料保全を原則としますが、テナントの属性、資力等を勘案して、保証による賃料保全が必要と判断した場合には、PM会社を通じて、テナントが負うべき保証会社の倒産リスク等を含め協議した上で、連帯保証人による保証、保証会社による賃料保証等を用いた適切な賃料保全を図るものとします。
iii. 賃料回収手続
万一賃料の延滞が発生した場合には、PM会社を通じ、テナント若しくは連帯保証人に対する催告又は保証会社への賃料督促及び賃料回収代行の依頼を行い、一定期間内に回収できない賃料については、連帯保証人又は保証会社に代位弁済を求めます。賃料の遅延が長期化し、その解消が見込めないと本投資法人が判断した場合は、賃貸人をして、賃貸借契約を解除させ、当該テナントの早期退去を求めるとともに、敷金の清算及び未収金の回収を行わせます。
b. リーシング方針
運用資産の立地、用途、テナント等の分類に応じた周辺の賃貸マーケット動向及びテナントの需要動向を調査・把握し、個別物件における適正な賃貸条件等の検討を行うとともに、PM会社を、最大限に活用し、的確なリーシング活動を実施することにより、テナント情報の収集及び優良テナントの選定に努めます。
また、PM会社と連携し、良好なテナントリレーションを維持することにより、既存テナントの転居、増床又は移転ニーズ等の早期把握に努めます。
テナントとの賃貸借契約締結に際しては、本資産運用会社がその社内規程に従い属性、業績、信用力、及び賃料、賃貸借期間等の契約内容等について検討を行い、総合的に判断するものとします。
c. 賃貸借スキーム選定方針
本投資法人は、運用資産の状況、賃料収入の安定性及び運営管理の効率性等の事情を総合的に勘案し、テナントとの直接契約(ダイレクトリース)、パススルー型マスターリース又は賃料固定型マスターリース等の賃貸借スキームを選定します。
本投資法人の用いる主たる賃貸借スキームは、以下のとおりです。
賃貸借スキームの形態 | スキームの説明 | |
ダイレクトリース | マスターリースを採用せず、信託受託者又は本投資法人がエンドテナント(賃借人)に直接賃貸する方式 | |
マスターリース | 信託受託者又は本投資法人がML会社(転貸人)(注)に一括して賃貸し、ML会社がエンドテナント(転借人)(注)に転貸する方式 | |
パススルー型マスターリース | ML会社が支払う賃料と、エンドテナントが支払う賃料が常に同額となるマスターリース方式 | |
賃料固定型マスターリース | ML会社が支払う賃料を、転借人がML会社に支払う賃料にかかわらず一定額とするマスターリース方式 |
(注) 「ML会社」とは、信託受託者又は本投資法人から各物件を一括して借り受け、各物件の区画を他の第三者に転貸する者をいい、以下「マスターリース会社」ということがあります。また、「エンドテナント」とは、借り受けた各物件の区画につき、賃貸人に対して実質的に賃料を支払う者(賃料固定型マスターリースにおけるML会社を含みます。)をいいます。以下同じです。
d. 商業用不動産等に係る賃料固定型マスターリースにおける一部収益連動型賃料の採用
本投資法人は、商業用不動産等について賃料固定型マスターリースを賃貸借スキームに採用した場合において、運用資産の内部成長余力等を勘案し、賃料の一部に、ML会社が獲得する収益が一定額を超過した場合等、一定の場合にML会社の収益に連動した賃料が支払われる旨の定め(収益連動型賃料)を採用することがあります。
(ロ)PM会社の選定・管理方針
a. PM会社の選定・管理
PM会社の選定に当たっては、業歴や財務体質、管理体制及び人員体制等の組織体制、対象となる運用資産の所在地域に関する知識・経験、対象となる運用資産における実績、報酬及び手数料の水準等を総合的に考慮し、本投資法人の総合的な収益向上に寄与する会社を選定します。
なお、上記業務委託に当たり、「利害関係者取引規程」及び「プロパティ・マネジメント会社選定・管理基準」に基づき、業務遂行状況等について外部の評価機関による評価等を定期的に行い、その結果が一定水準に達しない場合には、業務内容の変更及び改善の指示を行い、又はPM会社の変更を行います。
b. 物件管理運営状況の把握
本投資法人は、PM会社から原則として毎月、各運用資産の収支状況、テナントからの要望・クレーム等、諸問題に関し、管理運営状況を把握して、運営計画と実績について差異分析を行うとともに、PM会社に必要な指図を行い、安定した収益の確保を目指します。
(中略)
(ニ)不動産に関する匿名組合出資、優先出資等のエクイティ出資案件における管理等の方針
不動産に関する匿名組合出資、優先出資等の不動産を裏付けとした資産たるエクイティ出資を行う場合における当該不動産の管理等に当たっては、当該エクイティ出資先の管理の状況を適切にモニタリングするように努めるとともに、当該エクイティ出資先に必要な要請を行う等により、適切な管理を実施させるよう努めることを原則としますが、共同出資者の有無及び持分割合、エクイティ出資先の管理能力、パートナーの有無及び関与の程度その他諸般の事情を総合的に考慮し、必要に応じて個別に対応します。
(ホ)運用資産に関する付保の方針
火災・事故等に起因する建物への損害や、第三者からの損害賠償請求等のリスクに対処するため、必要な火災保険及び損害賠償保険等を運用資産に付保します。
地震保険の付保は、前記「第一部 ファンド情報 第1 ファンドの状況 2 投資方針 (1)投資方針 ⑥ 投資方針 (ロ)投資基準」記載のとおり、個別PML値が20%を超える場合において、地震の発生時に予想される個別物件及びポートフォリオ全体に対する影響並びに保険の実効性を勘案して総合的に判断します。
海外において取得した資産についても原則として上記と同様としますが、当該国・地域における特有のリスクの調査を行い、かつ地域での実務を勘案して総合的に判断します。
⑧ 財務方針
(中略)
(ハ)キャッシュ・マネジメント
本投資法人は、資金効率の向上に向けた最適なキャッシュ・マネジメントを図っていく方針です。
本投資法人は、居住用不動産及び商業用不動産等の管理・運営において高い専門性と実績を有する積水ハウスグループによるPM力を最大限に活用することで、運用資産の競争力の維持・向上に向けた適切な対応を行うと共に、資金効率の向上に向けた最適なキャッシュ・マネジメントを図っていく方針です。具体的には、以下への配分を考えます。本投資法人は、かかるキャッシュ・マネジメントに関するこれらの直接的及び間接的な施策を通じて、中長期的な投資主価値の向上を図ります。
i. 新規の不動産投資
ii. 不動産の競争力を高める適切な維持管理修繕
iii.有利子負債返済による負債コストの削減
iv. 利益超過分配の実施
v. 自己投資口の取得
なお、本投資法人は、キャッシュ・マネジメントに係る以下の3つの基本的な方針を定めています。
a. 本投資法人の想定される資金需要に対応するため、妥当と考えられる金額の現預金を常時保有します。
b. 余剰資金の運用は、安全性及び換金性を考慮し、市場環境及び資金繰りの状況を十分に勘案の上、慎重に行います。
c. 本投資法人がテナントから預かった敷金及び保証金等を資金として活用することができます。
(後略)
(3)変更の年月日
2018年5月1日(予定)