有価証券報告書(内国投資証券)-第5期(平成28年11月1日-平成29年4月30日)

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2017/07/28 15:00
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(1)【投資方針】
① 基本理念
本投資法人は、投資主やテナント企業をはじめとする全てのステークホルダーと共に発展することを目的とし、中長期にわたる安定した収益の確保と運用資産の着実な成長を目指した資産運用を通じて、質の高い社会資本の提供と投資主価値の最大化を目指すことを基本理念としています。
本投資法人は、かかる基本理念を打ち立てるに際し、資産の運用を委託する本資産運用会社のスポンサーである積水ハウスとその取組み(人間性豊かな住まいと環境の創造に取り組み、全ての人々が快適に暮らせる社会の構築に寄与できる「住生活創造企業」を目指すこと)を共有しています。即ち、積水ハウスは、住まいとまちが作り出す住環境を人の大切な生活基盤と受け止め、新しい時代の社会資本となる都市開発に取り組んでいます。また、自然と共生し、時が経つほどに美しさが高まる「経年美化」の思想に基づき、都市空間、住環境を創造し、質の高い社会資本を提供していくことを目指しており、これらを実現することで、人間性豊かな住まいと環境の創造に取り組み、全ての人々が快適に暮らせる社会の構築に寄与できる「住生活創造企業」となることを目指しています。更に、積水ハウスは、住宅を基軸としたサステナブル社会(持続可能な社会)の実現を目指しており、「住まいづくり」「まちづくり」を通じて地球温暖化、エネルギー不安、生態系の破壊等を含む様々な社会課題に取り組んでいます。
本投資法人は、かかる基本理念の背景として、主な投資対象と位置付ける商業用不動産のキャッシュ・フローの源泉となるテナント企業において、その事業の「持続可能な活動拠点」としてのニーズに即した立地(本投資法人は、このような立地を「戦略的立地」と呼称します。以下同じです。)に所在している不動産、及び利便性等をはじめとする高い機能性(本投資法人は、このような高い機能性を「高品質」と呼称します。以下同じです。)を有する不動産に対するニーズが高まりつつあるとの基本認識を有しています。
本投資法人は、かかる基本理念及び基本認識の下、主な投資対象と位置付ける商業用不動産の中でも、戦略的立地に所在する、又は高品質な商業用不動産について、中長期にわたる安定した収益の確保が期待される投資対象であると考え、これをプライム・プロパティと呼称し、投資対象の中核とします(以下、本投資法人が投資対象の中核とするかかる商業用不動産を「プライム・プロパティ」といいます。)。
本投資法人は、これまでに商業用不動産を開発し、運営してきた豊富な実績を有する積水ハウスの不動産開発力及び運営力等をスポンサーサポートを通じて最大限に活用する成長戦略を推進することで、中長期にわたる安定した収益の確保と運用資産の着実な成長を実現し、投資主価値を最大化することを目指します。

② 基本方針
(イ)「戦略的立地」と「高品質」を柱とした商業用不動産への投資
本投資法人は、前記「① 基本理念」に記載のとおり、プライム・プロパティを中心に投資を行いますが、プライム・プロパティを選別して投資するに際しては、戦略的立地に所在しているか、又は高品質を有しているかを見極める基準として、商業用不動産のキャッシュ・フローの源泉となるテナント企業が、その事業の「持続可能な活動拠点」として不動産に求める要素を重視します。
即ち、本投資法人は、テナント企業において、その事業の「持続可能な活動拠点」としてのニーズに即した立地(戦略的立地)に所在する、又は利便性等をはじめとする高い機能性(高品質)を有する商業用不動産をプライム・プロパティとして投資対象の中核とします。本投資法人は、この「テナント企業が、その事業の『持続可能な活動拠点』として不動産に求める要素」には、(a)経済圏、(b)利便性、(c)機能性、(d)環境配慮、(e)事業継続計画(Business Continuity Planning)(以下「BCP」といいます。)、及び(f)ブランドの6つの要素があると考えており、これらの6つの要素を投資の着眼点として重視し、かつ分析した上で総合的判断を行うことにより、当該商業用不動産が、戦略的立地に所在しているか、又は高品質を有しているか、即ちプライム・プロパティに該当するかについて見極め、投資判断を行う方針です。
また、本投資法人は、プライム・プロパティに該当する商業用不動産以外にも、ポートフォリオの収益性の向上に資することが期待される物件については、中長期的に安定した収益の確保が見込まれるか慎重に検討の上、厳選して投資を行う方針です。
更に、本投資法人は、規約第33条第2項に基づき、投資エリアを主として国内とするとともに、海外に対しても投資できると定めており、上記の商業用不動産への投資方針(投資戦略)と基本的に同様の方針の下、海外に所在する商業用不動産への投資を行う方針です(注)。なお、本投資法人が海外に所在する不動産に投資する場合には、原則として積水ハウス、又は積水ハウスが出資する事業体等が開発に関与し、当該国・地域での信頼のおける不動産運営事業者が運営している不動産又は当該不動産を裏付けとする資産を投資対象とする方針です。
(注) 海外不動産投資に関する基本的な方針に本書の日付現在において特段の変更はありませんが、海外不動産投資を取り巻く現行の法制度及び税制度の進展状況、為替変動をはじめとした投資に関わるリスク、また、これらも背景の一つとして考えられる海外不動産投資に対する投資家の懸念、並びに本投資法人による投資スキームの検討状況等に鑑み、本投資法人としては、本書の日付現在において海外不動産への投資は時期尚早であり、かかる状況について一定の変化や改善等が確認できるまでの少なくとも当面の間は、海外不動産投資全般に関して慎重姿勢をとる方針です。以下同じです。
(ロ)積水ハウスによる多様なサポートを最大限に活用した成長戦略
本投資法人は、積水ハウスとの間でパイプライン・サポート契約を締結し、積水ハウスの有する都市再開発事業に関する実績やノウハウを活用して、(a)積水ハウスが保有又は開発する国内不動産等の売却に関する優先交渉権の付与、(b)第三者が国内において保有又は開発する不動産等に関する情報提供、(c)ウェアハウジング機能の提供並びに(d)保有資産の再開発サポートといった、外部成長のための物件取得に向けたサポート(パイプラインサポート)を積水ハウスより受けることができます。
また、積水ハウスは、(a)テナントリレーションに基づくPM力、(b)不動産開発事業者としての大規模修繕、リニューアル・バリューアップ及び再開発等による不動産価値の維持・向上を図るノウハウ、並びに(c)様々なタイプのマスターリース事業を展開するノウハウを有しています。本投資法人と本資産運用会社は、積水ハウスとの間でPM業務委託契約(以下「PM契約」ということがあります。)やスポンサー・サポート契約を締結することにより、(a)保有資産に関するPM業務の提供や、(b)内部成長のための保有資産の運用に関わる(i)テナント満足度の向上又は省エネルギー・環境配慮等をはじめとするリニューアル・バリューアップ等に資する技術及びノウハウの提供、(ii)本投資法人の運営に必要なノウハウの提供を含む人的サポート、並びに(iii)マスターリース契約の締結協議等のサポートを受けることができます。
本投資法人は、これらの外部成長及び内部成長のための積水ハウスの多様なサポートを成長戦略に最大限に活用し、安定的な収益の確保と運用資産の着実な成長を実現し、投資主価値を最大化することを目指します。

(ハ)投資主利益を重視した仕組みの採用
本投資法人は、上記のとおり、スポンサーである積水ハウスの多様なサポートを成長戦略に最大限に活用していくことで、投資主価値を最大化することを目指しますが、一方で、積水ハウスと本投資法人との利益相反により投資主利益を損なうことがないよう、本投資法人及び本資産運用会社においては、第三者性を確保したガバナンス体制を構築しています。具体的には、(a)投資委員会及びコンプライアンス委員会における各議決に際しては、積水ハウス等の本資産運用会社の利害関係者(以下、本(ハ)において「積水ハウス等」といいます。)との間に特別の利害関係を有していない専門家の中から選任した外部委員の出席及び賛成を必須とする仕組みや、(b)コンプライアンス・オフィサー及び外部委員の選任及び解任に際しては、積水ハウス等と利害関係のない専門家が監督役員を務める投資法人役員会の承認を必要とする仕組みを取り入れています(かかる第三者性を確保したガバナンス体制の詳細については、後記「⑤ 投資主利益を重視した仕組みの採用 (イ) 利益相反に対する第三者性を確保したガバナンス体制の構築」をご参照下さい。)。
また、上記のガバナンス体制の構築以外にも、本投資法人の投資主及びスポンサーである積水ハウスの利益の一致を図る取組みとして、(a)積水ハウスによる本投資口の保有、(b)本投資法人と積水ハウスとの物件の共有又は区分所有の依頼・検討に関する、本資産運用会社と積水ハウスとの間の合意、及び(c)業績連動型の資産運用報酬の導入を図っています(かかる取組みの詳細については、後記「⑤ 投資主利益を重視した仕組みの採用 (ロ) 投資主利益とスポンサーである積水ハウスの利益の一致を図る取組みの採用」をご参照下さい。)。
(ニ)安定的かつ健全な財務運営
本投資法人は、中長期的に安定収益の確保及び投資主価値の向上のために安定的かつ健全な財務運営を行っていく方針です。具体的には、スポンサーである積水ハウスの信用力を背景に、メガバンク中心の国内有力金融機関との強固かつ安定的な取引関係を築くとともに、返済期限の分散化及び長期化並びに金利の固定化等を図ることで、リファイナンスリスクや金利変動リスクを低減していく方針です。本投資法人の総資産LTVについては、資金余力の確保に留意して40%~50%の水準で保守的に運営する方針です。加えて、本投資法人は、資金効率の向上に向けた最適なキャッシュ・マネジメントを図っていく方針です(かかる財務運営の詳細については、後記「⑧ 財務方針 (ロ) デット・ファイナンス 及び(ハ) キャッシュ・マネジメント」をご参照下さい。)。
③ 投資戦略
(イ)プライム・プロパティを中心とした投資
本投資法人は、前記「① 基本理念」に記載のとおり、主としてプライム・プロパティを中心に投資を行いますが、このことは、以下に記載のとおり、テナント企業のCRE(Corporate Real Estate)戦略に則した不動産に投資することとなることから、中長期にわたる安定した収益の確保の実現につながると考えています。
投資対象地域については、国内においては、我が国の経済活動の中心になり、事業の「持続可能な活動拠点」としてテナント企業のニーズに即した立地及び機能性を備えたプライム・プロパティが数多く存在すると考えられ、また、本資産運用会社のスポンサーである積水ハウスの開発実績に基づき知見がある東京23区、大阪市及び名古屋市の三大都市を中核とする三大都市圏を主たる投資対象地域に位置付けています。海外においては、国内と同様の考えの下、本資産運用会社のスポンサーである積水ハウスの開発実績に基づき知見があるシンガポール、オーストラリア及びアメリカを主たる投資対象地域に位置付けています。
a. 本投資法人が着目する「戦略的立地」及び「高品質」について
i. テナント企業の「持続可能な活動拠点」に対するニーズ
商業用不動産のテナント企業においては、近年、企業不動産を単なる物理的生産財としてではなく、「企業価値を向上させるための経営資源」として捉え、最適な選択を図る戦略(以下「CRE戦略」といいます。)が重視される傾向にある、と本投資法人は考えています。
そして、CRE戦略が重視される背景として、テナント企業はその事業の「持続可能な活動拠点」に対し、(i)生産性と業績(企業価値)の向上に資する戦略的な立地特性や機能性、(ii)事業継続性を確保し全てのステークホルダーにとって安全で快適な空間、及び、(iii)持続可能な社会の構築に向けた環境配慮を含む社会的責任という3つの要素を重視する傾向が強まりつつある、と本投資法人は考えています。
本投資法人は、こうした傾向を踏まえ、テナント企業の「経営者、従業員及び顧客」に対してこれら3つの要素の提供が可能と考えられる不動産(テナント企業のCRE戦略に則した不動産)について、持続的な底堅い需要と高い競争力を有し、中長期にわたり安定収益の確保が期待できる投資対象であると考えています。また、テナント企業においては、特に東日本大震災以降におけるBCPに対する意識の高まり、持続可能な社会への貢献としての環境に対する意識の高まり等を背景として、活動拠点としての不動産に求める要素が多様化・高度化しつつあるものと認識しています。このテナント企業が活動拠点としての不動産に求める要素として、例えば、建物については、新耐震基準を満たすだけでなく、共用部分の緊急時バックアップ電源を備えると共に、BCPバックアップオフィスとしてのニーズにも対応できる非常用発電施設の増設等ができる機能を備えていること、構造的にも災害に対する耐性を備えていること等が挙げられる、と本投資法人は考えています。
他方で、環境配慮が、世界規模での社会問題となっており、テナント企業において、経済成長や生産性向上の代償として環境対策を疎かにすることが許容され難くなってきたことを背景に、本投資法人は環境配慮が喫緊の課題となっていると考えています。本投資法人は、テナント企業が、経済活動の中で、例えばCO2の削減やエネルギーの省力化等に積極的に取り組むことで、実効性のある環境配慮に貢献し社会的責任を果たすことを目指しており、テナント企業の活動拠点となる不動産に対する環境配慮ニーズも年々高まってきていると考えています。本投資法人は、これらの事象を背景に、テナント企業の「持続可能な活動拠点」となり得る不動産では、例えば、LED照明の導入や熱負荷の低減による空調の効率化、ゆとりある外構計画や屋上緑化の採用による緑化率の向上とこれに伴うCO2の削減等を実現するニーズ、即ち、環境にも配慮した「持続可能な活動拠点」に対するニーズは高くなっており、今後も継続的に高いニーズがあるもの、と本投資法人は考えています。
ii. 「戦略的立地」に所在する商業用不動産の優位性
本投資法人は、商業用不動産について、テナント企業の事業活動の拠点として用いられるものであることから、その事業活動の拠点として適した立地であることをとりわけ重要視しています。継続的にかかる拠点たり得る、事業の「持続可能な活動拠点」としてのニーズに即した立地に所在する商業用不動産は、相対的に高い賃貸需要が見込まれることから、競争上の優位性を有している、と本投資法人は考えています。
具体的には、日本国内で広く事業展開を行う国内有力企業においては日本全国の拠点との往来が、世界的な事業展開を行うグローバル企業においては海外の事業拠点との往来が、いずれも日常的に行われていることから、事業展開の円滑性や効率性を考慮しつつ、人の効率的な移動を意識した立地を求める傾向がある、と本投資法人は考えています。そして、かかる企業の事業活動の拠点として用いられる商業用不動産においては、(i)新幹線等の幹線交通機関への乗降がスムーズな立地であること、及び(ii)空港からのアクセスが良い立地であること等が、当該企業が拠点とする商業用不動産を選別する上で重要なポイントとなる、と本投資法人は考えています(生産性と業績(企業価値)の向上に資する戦略的な立地特性や機能性)。また、24時間365日絶え間なく顧客にサービスを提供する、例えば情報・通信等といったインフラ関連事業を行う企業においては、(i)インフラ設備やサービスを提供する企業の拠点と近接した立地であること、及び(ii)災害時の事業継続可能性が確保できる立地であること等が、当該企業が拠点とする商業用不動産を選別する上で重要なポイントとなる、と本投資法人は考えています(事業継続性を確保し全てのステークホルダーにとって安全で快適な空間)。また、商業用不動産が宿泊・物販・飲食等の来場型施設として用いられる場合には、商業用不動産の周辺の繁華性・ブランドや、観光・レジャー等の側面において集客に適した立地であるかどうかは、当該テナントが商業用不動産を選別する上で重要な要素になる、と本投資法人は考えています。
本投資法人は、こうしたテナント企業の事業の「持続可能な活動拠点」としてのニーズに即した立地を戦略的立地と位置付け、かかる戦略的立地に所在する商業用不動産に重点的に投資することで安定的な収益の確保を図ります。
<戦略的立地に所在する商業用不動産>iii.「高品質」な商業用不動産の優位性
本投資法人は、商業用不動産は、テナント企業の事業活動の拠点として用いられるものであることから、テナント企業の事業活動の拠点として適した利便性等をはじめとする高い機能性を備えている不動産であることがとりわけ重要視され、そのような品質を高水準で備えている商業用不動産は、事業の「持続可能な活動拠点」としてのニーズに即しており、相対的に高い賃貸需要が見込まれることから、競争上の優位性を有していると考えています。
例えば、商業用不動産を事業拠点として用いるテナント企業においては、高度情報社会の進展に伴い、営業秘密を維持し、事業活動を安定して継続するため、フラッパーゲートや非接触式ICカードリーダーによる入室管理等に代表される、セキュリティを確保するための設備の重要性が高まっている、と本投資法人は考えています。また、ストレス社会とも呼称される現代社会において、拠点で勤務するオフィス・ワーカーに十全な能力を継続して発揮させるためには、執務スペースとして十分な天井高や基準階専有面積が確保でき、自然外気の取入れや自動調光システム等が備わっている等、ストレスを低減できる設備及び機能を備えていることの重要性が高まっている、と本投資法人は考えています。更に、テナント企業のコスト削減の見地からは、LED照明、Low-Eペアガラス等に代表される省エネ環境性能の重要性が、BCPの見地からは、共用部分の緊急時バックアップ電源、バックアップオフィスとしてのニーズにも対応できる非常用発電施設等に代表される災害時用設備の重要性が、いずれも高まっている、と本投資法人は考えています。他にも、商業用不動産を宿泊・物販・飲食等の来場型施設として用いるテナント企業においては、来場者に対するホスピタリティが高く求められ、再来頻度はそのテナント企業の発展に大きく影響します。このようなテナント企業が、商業用不動産に期待する利便性や機能性の具体的内容は、テナント企業の利用目的や用途毎に異なりますが、例えば、利便性については、集客に適した交通アクセス手段が存在すること、商業用不動産周辺の繁華性、エリアにおけるランドマーク性等が、機能性については、高級感のある外観や来場者に配慮したプランニング、そして空間構成における高い品質等が求められる、と本投資法人は考えています。
本投資法人は、こうしたテナント企業が求める高い機能性を有し、事業の「持続可能な活動拠点」としてのニーズに即している商業用不動産を「高品質」と位置付け、重点的に投資することで安定的な収益の確保を図ります。
<高い機能性を有する高品質な商業用不動産(ガーデンシティ品川御殿山の例)>b. 「テナント企業がその事業の『持続可能な活動拠点』として不動産に求める要素」に着目したプライム・プロパティの選別
本投資法人は、商業用不動産への投資に際しては、前記「② 基本方針 (イ) 「戦略的立地」と「高品質」を柱とした商業用不動産への投資」に記載のとおり、商業用不動産のキャッシュ・フローの源泉となるテナント企業が、その事業の「持続可能な活動拠点」として不動産に求める要素を重視しています。本投資法人は、前記「a. 本投資法人が着目する「戦略的立地」及び「高品質」について i. テナント企業の「持続可能な活動拠点」に対するニーズ」に記載のとおり、テナント企業が(i)生産性と業績(企業価値)の向上に資する戦略的な立地特性や機能性、(ii)事業継続性を確保し全てのステークホルダーにとって安全で快適な空間、及び(iii)持続可能な社会の構築に向けた環境配慮を含む社会的責任という3つの要素を重視する傾向が強まりつつあると考えていることも踏まえ、「テナント企業が、その事業の『持続可能な活動拠点』として不動産に求める要素」には、(a)経済圏、(b)利便性、(c)機能性、(d)環境配慮、(e)BCP、及び(f)ブランドの6つの要素があると考えています。そして、本投資法人は、これらの6つの要素を重点的に分析した上で総合的判断を行うことで、当該商業用不動産がプライム・プロパティに該当するかを選別することとしています。
なお、本投資法人がかかる6つの要素の分析結果を判断する際の着眼点は、以下のとおりです。
<本投資法人によるかかる6つの要素及びその着眼点(商業用不動産についての具体的な例)>
要素着眼点関連事項
(注)
(a)経済圏■ 商圏人口・居住人口・駅乗降客数等、経済圏としての厚み立地
(b)利便性■ 主要交通路線からの良好なアクセス
■ 通勤・集客に資する利便性・商業集積・繁華性等
立地
(c)機能性■ テナント企業の生産性向上につながる快適性を備えた機能設計
■ 十分な基準階床面積やゆとりある空間設計等
品質
(d)環境配慮■ 省エネ、屋上緑化等、環境性能を具備品質
(e)BCP■ 「事業継続性」の基盤となる重要施設を提供
■ 災害に対する立地・スペック両面からの耐性
立地
品質
(f)ブランド■ エリアとしての品位や建物としての高級感・清潔感立地
品質

(注) 「関連事項」に記載された「立地」は戦略的立地を、「品質」は高品質を、それぞれ意味し、上記各要素が優れていることが戦略的立地に所在することと高品質を有することのいずれに強く関連すると本投資法人が分析しているかについて記載しています。上記は本投資法人における分析を簡略化して示したものであり、当該要素が優れている不動産が戦略的立地に所在するか、又は高品質を有することを保証又は約束するものではありません。
また、本投資法人は、プライム・プロパティに該当する商業用不動産以外にも、独自の市場性を有する物件や、当該エリアにおいて特筆するランドマーク性を有する物件、ポートフォリオの収益性の向上に資することが期待される物件については、総合的判断からプライム・プロパティに該当しないと判断される場合であっても、中長期的に安定した収益の確保が見込まれるかについて慎重に検討の上、厳選して投資を行うことがあります。
<本投資法人における投資戦略のイメージ図>c. 三大都市圏の優位性
本投資法人は、本資産運用会社のスポンサーである積水ハウスが開発実績に基づく知見を有し、テナント企業の事業活動拠点としての需要の厚みを背景に安定的な運用が期待できると考える東京圏、大阪圏及び名古屋圏の三大都市圏を主な投資対象地域と位置付け、そのうち特に三大都市を中心に投資していく方針です。
多くの企業や労働力が集中し経済活動の中心拠点となる大都市は、ビジネスや消費の拠点として中心的な役割を果たしており、かかる観点から事業の「持続可能な活動拠点」としてテナント企業のニーズに即した立地、機能性を備えたプライム・プロパティが数多く存在する、と本投資法人は考えています。オフィスビル、商業施設及びホテル等の商業用不動産の市場規模も大きいため、流動性が高く、投資機会が豊富であり、また、高い賃貸需要が見込まれるものと考えています。
(ロ)海外不動産への投資
本投資法人は、国内不動産に関わる投資戦略と基本的に同様の戦略の下、海外に所在する商業用不動産への投資も行っていく方針です。即ち、成長戦略の主軸である国内不動産への投資に組み合わせ、海外不動産への投資機会の確保による外部成長余地の拡大及び当該国・地域における経済成長や人口増加等に伴う不動産から創出されるキャッシュ・フローの増加による内部成長を追求する投資を行うことで、中長期の視点に立った安定的な収益の確保と運用資産の着実な成長を目指す戦略を掲げています。
投資対象とする海外不動産については、国内不動産と同様、「持続可能な活動拠点」としてのニーズに即した立地(「戦略的立地」)に所在し、又は利便性等をはじめとする高い機能性(「高品質」)を有するオフィスビル、商業施設及びホテル等の商業用不動産(プライム・プロパティ)を中心に投資を行います。また、本投資法人は、海外不動産への投資に当たっては、政治動向、人口動態、経済成長等マクロ的な観点を踏まえ、各国の不動産市場動向・制度及び規則等を含めた投資対象資産の位置する市場を総合的に分析します。また、投資収益性と投資に関わる潜在的リスクの検証(投資適格性の検証)に加え、取得後の現地における管理・運営(リスク管理)の実施が必要になることから、原則として、スポンサーである積水ハウス、又は積水ハウスが出資する事業体等が開発に関与し、当該国・地域での信頼のおける不動産運営事業者が運営し、本投資法人が、投資判断における充分な情報及び管理・運営面のサポートを容易に得られる不動産を投資対象とする方針です。また、各国の法制度、会計制度、税制等のリスクや投資及び収益還元に関連する為替リスク等も総合的に勘案し、慎重に投資を行う方針です。なお、本書の日付現在、積水ハウスは、海外不動産事業を、原則として、当該国・地域における有力な不動産開発・運営事業者(以下「現地パートナー」といいます。)との協働事業として取り組んでいます。そのため、本投資法人が海外不動産への投資を検討する際には、当該現地パートナーが当該物件に対して有する運営力等も重視して、投資判断を行う方針です。
本投資法人の海外不動産に関する投資対象地域は、積水ハウスの開発実績に基づき知見があるシンガポール、オーストラリア及びアメリカを中心的な投資対象エリアとしています。
なお、本書の日付現在、本投資法人が取得を予定している海外不動産はありません。今後、上記投資戦略及び投資方針に適合し、本投資法人のポートフォリオの質的な向上や中長期的に安定的な収益の確保が期待できること(運営状況のトラックレコード及び当該不動産の収益が既に安定化していることの確認を含みます。)等の観点から、投資主価値の向上に資すると総合的に判断できる海外不動産について、投資を検討していく方針です。
また、海外不動産への投資に当たっては、当該国及び地域における経済成長及び人口動態等に加え、法制度、税制度、会計制度、政治制度及び文化的親和性等の各種の観点からの複合的な検証を行うほか、(a)カントリー・リスク、(b)オペレーショナル・リスク及び(c)為替リスクについても考慮しながら、慎重に判断します。なお、本投資法人が考える海外不動産への投資のリスクについては、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ② 本投資法人の運用方針に関するリスク (ル) 海外不動産等への投資に関するリスク」をご参照下さい。
④ 成長戦略
(イ)外部成長戦略
a. スポンサーサポートを活用した外部成長戦略
-パイプラインサポートを活用した資産規模の拡大-
本投資法人は、スポンサーである積水ハウスと締結したパイプライン・サポート契約に基づき、同社の有する多数の大規模な都市再開発事業に関わる実績とノウハウを各物件の特性に応じて活用し、着実な外部成長を図っていく方針です。
本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーである積水ハウスとの間で2014年10月16日付でパイプライン・サポート契約を締結しています。
本投資法人は、パイプライン・サポート契約に基づいて、(a)積水ハウスが保有又は開発する国内不動産等の売却に関する優先交渉権の付与、(b)第三者が国内において保有又は開発する不動産等に関する情報提供、(c)ウェアハウジング機能の提供、及び(d)保有資産の再開発サポートを受けることができます。
物件の情報の獲得の面からは、積水ハウスが、自ら投資対象不動産等(積水ハウスが保有又は開発する日本国内の不動産等のうち、積水ハウスが本投資法人の投資基準に適合するものと合理的に判断する不動産等をいいます。以下本a.において同じです。)を売却しようとする場合、原則として第三者への提供に優先して本資産運用会社に当該売却関連の情報が提供され、本資産運用会社が購入の申込みをした場合には、更に所定の期間、本資産運用会社との間でのみ、売買の条件について誠実に協議するものとされています((a)積水ハウスが保有又は開発する国内不動産等の売却に関する優先交渉権の付与)。また、積水ハウスは、本投資法人の投資基準に適合するものと合理的に判断した国内における不動産等を第三者が売却しようとする旨の情報を入手した場合には、当該売却関連情報を第三者への提供に優先して本資産運用会社に提供するよう努めるものとされています((b)第三者が国内において保有又は開発する不動産等に関する情報提供)。本投資法人は、これらの積水ハウスからのサポートにより、良質なプライム・プロパティに関する物件の情報を第三者に優先して獲得し、本投資法人の外部成長の原動力とすることを目指します。
なお、本書の日付現在、本投資法人が有する優先交渉権の状況は、以下のとおりです。
<本投資法人が有する優先交渉権の状況>
対象物件名称所在地対象
用途
優先交渉期間未取得床面積比率
(注)
ガーデンシティ
品川御殿山
東京都
品川区
オフィス
ビル
2014年10月16日より19.0%
本町南ガーデンシティ大阪府
大阪市
オフィス
ビル
2014年10月16日より43.6%

(注) 「未取得床面積比率」は、建物全体の専有面積に占める、取得に関わる優先交渉権を有する未取得床面積の割合をいいます。未取得床面積は、「ガーデンシティ品川御殿山」及び「本町南ガーデンシティ」において本投資法人が取得に関わる優先交渉権を有する専有面積をいいます。
また、物件の取得機会の確保の面からは、本資産運用会社は、第三者が保有している不動産等を積水ハウスが購入し、本投資法人への売却を前提として一時的に保有する手法であるウェアハウジングを積水ハウスに依頼でき、この場合、積水ハウスはかかる依頼を真摯に検討することとされています((c)ウェアハウジング機能の提供)。本投資法人は、かかる積水ハウスからのサポートにより、本投資法人による直接取得が困難な場面においても、積水ハウスがウェアハウジングを行い、その後に本投資法人が積水ハウスから物件を購入する可能性を創出することで、本投資法人の将来の物件取得の可能性を高め、もって本投資法人の取得機会を最大化することを目指します。
本投資法人は、かかる積水ハウスのサポートを各物件の特性に応じて活用し、外部成長の効果的なドライバーとする方針です。
b. 本資産運用会社の独自のノウハウ等を活用した外部成長戦略
-本資産運用会社独自のルートによる第三者からのソーシング-
本資産運用会社は、積水ハウスにおいて都市再開発事業(本投資法人の主な投資対象となる商業用不動産の開発・運営・管理等)を長年にわたり経験したメンバーとJ-REITの資産運用会社において資産運用を長年にわたり経験したメンバーを中心に構成されています。本資産運用会社は、積水ハウスからの情報提供に基づく資産取得による外部成長のみならず、かかるメンバーが積水ハウスでの開発・運営又はJ-REITの資産運用会社における資産運用等で培った資産取得に関する独自のノウハウと情報収集ネットワークを活用して、本投資法人の外部成長を目指します。
(ロ)内部成長戦略
本投資法人は、積水ハウスとの間で積水ハウスのノウハウ等を活用するため、PM契約やスポンサー・サポート契約を締結し、積水ハウスより、(a)保有資産に関するPM業務の提供や、(b)内部成長のための保有資産の運用に関わる(i)テナント満足度の向上又は省エネルギー・環境配慮等をはじめとするリニューアル・バリューアップ等に資する技術及びノウハウの提供、(ii)本投資法人の運営に必要なノウハウの提供を含む人的サポート、並びに(iii)マスターリース契約の締結協議等のサポートを受けます。
本投資法人のスポンサーである積水ハウスは、(a)テナントリレーションに基づくPM力、(b)不動産開発事業者としてのリニューアル・バリューアップ等による不動産価値の維持・向上を図るノウハウ、及び(c)様々なタイプのマスターリース事業を展開するノウハウを有しています。本投資法人は、かかるサポートを各物件の特性に応じて活用して内部成長を実現する方針です。
a. テナントリレーションに基づくプロパティ・マネジメント
本投資法人は、PM会社を通じて、個別テナントとの連携を密にし、テナントニーズを反映したきめ細かい入居テナント対応を行う方針です。かかる方針を実現するため、本投資法人は、個々の運用資産の運営に当たり、当該不動産のテナントとのテナントリレーション、及び新規テナント誘致に関する情報網、営業力、当該不動産に対する管理能力等の観点から、積水ハウスにPM業務を委託し、積水ハウスの有するテナントリレーションに基づくPM力を活用することが有効かつ適切と判断される場合には、後記「⑦ ポートフォリオ運営・管理方針 (ロ) PM会社の選定・管理方針」に定めるPM会社の選定基準を満たすことを条件に、積水ハウスにPM業務を委託し、そのPM力を活用します。
本投資法人は、これによって、テナント満足度を向上させて、解約によるテナント流出の回避に努め、賃料及び稼働率の維持向上を図ります。
b. 積水ハウスの有するノウハウを活用した運営管理
本投資法人は、運営管理の効率化及び管理費用の随時見直しにより、費用の適正化に努める方針です。管理費用の削減に際しては、運用資産の競争力及びテナント満足度の維持向上を図りつつ、総合的な観点から実施します。
本投資法人は、各物件の特性に応じて積水ハウスの持つかかる付加価値の高いノウハウやサービスの提供を受け、これを本投資法人の運用資産の運営管理に活用することにより、本投資法人が保有する運用資産のプレゼンスを高め、内部成長をより効果的に達成することを目指します。
c. リニューアル・バリューアップ等を通じた不動産価値の維持・向上を図る取組み
本投資法人は、保有不動産におけるテナントの従業者及び訪れる顧客に対して、安全で快適な環境及び空間の提供と、その満足度を高める高い機能性を確保するため、リニューアル・バリューアップ等を含む適切なメンテナンスを実施し、これらを通じて保有不動産の価値と競争力の維持・向上を図っていく方針です。また、本投資法人は、積水ハウスの有するテナント満足度の向上又は省エネルギー・環境配慮等をはじめとするリニューアル・バリューアップ等に資する技術及びノウハウを活用し、運用資産の競争力の維持及び向上を図る方針です。
かかる方針を実現するため、本投資法人は、積水ハウスの有する不動産開発事業者として培った環境配慮技術や、住宅事業において培われたオフィス・ワーカーの快適な執務環境を実現するための自然光の採光や良好な外構計画等のノウハウをはじめとする様々なノウハウを各物件の特性に応じて活用します。また、本投資法人が投資対象の中心と位置付けるプライム・プロパティにおいては、立地や機能性の観点から十分な競争力があると判断されるものの、一定以上の築年数が経過している物件を取得する場合も想定されます。こうした物件の取得に際しては、取得後における将来的な本投資法人の収益性に対する影響及びその対処に関わるリニューアル・バリューアップ等の戦略等について、積水ハウスとの協働により検討の上、判断していく方針です。
d. マスターリースの導入による円滑な資産運用
本投資法人は、保有資産の状況、賃料収入の安定性及び運営管理の効率性等の事情を総合的に勘案し、テナントとの直接契約(ダイレクトリース)、パススルー型マスターリース又は賃料固定型マスターリース等の賃貸借スキームを選定する方針ですが(かかる運用会社の賃貸借スキーム選定方針の詳細については、後記「⑦ ポートフォリオ運営・管理方針 (イ) テナント管理・リーシング方針 c. 賃貸借スキーム選定方針」をご参照下さい。)、取得検討物件において、本資産運用会社が有効と判断した場合、スポンサー・サポート契約に基づき、本資産運用会社は積水ハウスとの間で各物件の特性に応じた形態によるマスターリース契約の締結等に向けた検討・協議を行うことができるものとされています。本投資法人は、各物件の特性に応じて積水ハウスをマスターレッシーとして採用し、かつ、各物件の特性に応じた形態での賃貸借スキームを採用することで、高い信用力を有するテナントを確保しつつ、必要に応じて収益連動賃料による保有資産の内部成長余力等を確保する等、円滑な資産運用に向けた施策を検討していく方針です。
(ハ)海外不動産投資にかかる成長戦略
本投資法人は、国内不動産に関わる投資戦略と基本的に同様の戦略の下、海外に所在する商業用不動産への投資も行っていくに当たり、投資に関わるデュー・ディリジェンス(投資適格性の検証)の観点、取得後の管理・運営(リスク管理)の観点から、原則として積水ハウス、又は積水ハウスが出資する事業体等が開発に関与し、当該国・地域での信頼のおける不動産運営事業者が運営している不動産を投資対象とする方針です。
本投資法人は、前記「② 基本方針 (イ) 「戦略的立地」と「高品質」を柱とした商業用不動産への投資」に記載のとおり、海外不動産投資に際しては、原則として積水ハウス、又は積水ハウスが出資する事業体等が開発に関与し、当該国・地域での信頼のおける不動産運営事業者が運営している不動産又は当該不動産を裏付けとする資産を投資対象とする方針であり、投資対象地域は、積水ハウスの開発実績に基づき知見があるシンガポール、オーストラリア及びアメリカを中心的な投資対象エリアとしています。
海外不動産の取得時期は、当該海外不動産の運営が軌道に乗り、安定した収益及びキャッシュ・フローの創出が確認された以降のタイミングを想定しており、中長期的な海外不動産への投資残高の増加と、運用資産に占める海外不動産比率の増加を目指します。
⑤ 投資主利益を重視した仕組みの採用
本投資法人は、前記のとおり、スポンサーである積水ハウスの多様なサポートを成長戦略に最大限に活用していくことで、投資主価値を最大化することを目指しますが、一方で、積水ハウスと本投資法人との利益相反により投資主利益を損なうことがないよう、第三者性を確保したガバナンス体制の構築や、本投資法人の投資主と積水ハウスの利益の一致を図る取組みを採用しています。
(イ)利益相反に対する第三者性を確保したガバナンス体制の構築
(a)投資委員会及びコンプライアンス委員会における各議決に際しては、積水ハウス等の本資産運用会社の利害関係者(以下、本(イ)において「積水ハウス等」といいます。)との間に特別の利害関係を有していない専門家の中から選任した外部委員の出席及び賛成を必須とする仕組みや、(b)コンプライアンス・オフィサー及び外部委員の選任及び解任に際しては、積水ハウス等と利害関係のない専門家が監督役員を務める投資法人役員会の承認を必要とする仕組みを採用した上で、(c)利害関係者からの資産の取得等の重要な取引に際しては、本資産運用会社のコンプライアンス・オフィサーによる事前審査、投資委員会及びコンプライアンス委員会における各審議及び決議、取締役会における審議及び決議を経た後に、更に本投資法人役員会の審議及び承認の決議並びに当該決議に基づく本投資法人の同意を必要とする仕組みを採用し、もって、利益相反に対する第三者性を確保したガバナンス体制を構築しています。
<意思決定フロー>(ロ)投資主利益とスポンサーである積水ハウスの利益の一致を図る取組みの採用
本投資法人は、投資主の利益とスポンサーである積水ハウスの利益とを一致させ、本投資法人と積水ハウスが協同して事業を行う体制を築き、本投資法人及び積水ハウスの相互の利益向上を図るため、(a)スポンサーである積水ハウスによる本投資口の保有、(b)本投資法人と積水ハウスとの物件の共有又は区分所有の依頼・検討に関する合意、及び(c)業績連動型の資産運用報酬体系の導入を行っています。
a. スポンサーである積水ハウスによる本投資口の保有(スポンサーによるセイムボート出資)
本投資法人は、投資主価値の最大化を図り、投資主と本資産運用会社及びスポンサーである積水ハウスとの利害を一致させるため、積水ハウスが本投資口の一定割合の保有を行うことによりセイムボート出資を実施しています。積水ハウスは、当期末現在、本投資法人の発行済投資口の総口数の7.29%(注)を保有しており、当該保有投資口については、一定期間保有を継続する意向であることを本投資法人及び本資産運用会社に対して表明しています。
(注) 発行済投資口数の総口数に対する所有投資口数の割合は、小数第3位を四捨五入して記載しています。
b. 本投資法人と積水ハウスとの物件の共有又は区分所有の依頼・検討に関する合意
本投資法人と積水ハウスは、スポンサー・サポート契約において、本資産運用会社が、不動産等が本投資法人の投資基準に適合するものと判断した場合に、積水ハウスに対して、当該不動産等に対して本投資法人と共同で投資すること又は積水ハウスが保有する当該不動産等の一部のみを本投資法人が取得すること等により、本投資法人との間で不動産等を共有(準共有を含みます。以下、本b.において同じです。)又は区分所有することを依頼することができ、かかる依頼があったときは、積水ハウスは、当該依頼について真摯に検討することを合意しています。
かかる共有又は区分所有が行われた場合、本投資法人と積水ハウスは、いずれも同一の物件の共有者又は区分所有者となり、当該物件の所有者としての立場を共通にし、当該物件の資産価値や当該物件の収益等、多様な面において、同一の利害関係を有することになります。そのため、本投資法人は、かかる共有又は区分所有により、本投資法人ひいては投資主の利益とスポンサーである積水ハウスの利益とを一致させることができると考えています。
c. 業績連動型の資産運用報酬体系の導入
本投資法人は、以下に記載のとおり、投資主価値の最大化を図り、投資主と本資産運用会社及びスポンサーである積水ハウスとの利害を一致させるため、規約及び資産運用委託契約に基づいて、本資産運用会社に支払う報酬のうち、運用報酬の一部(運用報酬②(期中管理報酬②))については、分配可能金額と営業利益に連動した運用報酬体系を採用しています。これにより、本資産運用会社、ひいてはその株主としての積水ハウスは、投資主と利害が一致し、本投資法人の投資主価値を最大化することへのインセンティブを持つことが可能となります。
なお、本資産運用会社への支払報酬の詳細については、後記「4 手数料等及び税金 (3) 管理報酬等 ② 本資産運用会社への資産運用報酬(規約第50条及び別紙)」をご参照下さい。
⑥ 投資方針
(イ)ポートフォリオ構築方針
本投資法人は、主たる用途がオフィスビル・商業施設・ホテル等である商業用不動産を中心的な投資対象として位置付けます。中でも積水ハウスが国内で多くの開発実績を有する、主たる用途がオフィスビルである商業用不動産に重点的に投資を行うものとし、その比率は国内への投資のうち80%以上(取得価格ベース)を目途とします。
投資エリアは、主として国内への投資を行うものとし、その比率は80%以上(海外への投資比率は20%未満)(取得価格ベース)を目途として運用します。また、国内においては、テナント企業の事業活動の拠点としての需要の厚みを背景として安定的な運用が期待できると考える三大都市を中心に投資していく方針です。
<用途別並びに国内及び海外におけるポートフォリオ構築方針>
用途
(注1)
国内海外
(注2)
オフィスビル80%以上80%以上20%未満
商業施設、ホテル等20%未満

(注1) 主たる用途が住居以外の用に供されるものに限ります。なお、住居には学生寮、社宅及びサービス付高齢者向け住宅を含みます。また、複合的な用途に供される不動産について、その主たる用途を判断するに際しては、以下に掲げる基準を参考として決定します。
(i) 一棟の建物である場合には、総賃貸可能面積における各用途の比率及び実際の主たる利用形態等から主たる用途を判断します。
(ii)区分所有建物である場合は、投資を行おうとする当該区分所有権に係る総賃貸可能面積を基準とします。ただし、同一建物に係る複数の区分所有権を同時に又は段階的に取得する場合には、各取得の時点で取得する区分所有権毎に、当該区分所有権に係る総賃貸可能面積における各用途の比率及び実際の主たる利用形態等から主たる用途を判断します。
なお、用途別の取得価格又は評価額等の算出に際しては、総賃貸可能面積に対する各賃貸可能面積の比率に基づき取得価格又は評価額を按分して、各用途に区分して算出します。ただし、賃貸可能面積の比率が10%未満となる用途については、賃貸可能面積の比率が最大となる用途に加えるものとします。なお、同一建物に係る複数の区分所有権を同時に又は段階的に取得する場合には、各取得の時点で取得する区分所有権毎に、かかる各用途に区分した算出を行うものとします。
(注2) 積水ハウスの開発実績に基づき知見があるシンガポール、オーストラリア及びアメリカを中心的な投資対象エリアとします。
<エリア別ポートフォリオ構築方針(国内)>
エリア比率
三大都市圏80%以上
その他地域20%未満


以下では、本投資法人の主たる投資対象である国内不動産の投資に関して、投資対象である各用途につき、本投資法人が考える投資基準及びその特性を記載しています。
用途投資基準特性
オフィスビル・主たる用途がオフィスビルであること
・中長期にわたる安定した収益の確保の実現につながる戦略的立地に所在する、又は高品質のオフィスビルであること
・延床面積3,000㎡以上のオフィスビルであること
・テナントの信用力、使用目的が適正であること
・景気変動に応じてテナント需要及び賃料水準が比較的変化しやすく、景気拡大期において収益の向上が見込めること
・相対的に投資市場規模が大きく、一定の流動性を有すること
・主要な投資対象地域である三大都市圏、中でもとりわけ三大都市は人口・経済規模が大きく、企業の集積度も高いため、底堅いテナント需要が見込めること
商業施設・主たる用途が商業施設であること
・中長期にわたる安定した収益の確保の実現につながる戦略的立地に所在する、又は高品質の商業施設であること
・テナントの信用力、使用目的が適正であること
・都市型商業施設については、繁華性の高いエリアに立地する商業施設、郊外型商業施設については、商圏人口が厚く、又は、エリアにおけるランドマーク性、地域密着性があり、安定した購買需要が見込める商業施設であること
・主要な投資対象地域である三大都市圏、中でもとりわけ三大都市は人口及び経済規模が大きいため、活発な消費活動が見込めること。また、豊富で多種多様なテナント出店需要が期待できるため、安定した収益が見込めること
・郊外型商業施設については地域の生活に密着した安定的なニーズに対応する底堅いテナント需要が見込めること
ホテル・主たる用途がホテルであること
・中長期にわたる安定した収益の確保の実現につながる戦略的立地に所在する、又は高品質のホテルであること
・テナント及びオペレーターの信用力、使用目的が適正であること
・主要な投資対象地域である三大都市圏、中でもとりわけ三大都市は人口・経済規模が大きいため、ビジネス及び観光需要が見込めること

(ロ)投資基準
本投資法人は、国内不動産及び海外不動産を取得するに際し、以下の投資基準により投資を行います。
a. 立地
日本においては、三大都市圏を主な投資対象地域と位置付け、そのうち特に三大都市を中心に投資していく方針です。
海外においては、シンガポール、オーストラリア及びアメリカを中心的な投資対象地域とします。
b. 投資金額
国内不動産(注)一物件当たりの投資金額は、原則、10億円以上(取得価格をいい、消費税等の諸費用は含みません。)とします。
海外不動産(注)は、取得時における邦貨換算額10億円以上(取得価格をいい、税金及び諸費用は含みません。)を原則とします。
(注) 国内不動産又は海外不動産を保有する法人の株式や匿名組合出資等を含まず、これらの資産には、かかる投資金額の制限は適用しないものとします。
c. 取得価格
投資に際しては、鑑定評価額を参考に、本資産運用会社の評価額を基本として総合的に判断します。
利害関係者との取引においては、鑑定評価額(税金、仲介手数料、取得費用、信託設定に要する費用、信託勘定内の積立金、信託収益、固定資産税等の期間按分精算額、その他の取得費用等は含みません。)を超えた価格での取得は行いません。
なお、海外資産についても上記に準じるものとします。
d. 耐震性
原則として、新耐震基準(昭和56年改正の建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)(以下「建築基準法」といいます。)に基づく耐震基準)に基づく施工又は補強工事等により新耐震基準と同等以上の耐震性能を有すると判断される物件を取得します。
なお、海外資産については、当該国・地域における耐震性の法令上の基準を遵守し、かつ地域での実務を勘案し総合的な判断の上投資決定をします。
e. 地震PML
個別PML(Probable Maximum Loss: 予想最大損失率)(以下「PML」といいます。)値(注)が20%を超える場合は地震保険の付保を検討し、原則、国内ポートフォリオPML値は10%を超えないものとします。
なお、海外資産については、当該国・地域における耐震性の法令上の基準を遵守し、かつ地域でのPML値の取得の可否、地震保険の存否、現地実務等を勘案し総合的な判断を行います。
(注) 「PML値」とは、本書においては、想定した予定使用期間中に想定される最大規模の地震(50年間で10%を超える確率で発生すると予想される大地震=再現期間475年相当の大地震)によりどの程度の被害を受けるかを、非超過確率に相当する予想損失額の再調達価格に対する割合(%)で示したものです。ただし、予想損失額は、地震動による建物(構造体、仕上げ、建築設備)のみの直接損失に関するものだけであり、機器、家具、什器等の被害や地震後の水又は火災による損失、被災者に対する補償、営業中断による営業損失等の二次的被害は含まれていません。以下同じです。なお、海外においてPMLに準じた規制又は基準がない場合には、これに代わる基準を定めて投資決定をします。
f. 付保方針
火災・事故等に起因する建物への損害や、第三者からの損害賠償請求等のリスクに対処するため、必要な火災保険及び損害賠償保険等を運用資産に付保します。地震保険の付保は、前記「e. 地震PML」記載のとおり、個別PML値が20%を超える場合において、地震の発生時に予想される個別物件及びポートフォリオ全体に対する影響並びに保険の実効性を勘案して総合的に判断します。なお、海外資産についても原則として同様としますが、当該国・地域における特有のリスクの調査を行い、かつ地域での実務を勘案して総合的に判断します。
g. 環境・地質
建物内におけるアスベスト等の有害物質の取扱・保管状況及び敷地内の土壌の状況・状態が大気汚染防止法(昭和43年法律第97号。その後の改正を含みます。)や土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。)(以下、「土壌汚染対策法」といいます。)等関連法令に適合している若しくはこれらへの対応策が十分に講じられていることを原則とします。ただし、取得後是正が見込まれる場合には、取得することがあります。
また、海外資産においては、当該国・地域における環境・地質等の法令上の基準を遵守し、かつ地域での実務を勘案し総合的な判断の上投資決定をします。
h. テナント
テナントの業種、規模等、使用目的、賃料水準、賃貸借契約期間等について評価・分析することを原則とします。
なお、海外資産についても同様とします。
i. 権利関係
所有権、賃借権、地上権等権利の態様を確認した上で、共有、区分所有、借地の場合は、物件の特性を総合的に勘案し、権利関係者の信用力・属性等に特段問題が無く、運営・管理や持分処分における制約事項・リスクが少ないことを原則とします。
また、海外資産においては、当該国・地域における権利関係等の調査を行い、かつ地域での実務を勘案し総合的な判断の上投資決定をします。
j. 安定稼働不動産への投資
本投資法人は、安定したキャッシュ・フローを確保するため、原則として、安定してキャッシュ・フローを創出している不動産等に投資をするものとし、未稼働(開発中でキャッシュ・フローを生まないもの)の不動産等は投資対象としません。ただし、短期的に稼働率の低下した不動産等については、将来における稼働率の向上が早期に見込める場合や、スポンサーサポートを伴う場合には、厳選して投資決定を行うことがあります。この場合には、慎重な判断を行うものとします。
なお、海外資産についても同様とします。
(ハ)デュー・ディリジェンス基準
投資対象資産の取得に際して、本資産運用会社は以下に記載の経済的調査、物理的調査及び法的調査を十分に実施し、資産価値の維持・向上を阻害する要因等の有無等の把握及びそれらの評価を中心とした、当該運用資産の投資対象としての妥当性について検討を行います。かかる検討に当たり、本資産運用会社は調査能力及び経験を有する第三者が作成する建物状況調査報告書、マーケットレポート、地震リスク調査報告書等を参考とし、現地調査、譲渡予定者等へのヒアリング等を実施します。
なお、海外不動産に投資する場合は、基本的に、日本の不動産に投資する場合の基準に準じ、現地の法制度や特殊事情を加味した上でデュー・ディリジェンスを実施します(注)。
調査項目内容
経済的調査テナント調査・信用状況(業種、業容、業歴、決算内容、財務状況等)
・賃料支払状況等
・賃借目的、契約形態、契約内容及びその継承の有無
・過去の稼働率、賃料推移及び将来の見通し
・各物件における各既存テナントの専有割合、分布割合
マーケット調査・商圏の状況(商圏人口、世帯数及び商業指標等)
・市場賃料、稼働率の調査
・競合物件の状況
・周辺の開発計画の動向
・テナントの需要動向
・テナント誘致の可能性
・物件の処分(売却)の可能性
収益性調査・賃貸借契約形態と賃料の安定性
・レントロールの確認
・賃貸借契約水準、賃貸借契約体系及び更新の可能性
・費用水準、費用関係の契約体系及び更新の可能性
・修繕履歴及び修繕計画との比較
・公租公課の確認


調査項目内容
物理的調査立地調査・街路の状況、鉄道等の公共交通機関の利便性
・日照、眺望、景観及び騒音等の状況
・都市計画及び地区計画
・地域の知名度及び評判、規模の状況
建物調査・意匠、主要構造、築年数、設計者・確認検査機関・施工業者等
・内外装の部材状況
・賃貸可能面積、天井高、空調方式、床荷重、セキュリティ設備、電気容量、照度、区画割対応、防災設備、昇降機設備、駐車場その他共用設備の状況
・設計図書、建築確認通知書、検査済証等の書類調査
・外構、屋上、外装、設備等についての現地調査
・建築基準法・都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)(以下「都市計画法」といいます。)等関連法令の遵守状況等
・耐震性能(新耐震基準又は同等の耐震性能を有しているか)
・地震PML値(予想最大損失率)の検証
・管理委託契約の内容(形態、仕様水準等)及び建物管理状況の良否、建物管理会社等へのヒアリング
環境調査・アスベスト・PCB等の有害物質の使用履歴、使用状況及び保管状況
・地質状況、土地利用履歴、土壌汚染状況等
法的調査権利関係・土地及び建物について、その権利関係(完全所有権、地上権、借地権、共有、分有、区分所有、区分所有の共有等)の把握と権利関係に付随する各種契約等の内容の検討
・隣接地権者等との紛争の有無
・信託契約の内容
法令上の制限・遵法性、既存不適格の有無
・建築関連法規、条例、協定等による建築制限、用途制限、使用制限等の有無
契約関係・賃貸借契約、転貸借契約、使用契約等の調査
・テナントとの紛争の有無
境界調査・境界確定の状況、越境物の有無とその状況
・実測面積の確定状況
・境界紛争の有無

(注) 海外不動産のデュー・ディリジェンスを実施するに当たっては、上表の項目のほか、道路への接続や公共サービス(例:水、ガス、下水処理サービス)の供給状況等についても調査を実施します。
(ニ)フォワード・コミットメントに関する方針
フォワード・コミットメント等(先日付での売買契約であって、契約締結から1か月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているものその他これに類する契約をいいます。以下同じです。)に係る物件は、決済までの間、本投資法人の貸借対照表には計上されずオフバランスとなりますが、当該期間中の当該物件の価格変動リスクは本投資法人に帰属することになります。このため、本資産運用会社は、フォワード・コミットメント等を行う場合、違約金の上限、物件の取得額の上限、契約締結から物件引渡しまでの期間の上限等についてのルールを定めたフォワード・コミットメント等に係る規則に基づき、当該リスクを管理しています。
⑦ ポートフォリオ運営・管理方針
本投資法人は、日本国内において取得した資産の運営及び管理を行うに際し、以下の方針と基準によるものとします。
また、海外における取得資産の運営及び管理に際しても、原則として、日本国内に準じた基準によるものとします。
(イ)テナント管理・リーシング方針
a. テナント管理方針
PM会社の協力の下で、テナントとの良好な関係を構築し、テナントの意見・要望等を反映した運営管理を行うことを目指します。また、テナントからのクレームに対しては、PM会社と協働して誠実に対応します。
これらを通じて、テナント満足度の向上に努めます。
b. リーシング方針
マーケット動向及びテナント動向を調査・把握し、個別物件における適正な賃貸条件等の検討を行うとともに、PM会社を、最大限に活用し、的確なリーシング活動を実施することにより、テナント情報の収集及び優良テナントの選定に努めます。
また、PM会社と連携し、良好なテナントリレーションを維持することにより、既存テナントの増床、移転ニーズ等の早期把握に努めます。
テナントとの賃貸借契約締結に際しては、本資産運用会社がその社内規程に従い属性、業績、信用力、及び賃料、賃貸借期間等の契約内容等について検討を行い、総合的に判断するものとします。
c. 賃貸借スキーム選定方針
本投資法人は、保有資産の状況、賃料収入の安定性及び運営管理の効率性等の事情を総合的に勘案し、テナントとの直接契約(ダイレクトリース)、パススルー型マスターリース又は賃料固定型マスターリース等の賃貸借スキームを選定します。
本投資法人の用いる賃貸借スキームは、以下のとおりです。
賃貸借スキームの形態スキームの説明
ダイレクトリースマスターリースを採用せず、信託受託者又は本投資法人がエンドテナント(賃借人)に直接賃貸する方式
マスターリース信託受託者又は本投資法人がマスターレッシー(転貸人)(注)に一括して賃貸し、マスターレッシーがエンドテナント(転借人)(注)に転貸する方式
パススルー型マスターリースマスターレッシーが支払う賃料と、エンドテナントが支払う賃料が常に同額となるマスターリース方式
賃料固定型マスターリースマスターレッシーが支払う賃料を、転借人がマスターレッシーに支払う賃料にかかわらず一定額とするマスターリース方式

(注) 「マスターレッシー」とは、信託受託者又は本投資法人から各物件を一括して借り受け、各物件の区画を他の第三者に転貸する者をいい、以下「マスターリース会社」ということがあります。また、「エンドテナント」とは、借り受けた各物件の区画につき、賃貸人に対して実質的に賃料を支払う者(賃料固定型マスターリースにおけるマスターレッシーを含みます。)をいいます。以下同じです。
d. 賃料固定型マスターリースにおける一部収益連動賃料の採用
本投資法人は、賃料固定型マスターリースを賃貸借スキームに採用した場合において、保有資産の内部成長余力等を勘案し、賃料の一部に、マスターレッシーが獲得する収益が一定額を超過した場合等、一定の場合にマスターレッシーの収益に連動した賃料が支払われる旨の定め(収益連動賃料)を採用することがあります。
(ロ)PM会社の選定・管理方針
PM会社の選定に当たっては、業歴や財務体質、管理体制及び人員体制等の組織体制、対象となる運用資産の所在地域に関する知識・経験、対象となる運用資産における実績、報酬及び手数料の水準等を総合的に考慮し、本投資法人の総合的な収益向上に寄与する会社を選定します。
なお、上記業務委託に当たり、「利害関係者取引規程」及び「プロパティ・マネジメント会社選定・管理基準」に基づき、業務遂行状況等について外部の評価機関による評価等を定期的に行い、その結果が一定水準に達しない場合には、業務内容の変更及び改善の指示を行い、又はPM会社の変更を行います。
(ハ)修繕・資本的支出
中長期的な運用資産の収益の維持及び向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性、テナントニーズ等を考慮した個別物件毎の修繕及び資本的支出に関する計画をPM会社と協議の上策定し、必要な修繕・資本的支出を行うものとします。
修繕及び資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費も勘案して判断するものとします。ただし、テナントの満足度向上に向けた運営上の観点から必要なものについては早期に実施するものとします。
修繕積立金は、中長期的なポートフォリオ運営を考慮し、減価償却費、並びに修繕及び資本的支出に関する計画を考慮した上で、必要な額を積み立てます。
(ニ)不動産に関する匿名組合出資、優先出資等のエクイティ出資案件における管理等の方針
不動産に関する匿名組合出資、優先出資等の不動産を裏付けとした資産たるエクイティ出資を行う場合の、当該不動産の管理等に当たっては、当該エクイティ出資先の管理の状況を適切にモニタリングするように努めるとともに、当該エクイティ出資先に必要な要請を行う等により、適切な管理を実施させるよう努めることを原則としますが、共同出資者の有無及び持分割合、エクイティ出資先の管理能力、パートナーの有無及び関与の程度その他諸般の事情を総合的に考慮し、必要に応じて個別に対応します。
(ホ)年度の管理運営方針の策定及び管理
本資産運用会社は、その社内規程である運用ガイドラインに基づき、本投資法人の運用資産の運用に係る年度の管理運営方針を策定し、年度の管理運営方針に沿った運営・管理を行います。
なお、年度の管理運営方針の策定に当たっては、原則としてPM会社の協力により運用資産毎の詳細を検討します。
年度の管理運営方針は、原則として本投資法人の決算期毎に見直し、必要に応じて変更します。また、それ以外の場合でも必要に応じて、その都度変更できるものとします。
⑧ 財務方針
(イ)エクイティ・ファイナンス
資産の取得、工事代金の支払、敷金・保証金の返済、本投資法人の運営に係る費用の支払又は債務の返済等を目的として、新投資口の発行を行うことができます。新投資口の発行は、中長期的な観点から、本投資法人の運用資産の着実な成長を目指し、金融環境を的確に把握するとともに、投資口の希薄化に配慮しつつ機動的に実施するものとします。
(ロ)デット・ファイナンス
運用資産の着実な成長並びに効率的な運用及び運用の安定性に資するため、資産の取得、修繕費若しくは分配金の支払、本投資法人の運営に要する資金、若しくは債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として、資金を借入れ(コール市場を通じる場合を含みます。)又は投資法人債を発行することができます。ただし、短期投資法人債の発行により調達した資金の使途又は目的については、法令に定める範囲に限るものとします。なお、資金を借り入れる場合には、金融商品取引法に規定する適格機関投資家(ただし、租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)からの借入れに限るものとします。
本投資法人の借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ1兆円とし、かつ、その合計額が1兆円を超えないものとします。なお、原則として無担保無保証での資金調達を行うものの、資金の借入れ及び投資法人債の発行において、運用資産を担保として提供することができます。
海外不動産への投資を行う場合には、現地通貨建てで借入れを行う場合があります。また、調達時点のマーケット環境等を勘案し、円建てで調達し、現地通貨へ換金する場合もあります。
a. LTVコントロール
総資産LTVの水準は、60%を上限の目処としますが、保守的な水準で運営する方針です。ただし、新規投資や資産評価の変動等により、一時的にかかる上限の目処を超えることがあります。
なお、当面は資金余力の確保に留意して40%~50%の水準で保守的に運営する方針です。
b. 金利の固定化・借入期間の長期化・返済期限の分散化
固定金利及び変動金利の最適なバランスを図りつつ、借入期間の長期化を検討し、適切な運営を目指します。更に、返済期限の分散化等を図ることにより、リファイナンスリスクを低減し、安定的かつ健全な財務基盤の強化を目指します。
c. 強固なレンダーフォーメーションと資金調達手法の多様化
積水ハウスの信用力を背景に、メガバンクを中心とした国内有力金融機関との強固かつ安定的な取引を目指します。また、負債性の資金調達に際しては、マーケット環境及び本投資法人の財務状況等を総合的に勘案し、投資法人債の発行等を含む、直接金融・間接金融等の手法の多様化を図ります。
(ハ)キャッシュ・マネジメント
本投資法人は、ポートフォリオの状況や、積水ハウスが開発に関与した比較的築年数の経過していない商業用不動産の取得も外部成長戦略の柱としていること等を踏まえ、資金効率の向上に向けた最適なキャッシュ・マネジメントを図っていく方針です。
本投資法人は、商業用不動産の管理・運営において高い専門性と実績を有する積水ハウスによるPM力を最大限に活用することで、保有資産の競争力の維持・向上に向けた適切な対応を行うと共に、資金効率の向上に向けた最適なキャッシュ・マネジメントを図っていく方針です。具体的には、以下への配分を考えます。本投資法人は、かかるキャッシュ・マネジメントに関するこれらの直接的及び間接的な施策を通じて、中長期的な投資主価値の向上を図ります。
i. 新規の不動産投資
ii. 不動産の競争力を高める適切な維持管理修繕
iii.有利子負債返済による負債コストの削減
iv. 利益超過分配の実施
なお、本投資法人は、キャッシュ・マネジメントに係る以下の3つの基本的な方針を定めています。
a. 本投資法人の想定される資金需要に対応するため、妥当と考えられる金額の現預金を常時保有します。
b. 余剰資金の運用は、安全性及び換金性を考慮し、市場環境及び資金繰りの状況を十分に勘案の上、慎重に行います。
c. 本投資法人がテナントから預かった敷金及び保証金等を資金として活用することができます。
(ニ)格付の取得
本投資法人は、本書の日付現在、株式会社日本格付研究所(JCR)よりAA-(格付の見通し:安定的)の長期発行体格付及びAA-の債券格付(注)を付与されています。かかる格付は、本投資法人又は本投資法人が発行した投資法人債に関する格付であり、本投資口に付された格付ではありません。なお、本投資口について、本投資法人の依頼により、信用格付業者から提供され若しくは閲覧に供された信用格付、又は信用格付業者から提供され若しくは閲覧に供される予定の信用格付はありません。
信用格付業者格付の状況
株式会社日本格付研究所
(JCR)
長期発行体格付
AA-(安定的)
株式会社日本格付研究所
(JCR)
債券格付(注)
AA-

(注) 第1回無担保投資法人債及び第2回無担保投資法人債に対する格付です。
⑨ 情報開示方針
(イ)本投資法人は、投資判断上重要と考える情報を積極的に開示するものとします。また、情報の透明性及び解りやすさに配慮し、法定開示以外の情報開示についても、投資主への迅速、正確かつ公平な情報開示に努めます。
(ロ)投資主に公平な情報取得機会を提供できるよう、正確かつ有用な情報を集約できる体制を構築し、速やかに開示できるように努めます。
(ハ)専門的な見解を積極的に取り入れ、より一層、開示情報の正確さを追求します。
(ニ)投信法、金融商品取引法、東京証券取引所、一般社団法人投資信託協会(以下「投資信託協会」といいます。)等がそれぞれ要請する開示情報につき、それぞれ所定の様式に従って開示を行います。

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