有価証券報告書(内国投資証券)-第17期(2022/11/01-2023/04/30)
(1)リスク要因
以下には、本投資証券又は本投資法人債券への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。ただし、以下は本投資証券又は本投資法人債券への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。
本投資法人は、対応可能な限りにおいてこれらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分である保証はありません。以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資証券又は本投資法人債券の市場価格は下落し、発行価格に比べ低くなることもあると予想され、その結果、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。また、本投資法人の純資産額の減少その他の財務状況の悪化により、分配金の減少が生じる可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で、本投資証券又は本投資法人債券に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、これらの事項は本書の日付現在における本投資法人及び本資産運用会社の判断によるものです。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 本投資証券又は本投資法人債券の商品性に関するリスク
(イ)本投資証券又は本投資法人債券の市場価格の変動に関するリスク
(ロ)本投資証券の市場での取引に関するリスク
(ハ)金銭の分配に関するリスク
(ニ)収入及び支出の変動に関するリスク
(ホ)新投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
(ヘ)投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一ではないことによるリスク
(ト)投資法人債券の償還・利払に関するリスク
(チ)投資法人の法律上、税制上、その他諸制度上の取扱いに関するリスク
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)スポンサー・サポート契約等に基づき想定どおりの物件取得が行えないリスク
(ロ)不動産を取得又は処分できないリスク
(ハ)新投資口の発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
(ニ)運用資産の偏在に関するリスク
(ホ)テナントの集中に関するリスク
(ヘ)シングルテナント物件に関するリスク
(ト)特定の物件への収入の依存に関するリスク
(チ)住居への投資に関するリスク
(リ)オフィスビルへの投資に関するリスク
(ヌ)データセンターへの投資に関するリスク
(ル)ホテルへの投資に関するリスク
(ヲ)商業施設への投資に関するリスク
(ワ)シニアアセットへの投資に関するリスク
(カ)PM会社に関するリスク
(ヨ)賃料保証会社に関するリスク
(タ)海外不動産等への投資に関するリスク
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)積水ハウスグループへの依存、利益相反に関するリスク
(ロ)本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材その他本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
(ハ)本投資法人の投資方針等の変更に関するリスク
(ニ)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
(ホ)敷金及び保証金に関するリスク
④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク
(イ)不動産の欠陥・瑕疵や境界に関するリスク
(ロ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
(ハ)賃貸借契約に関するリスク
(ニ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
(ホ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(ト)法令の制定・変更に関するリスク
(チ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
(リ)マスターリース会社に関するリスク
(ヌ)転貸に関するリスク
(ル)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
(ヲ)共有物件に関するリスク
(ワ)区分所有建物に関するリスク
(カ)借地物件に関するリスク
(ヨ)底地物件に関するリスク
(タ)借家物件に関するリスク
(レ)開発物件に関するリスク
(ソ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
(ツ)有害物質に関するリスク
(ネ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
(ナ)不動産信託の信託受益権の準共有等に関するリスク
(ラ)売却時の不動産の流動性に関するリスク
(ム)気候変動に関するリスク
(ウ)物件取得の競争及びテナントの獲得競争に関するリスク
(ヰ)不動産の運用費用の増加に関するリスク
⑤ 税制に関するリスク
(イ)導管性要件に関するリスク
(ロ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
(ハ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(ニ)一般的な税制の変更に関するリスク
⑥ その他
(イ)専門家報告書等に伴うリスク
(ロ)減損会計の適用に関するリスク
(ハ)取得予定資産を取得することができないリスク
(ニ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
(ホ)優先出資証券への投資に関するリスク
(ヘ)内部留保の活用に関するリスク
(ト)一時差異等調整引当額の戻入れにより利益の分配が減少するリスク
(チ)ESG評価に関するリスク
① 本投資証券又は本投資法人債券の商品性に関するリスク
(イ)本投資証券又は本投資法人債券の市場価格の変動に関するリスク
本投資法人は、投資主からの請求による払戻しを行わないクローズド・エンド型であるため、投資主が本投資証券を換価する手段は、第三者に対する売却に限定されます。
本投資証券又は本投資法人債券の市場価格は、取引所等における需給バランスにより影響を受け、一定の期間内に大量の売却が出た場合には、大きく価格が下落する可能性があります。また、市場価格は、金利情勢、経済情勢、不動産市況その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動します。なお、新型コロナウイルス感染症等の感染症の感染拡大や長期化等により、本投資証券又は本投資法人債券の市場価格が大きな影響を受ける可能性があります。
本投資法人若しくは本資産運用会社、又は他の投資法人若しくは他の資産運用会社に対して監督官庁による行政処分の勧告や行政処分が行われた場合にも、本投資証券又は本投資法人債券の市場価格が下落することがあります。
本投資証券又は本投資法人債券の市場価格が下落した場合、投資主又は投資法人債権者は、本投資証券又は本投資法人債券を取得した価格以上で売却できない可能性があり、その結果、損失を被る可能性があります。
(ロ)本投資証券の市場での取引に関するリスク
本投資証券は、東京証券取引所に上場していますが、本投資法人の資産総額の減少、投資口の売買高の減少その他の東京証券取引所の定める有価証券上場規程に規定される上場不動産投資信託証券の上場廃止基準に抵触する場合には廃止されます。
本投資証券の上場が廃止される場合、投資主は、保有する本投資証券を相対で譲渡する他に換金の手段がないため、本投資証券を本投資法人の純資産額に比して相当に廉価で譲渡せざるを得ない場合や本投資証券の譲渡自体が事実上不可能となる場合があり、損失を被る可能性があります。
(ハ)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針 (3) 分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無及びその金額は、いかなる場合においても保証されるものではありません。本投資法人が取得する不動産及び不動産を裏付けとする資産の当該裏付け不動産(本「(1) リスク要因」の項において、以下「不動産」と総称します。)の賃貸状況、売却に伴う損益、減損損失の発生や建替えに伴う除却損等により、期間損益が変動し、投資主への分配金が増減することがあります。
(ニ)収入及び支出の変動に関するリスク
本投資法人の収入は、主として本投資法人が取得する不動産関連資産又はその裏付けとなる不動産からの賃料収入に依存しています。かかる賃料収入は、物件の稼働率の低下等により、大きく減少する可能性があるほか、賃借人との協議や賃借人からの請求等により賃料が減額されたり、契約どおりの増額改定を行えない可能性もあります(なお、これら賃料収入に関するリスクについては、後記「④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク (ハ) 賃貸借契約に関するリスク」をご参照ください。)。
一方、収入の減少だけでなく、退去するテナントへの預り敷金及び保証金の返還、大規模修繕等に要する費用支出、多額の資本的支出、不動産の取得等に要する費用、その他不動産に関する支出が状況により増大し、キャッシュ・フローを減ずる要因となる可能性があります。
更に、不動産関連資産に関して減価償却費、公租公課、保険料、管理組合費、水道光熱費、不動産管理費用、清掃衛生費、保安警備業務及び設備管理業務等の建物管理業務に係る費用、維持修繕費用、借地借家料並びにテナント誘致費用(媒介手数料、広告料等)の費用負担があります。かかる費用の額は状況により増大する可能性があります。
このように、収入が減少する可能性があるとともに、支出は増大する可能性があり、これら双方又はいずれか一方の事由が生じた場合、投資主への分配金額が減少したり、本投資証券の市場価格が下落すること、又は本投資法人債券について元本や利子の支払いが滞ったり、支払不能が生じることがあります。
(ホ)新投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
本投資法人は、その事業遂行のために必要に応じて資金を調達しますが、その資金調達が投資口の追加発行により行われる場合には、既存の投資主が有する投資口の投資法人の発行済投資口の総口数に対する割合が希薄化する可能性があります。
また、期中において投資口が追加発行される場合、当該追加発行された投資口に対して、その期の投資口保有期間にかかわらず、既存の投資主が有する投資口と同額の金銭の分配がなされるため、既存の投資主が有する投資口への分配額に影響を与える可能性があります。更に、今後、追加発行がなされる場合、投資口1口当たりの純資産額が減少する場合や、市場における投資口の需給バランスに悪影響を与える場合があり、その結果、投資口の価格が悪影響を受けるおそれがあります。
(ヘ)投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一ではないことによるリスク
本投資法人の投資主は、投資主総会を通じて、一定の重要事項につき本投資法人の意思決定に参画できるほか、本投資法人に対して一定の権利を行使することができますが、かかる権利は株式会社における株主の権利とは必ずしも同一ではありません。
例えば、金銭の分配に係る計算書を含む本投資法人の計算書類等は、役員会の承認のみで確定し(投信法第131条第2項)、投資主総会の承認を得る必要はないことから、投資主総会は必ずしも決算期毎に招集されるわけではありません。また、投資主が投資主総会に出席せず、かつ、議決権を行使しないときは、当該投資主は、その投資主総会に提出された議案(複数の議案が提出された場合において、これらのうちに相反する趣旨の議案があるときは、当該議案のいずれをも除きます。)について賛成するものとみなされます(投信法第93条第1項、規約第17条第1項)。更に、本投資法人は、資産の運用に係る業務その他の業務を本資産運用会社その他の第三者に委託しています。これらの要因により、投資主による資産の運用に係る業務その他の業務に対する統制が効果的に行えない可能性もあります。
(ト)投資法人債券の償還・利払に関するリスク
本投資法人の信用状況の悪化その他の事由により、本投資法人債券について元本や利子の支払いが滞ったり、支払不能が生じるリスクがあります。
(チ)投資法人の法律上、税制上、その他諸制度上の取扱いに関するリスク
投資法人に関する法律上、税制上、その他諸制度上の取扱い若しくは解釈が大幅に変更され、又は新たな法律が制定される可能性があり、それに伴い、本投資法人の現在の運用方針、運用形態等の変更が必要となる可能性があります。その結果、本投資法人の存続、収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)スポンサー・サポート契約等に基づき想定どおりの物件取得が行えないリスク
本投資法人及び本資産運用会社は、積水ハウス及び積水ハウス不動産各社(6社)との間で、スポンサー・サポート契約又は優先交渉権(等)に関する契約を締結しています(スポンサー・サポート契約及び優先交渉権(等)に関する契約については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 1 資産管理等の概要 (5) その他 ④ 関係法人との契約の更改等に関する手続 (ヘ) 本資産運用会社の親会社/スポンサー:積水ハウス」及び同「(ト) パイプラインサポート会社:積水ハウス不動産各社(6社)」をご参照ください。)。しかし、積水ハウス及び積水ハウス不動産各社(6社)が本投資法人の投資基準に合致する情報を十分に取得又は提供できない可能性があるほか、スポンサー・サポート契約は、本投資法人及び本資産運用会社に優先交渉権等を与えるものにすぎず、積水ハウス及び積水ハウス不動産各社(6社)は、本投資法人に対して、不動産を本投資法人の希望する価格で売却する義務を負っているわけではありません。すなわち、本投資法人は、スポンサー・サポート契約及び優先交渉権(等)に関する契約により、本投資法人が適切であると判断する不動産を適切な価格で取得できることまで常に確保されているわけではありません。
したがって、本投資法人は、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があります。
(ロ)不動産を取得又は処分できないリスク
不動産は、一般的にそれぞれの物件の個別性が強いために代替性がなく、流動性が低いため、希望する時期に希望する物件を取得又は処分できない可能性があります。また、必ずしも、本投資法人が取得を希望した不動産を取得することができるとは限りません。取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。更に、本投資法人が不動産を取得した後にこれらを処分する場合にも、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。加えて、不動産の中でも、本投資法人が投資対象としているホテルや学生寮、社宅、シニアアセット等の運営者(オペレーター)が運営する不動産(いわゆるオペレーショナルアセット)及びデータセンターは、他の種類の不動産に比べ、立地、用途及び構造等が特殊であり、売手及び買手ともに限定される傾向があるため、他の種類の不動産よりも一層流動性が低い点に留意が必要です。とりわけ、ホテルのテナントが世界的にブランドを展開するオペレーターである場合、一般に、当該ホテルのテナントは競合オペレーターに対して不動産が譲渡されることを敬遠する傾向があり、そのため、ホテルの賃貸借契約において、ホテルの競合オペレーターを含む第三者への譲渡について、ホテルテナントの同意が必要とされる等の制限が規定されることがあり、かかる制限により、本投資法人が希望した相手方、価格、時期その他の条件で当該ホテルの譲渡を行うことができない可能性があります。
以上の結果、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があり、また、ポートフォリオの組替えが適時に行えない可能性があります。
(ハ)新投資口の発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
新投資口の発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行の可能性及び条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後本投資法人の希望する時期及び条件で新投資口の発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行を行うことができる保証はなく、その結果、予定した資産を取得できなかったり、予定しない資産の売却を余儀なくされたり、資金繰りがつかなくなる可能性があります。
また、本投資法人が金銭の借入れ又は投資法人債の発行を行う場合において、当該金銭の借入れ又は投資法人債の発行の条件として、資産・負債等に基づく一定の財務指標上の数値を維持する、本投資法人の信用状態に関する評価を一定の水準に維持する、投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が新たに設けられたり、運用資産に担保を新たに又は追加して設定することとなったり、規約の変更が制限される等の可能性があり、このような制約が本投資法人の運営に支障をきたし、又は投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、これらの制限に違反した場合には、追加の担保設定や費用負担等を求められ、本投資法人の運営に重大な悪影響が生じる可能性があります。なお、本投資法人は、一定の金融機関との間で資金の借入れに関する基本合意書を締結し、当該基本合意書に基づき、ローン契約を締結しています。かかる基本合意書においては、資産・負債等に基づく一定の財務指標上の数値を一定範囲に維持する旨の財務制限条項が設定されています。
本投資法人の運用資産に担保が設定された場合、本投資法人が担保の設定された運用資産の売却を希望したとしても、担保の解除手続その他の事情により、希望どおりの時期に売却できない可能性又は希望する価格で売却できない可能性があります。また、収益性の悪化等により運用資産の評価額が引き下げられた場合又は他の借入れを行う場合等、一定の条件の下に運用資産に対して追加して担保を設定することを要求される可能性もあります。この場合、他の借入れ等のために担保が既に設定されている等の理由で担保に供する適切な資産がない可能性もあります。また、担保不動産からのキャッシュ・フローが減少したり、その評価額が引き下げられたりした場合には、本投資法人の希望しない条件で借換資金を調達せざるを得なくなったり、本投資法人の希望しない時期及び条件で運用資産を処分せざるを得なくなる状況も想定され、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、担保に供する適切な資産がないために、本投資法人の希望どおりの借入れ等を行えない可能性もあります。
また、借入れ及び投資法人債の金利その他の条件やこれに関する費用は、借入れ時及び投資法人債発行時の市場動向並びに投資法人債に係る格付等に左右され、変動金利の場合には、その後の市場動向にも左右されます。借入れ及び投資法人債の金利が上昇し、又は、本投資法人の借入額及び投資法人債発行額が増加した場合には、本投資法人の利払額は増加します。このような利払額の増加により、投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を与える可能性があります。
本投資法人の総資産LTVの水準は、60%を上限の目処としていますが、資産の取得等に伴い一時的に60%を超えることがあります。また、変動金利での資金調達に伴ってLTVの値が高まった場合には、分配可能金額が金利変動の影響をより受け易くなり、その結果投資主への分配金額が減少するおそれがあります。
(ニ)運用資産の偏在に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 (1) 投資方針」に記載された投資方針に基づき運用を行いますが、今後の運用次第では、本投資法人の運用資産の立地に地域的な偏在が生じる可能性があります。運用資産が一定の用途又は地域に偏在した場合には、当該地域における地震その他の災害、市況の低迷による稼働率の低下、賃料水準の下落等が、本投資法人の収益等又は存続に著しい悪影響を与える可能性があります。
また、一般的に、総資産額に占める個別の運用資産の割合は、総資産額の規模が拡大する過程で低下していくと予想されるものの、総資産額に占める割合が大きい運用資産に関して、地震その他の災害、稼働率の低下、賃料水準の下落等の事情が発生した場合には、本投資法人の収益等又は存続に著しい悪影響を与える可能性があります。
(ホ)テナントの集中に関するリスク
投資対象不動産のテナント数が少なくなる場合、本投資法人の収益等は特定のテナントの退去、支払能力の悪化その他の事情による影響を受けやすくなります。すなわち、賃貸面積の大きなテナントが退去した場合には、稼働率が低くなる上に、他のテナントを探し稼働率を回復させるのが難しくなることがあり、その期間が長期にわたる場合には、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。また、全賃料収入のうち特定のテナントからの賃料収入が占める割合が高い場合においては、当該テナントの賃料の支払能力が低下し、又は失われた場合には、総賃料収入に与える影響が大きくなります。本投資法人は、かかるリスクを低減するために、投資対象及びテナントの適切な分散を図りますが、かかるリスクが現実化しないという保証はありません。
(ヘ)シングルテナント物件に関するリスク
単一のテナントが物件全体を賃借するいわゆるシングルテナント物件において、当該シングルテナント物件が個性の強い物件である場合等、当該単一のテナントが退去し、同等の後継のテナントが存在しないと、代替テナントとなり得る者が限定されているために、代替テナントが入居するまでの空室期間が長期化する可能性があります。その結果、当該物件の稼働率が大きく減少したり、代替テナント確保のために賃料水準を引き下げざるを得なくなることがあり、賃料収入に大きな悪影響を与える可能性があります。
(ト)特定の物件への収入の依存に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 (1) 投資方針」に記載された投資方針に基づき運用を行いますが、今後の運用次第では、本投資法人の収入が一部の物件に大きく依存することがあります。この場合、当該依存している物件のいずれかが何らかの理由で毀損、滅失若しくは劣化し、若しくは賃貸が不可能となる事由が生じた場合、又はそのテナントの財政状態及び経営成績が悪化し、若しくはこれらのテナントが中途解約等により退去した場合において、テナントが退去し、同等の後継のテナントが存在しない場合(承継すべき転貸先のテナントとの契約が存在しない場合を含みます。)若しくはこれらのテナントとの賃貸借契約所定の賃料が賃料改定その他の理由により減額された場合には、本投資法人の収益等に大きな悪影響を与える可能性があります。
(チ)住居への投資に関するリスク
本投資法人は、住居への投資を行います。したがって、人口動態による賃貸住宅の需要や賃料の動向が本投資法人の収益に悪影響を与える可能性があります。また、住居においてはテナントの退去要因が多様であり、一定程度の頻度でテナントの退去に伴う空室の発生が見込まれ、また、空室に伴う賃貸人等による原状回復費の負担及び後継テナントのリーシング費用の発生や、後継テナントとの賃料交渉において本投資法人が想定する賃料での賃貸借契約が締結できないこと等により、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(リ)オフィスビルへの投資に関するリスク
本投資法人は、オフィスビルへの投資を行いますが、オフィスビルの賃貸需要は一般に景気の動向に左右されることが多く、かかる需要の動向によっては本投資法人の収益に悪影響を与える可能性があります。また、一般に、オフィスビルの賃貸においては、前記「(ト) 特定の物件への収入の依存に関するリスク」に記載のテナントが中途解約等により退去した場合の本投資法人の収益等に与える悪影響の程度が、居住用不動産と比較して大きくなる傾向があります。
(ヌ)データセンターへの投資に関するリスク
本投資法人は、データセンターへの投資を行うことがありますが、データセンターは、コンピューターやデータ通信等の装置を設置・運営することに特化した施設であり、今後の我が国の通信技術その他のインフラのあり方の変化等により、データセンターに対する需要が低下し、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、データセンターは、用途の変更が困難であり、物件の特性から賃借人となり得る者が限定されるため、既存の賃借人が退去した場合、住居、オフィスビル、商業施設等に比べ、代替賃借人となり得る者が限定され、代替賃借人が入居するまでの非稼働期間が長期化する等の事態が生じ、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、データセンターには、その用途のために様々な特別な設計が施されますが、当該設備が陳腐化した場合には、競争力が低下し、本投資法人の収益に悪影響を与える可能性があるほか、当該設備等の更新のため、多額の費用を要する可能性もあります。これらにより、本投資法人の収益に悪影響を与える可能性があります。
(ル)ホテルへの投資に関するリスク
本投資法人は、ホテルへの投資を行います。したがって、ホテルテナントの売上減少又は利益の減少等が本投資法人の賃料収入に直接的な悪影響を与える可能性があります。また、本投資法人が、ホテルテナントとの間で売上歩合賃料その他一定の経営指標に応じて賃料が変動する賃料体系を採用している場合、賃料は変動賃料となるため、ホテルテナントの売上等の減少が、本投資法人の賃料収入に一層直接的な悪影響を与える可能性があります。そして、ホテル業界の業績や収益は、以下のものを含む様々な要素により悪影響を受ける可能性があります。
・国内外の景気及び経済状況の悪化並びに災害、悪天候、伝染病の流行等による消費者行動の変化の影響を受けた旅行者数の減少
・政治及び外交上の出来事及び動向(戦争、暴動、騒乱、テロ等を含みます。)や為替要因等による、旅行者数の減少
・旅行代理店の倒産等による、旅行代理店との間の信用取引によって発生した債務の不履行
・保有する設備や周辺環境の陳腐化又は交通環境の変化による集客力の低下
・周辺の特定の施設に集客力が依存している場合の当該施設の閉鎖等による集客力の低下
・当該施設や周辺において提供されている特定のサービスに集客力が依存している場合の当該サービス提供の終了、当該サービスに対する旅行者の選好の変化等による集客力の低下
・類似するコンセプトのホテルとの競合による集客力の低下
・旅行者の旅のニーズ又はトレンドの変化
・機械化が難しいサービスを提供するホテルテナント従業員等の確保の失敗
・提供する飲食物による食中毒等の事故の発生
・ホテルテナント従業員等の故意又は過失による顧客情報の漏洩
・旅館業法(昭和23年法律第138号。その後の改正を含みます。)及びこれに相当する所在国・地域の法令等に基づく営業許可その他許認可の取消し
また、ホテル業界の業績や収益は、季節的要因等により変動します。
更に、ホテル業界は、装置産業としての性格が強く、内装のように、施設運営に不可欠の資産、権利等をホテルテナント又はオペレーターが有している場合もあり、また、運営に当たり高度な知識が要求されることから、既存ホテルテナント又は既存オペレーターが退去した場合、代替するホテルテナント又はオペレーターとなり得る者が少ないために、代替ホテルテナントが入居するか、又は新たな運営委託契約の締結後代替オペレーターが運営を開始するまでの空室期間が長期化し、不動産の稼働率が大きく低下すること、代替するホテルテナント又はオペレーター確保のために賃料や受託手数料水準を下げざるを得なくなること、運営の移行期間において十分な収益が実現できないこと、又は賃貸借契約や運営委託契約の条件が不利になることがあり、その結果、本投資法人の収益等に悪影響を与える可能性があります。
更に、既存ホテルテナントへの賃貸借契約又は既存オペレーターへの運営委託の終了によってホテルテナント又はオペレーターが交代するものとしていても、円滑な交代ができず、又は交代に伴って多額の費用が生じ、その結果、本投資法人の収益等に悪影響を与える可能性があります。
加えて、ホテルは、競争力維持のためのいわゆるFF&E(注)の定期的な更新投資及び単なる更新に留まらない競争力強化のための大規模投資が必要となりますが、本投資法人がその多くを所有し、その負担能力を超えて初期投資、修繕、更新等を行うこととなった場合、本投資法人の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、これらの理由で工事が行われる場合、施設の全部又は一部が相当期間閉鎖される場合もあり、この間ホテルテナントは収益をあげることができず、又は収益が減少します。施設の閉鎖を伴うような大規模なFF&Eの修繕及び更新が行われる場合、賃料等の減少の形で本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性もあります。また、かかるFF&Eの初期投資、修繕、更新等がホテルの売上又は利益の増加につながらず、期待どおりの効果が得られない場合、本投資法人の収益等に悪影響を与える可能性があります。
(注) 「FF&E」は、Furniture, Fixture & Equipmentの略であり、家具、什器、備品、装飾品並びに厨房機器等、ホテル運営に必要な資産をいいます。原則的にFF&Eは償却資産です。
その他、ホテルの場合、用途に応じた構造の特殊性から、オペレーターの業態を大きく変更することが困難であることが多く、また、経済の動向、消費性向の変化に伴い、収益力が減退するときには業務の撤退・縮小を余儀なくされることもあり、そのような場合には、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ヲ)商業施設への投資に関するリスク
本投資法人は、商業施設への投資を行いますが、商業施設の場合、その立地条件や建物の構造により、テナントの業態を大きく変更することは困難であることが多く、投資対象不動産のテナントの業態が、総合スーパーマーケット、百貨店等の特定の業態に偏った場合には、当該業態が、消費性向の変化に伴い小売業としての競争力を失う等により、本投資法人の収益に著しい悪影響を及ぼす可能性がある等、当該テナントの業種に係る事業上のリスクの影響を受けるおそれがあります。また、本投資法人が、テナントとの間で売上歩合賃料を採用している場合、賃料は変動賃料となるため、テナントの売上減少が、本投資法人の賃料収入に直接的な悪影響を与える可能性があります。
(ワ)シニアアセットへの投資に関するリスク
本投資法人は、シニアアセットに投資する(住居等の一部としての投資を含みます。)ことがありますが、シニアアセットの運用においては、テナントがオペレーターとして必要となるサービスを提供するために固有の運営等に関するノウハウが必要となることから、その運営は、PM会社のみならず、オペレーターの業務遂行能力にも強く依拠することになります。したがって、オペレーターに関して、後記「(カ)PM会社に関するリスク」に記載のリスクと同様のリスクが存在することになります。また、シニアアセットの運営については、かかる固有のノウハウを必要とするほか、業法規制等の面から、オペレーターの代替性が限定されているため、そのリスクの程度は、他の類型の物件よりも大きくなる可能性があります。また、シニアアセットには間取りや付帯設備、その立地、建築基準法による用途制限等の点で他の一般的な賃貸住宅とは異なる特性を有する場合があります。そのため、将来テナントが退去した際には、代替テナントが入居するまでの空室期間が長期化する可能性があることのほか、一般的な賃貸住宅やその他の用途への転用ができなかったり、売却をしようとした際に用途が限定されていることにより購入先が限られ処分ができないか、又は想定した価格で処分することができなかったりする等の可能性があります。更に、シニアアセットにおいては、高齢の入居者が多いことから、例えば、入居者からの対価の支払が不足し又は遅延した場合等においても、直ちに契約を解除し、立退きを求める等の対応を行うことが、人道的見地において容易には行えない場合がないとは限りません。また、シニアアセット(有料老人ホーム)においては、テナントであるオペレーターが入居者から一定の入居一時金を収受する場合があり、あらかじめ定められている入居一時金の償却期間内に入居者が退去する場合には、残存額が返還されることになります。本投資法人は、シニアアセット(有料老人ホーム)を住居物件の一部として保有し、マスターリース会社を通じてオペレーターに賃貸する形式で運用を行うことがありますが、本投資法人が入居契約及び入居一時金の返還債務を承継することは想定されません。したがって、シニアアセット(有料老人ホーム)はオペレーターにより管理されることとなりますが、オペレーターの事業内容及び財務内容が悪化した場合において、入居者がオペレーターに対してのみならず、本投資法人に対しても入居一時金残額の返還を求める等、本投資法人としては、法的には許容できない対応を求めてこないとの保証はありません。加えて、シニアアセットに関連する法令、ガイドラインの改正や介護保険等の制度改正等がシニアアセットの運営や競争環境に影響を及ぼし、本投資法人が保有する施設の収益に影響を及ぼし、ひいては当該施設の資産価値に悪影響を及ぼす可能性があります。
(カ)PM会社に関するリスク
一般に、賃借人の管理、建物の保守管理等不動産の管理業務全般の成否は、PM会社の能力、経験、知見によるところが大きく、本投資法人が保有する不動産の管理についても、管理を委託するPM会社の業務遂行能力に相当程度依拠することになります。管理委託先を選定するに当たっては、各PM会社の能力、経験、知見を十分考慮することが前提となりますが、当該PM会社における人的・財産的基盤が維持される保証はありません。また、PM会社は複数の不動産に関して、他の顧客(他の不動産投資法人を含みます。)から不動産の管理及び運営業務を受託し、本投資法人の投資対象不動産に係るPM業務と類似又は同種の業務を行う可能性があります。これらの場合、当該PM会社は、本投資法人以外の者の利益を優先することにより、分配可能金額を害する可能性があります。
本投資法人は、PM会社につき、業務懈怠又は倒産事由が認められた場合、管理委託契約を解除することはできますが、後任のPM会社が任命されるまではPM会社不在又は機能不全のリスクが生じるため、一時的に当該投資対象不動産の管理状況が悪化する可能性があります。
(ヨ)賃料保証会社に関するリスク
本投資法人は、保有物件において賃料保証会社の滞納賃料保証システムを導入することがありますが、当該保証システムは、PM会社、エンドテナント及びエンドテナントの賃料債務等に係る保証人たる賃料保証会社の3者間の保証契約に基づくものであり、当該保証契約上、エンドテナントにおいて賃料の滞納が発生した場合、PM会社が賃料保証会社に代位弁済を請求することが可能ですが、賃料保証会社が破産及びその他の法的倒産手続等に入った場合には、PM会社が同社から当該代位弁済の履行を受けることができなくなる、又はエンドテナントが賃料相当額を賃料保証会社に支払っているときは、その回収ができなくなることで、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性があります。
(タ)海外不動産等への投資に関するリスク
a. 海外不動産等の取得並びに管理及び運用その他の海外不動産等の投資対象地域に関するリスク
本投資法人の保有資産は、いずれも日本国内に所在する不動産ですが、本投資法人は、将来的には、海外不動産等を取得する可能性があります。
本資産運用会社は、海外不動産等の取得並びに管理及び運用の経験は限定的であり、その結果、本投資法人は、日本国内における一般的な取扱いとの相違等により、本投資法人が将来取得する海外不動産等を取得し又は管理若しくは運用する上で予期せぬ問題に直面し、取得を実行できない、又は取得した海外不動産等の管理上の問題を抱える可能性があります。
本投資法人は、海外不動産等への投資に対する政府の統制、外国為替規制、海外不動産等への投資から生じる収益を日本国内に送金することができないリスク、投資対象不動産等の所在国の経済情勢の悪化、地方の政治姿勢の変化、為替レートの変動、海外事業の人員配置及び経営の問題、複数の管轄権で課税されるリスク、海外不動産等の所在国や所在地域において政治・経済情勢の変化や新たな取引規制ができるリスク等にさらされるおそれがあります。かかる国際的要因に伴う一般的なリスクが実現することによって、本投資法人は、その収益に悪影響を受ける可能性があります。
更に、日本と海外不動産等の所在する国の関係が悪化した場合には、本投資法人の当該国での事業が制限又は禁止される可能性があります。本投資法人がこれらのリスクを適切に管理できない場合、当該リスクが、本投資法人に悪影響を及ぼす可能性があります。
加えて、日本と諸外国との間の関係の悪化により、海外不動産等の価値に悪影響が生じるおそれがあります。
また、海外不動産等が所在する国において、紛争等が生じ、現地の不動産の価値が減損し、又は金融市場や経済環境が世界的に悪化するおそれがあります。
b. 外国為替についての会計処理に関するリスク
本投資法人は、海外不動産等への投資に関して外貨建ての取引を行う場合があります。そのような取引では外国為替相場の変動に係るリスクを有しており、外国為替相場の変動は本投資法人の損益に悪影響を及ぼす可能性があります。外国通貨に対して円高が進んだ場合、海外不動産等への投資に関して発生する外貨建て取引の円換算額が目減りし、本投資法人の当期純利益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、海外不動産等への投資に関して外貨建て資産及び負債が発生する場合には、それらの一部の項目は、財務諸表作成のために決算時の外国為替相場により円換算されます。これらの項目は、為替変動により本投資法人の当期純利益に悪影響を及ぼす可能性があります。
c. 海外不動産等への減損会計の適用に関するリスク
海外不動産等への投資についても、国内不動産と同様、減損会計の適用を受けます。減損会計の適用に関するリスクについては後記「⑥ その他 (ロ) 減損会計の適用に関するリスク」に記載のとおりです。なお、外国為替相場の変動が減損会計の適用により生じる可能性のある減損損失に影響を及ぼす可能性があります。
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)積水ハウスグループへの依存、利益相反に関するリスク
積水ハウスは、本書の日付現在、本資産運用会社の全株式を保有しており、本資産運用会社の一部の役職員の出向元であり、本資産運用会社の非常勤取締役及び非常勤監査役の兼任先です。また、積水ハウスグループは、本投資法人の本書の日付現在のポートフォリオにおける主要なテナントでもあります。更に、本投資法人及び本資産運用会社は、積水ハウス及び積水ハウス不動産各社(6社)との間で、スポンサー・サポート契約又は優先交渉権(等)に関する契約等を締結し、スポンサーサポートをはじめとする各種のサポートの提供を受けています。
すなわち、本投資法人及び本資産運用会社は、積水ハウスグループと密接な関係を有しており、本投資法人による安定した収益の確保と成長性に対する積水ハウスグループの影響は相当程度高いということができます。
したがって、本投資法人及び本資産運用会社が、積水ハウスグループとの間で、本書の日付現在における関係と同様の関係を維持できなくなった場合には、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
更に、本投資法人や本資産運用会社が、資産運用活動その他を通じて、積水ハウスグループとの間で不動産の売買や賃貸借その他の取引を行う場合等、本資産運用会社がその株主並びにその連結子会社及び持分法適用会社である積水ハウスグループの利益を図るため、本投資法人又は本投資法人の投資主又は投資法人債権者の利益に反する行為を行う可能性があります。本投資法人及び本資産運用会社は、かかるリスクを低減するため、利害関係者取引規程に基づく手続の履践等、一定の利益相反対策は行っているものの、当該対策にもかかわらず、本資産運用会社が本投資法人又は本投資法人の投資主又は投資法人債権者の利益に反する行為を行う可能性があり、その場合には、本投資法人の投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。加えて、本投資法人及び本資産運用会社が積水ハウスグループとの間で締結している契約は、積水ハウスグループが、本投資法人と競合する事業を行うことを禁止するものではありません。積水ハウスグループは、不動産の開発、所有、運営、PM業務の提供、上場投資法人の資産運用等、様々な形で不動産に関連する業務を行っています。したがって、本投資法人又は本資産運用会社と積水ハウスグループとが、特定の資産の取得、賃貸借、運営管理、処分等に関して競合する可能性やその他利益相反が問題となる状況が生じる可能性は否定できません。これらの利益相反を原因として、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
(ロ)本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材その他本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
本投資法人の運営は、本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材に大きく依存しており、これらの人材が失われた場合、本投資法人の運営に悪影響をもたらす可能性があります。
本投資法人は、投信法に基づき、全ての執行役員及び監督役員から構成される役員会において重要な意思決定を行い、資産の運用を本資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に、それぞれ委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者の能力、経験及び知見に依存するところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。
また、投信法は、本投資法人の執行役員及び監督役員並びに本投資法人の関係者に関し、善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)又は本投資法人のために忠実に職務を遂行する義務(忠実義務)等の義務及び責任を定めていますが、これらの本投資法人の関係者が投信法その他の法令に反し、又は、法定の措置をとらないときは、投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。また、これらの者が業務遂行に必要な業務遂行能力を失った場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。とりわけ、「赤坂ガーデンシティ」については、その一部を本資産運用会社が賃借していることから、本書の日付現在、本投資法人と本資産運用会社の間には、実質的な賃貸人と賃借人としての利益相反状況が生じています。そのため、本資産運用会社が、法令上又は契約上負っている前記の善管注意義務、忠実義務等に違反した場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。
更に、本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者が、法令上又は契約上負っている善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)、本投資法人のために忠実に職務を遂行する義務(忠実義務)、利益相反状況にある場合に本投資法人の利益を害してはならない義務、その他の義務に違反した場合や、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等の業務遂行能力を失った場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。更に、本資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託者が、破産手続又は会社更生手続その他の倒産手続等により業務遂行能力を喪失する場合においては、本投資法人はそれらの者に対する債権の回収に困難が生じるおそれがあり、更に本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者との契約を解約し又は解除することが求められることがあります。そのような場合、本投資法人は、投信法上、資産の運用、資産の保管及び一般事務に関しては第三者へ委託することが義務付けられているため、日常の業務遂行に影響を受けることになります。また、委託契約が解約又は解除された場合には、新たな資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託者を選定し、これらの者に対して前記各業務を委託することが必要とされます。しかし、本投資法人の希望する時期及び条件で現在と同等又はそれ以上の能力と専門性を有する第三者を選定し、前記各業務及び事務を委託できるとの保証はなく、そのような第三者を速やかに選定できない場合には、本投資法人の存続及び損益の状況等に悪影響を及ぼすほか、適切な資産運用会社を選定できない場合には、本投資口が上場廃止になる可能性もあります。
この他に、本資産運用会社又は本投資法人若しくは今後運用資産となり得る不動産信託受益権に関する信託受託者から委託を受ける業者として、PM会社、建物の管理会社等があります。本投資法人の収益性の向上のためにはこれらの者の能力、経験及び知見に依存するところも大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。これらの者について業務の懈怠その他の義務違反があった場合や業務遂行能力が失われた場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を与える可能性があります。
(ハ)本投資法人の投資方針等の変更に関するリスク
本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び本資産運用会社の取締役会が定めたより詳細な投資方針、ポートフォリオ構築方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。
また、本投資法人の発行する投資証券について支配権獲得その他を意図した取得が行われた場合、投資主総会での決議等の結果として本投資法人の運用方針、運営形態等が他の投資主の想定しなかった方針、形態等に変更される可能性があります。
一方で、運用環境の変化に対応して、適切に本投資法人の運用方針、運用形態等を変更できない可能性もあり、そのような場合には、本投資法人の収益等に悪影響を与える可能性があります。
(ニ)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
本投資法人は、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。)(以下「破産法」といいます。)上の破産手続、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。)(以下「民事再生法」といいます。)上の再生手続及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服する可能性があります。
本投資法人は、投信法に基づいて投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合に投信法に従ってその登録が取り消される可能性があります(投信法第216条)。その場合には、本投資証券の上場が廃止され、本投資法人は解散し、清算手続に入ります。
本投資法人が清算される場合、投資主は、全ての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産の分配にあずかることによってしか投資金額を回収することができません。このため、投資主は、投資金額の全部又は一部について回収することができない可能性があります。
(ホ)敷金及び保証金に関するリスク
本投資法人は、運用資産の賃借人が無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を運用資産の取得資金の一部として利用する場合があります。しかし、賃貸市場の動向、賃借人との交渉等により、本投資法人の想定よりも賃借人からの敷金及び保証金の預託額が少なくなり、又は預託期間が短くなる可能性があり、この場合、必要な資金を借入れ等により調達せざるを得なくなります。また、不動産を信託する信託の受益権を取得した場合に、その信託財産である不動産に関する敷金又は保証金を本投資法人が利用する条件として、本投資法人が敷金又は保証金の返還債務を負う場合があり、当該返還債務の履行に必要な資金を借入れ等により調達する可能性があります。これらの結果、本投資法人の収益に悪影響を与える可能性があります。
④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク
本投資法人の主たる運用資産は、前記「2 投資方針 (2) 投資対象 ① 投資対象とする資産の種類」に記載のとおり、不動産等です。本投資法人は、後記「5 運用状況 (2) 投資資産 ⑤ 保有資産の個別不動産の概要」に記載する不動産等を信託する信託の受益権を取得しています。不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産の所有者は、その信託財産である不動産又は裏付けとなる不動産を直接所有する場合と、経済的には、ほぼ同様の利益状況に置かれます。したがって、以下に記載する不動産に関するリスクは、不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産についても、ほぼ同様にあてはまります。
なお、信託の受益権特有のリスクについては、後記「(ネ) 不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク」をご参照ください。
(イ)不動産の欠陥・瑕疵や境界に関するリスク
第三者の権利の存在、建物の建設工事における施工の不具合や施工時に利用するデータの転用その他の不適切な利用、土地の地形や組成等の様々な原因により、不動産には権利、土地の地盤及び地質並びに建物の杭や梁等の構造、設計及び施工、免震装置、制振装置を含む建物の素材の強度・機能等に関して欠陥、不具合、基準への不適合、瑕疵(物の種類、数量、性能、性質又は品質等が不十分又は契約の内容に適合しない場合におけるその不適合をいいます。以下同じです。)等(隠れたものを含みます。)が存在している可能性があり、また、かかる欠陥、瑕疵等が取得後に判明する可能性もあります。本投資法人の取得時にはかかる欠陥、瑕疵等がなかった場合であっても、取得後に建物の建材等の許可や認定等が取り消される等により取得後にかかる欠陥、瑕疵等が生じる可能性もあります。本投資法人は、状況によっては、前所有者に対し一定の事項につき表明及び保証を要求し、瑕疵担保責任や契約不適合責任を負担させる場合もありますが、たとえかかる表明及び保証が真実でなかったことを理由とする損害賠償責任、瑕疵担保責任や契約不適合責任を追及できたとしても、これらの責任の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、前所有者が解散したり無資力になっているために実効性がない場合もあります。
これらの場合には、当該欠陥、瑕疵等の程度によっては、当該不動産の資産価値が低下することを防ぐために必要となる当該欠陥、瑕疵等の修補、建物の建替えその他の対応に係る費用が甚大となる可能性があるとともに、当該不動産の買主である本投資法人が当該費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、不動産登記簿の記載を信じて取引した場合にも、買主は不動産に係る権利を取得できないことがあります。更に、不動産登記簿中の不動産の権利に関する事項が現況と一致していない場合もあります。加えて、権利に関する事項のみならず、不動産登記簿中の不動産の表示に関する事項も現況と一致していない場合もあります。このような場合、上記と同じく、本投資法人は売主等に対して法律上又は契約上可能な範囲で責任を追及することとなりますが、その実効性があるとの保証はありません。
更に、不動産の中には、周辺の不動産との境界が確定していないものが多数存在し、本投資法人は、このような境界が確定していない物件であっても、紛争等の可能性や運営への影響等を検討の上で取得する可能性がありますが、本投資法人の想定に反し、隣地との間で紛争が生じたり、境界確定の過程で運用資産の運営に不可欠の土地が隣地所有者の所有に属するものとされること等により、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(ロ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
本投資法人が不動産を売却する場合、本投資法人は、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。)(以下「宅地建物取引業法」といいます。)上、宅地建物取引業者とみなされるため、同法に基づき、売却の相手方が宅地建物取引業者である場合を除いて、不動産の売買契約において、瑕疵担保責任や契約不適合責任に関し、買主に不利となる特約をすることが制限されています。したがって、本投資法人が不動産を売却する場合には、売却した不動産の欠陥、瑕疵等の修補、建物の建替えその他の対応に係る費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
加えて、不動産をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、不動産に関する権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。その結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。更には、不動産の形状や利用によっては、当該不動産の存在や利用状況によって意図しない第三者の権利の侵害が生じる可能性もあります。
更に、賃貸不動産の売却においては、新所有者が賃借人に対する敷金返還債務等を承継するものと解されており、実務もこれにならうのが通常ですが、旧所有者(本投資法人)が当該債務を免れることについて賃借人の承諾を得ていない場合には、旧所有者(本投資法人)は新所有者とともに当該債務を負い続けると解される可能性があり、予想外の債務又は義務等を負う場合があり得ます。
(ハ)賃貸借契約に関するリスク
a. 賃貸借契約の解約及び更新に関するリスク
賃借人が賃貸借契約上解約権を留保している場合等には、契約期間中であっても賃貸借契約が終了したり、また、賃貸借契約の期間満了時に契約の更新がなされない場合もあるため、稼働率が低下し、不動産に係る賃料収入が減少することがあります。また、解約禁止条項、解約ペナルティ条項等を置いて期間中の解約権を制限している場合や更新料を定めている場合でも、裁判所によって所定の金額から減額されたり、かかる条項の効力が否定される可能性があります。
以上のような事由により、賃料収入等が減少した場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
b. 賃料不払に関するリスク
賃借人の財務状況が悪化した場合又は破産手続、民事再生法上の再生手続若しくは会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。)(以下「会社更生法」といいます。)上の更生手続その他の倒産手続(以下、併せて「倒産等手続」と総称します。)の対象となった場合、賃貸借契約に基づく賃料、諸費用、その他賃借人が賃貸人に対して支払うべき金銭の支払いが滞る可能性があり、この延滞賃料等の債務の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超える状況になった場合には、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。また、本投資法人は、保証会社による保証等を付して賃貸することがありますが、テナントの財務状況が悪化した場合において、保証会社等の保証人の財務状況も悪化している場合には、賃料等を回収することができないこととなります。更に、代金回収会社に委託して口座振替によりテナントから賃料等を回収することがありますが、この場合において代金回収会社の財務状況が悪化した場合には、代金回収会社からの賃料等の入金が滞り又は回収ができなくなるおそれがあります。加えて、賃貸人が賃貸借契約上の債務の履行を怠った場合には、テナントは賃料等の不払をもってこれに対抗することができるため、テナントが賃貸人側の何らかの落ち度を理由に意図的な賃料等の不払をもって対抗する可能性もあり、その場合には当該不動産から得られる収入にも悪影響を与えることとなります。
c. 賃料改定に係るリスク
テナントとの賃貸借契約の期間が比較的長期間である場合には、多くの場合、賃料等の賃貸借契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。
したがって、本書の日付現在の賃料が今後も維持される保証はありません。賃料改定により賃料が減額された場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。特に、単一のテナントが物件全体を賃借するいわゆるシングルテナント物件の場合には、当該テナントとの賃料改定により賃料が減額されたときは、当該物件の収入全体が低下することになるため、その影響は相対的に大きくなります。
また、定期的に賃料等を増額する旨の規定が賃貸借契約にある場合でも、賃借人との交渉如何によっては、必ずしも、規定どおりに賃料を増額できるとは限りません。
d. 賃借人による賃料減額請求権行使のリスク
建物の賃借人は、定期建物賃貸借契約において借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)(以下「借地借家法」といいます。)第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合を除いて、同条に基づく賃料減額請求をすることができます。請求が認められた場合、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
e. 定期建物賃貸借契約に関するリスク
本投資法人は、投資資産について、定期建物賃貸借契約によりテナントに対して賃貸することがあります。建物の賃借人との間で定期建物賃貸借契約を締結するためには借地借家法第38条に規定される所定の要件を充足する必要がありますが、かかる要件が充足されなかった(又は充足されたと認められない)場合には、定期建物賃貸借契約としての効力が認められない可能性があります。その結果、上記賃料減額請求権排除特約が認められず、又は当該賃貸借契約が本投資法人の意向に反し更新されること等により、本投資法人の収益性に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
f. 変動賃料に関するリスク
本投資法人は、投資資産について、本投資法人とテナントとの間の賃貸借契約又はマスターレッシーとエンドテナントとの間の賃貸借契約において、賃料の全部又は一部に売上又は利益等に連動した変動賃料が定められることがありますが、売上又は利益等に連動した変動賃料の支払いを受ける場合には、売上の減少又は利益の減少等が賃料総額の減少につながり、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、変動賃料の支払いを受ける賃貸借契約において、変動賃料の計算の基礎となる売上等の数値について、賃貸人がその正確性について十分な検証を行えない場合があり得ます。その結果、本来支払われるべき金額全額の変動賃料の支払いがなされず、本投資法人の収益に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
g. 更新料に関するリスク
本投資法人は地域によっては更新料をテナントから徴収しています。更新料はテナントと締結された賃貸借契約を根拠として徴収していますが、消費者契約法(平成12年法律第61号。その後の改正を含みます。)等の解釈から更新料を徴収することの根拠が否定される可能性があります。また、過去に遡及して更新料の払い戻しを請求される可能性があり、その場合、当初予定していた利益を確保できない可能性があります。
h. 感染症の感染拡大に関するリスク
新型コロナウイルス感染症等の感染症の感染拡大や長期化等により、外出自粛を含む感染拡大防止に向けた政府及び地方自治体が実施する各施策の要請が長期化又は強化された場合、運用資産におけるテナントの経済活動等に支障が生じ、テナントの賃料負担力の低下等を理由とした賃料支払猶予の要請又は一定期間の賃料減額請求や賃料不払又はテナントの倒産、テレワーク等の働き方の変化によるオフィススペース需要の減少に伴う賃借面積の縮小又は解約等が生じる可能性があり、その結果、本投資法人の収益や本投資法人の保有資産の価値等に著しい悪影響が出る可能性があります。
(ニ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
火災、地震、津波、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下「災害等」といいます。)により不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が影響を受ける可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した個所を修復するため一定期間建物の不稼働を余儀なくされることにより、賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。不動産の個別事情により保険契約(地震保険に関する契約を含みます。)が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払いが他の何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅れる場合には、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、今後、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震と同規模又はそれ以上の地震その他の天災、事故等が発生する可能性を否定できません。その場合には、本投資法人が保有又は取得する物件が滅失、劣化又は毀損するおそれがあるほか、賃料水準の低下、稼働率の低下又はテナントの支払能力の低下が生じる可能性があり、また、周辺地域及び日本の経済全体が悪影響を受ける可能性があり、それらの結果、本投資法人の収益や本投資法人の保有資産の価値等に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(ホ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
運用資産である不動産を原因として、第三者の生命、身体又は財産等を侵害した場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損害を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上無過失責任を負うことがあります。なお、本投資法人が投資対象としているホテルについては、アスレチックやプールといったレジャー用施設を建物の一部又は土地の工作物として併設しているものがあるため、ホテルにおいては、建物の一部又は土地の工作物により第三者、特に利用客の生命、身体又は財産等が侵害されるリスクは他の種類の不動産に比べて高いといえます。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合や生じた事故に対して保険金が支払われない場合、前記「(ニ) 災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク」と同様、本投資法人の収益等は悪影響を受ける可能性があります。
また、不動産につき滅失、毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となる場合には、かかる修繕に関連して多額の費用を要する可能性があります。また、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、不動産から得られる賃料収入が減少し、不動産の価格が下落する可能性があります。
更に、不動産の修繕・維持費用等の不動産の維持管理に要する費用は一定ではないため、金利の上昇、税制変更、経済情勢の変動等の事情により、今後、不動産の修繕管理に要する費用が増加する可能性があります。
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例、都市計画法の改正、新たな立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為の規定の施行又は適用の際、原則としてこれらの規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)又はその敷地については、当該規定が適用されない扱いとされています(いわゆる既存不適格)。しかし、かかる既存不適格の建物の建替え等を行う場合には、現行の規定が適用されるため、現行の規定に合致するよう手直しをする必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建物を建築できない可能性やそもそも建物を再建築できない可能性もあります。更に、いわゆる既存不適格となるのは、新たな立法や行政行為の規定の施行又は適用の場合に限られるため、建物の建設後に敷地の形状に変更が生じた場合や、建物の建材等の許可や認定等が取り消された場合等は、現行の規定に合致するよう手直しをする必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建物を維持できない可能性もあります。
また、不動産に係る様々な行政法規や各地の条例による規制が運用資産である不動産に適用される可能性があります。例えば、都市計画法、地方公共団体の条例による風致地区内における建築等の規制、河川法(昭和39年法律第167号。その後の改正を含みます。)による河川保全区域における工作物の新築等の制限、文化財保護法(昭和25年法律第214号。その後の改正を含みます。)に基づく試掘調査義務、一定割合において住宅を付置する義務や、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務及び雨水流出抑制施設設置義務、地球温暖化対策としての温室効果ガス排出に関する報告や排出量制限の義務等が挙げられます。このような義務が課せられている場合、当該不動産の処分及び建替え等に際して、事実上の困難が生じたり、これらの義務を遵守するための追加的な費用負担が生じる可能性があります。更に、運用資産である不動産を含む地域が道路設置等の都市計画の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少し収益が減少する可能性があります。また、当該不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
(ト)法令の制定・変更に関するリスク
土壌汚染対策法のほか、将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査、除去、損害賠償等の義務等が課される可能性があります。
また、消防法その他不動産の管理に影響する関係法令の改正により、不動産の管理費用等が増加する可能性があるほか、エネルギーや温室効果ガス削減を目的とした法令、条例等の制定、適用、改正等によっても、追加的な費用負担等が発生する可能性があります。加えて、建築基準法、都市計画法の改正、新たな立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為等により不動産に関する権利が制限され又は義務を課される可能性があります。このような法令若しくは行政行為又はその変更等が本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(チ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
本投資法人が、債務超過の状況にある等財務状態が実質的危機時期にあると認められる又はその疑義がある者を売主として不動産を取得した場合には、当該不動産の売買が売主の債権者により取り消される(詐害行為取消)可能性があります。また、本投資法人が不動産を取得した後、売主について倒産等手続が開始された場合には、不動産の売買が破産管財人、監督委員又は管財人により否認される可能性が生じます。
また、本投資法人が、ある売主から不動産を取得した別の者(以下、本(チ)において「買主」といいます。)から更に不動産を取得した場合において、本投資法人が、当該不動産の取得時において、売主と買主間の当該不動産の売買が詐害行為として取消され又は否認される根拠となり得る事実関係を知っている場合には、本投資法人に対しても、売主・買主間の売買が否認され、その効果を主張される可能性があります。
本投資法人は、管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等について諸般の事情を慎重に検討し、実務的に可能な限り管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等を回避するよう努めますが、このリスクを完全に排除することは困難です。
更に、本投資法人が売主から不動産を取得すると同時に当該不動産を一括して売主に賃貸する取引(いわゆるセール・アンド・リースバック取引)等、取引の態様如何によっては売主と本投資法人との間の不動産の売買が、担保取引であると判断され、当該不動産は破産者である売主の破産財団の一部を構成し、又は更生会社若しくは再生債務者である売主の財産に属するとみなされる可能性(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)もあります。
(リ)マスターリース会社に関するリスク
本投資法人は、マスターレッシー(転貸人)が本投資法人又は信託受託者とマスターリース契約を締結した上で、各転借人に対して転貸するマスターリースの形態をとる物件を取得することがあります。
マスターリースの形態をとる物件においてマスターレッシーの財務状況が悪化した場合、転借人がマスターレッシーに賃料を支払ったとしても、マスターレッシーの債権者がマスターレッシーの転借人に対する賃料債権を差し押さえる等により、マスターレッシーから本投資法人又は信託受託者への賃料の支払いが滞る可能性があります。
また、本投資法人では、エンドテナントが賃料を本投資法人又は信託受託者の口座に直接振り込む方法により賃料を収受することがあります。しかし、賃料の支払いの遅延等の理由でマスターレッシーがエンドテナントから賃料を回収した後、マスターレッシーが財務状態の悪化などに陥った場合は、マスターレッシーから賃貸人である本投資法人又は信託受託者への賃料の支払いが滞る可能性があります。また、マスターレッシーが破綻し、かつ、エンドテナントからの賃料の支払いが延滞している場合には、当該延滞部分の賃料相当額がマスターレッシーに対する倒産債権となると解釈される可能性があり、かかる解釈が採用された場合、延滞部分の賃料相当額の回収が非常に困難となり、本投資法人の財務状況等に悪影響を与えるおそれがあります。
(ヌ)転貸に関するリスク
賃借人(転借人を含みます。)に、不動産の一部又は全部を転貸する権限を与えた場合、本投資法人は、不動産に入居するテナントを自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなる可能性があるほか、賃借人の賃料が、転借人の賃借人に対する賃料に連動する場合、転借人の信用状態等が、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、賃貸借契約が合意解約された場合、又は債務不履行を理由に解除された場合であっても、賃貸借契約上、賃貸借契約終了の場合に転貸人の転借人に対する敷金等の返還義務が賃貸人に承継される旨規定されている場合等には、かかる敷金等の返還義務が、賃貸人に承継される可能性があります。このような場合、敷金等の返還原資は賃貸人の負担となり、本投資法人の収益に悪影響を与える可能性があります。
(ル)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
テナントによる不動産の利用・管理状況により、当該不動産の資産価値や、本投資法人の収益に悪影響が及ぶ可能性があります。また、転借人や賃借権の譲受人の属性によっては、運用資産である不動産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。また、建物そのものが法令や条例等の基準を満たす場合であっても、テナントによる建物への変更工事、内装の変更、その他利用状況等により、建築基準法、消防法その他の法令や条例等に違反する状態となり、本投資法人が、その改善のための費用を負担する必要が生じ、又は法令上不利益を被る可能性があります。
なお、本投資法人は、かかるリスクを低減するため、PM会社を通じてテナントの不動産の利用状況の調査を行っていますが、かかるリスクが現実化しないという保証はありません。
(ヲ)共有物件に関するリスク
運用資産である不動産が第三者との間で共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の価格に従い、その過半数で行うものとされているため(民法第252条第1項)、本投資法人が共有持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条第1項)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
更に、共有の場合、他の共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性(民法第256条第1項本文)、及び裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性(民法第258条第3項)があり、ある共有者の意図に反して他の共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
この分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、この特約は5年を超えては効力を有しません(民法第256条第1項但書)。また、登記済みの不分割特約がある場合でも、特約をした者について倒産手続の対象となった場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。ただし、共有者は、倒産手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、民事再生法第48条、会社更生法第60条)。
他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。したがって、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、分割後の運用資産についても、他の共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
また、共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、共有不動産については、共有者間で共有持分の優先的購入権の合意をすることにより、共有者がその共有持分を第三者に売却する場合に他の共有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。
更に、不動産の共有者が賃貸人となる場合には、賃料債権は不可分債権となり敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されており、共有者は他の賃貸人である共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(ワ)区分所有建物に関するリスク
区分所有建物とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。)(以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分と共有となる共用部分及び建物の敷地部分から構成されます(以下同じです。)。区分所有建物の場合には、区分所有法上、法定の管理方法及び管理規約(管理規約の定めがある場合)によって管理方法が定められます。建替え決議等をする場合には集会において区分所有者及び議決権(管理規約に別段の定めのない限り、その有する専有部分の床面積の割合)の各5分の4以上の多数の建替え決議が必要とされる等(区分所有法第62条)、区分所有法の適用を受けない単独所有物件と異なり管理方法に制限があります。
区分所有建物の専有部分の処分は自由に行うことができますが、区分所有者間で優先的購入権の合意をすることがあることは、共有物件の場合と同様です。
区分所有建物と敷地の関係については以下のようなリスクがあります。
区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利を敷地利用権といいます。区分所有建物では、専有部分と敷地利用権の一体性を保持するために、法律で、専有部分とそれに係る敷地利用権を分離して処分することが原則として禁止されています(区分所有法第22条)。ただし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の禁止を善意の第三者に対抗することができず、分離処分が有効となります(区分所有法第23条)。また、区分所有建物の敷地が数筆に分かれ、区分所有者が、それぞれ、その敷地のうちの一筆又は数筆の土地について、単独で、所有権、賃借権等を敷地利用権(いわゆる分有形式の敷地利用権)として有している場合には、分離して処分することが可能とされています。このように専有部分とそれに係る敷地利用権が分離して処分された場合、敷地利用権を有しない区分所有者が出現する可能性があります。
また、敷地利用権が使用借権及びそれに類似した権利である場合には、当該敷地が売却、競売等により第三者に移転された場合に、区分所有者が当該第三者に対して従前の敷地利用権を対抗できなくなる可能性があります。
このような区分所有建物と敷地の関係を反映して、区分所有建物の場合には、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(カ)借地物件に関するリスク
本投資法人は、借地権(土地の賃借権及び地上権)とその借地権設定地上に存在する建物(以下「借地物件」といいます。)に投資することがありますが、借地物件は、土地建物ともに所有する場合と比べて特有のリスクがあります。借地権は、所有権と異なり永久に存続するものではなく、期限の到来により当然に消滅し(定期借地権の場合)又は期限到来時に借地権設定者が更新を拒絶しかつ更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します(普通借地権の場合)。また、借地権が地代の不払その他により解除その他の理由により消滅する可能性もあります(更に、借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。)(以下「借地法」といいます。)においては、借地上の建物の朽廃という法定の消滅原因も存在します。)。借地権が消滅すれば、時価での建物買取りを請求できる場合(借地借家法第13条、借地法第4条第2項)を除き、借地上に存在する建物を取り壊した上で、土地を返還しなければなりません。普通借地権の場合、借地権の期限到来時の更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、仮に建物の買取請求権を有する場合でも、買取価格が本投資法人が希望する価格以上である保証はありません。
また、本投資法人が借地権を有している土地の所有権が、他に転売されたり、借地権設定時に既に存在する土地上の抵当権等の実行により第三者に移転する可能性があります。この場合、借地権について適用のある法令に従い第三者対抗要件(借地権の登記又は借地権を有している土地上に借地権者が登記されている建物を所有していることが該当します。)が具備されていないときは、本投資法人は、借地権を当該土地の新所有者に対して対抗できず、当該土地の明渡義務を負う可能性があります。
更に、借地権が賃借権である場合、借地権を譲渡するには、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。借地上の建物の所有権を譲渡する場合には、当該借地に係る借地権も一緒に譲渡することになるので、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。かかる借地権設定者の承諾に関しては、借地権設定者への承諾料の支払いが予め約束されていたり、約束されていなくても慣行を理由として借地権設定者が承諾料を承諾の条件として請求してくる場合があります(なお、法律上借地権設定者に当然に承諾料請求権が認められているものではありません。)。
加えて、借地権設定者の資力の悪化や倒産等により、借地権設定者に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。借地権設定者に対する敷金及び保証金等の返還請求権について担保設定や保証はなされないのが通例です。
その他、地方自治法(昭和22年法律第67号。その後の改正を含みます。)(以下「地方自治法」といいます。)に定める地方公共団体がその普通財産を貸し付けた場合、その貸付期間中であっても、当該地方公共団体において公用又は公共用に供するため必要が生じたときは、普通地方公共団体の長はその契約を解除できるとされています(地方自治法第238条の5第4項)。したがって、地方公共団体から土地その他の資産を賃借した場合、本投資法人は、その契約に違反がない場合であっても解除されることがあり、その場合には本投資法人の資産運用及び収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
借地権と借地上に建てられている建物については、敷地と建物を一括して所有している場合と比べて、上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(ヨ)底地物件に関するリスク
本投資法人は、第三者が賃借してその上に建物を所有している土地、いわゆる底地を取得することがあります。底地物件には特有のリスクがあります。借地権が消滅する場合、本投資法人は借地権者より時価での建物買取りを請求される場合があります(借地借家法第13条、借地法第4条)。借地権者より時価での建物買取りを請求される場合、買取価格が本投資法人の希望する価格以下である保証はありません。
また、借地権が賃借権である場合、借地権者による借地権の譲渡には、原則として、本投資法人の承諾が必要となりますが、裁判所が承諾に代わる許可をした場合(借地借家法第19条)や、借地契約上事前に一定範囲での借地権の譲渡を承諾している場合には、本投資法人の承諾なく借地権が譲渡される結果、財務状態に問題がある等の本投資法人が望まない者に借地権が譲渡される可能性があり、その結果、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
更に、借地契約に基づく土地の賃料の支払いが滞り、延滞賃料の合計額が敷金及び保証金等で担保される範囲を超える場合には投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。加えて、土地の賃料の改定、又は、借地権者による借地借家法第11条に基づく土地の借賃の減額請求により、当該底地から得られる賃料収入が減少し、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(タ)借家物件に関するリスク
本投資法人は、建物(共有持分、区分所有権等を含みます。)を第三者から賃借の上又は信託受託者に賃借させた上、当該賃借部分を直接若しくは信託受託者を通じて保有する建物と一体的に又は当該賃借部分を単独で、テナントへ転貸することがあります。
この場合、建物の賃貸人の資力の悪化や倒産等により、建物の賃貸人に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があることは、前記「(カ) 借地物件に関するリスク」の場合と同じです。
加えて、民法上、本投資法人が第三者との間で直接又は信託受託者を通じて締結した賃貸借契約が何らかの理由により終了した場合、原則として、本投資法人又は当該受託者とテナントの間の転貸借契約も終了するとされているため、テナントから、転貸借契約の終了に基づく損害賠償請求等がなされるおそれがあります。
(レ)開発物件に関するリスク
本投資法人は、規約に定める投資方針に従って、竣工後の物件を取得するために予め開発段階で売買契約を締結する場合があります。かかる場合、既に完成した物件につき売買契約を締結して取得する場合とは異なり、様々な事由により、開発が遅延、変更又は中止され、売買契約どおりの引渡しを受けられない可能性があります。この結果、開発物件からの収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担し若しくは被る可能性があり、その結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ソ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
a. 不動産又は不動産を信託する信託の受益権を取得するリスク
本投資法人は、不動産又は不動産を信託する信託の受益権を取得するに当たり、フォワード・コミットメント等を行うことがあります。不動産売買契約が買主の事情により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負担することとなります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産又は不動産を信託する信託の受益権の売買価格に対して一定の割合の違約金が発生する旨の合意がなされることも少なくありません。フォワード・コミットメント等の場合には、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払いにより、本投資法人の財務状況等が悪影響を受ける可能性があります。
b. 不動産又は不動産を信託する信託の受益権を売却するリスク
本投資法人は、不動産又は不動産を信託する信託の受益権を売却するに当たり、フォワード・コミットメント等を行うことがあります。不動産売買契約が売主の事情により解約された場合には、売主は債務不履行による損害賠償義務を負担することとなります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産又は不動産を信託する信託の受益権の売買価格に対して一定の割合の違約金が発生する旨の合意がなされることも少なくありません。フォワード・コミットメント等の場合には、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が当該物件を契約済条件で売却する事が運用上適切でなくなった場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払いにより、本投資法人の財務状況等が悪影響を受ける可能性があります。
(ツ)有害物質に関するリスク
本投資法人が土地又は土地の賃借権若しくは地上権又はこれらを信託する信託の受益権を取得する場合において、当該土地について産業廃棄物等の有害物質が埋蔵されている可能性があり、かかる有害物質が埋蔵されている場合には当該土地の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負う可能性があります。なお、土壌汚染対策法によれば、土地の所有者、管理者又は占有者は、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の特定有害物質による土地の土壌の汚染の状況について、都道府県知事により調査・報告を命ぜられることがあり、また、土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生じるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。
この場合、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があり、また、本投資法人は、支出を余儀なくされた費用について、その原因となった者やその他の者から常に償還を受けられるとは限りません。
また、本投資法人が建物又は建物を信託する信託の受益権を取得する場合において、当該建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材が使用されているか若しくは使用されている可能性がある場合やPCBが保管されている場合等には、当該建物の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために建材の全面的若しくは部分的交換が必要となる場合又は有害物質の処分若しくは保管が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人にかかる損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
(ネ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
本投資法人は、不動産を信託の受益権の形式で取得することがあります。
信託受託者が信託財産としての不動産、不動産の賃借権、地上権又は地役権を所有し管理するのは信託受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的には全て信託受益者に帰属することになります。したがって、本投資法人は、信託の受益権の保有に伴い、信託受託者を介して、運用資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを負担することになります。
信託契約上信託の受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を要求されるのが通常です。更に、不動産、不動産の賃借権、地上権又は地役権を信託する信託の受益権については受益証券発行信託の受益証券でない限り私法上の有価証券としての性格を有していませんので、債権譲渡と同様の譲渡方法によって譲渡することになり、有価証券のような流動性がありません。
信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含みますが、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)による改正前のもの)及び信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。)上、信託受託者が倒産等手続の対象となった場合に、信託の受益権の目的となっている不動産が信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要があり、仮にかかる登記が具備されていない場合には、本投資法人は、当該不動産が信託の受益権の目的となっていることを第三者に対抗できない可能性があります。
また、信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。
更に、信託契約上、信託開始時において既に存在していた信託不動産の欠陥、瑕疵等につき、当初委託者が信託財産の受託者に対し一定の瑕疵担保責任や契約不適合責任を負担する場合に、信託財産の受託者が、かかる瑕疵担保責任や契約不適合責任を適切に追及しない、又はできない結果、本投資法人が不測の損害を被り、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ナ)不動産信託の信託受益権の準共有等に関するリスク
運用資産である不動産信託の信託受益権が第三者との間で準共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、準共有されている権利の管理は、準共有者間で別段の定めをした場合を除き、準共有者の持分の価格に従い、その過半数で行うものとされているため(民法第264条、第252条第1項)、本投資法人が準共有持分の過半数を有していない場合には、不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、準共有者はその持分の割合に応じて準共有している権利の全体を利用することができるため(民法第264条、第249条第1項)、他の準共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該信託受益権の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
また、準共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、信託受益権が準共有されている場合には、準共有者間で準共有持分の優先的購入権の合意をすることにより、準共有者がその準共有持分を第三者に売却する場合に他の準共有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。
更に、不動産信託の信託受益権の準共有者が不動産信託受託者に対して有する信託交付金の請求権は不可分債権となり不動産信託受託者に対して負担する信託費用等の支払義務は不可分債務になると一般的には解されており、準共有者は他の準共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
加えて、準共有者間においては、準共有者間の協定書等が締結され、準共有者間で準共有持分の優先的購入権について合意されたり、一定の場合に当事者間で売渡請求権若しくは買取請求権が生じることが合意され、又は信託受益者としての意思決定の方法等が合意されることがあります(その内容は様々です。)が、これらの合意がなされている場合、本投資法人が所有する準共有持分の処分が制限される可能性があるほか、想定しない時期に準共有持分を取得若しくは譲渡することを強制され、又は、持分割合にかかわらず、不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
不動産信託の信託受益権が第三者との間で準共有されている場合には、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(ラ)売却時の不動産の流動性に関するリスク
不動産には、上記の各リスクが存在することから、流通市場の発達した有価証券等と比較すると、相対的に流動性が低いといえます。また、上記の各リスクの状況によっては、特に流動性が低くなるおそれもあります。そのため、経済環境や不動産需給関係の影響によっては、本投資法人が売却を希望する不動産を希望どおりの時期・条件で売却できず、あるいは、これらの不動産について予定外の費用又は損失が発生する可能性があります。これらの結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ム)気候変動に関するリスク
近年、地球温暖化の進行による気候変動の影響が、国内外において大きな社会問題になっています。そのため、法律又は条例により、地球温暖化対策として、一定の不動産の所有者に温室効果ガス排出に関する報告や排出量制限の義務が課されることがあり、これらの制度設計又は拡充に伴い、排出量削減に向けた建物改修の実施や、排出権あるいは再生可能エネルギークレジット等を取得する等の負担を余儀なくされる可能性があります。また、台風や集中豪雨等による浸水被害により賃貸事業の継続が困難となった場合、不動産等から得られる賃料収入の減少、修繕コストの増加、資産価値の低下により、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、平均気温の上昇により海面が上昇した際に、海抜の低い地域に所在する物件が浸水し、その資産価値が毀損する可能性があります。加えて、中長期的な視点に基づく投資主価値の最大化のため、気候変動への対応として、本投資法人の収益性の向上が短期間では見込まれない投資等を行うこともあります。このような投資等が、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性もあります。
(ウ)物件取得の競争及びテナントの獲得競争に関するリスク
不動産投資信託その他のファンド、大小の投資家等による不動産投資が活発化し、物件取得の競争が激化する場合があります。このような状況下にあっては、希望した条件での物件取得ができない等の事情により、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産ポートフォリオを実現できない可能性があります。
また、不動産関連資産は、他の不動産とのテナント獲得競争にさらされているため、競合する不動産の新築、リニューアル、募集賃料の引下げ等の競争条件の変化により、賃料引下げ、入居前の内装工事等の多額の費用負担や稼働率の低下を余儀なくされ、本投資法人の収益に悪影響を与える場合があります。
(ヰ)不動産の運用費用の増加に関するリスク
経済全般のインフレーション、人件費や水道光熱費の高騰、不動産管理や建物管理に係る費用又は備品調達等の管理コストの上昇、建物の経年劣化による修繕費の負担、各種保険料の値上げ、公租公課の増大その他の理由により、不動産の運用に関する費用が増加する可能性があります。一方で、不動産関連資産からの収入がこれに対応して増加するとの保証はありません。
⑤ 税制に関するリスク
(イ)導管性要件に関するリスク
税法上、租税特別措置法第67条の15第1項(以下「投資法人に係る課税の特例規定」といいます。)により、一定の要件(導管性要件)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、利益の配当等を投資法人の損金に算入することが認められています。
本投資法人は、導管性要件を満たすよう努める予定ですが、今後、下記に記載した要因又はその他の要因により導管性要件を満たすことができない可能性があります。本投資法人が、導管性要件を満たすことができなかった場合、利益の配当等を損金算入することができなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を与える可能性があります。
a. 会計処理と税務処理との不一致によるリスク
会計処理と税務処理との不一致(税会不一致)が生じた場合、会計上発生した費用・損失について、税務上その全部又は一部を損金に算入することができない等の理由により、法人税等の税負担が発生し、配当の原資となる会計上の利益は減少します。支払配当要件における配当可能利益の額(又は配当可能額)は会計上の税引前利益に基づき算定されることから、多額の法人税額が発生した場合には、配当可能利益の額の90%超の配当(又は配当可能額の90%超の金銭分配)ができず、支払配当要件を満たすことが困難となる可能性があります。なお、2015年度税制改正により、交際費、寄附金、法人税等を除く税会不一致に対しては、一時差異等調整引当額の分配により法人税額の発生を抑えることができるようになりましたが、本投資法人の過去の事業年度に対する更正処分等により多額の追徴税額(過年度法人税等)が発生した場合には、法人税等は一時差異等調整引当額の対象にならないため、支払配当要件を満たすことができないリスクは残ります。
b. 資金不足により計上された利益の配当等の金額が制限されるリスク
借入先要件に基づく借入先等の制限や資産の処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、配当の原資となる資金の不足により支払配当要件を満たせない可能性があります。
c. 借入先要件に関するリスク
本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合又は本投資法人の既存借入金に関する貸付債権が機関投資家以外に譲渡された場合、あるいはこの要件の下における借入金の定義が税法上において明確ではないためテナント等からの預り金等が借入金に該当すると解釈された場合においては、借入先要件を満たせなくなる可能性があります。
d. 投資主の異動について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
本投資口が市場で流通することにより、本投資法人のコントロールの及ばないところで、所有先要件あるいは非同族会社要件が満たされなくなる可能性があります。
(ロ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において行った利益の配当等の損金算入が否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を与える可能性があります。
(ハ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、規約における投資方針において、その有する特定資産の価額の合計額に占める特定不動産の価額の合計額の割合を75%以上とすること(規約第34条第3項)としています。本投資法人は、上記内容の投資方針を規約に定めること、及びその他の税法上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産流通税(登録免許税及び不動産取得税)の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更された場合には、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。
(ニ)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、不動産信託受益権その他本投資法人の資産に関する税制若しくは本投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益に悪影響を与える可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、資本の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有又は売却による投資主の手取金の額が減少し、又は税務申告等の税務上の手続面での負担が投資主に生じる可能性があります。
⑥ その他
(イ)専門家報告書等に伴うリスク
本投資法人又は本資産運用会社は、不動産を取得するに際して又は取得後、当該不動産の鑑定評価を不動産鑑定士等に依頼し、鑑定評価書を取得することがありますが、不動産の鑑定評価額は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査の方法若しくは時期によって鑑定評価額の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額による売買の可能性を保証又は約束するものではありません。更に、不動産鑑定評価書に記載された運営純収益である鑑定NOIは、個々の不動産鑑定士等が、不動産の鑑定評価額を算出するに当たり、その分析に基づいて算出した金額であり、分析の時点における意見を示したものにとどまり、実際の当該不動産から得られる運営純収益の額と一致するとは限りません。とりわけ、本投資法人の取得に伴い賃料固定型マスターリース契約が締結される場合等、不動産の賃貸条件が取得に伴って変更される場合には、鑑定NOIは、必ずしも当該変更後の賃貸条件に基づく運営純収益と一致するとは限りません。本投資法人が当該不動産から収受する実際の運営純収益の額は、当該不動産の賃貸条件、稼働状況、費用支出の状況その他の事由により影響を受けるため、鑑定NOIと一致するとは限りません。鑑定NOIは、当該不動産取得後の本投資法人の運営純収益の額を保証又は約束するものではありません。
また、本投資法人又は本資産運用会社は、不動産を取得するに際して又は取得後、当該不動産の建物状況調査評価書及び地震リスク診断報告書並びに構造計算書の妥当性に関する第三者の報告書を取得することがありますが、建物状況調査評価書及び地震リスク診断報告書並びに構造計算書の妥当性に関する第三者の報告書は、建物の評価に関する専門家が、設計図書等の確認、現況の目視調査又は施設管理者への聞取り等を行うことにより、現在又は将来発生することが予想される建物の不具合、必要と考えられる修繕又は更新工事の抽出及びそれらに要する概算費用並びに再調達価格の算出、並びに建物の耐震性能及び地震による損失リスク等を検討した結果を記載したものであり、不動産に欠陥、瑕疵等が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
更に、不動産に関して算出されるPMLも個々の専門家の分析に基づく予想値にすぎません。PMLは、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
加えて、本投資法人又は本資産運用会社は、不動産を取得するに際して又は取得後、当該不動産又は(ホテル、シニアアセット投資の場合)オペレーターのサービス提供の体制及び内容並びに設備及び稼働状況等に関するマーケットレポートを取得することがあります。マーケットレポートにより提示される第三者によるマーケット分析、統計情報及び想定賃料水準並びに(ホテル、シニアアセット投資の場合)オペレーターの能力、業績、財務状態、信用力及び将来の業績の予想に関する分析等は、個々の調査会社の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正なエリア特性、需要と供給、マーケットにおける位置付け、市場の動向、(ホテル、シニアアセット投資の場合)オペレーターの提供するサービスの水準及び内容並びに設備及び稼働状況等と一致するとは限りません。同じ物件について調査分析を行った場合でも、調査会社及び調査の時期又は方法によってマーケット分析、統計情報及び想定賃料水準並びに(ホテル、シニアアセット投資の場合)オペレーターの能力、業績、財務状態、信用力及び将来の業績の予想に関する分析等の内容が異なる可能性があります。また、想定賃料水準は、現在及び将来において当該賃料水準による賃貸借の可能性を保証又は約束するものではなく、また、(ホテル、シニアアセット投資の場合)当該報告書の記載内容や分析(オペレーターの能力、業績、財務状態、信用力及び将来の業績の予想に関する分析を含みます。)が正確である保証はありません。更に、本投資法人の中心的な投資対象の一つであるホテルは、一般的に施設毎の特殊性が強く、マーケット分析及び想定賃料水準の前提となる類似物件の情報の取得が困難である可能性があります。また、ホテルのマーケット分析及び想定賃料水準は、観光業界の動向等に左右されますが、調査会社が観光業界の動向を適切に予想することが困難である可能性があります。更に、オペレーターの提供するサービスの水準及び内容並びに設備及び稼働状況等は、繁閑期で大きく異なる可能性があります。したがって、他の不動産等に比べ、ホテルについては、マーケットレポートにおけるマーケット分析、統計情報及び想定賃料水準並びにオペレーターの能力、業績、財務状態、信用力及び将来の業績の予想に関する分析等が概括的なものになる可能性があり、場合によっては、マーケットレポートの取得自体が不可能となる可能性がある等、本投資法人によるマーケットレポートを用いた情報収集が限定的なものに留まる可能性もあります。
(ロ)減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日)及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日。その後の改正を含みます。))が、適用されています。
「減損会計」とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。「減損会計」の適用に伴い、地価の動向及び運用資産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の損益に悪影響を与える可能性があります。
(ハ)取得予定資産を取得することができないリスク
経済環境等が著しく変わった場合又は相手方の事情等により売買契約において定められた停止条件又は前提条件が成就しない場合等においては、取得予定資産を取得することができない可能性があります。また、取得資金の一部に充当するための追加借入れが実行できない場合においても、取得予定資産を取得できない可能性があります。この場合、本投資法人は、代替資産の取得のための努力を行う予定ですが、取得予定資産の代替資産として、短期間に投資に適した物件を取得することができる保証はなく、資金を有効に運用することができない場合には、投資主に損害を与える可能性があります。
(ニ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、不動産に関する匿名組合出資持分への投資を行うことがあります。本投資法人が出資するかかる匿名組合は、本投資法人の出資金を不動産に投資しますが、当該不動産に係る収益が悪化した場合や当該不動産の価値が下落した場合、意図されない課税が生じた場合等には、本投資法人が匿名組合員として得られる分配金や元本の償還金額等が減少し、その結果、本投資法人が営業者に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については契約上譲渡が禁止若しくは制限されていることがあり、又は、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。
(ホ)優先出資証券への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、資産流動化法に基づく特定目的会社が発行する優先出資証券への投資を行うことがあります。本投資法人が出資するかかる特定目的会社は、本投資法人の出資金を不動産に投資しますが、当該不動産に係る収益が悪化した場合や当該不動産の価値が下落した場合、更には導管体である特定目的会社において意図されない課税が生じた場合等には、本投資法人が当該優先出資証券より得られる配当金や分配される残余財産が減少し、その結果、本投資法人が特定目的会社に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、優先出資証券については、特定目的会社への出資者の間で契約上譲渡を禁止若しくは制限されていることがあり、また、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。
(ヘ)内部留保の活用に関するリスク
本投資法人は、負ののれん等の内部留保を有しており、法令等の定めにより分配金に加算する他、物件売却による損失発生やテナント退去による一時的な賃料の減少による分配金への悪影響の緩和、更には税務と会計の取扱いの不一致により生ずるおそれのある課税への対応等のために活用し、安定した金銭の分配を行う方針(以下「内部留保の活用方針」といいます。)です。しかしながら、投資法人に関する内部留保にかかる会計処理又は取扱いに関する解釈、運用又は取扱いが変更された場合、内部留保の金額が変更される可能性、及び内部留保の活用が困難になるなどの投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、内部留保のうち負ののれん発生益に由来する一時差異等調整積立金は資金の裏付けのない会計上の利益であるため、分配金支払原資の不足により税法上の導管性要件の一つである支払配当要件を満たせない可能性があります。本投資法人は、内部留保の取崩予定額を公表することがあり(以下、公表した内部留保の取崩予定額を「公表済内部留保取崩予定額」といいます。)、公表済内部留保取崩予定額を分配すべく、本投資法人はキャッシュ・マネジメントに最大限留意しますが、本投資法人が金銭の分配を行う時点において公表済内部留保取崩予定額分の資金が存在するという保証はなく、公表済内部留保取崩予定額よりも低い金額が実際の内部留保からの取崩額となる可能性があります。また、公表済内部留保取崩予定額の分配が可能であっても、公表済内部留保取崩予定額までの分配を行わない可能性があります。
更に、本投資法人は、内部留保の活用方針に基づく運用上の施策や、想定外の損失の発生等により、公表済内部留保取崩予定額以上の取崩しを行う可能性があります。その場合、本投資法人の想定以上に内部留保が減少することとなり、将来的に、内部留保の活用方針が重大な影響を受ける可能性や、公表済内部留保取崩予定額の分配を行うことができなくなる可能性があります。
(ト) 一時差異等調整引当額の戻入れにより利益の分配が減少するリスク
本投資法人が貸借対照表の純資産の部に一時差異等調整引当額を計上している場合、一時差異等調整引当額の計上は、会計と税務における損益の認識のタイミングの調整のために行われるものであるため、当該引当額の計上に起因した税会不一致が解消したタイミングでその戻入れが求められます。当該戻入れは本投資法人の利益をもって行われることから、当期未処分利益が一時差異等調整引当額の戻入れに充当される結果、分配可能金額が減少する可能性があります。
なお、純資産控除項目(主に繰延ヘッジ損益のマイナス)に起因する一時差異等調整引当額に関しては、その戻入れの原資となる利益が過年度から繰り越されるため、当該戻入れによって当期の利益に対応する利益分配金が減少することはありません。
(チ)ESG評価に関するリスク
本投資法人は、ESGへの取組みについて、複数のESG評価機関よりESG格付を付与されており、また、その評価に基づき一部のESG関連インデックスの構成銘柄に選定されています。近年、国内外におけるESGへの関心の高まりを受け、ESG評価はその重要性を増しています。しかしながら、ESG評価やESG格付は、本投資法人の経営状況又は財務状況の悪化、運用方針の変化、運用資産の構成の変化といった本投資法人又は本資産運用会社に起因する事由のほか、本投資法人に適用される各種の規制の内容や、ESG評価機関による評価基準の見直し、社会通念の変化等、本投資法人及び本資産運用会社がコントロールできない事由によっても変動する可能性があります。そして、これらの事由により、本投資法人に対するESG格付が引き下げられ若しくはESG格付が付されなくなり、又は本投資法人がESG関連インデックスから除外された場合には、本投資口又は本投資法人債券の市場価格が下落する可能性があります。
加えて、金融機関、投資家等から本投資法人のESGに対する取組みが不十分であると評価された場合、資金調達に支障が出る可能性があり、本投資法人の運営に悪影響が生じる可能性があります。
(2)投資リスクに対する管理体制
上記の様々なリスクに鑑み、本投資法人及び本資産運用会社は、本投資法人の資産運用に関し、以下のガバナンスを通じ、実効性のあるリスク管理体制を整備し、かつ、かかる管理体制が最大限の効果を発揮するよう努めています。
本投資法人及び本資産運用会社は、可能な限り、本投資証券及び本投資法人債券への投資に関するリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の損害の極小化等の対応に努める方針ですが、これらの措置が結果的に十分な成果を収める保証はありません。
① 本投資法人の体制
本投資法人は、投信法に基づき設立され、執行役員1名及び監督役員2名により構成される役員会により運営されています。執行役員は、3か月に1回以上の頻度で役員会を開催し、役員会においては、法令又は本投資法人及び本資産運用会社の各社内規程で定められた承認事項の審議を行います。本投資法人は、当該手続により本資産運用会社の利害関係者との取引について、利益相反取引のおそれがあるか否かについての確認を行い、利益相反等にかかるリスクの管理に努めています。加えて、執行役員は、役員会において本投資法人の運営及び自らの業務執行状況に関する報告を行います。当該報告を通じ、監督役員は的確に情報を入手し、執行役員の業務執行状況を監視する体制を維持しています。
本投資法人は、資産運用委託契約上、本資産運用会社から各種報告を受ける権利及び本資産運用会社の帳簿及び記録その他の資料の調査を行う権利を有しています。かかる権利の行使により、本投資法人は、本資産運用会社の業務執行状況を監視できる体制を維持しています。
② 本資産運用会社の体制
本資産運用会社は、リスク管理規程において、リスク管理の方法、リスク管理状況のモニタリング、及びリスクについて不測の重大な事態が発生した場合の対応方法等を規定しています。本資産運用会社の各組織は、その業務分掌に関連する業務に係るリスクについて、以下の手法等を通じて管理します。また、本資産運用会社のコンプライアンス・オフィサー及び内部統制推進室は、本資産運用会社のリスク管理に関する責任部署として、各組織におけるリスク管理の統括及びモニタリングを実施するとともに、本資産運用会社取締役会へ報告しています。本資産運用会社の各組織における業務分掌の詳細については、前記「1 投資法人の概況 (4) 投資法人の機構 ② 投資法人の運用体制 (ロ) 本資産運用会社の各組織の業務分掌体制」をご参照ください。
(イ)本資産運用会社は、運用ガイドラインにおいて、ポートフォリオの構築方針、ポートフォリオの運営・管理方針、投資を行う場合の審査基準、物件のデュー・ディリジェンスの基準等を定めています。また、PM会社等の業務委託先及びテナント等の選定に関する社内規程を定めており、かかる運用ガイドラインその他社内規程等を遵守することにより、不動産や不動産信託受益権に係るリスクの管理に努めています。
(ロ)本資産運用会社は、職務分掌規程、職務権限規程、委員会規程及びコンプライアンス規程等の社内規程を定めて本投資法人の資産運用に係る重要な事項の決定プロセスの明確化及びかかる意思決定プロセスの過程での法令遵守状況の監視を図っているほか、不動産の調査、取得、運営管理その他の業務それぞれについて、客観的な業務手順を確立して、リスクの管理に努めています。
(ハ)本資産運用会社は、内部統制推進室が法令諸規則の遵守状況を監視するとともに利益相反取引、インサイダー取引及び反社会的勢力との取引の排除等コンプライアンスの徹底に関して統括しています。また、コンプライアンス・オフィサーは、法令諸規則の定めに則り、コンプライアンス・マニュアルをはじめコンプライアンスに係る諸規則を整備するとともに、社内研修等を通じ、本資産運用会社役職員のコンプライアンスに関する知識向上等の啓蒙に努めています。
(ニ)本資産運用会社の内部監査は、他の組織及び部署から独立したコンプライアンス・オフィサー及び内部統制推進室が担当し、コンプライアンス・オフィサーがその責任者となります。ただし、コンプライアンス・オフィサー及び内部統制推進室に対する内部監査については、代表取締役社長を責任者とし、総務部が担当します。内部監査に係る体制は、内部監査規程等に基づき整備され、内部監査の結果及び指摘事項に係る改善状況についてはコンプライアンス・オフィサーより適宜取締役会に報告されます。かかる体制を整備することにより、客観性をもった内部監査が実施されるとともに、取締役会が本資産運用会社における各組織の業務遂行状況を監視しています。
(ホ)フォワード・コミットメント等に係る物件は、決済までの間、本投資法人の貸借対照表には計上されずオフバランスとなりますが、当該期間中の当該物件の価格変動リスクは本投資法人に帰属することになります。このため、フォワード・コミットメント等を行う場合、本資産運用会社において、違約金の上限、物件の取得額の上限、契約締結から物件引渡しまでの期間の上限等についてのルールを定めたフォワード・コミットメント等に係る規則に基づき、当該リスクを管理しています。
(ヘ)本投資法人の新投資口発行、借入れ、投資法人債の発行等資金調達行為に関しては、法令諸規則等の定めに基づき、本投資法人役員会の承認を経る体制を整備しています。また、本資産運用会社において、余資の運用に関するガイドライン及びデリバティブ取引の取扱及びリスク管理規程を定め、本投資法人の財務面に関するリスクを管理しています。
(ト)本資産運用会社は、緊急時対応規程及び事業継続計画を定めて、災害等の緊急時における本投資法人の保有資産及び本資産運用会社のBCPについて体制を整備しています。
(チ)本資産運用会社は、情報管理規程、文書管理規程、情報システム管理規程、個人情報保護方針及び個人情報保護規程等の情報資産に関する社内規程を定めて、本資産運用会社における業務遂行上の重要情報並びに本資産運用会社の役職員及び本投資法人の投資主やテナントをはじめとする全てのステークホルダーに係る個人情報等の情報資産に関する管理体制を整えるとともに、業務委託先における情報管理状況について監視する体制を整備しています。
以下には、本投資証券又は本投資法人債券への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。ただし、以下は本投資証券又は本投資法人債券への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。
本投資法人は、対応可能な限りにおいてこれらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分である保証はありません。以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資証券又は本投資法人債券の市場価格は下落し、発行価格に比べ低くなることもあると予想され、その結果、投資主又は投資法人債権者が損失を被る可能性があります。また、本投資法人の純資産額の減少その他の財務状況の悪化により、分配金の減少が生じる可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で、本投資証券又は本投資法人債券に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、これらの事項は本書の日付現在における本投資法人及び本資産運用会社の判断によるものです。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 本投資証券又は本投資法人債券の商品性に関するリスク
(イ)本投資証券又は本投資法人債券の市場価格の変動に関するリスク
(ロ)本投資証券の市場での取引に関するリスク
(ハ)金銭の分配に関するリスク
(ニ)収入及び支出の変動に関するリスク
(ホ)新投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
(ヘ)投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一ではないことによるリスク
(ト)投資法人債券の償還・利払に関するリスク
(チ)投資法人の法律上、税制上、その他諸制度上の取扱いに関するリスク
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)スポンサー・サポート契約等に基づき想定どおりの物件取得が行えないリスク
(ロ)不動産を取得又は処分できないリスク
(ハ)新投資口の発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
(ニ)運用資産の偏在に関するリスク
(ホ)テナントの集中に関するリスク
(ヘ)シングルテナント物件に関するリスク
(ト)特定の物件への収入の依存に関するリスク
(チ)住居への投資に関するリスク
(リ)オフィスビルへの投資に関するリスク
(ヌ)データセンターへの投資に関するリスク
(ル)ホテルへの投資に関するリスク
(ヲ)商業施設への投資に関するリスク
(ワ)シニアアセットへの投資に関するリスク
(カ)PM会社に関するリスク
(ヨ)賃料保証会社に関するリスク
(タ)海外不動産等への投資に関するリスク
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)積水ハウスグループへの依存、利益相反に関するリスク
(ロ)本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材その他本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
(ハ)本投資法人の投資方針等の変更に関するリスク
(ニ)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
(ホ)敷金及び保証金に関するリスク
④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク
(イ)不動産の欠陥・瑕疵や境界に関するリスク
(ロ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
(ハ)賃貸借契約に関するリスク
(ニ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
(ホ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(ト)法令の制定・変更に関するリスク
(チ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
(リ)マスターリース会社に関するリスク
(ヌ)転貸に関するリスク
(ル)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
(ヲ)共有物件に関するリスク
(ワ)区分所有建物に関するリスク
(カ)借地物件に関するリスク
(ヨ)底地物件に関するリスク
(タ)借家物件に関するリスク
(レ)開発物件に関するリスク
(ソ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
(ツ)有害物質に関するリスク
(ネ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
(ナ)不動産信託の信託受益権の準共有等に関するリスク
(ラ)売却時の不動産の流動性に関するリスク
(ム)気候変動に関するリスク
(ウ)物件取得の競争及びテナントの獲得競争に関するリスク
(ヰ)不動産の運用費用の増加に関するリスク
⑤ 税制に関するリスク
(イ)導管性要件に関するリスク
(ロ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
(ハ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(ニ)一般的な税制の変更に関するリスク
⑥ その他
(イ)専門家報告書等に伴うリスク
(ロ)減損会計の適用に関するリスク
(ハ)取得予定資産を取得することができないリスク
(ニ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
(ホ)優先出資証券への投資に関するリスク
(ヘ)内部留保の活用に関するリスク
(ト)一時差異等調整引当額の戻入れにより利益の分配が減少するリスク
(チ)ESG評価に関するリスク
① 本投資証券又は本投資法人債券の商品性に関するリスク
(イ)本投資証券又は本投資法人債券の市場価格の変動に関するリスク
本投資法人は、投資主からの請求による払戻しを行わないクローズド・エンド型であるため、投資主が本投資証券を換価する手段は、第三者に対する売却に限定されます。
本投資証券又は本投資法人債券の市場価格は、取引所等における需給バランスにより影響を受け、一定の期間内に大量の売却が出た場合には、大きく価格が下落する可能性があります。また、市場価格は、金利情勢、経済情勢、不動産市況その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動します。なお、新型コロナウイルス感染症等の感染症の感染拡大や長期化等により、本投資証券又は本投資法人債券の市場価格が大きな影響を受ける可能性があります。
本投資法人若しくは本資産運用会社、又は他の投資法人若しくは他の資産運用会社に対して監督官庁による行政処分の勧告や行政処分が行われた場合にも、本投資証券又は本投資法人債券の市場価格が下落することがあります。
本投資証券又は本投資法人債券の市場価格が下落した場合、投資主又は投資法人債権者は、本投資証券又は本投資法人債券を取得した価格以上で売却できない可能性があり、その結果、損失を被る可能性があります。
(ロ)本投資証券の市場での取引に関するリスク
本投資証券は、東京証券取引所に上場していますが、本投資法人の資産総額の減少、投資口の売買高の減少その他の東京証券取引所の定める有価証券上場規程に規定される上場不動産投資信託証券の上場廃止基準に抵触する場合には廃止されます。
本投資証券の上場が廃止される場合、投資主は、保有する本投資証券を相対で譲渡する他に換金の手段がないため、本投資証券を本投資法人の純資産額に比して相当に廉価で譲渡せざるを得ない場合や本投資証券の譲渡自体が事実上不可能となる場合があり、損失を被る可能性があります。
(ハ)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針 (3) 分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無及びその金額は、いかなる場合においても保証されるものではありません。本投資法人が取得する不動産及び不動産を裏付けとする資産の当該裏付け不動産(本「(1) リスク要因」の項において、以下「不動産」と総称します。)の賃貸状況、売却に伴う損益、減損損失の発生や建替えに伴う除却損等により、期間損益が変動し、投資主への分配金が増減することがあります。
(ニ)収入及び支出の変動に関するリスク
本投資法人の収入は、主として本投資法人が取得する不動産関連資産又はその裏付けとなる不動産からの賃料収入に依存しています。かかる賃料収入は、物件の稼働率の低下等により、大きく減少する可能性があるほか、賃借人との協議や賃借人からの請求等により賃料が減額されたり、契約どおりの増額改定を行えない可能性もあります(なお、これら賃料収入に関するリスクについては、後記「④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク (ハ) 賃貸借契約に関するリスク」をご参照ください。)。
一方、収入の減少だけでなく、退去するテナントへの預り敷金及び保証金の返還、大規模修繕等に要する費用支出、多額の資本的支出、不動産の取得等に要する費用、その他不動産に関する支出が状況により増大し、キャッシュ・フローを減ずる要因となる可能性があります。
更に、不動産関連資産に関して減価償却費、公租公課、保険料、管理組合費、水道光熱費、不動産管理費用、清掃衛生費、保安警備業務及び設備管理業務等の建物管理業務に係る費用、維持修繕費用、借地借家料並びにテナント誘致費用(媒介手数料、広告料等)の費用負担があります。かかる費用の額は状況により増大する可能性があります。
このように、収入が減少する可能性があるとともに、支出は増大する可能性があり、これら双方又はいずれか一方の事由が生じた場合、投資主への分配金額が減少したり、本投資証券の市場価格が下落すること、又は本投資法人債券について元本や利子の支払いが滞ったり、支払不能が生じることがあります。
(ホ)新投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
本投資法人は、その事業遂行のために必要に応じて資金を調達しますが、その資金調達が投資口の追加発行により行われる場合には、既存の投資主が有する投資口の投資法人の発行済投資口の総口数に対する割合が希薄化する可能性があります。
また、期中において投資口が追加発行される場合、当該追加発行された投資口に対して、その期の投資口保有期間にかかわらず、既存の投資主が有する投資口と同額の金銭の分配がなされるため、既存の投資主が有する投資口への分配額に影響を与える可能性があります。更に、今後、追加発行がなされる場合、投資口1口当たりの純資産額が減少する場合や、市場における投資口の需給バランスに悪影響を与える場合があり、その結果、投資口の価格が悪影響を受けるおそれがあります。
(ヘ)投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一ではないことによるリスク
本投資法人の投資主は、投資主総会を通じて、一定の重要事項につき本投資法人の意思決定に参画できるほか、本投資法人に対して一定の権利を行使することができますが、かかる権利は株式会社における株主の権利とは必ずしも同一ではありません。
例えば、金銭の分配に係る計算書を含む本投資法人の計算書類等は、役員会の承認のみで確定し(投信法第131条第2項)、投資主総会の承認を得る必要はないことから、投資主総会は必ずしも決算期毎に招集されるわけではありません。また、投資主が投資主総会に出席せず、かつ、議決権を行使しないときは、当該投資主は、その投資主総会に提出された議案(複数の議案が提出された場合において、これらのうちに相反する趣旨の議案があるときは、当該議案のいずれをも除きます。)について賛成するものとみなされます(投信法第93条第1項、規約第17条第1項)。更に、本投資法人は、資産の運用に係る業務その他の業務を本資産運用会社その他の第三者に委託しています。これらの要因により、投資主による資産の運用に係る業務その他の業務に対する統制が効果的に行えない可能性もあります。
(ト)投資法人債券の償還・利払に関するリスク
本投資法人の信用状況の悪化その他の事由により、本投資法人債券について元本や利子の支払いが滞ったり、支払不能が生じるリスクがあります。
(チ)投資法人の法律上、税制上、その他諸制度上の取扱いに関するリスク
投資法人に関する法律上、税制上、その他諸制度上の取扱い若しくは解釈が大幅に変更され、又は新たな法律が制定される可能性があり、それに伴い、本投資法人の現在の運用方針、運用形態等の変更が必要となる可能性があります。その結果、本投資法人の存続、収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 本投資法人の運用方針に関するリスク
(イ)スポンサー・サポート契約等に基づき想定どおりの物件取得が行えないリスク
本投資法人及び本資産運用会社は、積水ハウス及び積水ハウス不動産各社(6社)との間で、スポンサー・サポート契約又は優先交渉権(等)に関する契約を締結しています(スポンサー・サポート契約及び優先交渉権(等)に関する契約については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 1 資産管理等の概要 (5) その他 ④ 関係法人との契約の更改等に関する手続 (ヘ) 本資産運用会社の親会社/スポンサー:積水ハウス」及び同「(ト) パイプラインサポート会社:積水ハウス不動産各社(6社)」をご参照ください。)。しかし、積水ハウス及び積水ハウス不動産各社(6社)が本投資法人の投資基準に合致する情報を十分に取得又は提供できない可能性があるほか、スポンサー・サポート契約は、本投資法人及び本資産運用会社に優先交渉権等を与えるものにすぎず、積水ハウス及び積水ハウス不動産各社(6社)は、本投資法人に対して、不動産を本投資法人の希望する価格で売却する義務を負っているわけではありません。すなわち、本投資法人は、スポンサー・サポート契約及び優先交渉権(等)に関する契約により、本投資法人が適切であると判断する不動産を適切な価格で取得できることまで常に確保されているわけではありません。
したがって、本投資法人は、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があります。
(ロ)不動産を取得又は処分できないリスク
不動産は、一般的にそれぞれの物件の個別性が強いために代替性がなく、流動性が低いため、希望する時期に希望する物件を取得又は処分できない可能性があります。また、必ずしも、本投資法人が取得を希望した不動産を取得することができるとは限りません。取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。更に、本投資法人が不動産を取得した後にこれらを処分する場合にも、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。加えて、不動産の中でも、本投資法人が投資対象としているホテルや学生寮、社宅、シニアアセット等の運営者(オペレーター)が運営する不動産(いわゆるオペレーショナルアセット)及びデータセンターは、他の種類の不動産に比べ、立地、用途及び構造等が特殊であり、売手及び買手ともに限定される傾向があるため、他の種類の不動産よりも一層流動性が低い点に留意が必要です。とりわけ、ホテルのテナントが世界的にブランドを展開するオペレーターである場合、一般に、当該ホテルのテナントは競合オペレーターに対して不動産が譲渡されることを敬遠する傾向があり、そのため、ホテルの賃貸借契約において、ホテルの競合オペレーターを含む第三者への譲渡について、ホテルテナントの同意が必要とされる等の制限が規定されることがあり、かかる制限により、本投資法人が希望した相手方、価格、時期その他の条件で当該ホテルの譲渡を行うことができない可能性があります。
以上の結果、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があり、また、ポートフォリオの組替えが適時に行えない可能性があります。
(ハ)新投資口の発行、借入れ及び投資法人債の発行による資金調達に関するリスク
新投資口の発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行の可能性及び条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後本投資法人の希望する時期及び条件で新投資口の発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行を行うことができる保証はなく、その結果、予定した資産を取得できなかったり、予定しない資産の売却を余儀なくされたり、資金繰りがつかなくなる可能性があります。
また、本投資法人が金銭の借入れ又は投資法人債の発行を行う場合において、当該金銭の借入れ又は投資法人債の発行の条件として、資産・負債等に基づく一定の財務指標上の数値を維持する、本投資法人の信用状態に関する評価を一定の水準に維持する、投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が新たに設けられたり、運用資産に担保を新たに又は追加して設定することとなったり、規約の変更が制限される等の可能性があり、このような制約が本投資法人の運営に支障をきたし、又は投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、これらの制限に違反した場合には、追加の担保設定や費用負担等を求められ、本投資法人の運営に重大な悪影響が生じる可能性があります。なお、本投資法人は、一定の金融機関との間で資金の借入れに関する基本合意書を締結し、当該基本合意書に基づき、ローン契約を締結しています。かかる基本合意書においては、資産・負債等に基づく一定の財務指標上の数値を一定範囲に維持する旨の財務制限条項が設定されています。
本投資法人の運用資産に担保が設定された場合、本投資法人が担保の設定された運用資産の売却を希望したとしても、担保の解除手続その他の事情により、希望どおりの時期に売却できない可能性又は希望する価格で売却できない可能性があります。また、収益性の悪化等により運用資産の評価額が引き下げられた場合又は他の借入れを行う場合等、一定の条件の下に運用資産に対して追加して担保を設定することを要求される可能性もあります。この場合、他の借入れ等のために担保が既に設定されている等の理由で担保に供する適切な資産がない可能性もあります。また、担保不動産からのキャッシュ・フローが減少したり、その評価額が引き下げられたりした場合には、本投資法人の希望しない条件で借換資金を調達せざるを得なくなったり、本投資法人の希望しない時期及び条件で運用資産を処分せざるを得なくなる状況も想定され、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、担保に供する適切な資産がないために、本投資法人の希望どおりの借入れ等を行えない可能性もあります。
また、借入れ及び投資法人債の金利その他の条件やこれに関する費用は、借入れ時及び投資法人債発行時の市場動向並びに投資法人債に係る格付等に左右され、変動金利の場合には、その後の市場動向にも左右されます。借入れ及び投資法人債の金利が上昇し、又は、本投資法人の借入額及び投資法人債発行額が増加した場合には、本投資法人の利払額は増加します。このような利払額の増加により、投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を与える可能性があります。
本投資法人の総資産LTVの水準は、60%を上限の目処としていますが、資産の取得等に伴い一時的に60%を超えることがあります。また、変動金利での資金調達に伴ってLTVの値が高まった場合には、分配可能金額が金利変動の影響をより受け易くなり、その結果投資主への分配金額が減少するおそれがあります。
(ニ)運用資産の偏在に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 (1) 投資方針」に記載された投資方針に基づき運用を行いますが、今後の運用次第では、本投資法人の運用資産の立地に地域的な偏在が生じる可能性があります。運用資産が一定の用途又は地域に偏在した場合には、当該地域における地震その他の災害、市況の低迷による稼働率の低下、賃料水準の下落等が、本投資法人の収益等又は存続に著しい悪影響を与える可能性があります。
また、一般的に、総資産額に占める個別の運用資産の割合は、総資産額の規模が拡大する過程で低下していくと予想されるものの、総資産額に占める割合が大きい運用資産に関して、地震その他の災害、稼働率の低下、賃料水準の下落等の事情が発生した場合には、本投資法人の収益等又は存続に著しい悪影響を与える可能性があります。
(ホ)テナントの集中に関するリスク
投資対象不動産のテナント数が少なくなる場合、本投資法人の収益等は特定のテナントの退去、支払能力の悪化その他の事情による影響を受けやすくなります。すなわち、賃貸面積の大きなテナントが退去した場合には、稼働率が低くなる上に、他のテナントを探し稼働率を回復させるのが難しくなることがあり、その期間が長期にわたる場合には、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。また、全賃料収入のうち特定のテナントからの賃料収入が占める割合が高い場合においては、当該テナントの賃料の支払能力が低下し、又は失われた場合には、総賃料収入に与える影響が大きくなります。本投資法人は、かかるリスクを低減するために、投資対象及びテナントの適切な分散を図りますが、かかるリスクが現実化しないという保証はありません。
(ヘ)シングルテナント物件に関するリスク
単一のテナントが物件全体を賃借するいわゆるシングルテナント物件において、当該シングルテナント物件が個性の強い物件である場合等、当該単一のテナントが退去し、同等の後継のテナントが存在しないと、代替テナントとなり得る者が限定されているために、代替テナントが入居するまでの空室期間が長期化する可能性があります。その結果、当該物件の稼働率が大きく減少したり、代替テナント確保のために賃料水準を引き下げざるを得なくなることがあり、賃料収入に大きな悪影響を与える可能性があります。
(ト)特定の物件への収入の依存に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 (1) 投資方針」に記載された投資方針に基づき運用を行いますが、今後の運用次第では、本投資法人の収入が一部の物件に大きく依存することがあります。この場合、当該依存している物件のいずれかが何らかの理由で毀損、滅失若しくは劣化し、若しくは賃貸が不可能となる事由が生じた場合、又はそのテナントの財政状態及び経営成績が悪化し、若しくはこれらのテナントが中途解約等により退去した場合において、テナントが退去し、同等の後継のテナントが存在しない場合(承継すべき転貸先のテナントとの契約が存在しない場合を含みます。)若しくはこれらのテナントとの賃貸借契約所定の賃料が賃料改定その他の理由により減額された場合には、本投資法人の収益等に大きな悪影響を与える可能性があります。
(チ)住居への投資に関するリスク
本投資法人は、住居への投資を行います。したがって、人口動態による賃貸住宅の需要や賃料の動向が本投資法人の収益に悪影響を与える可能性があります。また、住居においてはテナントの退去要因が多様であり、一定程度の頻度でテナントの退去に伴う空室の発生が見込まれ、また、空室に伴う賃貸人等による原状回復費の負担及び後継テナントのリーシング費用の発生や、後継テナントとの賃料交渉において本投資法人が想定する賃料での賃貸借契約が締結できないこと等により、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(リ)オフィスビルへの投資に関するリスク
本投資法人は、オフィスビルへの投資を行いますが、オフィスビルの賃貸需要は一般に景気の動向に左右されることが多く、かかる需要の動向によっては本投資法人の収益に悪影響を与える可能性があります。また、一般に、オフィスビルの賃貸においては、前記「(ト) 特定の物件への収入の依存に関するリスク」に記載のテナントが中途解約等により退去した場合の本投資法人の収益等に与える悪影響の程度が、居住用不動産と比較して大きくなる傾向があります。
(ヌ)データセンターへの投資に関するリスク
本投資法人は、データセンターへの投資を行うことがありますが、データセンターは、コンピューターやデータ通信等の装置を設置・運営することに特化した施設であり、今後の我が国の通信技術その他のインフラのあり方の変化等により、データセンターに対する需要が低下し、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、データセンターは、用途の変更が困難であり、物件の特性から賃借人となり得る者が限定されるため、既存の賃借人が退去した場合、住居、オフィスビル、商業施設等に比べ、代替賃借人となり得る者が限定され、代替賃借人が入居するまでの非稼働期間が長期化する等の事態が生じ、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、データセンターには、その用途のために様々な特別な設計が施されますが、当該設備が陳腐化した場合には、競争力が低下し、本投資法人の収益に悪影響を与える可能性があるほか、当該設備等の更新のため、多額の費用を要する可能性もあります。これらにより、本投資法人の収益に悪影響を与える可能性があります。
(ル)ホテルへの投資に関するリスク
本投資法人は、ホテルへの投資を行います。したがって、ホテルテナントの売上減少又は利益の減少等が本投資法人の賃料収入に直接的な悪影響を与える可能性があります。また、本投資法人が、ホテルテナントとの間で売上歩合賃料その他一定の経営指標に応じて賃料が変動する賃料体系を採用している場合、賃料は変動賃料となるため、ホテルテナントの売上等の減少が、本投資法人の賃料収入に一層直接的な悪影響を与える可能性があります。そして、ホテル業界の業績や収益は、以下のものを含む様々な要素により悪影響を受ける可能性があります。
・国内外の景気及び経済状況の悪化並びに災害、悪天候、伝染病の流行等による消費者行動の変化の影響を受けた旅行者数の減少
・政治及び外交上の出来事及び動向(戦争、暴動、騒乱、テロ等を含みます。)や為替要因等による、旅行者数の減少
・旅行代理店の倒産等による、旅行代理店との間の信用取引によって発生した債務の不履行
・保有する設備や周辺環境の陳腐化又は交通環境の変化による集客力の低下
・周辺の特定の施設に集客力が依存している場合の当該施設の閉鎖等による集客力の低下
・当該施設や周辺において提供されている特定のサービスに集客力が依存している場合の当該サービス提供の終了、当該サービスに対する旅行者の選好の変化等による集客力の低下
・類似するコンセプトのホテルとの競合による集客力の低下
・旅行者の旅のニーズ又はトレンドの変化
・機械化が難しいサービスを提供するホテルテナント従業員等の確保の失敗
・提供する飲食物による食中毒等の事故の発生
・ホテルテナント従業員等の故意又は過失による顧客情報の漏洩
・旅館業法(昭和23年法律第138号。その後の改正を含みます。)及びこれに相当する所在国・地域の法令等に基づく営業許可その他許認可の取消し
また、ホテル業界の業績や収益は、季節的要因等により変動します。
更に、ホテル業界は、装置産業としての性格が強く、内装のように、施設運営に不可欠の資産、権利等をホテルテナント又はオペレーターが有している場合もあり、また、運営に当たり高度な知識が要求されることから、既存ホテルテナント又は既存オペレーターが退去した場合、代替するホテルテナント又はオペレーターとなり得る者が少ないために、代替ホテルテナントが入居するか、又は新たな運営委託契約の締結後代替オペレーターが運営を開始するまでの空室期間が長期化し、不動産の稼働率が大きく低下すること、代替するホテルテナント又はオペレーター確保のために賃料や受託手数料水準を下げざるを得なくなること、運営の移行期間において十分な収益が実現できないこと、又は賃貸借契約や運営委託契約の条件が不利になることがあり、その結果、本投資法人の収益等に悪影響を与える可能性があります。
更に、既存ホテルテナントへの賃貸借契約又は既存オペレーターへの運営委託の終了によってホテルテナント又はオペレーターが交代するものとしていても、円滑な交代ができず、又は交代に伴って多額の費用が生じ、その結果、本投資法人の収益等に悪影響を与える可能性があります。
加えて、ホテルは、競争力維持のためのいわゆるFF&E(注)の定期的な更新投資及び単なる更新に留まらない競争力強化のための大規模投資が必要となりますが、本投資法人がその多くを所有し、その負担能力を超えて初期投資、修繕、更新等を行うこととなった場合、本投資法人の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、これらの理由で工事が行われる場合、施設の全部又は一部が相当期間閉鎖される場合もあり、この間ホテルテナントは収益をあげることができず、又は収益が減少します。施設の閉鎖を伴うような大規模なFF&Eの修繕及び更新が行われる場合、賃料等の減少の形で本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性もあります。また、かかるFF&Eの初期投資、修繕、更新等がホテルの売上又は利益の増加につながらず、期待どおりの効果が得られない場合、本投資法人の収益等に悪影響を与える可能性があります。
(注) 「FF&E」は、Furniture, Fixture & Equipmentの略であり、家具、什器、備品、装飾品並びに厨房機器等、ホテル運営に必要な資産をいいます。原則的にFF&Eは償却資産です。
その他、ホテルの場合、用途に応じた構造の特殊性から、オペレーターの業態を大きく変更することが困難であることが多く、また、経済の動向、消費性向の変化に伴い、収益力が減退するときには業務の撤退・縮小を余儀なくされることもあり、そのような場合には、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ヲ)商業施設への投資に関するリスク
本投資法人は、商業施設への投資を行いますが、商業施設の場合、その立地条件や建物の構造により、テナントの業態を大きく変更することは困難であることが多く、投資対象不動産のテナントの業態が、総合スーパーマーケット、百貨店等の特定の業態に偏った場合には、当該業態が、消費性向の変化に伴い小売業としての競争力を失う等により、本投資法人の収益に著しい悪影響を及ぼす可能性がある等、当該テナントの業種に係る事業上のリスクの影響を受けるおそれがあります。また、本投資法人が、テナントとの間で売上歩合賃料を採用している場合、賃料は変動賃料となるため、テナントの売上減少が、本投資法人の賃料収入に直接的な悪影響を与える可能性があります。
(ワ)シニアアセットへの投資に関するリスク
本投資法人は、シニアアセットに投資する(住居等の一部としての投資を含みます。)ことがありますが、シニアアセットの運用においては、テナントがオペレーターとして必要となるサービスを提供するために固有の運営等に関するノウハウが必要となることから、その運営は、PM会社のみならず、オペレーターの業務遂行能力にも強く依拠することになります。したがって、オペレーターに関して、後記「(カ)PM会社に関するリスク」に記載のリスクと同様のリスクが存在することになります。また、シニアアセットの運営については、かかる固有のノウハウを必要とするほか、業法規制等の面から、オペレーターの代替性が限定されているため、そのリスクの程度は、他の類型の物件よりも大きくなる可能性があります。また、シニアアセットには間取りや付帯設備、その立地、建築基準法による用途制限等の点で他の一般的な賃貸住宅とは異なる特性を有する場合があります。そのため、将来テナントが退去した際には、代替テナントが入居するまでの空室期間が長期化する可能性があることのほか、一般的な賃貸住宅やその他の用途への転用ができなかったり、売却をしようとした際に用途が限定されていることにより購入先が限られ処分ができないか、又は想定した価格で処分することができなかったりする等の可能性があります。更に、シニアアセットにおいては、高齢の入居者が多いことから、例えば、入居者からの対価の支払が不足し又は遅延した場合等においても、直ちに契約を解除し、立退きを求める等の対応を行うことが、人道的見地において容易には行えない場合がないとは限りません。また、シニアアセット(有料老人ホーム)においては、テナントであるオペレーターが入居者から一定の入居一時金を収受する場合があり、あらかじめ定められている入居一時金の償却期間内に入居者が退去する場合には、残存額が返還されることになります。本投資法人は、シニアアセット(有料老人ホーム)を住居物件の一部として保有し、マスターリース会社を通じてオペレーターに賃貸する形式で運用を行うことがありますが、本投資法人が入居契約及び入居一時金の返還債務を承継することは想定されません。したがって、シニアアセット(有料老人ホーム)はオペレーターにより管理されることとなりますが、オペレーターの事業内容及び財務内容が悪化した場合において、入居者がオペレーターに対してのみならず、本投資法人に対しても入居一時金残額の返還を求める等、本投資法人としては、法的には許容できない対応を求めてこないとの保証はありません。加えて、シニアアセットに関連する法令、ガイドラインの改正や介護保険等の制度改正等がシニアアセットの運営や競争環境に影響を及ぼし、本投資法人が保有する施設の収益に影響を及ぼし、ひいては当該施設の資産価値に悪影響を及ぼす可能性があります。
(カ)PM会社に関するリスク
一般に、賃借人の管理、建物の保守管理等不動産の管理業務全般の成否は、PM会社の能力、経験、知見によるところが大きく、本投資法人が保有する不動産の管理についても、管理を委託するPM会社の業務遂行能力に相当程度依拠することになります。管理委託先を選定するに当たっては、各PM会社の能力、経験、知見を十分考慮することが前提となりますが、当該PM会社における人的・財産的基盤が維持される保証はありません。また、PM会社は複数の不動産に関して、他の顧客(他の不動産投資法人を含みます。)から不動産の管理及び運営業務を受託し、本投資法人の投資対象不動産に係るPM業務と類似又は同種の業務を行う可能性があります。これらの場合、当該PM会社は、本投資法人以外の者の利益を優先することにより、分配可能金額を害する可能性があります。
本投資法人は、PM会社につき、業務懈怠又は倒産事由が認められた場合、管理委託契約を解除することはできますが、後任のPM会社が任命されるまではPM会社不在又は機能不全のリスクが生じるため、一時的に当該投資対象不動産の管理状況が悪化する可能性があります。
(ヨ)賃料保証会社に関するリスク
本投資法人は、保有物件において賃料保証会社の滞納賃料保証システムを導入することがありますが、当該保証システムは、PM会社、エンドテナント及びエンドテナントの賃料債務等に係る保証人たる賃料保証会社の3者間の保証契約に基づくものであり、当該保証契約上、エンドテナントにおいて賃料の滞納が発生した場合、PM会社が賃料保証会社に代位弁済を請求することが可能ですが、賃料保証会社が破産及びその他の法的倒産手続等に入った場合には、PM会社が同社から当該代位弁済の履行を受けることができなくなる、又はエンドテナントが賃料相当額を賃料保証会社に支払っているときは、その回収ができなくなることで、本投資法人の収益が悪影響を受ける可能性があります。
(タ)海外不動産等への投資に関するリスク
a. 海外不動産等の取得並びに管理及び運用その他の海外不動産等の投資対象地域に関するリスク
本投資法人の保有資産は、いずれも日本国内に所在する不動産ですが、本投資法人は、将来的には、海外不動産等を取得する可能性があります。
本資産運用会社は、海外不動産等の取得並びに管理及び運用の経験は限定的であり、その結果、本投資法人は、日本国内における一般的な取扱いとの相違等により、本投資法人が将来取得する海外不動産等を取得し又は管理若しくは運用する上で予期せぬ問題に直面し、取得を実行できない、又は取得した海外不動産等の管理上の問題を抱える可能性があります。
本投資法人は、海外不動産等への投資に対する政府の統制、外国為替規制、海外不動産等への投資から生じる収益を日本国内に送金することができないリスク、投資対象不動産等の所在国の経済情勢の悪化、地方の政治姿勢の変化、為替レートの変動、海外事業の人員配置及び経営の問題、複数の管轄権で課税されるリスク、海外不動産等の所在国や所在地域において政治・経済情勢の変化や新たな取引規制ができるリスク等にさらされるおそれがあります。かかる国際的要因に伴う一般的なリスクが実現することによって、本投資法人は、その収益に悪影響を受ける可能性があります。
更に、日本と海外不動産等の所在する国の関係が悪化した場合には、本投資法人の当該国での事業が制限又は禁止される可能性があります。本投資法人がこれらのリスクを適切に管理できない場合、当該リスクが、本投資法人に悪影響を及ぼす可能性があります。
加えて、日本と諸外国との間の関係の悪化により、海外不動産等の価値に悪影響が生じるおそれがあります。
また、海外不動産等が所在する国において、紛争等が生じ、現地の不動産の価値が減損し、又は金融市場や経済環境が世界的に悪化するおそれがあります。
b. 外国為替についての会計処理に関するリスク
本投資法人は、海外不動産等への投資に関して外貨建ての取引を行う場合があります。そのような取引では外国為替相場の変動に係るリスクを有しており、外国為替相場の変動は本投資法人の損益に悪影響を及ぼす可能性があります。外国通貨に対して円高が進んだ場合、海外不動産等への投資に関して発生する外貨建て取引の円換算額が目減りし、本投資法人の当期純利益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、海外不動産等への投資に関して外貨建て資産及び負債が発生する場合には、それらの一部の項目は、財務諸表作成のために決算時の外国為替相場により円換算されます。これらの項目は、為替変動により本投資法人の当期純利益に悪影響を及ぼす可能性があります。
c. 海外不動産等への減損会計の適用に関するリスク
海外不動産等への投資についても、国内不動産と同様、減損会計の適用を受けます。減損会計の適用に関するリスクについては後記「⑥ その他 (ロ) 減損会計の適用に関するリスク」に記載のとおりです。なお、外国為替相場の変動が減損会計の適用により生じる可能性のある減損損失に影響を及ぼす可能性があります。
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(イ)積水ハウスグループへの依存、利益相反に関するリスク
積水ハウスは、本書の日付現在、本資産運用会社の全株式を保有しており、本資産運用会社の一部の役職員の出向元であり、本資産運用会社の非常勤取締役及び非常勤監査役の兼任先です。また、積水ハウスグループは、本投資法人の本書の日付現在のポートフォリオにおける主要なテナントでもあります。更に、本投資法人及び本資産運用会社は、積水ハウス及び積水ハウス不動産各社(6社)との間で、スポンサー・サポート契約又は優先交渉権(等)に関する契約等を締結し、スポンサーサポートをはじめとする各種のサポートの提供を受けています。
すなわち、本投資法人及び本資産運用会社は、積水ハウスグループと密接な関係を有しており、本投資法人による安定した収益の確保と成長性に対する積水ハウスグループの影響は相当程度高いということができます。
したがって、本投資法人及び本資産運用会社が、積水ハウスグループとの間で、本書の日付現在における関係と同様の関係を維持できなくなった場合には、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
更に、本投資法人や本資産運用会社が、資産運用活動その他を通じて、積水ハウスグループとの間で不動産の売買や賃貸借その他の取引を行う場合等、本資産運用会社がその株主並びにその連結子会社及び持分法適用会社である積水ハウスグループの利益を図るため、本投資法人又は本投資法人の投資主又は投資法人債権者の利益に反する行為を行う可能性があります。本投資法人及び本資産運用会社は、かかるリスクを低減するため、利害関係者取引規程に基づく手続の履践等、一定の利益相反対策は行っているものの、当該対策にもかかわらず、本資産運用会社が本投資法人又は本投資法人の投資主又は投資法人債権者の利益に反する行為を行う可能性があり、その場合には、本投資法人の投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。加えて、本投資法人及び本資産運用会社が積水ハウスグループとの間で締結している契約は、積水ハウスグループが、本投資法人と競合する事業を行うことを禁止するものではありません。積水ハウスグループは、不動産の開発、所有、運営、PM業務の提供、上場投資法人の資産運用等、様々な形で不動産に関連する業務を行っています。したがって、本投資法人又は本資産運用会社と積水ハウスグループとが、特定の資産の取得、賃貸借、運営管理、処分等に関して競合する可能性やその他利益相反が問題となる状況が生じる可能性は否定できません。これらの利益相反を原因として、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
(ロ)本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材その他本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
本投資法人の運営は、本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材に大きく依存しており、これらの人材が失われた場合、本投資法人の運営に悪影響をもたらす可能性があります。
本投資法人は、投信法に基づき、全ての執行役員及び監督役員から構成される役員会において重要な意思決定を行い、資産の運用を本資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に、それぞれ委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者の能力、経験及び知見に依存するところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。
また、投信法は、本投資法人の執行役員及び監督役員並びに本投資法人の関係者に関し、善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)又は本投資法人のために忠実に職務を遂行する義務(忠実義務)等の義務及び責任を定めていますが、これらの本投資法人の関係者が投信法その他の法令に反し、又は、法定の措置をとらないときは、投資主又は投資法人債権者に損害が発生する可能性があります。また、これらの者が業務遂行に必要な業務遂行能力を失った場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。とりわけ、「赤坂ガーデンシティ」については、その一部を本資産運用会社が賃借していることから、本書の日付現在、本投資法人と本資産運用会社の間には、実質的な賃貸人と賃借人としての利益相反状況が生じています。そのため、本資産運用会社が、法令上又は契約上負っている前記の善管注意義務、忠実義務等に違反した場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。
更に、本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者が、法令上又は契約上負っている善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)、本投資法人のために忠実に職務を遂行する義務(忠実義務)、利益相反状況にある場合に本投資法人の利益を害してはならない義務、その他の義務に違反した場合や、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等の業務遂行能力を失った場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者が損害を受ける可能性があります。更に、本資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託者が、破産手続又は会社更生手続その他の倒産手続等により業務遂行能力を喪失する場合においては、本投資法人はそれらの者に対する債権の回収に困難が生じるおそれがあり、更に本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者との契約を解約し又は解除することが求められることがあります。そのような場合、本投資法人は、投信法上、資産の運用、資産の保管及び一般事務に関しては第三者へ委託することが義務付けられているため、日常の業務遂行に影響を受けることになります。また、委託契約が解約又は解除された場合には、新たな資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託者を選定し、これらの者に対して前記各業務を委託することが必要とされます。しかし、本投資法人の希望する時期及び条件で現在と同等又はそれ以上の能力と専門性を有する第三者を選定し、前記各業務及び事務を委託できるとの保証はなく、そのような第三者を速やかに選定できない場合には、本投資法人の存続及び損益の状況等に悪影響を及ぼすほか、適切な資産運用会社を選定できない場合には、本投資口が上場廃止になる可能性もあります。
この他に、本資産運用会社又は本投資法人若しくは今後運用資産となり得る不動産信託受益権に関する信託受託者から委託を受ける業者として、PM会社、建物の管理会社等があります。本投資法人の収益性の向上のためにはこれらの者の能力、経験及び知見に依存するところも大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。これらの者について業務の懈怠その他の義務違反があった場合や業務遂行能力が失われた場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を与える可能性があります。
(ハ)本投資法人の投資方針等の変更に関するリスク
本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び本資産運用会社の取締役会が定めたより詳細な投資方針、ポートフォリオ構築方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。
また、本投資法人の発行する投資証券について支配権獲得その他を意図した取得が行われた場合、投資主総会での決議等の結果として本投資法人の運用方針、運営形態等が他の投資主の想定しなかった方針、形態等に変更される可能性があります。
一方で、運用環境の変化に対応して、適切に本投資法人の運用方針、運用形態等を変更できない可能性もあり、そのような場合には、本投資法人の収益等に悪影響を与える可能性があります。
(ニ)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
本投資法人は、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。)(以下「破産法」といいます。)上の破産手続、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。)(以下「民事再生法」といいます。)上の再生手続及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服する可能性があります。
本投資法人は、投信法に基づいて投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合に投信法に従ってその登録が取り消される可能性があります(投信法第216条)。その場合には、本投資証券の上場が廃止され、本投資法人は解散し、清算手続に入ります。
本投資法人が清算される場合、投資主は、全ての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産の分配にあずかることによってしか投資金額を回収することができません。このため、投資主は、投資金額の全部又は一部について回収することができない可能性があります。
(ホ)敷金及び保証金に関するリスク
本投資法人は、運用資産の賃借人が無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を運用資産の取得資金の一部として利用する場合があります。しかし、賃貸市場の動向、賃借人との交渉等により、本投資法人の想定よりも賃借人からの敷金及び保証金の預託額が少なくなり、又は預託期間が短くなる可能性があり、この場合、必要な資金を借入れ等により調達せざるを得なくなります。また、不動産を信託する信託の受益権を取得した場合に、その信託財産である不動産に関する敷金又は保証金を本投資法人が利用する条件として、本投資法人が敷金又は保証金の返還債務を負う場合があり、当該返還債務の履行に必要な資金を借入れ等により調達する可能性があります。これらの結果、本投資法人の収益に悪影響を与える可能性があります。
④ 不動産及び信託の受益権に関するリスク
本投資法人の主たる運用資産は、前記「2 投資方針 (2) 投資対象 ① 投資対象とする資産の種類」に記載のとおり、不動産等です。本投資法人は、後記「5 運用状況 (2) 投資資産 ⑤ 保有資産の個別不動産の概要」に記載する不動産等を信託する信託の受益権を取得しています。不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産の所有者は、その信託財産である不動産又は裏付けとなる不動産を直接所有する場合と、経済的には、ほぼ同様の利益状況に置かれます。したがって、以下に記載する不動産に関するリスクは、不動産を信託する信託の受益権その他不動産を裏付けとする資産についても、ほぼ同様にあてはまります。
なお、信託の受益権特有のリスクについては、後記「(ネ) 不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク」をご参照ください。
(イ)不動産の欠陥・瑕疵や境界に関するリスク
第三者の権利の存在、建物の建設工事における施工の不具合や施工時に利用するデータの転用その他の不適切な利用、土地の地形や組成等の様々な原因により、不動産には権利、土地の地盤及び地質並びに建物の杭や梁等の構造、設計及び施工、免震装置、制振装置を含む建物の素材の強度・機能等に関して欠陥、不具合、基準への不適合、瑕疵(物の種類、数量、性能、性質又は品質等が不十分又は契約の内容に適合しない場合におけるその不適合をいいます。以下同じです。)等(隠れたものを含みます。)が存在している可能性があり、また、かかる欠陥、瑕疵等が取得後に判明する可能性もあります。本投資法人の取得時にはかかる欠陥、瑕疵等がなかった場合であっても、取得後に建物の建材等の許可や認定等が取り消される等により取得後にかかる欠陥、瑕疵等が生じる可能性もあります。本投資法人は、状況によっては、前所有者に対し一定の事項につき表明及び保証を要求し、瑕疵担保責任や契約不適合責任を負担させる場合もありますが、たとえかかる表明及び保証が真実でなかったことを理由とする損害賠償責任、瑕疵担保責任や契約不適合責任を追及できたとしても、これらの責任の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、前所有者が解散したり無資力になっているために実効性がない場合もあります。
これらの場合には、当該欠陥、瑕疵等の程度によっては、当該不動産の資産価値が低下することを防ぐために必要となる当該欠陥、瑕疵等の修補、建物の建替えその他の対応に係る費用が甚大となる可能性があるとともに、当該不動産の買主である本投資法人が当該費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、不動産登記簿の記載を信じて取引した場合にも、買主は不動産に係る権利を取得できないことがあります。更に、不動産登記簿中の不動産の権利に関する事項が現況と一致していない場合もあります。加えて、権利に関する事項のみならず、不動産登記簿中の不動産の表示に関する事項も現況と一致していない場合もあります。このような場合、上記と同じく、本投資法人は売主等に対して法律上又は契約上可能な範囲で責任を追及することとなりますが、その実効性があるとの保証はありません。
更に、不動産の中には、周辺の不動産との境界が確定していないものが多数存在し、本投資法人は、このような境界が確定していない物件であっても、紛争等の可能性や運営への影響等を検討の上で取得する可能性がありますが、本投資法人の想定に反し、隣地との間で紛争が生じたり、境界確定の過程で運用資産の運営に不可欠の土地が隣地所有者の所有に属するものとされること等により、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(ロ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
本投資法人が不動産を売却する場合、本投資法人は、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。)(以下「宅地建物取引業法」といいます。)上、宅地建物取引業者とみなされるため、同法に基づき、売却の相手方が宅地建物取引業者である場合を除いて、不動産の売買契約において、瑕疵担保責任や契約不適合責任に関し、買主に不利となる特約をすることが制限されています。したがって、本投資法人が不動産を売却する場合には、売却した不動産の欠陥、瑕疵等の修補、建物の建替えその他の対応に係る費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
加えて、不動産をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、不動産に関する権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。その結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。更には、不動産の形状や利用によっては、当該不動産の存在や利用状況によって意図しない第三者の権利の侵害が生じる可能性もあります。
更に、賃貸不動産の売却においては、新所有者が賃借人に対する敷金返還債務等を承継するものと解されており、実務もこれにならうのが通常ですが、旧所有者(本投資法人)が当該債務を免れることについて賃借人の承諾を得ていない場合には、旧所有者(本投資法人)は新所有者とともに当該債務を負い続けると解される可能性があり、予想外の債務又は義務等を負う場合があり得ます。
(ハ)賃貸借契約に関するリスク
a. 賃貸借契約の解約及び更新に関するリスク
賃借人が賃貸借契約上解約権を留保している場合等には、契約期間中であっても賃貸借契約が終了したり、また、賃貸借契約の期間満了時に契約の更新がなされない場合もあるため、稼働率が低下し、不動産に係る賃料収入が減少することがあります。また、解約禁止条項、解約ペナルティ条項等を置いて期間中の解約権を制限している場合や更新料を定めている場合でも、裁判所によって所定の金額から減額されたり、かかる条項の効力が否定される可能性があります。
以上のような事由により、賃料収入等が減少した場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
b. 賃料不払に関するリスク
賃借人の財務状況が悪化した場合又は破産手続、民事再生法上の再生手続若しくは会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。)(以下「会社更生法」といいます。)上の更生手続その他の倒産手続(以下、併せて「倒産等手続」と総称します。)の対象となった場合、賃貸借契約に基づく賃料、諸費用、その他賃借人が賃貸人に対して支払うべき金銭の支払いが滞る可能性があり、この延滞賃料等の債務の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超える状況になった場合には、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。また、本投資法人は、保証会社による保証等を付して賃貸することがありますが、テナントの財務状況が悪化した場合において、保証会社等の保証人の財務状況も悪化している場合には、賃料等を回収することができないこととなります。更に、代金回収会社に委託して口座振替によりテナントから賃料等を回収することがありますが、この場合において代金回収会社の財務状況が悪化した場合には、代金回収会社からの賃料等の入金が滞り又は回収ができなくなるおそれがあります。加えて、賃貸人が賃貸借契約上の債務の履行を怠った場合には、テナントは賃料等の不払をもってこれに対抗することができるため、テナントが賃貸人側の何らかの落ち度を理由に意図的な賃料等の不払をもって対抗する可能性もあり、その場合には当該不動産から得られる収入にも悪影響を与えることとなります。
c. 賃料改定に係るリスク
テナントとの賃貸借契約の期間が比較的長期間である場合には、多くの場合、賃料等の賃貸借契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。
したがって、本書の日付現在の賃料が今後も維持される保証はありません。賃料改定により賃料が減額された場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。特に、単一のテナントが物件全体を賃借するいわゆるシングルテナント物件の場合には、当該テナントとの賃料改定により賃料が減額されたときは、当該物件の収入全体が低下することになるため、その影響は相対的に大きくなります。
また、定期的に賃料等を増額する旨の規定が賃貸借契約にある場合でも、賃借人との交渉如何によっては、必ずしも、規定どおりに賃料を増額できるとは限りません。
d. 賃借人による賃料減額請求権行使のリスク
建物の賃借人は、定期建物賃貸借契約において借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)(以下「借地借家法」といいます。)第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合を除いて、同条に基づく賃料減額請求をすることができます。請求が認められた場合、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
e. 定期建物賃貸借契約に関するリスク
本投資法人は、投資資産について、定期建物賃貸借契約によりテナントに対して賃貸することがあります。建物の賃借人との間で定期建物賃貸借契約を締結するためには借地借家法第38条に規定される所定の要件を充足する必要がありますが、かかる要件が充足されなかった(又は充足されたと認められない)場合には、定期建物賃貸借契約としての効力が認められない可能性があります。その結果、上記賃料減額請求権排除特約が認められず、又は当該賃貸借契約が本投資法人の意向に反し更新されること等により、本投資法人の収益性に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
f. 変動賃料に関するリスク
本投資法人は、投資資産について、本投資法人とテナントとの間の賃貸借契約又はマスターレッシーとエンドテナントとの間の賃貸借契約において、賃料の全部又は一部に売上又は利益等に連動した変動賃料が定められることがありますが、売上又は利益等に連動した変動賃料の支払いを受ける場合には、売上の減少又は利益の減少等が賃料総額の減少につながり、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、変動賃料の支払いを受ける賃貸借契約において、変動賃料の計算の基礎となる売上等の数値について、賃貸人がその正確性について十分な検証を行えない場合があり得ます。その結果、本来支払われるべき金額全額の変動賃料の支払いがなされず、本投資法人の収益に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
g. 更新料に関するリスク
本投資法人は地域によっては更新料をテナントから徴収しています。更新料はテナントと締結された賃貸借契約を根拠として徴収していますが、消費者契約法(平成12年法律第61号。その後の改正を含みます。)等の解釈から更新料を徴収することの根拠が否定される可能性があります。また、過去に遡及して更新料の払い戻しを請求される可能性があり、その場合、当初予定していた利益を確保できない可能性があります。
h. 感染症の感染拡大に関するリスク
新型コロナウイルス感染症等の感染症の感染拡大や長期化等により、外出自粛を含む感染拡大防止に向けた政府及び地方自治体が実施する各施策の要請が長期化又は強化された場合、運用資産におけるテナントの経済活動等に支障が生じ、テナントの賃料負担力の低下等を理由とした賃料支払猶予の要請又は一定期間の賃料減額請求や賃料不払又はテナントの倒産、テレワーク等の働き方の変化によるオフィススペース需要の減少に伴う賃借面積の縮小又は解約等が生じる可能性があり、その結果、本投資法人の収益や本投資法人の保有資産の価値等に著しい悪影響が出る可能性があります。
(ニ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
火災、地震、津波、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下「災害等」といいます。)により不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が影響を受ける可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した個所を修復するため一定期間建物の不稼働を余儀なくされることにより、賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。不動産の個別事情により保険契約(地震保険に関する契約を含みます。)が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払いが他の何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅れる場合には、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
また、今後、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震と同規模又はそれ以上の地震その他の天災、事故等が発生する可能性を否定できません。その場合には、本投資法人が保有又は取得する物件が滅失、劣化又は毀損するおそれがあるほか、賃料水準の低下、稼働率の低下又はテナントの支払能力の低下が生じる可能性があり、また、周辺地域及び日本の経済全体が悪影響を受ける可能性があり、それらの結果、本投資法人の収益や本投資法人の保有資産の価値等に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(ホ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
運用資産である不動産を原因として、第三者の生命、身体又は財産等を侵害した場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損害を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上無過失責任を負うことがあります。なお、本投資法人が投資対象としているホテルについては、アスレチックやプールといったレジャー用施設を建物の一部又は土地の工作物として併設しているものがあるため、ホテルにおいては、建物の一部又は土地の工作物により第三者、特に利用客の生命、身体又は財産等が侵害されるリスクは他の種類の不動産に比べて高いといえます。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合や生じた事故に対して保険金が支払われない場合、前記「(ニ) 災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク」と同様、本投資法人の収益等は悪影響を受ける可能性があります。
また、不動産につき滅失、毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となる場合には、かかる修繕に関連して多額の費用を要する可能性があります。また、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、不動産から得られる賃料収入が減少し、不動産の価格が下落する可能性があります。
更に、不動産の修繕・維持費用等の不動産の維持管理に要する費用は一定ではないため、金利の上昇、税制変更、経済情勢の変動等の事情により、今後、不動産の修繕管理に要する費用が増加する可能性があります。
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例、都市計画法の改正、新たな立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為の規定の施行又は適用の際、原則としてこれらの規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)又はその敷地については、当該規定が適用されない扱いとされています(いわゆる既存不適格)。しかし、かかる既存不適格の建物の建替え等を行う場合には、現行の規定が適用されるため、現行の規定に合致するよう手直しをする必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建物を建築できない可能性やそもそも建物を再建築できない可能性もあります。更に、いわゆる既存不適格となるのは、新たな立法や行政行為の規定の施行又は適用の場合に限られるため、建物の建設後に敷地の形状に変更が生じた場合や、建物の建材等の許可や認定等が取り消された場合等は、現行の規定に合致するよう手直しをする必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建物を維持できない可能性もあります。
また、不動産に係る様々な行政法規や各地の条例による規制が運用資産である不動産に適用される可能性があります。例えば、都市計画法、地方公共団体の条例による風致地区内における建築等の規制、河川法(昭和39年法律第167号。その後の改正を含みます。)による河川保全区域における工作物の新築等の制限、文化財保護法(昭和25年法律第214号。その後の改正を含みます。)に基づく試掘調査義務、一定割合において住宅を付置する義務や、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務及び雨水流出抑制施設設置義務、地球温暖化対策としての温室効果ガス排出に関する報告や排出量制限の義務等が挙げられます。このような義務が課せられている場合、当該不動産の処分及び建替え等に際して、事実上の困難が生じたり、これらの義務を遵守するための追加的な費用負担が生じる可能性があります。更に、運用資産である不動産を含む地域が道路設置等の都市計画の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少し収益が減少する可能性があります。また、当該不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
(ト)法令の制定・変更に関するリスク
土壌汚染対策法のほか、将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査、除去、損害賠償等の義務等が課される可能性があります。
また、消防法その他不動産の管理に影響する関係法令の改正により、不動産の管理費用等が増加する可能性があるほか、エネルギーや温室効果ガス削減を目的とした法令、条例等の制定、適用、改正等によっても、追加的な費用負担等が発生する可能性があります。加えて、建築基準法、都市計画法の改正、新たな立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為等により不動産に関する権利が制限され又は義務を課される可能性があります。このような法令若しくは行政行為又はその変更等が本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(チ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
本投資法人が、債務超過の状況にある等財務状態が実質的危機時期にあると認められる又はその疑義がある者を売主として不動産を取得した場合には、当該不動産の売買が売主の債権者により取り消される(詐害行為取消)可能性があります。また、本投資法人が不動産を取得した後、売主について倒産等手続が開始された場合には、不動産の売買が破産管財人、監督委員又は管財人により否認される可能性が生じます。
また、本投資法人が、ある売主から不動産を取得した別の者(以下、本(チ)において「買主」といいます。)から更に不動産を取得した場合において、本投資法人が、当該不動産の取得時において、売主と買主間の当該不動産の売買が詐害行為として取消され又は否認される根拠となり得る事実関係を知っている場合には、本投資法人に対しても、売主・買主間の売買が否認され、その効果を主張される可能性があります。
本投資法人は、管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等について諸般の事情を慎重に検討し、実務的に可能な限り管財人等により売買が否認又は取消されるリスク等を回避するよう努めますが、このリスクを完全に排除することは困難です。
更に、本投資法人が売主から不動産を取得すると同時に当該不動産を一括して売主に賃貸する取引(いわゆるセール・アンド・リースバック取引)等、取引の態様如何によっては売主と本投資法人との間の不動産の売買が、担保取引であると判断され、当該不動産は破産者である売主の破産財団の一部を構成し、又は更生会社若しくは再生債務者である売主の財産に属するとみなされる可能性(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)もあります。
(リ)マスターリース会社に関するリスク
本投資法人は、マスターレッシー(転貸人)が本投資法人又は信託受託者とマスターリース契約を締結した上で、各転借人に対して転貸するマスターリースの形態をとる物件を取得することがあります。
マスターリースの形態をとる物件においてマスターレッシーの財務状況が悪化した場合、転借人がマスターレッシーに賃料を支払ったとしても、マスターレッシーの債権者がマスターレッシーの転借人に対する賃料債権を差し押さえる等により、マスターレッシーから本投資法人又は信託受託者への賃料の支払いが滞る可能性があります。
また、本投資法人では、エンドテナントが賃料を本投資法人又は信託受託者の口座に直接振り込む方法により賃料を収受することがあります。しかし、賃料の支払いの遅延等の理由でマスターレッシーがエンドテナントから賃料を回収した後、マスターレッシーが財務状態の悪化などに陥った場合は、マスターレッシーから賃貸人である本投資法人又は信託受託者への賃料の支払いが滞る可能性があります。また、マスターレッシーが破綻し、かつ、エンドテナントからの賃料の支払いが延滞している場合には、当該延滞部分の賃料相当額がマスターレッシーに対する倒産債権となると解釈される可能性があり、かかる解釈が採用された場合、延滞部分の賃料相当額の回収が非常に困難となり、本投資法人の財務状況等に悪影響を与えるおそれがあります。
(ヌ)転貸に関するリスク
賃借人(転借人を含みます。)に、不動産の一部又は全部を転貸する権限を与えた場合、本投資法人は、不動産に入居するテナントを自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなる可能性があるほか、賃借人の賃料が、転借人の賃借人に対する賃料に連動する場合、転借人の信用状態等が、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、賃貸借契約が合意解約された場合、又は債務不履行を理由に解除された場合であっても、賃貸借契約上、賃貸借契約終了の場合に転貸人の転借人に対する敷金等の返還義務が賃貸人に承継される旨規定されている場合等には、かかる敷金等の返還義務が、賃貸人に承継される可能性があります。このような場合、敷金等の返還原資は賃貸人の負担となり、本投資法人の収益に悪影響を与える可能性があります。
(ル)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
テナントによる不動産の利用・管理状況により、当該不動産の資産価値や、本投資法人の収益に悪影響が及ぶ可能性があります。また、転借人や賃借権の譲受人の属性によっては、運用資産である不動産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。また、建物そのものが法令や条例等の基準を満たす場合であっても、テナントによる建物への変更工事、内装の変更、その他利用状況等により、建築基準法、消防法その他の法令や条例等に違反する状態となり、本投資法人が、その改善のための費用を負担する必要が生じ、又は法令上不利益を被る可能性があります。
なお、本投資法人は、かかるリスクを低減するため、PM会社を通じてテナントの不動産の利用状況の調査を行っていますが、かかるリスクが現実化しないという保証はありません。
(ヲ)共有物件に関するリスク
運用資産である不動産が第三者との間で共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の価格に従い、その過半数で行うものとされているため(民法第252条第1項)、本投資法人が共有持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条第1項)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
更に、共有の場合、他の共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性(民法第256条第1項本文)、及び裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性(民法第258条第3項)があり、ある共有者の意図に反して他の共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
この分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、この特約は5年を超えては効力を有しません(民法第256条第1項但書)。また、登記済みの不分割特約がある場合でも、特約をした者について倒産手続の対象となった場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。ただし、共有者は、倒産手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、民事再生法第48条、会社更生法第60条)。
他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。したがって、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、分割後の運用資産についても、他の共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
また、共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、共有不動産については、共有者間で共有持分の優先的購入権の合意をすることにより、共有者がその共有持分を第三者に売却する場合に他の共有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。
更に、不動産の共有者が賃貸人となる場合には、賃料債権は不可分債権となり敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されており、共有者は他の賃貸人である共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(ワ)区分所有建物に関するリスク
区分所有建物とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。)(以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分と共有となる共用部分及び建物の敷地部分から構成されます(以下同じです。)。区分所有建物の場合には、区分所有法上、法定の管理方法及び管理規約(管理規約の定めがある場合)によって管理方法が定められます。建替え決議等をする場合には集会において区分所有者及び議決権(管理規約に別段の定めのない限り、その有する専有部分の床面積の割合)の各5分の4以上の多数の建替え決議が必要とされる等(区分所有法第62条)、区分所有法の適用を受けない単独所有物件と異なり管理方法に制限があります。
区分所有建物の専有部分の処分は自由に行うことができますが、区分所有者間で優先的購入権の合意をすることがあることは、共有物件の場合と同様です。
区分所有建物と敷地の関係については以下のようなリスクがあります。
区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利を敷地利用権といいます。区分所有建物では、専有部分と敷地利用権の一体性を保持するために、法律で、専有部分とそれに係る敷地利用権を分離して処分することが原則として禁止されています(区分所有法第22条)。ただし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の禁止を善意の第三者に対抗することができず、分離処分が有効となります(区分所有法第23条)。また、区分所有建物の敷地が数筆に分かれ、区分所有者が、それぞれ、その敷地のうちの一筆又は数筆の土地について、単独で、所有権、賃借権等を敷地利用権(いわゆる分有形式の敷地利用権)として有している場合には、分離して処分することが可能とされています。このように専有部分とそれに係る敷地利用権が分離して処分された場合、敷地利用権を有しない区分所有者が出現する可能性があります。
また、敷地利用権が使用借権及びそれに類似した権利である場合には、当該敷地が売却、競売等により第三者に移転された場合に、区分所有者が当該第三者に対して従前の敷地利用権を対抗できなくなる可能性があります。
このような区分所有建物と敷地の関係を反映して、区分所有建物の場合には、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(カ)借地物件に関するリスク
本投資法人は、借地権(土地の賃借権及び地上権)とその借地権設定地上に存在する建物(以下「借地物件」といいます。)に投資することがありますが、借地物件は、土地建物ともに所有する場合と比べて特有のリスクがあります。借地権は、所有権と異なり永久に存続するものではなく、期限の到来により当然に消滅し(定期借地権の場合)又は期限到来時に借地権設定者が更新を拒絶しかつ更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します(普通借地権の場合)。また、借地権が地代の不払その他により解除その他の理由により消滅する可能性もあります(更に、借地法(大正10年法律第49号。その後の改正を含みます。)(以下「借地法」といいます。)においては、借地上の建物の朽廃という法定の消滅原因も存在します。)。借地権が消滅すれば、時価での建物買取りを請求できる場合(借地借家法第13条、借地法第4条第2項)を除き、借地上に存在する建物を取り壊した上で、土地を返還しなければなりません。普通借地権の場合、借地権の期限到来時の更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、仮に建物の買取請求権を有する場合でも、買取価格が本投資法人が希望する価格以上である保証はありません。
また、本投資法人が借地権を有している土地の所有権が、他に転売されたり、借地権設定時に既に存在する土地上の抵当権等の実行により第三者に移転する可能性があります。この場合、借地権について適用のある法令に従い第三者対抗要件(借地権の登記又は借地権を有している土地上に借地権者が登記されている建物を所有していることが該当します。)が具備されていないときは、本投資法人は、借地権を当該土地の新所有者に対して対抗できず、当該土地の明渡義務を負う可能性があります。
更に、借地権が賃借権である場合、借地権を譲渡するには、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。借地上の建物の所有権を譲渡する場合には、当該借地に係る借地権も一緒に譲渡することになるので、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。かかる借地権設定者の承諾に関しては、借地権設定者への承諾料の支払いが予め約束されていたり、約束されていなくても慣行を理由として借地権設定者が承諾料を承諾の条件として請求してくる場合があります(なお、法律上借地権設定者に当然に承諾料請求権が認められているものではありません。)。
加えて、借地権設定者の資力の悪化や倒産等により、借地権設定者に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。借地権設定者に対する敷金及び保証金等の返還請求権について担保設定や保証はなされないのが通例です。
その他、地方自治法(昭和22年法律第67号。その後の改正を含みます。)(以下「地方自治法」といいます。)に定める地方公共団体がその普通財産を貸し付けた場合、その貸付期間中であっても、当該地方公共団体において公用又は公共用に供するため必要が生じたときは、普通地方公共団体の長はその契約を解除できるとされています(地方自治法第238条の5第4項)。したがって、地方公共団体から土地その他の資産を賃借した場合、本投資法人は、その契約に違反がない場合であっても解除されることがあり、その場合には本投資法人の資産運用及び収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
借地権と借地上に建てられている建物については、敷地と建物を一括して所有している場合と比べて、上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(ヨ)底地物件に関するリスク
本投資法人は、第三者が賃借してその上に建物を所有している土地、いわゆる底地を取得することがあります。底地物件には特有のリスクがあります。借地権が消滅する場合、本投資法人は借地権者より時価での建物買取りを請求される場合があります(借地借家法第13条、借地法第4条)。借地権者より時価での建物買取りを請求される場合、買取価格が本投資法人の希望する価格以下である保証はありません。
また、借地権が賃借権である場合、借地権者による借地権の譲渡には、原則として、本投資法人の承諾が必要となりますが、裁判所が承諾に代わる許可をした場合(借地借家法第19条)や、借地契約上事前に一定範囲での借地権の譲渡を承諾している場合には、本投資法人の承諾なく借地権が譲渡される結果、財務状態に問題がある等の本投資法人が望まない者に借地権が譲渡される可能性があり、その結果、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
更に、借地契約に基づく土地の賃料の支払いが滞り、延滞賃料の合計額が敷金及び保証金等で担保される範囲を超える場合には投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。加えて、土地の賃料の改定、又は、借地権者による借地借家法第11条に基づく土地の借賃の減額請求により、当該底地から得られる賃料収入が減少し、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(タ)借家物件に関するリスク
本投資法人は、建物(共有持分、区分所有権等を含みます。)を第三者から賃借の上又は信託受託者に賃借させた上、当該賃借部分を直接若しくは信託受託者を通じて保有する建物と一体的に又は当該賃借部分を単独で、テナントへ転貸することがあります。
この場合、建物の賃貸人の資力の悪化や倒産等により、建物の賃貸人に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があることは、前記「(カ) 借地物件に関するリスク」の場合と同じです。
加えて、民法上、本投資法人が第三者との間で直接又は信託受託者を通じて締結した賃貸借契約が何らかの理由により終了した場合、原則として、本投資法人又は当該受託者とテナントの間の転貸借契約も終了するとされているため、テナントから、転貸借契約の終了に基づく損害賠償請求等がなされるおそれがあります。
(レ)開発物件に関するリスク
本投資法人は、規約に定める投資方針に従って、竣工後の物件を取得するために予め開発段階で売買契約を締結する場合があります。かかる場合、既に完成した物件につき売買契約を締結して取得する場合とは異なり、様々な事由により、開発が遅延、変更又は中止され、売買契約どおりの引渡しを受けられない可能性があります。この結果、開発物件からの収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担し若しくは被る可能性があり、その結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ソ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
a. 不動産又は不動産を信託する信託の受益権を取得するリスク
本投資法人は、不動産又は不動産を信託する信託の受益権を取得するに当たり、フォワード・コミットメント等を行うことがあります。不動産売買契約が買主の事情により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負担することとなります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産又は不動産を信託する信託の受益権の売買価格に対して一定の割合の違約金が発生する旨の合意がなされることも少なくありません。フォワード・コミットメント等の場合には、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払いにより、本投資法人の財務状況等が悪影響を受ける可能性があります。
b. 不動産又は不動産を信託する信託の受益権を売却するリスク
本投資法人は、不動産又は不動産を信託する信託の受益権を売却するに当たり、フォワード・コミットメント等を行うことがあります。不動産売買契約が売主の事情により解約された場合には、売主は債務不履行による損害賠償義務を負担することとなります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産又は不動産を信託する信託の受益権の売買価格に対して一定の割合の違約金が発生する旨の合意がなされることも少なくありません。フォワード・コミットメント等の場合には、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が当該物件を契約済条件で売却する事が運用上適切でなくなった場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払いにより、本投資法人の財務状況等が悪影響を受ける可能性があります。
(ツ)有害物質に関するリスク
本投資法人が土地又は土地の賃借権若しくは地上権又はこれらを信託する信託の受益権を取得する場合において、当該土地について産業廃棄物等の有害物質が埋蔵されている可能性があり、かかる有害物質が埋蔵されている場合には当該土地の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負う可能性があります。なお、土壌汚染対策法によれば、土地の所有者、管理者又は占有者は、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の特定有害物質による土地の土壌の汚染の状況について、都道府県知事により調査・報告を命ぜられることがあり、また、土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生じるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。
この場合、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があり、また、本投資法人は、支出を余儀なくされた費用について、その原因となった者やその他の者から常に償還を受けられるとは限りません。
また、本投資法人が建物又は建物を信託する信託の受益権を取得する場合において、当該建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材が使用されているか若しくは使用されている可能性がある場合やPCBが保管されている場合等には、当該建物の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために建材の全面的若しくは部分的交換が必要となる場合又は有害物質の処分若しくは保管が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人にかかる損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
(ネ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
本投資法人は、不動産を信託の受益権の形式で取得することがあります。
信託受託者が信託財産としての不動産、不動産の賃借権、地上権又は地役権を所有し管理するのは信託受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的には全て信託受益者に帰属することになります。したがって、本投資法人は、信託の受益権の保有に伴い、信託受託者を介して、運用資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを負担することになります。
信託契約上信託の受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を要求されるのが通常です。更に、不動産、不動産の賃借権、地上権又は地役権を信託する信託の受益権については受益証券発行信託の受益証券でない限り私法上の有価証券としての性格を有していませんので、債権譲渡と同様の譲渡方法によって譲渡することになり、有価証券のような流動性がありません。
信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含みますが、信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)による改正前のもの)及び信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。)上、信託受託者が倒産等手続の対象となった場合に、信託の受益権の目的となっている不動産が信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要があり、仮にかかる登記が具備されていない場合には、本投資法人は、当該不動産が信託の受益権の目的となっていることを第三者に対抗できない可能性があります。
また、信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。
更に、信託契約上、信託開始時において既に存在していた信託不動産の欠陥、瑕疵等につき、当初委託者が信託財産の受託者に対し一定の瑕疵担保責任や契約不適合責任を負担する場合に、信託財産の受託者が、かかる瑕疵担保責任や契約不適合責任を適切に追及しない、又はできない結果、本投資法人が不測の損害を被り、投資主又は投資法人債権者に損害を与える可能性があります。
(ナ)不動産信託の信託受益権の準共有等に関するリスク
運用資産である不動産信託の信託受益権が第三者との間で準共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、準共有されている権利の管理は、準共有者間で別段の定めをした場合を除き、準共有者の持分の価格に従い、その過半数で行うものとされているため(民法第264条、第252条第1項)、本投資法人が準共有持分の過半数を有していない場合には、不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、準共有者はその持分の割合に応じて準共有している権利の全体を利用することができるため(民法第264条、第249条第1項)、他の準共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該信託受益権の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
また、準共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、信託受益権が準共有されている場合には、準共有者間で準共有持分の優先的購入権の合意をすることにより、準共有者がその準共有持分を第三者に売却する場合に他の準共有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。
更に、不動産信託の信託受益権の準共有者が不動産信託受託者に対して有する信託交付金の請求権は不可分債権となり不動産信託受託者に対して負担する信託費用等の支払義務は不可分債務になると一般的には解されており、準共有者は他の準共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
加えて、準共有者間においては、準共有者間の協定書等が締結され、準共有者間で準共有持分の優先的購入権について合意されたり、一定の場合に当事者間で売渡請求権若しくは買取請求権が生じることが合意され、又は信託受益者としての意思決定の方法等が合意されることがあります(その内容は様々です。)が、これらの合意がなされている場合、本投資法人が所有する準共有持分の処分が制限される可能性があるほか、想定しない時期に準共有持分を取得若しくは譲渡することを強制され、又は、持分割合にかかわらず、不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
不動産信託の信託受益権が第三者との間で準共有されている場合には、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(ラ)売却時の不動産の流動性に関するリスク
不動産には、上記の各リスクが存在することから、流通市場の発達した有価証券等と比較すると、相対的に流動性が低いといえます。また、上記の各リスクの状況によっては、特に流動性が低くなるおそれもあります。そのため、経済環境や不動産需給関係の影響によっては、本投資法人が売却を希望する不動産を希望どおりの時期・条件で売却できず、あるいは、これらの不動産について予定外の費用又は損失が発生する可能性があります。これらの結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(ム)気候変動に関するリスク
近年、地球温暖化の進行による気候変動の影響が、国内外において大きな社会問題になっています。そのため、法律又は条例により、地球温暖化対策として、一定の不動産の所有者に温室効果ガス排出に関する報告や排出量制限の義務が課されることがあり、これらの制度設計又は拡充に伴い、排出量削減に向けた建物改修の実施や、排出権あるいは再生可能エネルギークレジット等を取得する等の負担を余儀なくされる可能性があります。また、台風や集中豪雨等による浸水被害により賃貸事業の継続が困難となった場合、不動産等から得られる賃料収入の減少、修繕コストの増加、資産価値の低下により、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、平均気温の上昇により海面が上昇した際に、海抜の低い地域に所在する物件が浸水し、その資産価値が毀損する可能性があります。加えて、中長期的な視点に基づく投資主価値の最大化のため、気候変動への対応として、本投資法人の収益性の向上が短期間では見込まれない投資等を行うこともあります。このような投資等が、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性もあります。
(ウ)物件取得の競争及びテナントの獲得競争に関するリスク
不動産投資信託その他のファンド、大小の投資家等による不動産投資が活発化し、物件取得の競争が激化する場合があります。このような状況下にあっては、希望した条件での物件取得ができない等の事情により、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産ポートフォリオを実現できない可能性があります。
また、不動産関連資産は、他の不動産とのテナント獲得競争にさらされているため、競合する不動産の新築、リニューアル、募集賃料の引下げ等の競争条件の変化により、賃料引下げ、入居前の内装工事等の多額の費用負担や稼働率の低下を余儀なくされ、本投資法人の収益に悪影響を与える場合があります。
(ヰ)不動産の運用費用の増加に関するリスク
経済全般のインフレーション、人件費や水道光熱費の高騰、不動産管理や建物管理に係る費用又は備品調達等の管理コストの上昇、建物の経年劣化による修繕費の負担、各種保険料の値上げ、公租公課の増大その他の理由により、不動産の運用に関する費用が増加する可能性があります。一方で、不動産関連資産からの収入がこれに対応して増加するとの保証はありません。
⑤ 税制に関するリスク
(イ)導管性要件に関するリスク
税法上、租税特別措置法第67条の15第1項(以下「投資法人に係る課税の特例規定」といいます。)により、一定の要件(導管性要件)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、利益の配当等を投資法人の損金に算入することが認められています。
| 投資法人の主な導管性要件 | |
| 支払配当要件 | 配当等の額が配当可能利益の額の90%超であること (利益を超えた金銭の分配を行った場合には、金銭の分配の額が配当可能額の90%超であること) |
| 国内50%超募集要件 | 投資法人規約において、投資口の発行価額の総額のうちに国内において募集される投資口の発行価額の占める割合が50%を超える旨の記載又は記録があること |
| 借入先要件 | 機関投資家(租税特別措置法第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定するものをいいます。次の「所有先要件」において同じです。)以外の者から借入れを行っていないこと |
| 所有先要件 | 事業年度の終了の時において、発行済投資口が50人以上の者によって所有されていること又は機関投資家のみによって所有されていること |
| 非同族会社要件 | 事業年度の終了の時において、投資主の1人及びその特殊関係者により発行済投資口の総口数あるいは議決権総数の50%超を保有されている同族会社に該当していないこと |
| 会社支配禁止要件 | 他の法人の株式又は出資の50%以上を有していないこと(匿名組合出資を含み、一定の海外子会社の株式又は出資を除きます。) |
本投資法人は、導管性要件を満たすよう努める予定ですが、今後、下記に記載した要因又はその他の要因により導管性要件を満たすことができない可能性があります。本投資法人が、導管性要件を満たすことができなかった場合、利益の配当等を損金算入することができなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を与える可能性があります。
a. 会計処理と税務処理との不一致によるリスク
会計処理と税務処理との不一致(税会不一致)が生じた場合、会計上発生した費用・損失について、税務上その全部又は一部を損金に算入することができない等の理由により、法人税等の税負担が発生し、配当の原資となる会計上の利益は減少します。支払配当要件における配当可能利益の額(又は配当可能額)は会計上の税引前利益に基づき算定されることから、多額の法人税額が発生した場合には、配当可能利益の額の90%超の配当(又は配当可能額の90%超の金銭分配)ができず、支払配当要件を満たすことが困難となる可能性があります。なお、2015年度税制改正により、交際費、寄附金、法人税等を除く税会不一致に対しては、一時差異等調整引当額の分配により法人税額の発生を抑えることができるようになりましたが、本投資法人の過去の事業年度に対する更正処分等により多額の追徴税額(過年度法人税等)が発生した場合には、法人税等は一時差異等調整引当額の対象にならないため、支払配当要件を満たすことができないリスクは残ります。
b. 資金不足により計上された利益の配当等の金額が制限されるリスク
借入先要件に基づく借入先等の制限や資産の処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、配当の原資となる資金の不足により支払配当要件を満たせない可能性があります。
c. 借入先要件に関するリスク
本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合又は本投資法人の既存借入金に関する貸付債権が機関投資家以外に譲渡された場合、あるいはこの要件の下における借入金の定義が税法上において明確ではないためテナント等からの預り金等が借入金に該当すると解釈された場合においては、借入先要件を満たせなくなる可能性があります。
d. 投資主の異動について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
本投資口が市場で流通することにより、本投資法人のコントロールの及ばないところで、所有先要件あるいは非同族会社要件が満たされなくなる可能性があります。
(ロ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において行った利益の配当等の損金算入が否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を与える可能性があります。
(ハ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、規約における投資方針において、その有する特定資産の価額の合計額に占める特定不動産の価額の合計額の割合を75%以上とすること(規約第34条第3項)としています。本投資法人は、上記内容の投資方針を規約に定めること、及びその他の税法上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産流通税(登録免許税及び不動産取得税)の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更された場合には、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。
(ニ)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、不動産信託受益権その他本投資法人の資産に関する税制若しくは本投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益に悪影響を与える可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、資本の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有又は売却による投資主の手取金の額が減少し、又は税務申告等の税務上の手続面での負担が投資主に生じる可能性があります。
⑥ その他
(イ)専門家報告書等に伴うリスク
本投資法人又は本資産運用会社は、不動産を取得するに際して又は取得後、当該不動産の鑑定評価を不動産鑑定士等に依頼し、鑑定評価書を取得することがありますが、不動産の鑑定評価額は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査の方法若しくは時期によって鑑定評価額の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額による売買の可能性を保証又は約束するものではありません。更に、不動産鑑定評価書に記載された運営純収益である鑑定NOIは、個々の不動産鑑定士等が、不動産の鑑定評価額を算出するに当たり、その分析に基づいて算出した金額であり、分析の時点における意見を示したものにとどまり、実際の当該不動産から得られる運営純収益の額と一致するとは限りません。とりわけ、本投資法人の取得に伴い賃料固定型マスターリース契約が締結される場合等、不動産の賃貸条件が取得に伴って変更される場合には、鑑定NOIは、必ずしも当該変更後の賃貸条件に基づく運営純収益と一致するとは限りません。本投資法人が当該不動産から収受する実際の運営純収益の額は、当該不動産の賃貸条件、稼働状況、費用支出の状況その他の事由により影響を受けるため、鑑定NOIと一致するとは限りません。鑑定NOIは、当該不動産取得後の本投資法人の運営純収益の額を保証又は約束するものではありません。
また、本投資法人又は本資産運用会社は、不動産を取得するに際して又は取得後、当該不動産の建物状況調査評価書及び地震リスク診断報告書並びに構造計算書の妥当性に関する第三者の報告書を取得することがありますが、建物状況調査評価書及び地震リスク診断報告書並びに構造計算書の妥当性に関する第三者の報告書は、建物の評価に関する専門家が、設計図書等の確認、現況の目視調査又は施設管理者への聞取り等を行うことにより、現在又は将来発生することが予想される建物の不具合、必要と考えられる修繕又は更新工事の抽出及びそれらに要する概算費用並びに再調達価格の算出、並びに建物の耐震性能及び地震による損失リスク等を検討した結果を記載したものであり、不動産に欠陥、瑕疵等が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
更に、不動産に関して算出されるPMLも個々の専門家の分析に基づく予想値にすぎません。PMLは、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
加えて、本投資法人又は本資産運用会社は、不動産を取得するに際して又は取得後、当該不動産又は(ホテル、シニアアセット投資の場合)オペレーターのサービス提供の体制及び内容並びに設備及び稼働状況等に関するマーケットレポートを取得することがあります。マーケットレポートにより提示される第三者によるマーケット分析、統計情報及び想定賃料水準並びに(ホテル、シニアアセット投資の場合)オペレーターの能力、業績、財務状態、信用力及び将来の業績の予想に関する分析等は、個々の調査会社の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正なエリア特性、需要と供給、マーケットにおける位置付け、市場の動向、(ホテル、シニアアセット投資の場合)オペレーターの提供するサービスの水準及び内容並びに設備及び稼働状況等と一致するとは限りません。同じ物件について調査分析を行った場合でも、調査会社及び調査の時期又は方法によってマーケット分析、統計情報及び想定賃料水準並びに(ホテル、シニアアセット投資の場合)オペレーターの能力、業績、財務状態、信用力及び将来の業績の予想に関する分析等の内容が異なる可能性があります。また、想定賃料水準は、現在及び将来において当該賃料水準による賃貸借の可能性を保証又は約束するものではなく、また、(ホテル、シニアアセット投資の場合)当該報告書の記載内容や分析(オペレーターの能力、業績、財務状態、信用力及び将来の業績の予想に関する分析を含みます。)が正確である保証はありません。更に、本投資法人の中心的な投資対象の一つであるホテルは、一般的に施設毎の特殊性が強く、マーケット分析及び想定賃料水準の前提となる類似物件の情報の取得が困難である可能性があります。また、ホテルのマーケット分析及び想定賃料水準は、観光業界の動向等に左右されますが、調査会社が観光業界の動向を適切に予想することが困難である可能性があります。更に、オペレーターの提供するサービスの水準及び内容並びに設備及び稼働状況等は、繁閑期で大きく異なる可能性があります。したがって、他の不動産等に比べ、ホテルについては、マーケットレポートにおけるマーケット分析、統計情報及び想定賃料水準並びにオペレーターの能力、業績、財務状態、信用力及び将来の業績の予想に関する分析等が概括的なものになる可能性があり、場合によっては、マーケットレポートの取得自体が不可能となる可能性がある等、本投資法人によるマーケットレポートを用いた情報収集が限定的なものに留まる可能性もあります。
(ロ)減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日)及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日。その後の改正を含みます。))が、適用されています。
「減損会計」とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。「減損会計」の適用に伴い、地価の動向及び運用資産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の損益に悪影響を与える可能性があります。
(ハ)取得予定資産を取得することができないリスク
経済環境等が著しく変わった場合又は相手方の事情等により売買契約において定められた停止条件又は前提条件が成就しない場合等においては、取得予定資産を取得することができない可能性があります。また、取得資金の一部に充当するための追加借入れが実行できない場合においても、取得予定資産を取得できない可能性があります。この場合、本投資法人は、代替資産の取得のための努力を行う予定ですが、取得予定資産の代替資産として、短期間に投資に適した物件を取得することができる保証はなく、資金を有効に運用することができない場合には、投資主に損害を与える可能性があります。
(ニ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、不動産に関する匿名組合出資持分への投資を行うことがあります。本投資法人が出資するかかる匿名組合は、本投資法人の出資金を不動産に投資しますが、当該不動産に係る収益が悪化した場合や当該不動産の価値が下落した場合、意図されない課税が生じた場合等には、本投資法人が匿名組合員として得られる分配金や元本の償還金額等が減少し、その結果、本投資法人が営業者に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については契約上譲渡が禁止若しくは制限されていることがあり、又は、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。
(ホ)優先出資証券への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、資産流動化法に基づく特定目的会社が発行する優先出資証券への投資を行うことがあります。本投資法人が出資するかかる特定目的会社は、本投資法人の出資金を不動産に投資しますが、当該不動産に係る収益が悪化した場合や当該不動産の価値が下落した場合、更には導管体である特定目的会社において意図されない課税が生じた場合等には、本投資法人が当該優先出資証券より得られる配当金や分配される残余財産が減少し、その結果、本投資法人が特定目的会社に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、優先出資証券については、特定目的会社への出資者の間で契約上譲渡を禁止若しくは制限されていることがあり、また、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。
(ヘ)内部留保の活用に関するリスク
本投資法人は、負ののれん等の内部留保を有しており、法令等の定めにより分配金に加算する他、物件売却による損失発生やテナント退去による一時的な賃料の減少による分配金への悪影響の緩和、更には税務と会計の取扱いの不一致により生ずるおそれのある課税への対応等のために活用し、安定した金銭の分配を行う方針(以下「内部留保の活用方針」といいます。)です。しかしながら、投資法人に関する内部留保にかかる会計処理又は取扱いに関する解釈、運用又は取扱いが変更された場合、内部留保の金額が変更される可能性、及び内部留保の活用が困難になるなどの投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、内部留保のうち負ののれん発生益に由来する一時差異等調整積立金は資金の裏付けのない会計上の利益であるため、分配金支払原資の不足により税法上の導管性要件の一つである支払配当要件を満たせない可能性があります。本投資法人は、内部留保の取崩予定額を公表することがあり(以下、公表した内部留保の取崩予定額を「公表済内部留保取崩予定額」といいます。)、公表済内部留保取崩予定額を分配すべく、本投資法人はキャッシュ・マネジメントに最大限留意しますが、本投資法人が金銭の分配を行う時点において公表済内部留保取崩予定額分の資金が存在するという保証はなく、公表済内部留保取崩予定額よりも低い金額が実際の内部留保からの取崩額となる可能性があります。また、公表済内部留保取崩予定額の分配が可能であっても、公表済内部留保取崩予定額までの分配を行わない可能性があります。
更に、本投資法人は、内部留保の活用方針に基づく運用上の施策や、想定外の損失の発生等により、公表済内部留保取崩予定額以上の取崩しを行う可能性があります。その場合、本投資法人の想定以上に内部留保が減少することとなり、将来的に、内部留保の活用方針が重大な影響を受ける可能性や、公表済内部留保取崩予定額の分配を行うことができなくなる可能性があります。
(ト) 一時差異等調整引当額の戻入れにより利益の分配が減少するリスク
本投資法人が貸借対照表の純資産の部に一時差異等調整引当額を計上している場合、一時差異等調整引当額の計上は、会計と税務における損益の認識のタイミングの調整のために行われるものであるため、当該引当額の計上に起因した税会不一致が解消したタイミングでその戻入れが求められます。当該戻入れは本投資法人の利益をもって行われることから、当期未処分利益が一時差異等調整引当額の戻入れに充当される結果、分配可能金額が減少する可能性があります。
なお、純資産控除項目(主に繰延ヘッジ損益のマイナス)に起因する一時差異等調整引当額に関しては、その戻入れの原資となる利益が過年度から繰り越されるため、当該戻入れによって当期の利益に対応する利益分配金が減少することはありません。
(チ)ESG評価に関するリスク
本投資法人は、ESGへの取組みについて、複数のESG評価機関よりESG格付を付与されており、また、その評価に基づき一部のESG関連インデックスの構成銘柄に選定されています。近年、国内外におけるESGへの関心の高まりを受け、ESG評価はその重要性を増しています。しかしながら、ESG評価やESG格付は、本投資法人の経営状況又は財務状況の悪化、運用方針の変化、運用資産の構成の変化といった本投資法人又は本資産運用会社に起因する事由のほか、本投資法人に適用される各種の規制の内容や、ESG評価機関による評価基準の見直し、社会通念の変化等、本投資法人及び本資産運用会社がコントロールできない事由によっても変動する可能性があります。そして、これらの事由により、本投資法人に対するESG格付が引き下げられ若しくはESG格付が付されなくなり、又は本投資法人がESG関連インデックスから除外された場合には、本投資口又は本投資法人債券の市場価格が下落する可能性があります。
加えて、金融機関、投資家等から本投資法人のESGに対する取組みが不十分であると評価された場合、資金調達に支障が出る可能性があり、本投資法人の運営に悪影響が生じる可能性があります。
(2)投資リスクに対する管理体制
上記の様々なリスクに鑑み、本投資法人及び本資産運用会社は、本投資法人の資産運用に関し、以下のガバナンスを通じ、実効性のあるリスク管理体制を整備し、かつ、かかる管理体制が最大限の効果を発揮するよう努めています。
本投資法人及び本資産運用会社は、可能な限り、本投資証券及び本投資法人債券への投資に関するリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の損害の極小化等の対応に努める方針ですが、これらの措置が結果的に十分な成果を収める保証はありません。
① 本投資法人の体制
本投資法人は、投信法に基づき設立され、執行役員1名及び監督役員2名により構成される役員会により運営されています。執行役員は、3か月に1回以上の頻度で役員会を開催し、役員会においては、法令又は本投資法人及び本資産運用会社の各社内規程で定められた承認事項の審議を行います。本投資法人は、当該手続により本資産運用会社の利害関係者との取引について、利益相反取引のおそれがあるか否かについての確認を行い、利益相反等にかかるリスクの管理に努めています。加えて、執行役員は、役員会において本投資法人の運営及び自らの業務執行状況に関する報告を行います。当該報告を通じ、監督役員は的確に情報を入手し、執行役員の業務執行状況を監視する体制を維持しています。
本投資法人は、資産運用委託契約上、本資産運用会社から各種報告を受ける権利及び本資産運用会社の帳簿及び記録その他の資料の調査を行う権利を有しています。かかる権利の行使により、本投資法人は、本資産運用会社の業務執行状況を監視できる体制を維持しています。
② 本資産運用会社の体制
本資産運用会社は、リスク管理規程において、リスク管理の方法、リスク管理状況のモニタリング、及びリスクについて不測の重大な事態が発生した場合の対応方法等を規定しています。本資産運用会社の各組織は、その業務分掌に関連する業務に係るリスクについて、以下の手法等を通じて管理します。また、本資産運用会社のコンプライアンス・オフィサー及び内部統制推進室は、本資産運用会社のリスク管理に関する責任部署として、各組織におけるリスク管理の統括及びモニタリングを実施するとともに、本資産運用会社取締役会へ報告しています。本資産運用会社の各組織における業務分掌の詳細については、前記「1 投資法人の概況 (4) 投資法人の機構 ② 投資法人の運用体制 (ロ) 本資産運用会社の各組織の業務分掌体制」をご参照ください。
(イ)本資産運用会社は、運用ガイドラインにおいて、ポートフォリオの構築方針、ポートフォリオの運営・管理方針、投資を行う場合の審査基準、物件のデュー・ディリジェンスの基準等を定めています。また、PM会社等の業務委託先及びテナント等の選定に関する社内規程を定めており、かかる運用ガイドラインその他社内規程等を遵守することにより、不動産や不動産信託受益権に係るリスクの管理に努めています。
(ロ)本資産運用会社は、職務分掌規程、職務権限規程、委員会規程及びコンプライアンス規程等の社内規程を定めて本投資法人の資産運用に係る重要な事項の決定プロセスの明確化及びかかる意思決定プロセスの過程での法令遵守状況の監視を図っているほか、不動産の調査、取得、運営管理その他の業務それぞれについて、客観的な業務手順を確立して、リスクの管理に努めています。
(ハ)本資産運用会社は、内部統制推進室が法令諸規則の遵守状況を監視するとともに利益相反取引、インサイダー取引及び反社会的勢力との取引の排除等コンプライアンスの徹底に関して統括しています。また、コンプライアンス・オフィサーは、法令諸規則の定めに則り、コンプライアンス・マニュアルをはじめコンプライアンスに係る諸規則を整備するとともに、社内研修等を通じ、本資産運用会社役職員のコンプライアンスに関する知識向上等の啓蒙に努めています。
(ニ)本資産運用会社の内部監査は、他の組織及び部署から独立したコンプライアンス・オフィサー及び内部統制推進室が担当し、コンプライアンス・オフィサーがその責任者となります。ただし、コンプライアンス・オフィサー及び内部統制推進室に対する内部監査については、代表取締役社長を責任者とし、総務部が担当します。内部監査に係る体制は、内部監査規程等に基づき整備され、内部監査の結果及び指摘事項に係る改善状況についてはコンプライアンス・オフィサーより適宜取締役会に報告されます。かかる体制を整備することにより、客観性をもった内部監査が実施されるとともに、取締役会が本資産運用会社における各組織の業務遂行状況を監視しています。
(ホ)フォワード・コミットメント等に係る物件は、決済までの間、本投資法人の貸借対照表には計上されずオフバランスとなりますが、当該期間中の当該物件の価格変動リスクは本投資法人に帰属することになります。このため、フォワード・コミットメント等を行う場合、本資産運用会社において、違約金の上限、物件の取得額の上限、契約締結から物件引渡しまでの期間の上限等についてのルールを定めたフォワード・コミットメント等に係る規則に基づき、当該リスクを管理しています。
(ヘ)本投資法人の新投資口発行、借入れ、投資法人債の発行等資金調達行為に関しては、法令諸規則等の定めに基づき、本投資法人役員会の承認を経る体制を整備しています。また、本資産運用会社において、余資の運用に関するガイドライン及びデリバティブ取引の取扱及びリスク管理規程を定め、本投資法人の財務面に関するリスクを管理しています。
(ト)本資産運用会社は、緊急時対応規程及び事業継続計画を定めて、災害等の緊急時における本投資法人の保有資産及び本資産運用会社のBCPについて体制を整備しています。
(チ)本資産運用会社は、情報管理規程、文書管理規程、情報システム管理規程、個人情報保護方針及び個人情報保護規程等の情報資産に関する社内規程を定めて、本資産運用会社における業務遂行上の重要情報並びに本資産運用会社の役職員及び本投資法人の投資主やテナントをはじめとする全てのステークホルダーに係る個人情報等の情報資産に関する管理体制を整えるとともに、業務委託先における情報管理状況について監視する体制を整備しています。