訂正有価証券報告書(内国投資証券)-第9期(2019/08/01-2020/01/31)
(1)【投資方針】
① 本投資法人の基本理念及び特徴
(イ) 本投資法人の基本理念
本投資法人は、既存不動産に新しい価値を創造することを目指すいちごグループの「心築」(注1)機能と強力なソーシング力を最大限活用してホテル用不動産等に投資を行う、ホテル特化型リートです。日本政府による観光政策の推進、訪日外国人旅行者の増加等を背景に、日本における宿泊施設の需要の増加と共に本投資法人も着実な成長をしてまいりました。しかし、ここ数年、一部の地域でホテル用不動産等の需要を上回る供給による需要の希薄化や2019年の日韓関係悪化に伴う訪日韓国人が減少に加え、2020年においては新型コロナウィルスの世界的な感染拡大により、国内外の宿泊施設利用者の需要が大幅に減少することが懸念されています。一方、観光産業は時折の予期しない事態の発生にもかかわらずその強みや回復力を示し、世界全体で観光産業は成長を続けてきました。本投資法人はこれらの懸念や問題も一時的であり、回復と共にホテル用不動産等の供給は限定的であり、ホテル用不動産等の重要性は今後ますます高まると本投資法人は考えています。
日本国内のホテル・旅館等の宿泊施設のうち、J-REIT(注2)が保有するホテル・旅館等の宿泊施設は一部に限られており、今後もJ-REITの取得対象資産として、ホテル用不動産等には大きな成長ポテンシャルが存在するものと本投資法人は考えています。また、日本に所在するホテルは築20年以上経過した物件が多く、今後も築古物件は増加していくことが想定されます。このような状況下において、本投資法人は、いちごグループが有する「心築」機能を活用することで、日本のホテルのボリュームゾーンである築古物件の資産価値を向上させ、安全で質の高い宿泊施設として中長期的に運用を行っていくことが可能であると考えています。
本投資法人は、ホテル用不動産等は、各種不動産の中でもハード・ソフトの両面を改善することで収益増加が相対的に高く期待できるアセットタイプであると考えています。そこで、本投資法人はこれまでいちごグループが培ってきた不動産の価値向上のノウハウやソーシング力を最大限活用し、社会生活に必要不可欠なインフラで、高い付加価値を持つホテル用不動産等への重点投資、安定性及び成長性の両面を追求した中長期的な運用により、投資主価値の最大化を目指すことを基本理念としています。
(注1)「心築」は、いちごグループが推進する事業を指すセグメント名として、2016年2月に従来の「不動産再生」から改称した造語であり、「心で築く、心を築く」を信条に、いちごグループの技術とノウハウを活用し、一つ一つの不動産に心をこめた丁寧な価値向上を図り、新しい不動産価値を創造する事業をいいます。以下同じです。
(注2)「J-REIT」とは、上場不動産投資法人をいいます。以下同じです。
(ロ) 本投資法人の特徴
本投資法人は、ホテル用不動産等を主な投資対象とするホテル特化型リートです。本投資法人はいちごグループがこれまで培ってきた「心築」機能を軸としたビジネスモデルのノウハウや強力な運用体制を活用し、効果的かつ戦略的なCAPEXの実施を通じて収益力の向上を図ります。また、本投資法人は、規模の経済性を重視した着実なポートフォリオの成長に向けて、ホテル用不動産等における外部成長ポテンシャルを背景に、いちごグループの強力なソーシング力を最大限に活用しながら、積極的な外部成長を目指します(詳細については、後記「② 本投資法人の成長戦略 (ニ) いちごグループについて」をご参照下さい。)。
本投資法人は、ホテルマーケットの変遷をとらえたホテル用不動産等への重点投資を行いますが、当面は、成長性を追求しながらも、需要の安定性、景気下降局面における収益への影響力等を考慮し、景気下降局面においても相対的に安定的な収益力を確保することが可能であると本投資法人が考えている宿泊主体・特化型ホテル(注)に優先的に投資を行います。また、本投資法人は、上場以降、いちごグループのソーシング力とサポート体制を最大限に活用し、積極的な外部成長によるポートフォリオの拡大に併せて、投資地域、ホテルタイプ、賃料契約形態等の観点から投資対象となるホテル用不動産等の分散を図り、収益の安定性と成長性を追求するポートフォリオの構築を目指します。そして、ポートフォリオの安定運用が可能となったタイミングを総合的に判断し、より成長性を追求することが可能なリゾートホテル(注)やフルサービスホテル(注)の取得を目指します。
そして、いちごグループのサポートを最大限に活用し、ポートフォリオの収益力を向上させながら、着実に成長していくことで、投資主価値の最大化を目指します。
(注)各ホテルタイプの詳細については、後記「③ 本投資法人のポートフォリオ構築方針 (イ) 本投資法人の投資対象」をご参照下さい。

② 本投資法人の成長戦略
(イ) いちごグループの「心築」モデルと強力な運用体制
いちごグループは、J-REIT、インフラファンド及び私募不動産ファンドを運用するアセット・マネジメント、いちごグループの不動産技術、ノウハウを最大限に活かすことで資産価値の向上を図る不動産事業、メガソーラー(太陽光発電)を始めとしたクリーンエネルギー事業等を行っています。
また、いちごグループは、「心築」事業の下、不動産の保有期間中の賃料収入を享受しつつ、いちご株式会社の不動産技術、ノウハウを最大限に活かすことで資産価値の向上を図り、ストック収益の向上及び売却によるフロー収益の獲得等、高い収益性を目指しています。
いちごグループは、2020年2月末日時点で1.9兆円以上の累積運用資産残高、累積221本の不動産ファンド組成本数を有しています(2020年2月末日現在の運用資産残高は約5,447億円)。特に各投資家の投資基準に応じた案件のソーシング、不動産・金融技術や建築技術、オペレーションマネジメント力及びバリューアップ技術を活かした不動産価値向上を強みとしています。
a. 「心築」機能を軸としたビジネスモデルに係る運用体制
本資産運用会社といちごグループとの協働により、本資産運用会社のホテルリート本部に加え、いちごグループの物件管理及びテナントリレーションに関わる専門チームと建築・開発の専門チームが携わり、テナント(オペレーター)に「顔」が見える強固な運用体制を構築し、資産運用を行います。
(ロ) いちごグループの強みを活用した成長戦略の実現
本投資法人は、いちごグループがこれまで培ってきた不動産の価値向上のノウハウや強力な運用体制を活用し、効果的かつ戦略的なCAPEXの実施を通じて内部成長を図ります。また、本投資法人は、規模の経済性を重視した着実なポートフォリオの成長に向けて、ホテル用不動産等における外部成長ポテンシャルを背景に、いちごグループの強力なソーシング力を最大限に活用しながら、積極的な外部成長を目指します。
a. ホテル用不動産等に関するいちごグループのノウハウを活用したバリューアップ
本投資法人は、ホテル用不動産等は効果的かつ戦略的なCAPEXの実施等を通じて物件のバリューアップを図ることで、テナント(オペレーター)の売上の安定や増加に直接的に貢献し得るアセットタイプであると考えています。本投資法人は、いちごグループの「心築」機能を軸としたビジネスモデルを活用し、効果的かつ戦略的なCAPEXを実施することでアセットのポテンシャルを引き上げ、安全で質の高いホテル用不動産等を中長期的に運用することが可能であると考えています。本投資法人は、ホテル用不動産等への投資・運用を通じて、今後さらにその市場規模の拡大が期待される観光・宿泊産業の成長を反映し、投資主とテナント(オペレーター)がWIN-WINの関係になり得る成長モデルを追求します。
<バリューアップ戦略を通じて、投資主とテナント(オペレーター)がそれぞれ利益を享受可能なサイクルを実現>
b. 変動賃料形態の導入による利益成長の実現
アップサイド・ポテンシャルを追求できる賃料契約形態の導入
保有資産における賃貸借契約は、物件数ベースで、固定賃料のみの賃貸借契約が締結されている物件が38.1%(2020年1月末日時点)、変動賃料も含まれている賃貸借契約が締結されている物件が61.9%(2020年1月末日時点)となっています。本投資法人のポートフォリオは、賃料全体に占める変動賃料の割合に照らして、インバウンド旅行者の増加や宿泊需要の拡大を背景にした賃料向上の可能性を捕捉しやすく、賃料のアップサイド・ポテンシャルを追求可能であると、本投資法人は考えています。一方、景気下降局面による収益への影響を考慮し、ポートフォリオの賃料に占める変動賃料割合は賃料ベースで40%程度を目処に、アップサイドの期待できる賃料契約形態を導入することで、投資主価値の最大化の追求を目指します。
c. 積極的なCAPEXの実施による利益成長の実現
本投資法人は、ポートフォリオの物件に対する効果的かつ戦略的なCAPEXの実施により、バリューアップの効果をもたらすことによって着実な利益成長を図り、投資主価値の最大化を目指します。バリューアップにあたっては、マーケット分析を基に各対象資産のポジション及びポテンシャルを把握した上で、いちごグループの建築・開発チームのノウハウを最大限に活用し、当該資産のオペレーターともその運営方針を確認しながら収益力の安定化、最大化を目指したリニューアル工事等(コンバージョン(注)による新たな収益機会の創造を含みます。)を実施します。
本投資法人は、ホテル用不動産等のバリューアップには、テナント(オペレーター)も重要な役割を担っていると考えています。効率的で安定したキャッシュ・フローの達成と更なる成長による資産価値最大化のために、本資産運用会社による最適なテナント(オペレーター)の選択と適切な賃貸借契約条件の設定、ホテル運営のモニタリング、収益構造の改革に向けた協議等を可能な範囲で継続的に行うことにより、本資産運用会社とテナント(オペレーター)が協働していく体制を構築することを目指します。
(注)「コンバージョン」とは、物件の現状の建物用途を変更することをいいます。以下同じです。
(ハ) ポートフォリオの早期成長の実現に向けた成長戦略
本投資法人は、いちごグループによる強力なスポンサーサポートを通じて、いちごグループのソーシング力及びウェアハウジング機能(注)を活用した物件取得による外部成長を目指します。
(注)「ウェアハウジング機能」とは、いちごグループ又はいちごグループが組成するビークルが物件を取得し、一定期間保有したのち、本投資法人に当該物件を売却する機能をいいます。以下同じです。
a. J-REITの取得対象としてのホテル等の宿泊施設
ホテル・旅館等の宿泊施設は、国内全体の資産ストックと比較してJ-REITが保有する施設数が限られており、今後もJ-REITの取得対象資産として、適切なリノベーション等によって価値を向上させた後に取得対象となり得るホテル用不動産等を含め、大きな拡大ポテンシャルが存在するものと本投資法人は考えています。
b. ホテルの築年数
国内のホテルは築20年以上経過した物件が多く、今後も築古物件は増加していくことが想定されます。いちごグループによるスマイルホテル京都四条やヴァリエホテル天神の価値向上の実績に代表されるように、一定程度築年数が経過した物件であっても、適切なバリューアップ等の投資を実施することにより、資産価値を向上させ、その付加価値を高めることが可能です。本投資法人は、いちごグループが蓄積した不動産の価値向上に係る豊富なノウハウを活用することにより、本投資法人の将来的な取得可能物件が広がり、取得後のダウンタイム(注)を最小限にする効率的な運用も可能となるものと考えています。本投資法人は、宿泊施設としての機能及び資産の質を考慮し、いちごグループによる必要なリノベーションの実施も含め総合的に判断して、築年数にかかわらず投資対象物件を選定します。
(注)「ダウンタイム」とは、リノベーションの実施やオペレーターの変更等バリューアップのための施策に伴い、ホテル営業の一部又は全部を一時的に休止することによって対象物件からの収益が減少する期間をいいます。
c. いちごグループの強みを活用した成長の実現
いちごグループは、物件取得、資産価値向上、物件譲渡、再投資を繰り返す、「心築」機能を軸としたビジネスモデルを有しています。
本投資法人は、独自の物件取得ルートに加え、いちごグループによる不動産の資産価値向上のノウハウとウェアハウジング機能を最大限活用し、更なる成長の実現を目指します。
d. 物件のコンバージョンを通じたパイプラインの拡充
いちごグループが首都圏に保有する住宅物件のコンバージョン、サービスアパートメントの組入れ等により、中長期的にパイプラインの拡充を図ることを検討します。
e. いちごグループの物件取得力及び与信力を背景にした「バックアップサポート」
本投資法人は最適なタイミングでの物件取得を実現するため、継続的に成長投資を拡大しているいちごグループの物件取得力及び上場グループとしての与信力をバックアップとして活用していくこととし、このようないちごグループによるスポンサーサポート強化の一環として、本投資法人といちご株式会社は、本投資法人の要請がある場合、いちご株式会社が信用補完に係るサポートを有償で提供する旨を合意しています。
当該合意に基づき、本投資法人は、本投資法人に対する金融機関による融資若しくは投資家による出資、本投資法人による不動産若しくは不動産を信託財産とする信託受益権の取得、これらに関連する事項、又はその他本投資法人の運営に資する事項について、いちご株式会社による信用補完を得る必要があると判断した場合は、いちご株式会社に対し信用補完を要請することができます。いちご株式会社は、当該要請があった場合において、当該要請が法令等に反することなく、かつ、スポンサーサポート契約の目的に合致すると判断した場合、個別合意書を締結した上で、スポンサーレターの提出、保証契約の締結又は物件の取得に係る契約の締結その他の方法により、有償(注)で、本投資法人の信用を補完します(以下、かかるサポートを「バックアップサポート」といいます。)。
本投資法人は、バックアップサポートは、例えば、本投資法人が物件を取得できない場合の代替買主が確保されていること等により、売主が物件を本投資法人に譲渡することを合意する上で一定の有意な効果をもたらし得るものと考えています。また、バックアップサポートは、上記のように資金調達ができないために本投資法人がバックアップサポート対象物件を取得できないこととなった場合であっても、本投資法人が将来これらの物件をいちご株式会社から取得できる可能性を確保できるという意味においても、資産取得に関する有効なスポンサーサポートであると考えています。本投資法人では、今後、本投資法人の成長に寄与する物件取得に際し、信用補完の必要性等を考慮して、いちごグループと協議の上、いちごグループによるバックアップサポートを有効に活用していく方針です。
(注)信用補完の対価は、信用補完の対象となる取引内容及び市場環境等により異なるため、個別案件ごとに当事者間の協議によって決定することとなりますが、主に以下の要素等を考慮の上決定することとなります。
・スポンサーが物件を代替取得するために要する下記の取得コスト等
取得のためのデュー・ディリジェンスコスト
取得ビークルの設立及び維持管理費用
取引のために支払う仲介手数料
関連契約締結等に伴う法務専門家への委託コスト
・スポンサーが代替で負担する下記の資金コスト又は与信枠の設定維持コスト等
取得費用立替のための資金調達コスト
取得のための与信の設定及び維持コスト
・信用補完によってスポンサーが負う下記のリスク量に関する対価
売主がスポンサーに対して要求する補償のための債務負担等の可能性
・取引実行により投資法人が享受する下記の経済的利益等
対象物件取得のために既に投下した費用が無駄なものとなることの回避
再取得に係る取引手数料等の削減
物件取得が遅れることによる収益減少の回避
なお、上記対価の支払いを伴う信用補完は、利害関係者取引規程第4条第2項(9)に該当するため、その対価の支払いについては利害関係者取引規程第5条に基づき本資産運用会社のリスク・コンプライアンス委員会、本投資法人の役員会及び本資産運用会社の投資運用委員会の順に審議されます。詳細は、前記「1 投資法人の概況 (4) 投資法人の機構 ③ 投資運用の意思決定機構 (ハ) 資産の取得及び売却に関する事項 d. 資金調達に関する事項」をご参照下さい。
(ニ) いちごグループについて
いちごグループの持株会社であるいちご株式会社は、2011年1月、旧いちご不動産投資法人(当時の商号:ジャパン・オフィス投資法人)(以下「旧いちごリート」といいます。)の資産運用会社を子会社化し、J-REIT事業に参入した後、同年8月にFCレジデンシャル投資法人(以下「FCR」といいます。)の資産運用会社を子会社化しました。さらに、同年11月にFCRを存続投資法人、旧いちごリートを消滅投資法人とする吸収合併(合併後の商号:いちご不動産投資法人)(現商号:いちごオフィスリート投資法人)、及び、FCRの資産運用会社を消滅会社、旧いちごリートの資産運用会社を存続会社とする吸収合併をそれぞれ実現しました。また、同年1月には、中小規模不動産や底地等における不動産ソリューション事業を行ういちご地所を設立し、資産クラスを問わず、投資家のニーズに広く応えていくことができる体制を確立しています。同社は、いちごグループにおけるJ-REIT事業のウェアハウジング機能も担っています。
また、2012年11月、不動産の新規有効活用を図るため、いちごECOエナジー株式会社を設立し、将来のインフラファンドの組成等も視野に入れたメガソーラー(大規模太陽光発電)を主軸としたクリーンエネルギー事業を開始しました。そして、本資産運用会社が運用を行う、太陽光その他の再生可能エネルギー発電施設に投資するいちごグリーンインフラ投資法人が2016年12月1日付で東京証券取引所インフラ市場に上場しました。
本投資法人は、いちごグループの強力なスポンサーサポートを通じて、外部成長及び内部成長を目指します。
<ガバナンス体制>いちごグループは、コンプライアンスを重視した誠実なグループ経営を実践することを目的として、持株会社(いちご株式会社)は制度設計を指名委員会等設置会社とし、本資産運用会社は取締役会・監査役・会計監査人設置会社とした上で執行役員制度を導入しており、それぞれにおいて取締役の過半を社外取締役とし、その全員を東京証券取引所の定める独立役員としています。
いちごグループは、日本社会の一員として、国民のために果たすべき役割を以下のとおり経営理念として定め、商号の由来である「一期一会」の心得のもと、この実現を最大の目標とすることとしました。
経営理念
日本を世界一豊かに。
その未来へ心を尽くす一期一会の「いちご」
いちごグループにおけるCSR活動の取組事例は以下のとおりです。
いちごグループは、サステナブル(持続可能)な社会形成に向け、事業活動を通じた貢献を目指しており、事業活動を通じた環境配慮へのコミットメントの表明として、環境省の中央環境審議会の提言に基づき、持続可能な社会形成のために必要な責任と役割を果たしたいと考える金融機関の行動指針として策定された「21世紀金融行動原則」に署名参加しており、いちご株式会社によると、これは不動産運用を主業とする企業グループとしては初めてとのことです。
また、いちごグループは、環境省が推進する低炭素社会の実現に向けたキャンペーン「Fun to Share」の趣旨に賛同し、これまで培ってきた「心築」機能を活かし、不動産の経済耐用年数の長期化、質の向上を図り、いわゆる「サステナブル不動産」、「サステナブル社会」、ひいては低炭素社会への貢献に取り組むことを表明しています。
(ホ) 今後の成長戦略の基本方針
本投資法人は、今後も、継続的な外部成長により投資主価値の向上を図るとともに、安定性を確保しつつ成長性を訴求することが可能なポートフォリオを構築することにより、更なる成長を目指します。

(注)アクションプランの内容はあくまで計画であり、その実現を保証するものではありません。また、現時点での計画であり、今後随時変更する可能性があります。
③ 本投資法人のポートフォリオ構築方針
(イ) 本投資法人の投資対象
本投資法人は、ホテル用不動産等を主な投資対象とし、安定的なキャッシュ・フローを確保するとともに、宿泊需要の増加を背景に収益成長の可能性を有するポートフォリオの構築を目指します。本投資法人は、投資対象とするホテル用不動産等を「宿泊主体・特化型ホテル」、「フルサービスホテル」、「リゾートホテル」、「その他宿泊施設」の各ホテルタイプに分類し、個別物件の特性及び競争力等を見極めるためのデュー・ディリジェンスを行った上で、ポートフォリオの質又は収益性の向上に資することが期待されるホテル用不動産等に対して厳選投資を行います。
本投資法人は、ホテルマーケットの変遷をとらえたホテル用不動産等への重点投資を行いますが、当面は成長性を追求しながらも、需要の安定性、景気下降局面における収益への影響力等を考慮し、景気下降局面においても相対的に安定的な収益力を確保することが可能であると本投資法人が考えている宿泊主体・特化型ホテルに優先的に投資を行います。また、本投資法人は上場以降、いちごグループのソーシング力とサポート体制を最大限に活用し、積極的な外部成長によるポートフォリオの拡大に併せて、投資地域、ホテルタイプ、賃料契約形態等の観点から投資対象となるホテル用不動産等の分散を図り、収益の安定性と成長性を追求するポートフォリオの構築を目指します。そして、ポートフォリオの安定運用が可能となったタイミングを総合的に判断し、より成長性を追求することが可能なリゾートホテルやフルサービスホテルの取得を目指します。本投資法人が主な投資対象とする各ホテルタイプは以下のとおりです。
a. 宿泊主体・特化型ホテル
駅前・空港・観光地・ビジネス街・繁華街等の集客エリア、ターミナル駅等の交通の要所近隣、高速道路のインターチェンジ付近等に位置し、付帯施設を限定、又は最小限にして宿泊を主体としたホテル及び宿泊に特化したホテル。なお、カプセルホテルを含みます。
b. フルサービスホテル
駅前・空港・観光地・ビジネス街・繁華街等の集客エリア、大都市圏、政令指定都市、県庁所在地等の都市及び市街地近郊に位置し、宿泊施設に加え、レストランなどの料飲施設・設備、宴会・会議場等の付帯施設を備えており、フルラインのサービスを提供するホテル。
c. リゾートホテル
観光地、景勝地、レジャー施設近隣に位置し、比較的ゆとりのある宿泊施設とレストラン、宴会場、会議場、スポーツ施設などより多様な付帯施設・設備を有するホテル。
d. その他宿泊施設
交通の利便性が高い都市部、都市近郊、駅前・空港・観光地・ビジネス街・繁華街等の集客エリア、ターミナル駅等の交通の要所近隣等に位置し、旅館業法に定める旅館業を経営するための宿泊施設で、ホテル以外の各宿泊施設及びサービスアパートメント等。
本投資法人の投資対象地域は、国内の主要都市及びそれらに準ずる都市並びに有力な観光資源を有する国内外の都市とし、収益の変動リスクを軽減するため、地域分散等を図るものとします。また、ホテル用不動産等の営業部門収入の構成や所在地の特性による分類においても、賃料収入が変動するリスクを軽減するため、投資対象の分散を図るものとします。
(ロ) 物件選定の基準
本投資法人は、物件選定にあたっては、それぞれ下記の5点に着目して、総合的な判断を基に投資を行います。
a. 立地(Hard):ホテル立地としての高い競争力
十分な集客が見込める主な都市圏の駅前・空港・観光地・ビジネス街・繁華街等の集客エリア、景勝地、観光地、レジャー施設等の近隣に所在
b. 建物(Hard):ホテル用不動産等としての物件クオリティ
宿泊設備及びその他必要な付帯設備が整っている点、改修によって利用可能な状態となり得る点を加味し、ホテル用不動産等として競争力が高い設備を有しているかを総合的に判断
c. バリューアップ余地(Hard):いちごグループの実績、ノウハウを活用したバリューアップ余地
効果的かつ戦略的なCAPEXを実施することで、安定的な運営又はアップサイドを獲得する可能性を考慮
d. オペレーター(Soft):オペレーターとしての信用力と高い運営能力
オペレーターとしての信用力、適切な運営を可能とする運営能力については、これまでのオペレーターの運営実績及び今後の成長性等を総合的に判断
e. キャッシュ・フロー分析(Soft):個別ホテルごとに異なるキャッシュ・フロー(賃料収入)の詳細な分析と、賃料契約形態の適切な設定
ポートフォリオ全体のキャッシュ・フローの安定と成長を図るため、個別ホテルごとのキャッシュ・フロー分析と適切な賃料契約形態による契約の締結を実施
(ハ) 投資対象物件のデュー・ディリジェンス
a. 投資対象物件の取得における検討項目
投資対象物件の取得にあたっては、下記「投資対象物件の取得における検討項目」に挙げる調査項目に基づいて、経済的調査、物理的調査及び法律的調査を実施し、十分なデュー・ディリジェンスを行います。
<投資対象物件の取得における検討項目>
(注1)不動産鑑定評価は、適正な投資採算価値をあらわす特定価格とします。なお、不動産鑑定業者は、特定価格の鑑定実績、又は不動産投資信託に組込まれている不動産等の鑑定実績に乏しい鑑定業者は選定しません。
開発案件で対象建物が未竣工のため不動産鑑定評価を得ることが困難な場合、竣工予定の建物が予定どおり竣工したものと想定した価格を不動産鑑定士が鑑定評価手法を適用して求めた不動産価格調査報告書をもって不動産鑑定評価に代えることがあります。その場合、建物竣工後速やかに不動産鑑定評価を取得するものとします。
(注2)PML(Probable Maximum Loss)とは、地震による予想最大損失率をいいます。PMLには個々の建築物に関するものと、ポートフォリオに関するものがあります。PMLについての統一的な定義はありませんが、上記においては、PMLとは想定した予定使用期間(50年=一般的建物の耐用年数)中に、想定される最大規模の地震(475年に一度起こる大地震=50年間に起こる可能性が10%の大地震)によりどの程度の被害を被るかを、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率(%)で示したものをいいます。以下同じです。
b. 投資対象物件の取得における事業調査
また、ホテル用不動産等で経営されるホテル事業に関しては下記「投資対象物件の取得における事業調査」に挙げる各項目について、可能な限りの調査を実施するとともに、当該結果を踏まえた上で、当該ホテル事業の生み出すキャッシュ・フロー、賃料収入の予想及びそれに基づく収益価格等の投資採算性についての検証を実施し、投資判断を行います。
<投資対象物件の取得における事業調査>
(注1)「客室稼働率」は、一定期間中における、稼働した延べ客室数(予定していた滞在期間の宿泊料を支払っているにもかかわらず滞在期限前にチェックアウトした客室に別の当日客を宿泊させる場合や、時間利用の場合も加算することがあります。)の、全営業日における全延べ客室数に対する割合をいいます。以下同じです。
(注2)「ADR」(平均客室販売単価)(Average Daily Rate)とは、一定期間中における、宿泊売上高合計(料飲売上、その他売上及びサービス料等を除きます。)の、販売客室数(稼働した延べ客室数)合計に対する割合をいいます。以下同じです。
(注3)「RevPAR」(1日当たり販売可能客室数当たり宿泊売上高合計)(Revenue Per Available Room)とは、一定期間の宿泊売上高合計(料飲売上、その他売上及びサービス料等を除きます。)を同期間の販売可能客室数合計で除した値をいいます。以下同じです。
(注4)「FF&E」とは、Furniture、Fixture & Equipmentの略であり、家具、什器、備品、装飾品並びに厨房機器等、ホテル運営に必要な資産をいいます。原則的にFF&Eは償却資産です。以下同じです。
c. 投資不動産の基本スペック
投資対象物件の取得にあたっては、原則として、専門性・客観性・透明性確保のため、建物状況評価、耐震性調査、環境調査、不動産鑑定評価及び市場調査を利害関係を有しない独立した外部業者へ委託し、その結果を基に詳細に検討し、原則として下記「投資不動産の基本スペック」に定める「基本スペック」の基準を考慮のうえ、投資判断を行います。ただし、「基本スペック」の一部を満たさない物件であっても、物件の競争力・収益性等を勘案した上で総合的に判断して取得することがあります。
<投資不動産の基本スペック>
(注1)新耐震基準とは、建築基準法施行令の一部を改正する政令(昭和55年政令第196号)による改正(昭和56年施行)後の建築基準法施行令(昭和25年政令第338号。その後の改正を含みます。)に基づく構造基準をいいます。
(注2)指定区域とは、土壌汚染対策法の一部を改正する法律(平成21年法律第23号)第1条の規定による改正前の土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。)(以下「土壌汚染対策法」といいます。)第5条第4項で定義される指定区域並びに土壌汚染対策法第6条第4項で定義される要措置区域及び同法第11条第2項で定義される形質変更時要届出区域をいいます。
(注3)土壌汚染は、土壌汚染対策法及び国・地方公共団体により施行(公布後の場合は予定も含みます。)された土壌汚染にかかる法令・指針等によって定められた有害物質についての基準値を超過する状態であることを指します。
(ニ) 不動産等を投資対象とする場合は、原則として、5億円を最低投資額とし、不動産対応証券を投資対象とする場合は、原則として、1千万円を最低投資額とします。ただし、物件特性や収益性等を考慮の上、これ以外の物件にも投資することができるものとします。
④ 本投資法人の財務戦略
本投資法人は、中長期に安定した収益の確保と運用資産の規模の着実な成長及び運用の安定性を優先し、機動的な財務戦略を実行していきます。
(イ) エクイティ・ファイナンス
新投資口の発行は、経済環境、市場動向、LTV(注)や投資物件の取得時期等を勘案した上で、投資口の希薄化に配慮しつつ実行します。
(注)「LTV」は、以下の計算式により算出されます。以下同じです。
LTV=(借入金額+投資法人債発行残高)/総資産額(*)
(*)「総資産額」は、直近の決算期の貸借対照表記載の総資産額をいいます。
(ロ) デット・ファイナンス
主要金融機関を中心としたバンクフォーメーションを構築し、長期・短期の借入期間及び固定・変動の金利形態等のバランス、返済期限の分散を図りながら、効率的な資金調達を実行します。また、LTVは資金余力の確保に留意し、適切な水準の範囲で運営を行います。さらに、投資法人債の発行等による資金調達の多様化にも積極的に取り組みます。
(ハ) LTV水準
資金調達余力の確保に留意しつつ、原則として60%を上限とし、財務健全性を確保するようにします。ただし、新たな投資対象資産の取得、資産評価の変動により一時的に60%を超えることがあります。
(ニ) 自己投資口の取得及び消却
資本効率の向上及び投資主還元強化の観点から、財務及び資本政策の一環として自己投資口の取得及び消却を行うことも検討します。自己投資口の取得及び消却の検討にあたっては、中長期的な投資主価値の向上の観点から、財務状況及び金融市場の状況等を慎重に見極めた上で実施すべきか否かを判断します。
⑤ 投資主価値の最大化に向けたガバナンス体制
本投資法人は、いちごグループの総合力を活用し、投資主価値の向上を追求していきます。これにあたっては、適切なガバナンス体制が重要であると考えています。具体的には以下の各種施策を講じています。
(イ) 利害関係者取引における意思決定フロー
前記「1 投資法人の概況 (4) 投資法人の機構 ③ 投資運用の意思決定機構 (ハ) 資産の取得及び売却に関する事項」をご参照下さい。
(ロ) スポンサーによる本投資法人への出資
本資産運用会社の親会社である、いちご株式会社は、2020年1月31日現在、本投資法人の投資口6,500口を保有しています。
いちごグループが本投資法人に出資し、本投資法人の投資主の利益といちごグループの利益を一致させることが、本投資法人の投資主価値の向上に資するものと、本投資法人は考えています。
(ハ) 投資主利益と連動した資産運用報酬体系
1口当たり分配金に連動した資産運用報酬体系を導入することにより、投資家と利益を共有し得るコミットメントだけでなく、ポートフォリオの価値の向上を目指します。資産運用報酬体系の詳細は、後記「4 手数料等及び税金 (3) 管理報酬等 ② 本資産運用会社への資産運用報酬(規約第38条及び別紙)」をご参照下さい。

① 本投資法人の基本理念及び特徴
(イ) 本投資法人の基本理念
本投資法人は、既存不動産に新しい価値を創造することを目指すいちごグループの「心築」(注1)機能と強力なソーシング力を最大限活用してホテル用不動産等に投資を行う、ホテル特化型リートです。日本政府による観光政策の推進、訪日外国人旅行者の増加等を背景に、日本における宿泊施設の需要の増加と共に本投資法人も着実な成長をしてまいりました。しかし、ここ数年、一部の地域でホテル用不動産等の需要を上回る供給による需要の希薄化や2019年の日韓関係悪化に伴う訪日韓国人が減少に加え、2020年においては新型コロナウィルスの世界的な感染拡大により、国内外の宿泊施設利用者の需要が大幅に減少することが懸念されています。一方、観光産業は時折の予期しない事態の発生にもかかわらずその強みや回復力を示し、世界全体で観光産業は成長を続けてきました。本投資法人はこれらの懸念や問題も一時的であり、回復と共にホテル用不動産等の供給は限定的であり、ホテル用不動産等の重要性は今後ますます高まると本投資法人は考えています。
日本国内のホテル・旅館等の宿泊施設のうち、J-REIT(注2)が保有するホテル・旅館等の宿泊施設は一部に限られており、今後もJ-REITの取得対象資産として、ホテル用不動産等には大きな成長ポテンシャルが存在するものと本投資法人は考えています。また、日本に所在するホテルは築20年以上経過した物件が多く、今後も築古物件は増加していくことが想定されます。このような状況下において、本投資法人は、いちごグループが有する「心築」機能を活用することで、日本のホテルのボリュームゾーンである築古物件の資産価値を向上させ、安全で質の高い宿泊施設として中長期的に運用を行っていくことが可能であると考えています。
本投資法人は、ホテル用不動産等は、各種不動産の中でもハード・ソフトの両面を改善することで収益増加が相対的に高く期待できるアセットタイプであると考えています。そこで、本投資法人はこれまでいちごグループが培ってきた不動産の価値向上のノウハウやソーシング力を最大限活用し、社会生活に必要不可欠なインフラで、高い付加価値を持つホテル用不動産等への重点投資、安定性及び成長性の両面を追求した中長期的な運用により、投資主価値の最大化を目指すことを基本理念としています。
(注1)「心築」は、いちごグループが推進する事業を指すセグメント名として、2016年2月に従来の「不動産再生」から改称した造語であり、「心で築く、心を築く」を信条に、いちごグループの技術とノウハウを活用し、一つ一つの不動産に心をこめた丁寧な価値向上を図り、新しい不動産価値を創造する事業をいいます。以下同じです。
(注2)「J-REIT」とは、上場不動産投資法人をいいます。以下同じです。
(ロ) 本投資法人の特徴
本投資法人は、ホテル用不動産等を主な投資対象とするホテル特化型リートです。本投資法人はいちごグループがこれまで培ってきた「心築」機能を軸としたビジネスモデルのノウハウや強力な運用体制を活用し、効果的かつ戦略的なCAPEXの実施を通じて収益力の向上を図ります。また、本投資法人は、規模の経済性を重視した着実なポートフォリオの成長に向けて、ホテル用不動産等における外部成長ポテンシャルを背景に、いちごグループの強力なソーシング力を最大限に活用しながら、積極的な外部成長を目指します(詳細については、後記「② 本投資法人の成長戦略 (ニ) いちごグループについて」をご参照下さい。)。
本投資法人は、ホテルマーケットの変遷をとらえたホテル用不動産等への重点投資を行いますが、当面は、成長性を追求しながらも、需要の安定性、景気下降局面における収益への影響力等を考慮し、景気下降局面においても相対的に安定的な収益力を確保することが可能であると本投資法人が考えている宿泊主体・特化型ホテル(注)に優先的に投資を行います。また、本投資法人は、上場以降、いちごグループのソーシング力とサポート体制を最大限に活用し、積極的な外部成長によるポートフォリオの拡大に併せて、投資地域、ホテルタイプ、賃料契約形態等の観点から投資対象となるホテル用不動産等の分散を図り、収益の安定性と成長性を追求するポートフォリオの構築を目指します。そして、ポートフォリオの安定運用が可能となったタイミングを総合的に判断し、より成長性を追求することが可能なリゾートホテル(注)やフルサービスホテル(注)の取得を目指します。
そして、いちごグループのサポートを最大限に活用し、ポートフォリオの収益力を向上させながら、着実に成長していくことで、投資主価値の最大化を目指します。
(注)各ホテルタイプの詳細については、後記「③ 本投資法人のポートフォリオ構築方針 (イ) 本投資法人の投資対象」をご参照下さい。

② 本投資法人の成長戦略
(イ) いちごグループの「心築」モデルと強力な運用体制
いちごグループは、J-REIT、インフラファンド及び私募不動産ファンドを運用するアセット・マネジメント、いちごグループの不動産技術、ノウハウを最大限に活かすことで資産価値の向上を図る不動産事業、メガソーラー(太陽光発電)を始めとしたクリーンエネルギー事業等を行っています。
また、いちごグループは、「心築」事業の下、不動産の保有期間中の賃料収入を享受しつつ、いちご株式会社の不動産技術、ノウハウを最大限に活かすことで資産価値の向上を図り、ストック収益の向上及び売却によるフロー収益の獲得等、高い収益性を目指しています。
いちごグループは、2020年2月末日時点で1.9兆円以上の累積運用資産残高、累積221本の不動産ファンド組成本数を有しています(2020年2月末日現在の運用資産残高は約5,447億円)。特に各投資家の投資基準に応じた案件のソーシング、不動産・金融技術や建築技術、オペレーションマネジメント力及びバリューアップ技術を活かした不動産価値向上を強みとしています。
a. 「心築」機能を軸としたビジネスモデルに係る運用体制
本資産運用会社といちごグループとの協働により、本資産運用会社のホテルリート本部に加え、いちごグループの物件管理及びテナントリレーションに関わる専門チームと建築・開発の専門チームが携わり、テナント(オペレーター)に「顔」が見える強固な運用体制を構築し、資産運用を行います。
(ロ) いちごグループの強みを活用した成長戦略の実現
本投資法人は、いちごグループがこれまで培ってきた不動産の価値向上のノウハウや強力な運用体制を活用し、効果的かつ戦略的なCAPEXの実施を通じて内部成長を図ります。また、本投資法人は、規模の経済性を重視した着実なポートフォリオの成長に向けて、ホテル用不動産等における外部成長ポテンシャルを背景に、いちごグループの強力なソーシング力を最大限に活用しながら、積極的な外部成長を目指します。
a. ホテル用不動産等に関するいちごグループのノウハウを活用したバリューアップ
本投資法人は、ホテル用不動産等は効果的かつ戦略的なCAPEXの実施等を通じて物件のバリューアップを図ることで、テナント(オペレーター)の売上の安定や増加に直接的に貢献し得るアセットタイプであると考えています。本投資法人は、いちごグループの「心築」機能を軸としたビジネスモデルを活用し、効果的かつ戦略的なCAPEXを実施することでアセットのポテンシャルを引き上げ、安全で質の高いホテル用不動産等を中長期的に運用することが可能であると考えています。本投資法人は、ホテル用不動産等への投資・運用を通じて、今後さらにその市場規模の拡大が期待される観光・宿泊産業の成長を反映し、投資主とテナント(オペレーター)がWIN-WINの関係になり得る成長モデルを追求します。
<バリューアップ戦略を通じて、投資主とテナント(オペレーター)がそれぞれ利益を享受可能なサイクルを実現>

b. 変動賃料形態の導入による利益成長の実現
アップサイド・ポテンシャルを追求できる賃料契約形態の導入
保有資産における賃貸借契約は、物件数ベースで、固定賃料のみの賃貸借契約が締結されている物件が38.1%(2020年1月末日時点)、変動賃料も含まれている賃貸借契約が締結されている物件が61.9%(2020年1月末日時点)となっています。本投資法人のポートフォリオは、賃料全体に占める変動賃料の割合に照らして、インバウンド旅行者の増加や宿泊需要の拡大を背景にした賃料向上の可能性を捕捉しやすく、賃料のアップサイド・ポテンシャルを追求可能であると、本投資法人は考えています。一方、景気下降局面による収益への影響を考慮し、ポートフォリオの賃料に占める変動賃料割合は賃料ベースで40%程度を目処に、アップサイドの期待できる賃料契約形態を導入することで、投資主価値の最大化の追求を目指します。
c. 積極的なCAPEXの実施による利益成長の実現
本投資法人は、ポートフォリオの物件に対する効果的かつ戦略的なCAPEXの実施により、バリューアップの効果をもたらすことによって着実な利益成長を図り、投資主価値の最大化を目指します。バリューアップにあたっては、マーケット分析を基に各対象資産のポジション及びポテンシャルを把握した上で、いちごグループの建築・開発チームのノウハウを最大限に活用し、当該資産のオペレーターともその運営方針を確認しながら収益力の安定化、最大化を目指したリニューアル工事等(コンバージョン(注)による新たな収益機会の創造を含みます。)を実施します。
本投資法人は、ホテル用不動産等のバリューアップには、テナント(オペレーター)も重要な役割を担っていると考えています。効率的で安定したキャッシュ・フローの達成と更なる成長による資産価値最大化のために、本資産運用会社による最適なテナント(オペレーター)の選択と適切な賃貸借契約条件の設定、ホテル運営のモニタリング、収益構造の改革に向けた協議等を可能な範囲で継続的に行うことにより、本資産運用会社とテナント(オペレーター)が協働していく体制を構築することを目指します。
(注)「コンバージョン」とは、物件の現状の建物用途を変更することをいいます。以下同じです。
(ハ) ポートフォリオの早期成長の実現に向けた成長戦略
本投資法人は、いちごグループによる強力なスポンサーサポートを通じて、いちごグループのソーシング力及びウェアハウジング機能(注)を活用した物件取得による外部成長を目指します。
(注)「ウェアハウジング機能」とは、いちごグループ又はいちごグループが組成するビークルが物件を取得し、一定期間保有したのち、本投資法人に当該物件を売却する機能をいいます。以下同じです。
a. J-REITの取得対象としてのホテル等の宿泊施設
ホテル・旅館等の宿泊施設は、国内全体の資産ストックと比較してJ-REITが保有する施設数が限られており、今後もJ-REITの取得対象資産として、適切なリノベーション等によって価値を向上させた後に取得対象となり得るホテル用不動産等を含め、大きな拡大ポテンシャルが存在するものと本投資法人は考えています。
b. ホテルの築年数
国内のホテルは築20年以上経過した物件が多く、今後も築古物件は増加していくことが想定されます。いちごグループによるスマイルホテル京都四条やヴァリエホテル天神の価値向上の実績に代表されるように、一定程度築年数が経過した物件であっても、適切なバリューアップ等の投資を実施することにより、資産価値を向上させ、その付加価値を高めることが可能です。本投資法人は、いちごグループが蓄積した不動産の価値向上に係る豊富なノウハウを活用することにより、本投資法人の将来的な取得可能物件が広がり、取得後のダウンタイム(注)を最小限にする効率的な運用も可能となるものと考えています。本投資法人は、宿泊施設としての機能及び資産の質を考慮し、いちごグループによる必要なリノベーションの実施も含め総合的に判断して、築年数にかかわらず投資対象物件を選定します。
(注)「ダウンタイム」とは、リノベーションの実施やオペレーターの変更等バリューアップのための施策に伴い、ホテル営業の一部又は全部を一時的に休止することによって対象物件からの収益が減少する期間をいいます。
c. いちごグループの強みを活用した成長の実現
いちごグループは、物件取得、資産価値向上、物件譲渡、再投資を繰り返す、「心築」機能を軸としたビジネスモデルを有しています。
本投資法人は、独自の物件取得ルートに加え、いちごグループによる不動産の資産価値向上のノウハウとウェアハウジング機能を最大限活用し、更なる成長の実現を目指します。
d. 物件のコンバージョンを通じたパイプラインの拡充
いちごグループが首都圏に保有する住宅物件のコンバージョン、サービスアパートメントの組入れ等により、中長期的にパイプラインの拡充を図ることを検討します。
e. いちごグループの物件取得力及び与信力を背景にした「バックアップサポート」
本投資法人は最適なタイミングでの物件取得を実現するため、継続的に成長投資を拡大しているいちごグループの物件取得力及び上場グループとしての与信力をバックアップとして活用していくこととし、このようないちごグループによるスポンサーサポート強化の一環として、本投資法人といちご株式会社は、本投資法人の要請がある場合、いちご株式会社が信用補完に係るサポートを有償で提供する旨を合意しています。
当該合意に基づき、本投資法人は、本投資法人に対する金融機関による融資若しくは投資家による出資、本投資法人による不動産若しくは不動産を信託財産とする信託受益権の取得、これらに関連する事項、又はその他本投資法人の運営に資する事項について、いちご株式会社による信用補完を得る必要があると判断した場合は、いちご株式会社に対し信用補完を要請することができます。いちご株式会社は、当該要請があった場合において、当該要請が法令等に反することなく、かつ、スポンサーサポート契約の目的に合致すると判断した場合、個別合意書を締結した上で、スポンサーレターの提出、保証契約の締結又は物件の取得に係る契約の締結その他の方法により、有償(注)で、本投資法人の信用を補完します(以下、かかるサポートを「バックアップサポート」といいます。)。
本投資法人は、バックアップサポートは、例えば、本投資法人が物件を取得できない場合の代替買主が確保されていること等により、売主が物件を本投資法人に譲渡することを合意する上で一定の有意な効果をもたらし得るものと考えています。また、バックアップサポートは、上記のように資金調達ができないために本投資法人がバックアップサポート対象物件を取得できないこととなった場合であっても、本投資法人が将来これらの物件をいちご株式会社から取得できる可能性を確保できるという意味においても、資産取得に関する有効なスポンサーサポートであると考えています。本投資法人では、今後、本投資法人の成長に寄与する物件取得に際し、信用補完の必要性等を考慮して、いちごグループと協議の上、いちごグループによるバックアップサポートを有効に活用していく方針です。
(注)信用補完の対価は、信用補完の対象となる取引内容及び市場環境等により異なるため、個別案件ごとに当事者間の協議によって決定することとなりますが、主に以下の要素等を考慮の上決定することとなります。
・スポンサーが物件を代替取得するために要する下記の取得コスト等
取得のためのデュー・ディリジェンスコスト
取得ビークルの設立及び維持管理費用
取引のために支払う仲介手数料
関連契約締結等に伴う法務専門家への委託コスト
・スポンサーが代替で負担する下記の資金コスト又は与信枠の設定維持コスト等
取得費用立替のための資金調達コスト
取得のための与信の設定及び維持コスト
・信用補完によってスポンサーが負う下記のリスク量に関する対価
売主がスポンサーに対して要求する補償のための債務負担等の可能性
・取引実行により投資法人が享受する下記の経済的利益等
対象物件取得のために既に投下した費用が無駄なものとなることの回避
再取得に係る取引手数料等の削減
物件取得が遅れることによる収益減少の回避
なお、上記対価の支払いを伴う信用補完は、利害関係者取引規程第4条第2項(9)に該当するため、その対価の支払いについては利害関係者取引規程第5条に基づき本資産運用会社のリスク・コンプライアンス委員会、本投資法人の役員会及び本資産運用会社の投資運用委員会の順に審議されます。詳細は、前記「1 投資法人の概況 (4) 投資法人の機構 ③ 投資運用の意思決定機構 (ハ) 資産の取得及び売却に関する事項 d. 資金調達に関する事項」をご参照下さい。
(ニ) いちごグループについて
いちごグループの持株会社であるいちご株式会社は、2011年1月、旧いちご不動産投資法人(当時の商号:ジャパン・オフィス投資法人)(以下「旧いちごリート」といいます。)の資産運用会社を子会社化し、J-REIT事業に参入した後、同年8月にFCレジデンシャル投資法人(以下「FCR」といいます。)の資産運用会社を子会社化しました。さらに、同年11月にFCRを存続投資法人、旧いちごリートを消滅投資法人とする吸収合併(合併後の商号:いちご不動産投資法人)(現商号:いちごオフィスリート投資法人)、及び、FCRの資産運用会社を消滅会社、旧いちごリートの資産運用会社を存続会社とする吸収合併をそれぞれ実現しました。また、同年1月には、中小規模不動産や底地等における不動産ソリューション事業を行ういちご地所を設立し、資産クラスを問わず、投資家のニーズに広く応えていくことができる体制を確立しています。同社は、いちごグループにおけるJ-REIT事業のウェアハウジング機能も担っています。
また、2012年11月、不動産の新規有効活用を図るため、いちごECOエナジー株式会社を設立し、将来のインフラファンドの組成等も視野に入れたメガソーラー(大規模太陽光発電)を主軸としたクリーンエネルギー事業を開始しました。そして、本資産運用会社が運用を行う、太陽光その他の再生可能エネルギー発電施設に投資するいちごグリーンインフラ投資法人が2016年12月1日付で東京証券取引所インフラ市場に上場しました。
本投資法人は、いちごグループの強力なスポンサーサポートを通じて、外部成長及び内部成長を目指します。
<ガバナンス体制>いちごグループは、コンプライアンスを重視した誠実なグループ経営を実践することを目的として、持株会社(いちご株式会社)は制度設計を指名委員会等設置会社とし、本資産運用会社は取締役会・監査役・会計監査人設置会社とした上で執行役員制度を導入しており、それぞれにおいて取締役の過半を社外取締役とし、その全員を東京証券取引所の定める独立役員としています。
経営理念
日本を世界一豊かに。
その未来へ心を尽くす一期一会の「いちご」
いちごグループにおけるCSR活動の取組事例は以下のとおりです。
いちごグループは、サステナブル(持続可能)な社会形成に向け、事業活動を通じた貢献を目指しており、事業活動を通じた環境配慮へのコミットメントの表明として、環境省の中央環境審議会の提言に基づき、持続可能な社会形成のために必要な責任と役割を果たしたいと考える金融機関の行動指針として策定された「21世紀金融行動原則」に署名参加しており、いちご株式会社によると、これは不動産運用を主業とする企業グループとしては初めてとのことです。
また、いちごグループは、環境省が推進する低炭素社会の実現に向けたキャンペーン「Fun to Share」の趣旨に賛同し、これまで培ってきた「心築」機能を活かし、不動産の経済耐用年数の長期化、質の向上を図り、いわゆる「サステナブル不動産」、「サステナブル社会」、ひいては低炭素社会への貢献に取り組むことを表明しています。
(ホ) 今後の成長戦略の基本方針
本投資法人は、今後も、継続的な外部成長により投資主価値の向上を図るとともに、安定性を確保しつつ成長性を訴求することが可能なポートフォリオを構築することにより、更なる成長を目指します。

(注)アクションプランの内容はあくまで計画であり、その実現を保証するものではありません。また、現時点での計画であり、今後随時変更する可能性があります。
③ 本投資法人のポートフォリオ構築方針
(イ) 本投資法人の投資対象
本投資法人は、ホテル用不動産等を主な投資対象とし、安定的なキャッシュ・フローを確保するとともに、宿泊需要の増加を背景に収益成長の可能性を有するポートフォリオの構築を目指します。本投資法人は、投資対象とするホテル用不動産等を「宿泊主体・特化型ホテル」、「フルサービスホテル」、「リゾートホテル」、「その他宿泊施設」の各ホテルタイプに分類し、個別物件の特性及び競争力等を見極めるためのデュー・ディリジェンスを行った上で、ポートフォリオの質又は収益性の向上に資することが期待されるホテル用不動産等に対して厳選投資を行います。
本投資法人は、ホテルマーケットの変遷をとらえたホテル用不動産等への重点投資を行いますが、当面は成長性を追求しながらも、需要の安定性、景気下降局面における収益への影響力等を考慮し、景気下降局面においても相対的に安定的な収益力を確保することが可能であると本投資法人が考えている宿泊主体・特化型ホテルに優先的に投資を行います。また、本投資法人は上場以降、いちごグループのソーシング力とサポート体制を最大限に活用し、積極的な外部成長によるポートフォリオの拡大に併せて、投資地域、ホテルタイプ、賃料契約形態等の観点から投資対象となるホテル用不動産等の分散を図り、収益の安定性と成長性を追求するポートフォリオの構築を目指します。そして、ポートフォリオの安定運用が可能となったタイミングを総合的に判断し、より成長性を追求することが可能なリゾートホテルやフルサービスホテルの取得を目指します。本投資法人が主な投資対象とする各ホテルタイプは以下のとおりです。
a. 宿泊主体・特化型ホテル
駅前・空港・観光地・ビジネス街・繁華街等の集客エリア、ターミナル駅等の交通の要所近隣、高速道路のインターチェンジ付近等に位置し、付帯施設を限定、又は最小限にして宿泊を主体としたホテル及び宿泊に特化したホテル。なお、カプセルホテルを含みます。
b. フルサービスホテル
駅前・空港・観光地・ビジネス街・繁華街等の集客エリア、大都市圏、政令指定都市、県庁所在地等の都市及び市街地近郊に位置し、宿泊施設に加え、レストランなどの料飲施設・設備、宴会・会議場等の付帯施設を備えており、フルラインのサービスを提供するホテル。
c. リゾートホテル
観光地、景勝地、レジャー施設近隣に位置し、比較的ゆとりのある宿泊施設とレストラン、宴会場、会議場、スポーツ施設などより多様な付帯施設・設備を有するホテル。
d. その他宿泊施設
交通の利便性が高い都市部、都市近郊、駅前・空港・観光地・ビジネス街・繁華街等の集客エリア、ターミナル駅等の交通の要所近隣等に位置し、旅館業法に定める旅館業を経営するための宿泊施設で、ホテル以外の各宿泊施設及びサービスアパートメント等。
本投資法人の投資対象地域は、国内の主要都市及びそれらに準ずる都市並びに有力な観光資源を有する国内外の都市とし、収益の変動リスクを軽減するため、地域分散等を図るものとします。また、ホテル用不動産等の営業部門収入の構成や所在地の特性による分類においても、賃料収入が変動するリスクを軽減するため、投資対象の分散を図るものとします。
(ロ) 物件選定の基準
本投資法人は、物件選定にあたっては、それぞれ下記の5点に着目して、総合的な判断を基に投資を行います。
a. 立地(Hard):ホテル立地としての高い競争力
十分な集客が見込める主な都市圏の駅前・空港・観光地・ビジネス街・繁華街等の集客エリア、景勝地、観光地、レジャー施設等の近隣に所在
b. 建物(Hard):ホテル用不動産等としての物件クオリティ
宿泊設備及びその他必要な付帯設備が整っている点、改修によって利用可能な状態となり得る点を加味し、ホテル用不動産等として競争力が高い設備を有しているかを総合的に判断
c. バリューアップ余地(Hard):いちごグループの実績、ノウハウを活用したバリューアップ余地
効果的かつ戦略的なCAPEXを実施することで、安定的な運営又はアップサイドを獲得する可能性を考慮
d. オペレーター(Soft):オペレーターとしての信用力と高い運営能力
オペレーターとしての信用力、適切な運営を可能とする運営能力については、これまでのオペレーターの運営実績及び今後の成長性等を総合的に判断
e. キャッシュ・フロー分析(Soft):個別ホテルごとに異なるキャッシュ・フロー(賃料収入)の詳細な分析と、賃料契約形態の適切な設定
ポートフォリオ全体のキャッシュ・フローの安定と成長を図るため、個別ホテルごとのキャッシュ・フロー分析と適切な賃料契約形態による契約の締結を実施
(ハ) 投資対象物件のデュー・ディリジェンス
a. 投資対象物件の取得における検討項目
投資対象物件の取得にあたっては、下記「投資対象物件の取得における検討項目」に挙げる調査項目に基づいて、経済的調査、物理的調査及び法律的調査を実施し、十分なデュー・ディリジェンスを行います。
<投資対象物件の取得における検討項目>
| 調 査 項 目 | 調 査 内 容 |
| 経済的調査 | ① 投資対象物件の不動産鑑定評価(注1) ② テナントの信用力、過去の賃料収入状況 ③ 過去稼働率の推移、賃料水準の動向 ④ 投資対象物件の立地するエリア特性(周辺不動産の利用状況、商圏分析等) ⑤ 投資対象物件の立地するエリアの空室率の推移及び予測 ⑥ 投資対象物件の用途・規模の適合性 ⑦ 鉄道等主要交通機関や官公署等の利便施設からの利便性 ⑧ 投資対象物件の収益(賃料・共益費等)の適正性 ⑨ 投資対象物件の敷金・保証金等の適正性 ⑩ 投資対象物件の建物管理状況の適正性 ⑪ 投資対象物件の費用(管理費・水光熱費・修繕費等)の適正性 |
| 物理的調査 | ① 建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。以下「建築基準法」といいます。)・都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。以下「都市計画法」といいます。)等関連法令に対する遵守状況 ② 建物主要構造・規模・築年数・設計者・確認検査機関・施工業者等 ③ 賃貸可能面積・貸室形状・防災設備・警備方法・共用部分(エレベーターホール、トイレ、給湯室、共用廊下等)・駐車場・昇降機設備等の状況 ④ 耐震性能 ⑤ 地震PML(注2)(予想最大損失率)の検証 ⑥ 緊急修繕の必要性や長期修繕計画の検証 ⑦ アスベスト・PCB等の有害物質の使用・保管状況 ⑧ 土壌汚染状況等環境調査 |
| 法律的調査 | ① 不動産登記簿謄本・公図の調査 ② 土地境界確定の状況、境界紛争の調査 ③ 賃貸借契約・転貸借契約・使用貸借契約等の調査 ④ 区分所有建物の場合 (ア)管理規約・協定書等の調査 (イ)敷地権登記設定の有無・専有部分とその敷地利用権の分離処分禁止の措置 (ウ)他の区分所有者の属性 ⑤ 共有持分の場合 (ア)共有持分不分割特約及びその旨の登記の調査 (イ)共有者の属性や共有者間における特約・協定・債権債務等の有無 (ウ)賃貸借契約の内容・賃料債権・敷金返還債務の調査 ⑥ 借地権の場合 (ア)借地権に対する対抗要件の具備の状況 (イ)借地権売却時の承諾料の有無及び金額 (ウ)借地権設定者の属性や特約等の有無 ⑦ テナントとの紛争の可能性 ⑧ 優先交渉権の有無 ⑨ 前所有者の状況(否認権及び許害行為取消権の確認) ⑩ 不動産を信託する信託の受益権については信託契約の内容 |
(注1)不動産鑑定評価は、適正な投資採算価値をあらわす特定価格とします。なお、不動産鑑定業者は、特定価格の鑑定実績、又は不動産投資信託に組込まれている不動産等の鑑定実績に乏しい鑑定業者は選定しません。
開発案件で対象建物が未竣工のため不動産鑑定評価を得ることが困難な場合、竣工予定の建物が予定どおり竣工したものと想定した価格を不動産鑑定士が鑑定評価手法を適用して求めた不動産価格調査報告書をもって不動産鑑定評価に代えることがあります。その場合、建物竣工後速やかに不動産鑑定評価を取得するものとします。
(注2)PML(Probable Maximum Loss)とは、地震による予想最大損失率をいいます。PMLには個々の建築物に関するものと、ポートフォリオに関するものがあります。PMLについての統一的な定義はありませんが、上記においては、PMLとは想定した予定使用期間(50年=一般的建物の耐用年数)中に、想定される最大規模の地震(475年に一度起こる大地震=50年間に起こる可能性が10%の大地震)によりどの程度の被害を被るかを、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率(%)で示したものをいいます。以下同じです。
b. 投資対象物件の取得における事業調査
また、ホテル用不動産等で経営されるホテル事業に関しては下記「投資対象物件の取得における事業調査」に挙げる各項目について、可能な限りの調査を実施するとともに、当該結果を踏まえた上で、当該ホテル事業の生み出すキャッシュ・フロー、賃料収入の予想及びそれに基づく収益価格等の投資採算性についての検証を実施し、投資判断を行います。
<投資対象物件の取得における事業調査>
| 調 査 項 目 | 調 査 内 容 | |
| 事業調査 | 設備・施設 | ① 客室 客室数/客室タイプ/客室面積等 ② レストラン・料飲施設 施設数/施設構成等 ③ 宴会施設 施設数/施設構成/結婚式場等 ④ その他施設・機能等 |
| ホテルマーケット | ① 地域経済・マーケット全般 主要経済指標、地域統計、観光関連データ、宿泊需給等 ② ホテル立地 周辺環境/アクセス/周辺施設/交通インフラ等 ③ 競合マーケット 競合ホテルの営業動向/競合の新規参入・開発計画等 | |
| ホテル各部門の オペレーション | ① 部門売上 主要指標(宿泊部門の客室稼働率(注1)、ADR(注2)、RevPAR(注3)等、宴会部門の一般宴会・婚礼件数等、レストラン部門の利用客数、客単価等)/セールスマーケティングの実施状況と費用対効果等 ② 部門費用 主要指標(各部門の原価率、人件費率、一般管理費率、保守管理費等) ③ その他 | |
| テナント部門の オペレーション | ① テナント調査 テナント信用力・賃料延滞状況等 ② テナント構成 | |
| その他費用項目 | ① リース資産の保有状況 ② 損害保険の付保状況 ③ 公租公課(固定資産税、都市計画税) ④ ライセンス料、フランチャイズ手数料等 ⑤ FF&E(注4)更新費用 | |
| 許認可 | ① 営業の許認可の確認 旅館業法/食品衛生法(昭和22年法律第233号。その後の改正を含みます。)/酒類販売免許/たばこ事業法(昭和59年法律第68号。その後の改正を含みます。)/風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。その後の改正を含みます。)/その他営業許可・届出 | |
| 重要契約 | ① 運営に関する重要契約 ホテル賃借人、テナント又は運営受託者との間の賃貸借契約/運営委託契約/業務委託契約等 | |
(注1)「客室稼働率」は、一定期間中における、稼働した延べ客室数(予定していた滞在期間の宿泊料を支払っているにもかかわらず滞在期限前にチェックアウトした客室に別の当日客を宿泊させる場合や、時間利用の場合も加算することがあります。)の、全営業日における全延べ客室数に対する割合をいいます。以下同じです。
(注2)「ADR」(平均客室販売単価)(Average Daily Rate)とは、一定期間中における、宿泊売上高合計(料飲売上、その他売上及びサービス料等を除きます。)の、販売客室数(稼働した延べ客室数)合計に対する割合をいいます。以下同じです。
(注3)「RevPAR」(1日当たり販売可能客室数当たり宿泊売上高合計)(Revenue Per Available Room)とは、一定期間の宿泊売上高合計(料飲売上、その他売上及びサービス料等を除きます。)を同期間の販売可能客室数合計で除した値をいいます。以下同じです。
(注4)「FF&E」とは、Furniture、Fixture & Equipmentの略であり、家具、什器、備品、装飾品並びに厨房機器等、ホテル運営に必要な資産をいいます。原則的にFF&Eは償却資産です。以下同じです。
c. 投資不動産の基本スペック
投資対象物件の取得にあたっては、原則として、専門性・客観性・透明性確保のため、建物状況評価、耐震性調査、環境調査、不動産鑑定評価及び市場調査を利害関係を有しない独立した外部業者へ委託し、その結果を基に詳細に検討し、原則として下記「投資不動産の基本スペック」に定める「基本スペック」の基準を考慮のうえ、投資判断を行います。ただし、「基本スペック」の一部を満たさない物件であっても、物件の競争力・収益性等を勘案した上で総合的に判断して取得することがあります。
<投資不動産の基本スペック>
| 事 項 | 基 準 | |
| 立地 | 用途(ホテル用不動産等の場合そのタイプ)、地域、規模等の特性を、総合的に分析・検討した上で投資判断を行うこととします。 | |
| 築年数 | 宿泊施設としての機能及び資産の質等を考慮し、必要なリノベーションを行うことも含め総合的に判断します。 | |
| 面積・仕様・設備 | 用途(ホテル用不動産等の場合そのタイプ)、地域、規模等の特性を、総合的に分析・検討した上で投資判断を行うこととします。 | |
| 遵法性 | 都市計画法・建築基準法等の各種公法上の法規制を遵守していることを原則とします。ただし、既存不適格物件、また各種法規制に適合していない物件であっても、将来的にその違法性が是正されることが見込まれている物件については、投資することがあります。 | |
| 耐震性能 | 新耐震基準(注1)又は同等の耐震性能を有するものとします。 | |
| 地震PML(予想最大損失率) | 非超過確率90%信頼値で投資不動産単体のPML20%以下。ポートフォリオのPMLは10%以下を維持するものとします。 | |
| アスベスト・PCB等の 有害物質についての基準 | アスベスト | 原則として、アスベストを使用している建物は、投資不動産の対象外とします。ただし、環境調査等によりアスベストの飛散防止措置がなされており飛散の可能性が極めて低いと判明した場合は、法令遵守のために建物解体時に発生する費用等を考慮して、取得することも可能とします。 アスベストに関する法的規制の動向を、注意深く見守り、将来的に規制が変更強化された場合には、本スペックも速やかに見直すこととします。 |
| PCB | PCBがポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(平成13年法律第65号。その後の改正を含みます。)に従って保管されていれば投資不動産の対象とします。ただし、保管費用等を考慮して取得価格を決定するものとします。 | |
| その他 | 上記以外の有害物質についても十分に考慮します。 | |
| 土壌汚染 | 投資不動産の所在土地が、指定区域(注2)に指定、又は過去に指定区域に指定されていた場合は投資対象外とします。 また、投資不動産について、環境調査により土壌汚染(注3)が存することが判明した場合は、汚染の分布状況・除去等に要する費用を考慮して取得価格を決定するものとします。 | |
(注1)新耐震基準とは、建築基準法施行令の一部を改正する政令(昭和55年政令第196号)による改正(昭和56年施行)後の建築基準法施行令(昭和25年政令第338号。その後の改正を含みます。)に基づく構造基準をいいます。
(注2)指定区域とは、土壌汚染対策法の一部を改正する法律(平成21年法律第23号)第1条の規定による改正前の土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。)(以下「土壌汚染対策法」といいます。)第5条第4項で定義される指定区域並びに土壌汚染対策法第6条第4項で定義される要措置区域及び同法第11条第2項で定義される形質変更時要届出区域をいいます。
(注3)土壌汚染は、土壌汚染対策法及び国・地方公共団体により施行(公布後の場合は予定も含みます。)された土壌汚染にかかる法令・指針等によって定められた有害物質についての基準値を超過する状態であることを指します。
(ニ) 不動産等を投資対象とする場合は、原則として、5億円を最低投資額とし、不動産対応証券を投資対象とする場合は、原則として、1千万円を最低投資額とします。ただし、物件特性や収益性等を考慮の上、これ以外の物件にも投資することができるものとします。
④ 本投資法人の財務戦略
本投資法人は、中長期に安定した収益の確保と運用資産の規模の着実な成長及び運用の安定性を優先し、機動的な財務戦略を実行していきます。
(イ) エクイティ・ファイナンス
新投資口の発行は、経済環境、市場動向、LTV(注)や投資物件の取得時期等を勘案した上で、投資口の希薄化に配慮しつつ実行します。
(注)「LTV」は、以下の計算式により算出されます。以下同じです。
LTV=(借入金額+投資法人債発行残高)/総資産額(*)
(*)「総資産額」は、直近の決算期の貸借対照表記載の総資産額をいいます。
(ロ) デット・ファイナンス
主要金融機関を中心としたバンクフォーメーションを構築し、長期・短期の借入期間及び固定・変動の金利形態等のバランス、返済期限の分散を図りながら、効率的な資金調達を実行します。また、LTVは資金余力の確保に留意し、適切な水準の範囲で運営を行います。さらに、投資法人債の発行等による資金調達の多様化にも積極的に取り組みます。
(ハ) LTV水準
資金調達余力の確保に留意しつつ、原則として60%を上限とし、財務健全性を確保するようにします。ただし、新たな投資対象資産の取得、資産評価の変動により一時的に60%を超えることがあります。
(ニ) 自己投資口の取得及び消却
資本効率の向上及び投資主還元強化の観点から、財務及び資本政策の一環として自己投資口の取得及び消却を行うことも検討します。自己投資口の取得及び消却の検討にあたっては、中長期的な投資主価値の向上の観点から、財務状況及び金融市場の状況等を慎重に見極めた上で実施すべきか否かを判断します。
⑤ 投資主価値の最大化に向けたガバナンス体制
本投資法人は、いちごグループの総合力を活用し、投資主価値の向上を追求していきます。これにあたっては、適切なガバナンス体制が重要であると考えています。具体的には以下の各種施策を講じています。
(イ) 利害関係者取引における意思決定フロー
前記「1 投資法人の概況 (4) 投資法人の機構 ③ 投資運用の意思決定機構 (ハ) 資産の取得及び売却に関する事項」をご参照下さい。
(ロ) スポンサーによる本投資法人への出資
本資産運用会社の親会社である、いちご株式会社は、2020年1月31日現在、本投資法人の投資口6,500口を保有しています。
いちごグループが本投資法人に出資し、本投資法人の投資主の利益といちごグループの利益を一致させることが、本投資法人の投資主価値の向上に資するものと、本投資法人は考えています。
(ハ) 投資主利益と連動した資産運用報酬体系
1口当たり分配金に連動した資産運用報酬体系を導入することにより、投資家と利益を共有し得るコミットメントだけでなく、ポートフォリオの価値の向上を目指します。資産運用報酬体系の詳細は、後記「4 手数料等及び税金 (3) 管理報酬等 ② 本資産運用会社への資産運用報酬(規約第38条及び別紙)」をご参照下さい。
