有価証券報告書(内国投資証券)-第8期(令和1年8月1日-令和2年1月31日)

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2020/04/28 15:43
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53項目
(1)【投資方針】
① 本投資法人の基本理念
本投資法人は、「投資家利益第一主義」を理念として日本の不動産マーケットにおいて実績を積み重ねてきた、独立系の不動産投資グループであるスターアジアグループ(注)に属する本資産運用会社にその資産運用を委託し、「投資主利益第一主義」の理念に沿った運用を行います。本投資法人は、収益の安定性と成長性に主眼を置き、独自のマーケット分析に基づいた柔軟かつ機動的なポートフォリオ運営を行うこと、加えて、投資主に対して必要な情報を適時かつ適切に開示する透明度の高い運用を実施することにより、また、本投資法人のスポンサーを含むスターアジアグループからのサポートを最大限に活用して、投資主の利益の最大化を目指します。
(注) 本書において、「スターアジアグループ」とは、創業者であり現在もグループの中心的存在である、マルコム・エフ・マクリーン4世と増山太郎を頂点とする全ての関係エンティティ及び投資先(両名が意思決定に関与するファンド及びそのファンドの投資先)で構成されるグループを指し、「スポンサーグループ」とはスターアジアグループにおいて、スポンサー・サポート契約に基づいた本投資法人のサポート機能を担う、本投資法人との関連性が強いエンティティ群を意味します。それぞれの詳細は、下記「③スターアジアグループについて/(ア) スターアジアグループの概要」をご参照ください。
② 本投資法人の特徴
(ア) 総合型REIT ~東京圏(注1)を中心としたアセットタイプ(用途)分散型のポートフォリオを構築~
本投資法人は、オフィス、商業施設、住宅、物流施設、ホテル及び学生専用レジデンスを投資対象アセットタイプ(用途)とする総合型REITであり、東京圏を中心としたアセットタイプ(用途)分散型のポートフォリオを構築します。本投資法人は、当面の間、取得価格ベースで70%以上を東京圏へ投資することとしています。但し、独自のマーケット分析の結果、戦略的に特定のエリアに対して投資する場合やバルクセール(一度に複数物件を取得することが条件であるような取引)での物件取得、合併等により、東京圏に対する投資割合が一時的に70%を下回る場合があります。また、投資対象とするそれぞれのアセットタイプ(用途)の特性を勘案しつつ、分散投資を行うことにより、経済環境の変動の影響を受けにくく、同時に将来にわたる収益の拡大を確保するポートフォリオの構築を目指します。なお、アセットタイプ(用途)毎の組入れ比率は、原則として一つのアセットタイプが取得価格ベースで50%以下(注2)とします。但し、独自のマーケット分析の結果、戦略的に特定のアセットタイプに集中して投資することにより、一時的に50%を超過する場合があります。
(注1) 本投資法人では、投資対象エリアを、東京圏、拡大東京圏、大阪圏、名古屋圏、福岡圏、札幌圏及びその他の政令指定都市に区分し、下表のとおり、アセットタイプ(用途)に応じて各区分の対象エリアを定めています。以下同じです。
東京圏に関しては、オフィス・商業施設について、これらの物件の需要が高いと本投資法人が考える東京23区、川崎市及び横浜市を対象エリアとし、住宅・物流施設・ホテル・学生専用レジデンスについて、その特性上、上記のエリア以外においても需要が見込まれることから、東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県の一都三県を対象エリアとしています。
エリア区分アセットタイプ(用途)対象エリア
東京圏(取得価格ベースで70%以上)オフィス・商業施設東京23区、川崎市及び横浜市
住宅・物流施設・ホテル・学生専用レジデンス東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県
拡大東京圏オフィス・商業施設東京都下(23区以外)、神奈川県(川崎市及び横浜市を除く。)及び埼玉県の主要都市
大阪圏全アセットタイプ大阪府大阪市(※1)
名古屋圏愛知県名古屋市(※2)
福岡圏福岡県福岡市(※3)
札幌圏北海道札幌市
その他政令指定都市宮城県仙台市
新潟県新潟市
京都府京都市
大阪府堺市
兵庫県神戸市
広島県広島市
福岡県北九州市

(※1) 住宅及び物流施設については、大阪府大阪市の近隣地域を含みます。
(※2) 住宅及び物流施設については、愛知県名古屋市の近隣地域を含みます。
(※3) 住宅及び物流施設については、福岡県福岡市の近隣地域を含みます。
(注2) 一つの物件の用途に複数のアセットタイプ(用途)が含まれる複合施設の場合には、用途毎の想定賃料収入(対象物件と立地条件や建物のグレード等が類似している物件の賃料推移を基に本資産運用会社が想定した賃料)の合計が最も多いアセットタイプ(用途)に属するものとして分類します。以下同じです。
(イ) 着実な成長~スターアジアグループの運用資産をベースとした外部成長及び豊富な経験とノウハウを持つ本資産運用会社による内部成長の追求~
本投資法人は、スターアジアグループの不動産投資戦略を背景に、そのノウハウと豊富な運用資産を活用して、着実な成長を遂げてきました。スターアジアグループは、不動産等(注1)のアセット・マネジメント業務及び不動産開発業務などを内製化することで機能を拡充するとともに、オペレーショナルアセット(注2)への投資を開始するなど、投資領域の拡大を図っています。本投資法人は、今後もビジネスライン(事業領域)を拡張してきたスターアジアグループからの物件取得機会をベースとして着実な成長を目指します。スターアジアグループに関する詳細は、下記「③スターアジアグループについて」をご参照ください。
本投資法人は、本資産運用会社とともに、スターアジア・マネジメント・エルエルシー(以下「スポンサー」ということがあります。)との間でスポンサー・サポート契約を締結しています。本投資法人は、同契約に基づき、スポンサーグループから、スポンサーグループが多様な手法を駆使して取得したパイプライン物件(注3)等の売却情報の提供を受けることにより、スポンサーグループが運用中のポートフォリオに含まれる物件の中から本投資法人の投資基準に合致する物件の取得検討の機会を獲得し、また不動産マーケットにおける売却情報の提供を受けることができる体制となっています。加えて、本資産運用会社に所属するメンバーの持つ独自ネットワークにより投資対象の探索を行い、外部成長を加速させることも企図しています。
また、本投資法人は、上場以降、本資産運用会社の持つ豊富な経験とノウハウにより、内部成長を実現してきていると考えています。今後も、常に保有物件における収益増、経費削減を目指した運用を展開し、一層の内部成長を追求します。
(注1) 「不動産等」とは、不動産及び不動産を対象とした信託受益権をいいます。以下同じです。
(注2) 「オペレーショナルアセット」とは、ホテルその他のいわゆるオペレーション(管理・運営)能力が物件の収益に与える影響が大きなアセットをいい、建物の空間設定及びそれを有効に活用するためのオペレーション(管理・運営)が一体となって提供される資産を指します。以下同じです。
(注3) 「パイプライン物件」とは、スポンサーグループの運用資産のうち、本投資法人の投資基準に適合し、本投資法人の投資対象となりうる物件をいいます。本書の日付現在、パイプライン物件は、本投資法人のポートフォリオには組み入れられておらず、本投資法人が取得を決定した事実もなく、また将来的に本投資法人のポートフォリオに組み入れられる保証もありません。
(ウ) 投資主利益第一主義追求のための施策~「既成概念にとらわれない」アクティブマネジメントの継続的実行~
本投資法人は、2016年4月の上場以降、「投資主利益第一主義」の理念に沿った運用として、アクティブマネジメント(投資主利益の最大化を追求する運用施策の積極的な実施)を展開しています。本書の日付現在までに、5度の資産入替を決定し(内4度は実行済であり、残る1回は決定済で取得については実行済であり、譲渡については実行予定)、資産入替に伴う物件売却により総額43.0億円(内16.1億円については実現予定)の売却益を実現し、投資主に還元してきました。
また、本投資法人は上場不動産投資法人としては初となるメザニンローン債権投資を実行しています。本書の日付現在までに、5案件への投資を実行済みであり(うち1案件は償還済み)、いずれの投資も1口当たり分配金の増額に寄与していると、本投資法人は考えています。本投資法人は、収益獲得機会の多様化をもたらし分配金の増額への寄与が期待できるメザニンローン債権投資を、今後も継続して検討し実行する予定です。
本投資法人は、これまでと同様に資産入替やメザニンローン債権投資に代表されるアクティブマネジメントを継続的に実行し、投資主利益の最大化を追求します。
(ⅰ) 創業者を含むスポンサーグループ及び本資産運用会社マネジメント(経営陣)によるセイムボート出資
スポンサーグループは、セイムボート出資(投資口価格の動向や分配金に関し、本投資法人の投資主の利益とスポンサーグループの利益の共通化を図ることを目的とした本投資法人の投資口への出資を意味します。以下同じです。)として、本書の日付現在、本投資法人の投資口を合計97,000口(出資総額97億円)、発行済投資口の総口数の約17.9%を保有しています。かかるセイムボート出資は、本投資法人に対するスポンサー・サポートをより強固なものにすると本投資法人は考えています。
また、スターアジアグループの創業者であり、スポンサーグループの中核をなすマルコム・エフ・マクリーン4世及び増山太郎の両名は、本投資法人の直接の投資主であり、加えて、本資産運用会社のマネジメント(経営陣)である取締役のうち、本投資法人の運用に関連する3名も投資主となっています。かかる5名が本投資法人に対してセイムボート出資することは、本投資法人の投資主の利益の最大化に、スターアジアグループの中核をなす者として及び本資産運用会社のマネジメント(経営陣)の立場から、個人としてもより深くコミットする意思の顕れであると、本投資法人は考えています。
本資産運用会社は、2016年11月に、投資主と同一の目線で本投資法人の運用に従事し、本投資法人の業績向上への意識をさらに高め、より一層の本投資法人の成長と投資主利益の向上に資することを目的として、役職員による投資口累積投資制度の導入を決定しました。
なお、本資産運用会社のマネジメント(経営陣)である取締役のうち、本投資法人の運用に関連する3名の本投資法人の投資口取得は、当該投資口累積投資制度を活用したものです。当該制度を用いて本資産運用会社の役職員の多くが本投資法人の投資主となっています。
(ⅱ) アクティブマネジメントの一環としての資産入替によるポートフォリオの強化と売却益の実現
本投資法人は、資産入替を、ポートフォリオの強化、保有資産の価値の顕在化及びアセットタイプ毎の保有割合のリバランス等を実現するアクティブマネジメントの一環と捉えています。
本投資法人の資産入替の実施方針は以下のとおりであり、資産入替の実施に際しては、以下の3点等を総合的に勘案し判断します。
1.入替対象資産の将来にわたる収益貢献度(ポートフォリオの強化)
‐保有資産の収益貢献度に対する定期的な評価(収益の安定性・成長性及び修繕費や資本的支出などライフサイクルコストの見通しと譲渡価格のバランス)
‐取得可能資産の有無及び保有資産との収益貢献度の比較
‐保有資産に対して異なる評価基軸を持つ不動産投資家の存在の有無
2.アセットタイプ毎の不動産マーケット状況
‐マクロ環境から見た投資対象アセットタイプ毎の投資環境評価及び当該評価に基づく有望アセットタイプの分析
‐保有ポートフォリオにおける組入れ比率を増加/減少させるべきアセットタイプの有無
3.本投資法人の投資口価格の水準
‐東証REIT指数などのマーケット指標と本投資法人の投資口の動向との比較
‐本投資法人の投資口価格水準と一口当たりNAV(注)水準との比較
‐資産入替による売却損益の算定と既存投資主への還元の程度
(注) 「NAV」とは、ネットアセットバリュー、Net Asset Valueの略であり、以下の計算式で算出されます。
NAV=純資産額-保有不動産帳簿価額+保有不動産鑑定評価額
本投資法人は、上記の基本方針に基づき本書の日付現在までに合計5回の資産入替を決定しました。
これまでに決定した5回の資産入替においては、主として以下の事項を実現できた、又は実現できると考えています。
第1回目においては、収益の安定性を高める資産への入替、第2回目においては、収益の安定性を高めるのと同時に修繕費等の支出を抑えられる資産への入替、第3回目においては、収益の成長性が期待できるのと同時に修繕費等の支出を抑えられる資産への入替、第4回目においては、減価償却後の利回りの改善が期待できる資産への入替、第5回目においては、修繕費や資本的支出の抑制が期待できる資産への入替となることを企図してそれぞれの入替を決定しており、これらによりポートフォリオの収益性・安定性の向上に繋がっていると考えています。
加えて、実行済の全ての資産入替に伴う資産譲渡においては、売却益を実現し投資主に分配しました(実行予定の第5回目の資産入替に伴う資産譲渡においても売却益を実現予定です。)。
(ⅲ) メザニンローン債権への投資の検討、実行
本投資法人は、信託受益権を含む不動産等のみならず、総資産の5%未満の範囲内でメザニンローン債権への投資を行うことを可能としています。本投資法人は、投資主利益の最大化を追求するアクティブマネジメントの一環として、以下に記載する考え方に基づき「スターアジア・メザニンローン債権投資シリーズ1」から「スターアジア・メザニンローン債権投資シリーズ5」までの5案件に投資しました。投資実行済みの5案件のうち「スターアジア・メザニンローン債権投資シリーズ2」は、保有期間中に基準金利+5.0%の配当収入を実現し、2018年12月28日に元本全額が償還されました。本書の日付現在、本投資法人が保有するメザニンローン債権の詳細は上記「1 投資法人の概況/(3)投資法人の仕組み/③本投資法人が投資ビークルを通じて行う資産運用の仕組図/(ⅰ)メザニンローン債権投資」をご参照ください。
本投資法人におけるメザニンローン債権への投資は、不動産マーケットの状況に応じて投資領域を拡大することで収益獲得機会の多様化を図るとともに、ポートフォリオ収益の増加に寄与することを目的とするものです。
本書の日付現在、本投資法人は、メザニンローン債権への投資の意義を以下のように捉えています。
1. 取得競争の激しい不動産マーケットにおいて、現物不動産の補完投資として収益機会の多様化をもたらす観点で他の不動産プレーヤーとの差別化を図ることができると考えられる投資であること
2. 本投資法人のポートフォリオ全体の償却後利回りを超える収益が想定されること
3. 自己資金を有効に活用できること
また、本投資法人が投資対象とするメザニンローン債権とは、以下の条件を全て満たす貸付債権等をいいます。
<本投資法人が投資対象とするメザニンローン債権の定義>1. 不動産等の保有のみを目的とし他の事業を行わないSPC等への貸付等であって、返済原資が、当該SPC等が保有する資産及びその資産から生ずるキャッシュ・フローのみに限定されるもの
2. ローン、社債等、形態を問わず、貸付債権等とみなされるもの(信託受益権化されたものを含む。)
3. 返済順位においては、上位債権(シニアローン等)に劣後し、匿名組合出資等のエクイティ性の投資よりも優先されるもの
本投資法人がメザニンローン債権への投資を検討する際には、メザニンローン債権の元利金の返済が確実に履行される見込みがある案件を厳選し、かつ担保又は裏付けとなる不動産等(不動産を信託する信託受益権を含みます。以下「裏付け不動産」といいます。)が本投資法人の投資基準に合致するものに限って投資を実行する方針です。かかる方針を採用することで、メザニンローン債権の元利金等による収益を安定的に獲得することを目指します。また、本投資法人におけるメザニンローン債権への投資の条件として、シニアローン債権(支払順位においてメザニンローン債権に優先する債権)等支払順位が上位の債権も含めた調達額(本投資法人が取得対象とするメザニンローン債権と支払順位が同順位の債権がある場合には、当該本投資法人の取得対象外の債権を含めて調達額を算出します。)の上限を、裏付け不動産に関して本投資法人が取得する鑑定評価額の85%に設定しており、これによって裏付け不動産の価格下落に伴うメザニンローン債権の元本毀損リスクを一定程度回避することができると考えています。万一メザニンローン債権の元利金等の返済が滞った場合においても、裏付け不動産を本投資法人が取得すること等により、当該不動産等の運用から直接得られる収益により実質的に投資元本の一部又は全部を回収する機会を得られることになります。このように、本投資法人におけるメザニンローン債権に対する投資は、収益獲得機会を多様化し、適切なリスク管理の下で収益の増加に寄与するものであると本投資法人は考えています。
(ⅳ) 自己投資口取得の検討
本投資法人は、2013年に改正された投信法において可能となった投資法人による自己投資口の取得を資本政策における有力な手段として捉えています。
本投資法人は、資金調達環境、金融マーケットの状況、本投資法人の投資口価格の状況等を勘案し、投資主還元と資本コストの最適化に資すると判断した場合、自己投資口の取得を検討します。
(注) 将来的な自己投資口の取得は決定しておらず、実際に自己投資口取得を行うか否かは、その時点の本投資法人の財務状態等や市場環境等の諸般の事情を総合的に考慮したうえで判断することになります。
③ スターアジアグループについて
(ア) スターアジアグループの概要
スターアジアグループは、マルコム・エフ・マクリーン4世(Malcolm F. MacLean Ⅳ)及び増山太郎によって設立され、2007年に米国及び日本を拠点にして投資を開始した、両名により投資判断が行われるファンド及びその運用会社並びにそれらファンドの投資先で構成される不動産投資グループです。近年、開発機能を担うスターアジア総合開発、投資した不動産の管理運営を担うスターアジア・アセット・アドバイザーズ株式会社をグループに迎え入れ、また、学生専用レジデンスの開発・管理・運営を担うGSAスターアジア株式会社(以下「GSAスターアジア」といいます。)へGSAグループと共同出資するなど、業容を拡大しています。また、スターアジアグループは、2018年10月に、東京証券取引所第2部市場に上場している価値開発と資本業務提携を行いました。更に、2019年3月には同社の第三者割当増資をスターアジアグループ(同グループの投資ビークル及び役職員)が引き受け、その結果、スターアジアグループの同社に対する出資比率は発行済み総株式の約79.4%まで増加しています。これら一連の取組みにより、価値開発をスターアジアグループの一員とし、同社が強みとして持つ、ホテル開発及び運営に係る能力や知見を、スターアジアグループの不動産投資に活用することができる体制を構築しました。
スターアジアグループは、海外(主として米国)の大学基金、財団や年金基金等の長期運用を志向する投資家の資金を、日本をはじめとするアジアの不動産等関連資産(注)によって運用することを目的とする独立系の不動産投資グループです。スターアジアグループは、多岐にわたる情報収集と緻密なマーケット分析に基づき時宜に適った投資、すなわち投資家にとって投資リスク及びリターンの観点からより良いと考えられる投資対象を探索し、投資を機動的に実行する不動産投資戦略に基づき、様々なアセットタイプ(用途)の不動産のみならず、債権及び株式への投資を含めた多面的なアプローチを通じて機動的に投資を行ってきました。
(注) 「不動産等関連資産」とは、不動産等並びにこれらを裏付けとする匿名組合出資持分、貸付債権、社債その他の金銭債権及び不動産保有会社の株式(デリバティブ取引を通じてこれらに投資される場合を含みます。)をいいます。以下「(1)投資方針」において同じです。
スターアジアグループは、本書の日付現在、日本以外の地域に所在する不動産等関連資産に対する投資活動を行っておらず、運用中のファンドの投資対象は全て日本の不動産等関連資産となっています。また、現在スターアジアグループが運用中のファンドにおいては、以下に記載するような投資手法による「スペシャルシチュエーション投資」を実行しています。
(ⅰ) 主として、債権や株式等への投資を通じた不動産等の取得、極めて短期間で不動産等の現金化を必要とする売主への機動的な資金提供を理由とした割安な価格での不動産等の取得
(ⅱ) 物件の開発段階での不動産等の取得
(ⅲ) 適切な物件管理が行われずバリューアップの余地が見込まれる不動産等の取得
(ⅳ) 一定の時間と資本的支出等により治癒可能な軽微な瑕疵のある不動産等の取得
上記のように、多面的かつ機動的なアプローチにより取得した不動産等に対して、適切な物件管理、資本的支出、改修工事等を施し、物件の収益を安定かつ向上させることを企図する投資の手法を採用しています。スターアジアグループは、このようなスペシャルシチュエーション投資において実績を上げ、主として海外の投資家からの信頼を獲得してきました。スターアジアグループは、その経験とノウハウを活かし、現在運用中のファンドにおいてもスペシャルシチュエーション投資を行っています。
上記に加えて、スターアジアグループは、スペシャルシチュエーション投資以外の方法による不動産等への投資も行っています。具体的には、長年培ってきた国内外の不動産マーケットのプレーヤーとのリレーションシップと、地道に積み上げてきた投資実績を活かし、国内不動産会社との不動産等の共同取得や、国際的な不動産投資家からの情報獲得による相対での不動産等の取得、国内の金融機関の紹介による当該金融機関の取引先からの相対での不動産等の取得等、多様な物件取得ルートの中から投資先を選別して不動産投資を行っています。
スターアジアグループは、スペシャルシチュエーション投資及びその他の不動産投資手法により、投資機会を機動的に捉え、様々なアセットタイプ(用途)の不動産等並びにそれら不動産等への投資に通じる株式及び債券等、投資対象に拘らない柔軟な投資を行ってきました。不動産等を裏付けとする貸付債権、社債その他の金銭債権(以下「不動産関連債権」といいます。)の裏付け不動産には様々なアセットタイプ(用途)が含まれており、こうした投資を通じてスターアジアグループが獲得した様々なアセットタイプ(用途)に対応する投資運用に関する知見は、その後の不動産等への投資に活用されています。
なお、本書において、スターアジアグループが投資資産を「運用」、「取得」又は「売却」するという場合には、スターアジアグループが運用するファンドの投資資産として運用、取得又は売却する場合を含むものとします。
また、スターアジアグループに属するスターアジア・キャピタル・コープ・リミテッドは、投資ビークルを通じてライオンパートナーズ合同会社(以下「ライオンパートナーズ」といいます。)へ出資しており、ライオンパートナーズは本書の日付現在、さくら総合リートの投資口を16,896口(発行済み総投資口数の約5.1%)保有しています。当該投資口の保有は、少数投資主としての権利を活用して、さくら総合リートに対して投資主提案をすること等を目的としたものであり、ライオンパートナーズは、2019年5月に本投資法人の外部成長、ひいては本投資法人の時価総額拡大、投資口の流動性向上等を目的として、さくら総合リートの投資主に対して「さくら総合リート投資法人とスターアジア不動産投資法人との合併に向けたご提案」を公表しました(詳細は下記「(カ)スターアジアグループによる新たな取組み~さくら総合リートの投資主に向けたさくら総合リートと本投資法人との合併に向けた提案~」をご参照ください。)。
(イ) スターアジアグループの創業者
スターアジアグループの創業者は、マルコム・エフ・マクリーン4世及び増山太郎の2名です。創業以前において、マルコム・エフ・マクリーン4世は、米国において不動産投資銀行業務に携った後、米国及び日本を含むアジアにおいて不動産等関連資産への投資業務に従事していました。同じく、増山太郎は、長年に亘り日米の資本市場及び証券化市場で経験を積んできました。両名は、これらの経験を通じて、またスターアジアグループの創業以降は同グループの総帥として、日本の不動産マーケットに関心を持つ海外の投資家との良好なリレーションシップを築いています。また、両名は、日本の資本市場、証券化市場及び不動産市場における豊富な経験を活かし、スターアジアグループにおける日本の不動産等関連資産への投資を統括してきました。
<スターアジアグループの創業者の略歴>マルコム・エフ・マクリーン4世(Malcolm F. MacLean Ⅳ)
スターアジアグループの創業者でマネージングパートナーを務めています。マーキュリー・リアル・エステイト・アドバイザーズ・エルエルシー(Mercury Real Estate Advisors LLC)の共同創立者でもあり、ポートフォリオマネージャー・ヘッドトレーダーでした。米国・欧州・アジアの上場及び非上場の不動産証券の組成及び不動産等関連資産への投資に従事し、豊富な経験を有しています。また以前は、ペインウェバー・インコーポレイティッド(PaineWebber Incorporated)及びキダー・ピーボディー・アンド・コ・インク(Kidder, Peabody & Co., Inc.) (現ユービーエス・アーゲー(UBS AG))の不動産投資銀行部にて、上場・非上場企業を対象に株式及び債券の発行並びにM&Aに関わるアドバイスを行い、オリジネーション、ストラクチャリング及びエクゼキューションを行うチームのリーダーとして多数の取引を成立させました。英国ケンブリッジ大学で経済学を学び、トリニティ大学(米国コネチカット州ハートフォード)の経済学・法学学士号を取得しています。
増山太郎
スターアジアグループの創業者でマネージングパートナーを務めています。創業以前はメリルリンチの環太平洋地域ストラクチャードプロダクト部門及びジャパンクレジットセールス部門にて統括責任者兼マネージング・ディレクターの役職にあり、環太平洋地域の全てのストラクチャードクレジット及びファンド商品のオリジネーション、ストラクチャリング、トレーディング及びマーケティング、さらに日本のクレジット商品のセールス・マーケティングを統括していました。メリルリンチに在籍した7年間で、増山のチームは、複数の媒体から表彰された大手邦銀の貸付債権の証券化取引を含め、対象となった貸付債権の累計総額で約2.8兆円にのぼる流動化取引に関与しました。1999年4月にメリルリンチに入社する以前は、バンカーズトラストのクレジットデリバティブ部門ヴァイスプレジデントとして、主に邦銀に対し様々なストラクチャード・バランスシート・ソリューションを提供しました。それ以前は、東京、シカゴ、ロサンゼルスのアンダーセン・コンサルティングにて、コンサルタントとして様々な国際企業の本社機能の合理化を実行しました。早稲田大学の学士号及びコロンビア大学経営学修士号を取得しています。
(ウ) スターアジアグループの組織の概要
スターアジアグループは、本書の日付現在、下記の概略図のとおり、マルコム・エフ・マクリーン4世及び増山太郎を中心とした組織となっています。スターアジア・キャピタル・コープ・リミテッド(Star Asia Capital Corp Limited)、スターアジア・ジャパン・スペシャルシチュエーションファンドⅢ(Star Asia Japan Special Situations Fund Ⅲ)及びスターアジア・ジャパン・スペシャルシチュエーションファンドⅣ(Star Asia Japan Special Situations Fund Ⅳ)(以下「スターアジアファンド」と総称します。なお、スターアジア・ジャパン・スペシャルシチュエーションファンドⅢ及びスターアジア・ジャパン・スペシャルシチュエーションファンドⅣと同じシリーズのファンド(償還済みのものを含みます。)を以下「スターアジア・ジャパン・スペシャルシチュエーションファンド」と総称します。)は、それぞれスターアジアグループが、本書の日付現在運用する不動産投資ファンドです。本書の日付現在、スターアジア・キャピタル・コープ・リミテッドを除くスターアジアファンドは、存続期間の制限がなく長期的に収益の安定性及び成長性を見込めるポートフォリオを形成することを目指す本投資法人とは異なり、前述のとおりスペシャルシチュエーション投資等の、予め一定の投資期間を想定した相対的にハイリスク・ハイリターンを目指した投資を行っており、本投資法人と当該ファンドとの間において投資対象が重複する可能性はあるものの、それぞれの投資目標等が異なること等から物件取得等における競合は極めて限定的であると、本投資法人は考えています。また、価値開発は、同社が有するホテル運営能力を活用できるホテル開発のための不動産(土地、ホテルへのコンバージョンを目的とした建物等)の取得を検討していますが、本投資法人の投資対象とは異なることから、価値開発との間における物件取得の競合のリスクは低いものと、本投資法人は考えています。
本書の日付現在、スターアジアファンドのうち、スターアジア・キャピタル・コープ・リミテッド(その投資先であるスターアジア総合開発を含みます。)及びスターアジア・ジャパン・スペシャルシチュエーションファンドⅣのみが新規の投資活動を行っています。スターアジア・マネジメント・エルエルシーが運用を行うファンドであるスターアジア・キャピタル・コープ・リミテッドは、現在のところ、投資ビークルを通じた本投資法人の投資口の保有、ウェアハウジングのためのスポンサーグループへの資金提供、スターアジアグループが取組む開発案件への資金提供及び本投資法人と共同しての匿名組合出資等を行っており、今後もそれらを継続することを予定しています。また、スターアジア・キャピタル・コープ・リミテッドは、投資ビークルを通じてスターアジア総合開発の株式を保有しています。
スポンサーであるスターアジア・マネジメント・エルエルシーは、マルコム・エフ・マクリーン4世及び増山太郎がディレクターを務めていること、スターアジアグループの不動産等の投資に関連する役職員のうち多くがその役職員となっているスターアジア・マネジメント・ジャパン・リミテッドの親会社であること及び本投資法人に対するウェアハウジングのための資金提供機能を担うスターアジア・キャピタル・コープ・リミテッドを運用していること等から、スターアジアグループのうち、本投資法人に対するサポートの中心的機能を果たすものとして、本投資法人及び本資産運用会社との間でスポンサー・サポート契約を締結しています。
スポンサーは、スポンサー自身として又はスポンサーグループをして、スポンサー・サポート契約に基づく様々なサポートを本投資法人に対して提供します(スポンサー・サポートについては、下記「⑧投資主の利益の最大化のための戦略/(イ)スポンサー・サポートの概要」をご参照ください。)。本投資法人が本書の日付現在保有する不動産等の資産全34物件のうち30物件は、スポンサーグループの保有物件を取得したものです。この中の3物件は、本資産運用会社の独自のネットワークから取得した情報に基づきスポンサーグループのウェアハウジング機能を活用して取得した物件です。
スポンサーの子会社であるスターアジア・マネジメント・ジャパン・リミテッド東京支店には、日本の不動産関連マーケットに精通した人材が所属しており、マクロ経済、資本市場、不動産マーケット等に関する情報収集を行っています。これらの収集された一定の情報は、スポンサー・サポート契約に基づいて本投資法人及び本資産運用会社に提供されます。また、同支店から本資産運用会社の役職員として本書の日付現在2名が出向しており、本資産運用会社の人材の確保にも協力しています。
<スターアジアグループの組織の概略図(本書の日付現在)>0101010_002.png(注1) 上記概略図は本投資法人との関係においてスターアジアグループの概略を示すために作成されたものであり、スターアジアグループの全ての法人やその他の法的主体を記載したものではありません。
(注2) 本書において、(ⅰ)スポンサー、(ⅱ)スターアジア・マネジメント・ジャパン・リミテッド、(ⅲ)スターアジア・アセット・マネジメント・エルエルシー、(ⅳ)スターアジア・グループ・エルエルシー、(ⅴ)スターアジア・アセット・アドバイザーズ株式会社、(ⅵ)スターアジア総合開発、(ⅶ)価値開発、(ⅷ)マルコム・エフ・マクリーン4世、(ⅸ)増山太郎並びに(ⅹ)マルコム・エフ・マクリーン4世及び増山太郎が投資判断を行うファンドの投資先(但し、マイノリティ出資を除きます。)であって、(a)不動産その他の投資資産を運用し又は取得する日本に所在する投資ビークル及び(b)本投資法人の投資口を保有し又は取得する投資ビークルを、総称して「スポンサーグループ」といいます。かかるスポンサーグループは、全てスターアジアグループに含まれます。
(注3) 各スターアジアファンド(スターアジア・ジャパン・スペシャルシチュエーションファンドⅢ及びスターアジア・ジャパン・スペシャルシチュエーションファンドⅣ)については、投資運用指図はいずれのファンドにおいてもマネジメント契約に基づいて、マルコム・エフ・マクリーン4世及び増山太郎の両名が行っています。
(注4) 本書の日付現在において新規の投資活動を行っているスターアジアファンドは、スターアジア・キャピタル・コープ・リミテッド(スターアジア総合開発を含みます。)及びスターアジア・ジャパン・スペシャルシチュエーションファンドⅣのみですが、今後他のファンドや新規の投資ファンド等を通じた新規の不動産等関連資産の取得が行われる可能性があります。また、価値開発は、自らが運営を行うことを想定したホテル開発用地等の取得を検討しています。
(注5) 国内の資産保有SPCは、不動産等関連資産を保有する特別目的会社であり第三者である資産運用会社又はスターアジア・アセット・アドバイザーズ株式会社との間で投資一任契約又は助言契約を締結しています。国内の各資産保有SPCは、複数存在します。なお、倒産隔離の観点から、国内の資産保有SPCが合同会社である場合、その社員持分は特別目的会社である一般社団法人が保有しています。
(注6) 各ファンドにはスターアジアグループの投資家が株式又は有限責任組合員としての出資を通じて、投資を行っています。
(注7) 価値開発に対するエスエーオーⅢ・ジーピー・リミテッドの出資比率は75.5%ですが、スターアジアグループの役職員の出資分を加えると79.4%となります。
(エ) スターアジアグループの日本における不動産投資実績
スターアジアグループが投資を開始した2007年当時の日本の不動産市況は活況が続いており、不動産等の価格が高騰していた一方で価格が下落する可能性も高まっていたため、不動産等への投資のリスクが高い状況であるとスターアジアグループは考えていました。他方で、不動産関連債権への投資は、不動産関連債権に劣後する資本性の資金(エクイティ)を提供するエクイティ投資家が先行して損失を吸収することになること等から、不動産等に投資する場合に比べて相対的に投資対象としてのリスクが低いと考えられたため、スターアジアグループは、創設当初は不動産関連債権に力点を置いた投資を行いました。その後、リーマンショックを経て不動産等の価格が下落し、2011年頃より不動産市況が回復期に入ったと考えたため、スターアジアグループは、不動産等への投資に重点を移してきました。このように、スターアジアグループは、マクロ経済、資本市場、不動産マーケット等の環境の変化に機敏に反応し、時宜に適った投資を行うことを基本的な投資スタンスとしています。
(オ) スターアジアグループが有する米国を中心とした投資家とのリレーションシップ
スターアジアグループの創業者であるマルコム・エフ・マクリーン4世及び増山太郎は、創業以前から、主として米国の投資家とのリレーションシップを構築していましたが、スターアジアグループは、その創業以降の投資運用実績を通じて、さらに投資家とのリレーションシップを強化しています。
スターアジアグループの投資家の属性は、主として米国の大学基金、財団や年金基金等の長期運用を志向する投資家層です。スターアジアグループが運用し又は過去に運用したファンドに投資を行った投資家の属性は、財団、大学基金、投資ファンド、不動産関連ファンド、ファミリーオフィス(個人資産管理会社)、上場金融機関等となっており、過度の負債や短期での資金調達に偏らない財務基盤の安定した投資家が中心です。
これらの投資家の中には、日本の不動産に関する知識及び投資経験を有する投資家や、日本の不動産に関する独自の情報ルートを持つ投資家が相当数含まれており、スターアジアグループはこれらの投資家から入手した情報等に基づいた物件取得も行っています。
上記に加えて、スターアジアグループは、長期にわたって継続的に日本の不動産等関連資産に投資していることから、国内の金融機関、不動産会社、アセットマネージャー、仲介会社等の日本の不動産マーケットのプレーヤーとも良好なリレーションシップを構築しています。このようなリレーションシップから、日本国内の不動産等関連資産に関する情報の入手だけではなく、不動産等への共同投資等に繋がっており、スターアジアグループ単独では投資が困難な物件への投資を実施するという観点からも有益なものとなっています。
さらに、スターアジアグループには内外の金融機関での不動産等関連資産の取引に携わった経験を有する者が複数名所属しており、銀行、保険会社、証券会社、外資系金融機関等との広範なリレーションシップを構築しています。こうした金融機関からの情報を活用することでスペシャルシチュエーション投資を含む不動産等関連資産への投資の機会に繋げています。
(カ) スターアジアグループによる新たな取組み~さくら総合リートの投資主に向けたさくら総合リートと本投資法人との合併に向けた提案~
スターアジアグループに属するライオンパートナーズは、2019年5月10日時点において、さくら総合リートの投資口11,791口(発行済み総投資口数の約3.6%)を、6ヶ月を超えて保有しており、少数投資主に与えられた権利を活用して、さくら総合リートに対して、①執行役員の交代及び②資産運用会社の交代を諮るべく、さくら総合リートの投資主総会の招集を請求しました。なお、かかる投資主総会の招集請求は、最終的にさくら総合リートと本投資法人との合併を目的とするものでした。
上記請求を受けたさくら総合リートは、請求に応じて投資主総会を招集せず、その結果、関東財務局長は、ライオンパートナーズがさくら総合リートの投資主総会を招集することを許可しました。他方で、さくら総合リートは、独自に投資法人みらいとの間で合併契約を締結し、当該合併契約の承認のための投資主総会を招集するに至りました。結果として、ライオンパートナーズが招集する投資主総会と、さくら総合リートが招集する投資主総会が同日に開催されることとなりました。
<上記請求に係る投資主総会開催までの経緯>
2019年5月10日­スターアジアグループからさくら総合リートの投資主への「さくら総合リート投資法人とスターアジア不動産投資法人との合併に向けたご提案」の公表
­ライオンパートナーズによるさくら総合リートの投資主総会招集請求
2019年5月16日­ライオンパートナーズから関東財務局長に対して、さくら総合リートの投資主総会招集許可申立て
2019年6月28日­関東財務局長による招集許可決定
2019年8月30日さくら総合リートの投資主総会開催
<午前10時より開催のライオンパートナーズ招集の投資主総会>­杉原亨の執行役員への選任、さくら総合リートとさくら不動産投資顧問株式会社との資産運用委託契約の解約及びさくら総合リートと本資産運用会社との資産運用委託契約の締結が承認され、ライオンパートナーズが提案したとおりの結果となりました。
<午後4時開催のさくら総合リート招集の投資主総会>­さくら総合リートが提案した投資法人みらいとの合併契約は承認されませんでした。

上記の投資主総会の結果を受け、本投資法人は、必要なデューディリジェンス等を行った上でさくら総合リートとの本合併契約を2020年3月2日付で締結し、本合併契約について本投資法人及びさくら総合リートの投資主総会の承認を受けました。詳細は、上記「1 投資法人の概況/(1)主要な経営指標等の推移/④ 決算後に生じた重要な事実/(ア)さくら総合リートとの合併契約の締結」をご参照ください。
(キ) スポンサーグループの運用資産(価値開発の保有資産は除く)の概要
スポンサーグループにおいては、本書の日付現在、不動産及び不動産関連資産に投資する、基幹ファンドであるスターアジア・ジャパン・スペシャルシチュエーションファンドの第3号及び第4号を運用中です。新規の投資活動は第4号が担っており、着実に取得実績を積上げています。
スポンサーグループの2019年12月末日現在の運用資産は、鑑定評価額の合計で227億円です(但し、本投資法人が優先交渉権を取得している物件(以下「優先交渉権取得資産」といいます。)を除きます。本(キ)につき、以下同じです。)。運用資産の内訳は、住宅33.8%、物流施設17.8%及びホテル48.4%となっています。また、東京圏比率は68.5%であり、東京圏比率が高い運用資産の構成となっています。
0101010_003.png
④ 本投資法人の外部成長戦略
(ア) 将来の外部成長に資すると考えられる8物件に係る優先交渉権の保有
本投資法人は本書の日付現在、8物件に係る優先交渉権を保有しています。
スターアジアグループの業容の拡大の方向は、ベースとなるファンドマネジメント機能に運営管理機能及び開発機能を内製化し付加することにより基盤を整え、競合環境が相対的に緩やかでありかつ差別化を図ることができると判断する分野への進出です。その一つが学生専用レジデンスというオペレーショナルアセットへの進出ですが、学生専用レジデンスに限らず今後もこうした競合が少ないと考えられるオペレーショナルアセットへの投資を展開する予定です。
本投資法人は、スターアジアグループからの物件提供が外部成長の重要な要素であると認識しており、本書の日付現在、スターアジアグループが関与する5物件について優先交渉権を取得しています。GSAスターアジアが開発から運営・管理に至るまで一貫して関与する「HAKUSAN HOUSE」及び「KAMIKITA HOUSE」、スターアジアグループ内で開発機能を担うスターアジア総合開発が開発中の(仮称)博多区博多駅南三丁目オフィス計画(以下「博多オフィスプロジェクト」といいます。)、加えて、スターアジアファンドが運用中の商業施設「西池袋一丁目ビル」及びオフィスビル「URBAN CENTER御堂筋」に係る優先交渉契約を締結し、これら5物件について優先交渉権を保有しています。
更に、スポンサーグループと本投資法人が匿名組合出資を実行した合同会社が保有する3物件についても優先交渉権を取得しています。これら3物件は、安定的な稼働を見込むことができるファミリータイプの住宅2物件及び安定的な収益が期待できるオフィスビルとなっています。なお、これら3物件については、本資産運用会社独自のネットワークを活用し投資対象を発掘しました。
<優先交渉権取得資産一覧>
物件名称(呼称)概要
OHAビル東京都西部の拠点都市である立川駅周辺エリアに所在するマルチテナント型のオフィスビル。本資産運用会社独自のネットワークにより案件発掘。
優先交渉価格:1,750百万円(注2)
西池袋一丁目ビル池袋駅西口の繁華性の高いエリアに立地する商業施設。スポンサーファンドにより運用中。
購入希望価格:3,340百万円(注2)
アーバンパーク三ツ池公園神奈川県横浜市に所在する、安定的な稼働が期待できるファミリータイプの住宅。本資産運用会社独自のネットワークにより案件発掘。
優先交渉価格:3,200百万円(注2)
アーバンパーク常盤台公園神奈川県横浜市に所在する、安定的な稼働が期待できるファミリータイプの住宅。本資産運用会社独自のネットワークにより案件発掘。
優先交渉価格:3,500百万円(注2)
HAKUSAN HOUSEGSAスターアジアが関与する国際的な「学生専用レジデンス」の開発案件。2018年2月竣工、東京都文京区白山に所在。
KAMIKITA HOUSEGSAスターアジアが関与する国際的な「学生専用レジデンス」の開発案件。2019年12月竣工、東京都杉並区下高井戸に所在。
博多オフィスプロジェクトスターアジアグループ内で開発機能を担うスターアジア総合開発が手掛ける開発案件。「博多」から徒歩11分に立地するマルチテナント対応のオフィスビル。
URBAN CENTER御堂筋大阪の商業業務集積エリアに所在する中規模オフィスビル。スポンサーファンドにより運用中。

(注1) 本書の日付現在、上記各物件は、本投資法人のポートフォリオには組み入れられておらず、本投資法人が取得を決定した事実もなく、また将来的に本投資法人のポートフォリオに組み入れられる保証もありません。
(注2) 優先交渉価格及び購入希望価格には、消費税及び地方消費税は含みません。以下同じです。
前述のとおり、スターアジアグループは業容を拡大し、合わせて投資領域も拡大しており、そうしたスターアジアグループからの物件情報提供が本投資法人の外部成長パイプラインの拡大に資すると本投資法人は考えています。
また、上記スターアジアグループからの外部成長パイプラインに関する情報提供に加え、本資産運用会社が持つ独自ネットワークを活用し、将来の外部成長に資するべく優先交渉権取得資産を増加させたいと本投資法人は考えています。
(イ) スターアジアグループと本資産運用会社の独自ネットワークを活用した資産規模の拡大
本書の日付現在、本投資法人が保有するポートフォリオ36物件に譲渡済資産を加えた40物件(本投資法人の取得価格総計114,173百万円)のうち29物件、取得価格の合計91,027百万円がスターアジアグループの運用資産をベースとした取得であり、11物件、取得価格の合計23,146百万円が本資産運用会社の独自のネットワークからの取得となっています。
本投資法人は、2016年4月の上場以降、資産入替及び公募増資を伴う物件取得などアクティブマネジメントを通じて、スピーディかつ着実な資産規模の拡大とポートフォリオの強化を推進しており、今後もスターアジアグループからのサポート及び本資産運用会社の独自のネットワークを最大限に活用し、着実な資産規模の拡大による一層の成長を目指します。
⑤ ポートフォリオの構築プロセス
本投資法人は、大要以下のようなプロセスを通じて、マーケット環境に即した最適なポートフォリオの構築を目指します。
ステップ1:多角的な独自のマーケット分析
本資産運用会社は、エリア毎に人口動態分析等を実施し、またアセットタイプ(用途)毎に不動産マーケットの動向(売買市場及び賃貸市場の動向)を調査分析します。
ステップ2:投資対象アセットタイプ(用途)及びエリアに応じた投資スタンスの決定
「ステップ1」の調査分析を踏まえ、本資産運用会社は、投資対象アセットタイプ(用途)毎及びエリア毎の投資スタンスを決定します。当面は、東京圏を中心に収益の成長性が期待できるオフィス、商業施設及びホテルに加え、収益の安定性が期待できる物流施設と住宅を取得する方針です。
ステップ3:投資対象の探索及び投資手法の検討
「ステップ2」の投資スタンス決定後、本資産運用会社は独自のネットワークに加えてスポンサーの情報網を活用し、投資対象を探索します。取得に際しては、スポンサーによるウェアハウジングの活用、スターアジアグループによるバリューアップの可能性の検討等、多様な取得手法を検討します。
ステップ4:投資の実行
本資産運用会社は、「ステップ3」により探索した投資対象に関する情報に基づき、投資対象のポートフォリオへの寄与度及び取得後のポートフォリオのリスク耐性等を検証した後、適切な投資を実行します。
⑥ ポートフォリオ運営方針
本投資法人は、日本においてエリアを問わず様々なアセットタイプ(用途)への投資実績を持つスターアジアグループの不動産投資戦略を背景とし、その強みを最大限に活用するとともに、上記⑤に記載のとおり、人口動態分析等に基づく中長期的な各エリアの需給予測並びに不動産の売買市場及び賃貸市場の動向(需給バランス及びその動向)等の独自のマーケット分析を実施します。その上でオフィス、商業施設、住宅、物流施設、ホテル及び学生専用レジデンスの各アセットタイプ(用途)の収益の安定性と成長性を勘案して、マーケット環境に即した最適なポートフォリオの構築を目指します。
(ア) 東京圏への優先、集中投資
本投資法人は、本資産運用会社の運用ガイドラインに基づき、運用資産のうち、東京圏への投資割合を当面の間70%以上(取得価格ベース)とする方針です。但し、独自のマーケット分析の結果、戦略的に特定のエリアに対して投資する場合やバルクセール(一度に複数物件を取得することが条件であるような取引)での物件取得、合併等により、東京圏に対する投資割合が一時的に70%を下回る場合があります。
また、本投資法人は、東京圏以外でも人口集積度が相対的に高い、拡大東京圏、大阪圏、名古屋圏、福岡圏及び札幌圏において投資対象となる物件を探索し投資を行います。さらにその他政令指定都市においても、収益の安定性と成長性を重視しながら厳選した投資を行う場合があります。
本投資法人が東京圏へ集中投資を行う理由は、一都三県(東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県)への人口転入傾向が顕著であり、不動産に対する需要は安定して高く今後の収益の安定性と成長性を見込むことができると考えるためです。但し、オフィス及び商業施設については、そのアセットタイプ(用途)の特性上、収益性を確保できる物件が集積する地域が限られるため、投資対象エリアとしての東京圏を東京23区、川崎市及び横浜市に限定しています。
住民基本台帳人口移動報告(2020年1月総務省統計局)によれば、2019年の人口の転入・転出超過数において、一都三県への転入超過は24年連続となっており、特に東京都及び東京23区は、いずれも1997年以降23年連続で転入超過となっています。このことから、本投資法人は、東京都及び東京23区への転入超過傾向が一過性ではなく継続的なものであり、オフィス、住宅等への需要水準は今後も堅調に推移するものと考えています。一方、新型コロナウイルス感染症の拡大による経済環境の悪化から商業施設及びホテルの収益悪化が懸念されるため、今後について状況を注視していく必要があります。
転入・転出超過数(東京圏・大阪圏・名古屋圏)
0101010_004.png出所:総務省統計局 住民基本台帳移動報告
(注) 大阪圏及び名古屋圏については、1959年から統計を開始しました。
転入・転出超過数(東京圏・東京都・東京特別区部)
0101010_005.png出所:総務省統計局 住民基本台帳移動報告
(注) 東京特別区部は1958年から統計を開始しました。
本投資法人は、東京圏への投資を優先する方針ですが、東京圏の中でもとりわけ都心5区への投資を重視しています。以下のとおり、人口動態分析及び各種マーケット分析いずれにおいても、都心5区のオフィス、住宅及びホテルに対する需要並びに都心5区の主要商業エリアにおける商業施設の賃料水準が総じて堅調に推移しているため、本投資法人は、今後も(物流施設を除き)東京圏の中でも特に都心5区に重点をおいたポートフォリオを構築する方針です。
(ⅰ) 人口動態分析(人口・世帯数及び事業所数・従業員数)
都心5区は、下記グラフのとおり人口・世帯数が堅調に増加しており、また相対的に景気等の経済動向の影響を受け易いと考えられる事業所数・従業員数についても多少の変動はあるものの概ね安定して推移しており、今後もこれらの指標は底堅く推移するものと本投資法人は考えています。
0101010_006.png出所:東京都総務局統計部
0101010_007.png出所:東京都総務局統計部
0101010_008.png出所:東京都総務局統計部
0101010_009.png出所:東京都総務局統計部
(ⅱ) マーケット分析
a.オフィス(賃料水準及び空室率)
0101010_010.png出所:一般財団法人日本不動産研究所
(注) 都心5区の大・中型ビル(基準階面積100坪以上)における1985年~2018年の成約事例データ(約6,000件)を基にしています(2019年は推計値です)。
都心5区におけるオフィスの平均賃料水準は、リーマンショック後、2012年まで急激に下がり続けましたが、2012年を底に上昇傾向に転じており、現在も上昇傾向を維持しています。また今後も数年は上昇傾向を維持し、その後一定水準を保ったまま安定的に推移していくと本投資法人は考えています。
空室率についても2012年以降下降傾向に転じており、2018年には3%を下回る水準まで低下しています。また新型コロナウイルス感染症の影響などで若干の変動はあるものの、今後も3%~5%程度の水準で安定的に推移していくと本投資法人は考えています。
以上のデータから、都心5区のオフィス需要は底堅く、今後もこの底堅さが中長期的に継続されていくものと本投資法人は考えています。
b.商業施設
銀座・表参道・新宿・渋谷のプライムビルの賃料水準
0101010_011.png出所:CBRE
(注1) 「プライムビル」とは、①1階を含む2層一括貸し、②広い間口と視認性の高い大きなファサード(建物の正面)がある、③人通りの多い通りに面しているという条件を満たしたビルをいいます。
(注2) 縦軸は2008年第3四半期の中間値を100とした賃料指数を表しています。
(注3) CBREの独自調査に基づいて算出された、異常値を除き、最上位に位置する賃料を「上値」、最下位に位置する賃料を「下値」と呼び、上値と下値の単純平均を「中間値」と呼んでいます。
(注4) 2013年と2014年の間に賃料指数の計算の基準が変更されたことにより、2013年までのデータと2014年以降のデータには連続性がないため、2013年の指数と2014年の指数は繋げて表示しておりません。
都心5区における主要商業エリア(銀座、表参道、新宿及び渋谷)における商業施設の賃料水準は、2013年第3四半期までの期間においては中間値及び上値いずれも安定的に推移しており、2014年第3四半期以降、中間値及び上値のいずれも上昇に転じています。これは都心5区における主要商業エリアの商業施設の需要の底堅さ及び成長性を示しており、中長期的にはこの特性は継続していくものと考えていますが、足元の新型コロナウイルス感染症の影響などについては状況を注視していく必要があると、本投資法人は考えています。
c.住宅
(a) 賃料水準
0101010_012.pngデータ提供:アットホーム株式会社、分析:株式会社タス、とりまとめ:CBRE
出所:アットホーム株式会社提供の元データより株式会社タスが分析・作成したデータからCBREが加工して作成
(注1) 縦軸は、アットホーム全国不動産情報ネットワークに公開された情報に掲載された賃料の四半期毎の単純平均値について、2004年の第1四半期を100として指数化したものです。
(注2) 調査対象はアットホーム全国不動産情報ネットワークに公開された情報の全て(木造、軽量鉄骨造、鉄骨造、RC造及びSRC造)です。
(b) 空室率
0101010_013.pngデータ提供:アットホーム株式会社、分析:株式会社タス、とりまとめ:CBRE
出所:アットホーム株式会社提供の元データより株式会社タスが分析・作成したデータからCBREが加工して作成
(注1) 「平均空室率」は、アットホーム全国不動産情報ネットワークに公開された、算出時点の「空室」の戸数を分子、当該空室のある建物の全体の戸数を国勢調査及び住宅土地統計調査を用いて算出し全て加算したものを分母とした割合を算出しています。
(注2) 調査対象はアットホーム全国不動産情報ネットワークに公開された情報の全て(木造、軽量鉄骨造、鉄骨造、RC造及びSRC造)です。
都心5区における住宅の賃料水準及び空室率は、いずれも2010年以降安定的に推移しています。これは都心5区における住宅需要の底堅さ及び安定性を示しており、上記都心5区の人口動態分析も踏まえると、今後もこの傾向が中長期的に継続していくものと本投資法人は考えています。
d.物流施設(賃料水準・空室率)
0101010_014.png出所:CBRE
(注1) 「東京圏」とは東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県を指し、「近畿圏」とは大阪府を指します。
(注2) 調査対象は東京圏及び近畿圏における、募集面積1,000坪以上の物流施設です。
0101010_015.png出所:CBRE
(注1) 「東京圏」とは東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県を指し、「近畿圏」とは大阪府を指します。
(注2) 調査対象は東京圏及び近畿圏における、延床面積10,000坪以上の複数テナント向け物流施設(マルチテナント物流施設)です。
東京圏(東京都、神奈川圏、埼玉県及び千葉県)における物流施設の賃料水準は、2008年以降下落傾向にありましたが、2011年を底に上昇傾向に転じ、現在は安定的に推移しています。また近畿圏(大阪府)に比べ、変動の幅が小さいことから賃料水準の安定性も相対的に高いといえます。
空室率に関しても、2012年以降、概ね5%~10%弱の水準にて安定的に推移しており、かつ近畿圏に比べ、変動率の幅が小さいことから空室率水準の安定性も相対的に高いといえます。
以上のデータから、東京圏の物流施設の需要は底堅く、今後もこの底堅さは継続するものと本投資法人は考えています。
e.ホテル(平均客室単価(ADR)と稼働率)
0101010_016.png(注) 株式会社日本ホテルアプレイザルがマーケットレポート作成業務等の各種業務において入手した都心5区に所在するホテルデータのうち、同一のホテルについて連続した2年以上のデータ(各年1月~12月)が存在するデータを基に作成しています。上記のグラフにおいて、平均客室単価(ADR)は、販売客室に支払われた平均料金を示す指標で、客室売上高を販売客室数で除して算出したうえで、対象ホテル毎の該当期間における変動率の算術平均値を2012年を100とする指数として記載しており、稼働率は、特定の時点で使用可能な客室のうち、実際に顧客に使用されている客室の割合を算出したうえで対象ホテル毎の該当期間における変動率の算術平均値を2012年を100とする指数として記載しています。
上図のとおり、都心5区におけるホテルの平均客室単価(ADR)は近年上昇傾向にあり、2012年を100とした場合の指数は2019年現在で125程度の水準まで上昇しています。また稼動率についても2012年以降、100を超える水準にて安定的に推移しています。これは都心5区のホテル需要の底堅さ及び成長性を示しており、中長期的にはこの傾向は継続していくものと思われますが、足元の新型コロナウイルス感染症の影響などについては状況を注視していく必要があると、本投資法人は考えています。
(イ) アセットタイプ(用途)の分散による収益の「安定性」と「成長性」の取り込み
本投資法人は、オフィス、商業施設、住宅、物流施設、ホテル及び学生専用レジデンスに分散投資し、1つのアセットタイプ(用途)に対する投資比率を原則として50%以下(取得価格ベース)とすることにより、用途分散を図り、景気循環に伴う収益の変動の抑制を図ります。但し、独自のマーケット分析の結果、戦略的に特定のアセットタイプに集中して投資することにより、一時的に50%を超過する場合があります。また、上記アセットタイプ(用途)の分散により、収益の安定性と同時に、収益の成長性を取り込むことができると考えています。
(ウ) ミドルサイズアセットを中心とした投資
本投資法人は、リスクの分散を図るためにはミドルサイズアセット(取得価格が100億円未満である不動産等をいいます。以下同じです。)を集積することが合理的と考えています。ミドルサイズアセットは、ラージサイズアセット(取得価格が100億円以上である不動産等をいいます。以下同じです。)と比較して供給量が豊富であるため、その中から良質な物件を選定してポートフォリオに組み入れることや、マーケット参加者が多く資産入替に際して売却先を選定することが相対的に容易であることから、本投資法人は、ミドルサイズアセットに集中的に投資することにより今後の運用に柔軟性を持たせることが可能になると考えています。
また、本投資法人は、多様なアセットタイプ(用途)の物件への分散投資を行いながら、良質なミドルサイズアセットを集積することにより、景気循環や各物件におけるテナント退去や賃料の減少に伴うリスクを分散し、ポートフォリオ収益への影響を最小化することを目指します。
なお、取得資産が区分所有権又は共有持分(又は区分所有権若しくは共有持分を信託財産とする信託受益権)の場合には、本投資法人が取得する部分に係る取得価格ではなく、物件全体の価格に基づきミドルサイズアセット又はラージサイズアセットへの該当性を判断します。
(エ) 都心5区に限定したラージサイズアセットへの戦略投資
本投資法人は、都心5区はオフィス、商業施設、住宅及び学生専用レジデンスについて高い需要が見込まれる地域であり、空室リスクや賃料の下落リスクも相対的に低いと考えています。また、ホテルについても、都心5区では、ビジネスや観光目的での底堅い需要があり、高い安定性が見込まれます。したがって、都心5区においては、物件を厳選したラージサイズアセットへの投資により安定した収益を確保できると考えられるため、本投資法人は、資産規模の拡大を加速させる観点から、都心5区に限定して、ラージサイズアセットを厳選して取得する方針です。
⑦ 保有ポートフォリオの特徴(本書の日付現在)
<保有ポートフォリオ全体の特徴>保有ポートフォリオは、上記「⑥ポートフォリオ運営方針」に基づいて、投資対象となるアセットタイプ(用途)の分散及びミドルサイズアセットの集積を意識し、各アセットタイプ(用途)のマーケット状況も勘案しつつ最適なポートフォリオとすることを意図して構成しています。本投資法人は、今後も引続き収益の「安定性」と「成長性」を兼ね備えたポートフォリオの実現を目指します。
本投資法人は、本書の日付現在の資産規模は全35物件(取得価格総額103,889百万円)となっています。なお、物件数及び取得価格総額において投資実行済みの匿名組合出資及びメザニンローン債権並びに売却決定済のアルファベットセブンは除いて算出しており、以下本⑦に記載の比率についても同様です。
保有ポートフォリオにおける投資対象エリア別構成比率は、東京圏が74.4%(取得価格ベース。以下別段の記載がない限り本⑦における比率について同じ。)となっており、東京圏を中心とした構成となっています。また、アセットタイプ(用途)別の構成比率は、オフィスが32.7%、住宅が17.8%、物流施設が29.8%、ホテルが19.8%となっており、アセットタイプ(用途)を分散させることで収益の安定性と成長性を同時に取り込むことができると本投資法人は考えています。物件サイズ別構成比率はミドルサイズアセットが100%となっており、一つの物件に対する集中度を低くし、一つのテナントの退去や賃料減額に伴うポートフォリオ収益への影響を低減させるために、ミドルサイズアセットの集積を図るという方針に沿った構成となっています。
<保有ポートフォリオにおけるオフィスの特徴>保有ポートフォリオのうち32.7%を構成するオフィスは、東京圏が53.5%を占めており、また、オフィス全体において、賃料占有率(オフィス部分全体の月額賃料総額に占める各オフィステナントの月額賃料の比率)5%以下のテナントからの賃料収入がオフィスの総賃料収入の81.8%であることから、オフィス全体においてテナントの分散が図られており、その結果ポートフォリオ全体の収益の安定性に資すると本投資法人は考えています。また、都心5区のオフィスについては上記「⑥ポートフォリオ運営方針/(ア)東京圏への優先、集中投資」のとおり賃料の改善傾向が見られることから、将来において収益の成長性が期待される投資であると本投資法人は考えています。
<保有ポートフォリオにおける住宅の特徴>保有ポートフォリオのうち17.8%を構成する住宅は、東京圏が83.5%を占めています。9物件中7物件が人口集積度の高い東京圏に所在し、また最寄駅からの平均徒歩所要時間(注)は約5分であることからテナント需要が見込まれ、稼働率及び賃料が一定の水準を保ち、ポートフォリオ全体の収益の安定性に資する物件で構成されていると本投資法人は考えています。
(注) 最寄駅からの平均徒歩所要時間は、80mを1分として各物件の最寄駅からの徒歩所要時間を取得価格で加重平均して計算しています。以下同じです。
<保有ポートフォリオにおける物流施設の特徴>保有ポートフォリオのうち29.8%を構成する物流施設は、8物件全てが東京圏に所在し、東京駅から30キロ圏内に位置しています。また、最寄りのインターチェンジまでの平均距離(注)が約3.7kmと近接しており、消費地へのアクセスも良好であることから、いずれもテナント訴求性が高く、収益の安定性が期待される物件であると本投資法人は考えています。
(注) 最寄りのインターチェンジまでの平均距離は、各物件の最寄りのインターチェンジまでの距離を取得価格で加重平均して計算しています。
<保有ポートフォリオにおけるホテルの特徴>保有ポートフォリオのうち19.8%を構成するホテルは、最寄駅からの平均徒歩所要時間は約3分と交通利便性が高いことから、ビジネスユース及び観光需要のいずれにも訴求性の高い物件であると本投資法人は考えています。またホテルの賃料総額における固定賃料の比率(注)は95.2%となっており、固定賃料と変動賃料のバランスに配慮した比率となっています。
(注) 固定賃料の比率は、第7期から第8期までの1年間の実額を基に計算しています。
投資対象エリア・アセットタイプ別構成比率(本書の日付現在・取得価格ベース)
0101010_017.png(注1) 上図中の東京圏比率における「東京圏」は各アセットタイプ(用途)により異なります。詳細は上記「②本投資法人の特徴/(ア)総合型REIT ~東京圏を中心としたアセットタイプ(用途)分散型のポートフォリオを構築~」をご参照ください。
(注2) 上図中の比率は、小数第2位を四捨五入して記載しています。
⑧ 投資主の利益の最大化のための戦略
(ア) 不動産金融マーケットにおける豊富な経験を有するメンバーが構成する本資産運用会社の運用体制
本投資法人がその運用を委託する本資産運用会社は、不動産金融マーケットにおける経験と実績を持つ経営陣、日本の不動産等関連資産を投資対象とする運用事業に従事してきたメンバー及び日本の不動産投資関連ビジネスに長年携わってきたメンバーを中心に構成されており、不動産投資に関する高い専門性や豊富な経験、人的ネットワークを有しています。
本資産運用会社のメンバーが積み上げてきた経験及び不動産に関する知見やノウハウを投資、運営、管理及び資金調達において最大限活用することで、本投資法人が掲げる収益の安定性と成長性の獲得、透明性の高い運用ができ、投資主の利益の最大化を実現できると考えています。
(イ) スポンサー・サポートの概要
本投資法人及び本資産運用会社は、2016年1月14日付でスポンサーとの間で、スポンサー・サポート契約を締結しています。
スポンサー・サポート契約は、スポンサーが、同契約に定める内容のサポートを本投資法人及び本資産運用会社に提供することにより、不動産等の取得の機会の拡充等を通じた本投資法人の持続的かつ安定的な成長を図り、本投資法人及びスポンサーグループが共に発展することを目的とするものであり、スポンサーグループを構成するメンバーがスポンサーを通じて本投資法人の成長を様々な側面から支えることが企図されています。当該契約の概要は以下のとおりです。
(Ⅰ) スポンサー運用物件等の情報提供
スポンサーは、スポンサーグループが保有・運用する対象不動産(本投資法人の投資基準に適合するとスポンサーが合理的に判断する不動産等関連資産及び不動産関連ローン等金銭債権等(下記「(2)投資対象/①投資対象とする資産(規約第29条)」において定義します。)をいいます。以下同じです。)を売却し、又は売却させようとする場合には、原則として、当該情報を本投資法人及び本資産運用会社以外の第三者に対する情報提供に遅れることなく本投資法人及び本資産運用会社に提供し、又は、スポンサーグループ会社をして提供させます。
(Ⅱ) 第三者保有物件の売却情報の提供
スポンサー又は他のスポンサーグループ会社が、スポンサーグループ及び本投資法人以外の第三者により保有される対象不動産の売却情報を取得した場合には、一定の場合を除き、スポンサーは、当該対象不動産に関する情報を、本資産運用会社及び本投資法人に対して開示し、又は当該スポンサーグループ会社をして開示させます。
(Ⅲ) ウェアハウジング機能の提供
本資産運用会社は、将来における本投資法人による円滑な物件取得を推進することを目的として、取得対象不動産(本投資法人の投資基準に適合し、本投資法人が取得を希望する対象資産をいいます。以下同じです。)について何等かの事情により本投資法人が直接取得できない場合には、本投資法人が取得できる状況が整うまでの期間、スポンサーグループによる一時的な保有を、スポンサーグループ会社に対して依頼することができます。この場合、スポンサーは、スポンサーグループ会社による当該取得対象不動産の一時的な保有につき真摯に検討します。
(Ⅳ) 人材確保に関する協力
スポンサーは、本資産運用会社の独立性を尊重し、かつ本資産運用会社及び本投資法人の成長を斟酌したうえで、本資産運用会社が受託する資産運用業務の遂行に必要又は有用と判断する不動産運営管理の知識及びノウハウ等を本資産運用会社に活用させることを目的として、法令等に反しない限度において、必要とされる人材の確保(人材の派遣を行うことを含みます。)に合理的な範囲で協力を行い、スポンサーグループ会社をして協力させます。なお、人材の派遣にはスポンサーグループ会社からの転籍・出向を含むものとし、派遣の条件等については、スポンサーと本資産運用会社とで協議のうえ別途決定するものとします。
(Ⅴ) その他のサポート
上記の他、本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサー・サポート契約に基づき、以下の点においてもサポートを受けることができます。
(ⅰ) 共同投資
本資産運用会社は、取得対象不動産について、何等かの事情により本投資法人が当該取得対象不動産の全体を取得できない等の場合には、スポンサーグループに対して、本投資法人との共同投資を依頼することができます。この場合、スポンサーは、スポンサーグループをして当該取得対象不動産の共同での取得につき真摯に検討させます。
(ⅱ) バリューアップに関する助言
本資産運用会社は、必要に応じ、スポンサー及びスポンサーグループ会社に対し、本投資法人が既に保有し又は取得を検討している不動産等の修繕計画及び長期修繕計画の作成、検討、管理等並びに修繕・更新工事及び大規模修繕工事の検討、査定、管理等について助言を求めることができます。この場合、スポンサーは自ら又はスポンサーグループ会社をして、法令、自主規制機関等の制定する諸規則、本投資法人、本資産運用会社及びスポンサーグループの社内規程及びスポンサーグループ会社が当事者となる契約等に違反しない限度において、合理的な範囲でこれに応じます。
(ⅲ) アドバイザリー業務
スポンサーは、本資産運用会社から合理的な要請があった場合、本投資法人の資産の運用に関連して、法令、自主規制機関等の制定する諸規則、本投資法人、本資産運用会社及びスポンサーグループの社内規程及びスポンサーグループ会社が当事者となる契約等に違反しない限度において、資産運用に係る一定の補助業務及び助言業務を受託でき、また、スポンサーグループに受託させることができます。スポンサー及び本資産運用会社は、スポンサー又はスポンサーグループによる業務の受託にあたり、必要に応じ、報酬その他の事項について別途合意し、また、スポンサーグループをして合意させます。
(ⅳ) 情報交換
スポンサー及び本資産運用会社は、法令、自主規制機関等の制定する諸規則、社内規程及び自らが当事者となる契約に違反する場合を除き、自らの単独の裁量により適切と認める場合には、互いに相手方に対し、不動産市場に関する一定の事項について、意見及び情報を交換します。
(ⅴ) スポンサーグループによるセイムボート出資
スポンサーは、本投資法人が新たに投資口を発行し、本資産運用会社が依頼する場合には、自ら又はスポンサーグループにおいて当該新投資口の一部を取得することについて真摯に検討を行います。スポンサー及びスポンサーグループは、本投資法人の発行する投資口を新規に取得した場合、当面の間、当該投資口を保有することを前提としています。上記にかかわらず、スポンサーは、法令諸規則、契約等による制約がない場合において、市場環境の変動等の経済動向等及び、当該投資口を保有するスポンサーグループの投資運用方針を勘案し、必要と判断した場合には、その裁量により当該投資口を第三者に売却し、又はスポンサーグループをして売却させることができます。
本書の日付現在、スポンサーグループは、本投資法人の投資口(発行済投資口の総口数の約17.9%、97,000口)を保有しており、保有する投資口を当面の間継続的に保有する意向です。スポンサーグループによる投資口保有は、本投資法人の投資主の利益とスポンサーグループの利益を一致させ、スポンサーグループによるサポートをより強固なものにすることできることから、本投資法人の投資主の利益の最大化に資するものと、本投資法人は考えています。
(ウ) 1口当たり当期純利益に連動する資産運用報酬の採用
本投資法人は、資産運用報酬の一部について、1口当たり当期純利益の金額に連動させた報酬体系を導入することにより、投資主と本資産運用会社における利益の方向性の一致を図ります(資産運用報酬の算定方法については、下記「4 手数料等及び税金/(3)管理報酬等/②本資産運用会社への資産運用報酬(規約第37条)」をご参照ください。)。
(エ) メザニンローン債権への投資による収益獲得機会の多様化
本投資法人は2016年4月の上場以来、投資主利益の最大化を追求する施策の一つとしてメザニンローン債権への投資を掲げ、投資対象を探索してきました。本投資法人は、下図に記載のように、不動産等への投資のカテゴリーを三分類した場合において、メザニンローン債権投資はミドルリスク/ミドルリターンの投資カテゴリーに分類され、不動産マーケットが過熱しているような状況においては有効な投資対象であると考えています。また、本投資法人は、メザニンローン債権投資を、収益獲得機会の多様化に加えて、不動産関連債権投資ファンドからスタートしたスターアジアグループに蓄積された債権管理ノウハウ等を活用できる投資対象であると考えています。
<メザニンローン債権投資の意義>0101010_018.png
本投資法人は、メザニンローン債権への投資について、以下の基準に従って投資を検討し実行します。
<本投資法人におけるメザニンローン債権への投資の考え方(投資基準)>
投資残高メザニンローン等の債権への投資残高が直前期末の総資産の5%未満となること(但し、期中に物件取得・売却など総資産が大きく変化するような場合には別途検討)
裏付け不動産裏付け不動産が本投資法人の投資基準(立地、アセットタイプ、価格(注1)等)に合致していること
LTV上限(注2)85%
メザニンローン債権の期間原則として3年以上
利率原則として年率4%以上

(注1) メザニンローン債権への投資における裏付け不動産の「価格」に関する投資基準については、裏付け不動産がミドルサイズアセット(100億円未満)であることを主としますが、ミドルサイズアセットに該当するか否かを判断するに際しては、本投資法人が裏付け不動産を取得する場合に必要となる累計投資額、すなわち、本投資法人が投資対象とするメザニンローン債権及び支払順位がそれよりも上位の債権の合計額(本投資法人が取得対象とするメザニンローン債権と支払順位が同順位の債権がある場合には、当該本投資法人の取得対象外の債権を含めて合計額を算出します。)を基準(裏付け不動産の価格)として判断するものとします。
(注2) LTVは、本投資法人が投資対象とするメザニンローン債権及び支払順位がそれよりも上位の債権の合計額(本投資法人が取得対象とするメザニンローン債権と支払順位が同順位の債権がある場合には、当該本投資法人の取得対象外の債権を含めて合計額を算出します。)を分子とし、本投資法人が裏付け不動産について取得した鑑定評価書に記載の鑑定評価額を分母として算出します(本(エ)につき、以下同じです。)。
本投資法人は、本書の日付現在、5件のメザニンローン債権への投資を実行済みです(内1件は償還済み)。本書の日付現在、本投資法人が保有するメザニンローン債権の概要は上記「1 投資法人の概況/(3)投資法人の仕組み/③本投資法人が投資ビークルを通じて行う資産運用の仕組図/(ⅰ)メザニンローン債権投資」をご参照ください。
本投資法人は、メザニンローン債権投資について、取得競争の激しい不動産マーケットにおいて、現物不動産の補完投資として、本投資法人の自己資金の有効な活用先となるとともに一定の利息等の収入が得られる(当該利息等の収入については減価償却費が差し引かれません。)ことが想定され、本投資法人の投資主に対する分配可能利益を押し上げる効果が期待できるものと考えています。また、収益獲得機会の多様化の観点で他の不動産プレーヤーとの差別化を図ることができる投資であるとともに、本投資法人の不動産ポートフォリオ全体の償却後利回りを超える収益が期待できる投資であることから、投資主利益の最大化に資すると判断しています。
本投資法人は、上記の投資残高の範囲内において、元利金等の返済可能性を厳密に検証し、かつ裏付け不動産が本投資法人の投資基準に合致するものに限って、今後もメザニンローン債権への投資を継続して実行する方針です。
<メザニンローンについて>SPCを用いた不動産流動化が行われる場合、SPCが不動産等の取得資金を調達するにあたって、匿名組合出資その他資本性資金(エクイティ)による調達と、ローンや社債発行等負債性資金(デット)による調達が併用されるのが一般的です。負債性資金の調達方法として、銀行その他金融機関によるローンに加えて、返済順位等においてこれらに劣後するローンがノンバンク、損害保険会社、投資銀行等により実施される場合があります。このように返済順位等において劣後するローンをメザニンローンといい、メザニンローンに優先するローンをシニアローンといいます。メザニンローンは、返済順位等においてシニアローンに劣後する代わりに、シニアローンよりも金利が高く設定されます。したがって、元利金が予定どおり返済される場合にはシニアローンに比べて高い収益を実現することができます。これに対して、裏付けとなる不動産等からの収入が減少し又は不動産等の価値が下落する等の原因によりシニアローン及びメザニンローンの元利金の全額を支払うことができない場合には、シニアローンへの支払が優先され、その結果メザニンローンの元利金が予定どおり支払われないことになります。但し、メザニンローンへの支払は、原則としてエクイティへの支払に優先して行われるため、不動産等の価値が下落した場合でも、まずはエクイティの元本の毀損が生じ、エクイティが全て毀損した後に初めてメザニンローンの元本が毀損することになるため、エクイティよりは相対的に安全性が高い資産とされています。
上記のとおり、メザニンローンに対する返済は、シニアローンに劣後することになるため、SPCがシニアローン及びメザニンローンの返済予定日に返済を行わない場合やシニアローン及びメザニンローンの期限の利益を喪失した場合に、シニアローンの債権者が直ちに担保権等を行使できることとすると、シニアローン債権者が自己の債権回収を優先する結果、メザニンローンを毀損することとなるおそれがあるため、かかる事態が発生した場合には、その後一定期間、メザニンローン債権者に、シニアローン全額の返済が可能な金額以上での不動産の売却をSPCに指図する権限や、シニアローン債権を買い取る権限が付与されるのが一般的です。
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<メザニンローン債権への投資手法及びリスク管理について>本投資法人がメザニンローン債権に投資した場合に、本投資法人に損失が生ずる場合として主に想定されるのは、シニアローン債権等のメザニンローン債権に優先する債権の額とメザニンローン債権の額の合計額に満たない金額で物件が売却された場合(注)又はそのような金額で本投資法人が自ら当該物件を取得した場合です(なお、その他に投資法人が損失を出す場合として、メザニンローン債権の裏付け不動産の価格が下落した場合に、期末評価により貸倒引当金の計上が必要となる場合があります。)。本投資法人においては、メザニンローン債権への投資の際には、シニアローン債権等支払順位が上位の債権も含めた借入れによる調達額の上限をその裏付け不動産に関して、本投資法人が取得する鑑定評価額の85%としており、これによって上記の物件価格下落リスクを一定程度回避することができます。また、本投資法人ではメザニンローン債権への投資により損失が生じることを可及的に防止するために、基本的に以下のような手法を用いてリスクを管理する方針です。なお、以下の説明においては、SPCが不動産等を保有し、当該不動産等の取得資金をシニアローン、メザニンローン及びエクイティにより調達した場合において、本投資法人がメザニンローン債権を保有する場合を前提にしています。
(注) 通常はメザニンローンの債権者主導の売却期間の後にシニアローンの債権者主導の売却期間が設定されます。メザニンローンの債権者は当該期間中にシニアローン及びメザニンローンの両方が返済される金額での売却を試み、かかる試みが成功せずに当該期間を終了した後は、シニアローンの債権者が売却活動を行います。この場合には、シニアローンの一部又は全部が返済される一方で、メザニンローンの全額を返済するには不足する金額での売却がなされる可能性があります。
(Ⅰ) メザニンローン債権に係る基本シナリオ
本投資法人は、メザニンローン債権の元利金の弁済が確実に履行される見込みがある案件を厳選し投資する方針です。本投資法人がメザニンローン債権へ投資した場合の基本となるシナリオは以下のとおりです。
SPCが、シニアローン債権及びメザニンローン債権の返済予定日までに不動産等をシニアローン債権等のメザニンローン債権に優先する債権の額とメザニンローン債権の額の合計額以上の金額で売却するか又はかかる金額以上の金額での借換え(リファイナンス)を行うことができた場合には、シニアローン及びメザニンローンの元利金が返済されます。この場合、メザニンローン債権の債権者である本投資法人には、メザニンローン債権につき支払われるべき元利金の満額が弁済されます。
(Ⅱ) メザニンローン債権投資に係るリスクシナリオ
SPCがシニアローン及びメザニンローンの返済予定日に返済を行わない場合やシニアローン及びメザニンローンの期限の利益を喪失した場合、本投資法人は、以下の手法の中から対応を選択することになります。
(ⅰ) 不動産流動化案件においては、シニアローン及びメザニンローンの最終返済期日の1年から2年程度前に予定返済期日の設定がなされることがあります。予定返済期日から最終返済期日までの間に、SPCから資産の運用を受託するアセット・マネジメント会社やエクイティ投資家、メザニンローン債権の債権者、シニアローン債権の債権者等により、SPCが保有する不動産等の売却活動が行われますが、不動産等の売却権限は返済順位が劣後する者から順に付与されるのが一般的です。本投資法人は、メザニンローン債権の債権者である本投資法人に物件の売却権限が付与されている期間内に、裏付け不動産の購入者を探索し、SPCをして購入希望者に当該不動産等を売却させることにより、シニアローンの返済及びメザニンローンの回収を行うことを検討します。当該不動産等の購入者がシニアローン債権等のメザニンローンに優先する債権の額とメザニンローン債権の額の合計額以上の金額で当該不動産等を購入する場合、メザニンローン債権の債権者である本投資法人には、メザニンローン債権につき支払われるべき元利金の満額が弁済されます。
(ⅱ) 上記(ⅰ)において、裏付け不動産の購入金額がシニアローン債権等のメザニンローンに優先する債権の額とメザニンローン債権の額の合計額を下回る場合、SPCに当該不動産等を売却させると、本投資法人は、メザニンローン債権の元利金について満額の弁済を受けることができなくなります。この場合、本投資法人は、メザニンローン債権の債権者に売却権限が付与された期間が経過し、シニアローンの債権者が対象不動産への担保権の実行その他の方法により当該不動産等を処分できることになる前に、シニアローンのリファイナンス又はシニアローン債権の買取を行うことでシニアローン債権者による担保権の実行その他の方法による当該不動産等の処分を回避し、メザニンローン債権に係る損失が確定することを防止することを検討します。この対応を検討する場合、本投資法人がシニアローン債権の買取を行うための資金調達能力があることが重要になります。本投資法人は、LTV(下記「(カ)安定的かつ健全な財務運営」に定義します。)の上限を60%と設定しており、原則としてそれを超えて借入れを行わない方針であるため、メザニンローン債権への投資を行う場合には、LTVを低めの水準に維持しておき、また、コミットメントラインの設定が行われている場合は当該コミットメントラインを実行することにより、本投資法人において適時に借入れを行い、SPCによる運用を継続させることを検討します。
(ⅲ) メザニンローンの債権額を匿名組合出資に切り替える(本投資法人がSPCに匿名組合出資等を行い、その資金でメザニンローンを返済することをいいます。)ことで、本投資法人がエクイティ出資者となり、シニアローンのリファイナンスを行いシニアローン債権者による担保権の実行その他の方法による不動産等の処分を回避し、メザニンローンについての損失が確定することを防止することを検討します。但し、投資法人が匿名組合出資の50%以上を出資した場合には税務上の導管性要件を満たすことができなくなるため、スポンサーグループとの共同出資が前提となります。
(ⅳ) 本投資法人がSPCから裏付け不動産を取得し、SPCは本投資法人による購入代金でシニアローンを返済します。上記(ⅱ)と同様に、本投資法人が当該不動産等を取得するための資金調達能力が重要となるため、本投資法人は、メザニンローン債権への投資を行う場合には、LTVを低めの水準に維持し、また、コミットメントラインの設定を検討する点は上記(ⅱ)の場合と同様です。
(オ) 内部成長のための施策:物件管理におけるPDCA(Plan・Do・Check・Action)の徹底
本投資法人は、保有物件の収益の維持向上に関して、PM会社の選定が非常に重要な要素であると考えています。本資産運用会社は、社内規程である運用ガイドライン等において、PM会社の選定基準を定めており、それぞれの運用資産に最適と考えるPM会社を選定する方針です。なお、スターアジアグループは日本の不動産等関連資産への投資に関するファンドマネジメントのみを行っているため、本投資法人において、スポンサーグループ会社をPM会社に選定することは想定していません。
選定したPM会社は、本資産運用会社によって定期的にそのパフォーマンスをモニタリングされ評価されます。本資産運用会社は、かかる評価に基づき当該PM会社と評価が低い点について改善を促す等の協議を行うとともに、継続起用の可否を判断します。
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(カ) 安定的かつ健全な財務運営
本投資法人は中長期的な収益の維持・拡大及び運用資産規模の成長を実現することを目指して安定的かつ健全な財務基盤を構築することを目指します。
財務運営に関する基本的な方針は以下のとおりです。
<エクイティ・ファイナンス>新投資口の発行は、既存投資主の権利の希薄化及びそれに伴う投資口の取引価格の状況等に配慮し、新投資口発行後の1口当たり分配金の想定、LTV(注)の想定水準、J-REITマーケットの状況等を総合的に勘案して決定します。
<デット・ファイナンス>デット調達(資金の借入れ及び/又は投資法人債の発行)においては、資金調達の機動性と財務の安定性のバランスに配慮します。実際のデット調達においては、利率(固定/変動の別)、返済期限、調達方法(借入れ、投資法人債)等を検討し、1口当たり分配金への影響を計った上で決定します。また、機動的なデット調達のためコミットメントラインの設定を検討します。
デット調達(資金の借入れ及び/又は投資法人債の発行)余力の確保に留意しつつ原則として60%を上限としています。
<キャッシュ・マネジメント>保有する運用資産における資金ニーズ及び本投資法人の運営経費を的確に把握し、効率的かつ適切なキャッシュ・マネジメントを行います。
⑨ 投資基準等
(ア) 投資基準
本投資法人は、個別の不動産等を取得するに際し、不動産の売買・賃貸マーケット環境を分析し、ポートフォリオ全体の収益の安定性と成長性及びリスク要因等と併せ、以下に列挙する各事項を勘案し、総合的な判断の下で取得の決定を行うこととします。
(ⅰ) 耐震性能
原則として、新耐震基準(昭和56年改正の建築基準法(昭和25年法律第201号、その後の改正を含みます。)(以下「建築基準法」といいます。)に基づく耐震基準)に基づく施工又は補強工事等により新耐震基準と同等以上の耐震性能を有すると判断される物件を取得するものとします。なお、現況で基準を満たしていない場合でも、取得後速やかに補強工事等により新耐震基準と同等以上の耐震性能を有することが見込まれる場合は、例外的に取得することがあります。なお、物件取得に際しては、取得対象物件に関する地震PML値(注)及び当該物件が組入れられた後のポートフォリオ全体に関する地震PML値を専門機関に依頼し算出することを原則とする。
(注) 地震PML(Probable Maximum Loss:予想最大損失率)値とは、想定した予定使用期間中(50年=一般的建物の耐用年数)に想定される最大規模の地震(50年間で10%を超える確率で襲ってくると予想される大地震=再現期間475年相当(年超過確率0.211%)の大地震)によりどの程度の被害を受けるかを、90%非超過確率に相当する予想損失額の再調達価格に対する割合(%)で示したものです。但し、予想損失額は、地震動による建物(構造体、仕上げ、建築設備)のみの直接損失に関するものだけであり、機器、家具、什器等の被害や地震後の水又は火災による損失、被災者に対する補償、営業中断による営業損失等の二次的被害は含まれていません。
(ⅱ) 環境・地質
建物内におけるアスベスト等の有害物質の使用状況及び敷地内の土壌の状況が大気汚染防止法や土壌汚染対策法等関連法令に適合している若しくはこれらへの対応策が講じられていることを原則とします。但し、現況で基準を満たしていない場合でも、取得後速やかに是正可能な場合は、例外的に取得を決定する場合があります。
(ⅲ) テナント
社会的信用力等を確認したうえで、賃料水準、賃貸借契約期間、業種、競争力等についても評価・分析し、経済的信用力を有すると判断できるテナントであることを原則とします。
(ⅳ) 権利関係
所有権、賃借権、地上権等権利の態様を確認し、特に、共有、区分所有、借地の場合は物件の特性を総合的に勘案したうえで、権利関係者の信用力・属性等に特段問題が無く、運営・管理や持分処分における制約事項が少ない場合に、投資を行うことを原則とします。
(ⅴ) 開発不動産等
本投資法人は、原則として、未稼働の不動産等は投資対象としません。但し、未稼働不動産等又は建設予定若しくは建設中の不動産等であっても、稼働又は竣工後のテナントの確保が十分に見込まれ、取得後の収益の安定性が見込める場合には、建物の完工・引渡し等のリスクを軽減させるための措置を施したうえで、投資を行うことができるものとします。
(ⅵ) メザニンローン債権
本投資法人の収益獲得機会を多様化し、収益の安定性及び成長性に資することを目的として、総資産の5%未満の範囲内においてメザニンローン債権に投資することができるものとします。但し、メザニンローン債権への投資は、元利金の弁済が確実に履行される見込みがあり、かつ担保又は裏付け資産となる不動産等(裏付け不動産)が本投資法人の投資基準に合致すると判断されるものに限るものとします。なお、投資対象債権の貸付条件等は、原則として以下のとおりとします。
­裏付け不動産 :原則として各アセットタイプの投資基準及び本「(ア)投資基準」に記載の投資基準に合致する不動産等
­Loan to Value(LTV):原則として、裏付け不動産に関して本投資法人が取得する鑑定評価額に対する、本投資法人が取得するメザニンローン債権の額(支払い順位が同順位の債権があれば、これを加えた額)とシニアローン等の支払い順位が上位の債権額の合計額の割合が85%以下
­償還までの期間 :原則として3年以上
­利率 :原則として年率4%以上(1口当たり分配金の水準、メザニンローン債権に係るLTV水準も考慮し、年率4%未満のメザニンローン債権を取得する場合がある。)
(イ) デューディリジェンス基準
不動産等への投資にあたっては、本資産運用会社は下記経済的調査、物理的調査及び法的調査を十分に実施し、不動産等の物件特性(①立地(周辺環境)、②建物の性能及び規模、③賃料水準、④競合物件の有無をはじめとする資産価値の維持・向上を阻害する要因等の有無等)の把握及びそれらの評価を中心とした、当該不動産等の投資対象としての妥当性について検討を行います。
かかる検討・評価を目的として、調査能力及び経験を有する第三者が作成するエンジニアリングレポート、マーケットレポート、地震リスク調査報告書等を参考とし、現地調査、譲渡予定者等へのヒアリング等による物件調査(デューディリジェンス)を行います。
(ⅰ) 調査(デューディリジェンス)の実施
調査項目内容
経済的調査テナント調査・テナントの信用状況(業種、業容、業歴、決算内容、財務状況等)
・テナントの賃料支払状況、テナントと現所有者との紛争の有無及び可能性等
・テナントの賃借目的、契約形態、契約内容及びその継承の有無
・過去の稼働率、賃料推移
・各建物における各既存テナントの占有割合、分布割合
マーケット調査・商圏の状況(商圏人口、世帯数及び商業指標等)
・周辺の市場賃料、稼働率の調査
・周辺の競合物件の状況
・周辺の開発計画の動向
・テナントの需要動向
・テナント誘致の可能性
・物件の処分(売却)の可能性
収益性調査・賃貸借契約形態と賃料の安定性
・現行賃料と市場賃料の乖離状況と将来見通し
・テナント退去の可能性と代替テナント確保の容易性
・テナント入退居見込、賃料減額の見込等の有無
・PM会社/マスターリース会社による中長期的なリーシング方針
・公租公課の変動可能性(軽減措置期間の終了、再開発進行等による評価額の上昇等)
・プロパティ・マネジメント業務委託契約の形態と管理水準、報酬の適正性
・建物管理業務委託契約の形態と管理体制、管理水準、報酬の適正性
・水道光熱費等の水準とテナントからの戻入状況
・修繕履歴と修繕計画、現行の劣化状況を踏まえた予想修繕費、設備等の更新費等の負担及びその妥当性
・修繕積立の状況と積立金額の妥当性(区分所有等)
物理的調査立地調査・街路の状況、主要幹線道路へのアクセス状況
・鉄道等の公共交通機関の利便性
・周辺の土地利用状況、水害及び火災等の災害履歴
・周辺の利便施設、官公諸施設等の配置及び近接性
・地域の知名度及び評判、規模等の状況
・商圏の安定性及びその成長性、競合の状況、周辺での開発状況、転用の可能性(商業施設の場合)

調査項目内容
建物調査・意匠、主要構造、築年数、設計者・確認検査機関・施工業者等
・内外装の部材の状況
・賃貸可能面積、天井高、空調方式、床荷重、セキュリティ設備、電気容量、照明照度、区画割対応、防災設備、給排水設備、昇降機設備、駐車場その他共用設備の状況
・設計図書、建築確認通知書、検査済証等の書類調査
・外構、屋上、外装、設備等についての現地調査
・エンジニアリングレポートにおける長期修繕計画の検証
・建築基準法・都市計画法(昭和43年法律第100号、その後の改正を含みます。)(以下「都市計画法」といいます。)等関連法令の遵守状況等
・耐震性能(新耐震基準又は同等の耐震性能を有しているか、構造計算書の改ざん等はないか)
・地震PML値(予想最大損失率)の検証
・管理委託契約の内容(形態、仕様水準等)及び建物管理状況の良否、建物管理会社等へのヒアリング
・管理細則等の有無及びその内容、管理会社の質と信用力
環境調査・アスベスト・PCB等の有害物質の使用履歴、使用状況及び保管状況
・地質状況、土地利用履歴、土壌汚染状況等
法的調査権利関係・土地及び建物について、その権利関係(完全所有権、地上権、借地権、共有、分有、区分所有、区分所有の共有等)の把握と権利関係に付随する各種契約等の内容の検討
・隣接地所有者等との紛争の有無
・信託契約の内容
法令上の制限・遵法性、既存不適格の有無
・建築関連法規、条例、協定等による建築制限、用途制限、使用制限等の有無
契約関係・賃貸借契約、転貸借契約、使用契約等の調査
・テナントとの紛争の有無
境界調査・境界確定の状況、越境物の有無とその状況
・実測面積の確定状況
・境界紛争の有無

(ⅱ) 専門性、客観性及び透明性の確保
デューディリジェンスにおける調査項目のうち、主に以下の項目については、原則として専門性、客観性及び透明性の確保の観点から、第三者である外部の専門家に調査を委託します。
・不動産鑑定評価(価格調査)
・建物調査(エンジニアリングレポート、地震PML値算定等を含む)
・マーケット状況調査(マーケットレポート)
・テナントの事業及び財務調査(必要に応じて)
(ウ) フォワード・コミットメントに関する方針
フォワード・コミットメント(先日付での売買契約であって、契約締結日から1ヶ月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているもの及びその他これに類する契約をいいます。)を行う場合には、以下の点に留意します。
・ 売買代金の調達方法
・ 契約不履行に関する解約違約金に関して、当該違約金の水準が、ポートフォリオ全体の収支及び1口当たり分配金に与える影響(東京証券取引所の定める上場廃止要件を含みます。)
・ 売買契約締結から物件引渡しまでの期間における金融環境及び不動産市場等の変動見通し
(エ) ポートフォリオ運営・管理方針
(ⅰ) 年度運用管理計画の策定及び管理
本投資法人は、中長期にわたる安定した収益の確保と資産価値の維持・向上及びテナント満足度を高めることを目指し、以下の方法に基づき、賃貸収入や稼働率の維持・向上、適切な管理・修繕の実施、管理コストの適正化・効率化に努めます。
本資産運用会社は、運用ガイドラインに基づき、本投資法人の運用資産の運用に係る年度運用管理計画を策定し、年度運用管理計画に沿った運営・管理を行います。なお、年度運用管理計画の策定にあたっては、原則としてPM会社の協力により運用資産毎の詳細を検討します。
年度運用管理計画は、原則として本投資法人の決算期毎に見直し、必要に応じて変更します。また、それ以外の場合でも必要に応じて、その都度変更するものとします。
(ⅱ) リーシング方針
マーケット動向を調査・把握し、個々の運用資産における適正な賃貸条件等の検討を行うとともに、PM会社を最大限活用し、優良テナントの選定・誘致に努めます。
テナントとの賃貸借契約に際しては、本資産運用会社がその社内規定に従い信用度及び反社会的勢力との関係をチェックし、賃料水準、賃貸借契約形態、契約期間及び契約更新(再契約)の可能性等を総合的に判断するものとします。
(ⅲ) PM会社の選定・モニタリング
PM会社の選定に当たっては、不動産運営・管理の経験や能力、対象となる運用資産における実績、運用計画に沿った業務遂行の実現性、コスト水準、運用の継続性等を総合的に勘案し、本投資法人の収益向上に寄与する会社を選定します。
なお、業務の委託にあたり、「PM会社の定期評価及び選定手順書」等に基づき、PM会社の業務結果及び実績等の評価を定期的に行い、適正な業務遂行及び報酬レベルが維持できない場合は、当該PM会社との契約解除又は契約の不更新を検討します。
(ⅳ) 修繕計画・資本的支出に関する方針
中長期的な運用資産の収益の維持及び向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性、テナントニーズ等を考慮した個々の運用資産の修繕計画をPM会社と協議のうえ策定し、必要な修繕・資本的支出を行うものとします。
修繕及び資本的支出の実行に際しては、ポートフォリオ全体の減価償却費及び資金繰りを勘案して判断するものとします。但し、テナントの満足度向上に向けた政策上の観点から必要なものについては早期に実施するものとします。
(ⅴ) 付保方針
火災・事故等に起因する建物への損害や、第三者からの損害賠償請求等のリスクに対処するため、必要な火災保険及び損害賠償保険等を運用資産に付保します。
また、地震保険の付保については、地震の発生時に予想されるポートフォリオ全体に対する影響及び保険の実効性を考慮し、ポートフォリオPML値が15%を超える場合、又は個別物件のPML値が20%を超える場合において、ポートフォリオPML値が15%を超える部分又は個別物件のPML値が20%を超える部分に関して、地震保険を付保することを検討するものとします。
(オ) 売却方針
本投資法人は、中長期にわたって運用資産を保有し、収益の維持・向上を図ることを基本方針とします。但し、個々の運用資産の状態(将来の収益見通し等)、不動産マーケットの状況及びその分析等を勘案して最適なポートフォリオを維持するために必要であると判断する場合には、保有資産の売却を検討する場合があります。
売却に際しては、主に以下の観点から判断します。
・不動産マーケットの見通し
・当該運用資産の周辺状況の変化(競合環境、再開発等による周辺の環境改善等)
・当該運用資産の収益見通し(収益の増減見通し、修繕費・資本的支出の見通し等)
・当該運用資産の売却損益見通し
・ポートフォリオ構成(入替対象資産の有無、アセットタイプ毎の組入れ比率のバランス等)
(カ) 資産入替方針
本投資法人は、投資主利益の最大化を目的として、不動産マーケットの状況、本投資法人の投資口価格の水準及び1口当たり分配金の水準等を勘案し、以下の実施方針に基づき運用資産の売却及び新規資産取得を組み合わせた資産入替を検討します。
(ⅰ) 入替対象資産(運用資産)の将来にわたる収益貢献度(ポートフォリオの強化)
・運用資産の収益貢献度に対する定期的な評価(収益の安定性・成長性及び修繕費や資本的支出などライフサイクルコストの見通しと売却価格のバランス)
・取得可能資産の有無及び運用資産との収益貢献度の比較
・運用資産に対して異なる評価基軸を持つ不動産投資家の存在の有無
(ⅱ) アセットタイプ毎の不動産マーケット状況
・マクロ環境から見た投資対象アセットタイプ毎の投資環境評価及び当該評価に基づく有望アセットタイプの分析
・保有ポートフォリオにおける組入れ比率を増加/減少させるべきアセットタイプの有無
(ⅲ) 本投資法人の投資口価格の水準
・東証REIT指数などのマーケット指標と本投資法人の投資口の動向との比較
・本投資法人の投資口価格水準と一口当たりNAV水準との比較
・資産入替による売却損益の算定と既存投資主への還元の程度
(キ) 情報開示方針
(ⅰ) 本投資法人は、投資主に対し透明性を確保し、投資主の投資判断に必要な情報を適時かつ適切に開示するものとします。なお、法令諸規則において定められた開示事項以外の情報についても、投資主にとって必要と判断される情報については、適時かつ適切に開示する方針とします。
(ⅱ) 適時かつ適切な情報開示のため、本資産運用会社において、正確な情報を迅速に集約できる体制を構築するものとします。
(ⅲ) 必要に応じて外部の専門家(アドバイザー)に意見を求め、開示情報の正確性、分かり易さを追求します。

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