有価証券報告書(内国投資証券)-第9期(令和2年6月1日-令和2年11月30日)
(4)【投資法人の機構】
① 投資法人の統治に関する事項
(イ) 機関の内容
本投資法人の執行役員は1名以上、監督役員は2名以上(ただし、執行役員の員数に1を加えた数以上とします。)とされています(規約第43条)。
本書の提出日現在、本投資法人の機関は、投資主により構成される投資主総会に加えて、執行役員1名、監督役員2名、全ての執行役員及び監督役員を構成員とする役員会並びに会計監査人により構成されています。
a. 投資主総会
投信法又は規約により定められる本投資法人に関する一定の事項は、投資主により構成される投資主総会の決議によって決定されます。本投資法人の投資主総会の決議は、法令又は規約に別段の定めがある場合を除き、出席した当該投資主の議決権の過半数をもって行います(規約第40条)が、規約の変更(投信法第140条)等、投信法第93条の2第2項に定める決議(特別決議)は、発行済投資口の過半数の投資口を有する投資主が出席し、出席した当該投資主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行われます。ただし、規約に定める一定の場合を除き、投資主が投資主総会に出席せず、かつ、議決権を行使しないときは、当該投資主は、その投資主総会に提出された議案(複数の議案が提出された場合において、これらのうちに相反する趣旨の議案があるときは、当該議案のいずれをも除きます。)について賛成するものとみなされます(投信法第93条第1項、規約第41条)。
本投資法人の資産運用の対象及び方針は、規約に定められています(規約第3章「資産運用」)。かかる規約中に定められた資産運用の対象及び方針を変更する場合には、上記のとおり投資主総会の特別決議による規約の変更が必要となります。
本投資法人の投資主総会は、原則として2年に1回以上開催されます(規約第34条第1項)。
また、本投資法人は、本資産運用会社との間で資産運用委託契約を締結し、本投資法人の資産の運用に係る業務を委託しています。本資産運用会社が資産運用委託契約を解約するためには本投資法人の同意を得なければならず、執行役員はかかる同意を与えるために原則として投資主総会の承認を得る必要があります(投信法第205条)。また、本投資法人が資産運用委託契約を解約する場合にも原則として投資主総会の決議が必要です(投信法第206条第1項)。
b. 執行役員、監督役員及び役員会
執行役員は、本投資法人の業務を執行するとともに、本投資法人を代表して本投資法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有しています(投信法第109条第1項、第5項、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。)(以下「会社法」といいます。)第349条第4項)。ただし、本資産運用会社からの資産運用委託契約の解約への同意、投資主総会の招集、一般事務受託者への事務の委託、資産運用委託契約又は資産保管委託契約の締結又は契約内容の変更その他投信法に定められた一定の職務の執行については、役員会の承認を受けなければなりません(投信法第109条第2項)。監督役員は、執行役員の職務の執行を監督する権限を有しています(投信法第111条第1項)。
また、役員会は、一定の職務の執行に関する上記の承認権限を有する(投信法第109条第2項)ほか、投信法及び規約に定める権限並びに執行役員の職務の執行を監督する権限を有しています(投信法第114条第1項)。役員会の決議は、法令又は規約に別段の定めがある場合を除き、議決に加わることができる構成員の過半数が出席し、その過半数をもって行われます(投信法第115条第1項、会社法第369条第1項、規約第47条)。
投信法の規定(投信法第115条第1項、会社法第369条第2項)及び本投資法人の役員会規程において、決議について特別の利害関係を有する執行役員又は監督役員は議決に加わることができないこと及びその場合には当該執行役員又は監督役員は出席した執行役員及び監督役員の数に算入しないことが定められています。
執行役員又は監督役員は、その任務を怠り本投資法人に損害を与えた場合はこれを賠償する責任を負いますが(投信法第115条の6第1項)、本投資法人は、規約をもって、投信法の規定(投信法第115条の6第7項)に基づき、執行役員又は監督役員の投信法第115条の6第1項の責任について、当該執行役員又は監督役員が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該執行役員又は監督役員の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、役員会の決議をもって、法令に定める限度において、免除することができるものとしています(規約第49条)。
c. 会計監査人
本投資法人は、PwCあらた有限責任監査法人を会計監査人に選任しています。会計監査人は、本投資法人の計算書類等の監査を行う(投信法第115条の2第1項)とともに、執行役員の職務の執行に関して不正の行為又は法令若しくは規約に違反する重大な事実があることを発見した場合における監督役員への報告その他法令で定める業務を行います(投信法第115条の3第1項等)。
会計監査人は、その任務を怠り本投資法人に損害を与えた場合はこれを賠償する責任を負いますが(投信法第115条の6第1項)、本投資法人は、規約をもって、投信法の規定(投信法第115条の6第7項)に基づき、会計監査人の投信法第115条の6第1項の責任について、会計監査人が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該会計監査人の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、役員会の決議をもって、法令に定める限度において、免除することができるものとしています(規約第53条)。
(ロ) 内部管理及び監督役員による監督の組織、人員及び手続
本投資法人の役員会は、全ての執行役員及び監督役員により構成され(投信法第112条)、少なくとも3か月に1回以上開催されるものと定められています(投信法第109条第3項)。役員会においては、法令で定められた事項の承認に加え、執行役員による自己の業務の執行状況の報告や、本資産運用会社の役職員から業務執行状況の詳細についての報告等が行われています。
(ハ) 内部管理、監督役員による監督及び会計監査との相互連携
各監督役員は、専門家としての豊富な実務経験と専門的見地から、資産運用状況や執行役員の業務執行状況等の監督を行っています。
一方で、会計監査人は、決算期ごとに本投資法人の計算書類等の監査を行い、これらの承認を付議する役員会に先立ち監査報告会を開催し、監査内容を監督役員に報告します。また、会計監査人は、その職務を行うに際して執行役員の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは規約に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監督役員に報告しなければなりません(投信法第115条の3第1項)。
(ニ) 投資法人による関係法人に対する管理体制の整備の状況
a. 本資産運用会社に対する管理体制
執行役員又は監督役員は、必要と認めるときは、本資産運用会社の役職員を役員会に同席させ、業務執行状況等について説明をさせることができます。
b. 一般事務受託者及び資産保管会社に対する管理体制
執行役員又は監督役員は、必要と認めるときは、一般事務受託者及び資産保管会社の役職員を役員会に同席させ、業務執行状況等について説明をさせることができます。
c. その他の関係法人に対する管理態勢
前記以外の関係法人についても、必要と認めるときは、役職員を役員会に同席させ、業務執行状況等について説明をさせることができます。
② 投資法人の運用体制
前記のとおり、本投資法人は資産の運用を本資産運用会社に委託して行います。
(イ) 業務運営の組織体制
本資産運用会社の本投資法人の資産運用に関連する業務運営の組織体制は、以下のとおりです。
本資産運用会社は、上記組織の下、本投資法人より委託を受けた資産の運用に係る業務を行います。各種業務は、投資運用部、財務部、企画管理部及びコンプライアンス・オフィサーの各部署に分掌され、投資運用部、財務部及び企画管理部については、担当の部長が統括します。
また、資産の運用に関する審議を行う機関として投資委員会を、コンプライアンスに関する審議を行う機関としてコンプライアンス委員会を設置しています。
(ロ) 本資産運用会社の各組織の業務分掌体制
本投資法人の資産運用に関連する各組織の業務分掌体制は、以下のとおりです。
(ハ) 委員会の概要
各委員会の概要は、以下のとおりです。
a. 投資委員会
(注) 本書の提出日現在、本資産運用会社と利害関係を有さない不動産鑑定士1名が外部委員に選任されています。
b. コンプライアンス委員会
(注) 本書の提出日現在、本資産運用会社と利害関係を有さない弁護士1名が外部委員に選任されています。
③ 投資運用の意思決定機構
本資産運用会社は、規約及び運用ガイドラインに沿って、本投資法人から資産運用の一任を受けた資産運用会社として、運用実務ガイドラインを制定し、投資方針、利害関係人等との取引(利害関係人等取引規程に定める利害関係人等又は本資産運用会社と本投資法人の取引をいいます。以下同じです。)についてのルール、分配の方針、開示の方針等の投資運用に関する基本的な考え方について定めます。
また、本資産運用会社は、運用実務ガイドラインに従い、資産管理計画書を制定し、運用実務ガイドラインに定める投資方針、利害関係人等との取引についてのルールに従い、投資物件を選定し、その取得を決定します。
運用実務ガイドライン及び資産管理計画書の制定及び変更に係る意思決定フロー並びに資産の取得及び売却に係る意思決定フローは、以下のとおりです。
<運用実務ガイドライン及び資産管理計画書の制定及び変更に関する意思決定フロー>
<資産の取得及び譲渡に関する意思決定フロー>
(イ) 運用実務ガイドラインの制定及び変更に関する事項
運用実務ガイドラインは以下の手続に基づき制定及び変更します。
a. 投資運用部長並びにその指示のもとに本投資法人の資産の取得及び譲渡その他の運用に関する業務並びに本投資法人の資産の管理に関する業務等を担当する投資運用部の役職員(以下「投資運用担当者」といいます。)、並びに企画管理部長並びにその指示のもとに本投資法人の予算の立案及び執行管理その他の管理に関する業務等を担当する企画管理部の役職員(以下「企画管理担当者」といいます。)は、相互に協議の上、運用実務ガイドライン又はその変更を起案します。
b. 起案部署は、起案した運用実務ガイドライン又はその変更について、法令諸規則等の違反その他コンプライアンス上の問題点の有無の審査及び承認のために、コンプライアンス・オフィサーに対して上程します。
c. コンプライアンス・オフィサーにより承認された運用実務ガイドライン又はその変更については、投資委員会に上程されます。
d. 投資委員会により承認の決議がされた運用実務ガイドライン又はその変更については、コンプライアンス委員会による主としてリスク及びコンプライアンスの観点からの審議及び決議のために、上程されます。
e. コンプライアンス委員会により承認の決議がされた運用実務ガイドライン又はその変更については、取締役会に上程されます。
f. 取締役会で承認の決議がされた運用実務ガイドラインの制定又は運用実務ガイドラインの変更の中に重要事項が含まれる場合は、本投資法人の役員会に上程されます。
g. 取締役会で承認の決議がされた運用実務ガイドラインの変更の中に重要事項が含まれない場合は、取締役会での承認の決議により変更され、投資運用担当者は、遅滞なく本投資法人の役員会において、これを本投資法人の役員に対して報告するものとします。
h. コンプライアンス・オフィサーにより承認されなかった議案並びに本投資法人の役員会、本資産運用会社の取締役会、コンプライアンス委員会及び投資委員会において否決された議案は、いずれも起案部署に差し戻されます。
(ロ) 資産管理計画書の制定及び変更に関する事項
資産管理計画書は以下の手続に基づき制定及び変更します。
a. 投資運用担当者及び企画管理担当者は、相互に協議の上、一般社団法人投資信託協会(以下「投信協会」といいます。)制定の「不動産投資信託及び不動産投資法人に関する規則」に従い、必要な資産管理計画書又はその変更を起案します。
b. 起案部署は、起案した資産管理計画書又はその変更について、法令諸規則等の違反その他コンプライアンス上の問題点の有無の審査のために、コンプライアンス・オフィサーに対して上程します。
c. コンプライアンス・オフィサーにより承認された資産管理計画書又はその変更については、投資委員会に上程されます。
d. 投資委員会により承認の決議がされた資産管理計画書又はその変更については、コンプライアンス委員会に上程されます。
e. コンプライアンス委員会により承認の決議がされた資産管理計画書又はその変更については、取締役会に上程されます。
f. 取締役会により承認の決議がされた資産管理計画書又はその変更の中に重要事項が含まれる場合は、本投資法人の役員会に上程されます。
g. 取締役会により承認の決議がされた資産管理計画書又はその変更の中に重要事項が含まれない場合、取締役会での承認の決議により変更され、投資運用担当者は、遅滞なく本投資法人の役員会において、これを本投資法人の役員に対して報告するものとします。
h. コンプライアンス・オフィサーにより承認されなかった議案並びに本投資法人の役員会、本資産運用会社の取締役会、コンプライアンス委員会及び投資委員会において否決された議案は、いずれも起案部署に差し戻されます。
(ハ) 資産の取得及び譲渡に関する事項
資産の取得に関しては、投資運用担当者は、本投資法人に関する資産の取得にあたり、取引ごとに運用実務ガイドラインに定められたデュー・ディリジェンスを行い、投資適格資産を選定します。その上で、資産の取得に関しては、以下の手続に基づき決定します。なお、資産の譲渡に関しても、以下の手続を準用して決定します。
a. 投資運用担当者及び企画管理担当者は、相互に協議の上、法令諸規則等並びに運用実務ガイドライン及び資産管理計画書その他の規程に従い、資産の取得を起案します。
b. 起案部署は、起案した資産の取得について、法令諸規則等の違反その他コンプライアンス上の問題点の有無の審査のために、コンプライアンス・オフィサーに対して上程します。
c. コンプライアンス・オフィサーにより承認された資産の取得については、投資委員会に上程されます。
d. 投資委員会により承認の決議がされた資産の取得が、利害関係人等との取引に該当する場合は、コンプライアンス委員会に上程されます。
e. コンプライアンス委員会により承認の決議がされた利害関係人等との取引に該当する資産の取得及び投資委員会により承認の決議がされた利害関係人等との取引に該当しない資産の取得については、取締役会に上程されます。
f. 取締役会により承認の決議がされた資産の取得が、利害関係人等との取引に該当する場合は、本投資法人の役員会に上程されます。
g. 取締役会により承認の決議がされた資産の取得が、利害関係人等との取引に該当しない場合は、投資運用担当者は、遅滞なく本投資法人の役員会において、これを本投資法人の役員に対して報告するものとします。
h. コンプライアンス・オフィサーにより承認されなかった議案並びに本投資法人の役員会、本資産運用会社の取締役会、コンプライアンス委員会及び投資委員会において否決された議案は、いずれも起案部署に差し戻されます。
(注) ただし、投信法第201条の2に定める利害関係人等との取引に該当する場合には、あらかじめ本投資法人の役員会による承認を受けた本投資法人の同意を必要とします。
④ 投資運用に関するリスク管理体制の整備状況
本資産運用会社は、本投資法人の資産運用に関する諸リスクに対し、以下のとおりリスク管理体制を整備しています。
(イ) 運用実務ガイドライン及びリスク管理規程の策定・遵守
本資産運用会社は、規約における投資方針等の基本方針を実現するため、規約及び運用ガイドライン等に沿って運用実務ガイドラインを策定し、投資方針、利害関係人等との取引についてのルール、投資物件の取得及び売却並びに投資物件の運営管理に係る基本方針等を定めています。本資産運用会社は、運用実務ガイドラインを遵守することにより、投資運用に係るリスクの管理に努めます。
また、本資産運用会社は、リスク管理規程において、リスク管理の基本方針、リスク管理の統括者及び重大な問題の発見時の対応方法等を規定し、本資産運用会社が管理すべき主要なリスクとして、運用リスク、財務リスク、システムリスク、レピュテーション・リスク、コンプライアンスに関するリスク及び反社会的勢力に関するリスク等を定義し、取締役会や本資産運用会社のリスクに関する統括者であるチーフ・コンプライアンス・オフィサー及び各部署のリスク管理に関する責任者である各部署の部長の役割を定めています。なお、コンプライアンス・オフィサーは、各リスクの状況について、少なくとも半期ごとに1度又は必要な場合は随時、モニタリングの上、評価及び分析し、各部署に対して必要な勧告及び指示を与えるとともに、その結果につき、コンプライアンス委員会及び取締役会に報告することとされており、リスク管理体制の適切性又は有効性については、コンプライアンス・オフィサーが統括する内部監査及び下部機関による監査等により検証します(かかる内部監査による検証の詳細については、後記「(ロ) 内部監査による検証」をご参照下さい。)。
(ロ) 内部監査による検証
コンプライアンス・オフィサーは、内部監査を統括し、内部監査担当部署は全部署に対して原則として年に1回以上の割合で定期の内部監査を実施するほか、内部監査担当部署の判断により、臨時の内部監査を実施することができるものとし、また、代表取締役社長が特別に命じた場合には、特別監査を実施するものとします。内部監査は、各組織の業務及び運営が、金融商品取引法、投信法及び宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。)(以下「宅地建物取引業法」といいます。)等の法令、投信協会が定める諸規則及び本資産運用会社の社内規程等に従って、適切かつ効率的に行われているか否かの監査、不正又は重大な過失の発見及び未然防止のための監査、個人情報管理及び法人関係情報の管理を含む、各種の情報管理が適切に行われているか否かの監査並びにその他必要な事項の内部監査等を含むものとされています。内部監査担当部署は、内部監査実施後遅滞なく、内部監査の結果を取り纏めた内部監査報告書を作成し、これを代表取締役社長に提出し、また、必要に応じて取締役会等に報告するとともに、内部監査の結果を踏まえ、内部監査対象部署に対し、必要に応じて改善勧告又は改善指示を行い、その内容等を取締役会に報告します。内部監査担当部署は、改善勧告又は改善指示を受けた部署より受領した改善計画及び改善状況が不十分と判断した場合には、当該改善計画及び改善状況についての報告を取締役会に報告します。取締役会は、当該改善計画及び改善状況が不十分と判断した場合には、改善勧告又は改善指示を受けた部署又はコンプライアンス・オフィサーに対して追加の改善勧告又は改善指示を行うことができます。なお、取締役会又は内部監査担当部署は、本資産運用会社の業務運営の適切性を確認するためその他の理由により必要があると判断した時は、外部の専門家等による外部監査を行うことができます。
(ハ) 利害関係人等取引規程
後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 利害関係人等取引規程」をご参照下さい。
(ニ) 内部者取引等防止規程
本資産運用会社では、内部者取引等防止規程を制定し、本資産運用会社の役職員等によるインサイダー取引の防止に努めています。なお、同規程によれば、本資産運用会社の役職員等は、本投資法人が発行する投資口及び投資法人債の売買等を行う場合には、7営業日前までに所定の書式により、法人関係情報管理責任者に対して、売買等の内容を明記した届出書を提出するものとされています。
(ホ) フォワード・コミットメント等
フォワード・コミットメント等(先日付での売買契約であって、契約締結から1月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているもの、その他これに類する契約をいいます。以下同じです。)に係る物件は、決済までの間、本投資法人の貸借対照表には計上されずオフバランスとなりますが、当該期間中の当該物件の価格変動リスクは本投資法人に帰属することになります。このため、フォワード・コミットメント等を行う場合、本資産運用会社において、解約違約金、物件の取得額の上限及び契約締結から物件引渡しまでの期間の上限並びに決済資金の調達方法等についてのルールを定めたフォワード・コミットメント等に係る規程に基づき、当該リスクを管理しています。
① 投資法人の統治に関する事項
(イ) 機関の内容
本投資法人の執行役員は1名以上、監督役員は2名以上(ただし、執行役員の員数に1を加えた数以上とします。)とされています(規約第43条)。
本書の提出日現在、本投資法人の機関は、投資主により構成される投資主総会に加えて、執行役員1名、監督役員2名、全ての執行役員及び監督役員を構成員とする役員会並びに会計監査人により構成されています。
a. 投資主総会
投信法又は規約により定められる本投資法人に関する一定の事項は、投資主により構成される投資主総会の決議によって決定されます。本投資法人の投資主総会の決議は、法令又は規約に別段の定めがある場合を除き、出席した当該投資主の議決権の過半数をもって行います(規約第40条)が、規約の変更(投信法第140条)等、投信法第93条の2第2項に定める決議(特別決議)は、発行済投資口の過半数の投資口を有する投資主が出席し、出席した当該投資主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行われます。ただし、規約に定める一定の場合を除き、投資主が投資主総会に出席せず、かつ、議決権を行使しないときは、当該投資主は、その投資主総会に提出された議案(複数の議案が提出された場合において、これらのうちに相反する趣旨の議案があるときは、当該議案のいずれをも除きます。)について賛成するものとみなされます(投信法第93条第1項、規約第41条)。
本投資法人の資産運用の対象及び方針は、規約に定められています(規約第3章「資産運用」)。かかる規約中に定められた資産運用の対象及び方針を変更する場合には、上記のとおり投資主総会の特別決議による規約の変更が必要となります。
本投資法人の投資主総会は、原則として2年に1回以上開催されます(規約第34条第1項)。
また、本投資法人は、本資産運用会社との間で資産運用委託契約を締結し、本投資法人の資産の運用に係る業務を委託しています。本資産運用会社が資産運用委託契約を解約するためには本投資法人の同意を得なければならず、執行役員はかかる同意を与えるために原則として投資主総会の承認を得る必要があります(投信法第205条)。また、本投資法人が資産運用委託契約を解約する場合にも原則として投資主総会の決議が必要です(投信法第206条第1項)。
b. 執行役員、監督役員及び役員会
執行役員は、本投資法人の業務を執行するとともに、本投資法人を代表して本投資法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有しています(投信法第109条第1項、第5項、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。)(以下「会社法」といいます。)第349条第4項)。ただし、本資産運用会社からの資産運用委託契約の解約への同意、投資主総会の招集、一般事務受託者への事務の委託、資産運用委託契約又は資産保管委託契約の締結又は契約内容の変更その他投信法に定められた一定の職務の執行については、役員会の承認を受けなければなりません(投信法第109条第2項)。監督役員は、執行役員の職務の執行を監督する権限を有しています(投信法第111条第1項)。
また、役員会は、一定の職務の執行に関する上記の承認権限を有する(投信法第109条第2項)ほか、投信法及び規約に定める権限並びに執行役員の職務の執行を監督する権限を有しています(投信法第114条第1項)。役員会の決議は、法令又は規約に別段の定めがある場合を除き、議決に加わることができる構成員の過半数が出席し、その過半数をもって行われます(投信法第115条第1項、会社法第369条第1項、規約第47条)。
投信法の規定(投信法第115条第1項、会社法第369条第2項)及び本投資法人の役員会規程において、決議について特別の利害関係を有する執行役員又は監督役員は議決に加わることができないこと及びその場合には当該執行役員又は監督役員は出席した執行役員及び監督役員の数に算入しないことが定められています。
執行役員又は監督役員は、その任務を怠り本投資法人に損害を与えた場合はこれを賠償する責任を負いますが(投信法第115条の6第1項)、本投資法人は、規約をもって、投信法の規定(投信法第115条の6第7項)に基づき、執行役員又は監督役員の投信法第115条の6第1項の責任について、当該執行役員又は監督役員が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該執行役員又は監督役員の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、役員会の決議をもって、法令に定める限度において、免除することができるものとしています(規約第49条)。
c. 会計監査人
本投資法人は、PwCあらた有限責任監査法人を会計監査人に選任しています。会計監査人は、本投資法人の計算書類等の監査を行う(投信法第115条の2第1項)とともに、執行役員の職務の執行に関して不正の行為又は法令若しくは規約に違反する重大な事実があることを発見した場合における監督役員への報告その他法令で定める業務を行います(投信法第115条の3第1項等)。
会計監査人は、その任務を怠り本投資法人に損害を与えた場合はこれを賠償する責任を負いますが(投信法第115条の6第1項)、本投資法人は、規約をもって、投信法の規定(投信法第115条の6第7項)に基づき、会計監査人の投信法第115条の6第1項の責任について、会計監査人が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該会計監査人の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、役員会の決議をもって、法令に定める限度において、免除することができるものとしています(規約第53条)。
(ロ) 内部管理及び監督役員による監督の組織、人員及び手続
本投資法人の役員会は、全ての執行役員及び監督役員により構成され(投信法第112条)、少なくとも3か月に1回以上開催されるものと定められています(投信法第109条第3項)。役員会においては、法令で定められた事項の承認に加え、執行役員による自己の業務の執行状況の報告や、本資産運用会社の役職員から業務執行状況の詳細についての報告等が行われています。
(ハ) 内部管理、監督役員による監督及び会計監査との相互連携
各監督役員は、専門家としての豊富な実務経験と専門的見地から、資産運用状況や執行役員の業務執行状況等の監督を行っています。
一方で、会計監査人は、決算期ごとに本投資法人の計算書類等の監査を行い、これらの承認を付議する役員会に先立ち監査報告会を開催し、監査内容を監督役員に報告します。また、会計監査人は、その職務を行うに際して執行役員の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは規約に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監督役員に報告しなければなりません(投信法第115条の3第1項)。
(ニ) 投資法人による関係法人に対する管理体制の整備の状況
a. 本資産運用会社に対する管理体制
執行役員又は監督役員は、必要と認めるときは、本資産運用会社の役職員を役員会に同席させ、業務執行状況等について説明をさせることができます。
b. 一般事務受託者及び資産保管会社に対する管理体制
執行役員又は監督役員は、必要と認めるときは、一般事務受託者及び資産保管会社の役職員を役員会に同席させ、業務執行状況等について説明をさせることができます。
c. その他の関係法人に対する管理態勢
前記以外の関係法人についても、必要と認めるときは、役職員を役員会に同席させ、業務執行状況等について説明をさせることができます。
② 投資法人の運用体制
前記のとおり、本投資法人は資産の運用を本資産運用会社に委託して行います。
(イ) 業務運営の組織体制
本資産運用会社の本投資法人の資産運用に関連する業務運営の組織体制は、以下のとおりです。
本資産運用会社は、上記組織の下、本投資法人より委託を受けた資産の運用に係る業務を行います。各種業務は、投資運用部、財務部、企画管理部及びコンプライアンス・オフィサーの各部署に分掌され、投資運用部、財務部及び企画管理部については、担当の部長が統括します。
また、資産の運用に関する審議を行う機関として投資委員会を、コンプライアンスに関する審議を行う機関としてコンプライアンス委員会を設置しています。
(ロ) 本資産運用会社の各組織の業務分掌体制
本投資法人の資産運用に関連する各組織の業務分掌体制は、以下のとおりです。
部署名 | 業務の概略 |
取締役会 | 1. 本資産運用会社の経営に関する事項の審議及び決議 2. 本投資法人の運営及び資産運用に関する事項の審議及び決議 a. 投資委員会の決議を経て上程される事項の審議及び決議 b. コンプライアンス委員会の決議を経て上程される事項の審議及び決議 c. その他本投資法人の運営及び資産運用に関する事項の審議及び決議 |
投資運用部 | 1. 本投資法人の投資方針、運用方針及び投資対象資産の投資基準の策定に関する業務 2. 本投資法人の投資運用計画の立案に関する業務 3. 本投資法人の資産の取得に関する業務 4. 本投資法人の保有資産の譲渡に関する業務 5. 本投資法人の保有資産の賃貸借に関する業務 6. 本投資法人の保有資産の運営及び管理に関する業務 7. 本投資法人の保有資産の運用状況の報告に関する業務 8. その他上記に付随する業務 |
財務部 | 1. 本投資法人の資金調達計画の策定に関する業務 2. 本投資法人の投資口の発行に関する業務 3. 本投資法人の借入、その他資金調達に関する業務 4. 本投資法人の投資主等への対応に関する業務 5. 本投資法人の余資の運用に関する業務 6. 本投資法人の機関運営に関する業務 7. その他上記に付随する業務 |
企画管理部 | 1. 本投資法人の運用戦略、投資方針及び運用方針の策定に関する業務 2. 資産管理計画書の策定に関する業務 3. 本投資法人の予算の立案及び執行管理に関する業務 4. 本投資法人の保有資産に係る保険契約に関する業務 5. 本投資法人の法定開示に関する業務 6. 本投資法人の証券取引所への適時開示並びに任意開示に関する業務 7. 本投資法人の経理に関する業務 8. 本投資法人の決算及び税務に関する業務 9. 本資産運用会社の情報システム及び情報セキュリティに関する業務 10. 本資産運用会社の経理に関する業務 11. 本資産運用会社の機関運営に関する業務 12. 本資産運用会社の総務、人事等の経営管理に関する業務 13. 本資産運用会社に対する苦情等の処理に関する業務 14. その他上記に付随する業務 |
コンプライアンス・オフィサー | 1. 本資産運用会社の社内諸規程の立案及び改廃、資産運用業務に係る各種の意思決定、業務プロセス全般に係る法令等の遵守、その他コンプライアンスの観点からの確認、モニタリング及び指導 2. 本資産運用会社の各種会議体への付議事項の事前審査に関する業務 3. 本資産運用会社の各種決裁書の事前審査に関する業務 4. 本資産運用会社のコンプライアンス・プログラムの立案及び管理 5. 本資産運用会社のリスク管理に関する統括業務 6. 本資産運用会社の内部監査に関する業務 7. その他上記に付随する業務 |
(ハ) 委員会の概要
各委員会の概要は、以下のとおりです。
a. 投資委員会
委員 | 代表取締役社長、取締役、チーフ・コンプライアンス・オフィサー、各部の部長及び1名以上の外部委員(注)(取締役会において、本資産運用会社と利害関係を有さない不動産鑑定士から選任されます。) |
審議内容 | 1. 本資産運用会社の運用方針に関する重要な事項の審議及び決議 2. 本資産運用会社の行う金融商品取引業に係る資産の取得、処分及び運用管理に関する事項の審議及び決議(ただし、投資委員会が決定するものに限ります。) 3. 本資産運用会社の投資委員会規程の改廃に関する審議及び決議 |
審議方法 | ・ 投資委員会は、議決権を有する投資委員会委員の過半数の出席があった場合に開催されます。ただし、チーフ・コンプライアンス・オフィサー及び外部委員が出席しない場合には、投資委員会を開催することができません。 ・ 上記にかかわらず、緊急かつやむを得ない場合で、投資委員会を直ちに開催しない場合に本資産運用会社又は本資産運用会社の顧客等に重大な損害が生じるおそれがある場合には、投資委員会を開催することができます。 ・ 投資委員会の決議は、外部委員の賛成を含む出席した投資委員会委員の過半数により決します。ただし、当該議案について特別の利害関係を有する委員は、当該議決に加わることができません。 |
(注) 本書の提出日現在、本資産運用会社と利害関係を有さない不動産鑑定士1名が外部委員に選任されています。
b. コンプライアンス委員会
委員 | 代表取締役社長、取締役、チーフ・コンプライアンス・オフィサー、各部の部長及び1名以上の外部委員(注)(取締役会において、本資産運用会社と利害関係を有さない弁護士又は公認会計士から選任されます。) |
審議内容 | 1. 本資産運用会社がその社内規程として制定する利害関係人等取引規程(以下「利害関係人等取引規程」といいます。)に定める利害関係人等(以下「利害関係人等」といいます。)との取引に関する事項の審議及び決議 2. 本資産運用会社のリスク管理に関する重要な事項の審議及び決議 3. 本資産運用会社のコンプライアンス規程及びコンプライアンス委員会規程の改廃に関する事項の審議及び決議 4. 本資産運用会社に対する苦情等の処理に関する重要な事項の審議及び決議 5. チーフ・コンプライアンス・オフィサーが審議及び決議を求めた事項の審議及び決議 |
審議方法 | ・ コンプライアンス委員会は、コンプライアンス委員会委員の過半数の出席があった場合に開催されます。ただし、チーフ・コンプライアンス・オフィサー及び外部委員が出席しない場合には、コンプライアンス委員会を開催することができません。 ・ 上記にかかわらず、緊急かつやむを得ない場合で、コンプライアンス委員会を直ちに開催しない場合に本資産運用会社又は本資産運用会社の顧客等に重大な損害が生じるおそれがある場合には、コンプライアンス委員会を開催することができます。 ・ コンプライアンス委員会の決議は、チーフ・コンプライアンス・オフィサー及び外部委員の賛成を含む出席したコンプライアンス委員会委員の過半数により決します。ただし、当該議案について特別の利害関係を有する委員は、当該議決に加わることができません。 |
(注) 本書の提出日現在、本資産運用会社と利害関係を有さない弁護士1名が外部委員に選任されています。
③ 投資運用の意思決定機構
本資産運用会社は、規約及び運用ガイドラインに沿って、本投資法人から資産運用の一任を受けた資産運用会社として、運用実務ガイドラインを制定し、投資方針、利害関係人等との取引(利害関係人等取引規程に定める利害関係人等又は本資産運用会社と本投資法人の取引をいいます。以下同じです。)についてのルール、分配の方針、開示の方針等の投資運用に関する基本的な考え方について定めます。
また、本資産運用会社は、運用実務ガイドラインに従い、資産管理計画書を制定し、運用実務ガイドラインに定める投資方針、利害関係人等との取引についてのルールに従い、投資物件を選定し、その取得を決定します。
運用実務ガイドライン及び資産管理計画書の制定及び変更に係る意思決定フロー並びに資産の取得及び売却に係る意思決定フローは、以下のとおりです。
<運用実務ガイドライン及び資産管理計画書の制定及び変更に関する意思決定フロー>
<資産の取得及び譲渡に関する意思決定フロー>
(イ) 運用実務ガイドラインの制定及び変更に関する事項
運用実務ガイドラインは以下の手続に基づき制定及び変更します。
a. 投資運用部長並びにその指示のもとに本投資法人の資産の取得及び譲渡その他の運用に関する業務並びに本投資法人の資産の管理に関する業務等を担当する投資運用部の役職員(以下「投資運用担当者」といいます。)、並びに企画管理部長並びにその指示のもとに本投資法人の予算の立案及び執行管理その他の管理に関する業務等を担当する企画管理部の役職員(以下「企画管理担当者」といいます。)は、相互に協議の上、運用実務ガイドライン又はその変更を起案します。
b. 起案部署は、起案した運用実務ガイドライン又はその変更について、法令諸規則等の違反その他コンプライアンス上の問題点の有無の審査及び承認のために、コンプライアンス・オフィサーに対して上程します。
c. コンプライアンス・オフィサーにより承認された運用実務ガイドライン又はその変更については、投資委員会に上程されます。
d. 投資委員会により承認の決議がされた運用実務ガイドライン又はその変更については、コンプライアンス委員会による主としてリスク及びコンプライアンスの観点からの審議及び決議のために、上程されます。
e. コンプライアンス委員会により承認の決議がされた運用実務ガイドライン又はその変更については、取締役会に上程されます。
f. 取締役会で承認の決議がされた運用実務ガイドラインの制定又は運用実務ガイドラインの変更の中に重要事項が含まれる場合は、本投資法人の役員会に上程されます。
g. 取締役会で承認の決議がされた運用実務ガイドラインの変更の中に重要事項が含まれない場合は、取締役会での承認の決議により変更され、投資運用担当者は、遅滞なく本投資法人の役員会において、これを本投資法人の役員に対して報告するものとします。
h. コンプライアンス・オフィサーにより承認されなかった議案並びに本投資法人の役員会、本資産運用会社の取締役会、コンプライアンス委員会及び投資委員会において否決された議案は、いずれも起案部署に差し戻されます。
(ロ) 資産管理計画書の制定及び変更に関する事項
資産管理計画書は以下の手続に基づき制定及び変更します。
a. 投資運用担当者及び企画管理担当者は、相互に協議の上、一般社団法人投資信託協会(以下「投信協会」といいます。)制定の「不動産投資信託及び不動産投資法人に関する規則」に従い、必要な資産管理計画書又はその変更を起案します。
b. 起案部署は、起案した資産管理計画書又はその変更について、法令諸規則等の違反その他コンプライアンス上の問題点の有無の審査のために、コンプライアンス・オフィサーに対して上程します。
c. コンプライアンス・オフィサーにより承認された資産管理計画書又はその変更については、投資委員会に上程されます。
d. 投資委員会により承認の決議がされた資産管理計画書又はその変更については、コンプライアンス委員会に上程されます。
e. コンプライアンス委員会により承認の決議がされた資産管理計画書又はその変更については、取締役会に上程されます。
f. 取締役会により承認の決議がされた資産管理計画書又はその変更の中に重要事項が含まれる場合は、本投資法人の役員会に上程されます。
g. 取締役会により承認の決議がされた資産管理計画書又はその変更の中に重要事項が含まれない場合、取締役会での承認の決議により変更され、投資運用担当者は、遅滞なく本投資法人の役員会において、これを本投資法人の役員に対して報告するものとします。
h. コンプライアンス・オフィサーにより承認されなかった議案並びに本投資法人の役員会、本資産運用会社の取締役会、コンプライアンス委員会及び投資委員会において否決された議案は、いずれも起案部署に差し戻されます。
(ハ) 資産の取得及び譲渡に関する事項
資産の取得に関しては、投資運用担当者は、本投資法人に関する資産の取得にあたり、取引ごとに運用実務ガイドラインに定められたデュー・ディリジェンスを行い、投資適格資産を選定します。その上で、資産の取得に関しては、以下の手続に基づき決定します。なお、資産の譲渡に関しても、以下の手続を準用して決定します。
a. 投資運用担当者及び企画管理担当者は、相互に協議の上、法令諸規則等並びに運用実務ガイドライン及び資産管理計画書その他の規程に従い、資産の取得を起案します。
b. 起案部署は、起案した資産の取得について、法令諸規則等の違反その他コンプライアンス上の問題点の有無の審査のために、コンプライアンス・オフィサーに対して上程します。
c. コンプライアンス・オフィサーにより承認された資産の取得については、投資委員会に上程されます。
d. 投資委員会により承認の決議がされた資産の取得が、利害関係人等との取引に該当する場合は、コンプライアンス委員会に上程されます。
e. コンプライアンス委員会により承認の決議がされた利害関係人等との取引に該当する資産の取得及び投資委員会により承認の決議がされた利害関係人等との取引に該当しない資産の取得については、取締役会に上程されます。
f. 取締役会により承認の決議がされた資産の取得が、利害関係人等との取引に該当する場合は、本投資法人の役員会に上程されます。
g. 取締役会により承認の決議がされた資産の取得が、利害関係人等との取引に該当しない場合は、投資運用担当者は、遅滞なく本投資法人の役員会において、これを本投資法人の役員に対して報告するものとします。
h. コンプライアンス・オフィサーにより承認されなかった議案並びに本投資法人の役員会、本資産運用会社の取締役会、コンプライアンス委員会及び投資委員会において否決された議案は、いずれも起案部署に差し戻されます。
(注) ただし、投信法第201条の2に定める利害関係人等との取引に該当する場合には、あらかじめ本投資法人の役員会による承認を受けた本投資法人の同意を必要とします。
④ 投資運用に関するリスク管理体制の整備状況
本資産運用会社は、本投資法人の資産運用に関する諸リスクに対し、以下のとおりリスク管理体制を整備しています。
(イ) 運用実務ガイドライン及びリスク管理規程の策定・遵守
本資産運用会社は、規約における投資方針等の基本方針を実現するため、規約及び運用ガイドライン等に沿って運用実務ガイドラインを策定し、投資方針、利害関係人等との取引についてのルール、投資物件の取得及び売却並びに投資物件の運営管理に係る基本方針等を定めています。本資産運用会社は、運用実務ガイドラインを遵守することにより、投資運用に係るリスクの管理に努めます。
また、本資産運用会社は、リスク管理規程において、リスク管理の基本方針、リスク管理の統括者及び重大な問題の発見時の対応方法等を規定し、本資産運用会社が管理すべき主要なリスクとして、運用リスク、財務リスク、システムリスク、レピュテーション・リスク、コンプライアンスに関するリスク及び反社会的勢力に関するリスク等を定義し、取締役会や本資産運用会社のリスクに関する統括者であるチーフ・コンプライアンス・オフィサー及び各部署のリスク管理に関する責任者である各部署の部長の役割を定めています。なお、コンプライアンス・オフィサーは、各リスクの状況について、少なくとも半期ごとに1度又は必要な場合は随時、モニタリングの上、評価及び分析し、各部署に対して必要な勧告及び指示を与えるとともに、その結果につき、コンプライアンス委員会及び取締役会に報告することとされており、リスク管理体制の適切性又は有効性については、コンプライアンス・オフィサーが統括する内部監査及び下部機関による監査等により検証します(かかる内部監査による検証の詳細については、後記「(ロ) 内部監査による検証」をご参照下さい。)。
(ロ) 内部監査による検証
コンプライアンス・オフィサーは、内部監査を統括し、内部監査担当部署は全部署に対して原則として年に1回以上の割合で定期の内部監査を実施するほか、内部監査担当部署の判断により、臨時の内部監査を実施することができるものとし、また、代表取締役社長が特別に命じた場合には、特別監査を実施するものとします。内部監査は、各組織の業務及び運営が、金融商品取引法、投信法及び宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。)(以下「宅地建物取引業法」といいます。)等の法令、投信協会が定める諸規則及び本資産運用会社の社内規程等に従って、適切かつ効率的に行われているか否かの監査、不正又は重大な過失の発見及び未然防止のための監査、個人情報管理及び法人関係情報の管理を含む、各種の情報管理が適切に行われているか否かの監査並びにその他必要な事項の内部監査等を含むものとされています。内部監査担当部署は、内部監査実施後遅滞なく、内部監査の結果を取り纏めた内部監査報告書を作成し、これを代表取締役社長に提出し、また、必要に応じて取締役会等に報告するとともに、内部監査の結果を踏まえ、内部監査対象部署に対し、必要に応じて改善勧告又は改善指示を行い、その内容等を取締役会に報告します。内部監査担当部署は、改善勧告又は改善指示を受けた部署より受領した改善計画及び改善状況が不十分と判断した場合には、当該改善計画及び改善状況についての報告を取締役会に報告します。取締役会は、当該改善計画及び改善状況が不十分と判断した場合には、改善勧告又は改善指示を受けた部署又はコンプライアンス・オフィサーに対して追加の改善勧告又は改善指示を行うことができます。なお、取締役会又は内部監査担当部署は、本資産運用会社の業務運営の適切性を確認するためその他の理由により必要があると判断した時は、外部の専門家等による外部監査を行うことができます。
(ハ) 利害関係人等取引規程
後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 利害関係人等取引規程」をご参照下さい。
(ニ) 内部者取引等防止規程
本資産運用会社では、内部者取引等防止規程を制定し、本資産運用会社の役職員等によるインサイダー取引の防止に努めています。なお、同規程によれば、本資産運用会社の役職員等は、本投資法人が発行する投資口及び投資法人債の売買等を行う場合には、7営業日前までに所定の書式により、法人関係情報管理責任者に対して、売買等の内容を明記した届出書を提出するものとされています。
(ホ) フォワード・コミットメント等
フォワード・コミットメント等(先日付での売買契約であって、契約締結から1月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているもの、その他これに類する契約をいいます。以下同じです。)に係る物件は、決済までの間、本投資法人の貸借対照表には計上されずオフバランスとなりますが、当該期間中の当該物件の価格変動リスクは本投資法人に帰属することになります。このため、フォワード・コミットメント等を行う場合、本資産運用会社において、解約違約金、物件の取得額の上限及び契約締結から物件引渡しまでの期間の上限並びに決済資金の調達方法等についてのルールを定めたフォワード・コミットメント等に係る規程に基づき、当該リスクを管理しています。