有価証券報告書(内国投資証券)-第5期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)
(1)【投資方針】
① 本投資法人の基本理念及び特徴
(イ) 本投資法人の基本理念
本投資法人は、主として、再生可能エネルギー発電施設への投資を行うインフラ投資法人です。
本投資法人は、再生可能エネルギー発電施設に対する投資を通じて、長期安定的な投資機会を投資家に提供し、サステナブル(持続可能)な社会形成への貢献をすることを基本理念としています。
本投資法人は、今後さらなる拡大が期待される「グリーンインフラ」(注)という新たなアセットタイプへの投資機会を提供し、長期安定的なキャッシュ・フローの維持による安定性及び資産規模の拡大による成長性の両面を追求した中長期的な運用を通じて投資主価値の最大化を目指します。また、グリーンインフラに特化した本投資法人の成長は、わが国の投資市場の発展に貢献するとともに、地球に優しく安全性にすぐれたわが国のグリーンエネルギー自給に寄与するものと考えています。
本投資法人は、これらの基本理念を追求するため、規約に基づき、投資主より払い込まれた資金等を、再生可能エネルギー発電施設のうち、太陽光発電施設を中心に投資を行います。
(注) 「グリーンインフラ」とは、「環境にやさしい(=グリーン)」及び「産業や生活の基盤となる施設(=インフラ)」からなるアセットクラスを表す造語であり、再生可能エネルギー発電設備等を含みます。以下同じです。
(ロ) 本投資法人の特徴
a. わが国のグリーンエネルギー自給への貢献
2011年3月11日の東日本大震災に伴う悲惨な東京電力福島第一原子力発電所事故は、原子力発電の危険性と、安全なエネルギー源の重要性を日本国民に再認識させ、わが国のエネルギー政策の大きな転換点となりました。また、わが国はエネルギー資源の大半を海外からの輸入に依存しており、自国における自力でのエネルギー供給態勢が脆弱な状況です。加えて、地球温暖化への対応は、わが国のみならず全世界における共通の課題であり、温室効果ガス削減による低炭素社会の形成が望まれています。
再生可能エネルギーは、化石燃料と異なり、利用時に温室効果ガスである二酸化炭素を排出しないため、化石燃料の代替燃料として温室効果ガス削減に大きく貢献するものと考えられます。そして、再生可能エネルギーで発電を行う場合、設備の建設・廃棄等を含めたライフサイクル全体においても、化石燃料による発電に比べて二酸化炭素排出を大幅に削減できるため、環境にやさしい発電施設であるといえます。
本投資法人は、再生可能エネルギー発電施設への投資を通じて、輸入エネルギー資源に依存することなく、安全性が高く、温室効果ガス削減に資することになり、間接的に、わが国が直面するこれらの課題の解決に貢献できるものと考えています。
b. 安定的なキャッシュ・フローが見込まれる太陽光発電施設への投資
(a) 組入資産について
本投資法人は、主として、長期安定的なキャッシュ・フローを生み出している太陽光発電施設を中心とした再生可能エネルギー発電施設を投資対象としています。
本投資法人は、太陽光発電施設が、発電コストや電力供給の不安定性、発電効率等について課題はあるものの、メンテナンスが比較的容易かつ燃料調達の必要がないため、安定的な発電が期待できる再生可能エネルギー発電施設であり、また、固定価格買取制度により長期の買取価格が保証されていることから、安定したキャッシュ・フローを生み出す施設であると考えています。本投資法人への組入資産については、以下の基準を原則として、長期的な安定性を追求したポートフォリオの構築を図り、収入の安定化を実現することを目指します。
i 取得資産は、原則として、調達価格及び調達期間が確定し、かつ特定契約に基づく発電事業者(後記「2 投資方針 (1) 投資方針 ③ ポートフォリオ構築方針 (ハ) 本投資法人の投資対象」に定義します。)による電気の供給及び電気事業者による電気の買取が既に開始されて1年以上経過した太陽光発電施設であること
ii 各発電設備に対し、火災保険、地震保険(第三者による調査の結果一定程度の被害が想定される発電設備に限ります。)、利益保険及び損害賠償保険を適切に付すこと又は賃借人をして付させること
iii メンテナンス業務の外部委託により、適切なメンテナンスを実施すること
また、そのような長期安定的なキャッシュ・フローを生み出す再生可能エネルギー発電施設に対して地域分散投資をすることで、天候等の地域要因の影響を受けにくい、さらに安定したキャッシュ・フローを生み出すことが可能であると考えます。
本投資法人は、取得した再生可能エネルギー発電施設を賃借人に賃貸し、賃借人より基本賃料、及び、再生可能エネルギー発電施設の運営・維持管理等に要する費用等を控除した後の売電収入に連動した実績連動賃料を受領することで運用します。
(b) 賃料形態について
本投資法人は、再生可能エネルギー発電施設の賃貸借契約において、賃料を、原則として、基本賃料と実績連動賃料を組み合わせた形態としています。
各計算期間(注1)の基本賃料は、本投資法人の賃料収入の安定化を図るため、原則として、テクニカルレポートに記載された発電量予測値(P85)の想定売電収入(注2)から、発電設備運営に係る想定運営管理費用(注3)を控除した金額とします(注4)。
各計算期間の実績連動賃料は、原則として、当該計算期間の実績売電収入(注5)から、運営管理費用(注6)及び基本賃料を控除した金額(ただし、負の値となる場合は0円とします。)とします。
なお、実際の発電量が予測値を下回っても、基本賃料額を賃借人より収受する契約とします。また、SPCが賃借人となり、いちごECOエナジーがオペレーターとなる本投資法人の保有資産については、当該基本賃料額の支払債務をいちごECOエナジーが連帯保証することとしています。当該連帯保証に基づくいちごECOエナジーから本投資法人に対する支払が行われる場合の支払時期は、年1回、各計算期間の終了後とします。
(注1) 賃料計算の基礎となる原則1年間の期間であり、原則として、本投資法人の営業期間(毎年7月1日から翌年6月末日まで)と同じとします。なお、初回は本投資法人が賃貸に供する資産を取得した日からその直後に到来する6月末日まで、最終回は賃貸借期間の終了日の直前の7月1日から賃貸借期間の終了日までとする各期間をいいます。
(注2) 「発電量予測値(P85)」とは、超過確率P(パーセンタイル)85の数値(85%の確率で達成可能と見込まれる数値を意味します。以下同じです。)としてテクニカルレポートの作成者その他の専門家によって算出された発電電力量をいい、「発電量予測値(P85)の想定売電収入」とは、当該発電電力量に調達価格を乗じた想定売電収入をいいます。以下同じです。
(注3) 「運営管理費用」とは、再生可能エネルギー発電設備の運営・維持管理に関する費用(メンテナンス業者に対する報酬及び修繕費を含みます。)、オペレーター報酬、敷地等の地代、発電事業に関連して賃借人が負担する保険料、賃借人の管理に関する費用(事務管理委託料及び税務報酬を含みます。)、公租公課、その他、発電事業、再生可能エネルギー発電設備、敷地等又は賃借人に関する費用(再生可能エネルギー発電施設の賃貸借契約及びプロジェクト契約の規定に従って遂行された再生可能エネルギー発電施設の運営及び維持管理(オペレーターに委託する業務を含む。)に関して第三者又はオペレーターに対して負担する損害賠償又は補償義務の履行として支払う金銭を含みます。)の合計額をいい、「想定運営管理費用」とは、運営管理費用のうち、賃借人において当該計算期間に計上されるものの合計額として賃借人の事業計画に記載され、本投資法人が承認した金額をいいます。ただし、基本賃料を算出する際に用いる運営管理費用の算出に用いるオペレーター報酬は、当該計算期間に係る再生可能エネルギー発電設備の発電量が発電量予測値(P85)であったと仮定して算出されるオペレーター報酬の金額とします。以下同じです。
「オペレーター報酬」は、オペレーター報酬(固定)及びオペレーター報酬(変動)により構成されます。「オペレーター報酬(固定)」とは、発電量予測値(P85)の想定売電収入から想定運営管理費用(オペレーター報酬を除きます。)を控除した金額の3%相当額をいいます。「オペレーター報酬(変動)」とは、実績売電収入((注5)に記載する実績売電収入をいい、同注に記載の監視システムの計測による実績売電量と検針日に計量された実績売電量に差異が生じた場合の調整も行われます。)から運営管理費用(オペレーター報酬を除きます。)を控除した額と、発電量予測値(P85)の想定売電収入から想定運営管理費用(オペレーター報酬を除きます。)との差額の10%相当額をいいます(ただし、後者の方が大きい場合は0円とします。)。なお、賃借人がオペレーターを兼ねる発電施設についても、当該資産に係る賃貸借契約において、オペレーター報酬相当額が上記と同様の構成及び算式により定められ、当該資産に係る賃料の算定においてオペレーター報酬と同様に用いられます。以下同じです。
(注4) 各計算期間中に無補償の出力抑制が実施された場合、本投資法人及び賃借人は、別途協議の上、基本賃料の金額を調整することができるものとします。したがって、基本賃料は、あらかじめ決定される一定額の賃料の支払を必ず保証するものではありません。出力制御の概要は、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ハ) 出力制御を求められるリスク」をご参照ください。
(注5) 当該計算期間に含まれる各月の実績売電収入(いちごECOエナジーがその監視システムにより計測した当該月における再生可能エネルギー発電設備の発電量に調達価格を乗じ、当該月に計上された出力抑制補償金の金額及び当該月に計上された利益保険に係る受取保険金の金額を加算した額)の合計額とします。ただし、監視システムの計測による実績売電量と検針日に計量された実績売電量に差異が生じた場合は、本投資法人及び賃借人は、別途協議の上、各計算期間の半期(1月から6月、及び、7月から12月)ごとに実績連動賃料の金額を調整します。以下同じです。
なお、出力制御の概要は、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ハ) 出力制御を求められるリスク」をご参照ください。
(注6) 実績連動賃料を算出する際に用いる「運営管理費用」は、賃借人において各計算期間に実際に計上された運営管理費用とします。ただし、その際に用いるオペレーター報酬は、当該計算期間に実際に計上したオペレーター報酬の金額とします。以下同じです。
<再生可能エネルギー発電施設の賃貸借契約の賃料形態>
※基本賃料=発電量予測値(P85)の想定売電収入-想定運営管理費用
※実績連動賃料=実績売電収入-運営管理費用-基本賃料
(注1) 「追加実績運営管理費用」とは、実際に計上された運営管理費用(実績運営管理費用)が想定運営管理費用を超過した場合における当該超過分の費用をいいます。
(注2) 上図で表示されている発電量や賃料等は仮定にすぎず、将来の発電量や賃料等と必ずしも一致せず、それらを担保、保証又は予測するものでもなく、場合によっては大幅に乖離する可能性もあります。
c. 高度な技術に支えられたオペレーション
本投資法人の保有資産のオペレーターであるいちごECOエナジーは、いちごグループの中における再生可能エネルギーの専門会社として2012年11月28日に設立され、いちごグループの構造計算等不動産開発や権利調整のノウハウを活用し、不動産の新たな有効活用としての太陽光発電を中心としたクリーンエネルギー事業を主軸とし、日本各地において再生可能エネルギー発電施設の開発と運営を行っています。
いちごECOエナジーは、第2種・第3種電気主任技術者、第1種電気工事士・電気工事施工管理技士等の資格を有する役職員を擁し、太陽光発電施設に関する特有の運営ノウハウに加えて、いちごグループの一級建築士による架台の構造チェック等、いちごグループが不動産の開発・投資を通じて蓄積したノウハウもあわせて活用することにより、太陽光発電施設を開発しています。なお、EPC業者は、実績が豊富な大手EPC業者を中心に採用しています。また、パネルメーカーについても、マーケットシェアの高い国内外のグローバルメーカーを基本的に採用候補とし、いちごECOエナジーの技術員による製造ラインの実査、品質管理体制、国内保証体制等の審査を経たうえで採用を決定したパネルメーカーから調達しています。
また、いちごECOエナジーでは、商用運転を開始した太陽光発電施設について、監視カメラ、ストリング監視、統合監視システムによる運営管理システムを構築し、高機能の監視システムで事故・性能低下に素早く対応する体制を整備し、各地に所在する太陽光発電施設を運営しています。
本投資法人は、いちごECOエナジーを保有資産のオペレーターとして選定すること等により、いちごECOエナジーをはじめとするいちごグループが有する再生可能エネルギー発電設備の運営ノウハウ等を有効活用し、太陽光発電施設の安定的な稼働を目指します。
<リアルタイムで監視可能な発電設備運用管理体制>
<いちごECOエナジーの統合監視システムの画面>
<いちごECOエナジーのストリング監視システム>
(注) いちごECOエナジーのストリング監視システムを表示しています。接続箱内に設置されたストリング監視用機器で計測し、ストリングごとにステータスが確認でき、ストリング1本の出力低下を把握することができます。偏差が大きくなるとステータスが変わり、正常時の緑色から、注意(黄色)、警告(赤色)と変化し、異常が発見できます。
d. いちごグループの強力な成長サポート
いちごグループは、『日本を世界一豊かに。その未来へ心を尽くす一期一会の「いちご」』という理念の実現を最大の目標とし、(a)本投資法人のほか、J-REITであるいちごオフィスリート投資法人及びいちごホテルリート投資法人等を運用するアセットマネジメント事業、(b)不動産の保有期間中の賃料収入を享受しつつ、いちごグループの不動産技術、ノウハウを最大限に活かすことで資産価値の向上を図り、不動産の価値が向上した後に売却を行う、いちごグループの信条「心で築く、心を築く」のもと、既存不動産に新しい不動産価値を創造する心築(注)事業、(c)メガソーラー(太陽光発電)を始めとしたクリーンエネルギー事業の3つの事業を軸として事業展開を行っています。
いちごグループは、大手ゼネコン、デベロッパー出身者を中心とした業界内の強固なネットワークによる情報収集力と物件ソーシング力等、グループの機能連携によるきめ細やかなサービス体制を強みとしています。一級建築士を有するいちご株式会社によるリノベーションやコンバージョンでは不動産開発への高い対応力を発揮しています。これらのソーシング力、不動産開発能力は、太陽光発電施設の開発にも活かされています。
また、いちごグループは、太陽光発電設備を設置する敷地等の確保に当たっては、単なる太陽光発電設備の設置にとどまらず、地域貢献等の観点から様々な付加価値のある提案を行うこと等により、地方公共団体の入札による選定の場合を含め、数多くの敷地等を確保することに成功してきました。これは、地域経済への貢献を重視した事業計画の立案等に加え、太陽光発電事業者としての実績、グループ財務力等、いちごグループの総合力が評価された結果といえると本投資法人では考えています。
本投資法人は、いちごグループがこれまで培ってきた心築事業のノウハウや強力な再生可能エネルギー施設の運営体制ノウハウ及び関係者との間で多岐にわたるリレーションを活用し、効果的かつ戦略的な資本的支出の実施を通じて収益力の向上を図るとともに、再生可能エネルギー発電施設における外部成長ポテンシャルを背景に、いちごグループの強力なスポンサーサポートを通じて、規模の経済性を重視した着実な資産拡大を行うことにより、投資主価値の最大化を目指します。
(注) 「心築」とは、いちごグループが推進する事業を指すセグメント名として、2016年2月に従来の「不動産再生」から改称した造語であり、「心で築く、心を築く」を信条に、いちごグループの技術とノウハウを活用し、一つ一つの不動産に心をこめた丁寧な価値向上を図り、新しい不動産価値を創造する事業をいいます。以下同じです。
e. 本資産運用会社の確かな実績
本資産運用会社は、これまでいちごオフィスリート投資法人、いちごホテルリート投資法人等の運用を行っており、資産運用の豊富な実績を有しています。かかる資産運用を通じて培ってきた専門知識やノウハウを活かし、本投資法人の資産運用にあたっても、幅広いソーシング力を活用した資産取得、顧客のニーズを的確に捉えた商品開発、適切な財務戦略による安定的な財務基盤の構築等を目指します。
また、本資産運用会社は、これまでの実績からストラクチャードファイナンス(注)に関する知識・経験も相応に有しており、本投資法人の資産運用においては、それらのノウハウも活用し、本投資法人が投資対象とする再生可能エネルギー発電設備については、原則として一定の倒産隔離措置が講じられたSPCを発電事業者とすることで、スポンサー及びオペレーターの倒産による影響を限定し、投資家保護に資することを目指します。
(注) 「ストラクチャードファイナンス」とは、「仕組み金融」とも呼ばれ、仕組み上の工夫(金融技術を用いた手当て)がなされた上で行われる資金調達又はその手段・手法をいい、その手法は、資産の証券化・流動化取引、プロジェクトファイナンス、アセットファイナンス等において用いられています。
f. 利益超過配当・自己投資口の取得等の継続的な実施
本投資法人の保有資産の大半について、本投資法人が敷地等を取得せず、発電設備の賃借人となる発電事業者が別途土地を地権者から賃借するため、保有資産に占める土地の価格の割合は相対的に低いといえます。したがって、本投資法人が取得する資産の大半は減価償却の対象となり、会計上の利益とキャッシュ・フローとの間での差異が大きくなる傾向があります。本投資法人は当該差異から生じる現金を積極的に投資主に還元することを予定しています。
具体的には長期修繕計画に基づき想定される各計算期間の資本的支出の額に鑑み、長期修繕計画に影響を及ぼさず、かつ、資金需要(投資対象資産の新規取得、保有資産の維持・向上に向けて必要となる資本的支出等、本投資法人の運転資金、債務の返済及び分配金の支払等)に対応するため、融資枠等の設定状況を勘案の上、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した上で、本投資法人の財務状態に悪影響を及ぼさない範囲で、当該計算期間の減価償却費の40%に相当する金額を目途として、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を原則として毎計算期間継続的に実施する方針です。
上記にかかわらず、経済環境、再生可能エネルギー発電市場の動向、本投資法人の財務状況等を踏まえ、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施しない場合や上記目途よりも少ない金額にとどめる場合、又は一般社団法人投資信託協会(以下「投信協会」といいます。)の規則に定められる金額の範囲内で上記目途を超えた金額で実施する場合もあり得ます。なお、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施する場合は手元資金の減少を伴います。そのため、突発的な事象等により本投資法人の想定を超えて資金需要が発生した場合に手元資金の不足が生じる可能性や、機動的な資産取得に当たり資金面での制約となる可能性があります。利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施した場合、当該金額は出資総額又は出資剰余金から控除されます。
また、本投資法人は、投資主との合意により当該投資法人の投資口を有償で取得することができる旨を規約第8条第2項で定めており、当該規定に基づき、主として本投資法人の投資口が上場される東京証券取引所において、自己投資口を取得する可能性があります。自己投資口の取得は、経済的には利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同一の効果を有し、会計上も自己投資口の取得を実施した場合、当該金額は出資総額等の控除項目として計上されます。
本投資法人は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に代えて又は利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同時に自己投資口の取得を行う場合がありますが、自己投資口の取得も利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)とみなして、上記の利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に関する方針に従って、その実施の有無、金額等を決定するものとします。
<利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)及び自己投資口の取得のイメージ>
(注) 上記はあくまでイメージであり、本投資法人の損益における賃貸収入や利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)又は自己投資口の取得の金額等の比率等を示すものではありません。実際には、修繕や資本的支出への活用、借入金の返済、新規資産の取得資金への充当、自己投資口の取得等の他の選択肢についても検討の上、経済環境、再生可能エネルギー発電市場の動向、本投資法人の財務状況等を踏まえ、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施しない場合や予定よりも少ない金額にとどめる場合もあります。
② 本投資法人の成長戦略
(イ) 外部成長戦略
a. スポンサーサポートの活用
(a)スポンサーによるサポート
いちごグループは、これまでの太陽光発電施設の開発・運営を通して、高い事業運営ノウハウを有しています。本投資法人は、本投資法人の継続的かつ安定的な成長と発展を目的として、いちご株式会社との間で以下の内容を有するスポンサーサポート契約を締結しています。スポンサーは、スポンサーの判断により、いちごECOエナジーその他のスポンサーの子会社又は関連会社(ただし、本資産運用会社を除きます。)をして、スポンサーサポート契約に定めるスポンサーの権利の行使又は義務の履行を行わせるほか、これらの業務を行わせることができることとしています。なお、いちごグループは、スポンサーサポート契約に規定のないサポートについても、有償又は無償で本投資法人又は本資産運用会社に提供することがあります。
本投資法人は、スポンサーサポート契約等に基づき、いちごグループから外部成長及び内部成長に関連する様々なサポートやスポンサーのブランド力を活用することにより、今後、継続的にいちごグループからのパイプラインの供給を受け、ポートフォリオの拡大を図る方針であり、今後の本投資法人の成長に寄与するものと本投資法人は考えています。
(b)スポンサーサポート契約で定めるサポート業務の内容
スポンサーは、適用法令に反しない範囲において、以下の各号に掲げる業務を無償で本投資法人に提供するものとします。
i 本投資法人が取得する資産に関する情報提供、取得元の紹介及び資産取得業務等の支援
ii 本投資法人による取得機会の確保のための資産の取得及び保有
iii 本投資法人が取得又は保有する資産に関する次の業務
・ プロジェクト契約又は賃貸借契約の締結協議
・ オペレーター又はバックアップオペレーターとしての業務の提供、オペレーターの選定等支援
・ メンテナンス業者その他の再生可能エネルギー発電設備に係る業務受託者の選定等支援
iv 本投資法人が保有する資産の売却に関する情報提供、売却先の紹介及び売却業務等の支援
v 本投資法人に対する融資に関する情報提供、金融機関の紹介及びその実現に向けた支援等
vi 本投資法人に対する出資に関する情報提供、投資家の紹介、及びその実現に向けた支援等
vii その他、本投資法人又は本資産運用会社の業務に関する助言・補助等支援
(c)スポンサーサポート契約に基づく信用補完の提供
本投資法人は最適なタイミングでの再生可能エネルギー発電設備関係資産の取得を実現するため、継続的に成長投資を拡大しているいちごグループの上場グループとしての与信力をバックアップとして活用していくこととし、いちごグループによるスポンサーサポートの一環として、本投資法人とスポンサーは、本投資法人の要請がある場合、スポンサーが信用補完に係るサポートを有償で提供する旨を合意しています。
当該合意に基づき、本投資法人は、本投資法人に対する金融機関による融資若しくは投資家による出資、本投資法人による再生可能エネルギー発電設備関係資産の取得、これらに関連する事項、又はその他本投資法人の運営に資する事項について、スポンサーより本投資法人の信用補完を得る必要があると判断した場合、スポンサーに対し信用補完を要請することができます。スポンサーは当該要請があった場合において、当該要請が法令等に反することなく、かつ、スポンサーサポート契約の目的に合致すると判断した場合、個別合意書を締結した上で、スポンサーレターの提出、保証契約の締結、資産取得における代替買主としての役割の提供等の方法により、有償で、本投資法人の信用を補完します(以下、かかるサポートを「バックアップサポート」といいます。)。
バックアップサポートは、例えば、スポンサーが、本投資法人が再生可能エネルギー発電設備関係資産を取得できない場合の代替買主となること等により、売主が再生可能エネルギー発電設備関係資産を本投資法人に譲渡することを合意する上で一定の有意な効果をもたらし得るものと本投資法人は考えています。また、バックアップサポートは、上記のように資金調達ができないために本投資法人がバックアップサポート対象再生可能エネルギー発電設備関係資産を取得できないこととなった場合であっても、本投資法人が将来これらの再生可能エネルギー発電設備関係資産を、代替買主となったスポンサーから取得できる可能性を確保できるという意味においても、資産取得に関する有効なスポンサーサポートであると考えています。本投資法人では、今後、本投資法人の成長に寄与する物件取得に際し、信用補完の必要性等を考慮して、スポンサーと協議の上、スポンサーによるバックアップサポートを有効に活用していく方針です。
なお、信用補完の対価は、信用補完の対象となる取引内容及び市場環境等により異なるため、当該信用補完を得る必要のある具体的事項及び当該信用補完の提供に係る合理的な対価を検討の上、個別案件ごとに当事者間の協議によって決定することとなります。
b. 本資産運用会社のネットワーク
本投資法人は、いちごグループがこれまでの太陽光発電事業を通じて有している、地方公共団体、太陽光発電事業を営む他の事業会社、ファンド運営会社、個人事業主等の第三者とのリレーションやネットワークを活用するとともに、本資産運用会社がJ-REITであるいちごオフィスリート投資法人、いちごホテルリート投資法人等の資産運用を通じて培ってきた独自のネットワークを活用し、積極的にグループ外の事業者が開発した再生可能エネルギー発電施設の取得を検討することで、今後の本投資法人の外部成長に資するものと考えています。
(ロ) 内部成長戦略
a. 収益の向上を目指した高い運営管理
発電量が天候に大きく左右される太陽光発電では、パネルの小さな故障及び性能劣化が早期に発見されず放置されてしまう危険性があります。たとえ小さな発電量の低下であっても、発電性能の劣化は放置されたまま対処されないと長期運用では大きなロスにつながるため、故障及び劣化の早期発見と修繕はオペレーターの重要な責務と考えられます。
本投資法人の保有資産のオペレーターであるいちごECOエナジーは、北海道及び沖縄を含む日本各地の気候にあわせ、風雪に耐え得る堅固な発電設備を開発するとともに、稼働している全太陽光発電施設を統合監視システム・ストリング監視システムを用いてリアルタイムに運営管理しています。24時間作動の監視カメラで災害、侵入等の問題発生時に状況を把握するだけではなく、日射量、気象、パネル温度等を踏まえ、6秒ごとのリアルタイムで各発電設備の発電量と故障状況を的確に把握することで素早く対応し、発電ロスの拡大を防いでいます。また蓄積された発電量データの分析は、長期的に発電性能が劣化した太陽光パネルの早期発見と修繕に役立てられています。
本投資法人は、これらのシステムを活用することにより発電ロスの低減を目指すとともに、保有資産の適切な設備点検や修繕及び設備更新を実施することにより、中長期的な視点から資産価値の維持・向上を図り、収益の安定を目指します。
b. 適切な保守メンテナンス体制の維持
太陽光発電では、資産価値の維持向上を図りつつ、併せて、再生可能エネルギー発電施設からの収益を最大化させるとともに、発電ロスを最小化させるため、適切な管理・迅速な修繕を行うことが肝要です。
本投資法人は、賃借人をして、メンテナンス業者に委託します。
本投資法人は、太陽光発電施設の開発・運営に豊富な実績及び経験を有するいちごECOエナジーをオペレーターに選任し、オペレーターを通じて、メンテナンス業者を管理・監督し、適切な保守メンテナンス体制を維持しています。
c. 資産価値の維持・向上に資する修繕計画
本投資法人は、中長期的な運用資産の収益の維持向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性等を考慮した個別資産ごとの修繕計画を、オペレーター及びメンテナンス業者と協議の上策定し、必要な修繕及び資本的支出を行うものとします。修繕及び資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費もあわせて勘案して本投資法人が判断するものとします。ただし、運用資産のパフォーマンスの維持及び向上に資するものと本投資法人が合理的に判断したものについては、早期に実施するものとします。
なお、運営期間中に発生する再生可能エネルギー発電施設の維持、管理、修繕等に要する費用(再生可能エネルギー発電施設に賦課される公租公課、1件10万円以上の資本的支出を含みます。)は再生可能エネルギー発電施設の保有者たる本投資法人が負担することとし、それ以外の再生可能エネルギー発電施設の日常的な維持、管理、修繕等に要する費用(1件10万円未満の資本的支出を含みます。)並びに本投資法人が被保険者となる再生可能エネルギー発電設備に係る火災保険及び地震保険並びに賃借人が被保険者となる売電収入に係る利益保険の保険料その他再生可能エネルギー発電設備を運営・維持管理するにあたって必要となる上記以外のすべての費用(発電事業に賦課される事業税を含みます。)は原則として賃借人が負担することとします。
③ ポートフォリオ構築方針
(イ) ポートフォリオ構築方針の基本的な考え方
本投資法人は、再生可能エネルギー発電施設を主たる投資対象とします。なお、本投資法人の保有資産のすべてが太陽光発電施設です。
本投資法人は、中小規模の発電量を有する太陽光発電施設を中心に投資を行う一方で、ポートフォリオのバランスを勘案して大規模の太陽光発電施設に投資(匿名組合出資持分の一部取得を含みます。)を行うことで設備規模の分散を図りつつ、立地的な条件を加味した上で地域分散投資を行います。
具体的には、太陽光発電施設への投資に際して、設備規模、立地(日射量、気候その他の気象条件、接続電気事業者(後記「(ハ) 本投資法人の投資対象」に定義します。)との系統連系の容易性その他の立地条件を含みます。)、太陽電池モジュール(太陽光パネル)及びパワーコンディショナーその他の機器・資材の製造業者及び性能その他の技術的要件、当該発電設備の過去における発電実績、再エネ特措法に基づく固定価格買取制度における調達価格及び残存する調達期間その他の固定価格買取制度の適用条件、並びに敷地等の取得・使用条件又は賃借等の条件を総合的に検討し、投資対象の選定を行います。
太陽光発電施設以外の再生可能エネルギー発電施設への投資に際しても、太陽光発電施設への投資に準じた検討を行います。以下同じです。
(ロ) 本投資法人の投資対象地域
本投資法人が取得を検討する再生可能エネルギー発電施設は、原則として、日本国内に立地するものとします。なお、日本国内の地域別の投資割合は特に定めないものとしますが、既存ポートフォリオにおける地域的なバランス、再生可能エネルギー発電施設所在地管内の電力需要を勘案しつつ対応します。
(ハ) 本投資法人の投資対象
本投資法人は、取得時において既に安定的な売電収入が確保されている再生可能エネルギー発電施設(原則として、再生可能エネルギー発電事業の実施に関する計画(以下「再生可能エネルギー発電事業計画」といいます。)について経済産業大臣による認定(再エネ特措法第9条第3項の認定をいい、認定を受けた者を「認定事業者」といいます。なお、文脈に応じて、2017年4月1日施行の電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律(平成28年法律第59号)(以下「再エネ特措法改正法」といいます。)による改正前の再エネ特措法(以下「旧再エネ特措法」といいます。)第6条第1項の認定を含む場合があります。以下同じです。)を受け、認定事業者が既に発電事業者(注1)から電気を買い取る電気事業者(注2)(以下「買取電気事業者」といいます。)との間で再エネ特措法第2条第5項に定める特定契約(調達期間を越えない範囲の期間にわたり、認定を受けた者が電気事業者に対し再生可能エネルギー発電設備で発電した電気を供給することを約し、電気事業者が調達価格によりこれを調達することを約する契約をいい、以下「売電契約」ともいいます。以下同じです。)を締結し、接続電気事業者(再生可能エネルギー発電設備を電気的に接続する電線路を維持し、及び運用する電気事業者をいいます。以下同じです。)との間で接続契約(注3)を締結し(なお、買取電気事業者と接続電気事業者とは同一の者であることを要しないこととします。)、接続電気事業者との系統連系が完了し、かつ、当該特定契約に基づく電気の供給を既に開始し、本投資法人の取得時点で1年以上の売電実績を有する再生可能エネルギー発電施設とします。)を取得することとします。なお、売電実績が1年未満の場合には、売電実績が1年以上となるまでいちごグループがウェアハウジング(注4)することを前提とします。また、開発型再生可能エネルギー発電施設への投資(自ら敷地等を取得後再生可能エネルギー発電設備の建設を行う方法)は原則として行いません。
本投資法人は、固定価格買取制度の適用を受ける再生可能エネルギー発電施設に投資する際には、当該時点における物価水準等の経済環境を踏まえて、当該再生可能エネルギー発電施設に適用される調達価格、残存する調達期間及び出力制御のルールその他の固定価格買取制度の適用条件を考慮します。
本投資法人は、パネル出力1~2MW規模の太陽光発電施設を中心に投資しつつも、ポートフォリオのバランスを勘案しながらより大規模の太陽光発電施設にも投資します。太陽光発電施設に投資する際には、当該太陽光発電施設について締結されている特定契約及び接続契約の条件を考慮します。なお、特定契約に基づく電気の買取価格は、当該太陽光発電設備に適用ある調達価格と同額又は実質的にそれ以上の金額とします。
(注1) 本書において、「発電事業」とは、別段の記載のない限り、再生可能エネルギー発電設備を用いて電気を発電する事業をいい、電気事業法(昭和39年法律第170号。その後の改正を含みます。以下「電気事業法」といいます。)第2条第1項第14号に規定する発電事業に限られません。また、「発電事業者」とは、別段の記載のない限り、再生可能エネルギー発電設備を用いて電気を発電する事業を営む者をいい、電気事業法第2条第1項第15号に規定する発電事業者に限られません。以下同じです。
(注2) 「電気事業者」とは、再エネ特措法第2条第1項に規定する電気事業者をいい、旧再エネ特措法との関係では、主に、東京電力エナジーパートナー株式会社、中部電力ミライズ株式会社その他の大手電力会社8社その他の小売電気事業者(電気事業法第2条第1項第3号に規定する小売電気事業者をいいます。以下同じです。)を指し、再エネ特措法との関係では、東京電力パワーグリッド株式会社、中部電力パワーグリッド株式会社その他の大手電力会社8社の送配電子会社からなる一般送配電事業者(電気事業法第2条第1項第9号に規定する一般送配電事業者をいいます。以下同じです。)並びに特定送配電事業者(電気事業法第2条第1項第13号に規定する特定送配電事業者をいいます。また、一般送配電事業者と特定送配電事業者を併せて「送配電事業者」といいます。以下同じです。)を指します。以下同じです。
(注3) 「接続契約」とは、再生可能エネルギー発電設備と接続電気事業者が維持し、及び運用する電線路とを電気的に接続すること及びその条件を定める契約をいいます。なお、契約締結当初の接続電気事業者である電力会社の分社化により、接続契約上の地位及び権利義務の一部又は全部が特定契約上の地位及び権利義務とともに買取電気事業者である当該電力会社の子会社に承継されている場合があります。この場合でも、発電事業者は、一般送配電事業者が定める託送供給等約款における発電者に関する事項(給電指令(出力抑制)の実施、託送供給等に伴う協力、発電場所の立ち入り等)について遵守する必要があります。以下同じです。
(注4) 「ウェアハウジング」とは、将来の本投資法人による取得を目的として、対象資産の取得及び一時的な保有を行うことをいいます。
(ニ) デューディリジェンス方針
再生可能エネルギー発電施設の取得にあたっては、下記にあげる調査項目に基づいて、経済的調査、物理的調査及び法律的調査を実施し、十分なデューディリジェンスを行います。なお、デューディリジェンスに際しては、原則として、専門性・客観性・透明性確保のため、バリュエーション調査、技術調査、ハザード情報調査等を、利害関係を有しない独立した外部業者へ委託し、その結果をもとに詳細に検討します。
(注1) 「不動産鑑定」とは、不動産の鑑定評価に関する法律(昭和38年法律第152号。その後の改正を含みます。)並びに国土交通省の定める不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項に基づき、土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利の経済価値を判定し、その結果を価額に表示することをいいます。
(注2) 「バリュエーションレポート」とは、投信法等の諸法令、投信協会の定める諸規則並びに本投資法人の規約に定める資産評価の方法及び基準に基づき、再生可能エネルギー発電設備の価格等の調査をし、その結果の報告を行う書類をいいます。
(注3) デューディリジェンスの結果を踏まえて取得価格を算定する際、バリュエーションレポート、不動産鑑定評価書及びテクニカルレポートの記載内容等を活用する方針ですが、例外的に活用しない場合には、採用した数値等の妥当性を検証するとともに、その根拠を記録保存します。
(ホ) 再生可能エネルギー発電設備の設置、保守、運用に必要な用地の確保
再生可能エネルギー発電設備の設置、保守、運用に必要な用地(送電線敷設用地を除き、以下「事業用地」といい、事業用地及び事業用地を使用する借地権その他の権利を併せて「事業用地等」といいます。)は、原則として、所有権、賃借権又は地上権によって確保することとし、原則として、登記により対抗要件を具備するものとします。賃借権又は地上権の場合は、原則として、その設定期間を20年以上とすることとしています(注)。
送電線敷設用地は、その属性及び使用目的に従い適切な使用権原又は使用のための許認可を確保することとします。
なお、原則として上記の用地に係る権利は賃借人に取得させることとしますが、必要に応じて本投資法人が取得する場合もあります。
(注) 本投資法人の保有資産の一部の事業用地等に係る賃貸借契約については、賃貸借契約上の契約期間が20年以上ではありませんが、原則として賃借人の意思のみで契約期間を更新できる規定を置く等により当該期間の確保に努めることを想定しています。また、本投資法人の保有資産の事業用地等に係る賃貸借契約は、必ずしも固定価格買取期間の満了までの期間を満たしているとは限りませんが、将来賃貸人及び賃借人間の合意により契約期間を更新すること等により将来的には当該期間を確保できるように努めることを想定しています。
(ヘ) 事業用地の境界確定に関する方針
a. 境界確定を実施する場合(原則)
本投資法人が再生可能エネルギー発電設備を取得するにあたっては、本投資法人がその事業用地を取得するか否かにかかわらず、隣地との間の境界が確定していることを原則とし、境界が確定していない場合には境界確定を実施します。
b. 境界確定を実施しない場合(例外)
他方、以下のいずれかに該当する場合には、例外的に、境界の確定を実施しないこととします。ただし、再生可能エネルギー発電設備の敷地等及びその隣地の状況又は隣地との関係その他の事情に鑑み、境界の確定を実施することを妨げません。
・ 隣地が国若しくは地方公共団体又はこれらに準ずる団体(地方公社等)が所有していると思料される道路、河川、水路、公園等の公共施設に係る土地である場合。なお、当該国若しくは地方公共団体又はこれらに準ずる団体から境界に関する指摘がなされておらず、境界確定を行うことが実務上難しい場合に限ります。なお、再生可能エネルギー発電設備の取得にあたって、原則として、当該国若しくは地方公共団体又はこれらに準ずる団体に対して、境界に関する問題を認識しているか否かの確認を行います。
・ 境界と再生可能エネルギー発電設備(例えば、太陽光発電設備の場合においては、アレイ(太陽電池モジュールの列))との間に十分なバッファーがあり(注)、かつ、隣地所有者の属性、隣地所有者と当該敷地等の現所有者との関係並びに当該敷地等に設置されている再生可能エネルギー発電設備に対する隣地所有者の認識その他の状況を総合的に勘案し、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じる可能性が低いと判断できる場合。ただし、隣地(道路を除く。)の境界と再生可能エネルギー発電設備との間に十分なバッファーがない箇所がある場合、隣地所有者との間で当該部分について境界に関する問題が生じていないことを確認する書面を交わすか、当該箇所について部分的に境界確定を実施する等の措置を取ります。
ただし、境界の確定を実施しない場合、本投資法人は、原則として、再生可能エネルギー発電設備に係る売買契約において、境界未確定の部分においてフェンス、アレイその他の設備が隣地に越境していることが判明した場合、当該設備の移設その他越境の解消に要する費用を売主に負担させることとします。なお、売主に対して費用請求できる期間については、一定の制限(原則として2年間)を設けることがあります。さらに、売主がSPCである場合、プロジェクト契約において、オペレーターであるいちごECOエナジーに、かかる越境の解消に関する業務の補助及び事務代行を売主から受託させるとともに、越境の解消に要する費用についての売主の支払義務を連帯保証させることとします。
(注) 「境界と再生可能エネルギー発電設備との間に十分なバッファーがある場合」に該当するか否かは、本資産運用会社の社内規程に基づき、境界とフェンス、(太陽光発電設備の場合においては)アレイその他の設備との距離並びに境界部分及びその周辺の地形その他の状況を総合的に勘案して判断します。かかる文脈における「境界」とは、公図、現地の状況、周辺の境界標等を勘案して境界が存在すると推測される箇所をいいます。以下同じです。
④ 運営管理方針
(イ) オペレーターの選定基本方針
a. オペレーター
本投資法人は、その資産の運営を円滑に行うための経営体制、財務基盤及び業務執行体制を有している者をオペレーターとして選定し、賃借人から本投資法人の保有資産に係る運営管理業務を委託します。
オペレーターの選定に際しては、以下のオペレーターの選定基準に従い、経験・実績、組織・体制、財務基盤・財務状況及び反社会的勢力への非該当性を確認するものとします。
本投資法人の保有資産は、その売買契約の締結時及び売買実行時において以下のオペレーターの選定基準をいちごECOエナジーが満たしており、かつ、同社は高い運営実績を有していることから、いずれもいちごECOエナジーをオペレーターとしています。オペレーター選定基準を満たす限り、今後取得する資産に関してもいちごECOエナジーがオペレーターとなる場合があります。
b. オペレーターの選定基準
オペレーターは、以下のオペレーターの選定基準を満たすことを条件として、資産の特性、管理の継続性その他の諸事情等を総合的に勘案して選定するものとします。なお、本投資法人の保有資産は、いずれもいちごECOエナジーをオペレーターとしていますが、いちごECOエナジー以外の会社をオペレーターに選定する場合には、原則として、いちごECOエナジーをバックアップオペレーターとして選定します。バックアップオペレーターを選定する場合にも、以下のオペレーターの選定基準を満たすことが条件となります。
いちごECOエナジーをオペレーター又はバックアップオペレーターに選定する場合は、利益相反取引防止の観点から、利害関係者取引規程に従います。
(a) 経験・実績(会社概要、沿革、過去の事業実績、運営管理件数、運営管理規模)
オペレーターの選定に際しては、原則として、以下の実績があることとします。
・ 商用運転を開始した当該種類の再生可能エネルギー発電設備の運営に関する実績が2年以上あること。
・ 過去2年間において当該種類の再生可能エネルギー発電設備の運営に関する実績が5件以上あること。ただし、その出力が1,000kW以上で、かつ、商用運転段階において1年以上運営を継続したものに限ります。
(b) 組織・体制
i 社内組織・社内体制
・ 当該種類の再生可能エネルギー発電設備の運営管理業務に携わる人員が常時5名以上(そのうち1年以上の当該業務経験を有している者が3名以上)存在し、そのうち責任者の地位にある者は、2年以上の当該業務経験及び当該業務に係る十分な知識を有していること。
・ コンプライアンス(法令遵守)に関する十分な社内体制を有していること(例えば、(i)オペレーター又はその親会社が金融商品取引所に上場されている等により当該事項を確認できる公表資料(金融商品取引法又は東京証券取引所の規則に基づく開示書類を含みます。)が存在する場合であれば、当該公表資料を精査し、(ii)オペレーター又はその親会社が金融商品取引所に上場されている場合であれば、定期的な内部監査を受けていることを確認し、かつ、(iii)あらかじめコンプライアンスに関する社内体制について必要に応じ質問(法令等遵守態勢、内部通報制度、苦情等への対応、顧客情報等の保護、内部者取引の防止、反社会的勢力への対応、犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成19年法律第22号。その後の改正を含みます。)への対応、リスク管理態勢、危機管理態勢、内部監査態勢等に関するもの)を行い、書面による回答を精査して確認します。)。
・ 再生可能エネルギー発電設備に関するクレーム対応能力を有していること。
ii システムによる監視体制
・ 上記「i 社内組織・社内体制」に記載の人員を配置する事務所において、遠隔地の再生可能エネルギー発電設備及びその発電状況をモニタリングするための体制・システム(監視カメラ/ストリング監視を含みます。)が構築されていること。
iii 再生可能エネルギー発電設備の運営・維持管理に係る業務の委託先の管理・監督体制
・ 再生可能エネルギー発電設備の運営・維持管理業務(運営管理業務、保守点検業務、電気保安業務等)の委託状況のモニタリングを第一次的に行うための体制・システムが構築されていること。
・ 委託先より、委託に係る業務に係る報告書を取得するほか、当該業務の遂行状況等を適時に聴取できる体制が整備されていること。
・ 上記対応が可能となるよう各関連契約上必要な条項が規定されていること。
iv 操業報告書の作成能力
・ 上記「iii 再生可能エネルギー発電施設の運営・維持管理に係る業務の委託先の管理・監督体制」に定める各委託業務に係る報告書を受領後、プロジェクト契約に従い各発電設備の操業に係る報告書を作成できる体制が整備されていること。
(c) 財産基盤・財務状況
財産基盤・財務状況について、以下の条件を満たすものとします。
・ 当該対象者の直近の連続する2決算期における単体の損益計算書又はかかる連続する2決算期における連結の損益計算書に示される経常損益が損失となっているものではないこと。ただし、当該対象者に完全親会社等(会社法第847条の3第2項に規定する完全親会社等をいいます。以下同じです。)がある場合は、当該対象者の最終完全親会社等(会社法第847条の3第1項に規定する最終完全親会社等をいいます。以下同じです。)の連結の損益計算書にて判断します。
・ 当該対象者が過去2年間において債務超過となっていないこと。
・ その他、当該再生可能エネルギー発電施設の運営を行うのに必要な財務状況を有することに合理的な疑いを生じさせる事項がないこと。
(d) 反社会的勢力への非該当性
本資産運用会社が定める「反社会的勢力排除基本規程」に基づき、次に掲げる「反社会的勢力」に該当しないこととします。
i 暴力団、暴力団員、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標榜ゴロ、政治活動標榜ゴロ、特殊知能暴力集団等又はこれらに準ずるもの
ii 上記iに定める者と人的、資本的又は経済的(不当な利益供与を行う経済取引を含みます。)に深い関係があると認められるもの
iii 自ら又は第三者を利用して、以下の行為を行い、又は行うおそれのあるもの
・ 自ら又は自らの関係者が反社会的勢力であると標榜する行為
・ 詐術、暴力的行為又は脅迫的言辞を用いる行為
・ 名誉や信用等を毀損する行為
・ 業務を妨害する行為
・ 違法薬物等を製造・販売・斡旋又は購入・使用する行為
・ 上記に定めるほか、違法行為又は法的な責任を超えた不当要求行為
iv 金融・不動産市場の秩序を乱して、市場参加者に不測の損害を与え、又はそのおそれのあるもの
v いちごグループのレピュテーションに悪影響を与えるような、社会的に好ましくない風評があると認められるもの
vi 過去において上記i~vに該当したもの
c. オペレーターのリスクの軽減
原則として、オペレーターの業況悪化時に本投資法人のみの裁量によりオペレーターとの契約を解除できるような仕組みにすること、また、契約終了時において、新たなオペレーターへの承継に協力することを義務化することにより、オペレーターの業況悪化時における新たなオペレーターへの交代を可能とし、オペレーターリスクの軽減を図っています。
(ロ) 運営方針
a. 賃借人
原則として、再生可能エネルギー発電施設において発電事業者となる第三者に当該再生可能エネルギー発電施設を一括して賃貸します。賃借人は、本投資法人から発電施設を借り受け、買取電気事業者から売電収入を受領し、本投資法人に賃料を支払います。
賃借人となる当該第三者の選定・対応については、原則として、一定の倒産隔離措置が講じられたSPCを賃借人とします。ただし、SPCではなくオペレーターを賃借人とする場合、上記「(イ)b.オペレーターの選定基準」に記載のオペレーターの選定基準に従います。
SPCを賃借人とする場合には、原則として、SPCからオペレーターに、再生可能エネルギー発電施設の運営を委託します。オペレーターの選定・対応については、上記「(イ)b.オペレーターの選定基準」に記載のオペレーターの選定基準に従います。
b. オペレーターのモニタリング
発電設備の操業実績等のオペレーターの運営状況や、賃借人又はオペレーターの財務状況について報告を受け、オペレーターについての評価を定期的に行い、適正な業務遂行が維持できない場合には、オペレーターの変更を検討します。また、オペレーターが上記「(イ)b.オペレーターの選定基準」に記載のオペレーターの選定基準を満たさなくなった場合は、かかる状況の改善可能性を検討し、改善可能性が見込めないと判断される場合には、遅滞なく当該基準を満たす新たなオペレーターに変更します。なお、本投資法人のみの意思による当該オペレーターの変更が可能となるよう、本投資法人が取得する再生可能エネルギー発電施設について、プロジェクト契約その他オペレーターとの契約又は関連する契約において解除条項その他の必要な条項を設ける方針です。
c. 賃貸条件
賃借人との賃貸借契約における賃料、契約期間その他の条件については、以下を基本とします。このうち、太陽光発電施設を想定した条件については、太陽光発電施設以外の再生可能エネルギー発電施設に投資する際にも、原則として、それに準じた条件とします。
(a) 賃料
再生可能エネルギー発電施設の収益性に鑑み、適切な賃料設定を行います。賃料は、原則として、基本賃料と実績連動賃料を組み合わせた形態とします。
基本賃料は、原則として、NEDOがまとめた年間時別日射量データベース等を基礎としてテクニカルレポートに記載された発電量予測値を勘案して算定された年間の想定売電収入から、発電設備運営に係る想定運営管理費用を控除した金額とします。実際の発電量が当該予測値を下回った場合でも、基本賃料の額を賃借人より収受することができるものとします。また、SPCが賃借人となり、いちごECOエナジーがオペレーターとなる再生可能エネルギー発電施設については、原則として当該基本賃料の額の支払債務についていちごECOエナジーによる連帯保証を受けるよう、いちごECOエナジーに要請することとします。
想定売電収入は、原則として、発電量予測値(P85)の想定売電収入(当該テクニカルレポートにおける超過確率をP85とした場合における発電電力量に調達価格を乗じた額)とします。
実績連動賃料は、原則として、実績売電収入から、運営管理費用及び基本賃料を控除した金額(ただし、負の値となる場合は0円とします。)とします。
(b) 契約期間
原則として再生可能エネルギー発電施設に適用される固定価格買取期間以上の契約期間を設定した賃貸借契約を締結するものとし、将来的に安定的なキャッシュ・フローを確保し、発電施設の運営リスクを回避するように努めます。なお、賃借人の選択による同契約の解約を制限します。
(c) 買取オプション
原則として、賃借人は、賃貸借期間の満了日の1年前の応当日以降に、再生可能エネルギー発電施設の公正な市場価格を賃貸人に支払うことにより、当該設備を賃貸人から買い取ることができ、賃借人が賃貸人に対して当該価格の全額を支払った時点で当該設備の所有権は賃貸人から賃借人に移転する旨を規定するよう努めます。
(d) その他
賃貸借契約には、本資産運用会社において発電施設の運営状況の適切な把握ができるように必要な内容(賃借人又はオペレーターに対し発電施設運営収支等について一定の報告義務等を課す等)を規定するように努めます。
(ハ) 賃借人の契約上の地位の移転
将来の賃借人の変更に備えて、あらかじめ円滑な賃借人の地位の承継を行うための手続(例えば、(i)再生可能エネルギー発電設備に係る認定上の発電事業者たる地位の承継に必要な書類の準備、(ii)買取電気事業者及び接続電気事業者との間の契約上の地位に係る譲渡予約契約の締結並びに買取電気事業者又は接続電気事業者の承諾の取得、並びに(iii)事業用地に係る賃借権又は地上権に対する本投資法人のための担保の設定、事業用地に係る賃貸借契約又は地上権設定契約上の地位に係る譲渡予約契約の締結並びに事業用地の所有者の承諾の取得等)を講じることを検討します(注1)。
賃借人の破たんその他の事由により再生可能エネルギー発電施設の賃貸借契約が終了し、又は終了するおそれが生じた場合、事前に上記の地位譲渡予約及びその承諾等が得られている場合には、賃借人の交代を早急に検討し、状況に応じて交代を行います。事前に地位譲渡予約及びその承諾等が得られていない場合には、早急に地位譲渡及びその承諾等に関する交渉を行います。
(注1) 本投資法人は、賃料の支払を確保し、また、将来の賃借人の変更に備えて、あらかじめ円滑な賃借人の地位の承継を行うため、各保有資産に係る賃貸借契約に基づき本投資法人が賃借人に対して現在及び将来保有する賃料債権その他一切の金銭債権を被担保債権として、担保権設定者をして、本投資法人のために保有資産の取得日付で以下の各担保権(根質権については第一順位)及び予約完結権(ただし、いちご高松国分寺町新居ECO発電所については、以下の1.、2.及び5.の担保権及び予約完結権に限り、いちご山口秋穂西ECO発電所については、以下の1.、2.、5.及び6.の担保権及び予約完結権に限ります。)を設定させています。
(注2) 当該根質権には一定の極度額が設定されています。
(ニ) 管理方針
再生可能エネルギー発電施設に係る管理業務においては、資産価値の維持向上を図りつつ、併せて再生可能エネルギー発電施設からの収益を最大化するよう努めます。これを実現するために、本資産運用会社が適切と判断する場合は、再生可能エネルギー発電施設の特性を踏まえ、最適なメンテナンス業者を、原則として、オペレーターに選定させ、工事・営繕管理等の管理業務を一括委託することを基本とします。なお、メンテナンス業務については、オペレーターとは別のメンテナンス業者に委託するものとし、賃借人がSPCである場合、賃借人によるメンテナンス業者に対する監督及び指示の補助及び事務代行をオペレーターに委託するものとします。委託状況のモニタリングは第一次的には委託者である賃借人(SPC)がオペレーターを通じて行うものとしますが、本投資法人も共同して行うこととします。ただし、本資産運用会社が必要と認めるときは、直接のモニタリングを行うことを妨げません。
メンテナンス業者の選定にあたっては、賃借人をして、再生可能エネルギー発電設備の運営・管理の経験や能力、対象となる運用資産における実績、運用計画に沿った業務遂行の実現性、コスト水準、運用の継続性等を総合的に勘案し、本投資法人の総合的な収益向上に寄与すると認められる会社を選定させます。なお、賃借人がSPCである場合、賃借人は、メンテナンス業者の選定の補助及び事務代行をオペレーターに委託するものとします。ただし、原則として、再生可能エネルギー発電施設のEPC業者又はEPC業者の関連会社をメンテナンス業者として選定するように賃借人に要請するものとします。なお、地理的要因・経済的要因等によりEPC業者又はEPC業者の関連会社以外の会社をメンテナンス業者として選定することは妨げません。なお、賃借人又はオペレーターがメンテナンス業者のモニタリングを行うとともに、モニタリングにあたっては、メンテナンス業者の事業環境・運営状況につきメンテナンス業者より毎月報告させる態勢を整備し、モニタリングするとともに、必要があれば、財務状況のモニタリングによるメンテナンス業者のクレジット・リスクの管理等を行うことで業務水準等についての評価を定期的に行い、適正な業務遂行レベルが維持できない場合は、契約の解除を行うこと又は契約の更新を行わないことを検討します。
(ホ) 修繕及び資本的支出に関する基本方針
中長期的な運用資産の収益の維持向上を図ることを目的として、テクニカルレポートに基づくライフサイクルコスト、賃借人、オペレーター又はメンテナンス業者からの提案、減価償却費、運用資産の状況及び特性等を考慮した個別の再生可能エネルギー発電施設ごとの修繕計画を、オペレーター及びメンテナンス業者と協議の上策定し、再生可能エネルギー発電施設としての競争力維持のための適切な資本的支出を行うものとします。資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費もあわせて勘案して本投資法人が判断するものとします。ただし、運用資産のパフォーマンスの維持及び向上に資するものと本投資法人が合理的に判断したものについては、早期に実施するものとします。
設備機能の維持保全を目的とした修繕については、過去の修繕履歴、設備水準及びテクニカルレポートの内容等を踏まえ、その実施時期、実施内容及び実施額等を検討の上、賃借人又はオペレーターをして効率的な実施を行わせるよう努めます。
なお、運営期間中に発生する再生可能エネルギー発電施設の維持、管理、修繕等に要する費用(再生可能エネルギー発電施設に賦課される公租公課、1件10万円以上の資本的支出を含みます。)は再生可能エネルギー発電施設の保有者たる本投資法人が負担することとし、それ以外の再生可能エネルギー発電施設の日常的な維持、管理、修繕等に要する費用(1件10万円未満の資本的支出を含みます。)、並びに本投資法人が被保険者となる再生可能エネルギー発電設備に係る火災保険及び地震保険並びに賃借人が被保険者となる売電収入に係る利益保険の保険料その他再生可能エネルギー発電設備を運営・維持管理するにあたって必要となる、上記以外のすべての費用(発電事業に賦課される事業税を含みます。)は原則として賃借人が負担することとします。
賃借人、オペレーター又はメンテナンス業者から再生可能エネルギー発電施設の資産価値維持のみならず、競争力向上を目的としての提案がなされた場合は、通常必要とされる資本的支出(設備の経年劣化に伴う諸対応及び機能維持を目的とした各種設備の更新をいいます。)の他、中長期にわたり再生可能エネルギー発電施設の市場競争力向上を図るための改修・追加設備の設置についてもその投資の経済合理性等十分な検討を行った上で実施します。工事の実施にあたっては、実施時期、実施内容及び実施額等を検討の上、効率的な実施に努めます。
また、上記修繕工事の実施にあたり、内容の共通した工事を複数設備で実施することによりポートフォリオ全体の費用低減につながると判断した場合には、当該工事を同時期に行うことも検討します。また、ポートフォリオ全体の収支の安定性を確保するため、営業期間ごとの修繕費用と留保資金(減価償却費)とのバランス及びポートフォリオ全体の修繕工事費用の平準化に留意します。
(ヘ) 付保方針
火災等の災害や事故等により生じる発電施設の損害及び対人対物事故を原因とする第三者からの損害賠償請求による損害等に対応するため、所定の付保基準に基づき火災保険及び損害賠償保険の付保を行うものとします。また、災害、事故等による利益損失等を回避するため、利益保険を付保します。
地震保険の付保に関しては、ポートフォリオ全体のPML(予想最大損失率)を基準に、災害による影響と地震保険料とを比較検討した上で付保の判断を行います。なお、PMLが20%(注)を超える物件については、個別に超過部分に対する地震保険の付保を検討します。ただし、予想される個別設備等及びポートフォリオ全体に対する影響と保険の実効性を勘案して、付保しないこともあります。
引受保険会社の選定にあたっては、本投資法人が適当と考える保険代理店を通じて複数の保険会社の引受条件や信用状況を比較検討のうえ、公正な選定を行います。
なお、上記保険の保険契約者及び被保険者は、各保険の性質・内容、付保対象となる資産のストラクチャー等に鑑み最適な者を保険ごとに検討します。
(注) ここでいう「PML」とは、一般的には、対象施設又は対象群に対して最大級の損失をもたらすと考えられる、今後50年間に超過確率が10%となる地震動(再現期間475年相当の地震動)が発生し、その場合の90%非超過確率に相当する物的損失額の再調達価格に対する割合をいいます。
(ト) 買取期間満了後の再生可能エネルギー発電設備
買取期間が満了し、固定価格買取制度の適用外となった再生可能エネルギー発電施設については、(i)当該再生可能エネルギー発電設備により発電した電気を小売電気事業者等に対して直接若しくは卸電力取引所を通じて売却するか、又は、(ii)当該再生可能エネルギー発電施設を売却するものとします。かかる選択においては、当該満了時における売電市場、卸電力取引所、当該再生可能エネルギー発電設備のセカンダリー取引市場の動向及びそれらを踏まえた具体的な売却条件等を勘案するものとし、当該再生可能エネルギー発電施設を売却する場合は、後記「⑤ ポートフォリオの見直し・売却方針」についても考慮します。
⑤ ポートフォリオの見直し・売却方針
原則として短期的な売却は行いません。
ただし、以下に定めるところに従い、ポートフォリオの構成を見直し、保有する再生可能エネルギー発電施設を売却することがあります。なお、ポートフォリオの構成の見直し及び保有する再生可能エネルギー発電施設の売却に際しては、本資産運用会社は、国内外の経済動向及び再生可能エネルギー市場の動向を分析し、売却後のポートフォリオの資産構成が、中長期的な観点から見て安定した収益を確保することができるかどうかの検討を行い、更に当該再生可能エネルギー発電施設の現状の収益状況や将来収益の予測等を考慮した上で、売却するか否かを検討します。
本資産運用会社は、本投資法人が保有する再生可能エネルギー発電施設について、以下のいずれかの事項に該当すると判断した場合、その売却を検討します。
a. 各再生可能エネルギー発電施設の収益分析、ポートフォリオのアロケーション分析及び物件取得状況分析等の結果、売却することが本投資法人の中長期的な運用戦略から見て適切と判断した場合
b. 売却による債務の返済等を通じて財務体質の強化や資金の再調達リスクの軽減を図ることが、本投資法人の財務戦略から見て適切と判断した場合
c. 実勢価格を超える購入価格を提示する購入希望者が現れる等、売却を行うことが本投資法人の収益に寄与すると判断した場合
d. 経済情勢の著しい変化又は災害等による建物の毀損・劣化等により当初想定した収益の確保が困難となり、追加的措置によっても回復の見込みがないと判断した場合
売却に当たっては、より高い価格での売却が実現できるように、競争入札方式の導入、仲介業者の活用、専任媒介業者の活用等の方策を検討します。また、購入先の属性や購入目的等の調査を行い、不測のトラブルの回避を図ります。
⑥ 財務戦略
(イ) 基本方針
本投資法人の安定収益の確保及び運用資産の着実な成長を目的として、以下の基本方針のもとで計画的かつ機動的な財務戦略を立案し実行します。
a. 調達面では、資産の取得、修繕設備投資、分配金の支払及び本投資法人の運営又は債務の返済(敷金及び保証金の返還・借入金の返済・投資法人債の償還を含みます。)等に必要な資金の確保を目的として、バランスのとれた調達を行います。
b. 運用面では、資金の安全性、流動性及び効率性を重視した運用を行います。
(ロ) エクイティ戦略
投資口の追加発行は、総資産額に対する借入金及び投資法人債の合計額の割合(以下「有利子負債依存度」といいます。)や投資資産の取得計画等を勘案した上で、投資口の希薄化(追加発行による投資口1口当たり純資産及び1口当たり分配金への影響)にも配慮しつつ、実行します。
(ハ) デット戦略
負債による資金調達については、下記の基本方針に従って実施します。
a. 有利子負債依存度は、原則として70%を上限とします。ただし、新たな投資資産の取得に伴い、一時的に70%を超えることがあり得ます。
b. 金融機関等からの資金の借入れについては、下記の方針によります。
(a) 全体の金利コストの削減に努めつつ、金利変動リスクを軽減するため、長期・短期の借入期間、固定・変動の金利形態等のバランスを図り、また、資金の再調達リスクを軽減するため、返済期限や借入先の分散を図ります。
(b) 機動的な資金調達を目的として事前の借入枠設定又は随時借入れ予約契約の締結を必要に応じて検討します。
(c) 借入先の選定に当たっては、金融市場の状況を勘案しつつ、借入期間、金利、担保提供の要否及び手数料等の諸条件につき複数の借入候補先と交渉し、その内容を総合的に比較して合理的に決定します。なお、借入先は、金融商品取引法第2条第3項第1号において定義される適格機関投資家(ただし、租税特別措置法第67条の15第1項で定める機関投資家に限ります。)に限るものとします。
c. 長期かつ安定的な資金調達と調達先の分散を目的として投資法人債の発行も検討します。
d. 資金調達のための必要に応じ投資法人の資産を担保として提供することがあります。
e. デリバティブ取引に係る権利(投資信託及び投資法人に関する法律施行令(平成12年政令第480号。その後の改定を含みます。)(以下「投信法施行令」といいます。)第3条第2号に定めるものをいいます。)への投資を、本投資法人に係る負債から生じる為替リスク、金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的としたものに限って行うことがあります。ただし、リスクヘッジの対象となった負債が返済等により消滅する場合にも、対応するヘッジ取引についてはその解約コストを勘案し、解約しないこともあり得ます。
⑦ 適切なガバナンス体制の構築等について
本資産運用会社は、J-REITであるいちごオフィスリート投資法人、いちごホテルリート投資法人や私募不動産ファンドの運用を通じて、利益相反取引の管理、取得資産情報の取扱いに関する社内規程を整備し、それに従った運営を行っています。
本資産運用会社は、本投資法人について、グリーンインフラ本部により運用、管理を行いますが、いちごオフィスリート投資法人、いちごホテルリート投資法人や私募不動産ファンドの運用を通じて構築してきた上記のようなガバナンス体制に基づき、利益相反等に配慮した適切な運営体制を構築します。
(イ) 利益相反対策と第三者性を確保した運営体制の採用
いちごグループ等利益相反の発生するおそれが高い利害関係者との間の取引等に関して、本資産運用会社では「いちごグループ利益相反管理方針」及び「利害関係者取引規程」において弊害防止措置を定めています。
いちごグループからの資産の取得等利害関係者との取引に関する本資産運用会社の意思決定プロセスにおいては、いちごグループと利害関係のない第三者の意見が反映される仕組みが構築されています。
本資産運用会社は、投資運用委員会に外部専門家を委員として選任し、いちごグループからの資産の取得等利害関係者との取引にあたっては、グリーンインフラ本部が起案し、リスク・コンプライアンス部長及びコンプライアンス・オフィサーの事前検証によりリスク管理上又はコンプライアンス上の重大な問題がないことが確認されたのち、リスク・コンプライアンス委員会に付議し、同委員会において審議を行います。同委員会の承認が得られない場合は、当該議案を、グリーンインフラ本部に差し戻します。承認決議がなされた場合は、投資法人の役員会に承認を求めます。
投資法人の役員会に承認が得られた場合、投資運用委員会に付議されます。投資運用委員会はいちごグループと利害関係のない外部有識者を委員とし、同委員会で議案が審議され、承認決議がなされた場合には、当該決議をもって、利害関係者との取引が決定されます。
(ロ) 投資主の利益とスポンサーの利益の一体化
いちご株式会社は、投資主の利益といちご株式会社の利益の一体化を図ることを目的として、本投資法人の投資口を保有する方針です。
これにより、本投資法人及びスポンサーの相互の利益向上を図ることができると本投資法人は考えています。
⑧ 情報開示方針
本投資法人は、以下のとおり、透明性確保の観点から、法定開示・適時開示に加えて、有用かつ適切と判断される投資情報を、情報の透明性及び分かりやすさに配慮し、正確かつ迅速に開示します。
(イ) 法定開示
法定開示については、投信法及び金融商品取引法等の諸法令に従って、情報の透明性や分かりやすさに配慮し、投資主の投資判断に必要な情報を適時かつ適切に開示を行います。
(ロ) 適時開示
上記(イ)に加え、東京証券取引所、投信協会等の諸規則により要請される開示についても、それぞれが要請する内容及び様式に従って、情報の透明性や分かりやすさに配慮し、投資主の投資判断に必要な情報を適時かつ適切に開示を行います。
(ハ) その他の開示
上記(イ)及び(ロ)に基づく開示事項以外にも投資主にとって有益かつ重要な情報についても、可能な限り適時かつ適切な開示を努めるものとします。
① 本投資法人の基本理念及び特徴
(イ) 本投資法人の基本理念
本投資法人は、主として、再生可能エネルギー発電施設への投資を行うインフラ投資法人です。
本投資法人は、再生可能エネルギー発電施設に対する投資を通じて、長期安定的な投資機会を投資家に提供し、サステナブル(持続可能)な社会形成への貢献をすることを基本理念としています。
本投資法人は、今後さらなる拡大が期待される「グリーンインフラ」(注)という新たなアセットタイプへの投資機会を提供し、長期安定的なキャッシュ・フローの維持による安定性及び資産規模の拡大による成長性の両面を追求した中長期的な運用を通じて投資主価値の最大化を目指します。また、グリーンインフラに特化した本投資法人の成長は、わが国の投資市場の発展に貢献するとともに、地球に優しく安全性にすぐれたわが国のグリーンエネルギー自給に寄与するものと考えています。
本投資法人は、これらの基本理念を追求するため、規約に基づき、投資主より払い込まれた資金等を、再生可能エネルギー発電施設のうち、太陽光発電施設を中心に投資を行います。
(注) 「グリーンインフラ」とは、「環境にやさしい(=グリーン)」及び「産業や生活の基盤となる施設(=インフラ)」からなるアセットクラスを表す造語であり、再生可能エネルギー発電設備等を含みます。以下同じです。
(ロ) 本投資法人の特徴
a. わが国のグリーンエネルギー自給への貢献
2011年3月11日の東日本大震災に伴う悲惨な東京電力福島第一原子力発電所事故は、原子力発電の危険性と、安全なエネルギー源の重要性を日本国民に再認識させ、わが国のエネルギー政策の大きな転換点となりました。また、わが国はエネルギー資源の大半を海外からの輸入に依存しており、自国における自力でのエネルギー供給態勢が脆弱な状況です。加えて、地球温暖化への対応は、わが国のみならず全世界における共通の課題であり、温室効果ガス削減による低炭素社会の形成が望まれています。
再生可能エネルギーは、化石燃料と異なり、利用時に温室効果ガスである二酸化炭素を排出しないため、化石燃料の代替燃料として温室効果ガス削減に大きく貢献するものと考えられます。そして、再生可能エネルギーで発電を行う場合、設備の建設・廃棄等を含めたライフサイクル全体においても、化石燃料による発電に比べて二酸化炭素排出を大幅に削減できるため、環境にやさしい発電施設であるといえます。
本投資法人は、再生可能エネルギー発電施設への投資を通じて、輸入エネルギー資源に依存することなく、安全性が高く、温室効果ガス削減に資することになり、間接的に、わが国が直面するこれらの課題の解決に貢献できるものと考えています。
b. 安定的なキャッシュ・フローが見込まれる太陽光発電施設への投資
(a) 組入資産について
本投資法人は、主として、長期安定的なキャッシュ・フローを生み出している太陽光発電施設を中心とした再生可能エネルギー発電施設を投資対象としています。
本投資法人は、太陽光発電施設が、発電コストや電力供給の不安定性、発電効率等について課題はあるものの、メンテナンスが比較的容易かつ燃料調達の必要がないため、安定的な発電が期待できる再生可能エネルギー発電施設であり、また、固定価格買取制度により長期の買取価格が保証されていることから、安定したキャッシュ・フローを生み出す施設であると考えています。本投資法人への組入資産については、以下の基準を原則として、長期的な安定性を追求したポートフォリオの構築を図り、収入の安定化を実現することを目指します。
i 取得資産は、原則として、調達価格及び調達期間が確定し、かつ特定契約に基づく発電事業者(後記「2 投資方針 (1) 投資方針 ③ ポートフォリオ構築方針 (ハ) 本投資法人の投資対象」に定義します。)による電気の供給及び電気事業者による電気の買取が既に開始されて1年以上経過した太陽光発電施設であること
ii 各発電設備に対し、火災保険、地震保険(第三者による調査の結果一定程度の被害が想定される発電設備に限ります。)、利益保険及び損害賠償保険を適切に付すこと又は賃借人をして付させること
iii メンテナンス業務の外部委託により、適切なメンテナンスを実施すること
また、そのような長期安定的なキャッシュ・フローを生み出す再生可能エネルギー発電施設に対して地域分散投資をすることで、天候等の地域要因の影響を受けにくい、さらに安定したキャッシュ・フローを生み出すことが可能であると考えます。
本投資法人は、取得した再生可能エネルギー発電施設を賃借人に賃貸し、賃借人より基本賃料、及び、再生可能エネルギー発電施設の運営・維持管理等に要する費用等を控除した後の売電収入に連動した実績連動賃料を受領することで運用します。
(b) 賃料形態について
本投資法人は、再生可能エネルギー発電施設の賃貸借契約において、賃料を、原則として、基本賃料と実績連動賃料を組み合わせた形態としています。
各計算期間(注1)の基本賃料は、本投資法人の賃料収入の安定化を図るため、原則として、テクニカルレポートに記載された発電量予測値(P85)の想定売電収入(注2)から、発電設備運営に係る想定運営管理費用(注3)を控除した金額とします(注4)。
各計算期間の実績連動賃料は、原則として、当該計算期間の実績売電収入(注5)から、運営管理費用(注6)及び基本賃料を控除した金額(ただし、負の値となる場合は0円とします。)とします。
なお、実際の発電量が予測値を下回っても、基本賃料額を賃借人より収受する契約とします。また、SPCが賃借人となり、いちごECOエナジーがオペレーターとなる本投資法人の保有資産については、当該基本賃料額の支払債務をいちごECOエナジーが連帯保証することとしています。当該連帯保証に基づくいちごECOエナジーから本投資法人に対する支払が行われる場合の支払時期は、年1回、各計算期間の終了後とします。
(注1) 賃料計算の基礎となる原則1年間の期間であり、原則として、本投資法人の営業期間(毎年7月1日から翌年6月末日まで)と同じとします。なお、初回は本投資法人が賃貸に供する資産を取得した日からその直後に到来する6月末日まで、最終回は賃貸借期間の終了日の直前の7月1日から賃貸借期間の終了日までとする各期間をいいます。
(注2) 「発電量予測値(P85)」とは、超過確率P(パーセンタイル)85の数値(85%の確率で達成可能と見込まれる数値を意味します。以下同じです。)としてテクニカルレポートの作成者その他の専門家によって算出された発電電力量をいい、「発電量予測値(P85)の想定売電収入」とは、当該発電電力量に調達価格を乗じた想定売電収入をいいます。以下同じです。
(注3) 「運営管理費用」とは、再生可能エネルギー発電設備の運営・維持管理に関する費用(メンテナンス業者に対する報酬及び修繕費を含みます。)、オペレーター報酬、敷地等の地代、発電事業に関連して賃借人が負担する保険料、賃借人の管理に関する費用(事務管理委託料及び税務報酬を含みます。)、公租公課、その他、発電事業、再生可能エネルギー発電設備、敷地等又は賃借人に関する費用(再生可能エネルギー発電施設の賃貸借契約及びプロジェクト契約の規定に従って遂行された再生可能エネルギー発電施設の運営及び維持管理(オペレーターに委託する業務を含む。)に関して第三者又はオペレーターに対して負担する損害賠償又は補償義務の履行として支払う金銭を含みます。)の合計額をいい、「想定運営管理費用」とは、運営管理費用のうち、賃借人において当該計算期間に計上されるものの合計額として賃借人の事業計画に記載され、本投資法人が承認した金額をいいます。ただし、基本賃料を算出する際に用いる運営管理費用の算出に用いるオペレーター報酬は、当該計算期間に係る再生可能エネルギー発電設備の発電量が発電量予測値(P85)であったと仮定して算出されるオペレーター報酬の金額とします。以下同じです。
「オペレーター報酬」は、オペレーター報酬(固定)及びオペレーター報酬(変動)により構成されます。「オペレーター報酬(固定)」とは、発電量予測値(P85)の想定売電収入から想定運営管理費用(オペレーター報酬を除きます。)を控除した金額の3%相当額をいいます。「オペレーター報酬(変動)」とは、実績売電収入((注5)に記載する実績売電収入をいい、同注に記載の監視システムの計測による実績売電量と検針日に計量された実績売電量に差異が生じた場合の調整も行われます。)から運営管理費用(オペレーター報酬を除きます。)を控除した額と、発電量予測値(P85)の想定売電収入から想定運営管理費用(オペレーター報酬を除きます。)との差額の10%相当額をいいます(ただし、後者の方が大きい場合は0円とします。)。なお、賃借人がオペレーターを兼ねる発電施設についても、当該資産に係る賃貸借契約において、オペレーター報酬相当額が上記と同様の構成及び算式により定められ、当該資産に係る賃料の算定においてオペレーター報酬と同様に用いられます。以下同じです。
(注4) 各計算期間中に無補償の出力抑制が実施された場合、本投資法人及び賃借人は、別途協議の上、基本賃料の金額を調整することができるものとします。したがって、基本賃料は、あらかじめ決定される一定額の賃料の支払を必ず保証するものではありません。出力制御の概要は、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ハ) 出力制御を求められるリスク」をご参照ください。
(注5) 当該計算期間に含まれる各月の実績売電収入(いちごECOエナジーがその監視システムにより計測した当該月における再生可能エネルギー発電設備の発電量に調達価格を乗じ、当該月に計上された出力抑制補償金の金額及び当該月に計上された利益保険に係る受取保険金の金額を加算した額)の合計額とします。ただし、監視システムの計測による実績売電量と検針日に計量された実績売電量に差異が生じた場合は、本投資法人及び賃借人は、別途協議の上、各計算期間の半期(1月から6月、及び、7月から12月)ごとに実績連動賃料の金額を調整します。以下同じです。
なお、出力制御の概要は、後記「3 投資リスク (1) リスク要因 ⑤ 発電事業に係る権利・法制度に関するリスク (ハ) 出力制御を求められるリスク」をご参照ください。
(注6) 実績連動賃料を算出する際に用いる「運営管理費用」は、賃借人において各計算期間に実際に計上された運営管理費用とします。ただし、その際に用いるオペレーター報酬は、当該計算期間に実際に計上したオペレーター報酬の金額とします。以下同じです。
<再生可能エネルギー発電施設の賃貸借契約の賃料形態>
※基本賃料=発電量予測値(P85)の想定売電収入-想定運営管理費用※実績連動賃料=実績売電収入-運営管理費用-基本賃料
(注1) 「追加実績運営管理費用」とは、実際に計上された運営管理費用(実績運営管理費用)が想定運営管理費用を超過した場合における当該超過分の費用をいいます。
(注2) 上図で表示されている発電量や賃料等は仮定にすぎず、将来の発電量や賃料等と必ずしも一致せず、それらを担保、保証又は予測するものでもなく、場合によっては大幅に乖離する可能性もあります。
c. 高度な技術に支えられたオペレーション
本投資法人の保有資産のオペレーターであるいちごECOエナジーは、いちごグループの中における再生可能エネルギーの専門会社として2012年11月28日に設立され、いちごグループの構造計算等不動産開発や権利調整のノウハウを活用し、不動産の新たな有効活用としての太陽光発電を中心としたクリーンエネルギー事業を主軸とし、日本各地において再生可能エネルギー発電施設の開発と運営を行っています。
いちごECOエナジーは、第2種・第3種電気主任技術者、第1種電気工事士・電気工事施工管理技士等の資格を有する役職員を擁し、太陽光発電施設に関する特有の運営ノウハウに加えて、いちごグループの一級建築士による架台の構造チェック等、いちごグループが不動産の開発・投資を通じて蓄積したノウハウもあわせて活用することにより、太陽光発電施設を開発しています。なお、EPC業者は、実績が豊富な大手EPC業者を中心に採用しています。また、パネルメーカーについても、マーケットシェアの高い国内外のグローバルメーカーを基本的に採用候補とし、いちごECOエナジーの技術員による製造ラインの実査、品質管理体制、国内保証体制等の審査を経たうえで採用を決定したパネルメーカーから調達しています。
また、いちごECOエナジーでは、商用運転を開始した太陽光発電施設について、監視カメラ、ストリング監視、統合監視システムによる運営管理システムを構築し、高機能の監視システムで事故・性能低下に素早く対応する体制を整備し、各地に所在する太陽光発電施設を運営しています。
本投資法人は、いちごECOエナジーを保有資産のオペレーターとして選定すること等により、いちごECOエナジーをはじめとするいちごグループが有する再生可能エネルギー発電設備の運営ノウハウ等を有効活用し、太陽光発電施設の安定的な稼働を目指します。
<リアルタイムで監視可能な発電設備運用管理体制>

<いちごECOエナジーの統合監視システムの画面>

<いちごECOエナジーのストリング監視システム>
(注) いちごECOエナジーのストリング監視システムを表示しています。接続箱内に設置されたストリング監視用機器で計測し、ストリングごとにステータスが確認でき、ストリング1本の出力低下を把握することができます。偏差が大きくなるとステータスが変わり、正常時の緑色から、注意(黄色)、警告(赤色)と変化し、異常が発見できます。d. いちごグループの強力な成長サポート
いちごグループは、『日本を世界一豊かに。その未来へ心を尽くす一期一会の「いちご」』という理念の実現を最大の目標とし、(a)本投資法人のほか、J-REITであるいちごオフィスリート投資法人及びいちごホテルリート投資法人等を運用するアセットマネジメント事業、(b)不動産の保有期間中の賃料収入を享受しつつ、いちごグループの不動産技術、ノウハウを最大限に活かすことで資産価値の向上を図り、不動産の価値が向上した後に売却を行う、いちごグループの信条「心で築く、心を築く」のもと、既存不動産に新しい不動産価値を創造する心築(注)事業、(c)メガソーラー(太陽光発電)を始めとしたクリーンエネルギー事業の3つの事業を軸として事業展開を行っています。
いちごグループは、大手ゼネコン、デベロッパー出身者を中心とした業界内の強固なネットワークによる情報収集力と物件ソーシング力等、グループの機能連携によるきめ細やかなサービス体制を強みとしています。一級建築士を有するいちご株式会社によるリノベーションやコンバージョンでは不動産開発への高い対応力を発揮しています。これらのソーシング力、不動産開発能力は、太陽光発電施設の開発にも活かされています。
また、いちごグループは、太陽光発電設備を設置する敷地等の確保に当たっては、単なる太陽光発電設備の設置にとどまらず、地域貢献等の観点から様々な付加価値のある提案を行うこと等により、地方公共団体の入札による選定の場合を含め、数多くの敷地等を確保することに成功してきました。これは、地域経済への貢献を重視した事業計画の立案等に加え、太陽光発電事業者としての実績、グループ財務力等、いちごグループの総合力が評価された結果といえると本投資法人では考えています。
本投資法人は、いちごグループがこれまで培ってきた心築事業のノウハウや強力な再生可能エネルギー施設の運営体制ノウハウ及び関係者との間で多岐にわたるリレーションを活用し、効果的かつ戦略的な資本的支出の実施を通じて収益力の向上を図るとともに、再生可能エネルギー発電施設における外部成長ポテンシャルを背景に、いちごグループの強力なスポンサーサポートを通じて、規模の経済性を重視した着実な資産拡大を行うことにより、投資主価値の最大化を目指します。
(注) 「心築」とは、いちごグループが推進する事業を指すセグメント名として、2016年2月に従来の「不動産再生」から改称した造語であり、「心で築く、心を築く」を信条に、いちごグループの技術とノウハウを活用し、一つ一つの不動産に心をこめた丁寧な価値向上を図り、新しい不動産価値を創造する事業をいいます。以下同じです。
e. 本資産運用会社の確かな実績
本資産運用会社は、これまでいちごオフィスリート投資法人、いちごホテルリート投資法人等の運用を行っており、資産運用の豊富な実績を有しています。かかる資産運用を通じて培ってきた専門知識やノウハウを活かし、本投資法人の資産運用にあたっても、幅広いソーシング力を活用した資産取得、顧客のニーズを的確に捉えた商品開発、適切な財務戦略による安定的な財務基盤の構築等を目指します。
また、本資産運用会社は、これまでの実績からストラクチャードファイナンス(注)に関する知識・経験も相応に有しており、本投資法人の資産運用においては、それらのノウハウも活用し、本投資法人が投資対象とする再生可能エネルギー発電設備については、原則として一定の倒産隔離措置が講じられたSPCを発電事業者とすることで、スポンサー及びオペレーターの倒産による影響を限定し、投資家保護に資することを目指します。
(注) 「ストラクチャードファイナンス」とは、「仕組み金融」とも呼ばれ、仕組み上の工夫(金融技術を用いた手当て)がなされた上で行われる資金調達又はその手段・手法をいい、その手法は、資産の証券化・流動化取引、プロジェクトファイナンス、アセットファイナンス等において用いられています。
f. 利益超過配当・自己投資口の取得等の継続的な実施
本投資法人の保有資産の大半について、本投資法人が敷地等を取得せず、発電設備の賃借人となる発電事業者が別途土地を地権者から賃借するため、保有資産に占める土地の価格の割合は相対的に低いといえます。したがって、本投資法人が取得する資産の大半は減価償却の対象となり、会計上の利益とキャッシュ・フローとの間での差異が大きくなる傾向があります。本投資法人は当該差異から生じる現金を積極的に投資主に還元することを予定しています。
具体的には長期修繕計画に基づき想定される各計算期間の資本的支出の額に鑑み、長期修繕計画に影響を及ぼさず、かつ、資金需要(投資対象資産の新規取得、保有資産の維持・向上に向けて必要となる資本的支出等、本投資法人の運転資金、債務の返済及び分配金の支払等)に対応するため、融資枠等の設定状況を勘案の上、本投資法人が妥当と考える現預金を留保した上で、本投資法人の財務状態に悪影響を及ぼさない範囲で、当該計算期間の減価償却費の40%に相当する金額を目途として、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を原則として毎計算期間継続的に実施する方針です。
上記にかかわらず、経済環境、再生可能エネルギー発電市場の動向、本投資法人の財務状況等を踏まえ、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施しない場合や上記目途よりも少ない金額にとどめる場合、又は一般社団法人投資信託協会(以下「投信協会」といいます。)の規則に定められる金額の範囲内で上記目途を超えた金額で実施する場合もあり得ます。なお、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施する場合は手元資金の減少を伴います。そのため、突発的な事象等により本投資法人の想定を超えて資金需要が発生した場合に手元資金の不足が生じる可能性や、機動的な資産取得に当たり資金面での制約となる可能性があります。利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施した場合、当該金額は出資総額又は出資剰余金から控除されます。
また、本投資法人は、投資主との合意により当該投資法人の投資口を有償で取得することができる旨を規約第8条第2項で定めており、当該規定に基づき、主として本投資法人の投資口が上場される東京証券取引所において、自己投資口を取得する可能性があります。自己投資口の取得は、経済的には利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同一の効果を有し、会計上も自己投資口の取得を実施した場合、当該金額は出資総額等の控除項目として計上されます。
本投資法人は、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に代えて又は利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)と同時に自己投資口の取得を行う場合がありますが、自己投資口の取得も利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)とみなして、上記の利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)に関する方針に従って、その実施の有無、金額等を決定するものとします。
<利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)及び自己投資口の取得のイメージ>
(注) 上記はあくまでイメージであり、本投資法人の損益における賃貸収入や利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)又は自己投資口の取得の金額等の比率等を示すものではありません。実際には、修繕や資本的支出への活用、借入金の返済、新規資産の取得資金への充当、自己投資口の取得等の他の選択肢についても検討の上、経済環境、再生可能エネルギー発電市場の動向、本投資法人の財務状況等を踏まえ、利益を超えた金銭の分配(出資の払戻し)を実施しない場合や予定よりも少ない金額にとどめる場合もあります。② 本投資法人の成長戦略
(イ) 外部成長戦略
a. スポンサーサポートの活用
(a)スポンサーによるサポート
いちごグループは、これまでの太陽光発電施設の開発・運営を通して、高い事業運営ノウハウを有しています。本投資法人は、本投資法人の継続的かつ安定的な成長と発展を目的として、いちご株式会社との間で以下の内容を有するスポンサーサポート契約を締結しています。スポンサーは、スポンサーの判断により、いちごECOエナジーその他のスポンサーの子会社又は関連会社(ただし、本資産運用会社を除きます。)をして、スポンサーサポート契約に定めるスポンサーの権利の行使又は義務の履行を行わせるほか、これらの業務を行わせることができることとしています。なお、いちごグループは、スポンサーサポート契約に規定のないサポートについても、有償又は無償で本投資法人又は本資産運用会社に提供することがあります。
本投資法人は、スポンサーサポート契約等に基づき、いちごグループから外部成長及び内部成長に関連する様々なサポートやスポンサーのブランド力を活用することにより、今後、継続的にいちごグループからのパイプラインの供給を受け、ポートフォリオの拡大を図る方針であり、今後の本投資法人の成長に寄与するものと本投資法人は考えています。
(b)スポンサーサポート契約で定めるサポート業務の内容
スポンサーは、適用法令に反しない範囲において、以下の各号に掲げる業務を無償で本投資法人に提供するものとします。
i 本投資法人が取得する資産に関する情報提供、取得元の紹介及び資産取得業務等の支援
ii 本投資法人による取得機会の確保のための資産の取得及び保有
iii 本投資法人が取得又は保有する資産に関する次の業務
・ プロジェクト契約又は賃貸借契約の締結協議
・ オペレーター又はバックアップオペレーターとしての業務の提供、オペレーターの選定等支援
・ メンテナンス業者その他の再生可能エネルギー発電設備に係る業務受託者の選定等支援
iv 本投資法人が保有する資産の売却に関する情報提供、売却先の紹介及び売却業務等の支援
v 本投資法人に対する融資に関する情報提供、金融機関の紹介及びその実現に向けた支援等
vi 本投資法人に対する出資に関する情報提供、投資家の紹介、及びその実現に向けた支援等
vii その他、本投資法人又は本資産運用会社の業務に関する助言・補助等支援
(c)スポンサーサポート契約に基づく信用補完の提供
本投資法人は最適なタイミングでの再生可能エネルギー発電設備関係資産の取得を実現するため、継続的に成長投資を拡大しているいちごグループの上場グループとしての与信力をバックアップとして活用していくこととし、いちごグループによるスポンサーサポートの一環として、本投資法人とスポンサーは、本投資法人の要請がある場合、スポンサーが信用補完に係るサポートを有償で提供する旨を合意しています。
当該合意に基づき、本投資法人は、本投資法人に対する金融機関による融資若しくは投資家による出資、本投資法人による再生可能エネルギー発電設備関係資産の取得、これらに関連する事項、又はその他本投資法人の運営に資する事項について、スポンサーより本投資法人の信用補完を得る必要があると判断した場合、スポンサーに対し信用補完を要請することができます。スポンサーは当該要請があった場合において、当該要請が法令等に反することなく、かつ、スポンサーサポート契約の目的に合致すると判断した場合、個別合意書を締結した上で、スポンサーレターの提出、保証契約の締結、資産取得における代替買主としての役割の提供等の方法により、有償で、本投資法人の信用を補完します(以下、かかるサポートを「バックアップサポート」といいます。)。
バックアップサポートは、例えば、スポンサーが、本投資法人が再生可能エネルギー発電設備関係資産を取得できない場合の代替買主となること等により、売主が再生可能エネルギー発電設備関係資産を本投資法人に譲渡することを合意する上で一定の有意な効果をもたらし得るものと本投資法人は考えています。また、バックアップサポートは、上記のように資金調達ができないために本投資法人がバックアップサポート対象再生可能エネルギー発電設備関係資産を取得できないこととなった場合であっても、本投資法人が将来これらの再生可能エネルギー発電設備関係資産を、代替買主となったスポンサーから取得できる可能性を確保できるという意味においても、資産取得に関する有効なスポンサーサポートであると考えています。本投資法人では、今後、本投資法人の成長に寄与する物件取得に際し、信用補完の必要性等を考慮して、スポンサーと協議の上、スポンサーによるバックアップサポートを有効に活用していく方針です。
なお、信用補完の対価は、信用補完の対象となる取引内容及び市場環境等により異なるため、当該信用補完を得る必要のある具体的事項及び当該信用補完の提供に係る合理的な対価を検討の上、個別案件ごとに当事者間の協議によって決定することとなります。
b. 本資産運用会社のネットワーク
本投資法人は、いちごグループがこれまでの太陽光発電事業を通じて有している、地方公共団体、太陽光発電事業を営む他の事業会社、ファンド運営会社、個人事業主等の第三者とのリレーションやネットワークを活用するとともに、本資産運用会社がJ-REITであるいちごオフィスリート投資法人、いちごホテルリート投資法人等の資産運用を通じて培ってきた独自のネットワークを活用し、積極的にグループ外の事業者が開発した再生可能エネルギー発電施設の取得を検討することで、今後の本投資法人の外部成長に資するものと考えています。
(ロ) 内部成長戦略
a. 収益の向上を目指した高い運営管理
発電量が天候に大きく左右される太陽光発電では、パネルの小さな故障及び性能劣化が早期に発見されず放置されてしまう危険性があります。たとえ小さな発電量の低下であっても、発電性能の劣化は放置されたまま対処されないと長期運用では大きなロスにつながるため、故障及び劣化の早期発見と修繕はオペレーターの重要な責務と考えられます。
本投資法人の保有資産のオペレーターであるいちごECOエナジーは、北海道及び沖縄を含む日本各地の気候にあわせ、風雪に耐え得る堅固な発電設備を開発するとともに、稼働している全太陽光発電施設を統合監視システム・ストリング監視システムを用いてリアルタイムに運営管理しています。24時間作動の監視カメラで災害、侵入等の問題発生時に状況を把握するだけではなく、日射量、気象、パネル温度等を踏まえ、6秒ごとのリアルタイムで各発電設備の発電量と故障状況を的確に把握することで素早く対応し、発電ロスの拡大を防いでいます。また蓄積された発電量データの分析は、長期的に発電性能が劣化した太陽光パネルの早期発見と修繕に役立てられています。
本投資法人は、これらのシステムを活用することにより発電ロスの低減を目指すとともに、保有資産の適切な設備点検や修繕及び設備更新を実施することにより、中長期的な視点から資産価値の維持・向上を図り、収益の安定を目指します。
b. 適切な保守メンテナンス体制の維持
太陽光発電では、資産価値の維持向上を図りつつ、併せて、再生可能エネルギー発電施設からの収益を最大化させるとともに、発電ロスを最小化させるため、適切な管理・迅速な修繕を行うことが肝要です。
本投資法人は、賃借人をして、メンテナンス業者に委託します。
本投資法人は、太陽光発電施設の開発・運営に豊富な実績及び経験を有するいちごECOエナジーをオペレーターに選任し、オペレーターを通じて、メンテナンス業者を管理・監督し、適切な保守メンテナンス体制を維持しています。
c. 資産価値の維持・向上に資する修繕計画
本投資法人は、中長期的な運用資産の収益の維持向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性等を考慮した個別資産ごとの修繕計画を、オペレーター及びメンテナンス業者と協議の上策定し、必要な修繕及び資本的支出を行うものとします。修繕及び資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費もあわせて勘案して本投資法人が判断するものとします。ただし、運用資産のパフォーマンスの維持及び向上に資するものと本投資法人が合理的に判断したものについては、早期に実施するものとします。
なお、運営期間中に発生する再生可能エネルギー発電施設の維持、管理、修繕等に要する費用(再生可能エネルギー発電施設に賦課される公租公課、1件10万円以上の資本的支出を含みます。)は再生可能エネルギー発電施設の保有者たる本投資法人が負担することとし、それ以外の再生可能エネルギー発電施設の日常的な維持、管理、修繕等に要する費用(1件10万円未満の資本的支出を含みます。)並びに本投資法人が被保険者となる再生可能エネルギー発電設備に係る火災保険及び地震保険並びに賃借人が被保険者となる売電収入に係る利益保険の保険料その他再生可能エネルギー発電設備を運営・維持管理するにあたって必要となる上記以外のすべての費用(発電事業に賦課される事業税を含みます。)は原則として賃借人が負担することとします。
③ ポートフォリオ構築方針
(イ) ポートフォリオ構築方針の基本的な考え方
本投資法人は、再生可能エネルギー発電施設を主たる投資対象とします。なお、本投資法人の保有資産のすべてが太陽光発電施設です。
本投資法人は、中小規模の発電量を有する太陽光発電施設を中心に投資を行う一方で、ポートフォリオのバランスを勘案して大規模の太陽光発電施設に投資(匿名組合出資持分の一部取得を含みます。)を行うことで設備規模の分散を図りつつ、立地的な条件を加味した上で地域分散投資を行います。
具体的には、太陽光発電施設への投資に際して、設備規模、立地(日射量、気候その他の気象条件、接続電気事業者(後記「(ハ) 本投資法人の投資対象」に定義します。)との系統連系の容易性その他の立地条件を含みます。)、太陽電池モジュール(太陽光パネル)及びパワーコンディショナーその他の機器・資材の製造業者及び性能その他の技術的要件、当該発電設備の過去における発電実績、再エネ特措法に基づく固定価格買取制度における調達価格及び残存する調達期間その他の固定価格買取制度の適用条件、並びに敷地等の取得・使用条件又は賃借等の条件を総合的に検討し、投資対象の選定を行います。
太陽光発電施設以外の再生可能エネルギー発電施設への投資に際しても、太陽光発電施設への投資に準じた検討を行います。以下同じです。
(ロ) 本投資法人の投資対象地域
本投資法人が取得を検討する再生可能エネルギー発電施設は、原則として、日本国内に立地するものとします。なお、日本国内の地域別の投資割合は特に定めないものとしますが、既存ポートフォリオにおける地域的なバランス、再生可能エネルギー発電施設所在地管内の電力需要を勘案しつつ対応します。
(ハ) 本投資法人の投資対象
本投資法人は、取得時において既に安定的な売電収入が確保されている再生可能エネルギー発電施設(原則として、再生可能エネルギー発電事業の実施に関する計画(以下「再生可能エネルギー発電事業計画」といいます。)について経済産業大臣による認定(再エネ特措法第9条第3項の認定をいい、認定を受けた者を「認定事業者」といいます。なお、文脈に応じて、2017年4月1日施行の電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律(平成28年法律第59号)(以下「再エネ特措法改正法」といいます。)による改正前の再エネ特措法(以下「旧再エネ特措法」といいます。)第6条第1項の認定を含む場合があります。以下同じです。)を受け、認定事業者が既に発電事業者(注1)から電気を買い取る電気事業者(注2)(以下「買取電気事業者」といいます。)との間で再エネ特措法第2条第5項に定める特定契約(調達期間を越えない範囲の期間にわたり、認定を受けた者が電気事業者に対し再生可能エネルギー発電設備で発電した電気を供給することを約し、電気事業者が調達価格によりこれを調達することを約する契約をいい、以下「売電契約」ともいいます。以下同じです。)を締結し、接続電気事業者(再生可能エネルギー発電設備を電気的に接続する電線路を維持し、及び運用する電気事業者をいいます。以下同じです。)との間で接続契約(注3)を締結し(なお、買取電気事業者と接続電気事業者とは同一の者であることを要しないこととします。)、接続電気事業者との系統連系が完了し、かつ、当該特定契約に基づく電気の供給を既に開始し、本投資法人の取得時点で1年以上の売電実績を有する再生可能エネルギー発電施設とします。)を取得することとします。なお、売電実績が1年未満の場合には、売電実績が1年以上となるまでいちごグループがウェアハウジング(注4)することを前提とします。また、開発型再生可能エネルギー発電施設への投資(自ら敷地等を取得後再生可能エネルギー発電設備の建設を行う方法)は原則として行いません。
本投資法人は、固定価格買取制度の適用を受ける再生可能エネルギー発電施設に投資する際には、当該時点における物価水準等の経済環境を踏まえて、当該再生可能エネルギー発電施設に適用される調達価格、残存する調達期間及び出力制御のルールその他の固定価格買取制度の適用条件を考慮します。
本投資法人は、パネル出力1~2MW規模の太陽光発電施設を中心に投資しつつも、ポートフォリオのバランスを勘案しながらより大規模の太陽光発電施設にも投資します。太陽光発電施設に投資する際には、当該太陽光発電施設について締結されている特定契約及び接続契約の条件を考慮します。なお、特定契約に基づく電気の買取価格は、当該太陽光発電設備に適用ある調達価格と同額又は実質的にそれ以上の金額とします。
(注1) 本書において、「発電事業」とは、別段の記載のない限り、再生可能エネルギー発電設備を用いて電気を発電する事業をいい、電気事業法(昭和39年法律第170号。その後の改正を含みます。以下「電気事業法」といいます。)第2条第1項第14号に規定する発電事業に限られません。また、「発電事業者」とは、別段の記載のない限り、再生可能エネルギー発電設備を用いて電気を発電する事業を営む者をいい、電気事業法第2条第1項第15号に規定する発電事業者に限られません。以下同じです。
(注2) 「電気事業者」とは、再エネ特措法第2条第1項に規定する電気事業者をいい、旧再エネ特措法との関係では、主に、東京電力エナジーパートナー株式会社、中部電力ミライズ株式会社その他の大手電力会社8社その他の小売電気事業者(電気事業法第2条第1項第3号に規定する小売電気事業者をいいます。以下同じです。)を指し、再エネ特措法との関係では、東京電力パワーグリッド株式会社、中部電力パワーグリッド株式会社その他の大手電力会社8社の送配電子会社からなる一般送配電事業者(電気事業法第2条第1項第9号に規定する一般送配電事業者をいいます。以下同じです。)並びに特定送配電事業者(電気事業法第2条第1項第13号に規定する特定送配電事業者をいいます。また、一般送配電事業者と特定送配電事業者を併せて「送配電事業者」といいます。以下同じです。)を指します。以下同じです。
(注3) 「接続契約」とは、再生可能エネルギー発電設備と接続電気事業者が維持し、及び運用する電線路とを電気的に接続すること及びその条件を定める契約をいいます。なお、契約締結当初の接続電気事業者である電力会社の分社化により、接続契約上の地位及び権利義務の一部又は全部が特定契約上の地位及び権利義務とともに買取電気事業者である当該電力会社の子会社に承継されている場合があります。この場合でも、発電事業者は、一般送配電事業者が定める託送供給等約款における発電者に関する事項(給電指令(出力抑制)の実施、託送供給等に伴う協力、発電場所の立ち入り等)について遵守する必要があります。以下同じです。
(注4) 「ウェアハウジング」とは、将来の本投資法人による取得を目的として、対象資産の取得及び一時的な保有を行うことをいいます。
(ニ) デューディリジェンス方針
再生可能エネルギー発電施設の取得にあたっては、下記にあげる調査項目に基づいて、経済的調査、物理的調査及び法律的調査を実施し、十分なデューディリジェンスを行います。なお、デューディリジェンスに際しては、原則として、専門性・客観性・透明性確保のため、バリュエーション調査、技術調査、ハザード情報調査等を、利害関係を有しない独立した外部業者へ委託し、その結果をもとに詳細に検討します。
| 評価項目 | 調査事項 | |
| 経済的調査 | 取得価格の妥当性 | 不動産鑑定(注1)及びバリュエーションレポート(注2)の適格性・妥当性の検証 本資産運用会社によるバリュエーションと不動産鑑定評価書及びバリュエーションレポートとの比較検証(注3) |
| オペレーター等事業調査 | オペレーターの経験・実績、組織・体制、財務基盤・財務状況、反社会的勢力への非該当性等 オペレーターの発電事業に必要となる許認可等の取得状況、維持状況等 買取電気事業者との間の再生可能エネルギー発電設備に係る特定契約等の締結状況、契約内容等 発電事業中断リスクに関する状況等 再生可能エネルギー発電施設の賃貸借契約の妥当性の検証 | |
| 収益関係(市場調査) | 投資資産の収入及び支出についての調査 今後の電力需給の見通し 賃貸借契約の条件 電力の買取価格の変動の可能性 国又は地方公共団体等からの補助金又は助成金等の見込み 修繕保守履歴及び将来予想される修繕保守費用の見通し | |
| 物理的調査 | 投資資産の基本情報 | 売主開示資料の内容精査 テクニカルレポートによる資産基本情報の確認 本資産運用会社による現地調査 |
| 発電設備・仕様概要 | テクニカルレポートによる発電設備の主要項目(主要構造、設計・製造業者・設備仕様等)の確認、立地条件への適合性 再エネ特措法第9条第3項各号に定める基準への適合に関する事項 本資産運用会社による現地調査 | |
| 耐震性能判断 | 地震PML(予想最大損失率)分析及び検証 専門家レポートによる耐震性及び地震リスクの確認 | |
| 重要書類の確認 | 不動産に関する引渡書類(境界確認書、確認申請書、確認申請図、検査済証、竣工図、賃貸借契約書等)の確認 設備に関する引渡書類(パネル設置図、送電線設備ルート図、性能試験等に関する資料、運用状況に関する資料、系統連系に関する資料等)の確認 | |
| 将来の資本的支出及び修繕費用 | テクニカルレポートによる将来の修繕費見込み 過去の修繕履歴による検証 製造業者からの保証及びアフターサービスの内容及び承継 | |
| 環境・土壌等 | 土壌汚染調査レポートによる環境調査等 |
| 評価項目 | 調査事項 | |
| 法律的調査 | 違法性 | 専門家レポート(テクニカルレポートを含みます。)による関係法規(建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)、消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)、都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)その他建築関連法規及び自治体による指導要綱等、並びに再エネ特措法、電気事業法その他の電気事業関連法規及び自治体による指導要綱等)の遵守状況等 法定点検資料に基づく、各種指摘事項に関する内容の精査 本資産運用会社による現地調査 |
| 許認可等 | 開発許可、農地法(昭和27年法律第229号。その後の改正を含みます。)に基づく転用許可等 再エネ特措法に基づく認定の取得状況 | |
| 敷地等の権利関係 | 本投資法人が敷地等の所有権を取得する場合、又は、賃借人に敷地等の所有権を取得させる場合には、完全な所有権を取得できることの確認 | |
| 共有、借地資産等、本投資法人が完全な所有権を有しない場合、又は、賃借人に所有権以外の敷地等の利用権を確保させる場合、それぞれ以下の点の適切性を確認 ・共有持分の場合 他の共有者の属性及び保有する権利の内容、共有者間協定書の有無、共有物分割請求権及び共有物分割等に関する措置 ・借地権の場合 借地人の属性、地代の適正性、借地権に対する対抗要件の具備状況、借地権売却時の承諾料の有無及び金額 ・送電線敷設用地の場合 使用権原又は許認可の有無及びその内容、対抗要件の具備状況の確認 | ||
| 発電設備の権利関係 | 本投資法人が発電設備に関する完全な所有権を取得できることの確認 | |
| 権利の付着 | 不法占拠、抵当権、根抵当権、地役権、通行権、質権、根質権、留置権等第三者による権利の付着の有無 | |
| 契約関係 | 設計・調達・建築請負契約(以下「EPC契約」といいます。)、売買契約、保守管理契約(メンテナンス業者との契約(以下「メンテナンス契約」といいます。)を含みます。)、保証書等の発電施設に関する契約内容の確認 系統連系、特定契約、接続契約等の認定、系統連系に関する契約内容の確認 賃貸借契約の契約内容の確認 その他第三者との契約内容の有無及び内容の確認 | |
| 境界・越境物調査 | 境界確定の状況、実測面積の確認、越境物の有無とその状況 |
(注1) 「不動産鑑定」とは、不動産の鑑定評価に関する法律(昭和38年法律第152号。その後の改正を含みます。)並びに国土交通省の定める不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項に基づき、土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利の経済価値を判定し、その結果を価額に表示することをいいます。
(注2) 「バリュエーションレポート」とは、投信法等の諸法令、投信協会の定める諸規則並びに本投資法人の規約に定める資産評価の方法及び基準に基づき、再生可能エネルギー発電設備の価格等の調査をし、その結果の報告を行う書類をいいます。
(注3) デューディリジェンスの結果を踏まえて取得価格を算定する際、バリュエーションレポート、不動産鑑定評価書及びテクニカルレポートの記載内容等を活用する方針ですが、例外的に活用しない場合には、採用した数値等の妥当性を検証するとともに、その根拠を記録保存します。
(ホ) 再生可能エネルギー発電設備の設置、保守、運用に必要な用地の確保
再生可能エネルギー発電設備の設置、保守、運用に必要な用地(送電線敷設用地を除き、以下「事業用地」といい、事業用地及び事業用地を使用する借地権その他の権利を併せて「事業用地等」といいます。)は、原則として、所有権、賃借権又は地上権によって確保することとし、原則として、登記により対抗要件を具備するものとします。賃借権又は地上権の場合は、原則として、その設定期間を20年以上とすることとしています(注)。
送電線敷設用地は、その属性及び使用目的に従い適切な使用権原又は使用のための許認可を確保することとします。
なお、原則として上記の用地に係る権利は賃借人に取得させることとしますが、必要に応じて本投資法人が取得する場合もあります。
(注) 本投資法人の保有資産の一部の事業用地等に係る賃貸借契約については、賃貸借契約上の契約期間が20年以上ではありませんが、原則として賃借人の意思のみで契約期間を更新できる規定を置く等により当該期間の確保に努めることを想定しています。また、本投資法人の保有資産の事業用地等に係る賃貸借契約は、必ずしも固定価格買取期間の満了までの期間を満たしているとは限りませんが、将来賃貸人及び賃借人間の合意により契約期間を更新すること等により将来的には当該期間を確保できるように努めることを想定しています。
(ヘ) 事業用地の境界確定に関する方針
a. 境界確定を実施する場合(原則)
本投資法人が再生可能エネルギー発電設備を取得するにあたっては、本投資法人がその事業用地を取得するか否かにかかわらず、隣地との間の境界が確定していることを原則とし、境界が確定していない場合には境界確定を実施します。
b. 境界確定を実施しない場合(例外)
他方、以下のいずれかに該当する場合には、例外的に、境界の確定を実施しないこととします。ただし、再生可能エネルギー発電設備の敷地等及びその隣地の状況又は隣地との関係その他の事情に鑑み、境界の確定を実施することを妨げません。
・ 隣地が国若しくは地方公共団体又はこれらに準ずる団体(地方公社等)が所有していると思料される道路、河川、水路、公園等の公共施設に係る土地である場合。なお、当該国若しくは地方公共団体又はこれらに準ずる団体から境界に関する指摘がなされておらず、境界確定を行うことが実務上難しい場合に限ります。なお、再生可能エネルギー発電設備の取得にあたって、原則として、当該国若しくは地方公共団体又はこれらに準ずる団体に対して、境界に関する問題を認識しているか否かの確認を行います。
・ 境界と再生可能エネルギー発電設備(例えば、太陽光発電設備の場合においては、アレイ(太陽電池モジュールの列))との間に十分なバッファーがあり(注)、かつ、隣地所有者の属性、隣地所有者と当該敷地等の現所有者との関係並びに当該敷地等に設置されている再生可能エネルギー発電設備に対する隣地所有者の認識その他の状況を総合的に勘案し、隣地所有者との間で境界に関する紛争が生じる可能性が低いと判断できる場合。ただし、隣地(道路を除く。)の境界と再生可能エネルギー発電設備との間に十分なバッファーがない箇所がある場合、隣地所有者との間で当該部分について境界に関する問題が生じていないことを確認する書面を交わすか、当該箇所について部分的に境界確定を実施する等の措置を取ります。
ただし、境界の確定を実施しない場合、本投資法人は、原則として、再生可能エネルギー発電設備に係る売買契約において、境界未確定の部分においてフェンス、アレイその他の設備が隣地に越境していることが判明した場合、当該設備の移設その他越境の解消に要する費用を売主に負担させることとします。なお、売主に対して費用請求できる期間については、一定の制限(原則として2年間)を設けることがあります。さらに、売主がSPCである場合、プロジェクト契約において、オペレーターであるいちごECOエナジーに、かかる越境の解消に関する業務の補助及び事務代行を売主から受託させるとともに、越境の解消に要する費用についての売主の支払義務を連帯保証させることとします。
(注) 「境界と再生可能エネルギー発電設備との間に十分なバッファーがある場合」に該当するか否かは、本資産運用会社の社内規程に基づき、境界とフェンス、(太陽光発電設備の場合においては)アレイその他の設備との距離並びに境界部分及びその周辺の地形その他の状況を総合的に勘案して判断します。かかる文脈における「境界」とは、公図、現地の状況、周辺の境界標等を勘案して境界が存在すると推測される箇所をいいます。以下同じです。
④ 運営管理方針
(イ) オペレーターの選定基本方針
a. オペレーター
本投資法人は、その資産の運営を円滑に行うための経営体制、財務基盤及び業務執行体制を有している者をオペレーターとして選定し、賃借人から本投資法人の保有資産に係る運営管理業務を委託します。
オペレーターの選定に際しては、以下のオペレーターの選定基準に従い、経験・実績、組織・体制、財務基盤・財務状況及び反社会的勢力への非該当性を確認するものとします。
本投資法人の保有資産は、その売買契約の締結時及び売買実行時において以下のオペレーターの選定基準をいちごECOエナジーが満たしており、かつ、同社は高い運営実績を有していることから、いずれもいちごECOエナジーをオペレーターとしています。オペレーター選定基準を満たす限り、今後取得する資産に関してもいちごECOエナジーがオペレーターとなる場合があります。
b. オペレーターの選定基準
オペレーターは、以下のオペレーターの選定基準を満たすことを条件として、資産の特性、管理の継続性その他の諸事情等を総合的に勘案して選定するものとします。なお、本投資法人の保有資産は、いずれもいちごECOエナジーをオペレーターとしていますが、いちごECOエナジー以外の会社をオペレーターに選定する場合には、原則として、いちごECOエナジーをバックアップオペレーターとして選定します。バックアップオペレーターを選定する場合にも、以下のオペレーターの選定基準を満たすことが条件となります。
いちごECOエナジーをオペレーター又はバックアップオペレーターに選定する場合は、利益相反取引防止の観点から、利害関係者取引規程に従います。
(a) 経験・実績(会社概要、沿革、過去の事業実績、運営管理件数、運営管理規模)
オペレーターの選定に際しては、原則として、以下の実績があることとします。
・ 商用運転を開始した当該種類の再生可能エネルギー発電設備の運営に関する実績が2年以上あること。
・ 過去2年間において当該種類の再生可能エネルギー発電設備の運営に関する実績が5件以上あること。ただし、その出力が1,000kW以上で、かつ、商用運転段階において1年以上運営を継続したものに限ります。
(b) 組織・体制
i 社内組織・社内体制
・ 当該種類の再生可能エネルギー発電設備の運営管理業務に携わる人員が常時5名以上(そのうち1年以上の当該業務経験を有している者が3名以上)存在し、そのうち責任者の地位にある者は、2年以上の当該業務経験及び当該業務に係る十分な知識を有していること。
・ コンプライアンス(法令遵守)に関する十分な社内体制を有していること(例えば、(i)オペレーター又はその親会社が金融商品取引所に上場されている等により当該事項を確認できる公表資料(金融商品取引法又は東京証券取引所の規則に基づく開示書類を含みます。)が存在する場合であれば、当該公表資料を精査し、(ii)オペレーター又はその親会社が金融商品取引所に上場されている場合であれば、定期的な内部監査を受けていることを確認し、かつ、(iii)あらかじめコンプライアンスに関する社内体制について必要に応じ質問(法令等遵守態勢、内部通報制度、苦情等への対応、顧客情報等の保護、内部者取引の防止、反社会的勢力への対応、犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成19年法律第22号。その後の改正を含みます。)への対応、リスク管理態勢、危機管理態勢、内部監査態勢等に関するもの)を行い、書面による回答を精査して確認します。)。
・ 再生可能エネルギー発電設備に関するクレーム対応能力を有していること。
ii システムによる監視体制
・ 上記「i 社内組織・社内体制」に記載の人員を配置する事務所において、遠隔地の再生可能エネルギー発電設備及びその発電状況をモニタリングするための体制・システム(監視カメラ/ストリング監視を含みます。)が構築されていること。
iii 再生可能エネルギー発電設備の運営・維持管理に係る業務の委託先の管理・監督体制
・ 再生可能エネルギー発電設備の運営・維持管理業務(運営管理業務、保守点検業務、電気保安業務等)の委託状況のモニタリングを第一次的に行うための体制・システムが構築されていること。
・ 委託先より、委託に係る業務に係る報告書を取得するほか、当該業務の遂行状況等を適時に聴取できる体制が整備されていること。
・ 上記対応が可能となるよう各関連契約上必要な条項が規定されていること。
iv 操業報告書の作成能力
・ 上記「iii 再生可能エネルギー発電施設の運営・維持管理に係る業務の委託先の管理・監督体制」に定める各委託業務に係る報告書を受領後、プロジェクト契約に従い各発電設備の操業に係る報告書を作成できる体制が整備されていること。
(c) 財産基盤・財務状況
財産基盤・財務状況について、以下の条件を満たすものとします。
・ 当該対象者の直近の連続する2決算期における単体の損益計算書又はかかる連続する2決算期における連結の損益計算書に示される経常損益が損失となっているものではないこと。ただし、当該対象者に完全親会社等(会社法第847条の3第2項に規定する完全親会社等をいいます。以下同じです。)がある場合は、当該対象者の最終完全親会社等(会社法第847条の3第1項に規定する最終完全親会社等をいいます。以下同じです。)の連結の損益計算書にて判断します。
・ 当該対象者が過去2年間において債務超過となっていないこと。
・ その他、当該再生可能エネルギー発電施設の運営を行うのに必要な財務状況を有することに合理的な疑いを生じさせる事項がないこと。
(d) 反社会的勢力への非該当性
本資産運用会社が定める「反社会的勢力排除基本規程」に基づき、次に掲げる「反社会的勢力」に該当しないこととします。
i 暴力団、暴力団員、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標榜ゴロ、政治活動標榜ゴロ、特殊知能暴力集団等又はこれらに準ずるもの
ii 上記iに定める者と人的、資本的又は経済的(不当な利益供与を行う経済取引を含みます。)に深い関係があると認められるもの
iii 自ら又は第三者を利用して、以下の行為を行い、又は行うおそれのあるもの
・ 自ら又は自らの関係者が反社会的勢力であると標榜する行為
・ 詐術、暴力的行為又は脅迫的言辞を用いる行為
・ 名誉や信用等を毀損する行為
・ 業務を妨害する行為
・ 違法薬物等を製造・販売・斡旋又は購入・使用する行為
・ 上記に定めるほか、違法行為又は法的な責任を超えた不当要求行為
iv 金融・不動産市場の秩序を乱して、市場参加者に不測の損害を与え、又はそのおそれのあるもの
v いちごグループのレピュテーションに悪影響を与えるような、社会的に好ましくない風評があると認められるもの
vi 過去において上記i~vに該当したもの
c. オペレーターのリスクの軽減
原則として、オペレーターの業況悪化時に本投資法人のみの裁量によりオペレーターとの契約を解除できるような仕組みにすること、また、契約終了時において、新たなオペレーターへの承継に協力することを義務化することにより、オペレーターの業況悪化時における新たなオペレーターへの交代を可能とし、オペレーターリスクの軽減を図っています。
(ロ) 運営方針
a. 賃借人
原則として、再生可能エネルギー発電施設において発電事業者となる第三者に当該再生可能エネルギー発電施設を一括して賃貸します。賃借人は、本投資法人から発電施設を借り受け、買取電気事業者から売電収入を受領し、本投資法人に賃料を支払います。
賃借人となる当該第三者の選定・対応については、原則として、一定の倒産隔離措置が講じられたSPCを賃借人とします。ただし、SPCではなくオペレーターを賃借人とする場合、上記「(イ)b.オペレーターの選定基準」に記載のオペレーターの選定基準に従います。
SPCを賃借人とする場合には、原則として、SPCからオペレーターに、再生可能エネルギー発電施設の運営を委託します。オペレーターの選定・対応については、上記「(イ)b.オペレーターの選定基準」に記載のオペレーターの選定基準に従います。
b. オペレーターのモニタリング
発電設備の操業実績等のオペレーターの運営状況や、賃借人又はオペレーターの財務状況について報告を受け、オペレーターについての評価を定期的に行い、適正な業務遂行が維持できない場合には、オペレーターの変更を検討します。また、オペレーターが上記「(イ)b.オペレーターの選定基準」に記載のオペレーターの選定基準を満たさなくなった場合は、かかる状況の改善可能性を検討し、改善可能性が見込めないと判断される場合には、遅滞なく当該基準を満たす新たなオペレーターに変更します。なお、本投資法人のみの意思による当該オペレーターの変更が可能となるよう、本投資法人が取得する再生可能エネルギー発電施設について、プロジェクト契約その他オペレーターとの契約又は関連する契約において解除条項その他の必要な条項を設ける方針です。
c. 賃貸条件
賃借人との賃貸借契約における賃料、契約期間その他の条件については、以下を基本とします。このうち、太陽光発電施設を想定した条件については、太陽光発電施設以外の再生可能エネルギー発電施設に投資する際にも、原則として、それに準じた条件とします。
(a) 賃料
再生可能エネルギー発電施設の収益性に鑑み、適切な賃料設定を行います。賃料は、原則として、基本賃料と実績連動賃料を組み合わせた形態とします。
基本賃料は、原則として、NEDOがまとめた年間時別日射量データベース等を基礎としてテクニカルレポートに記載された発電量予測値を勘案して算定された年間の想定売電収入から、発電設備運営に係る想定運営管理費用を控除した金額とします。実際の発電量が当該予測値を下回った場合でも、基本賃料の額を賃借人より収受することができるものとします。また、SPCが賃借人となり、いちごECOエナジーがオペレーターとなる再生可能エネルギー発電施設については、原則として当該基本賃料の額の支払債務についていちごECOエナジーによる連帯保証を受けるよう、いちごECOエナジーに要請することとします。
想定売電収入は、原則として、発電量予測値(P85)の想定売電収入(当該テクニカルレポートにおける超過確率をP85とした場合における発電電力量に調達価格を乗じた額)とします。
実績連動賃料は、原則として、実績売電収入から、運営管理費用及び基本賃料を控除した金額(ただし、負の値となる場合は0円とします。)とします。
(b) 契約期間
原則として再生可能エネルギー発電施設に適用される固定価格買取期間以上の契約期間を設定した賃貸借契約を締結するものとし、将来的に安定的なキャッシュ・フローを確保し、発電施設の運営リスクを回避するように努めます。なお、賃借人の選択による同契約の解約を制限します。
(c) 買取オプション
原則として、賃借人は、賃貸借期間の満了日の1年前の応当日以降に、再生可能エネルギー発電施設の公正な市場価格を賃貸人に支払うことにより、当該設備を賃貸人から買い取ることができ、賃借人が賃貸人に対して当該価格の全額を支払った時点で当該設備の所有権は賃貸人から賃借人に移転する旨を規定するよう努めます。
(d) その他
賃貸借契約には、本資産運用会社において発電施設の運営状況の適切な把握ができるように必要な内容(賃借人又はオペレーターに対し発電施設運営収支等について一定の報告義務等を課す等)を規定するように努めます。
(ハ) 賃借人の契約上の地位の移転
将来の賃借人の変更に備えて、あらかじめ円滑な賃借人の地位の承継を行うための手続(例えば、(i)再生可能エネルギー発電設備に係る認定上の発電事業者たる地位の承継に必要な書類の準備、(ii)買取電気事業者及び接続電気事業者との間の契約上の地位に係る譲渡予約契約の締結並びに買取電気事業者又は接続電気事業者の承諾の取得、並びに(iii)事業用地に係る賃借権又は地上権に対する本投資法人のための担保の設定、事業用地に係る賃貸借契約又は地上権設定契約上の地位に係る譲渡予約契約の締結並びに事業用地の所有者の承諾の取得等)を講じることを検討します(注1)。
賃借人の破たんその他の事由により再生可能エネルギー発電施設の賃貸借契約が終了し、又は終了するおそれが生じた場合、事前に上記の地位譲渡予約及びその承諾等が得られている場合には、賃借人の交代を早急に検討し、状況に応じて交代を行います。事前に地位譲渡予約及びその承諾等が得られていない場合には、早急に地位譲渡及びその承諾等に関する交渉を行います。
(注1) 本投資法人は、賃料の支払を確保し、また、将来の賃借人の変更に備えて、あらかじめ円滑な賃借人の地位の承継を行うため、各保有資産に係る賃貸借契約に基づき本投資法人が賃借人に対して現在及び将来保有する賃料債権その他一切の金銭債権を被担保債権として、担保権設定者をして、本投資法人のために保有資産の取得日付で以下の各担保権(根質権については第一順位)及び予約完結権(ただし、いちご高松国分寺町新居ECO発電所については、以下の1.、2.及び5.の担保権及び予約完結権に限り、いちご山口秋穂西ECO発電所については、以下の1.、2.、5.及び6.の担保権及び予約完結権に限ります。)を設定させています。
| 担保権等の種類 | 担保対象物又は譲渡予約対象の契約上の地位 | |
| 1. | 売電契約上の債権に対する根譲渡担保権 | 各保有資産に係る特定契約兼接続契約その他これに関連する賃借人と電気事業者との間の電力の受給及び接続に関連する一切の契約(以下、本(注1)において「売電契約」といいます。)に基づき賃借人がその相手方である電気事業者に対して現在及び将来保有する一切の債権(ただし、根譲渡担保権の設定についての当該電気事業者による承諾の範囲によって、担保対象物が限定される場合があります。) |
| 2. | 売電契約上の地位の譲渡予約 | 各保有資産に係る賃借人が有する各保有資産に係る売電契約上の地位 |
| 3. | 土地賃借権に対する根質権(注2) | 各保有資産に係る敷地等についての賃貸借契約(以下、本(注1)において「土地賃貸借契約」といいます。)に基づき賃借人が当該敷地等の賃貸人に対して有する賃借権 |
| 4. | 土地賃貸借契約上の地位の譲渡予約 | 各保有資産に係る賃借人が有する各土地賃貸借契約上の地位 |
| 5. | 保険金請求権に対する根質権 | 各保有資産に関する利益保険に係る保険契約に基づき賃借人が保険会社に対して有する保険金請求権その他一切の請求権 |
| 6. | SPCの社員持分に対する根質権 | 各保有資産に係る賃借人の社員たる一般社団法人が所有する賃借人の社員持分 |
(注2) 当該根質権には一定の極度額が設定されています。
(ニ) 管理方針
再生可能エネルギー発電施設に係る管理業務においては、資産価値の維持向上を図りつつ、併せて再生可能エネルギー発電施設からの収益を最大化するよう努めます。これを実現するために、本資産運用会社が適切と判断する場合は、再生可能エネルギー発電施設の特性を踏まえ、最適なメンテナンス業者を、原則として、オペレーターに選定させ、工事・営繕管理等の管理業務を一括委託することを基本とします。なお、メンテナンス業務については、オペレーターとは別のメンテナンス業者に委託するものとし、賃借人がSPCである場合、賃借人によるメンテナンス業者に対する監督及び指示の補助及び事務代行をオペレーターに委託するものとします。委託状況のモニタリングは第一次的には委託者である賃借人(SPC)がオペレーターを通じて行うものとしますが、本投資法人も共同して行うこととします。ただし、本資産運用会社が必要と認めるときは、直接のモニタリングを行うことを妨げません。
メンテナンス業者の選定にあたっては、賃借人をして、再生可能エネルギー発電設備の運営・管理の経験や能力、対象となる運用資産における実績、運用計画に沿った業務遂行の実現性、コスト水準、運用の継続性等を総合的に勘案し、本投資法人の総合的な収益向上に寄与すると認められる会社を選定させます。なお、賃借人がSPCである場合、賃借人は、メンテナンス業者の選定の補助及び事務代行をオペレーターに委託するものとします。ただし、原則として、再生可能エネルギー発電施設のEPC業者又はEPC業者の関連会社をメンテナンス業者として選定するように賃借人に要請するものとします。なお、地理的要因・経済的要因等によりEPC業者又はEPC業者の関連会社以外の会社をメンテナンス業者として選定することは妨げません。なお、賃借人又はオペレーターがメンテナンス業者のモニタリングを行うとともに、モニタリングにあたっては、メンテナンス業者の事業環境・運営状況につきメンテナンス業者より毎月報告させる態勢を整備し、モニタリングするとともに、必要があれば、財務状況のモニタリングによるメンテナンス業者のクレジット・リスクの管理等を行うことで業務水準等についての評価を定期的に行い、適正な業務遂行レベルが維持できない場合は、契約の解除を行うこと又は契約の更新を行わないことを検討します。
(ホ) 修繕及び資本的支出に関する基本方針
中長期的な運用資産の収益の維持向上を図ることを目的として、テクニカルレポートに基づくライフサイクルコスト、賃借人、オペレーター又はメンテナンス業者からの提案、減価償却費、運用資産の状況及び特性等を考慮した個別の再生可能エネルギー発電施設ごとの修繕計画を、オペレーター及びメンテナンス業者と協議の上策定し、再生可能エネルギー発電施設としての競争力維持のための適切な資本的支出を行うものとします。資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費もあわせて勘案して本投資法人が判断するものとします。ただし、運用資産のパフォーマンスの維持及び向上に資するものと本投資法人が合理的に判断したものについては、早期に実施するものとします。
設備機能の維持保全を目的とした修繕については、過去の修繕履歴、設備水準及びテクニカルレポートの内容等を踏まえ、その実施時期、実施内容及び実施額等を検討の上、賃借人又はオペレーターをして効率的な実施を行わせるよう努めます。
なお、運営期間中に発生する再生可能エネルギー発電施設の維持、管理、修繕等に要する費用(再生可能エネルギー発電施設に賦課される公租公課、1件10万円以上の資本的支出を含みます。)は再生可能エネルギー発電施設の保有者たる本投資法人が負担することとし、それ以外の再生可能エネルギー発電施設の日常的な維持、管理、修繕等に要する費用(1件10万円未満の資本的支出を含みます。)、並びに本投資法人が被保険者となる再生可能エネルギー発電設備に係る火災保険及び地震保険並びに賃借人が被保険者となる売電収入に係る利益保険の保険料その他再生可能エネルギー発電設備を運営・維持管理するにあたって必要となる、上記以外のすべての費用(発電事業に賦課される事業税を含みます。)は原則として賃借人が負担することとします。
賃借人、オペレーター又はメンテナンス業者から再生可能エネルギー発電施設の資産価値維持のみならず、競争力向上を目的としての提案がなされた場合は、通常必要とされる資本的支出(設備の経年劣化に伴う諸対応及び機能維持を目的とした各種設備の更新をいいます。)の他、中長期にわたり再生可能エネルギー発電施設の市場競争力向上を図るための改修・追加設備の設置についてもその投資の経済合理性等十分な検討を行った上で実施します。工事の実施にあたっては、実施時期、実施内容及び実施額等を検討の上、効率的な実施に努めます。
また、上記修繕工事の実施にあたり、内容の共通した工事を複数設備で実施することによりポートフォリオ全体の費用低減につながると判断した場合には、当該工事を同時期に行うことも検討します。また、ポートフォリオ全体の収支の安定性を確保するため、営業期間ごとの修繕費用と留保資金(減価償却費)とのバランス及びポートフォリオ全体の修繕工事費用の平準化に留意します。
(ヘ) 付保方針
火災等の災害や事故等により生じる発電施設の損害及び対人対物事故を原因とする第三者からの損害賠償請求による損害等に対応するため、所定の付保基準に基づき火災保険及び損害賠償保険の付保を行うものとします。また、災害、事故等による利益損失等を回避するため、利益保険を付保します。
地震保険の付保に関しては、ポートフォリオ全体のPML(予想最大損失率)を基準に、災害による影響と地震保険料とを比較検討した上で付保の判断を行います。なお、PMLが20%(注)を超える物件については、個別に超過部分に対する地震保険の付保を検討します。ただし、予想される個別設備等及びポートフォリオ全体に対する影響と保険の実効性を勘案して、付保しないこともあります。
引受保険会社の選定にあたっては、本投資法人が適当と考える保険代理店を通じて複数の保険会社の引受条件や信用状況を比較検討のうえ、公正な選定を行います。
なお、上記保険の保険契約者及び被保険者は、各保険の性質・内容、付保対象となる資産のストラクチャー等に鑑み最適な者を保険ごとに検討します。
(注) ここでいう「PML」とは、一般的には、対象施設又は対象群に対して最大級の損失をもたらすと考えられる、今後50年間に超過確率が10%となる地震動(再現期間475年相当の地震動)が発生し、その場合の90%非超過確率に相当する物的損失額の再調達価格に対する割合をいいます。
(ト) 買取期間満了後の再生可能エネルギー発電設備
買取期間が満了し、固定価格買取制度の適用外となった再生可能エネルギー発電施設については、(i)当該再生可能エネルギー発電設備により発電した電気を小売電気事業者等に対して直接若しくは卸電力取引所を通じて売却するか、又は、(ii)当該再生可能エネルギー発電施設を売却するものとします。かかる選択においては、当該満了時における売電市場、卸電力取引所、当該再生可能エネルギー発電設備のセカンダリー取引市場の動向及びそれらを踏まえた具体的な売却条件等を勘案するものとし、当該再生可能エネルギー発電施設を売却する場合は、後記「⑤ ポートフォリオの見直し・売却方針」についても考慮します。
⑤ ポートフォリオの見直し・売却方針
原則として短期的な売却は行いません。
ただし、以下に定めるところに従い、ポートフォリオの構成を見直し、保有する再生可能エネルギー発電施設を売却することがあります。なお、ポートフォリオの構成の見直し及び保有する再生可能エネルギー発電施設の売却に際しては、本資産運用会社は、国内外の経済動向及び再生可能エネルギー市場の動向を分析し、売却後のポートフォリオの資産構成が、中長期的な観点から見て安定した収益を確保することができるかどうかの検討を行い、更に当該再生可能エネルギー発電施設の現状の収益状況や将来収益の予測等を考慮した上で、売却するか否かを検討します。
本資産運用会社は、本投資法人が保有する再生可能エネルギー発電施設について、以下のいずれかの事項に該当すると判断した場合、その売却を検討します。
a. 各再生可能エネルギー発電施設の収益分析、ポートフォリオのアロケーション分析及び物件取得状況分析等の結果、売却することが本投資法人の中長期的な運用戦略から見て適切と判断した場合
b. 売却による債務の返済等を通じて財務体質の強化や資金の再調達リスクの軽減を図ることが、本投資法人の財務戦略から見て適切と判断した場合
c. 実勢価格を超える購入価格を提示する購入希望者が現れる等、売却を行うことが本投資法人の収益に寄与すると判断した場合
d. 経済情勢の著しい変化又は災害等による建物の毀損・劣化等により当初想定した収益の確保が困難となり、追加的措置によっても回復の見込みがないと判断した場合
売却に当たっては、より高い価格での売却が実現できるように、競争入札方式の導入、仲介業者の活用、専任媒介業者の活用等の方策を検討します。また、購入先の属性や購入目的等の調査を行い、不測のトラブルの回避を図ります。
⑥ 財務戦略
(イ) 基本方針
本投資法人の安定収益の確保及び運用資産の着実な成長を目的として、以下の基本方針のもとで計画的かつ機動的な財務戦略を立案し実行します。
a. 調達面では、資産の取得、修繕設備投資、分配金の支払及び本投資法人の運営又は債務の返済(敷金及び保証金の返還・借入金の返済・投資法人債の償還を含みます。)等に必要な資金の確保を目的として、バランスのとれた調達を行います。
b. 運用面では、資金の安全性、流動性及び効率性を重視した運用を行います。
(ロ) エクイティ戦略
投資口の追加発行は、総資産額に対する借入金及び投資法人債の合計額の割合(以下「有利子負債依存度」といいます。)や投資資産の取得計画等を勘案した上で、投資口の希薄化(追加発行による投資口1口当たり純資産及び1口当たり分配金への影響)にも配慮しつつ、実行します。
(ハ) デット戦略
負債による資金調達については、下記の基本方針に従って実施します。
a. 有利子負債依存度は、原則として70%を上限とします。ただし、新たな投資資産の取得に伴い、一時的に70%を超えることがあり得ます。
b. 金融機関等からの資金の借入れについては、下記の方針によります。
(a) 全体の金利コストの削減に努めつつ、金利変動リスクを軽減するため、長期・短期の借入期間、固定・変動の金利形態等のバランスを図り、また、資金の再調達リスクを軽減するため、返済期限や借入先の分散を図ります。
(b) 機動的な資金調達を目的として事前の借入枠設定又は随時借入れ予約契約の締結を必要に応じて検討します。
(c) 借入先の選定に当たっては、金融市場の状況を勘案しつつ、借入期間、金利、担保提供の要否及び手数料等の諸条件につき複数の借入候補先と交渉し、その内容を総合的に比較して合理的に決定します。なお、借入先は、金融商品取引法第2条第3項第1号において定義される適格機関投資家(ただし、租税特別措置法第67条の15第1項で定める機関投資家に限ります。)に限るものとします。
c. 長期かつ安定的な資金調達と調達先の分散を目的として投資法人債の発行も検討します。
d. 資金調達のための必要に応じ投資法人の資産を担保として提供することがあります。
e. デリバティブ取引に係る権利(投資信託及び投資法人に関する法律施行令(平成12年政令第480号。その後の改定を含みます。)(以下「投信法施行令」といいます。)第3条第2号に定めるものをいいます。)への投資を、本投資法人に係る負債から生じる為替リスク、金利変動リスクその他のリスクをヘッジすることを目的としたものに限って行うことがあります。ただし、リスクヘッジの対象となった負債が返済等により消滅する場合にも、対応するヘッジ取引についてはその解約コストを勘案し、解約しないこともあり得ます。
⑦ 適切なガバナンス体制の構築等について
本資産運用会社は、J-REITであるいちごオフィスリート投資法人、いちごホテルリート投資法人や私募不動産ファンドの運用を通じて、利益相反取引の管理、取得資産情報の取扱いに関する社内規程を整備し、それに従った運営を行っています。
本資産運用会社は、本投資法人について、グリーンインフラ本部により運用、管理を行いますが、いちごオフィスリート投資法人、いちごホテルリート投資法人や私募不動産ファンドの運用を通じて構築してきた上記のようなガバナンス体制に基づき、利益相反等に配慮した適切な運営体制を構築します。
(イ) 利益相反対策と第三者性を確保した運営体制の採用
いちごグループ等利益相反の発生するおそれが高い利害関係者との間の取引等に関して、本資産運用会社では「いちごグループ利益相反管理方針」及び「利害関係者取引規程」において弊害防止措置を定めています。
いちごグループからの資産の取得等利害関係者との取引に関する本資産運用会社の意思決定プロセスにおいては、いちごグループと利害関係のない第三者の意見が反映される仕組みが構築されています。
本資産運用会社は、投資運用委員会に外部専門家を委員として選任し、いちごグループからの資産の取得等利害関係者との取引にあたっては、グリーンインフラ本部が起案し、リスク・コンプライアンス部長及びコンプライアンス・オフィサーの事前検証によりリスク管理上又はコンプライアンス上の重大な問題がないことが確認されたのち、リスク・コンプライアンス委員会に付議し、同委員会において審議を行います。同委員会の承認が得られない場合は、当該議案を、グリーンインフラ本部に差し戻します。承認決議がなされた場合は、投資法人の役員会に承認を求めます。
投資法人の役員会に承認が得られた場合、投資運用委員会に付議されます。投資運用委員会はいちごグループと利害関係のない外部有識者を委員とし、同委員会で議案が審議され、承認決議がなされた場合には、当該決議をもって、利害関係者との取引が決定されます。
(ロ) 投資主の利益とスポンサーの利益の一体化
いちご株式会社は、投資主の利益といちご株式会社の利益の一体化を図ることを目的として、本投資法人の投資口を保有する方針です。
これにより、本投資法人及びスポンサーの相互の利益向上を図ることができると本投資法人は考えています。
⑧ 情報開示方針
本投資法人は、以下のとおり、透明性確保の観点から、法定開示・適時開示に加えて、有用かつ適切と判断される投資情報を、情報の透明性及び分かりやすさに配慮し、正確かつ迅速に開示します。
(イ) 法定開示
法定開示については、投信法及び金融商品取引法等の諸法令に従って、情報の透明性や分かりやすさに配慮し、投資主の投資判断に必要な情報を適時かつ適切に開示を行います。
(ロ) 適時開示
上記(イ)に加え、東京証券取引所、投信協会等の諸規則により要請される開示についても、それぞれが要請する内容及び様式に従って、情報の透明性や分かりやすさに配慮し、投資主の投資判断に必要な情報を適時かつ適切に開示を行います。
(ハ) その他の開示
上記(イ)及び(ロ)に基づく開示事項以外にも投資主にとって有益かつ重要な情報についても、可能な限り適時かつ適切な開示を努めるものとします。