有価証券報告書(内国投資証券)-第5期(平成30年3月1日-平成30年8月31日)

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2018/11/27 15:07
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(1)リスク要因
以下には、本投資口への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。また、今後本投資法人が投資法人債(以下「本投資法人債」といい、短期投資法人債を含むことがあります。)又は新投資口予約権(以下「本新投資口予約権」といいます。)を発行する場合、これらの事項は本投資法人債及び本新投資口予約権への投資に関してもリスク要因となる可能性があります。ただし、以下は本投資口、本投資法人債及び本新投資口予約権への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。本投資法人は、対応可能な限りにおいてこれらのリスクの発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分である保証はありません。以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資口、本投資法人債又は本新投資口予約権の市場価格は下落し、その結果、当該投資家が損失を被る可能性があるほか、本投資法人の純資産額の低下、その他財務状況の悪化による分配金の減少が生じる可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で本投資口に関する投資判断を行う必要があります。
なお、本書に記載の事項には、将来に関する事項が含まれますが、別段の記載のない限り、これらの事項は本書の日付現在における本投資法人及び本資産運用会社の判断によるものです。
本項に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 本投資口の商品性に関するリスク
(ア)本投資口の市場価格の変動に関するリスク
(イ)本投資口の市場での取引に関するリスク
(ウ)金銭の分配に関するリスク
(エ)収入及び支出の変動に関するリスク
(オ)新投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
(カ)LTVに関するリスク
(キ)投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一でないリスク
② 本投資法人の資産の取得及び保有物件の運用に関するリスク
(ア)スポンサーサポート契約に基づき情報提供等を受けた物件について、本投資法人が希望するとおりに物件取得が行えないリスク
(イ)不動産を取得又は処分できないリスク
(ウ)本投資法人の資金調達に関するリスク
(エ)投資対象をホテル・旅館等及びこれらの付帯施設に特化していることによるリスク
(オ)少数のテナント及びオペレーターに依存していることによるリスク
(カ)少数の物件に収入が依存していることによるリスク
(キ)運用資産の立地の地域的な偏在に関するリスク
(ク)フランチャイズ契約に関するリスク
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(ア)森トラストグループへの依存、利益相反に関するリスク
(イ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
(ウ)本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材に依存しているリスク
(エ)本投資法人及び本資産運用会社の歴史が浅いことによるリスク
(オ)本投資法人の投資方針等の変更に関するリスク
(カ)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
(キ)敷金及び保証金に関するリスク
(ク)インサイダー取引規制に関するリスク
(ケ)不動産の取得方法に係るリスク
(コ)自己投資口取得に係るリスク
④ 不動産及び信託受益権に関するリスク
(ア)不動産の欠陥・瑕疵や境界に関するリスク
(イ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
(ウ)賃貸借契約に関するリスク
(エ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
(オ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
(カ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(キ)水質汚濁防止法上の特定施設に関するリスク
(ク)法令の制定・変更に関するリスク
(ケ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
(コ)マスターリースに関するリスク
(サ)転貸に関するリスク
(シ)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
(ス)ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設としての建物使用態様に関するリスク
(セ)共有物件に関するリスク
(ソ)区分所有建物に関するリスク
(タ)借地物件に関するリスク
(チ)借家物件に関するリスク
(ツ)開発物件に関するリスク
(テ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
(ト)有害物質に関するリスク
(ナ)不動産を信託受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
(ニ)底地物件に関するリスク
⑤ 税制に関するリスク
(ア)導管性要件に関するリスク
(イ)多額の法人税等の発生により配当可能利益の額の90%超を配当できないリスク
(ウ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
(エ)同族会社に該当するリスク
(オ)借入れに係る導管性要件に関するリスク
(カ)投資口を保有する投資主数に関するリスク
(キ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(ク)一般的な税制の変更に関するリスク
⑥ その他
(ア)不動産の鑑定評価等に伴うリスク
(イ)減損会計の適用に関するリスク
(ウ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
① 本投資口の商品性に関するリスク
(ア)本投資口の市場価格の変動に関するリスク
本投資法人は、投資主からの請求による払戻しを行わないクローズド・エンド型であるため、投資主が本投資口を換価する手段は、原則として東京証券取引所を通じて、又は同取引所外において、第三者に売却することが必要となります。なお、本投資法人は、投資主との合意により、本投資法人の投資口を有償で取得することができます(規約第5条第2項)。
本投資口の市場価格は、取引所における需給バランスにより影響を受け、一定の期間内に大量の売却が出た場合には、大きく価格が下落する可能性があります。また、市場価格は、金利情勢、経済情勢、不動産市況その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動します。本投資法人若しくは本資産運用会社、又は他の投資法人若しくは他の資産運用会社に対して監督官庁による行政処分の勧告や行政処分が行われた場合にも、本投資口の市場価格が下落することがあります。
本投資口の市場価格が下落した場合、投資主は、本投資口を取得した価格で売却できない可能性があり、その結果、損失を被る可能性があります。
なお、本投資法人債は金利動向等の市場環境等により価格が変動することがあり、また格付けの見直しや引下げによる影響を受けることがあります。
(イ)本投資口の市場での取引に関するリスク
本投資口は、東京証券取引所不動産投資信託証券市場において売買されています。本投資法人の資産総額の減少、投資口の売買高の減少その他の東京証券取引所の定める有価証券上場規程に規定される上場不動産投資信託証券の上場廃止基準に抵触する場合には本投資口の上場が廃止されます。
本投資口の上場が廃止される場合、投資主は、保有する本投資口を相対で譲渡するほかに換金の手段がないため、本投資口を本投資法人の純資産額に比して相当に廉価で譲渡せざるを得ない場合や本投資口の譲渡自体が事実上不可能となる場合があり、損害を受ける可能性があります。
なお、本投資法人が本投資法人債又は本新投資口予約権を発行した場合、本投資法人債及び本新投資口予約権には、確立された取引市場が存在せず、買主の存在も譲渡価格も保証されていません。
(ウ)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は前記「2 投資方針/(3)分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行いますが、分配の有無及びその金額は、いかなる場合においても保証されるものではありません。本投資法人が取得する不動産及び不動産を裏付けとする資産の当該裏付け不動産(本「(1) リスク要因」の項において、以下「不動産」と総称します。)の賃貸状況、売却に伴う損益、減損損失の発生や建替えに伴う除却損等により、期間損益が変動し、投資主への分配金が増減することがあります。
(エ)収入及び支出の変動に関するリスク
本投資法人の収入は、本投資法人が取得するホテル・旅館等及びこれらの付帯施設の賃料収入に主として依存しています。賃料収入のうち、固定賃料の契約の場合は、主として賃借人の退去に伴う不動産の稼働率の低下(建物の建替え及び大規模修繕等を要因とする場合も含みます。)、変動賃料が採用されている場合は、ホテルの売上減等により、賃料が大きく減少する可能性があるほか、固定賃料の場合においても、賃借人との協議や賃借人からの請求等により賃料が減額されること、契約どおりの増額改定を行えない可能性もあります(これら不動産に係る賃料収入に関するリスクについては、後記「④不動産及び信託受益権に関するリスク/(ウ)賃貸借契約に関するリスク」をご参照ください。)。また、当該不動産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料が、一般的な賃料水準に比して適正な水準にあるとは限りません。
一方、収入の減少だけでなく、退去するテナントへの預り敷金及び保証金の返還、大規模修繕等に要する費用支出、多額の資本的支出、不動産の取得等に要する費用、その他不動産に関する支出が状況により増大し、キャッシュ・フローを減ずる要因となる可能性があります。
このように、不動産からの収入が減少する可能性があるとともに、不動産に関する支出は増大する可能性があり、これら双方又はいずれか一方の事由が生じた場合、投資主への分配金額が減少したり、本投資口の市場価格が下落することがあります。
(オ)新投資口の発行時の1口当たりの価値の希薄化に関するリスク
本投資法人は、規約において認められる投資口数の範囲において、新投資口を随時発行することが許容されており、かかる新投資口の発行により既存の投資主の保有する投資口の持分割合が減少します。また、本投資法人の計算期間中に発行された新投資口に対しては、当該計算期間の期初から存在する投資口と同額の金銭の分配が行われることになるため、既存の投資主は、新投資口の発行がなかった場合に比して、悪影響を受ける可能性があります。
さらに、新投資口の発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの価値や市場における需給バランスが影響を受ける可能性があります。
(カ)LTVに関するリスク
本投資法人のLTVは、本資産運用会社の運用ガイドラインにより原則として60%を上限としますが、資産の取得等に伴い一時的に60%を超えることがあります。LTVの値が高まれば高まるほど、一般的に、分配可能金額が金利変動の影響を受け易くなり、その結果、金利上昇等の局面において、投資主への分配額が減少するおそれがあります。
(キ)投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一でないリスク
本投資法人の投資主は、投資主総会を通じて、本投資法人の意思決定に参画できるほか、本投資法人に対して一定の権利を行使することができますが、かかる権利は株式会社における株主の権利とは必ずしも同一ではありません。例えば、金銭の分配に係る計算書を含む本投資法人の計算書類等は、役員会の承認のみで確定し(投信法第131条第2項)、投資主総会の承認を得る必要はないことから、投資主総会は、必ずしも、決算期毎に招集されるわけではありません。また、投資主が投資主総会に出席せず、かつ、議決権を行使しないときは、当該投資主はその投資主総会に提出された議案(複数の議案が提出された場合において、これらのうちに相反する趣旨の議案があるときは、当該議案のいずれをも除きます。)について賛成するものとみなされます(投信法第93条第1項及び規約第14条第1項)。さらに、本投資法人は、資産の運用に係る業務その他の業務を本資産運用会社その他の第三者に委託しています。
これらの要因により、投資主による資産の運用に係る業務その他の業務に対する統制が効果的に行えない可能性もあります。
② 本投資法人の資産の取得及び保有物件の運用に関するリスク
(ア)スポンサーサポート契約に基づき情報提供等を受けた物件について、本投資法人が希望するとおりに物件取得が行えないリスク
本投資法人及び本資産運用会社は、森トラスト及び森トラスト・ホテルズ&リゾーツとの間で、2016年3月1日付及び2016年11月1日付にてそれぞれ不動産等の情報提供に関する協定書及びスポンサーサポートに関する協定書を締結しています(スポンサーサポート契約については、前記「2 投資方針/(1)投資方針/②基本方針/(オ)森トラストグループのサポートを最大限活用した成長戦略」をご参照ください。)。しかし、不動産等の情報提供に関する協定書は、本投資法人及び本資産運用会社に対し、本投資法人の投資基準に適合する不動産等に関する情報(注)の提供を受ける権利を与えるものにすぎず、また、スポンサーサポートに関する協定書は、森トラスト・ホテルズ&リゾーツが、本投資法人及び本資産運用会社に対し、主たる用途を宿泊施設とするホテル・旅館等及びこれらの付帯施設についてのマーケット概況に係る情報提供やこれらの取得・運営・管理に関する情報提供又は意見交換を行うものに過ぎません。したがって、森トラストを含む同社グループ合計5社は、本投資法人に対して、不動産を本投資法人の希望する価格で売却する義務を負っているわけではありませんし、第三者保有の不動産等を必ず本投資法人が取得できるとの保証もありません。すなわち、本投資法人は、スポンサーサポート契約により、本投資法人が適切であると判断する不動産を適切な価格で取得できることまで常に確保されているわけではありません。
したがって、本投資法人は、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があります。
(注)森トラストグループ5社の保有する不動産等のほか、第三者が保有する不動産等に係る情報を指します。
(イ)不動産を取得又は処分できないリスク
不動産は、一般的にそれぞれの物件の個別性が強いために代替性がなく、流動性が低いため、希望する時期に希望する物件を取得又は処分できない可能性があります。また、本投資法人が取得を希望する不動産等及び不動産関連資産を取得することができるとの保証はありません。取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。さらに、本投資法人が不動産等及び不動産関連資産を取得した後にこれらを処分する場合にも、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性等もあります。
不動産の中でも、特に、本投資法人が主たる投資対象としている、ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設は、オフィス等の他の種類の不動産に比べ、立地、用途及び構造等が特殊であり、売り手及び買い手ともに限定される傾向があるため、一般的に流動性が低い点に留意が必要です。
以上の結果、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があり、また、ポートフォリオの組替えが適時に行えない可能性があります。
(ウ)本投資法人の資金調達に関するリスク
新投資口の発行、新投資口予約権の発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行の可能性及び条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後本投資法人の希望する時期及び条件で新投資口の発行、新投資口予約権の発行、金銭の借入れ及び投資法人債の発行を行うことができる保証はなく、その結果、予定した資産を取得できなかったり、予定しない資産の売却を余儀なくされたり、資金繰りがつかなくなる可能性があります。
また、本投資法人が金銭の借入れ又は投資法人債の発行を行う場合において、当該金銭の借入れ又は投資法人債の発行の条件として、資産・負債等に基づく一定の財務指標上の数値を維持する、本投資法人の信用状態に関する評価を一定の水準に維持する、投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が新たに設けられたり、運用資産に担保を新たに又は追加して設定することとなったり、規約の変更が制限される等の可能性があり、このような制約が本投資法人の運営に支障をきたし、又は投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、これらの制限に違反した場合には、追加の担保設定や費用負担等を求められ、本投資法人の運営に重大な悪影響が生じる可能性があります。なお、本投資法人が本書の日付現在行っている借入れについては、財務制限条項が設けられています。かかる財務制限条項には、本投資法人のLTV等の財務指標に関する数値が一定の数値を超過した場合の、現金等の留保義務、担保提供義務等が含まれます。
本投資法人の保有物件に担保が設定された場合、本投資法人が担保の設定された保有物件の売却を希望したとしても、担保の解除手続その他の事情により、希望どおりの時期に売却できない可能性又は希望する価格で売却できない可能性があります。また、収益性の悪化等により運用資産の評価額が引き下げられた場合又は他の借入れを行う場合等、一定の条件のもとに投資対象不動産に対して追加して担保を設定することを要求される可能性もあります。この場合、他の借入れ等のために担保が既に設定されている等の理由で担保に供する適切な資産がない可能性もあります。また、担保不動産からのキャッシュ・フローが減少したり、その評価額が引き下げられたりした場合には、本投資法人の希望しない条件で借換資金を調達せざるを得なくなったり、本投資法人の希望しない時期及び条件で運用資産を処分せざるを得なくなる状況も想定され、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、担保に供する適切な資産がないために、本投資法人の希望どおりの借入れ等を行えない可能性もあります。
また、借入れ及び投資法人債の金利その他の条件やこれに関する費用は、借入れ時及び投資法人債発行時の市場動向並びに投資法人債に係る格付等に左右され、変動金利の場合には、その後の市場動向にも左右されます。借入れ及び投資法人債の金利が上昇し、又は本投資法人の借入金額及び投資法人債発行額が増加した場合には、本投資法人の利払額は増加します。このような利払額の増加や費用の支払いにより、投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(エ)投資対象をホテル・旅館等及びこれらの付帯施設に特化していることによるリスク
a.本投資法人の収益がホテル・旅館業界等の収益に依存していることのリスク
本投資法人は、不動産の中でも、ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設を主たる投資対象としています。
したがって、本投資法人の業績は、ホテル・旅館業界の全体的な傾向に大きく依存しています。場合によっては、テナントが、賃料を約定どおり支払うことができなくなったり、賃貸借契約を解約して又は更新せずに退去したり、賃料の減額請求をすることがあります。これらの要因により、本投資法人の収益は悪影響を受けることがあります。
また、本投資法人が、テナントとの間で賃貸借契約を締結する際に、固定賃料部分と変動賃料部分を組み合わせた賃料構成とした場合、テナントの売上減少又は利益の減少等が、賃料収入に直接的な悪影響を与えることになります。本書の日付現在、本投資法人が保有する一部の資産についての賃貸借契約は、かかる固定賃料部分と変動賃料部分を組み合わせた賃料構成となっています。
なお、本投資法人が、ある施設について、賃貸借契約でなく、運営委託契約を締結して運営受託者に運営を委託する場合にも、上記とほぼ同様のリスクがあります。
ホテル・旅館業界の業績や収益は、以下のものを含むさまざまな要素により悪影響を受ける可能性があります。
・国内の景気及び経済状況の悪化並びに災害、悪天候、伝染病の流行等による消費者行動の変化の影響を受けた旅行者数の減少
・政治及び外交上の出来事及び動向や為替要因等による、インバウンドの旅行者数の減少
・旅行代理店の倒産等による、旅行代理店との間の信用取引によって発生した債務の不履行
・保有する設備や周辺環境の陳腐化又は交通環境の変化による集客力の低下
・周辺の特定の施設に集客力が依存している場合の当該施設の閉鎖等による集客力の低下
・当該施設や周辺において提供されている特定のサービスに集客力が依存している場合の当該サービス提供の終了、当該サービスに対する旅行者の選好の変化等による集客力の低下
・類似するコンセプトのホテル及び旅館との競合による集客力の低下
・旅行者の旅のニーズ又はトレンドの変化
・機械化が難しいサービスを提供する従業員の確保の失敗
・提供する飲食物による食中毒等の事故の発生
・従業員等の故意又は過失による顧客情報の漏洩
・自然災害等による温泉の枯渇や温泉の利用権の喪失
・旅館業法(昭和23年法律第138号、その後の改正を含みます。)に基づく営業許可その他許認可の取消し
また、ホテル・旅館業界の業績や収益は、季節的要因により変動します。現在の本投資法人のポートフォリオは、2月末日で終了する計算期間と8月末日で終了する計算期間で季節的要因による収益の大きな変動は回避されていると考えていますが、ポートフォリオの変動や計算期間の変更等の結果、季節的要因による収益の変動が生じる可能性を完全に排除するものではありません。
さらに、保有物件に関して本書の日付現在有効な賃貸借契約において定められている最低保証賃料は、1年間の変動賃料の合計額が最低保証賃料に満たない場合にその差額について1年毎に支払われる仕組みであるため、計算期間毎に収益が大きく異なる可能性があります。
したがって、本投資法人の収益は2月末日で終了する計算期間と8月末日で終了する計算期間で異なることがあります。賃料の算定方法についての詳細は、後記「5 運用状況/(2)投資資産/③その他投資資産の主要なもの/(コ)保有資産の個別不動産の概要」をご参照ください。
b.既存テナント等が退去した場合に関するリスク
ホテル・旅館業界は、装置産業としての性格が強く、内装や温泉権のように、施設運営に不可欠の資産、権利等をテナント又はオペレーターが有している場合もあり、また、運営に当たり高度な知識が要求されることから、賃貸借契約又は運営委託契約が解除され又は更新されずに既存テナント又は既存オペレーターが退去した場合、代替するテナント又はオペレーターとなりうる者が少ないために、代替テナントが入居するか、又は新たな運営委託契約の締結後運営受託者が運営を開始するまでの空室期間が長期化し、不動産の稼働率が大きく低下すること、代替するテナント又はオペレーター確保のために賃料や受託手数料水準を下げざるを得なくなること、運営の移行期間において十分な収益が実現できないこと、又は賃貸借契約や運営委託契約の条件が不利になることがあり、その結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。本投資法人は既存テナント又は既存オペレーターが退去した場合に代替するテナント又はオペレーターとなりうる者と事前にバックアップオペレーター契約を締結して既存テナント又は既存オペレーターの退去に備えることがありますが、その場合でも、必ずしも相手方がテナント又はオペレーターとなる契約上の義務を負うわけではなく、既存テナント又は既存オペレーターの退去による本投資法人の収益等への悪影響を避けることができるとは限りません。
さらに、既存オペレーターへの運営委託の終了によってオペレーターが交代するものとしていても、円滑な交代ができず、又は交代に伴って多額の費用が生じ、その結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
c.FF&Eの定期更新に関するリスク
ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設は、競争力維持のためのいわゆるFF&E(注)の定期的な更新投資及び単なる更新に留まらない競争力強化のための大規模投資が必要となります。FF&Eはその資産アイテム毎に、本投資法人とテナント又は運営受託者との間の資産区分及び初期投資、修繕、更新等の負担区分が賃貸借契約又は運営委託契約において規定されることが想定されます。かかる取決めにより、本投資法人がその多くを所有し、その負担能力を超えて初期投資、修繕、更新等を行うこととなった場合、本投資法人の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、これらの理由で工事が行われる場合、施設の一部又は全体が相当期間閉鎖される場合もあり、この間オペレーターの得られる収益が減少することがあります。また、かかるFF&Eの初期投資、修繕、更新等がホテル・旅館等及びこれらの付帯施設の売上又は利益増につながらず、期待どおりの効果が得られない場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(注) FF&Eは、Furniture、Fixture & Equipmentの略であり、家具、什器、備品、装飾品及び厨房機器等、ホテル運営に必要な資産をいいます。原則的にFF&Eは償却資産です。以下同じです。
d.オペレーターの業態の偏りに関するリスク
ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設の場合、用途に応じた構造の特殊性から、オペレーターの業態を大きく変更することが困難であることが多く、また、経済の動向、消費性向の変化に伴い、収益力が減退するときには業務の撤退・縮小を余儀なくされることもあり、そのような場合には、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
e.ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設の構造及び立地の特殊性に伴うリスク
本投資法人は、ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設としての目的に照らして必要な強度を有し、宿泊施設としての安全性に問題がないと判断できる場合には、木造を含む全ての種類の建物構造の建造物へ投資することがあります。また、築年が古い建築物、都市部のような手厚い災害対策がなされていない手付かずの自然環境が豊かな地域に立地する建築物等に投資することもあります。このような特殊な建築物には特有のリスクがあります。詳しくは後記「④不動産及び信託受益権に関するリスク/(エ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク」をご参照ください。本投資法人は、現地で建物の目視調査を含む非破壊調査を行い、消防法(昭和23年法律第186号、その後の改正を含みます。)(以下「消防法」といいます。)等を含む関連法令に照らし必要と判断される場合は、修繕を実施する等、安全性に配慮し、また、オペレーション上の支障がないことも確認した上で投資する方針ですが、このような特殊な不動産特有のリスクを回避できず、当該建築物でのオペレーションが不可能になった場合又は利用者の生命、身体若しくは財産等を侵害した場合、本投資法人の収益等に大きな悪影響が生じる可能性があります。
(オ)少数のテナント及びオペレーターに依存していることによるリスク
本投資法人の保有物件の全ては、単一のテナントへ物件全体を賃貸するいわゆるシングルテナント物件です。本投資法人の保有物件のうち、「シャングリ・ラ ホテル 東京」、「コートヤード・バイ・マリオット 東京ステーション」及び「コートヤード・バイ・マリオット 新大阪ステーション」は森トラストへ賃貸しており、「ホテルサンルートプラザ新宿」は株式会社相鉄ホテルマネジメントへ賃貸しています。
また、本投資法人の保有物件のうち、「コートヤード・バイ・マリオット 東京ステーション」及び「コートヤード・バイ・マリオット 新大阪ステーション」は森トラスト・ホテルズ&リゾーツが、「シャングリ・ラ ホテル 東京」はShangri-La Hotels Japan株式会社が、「ホテルサンルートプラザ新宿」は株式会社相鉄ホテルマネジメントが運営しており、「コートヤード・バイ・マリオット 東京ステーション」及び「コートヤード・バイ・マリオット 新大阪ステーション」についての森トラストとのマスターリース契約においては、ホテル営業の利益に連動する変動賃料が、「シャングリ・ラ ホテル 東京」の森トラストとのマスターリース契約においてはホテル営業の売上等に連動する変動賃料が採用されています。
したがって、本投資法人の収入は、森トラストグループ、Shangri-La Hotels Japan株式会社及び株式会社相鉄ホテルマネジメント各社のホテル運営状況により大きな影響を受けます。これらの運営力、レピュテーション、ブランド力等が低下して変動賃料の額(設定されている場合)が減少する可能性があります。また、財政状態及び経営成績が悪化し、賃料支払が遅延したり、中途解約その他の理由により物件から退去した場合や運営を中止した場合には、個々のホテルの運営には高度のノウハウを必要とすることから、代替テナント・オペレーターとなりうる者が限定されているために、これらのものが見つかるまでの期間が長期化する可能性があり、また、当該ホテルの稼働率が大きく減少したり、代替テナント確保のために賃料水準を引き下げざるを得なくなることがあります。これらの結果、本投資法人の収益等に大きな悪影響が生じる可能性があります。本投資法人は、保有物件に関して森トラストと締結している賃貸借契約において、「コートヤード・バイ・マリオット 東京ステーション」及び「コートヤード・バイ・マリオット 新大阪ステーション」は取得後10年間、賃貸人の同意なく中途解約することができない旨の定めを設け、また、「シャングリ・ラ ホテル 東京」についての森トラストとの間の賃貸借契約及び「ホテルサンルートプラザ新宿」についての株式会社相鉄ホテルマネジメントとの間の賃貸借契約においては契約期間中、賃貸人の同意なく中途解約することができない旨の定めを設けてかかるリスクを限定すべく対応しています。しかしながら、かかる中途解約が制限される期間の経過後はテナントからの中途解約又はテナントの退去を制限することはできないため、当該リスクを必ずしも回避又は低減できるとは限りません。
(カ)少数の物件に収入が依存していることによるリスク
本投資法人のポートフォリオは、本書の日付現在、4物件により構成されています。このように、本投資法人の保有する物件の数が少数であることから、いずれかの物件が何らかの理由で毀損、滅失若しくは劣化し、又はオペレーションが不可能となる事由が生じた場合、又はそのテナント若しくはオペレーターの財政状態及び経営成績が悪化し、又はこれらのテナント若しくはオペレーターが中途解約等により退去や運営を中止した場合した場合には、本投資法人の収益等に大きな悪影響が生じる可能性があります。本投資法人はこれらの保有物件について現時点で有効な賃貸借契約において、契約期間中又は一定期間、賃貸人の同意なく中途解約することができない旨の定めを設け、かかるリスクを限定すべく対応していますが、かかる中途解約が制限される期間の経過後はテナントからの中途解約又はテナントの退去を制限することはできないため、当該リスクを必ずしも回避又は低減できるとは限りません。
(キ)運用資産の立地の地域的な偏在に関するリスク
本投資法人のポートフォリオのうち、本書の日付現在、3物件が東京都に所在しています。東京都における地震その他の災害や、東京都の情勢の悪化等の理由により、本投資法人の収益等に大きな悪影響が生じる可能性があります。
また、今後の運用次第では、本投資法人の運用資産の立地に新たな地域的な偏在が生じる可能性もあります。その場合、上記同様、当該地域に特有の事由により、本投資法人の収益等に大きな悪影響が生じる可能性があります。
(ク)フランチャイズ契約に関するリスク
本投資法人の保有物件のうち、「コートヤード・バイ・マリオット 東京ステーション」及び「コートヤード・バイ・マリオット 新大阪ステーション」に係るテナントである森トラストは、ホテル事業やブランドライセンシングに関するフランチャイズ契約を締結しています。このようなフランチャイズ契約においては、フランチャイザーは、フランチャイジーに対して、一定のオペレーティングスタンダードや他の基準・条件の遵守を要求しており、フランチャイジーがかかる基準・条件に違反した場合(フランチャイジーがフランチャイズ契約上のフランチャイジーの地位等を譲渡等することによって、かかる基準・条件に違反する場合も含みます。)には、これらのフランチャイズ契約をフランチャイザーから解約される可能性があります。また、使用しているブランドのイメージが一般的に低下するようなことが起こった場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。このように、フランチャイズ契約が終了しホテル事業が不可能となった場合、又は、何らかの理由によりテナントにおける当該ホテルブランドの使用が不可能となった場合、「コートヤード・バイ・マリオット 東京ステーション」及び「コートヤード・バイ・マリオット 新大阪ステーション」のホテルとしての運営及びブランド価値が低下することにより、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。今後、本投資法人が取得するホテル・旅館等及びこれらの付帯施設においても、このようなフランチャイズ契約をテナントが締結している場合には、同様のリスクが生じる可能性があります。
③ 本投資法人の関係者、仕組みに関するリスク
(ア)森トラストグループへの依存、利益相反に関するリスク
森トラストは、本書の日付現在、本資産運用会社の親会社であり、本資産運用会社の主要な役職員の出向元です。また、本投資法人及び本資産運用会社は、森トラスト及び森トラスト・ホテルズ&リゾーツとスポンサーサポート契約並びに森トラストグループが有する商標の使用許諾に関する覚書を締結しています(スポンサーサポート契約については、前記「2 投資方針/(1)投資方針/②基本方針/(オ)森トラストグループのサポートを最大限活用した成長戦略」をご参照ください。)。また、本投資法人は、森トラスト・ホテルズ&リゾーツを含む森トラストグループが独自のノウハウを有し、ポートフォリオ全体及び運用資産毎の特性を十分に理解していると考えており、適切と考える場合には森トラスト・ホテルズ&リゾーツを含む森トラストグループをオペレーターに選定します。このように、森トラストグループをオペレーターとすることにより、本投資法人はその運用資産の運営に際し森トラスト・ホテルズ&リゾーツを含む森トラストグループの名称及びロゴ等を使用します。
すなわち、本投資法人及び本資産運用会社は、森トラスト及び森トラスト・ホテルズ&リゾーツと密接な関係を有しており、本投資法人による安定した収益の確保と成長性に対する森トラスト及び森トラスト・ホテルズ&リゾーツの影響は極めて高いということができます。
したがって、本投資法人及び本資産運用会社が森トラスト及び森トラスト・ホテルズ&リゾーツとの間で、本書の日付現在における関係と同様の関係を維持できなくなった場合、森トラストグループの事業方針の変更等により森トラストグループにおける本投資法人の位置づけが変化した場合、森トラストグループの運営力、レピュテーション、ブランド力等が低下した場合、又は森トラストグループの業績若しくは財政状態が悪化した場合等には、本投資法人に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、本投資法人や本資産運用会社が、資産運用活動その他を通じて、森トラストグループとの間で取引を行う場合、利害関係者取引規程に基づく手続の履践等、一定の利益相反対策は行っているものの、森トラストグループの利益を図るために、本投資法人の投資主の利益に反する行為を行う可能性もあり、その場合には、本投資法人の投資主に損害が発生する可能性があります。
さらに、本投資法人及び本資産運用会社が森トラスト及び森トラスト・ホテルズ&リゾーツとの間で締結している契約は、森トラストグループが、本投資法人と競合する事業を行うことを禁止するものではありません。森トラストグループは、ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設に関わる取得、開発、保有・運営、再生、リーシング、森トラストグループ以外の第三者からの各種コンサルティング業務、PM業務又はホテル運営業務(賃貸借の形態によるものも含みます。)の受託等、様々な形で本投資法人の運用資産と競合する不動産に関連する業務を行っています。したがって、本投資法人又は本資産運用会社と森トラストグループとが、特定の資産の取得、賃貸借、管理運営、処分等に関して競合する可能性やその他利益相反が問題となる状況が生じる可能性は否定できません。
上記のような利益相反が問題となりうる場合としては、例えば、森トラストグループからの物件取得に際しての取得価格その他の購入条件、森トラストグループが所有する土地の借地に関する条件、オペレーターである森トラストグループに対する賃貸又は運営委託に関する条件、森トラストグループに対する瑕疵担保責任の追及その他の権利行使、スポンサーサポート契約の更新の有無、利用者の誘致、PM業務の遂行等があげられます。
これらの問題により、本投資法人の利益が不当に害され、本投資法人の投資主に損害が発生する可能性があります。
(イ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、全ての執行役員及び監督役員から構成される役員会において重要な意思決定を行い、資産の運用を本資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に、それぞれ委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。また、投信法は、本投資法人の執行役員及び監督役員並びに本投資法人の関係者に関する義務及び責任を定めていますが、これらの本投資法人の関係者が投信法その他の法令に反し、又は、法定の措置をとらないときは、投資主に損害が発生する可能性があります。
また、本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者が、法令上又は契約上負っている善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)、本投資法人のために忠実に職務を遂行する義務(忠実義務)、利益相反状況にある場合に本投資法人の利益を害してはならない義務、その他の義務に違反した場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼし、投資主が損害を受ける可能性があります。
このほかに、本資産運用会社又は本投資法人若しくは運用資産である不動産信託受益権に関する信託受託者から委託を受ける業者として、PM会社、建物の管理会社等があります。本投資法人の収益性の向上のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところも大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。これらの者について業務の懈怠その他の義務違反があった場合や業務遂行能力が失われた場合には本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ウ)本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材に依存しているリスク
本投資法人の運営は、本投資法人の役員及び本資産運用会社の人材に大きく依存しており、これらの人材が失われた場合、本投資法人の運営に悪影響をもたらす可能性があります。
(エ)本投資法人及び本資産運用会社の歴史が浅いことによるリスク
本投資法人は、2016年1月15日に設立され、また、本資産運用会社は、2015年12月11日に投資運用業の登録を完了し、本資産運用会社が資産の運用を行う初めての投資法人であり、ほかに投資法人の資産の運用を行っていません。したがって、本投資法人及び本資産運用会社には、過去の実績が少なく、過去の実績から今後の実績を予測することは困難となります。
(オ)本投資法人の投資方針等の変更に関するリスク
本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び本資産運用会社の取締役会が定めたより詳細な投資方針、ポートフォリオ構築方針、運用ガイドライン等については、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。本資産運用会社は、中長期にわたり観光産業の中核となる、ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設に対して投資し、「資産性」「安定性」「成長性」を兼ね備えた運用を行う方針を運用ガイドラインで定めていますが、この方針を投資主総会の承認を受けずに変更することも可能です。
また、本投資法人の発行する投資証券について支配権獲得その他を意図した取得が行われた場合、投資主総会での決議等の結果として本投資法人の運用方針、運営形態等が他の投資主の想定しなかった方針、形態等に変更される可能性があります。
一方で、森トラストグループの経営戦略の変更その他の運用環境の変化に対応して、適切に本投資法人の運用方針、運用形態等を変更できない可能性もあり、そのような場合には、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(カ)本投資法人の倒産又は登録抹消のリスク
本投資法人は、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。)(以下「破産法」といいます。)上の破産手続、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。)(以下「民事再生法」といいます。)上の再生手続及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服する可能性があります。
本投資法人は、投信法に基づいて投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合に投信法に従ってその登録が取り消される可能性があります(投信法第216条)。その場合には、本投資口の上場が廃止され、本投資法人は解散し、清算手続に入ります。
本投資法人が清算される場合、投資主は、全ての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産の分配にあずかることによってしか投資金額を回収することができません。このため、投資主は、投資金額の全部又は一部について回収を得ることができない可能性があります。
(キ)敷金及び保証金に関するリスク
本投資法人は、運用資産の賃借人が無利息又は低利で預託した敷金又は保証金を運用資産の取得資金の一部として利用する場合があります。しかし、賃貸市場の動向、賃借人との交渉等により、本投資法人の想定よりも賃借人からの敷金及び保証金の預託額が少なくなり、又は預託期間が短くなる可能性があり、この場合、必要な資金を借入れ等により調達せざるを得なくなります。また、不動産信託受益権を取得した場合に、その信託財産である不動産に関する敷金又は保証金を本投資法人が利用する条件として、本投資法人が敷金又は保証金の返還債務を負う場合があり、当該返還債務の履行に必要な資金を借入れ等により調達する可能性があります。これらの結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(ク)インサイダー取引規制に関するリスク
投資口の取引についても、金融商品取引法が定めるインサイダー取引の規制対象となります。2014年4月1日に施行された投資法人の発行する投資口の取引へのインサイダー取引規制の導入等を定めた金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成25年法律第45号)においては、発行者である投資法人の役員だけでなく、資産運用会社及びその特定関係者(資産運用会社の親会社、及び投信法第201条第1項に規定する資産運用会社の利害関係人等のうち、一定の基準を満たす取引を行い、又は行った法人)の役職員が会社関係者として上記規制の対象者に含まれるとともに、投資法人及び資産運用会社に関連する事実が重要事実として規定されています。本投資口につきインサイダー取引規制に違反する行為が行われた場合には、投資家の本投資口又は不動産投資信託証券市場に対する信頼を害し、ひいては本投資口の流動性の低下や市場価格の下落等の悪影響をもたらすおそれがあります。なお、上場投資口については、上場株式同様、大量保有報告書制度の対象となっています。
(ケ)不動産の取得方法に係るリスク
本投資法人は、今後不動産を取得するに当たり、投資法人としての税制上の軽減措置を受けることを目的として、当該不動産についての所有権等の移転本登記申請を譲渡代金支払日後直ちに行わない場合があります。この場合、売主が譲渡代金支払い後本登記申請までの間に当該不動産を二重譲渡し、担保提供し、又は売主が倒産すること等により、本投資法人が当該不動産の完全な所有権を取得できなくなる可能性があり、また、同時に支払済みの譲渡代金の全部又は一部につき返還を受けられなくなる可能性があります。本投資法人は、上記軽減措置に関する手続のために必要な一定期間について、仮登記を経ること等により本登記の順位を保全して上記リスクを回避する方針ですが、仮登記には順位保全効果しかなく、本登記がなされる前に売主が倒産した場合等には本投資法人が保護されない可能性があり、上記リスクを完全に排除できるわけではありません。
(コ)自己投資口取得に係るリスク
本投資法人は、資金調達環境、金融マーケットの状況、本投資法人の投資口価格の状況等を勘案し、投資主還元と資本コストの最適化に資すると判断した場合、自己投資口の取得を行うことがありますが、取得した自己投資口は相当の時期に処分又は消却をしなければならず、必ずしも投資法人にとって有利な時期及び価格で処分できる保証はありません。また、投資法人が税務上の特例要件を満たし法人税が課税されないこととなるためには、税引前当期利益に一定の調整を加えた金額の90%超の配当を行う必要があります(以下「90%超配当要件」といいます。)が、自己投資口は貸借対照表上、純資産の控除項目として計上されることから、税引前当期利益に比し、本投資法人が実際に配当できる金額が自己投資口の金額分減少する可能性があり、結果として、決算期を超えて自己投資口を保有し続けた場合に90%超配当要件を満たせない可能性があります。
④ 不動産及び信託受益権に関するリスク
本投資法人の主たる運用資産は、後記「5 運用状況/(2)投資資産/③その他投資資産の主要なもの」に記載の不動産等資産です。不動産信託受益権その他不動産を裏付けとする資産の所有者は、その信託財産である不動産又は裏付けとなる不動産を直接所有する場合と、経済的には、ほぼ同様の利益状況に置かれます。したがって、以下に記載する不動産に関するリスクは、不動産信託受益権その他不動産を裏付けとする資産についても、ほぼ同様にあてはまります。
なお、信託受益権特有のリスクについては、後記「(ナ)不動産を信託受益権の形態で保有する場合の固有のリスク」をご参照ください。
(ア)不動産の欠陥・瑕疵や境界に関するリスク
第三者の権利の存在、建物の建設工事における施工の不具合や施工時に利用するデータの転用その他の不適切な利用、土地の地形や組成等の様々な原因により、不動産には権利、土地の地盤及び地質並びに建物の杭や梁等の構造、設計及び施工等に関して欠陥、瑕疵等(隠れたものを含みます。)が存在している可能性があります。同様に、越境物や地中埋設物の存在により、不動産の利用が制限されたり賃料に悪影響を与える可能性や、それらの除去費用等の追加負担が発生することで本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。また、不動産には様々な法規制が適用されるため、法令上の規制違反の状態をもって瑕疵とされることもありえます。本資産運用会社が不動産の選定・取得の判断を行うに当たっては、専門業者から建物状況評価報告書を取得する等の物件精査を行うことにしています。しかしながら、建築基準法等の行政法規が求める所定の手続を経た不動産についても、建物の素材や建設時の施工の適切性を保証するものではなく、当該行政法規が求める安全性や構造耐力等を有するとの保証もなく、また、建築基準法等の行政法規が求める所定の手続が適正であったか否かを事後的に検証することは、当該手続時や施工時の資料等を入手する必要があること等の理由から困難が伴います。したがって、かかる欠陥、瑕疵等が本投資法人の取得後に判明する可能性もあります。本投資法人は、状況によっては、前所有者に対し一定の事項につき表明及び保証を要求し、瑕疵担保責任を負担させる場合もありますが、たとえかかる表明及び保証が真実でなかったことを理由とする損害賠償責任や瑕疵担保責任を追及できたとしても、これらの責任の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、前所有者が解散したり無資力になっているために実効性がない場合もあります。
これらの場合には、当該欠陥、瑕疵等の程度によっては、当該不動産の資産価値が低下することを防ぐために必要となる当該欠陥、瑕疵等の補修、建物の建替えその他の対応に係る費用が甚大となる可能性があるとともに、当該不動産の買主である本投資法人が当該費用を負担せざるをえなくなることがあり、投資主に損害を与える可能性があります。
また、不動産登記簿の記載を信じて取引した場合にも、買主は不動産に係る権利を取得できないことがあります。さらに、不動産登記簿中の不動産の権利に関する事項が現況と一致していない場合もあります。加えて、権利に関する事項のみならず、不動産登記簿中の不動産の表示に関する事項も現況と一致していない場合もあります。このような場合、上記と同じく、本投資法人は売主等に対して法律上又は契約上可能な範囲で責任を追及することとなりますが、その実効性があるとの保証はありません。
さらに、本投資法人の主たる投資対象であるホテル・旅館等及びこれらの付帯施設において、隣地との境界が確定していない場合や、景勝地に存在すること等により公道への接続が限定されていることがありえます。本投資法人は、このような境界が確定していない物件や公道への接続が限定されている物件であっても、紛争等の可能性や運営への影響等を検討の上で取得することがありますが、本投資法人の想定に反し、隣地との間で紛争が生じたり、境界確定の過程で運用資産の運営に不可欠の土地が隣地所有者の所有に属するものとされたり、公道への接続手段が失われ又はより限定されることにより運営に悪影響が生じること等により、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(イ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
本投資法人が不動産を売却する場合、本投資法人は、宅建業法上、宅地建物取引業者とみなされるため、同法に基づき、売却の相手方が宅地建物取引業者である場合を除いて、不動産の売買契約において、瑕疵担保責任に関し、買主に不利となる特約をすることが制限されています。したがって、本投資法人が不動産を売却する場合は、売却した不動産の欠陥、瑕疵等の修補その他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主に損害を与える可能性があります。
加えて、不動産をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、不動産に関する権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。その結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
さらに、賃貸不動産の売却においては、新所有者が賃借人に対する敷金返還債務等を承継するものと解されており、実務もこれにならうのが通例ですが、旧所有者が当該債務を免れることについて賃借人の承諾を得ていない場合には、旧所有者は新所有者とともに当該債務を負い続けると解される可能性があり、予想外の債務又は義務等を負う場合があり得ます。
(ウ)賃貸借契約に関するリスク
a.賃貸借契約の解約及び更新に関するリスク
賃借人が賃貸借契約上解約権を留保している場合等には、契約期間中であっても賃貸借契約が終了したり、また、賃貸借契約の期間満了時に契約の更新がなされない場合もあるため、稼働率が低下し、不動産に係る賃料収入が減少することがあります。また、解約禁止条項、解約ペナルティ条項等を置いて期間中の解約権を制限している場合や更新料を定めている場合でも、裁判所によって所定の金額から減額されたり、かかる条項の効力が否定される可能性があります。
以上のような事由により、賃料収入等が減少した場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主に損害を与える可能性があります。
b.賃料不払に関するリスク
賃借人の財務状況が悪化した場合又は破産手続、民事再生法上の再生手続若しくは会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。)(以下「会社更生法」といいます。)上の更生手続その他の倒産手続(以下、併せて「倒産等手続」と総称します。)の対象となった場合、賃貸借契約に基づく賃料支払が滞る可能性があり、この延滞賃料等の債務の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超える状況になった場合には、投資主に損害を与える可能性があります。
c.賃料改定に係るリスク
テナントとの賃貸借契約の期間が比較的長期間である場合には、多くの場合、賃料等の賃貸借契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。したがって、本書の日付現在の賃料が今後も維持される保証はありません。賃料改定により賃料が減額された場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主に損害を与える可能性があります。
また、定期的に賃料等を増額する旨の規定が賃貸借契約にある場合でも、賃借人との交渉如何によっては、必ずしも、規定どおりに賃料を増額できるとは限りません。
d.賃借人による賃料減額請求権行使のリスク
建物の賃借人は、定期建物賃貸借契約において借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)(以下「借地借家法」といいます。)第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合を除いて、同条に基づく賃料減額請求をすることができます。請求が認められた場合、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主に損害を与える可能性があります。
e.変動賃料に関するリスク
保有物件について本投資法人とテナントの間で締結されている賃貸借契約においては、(i)固定賃料による賃料構成と、(ⅱ)原則として売上高又は利益に連動した変動賃料をとるものの、当該変動賃料に係る最低保証賃料とを組み合わせた賃料構成があります。後者の賃料構成については、売上高又は利益に連動した変動賃料の支払いを受ける場合には、売上高の減少又は利益の減少等が賃料総額の減少につながり、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼし、投資主に損害を与える可能性があります。本書の日付現在、本投資法人が保有する資産についての賃貸借契約においては、かかる固定賃料の賃料構成のものと変動賃料及び最低保証賃料が組み合わさった賃料構成のものがあります。
また、変動賃料の支払いを伴う賃貸借契約において、変動賃料の計算の基礎となる売上高等の数値について、賃貸人がその正確性について十分な検証を行えない場合がありえます。その結果、本来支払われるべき金額全額の変動賃料の支払いがなされず、本投資法人の収益に悪影響を及ぼし、投資主に損害を与える可能性があります。
本書に記載されている、森トラストグループが運営するホテルのこれまでの運営実績は、森トラストグループから取得した情報をそのまま記載したものであり、あくまでも参考情報に過ぎず、当該情報は不完全又は不正確であるおそれがあります。また、これらの情報は、本投資法人が採用する会計処理等と同一の方法で算出されたものとは限りません。さらに、これらの過去の情報は、当該資産における今後の売上高その他の運営実績を保証するものではありません。
(エ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
火災、地震、液状化、津波、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、火山の噴火、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下「災害等」といいます。)により不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が影響を受ける可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した個所を修復するため一定期間建物の不稼働を余儀なくされることにより、賃料収入が減少し、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主に損害を与える可能性があります。
特に、本投資法人の主たる投資対象である、ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設は、災害等の被害を受ける可能性が高い場所に立地することもあり、また、特に旅館の多くは木造であり、築年数も古い傾向にあることから、火災をはじめとする災害等の影響を受ける可能性が高いという、他の種類の不動産にはない特殊性があります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で填補されない災害等が発生した場合、又は保険契約に基づく保険会社による支払いが他の何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅れる場合には、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主に損害を与える可能性があります。なお、現ポートフォリオについては、全ての保有物件において火災保険に加入していますが、今後取得する資産について火災保険に加入するとは限りません。また、我が国における地震による災害の影響度の甚大性とその発生の可能性に鑑み、ポートフォリオ全体に与える影響及び保険の実効性を考慮し、PML値が15%超の各物件について、火災保険及び利益保険の特約として地震保険を付保することを検討します。ただし、地震保険を付保しても人的被害の賠償については、保険でカバーされないこともあります。また、個々の物件の具体的事情により、保険の提供が受けられず、当該物件につき地震保険を付保できない可能性もあります。さらに、災害等により建物が滅失、劣化又は毀損した場合、建築から年月が経過していること等の理由により、建物の建替え等に必要な図面や書面等が失われている不動産については、必要な修復を行うことができず、結果として当該不動産をホテル・旅館等及びこれらの付帯施設として利用することができなくなる可能性もあります。
(オ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
運用資産である不動産を原因として、第三者の生命、身体又は財産等を侵害した場合に、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損害を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上無過失責任を負うことがあるところ、ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設においては、アスレチックやプールといったレジャー用施設を土地の工作物として併設しているものがあるため、ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設においては、土地の工作物により第三者、特に利用客の生命、身体又は財産等が侵害されるリスクは相対的に高いといえます。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合や生じた事故に対して保険金が支払われない場合、前記「(エ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク」と同様、本投資法人の収益等は悪影響を受ける可能性があります。
また、不動産につき滅失、毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となる場合には、かかる修繕に関連して多額の費用を要する可能性があります。なお、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、不動産から得られる賃料収入が減少し、不動産の価格が下落する可能性があります。
前記「(エ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク」と同様、これらのリスクについても、本投資法人の主たる投資対象であるホテル・旅館等及びこれらの付帯施設は、その特殊性から、他の種類の不動産に比べて高いものと考えられます。また、人を宿泊させるという特質から、第三者、特に宿泊客の生命、身体又は財産等を侵害する危険性も想定されます。
(カ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例、都市計画法の改正、新たな立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為の規定の施行又は適用の際、原則としてこれらの規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)又はその敷地については、当該規定が適用されない扱いとされています(いわゆる既存不適格)。しかし、かかる既存不適格の建物の建替え等を行う場合には、現行の規定が適用されるため、現行の規定に合致するよう手直しをする必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建物を建築できない可能性やそもそも建物を再建築できない可能性もあります。特に、建築から年月が経過している歴史的建造物については、建築時の法令と現行の法令の規定が大きく異なる可能性があり、この場合、適用される建蔽率、容積率、高さ制限、用途の制限等の制限の内容も大きく異なることから、現状と同規模の建物を建築できない可能性や、そもそも建物を再建築できない可能性が一般的に大きいと考えられます。
さらに、建築から年月が経過していること等の理由により、建物の建替え等に必要な図面や書面等が失われている不動産については、災害等により建物が滅失、劣化又は毀損した場合、必要な修復を行うことができず、結果として当該不動産をホテル・旅館等及びこれらの付帯施設として利用することができなくなる可能性もあります。
また、不動産に係る様々な行政法規や各地の条例による規制が運用資産である不動産に適用される可能性があります。例えば、都市計画法及び地方公共団体の条例による風致地区内、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(昭和41年法律第1号。その後の改正を含みます。)における歴史的風土保存区域内、文化財保護法(昭和25年法律第214号。その後の改正を含みます。)(以下「文化財保護法」といいます。)に基づいて指定された史跡及び名勝内、並びに自然公園法による特別地域内における建築等や現状変更を行うに当たり行政庁の許可が必要となる等の規制、河川法(昭和39年法律第167号。その後の改正を含みます。)による河川保全区域における工作物の新築を行うに当たり行政庁の許可が必要となる等の制限、文化財保護法に基づく試掘調査義務、一定割合において住宅を付置する義務や、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務及び雨水流出抑制施設設置義務、建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成7年法律第123号。その後の改正を含みます。)に基づく不動産の耐震診断及び耐震改修の実施義務、建築物の建築・増改築の制限等が挙げられます(その制限や課される義務の内容は様々です。)。また、これらの規制により、運用資産である不動産に関する情報が開示又は公表されることもあります。これらの規制が適用される場合、当該不動産の修繕、改築、増築その他の現状変更のほか、処分及び建替え等に際して、それらの行為が行政法規上禁止され不可能となったり、禁止されない場合でも事実上の困難が生じたり、これらの義務を遵守するための追加的な費用負担が生じたり、開示又は公表に起因して運用資産のホテル・旅館等及びこれらの付帯施設としての集客や売上に悪影響を生じる可能性があります。
さらに、運用資産である不動産を含む地域が道路設置等の都市計画の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少し収益が減少する可能性があります。また、当該不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
(キ)水質汚濁防止法上の特定施設に関するリスク
本投資法人が不動産等を取得する場合において、当該不動産等に、水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号。その後の改正を含みます。)(以下「水質汚濁防止法」といいます。)に規定される特定施設が設置されている場合があります。
水質汚濁防止法によれば、特定施設の設置者は、排水基準に適合しない排出水を排出するおそれがある場合には、都道府県知事により汚水等の処理の方法等の改善や特定施設の使用若しくは排出水の排出の一時停止を命ぜられることがあり、また、特定施設の破損その他の事故が発生し、有害物質等を含む水等が排出され又は地下に浸透したことにより人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるときには、有害物質等を含む水の排出又は浸透の防止のための応急の措置を講ずべき義務を負い、これを講じない場合には、都道府県知事により応急の措置を命ぜられることがあります。さらに、有害物質に該当する物質を含む水の地下への浸透があったことにより、現に人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な限度において、地下水の水質の浄化のための措置を命ぜられることがあります。これらの場合、本投資法人に多額の費用の負担が生じる可能性があります。加えて、かかる有害物質が含まれた排水の排出又は地下への浸透により、人の生命又は身体を害したときは、当該排出又は地下への浸透をした者は、無過失責任を負うものとされていることから、特定施設において事故等が生じた場合には、本投資法人が第三者に対して多額の損害を賠償する義務が発生する可能性もあります。
これらの結果、本投資法人の収益等が悪影響を受け、投資主が損失を被る可能性があります。
(ク)法令の制定・変更に関するリスク
土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。)(以下「土壌汚染対策法」といいます。)のほか、将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
また、消防法その他不動産の管理に影響する関係法令の改正により、不動産の管理費用等が増加する可能性があるほか、エネルギーや温室効果ガス削減を目的とした法令、条例等の制定、適用、改正等によっても、追加的な費用負担等が発生する可能性があります。さらに、建築基準法、都市計画法の改正、新たな立法、収用、再開発、区画整理等の行政行為等により不動産に関する権利が制限される可能性があります。このような法令若しくは行政行為又はその変更等が本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(ケ)売主の倒産等の影響を受けるリスク
本投資法人が、債務超過の状況にある等財務状態が実質的危機時期にあると認められる又はその疑義がある者を売主として不動産を取得した場合には、当該不動産の売買が売主の債権者により取り消される(詐害行為取消)可能性があります。また、本投資法人が不動産を取得した後、売主について倒産等手続が開始された場合には、不動産の売買が破産管財人、監督委員又は管財人により否認される可能性が生じます。
また、本投資法人が、ある売主から不動産を取得した別の者(本(ケ)において、以下「買主」といいます。)からさらに不動産を取得した場合において、本投資法人が、当該不動産の取得時において、売主と買主間の当該不動産の売買が詐害行為として取り消され又は否認される根拠となりうる事実関係を知っている場合には、本投資法人に対しても、売主・買主間の売買が否認され、その効果を主張される可能性があります。
本投資法人は、管財人等により売買が否認又は取り消されるリスク等について諸般の事情を慎重に検討し、実務的に可能な限り管財人等により売買が否認又は取り消されるリスク等を回避するよう努めますが、このリスクを完全に排除することは困難です。
さらに、取引の態様如何によっては売主と本投資法人との間の不動産の売買が、担保取引であると判断され、当該不動産は破産者である売主の破産財団の一部を構成し、又は更生会社若しくは再生債務者である売主の財産に属するとみなされる可能性(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)もあります。
(コ)マスターリースに関するリスク
本投資法人は、マスターレッシー(転貸人)が本投資法人又は信託受託者とマスターリース契約を締結した上で、各転借人に対して転貸するマスターリースの形態をとる物件を取得することがあります。
マスターリースの形態をとる物件においてマスターレッシーの財務状況が悪化した場合、転借人がマスターレッシーに賃料を支払ったとしても、マスターレッシーの債権者がマスターレッシーの転借人に対する賃料債権を差し押さえる等により、マスターレッシーから本投資法人又は信託受託者への賃料の支払いが滞る可能性があります。
(サ)転貸に関するリスク
賃借人(転借人を含みます。)に、不動産の一部又は全部を転貸する権限を与えた場合、本投資法人は、不動産に入居するテナントを自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなる可能性があるほか、賃借人の賃料が、転借人の賃借人に対する賃料に連動する場合、転借人の信用状態等が、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、賃貸借契約が合意解約された場合、又は債務不履行を理由に解除された場合であっても、賃貸借契約上、賃貸借契約終了の場合に転貸人の転借人に対する敷金等の返還義務が賃貸人に承継される旨規定されている場合等には、かかる敷金等の返還義務が、賃貸人に承継される可能性があります。このような場合、敷金等の返還原資は賃貸人の負担となり、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(シ)テナント等による不動産の利用状況に関するリスク
テナントによる不動産の利用・管理状況により、当該不動産の資産価値や、本投資法人の収益に悪影響が及ぶ可能性があります。また、転借人や賃借権の譲受人の属性によっては、運用資産である不動産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
(ス)ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設としての建物使用態様に関するリスク
保有物件は、ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設を中心とする複合施設として、不特定多数の利用者に対し宿泊や飲食等の各種サービスを提供する施設であり、また、ホテル顧客以外の公衆に対してもロビー、トイレ等の共用部分を開放しているため、清掃・維持修繕の費用が通常の建物より多額になる可能性があるとともに、ホテル施設内で予期できない不法行為を行う者が出現する可能性は常にあります。これにより、テナントが不測の損害を被る場合、若しくは、ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設自体に損害が発生した場合、本投資法人に悪影響を及ぼす可能性があります。
(セ)共有物件に関するリスク
運用資産である不動産が第三者との間で共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々のリスクがあります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の価格に従い、その過半数で行うものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
さらに、共有の場合、他の共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性(民法第256条)及び裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性(民法第258条第2項)があり、ある共有者の意図に反して他の共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
この分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、この特約は5年を超えては効力を有しません。また、登記済みの不分割特約がある場合でも、特約をした者について倒産手続の対象となった場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。ただし、共有者は、倒産手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、民事再生法第48条、会社更生法第60条)。
他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。したがって、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、他の共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、分割後の運用資産についても、他の共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、共有不動産については、共有者間で共有持分の優先的購入権の合意をすることにより、共有者がその共有持分を第三者に売却する場合に他の共有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。
不動産の共有者が賃貸人となる場合には、賃料債権は不可分債権となり敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されており、共有者は他の賃貸人である共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
また、共有不動産について、一部の共有者が他の共有者全員からその持分を賃借し、当該共有不動産を一体として使用収益する場合がありますが、かかる賃貸借の有効性や借地借家法により保護されるかは必ずしも明らかではなく、また、当該権利の第三者対抗要件も明らかではありません。本投資法人は、共有不動産の取得に当たりかかる賃貸借を行う場合がありますが、本投資法人がかかる賃貸借を行った場合において、かかる賃貸借の有効性が否定され、又は第三者対抗要件の具備が認められない場合には、その賃借権を他の共有者又は他の共有者からの譲受人に対して対抗できず、共有不動産を一体として使用収益する権限を失い、これにより不利益を受ける可能性があります。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(ソ)区分所有建物に関するリスク
区分所有建物とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分と共有となる共用部分及び建物の敷地部分から構成されます。区分所有建物の場合には、区分所有法上、法定の管理方法及び管理規約(管理規約の定めがある場合)によって管理方法が定められます。建替え決議等をする場合には原則として集会において区分所有者及び議決権(管理規約に別段の定めのない限り、その有する専有部分の床面積の割合)の各5分の4以上の多数の建替え決議が必要とされる等(区分所有法第62条)、区分所有法の適用を受けない単独所有物件と異なり管理方法に制限があります。
区分所有建物の専有部分の処分は自由に行うことができますが、区分所有者間で優先的購入権の合意をすることがあることは、共有物件の場合と同様です。
区分所有建物と敷地の関係については以下のようなリスクがあります。
区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利を敷地利用権といいます。区分所有建物では、専有部分と敷地利用権の一体性を保持するために、法律で、専有部分とそれに係る敷地利用権を分離して処分することが原則として禁止されています(区分所有法第22条)。ただし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の禁止を善意の第三者に対抗することができず、分離処分が有効となります(区分所有法第23条)。また、区分所有建物の敷地が数筆に分かれ、区分所有者が、それぞれ、その敷地のうちの一筆又は数筆の土地について、単独で、所有権、賃借権等を敷地利用権(いわゆる分有形式の敷地利用権)として有している場合には、分離して処分することが可能とされています。このように専有部分とそれに係る敷地利用権が分離して処分された場合、敷地利用権を有しない区分所有者が出現する可能性があります。
また、敷地利用権が使用借権及びそれに類似した権利である場合には、当該敷地が売却、競売等により第三者に移転された場合に、区分所有者が当該第三者に対して従前の敷地利用権を対抗できなくなる可能性があります。
このような区分所有建物と敷地の関係を反映して、区分所有建物の場合には、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(タ)借地物件に関するリスク
借地権とその借地上に存在する建物については、自らが所有権を有する土地上に存在する建物と比べて特有のリスクがあります。借地権は、所有権と異なり永久に存続するものではなく、期限の到来により当然に消滅し(定期借地権の場合)又は期限到来時に借地権設定者が更新を拒絶しかつ更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します(普通借地権の場合)。また、借地権が地代の不払その他により解除その他の理由により消滅してしまう可能性もあります。借地権が消滅すれば、時価での建物買取りを請求できる場合(借地借家法第13条、借地法(大正10年法律第49号、その後の改正を含みます。)(以下「借地法」といいます。)第4条第2項)を除き、借地上に存在する建物を取り壊した上で、土地を返還しなければなりません。普通借地権の場合、借地権の期限到来時の更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、仮に建物の買取請求権を有する場合でも、買取価格が本投資法人が希望する価格以上である保証はありません。
また、本投資法人が借地権を有している土地の所有権が、ほかに転売されたり、借地権設定時に既に存在する土地上の抵当権等の実行により第三者に移転する可能性があります。この場合、借地権について適用のある法令に従い第三者対抗要件(借地権の登記又は借地権を有している土地上に借地権者が登記されている建物を所有していることが該当します。)が具備されていないときは、本投資法人は、借地権を当該土地の新所有者に対して対抗できず、当該土地の明渡義務を負う可能性があります。特に、ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設の敷地は、庭園等を含んでいることから建物の規模に比較して相当程度広いことがあり、この場合、ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設の建物が存在する範囲が敷地の一部に限られているため、本投資法人がホテル・旅館等及びこれらの付帯施設の建物について所有者として登記されていたとしても、当該敷地全体について第三者対抗要件が具備されているとは認められない可能性があります。
さらに、借地権が賃借権である場合、借地権を譲渡するには、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。借地上の建物の所有権を譲渡する場合には、当該借地に係る借地権も一緒に譲渡することになるので、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。かかる借地権設定者の承諾に関しては、借地権設定者への承諾料の支払いが予め約束されていたり、約束されていなくても慣行を理由として借地権設定者が承諾料を承諾の条件として請求してくる場合があります(なお、法律上借地権設定者に当然に承諾料請求権が認められているものではありません。)。
加えて、借地権設定者の資力の悪化や倒産等により、借地権設定者に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。借地権設定者に対する敷金及び保証金等の返還請求権について担保設定や保証はなされないのが通例です。
その他、地方自治法に定める地方公共団体がその普通財産を貸し付けた場合、その貸付期間中であっても、当該地方公共団体において公用又は公共用に供するため必要が生じたときは、普通地方公共団体の長はその契約を解除できるとされていますが(地方自治法第238条の5第4項)、かかる規定は、地方自治法に定める財産区がその財産を貸し付ける場合にも適用されるものとされています(地方自治法第294条第1項、第238条の5第4項)。したがって、地方公共団体や財産区から土地その他の資産を賃借した場合、本投資法人は、その契約に違反がない場合であっても解除されることがあり、その場合には本投資法人の資産運用及び収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
借地権と借地上に建てられている建物については、敷地と建物を一括して所有している場合と比べて、上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(チ)借家物件に関するリスク
本投資法人は、建物(共有持分、区分所有権等を含みます。)を第三者から賃借の上又は信託受託者に賃借させた上、当該賃借部分を直接若しくは信託受託者を通じて保有する建物と一体的に又は当該賃借部分を単独で、テナントへ賃貸することがあります。この場合、建物の賃貸人の資力の悪化や倒産等により、建物の賃貸人に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があることは、前記「(タ)借地物件に関するリスク」の場合と同じです。
加えて、民法上、本投資法人が第三者との間で直接又は信託受託者を通じて締結した賃貸借契約が何らかの理由により終了した場合、原則として、本投資法人又は当該受託者とテナントの間の転貸借契約も終了するとされているため、テナントから、転貸借契約の終了に基づく損害賠償請求等がなされるおそれがあります。
(ツ)開発物件に関するリスク
本投資法人は、規約に定める投資方針に従って、竣工後の物件を取得するために予め開発段階で売買契約を締結する場合があります。かかる場合、既に完成した物件につき売買契約を締結して取得する場合とは異なり、様々な事由により、開発が遅延、変更又は中止されることにより、売買契約どおりの引渡しを受けられない可能性があります。この結果、開発物件からの収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担し若しくは被る可能性があり、その結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(テ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
本投資法人は、不動産又は不動産信託受益権を取得するに当たり、いわゆるフォワード・コミットメント(不動産等の売買契約のうち契約締結から1か月以上経過した後に不動産等の決済・物件引渡しを行うことを条件としているもの)等を行うことがあります。不動産売買契約が買主の事情により解約された場合には、買主は債務不履行による損害賠償義務を負担することとなります。また、損害額等の立証にかかわらず、不動産又は不動産信託受益権の売買価格に対して一定の割合の違約金が発生する旨の合意がなされることも少なくありません。
フォワード・コミットメント等の場合には、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定の期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金等の支払いにより、本投資法人の財務状況等が悪影響を受ける可能性があります。
(ト)有害物質に関するリスク
本投資法人が土地又は土地の賃借権若しくは地上権又はこれらを信託する信託の受益権を取得する場合において、当該土地について産業廃棄物等の有害物質が埋蔵されている可能性があり、かかる有害物質が埋蔵されている場合には当該土地の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負う可能性があります。なお、土壌汚染対策法によれば、土地の所有者、管理者又は占有者は、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の特定有害物質による土地の土壌の汚染の状況について、都道府県知事により調査・報告を命ぜられることがあり、また、土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。
この場合、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があり、また、本投資法人は、支出を余儀なくされた費用について、その原因となった者やその他の者から常に償還を受けられるとは限りません。
また、本投資法人が建物又は建物を信託する信託の受益権を取得する場合において、当該建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材が使用されているか若しくは使用されている可能性がある場合やPCBが保管されている場合等には、当該建物の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために建材の全面的若しくは部分的交換が必要となる場合又は有害物質の処分若しくは保管が必要となる場合には、これに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人に係る損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課されたり、また有害物質に関連する会計基準の変更等により本投資法人の損益が悪影響を受ける可能性があります。
(ナ)不動産を信託受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
本投資法人は、不動産を信託受益権の形式で取得することがあります。
信託受託者が信託財産としての不動産、不動産の賃借権又は地上権を所有し管理するのは信託受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的には全て信託受益者に帰属することになります。したがって、本投資法人は、信託の受益権の保有に伴い、信託受託者を介して、運用資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを負担することになります。
信託受益権を譲渡しようとする場合には、信託法(平成18年法律第108号。その後の改正を含みます。以下「信託法」といいます。)上は信託受託者への通知又は信託受託者の承諾がなければ信託受託者その他の第三者に対抗できず、また、信託契約上、信託受託者の承諾を要求されるのが通常です。さらに、不動産、不動産の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権については受益証券発行信託の受益証券でない限り私法上の有価証券としての性格を有していませんので、債権譲渡と同様の譲渡方法によって譲渡することになり、有価証券のような流動性がありません。
信託法上、信託受託者が倒産等手続の対象となった場合に、信託の受益権の目的となっている不動産が信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要があり、仮に係る登記が具備されていない場合には、本投資法人は、当該不動産が信託の受益権の目的となっていることを第三者に対抗できない可能性があります。
また、信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。
さらに、信託契約上、信託開始時において既に存在していた信託不動産の欠陥、瑕疵等につき、当初委託者が信託財産の受託者に対し一定の瑕疵担保責任を負担する場合に、信託財産の受託者が、かかる瑕疵担保責任を適切に追及しない、又はできない結果、本投資法人が不測の損害を被り、投資主に損害を与える可能性があります。
(ニ)底地物件に関するリスク
本投資法人は、第三者が賃借してその上に建物を所有している土地、いわゆる底地を取得することがあります。底地物件には特有のリスクがあります。借地権は、定期借地権の場合は借地契約に定める期限の到来により当然に消滅し(ただし、定期借地権設定契約の効力が認められるには、借地借家法所定の要件を充足する必要があるため、かかる要件が充足されなかった場合(かかる要件の充足を証明できない場合を含みます。)には、定期借地権設定契約としての効力が認められない可能性があります。)、普通借地権の場合には期限到来時に本投資法人が更新を拒絶しかつ本投資法人に更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します。借地権が消滅する場合、本投資法人は借地権者より時価での建物買取を請求される場合があります(借地借家法第13条、借地法第4条)。借地権者より時価での建物買取りを請求される場合、買取価格が本投資法人が希望する価格以下である保証はありません。
また、借地権が賃借権である場合、借地権者による借地権の譲渡には、原則として、本投資法人の承諾が必要となりますが、裁判所が承諾に代わる許可をした場合(借地借家法第19条)や、借地契約上事前に一定範囲での借地権の譲渡を承諾している場合には、本投資法人の承諾なく借地権が譲渡される結果、財務状態に問題がある等の本投資法人が望まない者に借地権が譲渡される可能性があり、その結果、投資主に損害を与える可能性があります。
さらに、借地契約に基づく土地の賃料の支払いが滞り、延滞賃料の合計額が敷金及び保証金等で担保される範囲を超える場合は投資主に損害を与える可能性があります。加えて、土地の賃料の改定、又は、借地権者による借地借家法第11条に基づく土地の借賃の減額請求により、当該底地から得られる賃料収入が減少し、投資主に損害を与える可能性があります。
⑤ 税制に関するリスク
(ア)導管性要件に関するリスク
税法上、投資法人に係る課税の特例規定により、一定の要件(以下「導管性要件」といいます。)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、投資法人による利益の配当等を投資法人の損金に算入することが認められています。本投資法人は、導管性要件を満たすよう努める予定ですが、今後、本投資法人の投資主の異動、分配金支払原資の制限・不足、資金の調達先、借入金等の定義の不明確性、会計処理と税務処理の取扱いの差異(以下「税会不一致」といいます。)に起因する法人税額等の発生(交際費、寄附金、法人税等を除く税会不一致については、一時差異等調整引当額の分配により法人税額等の発生を抑えることができるようになっています。)、税務当局と本投資法人との見解の相違、法律の改正、その他の要因により導管性要件を満たすことができない可能性があります。本投資法人が、導管性要件を満たすことができなかった場合、利益の配当等を損金算入することができなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、導管性要件に関しては、後記「4 手数料等及び税金/(5)課税上の取扱い/③投資法人の税務/(ア)利益配当等の損金算入」をご参照ください。
(イ)多額の法人税等の発生により配当可能利益の額の90%超を配当できないリスク
利益配当等の損金算入要件のうち、配当可能利益の額(会計上の税引前当期純利益に前期繰越損失、買換特例圧縮積立金、一時差異等調整積立金及び繰越利益等超過純資産控除項目額に係る一定の調整を加えた後の額)の90%超(又は配当可能額の90%超)の分配を行わなければならないとする要件(以下「支払配当要件」といいます。)については、会計上の税引前当期純利益を基礎とした配当可能利益の額と税引後当期利益を基礎とした実際の利益配当等の額(一時差異等調整引当額の増加額に相当する利益超過配当金額を加えた後の額)の比較によりその判定を行うこととされていますが、何らかの要因によって本投資法人に多額の法人税等の課税が行われる場合(ただし、一時差異等調整引当額の増加額に相当する利益超過配当を行うことで、かかる課税を回避又は軽減できる可能性があります。)には、支払配当要件を満たすことが困難となり、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ウ)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において損金算入した配当金が税務否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(エ)同族会社に該当するリスク
導管性要件のうち、事業年度終了時に同族会社のうち一定のものに該当していないこと(発行済投資口の総口数又は一定の重要な事項に関する議決権の50%超が上位1位の投資主グループによって保有されていないこと)とする要件については、本投資口が市場で流通することにより、本投資法人の意思にかかわらず、結果として満たされなくなるリスクがあります。かかる場合、利益の配当等を損金算入することができなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(オ)借入れに係る導管性要件に関するリスク
導管性要件のうち、借入れを行う場合には租税特別措置法に規定する機関投資家のみから行うこととする要件については、本投資法人が何らかの理由により上記機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合、又は保証金若しくは敷金等の全部若しくは一部がテナントからの借入金に該当すると解釈された場合においては、要件を満たせないことになります。この場合には、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(カ)投資口を保有する投資主数に関するリスク
導管性要件の一つに、事業年度末において投資法人の投資口が50人以上の者に所有されていること、又は租税特別措置法に規定する機関投資家のみによって所有されていることという要件があります。しかし、本投資法人は投資主による投資口の売買をコントロールすることができないため、本投資法人の投資口が50人未満の者に所有される(上記の機関投資家のみに所有される場合を除きます。)こととなる場合もありえ、そのため、導管性要件を満たせないこととなる可能性があります。この結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(キ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、規約における投資方針において、その有する特定資産の価額の合計額に占める特定不動産(不動産、不動産の賃借権若しくは地上権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の合計額の割合が100分の75以上となるように資産を運用すること(規約第28条第5項)としています。本投資法人は、上記内容の投資方針を規約に定めること、及びその他の税法上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産流通税(登録免許税及び不動産取得税)の軽減措置(後記「4 手数料等及び税金/(5)課税上の取扱い/③投資法人の税務/(イ)不動産流通税の軽減措置」をご参照ください。)の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更され若しくは軽減措置が廃止された場合において、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。
(ク)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、不動産信託受益権その他本投資法人の資産に関する税制若しくは本投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資証券に係る利益の配当、出資の払戻し、譲渡等に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有若しくは売却による投資主の手取金の額が減少し、又は税務申告等の税務上の手続面での負担が投資主に生じる可能性があります。
⑥ その他
(ア)不動産の鑑定評価等に伴うリスク
本投資法人又は本資産運用会社は、不動産等を取得するに際して又は取得後、当該不動産等の鑑定評価を不動産鑑定士等に依頼し、不動産鑑定評価書を取得することがありますが、不動産等の鑑定評価額は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査の方法若しくは時期によって鑑定評価額の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額による売買の可能性を保証又は約束するものではありません。
また、本投資法人又は本資産運用会社は、不動産等を取得するに際して又は取得後、当該不動産等の建物状況調査評価書及び地震リスク診断報告書並びに構造計算書の妥当性に関する第三者の報告書を取得することがありますが、建物状況調査評価書及び地震リスク診断報告書並びに構造計算書の妥当性に関する第三者の報告書は、建物の評価に関する専門家が、設計図書等の確認、現況の目視調査又は施設管理者への聞き取り等を行うことにより、現在又は将来発生することが予想される建物の不具合、必要と考えられる修繕又は更新工事の抽出及びそれらに要する概算費用並びに再調達価格の算出、並びに建物の耐震性能及び地震による損失リスク等を検討した結果を記載したものであり、不動産に欠陥、瑕疵等が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
さらに、不動産に関して算出されるPML値も個々の専門家の分析に基づく予想値にすぎません。PML値は、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
加えて、本投資法人又は本資産運用会社は、不動産等を取得するに際して又は取得後、当該不動産等又はオペレーターのサービス提供の体制及び内容並びに設備及び稼働状況等に関するマーケットレポートを取得することがあります。マーケットレポートにより提示される第三者によるマーケット分析、統計情報及び想定賃料水準並びにオペレーターの能力、業績、財務状態、信用力及び将来の業績の予想に関する分析等は、個々の調査会社の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正なエリア特性、需要と供給、マーケットにおける位置づけ、市場の動向、オペレーターの提供するサービスの水準及び内容並びに設備及び稼働状況等と一致するとは限りません。同じ物件について調査分析を行った場合でも、調査会社及び調査の時期又は方法によってマーケット分析、統計情報及び想定賃料水準並びにオペレーターの能力、業績、財務状態、信用力及び将来の業績の予想に関する分析等の内容が異なる可能性があります。また、想定賃料水準は、現在及び将来において当該賃料水準による賃貸借の可能性を保証又は約束するものではなく、また、当該報告書の記載内容や分析(オペレーターの能力、業績、財務状態、信用力及び将来の業績の予想に関する分析を含みます。)が正確である保証はありません。さらに、本投資法人の投資対象となるホテル・旅館等及びこれらの付帯施設は、一般的に施設毎の特殊性が強く、マーケット分析及び想定賃料水準の前提となる類似物件の情報の取得が困難である可能性があります。また、ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設のマーケット分析及び想定賃料水準は、観光業界の動向等に左右されますが、調査会社が観光業界の動向を適切に予想することが困難である可能性があります。さらに、オペレーターの提供するサービスの水準及び内容並びに設備及び稼働状況等は、繁閑期で大きく異なる可能性があります。したがって、他の不動産等に比べ、ホテル・旅館等及びこれらの付帯施設については、マーケットレポートにおけるマーケット分析、統計情報及び想定賃料水準並びにオペレーターの能力、業績、財務状態、信用力及び将来の業績の予想に関する分析等が概括的なものになる可能性があり、場合によっては、マーケットレポートの取得自体が不可能となる可能性があります。
(イ)減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日)及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日))が、2005年4月1日以後開始する事業年度より強制適用されたことに伴い、本投資法人においても減損会計が適用されています。減損会計とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。減損会計の適用に伴い、地価の動向及び運用資産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の損益に悪影響を及ぼす可能性があり、また、税務上は当該資産の売却まで損金を認識することができない(税務上の評価損の損金算入要件を満たした場合や減損損失の額のうち税務上の減価償却費相当額を除きます。)ため、税会不一致が発生することとなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
ただし、一時差異等調整引当額の増加額に相当する利益超過配当を行うことで、かかる税負担を回避又は軽減できる可能性があります。
(ウ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、不動産に関する匿名組合出資持分への投資を行うことがあります。本投資法人が出資するかかる匿名組合では、本投資法人の出資金を営業者が不動産等に投資しますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合や当該不動産等の価値が下落した場合等には、本投資法人が匿名組合員として得られる分配金や元本の償還金額等が減少し、その結果、本投資法人が営業者に出資した金額を回収できない等の損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については、契約上譲渡が禁止若しくは制限されていること、及び確立された流通市場が存在しないことから、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難となる可能性があります。
(2)投資リスクに関する管理体制
上記の様々なリスクに鑑み、本投資法人及び本資産運用会社は、本投資法人の資産運用に関し、以下の検証システムを通じ、実効性のあるリスク管理体制を整備し、最大限の効果の発揮に努めています。本投資法人及び本資産運用会社は可能な限り、本投資口又は本投資法人債への投資に関するリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の対応に努める方針ですが、これらの措置が結果的に十分な成果を収めるとの保証はありません。
① 本投資法人の体制
本投資法人は、少なくとも3か月に1回以上役員会を開催し、適宜本資産運用会社の運用状況の報告を受けるほか、執行役員は適宜本資産運用会社の運用状況を聴取及び関係書類の閲覧・調査を実施し、本資産運用会社の管理・監督を行います。
② 本資産運用会社の体制
(ア)本資産運用会社は、本資産運用会社の取締役会において審議、決議され、本投資法人の役員会に報告される(ただし、変更が、利害関係者との取引制限に関する事項の策定又は変更である場合には、本投資法人の役員会において審議及び承認されます。)運用ガイドラインを遵守するとともに、本資産運用会社のコンプライアンス規程及び本投資法人のリスク管理規程に基づきコンプライアンス及びリスク管理を行います。
(イ)本資産運用会社は、利害関係者と本投資法人との間の取引については、原則として、本資産運用会社のコンプライアンス委員会、投資委員会、取締役会に付され、取引に係る議案を審議するものとされています。かつ、利害関係取引に関する自主ルールを定めており、これを遵守することにより利益相反に係るリスク管理を行います。
(ウ)本資産運用会社は、投資法人に係るインサイダー取引規制に十分な対応を図るための内部態勢の構築のため、内部者取引の未然防止についての法人関係情報管理規程を定め、役職員等のインサイダー取引(インサイダー類似取引も含まれます。)の防止に努めています。
(エ)本資産運用会社は、コンプライアンス委員会及び投資委員会を設け、運用に係る年度計画や取得・売却に関する事項を審議することにより、異なる視点からリスク管理を行います。
(オ)本資産運用会社は、コンプライアンスを統括するコンプライアンス・オフィサーが、法令遵守の状況を監視します。
(カ)本資産運用会社は、リスクを管理するため、コンプライアンス・オフィサーをリスク管理統括責任者とし、本資産運用会社のリスクの所在及びリスクの種類を理解した上で、運用部門の担当者に当該内容を理解・認識させるよう、適切な方策を講じるものとします。投資運用部は、投資基準に適合しなくなった不動産がある場合には、当該不動産の入替、売却等について検討を行います。
(キ)本資産運用会社は、コンプライアンスに関する社内体制を整備し、コンプライアンス上の問題の発生についての対応を講じています。また、コンプライアンス・マニュアルを作成し、コンプライアンス基本方針や役職員等の行動規範を定めるのみならず定期的にコンプライアンス研修を実施します。
(ク)本資産運用会社は、内部監査に関する社内体制を整備し、取締役会の監督に基づく実効的な監視活動を通じて、リスクを特定し、その最小化を図っています。内部監査に関する担当者兼責任者であるコンプライアンス・オフィサーは、他の組織及び部署から独立した組織として維持するものとします。
以上のように、本投資法人及び本資産運用会社は投資リスクに関する管理体制を整備していますが、このような体制が常に有効に機能する保証はありません。管理体制が有効に機能しないことによりリスクが顕在化した場合、本投資法人又は投資主に損失が生じるおそれがあります。

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