有価証券報告書(内国投資証券)-第7期(令和1年9月1日-令和2年2月29日)
(1)【投資方針】
① 本投資法人の基本理念
(ア)本投資法人の基本理念
本投資法人は、物流施設を主な投資対象とする上場不動産投資法人として、日本最大級の総合デベロッパーである三菱地所及び2001年の設立以来豊富な不動産ファンドの運用実績を有する不動産アセットマネージャーである三菱地所投資顧問の両社の強みをハイブリッド活用し、「立地」、「建物特性」及び「安定性」に着眼して、テナントニーズを捉えた競争力の高い物流施設への厳選投資を通じ、質の高いポートフォリオの構築と着実かつ安定的な資産運用を図り、投資主価値の最大化を目指します。
また、本投資法人は、東京・丸の内をはじめとする「まちづくり」によって得た信頼を基盤とする三菱地所グループの総合力を活かした運用により投資主価値の最大化を目指すとともに、物流施設事業を取り巻く環境変化に適応することによって、我が国における物流プラットフォーム(注)の一翼を担うとともに、人々の生活を支える物流機能の発展を通じて豊かな社会の実現に貢献します。
(注)「プラットフォーム」とは、事業基盤を意味し、本書において、「物流プラットフォーム」とは、物流における事業基盤という意味で用います。
(イ)「デベロッパー×不動産アセットマネージャー」のハイブリッド・モデルによる安定的な成長戦略
本投資法人は、三菱地所をスポンサー、三菱地所投資顧問を資産運用会社としており、デベロッパーと不動産アセットマネージャーのそれぞれの特性をハイブリッド活用することを特長としています。
両社の特性のハイブリッド活用により、市場環境の変化や景気循環の中において、局面に応じて両社の強み・特長を使い分け、時に融合させながら、着実な資産規模の拡大と安定的な運用を実現し、投資主価値の最大化を目指します。
(注1)「スポンサーパイプライン物件」とは、三菱地所グループが開発する(予定の)物件又は保有する(予定の)物件のうち、本投資法人の投資基準に適合し、本投資法人の投資対象となり得る物件をいいます。
(注2)「ブリッジファンド」とは、将来的に本投資法人が取得することを前提にした不動産等を保有する私募ファンドをいいます。以下同じです。
(ウ)三菱地所グループの物流施設ブランド
三菱地所グループは、ブランドスローガンである「人を、想う力。街を、想う力。」のもと、物流施設においては、三菱地所が開発する「ロジクロス(注1)」及び本資産運用会社が第三者から取得する「MJロジパーク(注2)」と2つのブランドを展開しています。両ブランドは共通して、「安全・安心」を軸に人とモノ、そしてビジネスのさらなる活性化を通じて豊かな社会の実現に貢献する物流施設を提供することを理念としています。
(注1)三菱地所は、「安全・安心」な最新鋭の物流施設を継続的に開発するという観点から、三菱地所の開発ブランドとして「ロジクロス」ブランドを立ち上げました。物流を表す「Logi-」に加え、人・モノ・ビジネスが活発に行き交うイメージを「Cross」という言葉で表現しています。「Logicross(ロジクロス)」の「L」「O」「C」を使用した施設のロゴマークは、物流施設をイメージした箱型を形成することにより、安定感や安心感を表現しています。三菱地所は、2013年12月「ロジクロス福岡久山」の着工に合わせ、「ロジクロス」を三菱地所の開発物流施設ブランドとして立ち上げました。以後、全国各地で開発を展開しています。三菱地所は、物流利便性だけでなく、雇用確保や快適な職場環境といった様々なニーズに応える汎用性の高い最新型物流施設を志向します。
(注2)本資産運用会社が、三菱地所グループ以外の第三者の事業者から取得した、又は取得予定の物流施設は、原則「MJロジパーク」の名称を冠しています。

② 本投資法人のポートフォリオ構築方針
本投資法人は、物件の「立地」、「建物特性」及び「安定性」に着眼し、物流利便性に加え、雇用確保のしやすさや使い勝手の良さ等のテナントニーズを捉え、マーケットにおいて長期にわたり高い競争力が期待できる物流施設への厳選投資を通じ、長期安定的なポートフォリオの構築を目指します(注)。
(注)本投資法人は、後記「⑦投資基準」にある基準に従い、個別の投資対象不動産の総合的な分析を踏まえて、投資判断を行いますが、さらに、「立地」、「建物特性」及び「安定性」に着眼してポートフォリオ全体の構築を目指します。
本投資法人は、主として、物流施設を投資対象としています。また、本投資法人は、その他に、「物流施設に関連し又は親和性のある不動産」(工場、研究開発施設及びデータセンター等の産業用不動産)も投資対象としています。これにより、本投資法人の将来の収益力補完を企図するものです。アセットタイプ別の目標投資比率は以下のとおりとします。但し、資産取得等の過程で一時的にこの比率を超過又は下回ることがあります。
アセットタイプ別投資比率
(注1)「目標投資比率」は、取得価格(取得に伴う諸費用及び税金は含みません。)に基づきます。以下同じです。
(注2)付随する不動産(物流施設の運営上、不可分と判断される不動産)を含みます。
(注3)「その他」に区分される工場、研究開発施設及びデータセンター等の産業用不動産は、長期の賃貸借契約期間を特徴とし、中長期的に安定した収益を生み出すと考えられることから、産業用不動産を「物流施設に関連し又は親和性のある不動産」と位置付けます。
投資エリアの一極集中による様々なリスク(賃貸市場の変動リスク及び天災リスク等)を軽減し、安定した収益を確保するため、首都圏(注1)、近畿圏(注2)及び中部圏(注3)を中心に、以下のとおり、投資対象地域毎に目標投資比率を設定して分散投資を行うものとします。但し、資産取得等の過程で一時的にこの比率を超過又は下回ることがあります。
(注1)「首都圏」とは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県及び茨城県をいいます。以下同じです。
(注2)「近畿圏」とは、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県及び滋賀県をいいます。以下同じです。
(注3)「中部圏」とは、愛知県、三重県及び岐阜県をいいます。以下同じです。
地域別投資比率
(注)「その他」には海外を含みますが、海外に所在する資産に係る地域別投資比率はポートフォリオ全体の10%以下とします。なお、本書の日付現在、海外に所在する資産を取得する予定はありません。
なお、経済動向、金融情勢及び不動産市場の動向等を分析し、中長期的な観点から、ポートフォリオの構成が適切であるかを検討した上で、ポートフォリオ構築方針の定期的な見直しを行うものとします。
(ア)「立地」に関する着眼点
本投資法人は、安定的な人口動態を有し、多数の商圏人口を有する大消費地に所在あるいは近接する「消費者立地」及び企業や工場群が集積する「産業立地」に着眼し、それぞれの所在する地域並びに双方を繋ぐ高速道路や空港、港湾等の物流網の結節点に重点投資を行います。なお、本投資法人は、「消費者立地」及び「産業立地」の観点から、かかる物流網の結節点が多く含まれ、重要度が高いと考える首都圏、近畿圏及び中部圏の三大都市圏を中心に重点投資を行います。上記の観点に加え、本投資法人は、域内の企業や個人によって生み出された付加価値額の合計を表す都道府県別県内総生産の観点からも、首都圏に加え、近畿圏、中部圏は有望な投資対象地域であると考えており、これら地域に対して投資を行うことで、地域分散が図られた長期安定的なポートフォリオを構築することを目指します。
また、本投資法人は、IC(インターチェンジ)を含む、主要幹線道路からのアクセスのしやすさ等物流拠点としての優位性に加え、物流施設の競争力を維持する上で重要度が高まっている従業員確保の容易性にも着眼し、物流施設の周囲に住宅地が近接・隣接するかや、最寄駅からアクセスがしやすいか等の交通利便性も考慮しつつ投資対象の立地を厳選します。
さらに、本投資法人はスポンサーである三菱地所の本店・支店が所在するエリアを中心に三菱地所が培ってきた地場のネットワークに着目し、その活用を目指します。
(イ)「建物特性」に関する着眼点
本投資法人は、原則として、延床面積10,000㎡以上の規模を有し、長期安定稼働の見込める物流施設に投資を行います。また、テナントが扱う荷物の種類や物流施設の使用目的が多様化していることに鑑み、将来にわたり幅広いテナントニーズに対応できる汎用性のある物流施設への投資を積極的に検討し、テナント需要に厚みがあり、資産規模が十分ではない段階においてもテナント分散を実現しやすい、マルチテナント型(注1)を中心に投資を行い、その他にBTS型(注2)にも投資を行っていきます。さらに、「物流施設に関連し又は親和性のある不動産」(工場、研究開発施設及びデータセンター等の産業用不動産)への投資も行います。
(注1)「マルチテナント型」とは、複数のテナントによる利用を想定した汎用性の高い物流施設をいいます。以下同じです。
(注2)「BTS型」とは、ビルド・トゥ・スーツ型の略称であり、特定の企業向けにその要望を取り入れた仕様とした物流施設をいいます。以下同じです。
(ウ)「安定性」に関する着眼点
本投資法人は、ポートフォリオ全体の分散状況も踏まえつつ、収益の安定性を考慮し、テナントと将来にわたり安定した賃貸借契約が締結可能と判断される物流施設を厳選の上、積極的な投資を行います。
また、テナントとの契約については、安定した賃料収入が期待できる賃貸借契約種別である定期借家契約の締結及び長期の残存賃貸借期間の確保に努めるとともに、ポートフォリオにおけるテナント分散の実現を目指します。さらに、三菱地所グループの法人顧客リレーションを積極的に活用していくことで、物流事業者や荷主と良好な関係を構築し、ポートフォリオの安定的な運用を目指します。
③ 本投資法人の外部成長戦略
<三菱地所と三菱地所投資顧問双方の強みを最大限に活用したハイブリッド型外部成長>本投資法人は、主として、床荷重1.5t/㎡、梁下天井有効高5.5m以上、柱スパン10m以上等といったテナントニーズを捉えた汎用性の高い仕様を備えた最新型物流施設の開発・運営ノウハウを有する三菱地所とスポンサーサポート契約(注1)を締結し、三菱地所による開発物件を含む、同社が自ら所有する(三菱地所が匿名組合出資、優先出資その他の手法により出資する特別目的会社が所有する場合及び三菱地所の関係会社が保有する場合を含みます。)物流施設等(注2)を売却する場合には、優先的に取得に向けた交渉を行うことができます。また、マーケットや環境変化に合わせて三菱地所のCRE戦略(注3)や共同事業等の開発戦略を活用し、かつ、三菱地所投資顧問の柔軟かつ多様なスキームによる物件取得を通じて三菱地所の開発力と三菱地所投資顧問の不動産ファンドの組成・継続的な物件取得及び運用経験に裏付けられた物件の投資案件選別力(目利き力)をハイブリッド活用することで、安定的かつ着実な外部成長(ハイブリッド型外部成長)を目指します。
(注1)スポンサーサポート契約の詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人等との取引制限/(3)利害関係人等との取引状況/④取引状況等/(ア)スポンサーサポート契約」をご参照ください。
(注2)「物流施設等」とは、本投資法人が投資対象とする物流施設、並びに「物流施設に関連し又は親和性のある不動産」(工場、研究開発施設及びデータセンター等の産業用不動産)をいいます。以下同じです。
(注3)「CRE」とは、企業の保有する不動産又はその戦略的な活用のための取組みを意味し、「CRE戦略」及び「CRE提案」とは、各企業の保有不動産の実状に応じたきめ細かい戦略及び提案を行うことを意味します。
④ 本投資法人の内部成長戦略
<本投資法人の安定成長を支えるハイブリッド型内部成長>本投資法人は、三菱地所の総合デベロッパーとして培った豊富な法人顧客リレーションを活かしたリーシング力及び物流施設開発・運営事業によって蓄積された運営ノウハウに加え、本資産運用会社の多様なアセットタイプのファンド運用実績に裏打ちされた安定的な運用力と独自のテナントリレーションを活かした安定的な物流施設の運営ノウハウをハイブリッド活用し、個別物件のキャッシュ・フローの最大化、ひいては本投資法人の運用資産の安定成長に資する内部成長(ハイブリッド型内部成長)を目指します。
⑤ 本投資法人の財務戦略
<健全性を重視した長期安定的な財務運営>三菱地所グループが長年培ってきた財務戦略に係るノウハウ及び信用力を活かした長期安定的な財務運営を基本とし、さらには成長性に配慮してLTVコントロールを行います。また、効率的なキャッシュマネジメントにより投資主価値向上の実現を目指します。
キャッシュマネジメント:減価償却費の活用方針
本投資法人は、一般的に他アセットと比較して建物割合が高く減価償却費が大きい一方、設備割合が低く資本的支出が限定的である物流施設の特性を踏まえ、安定的な分配金水準を確保する観点から一定のルールのもと利益超過分配を実施し、投資主価値の最大化に努めます。
本投資法人は、減価償却費の30%相当額を利益超過分配金額の目途とし、原則として毎期継続的に利益超過分配を実施する方針です。
また、継続的な利益超過分配に加えて、新投資口発行等の資金調達又は大規模修繕等により、一時的に1口当たり分配金の額が一定程度減少することが見込まれる場合は、1口当たり分配金の金額を平準化する目的で、一時的な利益超過分配を行うことがあります。
但し、経済環境、不動産市場及び賃貸市場等の動向、保有資産の状況並びに財務の状況等を踏まえ、本投資法人が不適切と判断した場合には分配可能金額を超える金銭の分配を行わない場合もあります。このため、1口当たり利益超過分配金の金額が減少する可能性があります。
また、安定的な財務運営を継続する観点から、上記の金銭の分配を実施した場合に鑑定LTV(注1)が60%を超える場合においては、利益超過分配を実施しないものとします。
なお、利益を超えた金銭の分配(出資(投資元本)の払戻し)を実施する場合のイメージ図は、以下のとおりです。なお、以下の図はあくまでもイメージであり、本投資法人の貸借対照表の状況、出資総額又は当期純利益に対する利益を超える金銭の分配(出資(投資元本)の払戻し)の割合等を示すものではありません。
(注1)鑑定LTV(%)=a/b(%)
a=当該営業期間に係る決算期における貸借対照表上の有利子負債総額(消費税ローンは除きます。)+敷金保証金留保額の取崩相当額(テナント賃貸借契約に基づく敷金保証金の返還に充てる場合等を除きます。)
b=当該営業期間に係る決算期における貸借対照表上の総資産額-当該決算期における保有不動産の減価償却後の簿価の金額+当該決算期における保有不動産の不動産鑑定評価額の合計額-翌営業期間に支払われる利益分配金総額-翌営業期間に支払われる利益超過分配金総額
(注2)本投資法人の本書の日付現在の保有資産に係る東京海上日動リスクコンサルティング株式会社による建物状況調査報告書に記載の緊急・短期更新費用の見積額及び中長期更新費用の見積額を合計した額の12か月平均額は、143百万円です。また、本投資法人は、建物部分の減価償却費の算定方法につき、定額法を採用しており、当該会計処理で計算した場合の2020年3月1日から2020年8月31日までの期間における保有資産の減価償却費の合計額は605百万円を想定しており、2020年9月1日から2021年2月28日までの期間における保有資産の減価償却費の合計額は613百万円を想定しています。なお、本投資法人が準共有持分を有する保有資産に係る当該費用は、各物件の信託受益権の準共有持分割合に相当する数値を使用しています。
<利益を超える金銭の分配(出資(投資元本)の払戻し)を
実施する場合のイメージ図>
⑥ 本投資法人の運用体制
<投資主価値の向上を重視した運用体制の構築>投資主価値の向上のため、適切な利益相反対策をとるとともに、本投資法人の投資主と三菱地所グループの利益が一致することを目指し、「利害関係人取引における公正な取引フロー」、「三菱地所によるセイムボート出資」、「本資産運用会社における優先検討順位のルール化」及び「一口当たり税引前当期純利益、NOI及び投資口価格等に連動した資産運用報酬」を4本の柱とした運用体制を構築します。運用体制の詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第4 関係法人の状況/1 資産運用会社の概況/(2)運用体制」をご参照ください。
⑦ 投資基準
(ア)立地
以下の点を含む投資対象不動産の総合的な分析を踏まえ、投資判断を行います。
・物流拠点としての立地の特性(消費者立地・産業立地の該当有無)、用途地域、周辺環境の適格性
・物流拠点としての交通立地上の優位性・競争力の有無(高速道路及び主要幹線道路からの近接性等)
・雇用確保の優位性・競争力の有無(後背地の人口集積度、通勤利便性等)
・物流拠点としての周辺環境における地域将来性(新設道路計画の有無等)
(イ)規模
原則として、1物件当たりの規模として、延床面積約10,000㎡以上の施設とします。但し、規模が基準を満たさない場合でも、中長期的な観点から、安定した収益の確保が期待できる施設はこの限りではありません。
なお、本投資法人の本書の日付現在の保有資産である「MJロジパーク加須1」については、本投資法人の投資基準である「延床面積約10,000㎡以上」に合致しない物件ですが、信用力の高いテナントと比較的長期間の賃貸借契約を締結していること、また、当該物件は、東北自動車道及び圏央道(注)が利用可能であり、首都圏全域の集配送拠点として将来にわたり高い競争力が期待できること等を総合的に勘案し、中長期的な観点から、安定した収益の確保が期待できる施設であると判断し、本投資法人が取得しました。
また、築年数の他、天井高や床荷重特殊仕様等の建物スペック全般を考慮して投資判断を行います。
(注)「圏央道」とは、首都圏中央連絡自動車道をいいます。
(ウ)耐震性・PML
原則として、新耐震基準又はそれと同等以上の耐震性能を有するものを投資対象とします。
PML(注)については、原則として、個別の投資対象不動産毎に15%以下のものを投資対象とします。但し、個別の投資対象不動産でPMLが15%を超えるものがある場合であっても、当該投資対象不動産を含めたポートフォリオPMLが15%以下である場合には、損失予想額等を検証の上、投資を行う場合があります。
(注)「PML」とは、英文のProbable Maximum Lossの頭文字をとった呼称であり、最大予想損失率をいいます。PMLは一般的に「対象施設又は施設群に対し最大の損失をもたらす地震が発生し、その場合の90%信頼性水準に相当する物的損失額」と定義されています。なお、実際には、PMLとして再現期間475年の地震を用いることが多く、この地震が発生した場合の物的損害額(90%信頼性水準)の再調達価格に対する割合で表されます。
(エ)遵法性
後記「⑧デューディリジェンス方針」に従ったデューディリジェンスを実施するとともに、外部専門家等の意見や調査報告書を取得し、関連法令等の遵守状況等を検討・確認した上で投資判断を行います。
(オ)環境関連
アスベスト、PCB(ポリ塩化ビフェニルをいいます。以下同じです。)、フロン等の有害物質や土壌汚染等の有無については、客観性及び透明性確保の観点から、外部専門家等の意見や調査報告書を取得の上、検証を行い、周辺環境に与える影響、人体に与える影響、経済的な影響等を総合的に勘案の上、投資判断を行います。
(カ)権利関係
完全所有権の他、投資対象不動産に係る権利が区分所有権又は不動産の共有であっても、他の区分所有者又は共有者の属性、契約内容、持分割合、物件の希少性及びポートフォリオ構成割合等を総合的に勘案の上、投資判断を行います。また、借地(借地権付建物を含みます。)又はその他の不動産の用益権又は使用権に係る物件についても、土地の賃貸人、地上権設定者又はその他の不動産の用益権若しくは使用権の設定者の属性、借地契約の内容等を総合的に勘案の上、投資判断を行います。
(キ)テナント構成
テナントの財務・事業将来性を確認するとともに、既存テナントに関しては契約残存期間等を踏まえて、分散を考慮した上で投資判断を行うものとします。また、テナントの選定に際しては、後記「⑧デューディリジェンス方針」に記載のテナント調査項目を確認し、賃料水準、賃貸借契約期間、賃貸面積、ポートフォリオ全体におけるテナント構成等を総合的に検討します。
(ク)開発物件
原則として、当面は開発物件には投資しません。但し、将来的に運用不動産の老朽化に伴い再開発が必要となる場合等で、開発利益の外部流出回避、大規模物件への転換による資産価値の最大化、賃貸可能面積の増加によるポートフォリオ収益力の向上を目的として開発案件への投資を行う場合があります。
⑧ デューディリジェンス方針
投資対象不動産の取得に際しては、物理的調査、法的調査及び経済的調査等を行った上で、投資の可否を総合的に判断します。なお、物理的調査、法的調査及び経済的調査等を実施する際には、各種第三者専門家レポート(不動産鑑定評価を含みます。)を取得する他、以下の表に記載する項目について調査し、検討することを原則とします。但し、以下の表に記載する項目は、投資対象不動産のアセットタイプによってその重要性が異なることがあり、以下の表に記載する全ての項目について常に調査するわけではありません。
(ア)不動産鑑定業者の選定基準
不動産鑑定業者の選定に当たっては、本資産運用会社の社内規程であるファンド関係者選定規程に従うものとします。
(イ)エンジニアリング・レポート(注)業者の選定基準
エンジニアリング・レポート業者の選定に当たっては、本資産運用会社の社内規程であるファンド関係者選定規程に従うものとします。
(注)「エンジニアリング・レポート」とは、個々の運用資産について、建物検査、関連法規の遵守、修繕費評価及び環境アセスメント等についての専門家の報告書をいいます。以下同じです。
⑨ フォワード・コミットメント等に関する方針
フォワード・コミットメント等(注)の実行に際しては、本資産運用会社の社内規程である三菱地所物流リート投資法人フォワード・コミットメント等に係るマニュアルに従うものとします。
(注)「フォワード・コミットメント等」とは、先日付での売買契約であって、契約締結から1か月以上経過した後に資金決済・物件引渡しを行うこととしている契約及びこれに類する契約をいいます。以下同じです。
⑩ 運営管理方針
(ア)基本方針
運用不動産の中長期的視点での資産価値の維持向上、収益の拡大を実現し、内部成長を図るよう努めるものとします。これを実現するために、本投資法人はスポンサーサポート契約に基づくテナントリレーションサポート(TRS)業務委託を通じて、三菱地所グループの持つノウハウをもって運営管理に当たる他、運用不動産毎にその特性を踏まえ、最適なPM会社等を選定し、施設運営管理・賃貸営業管理・工事営繕管理等を委託するものとします。
(イ)PM会社の業務委託先の選定方針
a.選定の基準等
PM会社の選定に当たっては、プロパティマネジメント業務の質の水準維持を図りつつ効率的な運営管理を実現するため反復継続して選定する可能性があることから、一定の範囲においてあらかじめ候補先リストを取りまとめ、当該リスト内からの選定を原則として、候補となる会社の経験、実績、信用力、財務内容、組織体制、報酬水準、リーシング能力、テナント満足度向上への取組み等を総合的に検討した上で、本資産運用会社が適正と判断するPM会社を運用不動産毎に選定するものとします。
本資産運用会社は、PM会社との間のプロパティマネジメント業務委託契約の期間満了時までに、当該契約期間の運営実績について、日頃のモニタリング、テナントからのクレーム状況及び運営管理内容の定期報告等に基づき、定期的(原則年1回)に評価するものとします。当該評価結果が、本資産運用会社の期待する水準に満たない場合は、業務改善に関する指示を行うこととし、場合によっては契約更新を行わず、PM会社を変更するものとします。
なお、本資産運用会社は上記基準を考慮の上、本投資法人の保有する全ての資産について、三菱地所に対して、スポンサーサポート契約に基づくテナントリレーションサポート(TRS)業務委託を行うものとします(但し、テナントリレーション業務及び賃貸方針提案業務の一部については、本投資法人が指定する保有資産に限り、テナントリレーションサポート(TRS)業務を委託します。また、共有者又は準共有者が存在する保有資産に係るテナントリレーションサポート(TRS)業務の委託は、他方共有者又は他方準共有者の同意が得られることを条件とします。)。
スポンサーサポート契約に基づくテナントリレーションサポート(TRS)業務委託については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(3)利害関係人等との取引状況/④取引状況等/(ア)スポンサーサポート契約」もご参照ください。
b.PM会社の管理方針
スポンサーサポート契約に基づき三菱地所に対してテナントリレーションサポート(TRS)業務委託を行う他、PM会社との綿密な連携を通じ、適切かつ迅速なプロパティマネジメント業務を実施する方針です。本資産運用会社は、PM会社に対して、各運用不動産の特性に合わせた運営管理体制を構築するよう求めるとともに、各運用不動産について定期的(原則として毎月)に、以下の事項について、その状況を確認し、協議の上、適正な運営を行うよう管理・指導するものとします。
(ⅰ)賃貸収支状況
(ⅱ)運用不動産の稼働状況
(ⅲ)既存テナントの動向
(ⅳ)新規テナントのリーシング活動の状況
(ⅴ)テナントからのクレーム及びその対応状況等
(ⅵ)施設管理上のクレーム及びその対応状況等
(ⅶ)修繕工事実績及び今後の予定
なお、上記のうち(ⅲ)及び(ⅳ)については、主として三菱地所によるテナントリレーションサポート(TRS)業務として実施されるものとし、本資産運用会社は、三菱地所に対して、スポンサーサポート契約に基づき適正な業務を行うよう管理・指導するものとします。
(ウ)リーシング方針
中長期にわたり安定的な収益を確保するため、原則として、営業期間毎に翌営業期間以降の期間に対応する賃貸募集条件の設定等のリーシング計画を運用不動産毎に策定することにより、マーケット状況の変化に応じ、機動的にリーシング活動を行っていくものとします。リーシング活動は、主として三菱地所グループが担い、必要に応じて別途PM会社やリーシング専門会社も活用し、賃貸収益の維持・向上に努めるものとします。
(エ)賃貸方針
テナントとの賃貸借契約締結に当たっては、当該テナントの業種、信用力、財務内容、賃料負担能力、反社会的勢力・団体又はその構成員に該当する事実の有無等の信用情報調査を、原則として三菱地所グループが実施します。当該信用情報調査の結果が良好と判断された場合には、賃料水準、契約期間、敷金金額、当該物件における他テナントとのバランス、その他賃貸借契約諸条件等を総合的に検討した上で、賃貸借契約の締結の可否を判断するものとします。なお、上記信用情報調査に当たっては、外部の調査機関等のデータベースも活用するものとします。
(オ)既存テナントに関する賃料改定方針
賃料収入の安定的成長と収益の拡大を図るため、個別の運用不動産について、随時マーケット調査を行い、適正な賃料水準を設定するものとします。かかる賃料水準と比較して著しく低廉な賃料で推移する物件については、既存テナントとの契約交渉を通じ契約条件の向上(賃料水準の向上や契約期間の長期化等)に努めるものとします。
(カ)修繕及び資本的支出に関する基本方針
運用不動産に関する修繕計画については、原則として、営業期間毎に翌営業期間以降の期間に対応する修繕及び資本的支出に係る計画を運用不動産毎に策定した上で、当該修繕計画に基づき必要な修理、修繕、更新及び改修を行うことにより、運用不動産の機能的価値の維持向上を図るものとします。
建物・設備機能の維持保全を目的とした修繕については、過去の修繕履歴、設備水準、エンジニアリング・レポートの内容等を踏まえ、その実施時期及び工事金額等を検討の上、効率的な実施に努めるものとします。
また、通常必要とされる資本的支出(建物の経年劣化に伴い必要な支出、機能維持を目的とした設備更新等)の他、必要に応じて、中長期的視点に立った運用不動産の競争力維持・向上のためにリニューアル工事計画を策定し、実行するものとします。当該リニューアル工事計画の策定に当たっては、競合物件との差別化や中長期にわたる市場競争力及びテナント満足度等について十分な検討を行うものとします。
(キ)付保方針
火災等の災害及び事故等による建物の損害及び賃貸収入の減少並びに対人対物事故による第三者からの損害賠償請求に対応するため、運用不動産毎に適切な損害保険(火災保険、利益保険及び賠償責任保険等)の付保等の措置を講じるものとします。また、地震保険についても、PMLが15%を超える個別の運用不動産については、運用不動産毎に当該超過部分相当についての付保等の措置を検討するものとします。
(ク)情報開示方針
本資産運用会社は、本投資法人について、投信法、金融商品取引法等の法令、東京証券取引所の諸規則、一般社団法人投信協会規則等の要請する内容及び様式に従って、本資産運用会社の社内規程である情報適時開示規程に基づいて、迅速かつ正確な情報開示を行います。また、情報の透明性及び分かりやすさに配慮し、法定開示以外の情報の開示も可能な限り実施します。
⑪ 売却方針
本投資法人は、運用不動産を中長期にわたり保有することで安定収益を確保することを基本方針としているため、原則として短期的な売却は行いません。
また、個々の運用不動産を売却する際には、将来における立地エリアの賃貸マーケット動向、資産価値の増減及びその予測、不動産の劣化・陳腐化リスク及びそれに対する資本的支出の額等を検討の上、ポートフォリオ全体に与える影響等も考慮に入れて総合的に判断します。
⑫ 財務方針
本投資法人は、運用資産の着実な成長並びに効率的な運用及び運用の安定性に資するため、機動的に資金調達を行うことができるものとします。
(ア)募集投資口の発行及び自己投資口の取得等の方針
a.本投資法人は、資産の取得、修繕費等の本投資法人の運営に要する費用の支払い、又は債務の返済(敷金・保証金並びに借入金の返済及び投資法人債の償還を含みます。)等の資金の手当てを目的として、役員会の承認を経て、募集投資口の発行を行うことができます。
b.募集投資口の発行については、投資口の希薄化、本投資法人のLTV等、本投資法人の財務状態を考慮し、決定します。
c.本投資法人は、資本効率の向上と投資主還元のため、財務、資本政策の一環として自己投資口の取得及び消却を行うことを必要に応じて検討します。検討にあたっては、中長期的な投資主価値の向上という観点を特に重視するとともに、投資口価格の水準、財務状況及び市場環境等を総合的に勘案し、実施の判断を行います。
(イ)借入れ及び投資法人債発行の方針
a.本投資法人は、資産の取得、修繕費若しくは分配金の支払い、本投資法人の運営に要する資金、又は債務の返済(敷金・保証金の返還並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として、資金を借入れ(コール市場を通じる場合を含みます。)又は投資法人債を発行することができます。借入金の限度額は1兆円とし、投資法人債発行の限度額は1兆円とします。但し、その合計額が1兆円を超えないものとします。なお、資金の借入れ及び投資法人債の発行は本投資法人の資産運用等の必要から行う場合に限るものとし、本投資法人の財務の健全性に留意して行うものとします。
b.上記a.に基づき資金を借入れ又は投資法人債を発行する場合は、資本市場及び金融環境を総合的に考慮し、将来にわたる経済・社会情勢の変化を予測の上、借入期間又は償還期限及び固定・変動の金利形態といった観点から効率的な資金調達手段を選定し、低コストの資金調達を図ります。また、物件の新規購入、敷金等のテナント預り金の返還等の資金ニーズへの機動的な対応を目的として、コミットメントライン契約等の、事前の融資枠設定又は随時の借入れの予約契約を締結することができます。
c.上記a.に基づき資金を借り入れる場合は、金融商品取引法に規定する適格機関投資家(但し、租税特別措置法(昭和32年法律第26号、その後の改正を含みます。)(以下「租税特別措置法」といいます。)第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定する機関投資家に限ります。)からの借入れに限るものとします。
d.資金の借入れ及び投資法人債の発行に際し、本投資法人は運用資産を担保として提供することができます。
e.LTVは、40~50%を目途としますが、新たな運用資産の取得等に伴い、一時的にこれを超えることがあります。
① 本投資法人の基本理念
(ア)本投資法人の基本理念
本投資法人は、物流施設を主な投資対象とする上場不動産投資法人として、日本最大級の総合デベロッパーである三菱地所及び2001年の設立以来豊富な不動産ファンドの運用実績を有する不動産アセットマネージャーである三菱地所投資顧問の両社の強みをハイブリッド活用し、「立地」、「建物特性」及び「安定性」に着眼して、テナントニーズを捉えた競争力の高い物流施設への厳選投資を通じ、質の高いポートフォリオの構築と着実かつ安定的な資産運用を図り、投資主価値の最大化を目指します。
また、本投資法人は、東京・丸の内をはじめとする「まちづくり」によって得た信頼を基盤とする三菱地所グループの総合力を活かした運用により投資主価値の最大化を目指すとともに、物流施設事業を取り巻く環境変化に適応することによって、我が国における物流プラットフォーム(注)の一翼を担うとともに、人々の生活を支える物流機能の発展を通じて豊かな社会の実現に貢献します。
(注)「プラットフォーム」とは、事業基盤を意味し、本書において、「物流プラットフォーム」とは、物流における事業基盤という意味で用います。(イ)「デベロッパー×不動産アセットマネージャー」のハイブリッド・モデルによる安定的な成長戦略
本投資法人は、三菱地所をスポンサー、三菱地所投資顧問を資産運用会社としており、デベロッパーと不動産アセットマネージャーのそれぞれの特性をハイブリッド活用することを特長としています。
両社の特性のハイブリッド活用により、市場環境の変化や景気循環の中において、局面に応じて両社の強み・特長を使い分け、時に融合させながら、着実な資産規模の拡大と安定的な運用を実現し、投資主価値の最大化を目指します。
(注1)「スポンサーパイプライン物件」とは、三菱地所グループが開発する(予定の)物件又は保有する(予定の)物件のうち、本投資法人の投資基準に適合し、本投資法人の投資対象となり得る物件をいいます。(注2)「ブリッジファンド」とは、将来的に本投資法人が取得することを前提にした不動産等を保有する私募ファンドをいいます。以下同じです。
(ウ)三菱地所グループの物流施設ブランド
三菱地所グループは、ブランドスローガンである「人を、想う力。街を、想う力。」のもと、物流施設においては、三菱地所が開発する「ロジクロス(注1)」及び本資産運用会社が第三者から取得する「MJロジパーク(注2)」と2つのブランドを展開しています。両ブランドは共通して、「安全・安心」を軸に人とモノ、そしてビジネスのさらなる活性化を通じて豊かな社会の実現に貢献する物流施設を提供することを理念としています。
(注1)三菱地所は、「安全・安心」な最新鋭の物流施設を継続的に開発するという観点から、三菱地所の開発ブランドとして「ロジクロス」ブランドを立ち上げました。物流を表す「Logi-」に加え、人・モノ・ビジネスが活発に行き交うイメージを「Cross」という言葉で表現しています。「Logicross(ロジクロス)」の「L」「O」「C」を使用した施設のロゴマークは、物流施設をイメージした箱型を形成することにより、安定感や安心感を表現しています。三菱地所は、2013年12月「ロジクロス福岡久山」の着工に合わせ、「ロジクロス」を三菱地所の開発物流施設ブランドとして立ち上げました。以後、全国各地で開発を展開しています。三菱地所は、物流利便性だけでなく、雇用確保や快適な職場環境といった様々なニーズに応える汎用性の高い最新型物流施設を志向します。
(注2)本資産運用会社が、三菱地所グループ以外の第三者の事業者から取得した、又は取得予定の物流施設は、原則「MJロジパーク」の名称を冠しています。

② 本投資法人のポートフォリオ構築方針
本投資法人は、物件の「立地」、「建物特性」及び「安定性」に着眼し、物流利便性に加え、雇用確保のしやすさや使い勝手の良さ等のテナントニーズを捉え、マーケットにおいて長期にわたり高い競争力が期待できる物流施設への厳選投資を通じ、長期安定的なポートフォリオの構築を目指します(注)。
(注)本投資法人は、後記「⑦投資基準」にある基準に従い、個別の投資対象不動産の総合的な分析を踏まえて、投資判断を行いますが、さらに、「立地」、「建物特性」及び「安定性」に着眼してポートフォリオ全体の構築を目指します。
本投資法人は、主として、物流施設を投資対象としています。また、本投資法人は、その他に、「物流施設に関連し又は親和性のある不動産」(工場、研究開発施設及びデータセンター等の産業用不動産)も投資対象としています。これにより、本投資法人の将来の収益力補完を企図するものです。アセットタイプ別の目標投資比率は以下のとおりとします。但し、資産取得等の過程で一時的にこの比率を超過又は下回ることがあります。
アセットタイプ別投資比率
| アセットタイプ | 目標投資比率(注1) |
| 物流施設(注2) | 80%以上 |
| その他(注3) | 20%以下 |
(注1)「目標投資比率」は、取得価格(取得に伴う諸費用及び税金は含みません。)に基づきます。以下同じです。
(注2)付随する不動産(物流施設の運営上、不可分と判断される不動産)を含みます。
(注3)「その他」に区分される工場、研究開発施設及びデータセンター等の産業用不動産は、長期の賃貸借契約期間を特徴とし、中長期的に安定した収益を生み出すと考えられることから、産業用不動産を「物流施設に関連し又は親和性のある不動産」と位置付けます。
投資エリアの一極集中による様々なリスク(賃貸市場の変動リスク及び天災リスク等)を軽減し、安定した収益を確保するため、首都圏(注1)、近畿圏(注2)及び中部圏(注3)を中心に、以下のとおり、投資対象地域毎に目標投資比率を設定して分散投資を行うものとします。但し、資産取得等の過程で一時的にこの比率を超過又は下回ることがあります。
(注1)「首都圏」とは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県及び茨城県をいいます。以下同じです。
(注2)「近畿圏」とは、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県及び滋賀県をいいます。以下同じです。
(注3)「中部圏」とは、愛知県、三重県及び岐阜県をいいます。以下同じです。
地域別投資比率
| 投資対象地域 | 目標投資比率 |
| 首都圏 | 50%以上 |
| その他(注) | 50%以下 |
(注)「その他」には海外を含みますが、海外に所在する資産に係る地域別投資比率はポートフォリオ全体の10%以下とします。なお、本書の日付現在、海外に所在する資産を取得する予定はありません。
なお、経済動向、金融情勢及び不動産市場の動向等を分析し、中長期的な観点から、ポートフォリオの構成が適切であるかを検討した上で、ポートフォリオ構築方針の定期的な見直しを行うものとします。
(ア)「立地」に関する着眼点
本投資法人は、安定的な人口動態を有し、多数の商圏人口を有する大消費地に所在あるいは近接する「消費者立地」及び企業や工場群が集積する「産業立地」に着眼し、それぞれの所在する地域並びに双方を繋ぐ高速道路や空港、港湾等の物流網の結節点に重点投資を行います。なお、本投資法人は、「消費者立地」及び「産業立地」の観点から、かかる物流網の結節点が多く含まれ、重要度が高いと考える首都圏、近畿圏及び中部圏の三大都市圏を中心に重点投資を行います。上記の観点に加え、本投資法人は、域内の企業や個人によって生み出された付加価値額の合計を表す都道府県別県内総生産の観点からも、首都圏に加え、近畿圏、中部圏は有望な投資対象地域であると考えており、これら地域に対して投資を行うことで、地域分散が図られた長期安定的なポートフォリオを構築することを目指します。
また、本投資法人は、IC(インターチェンジ)を含む、主要幹線道路からのアクセスのしやすさ等物流拠点としての優位性に加え、物流施設の競争力を維持する上で重要度が高まっている従業員確保の容易性にも着眼し、物流施設の周囲に住宅地が近接・隣接するかや、最寄駅からアクセスがしやすいか等の交通利便性も考慮しつつ投資対象の立地を厳選します。
さらに、本投資法人はスポンサーである三菱地所の本店・支店が所在するエリアを中心に三菱地所が培ってきた地場のネットワークに着目し、その活用を目指します。
(イ)「建物特性」に関する着眼点
本投資法人は、原則として、延床面積10,000㎡以上の規模を有し、長期安定稼働の見込める物流施設に投資を行います。また、テナントが扱う荷物の種類や物流施設の使用目的が多様化していることに鑑み、将来にわたり幅広いテナントニーズに対応できる汎用性のある物流施設への投資を積極的に検討し、テナント需要に厚みがあり、資産規模が十分ではない段階においてもテナント分散を実現しやすい、マルチテナント型(注1)を中心に投資を行い、その他にBTS型(注2)にも投資を行っていきます。さらに、「物流施設に関連し又は親和性のある不動産」(工場、研究開発施設及びデータセンター等の産業用不動産)への投資も行います。
(注1)「マルチテナント型」とは、複数のテナントによる利用を想定した汎用性の高い物流施設をいいます。以下同じです。
(注2)「BTS型」とは、ビルド・トゥ・スーツ型の略称であり、特定の企業向けにその要望を取り入れた仕様とした物流施設をいいます。以下同じです。
(ウ)「安定性」に関する着眼点
本投資法人は、ポートフォリオ全体の分散状況も踏まえつつ、収益の安定性を考慮し、テナントと将来にわたり安定した賃貸借契約が締結可能と判断される物流施設を厳選の上、積極的な投資を行います。
また、テナントとの契約については、安定した賃料収入が期待できる賃貸借契約種別である定期借家契約の締結及び長期の残存賃貸借期間の確保に努めるとともに、ポートフォリオにおけるテナント分散の実現を目指します。さらに、三菱地所グループの法人顧客リレーションを積極的に活用していくことで、物流事業者や荷主と良好な関係を構築し、ポートフォリオの安定的な運用を目指します。
③ 本投資法人の外部成長戦略
<三菱地所と三菱地所投資顧問双方の強みを最大限に活用したハイブリッド型外部成長>本投資法人は、主として、床荷重1.5t/㎡、梁下天井有効高5.5m以上、柱スパン10m以上等といったテナントニーズを捉えた汎用性の高い仕様を備えた最新型物流施設の開発・運営ノウハウを有する三菱地所とスポンサーサポート契約(注1)を締結し、三菱地所による開発物件を含む、同社が自ら所有する(三菱地所が匿名組合出資、優先出資その他の手法により出資する特別目的会社が所有する場合及び三菱地所の関係会社が保有する場合を含みます。)物流施設等(注2)を売却する場合には、優先的に取得に向けた交渉を行うことができます。また、マーケットや環境変化に合わせて三菱地所のCRE戦略(注3)や共同事業等の開発戦略を活用し、かつ、三菱地所投資顧問の柔軟かつ多様なスキームによる物件取得を通じて三菱地所の開発力と三菱地所投資顧問の不動産ファンドの組成・継続的な物件取得及び運用経験に裏付けられた物件の投資案件選別力(目利き力)をハイブリッド活用することで、安定的かつ着実な外部成長(ハイブリッド型外部成長)を目指します。
(注1)スポンサーサポート契約の詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人等との取引制限/(3)利害関係人等との取引状況/④取引状況等/(ア)スポンサーサポート契約」をご参照ください。
(注2)「物流施設等」とは、本投資法人が投資対象とする物流施設、並びに「物流施設に関連し又は親和性のある不動産」(工場、研究開発施設及びデータセンター等の産業用不動産)をいいます。以下同じです。
(注3)「CRE」とは、企業の保有する不動産又はその戦略的な活用のための取組みを意味し、「CRE戦略」及び「CRE提案」とは、各企業の保有不動産の実状に応じたきめ細かい戦略及び提案を行うことを意味します。
④ 本投資法人の内部成長戦略
<本投資法人の安定成長を支えるハイブリッド型内部成長>本投資法人は、三菱地所の総合デベロッパーとして培った豊富な法人顧客リレーションを活かしたリーシング力及び物流施設開発・運営事業によって蓄積された運営ノウハウに加え、本資産運用会社の多様なアセットタイプのファンド運用実績に裏打ちされた安定的な運用力と独自のテナントリレーションを活かした安定的な物流施設の運営ノウハウをハイブリッド活用し、個別物件のキャッシュ・フローの最大化、ひいては本投資法人の運用資産の安定成長に資する内部成長(ハイブリッド型内部成長)を目指します。
⑤ 本投資法人の財務戦略
<健全性を重視した長期安定的な財務運営>三菱地所グループが長年培ってきた財務戦略に係るノウハウ及び信用力を活かした長期安定的な財務運営を基本とし、さらには成長性に配慮してLTVコントロールを行います。また、効率的なキャッシュマネジメントにより投資主価値向上の実現を目指します。
キャッシュマネジメント:減価償却費の活用方針
本投資法人は、一般的に他アセットと比較して建物割合が高く減価償却費が大きい一方、設備割合が低く資本的支出が限定的である物流施設の特性を踏まえ、安定的な分配金水準を確保する観点から一定のルールのもと利益超過分配を実施し、投資主価値の最大化に努めます。
本投資法人は、減価償却費の30%相当額を利益超過分配金額の目途とし、原則として毎期継続的に利益超過分配を実施する方針です。
また、継続的な利益超過分配に加えて、新投資口発行等の資金調達又は大規模修繕等により、一時的に1口当たり分配金の額が一定程度減少することが見込まれる場合は、1口当たり分配金の金額を平準化する目的で、一時的な利益超過分配を行うことがあります。
但し、経済環境、不動産市場及び賃貸市場等の動向、保有資産の状況並びに財務の状況等を踏まえ、本投資法人が不適切と判断した場合には分配可能金額を超える金銭の分配を行わない場合もあります。このため、1口当たり利益超過分配金の金額が減少する可能性があります。
また、安定的な財務運営を継続する観点から、上記の金銭の分配を実施した場合に鑑定LTV(注1)が60%を超える場合においては、利益超過分配を実施しないものとします。
なお、利益を超えた金銭の分配(出資(投資元本)の払戻し)を実施する場合のイメージ図は、以下のとおりです。なお、以下の図はあくまでもイメージであり、本投資法人の貸借対照表の状況、出資総額又は当期純利益に対する利益を超える金銭の分配(出資(投資元本)の払戻し)の割合等を示すものではありません。
(注1)鑑定LTV(%)=a/b(%)
a=当該営業期間に係る決算期における貸借対照表上の有利子負債総額(消費税ローンは除きます。)+敷金保証金留保額の取崩相当額(テナント賃貸借契約に基づく敷金保証金の返還に充てる場合等を除きます。)
b=当該営業期間に係る決算期における貸借対照表上の総資産額-当該決算期における保有不動産の減価償却後の簿価の金額+当該決算期における保有不動産の不動産鑑定評価額の合計額-翌営業期間に支払われる利益分配金総額-翌営業期間に支払われる利益超過分配金総額
(注2)本投資法人の本書の日付現在の保有資産に係る東京海上日動リスクコンサルティング株式会社による建物状況調査報告書に記載の緊急・短期更新費用の見積額及び中長期更新費用の見積額を合計した額の12か月平均額は、143百万円です。また、本投資法人は、建物部分の減価償却費の算定方法につき、定額法を採用しており、当該会計処理で計算した場合の2020年3月1日から2020年8月31日までの期間における保有資産の減価償却費の合計額は605百万円を想定しており、2020年9月1日から2021年2月28日までの期間における保有資産の減価償却費の合計額は613百万円を想定しています。なお、本投資法人が準共有持分を有する保有資産に係る当該費用は、各物件の信託受益権の準共有持分割合に相当する数値を使用しています。
<利益を超える金銭の分配(出資(投資元本)の払戻し)を
実施する場合のイメージ図>

⑥ 本投資法人の運用体制
<投資主価値の向上を重視した運用体制の構築>投資主価値の向上のため、適切な利益相反対策をとるとともに、本投資法人の投資主と三菱地所グループの利益が一致することを目指し、「利害関係人取引における公正な取引フロー」、「三菱地所によるセイムボート出資」、「本資産運用会社における優先検討順位のルール化」及び「一口当たり税引前当期純利益、NOI及び投資口価格等に連動した資産運用報酬」を4本の柱とした運用体制を構築します。運用体制の詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第4 関係法人の状況/1 資産運用会社の概況/(2)運用体制」をご参照ください。
⑦ 投資基準
(ア)立地
以下の点を含む投資対象不動産の総合的な分析を踏まえ、投資判断を行います。
・物流拠点としての立地の特性(消費者立地・産業立地の該当有無)、用途地域、周辺環境の適格性
・物流拠点としての交通立地上の優位性・競争力の有無(高速道路及び主要幹線道路からの近接性等)
・雇用確保の優位性・競争力の有無(後背地の人口集積度、通勤利便性等)
・物流拠点としての周辺環境における地域将来性(新設道路計画の有無等)
(イ)規模
原則として、1物件当たりの規模として、延床面積約10,000㎡以上の施設とします。但し、規模が基準を満たさない場合でも、中長期的な観点から、安定した収益の確保が期待できる施設はこの限りではありません。
なお、本投資法人の本書の日付現在の保有資産である「MJロジパーク加須1」については、本投資法人の投資基準である「延床面積約10,000㎡以上」に合致しない物件ですが、信用力の高いテナントと比較的長期間の賃貸借契約を締結していること、また、当該物件は、東北自動車道及び圏央道(注)が利用可能であり、首都圏全域の集配送拠点として将来にわたり高い競争力が期待できること等を総合的に勘案し、中長期的な観点から、安定した収益の確保が期待できる施設であると判断し、本投資法人が取得しました。
また、築年数の他、天井高や床荷重特殊仕様等の建物スペック全般を考慮して投資判断を行います。
(注)「圏央道」とは、首都圏中央連絡自動車道をいいます。
(ウ)耐震性・PML
原則として、新耐震基準又はそれと同等以上の耐震性能を有するものを投資対象とします。
PML(注)については、原則として、個別の投資対象不動産毎に15%以下のものを投資対象とします。但し、個別の投資対象不動産でPMLが15%を超えるものがある場合であっても、当該投資対象不動産を含めたポートフォリオPMLが15%以下である場合には、損失予想額等を検証の上、投資を行う場合があります。
(注)「PML」とは、英文のProbable Maximum Lossの頭文字をとった呼称であり、最大予想損失率をいいます。PMLは一般的に「対象施設又は施設群に対し最大の損失をもたらす地震が発生し、その場合の90%信頼性水準に相当する物的損失額」と定義されています。なお、実際には、PMLとして再現期間475年の地震を用いることが多く、この地震が発生した場合の物的損害額(90%信頼性水準)の再調達価格に対する割合で表されます。
(エ)遵法性
後記「⑧デューディリジェンス方針」に従ったデューディリジェンスを実施するとともに、外部専門家等の意見や調査報告書を取得し、関連法令等の遵守状況等を検討・確認した上で投資判断を行います。
(オ)環境関連
アスベスト、PCB(ポリ塩化ビフェニルをいいます。以下同じです。)、フロン等の有害物質や土壌汚染等の有無については、客観性及び透明性確保の観点から、外部専門家等の意見や調査報告書を取得の上、検証を行い、周辺環境に与える影響、人体に与える影響、経済的な影響等を総合的に勘案の上、投資判断を行います。
(カ)権利関係
完全所有権の他、投資対象不動産に係る権利が区分所有権又は不動産の共有であっても、他の区分所有者又は共有者の属性、契約内容、持分割合、物件の希少性及びポートフォリオ構成割合等を総合的に勘案の上、投資判断を行います。また、借地(借地権付建物を含みます。)又はその他の不動産の用益権又は使用権に係る物件についても、土地の賃貸人、地上権設定者又はその他の不動産の用益権若しくは使用権の設定者の属性、借地契約の内容等を総合的に勘案の上、投資判断を行います。
(キ)テナント構成
テナントの財務・事業将来性を確認するとともに、既存テナントに関しては契約残存期間等を踏まえて、分散を考慮した上で投資判断を行うものとします。また、テナントの選定に際しては、後記「⑧デューディリジェンス方針」に記載のテナント調査項目を確認し、賃料水準、賃貸借契約期間、賃貸面積、ポートフォリオ全体におけるテナント構成等を総合的に検討します。
(ク)開発物件
原則として、当面は開発物件には投資しません。但し、将来的に運用不動産の老朽化に伴い再開発が必要となる場合等で、開発利益の外部流出回避、大規模物件への転換による資産価値の最大化、賃貸可能面積の増加によるポートフォリオ収益力の向上を目的として開発案件への投資を行う場合があります。
⑧ デューディリジェンス方針
投資対象不動産の取得に際しては、物理的調査、法的調査及び経済的調査等を行った上で、投資の可否を総合的に判断します。なお、物理的調査、法的調査及び経済的調査等を実施する際には、各種第三者専門家レポート(不動産鑑定評価を含みます。)を取得する他、以下の表に記載する項目について調査し、検討することを原則とします。但し、以下の表に記載する項目は、投資対象不動産のアセットタイプによってその重要性が異なることがあり、以下の表に記載する全ての項目について常に調査するわけではありません。
| 項 目 | 調査事項 | |
| 物理的調査 | 立地 | ① 接面街路の状況、主要幹線道路への系統・連続性 ② 主要交通機関の利便性・接近性 ③ 周辺の土地利用に係る現状及び将来動向 ④ 水害等の発生履歴 ⑤ 眺望・採光・通風等の状態 ⑥ 物流施設等の集積度 等 |
| 建築・設備仕様 | ① 躯体構造、築年数、施工業者 ② 専有部の間取り・形状、天井高、使用資材・設備等の状況 ③ 建物の劣化状況(緊急修繕の必要性) ④ 共用部の充実度 等 | |
| 建物管理関係 | ① 管理会社の質及び建物管理仕様の良否 ② 維持管理の状態 ③ 管理規約の有無及びその内容 等 | |
| 耐震性能・ PML | ① 新耐震基準又はそれと同等以上の性能の確保 ② 構造設計会社、建築確認検査機関の確認 ③ PML値の把握(地震保険付保の検討) 等 | |
| 環境・土壌等 | ① アスベスト、PCB、フロン等の有害物質の使用状況 ② 土地利用履歴(周辺土地を含みます。) ③ 土壌汚染対策法(平成14年法律第53号、その後の改正を含みます。)(以下「土壌汚染対策法」といいます。)の指定区域の有無 ④ 水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号、その後の改正を含みます。)・下水道法(昭和33年法律第79号、その後の改正を含みます。)の特定施設の有無 等 | |
| 法的調査 | 権利関係 | ① 権利の態様(所有権、区分所有権、地上権、共有等) ② 担保権設定の有無とその状況 ③ 賃貸借契約、転貸借契約、使用貸借契約 等 |
| 境界関係 | ① 境界確定の状況 ② 越境物の有無とその状況 ③ 隣接地権者との紛争の有無 等 | |
| 法令上の制限 | ① 関係法令・条例等の遵守状況 ② 既存不適格の有無 等 | |
| 経済的調査 | 収入関係 | ① 現行賃料と市場賃料の乖離 ② テナント異動の可能性 ③ 過去の稼働率・賃料水準に係る実績 等 |
| 支出関係 | ① 運営費用の現状と削減余地 ② 公租公課の推移 ③ 修繕費・資本的支出に係る中長期計画 等 | |
| マーケット調査 | ① 周辺エリアの市場賃料及び中長期的な賃料動向 ② 競合物件の稼働状況 ③ 競合物件の開発計画の動向 ④ 賃貸マーケット需給動向 ⑤ 代替テナント確保の難易度 等 | |
| テナント調査 | ① 賃貸借契約形態・目的等 ② テナント・クレジット(反社会的勢力の排除) ③ 賃料支払・滞納の状況 ④ 他テナント及び近隣住民との紛争の有無 等 |
(ア)不動産鑑定業者の選定基準
不動産鑑定業者の選定に当たっては、本資産運用会社の社内規程であるファンド関係者選定規程に従うものとします。
(イ)エンジニアリング・レポート(注)業者の選定基準
エンジニアリング・レポート業者の選定に当たっては、本資産運用会社の社内規程であるファンド関係者選定規程に従うものとします。
(注)「エンジニアリング・レポート」とは、個々の運用資産について、建物検査、関連法規の遵守、修繕費評価及び環境アセスメント等についての専門家の報告書をいいます。以下同じです。
⑨ フォワード・コミットメント等に関する方針
フォワード・コミットメント等(注)の実行に際しては、本資産運用会社の社内規程である三菱地所物流リート投資法人フォワード・コミットメント等に係るマニュアルに従うものとします。
(注)「フォワード・コミットメント等」とは、先日付での売買契約であって、契約締結から1か月以上経過した後に資金決済・物件引渡しを行うこととしている契約及びこれに類する契約をいいます。以下同じです。
⑩ 運営管理方針
(ア)基本方針
運用不動産の中長期的視点での資産価値の維持向上、収益の拡大を実現し、内部成長を図るよう努めるものとします。これを実現するために、本投資法人はスポンサーサポート契約に基づくテナントリレーションサポート(TRS)業務委託を通じて、三菱地所グループの持つノウハウをもって運営管理に当たる他、運用不動産毎にその特性を踏まえ、最適なPM会社等を選定し、施設運営管理・賃貸営業管理・工事営繕管理等を委託するものとします。
(イ)PM会社の業務委託先の選定方針
a.選定の基準等
PM会社の選定に当たっては、プロパティマネジメント業務の質の水準維持を図りつつ効率的な運営管理を実現するため反復継続して選定する可能性があることから、一定の範囲においてあらかじめ候補先リストを取りまとめ、当該リスト内からの選定を原則として、候補となる会社の経験、実績、信用力、財務内容、組織体制、報酬水準、リーシング能力、テナント満足度向上への取組み等を総合的に検討した上で、本資産運用会社が適正と判断するPM会社を運用不動産毎に選定するものとします。
本資産運用会社は、PM会社との間のプロパティマネジメント業務委託契約の期間満了時までに、当該契約期間の運営実績について、日頃のモニタリング、テナントからのクレーム状況及び運営管理内容の定期報告等に基づき、定期的(原則年1回)に評価するものとします。当該評価結果が、本資産運用会社の期待する水準に満たない場合は、業務改善に関する指示を行うこととし、場合によっては契約更新を行わず、PM会社を変更するものとします。
なお、本資産運用会社は上記基準を考慮の上、本投資法人の保有する全ての資産について、三菱地所に対して、スポンサーサポート契約に基づくテナントリレーションサポート(TRS)業務委託を行うものとします(但し、テナントリレーション業務及び賃貸方針提案業務の一部については、本投資法人が指定する保有資産に限り、テナントリレーションサポート(TRS)業務を委託します。また、共有者又は準共有者が存在する保有資産に係るテナントリレーションサポート(TRS)業務の委託は、他方共有者又は他方準共有者の同意が得られることを条件とします。)。
スポンサーサポート契約に基づくテナントリレーションサポート(TRS)業務委託については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(3)利害関係人等との取引状況/④取引状況等/(ア)スポンサーサポート契約」もご参照ください。
b.PM会社の管理方針
スポンサーサポート契約に基づき三菱地所に対してテナントリレーションサポート(TRS)業務委託を行う他、PM会社との綿密な連携を通じ、適切かつ迅速なプロパティマネジメント業務を実施する方針です。本資産運用会社は、PM会社に対して、各運用不動産の特性に合わせた運営管理体制を構築するよう求めるとともに、各運用不動産について定期的(原則として毎月)に、以下の事項について、その状況を確認し、協議の上、適正な運営を行うよう管理・指導するものとします。
(ⅰ)賃貸収支状況
(ⅱ)運用不動産の稼働状況
(ⅲ)既存テナントの動向
(ⅳ)新規テナントのリーシング活動の状況
(ⅴ)テナントからのクレーム及びその対応状況等
(ⅵ)施設管理上のクレーム及びその対応状況等
(ⅶ)修繕工事実績及び今後の予定
なお、上記のうち(ⅲ)及び(ⅳ)については、主として三菱地所によるテナントリレーションサポート(TRS)業務として実施されるものとし、本資産運用会社は、三菱地所に対して、スポンサーサポート契約に基づき適正な業務を行うよう管理・指導するものとします。
(ウ)リーシング方針
中長期にわたり安定的な収益を確保するため、原則として、営業期間毎に翌営業期間以降の期間に対応する賃貸募集条件の設定等のリーシング計画を運用不動産毎に策定することにより、マーケット状況の変化に応じ、機動的にリーシング活動を行っていくものとします。リーシング活動は、主として三菱地所グループが担い、必要に応じて別途PM会社やリーシング専門会社も活用し、賃貸収益の維持・向上に努めるものとします。
(エ)賃貸方針
テナントとの賃貸借契約締結に当たっては、当該テナントの業種、信用力、財務内容、賃料負担能力、反社会的勢力・団体又はその構成員に該当する事実の有無等の信用情報調査を、原則として三菱地所グループが実施します。当該信用情報調査の結果が良好と判断された場合には、賃料水準、契約期間、敷金金額、当該物件における他テナントとのバランス、その他賃貸借契約諸条件等を総合的に検討した上で、賃貸借契約の締結の可否を判断するものとします。なお、上記信用情報調査に当たっては、外部の調査機関等のデータベースも活用するものとします。
(オ)既存テナントに関する賃料改定方針
賃料収入の安定的成長と収益の拡大を図るため、個別の運用不動産について、随時マーケット調査を行い、適正な賃料水準を設定するものとします。かかる賃料水準と比較して著しく低廉な賃料で推移する物件については、既存テナントとの契約交渉を通じ契約条件の向上(賃料水準の向上や契約期間の長期化等)に努めるものとします。
(カ)修繕及び資本的支出に関する基本方針
運用不動産に関する修繕計画については、原則として、営業期間毎に翌営業期間以降の期間に対応する修繕及び資本的支出に係る計画を運用不動産毎に策定した上で、当該修繕計画に基づき必要な修理、修繕、更新及び改修を行うことにより、運用不動産の機能的価値の維持向上を図るものとします。
建物・設備機能の維持保全を目的とした修繕については、過去の修繕履歴、設備水準、エンジニアリング・レポートの内容等を踏まえ、その実施時期及び工事金額等を検討の上、効率的な実施に努めるものとします。
また、通常必要とされる資本的支出(建物の経年劣化に伴い必要な支出、機能維持を目的とした設備更新等)の他、必要に応じて、中長期的視点に立った運用不動産の競争力維持・向上のためにリニューアル工事計画を策定し、実行するものとします。当該リニューアル工事計画の策定に当たっては、競合物件との差別化や中長期にわたる市場競争力及びテナント満足度等について十分な検討を行うものとします。
(キ)付保方針
火災等の災害及び事故等による建物の損害及び賃貸収入の減少並びに対人対物事故による第三者からの損害賠償請求に対応するため、運用不動産毎に適切な損害保険(火災保険、利益保険及び賠償責任保険等)の付保等の措置を講じるものとします。また、地震保険についても、PMLが15%を超える個別の運用不動産については、運用不動産毎に当該超過部分相当についての付保等の措置を検討するものとします。
(ク)情報開示方針
本資産運用会社は、本投資法人について、投信法、金融商品取引法等の法令、東京証券取引所の諸規則、一般社団法人投信協会規則等の要請する内容及び様式に従って、本資産運用会社の社内規程である情報適時開示規程に基づいて、迅速かつ正確な情報開示を行います。また、情報の透明性及び分かりやすさに配慮し、法定開示以外の情報の開示も可能な限り実施します。
⑪ 売却方針
本投資法人は、運用不動産を中長期にわたり保有することで安定収益を確保することを基本方針としているため、原則として短期的な売却は行いません。
また、個々の運用不動産を売却する際には、将来における立地エリアの賃貸マーケット動向、資産価値の増減及びその予測、不動産の劣化・陳腐化リスク及びそれに対する資本的支出の額等を検討の上、ポートフォリオ全体に与える影響等も考慮に入れて総合的に判断します。
⑫ 財務方針
本投資法人は、運用資産の着実な成長並びに効率的な運用及び運用の安定性に資するため、機動的に資金調達を行うことができるものとします。
(ア)募集投資口の発行及び自己投資口の取得等の方針
a.本投資法人は、資産の取得、修繕費等の本投資法人の運営に要する費用の支払い、又は債務の返済(敷金・保証金並びに借入金の返済及び投資法人債の償還を含みます。)等の資金の手当てを目的として、役員会の承認を経て、募集投資口の発行を行うことができます。
b.募集投資口の発行については、投資口の希薄化、本投資法人のLTV等、本投資法人の財務状態を考慮し、決定します。
c.本投資法人は、資本効率の向上と投資主還元のため、財務、資本政策の一環として自己投資口の取得及び消却を行うことを必要に応じて検討します。検討にあたっては、中長期的な投資主価値の向上という観点を特に重視するとともに、投資口価格の水準、財務状況及び市場環境等を総合的に勘案し、実施の判断を行います。
(イ)借入れ及び投資法人債発行の方針
a.本投資法人は、資産の取得、修繕費若しくは分配金の支払い、本投資法人の運営に要する資金、又は債務の返済(敷金・保証金の返還並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として、資金を借入れ(コール市場を通じる場合を含みます。)又は投資法人債を発行することができます。借入金の限度額は1兆円とし、投資法人債発行の限度額は1兆円とします。但し、その合計額が1兆円を超えないものとします。なお、資金の借入れ及び投資法人債の発行は本投資法人の資産運用等の必要から行う場合に限るものとし、本投資法人の財務の健全性に留意して行うものとします。
b.上記a.に基づき資金を借入れ又は投資法人債を発行する場合は、資本市場及び金融環境を総合的に考慮し、将来にわたる経済・社会情勢の変化を予測の上、借入期間又は償還期限及び固定・変動の金利形態といった観点から効率的な資金調達手段を選定し、低コストの資金調達を図ります。また、物件の新規購入、敷金等のテナント預り金の返還等の資金ニーズへの機動的な対応を目的として、コミットメントライン契約等の、事前の融資枠設定又は随時の借入れの予約契約を締結することができます。
c.上記a.に基づき資金を借り入れる場合は、金融商品取引法に規定する適格機関投資家(但し、租税特別措置法(昭和32年法律第26号、その後の改正を含みます。)(以下「租税特別措置法」といいます。)第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定する機関投資家に限ります。)からの借入れに限るものとします。
d.資金の借入れ及び投資法人債の発行に際し、本投資法人は運用資産を担保として提供することができます。
e.LTVは、40~50%を目途としますが、新たな運用資産の取得等に伴い、一時的にこれを超えることがあります。