有価証券報告書-第111期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/23 14:26
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183項目
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
当社グループは、2030年長期ビジョン「人にも地球にもやさしい食を世界にお届けするリーディングカンパニー」の実現に向け、「人財こそが欠かせない価値であり、競争優位の源泉である」との認識のもと、人的資本経営を推進しております。中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」においてはバリューチェーンの強靭化を目指しており、その基本戦略の一つとしてサステナビリティの進化を掲げ、競争力の源泉となる人的資本とブランディングの強化を重要テーマとして位置付け、事業構造の変革と企業価値の持続的向上を図っております。
⦅ガバナンス⦆
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けた重要課題としてマテリアリティを設定しており、人的資本経営についてもこれに基づき推進しております。人的資本に関する施策は、執行役員が責任者を務める推進組織が主体となり立案・実行するとともに、取締役会・執行役員会等において取り組みの進捗を定期的にモニタリングし、人財価値向上の取り組みを後押ししています。

(イ)経営戦略と人財戦略の連動
当社グループでは、以下のとおりの考えに基づき、人財戦略に関する具体的な取り組みを推進しています。
なお、記載内容の内、一部の施策、制度、目標、実績等については、グループ各社での実施がない、あるいは今後展開を予定しているものが含まれており、当社において先行的又は独自に推進しているものです。これらについては、本文中において「当社」の表記を用いております。
当社グループは、水産資源及び食品を通じた価値創造を基盤に国内外で事業を展開してきましたが、近年、気候変動の進行、地政学リスクの高まり、消費者ニーズの多様化、並びに技術革新の進展等により、事業環境は大きく変化しています。特に温暖化による異常気象や自然災害は、当社グループの原材料調達、生産、販売、物流などあらゆる事業活動に深刻な影響を及ぼす可能性があり、今後は従来の延長線上では対応が困難になり得ることから事業運営及び技術対応が求められています。
また、国内における少子高齢化の進展により労働力の確保が一層困難となる中、グローバルでの事業展開の加速、サステナビリティ経営の高度化、新規事業の創出を同時に実現する必要があります。このような環境下において、当社グループの経営戦略上の重要課題は、不確実性の高い環境下でも持続的に価値を創出できるバリューチェーンの強靭化です。その実現には人財力の強化が重要な戦略となりますが、現在の人財ポートフォリオや能力構成では十分とは言えません。
現在、人財ポートフォリオの最適化のために、以下の人財育成に取り組んでいます。
・ESGを推進し、ガバナンスの強化を担う専門人財の育成
・グローバル事業を推進するマネジメント人財の育成
・DXにより業務や製品、サービス、働き方などを革新できる人財の育成
・多様な価値創造を実現するためのイノベーション人財の育成
・バリューチェーン全体を俯瞰し意思決定を担う経営人財の育成
当社グループは、以上の人財育成を通じて、価値創造力・持続可能性・リスク対応力を高め、バリューチェーンの強靭化を図っていきます。
なお、従業員給与等の決定にあたっては、これらの人財戦略との整合性を重視し、各人の役割・成果及び能力に加え、当社が求める人財像に基づく行動特性の発揮状況を踏まえて決定しています。
当社事業年度においては、人財基盤強化の観点から定期昇給及びベースアップを実施し、平均改定率は約5.5%となりました。
一方で、従業員構成の変動並びに業績連動賞与の支給水準の変化等の影響により、従業員の平均年間給与の対前事業年度増減率は1.8%の増加となっております。なお、参考値として個人単位での年間給与増減率の中央値は約6%となっております。
(ロ)人財戦略の基本的な考え方
当社グループは、前述の経営戦略上の課題を踏まえ、不確実性の高い事業環境においても持続的に価値を創出し続けるためには、事業戦略と人財戦略の高度な連動が不可欠であると認識しております。このような認識のもと、当社グループは2024年度に「人財マネジメントポリシー」を策定し、「主体性」「変革」「挑戦」「共創」「完遂」を当社グループが求める人財像として明確化しました。これらは、当社グループがこれまでの歴史の中で大きな環境変化や困難に直面した際に発揮してきた行動特性を言語化したものであり、これらを体現する人財が主体的に価値創造を担うことで、事業変革と企業成長の実現を目指しています。
こうした考えのもと、当社の人財戦略は、「バリューチェーンの強靭化を支える人財基盤の構築」を基本的な方向性とし、以下の5つの観点に基づき推進しています。
a)成長事業領域への人財シフト準備
事業ポートフォリオの変革を着実に実行するため、成長事業領域への人財の戦略的シフトを推進しています。長期ビジョン「GOOD FOODS 2030」においては、「事業ポートフォリオマネジメント強化」と「サステナビリティ経営の推進」を両軸に企業価値向上を目指しており、持続的な成長が見込まれる「海外事業」「ファインケミカル事業」「国内外養殖事業」を成長事業領域と位置付けています。
これらの戦略を踏まえ、2030年に向けた事業戦略の実現に必要な組織構造及び人員構成を起点とし、「あるべき人財構成」を定義した上で、現状とのギャップを可視化し、対応策を検討・実行する枠組みとして事業執行をメンバーとして人財確保部会を運営しています。同部会では、事業戦略に基づく必要人財の質・量の定義、組織構造の再設計、人財需給ギャップの分析を行うとともに、経営戦略と連動した前述の重点人財領域について、確保計画及び育成計画の策定・推進を行っています。また、経営人財については、人財育成委員会のもと、10年単位の長期的視点で後継者の確保と育成を進めており、候補者の選定から必要な経験・スキルの明確化、育成計画の策定・モニタリングに至るまで一貫したプロセスを整備しています。さらに、グローバル人財及び専門性の高い人財については、海外経験や異文化対応力の強化、R&D・DX・サステナビリティ・ガバナンス等の専門領域における育成・採用を推進するとともに、専門人財制度の活用や学習支援を通じて人財基盤の強化を図っています。
これらの取り組みを採用・育成・配置の各施策へと反映することで、戦略と整合した人財ポートフォリオの最適化を図るとともに、成長領域への人財シフトを加速し、事業環境の変化に柔軟に対応できる人財基盤の構築を推進してまいります。
b)ミッションの体現
当社は、ミッションの体現を通じて企業価値を創出するためには、社員一人ひとりがミッションを自らの言葉で理解・共感し、日々の業務において主体的に行動へと結び付けていくことと、これらの行動が組織としての行動に結びつくことが重要であると考えています。
このため、当社ではインナーブランディング施策として「GOOD FOODS Talk」を中心とした活動を継続的に展開しています。本活動は、社員同士がミッションについて対話し、自身の志との重なりを見出し、それを具体的な行動へとつなげることを目的とした取り組みです。具体的には、各職場単位での対話に加え、部門横断でのディスカッションや、国内外の出向者を含めた交流の機会を設けることで、組織や立場を超えた共創と一体感の醸成を図っています。また、社員が実践したミッション体現行動を共有・表彰する仕組みを導入し、挑戦や行動を称賛する文化の醸成にも取り組んでいます。これらの活動を通じて、ミッション浸透は「理解」から「共感」、さらに「行動」へと段階的に進展しており、社員一人ひとりが自身の志と会社のミッションを結び付け、具体的なアクションを起こす状態に広がっています。
当社グループについては、国内経営陣の集まるグループ経営会議においてミッションを共有することはもちろん、グループ会社の役員・部署長を対象にミッションへの理解及び自社での展開を検討するワークショップを2023年度より3年間で7回(計341人)実施するとともに、グループ会社の全従業員を対象に、ミッション・ビジョンの理解度を上げるためのオンライン説明会を1回(同時接続者数1800人アカウント)実施しています。2025年からは「GOOD FOODS Talk+」と称し、各社の職場において、ミッションの理解・共感を深め、自らの行動に繋げるため語り合う活動をスタートとしています。
さらに、当社グループはこれらの個々の行動を組織としての実行につなげることを重要な課題と認識しており、部門横断での対話や事例共有を通じて、ミッションに基づく行動を業務へ組み込み、組織単位での実践へと展開を進めています。
一方で、ミッションと具体的行動との接続や、組織としての行動基準の明確化については課題が残ることから、今後はミッション体現行動の基準の明確化や評価制度との連動を進めるとともに、優良事例の全社共有を通じて、個人の行動を組織的な実践へと昇華させていきます。当社は、これらのインナーブランディング活動を通じて、ミッションを軸とした組織の一体感を高めるとともに、個人と組織が一体となって価値創造を担う体制を構築し、持続的な企業価値の向上につなげてまいります。
c)エンゲージメントの向上
当社は、ミッションを実践し、人財が主体的に価値創造を担う状態を実現するためには、エンゲージメントの向上が重要であると認識しています。
この考えのもと、2021年よりエンゲージメント調査を実施し、組織状態の可視化と改善に取り組んできました。企業成長を直接的に示す単一指標の設定が難しい中で、当社は「個人の業績結果」と「残業時間」を組み合わせ、高い成果を効率的に創出している状態を高パフォーマンスと設定し過去5年分の全部署データを対象にエンゲージメントとの関係について統計分析を行いました。その結果、高パフォーマンスを実現している組織においては、一貫してエンゲージメントスコアが高い傾向が確認されました。
当社は人財戦略に基づく各施策の進捗及び成果については、それぞれの目的に応じた指標も採用していますが、これらの分析を踏まえ、エンゲージメントは当社が目指す人財の状態及び企業成長に資する重要な統合的指標であると位置付け、継続的なモニタリングを実施しています。
一方で、従来の調査は企業や職場に対する認識を中心とした設計であり、社員一人ひとりの主体的な実感や期待との関係性を十分に把握しきれていないという課題がありました。このため、2024年度より調査設計を見直し、主語を個人に置いた形で、ポリシーに掲げる行動特性に対する実感及び期待を直接把握する仕組みへと高度化しています。
今後は、グループ会社への展開も含め、会社が提供する制度・環境と個人の実感・期待とのギャップを可視化し、その要因分析を通じて重点課題を特定するとともに、人財戦略の各施策の高度化及び優先順位付けに反映していきます。
d)多様な人財の能力及び個性の発揮
当社は、多様な人財がそれぞれの能力を最大限に発揮し、価値創造につなげることが持続的成長の基盤であるとの認識のもと、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進に取り組んでいます。
女性活躍の推進については、女性管理職比率が継続的に向上し、足元では過去最高となる9.1%に達しています。また、若手女性社員の増加に伴い、組織責任者の意識改革や、生産部門を中心とした多様な人財配置も進んでおり、工場における女性社員の活躍や管理職登用事例も増加しています。今後も、キャリア形成支援及び適切な配置・登用を一層推進することで、意思決定層における多様性のさらなる向上に取り組んでまいります。
障害者雇用については、「障害に関係なく『成長と活躍』を実現する会社づくり」を基本方針とし、社員一人ひとりが働きやすく活躍できる環境の整備を進めています。具体的には、対話を重視したマネジメントのもと、個々の特性に応じた業務設計やキャリアパスの整備を推進しており、ビジネスパーソンとしての主体性や成長意欲を尊重した人財活用を行っています。その結果、障害のある社員の正社員登用も着実に増加し、活躍の場の拡大につながっています。また、雇用率は安定的に推移していることに加え、これらの取り組みが外部機関からも評価されています。
今後も、雇用の量的拡大にとどまらず、一人ひとりが能力を発揮できる環境整備を進めるとともに、多様な人財の活躍を通じた価値創造力の向上に取り組んでまいります。
e)健康経営の推進
多様な人財一人ひとりが能力を最大限に発揮するための基盤として、心身の健康を積極的に支援することを、2017年に「健康経営宣言」として公表しております。
そして当該宣言の達成度を測る指標として、アブセンティーイズム(健康上の理由による欠勤)及びプレゼンティーイズム(健康上の理由による生産性低下)の改善に取り組み、これにより人財戦略の基盤を一層強化してまいります。
⦅指標と目標⦆
当社は人財戦略の実効性を管理するため、以下の指標を設定しています。
指標項目実績
(2025年度)
2027年度
目標
2030年度
目標
人財ポートフォリオ・
戦略実行
(成長領域シフト)
公募活用による
成長領域への異動者
比率
16.6%次年度以降
設定
次年度以降
設定
グローバル人財制度
登録者数
228人人財が力を発揮できている状態人財が力を発揮できている状態
外部採用比率41.4%50%50%
ミッション浸透・
行動変革
(ミッション体現)
ミッション浸透度
(理念浸透度に関する
エンゲージメントスコア)
満足度
スコア3.3
(5段階評価)
満足度
スコア3.5
(5段階評価)
ミッションが日々の業務や意思決定に反映されている状態
GOOD FOODS Talk参加に伴う意識変容
(自由記述アンケートよりミッション体現テーマの増加率)
1.5倍
(2024年比)
次年度以降
設定
個人/組織の行動に体現されている状態
組織力・生産性
(エンゲージメント)
エンゲージメント
スコア
119.5%
(2021年比)
120%以上
(2021年比)
次年度以降
設定
多様性・能力発揮
(DE&I)
女性管理職比率9.1%15%20%
障害者雇用率3.15%3.0%以上維持3.0%以上維持
男性育児休職比率91.1%100%維持・定着
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