有価証券報告書-第111期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/23 14:26
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有報資料

<ミッションと長期ビジョン>当社グループのミッションは、時代や環境の変化に応じた“食”の新たな可能性の追求を通じて、社会課題を解決することです。ミッションは、土台にある 「創業の理念と5つの遺伝子」 とステークホルダーへのコミットを示す 「サステナビリティ行動宣言」 に基づいており、時代や環境の変化に応じた“食”の新たな可能性の追求を通じて、長期ビジョン 「GOOD FOODS 2030」の実現と持続的な成長を目指します。

当社がこれまで110余年かけて培った資源アクセス力、研究開発力、生産技術、品質保証力、世界各国に張り巡らせたグローバルリンクス・ローカルリンクスで構成される*バリューチェーンの強みと特長を活かし、「心と体を豊かにする新しい食」、「社会課題を解決する新しい食」を提供してまいります。
*「バリューチェーンの強みと特長」の詳細は「統合報告書2025」P.16をご覧ください。
https://www.nissui.co.jp/ir/download/integrated_report/2025_integrated_report_a4all.pdf
<長期ビジョン「2030年のありたい姿」>
長期ビジョン「GOOD FOODS 2030」の達成に向け、マルチステークホルダーへ配慮しながら持続可能な社会への価値を創造する“サステナビリティ経営”を推進するとともに、ROIC活用により成長分野へ経営資源を集中する“事業ポートフォリオマネジメント”を強化し、企業価値向上に努めます。
海外マーケットでの伸長、養殖事業・ファインケミカル事業の成長と差別化を加速し、2030年には、海外所在地売上高比率を50%、売上高1兆円、営業利益500億円を稼げる企業を目指します。

(中期経営計画の基本戦略の進捗状況)
事業ポートフォリオマネジメントの深化事業のROICスプレッド・成長性・ミッション親和性を評価し、最適な経営資源配分と事業戦略を推進します。2025年度は南米養殖会社の買収などを通じて、重点成長分野である海外成長の加速及び養殖事業の強化を進めました。さらに、体質強化分野である北米水産加工及び南米漁業会社の生産性向上による収益改善に取り組みました。
グローバル展開の加速北米・欧州を中心に事業規模拡大を加速させ、水産フライに加え第二の柱を育成するとともに、アジア事業の拡大とグローバルサウスでの事業機会を探索します。2027年度までに海外所在地売上高比率を43%程度に高める目標を掲げており、2025年度は資源アクセスの強化と海外販路の拡大等を目的として南米養殖会社を買収しました。また、海外食品工場の新設・増設を通じて、生産能力の向上と物流効率化を進めました。これらの取り組みにより、2025年度の海外所在地売上高比率は41.2%となりました。
新規事業・事業境界領域の開拓“心と体を豊かにする”“さまざまな社会課題を解決する”イノベーティブな食を通じて成長に繋げます。2025年度は食の可能性を引き出し、新しい価値を共創することを目的に、パートナー企業及び事業アイデアを募集するプログラム「Nissui Open Innovation 2025」を実施しました。また、社員の起業家精神の醸成と挑戦する風土づくりを目的に、2020年度から新規事業アイデアの社内公募を実施しており、2025年度の応募件数は前年度を大きく上回る約80件となりました。「PAWSOME DELI」のようなペットフード事業や、「黒瀬ぶり」の皮という未利用資源を活用したアップサイクル素材「namino leather」など、新たな価値創出につながる取り組みを進めています。
DXの推進全体最適を志向したDXにより、業務はもとより製品・サービス・働き方などを革新します。2025年度は、養殖ブリの3D魚体計測システムを開発し、従来の人手による体型データ収集の課題を解決しました。これにより、高精度かつ大量のデータ収集が可能となり、魚体重推定モデルの精度向上を実現しました。今後は、病気の早期発見による養殖魚のウェルフェア改善や、適切な給餌量設定によるコスト削減・環境負荷低減につなげていきます。また、DX推進を自分ごと化し、自らの業務に即して捉え実行に移せる「DX人財」の育成にも取り組み、社内全体でのDX推進力強化を図っています。
サステナビリティと事業戦略の連動強化黒瀬ぶりの養殖の様なサステナビリティ基点でのビジネスモデルを構築し競争優位を獲得します。また、ステークホルダーとの共創でマテリアリティに取り組み、企業価値を向上させます。2025年度発行の「TNFDレポート」では、重点成長分野である養殖事業を対象として、自然への依存・影響分析並びにリスク・機会評価の深化に加え、当社の具体的な取り組みについて開示しています。資金調達面では本邦初となるブルー・ネイチャーボンドを発行しました。調達した資金は、完全養殖かつASC・MEL等の認証を取得済みの養殖事業に充当し、水産資源の生物多様性の保全と持続的な利用を一層推進していきます。
人的資本経営とブランディングの推進競争力の源泉である人的資本とブランディングの取り組みを強化します。2025年度は、ミッションの体現及びビジョンの実現に向け、「人財マネジメントポリシー」を策定しました。本ポリシーに基づき人財戦略を推進することで、人的資本経営に取り組んでいます。
経営戦略と連動したリスクマネジメント重要リスク対応を一元管理し、優先順位をつけ経営戦略を遂行します。2025年度は当社グループを取り巻く各リスクが中長期的な重要課題・事業戦略に及ぼす影響を判断する「リスク評価基準」を策定しました。今後はこれを活用してリスクの重要度を客観的かつ統一的に評価し、優先順位に応じた具体的なリスク低減策や初動対応計画の策定、リソースの再配分を行うことで、不確実性に対する経営のレジリエンス強化に努めていきます。
グループガバナンスの強化グループ会社取締役会の実効性を高め、グループ経営の基盤を強化します。2025年度は、グループ会社役員の指名・報酬制度の整備、人財基盤強化を目的とした取締役研修の実施、監査指摘事項のグループ内共有などを通じて、グループガバナンスの強化を進めました。


<マテリアリティ>当社グループでは、マテリアリティを「当社グループの成長と中長期的な企業価値向上に向けて優先的に取り組むべき経営上の重要課題」と位置付けています。特定した10のマテリアリティは全社のリスクマネジメントとも連動しており、マテリアリティをリスクマネジメントの基点として、中長期的な経営戦略を見据えた重要リスクを特定しています。また、マテリアリティを踏まえた新中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」における基本戦略を実行することで、長期ビジョンの実現に向けて取り組むとともに、ミッションで掲げる「健やかな生活とサステナブルな未来の実現」へ貢献していきます。

マテリアリティの特定プロセス
当社グループでは、2016年度に特定したマテリアリティに基づき、サステナビリティ経営への進化に取り組んできましたが、外部環境の複雑化に対応すべく、2023年度に見直しを行いました。

STEP1:当社グループが取り組むべき社会課題の抽出と整理
多様な社会ニーズ・要請に対応するため、SDGsやサステナビリティ情報開示ガイドライン、ESG評価項目、規制当局や行政からの要請事項、ステークホルダーエンゲージメントの内容などから社会課題を抽出。当社グループの事業領域や各部門で行ったリスクと機会の分析や役員によるワークショップの結果をもとに、マテリアリティ候補をリストアップしました。
STEP2:サステナビリティ委員会におけるレビュー
サステナビリティ委員会において、当社グループのビジネスモデルの持続性に関するディスカッションを実施。リストアップしたマテリアリティ候補について、不足している項目がないか、レビューを行いました。
STEP3:ステークホルダーによる重要度評価
サステナビリティ委員会でレビューしたマテリアリティ候補について、社内外のステークホルダー(従業員、労働組合、海外グループ会社、NPO/NGO、学識経験者、投資家(株主)、国際機関、行政、業界団体、取引先、将来世代)にアンケートを実施し、ステークホルダーにとっての重要度と当社グループにとっての重要度の二軸で課題の重要度を測定しました。
STEP4:役員ワークショップ、社外取締役によるレビュー
重要度評価の結果をもとに、役員によるワークショップを実施。マテリアリティマトリックスを最終化し、マテリアリティ候補を特定しました。また、社外取締役によるマトリックス及びマテリアリティ候補のレビューも実施しました。
STEP5:外部有識者による妥当性評価
外部有識者4名(投資家、NGO、学識経験者)より、マテリアリティの特定プロセス及び最終案について、妥当性の評価をいただきました。
STEP6:役員による再討議を経て取締役会にて決議
外部有識者からのご意見を踏まえ、サステナビリティ委員会と執行役員会で複数回の討議を重ね、サステナビリティ委員会にてマテリアリティ最終案を審議。その後、取締役会決議により当社グループが取り組むマテリアリティを特定しました。
(注)マテリアリティ及びマテリアリティ特定プロセスの詳細については、サステナビリティサイトをご参照ください。
https://nissui.disclosure.site/ja/themes/85
マテリアリティ推進体制
見直したマテリアリティについては、それぞれ対応する推進組織を設置し、執行役員以上が責任者を務め経営視点で取り組むことで、持続可能な社会に向けて価値を創造するサステナビリティ経営を推進しています。

<中期経営計画と基本戦略>2030年の長期ビジョン実現に向け、中期経営計画「GOOD FOODS Recipe2」において以下3つの基本戦略で取り組みます。




(基本戦略)
〇事業ポートフォリオマネジメントの深化
事業のROICスプレッド・成長性・ミッション親和性を評価し、最適な経営資源配分と事業戦略を推進します。

〇グローバル展開の加速
北米・欧州を中心に事業規模拡大を加速。
水産フライに加え第二の柱を育成するとともに、アジア事業の拡大とグローバルサウスでの事業機会を探索します。

〇新規事業・事業境界領域の開拓
“心と体を豊かにする”“さまざまな社会課題を解決する”イノベーティブな食を通じて成長に繋げます。

〇DXの推進
全体最適を志向したDXにより、業務はもとより製品・サービス・働き方などを革新します。
〇サステナビリティと事業戦略の連動強化
サステナビリティ基点でのビジネスモデルを構築し競争優位を獲得します。また、ステークホルダーとの共創でマテリアリティに取り組み、企業価値の向上を目指します。

〇人的資本経営とブランディングの推進
ニッスイの競争力の源泉を強化し、Recipe2では人的資本とブランディングの取り組みを強化し企業価値の向上を目指します。

〇経営戦略と連動したリスクマネジメント
重要リスク対応を一元管理し、優先順位をつけ経営戦略に落とし込みます。
〇グループガバナンスの強化
グループ会社取締役会の実効性を高め、グループ経営の基盤を強化します。
<中期経営計画における投資と財務戦略>成長と財務安全性の両立を図り、3年間の株主還元は総還元性向40%以上を目指します。

投資については、中計3年間で1,500億円程度を計画しています。(完成ベース)

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