有価証券報告書-第159期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 会社の経営の基本方針
近年、企業を取り巻く経営環境は、かつてないほどの構造的な転換期を迎えております。地球規模での環境問題の深刻化、人口動態の変化、価値観の多様化、デジタル技術の急速な進展、資本市場の構造的変容など、企業の持続的成長には従来の延長線上ではない新たな視座と戦略が求められています。
こうした環境変化を踏まえ、当社グループは創業150周年を迎える2025年を一つの節目と捉え、従来の「経営理念」を改定し「古河機械金属グループ 企業理念」を制定いたしました。

企業理念:当社グループは、1875年の創業以来、鉱山開発に始まる技術力により社会基盤を支え、また、時代の変化に対応する自己改革を進めて、事業を変革してきました。
現代社会はますます多様化が進み、すべての人々が安心して暮らせる持続可能な共生社会を実現することが、まさに求められています。
こうした社会課題を解決するため、当社グループはマーケティング経営を推進し、社会的価値と経済的価値を両立する企業として、社会に必要とされる存在であり続けます。
「使命(ミッション)」… 環境と調和した豊かな社会の実現
当社グループは、社会基盤を支えてきた創造的解決力で、安全・快適で環境と調和した社会の実現に貢献します。
「ビジョン」… より良い明日のために
社会基盤の進化を支える信頼のパートナー
「価値観」… 持続可能性・多様性・革新性
「行動原則」… 共生・誠実・共創
(2) 経営環境および中長期的な経営戦略
2015年8月8日に創業140周年の節目を迎え、同日付で制定した経営理念「鉱山開発に始まり社会基盤を支えてきた技術を進化させ、常に挑戦する気概をもって社会に必要とされる企業であり続けます。」を具現化すべく、同年11月に2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」を制定いたしました。「2025年ビジョン」においては、「カテゴリートップ・オンリーワンを基軸として成長する企業グループの実現」をありたい姿として、連結営業利益150億円超の常態化を目指してまいりました。
2025年11月に従来の「経営理念」を改定し「古河機械金属グループ 企業理念」を制定するとともに、企業としてのさらなる飛躍に向けて、2035年ビジョン「Vision F 2035」を新たに策定いたしました。
鉱山開発を起点として、社会基盤を支える技術を長年にわたり提供してきた当社グループの歴史と実績を礎に、次なる時代における企業の存在意義と持続的成長の方向性を明確にすることで、社会課題の解決と企業価値の向上を両立させる経営を目指してまいります。
(3) 中期的な経営戦略
① 「2025年ビジョン」達成に向けた取り組み
当社グループは、長期経営計画である「2025年ビジョン」を3つのフェーズに区分し、各フェーズの位置づけの明確化を図り、戦略的な落とし込み、長期・中期それぞれの時間軸に対応した個別・具体的なアクションプランを策定し、運用してまいりました。
「2025年ビジョン」達成のための重要なツールとして、毎年、期間3年で中期経営計画をローリングする方式を採用し、各フェーズが始まる際に対外公表する中期経営計画のシームレスな策定を実現してまいりました。

なお、2035年ビジョン「Vision F 2035」実現に向けた次期中期経営計画につきましては、対象期間を2027年度~2029年度とし、2027年2月下旬を目途に公表予定です。
② 「中期経営計画2025」の振り返り
「中期経営計画2025」においては、「2025年ビジョン」の実現に向けた最終フェーズとして、機械事業をコアとした成長戦略の総仕上げを通じ、企業価値と社会価値を同時に創造する経営の定着を図ってまいりました。

財務面においては、ROE、有利子負債/EBITDA倍率、デット・エクイティ・レシオといった主要な経営指標について、計画最終年度の目標を前倒しで達成するなど、資本効率および財務健全性の改善において一定の成果を上げることができました。また、政策保有株式の縮減を進めるとともに、自己株式の取得や増配を実施し、株主還元の充実にも取り組んでまいりました。
一方、事業収益力の強化の観点では、重要な課題を残す結果となりました。2025年度の連結営業利益は112億円となり一定の利益水準は確保したものの、目標である130億円には到達せず、売上成長に見合った利益率の向上には至りませんでした。これは、事業を通じた付加価値創出力(価値創造の質)の向上が十分でなかったことを示すものです。特に、コア事業である機械事業は連結営業利益の80%以上を占めることを目標としておりましたが、実績は51%にとどまり、目標との間に大きな乖離が生じました。産業機械部門においては、大型工事案件の発注遅延や工事管理面の課題が収益性に影響し、ロックドリル部門では、主要市場である北米において市場供給の一巡による需要の一服や景気の不透明感が影響いたしました。また、ユニック部門では、トラック加工ボディメーカーの納期長期化や原材料価格の高騰により、コスト増加分を十分に吸収できない状況が継続いたしました。
これらの課題を踏まえ、当社グループでは、付加価値の高い製品・サービスの拡充、ストックビジネスの拡大、営業・サービス力の強化、工事管理体制の強化など、部門ごとに具体的な改善施策に着手しております。密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)や全自動ドリルジャンボといった社会インフラ整備や省人化・安全性向上に資する製品は、社会価値の創造と同時に、当社グループの競争力強化に資する重要な要素であると認識しております。
また、サステナビリティを経営の最重要課題の一つと位置づけ、カーボンニュートラルへの対応、人材の多様性の確保と育成、コーポレート・ガバナンスの実効性向上にも継続して取り組んでまいりました。これら非財務資本への投資は、将来にわたる持続的成長と価値創造の基盤となるものと認識しております。
以上のとおり、「中期経営計画2025」は、財務基盤の強化や資本効率の改善において一定の成果を上げた一方で、本業による収益力の向上を通じた価値創造の質の向上という点において明確な課題を残す結果となりました。これらの成果と課題を次期中期経営計画に的確に反映させ、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
① 次期中期経営計画に関する今後の開示予定
当社グループは、事業ポートフォリオの強化に向けた戦略的取り組みを進めており、2026年4月1日には、株式会社アーステクニカの連結子会社化を実現いたしました。今後、当社グループの事業構造や収益モデルに大きな変化が生じることになりますが、競争法による情報共有の限界があったことから、統合効果を含めた事業計画の精緻化と実行体制の構築には、一定の時間を要する見込みです。特に、組織間のシナジー創出、オペレーションの統合、財務指標やKPIの再設定など、複数の重要課題を着実に進める必要があります。これらを十分に検討し、実効性の高い計画を策定することが、当社グループの責務であると考えております。
このような背景を踏まえ、当社グループは新たな中期経営計画の対象期間を2027年度~2029年度とし、公表時期の目途を2027年2月下旬にすることといたしました。これは、統合後の事業ポートフォリオを反映し、精度の高い数値目標と戦略を提示するための判断です。なお、今後の決算説明会等を通じて、進捗状況や検討内容を適宜開示し、透明性の確保に努めてまいります。
② 次期中期経営計画策定の方向性
[前提]
・2035年ビジョン「Vision F 2035」を起点とした設計
・「中期経営計画2025」の総括を踏まえた改善点の反映
・外部環境変化(資本市場・社会課題)への対応
[重視する経営テーマ]
・事業ポートフォリオの最適化
・資本効率を意識した経営の深化
・成長投資の選択と集中
・経営基盤(人材・DX・ガバナンス)の進化
[財務・資本効率に対する基本スタンス]
・キャッシュ・フロー創出力の強化
事業収益力の向上を通じ、持続的なキャッシュ・フロー創出基盤を構築します。
・資本効率を意識したKPI設計
ROIC・ROEなど資本効率指標を軸としたKPI体系を設計し、経営の規律を高めます。
・投資と還元のバランス
成長投資と株主還元の最適バランスを追求し、中長期的な企業価値向上を図ります。
a.政策保有株式の縮減に向けた取り組み
b.サステナビリティへの取り組み
サステナビリティへの取り組みについては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティに関する考え方および取り組み、(2) 気候変動」をご参照ください。
c.事業ポートフォリオの見直し

d.研究開発投資
e.知的財産への投資
f.人的資本への投資
人的資本への投資については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本」をご参照ください。
g.DXへの投資
h.アライアンス、M&Aへの投資
③ セグメント別の事業戦略
[機械事業]
産業機械部門では、国土強靭化や防災・減災、脱炭素といった社会的要素を背景に、当該部門を取り巻く事業環境は中長期的には堅調な需要が見込まれる一方、資機材価格や人件費の上昇、施工余力の低下、技術者不足の慢性化など、事業運営上の制約要因が顕在化しており、これらへの適切な対応が当部門の重要な経営課題となっております。
このような環境下において、基本方針として、コア製品・コア技術の融合による顧客価値の最大化と、事業領域の拡大による持続的成長の実現を目指します。従来の機器販売を中心とした事業構造から脱却し、設計・製造・施工管理までを一貫して担うエンジニアリングを核とした付加価値型事業への転換を推進することで、価格競争に依存しない収益基盤の構築を目指します。具体的には、ポンプ製品等の安定収益事業を基盤として、提案営業力およびサービス体制の強化により更新需要の確実な獲得とストック型収益の着実な成長を図ります。そして、流体設備および鉄構部門において事業領域の拡大を進め、事業ポートフォリオの確立を図ってまいります。さらに、長距離ベルトコンベヤや環境配慮型の密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)といったコア製品・コア技術を融合し、防災・環境分野の大型案件に対応するエンジニアリング力を強化することで、コントラクタ事業の成長を加速させてまいります。
これらの戦略を確実に実行するため、部門横断的なリソース共有によるエンジニアリング強化、技術者の採用・育成・定着を軸とした人材戦略強化、DX推進による業務効率化と品質向上に継続的に取り組み、外部環境の変化に対応可能な持続的成長基盤の確立を図ってまいります。
ロックドリル部門では、製品の開発・販売からアフターサービスに至る製品ライフサイクル全域で、顧客価値を最大化するビジネスモデル(FRDモデル)の構築を基本戦略としております。コアコンピタンスである油圧ドリフタとその運用ノウハウを最大限に活用し、国内で培ってきたカスタマーサクセスを実現するビジネスモデル(製品販売、部品・消耗品販売、整備サービス、サポートプログラム、下取り再販)を、海外市場へと展開してまいります。
北米では、インフラ投資やデータセンター建設需要の拡大を背景に、成長分野への重点展開を進めます。西部・中西部地区を中心に、ブラストホールドリル大型機の市場開拓を推進するとともに、大型・超大型油圧ブレーカについては、北米全域での販売体制を強化し、シェア拡大を図ります。東南アジアでは、「砕石市場創造」をテーマに、中長期的な市場拡大を目指します。砕石市場向けに投入したアタッチメントドリルの販売展開により、さく岩機の油圧化を継続的に推進し、作業効率・安全性の向上を通じて市場浸透を図ります。また、切羽の下流展開(砕石プラント向け)を産業機械部門と協業して進め、タイでの破砕機の販売開始に続き、マレーシアでの営業展開を進めております。欧州では、地域特性を踏まえた製品展開により、収益機会の拡大を目指します。東欧諸国を中心に、油圧ブレーカ市場の新規開拓を推進するとともに、鉱山・砕石分野において、超大型ブレーカの拡販に注力してまいります。
国内では、解体・砕石・トンネル分野における構造的課題への対応を軸に事業展開を進めます。解体機市場向けに超大型油圧ブレーカおよび油圧圧砕機の展開を進め、砕石市場においては、少子高齢化によるオペレーター不足への対応策として、セミオート穿孔機能を搭載した油圧クローラドリルの販売を一層強化してまいります。また、トンネル関連分野では、省人化・自動化のニーズに対応すべく、全自動ドリルジャンボ、全自動ロックボルト施工機、支保工エレクタ付吹付機の販売強化により、施工現場の安全性と生産性向上に貢献してまいります。
生産面では、集中生産を加速すべく国内4生産拠点の生産・調達等の合理化を更に推進し、コストダウン、品質強化、リードタイム短縮、在庫適正化を図ります。
ユニック部門では、事業環境の変化に適応するために、顧客に選ばれる製品・サービスの提供による収益基盤の再構築を目指し、付加価値製品の提供ときめ細かい営業・サービス対応力強化に取り組んでまいります。油圧技術を軸に制御技術を融合し、顧客に選ばれるユニーク(unique)な製品・サービスで新しい価値を生み出す集団になることをビジョンに掲げ、顧客に選ばれる製品・サービスを提供するために、顧客価値を測る力、その価値を最大化する製品・サービスを生み出す力、それを顧客に満足いただける方法で提供する力の強化に取り組んでまいります。
国内においては、安全性、操作性、利便性、環境性向上機能を付与した付加価値製品の提供の強化を進めてまいります。ユニッククレーンでは、オペレーターの操作性、現場での利便性、環境性能を進化させ、製品競争力の一層の強化を図ります。ユニックキャリアでは、業界ごとのニーズに対応した機能の拡充に加え、生産性向上に取り組み、顧客満足度と収益性の向上を目指します。
海外においては、地域特性と市場動向を踏まえた販売体制の見直しと市場ニーズに対応した製品の投入により、収益性の向上を目指します。
生産面では、国内の2工場(佐倉・小山)・中国・タイそれぞれの特性を活かして4極生産体制のメリットの最大化を図り、生産機能の強化と徹底したコストコントロールを推進いたします。
アーステクニカ部門では、順調な業容と利益の拡大をさらに確固たるものとするため、「何かを変えて成長していく」ことを基本方針に掲げ、成長戦略の推進に取り組んでおります。長年培ってきた破砕・粉砕・選別技術力を事業の基軸とし、既存技術のブラッシュアップに加え、新製品・新技術の開発と応用展開を通じて、多様化するビジネス分野の需要変化に柔軟かつ機動的に対応できる事業展開を進めております。
砕石・土壌分野では、省エネ性能に優れた「自走式破砕機」や、JIS規格を満たす建設廃材向けの「再生骨材製造設備」を新たにリリースすることで競争優位性を一段と高めております。あわせて、「サービスで選ばれる」をモットーにカスタマーサポート人員を増員し、体制強化を図ることで、顧客満足度の向上と安定した収益基盤の構築を進めております。海外市場では、鉱山向けに「自動制御技術」を搭載した大型機の拡販を進めるとともに、東南アジアをはじめとする現地パートナーとの連携強化やサービス体制の充実を図り、持続的な事業拡大を目指しております。
環境分野は、ここ数年にわたり事業伸長が著しく、砕石・土壌分野に続く当部門の第2の柱として位置付けております。今後も中長期的な成長を牽引する重要分野として、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律への対応や、製鉄業界における電炉化の進展といった市場環境の変化を的確に捉え、事業展開を加速してまいります。とりわけ、混合建設廃棄物向けの新製品や、電炉向け原料用の「大型シュレッダ」など、「真似のできない革新的技術」を核としたプラントフローを提案することで、大型案件の受注拡大を着実に進めてまいります。
産機分野では、プラントエンジニアリング力を活かした提案力の強化により、設備更新需要を着実に取り込んでおります。
粉体分野では、新製品である連続式造粒乾燥機「LaVortex」を中核製品とし、高度な精密混合性能を強みに、製薬業界における連続製剤システムの拡販展開を加速しております。大手製薬メーカー向けに受注したパイロットプラントを起点に市場への浸透を図り、将来の事業拡大につながる新たな収益基盤の確立を目指しております。
これら分野別の成長戦略を着実に実行するため、新製品・新技術の開発とリリースの加速、PDCAサイクルを通じた主力製品のコストダウン、ならびに計画的な多能工化によるものづくり力の向上を進めてまいります。
[素材事業]
金属部門では、委託製錬事業の最適化への取り組みを基本戦略としております。国際市況動向や鉱石買鉱条件の影響を受け収益変動がある中、採算重視の販売と原料の安定調達に注力し、引き続き採算性と安定化を追求してまいります。
電子部門では、戦略製品の事業拡大による収益向上を基本戦略としております。窒化アルミセラミックスについては、半導体製造装置関係部品向けなどの需要が増加しつつあり、その拡販と将来に向けた特性向上開発に努め、更なる事業拡大を図ってまいります。回折光学素子(DOE)については、自動車や電子機器製造においてレーザー加工技術の採用が進み、レーザー加工用DOEの市場拡大が見込まれる中、技術的優位性を生かして拡販を図り、併せて新製品の開発を進めてまいります。コイルについては、新規案件獲得のため、カスタム対応を駆使しての横展開を図り、開発・拡販による収益拡大を目指してまいります。
化成品部門では、既存製品の収益拡大と新規開発製品の育成・拡大を基本戦略としております。硫酸については、化学工業の各分野で不可欠な基礎材料として大きな需要があり、不純物が少ない高品質硫酸による差別化展開を強化しております。酸化銅については、日本市場で成長が見込まれるサーバー向けパッケージ基板用途への拡販を図ってまいります。新規開発製品である金属銅粉については、品質、量産・販売体制を整え、サンプル展開から販路の拡大を図ってまいります。
[不動産事業]
室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)の安定収益確保と、保有する不動産の有効活用を基本戦略としております。2023年8月には、古河大阪ビルの跡地その他の土地の共有持分の一部を譲渡いたしました。譲渡代金を原資として、当該地に建築中のホテルおよび一部住宅を用いた賃貸事業を2027年度から本格稼働することを計画しており、準備は順調に進んでおります。
(注)文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
近年、企業を取り巻く経営環境は、かつてないほどの構造的な転換期を迎えております。地球規模での環境問題の深刻化、人口動態の変化、価値観の多様化、デジタル技術の急速な進展、資本市場の構造的変容など、企業の持続的成長には従来の延長線上ではない新たな視座と戦略が求められています。
こうした環境変化を踏まえ、当社グループは創業150周年を迎える2025年を一つの節目と捉え、従来の「経営理念」を改定し「古河機械金属グループ 企業理念」を制定いたしました。

企業理念:当社グループは、1875年の創業以来、鉱山開発に始まる技術力により社会基盤を支え、また、時代の変化に対応する自己改革を進めて、事業を変革してきました。
現代社会はますます多様化が進み、すべての人々が安心して暮らせる持続可能な共生社会を実現することが、まさに求められています。
こうした社会課題を解決するため、当社グループはマーケティング経営を推進し、社会的価値と経済的価値を両立する企業として、社会に必要とされる存在であり続けます。
「使命(ミッション)」… 環境と調和した豊かな社会の実現
当社グループは、社会基盤を支えてきた創造的解決力で、安全・快適で環境と調和した社会の実現に貢献します。
「ビジョン」… より良い明日のために
社会基盤の進化を支える信頼のパートナー
「価値観」… 持続可能性・多様性・革新性
「行動原則」… 共生・誠実・共創
(2) 経営環境および中長期的な経営戦略
2015年8月8日に創業140周年の節目を迎え、同日付で制定した経営理念「鉱山開発に始まり社会基盤を支えてきた技術を進化させ、常に挑戦する気概をもって社会に必要とされる企業であり続けます。」を具現化すべく、同年11月に2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」を制定いたしました。「2025年ビジョン」においては、「カテゴリートップ・オンリーワンを基軸として成長する企業グループの実現」をありたい姿として、連結営業利益150億円超の常態化を目指してまいりました。
| 1.2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」 「カテゴリートップ・オンリーワンを基軸として成長する企業グループの実現」 ―創業150周年を迎える2025年度に向けて、連結営業利益150億円超の常態化を目指します― 2. 2025年ビジョン達成のための方針 (1) CSV*の視点を織り込んだ「マーケティング経営」による古河ブランドの価値向上 マーケティングを経営の根幹に据え、激変する市場の中で価値を認められる製品やサービスを提供し、顧客が抱えている課題を解決することにより「企業価値の向上と持続的な成長」を成し遂げるとともに、SDGs(持続可能な開発目標)をはじめ、我が国における国土強靭化、生産年齢人口の減少など、様々な「社会課題」を解決し「持続可能な社会の実現」に貢献していく。 ① 顧客ニーズを捉えた技術営業力(提案型・ソリューション型)の強化 ② 市場ニーズに合致した製品・技術・サービスの開発 ③ 強みを活かせるニッチ製品への集中と差別化戦略によるカテゴリートップ化の推進 ④ 新たな市場・カテゴリーの開拓・創造と新たなビジネスモデルの構築 ⑤ 社会基盤を支えてきた製品・技術・サービスを進化させ、「社会課題」の解決に貢献 * CSV(Creating Shared Value:共通価値/共有価値の創造):企業が社会問題や環境問題などに関わる社会課題に取り組み、社会価値と企業価値を両立させようとする経営フレームワークです。 (2) 機械事業の持続的拡大 ① インフラ関連・資源開発等を中心に拡大する海外市場における収益基盤の強化 ② ストックビジネスの拡充・強化 ③ グループ総合力の発揮、エンジニアリング力の強化によるビジネスチャンスの拡大 (3) 人材基盤の拡充・強化 ① 新しい古河の活力あふれる人づくり・風土づくり ② 国内外の多様な人材の確保・活用・育成 ③ 営業・サービス人材の重点強化 (4) 企業価値向上に資する投資等の積極的推進 ① 成長に必要な設備投資の積極的実施 ② 戦略的なM&A、アライアンスによる事業拡大 (5) 経営基盤の整備 ① 二桁台のROEを意識した収益性・資本効率の改善による企業価値の向上 ② 堅固な財務基盤の確立 ③ 成長投資と株主還元へのバランスのとれた配分 ④ 当社グループのCSR/ESG課題に配慮した事業運営の実践による企業価値の向上 |
2025年11月に従来の「経営理念」を改定し「古河機械金属グループ 企業理念」を制定するとともに、企業としてのさらなる飛躍に向けて、2035年ビジョン「Vision F 2035」を新たに策定いたしました。
鉱山開発を起点として、社会基盤を支える技術を長年にわたり提供してきた当社グループの歴史と実績を礎に、次なる時代における企業の存在意義と持続的成長の方向性を明確にすることで、社会課題の解決と企業価値の向上を両立させる経営を目指してまいります。
| 2035年ビジョン「Vision F 2035」 「社会のレジリエンスを共創する企業へ」 ―私たちは、マーケティング経営を進化させ技術・人材・財務を強化して強靭な経営基盤を築くことにより、環境や社会構造の変化に対応したインフラ整備を支え、よりしなやかに持続する社会の創造に貢献します。― 1.事業戦略 当社グループの事業戦略は、「社会基盤の進化」を目標に掲げ、環境・社会の二つの領域における重点分野とニーズに対応する形で構成しています。 [重点分野とニーズ] ・環境領域では、防災・減災、環境配慮を中心に、地球温暖化抑止や循環型経済の実現に資する製品・サービスの提供を推進します。 ・社会領域では、労働力不足への対応や都市整備の高度化を通じて、安全かつ効率的な社会インフラの構築に貢献します。 [重点項目] [環境] ・河川改修、ダム建設等のインフラ工事による防災・減災への貢献 ・電動化、省エネ製品等の開発・供給による地球温暖化抑止への貢献 ・多様な廃棄物の処理、再資源化を通じた循環型経済実現への貢献 ・ICT・IoT関連用途素材の開発・供給による環境問題、社会課題対応への貢献 [社会] ・無人化・省人化製品の開発と提供による安全かつ高効率な作業実現への貢献 -環境対応型搬送設備によるインフラ工事促進 -地域特性に応じた都市整備への貢献 ・IoTを活用したサポートシステムによるカスタマーサクセスへの貢献 |
| 2.機能戦略 事業戦略を支える基盤として、当社は「経営基盤の拡充」を目標に、人材基盤の進化、 財務基盤の深化、ガバナンスの強化の三つの領域において機能戦略を展開していきます。 [重点分野とニーズ] ・人材基盤の進化では、価値創造に繋げる最新の技術・業務への対応力向上、 エンゲージメントの向上、キャリア開発を通じた組織活性化を図ります。 ・財務基盤の深化では、キャッシュ・フロー強化に向けた資金効率の向上、財務レバレッジ力の向上、投下資本に対する利益率の向上を推進します。 ・ガバナンスの強化では、企業価値の向上とリスクマネジメント体制の整備を図ります。 [重点項目] [人材基盤の進化] ・人材価値向上に向けた研修教育の実施 ・健康で働きやすい就業環境の整備・改善 ・ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進 ・個人の成長と組織の活性化に向けた人事制度の進化 [財務基盤の深化] ・営業/生産/物流工程全体の効率化を通じた運転資本削減 -売掛債権早期回収の促進、在庫圧縮等によりキャッシュ・フロー創出力を強化 -資金効率を高め有利子負債残高をコントロール ・株主資本コントロールを通じた資本コストの最適化 -配当政策の強化による純資産フロー圧縮 -自己株式取得による資本コスト低減 [ガバナンスの強化] ・コンプライアンスの徹底 ・内部統制の高度化、監査体制の充実 これらの戦略の推進を通じて、当社は経営の持続可能性と透明性を高め、ステークホルダーとの信頼関係を一層強化してまいります。 |
(3) 中期的な経営戦略
① 「2025年ビジョン」達成に向けた取り組み
当社グループは、長期経営計画である「2025年ビジョン」を3つのフェーズに区分し、各フェーズの位置づけの明確化を図り、戦略的な落とし込み、長期・中期それぞれの時間軸に対応した個別・具体的なアクションプランを策定し、運用してまいりました。
「2025年ビジョン」達成のための重要なツールとして、毎年、期間3年で中期経営計画をローリングする方式を採用し、各フェーズが始まる際に対外公表する中期経営計画のシームレスな策定を実現してまいりました。

なお、2035年ビジョン「Vision F 2035」実現に向けた次期中期経営計画につきましては、対象期間を2027年度~2029年度とし、2027年2月下旬を目途に公表予定です。
② 「中期経営計画2025」の振り返り
「中期経営計画2025」においては、「2025年ビジョン」の実現に向けた最終フェーズとして、機械事業をコアとした成長戦略の総仕上げを通じ、企業価値と社会価値を同時に創造する経営の定着を図ってまいりました。

財務面においては、ROE、有利子負債/EBITDA倍率、デット・エクイティ・レシオといった主要な経営指標について、計画最終年度の目標を前倒しで達成するなど、資本効率および財務健全性の改善において一定の成果を上げることができました。また、政策保有株式の縮減を進めるとともに、自己株式の取得や増配を実施し、株主還元の充実にも取り組んでまいりました。
一方、事業収益力の強化の観点では、重要な課題を残す結果となりました。2025年度の連結営業利益は112億円となり一定の利益水準は確保したものの、目標である130億円には到達せず、売上成長に見合った利益率の向上には至りませんでした。これは、事業を通じた付加価値創出力(価値創造の質)の向上が十分でなかったことを示すものです。特に、コア事業である機械事業は連結営業利益の80%以上を占めることを目標としておりましたが、実績は51%にとどまり、目標との間に大きな乖離が生じました。産業機械部門においては、大型工事案件の発注遅延や工事管理面の課題が収益性に影響し、ロックドリル部門では、主要市場である北米において市場供給の一巡による需要の一服や景気の不透明感が影響いたしました。また、ユニック部門では、トラック加工ボディメーカーの納期長期化や原材料価格の高騰により、コスト増加分を十分に吸収できない状況が継続いたしました。
これらの課題を踏まえ、当社グループでは、付加価値の高い製品・サービスの拡充、ストックビジネスの拡大、営業・サービス力の強化、工事管理体制の強化など、部門ごとに具体的な改善施策に着手しております。密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)や全自動ドリルジャンボといった社会インフラ整備や省人化・安全性向上に資する製品は、社会価値の創造と同時に、当社グループの競争力強化に資する重要な要素であると認識しております。
また、サステナビリティを経営の最重要課題の一つと位置づけ、カーボンニュートラルへの対応、人材の多様性の確保と育成、コーポレート・ガバナンスの実効性向上にも継続して取り組んでまいりました。これら非財務資本への投資は、将来にわたる持続的成長と価値創造の基盤となるものと認識しております。
以上のとおり、「中期経営計画2025」は、財務基盤の強化や資本効率の改善において一定の成果を上げた一方で、本業による収益力の向上を通じた価値創造の質の向上という点において明確な課題を残す結果となりました。これらの成果と課題を次期中期経営計画に的確に反映させ、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
① 次期中期経営計画に関する今後の開示予定
当社グループは、事業ポートフォリオの強化に向けた戦略的取り組みを進めており、2026年4月1日には、株式会社アーステクニカの連結子会社化を実現いたしました。今後、当社グループの事業構造や収益モデルに大きな変化が生じることになりますが、競争法による情報共有の限界があったことから、統合効果を含めた事業計画の精緻化と実行体制の構築には、一定の時間を要する見込みです。特に、組織間のシナジー創出、オペレーションの統合、財務指標やKPIの再設定など、複数の重要課題を着実に進める必要があります。これらを十分に検討し、実効性の高い計画を策定することが、当社グループの責務であると考えております。
このような背景を踏まえ、当社グループは新たな中期経営計画の対象期間を2027年度~2029年度とし、公表時期の目途を2027年2月下旬にすることといたしました。これは、統合後の事業ポートフォリオを反映し、精度の高い数値目標と戦略を提示するための判断です。なお、今後の決算説明会等を通じて、進捗状況や検討内容を適宜開示し、透明性の確保に努めてまいります。
② 次期中期経営計画策定の方向性
[前提]
・2035年ビジョン「Vision F 2035」を起点とした設計
・「中期経営計画2025」の総括を踏まえた改善点の反映
・外部環境変化(資本市場・社会課題)への対応
[重視する経営テーマ]
・事業ポートフォリオの最適化
・資本効率を意識した経営の深化
・成長投資の選択と集中
・経営基盤(人材・DX・ガバナンス)の進化
[財務・資本効率に対する基本スタンス]
・キャッシュ・フロー創出力の強化
事業収益力の向上を通じ、持続的なキャッシュ・フロー創出基盤を構築します。
・資本効率を意識したKPI設計
ROIC・ROEなど資本効率指標を軸としたKPI体系を設計し、経営の規律を高めます。
・投資と還元のバランス
成長投資と株主還元の最適バランスを追求し、中長期的な企業価値向上を図ります。
a.政策保有株式の縮減に向けた取り組み
| 政策保有株式の縮減に関する対応方針 |
| ● 政策保有株式については、毎年、個別の銘柄ごとに、その保有目的、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか、また同時に定性面、定量面からの総合的な判断を含め精査し、取締役会においてその保有継続の適否を検証しています。 ● 保有の必要性が認められなくなった銘柄は適宜売却を行うなど、縮減に努め、連結純資産額の20%未満の維持を目指していきます。 ● 縮減に関する進捗の指標として、政策保有株式の連結純資産に対する比率を継続的に開示していきます。 |
b.サステナビリティへの取り組み
サステナビリティへの取り組みについては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティに関する考え方および取り組み、(2) 気候変動」をご参照ください。
c.事業ポートフォリオの見直し
| 基本方針 |
| ◆ 8つの事業部門ごとに資本コストを算定し、3要素[X軸:企業価値創造力、Y軸:売上高年平均成長率、バブルの大きさ:企業価値創造力×投下資本額/年]をバブルチャートにプロットし、事業ポートフォリオの可視化・識別を行います。そのうえで、成長性と企業価値創造力を判断基軸とする4象限分析を行い、これまでの歴史や思い入れに過度に引きずられない合理的な経営判断を実施していきます。 ◆ 更に、各事業部門内の事業(製品)ポートフォリオ戦略についても可視化し、収益性の改善や低収益事業(製品)の見極めを推進していきます。 |

d.研究開発投資
| 基本方針 |
| ◆ マーケティング経営に基づき、社会課題の解決に貢献する開発テーマの製品化・事業化を推進します。昨今の急激な技術革新に伴い多様化する顧客ニーズに対応し続けるため、先端技術の積極的な導入や、DXにより既存事業の拡大や新規事業の創出を推進しながら、信頼され、魅力あるモノづくり、コトづくりを目指します。 |
| 重点課題 |
| ● 省人化を目指した自動化技術開発の推進 ● 全固体電池用の固体電解質の材料および量産化技術開発 ● 高効率化・軽量化等による環境負荷低減に寄与する機械製品、技術の開発 ● DXの効果的活用 ● 技術者人材育成プログラムの本格運用による次世代を担う技術者の育成強化 |
e.知的財産への投資
| 基本方針 |
| ◆ 知財活動を重要な経営戦略の一つと捉え、競争優位を確保するために知財情報を活用する体制を整備します。 ◆ 自社技術の権利化を基本とし、知財活用を含む事業全体の価値向上を目指します。 ◆ 事業戦略の策定に際し、知財情報を重要な要素として取り入れることで、事業戦略と知財戦略の一体化を図ります。 |
| 重点課題 |
| ● 技術力の評価を可視化する知的財産権に関する知財活動(発掘~権利化~維持~活用)の活性化 ● 保有権利の価値評価による産業財産権の有効活用促進 ● 特許情報の収集分析による企業戦略の策定 |
f.人的資本への投資
人的資本への投資については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本」をご参照ください。
g.DXへの投資
| 基本方針 |
| ◆ マインド・スタンスの浸透とデジタル技術の活用の実践 新たな価値を生み出すための考え方・姿勢について現場レベルで醸成・促進 次なる顧客価値創出と現場改革の取り組みを活性化 -モノ・コト(製品・サービス):プロセス改革と市場・ビジネス創造 -業務改革 :デジタル化+ナレッジ蓄積・活用の更なる推進/経営データベースの構築 |
| 重点課題への対応状況 | |
| ● DX推進委員会による当社グループ横断の推進体制 ● 3つの柱(モノづくり/コトづくり/業務改革)と共通課題への対応によるDX推進・現場実装の加速 ![]() | ![]() |
h.アライアンス、M&Aへの投資
| 基本方針 |
| ◆ 現有の機械事業の隙間を埋めて連続性を創るような周辺の事業会社など、機械事業のさらなる拡充に向けたアライアンス、M&Aを検討・遂行していきます。 |
| 重点課題 |
| ● コア事業と位置づけている機械事業については、引き続き持続的拡大を図っていくとともに、将来における非連続な成長を実現するために、アライアンスやM&Aへの取り組みを一層強化 ● 実現したM&A(株式会社アーステクニカの株式取得による連結子会社化、株式会社三井三池製作所の株式取得による持分法適用関連会社化)のシナジー効果追求 |
③ セグメント別の事業戦略
[機械事業]
産業機械部門では、国土強靭化や防災・減災、脱炭素といった社会的要素を背景に、当該部門を取り巻く事業環境は中長期的には堅調な需要が見込まれる一方、資機材価格や人件費の上昇、施工余力の低下、技術者不足の慢性化など、事業運営上の制約要因が顕在化しており、これらへの適切な対応が当部門の重要な経営課題となっております。
このような環境下において、基本方針として、コア製品・コア技術の融合による顧客価値の最大化と、事業領域の拡大による持続的成長の実現を目指します。従来の機器販売を中心とした事業構造から脱却し、設計・製造・施工管理までを一貫して担うエンジニアリングを核とした付加価値型事業への転換を推進することで、価格競争に依存しない収益基盤の構築を目指します。具体的には、ポンプ製品等の安定収益事業を基盤として、提案営業力およびサービス体制の強化により更新需要の確実な獲得とストック型収益の着実な成長を図ります。そして、流体設備および鉄構部門において事業領域の拡大を進め、事業ポートフォリオの確立を図ってまいります。さらに、長距離ベルトコンベヤや環境配慮型の密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)といったコア製品・コア技術を融合し、防災・環境分野の大型案件に対応するエンジニアリング力を強化することで、コントラクタ事業の成長を加速させてまいります。
これらの戦略を確実に実行するため、部門横断的なリソース共有によるエンジニアリング強化、技術者の採用・育成・定着を軸とした人材戦略強化、DX推進による業務効率化と品質向上に継続的に取り組み、外部環境の変化に対応可能な持続的成長基盤の確立を図ってまいります。
ロックドリル部門では、製品の開発・販売からアフターサービスに至る製品ライフサイクル全域で、顧客価値を最大化するビジネスモデル(FRDモデル)の構築を基本戦略としております。コアコンピタンスである油圧ドリフタとその運用ノウハウを最大限に活用し、国内で培ってきたカスタマーサクセスを実現するビジネスモデル(製品販売、部品・消耗品販売、整備サービス、サポートプログラム、下取り再販)を、海外市場へと展開してまいります。
北米では、インフラ投資やデータセンター建設需要の拡大を背景に、成長分野への重点展開を進めます。西部・中西部地区を中心に、ブラストホールドリル大型機の市場開拓を推進するとともに、大型・超大型油圧ブレーカについては、北米全域での販売体制を強化し、シェア拡大を図ります。東南アジアでは、「砕石市場創造」をテーマに、中長期的な市場拡大を目指します。砕石市場向けに投入したアタッチメントドリルの販売展開により、さく岩機の油圧化を継続的に推進し、作業効率・安全性の向上を通じて市場浸透を図ります。また、切羽の下流展開(砕石プラント向け)を産業機械部門と協業して進め、タイでの破砕機の販売開始に続き、マレーシアでの営業展開を進めております。欧州では、地域特性を踏まえた製品展開により、収益機会の拡大を目指します。東欧諸国を中心に、油圧ブレーカ市場の新規開拓を推進するとともに、鉱山・砕石分野において、超大型ブレーカの拡販に注力してまいります。
国内では、解体・砕石・トンネル分野における構造的課題への対応を軸に事業展開を進めます。解体機市場向けに超大型油圧ブレーカおよび油圧圧砕機の展開を進め、砕石市場においては、少子高齢化によるオペレーター不足への対応策として、セミオート穿孔機能を搭載した油圧クローラドリルの販売を一層強化してまいります。また、トンネル関連分野では、省人化・自動化のニーズに対応すべく、全自動ドリルジャンボ、全自動ロックボルト施工機、支保工エレクタ付吹付機の販売強化により、施工現場の安全性と生産性向上に貢献してまいります。
生産面では、集中生産を加速すべく国内4生産拠点の生産・調達等の合理化を更に推進し、コストダウン、品質強化、リードタイム短縮、在庫適正化を図ります。
ユニック部門では、事業環境の変化に適応するために、顧客に選ばれる製品・サービスの提供による収益基盤の再構築を目指し、付加価値製品の提供ときめ細かい営業・サービス対応力強化に取り組んでまいります。油圧技術を軸に制御技術を融合し、顧客に選ばれるユニーク(unique)な製品・サービスで新しい価値を生み出す集団になることをビジョンに掲げ、顧客に選ばれる製品・サービスを提供するために、顧客価値を測る力、その価値を最大化する製品・サービスを生み出す力、それを顧客に満足いただける方法で提供する力の強化に取り組んでまいります。
国内においては、安全性、操作性、利便性、環境性向上機能を付与した付加価値製品の提供の強化を進めてまいります。ユニッククレーンでは、オペレーターの操作性、現場での利便性、環境性能を進化させ、製品競争力の一層の強化を図ります。ユニックキャリアでは、業界ごとのニーズに対応した機能の拡充に加え、生産性向上に取り組み、顧客満足度と収益性の向上を目指します。
海外においては、地域特性と市場動向を踏まえた販売体制の見直しと市場ニーズに対応した製品の投入により、収益性の向上を目指します。
生産面では、国内の2工場(佐倉・小山)・中国・タイそれぞれの特性を活かして4極生産体制のメリットの最大化を図り、生産機能の強化と徹底したコストコントロールを推進いたします。
アーステクニカ部門では、順調な業容と利益の拡大をさらに確固たるものとするため、「何かを変えて成長していく」ことを基本方針に掲げ、成長戦略の推進に取り組んでおります。長年培ってきた破砕・粉砕・選別技術力を事業の基軸とし、既存技術のブラッシュアップに加え、新製品・新技術の開発と応用展開を通じて、多様化するビジネス分野の需要変化に柔軟かつ機動的に対応できる事業展開を進めております。
砕石・土壌分野では、省エネ性能に優れた「自走式破砕機」や、JIS規格を満たす建設廃材向けの「再生骨材製造設備」を新たにリリースすることで競争優位性を一段と高めております。あわせて、「サービスで選ばれる」をモットーにカスタマーサポート人員を増員し、体制強化を図ることで、顧客満足度の向上と安定した収益基盤の構築を進めております。海外市場では、鉱山向けに「自動制御技術」を搭載した大型機の拡販を進めるとともに、東南アジアをはじめとする現地パートナーとの連携強化やサービス体制の充実を図り、持続的な事業拡大を目指しております。
環境分野は、ここ数年にわたり事業伸長が著しく、砕石・土壌分野に続く当部門の第2の柱として位置付けております。今後も中長期的な成長を牽引する重要分野として、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律への対応や、製鉄業界における電炉化の進展といった市場環境の変化を的確に捉え、事業展開を加速してまいります。とりわけ、混合建設廃棄物向けの新製品や、電炉向け原料用の「大型シュレッダ」など、「真似のできない革新的技術」を核としたプラントフローを提案することで、大型案件の受注拡大を着実に進めてまいります。
産機分野では、プラントエンジニアリング力を活かした提案力の強化により、設備更新需要を着実に取り込んでおります。
粉体分野では、新製品である連続式造粒乾燥機「LaVortex」を中核製品とし、高度な精密混合性能を強みに、製薬業界における連続製剤システムの拡販展開を加速しております。大手製薬メーカー向けに受注したパイロットプラントを起点に市場への浸透を図り、将来の事業拡大につながる新たな収益基盤の確立を目指しております。
これら分野別の成長戦略を着実に実行するため、新製品・新技術の開発とリリースの加速、PDCAサイクルを通じた主力製品のコストダウン、ならびに計画的な多能工化によるものづくり力の向上を進めてまいります。
[素材事業]
金属部門では、委託製錬事業の最適化への取り組みを基本戦略としております。国際市況動向や鉱石買鉱条件の影響を受け収益変動がある中、採算重視の販売と原料の安定調達に注力し、引き続き採算性と安定化を追求してまいります。
電子部門では、戦略製品の事業拡大による収益向上を基本戦略としております。窒化アルミセラミックスについては、半導体製造装置関係部品向けなどの需要が増加しつつあり、その拡販と将来に向けた特性向上開発に努め、更なる事業拡大を図ってまいります。回折光学素子(DOE)については、自動車や電子機器製造においてレーザー加工技術の採用が進み、レーザー加工用DOEの市場拡大が見込まれる中、技術的優位性を生かして拡販を図り、併せて新製品の開発を進めてまいります。コイルについては、新規案件獲得のため、カスタム対応を駆使しての横展開を図り、開発・拡販による収益拡大を目指してまいります。
化成品部門では、既存製品の収益拡大と新規開発製品の育成・拡大を基本戦略としております。硫酸については、化学工業の各分野で不可欠な基礎材料として大きな需要があり、不純物が少ない高品質硫酸による差別化展開を強化しております。酸化銅については、日本市場で成長が見込まれるサーバー向けパッケージ基板用途への拡販を図ってまいります。新規開発製品である金属銅粉については、品質、量産・販売体制を整え、サンプル展開から販路の拡大を図ってまいります。
[不動産事業]
室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)の安定収益確保と、保有する不動産の有効活用を基本戦略としております。2023年8月には、古河大阪ビルの跡地その他の土地の共有持分の一部を譲渡いたしました。譲渡代金を原資として、当該地に建築中のホテルおよび一部住宅を用いた賃貸事業を2027年度から本格稼働することを計画しており、準備は順調に進んでおります。
(注)文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

