有価証券報告書-第88期(2024/04/01-2025/03/31)
② 人的資本
a 基本的な考え方
当社グループは、人財を「資本」と捉え、その能力を最大限に引き出すことが中長期的な企業価値の向上につながるという考え方に基づき、持続的な成長の源泉であり、事業活動の核となる人財への投資を拡充し、量と質の両面で人財価値の最大化を図り、企業価値の向上に寄与するための人財基盤を構築する。
b 人財戦略
「熊谷組グループ 中期経営計画(2024~2026年度)」において、60億円規模の人財投資を計画している。持続可能な人員体制を構築するための採用活動、次世代を見据えた社員のスキルアップやキャリアパスの充実を支援するための人財育成、社員のモチベーションアップのための報酬水準の向上、社員が安心して働くことができる職場環境の整備などに注力し、これらの取組みを通じて、社員の意欲や誇り、自信を高め、従業員エンゲージメントの向上、組織力の向上、そして人財価値の最大化を図る。
c 人財採用について
組織の活性化を図り、世代間の人員構成のバランスを整えるとともに、社員の高齢化による離職リスクに備えるため、ダイバーシティを意識した採用活動を行っている。
事業環境の変化や業績の見通しに基づいて、5年後・10年後の人員数・職種構成・年齢分布を考慮した採用計画を策定し、技術力及び競争力の維持・向上を図っている。
新卒採用においては、入社後のミスマッチを防ぐため、インターンシップ等の就業体験や現場見学会をはじめ、社員との面談や若手社員との座談会等を積極的に行い、将来を担う人財の獲得に注力している。
また、キャリア採用においては、事業戦略に基づき、注力すべき分野に必要な専門スキルを備えている即戦力人財の確保に努めている。なお、一度退職した元社員を、本人の希望により再雇用する「ジョブリターン制度」を設けている。
d 人財育成について
社員が自らの業務に必要な知識を蓄え、技術を磨き、事業環境の変化に柔軟に対応できる能力を身につけることは、キャリア形成において不可欠である。育成指針となる人財育成計画のもと、「自らを高め、未来をつくり、人を支える」、そのような人財に成長することを目指して様々な取組みを実施している。

当社の人財育成は、自ら目標を定め、計画をたて、強い意志で自己の能力開発に努める自己啓発を前提とするものとし、社員自らの能力開発に対し、その効果を高め会社の目標と連動させるべく、会社が行う人財育成の基本方策を次の4つと定めている。
ⅰ ジョブローテーション
複数の職場や異なった職務を経験することで、幅広い知識と考え方を修得させることを目的にジョブローテーションを行っている。社員のキャリアと将来的に希望する職務や、社員一人ひとりの適性を踏まえて、計画的、段階的な異動により、キャリアパスを形成している。
ⅱ OJT
日常の業務を通して、上司及び先輩が、部下及び後輩に対し、職務遂行に必要な知識、技能、態度等を意識的、計画的、体系的、継続的に指導・育成していく。「目標設定」「達成度確認」の面談を実施するとともに、求める人財像に即したスキルの習得状況チェックを行っている。
ⅲ 集合研修
OJTの補完と専門知識の修得、自己啓発の意欲を向上させることを目的として、教育訓練や研修を計画的に行っている。社員が修得すべきスキルのガイドラインを定め、専門知識を高めるための各分野別研修と階層別研修を年次毎に実施している。目的に合わせて集合研修とオンライン研修を使い分け、高い受講率を維持しながら効果的な研修を実施している。社員が研修を受講する際には、本人への案内とは別に、あらかじめ所属の本部長・支店長及び上司に通知し、研修に参加しやすい雰囲気づくりに取り組んでいる。
ⅳ 自己啓発支援
技術士、一級建築士などの公的資格の取得を奨励し、受験者を対象に補講や模試を実施し、社員のスキルアップにつながる自己啓発を支援、促進している。
なお、社員は上司と期首に目標設定面談、中間期に進捗確認面談、期末に自己評価確認面談、さらに評価結果についてのフィードバック面談を実施する。また、将来の職場配置や能力開発の希望は「キャリアプラン申告」として、社内の申請システムからいつでも上司を通さず、人事部へ提出することが可能な仕組みがある。
e ダイバーシティ企業として
当社は、性別、年齢、国籍、性自認・性的指向(LGBTQ等)、障がいの有無等にかかわらず、全ての人が活き活きと働くことができる職場環境の実現に取組み、ダイバーシティ、働き方改革の推進による業績の向上を目指している。
当社は、管理本部長を委員長として各本部長で構成する「ダイバーシティ推進委員会」を設置し、本部・支店・グループ会社よりダイバーシティ推進担当者を選任して、推進体制を構築している。また、各部門の代表者により制度・施策を検討する「働き方改革ワーキング」を設置し、全社横断型でダイバーシティ及び働き方改革を推進している。
当社は、女性活躍推進法に基づく第四次行動計画(2023年1月~ 2026年3月)を策定した。定量的な目標として①新卒採用者に占める女性割合を25%以上、②新任女性管理職比率を新任管理職の7%以上、③子の出生に伴う男性の休暇取得率70%以上の3点を掲げている。
ダイバーシティ推進後、10年間で女性管理職数は11名から85名と7.7倍、女性技術者も63名から161名と2.6倍になった。男性の両立支援制度の利用も増加している。長時間労働は改善され、月平均時間外労働は、社員一人当たり33.3時間減少する成果を上げた。
障がい者雇用に関して、障害者基本法で定める「障害者週間」(毎年12月3日~12月9日)の期間を拡大し、2021年度から毎年12月を当社の「障がい者月間」として制定した。「障がい者月間」では、障がい者への理解を深めようというテーマでeラーニングを実施している。また、特別支援学校生徒のインターンシップ受入れの実施、本社ビルのバリアフリー化を進め、社員通用口に自動ドアやスロープを設置し、エレベーターやトイレの改修を行った。2024年度は、各本部に1名ずつ障がいを持つ社員を採用し、業務に慣れるまで専門支援機関の相談者との定期的な面談を行うなど、定着に向けたフォロー体制に力を入れた。
2024年4月に同性パートナーや事実婚の社員も社内制度を利用できるよう「ファミリーシップ制度」を導入した。「同性パートナー」及び「事実婚のパートナー」(以下、パートナー)に配偶者(法律上の婚姻関係にあるもの)と同等の福利厚生や規程を適用し、会社が認めたパートナーの子を社内制度上「家族」として認めている。また、LGBTQ等に関するガイドラインを策定し、LGBTQ等に関する基礎知識をはじめ、SOGIハラスメントやアウティング防止から相談対応等まで分かりやすくまとめ、社員に周知している。
定年再雇用については、定年退職後65歳までの継続雇用制度を運用し、働く意欲のある定年退職者の雇用維持に努めている。2025年4月現在、在籍する定年再雇用者は295名で、豊富な経験や知識、卓越した技術を活かして活躍している。
f 働き方改革の推進について
当社は、これまで働き方改革として、テレワーク・時差出勤・フレックスタイムなどの制度を導入、業務プロセスの見直し・DXの推進など生産性の向上や業務の効率化に関わる施策、また意識改革に努めてきた。2024年より建設業に時間外労働の上限規制が適用されることを受けて、当社においては、長時間労働の要因は個人だけでは対応できない事由も多いことから、会社及び組織(チーム)として取組みを強化することを盛り込んだ、「働き方改革アクションプラン2024」を制定した。
アクションプランには、土木・建築事業部門及び内勤部門の組織の取組方針を加え、さらにチーム力を高めるために各本部長・各支店長や各作業所長・各部署長の取組方針を掲げ全社員で取り組んできたが、一部の部署や社員に対して業務が集中する傾向が見られたことから、「働き方改革アクションプラン2025」では業務が集中する可能性がある場合には組織的に支援する旨を追記している。今後もさらなる時間外労働の削減と社員のワークライフバランス向上に向けて、働き方改革に取り組む。
g 従業員エンゲージメントについて
当社は、社員の会社への愛着や仕事への情熱の度合いを測るため、2023年度よりエンゲージメント調査を開始した。2024年度においては回答率が100%となり、全社員の思いを可視化することができた。調査結果を様々な切り口で分析し、全社的に取り組む施策の立案に活かすとともに、各部門においても効果的な施策を検討し、課題の解決を継続的に行っていくことで、社員の貢献意欲を高め、組織力の向上につなげる。
h 健康経営について
当社は、社員の健康を何よりの経営資源と捉え、本社人事部内に健康推進室を設置し、全支店の産業医並びに健康推進担当者と連携して、社員の健康を全面的にサポートする体制を整えている。また、社員健康推進計画を年度毎に策定し、PDCAサイクルによるスパイラルアップを図った健康推進活動を行っている。当社は優良な健康経営を実践している法人として、経済産業省が創設した「健康経営優良法人」の認定を9年連続で取得している。
・ハイリスク者への取組み
社員の健康診断結果は全て産業医による入念なチェックが行われ、フォローが必要な社員には受診や面談の勧奨、継続的なサポートを行っている。また、長時間労働による脳・心臓疾患やメンタルヘルス不調を防止するため、対象者への疲労蓄積度チェックと希望者への産業医面談を毎月欠かさず行っている。その他にも特殊な労働環境下にある職場に対しては、産業保健専門職による訪問や面談など、特別なフォローアップを実施している。
・メンタルヘルスに関する取組み
ストレスチェック、社員研修(セルフケア&ラインケア)、職場復帰支援など、一次予防から三次予防まで幅広い活動を行っている。
休職においては、会社(産業医)と主治医が緊密に連携し、認識のずれを解消することで円滑な復職を支援する体制を構築している。その一環として「休業と復職に関するハンドブック」を当該社員に配付し、必要な手続きや給与等を明確に伝えている。休職中の社員へは月一度、会社(人事・上司・産業医)が連絡を取り、復職基準や期間、給与に関する情報提供と状況確認を行っている。復職に際しては、本人からの意思表示と主治医による当社指定の診断書提出を必須とし、事前に復職制度を主治医へ共有することで、復職基準への理解を促している。
さらに、経済的な不安を軽減するGLTD(団体長期障害所得補償保険)制度を導入。これにより、休職期間中の所得を補償し、社員の経済的な安定に貢献している。
③ 人権の尊重
当社グループは、全ての役職員がお互いの多様性を認め合い、事業に関わる全ての人の人権を尊重している。
当社が行動の原点としている「熊谷組行動指針(1998年4月)」を踏まえて、2023年1月に熊谷組グループ人権方針(以下、本方針)を策定した。当社グループの全ての役職員の人権を考慮するほか、ビジネスパートナー、サプライヤー及びその他の関係者に対して本方針の支持を求め、人権を尊重し、侵害しないように求めている。
熊谷組グループ人権方針(抜粋)
1.適用範囲
熊谷組グループ(熊谷組と連結子会社7社(国内6社、海外1社))を対象とし、すべての役職員に適用されます。また熊谷組グループのビジネスパートナー、サプライヤーおよびその他の関係者に対して本方針の支持を求め、人権を尊重し、侵害しないように求めます。
2.規範や法令の尊重・遵守
世界のすべての人々が享受すべき基本的人権について規定した人権に関する国際規範を支持、尊重します。また事業を行う国や地域で適用される法令を遵守し、各国や地域の法令が国際的な規範と異なる場合は、より高い基準を優先します。
3.企業活動全体を通じた人権の尊重
事業活動を通じて起こりえる人権への負の影響を防止し、人権尊重の責任を果たしていきます。
4.人権デューデリジェンスの実施
人権デューデリジェンスの仕組みを構築し、これを継続的に実施します。
5.救済、是正
人権に対する負の影響を引き起こした場合は、その是正・救済に取り組みます。
6.教育、研修
すべての役職員が本方針について十分な理解を得られるよう適切な教育、研修を実施します。
7.対話、協議
事業活動が人権に及ぼす影響について関連するステークホルダーとの対話と協議を継続して行います。
8.情報開示
人権尊重の取組について、定期的な開示を行います。
<人権デューデリジェンス>
当社では、熊谷組グループの事業領域を対象として、「ビジネスと人権に関する指導原則」や「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」などを参考に、人権課題を認識、整理した。潜在的な人権リスクが高い事業領域を特定し、整理した人権課題を、自社及びサプライチェーンにおける発生可能性と深刻度の指標によって評価・マッピングした。自社における人権リスクは、ESG取組方針において重要課題(マテリアリティ)及び個別課題を特定した上で、様々な取組みを進めている。サプライチェーンについては、当社事業において特にリスクの高い人権課題を優先的に取り組むべき重点課題として特定した。
重点課題
・過剰・不当な労働時間 ・賃金の不足・未払、生活資金
・パワーハラスメント ・外国人労働者の権利
救済へのアクセス
当社は、全社員を含む全てのステークホルダーがいつでも相談・通報ができる窓口を社内外に複数設置している。また、内部通報者に対する不利益な取扱いを禁止するとともに、匿名による通報を許容している。
<社内への教育>当社グループでは全社員に向けてハラスメント防止に関するeラーニングを実施している。①パワーハラスメント、②セクシュアルハラスメント、③妊娠・出産・育児休業・介護休業に関するハラスメント、④ハラスメントの対処方法、⑤確認テストという内容で、グループ全体で90%の社員が受講している。また、2024年度は「パワーハラスメント防止研修」を当社の管理職層を対象に計15回開催している。ハラスメントの防止を必須の項目と位置付けており、人権週間におけるメールマガジンの配信など、社内教育を行っている。
④ ステークホルダーとの関係強化
当社は、ステークホルダーとより良好な関係を築くため、2025年3月に「マルチステークホルダー方針」を改定した。企業経営において、株主にとどまらず、従業員、取引先、顧客、債権者、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーとの価値協創が重要になっていると認識している。

a お客様との関わり
当社は、1998年にCS推進室(現サステナビリティ推進部CS推進グループ)を、翌年全支店に「お客さま相談室」を設置した。“しあわせ品質”をお届けできるように組織連携を図り、お客様からの評価の向上に努めている。当社のCS(Customer Satisfaction)機能は、本社では経営戦略本部に置かれており、お客様の声が直接経営に反映されるよう組織設計をしている。また、本社・支店CS部門の社員全員を対象とした研修を2008年より毎年実施し、プロフェッショナルな人財育成に努めている。
社員に熊谷組のCS意識を浸透させ、「全員参加のCS」を実現するために、CSの取組みに対する社内表彰や講演会などを実施している。ここ数年では、顧客ロイヤルティの獲得のため、CX(Customer Experience)意識の社内浸透に取り組んでいる。
b 従業員との関わり
当社では、社員同士の親睦と福祉の増進及び会社と社員の意思の疎通を図り、会社の発展に寄与することを目的として、職員会を設置している。全社員から会社への要望事項を募り、職員会の支部代表者と社長が意見を交わす場を設ける等の活動を行っている。その成果として、社員からの要望が多かった福利厚生の項目に関する規程の改正につながった。
2024年度の施策としては、社内コミュニケーションの活性化やエンゲージメント向上を目的に、職員会主催のeスポーツ大会を開催した。本社と全支店、自宅や寮等を中継し、社員とその家族ら約400名がオンラインゲームを通じて親睦を深めた。開催後の意見交換会では実施アンケートをもとに今後の取組みについての新規施策案や方向性を話し合った。
c 株主・投資家との関わり
当社は、株主・投資家との建設的な対話に関する方針を含む「ディスクロージャー・ポリシー」(2024年3月制定)に基づき、経営及び事業活動等に関する情報を適時、適切かつ公平に開示するとともに、株主・投資家をはじめとしたステークホルダーとの建設的な対話に努めている。また、フェア・ディスクロージャーの観点から、決算情報及び適時開示情報の英文同時開示を実施している。2024年度は、オンラインツールを活用した国内外の株主・投資家との個別ミーティング・電話会議やスモールミーティング、決算説明会の開催や投資家カンファレンスへの参加など様々な手段で対話を実施した。また、株主・投資家との建設的な対話を促進するための体制整備・取組みとして、IR専任部署を強化するなど社内リソースの適切配分を実施し、その実施状況等についてコーポレートサイト並びにコーポレート・ガバナンス報告書にて開示した。
ESG取組方針の個別課題のひとつに「投資家との積極的対話」を掲げ、業績動向、経営戦略、株主還元などのほか、環境・社会課題やガバナンスへの取組み等について積極的に意見交換を行っている。対話を通じて把握した株主・投資家の意見や要望等については、取締役会メンバーや関係部門にフィードバックすることにより、株主還元、資本政策、投資戦略などの参考とし、企業価値向上に活かしている。
今後も株主・投資家の皆様に当社グループの持続的成長の確度をご理解いただき、適正な株主価値が形成されるよう、引き続き積極的にIR活動を推進していく。
d パートナー企業・取引先との関わり
当社は、健全な事業活動を推進するために「調達方針」及び「調達方針ガイドライン」を策定している。調達活動におけるガバナンスやコンプライアンスの向上を目指し、パートナー企業、取引先とともにバリューチェーン全体の付加価値向上に取り組んでいる。
専門工事会社を中心とした施工協力業者で組織された「熊栄協力会」は当社の協力会社872社で構成されている。「熊谷組と熊栄協力会会員相互が良きパートナーとして連携協力しながら、SDGsを意識した
QCDSE全般にわたり活動し、良好な職場環境づくりを推進する」という方針のもと活動している。2024年度より全国で青年部会を発足し、次世代の育成にも注力している。また、現場の要である技能者の技能と経験に応じ適正な評価や処遇を受けられるように、「建設キャリアアップシステム」の導入を推進している。
当社及び協力会社の安全・品質の向上、業務・作業の効率化、低コスト化などを目的として、「業務改善・創意工夫提案制度」がある。業務の改善、創意工夫、アイデアの提案を当社社員、協力会社社員から広く募集し、2024年度は81件の応募があった。優秀な提案は表彰するとともに当社と協力会社共通のデータベースに登録し、各本部・支店、作業所で採用され、安全、品質、環境、生産性の向上に役立てている。
e 地域社会との関わり
当社の社会貢献活動のプラットフォーム「熊谷組スマイルプロジェクト」は、マッチングギフトの仕組みを応用している。社会貢献活動に参加した社員数を集計し、年度ごとの累計人数に応じた社会貢献費を会社が拠出するものである。2024年度は全国147件の活動で延べ2,312名の社員が参加し、2024年度の社会貢献費として2,797万円を拠出した。拠出金は、当社の国際社会貢献活動であるKUMAGAI STAR PROJECT、自然災害発生時の義援金、社会課題に取り組む団体への支援などに充当している。
また、2025年に起きたミャンマー地震による被災地を支援するため、NPO等を通じて寄付を行った。
当社は、以下の団体を支援している。
・公益財団法人 日本対がん協会 ・認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ
・NPO法人 子育てひろば全国連絡協議会 ・一般社団法人 日本障がい者サッカー連盟
・公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン
a 基本的な考え方
当社グループは、人財を「資本」と捉え、その能力を最大限に引き出すことが中長期的な企業価値の向上につながるという考え方に基づき、持続的な成長の源泉であり、事業活動の核となる人財への投資を拡充し、量と質の両面で人財価値の最大化を図り、企業価値の向上に寄与するための人財基盤を構築する。
b 人財戦略
「熊谷組グループ 中期経営計画(2024~2026年度)」において、60億円規模の人財投資を計画している。持続可能な人員体制を構築するための採用活動、次世代を見据えた社員のスキルアップやキャリアパスの充実を支援するための人財育成、社員のモチベーションアップのための報酬水準の向上、社員が安心して働くことができる職場環境の整備などに注力し、これらの取組みを通じて、社員の意欲や誇り、自信を高め、従業員エンゲージメントの向上、組織力の向上、そして人財価値の最大化を図る。
c 人財採用について
組織の活性化を図り、世代間の人員構成のバランスを整えるとともに、社員の高齢化による離職リスクに備えるため、ダイバーシティを意識した採用活動を行っている。
事業環境の変化や業績の見通しに基づいて、5年後・10年後の人員数・職種構成・年齢分布を考慮した採用計画を策定し、技術力及び競争力の維持・向上を図っている。
新卒採用においては、入社後のミスマッチを防ぐため、インターンシップ等の就業体験や現場見学会をはじめ、社員との面談や若手社員との座談会等を積極的に行い、将来を担う人財の獲得に注力している。
また、キャリア採用においては、事業戦略に基づき、注力すべき分野に必要な専門スキルを備えている即戦力人財の確保に努めている。なお、一度退職した元社員を、本人の希望により再雇用する「ジョブリターン制度」を設けている。
d 人財育成について
社員が自らの業務に必要な知識を蓄え、技術を磨き、事業環境の変化に柔軟に対応できる能力を身につけることは、キャリア形成において不可欠である。育成指針となる人財育成計画のもと、「自らを高め、未来をつくり、人を支える」、そのような人財に成長することを目指して様々な取組みを実施している。

当社の人財育成は、自ら目標を定め、計画をたて、強い意志で自己の能力開発に努める自己啓発を前提とするものとし、社員自らの能力開発に対し、その効果を高め会社の目標と連動させるべく、会社が行う人財育成の基本方策を次の4つと定めている。
ⅰ ジョブローテーション
複数の職場や異なった職務を経験することで、幅広い知識と考え方を修得させることを目的にジョブローテーションを行っている。社員のキャリアと将来的に希望する職務や、社員一人ひとりの適性を踏まえて、計画的、段階的な異動により、キャリアパスを形成している。
ⅱ OJT
日常の業務を通して、上司及び先輩が、部下及び後輩に対し、職務遂行に必要な知識、技能、態度等を意識的、計画的、体系的、継続的に指導・育成していく。「目標設定」「達成度確認」の面談を実施するとともに、求める人財像に即したスキルの習得状況チェックを行っている。
ⅲ 集合研修
OJTの補完と専門知識の修得、自己啓発の意欲を向上させることを目的として、教育訓練や研修を計画的に行っている。社員が修得すべきスキルのガイドラインを定め、専門知識を高めるための各分野別研修と階層別研修を年次毎に実施している。目的に合わせて集合研修とオンライン研修を使い分け、高い受講率を維持しながら効果的な研修を実施している。社員が研修を受講する際には、本人への案内とは別に、あらかじめ所属の本部長・支店長及び上司に通知し、研修に参加しやすい雰囲気づくりに取り組んでいる。
ⅳ 自己啓発支援
技術士、一級建築士などの公的資格の取得を奨励し、受験者を対象に補講や模試を実施し、社員のスキルアップにつながる自己啓発を支援、促進している。
なお、社員は上司と期首に目標設定面談、中間期に進捗確認面談、期末に自己評価確認面談、さらに評価結果についてのフィードバック面談を実施する。また、将来の職場配置や能力開発の希望は「キャリアプラン申告」として、社内の申請システムからいつでも上司を通さず、人事部へ提出することが可能な仕組みがある。
e ダイバーシティ企業として
当社は、性別、年齢、国籍、性自認・性的指向(LGBTQ等)、障がいの有無等にかかわらず、全ての人が活き活きと働くことができる職場環境の実現に取組み、ダイバーシティ、働き方改革の推進による業績の向上を目指している。
当社は、管理本部長を委員長として各本部長で構成する「ダイバーシティ推進委員会」を設置し、本部・支店・グループ会社よりダイバーシティ推進担当者を選任して、推進体制を構築している。また、各部門の代表者により制度・施策を検討する「働き方改革ワーキング」を設置し、全社横断型でダイバーシティ及び働き方改革を推進している。
当社は、女性活躍推進法に基づく第四次行動計画(2023年1月~ 2026年3月)を策定した。定量的な目標として①新卒採用者に占める女性割合を25%以上、②新任女性管理職比率を新任管理職の7%以上、③子の出生に伴う男性の休暇取得率70%以上の3点を掲げている。
ダイバーシティ推進後、10年間で女性管理職数は11名から85名と7.7倍、女性技術者も63名から161名と2.6倍になった。男性の両立支援制度の利用も増加している。長時間労働は改善され、月平均時間外労働は、社員一人当たり33.3時間減少する成果を上げた。
障がい者雇用に関して、障害者基本法で定める「障害者週間」(毎年12月3日~12月9日)の期間を拡大し、2021年度から毎年12月を当社の「障がい者月間」として制定した。「障がい者月間」では、障がい者への理解を深めようというテーマでeラーニングを実施している。また、特別支援学校生徒のインターンシップ受入れの実施、本社ビルのバリアフリー化を進め、社員通用口に自動ドアやスロープを設置し、エレベーターやトイレの改修を行った。2024年度は、各本部に1名ずつ障がいを持つ社員を採用し、業務に慣れるまで専門支援機関の相談者との定期的な面談を行うなど、定着に向けたフォロー体制に力を入れた。
2024年4月に同性パートナーや事実婚の社員も社内制度を利用できるよう「ファミリーシップ制度」を導入した。「同性パートナー」及び「事実婚のパートナー」(以下、パートナー)に配偶者(法律上の婚姻関係にあるもの)と同等の福利厚生や規程を適用し、会社が認めたパートナーの子を社内制度上「家族」として認めている。また、LGBTQ等に関するガイドラインを策定し、LGBTQ等に関する基礎知識をはじめ、SOGIハラスメントやアウティング防止から相談対応等まで分かりやすくまとめ、社員に周知している。
定年再雇用については、定年退職後65歳までの継続雇用制度を運用し、働く意欲のある定年退職者の雇用維持に努めている。2025年4月現在、在籍する定年再雇用者は295名で、豊富な経験や知識、卓越した技術を活かして活躍している。
f 働き方改革の推進について
当社は、これまで働き方改革として、テレワーク・時差出勤・フレックスタイムなどの制度を導入、業務プロセスの見直し・DXの推進など生産性の向上や業務の効率化に関わる施策、また意識改革に努めてきた。2024年より建設業に時間外労働の上限規制が適用されることを受けて、当社においては、長時間労働の要因は個人だけでは対応できない事由も多いことから、会社及び組織(チーム)として取組みを強化することを盛り込んだ、「働き方改革アクションプラン2024」を制定した。
アクションプランには、土木・建築事業部門及び内勤部門の組織の取組方針を加え、さらにチーム力を高めるために各本部長・各支店長や各作業所長・各部署長の取組方針を掲げ全社員で取り組んできたが、一部の部署や社員に対して業務が集中する傾向が見られたことから、「働き方改革アクションプラン2025」では業務が集中する可能性がある場合には組織的に支援する旨を追記している。今後もさらなる時間外労働の削減と社員のワークライフバランス向上に向けて、働き方改革に取り組む。
| 〈働き方改革アクションプラン2025(抜粋)〉 |
| 取組みプロセス |
| 社長方針→全社および事業部門の取組方針→部門(各本部・支店/部署・作業所)の取組方針→個人の行動計画 |
| <全社および事業部門の取組方針> |
| ・業務量が集中する社員に対する組織的な支援とモニタリングを実施する |
| ・工期がひっ迫する可能性がある現場に対し組織的な支援を実施する |
| ・営業段階から週休2日の工程と工事規模に合わせた人員配置を計画し、4週8閉所相当の受注を徹底する |
| ・内勤部門にて現場支援部署(担当者)を配置し、作業所業務の一部を支援部署で担うことにより業務の平準化を実施する |
| ・全社的なICTツールの利用推進と活用支援を強化する |
| <個人の行動計画> |
| ・週休2日・計画的な休日の取得を徹底する |
| ・目標設定において、各部署で上限規制の遵守につながる業務改善・工夫等を設定する |
| ・全員が自身の労働時間を確実に把握する |
| ・上司は部下個人とともに部署・作業所単位での労働時間の状況についても把握する |
g 従業員エンゲージメントについて
当社は、社員の会社への愛着や仕事への情熱の度合いを測るため、2023年度よりエンゲージメント調査を開始した。2024年度においては回答率が100%となり、全社員の思いを可視化することができた。調査結果を様々な切り口で分析し、全社的に取り組む施策の立案に活かすとともに、各部門においても効果的な施策を検討し、課題の解決を継続的に行っていくことで、社員の貢献意欲を高め、組織力の向上につなげる。
| <エンゲージメント向上にむけた主な取組み> |
| ・中期経営計画に関する意見交換会の開催 |
| ・処遇改善に関する施策の実施 |
| ・管理職と若手社員による定期的なディスカッションの実施 |
| ・部署間・世代間のコミュニケーションの活性化に寄与する親睦イベントの実施 |
| ・ジョブローテーションによる業務の標準化・ナレッジの共有 |
| ・QCDSEパトロールを利用した現場社員との面談の実施 |
| ・外部講師によるエンゲージメント向上に関する講習会の開催 |
h 健康経営について
当社は、社員の健康を何よりの経営資源と捉え、本社人事部内に健康推進室を設置し、全支店の産業医並びに健康推進担当者と連携して、社員の健康を全面的にサポートする体制を整えている。また、社員健康推進計画を年度毎に策定し、PDCAサイクルによるスパイラルアップを図った健康推進活動を行っている。当社は優良な健康経営を実践している法人として、経済産業省が創設した「健康経営優良法人」の認定を9年連続で取得している。
・ハイリスク者への取組み
社員の健康診断結果は全て産業医による入念なチェックが行われ、フォローが必要な社員には受診や面談の勧奨、継続的なサポートを行っている。また、長時間労働による脳・心臓疾患やメンタルヘルス不調を防止するため、対象者への疲労蓄積度チェックと希望者への産業医面談を毎月欠かさず行っている。その他にも特殊な労働環境下にある職場に対しては、産業保健専門職による訪問や面談など、特別なフォローアップを実施している。
・メンタルヘルスに関する取組み
ストレスチェック、社員研修(セルフケア&ラインケア)、職場復帰支援など、一次予防から三次予防まで幅広い活動を行っている。
休職においては、会社(産業医)と主治医が緊密に連携し、認識のずれを解消することで円滑な復職を支援する体制を構築している。その一環として「休業と復職に関するハンドブック」を当該社員に配付し、必要な手続きや給与等を明確に伝えている。休職中の社員へは月一度、会社(人事・上司・産業医)が連絡を取り、復職基準や期間、給与に関する情報提供と状況確認を行っている。復職に際しては、本人からの意思表示と主治医による当社指定の診断書提出を必須とし、事前に復職制度を主治医へ共有することで、復職基準への理解を促している。
さらに、経済的な不安を軽減するGLTD(団体長期障害所得補償保険)制度を導入。これにより、休職期間中の所得を補償し、社員の経済的な安定に貢献している。
③ 人権の尊重
当社グループは、全ての役職員がお互いの多様性を認め合い、事業に関わる全ての人の人権を尊重している。
当社が行動の原点としている「熊谷組行動指針(1998年4月)」を踏まえて、2023年1月に熊谷組グループ人権方針(以下、本方針)を策定した。当社グループの全ての役職員の人権を考慮するほか、ビジネスパートナー、サプライヤー及びその他の関係者に対して本方針の支持を求め、人権を尊重し、侵害しないように求めている。
熊谷組グループ人権方針(抜粋)
1.適用範囲
熊谷組グループ(熊谷組と連結子会社7社(国内6社、海外1社))を対象とし、すべての役職員に適用されます。また熊谷組グループのビジネスパートナー、サプライヤーおよびその他の関係者に対して本方針の支持を求め、人権を尊重し、侵害しないように求めます。
2.規範や法令の尊重・遵守
世界のすべての人々が享受すべき基本的人権について規定した人権に関する国際規範を支持、尊重します。また事業を行う国や地域で適用される法令を遵守し、各国や地域の法令が国際的な規範と異なる場合は、より高い基準を優先します。
3.企業活動全体を通じた人権の尊重
事業活動を通じて起こりえる人権への負の影響を防止し、人権尊重の責任を果たしていきます。
4.人権デューデリジェンスの実施
人権デューデリジェンスの仕組みを構築し、これを継続的に実施します。
5.救済、是正
人権に対する負の影響を引き起こした場合は、その是正・救済に取り組みます。
6.教育、研修
すべての役職員が本方針について十分な理解を得られるよう適切な教育、研修を実施します。
7.対話、協議
事業活動が人権に及ぼす影響について関連するステークホルダーとの対話と協議を継続して行います。
8.情報開示
人権尊重の取組について、定期的な開示を行います。
<人権デューデリジェンス>

当社では、熊谷組グループの事業領域を対象として、「ビジネスと人権に関する指導原則」や「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」などを参考に、人権課題を認識、整理した。潜在的な人権リスクが高い事業領域を特定し、整理した人権課題を、自社及びサプライチェーンにおける発生可能性と深刻度の指標によって評価・マッピングした。自社における人権リスクは、ESG取組方針において重要課題(マテリアリティ)及び個別課題を特定した上で、様々な取組みを進めている。サプライチェーンについては、当社事業において特にリスクの高い人権課題を優先的に取り組むべき重点課題として特定した。
重点課題
・過剰・不当な労働時間 ・賃金の不足・未払、生活資金
・パワーハラスメント ・外国人労働者の権利
救済へのアクセス
当社は、全社員を含む全てのステークホルダーがいつでも相談・通報ができる窓口を社内外に複数設置している。また、内部通報者に対する不利益な取扱いを禁止するとともに、匿名による通報を許容している。
<社内への教育>当社グループでは全社員に向けてハラスメント防止に関するeラーニングを実施している。①パワーハラスメント、②セクシュアルハラスメント、③妊娠・出産・育児休業・介護休業に関するハラスメント、④ハラスメントの対処方法、⑤確認テストという内容で、グループ全体で90%の社員が受講している。また、2024年度は「パワーハラスメント防止研修」を当社の管理職層を対象に計15回開催している。ハラスメントの防止を必須の項目と位置付けており、人権週間におけるメールマガジンの配信など、社内教育を行っている。
④ ステークホルダーとの関係強化
当社は、ステークホルダーとより良好な関係を築くため、2025年3月に「マルチステークホルダー方針」を改定した。企業経営において、株主にとどまらず、従業員、取引先、顧客、債権者、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーとの価値協創が重要になっていると認識している。

a お客様との関わり
当社は、1998年にCS推進室(現サステナビリティ推進部CS推進グループ)を、翌年全支店に「お客さま相談室」を設置した。“しあわせ品質”をお届けできるように組織連携を図り、お客様からの評価の向上に努めている。当社のCS(Customer Satisfaction)機能は、本社では経営戦略本部に置かれており、お客様の声が直接経営に反映されるよう組織設計をしている。また、本社・支店CS部門の社員全員を対象とした研修を2008年より毎年実施し、プロフェッショナルな人財育成に努めている。
社員に熊谷組のCS意識を浸透させ、「全員参加のCS」を実現するために、CSの取組みに対する社内表彰や講演会などを実施している。ここ数年では、顧客ロイヤルティの獲得のため、CX(Customer Experience)意識の社内浸透に取り組んでいる。
b 従業員との関わり
当社では、社員同士の親睦と福祉の増進及び会社と社員の意思の疎通を図り、会社の発展に寄与することを目的として、職員会を設置している。全社員から会社への要望事項を募り、職員会の支部代表者と社長が意見を交わす場を設ける等の活動を行っている。その成果として、社員からの要望が多かった福利厚生の項目に関する規程の改正につながった。
2024年度の施策としては、社内コミュニケーションの活性化やエンゲージメント向上を目的に、職員会主催のeスポーツ大会を開催した。本社と全支店、自宅や寮等を中継し、社員とその家族ら約400名がオンラインゲームを通じて親睦を深めた。開催後の意見交換会では実施アンケートをもとに今後の取組みについての新規施策案や方向性を話し合った。
c 株主・投資家との関わり
当社は、株主・投資家との建設的な対話に関する方針を含む「ディスクロージャー・ポリシー」(2024年3月制定)に基づき、経営及び事業活動等に関する情報を適時、適切かつ公平に開示するとともに、株主・投資家をはじめとしたステークホルダーとの建設的な対話に努めている。また、フェア・ディスクロージャーの観点から、決算情報及び適時開示情報の英文同時開示を実施している。2024年度は、オンラインツールを活用した国内外の株主・投資家との個別ミーティング・電話会議やスモールミーティング、決算説明会の開催や投資家カンファレンスへの参加など様々な手段で対話を実施した。また、株主・投資家との建設的な対話を促進するための体制整備・取組みとして、IR専任部署を強化するなど社内リソースの適切配分を実施し、その実施状況等についてコーポレートサイト並びにコーポレート・ガバナンス報告書にて開示した。
ESG取組方針の個別課題のひとつに「投資家との積極的対話」を掲げ、業績動向、経営戦略、株主還元などのほか、環境・社会課題やガバナンスへの取組み等について積極的に意見交換を行っている。対話を通じて把握した株主・投資家の意見や要望等については、取締役会メンバーや関係部門にフィードバックすることにより、株主還元、資本政策、投資戦略などの参考とし、企業価値向上に活かしている。
今後も株主・投資家の皆様に当社グループの持続的成長の確度をご理解いただき、適正な株主価値が形成されるよう、引き続き積極的にIR活動を推進していく。
d パートナー企業・取引先との関わり
当社は、健全な事業活動を推進するために「調達方針」及び「調達方針ガイドライン」を策定している。調達活動におけるガバナンスやコンプライアンスの向上を目指し、パートナー企業、取引先とともにバリューチェーン全体の付加価値向上に取り組んでいる。
専門工事会社を中心とした施工協力業者で組織された「熊栄協力会」は当社の協力会社872社で構成されている。「熊谷組と熊栄協力会会員相互が良きパートナーとして連携協力しながら、SDGsを意識した
QCDSE全般にわたり活動し、良好な職場環境づくりを推進する」という方針のもと活動している。2024年度より全国で青年部会を発足し、次世代の育成にも注力している。また、現場の要である技能者の技能と経験に応じ適正な評価や処遇を受けられるように、「建設キャリアアップシステム」の導入を推進している。
当社及び協力会社の安全・品質の向上、業務・作業の効率化、低コスト化などを目的として、「業務改善・創意工夫提案制度」がある。業務の改善、創意工夫、アイデアの提案を当社社員、協力会社社員から広く募集し、2024年度は81件の応募があった。優秀な提案は表彰するとともに当社と協力会社共通のデータベースに登録し、各本部・支店、作業所で採用され、安全、品質、環境、生産性の向上に役立てている。
e 地域社会との関わり
当社の社会貢献活動のプラットフォーム「熊谷組スマイルプロジェクト」は、マッチングギフトの仕組みを応用している。社会貢献活動に参加した社員数を集計し、年度ごとの累計人数に応じた社会貢献費を会社が拠出するものである。2024年度は全国147件の活動で延べ2,312名の社員が参加し、2024年度の社会貢献費として2,797万円を拠出した。拠出金は、当社の国際社会貢献活動であるKUMAGAI STAR PROJECT、自然災害発生時の義援金、社会課題に取り組む団体への支援などに充当している。
また、2025年に起きたミャンマー地震による被災地を支援するため、NPO等を通じて寄付を行った。
当社は、以下の団体を支援している。
・公益財団法人 日本対がん協会 ・認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ
・NPO法人 子育てひろば全国連絡協議会 ・一般社団法人 日本障がい者サッカー連盟
・公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン