有価証券報告書-第89期(2025/04/01-2026/03/31)
(3)戦略
① 気候関連のリスク・機会
ⅰ 財務上影響を与える気候関連のリスクと機会
重要であると識別された気候関連のリスク・機会の項目を次のように判断している。
・気候変動におけるリスク・機会の概要及び財務的影響額

識別されたリスク及び機会の項目、並びにそれぞれの財務的影響額については、各項目の総額を開示することを原則としている。したがって、識別された各リスク及び機会の項目において、費用の増加分と収益の増加分を相殺した純額による財務的影響額の記載を行っていない。
ⅱ 気候関連のリスク及び機会について、その影響が生じると合理的に見込み得る時間軸及び時間軸の定義
気候関連のリスク及び機会における時間軸(時間軸の定義を含む)を次のように定義している。
ⅲ 時間軸の定義と戦略的意思決定に用いる計画期間との関係
気候関連のリスク及び機会の特定、評価、管理(モニタリング)に関する時間軸について、長期は概ね10年程度を指している。
時間軸と脱炭素計画は整合しており、取締役会で承認されている。
② ビジネス・モデル及びバリュー・チェーンに与える影響
ⅰ 気候関連のリスク及び機会が現在及び将来の企業のビジネス・モデル及びバリュー・チェーンに与える影響
気候変動が各事業のビジネス・モデル、バリュー・チェーンに与える重大な影響について、次のように認識している。
ⅱ ビジネス・モデル、バリュー・チェーンにおいて、気候関連のリスク及び機会が集中している部分
バリュー・チェーンにおける重大な気候関連のリスクと機会が考慮される項目(地理的地域・施設・資産の種類・調達・販売及び流通チャネル等)を次のとおり特定している。
③ 気候関連のリスク及び機会が現在及び将来予想される短期・中期・長期に与える影響
ⅰ 現在及び短期・中期・長期の将来、財務諸表等に重要性がある影響を与えるリスク・機会項目については、① ⅰの表に記載している。
ⅱ 投資計画及び処分計画、戦略を遂行するための資金計画
中期までの取組みとして、中期経営計画期間(2024~2026年度)中に再生可能エネルギー事業に100億円の投資を行う予定である。
ⅲ 気候関連のリスク及び機会を管理する企業の戦略を踏まえた、短期、中期及び長期における、企業の財務業績及びキャッシュ・フローの変化に関する見込み
短期、中期及び長期における気候関連のリスク・機会項目の財務的影響額が財政状態、財務業績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼすと考えている。具体的な財務的影響を与える気候関連のリスク・機会項目及び影響額は、① ⅰの表に記載している。
④ 定量的情報の開示とその免除
ⅰ 定量的情報を提供していないリスク・機会の項目と理由
・定量的情報を提供していないリスク・機会の項目
ア.カーボンニュートラル達成のための移行コストと実行の難しさ
イ.再生可能エネルギー関連の投資増加に起因する建設需要・売上の増加
ウ.GHG排出が少ないCO2の固定化も可能な中大規模木造建築物の売上増加
エ.ZEB等のエネルギー効率が高い建築物やBEI値が低い環境配慮型建築物の売上増加
オ.国土強靱化計画による防災・減災・復旧事業の売上機会の増加
・定量的情報を提供していない理由
(リスク項目)
アのリスク項目に関する水素化バイオ燃料及び国内炭素税の中長期的な将来の価格動向等が不明瞭であり、財務的影響額を算出するうえでの不確実性が高いことから、定量的な財務的影響額の情報を開示していない。
(機会項目)
イからオの機会項目に関する該当事業の年平均成長率を算出する実績の情報源が不足しているため、財務的影響額を算出するうえでの不確実性が高いと判断した。
ⅱ 財務的影響の定量的情報を提供しないと判断した気候関連のリスク又は機会と、他の気候関連のリスク又は機会及びその他の要因との複合的な財務的影響に関する情報
定量的情報を開示しないⅰの気候変動の機会項目は、移行リスク① ⅰの「カーボンニュートラル達成のための移行コストと実行の難しさ」と関連している。
⑤ 戦略及び意思決定に与える影響
ⅰ 気候関連のリスク及び機会に対する対応状況及び今後の計画
当社グループは、カーボンニュートラルの実現を事業戦略の核に据え、環境配慮型技術の開発・普及に取り組んでおり、中期経営計画(2024~2026年度)では、再エネ事業、中大規模木造建築、防災・減災関連を重点成長領域として特定している。
これら戦略分野の目標達成に向け、執行体制を強化し、研究開発及び人財への投資を拡充することで、経営基盤の更なる充実を図っている。
また、今後における具体的な計画については、次のとおりである。
・気候移行計画の概要
ⅱ 過去の報告期間に開示した計画に対する進捗
重要であると識別された気候関連のリスク・機会の項目及びそれに関連する指標を設定した上で、2025年度より開示を実施している。そのため、「過去の報告期間に開示した計画」に対する進捗のKPI等はない。
ⅲ ⅰの対応を決定するにあたり考慮した、気候関連のリスク及び機会の間のトレードオフ
気候変動対応とネイチャーポジティブの実現における相互影響(トレードオフ)を重要な経営課題として認識している。
脱炭素社会への貢献として推進する中大規模木造建築事業においては、木材利用が森林資源や生態系に与える影響を十分に考慮した上で、持続可能な調達プロセスの構築に努めている。
また、気候変動と自然資本の両面から企業価値を毀損させないよう、適切なモニタリングのもとで事業を推進していく。
⑥ 気候レジリエンス
(気候関連のシナリオ分析)
ⅰ 気候関連のシナリオ分析に使用したインプットに関する情報
ア.分析に用いた気候関連のシナリオ及びそのシナリオの情報源
当社グループでは、1.5℃シナリオから2℃未満シナリオ及び4℃シナリオの2つのシナリオ分析において、IEA(International Energy Agency、国際エネルギー機関)及びIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:国連気候変動に関する政府間パネル)が発行する各イニシアティブ関連の資料等を情報源として参照している。
イ.分析に用いたシナリオの多様性
シナリオ分析において、1.5℃から2℃未満シナリオ及び4℃シナリオの3つのシナリオに基づき、IEAのWEO(World Energy Outlook)2025、IPCCの第5次及び第6次報告書によるRCP(Representative Concentration Pathways:代表濃度経路シナリオ)、SSP(Shared Socioeconomic Pathways:将来の社会経済の発展の傾向を仮定した共有社会経済経路)等のイニシアティブの情報源に基づくシナリオを使用している。
ウ.気候関連の移行リスク又は物理的リスクのいずれに関連するシナリオ
1.5℃シナリオから2℃未満及び4℃の各シナリオにおける移行リスク及び物理リスクの分析に以下の規格を使用している。
エ.気候変動に関する最新の国際協定と整合するシナリオの使用
IEAのWEO2025のシナリオ及びIPCCにおけるRCP、SSPの規格を踏まえた上で、脱炭素社会に向けた政策・技術・市場等が着実に移行し、パリ協定に基づく21世紀末の地球の平均気温上昇を産業革命前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃程度に抑えるシナリオを使用している。
オ.気候関連の変化、進展又は不確実性に対する気候関連のレジリエンスの評価と選択した気候関連のシナリオとの関連性
識別された気候関連のリスク・機会及び各種指標・目標の設定について、IEAやIPCC等の世界的なイニシアティブが公表する複数シナリオを踏まえたレジリエンス評価を実施している。外部環境のベンチマーク分析に基づくシナリオ規格に加え、当社グループの戦略やビジネス・モデルに関する定性的・定量的な評価を総合的に勘案した結果、このアプローチが最適であると判断した。
ⅱ シナリオ分析に使用した時間軸
気候関連のシナリオ分析を実施した重要な産業の時間軸を次のように設定している。
ⅲ シナリオ分析に用いた事業の範囲
ⅳ シナリオ分析の前提とした主要な仮定
ア.事業を営む法域における気候関連の政策
国内における建設事業が展開されている法域の気候関連政策の概要について、IEAのWEO2025に基づき把握している。
各法域における気候関連の政策の概要については、IEAのWEO2025の主要国の気候関連政策の記載を参照している。
イ.マクロ経済のトレンド
IEAのWEO2025に基づくマクロ経済のGDP成長率を、当社グループが事業を展開しているマクロ経済のトレンドとして考慮している。
ⅴ シナリオ分析を実施した報告期間
シナリオ分析を2025年度に実施している。
(気候レジリエンスの評価)
ⅰ 気候関連のシナリオ分析の結果が企業の戦略及びビジネス・モデルに対する評価へ与える影響とその対応
⑥に記載のシナリオ分析を踏まえた上で、気候変動のリスク・機会を識別している。
また、識別されたリスク・機会のビジネス・モデルへの影響については、2025年度、短期から長期における財務的影響額を踏まえた上で、気候変動のリスクの軽減、機会の拡大に向けた対応策を気候移行計画等に基づき実施している。
なお、気候変動における識別されたリスク・機会の項目についての再評価を、定性・定量の両面から毎年実施する予定である。
ⅱ 気候レジリエンスの評価において考慮された重大な不確実性の領域
当社グループは、気候レジリエンス評価における重大な不確実性の領域を日本及び台湾と捉えている。当該地域は、当社のビジネス・モデルやバリュー・チェーンにおいて、気候関連のリスクと機会が物理的・構造的に集中する地理的領域である。
ⅲ 気候変動に対して、短期、中期及び長期にわたり戦略及びビジネス・モデルを調整する能力
ア.気候関連のシナリオ分析において識別された影響に対応するための、既存の金融資源の利用可能性及び柔軟性
気候変動における識別されたリスク・機会の項目についての再評価を今後、定性・定量の両面から毎年実施し、気候変動のリスクの軽減、機会の拡大に向けた投資計画及び対応策を気候移行計画と合わせて変更していく予定である。
また、具体的な今後のレジリエンス対応策と機会の拡大に向けたアクションプランの概要については、⑤ ⅰ「気候移行計画の概要」の3から5に記載している。
イ.自社グループにおける既存の資産を再配置、別の目的へ再利用、性能向上又は廃棄する企業の能力
毎年実施予定の再評価の結果に基づき、顕在化したリスクに対する対応策として、既存の固定資産等の再配置、除却、廃棄等を実施する可能性がある。(注)
(注)2025年度、短期においては、顕在化したリスクに対する対応策として、既存の固定資産等の再配置、除却、廃棄等を実施する計画はない。
ウ.気候関連の緩和・適応・機会に対する投資とその影響
気候変動リスク及び機会の再評価に基づき、気候レジリエンス強化に向けた投資や計画の継続的な見直しにより、リスクに伴う財務的影響の最小化と、機会獲得による財務的効果の最大化が、今後段階的に顕在化していくものと見込んでいる。
① 気候関連のリスク・機会
ⅰ 財務上影響を与える気候関連のリスクと機会
重要であると識別された気候関連のリスク・機会の項目を次のように判断している。
・気候変動におけるリスク・機会の概要及び財務的影響額

識別されたリスク及び機会の項目、並びにそれぞれの財務的影響額については、各項目の総額を開示することを原則としている。したがって、識別された各リスク及び機会の項目において、費用の増加分と収益の増加分を相殺した純額による財務的影響額の記載を行っていない。
ⅱ 気候関連のリスク及び機会について、その影響が生じると合理的に見込み得る時間軸及び時間軸の定義
気候関連のリスク及び機会における時間軸(時間軸の定義を含む)を次のように定義している。
| 時間軸 | 期間 | 定義 |
| 短期 | 2026年度 | 当連結会計年度の翌連結会計年度 |
| 中期 | 2027年度から2029年度 | 現在の中期経営計画の期間に整合 |
| 長期 | 2027年度から2035年度(注) | 長期構想の事業計画に整合 |
| (注)中期の時間軸は、長期の時間軸に包含している。 | ||
ⅲ 時間軸の定義と戦略的意思決定に用いる計画期間との関係
気候関連のリスク及び機会の特定、評価、管理(モニタリング)に関する時間軸について、長期は概ね10年程度を指している。
時間軸と脱炭素計画は整合しており、取締役会で承認されている。
② ビジネス・モデル及びバリュー・チェーンに与える影響
ⅰ 気候関連のリスク及び機会が現在及び将来の企業のビジネス・モデル及びバリュー・チェーンに与える影響
気候変動が各事業のビジネス・モデル、バリュー・チェーンに与える重大な影響について、次のように認識している。
| 項目 | ビジネス・モデル及びバリュー・チェーンに与える影響 |
| 購買活動 | 建設資材や施工時のGHG排出量への賦課金、排出権取引制度導入による調達コストの増加 |
| 製造 | 建設現場における夏季の労働生産性の低下 台風や豪雨による建設現場の一時停止等 |
| 調達活動・出荷活動 | サプライチェーン上の輸送コストの増加 建築物の設計から竣工までの資材・燃料価格高騰 台風や豪雨によるサプライチェーン寸断による資材調達等の遅延の発生 |
| 販売・サービス活動 | 再生可能エネルギー関連の投資増加に起因する売上増加 中大規模木造建築の売上増加 ZEB等のエネルギー効率が高い建築物やBEI値が低い環境配慮型建築物の売上増加 国土強靱計画による防災・減災・復旧対策事業の売上増加 |
ⅱ ビジネス・モデル、バリュー・チェーンにおいて、気候関連のリスク及び機会が集中している部分
バリュー・チェーンにおける重大な気候関連のリスクと機会が考慮される項目(地理的地域・施設・資産の種類・調達・販売及び流通チャネル等)を次のとおり特定している。
| 事業 | 国内土木事業、国内建築事業、海外建設事業、その他の事業 |
| 地理的地域 | 日本、台湾 |
| 施設・資産の種類 | 自社における所有資産(固定資産)、建設現場 |
| 調達・販売及び流通チャネル | バリュー・チェーン全体(直接操業及び上流・下流) |
③ 気候関連のリスク及び機会が現在及び将来予想される短期・中期・長期に与える影響
ⅰ 現在及び短期・中期・長期の将来、財務諸表等に重要性がある影響を与えるリスク・機会項目については、① ⅰの表に記載している。
ⅱ 投資計画及び処分計画、戦略を遂行するための資金計画
中期までの取組みとして、中期経営計画期間(2024~2026年度)中に再生可能エネルギー事業に100億円の投資を行う予定である。
ⅲ 気候関連のリスク及び機会を管理する企業の戦略を踏まえた、短期、中期及び長期における、企業の財務業績及びキャッシュ・フローの変化に関する見込み
短期、中期及び長期における気候関連のリスク・機会項目の財務的影響額が財政状態、財務業績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼすと考えている。具体的な財務的影響を与える気候関連のリスク・機会項目及び影響額は、① ⅰの表に記載している。
④ 定量的情報の開示とその免除
ⅰ 定量的情報を提供していないリスク・機会の項目と理由
・定量的情報を提供していないリスク・機会の項目
ア.カーボンニュートラル達成のための移行コストと実行の難しさ
イ.再生可能エネルギー関連の投資増加に起因する建設需要・売上の増加
ウ.GHG排出が少ないCO2の固定化も可能な中大規模木造建築物の売上増加
エ.ZEB等のエネルギー効率が高い建築物やBEI値が低い環境配慮型建築物の売上増加
オ.国土強靱化計画による防災・減災・復旧事業の売上機会の増加
・定量的情報を提供していない理由
(リスク項目)
アのリスク項目に関する水素化バイオ燃料及び国内炭素税の中長期的な将来の価格動向等が不明瞭であり、財務的影響額を算出するうえでの不確実性が高いことから、定量的な財務的影響額の情報を開示していない。
(機会項目)
イからオの機会項目に関する該当事業の年平均成長率を算出する実績の情報源が不足しているため、財務的影響額を算出するうえでの不確実性が高いと判断した。
ⅱ 財務的影響の定量的情報を提供しないと判断した気候関連のリスク又は機会と、他の気候関連のリスク又は機会及びその他の要因との複合的な財務的影響に関する情報
定量的情報を開示しないⅰの気候変動の機会項目は、移行リスク① ⅰの「カーボンニュートラル達成のための移行コストと実行の難しさ」と関連している。
⑤ 戦略及び意思決定に与える影響
ⅰ 気候関連のリスク及び機会に対する対応状況及び今後の計画
当社グループは、カーボンニュートラルの実現を事業戦略の核に据え、環境配慮型技術の開発・普及に取り組んでおり、中期経営計画(2024~2026年度)では、再エネ事業、中大規模木造建築、防災・減災関連を重点成長領域として特定している。
これら戦略分野の目標達成に向け、執行体制を強化し、研究開発及び人財への投資を拡充することで、経営基盤の更なる充実を図っている。
また、今後における具体的な計画については、次のとおりである。
・気候移行計画の概要
| 移行計画の各項目 | 内容 |
| 移行計画が依拠する主要な前提と依存関係の 概要 | 気候変動における1.5℃及び4℃のシナリオ分析に基づき、サステナビリティ開示テーマ別基準第2号(気候関連開示基準)等を参考にし、移行計画に対して、将来の市場動向、規制の変更、技術の進歩について次のように予測している。 将来の市場動向:IEAのWEO2025が公表している日本のマクロ経済におけるGDP成長率は、2024年~2035年:年率0.6%の成長を前提 規制の変更:2030年までに化石燃料賦課金の予測価格約1,000円/t-CO2を踏まえ、日本の規制当局において炭素税の本格的導入もしくは地球温暖化対策税の大幅な増税 技術の進歩:クリーンエネルギーの使用割合増加と化石燃料の使用割合低下 |
| 1:戦略の整合性 | 2035年度までに温室効果ガスの削減目標達成するために、以下の活動に取り組んでいる。 ①スコープ1・2:再エネ電気の導入、非化石証書の導入、バイオ燃料の導入、脱炭素建機の導入 ②スコープ3:事業リスクの軽減や建築事業におけるサプライチェーンと連携した調達から廃棄までのカテゴリー1における削減施策の遂行 ③「産業横断的指標カテゴリー」の指標と目標に基づく開示 |
| 2:計画の前提 | 気候変動における1.5℃から2℃、4℃シナリオのリスク・機会の抽出、リスクの低減・機会の拡大を目的としたアクションプラン、移行計画をサポートする財務計画・予算及び関連する投資計画の実施 |
| 移行計画の各項目 | 内容 |
| 3:リスク項目に対する影響の低減・優先順位の高い機会項目 | ①カーボンニュートラル達成のための移行コストと実行の難しさ ②再生可能エネルギー関連の投資増加に起因する建設需要の拡大による売上増加 ③GHG排出が少ないCO2の固定化も可能な中大規模木造建築物の売上増加 ④ZEB等のエネルギー効率が高い建築物やBEI値が低い環境配慮型建築物の売上増加 ⑤国土強靱化計画による防災・減災・復旧事業の売上機会の増加 |
| 4:アクションプラン | 移行計画の中期的なアクションプランは、リスク項目に対する影響額の軽減、優先順位の高い機会の拡大を目的としている。 (具体的な気候レジリエンス対応と機会の拡大への関係性) ・カーボンニュートラル達成のための移行コストと実行に向けた対応策として、①炭素排出エネルギーから水素化バイオ燃料へのエネルギー構成の転換・GHG削減に対する取組み、②GHG削減に関する技術開発促進による事業拡大(機会項目)というフローを目的として気候レジリエンスの対応策及び「5:財務計画」による投資の実行を計画している。 |
| 5:財務計画 | 移行計画をサポートする財務計画・予算及び関連する投資計画の目標は、③ ⅱに記載している。 |
| 6:シナリオ分析 | 1.5℃シナリオ及び4℃シナリオにおいて複数のシナリオを定め、リスク・機会の分析結果に基づいて、短期から長期の時間軸を定めている。 具体的な詳細については、⑥に記載している。 |
ⅱ 過去の報告期間に開示した計画に対する進捗
重要であると識別された気候関連のリスク・機会の項目及びそれに関連する指標を設定した上で、2025年度より開示を実施している。そのため、「過去の報告期間に開示した計画」に対する進捗のKPI等はない。
ⅲ ⅰの対応を決定するにあたり考慮した、気候関連のリスク及び機会の間のトレードオフ
気候変動対応とネイチャーポジティブの実現における相互影響(トレードオフ)を重要な経営課題として認識している。
脱炭素社会への貢献として推進する中大規模木造建築事業においては、木材利用が森林資源や生態系に与える影響を十分に考慮した上で、持続可能な調達プロセスの構築に努めている。
また、気候変動と自然資本の両面から企業価値を毀損させないよう、適切なモニタリングのもとで事業を推進していく。
⑥ 気候レジリエンス
(気候関連のシナリオ分析)
ⅰ 気候関連のシナリオ分析に使用したインプットに関する情報
ア.分析に用いた気候関連のシナリオ及びそのシナリオの情報源
当社グループでは、1.5℃シナリオから2℃未満シナリオ及び4℃シナリオの2つのシナリオ分析において、IEA(International Energy Agency、国際エネルギー機関)及びIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:国連気候変動に関する政府間パネル)が発行する各イニシアティブ関連の資料等を情報源として参照している。
イ.分析に用いたシナリオの多様性
シナリオ分析において、1.5℃から2℃未満シナリオ及び4℃シナリオの3つのシナリオに基づき、IEAのWEO(World Energy Outlook)2025、IPCCの第5次及び第6次報告書によるRCP(Representative Concentration Pathways:代表濃度経路シナリオ)、SSP(Shared Socioeconomic Pathways:将来の社会経済の発展の傾向を仮定した共有社会経済経路)等のイニシアティブの情報源に基づくシナリオを使用している。
ウ.気候関連の移行リスク又は物理的リスクのいずれに関連するシナリオ
1.5℃シナリオから2℃未満及び4℃の各シナリオにおける移行リスク及び物理リスクの分析に以下の規格を使用している。
| シナリオ分析に用いた 気候関連のシナリオ | 関連するシナリオ | 各シナリオの概要 |
| 1.5℃シナリオから2℃未満シナリオ | 移行シナリオ | ①NZE(Net Zero Emissions by 2050):50%の確率で1.5℃未満に抑制(一時的な超過=オーバーシュートも限定的)、2050年までに世界全体で温室効果ガス(GHG)の排出量を実質ゼロにする、最も厳格な移行規制を想定したシナリオ ②APS(Announced Pledges Scenario):50%の確率で1.7℃に抑制、世界各国が表明している国別の削減公約やネットゼロ目標が、期限通りにすべて達成されると仮定したシナリオ |
| 物理シナリオ | ①RCP1.9/SSP1-1.9:1.0〜1.8℃上昇(平均1.4℃) パリ協定の「1.5℃目標」達成に重点を置いた、最も意欲的な持続可能シナリオ ②RCP2.6/SSP1-2.6: 1.3〜2.4℃上昇(平均1.8℃) 21世紀末までに気温上昇を2℃未満に抑えることを目指す地球温暖化対策シナリオ |
| シナリオ分析に用いた 気候関連のシナリオ | 関連するシナリオ | 各シナリオの概要 |
| 4℃シナリオ | 移行シナリオ | STEPS(Stated Policies Scenario):50%の確率で2.4℃上昇 世界各国が現在すでに実施している政策や、公表済みの具体的な施策のみが継続すると仮定した、現状趨勢(ベースライン)シナリオ |
| 物理シナリオ | ①RCP8.5:基準年(1986〜2005年)比:2.6〜4.8℃上昇(平均3.7℃) IPCC第5次評価報告書(AR5)における最高位の排出シナリオ。有効な温暖化対策をとらなかった場合の推移を想定 ②SSP5-8.5:3.3〜5.7℃上昇 (平均4.4℃) 産業革命前比IPCC第6次評価報告書(AR6)における最高位の排出シナリオ 化石燃料依存型の経済発展が続いた最悪のケースを想定 | |
| 上記のシナリオ群に基づき、気候関連の移行リスク・物理的リスクの識別及び関連性を考慮している。 | ||
エ.気候変動に関する最新の国際協定と整合するシナリオの使用
IEAのWEO2025のシナリオ及びIPCCにおけるRCP、SSPの規格を踏まえた上で、脱炭素社会に向けた政策・技術・市場等が着実に移行し、パリ協定に基づく21世紀末の地球の平均気温上昇を産業革命前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃程度に抑えるシナリオを使用している。
オ.気候関連の変化、進展又は不確実性に対する気候関連のレジリエンスの評価と選択した気候関連のシナリオとの関連性
識別された気候関連のリスク・機会及び各種指標・目標の設定について、IEAやIPCC等の世界的なイニシアティブが公表する複数シナリオを踏まえたレジリエンス評価を実施している。外部環境のベンチマーク分析に基づくシナリオ規格に加え、当社グループの戦略やビジネス・モデルに関する定性的・定量的な評価を総合的に勘案した結果、このアプローチが最適であると判断した。
ⅱ シナリオ分析に使用した時間軸
気候関連のシナリオ分析を実施した重要な産業の時間軸を次のように設定している。
| 時間軸 | 期間と概要 |
| 短期・中期 | 2030年まで(現在の経営計画や事業戦略の影響を反映する期間) |
| 長期 | 2040年~2050年まで(脱炭素社会への移行など、長期的なリスク・機会を評価する期間) |
ⅲ シナリオ分析に用いた事業の範囲
| 事業 | 対象地域 |
| 国内土木事業、国内建築事業、その他の事業 | 日本 |
| 海外建設事業 | 台湾 |
ⅳ シナリオ分析の前提とした主要な仮定
ア.事業を営む法域における気候関連の政策
国内における建設事業が展開されている法域の気候関連政策の概要について、IEAのWEO2025に基づき把握している。
各法域における気候関連の政策の概要については、IEAのWEO2025の主要国の気候関連政策の記載を参照している。
| シナリオ | 概要 |
| 現行政策シナリオ | 日本の具体的な省エネ規制の強化内容 ・2025年〜2027年の「トップランナー制度」の見直しに伴い、エアコン、給湯器、窓ガラス、テレビに対して、「最低エネルギー性能基準(MEPS)」が設定される。 ・2022年に改正された「建築物省エネ法」に基づき、今後はすべての新築の建物に対して、新しく改定された省エネ基準を満たすことが完全に義務化される。 |
| 表明された政策シナリオ | 日本が表明している普及促進策 ・「住宅省エネキャンペーン」の一環として、断熱改修工事及び高効率給湯器に対する補助金が導入される。 ・家電製品及び建築物に関する既存の効率規制が延長及び強化される。 |
イ.マクロ経済のトレンド
IEAのWEO2025に基づくマクロ経済のGDP成長率を、当社グループが事業を展開しているマクロ経済のトレンドとして考慮している。
| 対象地域 | 対象期間及び経済成長率(年率) |
| 日本 | 2024年~2035年:0.6%、2035年~2050年:0.7% |
| アジア太平洋 | 2024年~2035年:3.9%、2035年~2050年:2.8% |
ⅴ シナリオ分析を実施した報告期間
シナリオ分析を2025年度に実施している。
(気候レジリエンスの評価)
ⅰ 気候関連のシナリオ分析の結果が企業の戦略及びビジネス・モデルに対する評価へ与える影響とその対応
⑥に記載のシナリオ分析を踏まえた上で、気候変動のリスク・機会を識別している。
また、識別されたリスク・機会のビジネス・モデルへの影響については、2025年度、短期から長期における財務的影響額を踏まえた上で、気候変動のリスクの軽減、機会の拡大に向けた対応策を気候移行計画等に基づき実施している。
なお、気候変動における識別されたリスク・機会の項目についての再評価を、定性・定量の両面から毎年実施する予定である。
ⅱ 気候レジリエンスの評価において考慮された重大な不確実性の領域
当社グループは、気候レジリエンス評価における重大な不確実性の領域を日本及び台湾と捉えている。当該地域は、当社のビジネス・モデルやバリュー・チェーンにおいて、気候関連のリスクと機会が物理的・構造的に集中する地理的領域である。
ⅲ 気候変動に対して、短期、中期及び長期にわたり戦略及びビジネス・モデルを調整する能力
ア.気候関連のシナリオ分析において識別された影響に対応するための、既存の金融資源の利用可能性及び柔軟性
気候変動における識別されたリスク・機会の項目についての再評価を今後、定性・定量の両面から毎年実施し、気候変動のリスクの軽減、機会の拡大に向けた投資計画及び対応策を気候移行計画と合わせて変更していく予定である。
また、具体的な今後のレジリエンス対応策と機会の拡大に向けたアクションプランの概要については、⑤ ⅰ「気候移行計画の概要」の3から5に記載している。
イ.自社グループにおける既存の資産を再配置、別の目的へ再利用、性能向上又は廃棄する企業の能力
毎年実施予定の再評価の結果に基づき、顕在化したリスクに対する対応策として、既存の固定資産等の再配置、除却、廃棄等を実施する可能性がある。(注)
(注)2025年度、短期においては、顕在化したリスクに対する対応策として、既存の固定資産等の再配置、除却、廃棄等を実施する計画はない。
ウ.気候関連の緩和・適応・機会に対する投資とその影響
気候変動リスク及び機会の再評価に基づき、気候レジリエンス強化に向けた投資や計画の継続的な見直しにより、リスクに伴う財務的影響の最小化と、機会獲得による財務的効果の最大化が、今後段階的に顕在化していくものと見込んでいる。