有価証券報告書-第89期(2025/04/01-2026/03/31)
(2)人的資本における戦略
「熊谷組グループ 中期経営計画(2024~2026年度)」において、60億円規模の人財投資を計画している。持続可能な人員体制を構築するための採用活動、次世代を見据えた社員のスキルアップやキャリアパスの充実を支援するための人財育成、社員のモチベーションアップのための報酬水準の向上、社員が安心して働くことができる職場環境の整備等に注力し、これらの取組みを通じて、社員の意欲や誇り、自信を高め、従業員エンゲージメントの向上、組織力の向上、そして人財価値の最大化を図る。
① 人財採用について
組織の活性化を図り、世代間の人員構成のバランスを整えるとともに、社員の高齢化による離職リスクに備えるため、ダイバーシティを意識した採用活動を行っている。事業環境の変化や業績の見通しに基づき、5年後・10年後の人員数・職種構成・年齢分布を考慮した採用計画を策定し、技術力及び競争力の維持・向上を図る。新卒採用においては、入社後のミスマッチを防ぐため、インターンシップ等の就業体験や現場見学会をはじめ、社員との面談や若手社員との座談会等を積極的に行い、将来を担う人財の獲得に注力している。また、キャリア採用においては、事業戦略に基づき、注力すべき分野に必要な専門スキルを備えている即戦力人財の確保に努めている。なお、一度退職した元社員を、本人の希望により再雇用し、再び当社で活躍してもらう「ジョブリターン制度」を設けている。

② 人財育成について
社員が自らの業務に必要な知識を蓄え、技術を磨き、事業環境の変化に柔軟に対応できる能力を身につけることは、キャリア形成において不可欠である。育成指針となる人財育成計画のもと、「自らを高め、未来をつくり、人を支える」、そのような人財に成長することを目指して様々な取組みを行っている。

ⅰ 資格取得、社外教育の支援
技術士や一級建築士等の公的資格の取得を奨励している。受験者には補講や模試を提供する等、社員の自発的なスキルアップを支援している。
ⅱ 人事評価や業務遂行におけるコミュニケーション
社員は上司と期首に目標設定面談、中間期に進捗確認面談、期末に自己評価確認面談、さらに評価結果についてのフィードバック面談を行う。また、将来の職場配置や能力開発の希望は「キャリアプラン申告」として、社内の申請システムからいつでも上司を通さず、人事部へ提出することができる。
ⅲ 高い研修受講率の実現
社員が研修を受講する際には、本人への案内とは別に、あらかじめ所属の本部長・支店長及び上司にも通知し、研修に参加しやすい雰囲気づくりに取り組んでいる。
③ 従業員エンゲージメントについて
ⅰ エンゲージメント調査の実施
当社は、持続的な成長の原動力は「人」であると考え、従業員エンゲージメントの向上を経営の重要課題と位置づけている。2023年度に開始し、年に1回行っているエンゲージメント調査では、回答率100%を2024年度に達成、2025年度も維持している。調査結果については、全産業平均を上回る総合スコアとなり、全支店でスコアが向上するなど前向きな変化が生まれている。同様の調査はグループ会社でも実施しており、グループ一体となって、やりがいと誇りを持てる環境づくりに取り組んでいる。今後も社員の貢献意欲を高めるとともに、顕在化した課題に対するサポート強化や制度見直しの検討を進める。2026年度は、2025年度に達成したエンゲージメントレーティングの基準点、「BB(52点)」の維持を確実に目指すとともに、「BBB(55点)」への到達を見据え、エンケージメント向上に努める。
ⅱ 中間層によるディスカッションの実施
エンゲージメント調査から、比較的人数が少なく、業務の責任が重くなる年齢でもある中間層(36 ~ 40歳)のスコアが相対的に低くなっていることが判明した。この課題の解決に向けて、中間層の管理本部社員をパネラーに招き、ディスカッションを実施した。相談しやすい雰囲気や裁量ある業務遂行が働きやすさにつながる一方で、業務の属人化、部門間の連携、評価・処遇の納得感、方針浸透などが課題として共有された。今後は、業務の可視化とマニュアル整備、定期的な情報共有、本社・支店間のローテーションや交流機会の拡充等、多くの意見が交わされた。


④ ダイバーシティ
当社は性別、年齢、国籍、性自認・性的指向(LGBTQ+)、障がいの有無等にかかわらず、すべての人が活き活きと働くことができる職場環境の実現に取り組み、ダイバーシティ、働き方改革の推進による業績の向上を目指している。
ⅰ 推進体制
当社は、管理本部長を委員長とし各部門の代表者で構成する「ダイバーシティ推進部会」を設置し、さらに本部・支店・グループ会社よりダイバーシティ推進担当者を選任して推進体制を構築し、全社横断型でダイバーシティ及び働き方改革を推進している。当社のダイバーシティ推進部はそれらの運営や実効性を高める役割を担っており、人財活躍推進と働き方改革推進を統合して取り組んでいる。

ⅱ 女性が活躍できる職場
当社は女性活躍推進法に基づく第五次行動計画(2026年4月~2030年3月)を策定した。定量的な目標として以下を掲げている。
・新卒採用者に占める女性の割合を25%以上とする
・管理職に占める女性の割合を8%以上とする
・子の出生に伴う男性の休暇(配偶者出産時特別有給休暇、出生時育児休業、育児休業)取得率を90%以上及び男性育児休業取得日数を平均30日以上とする
また、第四次行動計画(2023年1月~2026年3月)では、定量的な目標として以下の3点を掲げ、実行した。
女性活躍推進行動計画の実績(第四次行動計画)
ダイバーシティ推進の取組み開始以来、11年間で女性管理職数は11名から97名と8.8倍、女性技術者も63名から178名と2.8倍になった。男性の両立支援制度の利用も増加している。長時間労働は改善され、月平均時間外労働は、社員一人当たり31.7時間減少する成果を上げた。
多様な働き方を実現するための制度導入の一環として、2021年に社内で不妊治療に関するアンケートを実施した。社員の声を取り入れた男女ともに利用可能な不妊治療休暇制度及び治療に専念することができる休業制度を導入した。さらに、2023年にはベビーシッター利用時の費用補助制度を、2025年には治療と通院が必要な社員が仕事との両立ができる制度を導入した。また育児と介護の両立支援のため、介護個別相談会、子育て中の女性技術者交流会を実施している。
ⅲ 障がい者雇用の現状
2024年度は各本部に1名ずつ障がいのある社員を採用し、業務に慣れるまでは専門支援機関と連携して定期面談を行う等、職場定着に向けたサポート体制に注力した。2025年度は各支店においても採用活動を促進させるため、管理本部より採用要請をするとともにダイバーシティ推進部による採用に関するサポートや情報提供を積極的に行った。さらに、障がいのある社員の教育担当者には、障がい者支援に関する基礎研修への参加を促し、誰もが安心して働ける職場環境の整備を進めている。
ⅳ LGBTQ+に関する取組み
2024年度、同性パートナーや事実婚の社員も社内制度を利用できるよう「ファミリーシップ制度」を導入した。「同性パートナー」及び「事実婚のパートナー」(以下、パートナー)に配偶者(法律上の婚姻関係にあるもの)と同等の福利厚生や規程を適用し、会社が認めたパートナーの子を、社内制度上「家族」として認めている。
ⅴ 定年再雇用の状況
定年退職後65歳までの継続雇用制度を運用し、働く意欲のある定年退職者の雇用維持に努めている。2026年4月現在の在籍者は301名で、豊富な経験や知識、卓越した技術を活かして活躍している。
⑤ 健康経営について
社員の健康を何よりの経営資源と捉え、本社に健康推進室を設置し、全支店の産業医並びに健康推進担当者と連携して、社員の健康を全面的にサポートする体制を整えている。また、社員健康推進計画を年度毎に策定し、PDCAサイクルによるスパイラルアップを図った健康推進活動を行っている。当社は優良な健康経営を実践している法人として、経済産業省が創設した「健康経営優良法人」の認定を10年連続で取得している。
ⅰ ハイリスク者への取組み
社員の健康診断結果はすべて産業医による入念なチェックが行われ、フォローが必要な社員には受診や面談の勧奨、継続的なサポートを行っている。また、長時間労働による脳・心臓疾患やメンタルヘルス不調を防止するため、対象者への疲労蓄積度チェックと希望者への産業医面談を毎月欠かさず行っている。そのほかにも特殊な労働環境下にある職場に対しては、産業保健専門職による訪問や面談等、特別なフォローアップを行っている。
・社員健康推進計画(2026年度)
①社員の業務災害防止に向けた取組み
②労働時間の把握ならびにハイリスク者へのアプローチ
③一般健康診断の実施ならびにハイリスク者へのアプローチ
④ストレスチェックの実施ならびにハイリスク者へのアプローチ
⑤個別事例における取組み
⑥社員の身体的・精神的・社会的な健康の保持増進に向けた取組み
ⅱ メンタルヘルスに関する取組み
個別事例対応やストレスチェック(80項目)を通じた組織改善の提案、セルフケアとラインケアを中心とした階層別の社員研修等の実施、社員が安心して業務に専念できるよう、休職・復職に関する明確な基準と手厚いサポート体制の整備を行っている。
休職者対応においては、「休業と復職に関するハンドブック」を当該社員に配付し、必要な手続きや給与等を明確に伝えている。また、休職者には月に一度、会社(管理部・上司・産業医・保健師)が連絡を取り、復職基準や期間、給与に関する情報提供と状況確認を行っている。復職に際しては、主治医に当社の復職基準を事前に共有し、理解を促すことで、円滑な復職を支援している。また、本人からの復職の意思表示と主治医による当社指定の復職診断書の提出を求めることで、認識のずれをなくしている。
さらに、スムーズな職場復帰を支援するため、復職する際には約1か月間の試し出勤制度を導入し、勤務状況を丁寧に確認している。加えて、経済的な不安を軽減するためにGLTD(団体長期障害所得補償保険)制度を導入することで、休職期間中の所得を補償し、社員の経済的な安定をサポートしている。
⑥ 働き方改革の推進について
2024年度からの建設業における時間外労働の上限規制適用を受けて、当社は2023年度より年度毎に「働き方改革アクションプラン」を策定し、業務効率化と労働時間短縮に継続的に取り組んでいる。
2025年度については、労働時間の抑制に向けた成果が着実に出ている一方で、竣工間際の業務集中や突発的な事象による労働時間が増加した事例もあった。こうした状況を鑑み、2026年度の働き方改革アクションプランには「組織的なバックアップ体制」のさらなる強化を重点施策に掲げている。
また、社員のワークライフバランス向上につながる休日・休暇の取得についても、最前線で働く社員が安心して休暇を取得できるよう、休日取得の徹底及び作業所の閉所に向けた取組みを、全社的な最優先事項として推進する。
「働き方改革アクションプラン」は、社員一人ひとりの健康確保とワークライフバランスの向上を目指す行動計画と位置づけ、誰もが心身ともに健やかに、誇りを持って働ける環境を構築していく。
「熊谷組グループ 中期経営計画(2024~2026年度)」において、60億円規模の人財投資を計画している。持続可能な人員体制を構築するための採用活動、次世代を見据えた社員のスキルアップやキャリアパスの充実を支援するための人財育成、社員のモチベーションアップのための報酬水準の向上、社員が安心して働くことができる職場環境の整備等に注力し、これらの取組みを通じて、社員の意欲や誇り、自信を高め、従業員エンゲージメントの向上、組織力の向上、そして人財価値の最大化を図る。
① 人財採用について
組織の活性化を図り、世代間の人員構成のバランスを整えるとともに、社員の高齢化による離職リスクに備えるため、ダイバーシティを意識した採用活動を行っている。事業環境の変化や業績の見通しに基づき、5年後・10年後の人員数・職種構成・年齢分布を考慮した採用計画を策定し、技術力及び競争力の維持・向上を図る。新卒採用においては、入社後のミスマッチを防ぐため、インターンシップ等の就業体験や現場見学会をはじめ、社員との面談や若手社員との座談会等を積極的に行い、将来を担う人財の獲得に注力している。また、キャリア採用においては、事業戦略に基づき、注力すべき分野に必要な専門スキルを備えている即戦力人財の確保に努めている。なお、一度退職した元社員を、本人の希望により再雇用し、再び当社で活躍してもらう「ジョブリターン制度」を設けている。

② 人財育成について
社員が自らの業務に必要な知識を蓄え、技術を磨き、事業環境の変化に柔軟に対応できる能力を身につけることは、キャリア形成において不可欠である。育成指針となる人財育成計画のもと、「自らを高め、未来をつくり、人を支える」、そのような人財に成長することを目指して様々な取組みを行っている。

ⅰ 資格取得、社外教育の支援
技術士や一級建築士等の公的資格の取得を奨励している。受験者には補講や模試を提供する等、社員の自発的なスキルアップを支援している。
ⅱ 人事評価や業務遂行におけるコミュニケーション
社員は上司と期首に目標設定面談、中間期に進捗確認面談、期末に自己評価確認面談、さらに評価結果についてのフィードバック面談を行う。また、将来の職場配置や能力開発の希望は「キャリアプラン申告」として、社内の申請システムからいつでも上司を通さず、人事部へ提出することができる。
ⅲ 高い研修受講率の実現
社員が研修を受講する際には、本人への案内とは別に、あらかじめ所属の本部長・支店長及び上司にも通知し、研修に参加しやすい雰囲気づくりに取り組んでいる。
③ 従業員エンゲージメントについて
ⅰ エンゲージメント調査の実施
当社は、持続的な成長の原動力は「人」であると考え、従業員エンゲージメントの向上を経営の重要課題と位置づけている。2023年度に開始し、年に1回行っているエンゲージメント調査では、回答率100%を2024年度に達成、2025年度も維持している。調査結果については、全産業平均を上回る総合スコアとなり、全支店でスコアが向上するなど前向きな変化が生まれている。同様の調査はグループ会社でも実施しており、グループ一体となって、やりがいと誇りを持てる環境づくりに取り組んでいる。今後も社員の貢献意欲を高めるとともに、顕在化した課題に対するサポート強化や制度見直しの検討を進める。2026年度は、2025年度に達成したエンゲージメントレーティングの基準点、「BB(52点)」の維持を確実に目指すとともに、「BBB(55点)」への到達を見据え、エンケージメント向上に努める。
| <2025年度の主な取組み> |
| ・処遇改善に関する施策の実施:継続的な給与のベースアップや特別賞与の支給 |
| ・エンゲージメントの低い中間層によるディスカッションと施策の検討、サポート強化 |
| ・部署間・世代間のコミュニケーションの活性化に寄与する親睦イベントの実施 |
| ・ジョブローテーションによる業務の標準化・ナレッジの共有(4・5年次を対象とするローテーション制度) |
| ・外部講師によるエンゲージメント向上に関する講習会の開催 |
| ・各支店長の評価項目にエンゲージメントスコアを設定 |
ⅱ 中間層によるディスカッションの実施
エンゲージメント調査から、比較的人数が少なく、業務の責任が重くなる年齢でもある中間層(36 ~ 40歳)のスコアが相対的に低くなっていることが判明した。この課題の解決に向けて、中間層の管理本部社員をパネラーに招き、ディスカッションを実施した。相談しやすい雰囲気や裁量ある業務遂行が働きやすさにつながる一方で、業務の属人化、部門間の連携、評価・処遇の納得感、方針浸透などが課題として共有された。今後は、業務の可視化とマニュアル整備、定期的な情報共有、本社・支店間のローテーションや交流機会の拡充等、多くの意見が交わされた。


④ ダイバーシティ
当社は性別、年齢、国籍、性自認・性的指向(LGBTQ+)、障がいの有無等にかかわらず、すべての人が活き活きと働くことができる職場環境の実現に取り組み、ダイバーシティ、働き方改革の推進による業績の向上を目指している。
ⅰ 推進体制
当社は、管理本部長を委員長とし各部門の代表者で構成する「ダイバーシティ推進部会」を設置し、さらに本部・支店・グループ会社よりダイバーシティ推進担当者を選任して推進体制を構築し、全社横断型でダイバーシティ及び働き方改革を推進している。当社のダイバーシティ推進部はそれらの運営や実効性を高める役割を担っており、人財活躍推進と働き方改革推進を統合して取り組んでいる。

ⅱ 女性が活躍できる職場
当社は女性活躍推進法に基づく第五次行動計画(2026年4月~2030年3月)を策定した。定量的な目標として以下を掲げている。
・新卒採用者に占める女性の割合を25%以上とする
・管理職に占める女性の割合を8%以上とする
・子の出生に伴う男性の休暇(配偶者出産時特別有給休暇、出生時育児休業、育児休業)取得率を90%以上及び男性育児休業取得日数を平均30日以上とする
また、第四次行動計画(2023年1月~2026年3月)では、定量的な目標として以下の3点を掲げ、実行した。
女性活躍推進行動計画の実績(第四次行動計画)
| 定量的目標 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |
| 新卒採用者に占める女性割合を25%以上 | 29.1% | 21.0% | 23.5% | |
| 新任女性管理職比率を新任管理職の7%以上 | 25.0% | 32.1% | 32.3% | |
| 子の出生に伴う男性の休暇取得率70%以上 | 75.6% | 89.4% | 88.6% | |
| 男性育児休業取得率+配偶者出産時特別有給休暇取得率 | 75.6% | 89.4% | 88.6% | |
| 男性育児休業取得率 | 57.8% | 76.6% | 77.3% | |
| 配偶者出産時特別有給休暇取得率 | 53.3% | 55.3% | 70.5% | |
ダイバーシティ推進の取組み開始以来、11年間で女性管理職数は11名から97名と8.8倍、女性技術者も63名から178名と2.8倍になった。男性の両立支援制度の利用も増加している。長時間労働は改善され、月平均時間外労働は、社員一人当たり31.7時間減少する成果を上げた。
多様な働き方を実現するための制度導入の一環として、2021年に社内で不妊治療に関するアンケートを実施した。社員の声を取り入れた男女ともに利用可能な不妊治療休暇制度及び治療に専念することができる休業制度を導入した。さらに、2023年にはベビーシッター利用時の費用補助制度を、2025年には治療と通院が必要な社員が仕事との両立ができる制度を導入した。また育児と介護の両立支援のため、介護個別相談会、子育て中の女性技術者交流会を実施している。
ⅲ 障がい者雇用の現状
2024年度は各本部に1名ずつ障がいのある社員を採用し、業務に慣れるまでは専門支援機関と連携して定期面談を行う等、職場定着に向けたサポート体制に注力した。2025年度は各支店においても採用活動を促進させるため、管理本部より採用要請をするとともにダイバーシティ推進部による採用に関するサポートや情報提供を積極的に行った。さらに、障がいのある社員の教育担当者には、障がい者支援に関する基礎研修への参加を促し、誰もが安心して働ける職場環境の整備を進めている。
ⅳ LGBTQ+に関する取組み
2024年度、同性パートナーや事実婚の社員も社内制度を利用できるよう「ファミリーシップ制度」を導入した。「同性パートナー」及び「事実婚のパートナー」(以下、パートナー)に配偶者(法律上の婚姻関係にあるもの)と同等の福利厚生や規程を適用し、会社が認めたパートナーの子を、社内制度上「家族」として認めている。
ⅴ 定年再雇用の状況
定年退職後65歳までの継続雇用制度を運用し、働く意欲のある定年退職者の雇用維持に努めている。2026年4月現在の在籍者は301名で、豊富な経験や知識、卓越した技術を活かして活躍している。
⑤ 健康経営について
社員の健康を何よりの経営資源と捉え、本社に健康推進室を設置し、全支店の産業医並びに健康推進担当者と連携して、社員の健康を全面的にサポートする体制を整えている。また、社員健康推進計画を年度毎に策定し、PDCAサイクルによるスパイラルアップを図った健康推進活動を行っている。当社は優良な健康経営を実践している法人として、経済産業省が創設した「健康経営優良法人」の認定を10年連続で取得している。
ⅰ ハイリスク者への取組み
社員の健康診断結果はすべて産業医による入念なチェックが行われ、フォローが必要な社員には受診や面談の勧奨、継続的なサポートを行っている。また、長時間労働による脳・心臓疾患やメンタルヘルス不調を防止するため、対象者への疲労蓄積度チェックと希望者への産業医面談を毎月欠かさず行っている。そのほかにも特殊な労働環境下にある職場に対しては、産業保健専門職による訪問や面談等、特別なフォローアップを行っている。
・社員健康推進計画(2026年度)
①社員の業務災害防止に向けた取組み
②労働時間の把握ならびにハイリスク者へのアプローチ
③一般健康診断の実施ならびにハイリスク者へのアプローチ
④ストレスチェックの実施ならびにハイリスク者へのアプローチ
⑤個別事例における取組み
⑥社員の身体的・精神的・社会的な健康の保持増進に向けた取組み
ⅱ メンタルヘルスに関する取組み
個別事例対応やストレスチェック(80項目)を通じた組織改善の提案、セルフケアとラインケアを中心とした階層別の社員研修等の実施、社員が安心して業務に専念できるよう、休職・復職に関する明確な基準と手厚いサポート体制の整備を行っている。
休職者対応においては、「休業と復職に関するハンドブック」を当該社員に配付し、必要な手続きや給与等を明確に伝えている。また、休職者には月に一度、会社(管理部・上司・産業医・保健師)が連絡を取り、復職基準や期間、給与に関する情報提供と状況確認を行っている。復職に際しては、主治医に当社の復職基準を事前に共有し、理解を促すことで、円滑な復職を支援している。また、本人からの復職の意思表示と主治医による当社指定の復職診断書の提出を求めることで、認識のずれをなくしている。
さらに、スムーズな職場復帰を支援するため、復職する際には約1か月間の試し出勤制度を導入し、勤務状況を丁寧に確認している。加えて、経済的な不安を軽減するためにGLTD(団体長期障害所得補償保険)制度を導入することで、休職期間中の所得を補償し、社員の経済的な安定をサポートしている。
⑥ 働き方改革の推進について
2024年度からの建設業における時間外労働の上限規制適用を受けて、当社は2023年度より年度毎に「働き方改革アクションプラン」を策定し、業務効率化と労働時間短縮に継続的に取り組んでいる。
2025年度については、労働時間の抑制に向けた成果が着実に出ている一方で、竣工間際の業務集中や突発的な事象による労働時間が増加した事例もあった。こうした状況を鑑み、2026年度の働き方改革アクションプランには「組織的なバックアップ体制」のさらなる強化を重点施策に掲げている。
また、社員のワークライフバランス向上につながる休日・休暇の取得についても、最前線で働く社員が安心して休暇を取得できるよう、休日取得の徹底及び作業所の閉所に向けた取組みを、全社的な最優先事項として推進する。
「働き方改革アクションプラン」は、社員一人ひとりの健康確保とワークライフバランスの向上を目指す行動計画と位置づけ、誰もが心身ともに健やかに、誇りを持って働ける環境を構築していく。