有価証券報告書-第95期(2023/04/01-2024/03/31)
(2)戦略
気候関連のリスク及び機会に関する分析及び方針、戦略
気候変動によって自社が被るリスクと機会の特定及び評価と対応策の検討にあたり、当社グループではIPCCやIEAが公表するシナリオを用いて、産業革命期頃の世界平均気温と比較して2100年頃までに4℃上昇する4℃シナリオと、パリ協定並びにCOP26での世界的合意を踏まえた1.5℃目標の達成を前提として、気温上昇が抑制される1.5℃シナリオ(2℃未満シナリオを含む)の2つのシナリオを設定し、それぞれの世界観における2030年時点での当社への影響について分析を実施した。
4℃シナリオにおいては台風や大雨をはじめとする異常気象の激甚化に伴う物理的リスクが拡大することによる直接的な被害が想定されるほか、慢性的な気温上昇により屋外での労働環境悪化による熱中症リスクの拡大や生産効率の低下をはじめとした影響を認識している。一方で、気象災害の被害防止・抑制を見据えた、防災減災工事需要の拡大も見込んでおり、事業機会ひいては社会貢献の可能性の1つとして捉えている。
1.5℃シナリオでも4℃シナリオと同様に物理的リスクが拡大する可能性も確認しているほか、脱炭素化への移行に向けた取り組みによる影響が大きくなると想定しており、炭素税の導入や再生可能エネルギー発電の導入による電力価格の高騰をはじめとした支出増加、サプライチェーンにおける同様の影響からのセメントや鉄原材料のコスト増が想定される。一方で、省エネ・再エネ需要の拡大からZEBの普及や再エネ関連工事の増加が見込まれ、積極的な関連工事への参画による事業機会を確認している。
これら分析結果に対する現在の取り組み状況として、リスクの回避及び緩和に向けた取り組みでは、カーボンニュートラルへの取り組みとして建設時のCO2排出量の削減やグリーン調達、本社ビル照明のLED化に随時取り組んでいるほか、2021年度には当社初のZEH-M建物が完成し、一般社団法人環境共創イニシアチブが公募する「ZEHデベロッパー」に登録されている。また異常気象災害の激甚化による作業所の防災対策や従業員の安全管理についてはBCP対策の策定と定期的な見直し、大規模災害を想定した定期的な訓練を実施するなど、対策を強化している。今後は中期経営計画でも見据えるカーボンニュートラルの達成に向けてより環境配慮の取り組みを強化すると共に、気候変動に対するレジリエンス性の強化に努める方針である。なお、年次での個別具体的な取り組みについては統合報告書にて報告している。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
当社は、従業員が会社の中長期的な企業価値の向上を支える重要な存在であるとの認識にたち、女性・外国人等の多様な人材が最大限の能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に努めている。また、企業行動憲章において、「あらゆる差別を行わず、等しく能力開発の機会、能力発揮の場を提供し、これを公正に評価、処遇することとしており、働き甲斐のある環境を確保します。」と定め、異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観を持つ人材の確保に努めている。
尚、女性管理職(役職者)は現在3名在席している。今後も企業行動憲章の方針に則り、特定の区分での人数等の具体的な目標は設定せず、従業員が最大限の能力を発揮できる職場環境の整備に努め、意欲と適性のある従業員を育成し、能力のある人材を管理職に登用していく方針である。
気候関連のリスク及び機会に関する分析及び方針、戦略
気候変動によって自社が被るリスクと機会の特定及び評価と対応策の検討にあたり、当社グループではIPCCやIEAが公表するシナリオを用いて、産業革命期頃の世界平均気温と比較して2100年頃までに4℃上昇する4℃シナリオと、パリ協定並びにCOP26での世界的合意を踏まえた1.5℃目標の達成を前提として、気温上昇が抑制される1.5℃シナリオ(2℃未満シナリオを含む)の2つのシナリオを設定し、それぞれの世界観における2030年時点での当社への影響について分析を実施した。
4℃シナリオにおいては台風や大雨をはじめとする異常気象の激甚化に伴う物理的リスクが拡大することによる直接的な被害が想定されるほか、慢性的な気温上昇により屋外での労働環境悪化による熱中症リスクの拡大や生産効率の低下をはじめとした影響を認識している。一方で、気象災害の被害防止・抑制を見据えた、防災減災工事需要の拡大も見込んでおり、事業機会ひいては社会貢献の可能性の1つとして捉えている。
1.5℃シナリオでも4℃シナリオと同様に物理的リスクが拡大する可能性も確認しているほか、脱炭素化への移行に向けた取り組みによる影響が大きくなると想定しており、炭素税の導入や再生可能エネルギー発電の導入による電力価格の高騰をはじめとした支出増加、サプライチェーンにおける同様の影響からのセメントや鉄原材料のコスト増が想定される。一方で、省エネ・再エネ需要の拡大からZEBの普及や再エネ関連工事の増加が見込まれ、積極的な関連工事への参画による事業機会を確認している。
| 項目 | 2030年における影響 | 現在の取り組み、対応方針 | ||||
| 種類 | 事象 | 4℃ | 1.5℃(2℃未満) | |||
| シナリオ | シナリオ | |||||
| 移行リスク | リスク | 政策・規制 | 日本国内での炭素税の導入による支出増加建設リサイクル法など資源循環規制の強化による対応コスト発生 | 小 | 大 | ・建設時のCO2排出量の削減目標設定及び削減努力の推進・全事業所及び作業工程における省エネ化の実施・一部の拠点への非化石証書付きの電力の導入・建設副産物の低減・3R運動、ゼロエミッション活動の実施 |
| 市場 | 石油需要の変化や炭素税の導入による原材料価格の高騰原油価格の上昇による燃料コストの高騰 | 中 | 大 | ・グリーン調達、グリーン購入の実施 | ||
| 機会 | 製品/サービス | ZEB、ZEH需要の拡大再生可能エネルギー由来発電需要の拡大 | 中 | 大 | ・バリューチェーンを通じたZEB・ZEH-Mの推進・大規模木造技術、CLT工法の推進・オンサイトPPAモデル事業の拡大 | |
| 物理リスク | リスク | 急性 | 自社拠点の被災による損害及び損失の発生サプライチェーンの寸断台風や豪雨・豪雪による工期の遅れ、営業停止 | 大 | 大 | ・事業継続計画の策定と見直し |
| 慢性 | 熱中症危険の増大と屋外作業効率の低下豪雨日数の増加に伴う工事遅延 | 大 | 中 | ・安全衛生方針の策定と管理徹底 | ||
| 機会 | レジリエンス | 防災・減災・復旧工事など適応ニーズの拡大気象災害等による災害復旧への貢献 | 中 | 中 | ・補強、環境整備工事の請負・復興工事の積極的参画 | |
| 参考元シナリオ | 4℃シナリオ | ・IPCC AR5 RCP8.5, RCP6.5 ・IEA WEO2021 Stated Polices Scenario・The 2°Investing Initiative/Limited Climate Transition Scenario | ||||
| 1.5℃(2℃未満)シナリオ | ・IPCC AR5 RCP2.6 ・IEA WEO2019 Sustainable Development Scenario・IEA WEO2021 Net Zero Emissions by 2050 Scenario・The 2°Investing Initiative/Ambitious Climate Transition Scenario | |||||
| 評価指標 | 大:中期経営計画における2024年度の営業利益目標に対して、±3%以上の影響があるもの中:中期経営計画における2024年度の営業利益目標に対して、±3%未満の影響があるもの小:影響無し、もしくは極めて影響が小さいもの※定性的な分析を行っている項目についても、上記閾値をもとに各参考元シナリオで報告されているパラメータ等を参考にインパクト規模を想定して評価。 | |||||
これら分析結果に対する現在の取り組み状況として、リスクの回避及び緩和に向けた取り組みでは、カーボンニュートラルへの取り組みとして建設時のCO2排出量の削減やグリーン調達、本社ビル照明のLED化に随時取り組んでいるほか、2021年度には当社初のZEH-M建物が完成し、一般社団法人環境共創イニシアチブが公募する「ZEHデベロッパー」に登録されている。また異常気象災害の激甚化による作業所の防災対策や従業員の安全管理についてはBCP対策の策定と定期的な見直し、大規模災害を想定した定期的な訓練を実施するなど、対策を強化している。今後は中期経営計画でも見据えるカーボンニュートラルの達成に向けてより環境配慮の取り組みを強化すると共に、気候変動に対するレジリエンス性の強化に努める方針である。なお、年次での個別具体的な取り組みについては統合報告書にて報告している。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
当社は、従業員が会社の中長期的な企業価値の向上を支える重要な存在であるとの認識にたち、女性・外国人等の多様な人材が最大限の能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に努めている。また、企業行動憲章において、「あらゆる差別を行わず、等しく能力開発の機会、能力発揮の場を提供し、これを公正に評価、処遇することとしており、働き甲斐のある環境を確保します。」と定め、異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観を持つ人材の確保に努めている。
尚、女性管理職(役職者)は現在3名在席している。今後も企業行動憲章の方針に則り、特定の区分での人数等の具体的な目標は設定せず、従業員が最大限の能力を発揮できる職場環境の整備に努め、意欲と適性のある従業員を育成し、能力のある人材を管理職に登用していく方針である。