有価証券報告書-第115期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)が判断したものです。
(1) 経営方針
当社グループは、道づくりのエキスパートとして歩んできた90余年にわたる建設技術をベースに、時代の変化や環境の変化に速やかに対応するため、「社是・社訓」に「スピードと徹底」を加え、「経営理念」のもと、「経営ビジョン」「経営基本方針」を掲げ、顧客満足度向上のための「道づくり」に誠実に取り組んでまいります。
《社是》
「創意研鑽」「協調親和」「信用高揚」
《社訓》
[スピードと徹底]
(2) 経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
①目標とする経営指標
当社グループは2019年5月に、当面5年間の基本方針と重点戦略を取り纏めた「中期経営計画2019(2019~2023年度)」を策定しました。
《日本道路グループを取り巻く事業環境》

1)経営戦略
当社グループの経営指標としては、収益の確保を確実なものにして、事業効率向上と株主価値の最大化を図るため、営業利益率を向上させることが企業価値の増大に繋がるものと考えております。
そのために、IT施工活用拡大による徹底した効率化、施工体制強化、技術系職員に対する技術・施工管理教育の強化により、工事利益率を向上させるとともに、組織のスリム化、機構改革、既存業務見直し、基幹システム更新により、人材を管理部門から生産部門へシフトすることで販管費を削減し、営業利益率を向上してまいります。
2)事業環境
東京オリンピック・パラリンピック、大阪・関西万博の開催もあり、維持補修工事は一定量あるものの、今後は官庁工事の発注量が右肩上がりに伸びていく時代ではなく、今後建設事業案件が集中する都市部を中心に、民間受注を拡大していく計画としております。
3)顧客動向
中央官庁の主要得意先となる国土交通省については、自然災害に対する国土強靭化の推進、また老朽・消耗によるインフラ機能維持投資により、今後も道路事業に対し一定量が発注されると考えております。
高速道路各社については、災害時の代替道路としての高速道路車線拡幅事業、また高速道路としての乗り心地維持のための舗装補修工事が今後も一定量が発注されると考えております。
民間市場については、2020年度迄は東京オリンピック・パラリンピック関連事業に牽引されてきましたが、今後も都市部の再開発、大阪・関西万博、IR関連の大型投資、また物流ネットワーク強化を目的とした拠点開発事業等があり、都市部を中心に成長が望めると考えております。
4)競合他社の状況
道路舗装業界は、中小事業者を含め市場には多くの競合が存在します。その中で、当社グループは大手道路舗装会社として、揺るぎない「技術力」で「道づくり」「街づくり」を通して「サステナブルな社会づくりに貢献するSDGs企業」を目指してまいります。
5)中期経営計画2019における重要課題
6)中期経営計画2019における成長投資方針
手元資金をベースに、安定的な経営基盤構築のため、成長分野に対し優先順位をつけ、スピード感を持って設備投資を実行してまいります。
2019~2023年(5ヵ年累計) 400億円
(内訳)
①建設事業投資 100億円
②製造・販売事業拠点整備投資 240億円
③営業拠点環境整備投資 40億円
④システム等情報投資 20億円
7)中期経営計画2019の目標(連結)
(単位:億円)
②設備投資計画
「中期経営計画2019」の成長投資方針に則り、建設事業投資、製造・販売事業拠点整備投資、営業拠点環境整備投資、システム等情報投資を実行してまいります。(2020年度実施ベースでは連結57億円を投資予定)
③技術研究開発
技術研究開発は、膨大な舗装ストックに対応した調査診断技術、低コストな維持メンテナンス技術とライフサイクルコスト低減に資する高耐久舗装技術の充実を推進してまいります。また、モビリティーイノベーションへの対応技術、ICT、IoTの活用による工事品質・生産性の向上、工事の安全対策、労働環境改善等の技術開発を中心に、幅広いニーズに的確に対応した研究開発を進めてまいります。
(3) 経営環境
当社グループの主要事業は舗装工事を中心とした建設事業であり、環境変化が激しい中、揺るぎない技術力をもって、都市型・地方型等各地域の実状に即したエリア戦略を策定し、市場競争力の強化を図っていくことが重要課題であると認識しております。また、当社グループである地域舗装会社との協働を通じて相乗効果を発揮し、さらには企業の成長戦略としてのM&Aにも前向きに取り組むべきであると考えております。
新型コロナウイルス感染症の収束時期は、2020年度第2四半期以降、地域及び業種の違いはあるものの、国内の経済活動は徐々に回復すると見込んでおります。
当社グループとしては、民間の得意先の設備投資実施時期の延期が想定され、工事受注時期が期首計画より遅れることが懸念されますが、期首から官庁工事を確実に受注し、手持工事量を確保するよう対応します。また、当社は期首時点で手持工事は64,331百万円(前事業年度比10.2%増)と例年に比べ多額であり、当社支店間及びグループ会社間で手持工事の工程等を調整することにより工事消化が順調に進むよう計画しております。
主要事業である舗装工事、土木工事の施工現場は概ね屋外で、「密閉空間」「密集場所」「密接場面」(3密)にはなりにくい状況であり、さらに感染防止策を徹底することにより、新型コロナウイルス感染拡大に対処してまいります。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響が長期間に及んだ場合には、2021年度以降の経営計画、中期経営計画について見直しが必要となる場合があるので、動向には注視してまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①企業倫理・法令順守の徹底について
当社は、全国において供給するアスファルト合材の販売価格に関する独占禁止法違反により、2019年7月30日に公正取引委員会から課徴金納付命令を受けました。このことを踏まえ、これまでの独占禁止法違反事件から得た教訓を風化させることなく確実に未来に繋げていくために、2019年8月9日開催の取締役会において、毎年7月30日を当社グループの「コンプライアンスの日」と定め、コンプライアンス活動の継続的徹底を図ることを決議しました。
(業務リスク管理体制の整備)
内部統制システム及びコンプライアンスを主管する業務リスク管理部を置き、各事業所を網羅した業務リスク管理体制を整備し、コンプライアンスの維持管理状況をモニタリングしています。2018年4月より、各支店に「支店業務リスク管理委員会」、各事業所に「業務リスク連絡会」を設け、法令順守をさらに徹底する体制を構築しています。
(内部通報窓口の整備)
社内窓口である「コンプライアンス相談窓口」、社外の専門会社による「日本道路企業倫理の窓口」、監査役が直接通報を受ける「監査役直通窓口」を設け、社内外から広く情報を募ることとしています。
(適正な受注活動のための業務運用方法の改善)
以下の通り、恒常的に受注活動の検証を行っています。
・同業者との接触における禁止事項の明示、同業者との打ち合わせなどの事前審査・結果確認
・営業職員の行動記録の報告書の確認
・公共入札に関する社内協議記録の整備・監査
・公共入札に関するモニタリングシステムの導入
(職員の意識改革の徹底と研修の強化)
2015年には、外部講師による独占禁止法の講習会を職域・階層別に実施した他、小冊子「独占禁止法順守の手引」を全役職員に配布し、独自に製作した映像教材を用いた勉強会を実施しました。2016年には、全職員が独占禁止法順守のe-ラーニング講座を受講しました。毎年定期的に開催する工事、製造・販売などの部門ごとの部長会議・所長会議では、コンプライアンス研修の時間を設けています。また、業務リスク管理担当者などを対象とした研修などを通じて、意識の啓発を図っています。
(社内監査・第三者監査の実施)
当社では、独占禁止法順守のための法務監査を毎年実施しており、業務リスク管理部が、各支店の支店長、営業部長、製販部長へのヒアリング並びに営業担当者の営業記録、同業者との打ち合わせ報告書、受注検討会資料、教育訓練記録などの閲覧を行い、他の事業者と共同することなく自主的に営業活動を行っていることを確認しています。また、2019年度からは、独占禁止法の順守状況を監視するために、第三者による定期的な監査も併せて実施しています。
(適切な組織・人事管理)
所属長、事業所長の定期的な人事異動を実施している他、独占禁止法違反を懲戒該当事項として就業規則に明記し、処分の厳格化を周知しています。
(役員事業所巡回会議の実施)
当社グループでは、従来より社長が年2回各支店を回り、「社長巡回会議」を開催し、独占禁止法違反に関して法令順守やコンプライアンスの徹底、労働環境改善など全社で取り組むべき課題について説明を行ってきました。
2019年度は、より多くの当社グループ職員を対象としたく、各取締役が手分けをして全国で43回「役員事業所巡回会議」を開催し、建設事業部門、製造・販売事業部門、地域舗装会社の多くの役職員が参加しました。従業員一人ひとりが求められている課題を理解し、毎日の業務の中で今年度の取り組みが組織の最前線まで浸透、促進できるようにしています。
②働き方改革の取り組み
当社は、従来より「従業員を大切にする会社」を経営ビジョンとして掲げ、従業員一人ひとりが「自身の人生を豊かに楽しく!」を実感できるよう、ワークライフバランスの充実を図る取り組みを続けております。持続可能な発展を目指すために、年間休日取得目標を定め、女性活躍推進、外国人の受入推進、障がい者雇用の推進を含めた人材確保・育成に取り組むとともに、情報化施工による工事現場での生産性の向上やモバイルパソコン、タブレット端末を導入し、業務の効率化等の施策と併せて、グループ一丸となって働き方改革をさらに推進してまいります。
③建設事業
重点実施事項としてエリア環境に適合した営業活動を実践し、受注を拡大します。得意先に対しての提案営業を強化し、スピードと攻めの姿勢に徹した民間営業を展開してまいります。人材育成については特に力を入れ若手技術者のスキルアップのための教育指導を強化し、技術の伝承に取り組んでまいります。
また、人命尊重を最優先に安全第一主義を徹底し、「質の高い仕事」をすることに徹して、企業価値を高める施策を確実に推進してまいります。中・小規模工事での情報化施工、ICTの活用度を高め、災害や事故の発生を抑止するとともに品質向上、コストダウンによる収益率の向上を目指します。業務改善による“働き方改革”を加速し、従業員に対し技術面、管理面の意識を高める指導を行うことにより次世代の担い手づくりを進めてまいります。
④製造・販売事業
製造・販売拠点のエリア戦略を展開し、エリア毎のシェア拡大を図ります。製品の品質保証ネットワークを構築し、合材センター・技術センター・支店・本社が一体となり、より良い品質の製品を提供することにより、顧客満足度の向上を図ってまいります。
また、都市部での拠点増設、地方部での効率化に繋がる統廃合・他社との共同企業体編成による拠点再配置を進めるとともに、コストダウン、省エネルギーや省資源化も進めてまいります。安全環境対策についても、効果的な技術開発と設備投資を引き続き実施してまいります。
⑤海外事業
成長拡大の余地があり、投資意欲も盛んな東南アジア地域において、当社は30余年の経験を有しており、現地法人を開設しているタイ・マレーシア並びに当社が拠点を有するミャンマーを中核拠点に、東南アジア地域へ進出している日系企業及び現地優良企業からの工事受注拡大を図ります。また、地域内で増大している交通インフラ需要(空港・道路・港湾・鉄道)に対する案件にも積極的に取り組んでまいります。
さらに、将来の収益源となる事業として、薄層・改質・排水性・再生等のアスファルト合材製造・販売事業に取り組むとともに、海外事業展開のための人材育成を強化します。現地法人においては、現地雇用職員のレベルアップに努め、ローカル化を一層推進し収益体制を強固なものにしてまいります。
⑥グループ事業
グループ会社の経営環境に応じたエリア戦略の実行による事業領域拡大、収益力強化と成長力底上げを実現するため、営業所・合材センター・地域舗装会社の連携を図るとともに、内部統制体制とICT環境の整備による効率化を進め、グループ支援体制の強化を図ってまいります。
⑦CSR経営
当社グループでは、「CSR」とは、経営理念を踏まえ誠実に経営を進め、本業を通じて社会に貢献し、企業の存在価値を高めていくプロセスであると考えております。社会や環境の変化に速やかに対応できるよう『スピードと徹底』を基本方針として、安全衛生・品質・環境の3つのマネジメントシステムの実行とその基盤となる内部統制の強化、コンプライアンスの徹底、情報セキュリティの確保によってCSR経営を推進しております。そして、「すべてのステークホルダーから『高い信頼を得る企業』」を目指し、社会の視点に立った、柔軟で創造的な企業風土を醸成し、SDGsの2030年のゴールに向けてサステナブルな社会づくりに貢献する企業として進化し続けることを当社グループ一丸となって目指してまいります。
⑧新型コロナウイルス感染拡大について
新型コロナウイルス感染症が世界的な流行となる中、当社グループでは全事業所の従業員を対象にテレワーク・時差出勤・直行直帰等を実行し、従業員の安全・健康の確保と感染の防止に努めております。
また、現在継続中の工事においては、緊急事態宣言発令後、政府・各自治体の方針を踏まえ、発注者と協議を行い、工事継続の可否を慎重に判断しております。
新型コロナウイルス感染拡大が日本経済に与える影響はリーマンショックを凌ぐと言われており、当社グループにおいても、企業の設備投資意欲の低下による影響を注視し、また下請協力会社の経営状況にも配慮していく必要があると考えております。資金繰りについては、自己資金、金融機関からの借入金の他、従来から金融機関とコミットメントライン契約の締結及びコマーシャル・ペーパー発行のための格付を取得するなど、必要に応じた資金調達方法を確保しております。
(1) 経営方針
当社グループは、道づくりのエキスパートとして歩んできた90余年にわたる建設技術をベースに、時代の変化や環境の変化に速やかに対応するため、「社是・社訓」に「スピードと徹底」を加え、「経営理念」のもと、「経営ビジョン」「経営基本方針」を掲げ、顧客満足度向上のための「道づくり」に誠実に取り組んでまいります。
《社是》
「創意研鑽」「協調親和」「信用高揚」
《社訓》
| 一、 | 創意を活かし | 技術の向上と業務の改善に努めよう |
| 一、 | 責任を自覚し | 緻密な計画と果断な実行に徹しよう |
| 一、 | 誠意を尽くし | 相互の協調と秩序の確立に努めよう |
| 一、 | 身心を健全にし | 明朗な職場と幸福な家庭を築こう |
| 一、 | 社業に専念し | 会社の繁栄を通じて社会に貢献しよう |
[スピードと徹底]
| 《経営理念》 | ![]() |
| CSR経営を推進することによって、社会から信頼され、存続を望まれる企業になるとともに、持続可能な社会づくりに貢献する | |
| 《経営ビジョン》 | |
| 「従業員を大切にする会社」 | |
| 「道路建設を通じて社会に貢献する」 | |
| 「コーポレートガバナンスの充実」 | |
| 《経営基本方針》 | |
| スピードと徹底を合言葉に、揺るぎない技術力で | |
| 「道づくり」「街づくり」に貢献するSDGs企業を目指す | |
(2) 経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
①目標とする経営指標
当社グループは2019年5月に、当面5年間の基本方針と重点戦略を取り纏めた「中期経営計画2019(2019~2023年度)」を策定しました。
《日本道路グループを取り巻く事業環境》

1)経営戦略
当社グループの経営指標としては、収益の確保を確実なものにして、事業効率向上と株主価値の最大化を図るため、営業利益率を向上させることが企業価値の増大に繋がるものと考えております。
そのために、IT施工活用拡大による徹底した効率化、施工体制強化、技術系職員に対する技術・施工管理教育の強化により、工事利益率を向上させるとともに、組織のスリム化、機構改革、既存業務見直し、基幹システム更新により、人材を管理部門から生産部門へシフトすることで販管費を削減し、営業利益率を向上してまいります。
2)事業環境
東京オリンピック・パラリンピック、大阪・関西万博の開催もあり、維持補修工事は一定量あるものの、今後は官庁工事の発注量が右肩上がりに伸びていく時代ではなく、今後建設事業案件が集中する都市部を中心に、民間受注を拡大していく計画としております。
3)顧客動向
中央官庁の主要得意先となる国土交通省については、自然災害に対する国土強靭化の推進、また老朽・消耗によるインフラ機能維持投資により、今後も道路事業に対し一定量が発注されると考えております。
高速道路各社については、災害時の代替道路としての高速道路車線拡幅事業、また高速道路としての乗り心地維持のための舗装補修工事が今後も一定量が発注されると考えております。
民間市場については、2020年度迄は東京オリンピック・パラリンピック関連事業に牽引されてきましたが、今後も都市部の再開発、大阪・関西万博、IR関連の大型投資、また物流ネットワーク強化を目的とした拠点開発事業等があり、都市部を中心に成長が望めると考えております。
4)競合他社の状況
道路舗装業界は、中小事業者を含め市場には多くの競合が存在します。その中で、当社グループは大手道路舗装会社として、揺るぎない「技術力」で「道づくり」「街づくり」を通して「サステナブルな社会づくりに貢献するSDGs企業」を目指してまいります。
5)中期経営計画2019における重要課題
| ①民間受注の拡大 | ②営業利益率の向上 | ③働き方改革の推進 |
| ④安全衛生目標の設定 | ⑤環境目標の設定 | ⑥コンプライアンスの徹底 |
6)中期経営計画2019における成長投資方針
手元資金をベースに、安定的な経営基盤構築のため、成長分野に対し優先順位をつけ、スピード感を持って設備投資を実行してまいります。
2019~2023年(5ヵ年累計) 400億円
(内訳)
①建設事業投資 100億円
②製造・販売事業拠点整備投資 240億円
③営業拠点環境整備投資 40億円
④システム等情報投資 20億円
7)中期経営計画2019の目標(連結)
(単位:億円)
| 2019年度 | 2020年度 | 2023年度 | ||
| 実績 | 目標 | 目標 | ||
| 建設事業受注高 | 1,263 | 1,270 | 1,370 | ・ROE 6.7% ・配当性向 30.0% |
| 建設事業売上高 | 1,202 | 1,225 | 1,330 | |
| 製造・販売事業売上高 | 209 | 215 | 235 | |
| その他売上高 | 74 | 70 | 75 | |
| 総売上高 | 1,486 | 1,510 | 1,640 | |
| 営業利益 | 75 | 80 | 100 | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 67 | 54 | 65 | |
②設備投資計画
「中期経営計画2019」の成長投資方針に則り、建設事業投資、製造・販売事業拠点整備投資、営業拠点環境整備投資、システム等情報投資を実行してまいります。(2020年度実施ベースでは連結57億円を投資予定)
③技術研究開発
技術研究開発は、膨大な舗装ストックに対応した調査診断技術、低コストな維持メンテナンス技術とライフサイクルコスト低減に資する高耐久舗装技術の充実を推進してまいります。また、モビリティーイノベーションへの対応技術、ICT、IoTの活用による工事品質・生産性の向上、工事の安全対策、労働環境改善等の技術開発を中心に、幅広いニーズに的確に対応した研究開発を進めてまいります。
(3) 経営環境
当社グループの主要事業は舗装工事を中心とした建設事業であり、環境変化が激しい中、揺るぎない技術力をもって、都市型・地方型等各地域の実状に即したエリア戦略を策定し、市場競争力の強化を図っていくことが重要課題であると認識しております。また、当社グループである地域舗装会社との協働を通じて相乗効果を発揮し、さらには企業の成長戦略としてのM&Aにも前向きに取り組むべきであると考えております。
新型コロナウイルス感染症の収束時期は、2020年度第2四半期以降、地域及び業種の違いはあるものの、国内の経済活動は徐々に回復すると見込んでおります。
当社グループとしては、民間の得意先の設備投資実施時期の延期が想定され、工事受注時期が期首計画より遅れることが懸念されますが、期首から官庁工事を確実に受注し、手持工事量を確保するよう対応します。また、当社は期首時点で手持工事は64,331百万円(前事業年度比10.2%増)と例年に比べ多額であり、当社支店間及びグループ会社間で手持工事の工程等を調整することにより工事消化が順調に進むよう計画しております。
主要事業である舗装工事、土木工事の施工現場は概ね屋外で、「密閉空間」「密集場所」「密接場面」(3密)にはなりにくい状況であり、さらに感染防止策を徹底することにより、新型コロナウイルス感染拡大に対処してまいります。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響が長期間に及んだ場合には、2021年度以降の経営計画、中期経営計画について見直しが必要となる場合があるので、動向には注視してまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①企業倫理・法令順守の徹底について
当社は、全国において供給するアスファルト合材の販売価格に関する独占禁止法違反により、2019年7月30日に公正取引委員会から課徴金納付命令を受けました。このことを踏まえ、これまでの独占禁止法違反事件から得た教訓を風化させることなく確実に未来に繋げていくために、2019年8月9日開催の取締役会において、毎年7月30日を当社グループの「コンプライアンスの日」と定め、コンプライアンス活動の継続的徹底を図ることを決議しました。
(業務リスク管理体制の整備)
内部統制システム及びコンプライアンスを主管する業務リスク管理部を置き、各事業所を網羅した業務リスク管理体制を整備し、コンプライアンスの維持管理状況をモニタリングしています。2018年4月より、各支店に「支店業務リスク管理委員会」、各事業所に「業務リスク連絡会」を設け、法令順守をさらに徹底する体制を構築しています。
(内部通報窓口の整備)
社内窓口である「コンプライアンス相談窓口」、社外の専門会社による「日本道路企業倫理の窓口」、監査役が直接通報を受ける「監査役直通窓口」を設け、社内外から広く情報を募ることとしています。
(適正な受注活動のための業務運用方法の改善)
以下の通り、恒常的に受注活動の検証を行っています。
・同業者との接触における禁止事項の明示、同業者との打ち合わせなどの事前審査・結果確認
・営業職員の行動記録の報告書の確認
・公共入札に関する社内協議記録の整備・監査
・公共入札に関するモニタリングシステムの導入
(職員の意識改革の徹底と研修の強化)
2015年には、外部講師による独占禁止法の講習会を職域・階層別に実施した他、小冊子「独占禁止法順守の手引」を全役職員に配布し、独自に製作した映像教材を用いた勉強会を実施しました。2016年には、全職員が独占禁止法順守のe-ラーニング講座を受講しました。毎年定期的に開催する工事、製造・販売などの部門ごとの部長会議・所長会議では、コンプライアンス研修の時間を設けています。また、業務リスク管理担当者などを対象とした研修などを通じて、意識の啓発を図っています。
(社内監査・第三者監査の実施)
当社では、独占禁止法順守のための法務監査を毎年実施しており、業務リスク管理部が、各支店の支店長、営業部長、製販部長へのヒアリング並びに営業担当者の営業記録、同業者との打ち合わせ報告書、受注検討会資料、教育訓練記録などの閲覧を行い、他の事業者と共同することなく自主的に営業活動を行っていることを確認しています。また、2019年度からは、独占禁止法の順守状況を監視するために、第三者による定期的な監査も併せて実施しています。
(適切な組織・人事管理)
所属長、事業所長の定期的な人事異動を実施している他、独占禁止法違反を懲戒該当事項として就業規則に明記し、処分の厳格化を周知しています。
(役員事業所巡回会議の実施)
当社グループでは、従来より社長が年2回各支店を回り、「社長巡回会議」を開催し、独占禁止法違反に関して法令順守やコンプライアンスの徹底、労働環境改善など全社で取り組むべき課題について説明を行ってきました。
2019年度は、より多くの当社グループ職員を対象としたく、各取締役が手分けをして全国で43回「役員事業所巡回会議」を開催し、建設事業部門、製造・販売事業部門、地域舗装会社の多くの役職員が参加しました。従業員一人ひとりが求められている課題を理解し、毎日の業務の中で今年度の取り組みが組織の最前線まで浸透、促進できるようにしています。
②働き方改革の取り組み
当社は、従来より「従業員を大切にする会社」を経営ビジョンとして掲げ、従業員一人ひとりが「自身の人生を豊かに楽しく!」を実感できるよう、ワークライフバランスの充実を図る取り組みを続けております。持続可能な発展を目指すために、年間休日取得目標を定め、女性活躍推進、外国人の受入推進、障がい者雇用の推進を含めた人材確保・育成に取り組むとともに、情報化施工による工事現場での生産性の向上やモバイルパソコン、タブレット端末を導入し、業務の効率化等の施策と併せて、グループ一丸となって働き方改革をさらに推進してまいります。
③建設事業
重点実施事項としてエリア環境に適合した営業活動を実践し、受注を拡大します。得意先に対しての提案営業を強化し、スピードと攻めの姿勢に徹した民間営業を展開してまいります。人材育成については特に力を入れ若手技術者のスキルアップのための教育指導を強化し、技術の伝承に取り組んでまいります。
また、人命尊重を最優先に安全第一主義を徹底し、「質の高い仕事」をすることに徹して、企業価値を高める施策を確実に推進してまいります。中・小規模工事での情報化施工、ICTの活用度を高め、災害や事故の発生を抑止するとともに品質向上、コストダウンによる収益率の向上を目指します。業務改善による“働き方改革”を加速し、従業員に対し技術面、管理面の意識を高める指導を行うことにより次世代の担い手づくりを進めてまいります。
④製造・販売事業
製造・販売拠点のエリア戦略を展開し、エリア毎のシェア拡大を図ります。製品の品質保証ネットワークを構築し、合材センター・技術センター・支店・本社が一体となり、より良い品質の製品を提供することにより、顧客満足度の向上を図ってまいります。
また、都市部での拠点増設、地方部での効率化に繋がる統廃合・他社との共同企業体編成による拠点再配置を進めるとともに、コストダウン、省エネルギーや省資源化も進めてまいります。安全環境対策についても、効果的な技術開発と設備投資を引き続き実施してまいります。
⑤海外事業
成長拡大の余地があり、投資意欲も盛んな東南アジア地域において、当社は30余年の経験を有しており、現地法人を開設しているタイ・マレーシア並びに当社が拠点を有するミャンマーを中核拠点に、東南アジア地域へ進出している日系企業及び現地優良企業からの工事受注拡大を図ります。また、地域内で増大している交通インフラ需要(空港・道路・港湾・鉄道)に対する案件にも積極的に取り組んでまいります。
さらに、将来の収益源となる事業として、薄層・改質・排水性・再生等のアスファルト合材製造・販売事業に取り組むとともに、海外事業展開のための人材育成を強化します。現地法人においては、現地雇用職員のレベルアップに努め、ローカル化を一層推進し収益体制を強固なものにしてまいります。
⑥グループ事業
グループ会社の経営環境に応じたエリア戦略の実行による事業領域拡大、収益力強化と成長力底上げを実現するため、営業所・合材センター・地域舗装会社の連携を図るとともに、内部統制体制とICT環境の整備による効率化を進め、グループ支援体制の強化を図ってまいります。
⑦CSR経営
当社グループでは、「CSR」とは、経営理念を踏まえ誠実に経営を進め、本業を通じて社会に貢献し、企業の存在価値を高めていくプロセスであると考えております。社会や環境の変化に速やかに対応できるよう『スピードと徹底』を基本方針として、安全衛生・品質・環境の3つのマネジメントシステムの実行とその基盤となる内部統制の強化、コンプライアンスの徹底、情報セキュリティの確保によってCSR経営を推進しております。そして、「すべてのステークホルダーから『高い信頼を得る企業』」を目指し、社会の視点に立った、柔軟で創造的な企業風土を醸成し、SDGsの2030年のゴールに向けてサステナブルな社会づくりに貢献する企業として進化し続けることを当社グループ一丸となって目指してまいります。
⑧新型コロナウイルス感染拡大について
新型コロナウイルス感染症が世界的な流行となる中、当社グループでは全事業所の従業員を対象にテレワーク・時差出勤・直行直帰等を実行し、従業員の安全・健康の確保と感染の防止に努めております。
また、現在継続中の工事においては、緊急事態宣言発令後、政府・各自治体の方針を踏まえ、発注者と協議を行い、工事継続の可否を慎重に判断しております。
新型コロナウイルス感染拡大が日本経済に与える影響はリーマンショックを凌ぐと言われており、当社グループにおいても、企業の設備投資意欲の低下による影響を注視し、また下請協力会社の経営状況にも配慮していく必要があると考えております。資金繰りについては、自己資金、金融機関からの借入金の他、従来から金融機関とコミットメントライン契約の締結及びコマーシャル・ペーパー発行のための格付を取得するなど、必要に応じた資金調達方法を確保しております。
