有価証券報告書-第75期(平成30年7月1日-令和1年6月30日)

【提出】
2019/09/27 10:44
【資料】
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【項目】
168項目

研究開発活動

当社グループでは、「誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する。」という経営理念のもと、技術を適切に活用することで、お客様の期待に応えるとともに、人々の安全で快適な生活環境を実現するために日々努力しております。
このための研究開発活動として、社会のニーズや技術の最新動向の把握に努め、また、必要とされる先端技術等の研究および開発に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,100百万円であります。
(コンサルタント国内事業、コンサルタント海外事業およびその他)
当事業分野における研究開発は、多様な建設コンサルティング・サービスに係わる課題について、中央研究所を拠点に積極的に取り組んでおります。
コンサルティングに関する技術開発では、研究開発計画の途中段階で、開発中の技術を部分的に実用化できる場合があります。そのため、修正リターンマップ法と呼ぶ手法により研究活動のモニタリングを実施しております。これにより研究計画を適切な段階で随時見直し、研究開発のスピードと実用化貢献度の向上を図っております。
当連結会計年度の主な研究開発は次のとおりであります。
(1) 数値解析技術の高度化および汎用ソフトアプリケーションの研究開発
管渠更生事業における自動設計ソフトウェアの開発、地理情報および水理・水文アプリケーションシステムNK-GIASの開発、2・3次元水理解析の実践的応用に関する研究。
(2) 国土防災に係わる研究開発
津波・高潮リスク評価技術の開発、地すべり対策工の耐震性能評価手法の開発、高精度土石流検知センサーの開発、リアルタイム防災シミュレーション技術の開発、自動降雨降灰量計の開発、地上型合成開口レーダーの応用研究、地下水位回復に伴う地盤隆起問題に関する研究。
(3) 気候変動対策に係わる研究開発
CO2地下貯留に関する多層流解析技術、気候変動に伴う水害リスクの低減に向けた局所気象予測、塩水化予測および地下水資源管理技術、生態系を含めた水環境管理シミュレータの開発、地球温暖化に伴う生物多様性保全のモニタリング・保全技術に関する研究。
(4) 社会資本の維持管理・更新に係る研究開発
コンクリート構造物の動的複数ひび割れ解析モデルの研究、社会資本施設のアセットマネジメントシステムに関する研究。
(5) 先端技術の研究・開発
洪水予測や地すべり斜面判読分野におけるAI技術の適用、IoT、ドローン、各種センサに関する技術動向調査と技術開発、環境DNA、レジリエンス技術等の研究。
(6) 教育機関および研究機関との技術交流
アジア工科大学、韓国電力研究院、台湾成功大学、中国清華大学、カンボジア工科大学、ミャンマー工学会、スリランカ国ペラデニア大学、英国ウォーリングフォード水理研究所、インド工科大学、台湾シノテック社、東京工業大学、ミャンマーヤンゴン工科大との技術交流活動の実施、2018年12月マレーシア工科大、2019年1月インドネシアガジャマダ大、2019年2月タイチュラロンコン大とのMOU締結。
当事業における研究開発費は787百万円であります。
(電力エンジニアリング事業およびエネルギー事業)
当事業分野における研究開発は、主としてパワー&デジタルビジネスユニットによって実施されております。
当連結会計年度の主な研究開発は次のとおりであります。
(1) 水車・発電機最適化設計手法の検討
複合領域最適化ツールを活用し、流れ特性、材料強度、電気効率の面から水車・発電機における最適化設計の手法の確立と効率向上を目指す研究。
(2) カプラン水車設計技術開発
低落差高比速度のカプラン水車をスイスの研究機関であるMhylabと共同開発し、設計技術を確立して事業領域の拡大を図る研究。
(3) 自社製蓄電システムの開発と製品化研究
これまでに取り組んできた蓄電システムに関する知見を活かし、マイクログリッドなどの当社のエネルギー事業に活用可能な自社製蓄電システムを開発する研究。
(4) 次世代エネルギー事業向けシステムの研究開発
エネルギー事業の領域拡大を目的とし、VPP(バーチャルパワープラント)構築実証や電気自動車活用に関する新たなシステムの開発を目指す研究。
当事業における研究開発費は313百万円であります。