有価証券報告書-第109期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 10:34
【資料】
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【項目】
174項目
(リスクと機会を特定するプロセス)
当社グループは、サステナビリティ推進会議の下に気候変動対応に係る全社横断的なワーキンググループ(以下、WG)を設置し、気候関連のリスクと機会の特定、影響度の分析及び対応に係る検討を行っております。
検討結果は、サステナビリティ委員会にて、分析の妥当性や追加対応の必要性等につき審議のうえ承認されます。その後取締役会に報告、監督される体制となっており、更に重要な事項については取締役会に付議し、審議のうえ決定しています。
(対象セクター/地域、財務計画への影響)
グループの全事業を対象に分析を行っております。また、財務への影響については、定性的な分析に加えて、一部可能なものについては定量的な影響額の算出を行っております。
(シナリオの説明、短期・中期・長期の視野)
分析に当たっては以下の2つのシナリオを設定し、影響の検討を行いました。

*1 IEA :International Energy Agency(国際エネルギー機関)
*2 IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)
また、短期、中期(2030年まで)、長期(2050年まで)の視点で検討を行いました。
(重要な影響を与える気候関連の課題、レジリエンス)
分析の結果、脱炭素社会への移行に伴う炭素税の導入や各種規制強化による建設原価の上昇、夏季平均気温の上昇に伴う労務不足及び気象災害の頻発・激甚化に伴う建設工事の遅延を重要なリスクとして特定いたしました。
一方で、ZEHや災害に強い住宅の需要拡大が、新築・リニューアル工事の受注機会拡大等につながる可能性があると分析しております。
また、分析結果の更新の都度、特定したリスク・機会に対する取り組み状況を整理し、その十分性や追加施策の必要性について検討を行っております。その結果、後述する「対応策」に記載のとおり、CO2排出削減の推進、機械化等による作業効率化の推進、関連する各種技術開発等に取り組んでいるところです。これらの取り組みを着実に進めることにより、リスクの影響最小化、機会の影響最大化を図り、当社グループのレジリエンスを高めてまいります。
なお、重要なリスクと機会及びその影響度と対応についての詳細は、次表をご覧ください。
(リスクと機会)
※「影響度」は2030年度における影響を評価したものです。

(対応策)
前表の「リスクと機会」に対する対応策は、次表のとおりです。

(長谷工グループのCO2削減計画(移行計画))
当社グループは、地球温暖化の防止に貢献するとともに、脱炭素社会への移行に伴うリスクの抑制及び機会の追求を図るため、以下の計画に従い、CO2排出量の削減に取り組んでいます。
1.2030年度までの計画
(1) Scope1・2*1(2030年度目標:2020年度比▲42%)
①Scope1
後述のとおり、当面はScope2の削減に優先的に取り組む方針ですが、2030年度目標の達成に向け、以下のとおり、Scope1の削減も進めてまいります。
a. 建設現場
建設現場で排出するScope1は、重機や運搬車両で使用する化石燃料の燃焼によるものです。アイドリングストップや重機・車両の適正整備、建設発生土の場内利用による運搬車両台数の削減等、従来から取り組んでいる省エネ活動の徹底に加え、更なる排出削減を目指し、低炭素燃料や電動フォークリフトの導入を推進しています。バックホウ等の大型重機の電動機種については商用化が進んでいないため、現状、試行段階に止まっていますが、普及状況を見つつ、2020年代後半に本格導入することを目指してまいります。
b. オフィス等
オフィス等で排出するScope1は、グループ各社の営業車両やシニア事業のお客様送迎用車両、シニア施設の調理・給湯設備等で使用する化石燃料の燃焼によるものです。アイドリングストップや車両の適正整備等、従来から取り組んでいる省エネ活動の徹底に加え、更なる排出削減を目指し、ハイブリッド車やEV車の導入を推進しており、2020年代後半にはEV車を本格導入することを目指してまいります。
②Scope2
当面、以下のとおり、Scope2の削減に優先的に取り組み、2026年度Scope2ゼロの実現を目指してまいります。なお、Scope2は、2020年度Scope1・2の36%を占めており、Scope2ゼロが実現すれば、2030年度のScope1・2削減目標(2020年度比▲42%)の達成に向け、大きく前進することになります。
a. 建設現場
2021年12月に、「長谷工グループ気候変動対応方針 ~HASEKO ZERO-Emission~」の策定と合わせて、建設現場で使用する電力の100%再エネ化を2025年末までに実現する旨の目標を公表しました。この目標に対する取組みは順調に進んでおり、当社の建設現場は2023年5月に、グループ各社の建設現場については2025年3月に100%再エネ化を実現しました。
b. オフィス等
グループ各社が利用しているオフィス、保有賃貸物件等についても、主要施設から順次、電力の再エネ化を進めています。賃借物件で電力の再エネ化が難しい施設について非化石証書購入による実質再エネ化を図ることも含め、段階的に排出削減を進め、2026年度にはScope2をゼロとすることを目指してまいります。
(2)Scope3*2(2030年度目標:2020年度比▲13%)
当社グループのScope3の大部分は、購入する建設資材等の製造過程までの排出(カテゴリ1)及び建設・開発した建物の入居者が日常生活で使用される電気やガスによる排出(カテゴリ11)であり、これらの削減に向け、以下のとおり取り組んでいます。
カテゴリ1は2020年度Scope3の33%、カテゴリ11は同60%。両カテゴリで合計93%を占めています。
① カテゴリ1
独自開発した環境配慮型コンクリート「H-BAコンクリート」について、グループ各社が開発主体の物件で採用を進める他、2030年度採用件数50%以上の目標を掲げ、事業主各社に対する採用提案を強化しています。また、木造活用の推進にも取り組んでいます。なお、カテゴリ1の削減には、建設資材のサプライヤーや事業主各社との協働が重要であり、引き続き、連携や提案を強化し、排出削減を目指してまいります。
② カテゴリ11
ZEH-Mの推進に取り組んでいます。特に、当社グループが主体となって開発する新築マンション(分譲・賃貸)については、2022年度設計着手分以降、全てZEH-M Oriented基準を満たしたものとしています。また、事業主各社に対しても、ZEH-M基準を満たす仕様の採用提案を強化しています。なお、カテゴリ11の削減には、事業主各社との協働が重要であり、引き続き、連携や提案を強化し、排出削減を目指してまいります。
*1 Scope1:燃料の燃焼等による直接排出Scope2:電気の使用等による間接排出
*2 Scope3:事業者の活動に関連するサプライチェーン排出
2.2050年度の目標達成に向けて
2050年度削減目標の達成に向けては、現在、各所で研究・開発が進められている(あるいは、今後、研究・開発が進められる)先進的な技術の活用が不可欠であると考えています。また、事業として実施していくうえでは、削減策が、マンション入居者様等、エンドユーザーのご意向に沿うものである必要があり、こうした面では、政府等による各種支援策等の政策動向も重要な要素になると考えています。自社グループでの研究・開発やステークホルダー各社との連携・協働を進めるとともに、こうした外部の動向も注視しつつ、具体的な削減策を検討してまいります。
3.計画の推進・管理体制
本CO2削減計画については、サステナビリティ推進会議の下に設置しているグループ全社横断のWGにおいて策定・推進しており、計画の内容は当社グループの取締役会まで報告し、承認を受けています。また、計画の進捗状況についても定期的に取締役会まで報告しています。なお、計画の内容については、社内外の環境の変化等を踏まえ必要があれば適宜、同様の手続きを経て見直しを実施してまいります。
CO2排出量削減ロードマップ

(社内炭素価格)
脱炭素の取り組みを促進するため、社内炭素価格を導入しています。
具体的には、グループ各社のCO2排出量を社内炭素価格にて金額に換算し、将来的に炭素税等を通じてのしかかる各社の負担を具現化して示すことにより、脱炭素の必要性についての意識を高め、取組みを促しています。
社内炭素価格の水準については、現状、CO2排出量1トンにつき21千円と設定しています。これは、国際エネルギー機関(IEA)の予測値(「NetZero by 2050」シナリオ、先進国、2030年)を円換算したもので、同予測値が更新された場合等には見直しを行います。
また、社内炭素価格を、脱炭素施策に関する投資等の判断基準として活用することについても、今後検討していきます。

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