有価証券報告書-第75期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/30 9:10
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【項目】
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度のわが国経済は、世界的な景気回復に伴う輸出の持ち直し、製造業における在庫調整の進展、経済対策による公共投資の増加、年度後半の円安等により、企業業績が過去最高水準で推移。企業収益の改善を背景として、雇用や所得環境の改善も続いており、個人消費は依然として横ばい圏で推移しているものの、緩やかな景気の回復が持続した。しかしながら、英国のEU離脱決定、欧州の政治情勢、米国新政権の通商政策、アジアや中東における紛争懸念等、政治的なリスク要因により、世界経済の先行き不透明感は増している。
国内建設市場においては、政府建設投資や民間住宅投資が増加したことに加え、製造業の合理化投資や更新投資、宿泊施設等の建設投資が下支えとなり、民間非住宅投資も底堅く推移しており、平成28年度の建設投資総額は52兆円に達した見込みである。今後も東京都心部での大型再開発や東京五輪に向けた建設投資の増加が期待されているが、賃貸住宅や分譲マンションの着工戸数減少による民間住宅投資の縮小が予想されるうえ、海外情勢に不透明感が残るなか、企業の設備投資に慎重な見方も拡大しており、引き続き予断を許さない受注環境が続いている。
このような状況のなか、当社グループは、第75期よりスタートした中期経営計画「中計77」の主要施策を確実に遂行し、足許の収益の維持拡大を図るとともに、今後の市場環境を見据えて、将来の礎となる強い競争力の構築に努めた。
その結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなった。
売上高は、建設事業1,156億77百万円(前年同期比1.6%増)に不動産事業他11億25百万円(前年同期比3.5%増)を合わせ、1,168億2百万円(前年同期比1.6%増)となった。
損益面においては、建設事業の工事採算の改善を図ったことにより、完成工事利益が増加した結果、営業利益は59億58百万円(前年同期比8.7%増)、経常利益は62億32百万円(前年同期比7.5%増)となった。また、法人税等合計5億71百万円の計上などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は55億44百万円(前年同期比39.1%増)となった。
(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。
セグメントの業績は次のとおりである。(セグメント間の内部売上高等を含めて記載している。)
なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業を基礎とした地域別セグメントを変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいている。
建設事業
日本
当社グループの建設事業の日本における受注高は、800億36百万円(前年同期比2.1%増)となった。
売上高は、745億25百万円(前年同期比1.6%増)となり、売上高の増加及び工事採算の改善などにより、営業利益は、32億8百万円(前年同期比4.3%増)となった。
東南アジア
当社グループの建設事業の東南アジアにおける受注高は、286億26百万円(前年同期比19.8%減)となった。
売上高は、411億77百万円(前年同期比1.5%増)となり、売上高の増加及び工事採算の改善などにより、営業利益は、21億78百万円(前年同期比10.9%増)となった。
不動産事業
日本
賃貸事業を中心とする不動産事業の日本における売上高は、10億15百万円(前年同期比0.1%増)となり、営業利益は、5億55百万円(前年同期比22.0%増)となった。
東南アジア
東南アジアにおける不動産事業の売上高は、0百万円となり、営業利益は、0百万円となった。
その他の事業
その他の事業については、売上高は、1億10百万円(前年同期比50.0%増)となり、営業利益は、15百万円(前年同期 営業損失7百万円)となった。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益61億51百万円を計上し、売上債権の増加、未成工事受入金の減少並びに未払又は未収消費税等の増減などがあったが、仕入債務の増加などにより、4億28百万円のプラス(前年同期は96億7百万円のプラス)となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入などがあったが、定期預金の預入による支出並びに有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出などにより、36億98百万円のマイナス(前年同期は8億44百万円のプラス)となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入及び社債の発行による収入などがあったが、短期借入金の減少及び長期借入金の返済による支出などにより、9億69百万円のマイナス(前年同期は22億44百万円のマイナス)となった。
この結果、当連結会計年度末の「現金及び現金同等物の期末残高」は、前連結会計年度末に比べ49億64百万円減少し、243億64百万円となった。