有価証券報告書-第88期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「最高の品質と最良のサービスで、お客様の感動を」を経営理念として制定しております。これは、「どのような時代・環境下においても、お客様の要望に的確にお応えし、そして喜んでいただける事を最大の喜び・明日への糧として、地域社会に貢献できる企業を目指す」という当社の思いを体現したものであります。
また、この経営理念を実現するため、以下の6つの経営方針の下、日々事業に取組んでおります。
・将来を見据えた人材育成
・たゆまぬ努力による品質の保持・管理
・全社を挙げての事故・災害の撲滅
・適切なコスト、適正な価格の追求
・遵守事項の厳格運用
・地球環境との共存共生
(2)経営環境についての経営者の認識
2020年は、社会全体が新型コロナウイルス感染症に大きく振り回される1年となりました。
複数回に及ぶ緊急事態宣言の発出による社会・経済活動の急速な萎縮とそれに伴う雇用・経済への影響、感染者の急激な増加による医療体制のひっ迫と混乱、国民的イベントであった東京オリンピックの1年延期など、経済面だけでなく社会全体にも深刻な影響を及ぼしました。しかし、コロナ禍の影響はこれだけでなく、社会全体が急速なデジタル化を強く意識せざるを得ない、一種の“パラダイムシフト”が起こるなど、変化への迅速な対応を強く意識させられる1年となりました。
建設業界においても、建設技術労働者の不足、生産性の向上、社会需要の変化への対応など、課題は山積しております。しかし、残念ながらこれらの課題に対する即効性のある解決策はなく、課題解決に向けた努力を着実に積み重ねていく他ありません。また、コロナ禍を始めとする様々な事象により、変化はより激しく、より速度を増しつつあり、限られたリソースを有効に活用し、課題解決への努力を続けていく必要があります。さらには環境への意識の高まり、持続可能な社会の実現に向けた取組みなど、SDGsをはじめとする全世界的に取組むべき課題についても、企業として果たすべき役割は明らかになってきました。
このような認識の下、今後に向けて当社はどうあるべきかを検討するにあたり、これまでの取組みを振り返りました。これまでの取組みでは、顧客リピート率の向上や過去最高益の更新、安定配当の実現など、一定の成果をあげることができましたが、目標である「森組ブランドの確立」は未だ道半ばであります。
これらの状況を踏まえ、これからの森組としてあるべき姿を検討するにあたり、将来に向けての課題について、3つの観点から整理を行いました。
1つ目は、「変化」への対応です。これは、労働者の不足、市場の縮小均衡化、社会需要の変化などの市場環境への対応にとどまらず、SDGsや持続可能な社会の実現に向けた取組みなどの世界的な潮流の変化にも、当社としてわずかでも貢献できるのであれば、積極的に対応していく必要があるのではないかと考えております。
2つ目は、「強み」の強化です。当社の強みとして、長年にわたるお客様との信頼関係、皆さまから高く評価頂いている伝統ある施工管理力、健全な財務体質がありますが、中でもお客様との信頼関係、伝統ある施工管理力については、今後も当社の「強み」として発揮していきたい大切な長所であると考えております。
3つ目は、「弱み」の克服です。当社の現状として、従業員エンゲージメントに対する意識、会社としての発信力、地域への帰属意識をより高める必要があり、中でも従業員エンゲージメントや地域への帰属意識については、今後に向けて「強み」とするべく積極的に取組んでいく必要があると考えております。
以上のような認識から、これからの森組としてのあるべき姿を次の3つに再定義しました。
「信頼できるパートナーと共に、豊かな社会を建設する」
「受け継がれてきた伝統と共に、新たな現場管理を実現する」
「ステークホルダーと共に成長し、ステータス性あふれる企業になる」
今後、これらのあるべき姿を実現することにより、目標である「森組ブランドの確立」を達成し、積極的に地域社会に貢献し、また地域社会から信頼され、必要とされる森組に進化いたします。
(3)経営戦略等
上記のあるべき姿の実現に向け、次の5つを基本戦略として事業活動に取組んでまいります。
・事業基盤とする地域社会との連携を重視し、より地域に密着し、地域に貢献できる事業活動を推進する。
・伝統ある施工管理力を高め、高品質・高性能にこだわり、環境に配慮したスマート施工管理を実現する。
・従業員が会社へのエンゲージメントを高められる、従業員に魅力ある企業になるための取組みを推進する。
・働き方改革を実行し、2021年度末に4週8閉所の完全実施を実現する。
・業務提携効果を最大限に活用し、シナジー効果のさらなる発現を目指す。
なお、各事業セグメントにおける戦略は次のとおりであります。
① 建設事業
a.建築事業
・信頼関係にあるお客様との取組みを強化し、関係のさらなる深化を図る。
・リニューアル工事、公共事業への取組みを継続し、積極的に地域に貢献できる事業活動を推進する。
・現場支援体制の拡充や技術承継を積極的に支援し、個々人の能力の全体的な引き上げを図る。
b.土木事業
・事業エリアを定着させることで、地域社会との共存共栄を図り、安定した事業基盤の構築を目指す。
・信頼関係にあるお客様との関係のさらなる深化を図り、積極的に地域に貢献できる事業活動を推進する。
・現場支援体制のさらなる拡充を図り、世代間の技術ノウハウの承継を積極的に推進する。
② 砕石事業
・建設業と砕石業の事業シナジーの強化を図り、安定した収益の確保を目指す。
・砕石生産における採算性の向上を図り、効率的な事業活動を推進する。
※なお、不動産事業につきましては、影響が僅少のため記載を省略しております。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、中長期的な企業価値の向上を図るため、特定の経営指標を目標とするのではなく、中期経営戦略の遂行に注力しております。
中期経営戦略については、最終年度のモデル数値を設定しております。また、最終年度のモデル数値について、「(3)経営戦略等」に掲げております施策の進捗状況や各事業年度の業績、今後の建設業界の動向等も考慮し、毎期見直しを行っております。
当期までの中期経営戦略における最終年度である2021年3月期は、新型コロナウイルス感染症の拡大とそれに伴う緊急事態宣言の発出により社会・経済活動の大幅な縮小が懸念されましたが、当社の事業活動への影響は想定を下回り、受注高を除くいずれの項目もモデル数値を上回る結果となりました。また、自己資本比率は2018年3月期の43.6%から2021年3月期は55.7%に上昇するなど、安定した財務基盤の確立に一定の目途が立ちつつあると考えております。
中期経営戦略(2018年度~2020年度)のモデル数値と当事業年度との比較は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
なお、2024年3月期を最終年度とする新中期経営戦略(2021年度~2023年度)のモデル数値につきましては、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社としてあるべき姿を実現するため、以下の5つのテーマを中心に取組んでまいります。
① 人財の確保・育成
人財の確保・育成は、当社の今後の事業活動の根幹をなす最重要課題であると認識しております。その中でも、少子高齢化の進行や高齢労働者の退職による世代間の技術承継機会の減少、ICT技術への対応が特に課題となっております。これについては、従業員一人ひとりが自らの能力を着実に高めていくことが肝要となります。当社は、従業員自らが新たな技術や知識の習得に積極的に取組みやすい環境づくりを行うことにより、持続的な企業価値の向上が可能となると考えております。それに向け、従業員が会社へのエンゲージメントを高められる、従業員に魅力ある企業になるための取組みを積極的に推進することで、従業員のやる気が自らの成長に繋がる好循環を創り出し、中長期的な企業価値の向上につなげてまいります。
② 安全管理・品質管理の徹底
安全管理・品質管理の徹底は、当社の全ての事業活動の前提となる最重要課題であると認識しております。当社は、事業活動における最大のリスクを労働災害、品質及び環境事故であると考えており、『「安全」は全ての作業の前提』のスローガンの下、全従業員、協力会社、そして全ての工事現場の入所者に対する安全衛生、品質及び環境保全に関する教育、啓蒙活動を最優先事項として取組んでおります。現在のところ、幸い重大な労働災害等は発生しておりませんが、今後も、労働災害、品質及び環境事故の発生防止に最善を尽くしてまいります。
③ 働き方改革の推進
働き方改革の推進は、当社喫緊の重要課題であると認識しております。現在、2021年度末の4週8閉所完全実施に向け、お客様及び協力会社の皆さまのご理解とご協力を得ながら取組みを進めており、現在のところ休日取得率は順調に向上しておりますが、2021年度末の4週8閉所完全実施に向け、取組みのさらなる強化を行ってまいります。
④ 生産性の向上
生産性の向上は、働き方改革の推進と並び当社喫緊の重要課題であると認識しております。建設業界は現在大きな変革の時を迎えており、その中でも急速に進化するICT技術を事業活動に積極的に導入・活用し、生産性を向上させることが今後の重要な課題となっております。当社としましても、これまで培ってきた伝統ある施工管理力のさらなる強化を図るため、ICT技術の活用を通じた生産性の向上に積極的に取組み、高性能・高品質にこだわり、環境に配慮したスマート施工管理を実現し、持続的な競争力の強化に取組んでまいります。
⑤ コーポレート・ガバナンスの強化
コーポレート・ガバナンスの強化は、当社の事業活動の礎をなす重要課題であると認識しております。当社を取り巻く事業環境・社会環境は急速に変化しており、その変化に速やかに対応し、また株主や取引先を始めとするステークホルダーの皆さまと力を合わせ、健全な事業活動を通じて地域・社会に貢献することができるよう、コーポレート・ガバナンスの強化を継続的に行い、持続的な企業価値の向上を図ってまいります。
なお、各事業セグメントにおける対処すべき課題は次のとおりであります。
a.建設事業
イ.建築事業
建築事業におきましては、信頼関係にあるお客様との関係の深化とともに、信頼関係のあるお客様のさらなる拡大を目指します。そのため、信頼関係にあるお客様を中心とした営業活動を行うとともに、企画提案型の設計施工案件への取組みの強化、積算体制の拡充を行い、お客様への対応力・提案力の向上を図り、お客様のニーズに応え、お客様から頼りにされる体制を構築します。また、リニューアル工事、公共事業への取組みを継続することで事業ポートフォリオの多角化を図り、積極的に地域に貢献できる事業活動を推進し、当社としての強みを発揮できる事業モデルの確立に注力してまいります。
ロ.土木事業
土木事業におきましては、「地域との共存共栄を図り、安定した事業基盤を構築」をテーマに、事業エリアを関東、中部、関西地域に集約し、経営資源を集中させることで効率的な業務管理を行い、安定した事業基盤の構築を目指します。そのため、地域の協力会社との中長期的な関係の強化を図るとともに、信頼関係にあるお客様との関係のさらなる深化を目指し、積極的に地域に貢献できる事業活動を推進します。さらに、将来に向けた施工体制の強化のため、現場支援体制の一層の拡充を図り、世代間の技術ノウハウの承継を積極的に推進し、当社としての強みを発揮できる事業モデルの確立に注力してまいります。
b.砕石事業
砕石事業におきましては、建設事業とのシナジー効果をより発揮しやすい体制を確立するため、2021年4月より砕石事業部を土木事業本部に組み込む組織改革を行いました。また、砕石生産の採算性の向上を図り、効率的かつ安定した収益を獲得できる事業活動を推進してまいります。
※なお、不動産事業につきましては、影響が僅少のため記載を省略しております。
(1)経営方針
当社は、「最高の品質と最良のサービスで、お客様の感動を」を経営理念として制定しております。これは、「どのような時代・環境下においても、お客様の要望に的確にお応えし、そして喜んでいただける事を最大の喜び・明日への糧として、地域社会に貢献できる企業を目指す」という当社の思いを体現したものであります。
また、この経営理念を実現するため、以下の6つの経営方針の下、日々事業に取組んでおります。
・将来を見据えた人材育成
・たゆまぬ努力による品質の保持・管理
・全社を挙げての事故・災害の撲滅
・適切なコスト、適正な価格の追求
・遵守事項の厳格運用
・地球環境との共存共生
(2)経営環境についての経営者の認識
2020年は、社会全体が新型コロナウイルス感染症に大きく振り回される1年となりました。
複数回に及ぶ緊急事態宣言の発出による社会・経済活動の急速な萎縮とそれに伴う雇用・経済への影響、感染者の急激な増加による医療体制のひっ迫と混乱、国民的イベントであった東京オリンピックの1年延期など、経済面だけでなく社会全体にも深刻な影響を及ぼしました。しかし、コロナ禍の影響はこれだけでなく、社会全体が急速なデジタル化を強く意識せざるを得ない、一種の“パラダイムシフト”が起こるなど、変化への迅速な対応を強く意識させられる1年となりました。
建設業界においても、建設技術労働者の不足、生産性の向上、社会需要の変化への対応など、課題は山積しております。しかし、残念ながらこれらの課題に対する即効性のある解決策はなく、課題解決に向けた努力を着実に積み重ねていく他ありません。また、コロナ禍を始めとする様々な事象により、変化はより激しく、より速度を増しつつあり、限られたリソースを有効に活用し、課題解決への努力を続けていく必要があります。さらには環境への意識の高まり、持続可能な社会の実現に向けた取組みなど、SDGsをはじめとする全世界的に取組むべき課題についても、企業として果たすべき役割は明らかになってきました。
このような認識の下、今後に向けて当社はどうあるべきかを検討するにあたり、これまでの取組みを振り返りました。これまでの取組みでは、顧客リピート率の向上や過去最高益の更新、安定配当の実現など、一定の成果をあげることができましたが、目標である「森組ブランドの確立」は未だ道半ばであります。
これらの状況を踏まえ、これからの森組としてあるべき姿を検討するにあたり、将来に向けての課題について、3つの観点から整理を行いました。
1つ目は、「変化」への対応です。これは、労働者の不足、市場の縮小均衡化、社会需要の変化などの市場環境への対応にとどまらず、SDGsや持続可能な社会の実現に向けた取組みなどの世界的な潮流の変化にも、当社としてわずかでも貢献できるのであれば、積極的に対応していく必要があるのではないかと考えております。
2つ目は、「強み」の強化です。当社の強みとして、長年にわたるお客様との信頼関係、皆さまから高く評価頂いている伝統ある施工管理力、健全な財務体質がありますが、中でもお客様との信頼関係、伝統ある施工管理力については、今後も当社の「強み」として発揮していきたい大切な長所であると考えております。
3つ目は、「弱み」の克服です。当社の現状として、従業員エンゲージメントに対する意識、会社としての発信力、地域への帰属意識をより高める必要があり、中でも従業員エンゲージメントや地域への帰属意識については、今後に向けて「強み」とするべく積極的に取組んでいく必要があると考えております。
以上のような認識から、これからの森組としてのあるべき姿を次の3つに再定義しました。
「信頼できるパートナーと共に、豊かな社会を建設する」
「受け継がれてきた伝統と共に、新たな現場管理を実現する」
「ステークホルダーと共に成長し、ステータス性あふれる企業になる」
今後、これらのあるべき姿を実現することにより、目標である「森組ブランドの確立」を達成し、積極的に地域社会に貢献し、また地域社会から信頼され、必要とされる森組に進化いたします。
(3)経営戦略等
上記のあるべき姿の実現に向け、次の5つを基本戦略として事業活動に取組んでまいります。
・事業基盤とする地域社会との連携を重視し、より地域に密着し、地域に貢献できる事業活動を推進する。
・伝統ある施工管理力を高め、高品質・高性能にこだわり、環境に配慮したスマート施工管理を実現する。
・従業員が会社へのエンゲージメントを高められる、従業員に魅力ある企業になるための取組みを推進する。
・働き方改革を実行し、2021年度末に4週8閉所の完全実施を実現する。
・業務提携効果を最大限に活用し、シナジー効果のさらなる発現を目指す。
なお、各事業セグメントにおける戦略は次のとおりであります。
① 建設事業
a.建築事業
・信頼関係にあるお客様との取組みを強化し、関係のさらなる深化を図る。
・リニューアル工事、公共事業への取組みを継続し、積極的に地域に貢献できる事業活動を推進する。
・現場支援体制の拡充や技術承継を積極的に支援し、個々人の能力の全体的な引き上げを図る。
b.土木事業
・事業エリアを定着させることで、地域社会との共存共栄を図り、安定した事業基盤の構築を目指す。
・信頼関係にあるお客様との関係のさらなる深化を図り、積極的に地域に貢献できる事業活動を推進する。
・現場支援体制のさらなる拡充を図り、世代間の技術ノウハウの承継を積極的に推進する。
② 砕石事業
・建設業と砕石業の事業シナジーの強化を図り、安定した収益の確保を目指す。
・砕石生産における採算性の向上を図り、効率的な事業活動を推進する。
※なお、不動産事業につきましては、影響が僅少のため記載を省略しております。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、中長期的な企業価値の向上を図るため、特定の経営指標を目標とするのではなく、中期経営戦略の遂行に注力しております。
中期経営戦略については、最終年度のモデル数値を設定しております。また、最終年度のモデル数値について、「(3)経営戦略等」に掲げております施策の進捗状況や各事業年度の業績、今後の建設業界の動向等も考慮し、毎期見直しを行っております。
当期までの中期経営戦略における最終年度である2021年3月期は、新型コロナウイルス感染症の拡大とそれに伴う緊急事態宣言の発出により社会・経済活動の大幅な縮小が懸念されましたが、当社の事業活動への影響は想定を下回り、受注高を除くいずれの項目もモデル数値を上回る結果となりました。また、自己資本比率は2018年3月期の43.6%から2021年3月期は55.7%に上昇するなど、安定した財務基盤の確立に一定の目途が立ちつつあると考えております。
中期経営戦略(2018年度~2020年度)のモデル数値と当事業年度との比較は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
| 2021年3月期 計画値 | 2021年3月期 実績値 | 達成率 | |
| 受注高 | 28,500 | 26,328 | 92.4% |
| 売上高 | 28,000 | 28,579 | 102.1% |
| 営業利益 | 1,790 | 1,961 | 109.6% |
| 経常利益 | 1,770 | 1,943 | 109.8% |
なお、2024年3月期を最終年度とする新中期経営戦略(2021年度~2023年度)のモデル数値につきましては、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
| 2024年3月期 計画値 | |
| 受注高 | 29,000 |
| 売上高 | 31,000 |
| 営業利益 | 1,560 |
| 経常利益 | 1,560 |
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社としてあるべき姿を実現するため、以下の5つのテーマを中心に取組んでまいります。
① 人財の確保・育成
人財の確保・育成は、当社の今後の事業活動の根幹をなす最重要課題であると認識しております。その中でも、少子高齢化の進行や高齢労働者の退職による世代間の技術承継機会の減少、ICT技術への対応が特に課題となっております。これについては、従業員一人ひとりが自らの能力を着実に高めていくことが肝要となります。当社は、従業員自らが新たな技術や知識の習得に積極的に取組みやすい環境づくりを行うことにより、持続的な企業価値の向上が可能となると考えております。それに向け、従業員が会社へのエンゲージメントを高められる、従業員に魅力ある企業になるための取組みを積極的に推進することで、従業員のやる気が自らの成長に繋がる好循環を創り出し、中長期的な企業価値の向上につなげてまいります。
② 安全管理・品質管理の徹底
安全管理・品質管理の徹底は、当社の全ての事業活動の前提となる最重要課題であると認識しております。当社は、事業活動における最大のリスクを労働災害、品質及び環境事故であると考えており、『「安全」は全ての作業の前提』のスローガンの下、全従業員、協力会社、そして全ての工事現場の入所者に対する安全衛生、品質及び環境保全に関する教育、啓蒙活動を最優先事項として取組んでおります。現在のところ、幸い重大な労働災害等は発生しておりませんが、今後も、労働災害、品質及び環境事故の発生防止に最善を尽くしてまいります。
③ 働き方改革の推進
働き方改革の推進は、当社喫緊の重要課題であると認識しております。現在、2021年度末の4週8閉所完全実施に向け、お客様及び協力会社の皆さまのご理解とご協力を得ながら取組みを進めており、現在のところ休日取得率は順調に向上しておりますが、2021年度末の4週8閉所完全実施に向け、取組みのさらなる強化を行ってまいります。
④ 生産性の向上
生産性の向上は、働き方改革の推進と並び当社喫緊の重要課題であると認識しております。建設業界は現在大きな変革の時を迎えており、その中でも急速に進化するICT技術を事業活動に積極的に導入・活用し、生産性を向上させることが今後の重要な課題となっております。当社としましても、これまで培ってきた伝統ある施工管理力のさらなる強化を図るため、ICT技術の活用を通じた生産性の向上に積極的に取組み、高性能・高品質にこだわり、環境に配慮したスマート施工管理を実現し、持続的な競争力の強化に取組んでまいります。
⑤ コーポレート・ガバナンスの強化
コーポレート・ガバナンスの強化は、当社の事業活動の礎をなす重要課題であると認識しております。当社を取り巻く事業環境・社会環境は急速に変化しており、その変化に速やかに対応し、また株主や取引先を始めとするステークホルダーの皆さまと力を合わせ、健全な事業活動を通じて地域・社会に貢献することができるよう、コーポレート・ガバナンスの強化を継続的に行い、持続的な企業価値の向上を図ってまいります。
なお、各事業セグメントにおける対処すべき課題は次のとおりであります。
a.建設事業
イ.建築事業
建築事業におきましては、信頼関係にあるお客様との関係の深化とともに、信頼関係のあるお客様のさらなる拡大を目指します。そのため、信頼関係にあるお客様を中心とした営業活動を行うとともに、企画提案型の設計施工案件への取組みの強化、積算体制の拡充を行い、お客様への対応力・提案力の向上を図り、お客様のニーズに応え、お客様から頼りにされる体制を構築します。また、リニューアル工事、公共事業への取組みを継続することで事業ポートフォリオの多角化を図り、積極的に地域に貢献できる事業活動を推進し、当社としての強みを発揮できる事業モデルの確立に注力してまいります。
ロ.土木事業
土木事業におきましては、「地域との共存共栄を図り、安定した事業基盤を構築」をテーマに、事業エリアを関東、中部、関西地域に集約し、経営資源を集中させることで効率的な業務管理を行い、安定した事業基盤の構築を目指します。そのため、地域の協力会社との中長期的な関係の強化を図るとともに、信頼関係にあるお客様との関係のさらなる深化を目指し、積極的に地域に貢献できる事業活動を推進します。さらに、将来に向けた施工体制の強化のため、現場支援体制の一層の拡充を図り、世代間の技術ノウハウの承継を積極的に推進し、当社としての強みを発揮できる事業モデルの確立に注力してまいります。
b.砕石事業
砕石事業におきましては、建設事業とのシナジー効果をより発揮しやすい体制を確立するため、2021年4月より砕石事業部を土木事業本部に組み込む組織改革を行いました。また、砕石生産の採算性の向上を図り、効率的かつ安定した収益を獲得できる事業活動を推進してまいります。
※なお、不動産事業につきましては、影響が僅少のため記載を省略しております。