有価証券報告書-第141期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/22 16:03
【資料】
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【項目】
158項目
(重要な会計上の見積り)
(1)工事進行基準の適用による売上高の計上
①当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
売上高 197,916百万円
②その他の情報
ⅰ.算出方法
当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を適用しております。
工事進行基準における工事進捗度の算定には原価比例法を適用しております。各工事契約の工事原価総額の見積額は実行予算(直接費)と間接経費の配賦額で構成されており、工事進捗度は各工事の実行予算のうち当連結会計年度末までに発生している直接費の割合で算出しております。工事進行基準における売上高は当該工事進捗度に工事収益総額を乗じて算出しております。
ⅱ.主要な仮定
工事進行基準の適用要件となる成果の確実性が認められるには、「a.工事収益総額の見積り」、「b.工事原価総額の見積り」、「c.決算日における工事進捗度の見積り」の信頼性が確保される必要があります。当社は以下の仮定に基づき見積りの信頼性を確保しております。なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が翌連結会計年度以降も一定期間にわたり継続すると仮定しております。
a.工事収益総額の見積り
工事収益総額の見積額は契約書等の書面により顧客と合意に至った金額をもとにしております。顧客との間で工事契約変更等の事象が生じた場合は、当該変更を工事収益総額の見積りに適時・適切に反映しております。なお、顧客と交渉中やそれ以前の段階において工事を先行して着手しているケースで工事収益総額の見積りの信頼性を確保するのが難しいと判断する場合、工事進行基準を適用しておりません。
また、新規の顧客については信用調査を行うことで工事収益総額を確実に顧客から受領できる体制を整えております。施工能力を超えて工事を受注することはなく、受注した工事の完成見込は確実と判断しておりますが、受注時には予測しえなかった事情により工事の完成見込がなくなった場合には、工事収益総額の見積りに適時・適切に反映いたします。
b.工事原価総額の見積り
工事原価総額の見積額は各工事ごとの実行予算に間接費の配賦額を加算して算定しております。実行予算は施工場所、施工条件ごとに異なりますが、工事の各段階、材料費、労務費、外注費の各原価要素ごとに設計図に基づき設定した標準数量・工数や購買先から入手した見積書等に基づき設定した単価を使用して算定した原価を積み上げることにより算定しております。工事契約の変更や事後的な事情の変化により追加の原価の発生や原価の削減が見込まれる場合は適時・適切に実行予算に反映しております。間接費については実行予算を配賦基準として各工事に配賦しております。
c.決算日における工事進捗度の見積り
決算日における工事進捗度の見積りに原価比例法を採用しており、各工事の実行予算のうち当連結会計年度末までに発生している直接費の割合で工事進捗度を算定しております。なお、工程表をもとに発生原価と実際の工事の進捗度合いに乖離がないかモニタリングをするとともに、発生原価の中に工事進捗度を適切に反映しないものが含まれる場合には必要な調整を行っております。
ⅲ.翌年度の連結財務諸表に与える影響
翌年度以降、工事収益総額や工事原価総額の見積額に大幅な変動が見込まれる事実・状況が発生した場合、工事進捗率が変動すること等により翌年度に計上される売上高の金額が増減する可能性があります。
(2)工事損失引当金の計上
①当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
工事損失引当金 2,700百万円
②その他の情報
ⅰ.算出方法
当連結会計年度末の手持工事のうち、損失の発生が合理的に見積られるものについて、将来見込まれる損失額を引当計上しております。将来見込まれる損失額は当連結会計年度末の工事収益総額から工事原価総額の見積額を差し引いて算定しております。
ⅱ.主要な仮定
工事原価総額の見積りにおける主要な仮定については「⑴工事進行基準の適用による売上高の計上 ②その他の情報 ⅱ.主要な仮定」をご参照ください。
ⅲ.翌年度の連結財務諸表に与える影響
翌年度以降、工事原価総額の見積額に大幅な増加が見込まれる事実・状況が発生した場合、追加で引当金を計上する必要があります。一方で工事原価総額の見積額に大幅な減額が見込まれる事実・状況が発生した場合、引当金を戻入れる必要があります。
(3)のれんの評価
①当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
のれん 1,978百万円
②その他の情報
ⅰ.算出方法
のれんは取得による企業結合において支配獲得時以後の事業展開によって期待される超過収益力に関連して発生しており、効果が発現すると見積られる期間にわたり償却を行っております。また、各四半期末において未償却残高について減損の兆候が発生していないか否かの検討を行い、回収可能と認められる部分のみ資産計上しております。
ⅱ.主要な仮定
支配獲得時に策定された事業計画と実績および直近の業績予測とを比較し、実績および直近の業績予測が事業計画を大きく下回っていない場合には減損の兆候が発生していないと判断しております。なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は翌連結会計年度以降も一定期間にわたり継続すると仮定しておりますが、中長期的には翌年度以降の業績は支配獲得時に策定された事業計画と大きく乖離しないものと想定しております。
ⅲ.翌年度の連結財務諸表に与える影響
支配獲得時に策定された事業計画を実績値および直近の業績予測が大きく下回るような状況となり、減損の兆候が発生した場合には、のれんの減損が必要となる可能性があります。
(4)繰延税金資産の回収可能性
①当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
繰延税金資産 4,811百万円
繰延税金負債 △ 5,997百万円
純額 △ 1,186百万円
②その他の情報
ⅰ.算出方法
当社および連結子会社は、当連結会計年度末の将来減算一時差異のうち回収可能性があると判断する部分について繰延税金資産を計上しております。
ⅱ.主要な仮定
回収可能性の有無の判断は、当社および連結子会社各社ごとに翌期以降の業績予測をベースとした課税所得の見積額に基づいて行っております。業績予測は当連結会計年度末の手持工事高の翌期以降の進捗見込み、過年度の実績、市況等を加味し、総合的に勘案した上で算出しております。なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が翌連結会計年度以降も一定期間にわたり継続すると仮定しております。
ⅲ.翌年度の連結財務諸表に与える影響
当社および連結子会社の翌期以降の実際の業績は様々な要因により予測と異なる可能性があります。実際の業績が予測を大幅に下回った場合、課税所得が見積額より大幅に下回り、当連結会計年度末で回収可能と判断していた繰延税金資産を翌期以降に取り崩す必要性が生じる可能性があります。