半期報告書-第89期(2026/01/01-2026/12/31)
有報資料
当社グループは、持続的成長と新たなグループブランドの確立に向けて、顧客満足と収益力の向上に貢献する技術開発はもとより、未来のサステナブル社会の実現および社会課題解決を先導する新たなソリューションの創出を目指して研究開発に取り組んでいる。その際、社会から求められる技術の異分野領域への拡大、柔軟なアイデアの獲得を通じた技術力の向上を目指し、国内外の研究開発を推進している機関と連携・協業するための竹中オープンラボ機構を構築して活動を行っている。
重点的に取り組むべき領域として、建設・環境基盤技術、未来・先端、社会価値創造の3つに大別し、全社的に研究開発活動を遂行している。
当中間連結会計期間における研究開発に要した費用の総額は48億円余であり、このうち当社が取り組んだ主な技術開発事例は次のとおりである。
(建設事業)
(1)建設・環境基盤技術領域
①中高層木造・木質建築を推進する構造・耐火技術の開発と環境認証の取得
中高層の木造・木質建築を推進する建材の技術開発と環境認証取得を達成した。構造面では、CLTを活用し地震の揺れを早期に抑える制振壁技術「KiPLUS® WALL DAMPER」を開発した。耐火面では、木材を用いた鉄骨梁の耐火被覆技術「KiPLUS® TAIKA for BEAM」をセンクシア㈱および日本インシュレーション㈱と共同開発し、日本初の3時間耐火の大臣認定を取得した。さらに、耐火集成木材「燃エンウッド®」の柱について、木材炭素含有量の数値化を可能にする製品環境認証「SuMPO EPD」を取得した。これらにより、設計の自由度と環境性能を両立した快適な木質空間の提供および脱炭素社会への貢献を目指す。
②建物基礎に「CUCO®-CO2固定地盤改良」を初適用
鹿島建設㈱、デンカ㈱とともに進めるNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業の一環として、CO2固定微粉を活用した地盤改良技術「CUCO®-CO2固定地盤改良」を、福岡県古賀市の物流施設新築工事に初適用した。本技術は、コンクリート解体ガラから再生した微粉を炭酸化させたCCU材料を地盤改良材として再利用し、材料中にCO2を長期貯留するものである。本適用により1m³あたり約16kgのCO2を固定し、一般的な地盤改良工法比でCO2排出量を15%削減した。今後は長期データ収集を進め、2030年に液状化抑止等への適用拡大を目指す。
③建設工事クレーン吊り荷作業向け「玉掛合図無線システム」を開発
日本電気通信システム㈱と共同で、免許不要のプライベートLTE方式(sXGP)を活用した「玉掛合図無線システム」を開発した。建設現場のタワークレーン玉掛作業では、地上作業員とクレーンオペレータの即時連絡が不可欠であるが、特定小電力無線の周波数チャネル数が限られるため、都市部では混信が課題となっていた。本システムは、スマートフォンとsXGPアクセスポイントを活用して無線通信エリアを構築することにより、遅延0.2秒程度の応答性の低遅延グループ通話を実現し、混信課題を根本的に解決する。㈱アクティオと協業し、2026年5月より大規模新築工事現場向けレンタル事業を開始した。
(2)未来・先端領域
①牽引式水素発電装置を開発
那須電機鉄工㈱、日本フイルコン㈱と共同で、環境にやさしい移動式電源供給を実現する牽引式水素発電装置を開発した。本装置は、繰り返し利用可能な小型軽量水素吸蔵合金タンクに燃料電池と太陽光発電装置を組み合わせた一体型システムで、被牽引車両に搭載し建設現場や災害時に簡便に利用できる。水素を燃料とするため発電時のCO2排出量をほぼゼロに削減でき、低騒音・無臭で周辺環境への影響も抑える。自社建設現場での実証や企業・自治体との連携を通じて実用化を進めていく。
②業界初、データセンターに特化した設計支援ツールを開発
データセンター市場の拡大に対応するため、建設業界初となるデータセンター特化型の設計支援ツールを開発した。本ツールは、過去の知見をデータベース化し、立地条件や必要設備等の基本情報を入力するだけで、設備の仕様・容量作成、建物ボリューム検討、3D画像作成を自動で行い、事業化に必要な設計プランを作成できる。従来数ヶ月を要していた初期段階の設計検討が約2~3週間に短縮され、顧客への迅速なプラン提案が可能となる。本ツールにより設計品質・生産性の向上と関係者間の合意形成の迅速化を実現する。
③中性子線遮蔽材「RadBlock®-N」「RadBoard®-N」を開発
吉野石膏㈱と共同で、天然素材を用いた中性子線専用の遮蔽ブロック「RadBlock®-N」と遮蔽ボード「RadBoard®-N」を開発した。石膏やホウ素鉱物などの天然素材をベースとし、鉛等の有害重金属を使用することなく中性子線に対して高い遮蔽性能を発揮する。乾式施工によりレイアウト変更や改修が容易で、鉄筋コンクリート壁に比べ適切な条件下で壁厚を約20%削減できる。加速器施設や放射線医療施設への導入を皮切りに、将来的には核融合施設等への展開を想定している。
(3)社会価値創造領域
①AI・IoT活用の生物自動モニタリングシステム「いきものアイ」を開発
北海道大学との共同研究により、AI・IoT技術を活用した生物自動モニタリングシステム「いきものアイ」を開発した。本システムは、水盤とカメラを組み合わせ24時間365日自動で撮影した映像をAI画像処理により解析し、鳥類の種を特定・記録する。人の目視調査では捉えづらい季節変動を含めた通年データの蓄積が可能となり、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)に基づく情報開示の広がりで高まる緑地認証取得ニーズに対応する。認証申請時のエビデンスとなる生きもののデータを自動蓄積し、認証取得・維持を支援する。
②GREEN×EXPO2027に展示施設「くるくるく」を出展
当社グループは、2027年に横浜市で開催される国際園芸博覧会(GREEN×EXPO2027)に出展する。Craft Villageエリアに「くるくるく」と名付けた展示施設を設け、素材のいのちとかたちの循環をテーマに、設計・施工から解体に至る過程で資材の再利用率99%を目指す。当社を代表企業とするグループ7社(当社、㈱竹中土木、㈱アサヒファシリティズ、㈱朝日興産、㈱TAKリビング、㈱オフグリッドフィールド、㈱竹中道路で構成)の技術とノウハウを結集し、設計・施工から会期中の運営まで一貫して実施するグループ初の取り組みである。脱炭素・資源循環・自然共生を調和させた社会の実現に向けた取り組みを国内外へ発信する。
③大阪・関西万博「森になる建築」の移設が完了
大阪・関西万博の会期中に万博会場「大地の広場」に提供した「森になる建築」を、兵庫県川西市の竹中研修所内「清和台の森」へ移設した。本建築物は、3Dプリント技術と手づくりの技を融合させた環境配慮型建築で、構造体に生分解性樹脂を採用し、外装には植物の種をすきこんだ和紙「シーズペーパー」を使用している。直径4.65m、高さ2.95mの建築物2棟で構成され、会期中は46万人以上が訪れた。今後、森の中の自然環境により分解が進む様子を継続的に観察していく。
また、子会社における研究開発の主なものは次のとおりである。
㈱竹中土木
(1)施工の効率化・自動化
①盛土材料管理システムの高度化
②盛土品質管理試験(RI試験)の自動化
③橋梁補強工事の施工自動化
④トンネル重機の遠隔施工化
(2)安全安心技術
①スマートコラム工法による堤防補強
②PFAS汚染対策技術
(開発事業及びその他)
研究開発活動は特段行われていない。
重点的に取り組むべき領域として、建設・環境基盤技術、未来・先端、社会価値創造の3つに大別し、全社的に研究開発活動を遂行している。
当中間連結会計期間における研究開発に要した費用の総額は48億円余であり、このうち当社が取り組んだ主な技術開発事例は次のとおりである。
(建設事業)
(1)建設・環境基盤技術領域
①中高層木造・木質建築を推進する構造・耐火技術の開発と環境認証の取得
中高層の木造・木質建築を推進する建材の技術開発と環境認証取得を達成した。構造面では、CLTを活用し地震の揺れを早期に抑える制振壁技術「KiPLUS® WALL DAMPER」を開発した。耐火面では、木材を用いた鉄骨梁の耐火被覆技術「KiPLUS® TAIKA for BEAM」をセンクシア㈱および日本インシュレーション㈱と共同開発し、日本初の3時間耐火の大臣認定を取得した。さらに、耐火集成木材「燃エンウッド®」の柱について、木材炭素含有量の数値化を可能にする製品環境認証「SuMPO EPD」を取得した。これらにより、設計の自由度と環境性能を両立した快適な木質空間の提供および脱炭素社会への貢献を目指す。
②建物基礎に「CUCO®-CO2固定地盤改良」を初適用
鹿島建設㈱、デンカ㈱とともに進めるNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業の一環として、CO2固定微粉を活用した地盤改良技術「CUCO®-CO2固定地盤改良」を、福岡県古賀市の物流施設新築工事に初適用した。本技術は、コンクリート解体ガラから再生した微粉を炭酸化させたCCU材料を地盤改良材として再利用し、材料中にCO2を長期貯留するものである。本適用により1m³あたり約16kgのCO2を固定し、一般的な地盤改良工法比でCO2排出量を15%削減した。今後は長期データ収集を進め、2030年に液状化抑止等への適用拡大を目指す。
③建設工事クレーン吊り荷作業向け「玉掛合図無線システム」を開発
日本電気通信システム㈱と共同で、免許不要のプライベートLTE方式(sXGP)を活用した「玉掛合図無線システム」を開発した。建設現場のタワークレーン玉掛作業では、地上作業員とクレーンオペレータの即時連絡が不可欠であるが、特定小電力無線の周波数チャネル数が限られるため、都市部では混信が課題となっていた。本システムは、スマートフォンとsXGPアクセスポイントを活用して無線通信エリアを構築することにより、遅延0.2秒程度の応答性の低遅延グループ通話を実現し、混信課題を根本的に解決する。㈱アクティオと協業し、2026年5月より大規模新築工事現場向けレンタル事業を開始した。
(2)未来・先端領域
①牽引式水素発電装置を開発
那須電機鉄工㈱、日本フイルコン㈱と共同で、環境にやさしい移動式電源供給を実現する牽引式水素発電装置を開発した。本装置は、繰り返し利用可能な小型軽量水素吸蔵合金タンクに燃料電池と太陽光発電装置を組み合わせた一体型システムで、被牽引車両に搭載し建設現場や災害時に簡便に利用できる。水素を燃料とするため発電時のCO2排出量をほぼゼロに削減でき、低騒音・無臭で周辺環境への影響も抑える。自社建設現場での実証や企業・自治体との連携を通じて実用化を進めていく。
②業界初、データセンターに特化した設計支援ツールを開発
データセンター市場の拡大に対応するため、建設業界初となるデータセンター特化型の設計支援ツールを開発した。本ツールは、過去の知見をデータベース化し、立地条件や必要設備等の基本情報を入力するだけで、設備の仕様・容量作成、建物ボリューム検討、3D画像作成を自動で行い、事業化に必要な設計プランを作成できる。従来数ヶ月を要していた初期段階の設計検討が約2~3週間に短縮され、顧客への迅速なプラン提案が可能となる。本ツールにより設計品質・生産性の向上と関係者間の合意形成の迅速化を実現する。
③中性子線遮蔽材「RadBlock®-N」「RadBoard®-N」を開発
吉野石膏㈱と共同で、天然素材を用いた中性子線専用の遮蔽ブロック「RadBlock®-N」と遮蔽ボード「RadBoard®-N」を開発した。石膏やホウ素鉱物などの天然素材をベースとし、鉛等の有害重金属を使用することなく中性子線に対して高い遮蔽性能を発揮する。乾式施工によりレイアウト変更や改修が容易で、鉄筋コンクリート壁に比べ適切な条件下で壁厚を約20%削減できる。加速器施設や放射線医療施設への導入を皮切りに、将来的には核融合施設等への展開を想定している。
(3)社会価値創造領域
①AI・IoT活用の生物自動モニタリングシステム「いきものアイ」を開発
北海道大学との共同研究により、AI・IoT技術を活用した生物自動モニタリングシステム「いきものアイ」を開発した。本システムは、水盤とカメラを組み合わせ24時間365日自動で撮影した映像をAI画像処理により解析し、鳥類の種を特定・記録する。人の目視調査では捉えづらい季節変動を含めた通年データの蓄積が可能となり、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)に基づく情報開示の広がりで高まる緑地認証取得ニーズに対応する。認証申請時のエビデンスとなる生きもののデータを自動蓄積し、認証取得・維持を支援する。
②GREEN×EXPO2027に展示施設「くるくるく」を出展
当社グループは、2027年に横浜市で開催される国際園芸博覧会(GREEN×EXPO2027)に出展する。Craft Villageエリアに「くるくるく」と名付けた展示施設を設け、素材のいのちとかたちの循環をテーマに、設計・施工から解体に至る過程で資材の再利用率99%を目指す。当社を代表企業とするグループ7社(当社、㈱竹中土木、㈱アサヒファシリティズ、㈱朝日興産、㈱TAKリビング、㈱オフグリッドフィールド、㈱竹中道路で構成)の技術とノウハウを結集し、設計・施工から会期中の運営まで一貫して実施するグループ初の取り組みである。脱炭素・資源循環・自然共生を調和させた社会の実現に向けた取り組みを国内外へ発信する。
③大阪・関西万博「森になる建築」の移設が完了
大阪・関西万博の会期中に万博会場「大地の広場」に提供した「森になる建築」を、兵庫県川西市の竹中研修所内「清和台の森」へ移設した。本建築物は、3Dプリント技術と手づくりの技を融合させた環境配慮型建築で、構造体に生分解性樹脂を採用し、外装には植物の種をすきこんだ和紙「シーズペーパー」を使用している。直径4.65m、高さ2.95mの建築物2棟で構成され、会期中は46万人以上が訪れた。今後、森の中の自然環境により分解が進む様子を継続的に観察していく。
また、子会社における研究開発の主なものは次のとおりである。
㈱竹中土木
(1)施工の効率化・自動化
①盛土材料管理システムの高度化
②盛土品質管理試験(RI試験)の自動化
③橋梁補強工事の施工自動化
④トンネル重機の遠隔施工化
(2)安全安心技術
①スマートコラム工法による堤防補強
②PFAS汚染対策技術
(開発事業及びその他)
研究開発活動は特段行われていない。