半期報告書-第88期(2025/01/01-2025/12/31)
有報資料
当社グループは、持続的成長と新たなグループブランドの確立に向けて、顧客満足と収益力の向上に貢献する技術開発はもとより、未来のサステナブル社会の実現及び社会課題解決を先導する新たなソリューションの創出を目指して研究開発に取り組んでいる。その際、社会から求められる技術の異分野領域への拡大、柔軟なアイデアの獲得を通じた技術力の向上について、オープンイノベーションの活用を推進している。また、国内外の研究開発を推進している機関と連携し、協業を目的とした「竹中オープンラボ機構」を構築して活動を行っている。
重点的に取り組むべき領域として、建設・環境基盤技術、未来・先端、社会価値創造の3つに大別し、全社的に研究開発活動を遂行している。
当中間連結会計期間における研究開発に要した費用の総額は44億円余であり、このうち当社が取り組んだ主な技術開発事例は次のとおりである。
(建設事業)
(1)建設・環境基盤技術領域
①スギCLTの木目を生かして難燃化を実現する準不燃材料を開発
カシュー㈱、長瀬産業㈱、ナガセケミカル㈱と共同で、透明度・耐久性に優れた難燃化塗料をスギCLTに塗布した内装向けの準不燃材料を開発し、国土交通大臣認定を取得した。建築基準法の内装制限を受ける室内の天井や壁において、スギCLT表面の木目が見える温かみのあるデザイン性の高い空間を実現することが可能となる。
本技術は、無機系難燃剤を含まない水ガラス系塗料を用いることで、従来の難燃化塗料と比べて高い透明性を実現している。また、木材と塗膜の追従性を高める下塗り塗料と、耐水性に優れた上塗り塗料を組み合わせることにより、耐久性を改善している。
②緑地の樹木配置を最適化するシミュレーション技術「Optree」を開発
建物外構の環境性能を向上させる新たな技術として、樹木の種類や配置を最適化することにより敷地内の緑地に良好な暑熱・風環境や緑豊かな景観を効率的にデザインするシミュレーション技術「Optree(オプツリー)」を開発し、「朝日生命国立社宅計画〈あさひの杜国立〉」に初適用した。
「Optree」は、環境シミュレーションと最適化技術を組み合わせることで、敷地形状やコストなどのさまざまな制約条件のもと、環境性能の優れた案を効率的に見つけ出すことができる技術である。従来の設計手法と比べて100倍の速度でシミュレーションを行い、膨大なデータの中から最適解を精緻に分析することで、顧客の求める環境性能を実現する理想的なランドスケープを創造する。
③ホールライフカーボンを評価するプラットフォーム「Z-CARBO」を開発
建物の「ホールライフカーボン(建物生涯CO2)」を可視化し、評価につなげるプラットフォーム「Z-CARBO(ジカーボ)」を開発した。これにより、建物の設計から施工、竣工後までのCO2排出量を定量的に評価する体制を構築した。
「Z-CARBO」は、日本建築学会が定める「建物のLCA指針」や各種団体が推進する算定ツールの計算手法に準拠しており、建物の計画から運用、解体段階まで一貫してCO2排出量を可視化・運用することができる。当社の見積積算書から建築・設備などの項目・数量をAIが自動で判別し、項目別にCO2排出量を算出する。今後は、当社のZEB認証実績と脱炭素を実現する技術力を生かし、顧客の事業活動におけるCO2排出量の削減と情報開示を総合的にサポートしていく。
④大阪・関西万博会場の約4.4倍の面積の森林吸収量に相当するCO2削減を実施
2025年日本国際博覧会のパビリオンワールド西工区(敷地面積約20.4ha)諸施設23件において、資源投入量と廃棄物を削減する取組みを推進し、大幅なCO2削減を実施した。
公益社団法人2025年日本国際博覧会協会が「持続可能な大阪・関西万博開催にむけた行動計画」に掲げる目標の1つ「Planet(生態系、環境):国際的合意(「パリ協定」、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」「昆明・モントリオール生物多様性枠組」)の実現に寄与する会場整備・運営を目指す」に基づき、実施設計者・施工者として所要の性能や品質を確保しながら、従来のスクラップ&ビルドから「つくる」・「つかう」・「つなぐ」をキーワードとして、リユース・リサイクル・アップサイクルなどの資源投入量と廃棄物を削減する取組みを推進した成果である。
⑤解体建物からアルミ建材を回収し水平リサイクルを実現するための実証事業を開始
明治安田生命保険(相)、三協立山㈱、㈱シンワ、㈱HARITA、㈲豊栄金属と共同で、建物解体時に生じるアルミ建材の水平リサイクル実現に向けた実証事業に着手した。明治安田生命保険が所有する建物の解体工事においてアルミ製カーテンウォールを単独解体・分別回収し、適切な保管・管理・運搬・高度選別を経て、トレーサビリティを確保した高品質な原料として製造先へ繋げる。
この取り組みを通し、建物解体時に発生するアルミ建材の水平リサイクルにおける課題を抽出し、手法確立に向けた検討を行う。さらに、水平リサイクルの実現により、持続可能で循環的な製品という新たな付加価値の提供を目指す。
⑥水素ガスを安全に貯蔵・運搬できる小型軽量の水素タンクを開発
那須電機鉄工㈱と共同で、水素ガスを安全に貯蔵・運搬できる小型軽量の水素タンクを開発した。水素ガスを数百~千分の1程度の体積でコンパクトに貯蔵できる「ナノ化鉄チタン水素吸蔵合金」を採用し、一般的な水素タンクに比べて小型軽量(直径140 mm、高さ606 mm、重量29 kg)とすることで、比較的容易に運搬が可能となった。また、タンク内部に効率的な熱交換構造を採用することで、タンクの小型化による水素吐出量の低下を克服し、燃料電池による安定的な発電のための水素供給を可能とした。
今後は、燃料電池を含む可搬型電源装置の開発、水素タンクの容量向上、熱交換効率の向上などの技術開発を継続し、より環境にやさしい水素発電を基盤とした電源システムの構築を目指す。
(2)未来・先端領域
量子コンピュータを用いた教育施設整備計画の最適化技術を開発
大学や高校、専門学校などの教育施設において、量子コンピュータを用いて複数のカリキュラム実施案を算出し、その結果を基に校舎の新築や改修といった教育施設整備計画の最適案を作成する技術を開発した。
多数の組み合わせの中から高速で最適な組み合わせを探し出す「量子アニーリング技術」を用いて、様々なカリキュラム実施案の比較検討を短時間で行う。これにより、計画初期段階から教育施設の整備計画案を効率的に検討できるとともに、顧客の要望を的確に反映した計画の立案が可能となる。今後は、個別の施設のみならずキャンパス全体の運用も視野に入れ、整備計画の立案における効率性と精度の高い提案を行っていく。
(3)社会価値創造領域
モバイルハウス活用事業の本格展開に向けた新会社を設立
トレーラー開発・製造を行う㈱クロコアートファクトリーとの共同出資により、モバイルハウス活用事業を展開する新会社「㈱オフグリッドフィールド」を設立し、2025年2月にレンタカー事業の認可を受けて事業を開始した。
オフグリッドフィールドは、自立電源と自立通信を備えた「牽引式オフグリッド型モバイルハウス」の建設現場でのさらなる活用促進に加え、移動可能で電気や通信のインフラがない場所でも活用できるモバイルハウスの特性を生かし、地域活性化などの社会課題解決に貢献していく。牽引式モバイルハウス、オフグリッド型モビリティーは㈱レンタルのニッケンからもレンタル可能であり、初年度のレンタル稼働率60%を目指す。
また、子会社における研究開発の主なものは次のとおりである。
㈱竹中土木
(1)施工の効率化・自動化
①盛土材料管理システムの高度化
②盛土品質管理試験(RI試験)の自動化
③橋梁補強工事の施工自動化
④トンネル重機の遠隔施工化
(2)安全安心技術
①スマートコラム工法による堤防補強
②ブロック状混合処理(NSM)工法によるコンクリート補強技術の開発
(開発事業及びその他)
研究開発活動は特段行われていない。
重点的に取り組むべき領域として、建設・環境基盤技術、未来・先端、社会価値創造の3つに大別し、全社的に研究開発活動を遂行している。
当中間連結会計期間における研究開発に要した費用の総額は44億円余であり、このうち当社が取り組んだ主な技術開発事例は次のとおりである。
(建設事業)
(1)建設・環境基盤技術領域
①スギCLTの木目を生かして難燃化を実現する準不燃材料を開発
カシュー㈱、長瀬産業㈱、ナガセケミカル㈱と共同で、透明度・耐久性に優れた難燃化塗料をスギCLTに塗布した内装向けの準不燃材料を開発し、国土交通大臣認定を取得した。建築基準法の内装制限を受ける室内の天井や壁において、スギCLT表面の木目が見える温かみのあるデザイン性の高い空間を実現することが可能となる。
本技術は、無機系難燃剤を含まない水ガラス系塗料を用いることで、従来の難燃化塗料と比べて高い透明性を実現している。また、木材と塗膜の追従性を高める下塗り塗料と、耐水性に優れた上塗り塗料を組み合わせることにより、耐久性を改善している。
②緑地の樹木配置を最適化するシミュレーション技術「Optree」を開発
建物外構の環境性能を向上させる新たな技術として、樹木の種類や配置を最適化することにより敷地内の緑地に良好な暑熱・風環境や緑豊かな景観を効率的にデザインするシミュレーション技術「Optree(オプツリー)」を開発し、「朝日生命国立社宅計画〈あさひの杜国立〉」に初適用した。
「Optree」は、環境シミュレーションと最適化技術を組み合わせることで、敷地形状やコストなどのさまざまな制約条件のもと、環境性能の優れた案を効率的に見つけ出すことができる技術である。従来の設計手法と比べて100倍の速度でシミュレーションを行い、膨大なデータの中から最適解を精緻に分析することで、顧客の求める環境性能を実現する理想的なランドスケープを創造する。
③ホールライフカーボンを評価するプラットフォーム「Z-CARBO」を開発
建物の「ホールライフカーボン(建物生涯CO2)」を可視化し、評価につなげるプラットフォーム「Z-CARBO(ジカーボ)」を開発した。これにより、建物の設計から施工、竣工後までのCO2排出量を定量的に評価する体制を構築した。
「Z-CARBO」は、日本建築学会が定める「建物のLCA指針」や各種団体が推進する算定ツールの計算手法に準拠しており、建物の計画から運用、解体段階まで一貫してCO2排出量を可視化・運用することができる。当社の見積積算書から建築・設備などの項目・数量をAIが自動で判別し、項目別にCO2排出量を算出する。今後は、当社のZEB認証実績と脱炭素を実現する技術力を生かし、顧客の事業活動におけるCO2排出量の削減と情報開示を総合的にサポートしていく。
④大阪・関西万博会場の約4.4倍の面積の森林吸収量に相当するCO2削減を実施
2025年日本国際博覧会のパビリオンワールド西工区(敷地面積約20.4ha)諸施設23件において、資源投入量と廃棄物を削減する取組みを推進し、大幅なCO2削減を実施した。
公益社団法人2025年日本国際博覧会協会が「持続可能な大阪・関西万博開催にむけた行動計画」に掲げる目標の1つ「Planet(生態系、環境):国際的合意(「パリ協定」、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」「昆明・モントリオール生物多様性枠組」)の実現に寄与する会場整備・運営を目指す」に基づき、実施設計者・施工者として所要の性能や品質を確保しながら、従来のスクラップ&ビルドから「つくる」・「つかう」・「つなぐ」をキーワードとして、リユース・リサイクル・アップサイクルなどの資源投入量と廃棄物を削減する取組みを推進した成果である。
⑤解体建物からアルミ建材を回収し水平リサイクルを実現するための実証事業を開始
明治安田生命保険(相)、三協立山㈱、㈱シンワ、㈱HARITA、㈲豊栄金属と共同で、建物解体時に生じるアルミ建材の水平リサイクル実現に向けた実証事業に着手した。明治安田生命保険が所有する建物の解体工事においてアルミ製カーテンウォールを単独解体・分別回収し、適切な保管・管理・運搬・高度選別を経て、トレーサビリティを確保した高品質な原料として製造先へ繋げる。
この取り組みを通し、建物解体時に発生するアルミ建材の水平リサイクルにおける課題を抽出し、手法確立に向けた検討を行う。さらに、水平リサイクルの実現により、持続可能で循環的な製品という新たな付加価値の提供を目指す。
⑥水素ガスを安全に貯蔵・運搬できる小型軽量の水素タンクを開発
那須電機鉄工㈱と共同で、水素ガスを安全に貯蔵・運搬できる小型軽量の水素タンクを開発した。水素ガスを数百~千分の1程度の体積でコンパクトに貯蔵できる「ナノ化鉄チタン水素吸蔵合金」を採用し、一般的な水素タンクに比べて小型軽量(直径140 mm、高さ606 mm、重量29 kg)とすることで、比較的容易に運搬が可能となった。また、タンク内部に効率的な熱交換構造を採用することで、タンクの小型化による水素吐出量の低下を克服し、燃料電池による安定的な発電のための水素供給を可能とした。
今後は、燃料電池を含む可搬型電源装置の開発、水素タンクの容量向上、熱交換効率の向上などの技術開発を継続し、より環境にやさしい水素発電を基盤とした電源システムの構築を目指す。
(2)未来・先端領域
量子コンピュータを用いた教育施設整備計画の最適化技術を開発
大学や高校、専門学校などの教育施設において、量子コンピュータを用いて複数のカリキュラム実施案を算出し、その結果を基に校舎の新築や改修といった教育施設整備計画の最適案を作成する技術を開発した。
多数の組み合わせの中から高速で最適な組み合わせを探し出す「量子アニーリング技術」を用いて、様々なカリキュラム実施案の比較検討を短時間で行う。これにより、計画初期段階から教育施設の整備計画案を効率的に検討できるとともに、顧客の要望を的確に反映した計画の立案が可能となる。今後は、個別の施設のみならずキャンパス全体の運用も視野に入れ、整備計画の立案における効率性と精度の高い提案を行っていく。
(3)社会価値創造領域
モバイルハウス活用事業の本格展開に向けた新会社を設立
トレーラー開発・製造を行う㈱クロコアートファクトリーとの共同出資により、モバイルハウス活用事業を展開する新会社「㈱オフグリッドフィールド」を設立し、2025年2月にレンタカー事業の認可を受けて事業を開始した。
オフグリッドフィールドは、自立電源と自立通信を備えた「牽引式オフグリッド型モバイルハウス」の建設現場でのさらなる活用促進に加え、移動可能で電気や通信のインフラがない場所でも活用できるモバイルハウスの特性を生かし、地域活性化などの社会課題解決に貢献していく。牽引式モバイルハウス、オフグリッド型モビリティーは㈱レンタルのニッケンからもレンタル可能であり、初年度のレンタル稼働率60%を目指す。
また、子会社における研究開発の主なものは次のとおりである。
㈱竹中土木
(1)施工の効率化・自動化
①盛土材料管理システムの高度化
②盛土品質管理試験(RI試験)の自動化
③橋梁補強工事の施工自動化
④トンネル重機の遠隔施工化
(2)安全安心技術
①スマートコラム工法による堤防補強
②ブロック状混合処理(NSM)工法によるコンクリート補強技術の開発
(開発事業及びその他)
研究開発活動は特段行われていない。