有価証券報告書-第99期(2022/04/01-2023/03/31)
③ 戦略及び④ 指標と目標
当社グループは、サステナビリティ基本方針に掲げる5つの「寄り添い」を通じて、持続可能な社会の実現を目指します。事業の源である自然への感謝を忘れずに、その恵みを様々な姿かたちで広く社会に届け、企業を取り巻く地球環境や社会の課題に真摯に向き合い、その解決を図りながら新たな価値を生み出します。
また、特定した重要課題に対しては、指標と目標を設定することで、サステナビリティ戦略の方向性を明確にし、各目標の進捗状況をモニタリングし、取り組みに反映しております。
5つの「寄り添い」を通じた重要課題への取り組みと目標
当社グループは、サステナビリティ基本方針に掲げる5つの「寄り添い」を通じて、持続可能な社会の実現を目指します。事業の源である自然への感謝を忘れずに、その恵みを様々な姿かたちで広く社会に届け、企業を取り巻く地球環境や社会の課題に真摯に向き合い、その解決を図りながら新たな価値を生み出します。
また、特定した重要課題に対しては、指標と目標を設定することで、サステナビリティ戦略の方向性を明確にし、各目標の進捗状況をモニタリングし、取り組みに反映しております。
5つの「寄り添い」を通じた重要課題への取り組みと目標
1.環境に寄り添う 気候変動・水資源問題への取り組み、廃棄物の削減をとおして環境改善に貢献します。
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気候変動問題 | リスク(●) 機会(○) | ●気候変動の助長、生産・輸送過程でのCO2排出、地球温暖化による原料農産物の作柄への影響、気象災害激甚化による工場など生産設備への被害、炭素税導入による費用負担 〇CO2排出削減のための生産プロセスイノベーション、環境負荷に配慮した包装資材の開発・促進 | |||||||||
2023年3月期の主な取り組み | ・環境マネジメントシステムISO14001の運用 ・省エネルギーな生産方法への転換、省エネルギー機器の導入 ・CO2削減に向けた生産技術部門のグループ企業横断的な取り組みの推進 ・最適生産方法・物流体制検討プロジェクトの推進 ・環境配慮資材の調達 | ||||||||||
KPI(評価指標) | 2030年度までにCO2排出量46%削減(2015年度比) (2021年度 CO2排出量削減実績:2015年度比△11%減少) | ||||||||||
2050年度までにカーボンニュートラル達成 | |||||||||||
バウンダリー:DM三井製糖㈱、北海道糖業㈱、関門製糖㈱ | |||||||||||
水資源問題 | リスク(●) 機会(○) | ●水資源枯渇による原料農産物の作柄への影響、水質悪化、水不足による生産部門(工場)の安定操業への影響 ○水使用量低減のための生産プロセスイノベーション | |||||||||
2023年3月期の主な取り組み | ・工場排水の水質検査・排水処理場での処理等による適正管理 | ||||||||||
KPI(評価指標) | 2030年度までに水資源排出量20%削減(2015年度比) (2021年度 水資源排出量削減実績:2015年度比+3%増加(北海道の一部製糖所における原料となるてん菜の処理量の増加等に伴い操業日数が延びたこと等による。)) | ||||||||||
バウンダリー:DM三井製糖㈱、北海道糖業㈱、関門製糖㈱ | |||||||||||
廃棄物問題 | リスク(●) 機会(○) | ●廃棄物による水質・土壌汚染(農業・生産部門への悪影響)、産業廃棄物の処理コスト増大 ○廃棄物の削減(リデュース)・リユース・リサイクル促進によるコスト・ダウン、環境負荷に配慮した包装資材の開発・促進、副産物の有効利用による新たなビジネスの創出 | |||||||||
2023年3月期の主な取り組み | ・廃棄物等の分別の徹底・適正処理 ・生産に伴う副産物・廃棄物の資源化 ・製糖副産物(バガス)を活用した商品開発への取り組み促進 | ||||||||||
KPI(評価指標) | 2030年度までに廃棄物ゼロエミッションを達成 (2021年度リサイクル率87%) | ||||||||||
バウンダリー:DM三井製糖㈱、北海道糖業㈱、関門製糖㈱ |
2.人に寄り添う 労働安全衛生を強化し、ダイバーシティ&インクルージョン(人財の多様性と包摂性)への配慮をつうじて、人権が尊重される社会の実現に貢献します。
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人権の尊重 | リスク(●) 機会(○) | ●当社グループ内における人権侵害の発生と企業価値の毀損、サプライチェーン上での人権侵害の発生による原材料調達及び製品販売への影響 ○当社グループ内における人権の尊重による従業員のモチベーションアップ・生産性の向上・イノベーションの誘発・優良人材の獲得、サプライチェーン全体での人権尊重強化による企業価値や商品価値の向上 | |||||
2023年3月期の主な取り組み | ・人権方針の策定に向けた準備・検討、人権に関する社内研修の実施 (2023年4月1日付でDM三井グループ人権方針及びDM三井グループ調達方針を制定) | ||||||
KPI(評価指標) | 人権に関する教育や取り組みの社内研修を実施 (従業員への研修受講率100%) | ||||||
サプライチェーンにおける原材料調達責任をはたすため、人権デューデリジェンスを実施(2025年度まで) | |||||||
バウンダリー:DM三井製糖㈱のほか、連結子会社16社及び持分法適用関連会社10社 | |||||||
労働安全衛生の強化 | リスク(●) 機会(○) | ●重篤な労災事故発生による従業員への影響及び企業価値の毀損 ○安全文化の醸成による企業文化の向上及びステークホルダーからの信頼獲得、労働安全衛生の徹底による従業員の心理的安全性確保とそれによる生産性の向上 | |||||
2023年3月期の主な取り組み | ・労働安全衛生マネジメントシステムISO45001の運用 ・当社グループ全社を対象にした労働安全研修「安全の日」の実施(1月19日) ・活発なコミュニケーションによる課題抽出(スピークアップ活動) ・確実なコロナ対策の実施による安定的な生産継続 ・設備(監視カメラの設置等)や作業手順に対する導入・変更前の社内安全審査の実施 | ||||||
KPI(評価指標) | 労働災害「ゼロ(休業災害1日以上を対象)」の達成 (2022年度休業災害実績3件/DM三井製糖㈱) | ||||||
バウンダリー:DM三井製糖㈱のほか、連結子会社16社 | |||||||
ダイバーシティ&インクルージョン | リスク(●) 機会(○) | ●性差別等による企業文化の劣化と採用難による人材不足、新たな発想力の低下 ○多様な価値観を受け入れる企業風土の醸成、多様な人材の活躍による従業員のワークエンゲージメントの向上及びイノベーションの誘発、従業員の心理的安全性向上による生産性の向上、人材獲得機会の増加 | |||||
2023年3月期の主な取り組み | ・ダイバーシティ&インクルージョンに関する研修等の実施 詳細は「(3)人的資本」をご参照ください。 | ||||||
KPI(評価指標) | 女性管理職比率10%達成(2025年度まで) | ||||||
障がい者雇用率3%以上 | |||||||
男性従業員の育児休業取得率100% | |||||||
出産した従業員等及び出産予定で退職した従業員等の合計数のうち、子の1歳誕生日まで継続して在職している者の割合が70%以上 | |||||||
ダイバーシティ&インクルージョンの社内教育を実施(従業員の研修受講率100%) | |||||||
ダイバーシティ&インクルージョンに関する相談窓口を設置 | |||||||
国籍/性別(性的マイノリティー・LGBT)/年齢/障がいの有無に配慮した人事制度の導入 | |||||||
従業員意識調査(働きやすさの調査)実施 | |||||||
バウンダリー:DM三井製糖㈱のほか、連結子会社16社 | |||||||
3.幸せの時に寄り添う 「適糖」生活を広げ、食の基盤づくりをとおして皆さまの幸せな未来に貢献します。
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糖分過不足による健康阻害 | リスク(●) 機会(○) | ●不正確な情報による糖類過不足の発生とそれによる健康阻害 ○正しい知識の啓発による適正な糖分摂取とそれによる商品提供機会の増大・新たな需要の創造 | |||||
2023年3月期の主な取り組み | ・小児糖尿病患者とその家族の会である「つぼみの会」の講習会(年2回開催)に協賛企業として参加 ・小学校での食育授業の実施 ・正しい砂糖の知識に関する社内データベースの構築及び各種メディアや学生向けの教育授業を通しての正しい砂糖知識の啓発活動の実施 ・栄養摂取に関する専門家との意見交換会及び学会・業界団体を通しての講演会・勉強会等の開催 | ||||||
KPI(評価指標) | 糖分過不足による弊害についてのエビデンスに基づいた知見の蓄積 | ||||||
糖分過不足による弊害の解消=「適糖生活」の概念構築に向けた勉強会、外部専門家との意見交換の実施 | |||||||
日本人一人ひとりの生活実態・健康状態に合わせた「適糖生活」モデルの構築 | |||||||
バウンダリー:DM三井製糖㈱ |
4.健康に寄り添う 食品安全の徹底とともに、健康寿命の延伸、栄養ニーズの充実、美味しさの革新をとおして、皆さまの健やかな生活に貢献します。
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食品安全の徹底 | リスク(●) 機会(○) | ●食品安全衛生上の重篤な問題による顧客(消費者)への健康被害発生及び企業価値の毀損 ○食品安全の徹底による顧客(消費者)の信頼獲得とブランド価値・企業価値の向上 | |||||
2023年3月期の主な取り組み | ・FSSC22000等のGFSI認証規格のほか、ISO9001やJFS-Bといった国際的な品質や食品安全に関する認証を継続し、品質向上・食品安全の強化を実施 ・品質保証部門による食品生産現場への定期監査実施 | ||||||
KPI(評価指標) | 自社製造製品での重篤な健康危害(食中毒等)発生ゼロ (2022年度重篤な健康危害発生ゼロ/DM三井製糖) | ||||||
バウンダリー:DM三井製糖㈱のほか、連結子会社10社及び持分法適用関連会社2社 | |||||||
KPI(評価指標) | DM三井グループの国内外精製糖製造工場:GFSI認証規格を取得・継続 | ||||||
他の国内食品製造工場:HACCPを含む食品安全に関する国際規格の取得拡大推進 | |||||||
バウンダリー:DM三井製糖㈱のほか、連結子会社9社及び持分法適用関連会社7社 | |||||||
健康促進・栄養改善 | リスク(●) 機会(○) | ●顧客の健康促進・栄養改善に資する商品の欠如による売り上げの減少、少子高齢化による市場縮小 ○顧客の健康促進・栄養改善に資する新たな商品の開発、顧客の健康志向や拡大するヘルスケアマーケットへの対応による売り上げの増大・企業価値の向上 | |||||
2023年3月期の主な取り組み | ・DM三井製糖㈱にDM三井グループ研究所を設置(グループ研究開発体制の構築) ・パラチノースを配合した新商品「ZUNOUP(ズノアップ)」の販売開始 ・エネルギー源となる機能性糖質・タンパク質の開発 詳細は「5[研究開発活動]」をご参照ください。 | ||||||
KPI(評価指標) | 健康関連分野(ライフ・エナジー分野)の売上高を500億円まで拡大(2025年度まで) (2022年度ライフ・エナジー事業売上高223億円) | ||||||
バウンダリー:DM三井製糖㈱のほか、連結子会社3社 |
5.地域社会に寄り添う 産業の振興をとおして、地域社会の維持・発展に貢献します。
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地域経済の発展 | リスク(●) 機会(○) | ●国内地方経済の衰退による生産拠点での人材確保問題、国内原料農産物の生産減少 ○地域経済活性化による人口増加と人材獲得機会及び消費拡大、地域農業の活性化による生産性向上と原料農産物の安定供給 | |||||||
2023年3月期の主な取り組み | ・石垣島さとうきび生産体験研修実施 ・小学校での食育授業実施 ・徳之島での生物多様性保全活動(NPO法人)支援 ・地域の子供食堂・養護施設等への食品寄附活動 ・地域の清掃活動への参加 | ||||||||
KPI(評価指標) | 砂糖原料生産地(沖縄/鹿児島/北海道)の地域経済・自然環境保護に貢献する活動を、毎年合計3件以上実施 | ||||||||
バウンダリー:北海道糖業㈱、生和糖業㈱、石垣島製糖㈱ | |||||||||
KPI(評価指標) | 地域に貢献するサステナビリティ関連活動を継続的実施 | ||||||||
バウンダリー:DM三井製糖㈱のほか、連結子会社12社 |