有価証券報告書-第169期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 13:07
【資料】
PDFをみる
【項目】
121項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度のわが国経済は、政府の景気対策等に伴い、緩やかな持ち直し傾向で推移していますが、海外での政情不安や国内での人手不足によるコスト増といった背景もあり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く食品業界におきましては、家計消費の根強い節約志向が続く中、食の安心・安全の徹底や多様化する生活者ニーズに応えた、より付加価値の高い商品作りが求められ、競争環境はいっそう厳しさを増しております。
このような経営環境のもと、当社は高収益安定企業を実現すべく、高付加価値商品などの開発体制の強化や生産効率の向上、全社的なコスト削減等による収益基盤強化に取り組んでまいりました。
売上高は、主力の食料品製造事業が好調に推移し、全体では1,994億7千9百万円と前年実績に比べ176億1千1百万円(9.7%)の増収となりました。
損益は、売上高が増収であったこと、及び商品規格の見直しや生産効率の改善等による原価低減を図った結果、収益性は大きく改善し、営業利益は前年実績に比べ61億5千6百万円(53.7%)増益の176億1千2百万円、経常利益も前年実績に比べ62億6千3百万円(51.9%)増益の183億2千5百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益も前年実績に比べ30億2千3百万円(37.4%)増益の111億1千5百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
<食料品製造事業>菓子食品部門
国内では、主力ブランドの「森永ココア」が健康効果に対する注目の高まりを受け、前年実績を大きく上回りました。「森永ビスケット」「チョコボール」「ミルクキャラメル」は前年実績を下回りましたが、定番品に加え、新商品が好調に推移した「おっとっと」、高付加価値商品に注力した「ダース」が前年実績を上回ったこと等により、主力ブランド全体では前年実績を上回りました。
その他のブランドでは、高ポリフェノールの効能を訴求した「カレ・ド・ショコラ」や、栄養機能への認知を高め、顧客層を拡大した「甘酒」が年間を通じて好調に推移し、国内全体では前年実績を大きく上回りました。
海外では「ハイチュウ」の売上が着実に伸長しており、米国、インドネシア、中国、台湾で前年実績を上回ったことにより、海外全体では前年実績を上回りました。
これらの結果、菓子食品部門全体の売上高は1,234億3千7百万円と前年実績に比べ82億9千2百万円(7.2%)増となりました。
冷菓部門
主力ブランドの「チョコモナカジャンボ」及び「バニラモナカジャンボ」のジャンボグループは、引き続き好調に推移しました。また、「パリパリバー」「パキシエル」等のマルチパック商品や「アイスボックス」、コンビニエンスストア向けのプレミアム商品も好調に推移したことで、前年実績を上回りました。
これらの結果、冷菓部門全体の売上高は354億3千7百万円と前年実績に比べ30億5千6百万円(9.4%)増となりました。
健康部門
主力ブランドの「inゼリー」は、機能性を訴求したマーケティングや広告展開の効果等もあり、年間を通じて好調に推移し、前年実績を大きく上回りました。「天使の健康」シリーズの通販事業は「おいしいコラーゲンドリンク」「パセノール™」関連商品が前年実績を上回り、通販事業全体では前年実績を上回りました。
これらの結果、健康部門全体の売上高は307億3千5百万円と前年実績に比べ58億3千万円(23.4%)増となりました。
これらの結果、<食料品製造事業>の売上高は1,896億1千万円と前年実績に比べ10.0%増となりました。セグメント利益は売上高の増収に加え、売上原価が改善したことにより、173億1千万円と前年実績に比べ64億4千7百万円の増益となりました。
<食料卸売事業>売上高は、68億5千8百万円と前年実績に比べ10.4%増となりました。セグメント利益は5億3千6百万円と前年実績に比べ1千4百万円の増益となりました。
<不動産及びサービス事業>売上高は、ゴルフ事業、不動産事業共に前年実績を下回り、事業全体で24億5千7百万円となりました。セグメント利益は7億9百万円と前年実績に比べ3千1百万円の増益となりました。
<その他>売上高5億5千2百万円、セグメント利益6千万円であります。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べて138億1千2百万円減少し、129億2百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は184億円と前連結会計年度に比べ16億8千5百万円増加となりました。主な内容は、税金等調整前当期純利益が153億8千万円、減価償却費57億7千1百万円及び法人税等の支払額62億4千1百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は297億3千6百万円となりました。主な内容は、定期預金の預入による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は23億9千8百万円となりました。主な内容は、配当金の支払額によるものであります。