四半期報告書-第78期第2四半期(平成26年7月1日-平成26年9月30日)

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2014/11/10 9:26
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32項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は政府による経済・金融政策を背景に企業業績や個人消費の一部に改善がみられ、景気は緩やかな回復基調にあるものの消費税増税の個人消費への影響が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いています。
菓子・食品業界においても、企業間の価格競争が激化する中、原材料価格やエネルギーコストが上昇し、加えて夏場の天候不順の影響もあって経営環境は厳しい状況で推移しました。
当社グループはこのような状況の中で、新中期3ヵ年計画「Strategic Innovation Plan2014」(平成24年4月から平成27年3月)の最終年度目標の達成に向け更なるブランドの活用とイノベーションの実行に取り組みました。国内事業では新商品の投入や主力商品の販売促進活動を強化し、海外への事業展開につきましては、ASEANや中南米への当社ブランド商品のPR活動を積極的に展開しました。業務改革の面では、国内事業会社の井村屋株式会社において商品の受注業務の集約化と更なる顧客満足の向上を目的とする「ISCMセンター」が9月から稼働を開始し、また、全グループで展開しております「経営品質向上活動」も活動を次のステップへ進めるなど改革の実行に向けた活動の強化を行いました。
当第2四半期連結累計期間における当社グループの業績は、売上面では、冷菓商品において上期の主力である「あずきバー」シリーズが、夏場の天候不順の影響もあり記録的な猛暑であった前年と比較すると減少しましたが、今期は通年販売を行っている「やわもちアイス」シリーズが新アイテムの発売効果もあって売上が増加しました。また菓子、食品、デイリーチルドでも重点商品が伸長するとともに加温商品を中心とする「肉まん・あんまん」類は今年発売50周年を迎え、様々なキャンペ-ンの実施やおいしさを追求したプレミアムな新商品「ゴールドまんシリーズ」の発売により順調な立ち上がりとなって、「あずきバー」シリーズの売上減少をカバーし、連結売上高は172億98百万円(前年同期比1.2%減)の微減となりました。
利益面では、原材料費やエネルギーコストが上昇する中、計画的な設備投資の活用や継続的なコストダウン活動により製造コスト削減に取り組みましたが、下半期に向けた広告宣伝や販売促進活動の早期実施により販売直接費が増加し、営業利益は前年同期比9百万円(3.8%)減の2億39百万円となりました。経常利益につきましては円安による為替差益の影響や海外事業での損益改善が図られた事により前年同期比22百万円(6.9%)増の3億49百万円となり、以前から計画的に進めてきました「創エネ」によるボイラー設備への補助金を特別利益に計上した事により、四半期純利益(税引き後)は前年同期比89百万円(68.9%)増の2億19百万円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① 流通事業
流通事業におけるカテゴリー別の業績の状況につきましては以下のとおりです。
(菓子・食品・デイリーチルド)
菓子については、新しい商品提案を行っているようかん類で新形態の「スポーツようかんプラス」や朝食向けの「おはようかん りんご・バナナ」に加え、新商品の「和菓子屋のようかんシリーズ きんつば、芋、栗」を発売し好評をいただきました。また、「招福ようかん」 において、世界の優れたパッケージデザインに与えられる 「pentawards(ペントアワード)2014 銅賞」 を受賞し、2年連続のグッドデザイン賞受賞に引き続いた受賞となり、今後パッケージデザインの更なる進化を図るとともに拡売につなげてまいります。
カステラ類は日本国内でコンビニエンスストアを中心に売上が増加し、中国の井村屋(北京)食品有限公司(IBF)におけるカステラ事業もアメリカへの輸出も含め計画に沿って伸長しております。また冷凍菓子商品においても大手コンビニエンスストアとのコラボレートした商品が順調に推移し、菓子全体の売上高は、前年同期比90百万円(3.6%)増の26億8百万円となりました。
食品については、OEM受託商品において、国内事業会社の日本フード株式会社での受注が減少しましたが、夏物商品の「氷みつ」でスパウチタイプの商品が伸長し、「ゆであずき」や「白米でおいしい!」キャンペーンを実施した「お赤飯の素」が好調に推移しました。冷凍食品では「ゴールドまんシリーズ」として冷凍タイプの「2個入りゴールド肉まん・あんまん」を発売した効果により売上高が前期比60.4%増と増加し、食品全体の売上高は前年同期比54百万円(2.5%)増の22億57百万円となりました。
デイリーチルド商品では、豆腐類が有機大豆を使用した商品を中心に引き続き好調に推移しました。また、家庭向け商品の「チルドまん」においてもチルドタイプの「3個入りゴールド肉まん・あんまん」の発売効果により売上が増加し、デイリーチルド合計では前年同期比1億16百万円(21.5%)増の6億59百万円となりました。
(加温・冷菓)
冷菓商品は、主力商品の「あずきバー」シリーズは、ブランド活用と購買層の拡大を目指した販売促進に取り組み、4月~6月では順調に推移しましたが、最盛期の8月で天候不順の影響もあり4月~9月累計での売上本数は前期比14.8%減の1億93百万本となりました。一方で今期は通年販売を行っている「やわもちアイス」シリーズは新アイテムとして夏向きの “白桃シャーベット”や秋冬物の“栗あんカップ”を投入した効果もあって引き続き好調に推移し、「やわもちアイス」シリーズの売上は前年同期比87.0%増の8億13百万円となりました。また、秋冬物の新商品として発売した「きんつばアイス」、「焼いもアイス」はSNSの効果的なPRもあって好評をいただき、今後に期待がもてる立ち上がりとなっており、米国でアイス事業を展開しているIMURAYA USA, INC.においても OEM受託商品の売上が増加し、新たな商談が進んでいる状況となっております。しかし、冷菓全体では「あずきバー」シリーズの売上減をカバーするまでには至らず、冷菓商品の売上高は、前年同期比5億74百万円(7.1%)減の74億78百万円となりました。
加温商品では立ち上がり期の9月から「肉まん・あんまん」発売50周年キャンペーンを実施し、過去に発売した人気商品から復活の「肉まん・あんまん」を選ぶSNS人気投票やタクシー会社と提携して東京都内で「幸運の金のタクシー」を運行するなど話題性のある企画を行うとともに積極的な販売促進活動によりコンビニエンスストアへの導入アイテムが増加しました。また、新しい製法でのプレミアムな商品が好評をいただいており、加温商品の売上高は前年同期比1億40百万円(8.0%)増の18億96百万円となりました。
食品カテゴリーの「冷凍まん」、デイリーチルドカテゴリーの「チルドまん」を含めた「肉まん・あんまん」類の売上高は新商品「ゴールドまんシリーズ」の発売効果もあって前年同期比14.6%増の22億50百万円となり、冬場の最盛期に向け、期待がもてる状況となっております。
(新スイーツ)
新スイーツでは、「アンナミラーズ」「ジュヴォー」のブランドを活かした店舗運営を行い、前期リニューアルを行ったアンナミラーズ高輪店やジュヴォー広尾店の売上が順調に推移し、また中国天津で2店舗を出店している「アンナミラーズ」もブランドの認知度が高まっており、新スイーツの売上高は前年同期比20.1%増の1億65百万円となりました。
また、本社所在地津市の近鉄津駅構内に出店している「彩(いろどり)ストアー」も地元の皆様に引き続き好評をいただいており、商品のPR効果に繋がっています。
この結果、流通事業の売上高は、前年同期比1億45百万円(1.0%)減の150億65百万円となり、セグメント利益(営業利益)は下半期に向けた広告宣伝や販売促進活動の早期実施により前年同期比57百万円(6.6%)減の8億14百万円となりました。
② 調味料事業
国内で調味料事業を担当する井村屋シーズニング株式会社では、大手受注先の受注減少の影響で売上が減少しましたが生産体制の見直しや省エネ設備の導入により製造コスト低減に取り組み、損益面では前年同期より改善が図られました。また、取得したハラール認証の活用に向け、フードショーへの出展や商品提案の推進を行い、今後新たな顧客満足の提供と新規市場の開拓を進めてまいります。中国に拠点を置いている北京京日井村屋食品有限公司(JIF)は重点得意先のニーズに対応した商品提案を行い、中国国内の売上が増加いたしました。また、中国事業の成長戦略に向け大連に設立した井村屋(大連)食品有限公司(IDF)は10月15日に新工場の竣工式を行い、本格稼働に向け計画通り準備を進めております。この結果、調味料事業の売上高は次の成長戦略への準備期間であり、前年同期比67百万円(3.1%)減の21億32百万円となりましたが、セグメント利益(営業利益)は前年同期比12百万円(62.4%)増の32百万円となりました。
③ その他の事業
イムラ株式会社が行っているリースや保険の代理業は堅調に推移し、井村屋商品のアウトレット販売を行っております「MOTTAINAI屋」は固定的な販売設備に増強し、開催回数を増加するなどお客様へのサービス向上を図り、地域住民から引き続き好評をいただきました。その結果、その他の事業の売上高は1億円となり、セグメント利益(営業利益)は21百万円となりました。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間の財政状態は以下のとおりであります。
総資産は255億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億7百万円の増加となりました。流動資産は、冬物商品の最盛期に対する供給体制を確実にするため、製品在庫の増加等により、10億58百万円増加の110億80百万円となりました。固定資産は、井村屋(大連)食品有限公司(IDF)の連結子会社化に伴う関係会社出資金の相殺消去の影響や長期繰延税金資産の減少等により、75百万円減の144億26百万円となりました。
負債は149億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億90百万円の増加となりました。流動負債は、冬物商品の生産に連動した短期借入金、買掛金、未払金等の増加により、14億56百万円増の124億29百万円となりました。固定負債は、長期借入金の短期借入金への振替や、リース債務の減少、会計方針の変更に伴う退職給付に係る負債の減少等により、3億65百万円減の25億68百万円となりました。
純資産は、配当金の支払等により83百万円減の105億32百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末43.17%から41.15%へ減少しました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、16億52百万円となり、前連結会計年度末比で1億31百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金の増加は63百万円となり、前年同四半期に比べ20億8百万円の減少となりました。この減少の主な要因は、冬物商品の最盛期に対する供給体制を確実にするための製品在庫の増加と、売上債権の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少は3億84百万円となり、前年同四半期に比べ1億50百万円の減少となりました。この減少の主な要因は、有形固定資産の取得に伴う支出の増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金の減少は12百万円となり、前年同四半期に比べ14億78百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、借入金の増加によるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は2億17百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。