有価証券報告書-第131期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/23 10:05
【資料】
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【項目】
188項目
③ 戦略
当社では、洋菓子事業及び製菓事業を対象にシナリオ分析を実施しております。シナリオ分析では、2030年における4℃シナリオ及び2℃・1.5℃シナリオの2つの将来世界観を設定し、リスク及び機会の特定・評価を行っております。特定・評価したリスク及び機会に対応すべく、経営戦略との整合性をはかってまいります。
a. 分析に使用したシナリオ
4℃シナリオ●IPCC AR5(気候変動に関する政府間パネル第5次報告書)
:RCP8.5、RCP6.0
●IEA WEO 2022(国際エネルギー機関2022年版世界エネルギー見通し)
:Stated Policies Scenario
2℃・1.5℃シナリオ●IPCC AR5(気候変動に関する政府間パネル第5次報告書)
:RCP2.6、RCP4.5
●IEA WEO 2022/IEA Net Zero by 2050(国際エネルギー機関2022年版世界エネ
ルギー見通し/国際エネルギー機関2050年ネットゼロに向けたロードマップ)
:Net Zero Emissions by 2050 Scenario
●IEA WEO 2019(国際エネルギー機関2019年版世界エネルギー見通し)
:Sustainable Development Scenario


b. 4℃シナリオ及び2℃・1.5℃シナリオに基づく将来世界観
4℃シナリオ<異常気象に伴う自然災害などの被害が拡大>産業革命期頃と比較して、2100年頃までに地球平均気温が4℃以上上昇する世界を想定したシナリオ。
現在の気候変動に関連する法整備や施策が成り行きで続き、異常気象の激甚化をはじめとした、平均気温上昇による物理的影響が顕著になる世界観。気候変動による直接的な被害が増加するのに対し、法規制や税制という形での市場への締め付けは強化されないため、移行リスクとしての影響度は小さく、企業の事業活動や顧客及び投資家における気候変動に対する意識に特別な変化は見られない。
2℃・1.5℃シナリオ<脱炭素社会への移行が表面化>産業革命期頃と比較して、2100年頃までに地球平均気温上昇を2℃程度に抑える世界を想定したシナリオ。
現在より厳しい政策や規制の導入等によって気温上昇が抑制され、異常気象等の物理的リスクの規模や頻度は4℃シナリオに比べ縮小するが、脱炭素化に向けた社会構造の変化に伴い、移行リスクは高まる世界観。そのため、あらゆる企業の事業活動において、気候変動の適応と緩和の動きが顕著になり、顧客や投資家の間では環境配慮の商品・サービスに関心が集まる。

リスク項目については、2030年における財務インパクトを推定し、影響度を大中小で評価いたしました。その結果、下記「c. リスク・機会一覧」に示すように、4℃シナリオにおける「原材料コストの変化」、2℃・1.5℃シナリオにおける「炭素税の導入」「プラスチックへの規制」「顧客行動の変化」「原材料コストの変化」が特に大きな影響を及ぼす可能性があると確認いたしました。
一方で、環境意識の高まりなどお客様の新たなニーズへの対応や、気温上昇によるお客様の嗜好変化・喫茶需要の増加に合わせた商品開発、店舗業態での出店など事業機会の可能性を確認しております。
リスクへの対応策をはじめとする具体的な取り組みについては、当社ウェブサイトのサステナビリティページやサステナビリティレポートをご参照ください。
c. リスク・機会一覧
分類リスク項目
(注)1
時間軸
(注)2
事業への影響影響度
4℃2℃・1.5℃
移行リスク炭素税の導入
*
中~
長期
事業活動に伴うCO2排出量に対して課される炭素税による操業コストの増加
導入
プラスチックへの
規制
短~
長期
石油由来原料への規制強化等、プラスチック梱包材への規制が導入された場合、紙を用いた包装へ変更するなどの対応コストの増加
省エネ・再エネ政策の
強化
*
中~
長期
省エネ政策強化による省エネ対応設備への切替コストや店舗のZEB化・ZEH化への対応コストの増加
エネルギーコストの
変化
*
中~
長期
・再生可能エネルギーへの需要増加による電力
価格高騰が引き起こす、電力調達コストの増加
・化石燃料や電力などエネルギー価格の変動によ
る、石油由来包装及び輸送コストの変動(増加)
顧客行動の変化短~
長期
環境意識の高まりによる消費者離反や、小売企業による当該商品の採用減に伴う売上の減少
原材料コストの変化
*
短~
長期
持続可能な農業への移行や干ばつ、平均気温の上昇に伴う、原材料(カカオ豆、小麦、牛乳、大豆油等)調達コストの増加
物理リスク異常気象の激甚化
*
短~
長期
気象災害の激甚化による拠点の被災及びサプライチェーンの寸断による損害や営業停止による損失の発生
物理機会平均気温の上昇短~
長期
気温の上昇によるお客様嗜好変化、喫茶需要の増加、冷菓需要の増加、飲料需要の増加、収益の増加

(注)1 *印のリスク項目は、定量的な評価を実施しております。
2 時間軸は下記のとおり定義しております。
短期:0~3年、中期:4~10年(2030年ごろ)、長期:11年~
d. 具体的な取り組み
イ.CO2排出量の削減
当社では、2030年までにCO2排出量を2013年度比で46%削減することを目標に、低炭素社会の実現に向けた取り組みを積極的に行っております。
具体的には、生産工場では屋上に太陽光パネルを設置し、太陽光発電によって得た電力を工場で使用するなど、CO2排出量の削減を進めております。また、商品の配送時に排出されるCO2についても削減活動を推進しており、共同配送等により配送の効率化を行うことで使用燃料及びCO2排出量の抑制につとめております。
ロ.プラスチック使用量の削減
製品の容器や包装については、商品をおいしく安全にお客様にお届けするための「品質保持」の役割を維持するとともに、省資源や廃棄時の環境負荷低減など「環境配慮」への対応を進めております。
具体的には、プラスチック包材から紙包材への切替や、外装・個包装・トレーなどの薄肉化及びサイズの縮小に取り組んでおります。また、洋菓子店舗やレストランにおいても、バイオマスプラスチックを使用した持ち帰り袋への切替などを行っております。
ハ.お客様の嗜好変化への対応
お客様の環境に対する意識の高まりにより、環境配慮型商品への需要が増加するなどお客様の嗜好も変化しております。エシカル消費の広まりに対し、上記プラスチック使用量の削減のほか、FSC(注)認証紙の使用や、サステナブルな原料を使用した商品及び気温上昇によるお客様の嗜好変化に合わせた商品の開発などに取り組んでおります。
(注)FSC(Forest Stewardship Council)認証は、環境・社会・経済の便益に適い、きちんと管理された森林から
生産された林産物や、その他リスクの低い林産物を使用した製品を目に見える形で消費者に届ける仕組みの
ことであります。

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