- #1 ガバナンス、アルコールの負の影響(連結)
当社グループでは、アルコールの負の影響への対応を促進するため、毎年、CSV戦略担当役員も参加するグループCSV委員会又は当社取締役会にてアルコール関連問題をアジェンダの一つに設定しグループとしての取り組みを報告又は議論し、グループ全体戦略へ反映させます。グループCSV委員会で報告・議論された場合は、当社の取締役会に報告されております。当期は取締役会で議論されました。
また、アルコールの負の影響への理解を深め経営に反映するため、CEOをはじめとする当社グループの酒類事業に関わる役員がアルコール依存症の専門治療を行っている独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センターを訪問し、アルコール関連問題の最新の研究と課題について講義を受けております。直近では2023年に訪問しました。
2026/03/27 15:06- #2 コーポレート・ガバナンスの概要(連結)
当社の企業統治体制は、以下のとおりです。

・当社は、
酒類、飲料・ヘルスサイエンス、医薬の3領域を中核とした多様かつグローバルな事業展開を統括する体制として純粋持株会社制を採用しています。純粋持株会社である当社は、グループ全体戦略の策定と推進、各事業のモニタリング、グループ連携によるシナジー創出の推進、加えてサステナビリティを巡る課題への対応等の役割を担っています。
・当社グループ各社は、生活者をはじめとしたステークホルダーにより近い場所で自律的かつスピーディな経営を行います。当社は、グループ各社の戦略ステージに合わせて適切な権限付与を行うとともに、グループ各社へ取締役を派遣することで各社の取締役または取締役会を通したガバナンスの向上を図っています。主要グループ会社については、当社の取締役、執行役員またはこれらに準ずる者が各社の取締役を兼務しています。
2026/03/27 15:06- #3 サステナビリティに関する考え方及び取組(連結)
当社グループは、祖業のビール事業を通じ、1世紀以上にわたって磨き続けてきた「発酵・バイオテクノロジー」を起点に食・医・ヘルスサイエンスの3領域で事業を展開しております。
(ア)食領域(酒類・飲料)
祖業であるビール事業を中心に、現在も基盤となる事業領域です。1990年代以降にはアジア・オセアニアを中心にグローバル展開を加速させ、高い付加価値を有するブランドを数多く製造・販売しております。
2026/03/27 15:06- #4 主要な販売費及び一般管理費
※1 一般管理費のうち主要な費目及び金額
| 前事業年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日) | 当事業年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日) |
| 情報システム費 | 17,275 | | 19,282 | |
| 研究開発費 | 9,682 | | 10,877 | |
2026/03/27 15:06- #5 主要な顧客に関する情報(IFRS)(連結)
(単位:百万円)
| 関連するセグメント名 | 前年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 当年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
| 三菱食品㈱ | 酒類、飲料、ヘルスサイエンス | 234,844 | - |
なお、当年度については、外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
2026/03/27 15:06- #6 事業等のリスク
| 項目 | 想定するリスク | リスクが顕在化した場合の主な影響 |
| アルコールの負の影響 | (脅威)・世界的な規模で酒類の販売、広告・宣伝に対する規制が強化されるリスク・世界的に酒類の販売、広告・宣伝に対する規制が強化されるリスク(機会)・ノンアルコール・低アルコール商品の市場や売上の拡大 | (脅威)・酒類の消費が減少する・企業価値が低下する(機会)・ノンアルコール・低アルコール商品の市場や売上が拡大する |
| 主な対策、その他リスクの状況認識等 |
| アルコールの有害摂取による負の影響に関して、WHOは世界的な規模での酒類販売・マーケティングに関する規制強化に向けた議論をしています。また日本国内でも飲酒と健康に関する関心が高まっています。キリングループは酒類事業を営む企業グループの責任としてアルコールの有害摂取の根絶に向けた取り組みを推進しています。酒類事業の展開にあたっては法令を遵守し、責任ある飲酒に関するグローバルマーケティング指針や厳しい自主基準を遵守する他、IARDをはじめ国内外の業界団体と連携した取り組みを進めるとともに、適正な飲酒に関する正しい知識の普及や意識の啓発を行っています。また、アルコールの有害摂取の根絶に向けた取り組みの一環としてノンアルコール・低アルコール飲料の拡充に取り組んでいます。社会情勢の変化に対応しながらアルコールの有害摂取根絶に向けた取り組みを着実に進展させてまいります。 |
2026/03/27 15:06- #7 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略(連結)
(ウ)戦略
当社グループでは、人間の無限の可能性を信じる「人間性の尊重」という考え方を基本理念とし、従業員一人ひとり、新たな価値創造に向かって挑戦し、活き活きと働くことで、仕事を通じて成長し続ける環境を提供していきます。人財をイノベーションによる価値創造、競争優位の源泉と位置付け、人財に投資していくことで、「人財が育ち、人財で勝つ会社」を目指します。人財戦略は、足元の経営戦略の実行性を高めていくことと同時に、人財のケイパビリティは将来にわたる企業価値を高める重要な要素となり、経営戦略の可能性を広げます。そのキーとなるのは「専門性」と「多様性」です。従業員それぞれが、専門性を高めるとともに、食(酒類・飲料)から医・ヘルスサイエンス領域にわたる多様で盤石な事業ポートフォリオの中で多様な経験と多様な視点を養う環境を提供し、「専門性」と「多様性」を兼ね備えた人財を育成します。
また、多様な価値観を受容する組織文化を形成し、組織やチームを超えた共創を通じて、CSV経営を推進し、グループの持続的成長と企業価値向上を実現していきます。
2026/03/27 15:06- #8 従業員の状況(連結)
(1) 連結会社の状況
| 2025年12月31日現在 |
| セグメントの名称 | 従業員数(人) |
| 酒類 | 8,800 | [1,528] |
| 飲料 | 7,849 | [570] |
(注) 1 従業員数は就業人員であります。
2 臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2026/03/27 15:06- #9 戦略、アルコールの負の影響(連結)
事業展開国・地域で酒類の販売(酒税を含む)、広告・宣伝に対する規制が強化されるリスク」への対応戦略
当社グループでは、CSVパーパスに掲げた「酒類事業を営むキリングループとしての責任」を果たし、アルコールの有害摂取の根絶に向けた取り組みを進展させるため、「酒類事業を営むキリングループとしての責任に関する方針」を定めております。当社グループ全体でアルコールの有害摂取の根絶に向けた取り組みを進めるとともに、節度ある飲酒文化の醸成と、こころ豊かな社会の実現に貢献していきます。酒類マーケティングに関しては「責任ある飲酒に関するグローバルマーケティング指針」を制定しております。これは、国や地域の基準に沿った社会規範を遵守し、適正飲酒を促進しながら、一貫して高い基準で事業を推進していくことを約束するものであり、当社グループが行う責任ある飲酒に向けたマーケティング活動に係る全従業員やパートナーを対象としております。また、当社グループの従業員には、酒類を扱う企業グループの従業員として知っておくべき適正飲酒に関する知識を習得するために、国内グループ従業員を対象に適正飲酒啓発研修を行っております。また、飲酒習慣スクリーニングテスト(AUDIT)を実施し、自身の飲酒習慣を振り返る機会を設けております。そのうえで、酒類事業の展開国・地域においては、お客様への適正飲酒啓発活動を実施し、自身のアルコール体質を確認しつつ、お酒の特性と効用、また誤用によるマイナス面を正しく理解していただき、適正な飲酒に向けたアドバイスなどを伝えております。当年度においては、具体的な適正飲酒啓発活動として、動画配信やワイナリーツアー内での適正飲酒啓発活動の実施、また大学や企業に訪問して適正飲酒セミナーも開催しております。また、グローバル酒類メーカーが加盟する「責任ある飲酒国際連盟(IARD)」に加盟し、適正飲酒の啓発、アルコールの有害摂取の低減に向けた取り組みを推進しております。国内ではキリンビールがビール酒造組合に加盟しており、ビール業界と連携した適正飲酒啓発に取り組んでおります。なお、当年度において、サステナビリティ関連の他のリスク及び機会との間のトレードオフを考慮した事例はありません。
2026/03/27 15:06- #10 戦略、環境(気候変動・自然資本)(連結)
2025年4月から、業界を超えた9社で連携し、飲料用ペットボトルと非食品用途PETを原料とするケミカルリサイクルにより、化粧品や飲料などの各種ペットボトルへリサイクルする取り組みを開始しました。本取り組みは、飲料用ペットボトルのケミカルリサイクル原料の一部を非食品用途PETへ拡大していくことで、これまでのリサイクルでは十分なプラスチックの資源循環には至らないという課題に対応することを目的としております。なお、非食品用途PETを原料に、飲料用ペットボトルとして再生する取り組みは国内初です。
2023年から、キリンビールが飲食店で展開する「Tap Marché(タップ・マルシェ)」及び「TAPPY(タッピー)」のビールサーバー用容器として使用している3Lのペットボトルにおいて、ケミカルリサイクル樹脂を導入しました。酒類のペットボトルにおいてケミカルリサイクル樹脂を導入するのは、日本初です。さらに、2025年12月から、会員制生ビールサービス「キリン ホームタップ」で使用する1Lペットボトルにもケミカルリサイクル樹脂の導入を拡大しました。
戦略3 使用済みペットボトル回収の社会システム構築
2026/03/27 15:06- #11 指標及び目標、アルコールの負の影響(連結)
(オ)指標及び目標
酒類事業の展開国・地域によって対応策が異なることから、グループ共通ではなく、酒類事業会社毎に指標を設定しております。
2026/03/27 15:06- #12 指標及び目標、人権(連結)
*2:絶対指標であり、第三者によって認証されておりません。
| (定義) | 酒類・飲料セグメントにおいて、KIRINブランドを含むグループ経営への影響が大きなローカルブランドに対して、直接材を継続的に納入しているサプライヤー(個人事業主、継続的な取引でない場合を除く)のうち、Self-Assessment Questionnaire (SAQ)によるリスクアセスメントを実施したサプライヤーのサイト数 |
| (算定方法) | 当年度におけるSAQを用いたリスクアセスメントの対象サプライヤーのサイト数 |
*3:絶対指標であり、第三者によって認証されておりません。
2026/03/27 15:06- #13 注記事項-報告企業、連結財務諸表(IFRS)(連結)
キリンホールディングス㈱(以下、当社)は、日本に所在する株式会社であります。当社の登録されている住所は、ウェブサイト(https://www.kirinholdings.com/)で開示しております。
当社及び子会社(以下、当社グループ)は、酒類、清涼飲料、医薬品、健康食品の製造・販売等を行っております。
2026/03/27 15:06- #14 注記事項-売上収益、連結財務諸表(IFRS)(連結)
当社グループは、「
酒類事業」、「飲料事業」、「医薬事業」、「ヘルスサイエンス事業」の4つの各報告セグメントごとに、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するための区分にて、売上収益を分解しております。キリンビール及びCoke Northeastは単体の数値であり、それ以外は連結の数値を表示しております。
| (単位:百万円) |
| 前年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 当年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) |
| 酒類 | | |
| キリンビール | 657,506 | 659,525 |
(2) 履行義務の充足時期
技術収入に関する契約等における残存履行義務に配分した取引価格の総額及び収益の認識が見込まれる期間は、以下のとおりであります。なお、実務上の便法を使用しているため、当初の予想残存期間が1年以内の取引は含めておりません。
2026/03/27 15:06- #15 注記事項-無形資産、連結財務諸表(IFRS)(連結)
(注) 1 ブランドは、一部を除き、正味のキャッシュ・インフローが継続すると期待される期間を予見することができないため、耐用年数の確定できない無形資産と判断しております。
2 仕掛研究開発費は、主に製品、開発品及び技術などの導入契約に伴い取得した無形資産のうち、研究開発等の段階にあり、未だ規制当局の販売承認が得られていないものであり、未だ使用可能ではない無形資産に該当します。規制当局の販売承認が得られたものは、使用可能な無形資産として販売権へ振替えております。なお、仕掛研究開発費の「取得」には、内部開発による増加が前年度9,664百万円、当年度5,527百万円それぞれ含まれております。
3 企業結合による取得には、重要性が乏しいため遡及修正をしていない測定期間内の修正を含めております。
2026/03/27 15:06- #16 注記事項-販売費及び一般管理費、連結財務諸表(IFRS)(連結)
各年度の「販売費及び一般管理費」の内訳は、以下のとおりであります。
| (単位:百万円) |
| 運搬費 | 61,239 | 66,620 |
| 研究開発費 | 116,038 | 118,045 |
| 減価償却費及び償却費 | 49,988 | 54,149 |
2026/03/27 15:06- #17 注記事項-重要性がある会計方針、連結財務諸表(IFRS)(連結)
③ 自己創設無形資産(開発費)
当社グループで発生した研究開発費は、次の資産計上の要件のすべてを満たす開発活動に対する支出を除き、発生時に費用として認識しております。
・使用又は売却に利用できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
2026/03/27 15:06- #18 注記事項-非金融資産の減損、連結財務諸表(IFRS)(連結)
減損損失のセグメント別内訳は、以下のとおりであります。
| | (単位:百万円) |
| 酒類事業 | 3,902 | 1,221 | 建物及び構築物・機械装置及び運搬具・工具器具及び備品 |
| 医薬事業 | 2,060 | 2,778 | 建物及び構築物・機械装置及び運搬具・工具器具及び備品・土地・販売権・仕掛研究開発費・ソフトウェア |
| ヘルスサイエンス事業 | 7,427 | 2,176 | 建物及び構築物・機械装置及び運搬具・工具器具及び備品・ソフトウェア |
前年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
ヘルスサイエンス事業におけるバイオケミカル事業について、前年度においてアミノ酸及びヒトミルクオリゴ糖事業の事業譲渡契約を締結しました。契約締結に伴い、回収可能価額が処分グループの帳簿価額を下回ることから、帳簿価額の全額を減損しております。この結果、バイオケミカル事業に係る非流動資産の減損損失5,532百万円を計上しました。当該減損損失5,532百万円の主な内訳は、機械装置及び運搬具3,211百万円、建物及び構築物1,944百万円であります。
2026/03/27 15:06- #19 研究開発活動
当社グループでは、長期経営構想キリングループ・ビジョン2027(KV2027)のイノベーションを実現する組織能力の一つとして「確かな価値を生み出す技術力」を掲げてきました。従来から強みを持つ発酵・バイオテクノロジー、パッケージング、エンジニアリングの技術力をより発展させるとともに、知的財産の取り組みにも力を入れています。当社グループの研究開発活動は、酒類事業、飲料事業、ヘルスサイエンス事業においては、キリンホールディングス㈱の5研究所(キリン中央研究所、ヘルスサイエンス研究所、飲料未来研究所、パッケージイノベーション研究所、微生物科学技術研究所(旧バイオプロセス技術研究所))及び各事業会社の研究所で行っています。また、医薬事業においては、協和キリン㈱が中心となりLife-changingな価値の創出を目指して研究開発活動を行い、さらに医薬品にとどまらない価値提供も目指してキリンホールディングス㈱と協働しています。今後も、新たな長期経営構想Innovate2035!のもとで、イノベーションの源泉としての研究開発活動を、より一層推進していきます。
当年度におけるグループ全体の研究開発費は1,181億円です。セグメントごとの主な研究開発成果は以下の通りで、キリンホールディングス㈱の研究開発費は<全社(共通)>に含まれています。
<全社(共通)>キリンホールディングス㈱は、中長期的な企業価値向上を見据え、当社グループ全体に共通する研究開発活動を推進しています。環境・デジタルをはじめとする基盤技術の強化を通じ、将来の事業成長と社会課題の解決の両立を目指しています。
2026/03/27 15:06- #20 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(連結)
(1) 経営の基本方針
キリングループは、2019年に策定した長期ビジョン「キリングループ・ビジョン2027(以下、KV2027)」のもと、サステナビリティや健康意識の高まり、酒類への規制リスクや若年層のアルコール離れ、デジタルの進化等、変化する経営環境に対応しながら、ヘルスサイエンス事業の立ち上げと育成をはじめとした事業構造の変革に取り組んできました。
KV2027の最終年度が近づく中、10年後の2035年を見据えた新たな長期ビジョンを策定し、酒類、ヘルスサイエンス・飲料、医薬から成る事業ポートフォリオにより、さらなる企業価値向上を目指します。
2026/03/27 15:06- #21 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(連結)
こうした状況下で、当社グループは、一貫してCSVを経営の根幹に据えることにより長期的かつ持続的な成長を目指すとともに、環境変化に迅速かつ柔軟に対応するため、2025年度より、3年計画を毎年見直す新たな経営サイクルに移行しました。
また、酒類・飲料・医薬の各事業に加え、健康課題の解決を事業機会とするヘルスサイエンス事業をグループの成長ドライバーとすることを目指してきました。2025年は、㈱ファンケルの100%化完了と、協和発酵バイオ㈱のアミノ酸事業等の売却を行ったことで収益性が改善し、ヘルスサイエンスの成長への事業基盤が整いました。既存の酒類・飲料・医薬事業も堅調に推移し、計画を上回る成果を創出した結果、連結事業利益は3年連続で過去最高を更新しました。
ESGの取り組みにおいても、外部機関から高い評価を獲得しました。ESG指標のMSCI ESGレーティング※では、世界的なCSV経営先進企業と並ぶ「AA」評価を5年連続で獲得しました。
2026/03/27 15:06