有価証券報告書-第115期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 10:16
【資料】
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【項目】
156項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは『自然との調和を大切に、発酵やバイオの技術を通じて人間の健康的な暮らしと生き生きとした社会づくりに貢献します。』という企業理念のもと、技術力、商品力、ブランド力をさらに向上させ、「和酒・日本食市場」「ライフサイエンス産業」における多様な価値を提供することで、宝グループの国内外での存在感を高めながら、持続的な成長と飛躍を実現することを目指しております。
(2)経営戦略、経営環境、優先的に対処すべき事業上・財務上の課題および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループを取り巻く環境は、国内での高齢化・少子化による人口減少や若年層のアルコール離れによる酒類市場の長期的な縮小、国内外での労働力不足等による人件費の増加など、今後も厳しさを増してくることが予想されます。また、地政学的要因を背景としたグローバルなサプライチェーンへの影響等により、原材料やエネルギー価格の高騰を起点として、国内外での様々なコストアップが懸念され、安定的な調達に対するリスクも高まっています。さらに、現下のライフサイエンス分野の研究開発アクティビティは、物価高等の影響による研究予算の縮減や、米国政府の方針による研究開発助成金の大幅削減などにより、産業界およびアカデミアにおいて世界的に低迷しております。
一方で、ノンアルコール飲料も含めた国内のRTD市場では厳しい競争下ながらも市場の拡大が見込まれ、世界的な和酒・日本食市場は引き続き成長が期待されるほか、ライフサイエンス研究市場も再生・細胞医療・遺伝子治療等を中心に依然として中長期的な市場成長のポテンシャルは高く、当社グループにとって成長を見込める機会も数多く存在しています。また、気候変動、生物多様性保全、資源保全、人権尊重といった多様な課題への対応が世界的規模で求められており、持続可能な社会づくりに向けた企業の責任はますます大きくなっています。そして、持続的な成長や企業価値の向上に向けては、資本効率性の向上による成長・強化領域への投資の強化や、人的資本やITなどの無形資産への投資の強化と活用がこれまで以上に重要になってきています。
このような状況の中、当社グループは2025年9月に当社グループの2050年のありたい姿として、「宝グループ 長期Vision 2050」を策定いたしました。「Smiles in Life」に込めた想いと新たにめざしていきたい未来をより具体的に表現したものであります。環境変化の激しい時代のなかで、新たなチャレンジをしていく「拠り所」「羅針盤」となるもので、バイオテクノロジーをコアコンピタンスとして、「酒類・日本食材領域」「ライフサイエンス産業支援領域」に加え、食料不足や環境問題などの社会課題の解決を通じて食と健康を越えた「新規領域」での価値創造や事業創出に取り組むことをめざしております。
そして、2026年5月に「宝グループ 長期Vision 2050」の実現も見据えた成長軌道への回復と、中長期的な成長の道筋を確立すべく「宝グループ中期経営計画2030」を策定いたしました。
「宝グループ中期経営計画2030」の概要は以下のとおりであります。
「宝グループ中期経営計画2030」
全体方針
~事業ポートフォリオ戦略を支えるグローバルな経営基盤を早期に整備することで、成長軌道へと回復させるとともに、長期的な成長の道筋を確立する~
財務目標
宝グループ連結 2031年3月期 (参考:2028年3月期)
ROIC7%以上ROIC4.3%
ROE10%以上ROE6.1%
営業利益378億円以上営業利益235億円
売上高4,930億円以上売上高4,290億円

財務方針
・これまでの成長・強化領域への投資効果の獲得により営業キャッシュ・フロー創出力を強化し、既存事業の効率性や新規事業創出に向けた投資を実行する。
・有利子負債の活用と政策保有株式・保有不動産売却を原資とした株主還元策により資本コストを低減する。
・累進配当を導入し、5年累計で総還元性向50%を基本方針とする。自己株式取得は、成長投資とのバランスを勘案して機動的に実施する。
基本方針
①長期Vision 2050の実現に向けた事業ポートフォリオ戦略
当社グループの事業ポートフォリオ戦略の基本的な考え方は、既存の酒類・日本食材領域とライフサイエンス産業支援領域のそれぞれにおいて、強みやアセットを活用することだけでなく、社外の知見も取り入れながら、当社グループの持つ技術・事業基盤・ネットワーク等を横断的に活用する取り組みを進めていくことで、新規事業開発や既存事業の強化・拡張につなげ、長期Visionで示す3つの提供価値を実現していくというものです。具体的には以下のとおりです。
酒類・日本食材領域様々なアプローチでのグローバルな和酒・調味料拡大戦略のブラッシュアップと周辺領域への事業拡張
ライフサイエンス産業支援領域差異化されたビジネスモデルの再構築と事業領域の拡張
新規領域バイオテクノロジーの活用を中心とした新規事業開発

この考え方に基づき、新規事業を含めた7つの事業を、市場ステージや資本効率、競争優位性の観点から、「コア」「キャッシュ」「成長」「問題」「創出」という位置づけに分類しております。
成長軌道への回復に向けて、まずは「問題」と位置付ける次の事業の一部撤退を速やかに行います。
・遺伝子医療における遺伝子治療の自社臨床開発プロジェクト中止
・CDMOにおけるGMP細胞加工受託からの撤退
その上で、以下の「見極め」を中心に、事業ポートフォリオ戦略を早期に(2年以内を目途)見直します。
・日本食を成長事業として位置づけ続けるか
・CDMO、遺伝子医療を継続するか
②グループガバナンス/マネジメント体制の見直し
・事業ポートフォリオ戦略を議論し、経営資源の投下・配分方針を継続的に見直すための経営会議体を新たに設置する
・重要な投資の意思決定プロセスの見直し、投資結果に係るレビューの充実、タカラバイオに対するガバナンス体制の見直し
③ROIC重視の再徹底
・事業ユニット別WACCに基づいたROIC目標設定
・ROIC目標に連動したNPVハードルレート設定や、グループ各社の経営層の評価体系や報酬体系の必要に応じた見直し
④既存事業の収益構造改革
バイオ遺伝子医療/CDMOの一部撤退を中心とした固定費の抜本的削減、試薬のビジネスモデルの再構築
日本食宝酒造インターナショナル本社および海外子会社におけるマネジメント強化や業務オペレーションの高度化等を通じた営業利益率の改善
和酒国内での製造設備への投資を踏まえた、コア事業としての競争力を維持しながら持続性のある事業構造への変革

⑤グループシナジーの発揮による成長の道筋の確立
・グローバルな和酒・調味料拡大戦略のブラッシュアップによる海外での市場創造力の強化
・バイオテクノロジーをコアコンピタンスとした新規事業開発と既存事業の強化・拡張
なお、基本方針と連動した人的資本の活用(人財・組織風土)への取り組みも強化してまいります。
人財・コーポレート人財の強化
・グローバル人財の強化
・次世代を担う人財育成および適材適所の配置
組織風土・宝グループ全体で社員が交流できる場や機会の創出
・宝グループ全体で社員同士が情報交換・共有ができる仕組みの構築

また、「宝グループ サステナビリティ・ポリシー」についても、「宝グループ 長期Vision 2050」と連動する形で、「新規領域での価値提供」という新たなマテリアリティ(重要課題)を追加しております。
当社グループは、これからも事業活動を通じた社会的価値の創造により、ステークホルダーの皆様から信頼される企業グループを目指すとともに、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
記載の数値目標は、当連結会計年度末時点で入手可能な情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を保証するものではありません。

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