有価証券報告書-第44期(平成30年1月21日-平成31年1月20日)

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2019/04/17 9:14
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対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、国内飲料事業を取り巻く経営環境が大きく変化する中、グループ一丸となって将来の持続的成長をめざすべく、2014年に新たな「グループ理念・グループビジョン」「グループスローガン」を制定しております。
厳しい競争環境を勝ち抜き、お客様、従業員、取引先、地域社会、株主といったすべてのステークホルダーの皆様との共存共栄を図りながら、企業の成長とともに従業員が成長していくために、チャレンジする企業風土の醸成に取り組んでおります。
0102010_001.pngまた、当社グループのコア事業である国内飲料事業は、清涼飲料という消費者の皆様の日常生活に密着した製品を取り扱っており、部門売上高の80%以上は地域社会に根差した自販機を通じた販売によるものです。また、自社工場を持たず、生産・物流を全国の協力業者に委託するファブレス経営により、当社は製品の企画・開発と自販機オペレーションに経営資源を集中し、業界有数の自販機網は当社グループの従業員と共栄会(当社商品を取り扱う自販機運営業者)により管理しております。
このような当社独自のビジネスモデルは、ステークホルダーの皆様との信頼関係によって成り立っていることから、「人と、社会と、共に喜び、共に栄える。」ことが会社としての責務であり、経営上の最重要課題であると認識しております。そして、その実現のために、「ダイナミックにチャレンジを続けていく」ための基盤として、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスを継続的に改善していくことが、株主共同の利益に資するものと考えております。
(2) 経営戦略等
当社グループは、2014年に制定された「グループ理念」のもと、2018年度を最終年度とする5カ年の中期経営計画「Challenge the Next Stage」をスタートさせ、「既存事業成長へのチャレンジ」「商品力強化へのチャレンジ」「海外展開へのチャレンジ」「新たな事業基盤確立へのチャレンジ」の4つのテーマに取り組むとともに、2017年1月には、持株会社体制へ移行するなど、将来にわたる持続的成長の実現とさらなる企業価値向上をめざして、次代に向けた企業価値創造へのチャレンジを積極的に展開してまいりました。
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<次代に向けた企業価値創造へのチャレンジ>1.自販機ビジネスモデルを革新し、キャッシュ・フローの継続的拡大を図る
2.「ダイドーブレンド」のブランド力をさらに高め、トップブランドをめざす
3.海外事業展開を加速し、トップラインの飛躍的成長を実現する
4.M&A戦略により、新たな収益の柱を確立する
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(3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、持続的成長の実現に向けたひとつの通過点として「連結売上高2,000億円」「売上高営業利益率4%」を中期経営計画「Challenge the Next Stage」の最終年度である2018年度の数値目標に掲げ、様々な改革を推進してまいりました。
これまで5年間の取り組みにより、自販機チャネルにかかる固定費構造の改革やトルコ・マレーシアなどのイスラム圏における戦略拠点の獲得など、将来の成長に向けた土台作りに一定の成果がありました。一方、外部環境の変化は想定を超えるスピードで進展し、成長性・収益性・効率性の改善には、課題を残す結果となりました。
成果課題
既存事業成長への
チャレンジ
・自販機チャネルにかかる固定費構造の改革
・IoT自販機戦略の推進
・医薬品関連事業、食品事業の売上成長
・持続的な売上成長による収益性の改善
・自販機1台当たり売上高の低下
・オフィス内への設置促進
商品力強化への
チャレンジ
・一定のブランドポジションの確立(世界一のバリスタ※、大人のカロリミット茶®など)・お客様の価値観や消費行動の多様化への対応
・お客様の「共感」を得る商品の開発
海外展開への
チャレンジ
・イスラム圏(トルコ・マレーシア)における戦略拠点の獲得・マレーシア、ロシア、中国における改革の実行
新たな事業基盤確立へのチャレンジ・希少疾病の医療用医薬品事業への新規参入の決定
・健康食品・サプリメント通販ビジネスの黒字化
・健康寿命延伸に対応した新たな市場の開拓
・戦略投資による新規事業展開の加速

※ワールドバリスタチャンピオンシップ 第14代チャンピオン ピート・リカータ氏
数値目標との差異につきましては、国内飲料事業の売上高が減収となっていることや、海外飲料事業において損失を計上していることなどが、その要因となっております。
また、「食や健康」関連の新規事業展開につきましては、企業買収などの有効な戦略投資案件の成立に至りませんでした。
今後につきましては、持続的な売上成長による収益性の改善が大きな課題であるものと認識しております。
(単位:百万円)
2015年1月期2016年1月期2017年1月期2018年1月期2019年1月期
売上高149,526149,856171,401172,684171,553
営業利益5,1744,9883,8574,8916,071
営業利益率3.5%3.3%2.3%2.8%3.5%
ROA
(総資産経常利益率)
3.0%2.7%2.3%3.2%3.5%
ROE
(自己資本当期純利益率)
2.8%2.8%3.9%2.9%4.2%
FCF3,5354,8056,8625,395△1,295

*FCF=「営業活動によるキャッシュ・フロー」-「有形及び無形固定資産の取得による支出」にて算出
(4) 経営環境
当社グループは、日本国内の人口動態の変化を、ビジネスモデルに重要な影響を与える事業環境の変化と捉え、ESG課題への取り組みを強化することにより、事業を通じた社会的課題の解決を図るとともに、当社グループの持続的成長の実現をめざしております。
現在、わが国では出生率の低下と平均寿命の延びを背景として、少子化と高齢化が同時進行し、生産年齢人口の減少による労働力不足が懸念される一方で、健康長寿化社会に貢献するヘルスケア関連市場は、大きな成長が期待されております。この健康志向のトレンドは、グローバルでも、さらに大きな潮流になると思われます。
また、AIをはじめとする革新的なテクノロジーの進化は、人の働き方やビジネスのあり方を大きく変えていきます。多くの企業が変革を迫られる中で、次代に向けて新たな価値を生み出すためには、人と人とのつながりや、人の多様な価値観や能力を活かす創造的な仕事の重要性が、ますます高まってくると考えられます。
一方、気候変動と資源不足が経済に与える影響は、より深刻なものとなることから、企業は、環境や社会の変化による潜在的なリスクに備えるとともに、事業を通じて社会的課題の解決を図り、豊かで持続可能な社会の実現に貢献することが求められています。
こうした中長期的な事業環境の変化をチャンスと捉え、リスクを事業機会に変えることによって、お客様や社会に価値を提供し続けていくためには、自販機ビジネスをはじめとする当社グループの強みを活かしながら、非連続のイノベーションに踏み出し、不確実性の時代における競争優位性の高いビジネスモデルへと変貌していく必要があると考えております。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題等
当社グループでは、このような中長期的な事業環境の変化が、ビジネスモデルに重要な影響を及ぼすリスクと事業機会を分析し、前中期経営計画「Challenge the Next Stage」における課題認識をふまえて、2030年の当社グループのありたい姿を示す「グループミッション2030」を定め、その実現に向けた2019年度からの3カ年の行動計画として「中期経営計画2021」を策定いたしました。
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「グループミッション2030」では、グループ理念・グループビジョンの実現のために2030年までに成し遂げるべきミッションを4つのテーマごとに示し、その達成に向けたロードマップを描いております。
具体的には、2030年までの期間を「基盤強化・投資ステージ」「成長ステージ」「飛躍ステージ」の3つに区分し、それぞれのステージに応じた事業戦略を推進することにより、競争優位性の高いビジネスモデルを構築し、成長性・収益性・効率性の高い力強い事業ポートフォリオを形成してまいります。
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なお、「中期経営計画2021」は、「グループミッション2030」に定める当社グループのありたい姿の実現に向けた「基盤強化・投資ステージ」として、キャッシュ・フローの最大化とあわせて、成長戦略の推進にも積極的に取り組んでいくことから、3年間の固定的な定量目標は設定せず、主要指標のガイドラインを示し、事業環境の変化と重点戦略・投資戦略の進捗に応じた単年度目標を毎期設定する方針といたしました。
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① 国内飲料事業のイノベーション
当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、創業来、「お客様の求めるおいしさ」を「お客様にとって利便性の高い身近な場所」にお届けする独自のビジネスモデルによって発展してまいりました。業界有数の自販機網と、直販と共栄会によって一体的に運営する品質の高いオペレーション体制は、当社グループの大きな資産であると認識しております。
一方、国内飲料事業の売上高は、自販機1台当たりの売上高の低下により、減収基調が続いており、固定費構造の改革による収益改善効果も、あと数年で一巡することから、将来にわたるキャッシュ・フローの継続的拡大のためには、売上高の増収基調への転換と自販機オペレーション体制のさらなる高度化が大きな課題となっております。
今後につきましては、「中期経営計画2021」の取り組みを通じて、自販機ロケーション開拓の強化や商品ラインアップの最適化による売上確保に努めるとともに、労働力不足の時代における確固たる優位性の確立を図るべく、最新のテクノロジーを活用したスマートオペレーション体制の構築にチャレンジしてまいります。
「グループミッション2030」の達成に向けた取り組みといたしましては、国内飲料事業のイノベーションにより、時代の変化やお客様のニーズの多様化をタイムリーに捉えることのできる仕組みへとビジネスモデルを高度化し、DyDoグループのコアビジネスとして、もっと身近で毎日の生活に役立つ事業へと進化させてまいります。
② 海外での事業展開の拡大
当社グループは、前中期経営計画「Challenge the Next Stage」において「海外展開へのチャレンジ」を成長戦略に掲げ、戦略拠点の拡大を図ってまいりました。なかでも、海外飲料事業の中で大きなウエイトを占めるトルコ飲料事業は、ミネラルウォーター「Saka」を中心に、高い売上成長を続けておりますが、その他の地域につきましては、事業規模も小さく、現時点では、収益面も厳しい状況にあります。
今後につきましては、「中期経営計画2021」の重点戦略に、海外飲料事業の黒字化に向けた戦略拠点の見直しを掲げ、改革への取り組みをすすめてまいります。
「グループミッション2030」の達成に向けた取り組みといたしましては、グループ全体の海外での売上高比率を20%以上へと成長させるべく、飲料・医薬品・食品にわたるグループのあらゆる強みを活用した、新たな海外事業戦略を再構築し、世界中にこころとからだに、おいしいものをお届けしてまいります。
③ 非飲料事業での第2の柱を構築
当社グループは、前中期経営計画「Challenge the Next Stage」において“食や健康”関連の新規事業展開を成長戦略に掲げ、近年は、専門人材の採用をすすめながら、成長性の高いライフサイエンス分野をはじめとするヘルスケア領域での新規事業展開の可能性に絞り込んで検討を重ねた結果、2019年8月より、希少疾病の医療用医薬品事業に新規参入することを決定いたしました。
一方、企業買収などの戦略投資も新規事業展開を加速するための有効な手段として、その可能性を常に検討してまいりましたが、当社グループの将来の成長への貢献が期待できる有効な案件の成立には至っておりません。
今後につきましては、「中期経営計画2021」の投資戦略において、ヘルスケア領域におけるM&Aに関する投資枠を明確に定め、既存事業とのシナジーが見込める投資機会の調査・検討を続けてまいります。
「グループミッション2030」の達成に向けた取り組みといたしましては、飲料・医薬品・食品の垣根を越えて、健康寿命の延伸に対応した新たな市場を開拓することにより、既存事業と融合するヘルスケア領域での事業を、グループの第2の柱として構築してまいります。
④ 人材をはじめとする「見えない資産」への投資
当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上のためには、人材をはじめとする「見えない資産」への投資が重要課題であるものと認識しております。
「中期経営計画2021」においては、長期的に事業を支え、次世代を担う人材の確保・育成に注力するとともに、新規事業を推進するためのスキルや専門知識を有する即戦力の採用をすすめてまいります。
「グループミッション2030」の達成に向けた取り組みといたしましては、「人的資本の確保」「将来を担う人材の育成」「人材の適正配置」の3つの観点から人材マネジメント体制を強化し、多様な価値観や能力を尊重しながら、ステークホルダーとの新たな共存共栄を推進してまいります。
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⑤ グループ共通の行動規範の浸透
当社グループは、「グループミッション2030」を通じて「国内飲料事業のイノベーション」「海外での事業展開の拡大」「非飲料事業での第2の柱を構築」に取り組むにあたり、グループ共通の行動規範を新たに制定いたしました。
国境や既存事業の枠組みを越えて「グループ行動規範」の浸透を図り、グループ全員が一丸となって、「グループ理念」「グループビジョン」に基づく共通の価値観と高い倫理観をもって、持続的成長の実現と中長期的な企業価値向上にダイナミックにチャレンジしてまいります。
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(6) 株式会社の支配に関する基本方針
① 基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、当社の株主の皆様、お客様、地域社会、お取引先様、従業員など当社を巡るステークホルダーとの共存共栄を図り、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保と向上に資する者が望ましいと考えております。
もっとも、当社の株主の在り方については、株主は資本市場での自由な取引を通じて決まるものであり、また会社を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思に基づき判断されるべきであることから、会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えます。
しかしながら、当社株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、買収の目的等が、企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が当該買付の内容を検討・判断し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提示するための必要な時間や情報を与えることなく行われるもの、買付の対価の価額、買付の手法等が対象会社の企業価値ひいては株主に対して不適当なもの、対象会社と対象会社を巡るステークホルダーとの間の関係を損ねるおそれをもたらすものなど、企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものもありえます。
当社は、このような大規模買付行為や買付提案を行い、当社の企業価値及びブランド価値ひいては株主共同の利益に反する重大な悪影響を与えるおそれをもたらす行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えます。
② 会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組み
当社では、多数の投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みとして、以下の施策を実施しております。これらの取組みは、会社の支配に関する基本方針の実現に資するものと考えております。
イ.コーポレートガバナンスの継続的改善に向けた取組み
当社グループのコア事業である国内飲料事業は、清涼飲料という消費者の皆様の日常生活に密着した製品を取り扱っており、部門売上高の80%以上は地域社会に根差した自販機を通じた販売によるものです。また、自社工場を持たず、生産・物流を全国の協力業者にすべて委託するファブレス経営により、当社は製品の企画・開発と自販機オペレーションに経営資源を集中し、業界有数の自販機網は当社グループの従業員と共栄会(当社商品を取り扱う自販機運営事業者)により管理しております。
このような当社独自のビジネスモデルは、ステークホルダーの皆様との信頼関係によって成り立っていることから、「人と社会と共に喜び、共に栄える。」ことが会社としての責務であり、経営上の最重要課題であると認識しております。そして、その実現のために「ダイナミックにチャレンジを続けていく」ための基盤として、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレートガバナンスの継続的な改善に取組んでおります。
ロ.「グループミッション2030」を通じた企業価値向上への取組み
当社グループは、中長期的な企業価値向上の実現に向けて、2030年のありたい姿を示す「グループミッション2030」を定めております。具体的には、2030年までの期間を「基盤強化・投資ステージ」「成長ステージ」「飛躍ステージ」の3つに区分し、それぞれのステージに応じた事業戦略を推進することにより、競争優位性の高いビジネスモデルを構築し、成長性・収益性・効率性の高い事業ポートフォリオを形成してまいります。
③ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、2008年1月15日開催の取締役会において、「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)」を導入し、直近では2017年4月14日開催の第42回定時株主総会において株主の皆様にご承認いただき継続(以下「本プラン」といいます。)しております。
その概要は以下のとおりです。
イ.本プラン導入の目的
本プランは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(市場取引、公開買付等の具体的な買付方法の如何を問いませんが、あらかじめ当社取締役会が同意した者による買付行為を除きます。かかる買付行為を以下、「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を以下、「大規模買付者」といいます。)について、①実行前に大規模買付者に対して、必要かつ十分な情報の提供を求め、②当社が当該大規模買付行為についての情報収集・検討等を行う時間を確保したうえで、③株主の皆様への当社経営陣の計画や代替案等の提示並びに必要に応じて大規模買付者との交渉を行うことにより、株主の皆様に必要かつ十分な情報及び時間を提供し、株主の皆様が当該大規模買付行為に応じるか否かの適切な判断を行うことができるようにすることを目的としております。
ロ.大規模買付ルールの概要
大規模買付ルールとは、①大規模買付者が当社取締役会に対して大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を事前に提供し、②当社取締役会による一定の評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始する、というものであります。
ハ.大規模買付行為がなされた場合の対応
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見の表明や、代替案を提示することにより、当社株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。
ただし、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすことが明らかな場合など、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうものであると当社取締役会が判断したときには、取締役の善管注意義務に基づき、当社取締役会は、当社株主の皆様の利益を守るために、必要かつ相当な範囲で、例外的に新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置をとることがあります。
大規模買付者により、大規模買付ルールが遵守されなかった場合には、当社取締役会は、独立委員会による対抗措置発動の勧告を経て、企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、必要かつ相当な範囲で新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置をとり、大規模買付行為に対抗する場合があります。
ニ.株主・投資家の皆様に与える影響等
大規模買付ルールの設定は、株主及び投資家の皆様が適切な投資判断を行ううえでの前提となるものであり、本プランの導入は株主及び投資家の皆様の共同の利益に資するものであると考えます。
また、当社取締役会が企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、対抗措置を発動した際にも、大規模買付者等以外の株主の皆様が、法的権利または経済的側面において格別の損失を被るような事態は想定しておりません。
ホ.本プランの有効期間等
本プランの有効期間は、2020年4月に開催予定の定時株主総会終結時までの3年間としております。
ただし、有効期間中であっても、株主総会または取締役会にて本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、当該決議の時点をもって本プランは廃止されるものとします。
④ 本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組みは、以下の諸点より、会社の支配に関する基本方針に沿うものであります。
本プランは、イ.経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定める要件を充足し、2008年6月30日に発表した企業価値研究会の報告書及び東京証券取引所が2015年6月1日に公表した「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1-5.いわゆる買収防衛策」の内容も踏まえていること ロ.株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること ハ.株主の意思を反映するものであること ニ.当社取締役会の恣意的な判断を排除するために、独立委員会の勧告を最大限尊重するものであること ホ.発動のための合理的な客観的要件を設定していること ヘ.デッドハンド型やスローハンド型買収防衛策ではないこと等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。