有価証券報告書-第91期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/20 14:31
【資料】
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【項目】
165項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、食品企業としての責任を強く自覚し、私たちの使命、目指す姿、行動する上で持つべき価値観、そして行動原則を明文化した「不二製油グループ憲法」を2015年10月に制定しております。本憲法は、グループ社員全員の価値観の共有化を図るとともにグループガバナンスの基本であり、判断・行動の優先基準付けの拠り所となるものです。当社グループは、「不二製油グループ憲法」のミッション(使命)「私たち不二製油グループは、食の素材の可能性を追求し、食の歓びと健康に貢献します。」を実現することを会社運営の基本方針としており、本憲法に示されている理念、行動原則を実践することで、すべてのステークホルダーに対して貢献できるものと考えております。
「不二製油グループ憲法」
ミッション(使命) :私たち不二製油グループは、食の素材の可能性を追求し、食の歓びと健康に貢献します。
ビジョン(目指す姿):私たちは、油脂と大豆事業を中核に、おいしさと健康で社会に貢献する、食の未来創造カンパニーを目指します。
バリュー(基本となる価値観):・安全と品質、環境
・人のために働く
・挑戦と革新
・スピードとタイミング
プリンシプル(行動原則):
1 私たちは、法令および会社の規則を順守し、高い倫理観を持ち続けます。
2 私たちは、食の安全・安心を最優先し、高品質な商品・サービスを提供します。
3 私たちは、環境に配慮した企業活動を行います。
4 私たちは、お客様とのコミュニケーションを大切にし、時代に先駆けた新しい価値を提供します。
5 私たちは、取引先を大切なパートナーとして尊重し、公平・公正な取引を行います。
6 私たちは、開拓者精神を忘れずに不断の革新を断行し続けます。
7 私たちは、三現主義とコストダウン意識を常に持ち、生産活動の改善に取り組みます。
8 私たち社員は、以下の項目を大切にします。
(1)私たちは、不二製油グループ社員の多様性と人格、個性を尊重します。
(2)不二製油グループは、社員の成長のため教育の場を提供します。
(3)私たちは、プロフェッショナルの自覚を持ち、スピード感と情熱を持って働き、働くことを楽しみます。
(4)私たちは、和の精神と愛社心を忘れずに人格の向上に取り組みます。
(5)私たちは、職場の安全衛生に日常的に取り組み、維持向上に努めます。
9 私たちは、地域に根ざした企業活動を行い、積極的に社会に貢献します。
10 私たちは、株主に対して、正確な経営情報を適時適切に開示します。
11 私たちは、会社の資産・情報の保護・管理に努めます。
12 私たちは、公私のけじめをつけて行動します。
13 私たちは、この行動原則の精神を理解、順守し企業使命の実現を追求し続けます。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、株主資本の収益性、資本効率の向上がステークホルダーの利益に合致するものと考え、「株主資本利益率(ROE)」を重要な指標として位置付けております。
当社グループは、第4次産業革命とも表現される世界の変化の中で、更なる成長を遂げるために2017年度から2020年度までの4年間を対象期間とする中期経営計画「Towards a Further Leap 2020」を策定しており、世界的に戦える経営体制・経営インフラ・財務体制の整備及び生産効率の向上を優先課題とし、2020年度目標を明確化した改革を確実に推し進めます。
経営目標(2020年度)
ROE(株主資本利益率)10%
営業利益成長率CAGR 6%以上
EPSCAGR 8%以上
株主還元配当性向30%~40%

(3)中長期的な会社の経営戦略および会社の対処すべき課題
我が国経済は、緩やかな景気拡大局面が続くものの、米中貿易摩擦による不透明感やIT需要の減速から輸出や生産に弱さも見られ、景気後退への懸念が強くなっております。海外経済は、米国経済は堅調ながらも、米中貿易摩擦に対する懸念から、これまでの景気回復基調から調整局面を迎えつつあります。
この様な状況の中、当社グループは世界の人々に共通する願いは「健康に生きること」であり、そのためには健康な食べ物を食べ続けることが前提であると認識をしております。人はおいしくなければ食べ続けられず、健康でなければ食べ物はおいしく感じることができない。この課題を解決することが当社グループのアイデンティティーであり、新たな価値の創造のための技術力と課題解決力から生まれる2つの価値を同時に追求するPlant-Based Food Solutionsを提供しながら、おいしさと健康でお客様と社会に価値を提供し続けるとともに、人と地球の健康という課題に対応することで、自己改革を推進してサステナブルに成長するグローバル企業を目指しております。
中期経営計画「Towards a Further Leap 2020(2017年度~2020年度)」の2018年度は、起承転結の承(2017年度の起をしっかり維持できるように重要な土台を積み重ねる)に取り組むための期間として、基本方針である「コアコンピタンスの強化」「大豆事業の成長」「機能性高付加価値事業の展開」「コストダウンとグローバルスタンダードへの統一」の成長戦略を推進しております。
各基本方針の進捗については以下のとおりであります。
①コアコンピタンスの強化
チョコレート事業の拡大・発展を目指しており、2018年度はオーストラリアのINDUSTRIAL FOOD SERVICES PTY LIMITEDに加えて、米国のBLOMMER CHOCOLATE COMPANYをグループに加えました。BLOMMER CHOCOLATE COMPANYは世界3位の規模を誇る業務用チョコレートメーカー・世界5位のココア豆加工事業会社でもあり、また、同社が保有するトレーサビリティの高いココア豆をグループ全体に展開することで、ココア豆のサステナブル調達対応を今以上に前進させることができます。また、BLOMMER CHOCOLATE COMPANYの株式取得により環太平洋を主軸とした世界10カ国16カ所のチョコレート製造工場を有するグローバル供給・販売体制を構築し、世界3位の業務用チョコレートメーカーとなり、事業基盤の更なる強化を図ってまいります。
②大豆事業の成長
地球と人の健康を追及し、時代に合った製品(フレキシタリアン市場向け等)の提供を進めることを目的に、選択と集中の一環として、国内連結子会社の不二製油株式会社が社会全体における健康への関心の高まりによる需要に応えるために千葉工場内に大豆たん白素材製品の新工場を建設することを決定しており、一方、中国市場での大豆たん白製品市場の競争激化等から、中国での経営資源配分の最適化を図り、当社グループのコアコンピタンスの更なる効率化による利益確保を目指すため、吉林不二蛋白有限公司の持分全額を譲渡しております。
③機能性高付加価値事業の展開
多糖類事業、安定化DHA/EPAの事業展開を進めるため、水溶性大豆多糖類の増産対応、機能性食品表示の取得、DHA/EPAを用いた通販製品の販売等を進めております。
④コストダウンとグローバルスタンダードへの統一
グループ全体の生産性効率を高める組織組成、競争力向上を目的に、グローバルCMSの導入、基幹システムの順次導入と決算期統一への対応等を進めております。
前記の基本方針のほか、当社では、ESGに対する積極的な取り組みの一環として取締役会の諮問機関としてESG委員会を設置し「環境、社会、ガバナンス」の各項目につき重点テーマを策定しております。また、2019年4月よりESG経営の推進責任者としてC“ESG”O(最高ESG経営責任者)を新たに設置し、ESG経営の推進に取り組んでおります。環境保全については、ESG委員会の中でESGの重点テーマの一つとしてとらえ、その取り組みについての基本方針を審議・検討するとともに、そうした検討に基づき関連部門において環境保全のための具体的な施策を策定しそれを実行しております。また、気候変動の企業活動に与えるインパクトの考察についてはTCFD=気候関連財務情報開示タスクフォース(The Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の提言に基づき今後の開示に向けて準備を進める一方で、気候変動に大きな影響を与える温室効果ガス排出への対応としては、当社が「環境ビジョン2030」において定めた「2030年にCO2排出量24%削減」という目標に向けて取り組みを進めております。
更に「コンプライアンスの徹底」「内部統制システム、リスク管理体制の充実」「人材の育成」を図り、食品企業として全てのステークホルダーから信頼される企業グループとなることを目指し、企業価値の向上に、より一層取り組んでまいります。
株式会社の支配に関する基本方針は、以下のとおりであります。
① 基本方針の内容
当社取締役会は、上場会社として当社株式の自由な売買を認める以上、当社取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考え、いわゆる買収防衛策につきましては、2015年12月開催の定時取締役会決議により廃止しております。
当社は、“食の素材の可能性を追求し、食の歓びと健康に貢献します。”をミッションに、独自の技術開発に挑戦し、安全安心で、様々な機能を持つ植物性油脂、製菓・製パン素材、大豆製品を国内・海外のお客様に広くお届けしています。同時に食品メーカーとして“安全・品質・環境を最優先する。”を経営の前提と位置づけ、安全な工場運営、厳格な品質管理、トレーサビリティシステムの拡充、環境保全への対応など積極的に取り組んでいます。なお、当社を取り巻く経営環境等が変化する中、2015年10月1日をもって、新設分割による純粋持株会社体制へ移行し、当社を純粋持株会社、日本を含めた世界のエリア別に地域統括会社を置く体制へ変更し、当社は傘下の当社グループ会社の持株の所有を通じて、当社グループ会社の事業運営を管理するグローバル経営体制の継続的構築を最重要責務および目標として考えております。
このような企業活動を推進する当社および当社グループ(以下「当社グループ」といいます。)にとり、企業価値の源泉である①独自の技術開発力、②食のソフト開発力による提案営業、③国内・海外のネットワーク、④食の安全を実現する体制および⑤企業の社会的責任を強化するとともに研究開発、生産および販売を支える従業員をはじめとする当社を取り巻く全てのステークホルダーとの間に築かれた長年に亘る信頼関係の維持が必要不可欠であり、これらが当社の株式の大量取得行為を行う者により中長期的に確保され、向上させられるものでなければ、当社グループの企業価値・株主共同の利益は毀損されることになります。
以上の認識に立ち、当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、株主をはじめとした様々なステークホルダーとの信頼関係を維持し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考えています。
従って、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適当ではないと考えます。このような者により当社株式の大規模買付が行われた場合には、必要かつ相当な対抗をすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
② 基本方針実現のための取り組み
当社グループは、世界で戦えるための経営基盤の確立、経営インフラ・財務体制の整備、コスト削減・生産性効率を最優先課題とする認識のもと、生活者の健康を支援するグローバル企業グループとなることを目指し、2030年の「ありたい姿」、2020年の「あるべき姿」を描き、グローバルで存在感を示し世界で抜きん出るための改革と戦略の基本方針として①「コアコンピタンスの強化」②「大豆事業の成長」③「機能性高付加価値事業の展開」④「コストダウンとグローバルスタンダードへの統一」等を掲げております。それらの改革を確実にやりきるために2020年度目標を明確化した中期経営計画「Towards a Further Leap 2020」を策定し、グループ一丸となって企業価値の向上、株主共同の利益の最大化に、より一層取り組んでおります。

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