有価証券報告書-第98期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/22 15:31
【資料】
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【項目】
146項目
(3)戦略
① バリューチェーン上のサステナビリティ関連のリスクと機会
当社グループは、植物性油脂事業、業務用チョコレート事業、乳化・発酵素材事業、大豆加工素材事業の4つの事業を15ヵ国で展開し、様々な食品素材を開発・製造・販売しています。顧客は食品メーカーや外食店、コンビニエンスストアや小売店など、幅広い業態に及び、各国、各事業における原材料の生産から消費・廃棄に至る食のバリューチェーンは多様かつ複雑に広がっています。こうしたバリューチェーン上には、様々な環境及び人権に関する課題が存在しています。
当社グループは、依存と影響、並びにリスクと機会の観点から重要なサステナビリティ課題を特定し、これに基づきESGマテリアリティを設定しています。特に、当社のビジネスモデルが依存する農産物の主原料の原産地において、自然や気候並びに人権に関する重要な課題が多いことを確認しています。
そして、こうした重要なサステナビリティ課題の把握に基づき、事業を通じてESGマテリアリティへの取り組みを推進することで、ポジティブインパクトの創出またはネガティブインパクトの低減を図り、事業リスクの低減や事業機会の創出につなげています。
なお、ESGマテリアリティへ取り組む上で基本的なグループの姿勢をまとめた各種方針・規範を制定しています。各種方針・規範一覧は以下のURLよりご参照ください。
https://www.fujioil.co.jp/sustainability/policy/
② ESGマテリアリティの特定
ESGマテリアリティは、新たな社会課題の把握とステークホルダーエンゲージメントを踏まえ、毎年レビューを行った上で特定しています。特定したマテリアリティは、管掌役のもと推進責任者を任命し、具体的な目標・対応策を定め、取り組みを推進しています。
2025年度のESGマテリアリティは、「インパクトマテリアリティ(社会・環境へのインパクト評価)」と「財務マテリアリティ(不二製油グループへの財務インパクト評価)」の2軸による重要性評価に基づき特定しました。財務マテリアリティ評価においては、重要なサステナビリティ課題のリスクと機会について、多面的な財務影響シナリオを設定し、定量・定性の客的な閾値と発生可能性を併せて評価しています。
また、同マテリアリティ評価で用いたシナリオの妥当性や、新たに考慮すべき社会課題がないことを確認したうえで、2025年度のESGマテリアリティを踏襲し、2026年度のマテリアリティを特定しました。
(注)ESGマテリアリティの特定プロセスの詳細は、サステナビリティレポートをご参照ください。https://www.fujioil.co.jp/sustainability/sustainability_management/
③ ESGマテリアリティと具体的な取組
2025年度は、以下のESGマテリアリティの重点項目を推進しました。
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(食品安全と健康)
当社グループは、安全・安心な製品を社会に提供することを前提に事業活動を展開し、不二製油グループ「品質 基本方針」(注)を定め、製品安全と安定品質の製品出荷を最優先に、製品設計からお客様にお届けするまでの品質保証体制の確立と強化に努めています。重点項目「製品安全と品質管理の徹底」では「品質保証規程」に基づく品質及び食品安全マネジメントの強化、従業員の継続的な品質意識向上のための活動を推進しています。
ライフステージの変化や食・生活習慣に起因する健康課題の増大が危惧されている中、人々が心身ともに健康で生きがいを持って暮らせる社会の構築に貢献する製品の創出を目指しています。人の健康へ悪影響を与える恐れのある物質の低減、心身の健康増進に寄与する食品の市場拡大や、高齢者の認知機能の低下予防に寄与する研究及び製品開発を推進しています。また、食の選択肢の拡大により食料課題解決へ貢献し当社グループ挑戦領域の拡大を果たす多様な植物性素材の創出に注力しています。詳細は「6 研究開発活動」に記載のとおりです。
(注)「品質基本方針」は以下のURLよりご参照ください。
https://www.fujioil.co.jp/pdf/sustainability/environment/management.pdf
(環境に配慮したものづくり)
当社グループの事業活動は、自然環境や生態系の恩恵を受けると同時に、地球環境や地域の自然環境に影響を与える側面を有しています。気候変動の進行や生物多様性の損失が加速する中、自然環境の変化は事業継続上の重要な経営課題・リスクです(注1)。
当社グループは、2015年10月に「環境基本方針」を制定しており(注2)、2025年4月には「環境ビジョン2030」を改定し「不二製油グループ環境ビジョン2030/2050」を公表しました。改定にあたっては、2030年度CO2排出量削減目標を、GHGを対象に2050年度ネットゼロ及びScience Based Targetsイニシアティブ(SBTi)1.5℃基準に沿ってスコープ1+2、スコープ3の2030年度目標を策定しました。また、森林や土地・農業由来のGHG排出量を考慮したFLAG(Forest, Land and Agriculture)2030年度目標を新たに設定しました(注3)。なお、2025年12月には、「SBT1.5℃」認定を取得しました。
また、2023年3月に制定した「不二製油グループ生物多様性方針」に基づき、バリューチェーン上の生物多様性への負の影響を回避または軽減を図り、自然生態系の保全と回復に取り組んでいます(注1)。
(注)1.詳細は「(4)リスク管理 ② 環境マネジメント」に記載のとおりです。
2.「環境基本方針」は以下のURLよりご参照ください。https://www.fujioil.co.jp/pdf/sustainability/environment/management.pdf
3.「不二製油グループ環境ビジョン2030/2050」は「(5)指標及び目標」に記載のとおりです。
(サステナブル調達)
当社グループは、食のバリューチェーンの川中に位置し、顧客である食品メーカー等に食品中間素材を販売しています。「サステナブルな食の未来」の実現に向け「サステナブルな食のバリューチェーン」を構築するため、社会課題を解決していく上で鍵となるサプライヤーや顧客とともに、環境保全、人権尊重、公正な事業慣行、リスクマネジメント等に取り組み、持続可能な食品素材を提供しています。
調達に関するグループの上位方針「サプライヤー行動規範」及び主原料であるパーム油、カカオ、大豆及び戦略原料であるシアカーネルについて原料別の責任ある調達方針を掲げ(注1)、中長期目標とKPI(注2)を公表し、取組を推進しています。
(注)1.「サプライヤー行動規範」及び原料別の責任ある調達方針は以下のURLよりご参照ください。
https://www.fujioil.co.jp /sustainability/procurement/
2.各原料別の中長期目標とKPIにつきましては「(5)指標及び目標」に記載のとおりです。
(人的資本と労働安全)
急速に変化する事業環境の中で、当社グループが持続的に成長し競争力を高めていく上で、多様性を「組織の力」へ転換することは重要な経営課題の一つです。当社グループは、公正な機会提供のもと、心身ともに安全・安心で多様性が尊重される職場環境の整備を推進し、従業員のHataraki-Gai(働きがい)の向上に注力しています。
あわせて、課題解決と価値創出を担う高度専門人材の厚みを増すとともに、重要ポジションの後継者を継続的に確保するため、経営戦略・事業戦略との連動性を高め、人材の獲得・育成・登用・配置の仕組みの最適化を進めています。
詳細は「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」に記載のとおりです。
また、従業員の安全を確保することは企業の社会的責任であり、持続可能な経営を行う上での前提条件です。「安全衛生基本方針」(注)に基づき、当社グループの従業員及び事業所内で働く全ての人々の命を守るとともに、労働災害ゼロの達成を目指し、従業員の安全意識の向上のための活動や、安全監査の強化を進めています。
(注)「安全衛生基本方針」は以下のURLよりご参照ください。
https://www.fujioil.co.jp/pdf/sustainability/environment/management.pdf
(情報セキュリティ)(公正な企業行動)
コンプライアンス違反や不正行為、情報セキュリティ事故は、経営基盤や社会的信用を大きく損なうリスクであることから、これらのリスクを未然に防止し、万一顕在化した場合でも影響を最小化できる体制の構築が不可欠であると認識しています。
教育・啓発や監査を通じて管理体制の整備や意識向上を進め、リスク管理の実効性を高めています。「公正な企業行動」においては、内部通報制度の信頼性向上や、グローバルな事業展開に対応したコンプライアンス意識の醸成、「情報セキュリティ」においては、ITセキュリティ対策の高度化と人材教育を軸に、セキュリティインシデントの抑制と業務影響の最小化に取り組んでいます。

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