訂正有価証券報告書-第77期(2020/01/01-2020/12/31)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
1.会社の機関の内容及び内部統制システム整備の状況(2021年3月12日現在)
① 企業統治の体制
・企業統治の体制の概要
当社におけるコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は以下の通りです。
当社は、企業理念「感謝」、「自然」、「開かれた企業」に則り、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現を目指しており、そのためにコーポレート・ガバナンスを重要な経営課題であると認識しています。 当社では、コーポレート・ガバナンスの基本を「『自律』の更なる強化と『他律』による補完である」と考えております。これは、自らの意思で時代に適応するコーポレート・ガバナンスを構築することを原則としながら、「カゴメファン株主づくり」の推進や社外取締役の機能の活用などにより外部の多様な視点を取り入れていくことで、客観性や透明性を担保していくというものです。 当社は、カゴメならではの個性や独自性を活かしつつ、ステークホルダーとの対話を図るなかで、高度なアカウンタビリティを実現し、真の「開かれた企業」を目指してまいります。
当社は、監査等委員会設置会社であり、取締役会の主たる役割を、経営戦略、経営方針の決定とその執行モニタリングと定め、当社独自の「社外取締役の独立性基準」を満たす社外取締役を3名以上選任することで、アドバイス機能の充実と監督機能の強化を図り、実効性を高めております。監査等委員会においては、常勤監査等委員を1名以上置くことを方針とし、内部統制システムを利用して、取締役の業務執行の適法性、妥当性を監査していきます。取締役の指名、報酬については、独立社外取締役が半数以上を占める報酬・指名諮問委員会において、審議した内容を取締役会に諮り決定することで、客観性、公正性を高めております。
なお、取締役会および監査等委員会の構成員につきましては、「(2)役員の状況」をご参照ください。 業務執行については、執行役員制度のもと、一定基準により、執行の責任と権限を各部門に委任し、取締役会決議・報告事項の伝達、周知及び執行役員間の連絡、調整を図ることを目的に執行役員会を設置しております。現在の執行役員については、「(2)役員の状況」をご参照ください。
また、社長のリーダーシップのもと、機動的かつ相互に連携して業務執行ができるよう代表取締役社長を議長し、社内取締役(除く、取締役会長)、本部長、カゴメアクシス株式会社代表取締役社長、CHOを構成員とする経営会議を設置しております。経営会議において審議を行うことで適切なリスクテイクを可能としており、責任を明確にしたうえでスピーディな意思決定ができるようにしております。
② 株式会社の支配に関する基本方針
イ 基本方針の内容
当社の株式について、特定の買付者による大量取得行為が行われる場合に、株主の皆さまが当社の株式を売却されるか否かは、最終的には株主の皆さまのご判断に委ねられるべきものと考えられますが、その前提として、株主の皆さまに適切かつ十分な情報をご提供したうえで、ご判断を頂くために適切かつ十分な期間と機会を確保することが重要と考えられます。そのためには、当社取締役会が、大量取得行為を行おうとする者から詳細な情報を収集して、これを株主の皆さまにご提供するとともに、かかる大量取得行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を害する虞があるものと判断する場合には、当該大量取得行為に係る提案と当社取締役会が作成する代替案のいずれを選択すべきかについて、株主の皆さまに適切かつ十分な情報をご提供したうえでそのご判断を仰ぐことが、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保・向上させるために最善の方策であると当社は考えます。
ロ 基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社は、この企業理念に則り、企業の成長は、社会の成長とともにあることを認識し、「開かれた企業」として、世界に広がるあらゆるステークホルダーの皆さまと手を携え、新たな価値ある商品を提供できるよう取り組んでおります。また、当社グループのつくる商品の価値の源は、「自然」であり、自然に根差し、農業から生産、加工、販売と一貫したバリューチェーンを持った世界でもユニークな企業として、この強みを活かし、グローバル市場を見据えて激しい環境変化に対応するスピードと競争力を強化する経営を推進しております。そして、すべてのステークホルダーに「感謝」の心を持ち、皆さまに愛され支持される会社であり続けられるよう、たゆまず努力をしてまいります。
a.中期経営計画による企業価値向上への取り組み
当社は、中期経営計画を策定するにあたり、将来の環境変化について、徹底した予測を行いました。その結果、明らかになったのは日本国内における社会問題の深刻化でした。中でも「健康寿命の延伸」は当社グループが真っ先に取り組むべきテーマであり、この他にも「農業の成長産業化」「地方創生」「世界の食糧不足」などは、当社グループが解決に貢献をするべきテーマであると認識しました。そこで当社は、2025年のありたい姿を「食を通じて社会問題の解決に取り組み、持続的に成長できる『強い企業』になる」とし、2016年には「トマトの会社から野菜の会社に」という長期ビジョンを定めました。当社の保有する生鮮野菜、ジュース・調味料、冷凍素材、サプリメントなど、野菜を手軽に摂取できる幅広い商品や、野菜の健康価値情報の提供、新規事業の創出などを通じて、ありたい姿や長期ビジョンの実現を目指してまいります。長期ビジョンの定量目標として、当社は「日本人の1日1人あたりの野菜摂取量を293gから厚生労働省の推奨する目標値350g以上にすること」と「カゴメが国内で供給する緑黄色野菜の供給割合を約12%から15%以上にすること」を掲げ、「野菜の会社」の実現に向けた企業活動を展開してまいります。
更に長期の2035年~40年を見据えては「社員から役員までの全ての階層における女性比率を50%にする」という目標を定め、ダイバーシティ活動を推進しております。この活動によって、新たなイノベーションを起こす企業へと変革し、多様化する消費者ニーズへの対応や、購買者視点に立った事業戦略の展開を進めてまいります。
b.コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取り組み
当社は、企業理念「感謝」、「自然」、「開かれた企業」に則り、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現を目指しており、そのためにコーポレート・ガバナンスを重要な経営課題であると認識しております。当社では、コーポレート・ガバナンスの基本を「『自律』の更なる強化と『他律』による補完である」と考えております。これは、自らの意思で時代に適応するコーポレート・ガバナンスを構築することを原則としながら、「カゴメファン株主づくり」の推進や社外取締役の機能の活用などにより外部の多様な視点を取り入れていくことで、客観性や透明性を担保していくというものです。
当社は、カゴメならではの個性や独自性を活かしつつ、ステークホルダーとの対話を図る中で、高度なアカウンタビリティを実現し、真の「開かれた企業」を目指してまいります。
ハ 基本方針に基づく不適切な支配の防止のための取り組み
当社はこのような考え方に基づき以下のとおり、当社株式の大量取得行為に関する対応策(以下「本ルール」といいます。)を制定し、導入しておりました。なお、昨今の環境の変化やガバナンスの状況を鑑み、2021年2月3日の取締役会にて本ルールの非継続を決定いたしました。ただし、本ルールは2021年3月末までは以下の通り有効となっております。
本ルールは、当社株式の買付(以下において定義します。)が行われる場合に、買付者(以下において定義します。)に対して、予め遵守すべき手続きを提示し、株主の皆さまに対して、買付者による買付提案に応ずるべきか否かを判断するために適切かつ十分な情報並びに期間及び機会をご提供することを確保するとともに、買付提案の検証及び買付者との交渉を行うことを通じて、当社の企業価値及び株主共同の利益を害する買付を抑止し、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としております。
当社は、万一当社の企業価値及び株主共同の利益を害する虞がある買付の提案がなされた場合であっても、かかる買付提案に対する対抗策の発動は、株主の皆さまの株主共同の利益にかかわるものであるため、原則として株主の皆さまの意思を確認したうえで行うべきものであると考えております。そのため、本ルールでは、買付者から買付提案がなされた場合には、当社取締役会が買付者から詳細な情報を収集し、これを独立委員会(以下において定義します。)に提供したうえで、当社取締役会及び独立委員会において慎重かつ十分な検証を行います。当社取締役会は、独立委員会が、当該買付提案は当社の企業価値及び株主共同の利益を害する虞があるとの勧告を行った場合には、その勧告に従い(但し、勧告に従うことが、取締役の善管注意義務に違反する場合があると判断する場合は除きます。)、株主の皆さまに対して、買付者の買付提案及び当該買付提案に対する当社取締役会の見解並びに当社取締役会が作成する代替案に関する適切かつ十分な情報を提供したうえで、速やかに株主意思確認総会等を開催することにより、株主の皆さまに対抗策を発動すべきか否かをご判断頂くこととしております。
なお、買付が当社の企業価値及び株主共同の利益を毀損することが明らかである場合や、買付者が本ルールを遵守しない場合には、株主意思確認総会等を開催することなく、独立委員会の勧告に従い(但し、勧告に従うことが、取締役の善管注意義務に違反する場合があると判断する場合は除きます。)、対抗策を発動の決議を行います。
※1 「買付」とは、当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付その他一切の行為、または当社が発行者である株券等について、公開買付者及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付をいいます。
※2 「買付者」とは、買付を行う者及び買付を行おうとする者(当社の同意を得ることなく、かかる買付に関する情報開示等を行う者及び買付提案を行う者を含む)をいいます。
※3 「独立委員会」とは、当社の業務執行を行う経営陣から独立した当社の社外役員又は学識経験者等の中から、当社取締役会決議に基づき選任される3名以上の委員によって構成される委員会をいいます。
二 具体的取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社取締役会は、本ルールの設計にあたり、以下の事項を考慮し盛り込んでおります。
a.買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本ルールは、経済産業省と法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定める三原則を充足しており、また企業価値研究会が2008年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」における提言内容と整合的な内容となっております。
b.株主の皆さまの意思を重視するものであること
本ルールは、株主の皆さまにご判断をいただくために適切かつ十分な情報を提供したうえで、当社取締役会が、独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、買付者による買付提案が当社の企業価値及び株主共同の利益を害する虞があり、対抗策を発動すべきであるとの判断がなされた場合には、株主意思確認手続きを行うことにより、株主の皆さまに対抗策を発動すべきか否かを直接ご判断いただく方法を採用しています。
また、当社は当社取締役会において決議した本ルールを2018年3月開催の定時株主総会において株主の皆さまの承認を得たうえで継続することとしており、その後当社株主総会において変更又は廃止の決議がなされた場合は、当該決議に従い変更又は廃止されるものとなっております。さらに、本ルールには有効期間を約3年とするいわゆるサンセット条項が付されております。また、当社は、取締役(監査等委員を除く)の任期を1年としており、本ルールの有効期間中でも、毎年の株主総会での取締役選任を通じて、株主の皆様の意向を反映させることが可能となっております。
このように、本ルールは、株主の皆さまの意思が十分に反映される仕組みを採用しております。
c.当社取締役会の判断による対抗策発動の制限
当社取締役会が株主意思確認手続きを行わずに対抗策を発動できる場合は、買付者が本ルールに違反した場合や買付が当社の企業価値及び株主共同の利益を毀損することが明らかな場合であり、かつ独立委員会が当社取締役会の判断による対抗策の発動に賛同する場合に限定されています。
d.独立委員会及び第三者たる専門家の意見を重視
本ルールにおいては、買付者による買付提案に対して対抗策を発動するか否かの判断が適切になされることを確保するために、当社の業務執行を行う経営陣から独立した3名以上の委員から構成される独立委員会を設置し、買付者からの買付提案に関する情報の収集、買付者による買付提案が当社の企業価値及び株主共同の利益を害する虞があるとして株主意思確認手続きに基づき対抗策を発動することの是非、及び株主意思確認手続きを行うことなく当社取締役会の判断により対抗策を発動することの是非等について、独立委員会の意見を諮問し、これを最大限尊重する仕組みを採用しています。
また、当社取締役会は、代替案及び買付者の買付提案に関する当社取締役会の見解の作成にあたり、当社の業務執行を行う経営陣から独立した第三者(フィナンシャルアドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることが可能であり、かかる助言を得る場合には、これを尊重することにより、当社取締役会の判断が恣意的なものとならないよう配慮するものとされています。
③ 取締役会の実効性評価結果
当社は、2020年10月に取締役を対象に取締役会の実効性に関する評価を実施しました。その結果の概要は以下の通りです。
イ 評価の実施方法
取締役に対するアンケート(全6区分・30項目)の実施
アンケートの区分は以下の通りです。
a.取締役会の設計(開催頻度、規模、構成、遠隔会議の活用 等)
b.取締役会の運営(時間(説明・審議)、情報提供、事務局のサポート 等)
c.取締役会の議案(テーマの網羅性、付議のタイミング、進捗報告 等)
d.取締役会の議論の質(議論の客観性・多面性、説明責任、議長のリーダーシップ 等)
e.コーポレート・ガバナンス体制(選任・報酬決定プロセス、ステークホルダーとの対話 等)
f.総合評価(企業価値向上、意思決定、機能の有効性、判断の妥当性 等)
報酬・指名諮問委員会に対するアンケート(5項目)の実施
監査等委員会に対するアンケート(7項目)の実施
取締役会議長及び社外取締役のディスカッション
上記を踏まえた取締役会における審議
ロ 評価結果の概要
当社取締役会は、上記を踏まえて議論した結果、取締役会は、a~fの全ての区分において、概ね適切であり、その実効性は十分確保されていると評価しました。
特に評価が高かった項目は、以下の通りです。
・取締役会の開催時期、開催頻度は適切である。・取締役会の規模(員数)、社内外の比率は適切である。・取締役会は、その実効性を確保するのに必要なジェンダー、国際性、専門領域、経験等面での多様性をバ
ランスよく備えたメンバーで構成されている。・議案の説明に要する時間は適切である。・重要な議案を審議する時間が十分に確保できている。・議案の優先度に応じた時間配分がなされている。・議案の事前送付や事前説明のタイミングは適切で、議題審議に適切な情報が十分提供されている。・遠隔会議や書面決議の活用、資料の電子化等により、効率的かつ効果的な運営がなされている。・重要な個別案件について審議、付議のタイミングが適切である。・重要案件や経営計画の進捗の状況はタイムリーに報告され、適切にフォローアップがなされている。・議長は、適切なリーダーシップを発揮し、また、中立的な立場で議事進行することで、明確な結論へと導
いている。・自社にあわせたガバナンスへの取組がなされている。・経営幹部(役員)の選解任、評価、報酬決定のプロセスは適切である。・取締役会では、迅速かつ柔軟な意思決定がなされている。・取締役会において、重要な意思決定に対するアドバイスと業務執行のモニタリング機能を両立し、有効に
機能している。・取締役会は、継続的に運営の見直し、改善がなされている。
今回の実効性評価において、更なる改善の必要性を認識した課題は、「重要なテーマの網羅的な審議」「業務執行状況の報告(計画性があり、優先順位をつけた議案設定)」「会社や事業全般についての情報提供」です。本評価では、当社取締役会において「審議すべきテーマ」について、各取締役の意見を聴取しており、それらの意見をもとに、取締役会議長と社外取締役の間で意見交換会を行ったうえで、次年度審議すべきテーマや業務執行状況の報告すべきことは何かを取締役会で議論し、審議時期のスケジュール化に努めます。また、会社や事業全般についての情報提供については、任期や役割の差異による社外取締役間の情報格差を埋めるために取締役会以外で社外取締役が会する場を設定し、その場において社内からの情報提供や社外取締役間の情報交換等を実施することで改善を図ります。
また、報酬・指名諮問委員会に関しては、中長期的なサクセッションプランの整備についての意見が、監査等委員会に関しては、守りの機能にとどまらずより能動的・積極的な権限行使をはかるべきとの意見がありました。当社取締役会は、これらについても課題として認識し、取り組みを進めます。
当社は、今回の取締役会実効性評価の結果を踏まえ、更なる取締役会の実効性向上を図っていきます。
コーポレートガバナンス・コードへの対応状況
詳しくは、コーポレート・ガバナンス報告書をご覧ください。
(カゴメホームページ:https://www.kagome.co.jp/company/ir/stock/governance)
④ グループガバナンスの強化
2019年度から従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)の任意適用を開始しました。国際的な会計基準を利用することで、グループ全体の経営管理品質の向上や、国際的な比較可能性の向上を図ります。
IFRSの適用に伴い、会計監査人をPwCあらた有限責任監査法人に変更しました。同監査法人が会計監査人として必要とされる専門性、独立性、品質管理体制を有していることや国際的に会計監査業務を展開している「PricewaterhouseCoopers」のグローバルネットワークに加盟していることなどを総合的に勘案した結果、適任と判断したことによります。
IFRS適用及び会計監査人異動を機に、以下の通り、グループ共通の会計・税務・財務管理の方針を策定・運用しています。主要なグループ会社には本社より財務経理人員を直接派遣し、本方針の遵守などグループガバナンスの向上に取り組んでおります。
⑤ 内部統制強化の取り組み
イ リスクへの対応方針
「野菜の会社」として自然の恵みを最大限に活かし、お客様の健康寿命の延伸への貢献を目指すカゴメでは、食の安全を中核として様々なリスクに対する低減活動の取り組みを進めています。ESGを念頭に経営の意思決定効率を高めるための全社的なリスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk Management)に沿って、継続的にリスクマネジメントに取り組んでいます。
ロ 全社的なリスクマネジメント体制
当社では、各部門がそれぞれの課題を遂行するうえで、コンプライアンスリスクや業務リスクへの対応を進めています。また全社的なリスクマネジメントについても、リスク管理体制の充実を図るべく、食品企業として重要視する5つの専門委員会を設置しています。さらにリスク管理の統括機関として、代表取締役を議長とする「総合リスク対策会議」を設置しています。本会議は、取締役専務執行役員、取締役常勤監査等委員、常務執行役員最高人事責任者が参画しているほか、社外からの客観的評価を頂くため社外取締役である監査等委員もメンバーに加わっています。カゴメグループ全体のリスク対応状況を詳しく把握し、リスク対応方針や重要リスク対応課題についてより迅速な意思決定を図れるよう改善に努めています。会議は定期的に開催し、日々発生する社会事象とカゴメグループへの影響や対応状況について、各委員会及び主管部署から報告や提案を受け、必要な対応が検討・指示されています。併せて内部統制の有効性を高めるために、指示内容は内部監査部門によるモニタリングにも活かされ、取締役会、監査等委員会にもその内容が報告されています。
a.コンプライアンス委員会
カゴメグループ内におけるコンプライアンス推進機関であり、委員会事務局にはコンプライアンスホットラインの窓口を設け、従業員などからの通報を受け付けることにより、社会規範や倫理に反する行為の未然防止、早期発見に努めています。また、新たな公的規制などについても必要に応じ対応策を検討しています。
b.情報セキュリティ委員会
カゴメグループ全社において保有する、個人情報をはじめとする重要情報の保護に関する基本方針及び適正な管理体制・運用についてのルールの設定と運用状況の監査を行い、適法性の確保及び情報遺漏などの事故防止を図るために当委員会を設置しています。情報セキュリティ委員会では、外部からの不正アクセスに対するモニタリングも行い、情報システム運用の強化策も検討しています。
c.品質保証委員会
自然の恵みを活かし、皆様の健康長寿に貢献する商品を安心してご利用頂けるよう、食品メーカーである当社にとって品質の確保は常に最も重要な課題です。品質保証委員会は商品の品質保証強化を目的に、毎月、関係部署の代表者が集まり開催しています。お客様の声への対応、品質事故の発生防止、法改正への対応、表示の適正化など、当委員会設置により社内外の対応の精度向上とスピードアップが図られています。
d.研究倫理審査委員会
当社では、野菜を提供することを通じて健康寿命の延伸に寄与するため、野菜の価値のメカニズム解明とエビデンスの取得に向けた研究活動を行っています。当委員会は、この研究開発段階で行われるヒトを被験者とした効用・安全性の確認試験が、被験者個人の尊厳や人権を損なわないものであるかどうかを事前に審査するために設置しています。委員会は、研究開発部門以外の社員と社外の医学専門家、弁護士で構成され、中立的な立場から研究の目的、方法などの倫理的妥当性及び科学的正当性を審査できる体制としています。
e.投資委員会
当社は「トマトの会社から野菜の会社に」なるために、様々な事業展開に取り組んでいます。当委員会は社内専門部署の選抜メンバーで構成される独立した委員会であり、各部署から起案された投資について採算性やリスク評価に加え、投資効果のモニタリングを行うために設置しています。当委員会の確認を受けた議案が取締役会や経営会議に上程され、正式な審議を受けています。
業務執行・監視の仕組みについては、以下に示す通りであります。

弁護士その他第三者の状況については、複数の法律事務所と顧問契約を締結し、企業経営や日常業務におけるアドバイスを受けております。
・企業統治の体制を採用する理由
当社は、業務の執行と監督の分離をより一層進め、業務執行における決定の迅速性及び機動性を向上させると同時に業務執行に対する監督機能の強化を図ることで、取締役会として高度な説明責任を果たし、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現させることを目的として、監査等委員会設置会社を選択しています。
ハ 3つのディフェンスラインとCOSOフレームワークの活用
カゴメグループは、中期経営計画の達成に向け、事業領域を広げるとともに、国内外に展開エリアを拡大しているため、内部統制においては、国際的な「3つのディフェンスラインモデル」「COSOフレーム」を活用し、取り組みを体系的に進めています。
「3つのディフェンスライン」に関しては、日々の業務活動を行う事業所(支店、工場など)や子会社での管理を第1のディフェンスライン(第1線)と位置付けており、各事業所の部門長が業務遂行上の様々なリスクに対応するコントロール(業務分掌、ルール、文書など)を導入し、実行します。それらを主管する、財務管理、品質、環境などの本社部門が第2線の立場で専門知識を活かし、第1線に対して監督や定期的なモニタリングを行います。加えて、経営者の直轄組織である内部監査室が第3線として独立性と客観性を保持し、第1線、第2線に対する定期的な内部監査を行ってアシュアランス(保証)を経営者に提供するとともに、専門知識を活かしたコンサルティングを第1線、第2線の要請に応じて行っています。
第3線による内部監査の取り組みについては、「COSOフレーム」の4つの目的に沿って行っています。①財務報告の信頼性、②資産の保全については社外の監査法人と連携したJ-SOX監査を行い、③コンプライアンス、④業務の有効性・効率性については、社内で監査基準を設けた上で業務監査を行っています。また①~④の全体を高めるために、従業員全体の倫理的な行動を促進することが重要であり、年間を通じた様々な社内啓発活動(SNS、アンケートなど)も実施しています。
ニ BCPを意識したサプライチェーンの取り組み
当社も東日本大震災において大きな被害を受け、多くの企業同様に大規模災害時などを想定した連絡体制の強化に努めています。同時に、震災当時に避難所への商品提供など被災地支援活動を通し、多くの方から野菜摂取に関する声をお聞かせ頂き、食を通じてライフラインの一端を担っていることの社会的存在意義を改めて気づかせて頂きました。そこで、東日本大震災時の経験と反省を踏まえ、大規模災害発生時から社長を本部長とした「災害対策本部」設置までのBCP※1の初動について、経営主導で関連部門が遅滞なく動けるよう意思統一を行い、経営資源(人、商品、設備、情報)別に役割と初動を明記した「重大災害発生時のBCP初動基準」を定めています。本基準に沿って、災害発生時には、SCM本部が中心となり早期の商品供給再開に向けた物流ネットワークを構築します。なお、法令の違いなどの難しさもありますが、海外拠点と連携したグローバルスケールでのBCM※2の構築も今後の課題として捉えています。
また、今般の新型コロナウイルスによる社会環境変化にいち早く対応すべく、「新型コロナウイルス感染症対策基本方針」を定め、「従業員の安全」と「お客様への商品供給」の両方の責任を果たせるよう取り組んでいます。
※1 BCP:Business Continuity Plan(事業継続計画)
※2 BCM:Business Continuity Management(事業継続マネジメント)
⑥ コンプライアンス強化への取り組み
イ 行動規範の改定
当社は、昨今の世界における様々な社会問題の深刻化や、日本国内における超高齢社会化、自然災害の頻発などを踏まえ、企業が存続するための持続可能な社会の実現を前提とし、かつ「共助」の精神や仕組みが求められる環境を踏まえ、昨年、行動規範の改定を図りました。
新しい行動規範は、「共助」、「人権の尊重」、「フェアネス」の3つの柱からなるもので、当社グループの2025年のありたい姿「食を通じて社会課題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業になる」の実現を目指して、社会的企業としてのあり方を示すカゴメグループ従業員の日頃の行動の軸となるものと位置付けています。この周知徹底を図り、法令や国際ルール及びその精神を遵守しつつ、高い倫理観を持って社会的責任を果たしていきます。
ロ コンプライアンス推進体制
カゴメグループでは、代表取締役社長を議長とする総合リスク対策会議の下に、コンプライアンスを管掌する役員を委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置し、コンプライアンスの推進やモニタリング状況の確認などを行っています。検討結果については、総合リスク対策会議などを通じて経営会議メンバーへ報告がなされています。委員会事務局である法務部門が中心となり、日々コンプライアンスを推進しています。国内カゴメグループでは職場での違法行為や、そのおそれがある行為などについての相談や通報のための制度「カゴメ コンプライアンスホットライン」の社内窓口をコンプライアンス委員会事務局に、社外窓口を外部法律事務所内に設置しています。窓口から連絡が取れることを前提に匿名での通報も可能とするなど、従業員の利用のしやすさにも配慮しています。
寄せられた通報については、通報者が不利益を被ることのないようプライバシーの保護を図るとともに、速やかな調査と適切な措置・対策を講じています。また、措置・対策を講じた事案については、通報者や関与者が特定できないようにした上で社内で共有化し、類似事案の再発防止を図っています。2020年度は17件の相談・通報があり、解決にあたりました。
海外グループ企業でのコンプライアンスについては、重要な課題として認識し、2014年海外内部通報制度を導入して、米国、オーストラリアへと順次適用対象を拡大しています。
今後もこれらの制度を適切に運用していくことで、違法行為の未然防止、早期発見に努めます。
ハ コンプライアンス徹底のための取り組み
国内カゴメグループでは「カゴメグループ コンプライアンス実施規則」を制定し、前述した「コンプライアンス委員会」の下、事務局である法務部門が中心となってカゴメグループのコンプライアンスの徹底を図っています。活動としては、コンプライアンスに関連する案件の事前チェック、コンプライアンス関連情報の発信のほか、新入社員研修や新任管理職を対象とした集合研修やeラーニングを通じた啓発、ケーススタディ、グループディスカッションを取り入れたコンプライアンス社内講座などを継続的に実施しています。コンプライアンス社内講座については、当社の人事制度におけるスキルポイント制度と連動させ、昇格するための要件の1つに位置付けております。
近年においては、世の中の動向を踏まえ、ハラスメントについて、社内調査を行い、行動規範に掲げている「ハラスメントを生まない、許さない風土作り」を具体化したハラスメント撲滅実施細則や社内調査を参考にハラスメント事例集を策定し、社内への周知徹底を図っております。また、SDGsなど、世界的潮流として要請が高まっている腐敗防止に関する取り組みとして、海外子会社の贈収賄リスク評価を行い、経営会議体にて審議のうえ、行動規範の実践として「カゴメグループ贈収賄防止方針」を制定しました。日本語の他、英語、中国語(繁体字)、ポルトガル語、イタリア語、スペイン語などの現地語版も作成の上、海外子会社各社CEOの指揮の下、グループ全社での周知徹底を行っています。
ニ 税務コンプライアンス
カゴメグループは、事業を行う全ての国や地域において税法を遵守し、税務当局と良好な関係を保ち、適正に納税することで社会に貢献していきます。毎年度行われる税制改正や租税条約及びOECDガイドラインなどの国際税務におけるルールの変化に対しても、適時適切な対応をしています。社内に向けては定期的に税務コンプライアンスに関するeラーニングなどを実施し、従業員の税法遵守に向けて啓蒙を行っています。また、移転価格税制につきましては移転価格管理規定を定めており、グループに所属する会社同士の国際取引に関し、独立企業間価格の原則に基づき、取引当事者各々の機能、資産及びリスクを分析し、その貢献に応じ適切に利益配分・移転価格を算定しております。
⑦ 株主・投資家への責任
イ 情報開示
当社は、株主や投資家の皆様にフェア(公平)、シンプル(平易)、タイムリー(適時)な情報発信を行うとともに、株主総会、社長と語る会、工場見学などのIRイベントを通じて、株主・投資家の皆様との、双方向のコミュニケーションの機会を大切にしています。
当社は、より多くの株主の皆様に株主総会に出席して頂けるよう、「招集ご通知」及び「招集ご通知添付書類」の内容の充実や、早期のWEB開示・発送をしています。これらには取締役のメッセージや社外取締役からの提言も掲載しています。株主総会当日は議長説明や映像でのビジュアル化を進め、わかりやすい報告に努めています。また、ロビーでの展示を通して、役員や従業員がカゴメの活動を積極的に株主の皆様にお伝えし、直接株主様のご意見を頂くことを心掛けています。株主総会にご参加頂けない株主の皆様にもインターネットを通じて質問をお受けし、ご回答しています。
総会開催後は、質疑応答の内容、当日来場された株主様にお答え頂いたアンケートの結果なども含め、総会の内容を速やかに当社ホームページにて開示しています。
ロ 経営監視
当社は、多くの株主様の目で企業活動や経営成績についてご評価頂くことが、経営監視機能の強化につながると考え、2001年から「ファン株主10万人作り」に取り組んできました。その結果、2005年9月末に株主数が10万人を超え、現在は約18万人になっています。今後も、株主の皆様から頂いた貴重なご意見・ご要望を企業活動に適切に反映させていきます。
ハ 2020・21年度の配当
当社は、株主の皆様への利益還元を、経営上の最重要課題の一つと認識しております。
当社の株主還元方針は、2019年から2021年の3ヵ年で進めている中期経営計画期間中において、「連結業績を基準に、総還元性向40%」を目指すこととし、合わせて「年間配当金額35円以上を安定的に現金配当する」こととしております。
2020年の配当につきましては、1株当たり36円といたしました。また、2021年の配当につきましては、1株当たり37円とさせて頂く予定であります。
株主優待制度としてカゴメ商品を全国一斉にお届けしています。株主優待制度は株主還元とは異なり株主の皆様に商品を通して当社をよりよく知って頂くことを目的にしています。そのため毎回同梱するアンケートにより株主様のご意見・ご要望を伺い、企業活動に活かしています。2019年より、長期的に株式を保有して頂くことを目的として、10年以上保有して頂いた株主の皆様に記念品を贈呈する新しい制度を開始しました。
当社は企業信用力の評価としてR&I(格付投資情報センター)とJCR(日本格付研究所)の2社から、下記の信用格付を取得しています。
R&I(格付投資情報センター) 長期格付け A
JCR(日本格付研究所) 長期格付け A
短期格付け J-1
2.責任限定契約の内容の概要
当社と社外取締役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が定める額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役が責任の原因となった職務の遂行について善意かつ重大な過失がないときに限られます。
3.取締役の定数
当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)は10名以内、監査等委員である取締役は7名以内とする旨、定款に定めております。
4.取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨定款に定めております。
5.剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨定款に定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な資本政策及び配当政策を行うことを目的とするものであります。
6.株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
1.会社の機関の内容及び内部統制システム整備の状況(2021年3月12日現在)
① 企業統治の体制
・企業統治の体制の概要
当社におけるコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は以下の通りです。
当社は、企業理念「感謝」、「自然」、「開かれた企業」に則り、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現を目指しており、そのためにコーポレート・ガバナンスを重要な経営課題であると認識しています。 当社では、コーポレート・ガバナンスの基本を「『自律』の更なる強化と『他律』による補完である」と考えております。これは、自らの意思で時代に適応するコーポレート・ガバナンスを構築することを原則としながら、「カゴメファン株主づくり」の推進や社外取締役の機能の活用などにより外部の多様な視点を取り入れていくことで、客観性や透明性を担保していくというものです。 当社は、カゴメならではの個性や独自性を活かしつつ、ステークホルダーとの対話を図るなかで、高度なアカウンタビリティを実現し、真の「開かれた企業」を目指してまいります。
当社は、監査等委員会設置会社であり、取締役会の主たる役割を、経営戦略、経営方針の決定とその執行モニタリングと定め、当社独自の「社外取締役の独立性基準」を満たす社外取締役を3名以上選任することで、アドバイス機能の充実と監督機能の強化を図り、実効性を高めております。監査等委員会においては、常勤監査等委員を1名以上置くことを方針とし、内部統制システムを利用して、取締役の業務執行の適法性、妥当性を監査していきます。取締役の指名、報酬については、独立社外取締役が半数以上を占める報酬・指名諮問委員会において、審議した内容を取締役会に諮り決定することで、客観性、公正性を高めております。
なお、取締役会および監査等委員会の構成員につきましては、「(2)役員の状況」をご参照ください。 業務執行については、執行役員制度のもと、一定基準により、執行の責任と権限を各部門に委任し、取締役会決議・報告事項の伝達、周知及び執行役員間の連絡、調整を図ることを目的に執行役員会を設置しております。現在の執行役員については、「(2)役員の状況」をご参照ください。
また、社長のリーダーシップのもと、機動的かつ相互に連携して業務執行ができるよう代表取締役社長を議長し、社内取締役(除く、取締役会長)、本部長、カゴメアクシス株式会社代表取締役社長、CHOを構成員とする経営会議を設置しております。経営会議において審議を行うことで適切なリスクテイクを可能としており、責任を明確にしたうえでスピーディな意思決定ができるようにしております。
② 株式会社の支配に関する基本方針
イ 基本方針の内容
当社の株式について、特定の買付者による大量取得行為が行われる場合に、株主の皆さまが当社の株式を売却されるか否かは、最終的には株主の皆さまのご判断に委ねられるべきものと考えられますが、その前提として、株主の皆さまに適切かつ十分な情報をご提供したうえで、ご判断を頂くために適切かつ十分な期間と機会を確保することが重要と考えられます。そのためには、当社取締役会が、大量取得行為を行おうとする者から詳細な情報を収集して、これを株主の皆さまにご提供するとともに、かかる大量取得行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を害する虞があるものと判断する場合には、当該大量取得行為に係る提案と当社取締役会が作成する代替案のいずれを選択すべきかについて、株主の皆さまに適切かつ十分な情報をご提供したうえでそのご判断を仰ぐことが、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保・向上させるために最善の方策であると当社は考えます。
ロ 基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社は、この企業理念に則り、企業の成長は、社会の成長とともにあることを認識し、「開かれた企業」として、世界に広がるあらゆるステークホルダーの皆さまと手を携え、新たな価値ある商品を提供できるよう取り組んでおります。また、当社グループのつくる商品の価値の源は、「自然」であり、自然に根差し、農業から生産、加工、販売と一貫したバリューチェーンを持った世界でもユニークな企業として、この強みを活かし、グローバル市場を見据えて激しい環境変化に対応するスピードと競争力を強化する経営を推進しております。そして、すべてのステークホルダーに「感謝」の心を持ち、皆さまに愛され支持される会社であり続けられるよう、たゆまず努力をしてまいります。
a.中期経営計画による企業価値向上への取り組み
当社は、中期経営計画を策定するにあたり、将来の環境変化について、徹底した予測を行いました。その結果、明らかになったのは日本国内における社会問題の深刻化でした。中でも「健康寿命の延伸」は当社グループが真っ先に取り組むべきテーマであり、この他にも「農業の成長産業化」「地方創生」「世界の食糧不足」などは、当社グループが解決に貢献をするべきテーマであると認識しました。そこで当社は、2025年のありたい姿を「食を通じて社会問題の解決に取り組み、持続的に成長できる『強い企業』になる」とし、2016年には「トマトの会社から野菜の会社に」という長期ビジョンを定めました。当社の保有する生鮮野菜、ジュース・調味料、冷凍素材、サプリメントなど、野菜を手軽に摂取できる幅広い商品や、野菜の健康価値情報の提供、新規事業の創出などを通じて、ありたい姿や長期ビジョンの実現を目指してまいります。長期ビジョンの定量目標として、当社は「日本人の1日1人あたりの野菜摂取量を293gから厚生労働省の推奨する目標値350g以上にすること」と「カゴメが国内で供給する緑黄色野菜の供給割合を約12%から15%以上にすること」を掲げ、「野菜の会社」の実現に向けた企業活動を展開してまいります。
更に長期の2035年~40年を見据えては「社員から役員までの全ての階層における女性比率を50%にする」という目標を定め、ダイバーシティ活動を推進しております。この活動によって、新たなイノベーションを起こす企業へと変革し、多様化する消費者ニーズへの対応や、購買者視点に立った事業戦略の展開を進めてまいります。
b.コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取り組み
当社は、企業理念「感謝」、「自然」、「開かれた企業」に則り、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現を目指しており、そのためにコーポレート・ガバナンスを重要な経営課題であると認識しております。当社では、コーポレート・ガバナンスの基本を「『自律』の更なる強化と『他律』による補完である」と考えております。これは、自らの意思で時代に適応するコーポレート・ガバナンスを構築することを原則としながら、「カゴメファン株主づくり」の推進や社外取締役の機能の活用などにより外部の多様な視点を取り入れていくことで、客観性や透明性を担保していくというものです。
当社は、カゴメならではの個性や独自性を活かしつつ、ステークホルダーとの対話を図る中で、高度なアカウンタビリティを実現し、真の「開かれた企業」を目指してまいります。
ハ 基本方針に基づく不適切な支配の防止のための取り組み
当社はこのような考え方に基づき以下のとおり、当社株式の大量取得行為に関する対応策(以下「本ルール」といいます。)を制定し、導入しておりました。なお、昨今の環境の変化やガバナンスの状況を鑑み、2021年2月3日の取締役会にて本ルールの非継続を決定いたしました。ただし、本ルールは2021年3月末までは以下の通り有効となっております。
本ルールは、当社株式の買付(以下において定義します。)が行われる場合に、買付者(以下において定義します。)に対して、予め遵守すべき手続きを提示し、株主の皆さまに対して、買付者による買付提案に応ずるべきか否かを判断するために適切かつ十分な情報並びに期間及び機会をご提供することを確保するとともに、買付提案の検証及び買付者との交渉を行うことを通じて、当社の企業価値及び株主共同の利益を害する買付を抑止し、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としております。
当社は、万一当社の企業価値及び株主共同の利益を害する虞がある買付の提案がなされた場合であっても、かかる買付提案に対する対抗策の発動は、株主の皆さまの株主共同の利益にかかわるものであるため、原則として株主の皆さまの意思を確認したうえで行うべきものであると考えております。そのため、本ルールでは、買付者から買付提案がなされた場合には、当社取締役会が買付者から詳細な情報を収集し、これを独立委員会(以下において定義します。)に提供したうえで、当社取締役会及び独立委員会において慎重かつ十分な検証を行います。当社取締役会は、独立委員会が、当該買付提案は当社の企業価値及び株主共同の利益を害する虞があるとの勧告を行った場合には、その勧告に従い(但し、勧告に従うことが、取締役の善管注意義務に違反する場合があると判断する場合は除きます。)、株主の皆さまに対して、買付者の買付提案及び当該買付提案に対する当社取締役会の見解並びに当社取締役会が作成する代替案に関する適切かつ十分な情報を提供したうえで、速やかに株主意思確認総会等を開催することにより、株主の皆さまに対抗策を発動すべきか否かをご判断頂くこととしております。
なお、買付が当社の企業価値及び株主共同の利益を毀損することが明らかである場合や、買付者が本ルールを遵守しない場合には、株主意思確認総会等を開催することなく、独立委員会の勧告に従い(但し、勧告に従うことが、取締役の善管注意義務に違反する場合があると判断する場合は除きます。)、対抗策を発動の決議を行います。
※1 「買付」とは、当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付その他一切の行為、または当社が発行者である株券等について、公開買付者及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付をいいます。
※2 「買付者」とは、買付を行う者及び買付を行おうとする者(当社の同意を得ることなく、かかる買付に関する情報開示等を行う者及び買付提案を行う者を含む)をいいます。
※3 「独立委員会」とは、当社の業務執行を行う経営陣から独立した当社の社外役員又は学識経験者等の中から、当社取締役会決議に基づき選任される3名以上の委員によって構成される委員会をいいます。
二 具体的取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社取締役会は、本ルールの設計にあたり、以下の事項を考慮し盛り込んでおります。
a.買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本ルールは、経済産業省と法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定める三原則を充足しており、また企業価値研究会が2008年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」における提言内容と整合的な内容となっております。
b.株主の皆さまの意思を重視するものであること
本ルールは、株主の皆さまにご判断をいただくために適切かつ十分な情報を提供したうえで、当社取締役会が、独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、買付者による買付提案が当社の企業価値及び株主共同の利益を害する虞があり、対抗策を発動すべきであるとの判断がなされた場合には、株主意思確認手続きを行うことにより、株主の皆さまに対抗策を発動すべきか否かを直接ご判断いただく方法を採用しています。
また、当社は当社取締役会において決議した本ルールを2018年3月開催の定時株主総会において株主の皆さまの承認を得たうえで継続することとしており、その後当社株主総会において変更又は廃止の決議がなされた場合は、当該決議に従い変更又は廃止されるものとなっております。さらに、本ルールには有効期間を約3年とするいわゆるサンセット条項が付されております。また、当社は、取締役(監査等委員を除く)の任期を1年としており、本ルールの有効期間中でも、毎年の株主総会での取締役選任を通じて、株主の皆様の意向を反映させることが可能となっております。
このように、本ルールは、株主の皆さまの意思が十分に反映される仕組みを採用しております。
c.当社取締役会の判断による対抗策発動の制限
当社取締役会が株主意思確認手続きを行わずに対抗策を発動できる場合は、買付者が本ルールに違反した場合や買付が当社の企業価値及び株主共同の利益を毀損することが明らかな場合であり、かつ独立委員会が当社取締役会の判断による対抗策の発動に賛同する場合に限定されています。
d.独立委員会及び第三者たる専門家の意見を重視
本ルールにおいては、買付者による買付提案に対して対抗策を発動するか否かの判断が適切になされることを確保するために、当社の業務執行を行う経営陣から独立した3名以上の委員から構成される独立委員会を設置し、買付者からの買付提案に関する情報の収集、買付者による買付提案が当社の企業価値及び株主共同の利益を害する虞があるとして株主意思確認手続きに基づき対抗策を発動することの是非、及び株主意思確認手続きを行うことなく当社取締役会の判断により対抗策を発動することの是非等について、独立委員会の意見を諮問し、これを最大限尊重する仕組みを採用しています。
また、当社取締役会は、代替案及び買付者の買付提案に関する当社取締役会の見解の作成にあたり、当社の業務執行を行う経営陣から独立した第三者(フィナンシャルアドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることが可能であり、かかる助言を得る場合には、これを尊重することにより、当社取締役会の判断が恣意的なものとならないよう配慮するものとされています。
③ 取締役会の実効性評価結果
当社は、2020年10月に取締役を対象に取締役会の実効性に関する評価を実施しました。その結果の概要は以下の通りです。
イ 評価の実施方法
取締役に対するアンケート(全6区分・30項目)の実施
アンケートの区分は以下の通りです。
a.取締役会の設計(開催頻度、規模、構成、遠隔会議の活用 等)
b.取締役会の運営(時間(説明・審議)、情報提供、事務局のサポート 等)
c.取締役会の議案(テーマの網羅性、付議のタイミング、進捗報告 等)
d.取締役会の議論の質(議論の客観性・多面性、説明責任、議長のリーダーシップ 等)
e.コーポレート・ガバナンス体制(選任・報酬決定プロセス、ステークホルダーとの対話 等)
f.総合評価(企業価値向上、意思決定、機能の有効性、判断の妥当性 等)
報酬・指名諮問委員会に対するアンケート(5項目)の実施
監査等委員会に対するアンケート(7項目)の実施
取締役会議長及び社外取締役のディスカッション
上記を踏まえた取締役会における審議
ロ 評価結果の概要
当社取締役会は、上記を踏まえて議論した結果、取締役会は、a~fの全ての区分において、概ね適切であり、その実効性は十分確保されていると評価しました。
特に評価が高かった項目は、以下の通りです。
・取締役会の開催時期、開催頻度は適切である。・取締役会の規模(員数)、社内外の比率は適切である。・取締役会は、その実効性を確保するのに必要なジェンダー、国際性、専門領域、経験等面での多様性をバ
ランスよく備えたメンバーで構成されている。・議案の説明に要する時間は適切である。・重要な議案を審議する時間が十分に確保できている。・議案の優先度に応じた時間配分がなされている。・議案の事前送付や事前説明のタイミングは適切で、議題審議に適切な情報が十分提供されている。・遠隔会議や書面決議の活用、資料の電子化等により、効率的かつ効果的な運営がなされている。・重要な個別案件について審議、付議のタイミングが適切である。・重要案件や経営計画の進捗の状況はタイムリーに報告され、適切にフォローアップがなされている。・議長は、適切なリーダーシップを発揮し、また、中立的な立場で議事進行することで、明確な結論へと導
いている。・自社にあわせたガバナンスへの取組がなされている。・経営幹部(役員)の選解任、評価、報酬決定のプロセスは適切である。・取締役会では、迅速かつ柔軟な意思決定がなされている。・取締役会において、重要な意思決定に対するアドバイスと業務執行のモニタリング機能を両立し、有効に
機能している。・取締役会は、継続的に運営の見直し、改善がなされている。
今回の実効性評価において、更なる改善の必要性を認識した課題は、「重要なテーマの網羅的な審議」「業務執行状況の報告(計画性があり、優先順位をつけた議案設定)」「会社や事業全般についての情報提供」です。本評価では、当社取締役会において「審議すべきテーマ」について、各取締役の意見を聴取しており、それらの意見をもとに、取締役会議長と社外取締役の間で意見交換会を行ったうえで、次年度審議すべきテーマや業務執行状況の報告すべきことは何かを取締役会で議論し、審議時期のスケジュール化に努めます。また、会社や事業全般についての情報提供については、任期や役割の差異による社外取締役間の情報格差を埋めるために取締役会以外で社外取締役が会する場を設定し、その場において社内からの情報提供や社外取締役間の情報交換等を実施することで改善を図ります。
また、報酬・指名諮問委員会に関しては、中長期的なサクセッションプランの整備についての意見が、監査等委員会に関しては、守りの機能にとどまらずより能動的・積極的な権限行使をはかるべきとの意見がありました。当社取締役会は、これらについても課題として認識し、取り組みを進めます。
当社は、今回の取締役会実効性評価の結果を踏まえ、更なる取締役会の実効性向上を図っていきます。
コーポレートガバナンス・コードへの対応状況
詳しくは、コーポレート・ガバナンス報告書をご覧ください。
(カゴメホームページ:https://www.kagome.co.jp/company/ir/stock/governance)
④ グループガバナンスの強化
2019年度から従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(IFRS)の任意適用を開始しました。国際的な会計基準を利用することで、グループ全体の経営管理品質の向上や、国際的な比較可能性の向上を図ります。
IFRSの適用に伴い、会計監査人をPwCあらた有限責任監査法人に変更しました。同監査法人が会計監査人として必要とされる専門性、独立性、品質管理体制を有していることや国際的に会計監査業務を展開している「PricewaterhouseCoopers」のグローバルネットワークに加盟していることなどを総合的に勘案した結果、適任と判断したことによります。
IFRS適用及び会計監査人異動を機に、以下の通り、グループ共通の会計・税務・財務管理の方針を策定・運用しています。主要なグループ会社には本社より財務経理人員を直接派遣し、本方針の遵守などグループガバナンスの向上に取り組んでおります。
⑤ 内部統制強化の取り組み
イ リスクへの対応方針
「野菜の会社」として自然の恵みを最大限に活かし、お客様の健康寿命の延伸への貢献を目指すカゴメでは、食の安全を中核として様々なリスクに対する低減活動の取り組みを進めています。ESGを念頭に経営の意思決定効率を高めるための全社的なリスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk Management)に沿って、継続的にリスクマネジメントに取り組んでいます。
ロ 全社的なリスクマネジメント体制
当社では、各部門がそれぞれの課題を遂行するうえで、コンプライアンスリスクや業務リスクへの対応を進めています。また全社的なリスクマネジメントについても、リスク管理体制の充実を図るべく、食品企業として重要視する5つの専門委員会を設置しています。さらにリスク管理の統括機関として、代表取締役を議長とする「総合リスク対策会議」を設置しています。本会議は、取締役専務執行役員、取締役常勤監査等委員、常務執行役員最高人事責任者が参画しているほか、社外からの客観的評価を頂くため社外取締役である監査等委員もメンバーに加わっています。カゴメグループ全体のリスク対応状況を詳しく把握し、リスク対応方針や重要リスク対応課題についてより迅速な意思決定を図れるよう改善に努めています。会議は定期的に開催し、日々発生する社会事象とカゴメグループへの影響や対応状況について、各委員会及び主管部署から報告や提案を受け、必要な対応が検討・指示されています。併せて内部統制の有効性を高めるために、指示内容は内部監査部門によるモニタリングにも活かされ、取締役会、監査等委員会にもその内容が報告されています。
a.コンプライアンス委員会
カゴメグループ内におけるコンプライアンス推進機関であり、委員会事務局にはコンプライアンスホットラインの窓口を設け、従業員などからの通報を受け付けることにより、社会規範や倫理に反する行為の未然防止、早期発見に努めています。また、新たな公的規制などについても必要に応じ対応策を検討しています。
b.情報セキュリティ委員会
カゴメグループ全社において保有する、個人情報をはじめとする重要情報の保護に関する基本方針及び適正な管理体制・運用についてのルールの設定と運用状況の監査を行い、適法性の確保及び情報遺漏などの事故防止を図るために当委員会を設置しています。情報セキュリティ委員会では、外部からの不正アクセスに対するモニタリングも行い、情報システム運用の強化策も検討しています。
c.品質保証委員会
自然の恵みを活かし、皆様の健康長寿に貢献する商品を安心してご利用頂けるよう、食品メーカーである当社にとって品質の確保は常に最も重要な課題です。品質保証委員会は商品の品質保証強化を目的に、毎月、関係部署の代表者が集まり開催しています。お客様の声への対応、品質事故の発生防止、法改正への対応、表示の適正化など、当委員会設置により社内外の対応の精度向上とスピードアップが図られています。
d.研究倫理審査委員会
当社では、野菜を提供することを通じて健康寿命の延伸に寄与するため、野菜の価値のメカニズム解明とエビデンスの取得に向けた研究活動を行っています。当委員会は、この研究開発段階で行われるヒトを被験者とした効用・安全性の確認試験が、被験者個人の尊厳や人権を損なわないものであるかどうかを事前に審査するために設置しています。委員会は、研究開発部門以外の社員と社外の医学専門家、弁護士で構成され、中立的な立場から研究の目的、方法などの倫理的妥当性及び科学的正当性を審査できる体制としています。
e.投資委員会
当社は「トマトの会社から野菜の会社に」なるために、様々な事業展開に取り組んでいます。当委員会は社内専門部署の選抜メンバーで構成される独立した委員会であり、各部署から起案された投資について採算性やリスク評価に加え、投資効果のモニタリングを行うために設置しています。当委員会の確認を受けた議案が取締役会や経営会議に上程され、正式な審議を受けています。
業務執行・監視の仕組みについては、以下に示す通りであります。

弁護士その他第三者の状況については、複数の法律事務所と顧問契約を締結し、企業経営や日常業務におけるアドバイスを受けております。
・企業統治の体制を採用する理由
当社は、業務の執行と監督の分離をより一層進め、業務執行における決定の迅速性及び機動性を向上させると同時に業務執行に対する監督機能の強化を図ることで、取締役会として高度な説明責任を果たし、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現させることを目的として、監査等委員会設置会社を選択しています。
ハ 3つのディフェンスラインとCOSOフレームワークの活用
カゴメグループは、中期経営計画の達成に向け、事業領域を広げるとともに、国内外に展開エリアを拡大しているため、内部統制においては、国際的な「3つのディフェンスラインモデル」「COSOフレーム」を活用し、取り組みを体系的に進めています。
「3つのディフェンスライン」に関しては、日々の業務活動を行う事業所(支店、工場など)や子会社での管理を第1のディフェンスライン(第1線)と位置付けており、各事業所の部門長が業務遂行上の様々なリスクに対応するコントロール(業務分掌、ルール、文書など)を導入し、実行します。それらを主管する、財務管理、品質、環境などの本社部門が第2線の立場で専門知識を活かし、第1線に対して監督や定期的なモニタリングを行います。加えて、経営者の直轄組織である内部監査室が第3線として独立性と客観性を保持し、第1線、第2線に対する定期的な内部監査を行ってアシュアランス(保証)を経営者に提供するとともに、専門知識を活かしたコンサルティングを第1線、第2線の要請に応じて行っています。
第3線による内部監査の取り組みについては、「COSOフレーム」の4つの目的に沿って行っています。①財務報告の信頼性、②資産の保全については社外の監査法人と連携したJ-SOX監査を行い、③コンプライアンス、④業務の有効性・効率性については、社内で監査基準を設けた上で業務監査を行っています。また①~④の全体を高めるために、従業員全体の倫理的な行動を促進することが重要であり、年間を通じた様々な社内啓発活動(SNS、アンケートなど)も実施しています。
ニ BCPを意識したサプライチェーンの取り組み
当社も東日本大震災において大きな被害を受け、多くの企業同様に大規模災害時などを想定した連絡体制の強化に努めています。同時に、震災当時に避難所への商品提供など被災地支援活動を通し、多くの方から野菜摂取に関する声をお聞かせ頂き、食を通じてライフラインの一端を担っていることの社会的存在意義を改めて気づかせて頂きました。そこで、東日本大震災時の経験と反省を踏まえ、大規模災害発生時から社長を本部長とした「災害対策本部」設置までのBCP※1の初動について、経営主導で関連部門が遅滞なく動けるよう意思統一を行い、経営資源(人、商品、設備、情報)別に役割と初動を明記した「重大災害発生時のBCP初動基準」を定めています。本基準に沿って、災害発生時には、SCM本部が中心となり早期の商品供給再開に向けた物流ネットワークを構築します。なお、法令の違いなどの難しさもありますが、海外拠点と連携したグローバルスケールでのBCM※2の構築も今後の課題として捉えています。
また、今般の新型コロナウイルスによる社会環境変化にいち早く対応すべく、「新型コロナウイルス感染症対策基本方針」を定め、「従業員の安全」と「お客様への商品供給」の両方の責任を果たせるよう取り組んでいます。
※1 BCP:Business Continuity Plan(事業継続計画)
※2 BCM:Business Continuity Management(事業継続マネジメント)
⑥ コンプライアンス強化への取り組み
イ 行動規範の改定
当社は、昨今の世界における様々な社会問題の深刻化や、日本国内における超高齢社会化、自然災害の頻発などを踏まえ、企業が存続するための持続可能な社会の実現を前提とし、かつ「共助」の精神や仕組みが求められる環境を踏まえ、昨年、行動規範の改定を図りました。
新しい行動規範は、「共助」、「人権の尊重」、「フェアネス」の3つの柱からなるもので、当社グループの2025年のありたい姿「食を通じて社会課題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業になる」の実現を目指して、社会的企業としてのあり方を示すカゴメグループ従業員の日頃の行動の軸となるものと位置付けています。この周知徹底を図り、法令や国際ルール及びその精神を遵守しつつ、高い倫理観を持って社会的責任を果たしていきます。
ロ コンプライアンス推進体制
カゴメグループでは、代表取締役社長を議長とする総合リスク対策会議の下に、コンプライアンスを管掌する役員を委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置し、コンプライアンスの推進やモニタリング状況の確認などを行っています。検討結果については、総合リスク対策会議などを通じて経営会議メンバーへ報告がなされています。委員会事務局である法務部門が中心となり、日々コンプライアンスを推進しています。国内カゴメグループでは職場での違法行為や、そのおそれがある行為などについての相談や通報のための制度「カゴメ コンプライアンスホットライン」の社内窓口をコンプライアンス委員会事務局に、社外窓口を外部法律事務所内に設置しています。窓口から連絡が取れることを前提に匿名での通報も可能とするなど、従業員の利用のしやすさにも配慮しています。
寄せられた通報については、通報者が不利益を被ることのないようプライバシーの保護を図るとともに、速やかな調査と適切な措置・対策を講じています。また、措置・対策を講じた事案については、通報者や関与者が特定できないようにした上で社内で共有化し、類似事案の再発防止を図っています。2020年度は17件の相談・通報があり、解決にあたりました。
海外グループ企業でのコンプライアンスについては、重要な課題として認識し、2014年海外内部通報制度を導入して、米国、オーストラリアへと順次適用対象を拡大しています。
今後もこれらの制度を適切に運用していくことで、違法行為の未然防止、早期発見に努めます。
ハ コンプライアンス徹底のための取り組み
国内カゴメグループでは「カゴメグループ コンプライアンス実施規則」を制定し、前述した「コンプライアンス委員会」の下、事務局である法務部門が中心となってカゴメグループのコンプライアンスの徹底を図っています。活動としては、コンプライアンスに関連する案件の事前チェック、コンプライアンス関連情報の発信のほか、新入社員研修や新任管理職を対象とした集合研修やeラーニングを通じた啓発、ケーススタディ、グループディスカッションを取り入れたコンプライアンス社内講座などを継続的に実施しています。コンプライアンス社内講座については、当社の人事制度におけるスキルポイント制度と連動させ、昇格するための要件の1つに位置付けております。
近年においては、世の中の動向を踏まえ、ハラスメントについて、社内調査を行い、行動規範に掲げている「ハラスメントを生まない、許さない風土作り」を具体化したハラスメント撲滅実施細則や社内調査を参考にハラスメント事例集を策定し、社内への周知徹底を図っております。また、SDGsなど、世界的潮流として要請が高まっている腐敗防止に関する取り組みとして、海外子会社の贈収賄リスク評価を行い、経営会議体にて審議のうえ、行動規範の実践として「カゴメグループ贈収賄防止方針」を制定しました。日本語の他、英語、中国語(繁体字)、ポルトガル語、イタリア語、スペイン語などの現地語版も作成の上、海外子会社各社CEOの指揮の下、グループ全社での周知徹底を行っています。
ニ 税務コンプライアンス
カゴメグループは、事業を行う全ての国や地域において税法を遵守し、税務当局と良好な関係を保ち、適正に納税することで社会に貢献していきます。毎年度行われる税制改正や租税条約及びOECDガイドラインなどの国際税務におけるルールの変化に対しても、適時適切な対応をしています。社内に向けては定期的に税務コンプライアンスに関するeラーニングなどを実施し、従業員の税法遵守に向けて啓蒙を行っています。また、移転価格税制につきましては移転価格管理規定を定めており、グループに所属する会社同士の国際取引に関し、独立企業間価格の原則に基づき、取引当事者各々の機能、資産及びリスクを分析し、その貢献に応じ適切に利益配分・移転価格を算定しております。
⑦ 株主・投資家への責任
イ 情報開示
当社は、株主や投資家の皆様にフェア(公平)、シンプル(平易)、タイムリー(適時)な情報発信を行うとともに、株主総会、社長と語る会、工場見学などのIRイベントを通じて、株主・投資家の皆様との、双方向のコミュニケーションの機会を大切にしています。
当社は、より多くの株主の皆様に株主総会に出席して頂けるよう、「招集ご通知」及び「招集ご通知添付書類」の内容の充実や、早期のWEB開示・発送をしています。これらには取締役のメッセージや社外取締役からの提言も掲載しています。株主総会当日は議長説明や映像でのビジュアル化を進め、わかりやすい報告に努めています。また、ロビーでの展示を通して、役員や従業員がカゴメの活動を積極的に株主の皆様にお伝えし、直接株主様のご意見を頂くことを心掛けています。株主総会にご参加頂けない株主の皆様にもインターネットを通じて質問をお受けし、ご回答しています。
総会開催後は、質疑応答の内容、当日来場された株主様にお答え頂いたアンケートの結果なども含め、総会の内容を速やかに当社ホームページにて開示しています。
ロ 経営監視
当社は、多くの株主様の目で企業活動や経営成績についてご評価頂くことが、経営監視機能の強化につながると考え、2001年から「ファン株主10万人作り」に取り組んできました。その結果、2005年9月末に株主数が10万人を超え、現在は約18万人になっています。今後も、株主の皆様から頂いた貴重なご意見・ご要望を企業活動に適切に反映させていきます。
ハ 2020・21年度の配当
当社は、株主の皆様への利益還元を、経営上の最重要課題の一つと認識しております。
当社の株主還元方針は、2019年から2021年の3ヵ年で進めている中期経営計画期間中において、「連結業績を基準に、総還元性向40%」を目指すこととし、合わせて「年間配当金額35円以上を安定的に現金配当する」こととしております。
2020年の配当につきましては、1株当たり36円といたしました。また、2021年の配当につきましては、1株当たり37円とさせて頂く予定であります。
株主優待制度としてカゴメ商品を全国一斉にお届けしています。株主優待制度は株主還元とは異なり株主の皆様に商品を通して当社をよりよく知って頂くことを目的にしています。そのため毎回同梱するアンケートにより株主様のご意見・ご要望を伺い、企業活動に活かしています。2019年より、長期的に株式を保有して頂くことを目的として、10年以上保有して頂いた株主の皆様に記念品を贈呈する新しい制度を開始しました。
当社は企業信用力の評価としてR&I(格付投資情報センター)とJCR(日本格付研究所)の2社から、下記の信用格付を取得しています。
R&I(格付投資情報センター) 長期格付け A
JCR(日本格付研究所) 長期格付け A
短期格付け J-1
2.責任限定契約の内容の概要
当社と社外取締役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が定める額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役が責任の原因となった職務の遂行について善意かつ重大な過失がないときに限られます。
3.取締役の定数
当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)は10名以内、監査等委員である取締役は7名以内とする旨、定款に定めております。
4.取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨定款に定めております。
5.剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨定款に定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な資本政策及び配当政策を行うことを目的とするものであります。
6.株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。