有価証券報告書-第70期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 11:20
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1.経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調で推移しましたが、アジア新興国を中心とした経済成長の減速等により海外経済の不確実性が高まり、依然として景気の先行きは不透明な状態が続いております。
当食品業界においては、少子高齢化や単身世帯の増加傾向の影響を受け、コンビニエンスストアを含めて弁当・惣菜の需要が拡大する等、消費者の食行動や購買行動に変化がみられています。また、消費者の食の安全面に対する意識はより一段と高まり、当業界は今まで以上に品質管理の強化への対応、環境問題への対応等企業の社会的責任がますます求められております。
このような状況の中、当社グループは「Smiles for All.すべては、笑顔のために。」という企業スローガンの下で「食を通じて社会に貢献する」「お客様に安全で安心な食品とサービスを提供する」ことを責務と考え取組むとともに、厳しい販売競争に対応するため、より一層のコスト削減並びに積極的な営業活動を推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は388,797百万円(前年同期比1.6%増)、営業利益は26,652百万円(前年同期比9.6%減)、経常利益は28,571百万円(前年同期比8.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は18,431百万円(前年同期比11.5%減)となりました。
なお、当連結会計年度の為替換算レートは106.25円/米ドル(前連結会計年度は、112.19円/米ドル)であります。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① 水産食品事業
水産食品事業は、漁獲量減少や国内市場の競争激化に伴い環境が厳しさを増す中、各取引先への営業強化と仕入政策の見直しに取組みました。更に、商品力のある魚卵、鮭鱒製品を中心に販売が好調に推移したことにより、増収となりました。その結果、売上高は32,021百万円(前年同期比1.9%増)、セグメント利益は、原材料価格が高騰する中、適正価格での販売に努めたことにより、288百万円(前年同期比51.4%増)となりました。
② 海外即席麺事業
海外即席麺事業は、米国では各取引先との取組み強化として、大陳企画、クーポン企画等を積極的に実施したことにより増収となりました。メキシコでは問屋ルートの受注が順調に進んだことや大手量販店における特売実施により増収となりました。その結果、円高の影響を受けた中で、売上高は73,048百万円(前年同期比0.0%増)、セグメント利益は、人件費や運賃の増加等により、9,976百万円(前年同期比15.5%減)となりました。
③ 国内即席麺事業
国内即席麺事業は、カップ麺では主力商品の「赤いきつねうどん」「緑のたぬき天そば」「ごつ盛り」及び発売25周年を機にリニューアルを実施した「麺づくり」等が好調に推移するとともに、平成29年3月に発売した「MARUCHAN QTTA」も順調に推移し、増収となりました。袋麺では市場全体が厳しい環境の中、「マルちゃん正麺」シリーズでは新フレーバーの発売や消費者キャンペーンの実施等需要喚起に努めましたが、減収となりました。その結果、売上高は129,008百万円(前年同期比2.3%増)、セグメント利益は、宣伝費や減価償却費の増加等により、8,311百万円(前年同期比17.3%減)となりました。
④ 低温食品事業
低温食品事業は、生麺では主力商品の「マルちゃん焼そば3人前」シリーズは前年並みとなりましたが、平成29年2月に発売した2食入り焼そば「マルちゃん焼そば極み太麺」シリーズが順調に推移したほか、2食入り生ラーメンの新商品「コクの一滴」シリーズの導入も進み、増収となりました。チルド食品では「マルちゃん焼そばシュウマイ」や「マルちゃんスープワンタン」、新発売した「マルちゃん焼そばギョウザ」が好調に推移しました。冷凍食品では新商品を投入した「ライスバーガー」や「珍々亭油そば」が好調に推移し、増収となりました。その結果、売上高は68,626百万円(前年同期比1.6%増)、セグメント利益は5,271百万円(前年同期比6.6%増)となりました。
⑤ 加工食品事業
加工食品事業は、米飯では玄米ごはん等のレトルト米飯が好調に推移しましたが、製造工場における生産能力の増強が完了する間の安定供給のために、一時的な販売調整を実施した影響により減収となりました。フリーズドライ製品では新規導入店舗の拡大、新商品の発売により増収となりました。その結果、売上高は21,329百万円(前年同期比0.8%減)、セグメント利益は、新工場稼動に伴う減価償却費等の増加により、133百万円(前年同期比81.6%減)となりました。
⑥ 冷蔵事業
冷蔵事業は、積極的に新規顧客の獲得を進めるとともに、既存顧客との取組み強化にも努め、更に、運送・通関サービスの強化も図ったことにより増収となりました。その結果、売上高は17,656百万円(前年同期比4.6%増)、セグメント利益は、運賃や保管料等が増加しましたが、業務効率化による経費削減が寄与し、2,034百万円(前年同期比20.6%増)となりました。
⑦ その他
その他は、主に弁当・惣菜事業であります。売上高は47,106百万円(前年同期比1.8%増)、セグメント利益は1,173百万円(前年同期比10.8%増)となりました。
なお、上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
水産食品事業9,408113.11
海外即席麺事業72,31098.40
国内即席麺事業101,884103.46
低温食品事業44,860103.34
加工食品事業22,842102.70
その他40,392100.64
合計291,699101.97

(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
その他30,978103.125355.95
合計30,978103.125355.95

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 当社製品は主として見込生産によって製造されております。
3 受注生産を行っている主な連結子会社は、㈱フレッシュダイナー、ミツワデイリー㈱、㈱シマヤであります。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
水産食品事業32,021101.93
海外即席麺事業73,048100.02
国内即席麺事業129,008102.33
低温食品事業68,626101.63
加工食品事業21,32999.22
冷蔵事業17,656104.63
その他47,106101.83
合計388,797101.60

(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
三井物産㈱96,61925.2599,28825.54

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当連結会計年度の財政状態の分析
当社グループの総資産は373,483百万円で、前連結会計年度に比べ12,409百万円(3.4%)増加しました。当連結会計年度における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
① 流動資産
流動資産は、前連結会計年度に比べ5,100百万円(2.6%)増加し、202,414百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が3,846百万円、商品及び製品が2,603百万円増加したことによるものであります。
② 固定資産
固定資産は、前連結会計年度に比べ7,309百万円(4.5%)増加し、171,069百万円となりました。これは主に、建設仮勘定が6,518百万円、投資有価証券が1,626百万円増加したことによるものであります。
③ 流動負債
流動負債は、前連結会計年度に比べ2,860百万円(5.7%)増加し、53,079百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が1,697百万円、未払費用が1,369百万円増加したことによるものであります。
④ 固定負債
固定負債は、前連結会計年度に比べ462百万円(1.6%)増加し、29,522百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債が385百万円増加したことによるものであります。
⑤ 純資産
純資産は、前連結会計年度に比べ9,086百万円(3.2%)増加し、290,881百万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が4,568百万円減少しましたが、利益剰余金が12,303百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度の経営成績の分析
① 為替変動の影響
前連結会計年度からの為替レートの変動により、当連結会計年度の売上高は4,083百万円の減少、営業利益は312百万円の減少と試算されます。ただし、この試算は、当連結会計年度の外貨建の売上高、売上原価、販売費及び一般管理費を前連結会計年度末の直物為替相場により円貨に換算して算出したものであり、為替変動に対応した販売価格の変更の影響は考慮されておりません。
② 売上高
連結売上高は、前連結会計年度に比べ1.6%増収の388,797百万円となりました。これは主に、国内即席麺事業、低温食品事業等が増収となったことによります。
③ 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、原材料価格の高騰等の影響により、前連結会計年度に比べ1.8%増加し、241,990百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、運送費及び保管費、販売促進費が増加したこと等から前連結会計年度に比べ4.0%増加し、120,154百万円となりました。
④ 営業利益
営業利益は、上記のとおり、売上原価が増加した結果、前連結会計年度に比べ9.6%減益の26,652百万円となりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益は、受取利息が増加したこと等から前連結会計年度に比べ7.4%増加し、2,751百万円となりました。
営業外費用は、貸倒引当金繰入額が減少したこと等から前連結会計年度に比べ7.6%減少し、832百万円となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、補助金収入が減少したこと等から前連結会計年度に比べ51.0%減少し、723百万円となりました。
特別損失は、減損損失が減少したこと等から前連結会計年度に比べ7.2%減少し、2,008百万円となりました。
⑦ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ11.5%減益の18,431百万円となりました。
これにより、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の204.03円に対し、当連結会計年度は180.47円となりました。
キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、資金という。)の残高は、前連結会計年度末と比べ2,181百万円増加し、25,409百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ4,274百万円減少し、29,370百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が減少し、売上債権が増加したことによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ10,459百万円減少し、20,384百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加しましたが、有価証券の取得による支出が減少したことによるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ287百万円減少し、6,482百万円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が減少したことによるものであります。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、平成29年3月期からの3ヵ年中期経営計画で定めた4つの基本戦略に継続して取組んでおり、主力事業でのシェアアップ、海外新規エリアでの事業開始、新たな成長に向けた設備投資の実行等いくつかの成果が得られました。しかし、利益面については、当社グループの主力事業である国内即席麺事業、海外即席麺事業、加工食品事業を中心に、販売費及び一般管理費、原材料費及び物流費の増加等の影響を受けております。そのため、平成31年3月期においては、単年度の業績目標として、売上高405,000百万円、営業利益25,500百万円、経常利益27,500百万円の達成、上乗せを目指しております。
① カテゴリーNo.1商品の育成
国内市場は、少子高齢化や働く女性の増加、世帯人数の減少等による人や社会の変化が続く中、食を通じた社会課題の解決を目指し、「新たなる食文化の創造」に取組んでおります。
国内即席麺事業では、個食・簡便ニーズの高まりによる市場拡大が続くカップ麺カテゴリーの販売を強化しました。ノンフライカップ麺「麺づくり」は発売25周年を機にリニューアルを実施し、縦型カップ麺市場には「MARUCHAN QTTA」を新規投入した結果、過去最高の売上高となり、市場におけるシェアも向上しました。
低温食品事業では、世帯人数の減少等に着目した2食入り焼そば「マルちゃん焼そば極み太麺」や2食入り生ラーメンの新商品「コクの一滴」シリーズの販売を強化しました。その結果、焼そば、生ラーメンカテゴリーにおけるシェアは向上しました。今後はうどん、そばカテゴリーにおいて、水で戻すだけで食べられる「つるやか」シリーズの展開を強化します。また、チルド食品、冷凍食品カテゴリーにおいても、簡便性、健康志向、こだわり等の価値を付与した商品の投入を進めます。
加工食品事業では、品質に対する認知度上昇や備蓄需要の増加、ライフスタイルの変化に伴い喫食機会が増加している米飯、フリーズドライカテゴリーの強化を引き続き進めます。当社グループは、市場拡大が続く両カテゴリーに対して積極的な設備投資を実施しております。フリーズドライでは、平成30年1月より甲府東洋㈱フリーズドライ工場が稼働し、米飯では、平成31年6月にフクシマフーズ㈱米飯新工場が完成予定であります。
② 海外展開の加速
当社グループは、米国に4工場体制の製造拠点を持ち、米国国内での販売、メキシコ・中南米への輸出販売を行っております。また、平成28年11月よりインド南部チェンナイでの即席袋麺の生産を開始し、平成29年9月にはブラジルでの現地法人を設立し、海外での展開エリアの拡大を進めました。今後は米国・メキシコにおいては、市場拡大に向け、マーケティング強化、新商品投入による健康志向への対応等、新たな需要獲得に向けた取組みを進めます。インドや南米においては、将来の収益源として、地域ごとの状況を踏まえた取組みを進めます。
③ 事業の選択と集中と連携
伸張カテゴリーへの積極的な設備投資、低収益カテゴリーの見直し、グループシナジー創出への取組みを進めております。
伸張カテゴリーへの積極的な設備投資については、国内即席麺事業、海外即席麺事業、加工食品事業における米飯、フリーズドライ、冷蔵事業の冷蔵庫に集中した投資計画を進めております。冷蔵事業においては、積極的な設備投資の実行により、国内保管能力は約14%上昇し、60万トンを超えることになります。そのため、国内のアイスクリーム・冷凍食品需要拡大や流通の物流再編ニーズの取込みを進めます。
低収益カテゴリーの見直しについては、水産食品事業において、取扱い魚種の絞り込み、在庫圧縮に向けた取組みにより、営業黒字が確保できる体制を整えました。
グループシナジー創出への取組みについては、水産原材料の即席麺、加工食品への供給や国内の技術力を活かした商品の海外展開を推進します。
④ 経営基盤の進化
当社グループは、「Smiles for All.すべては、笑顔のために。」という企業スローガンの下で、事業を通じた「5つの笑顔」の実現を目指しております。これらは、平成27年9月に国際連合にて採決された「持続可能な開発目標(SDGs)」の考え方とも一致しております。「食」に関連する事業を通じ、新たな価値創造・社会課題の解決・環境保全活動に貢献していきます。
また、平成30年8月に完成を予定している新総合研究所を起点として、今後の新商品開発、技術の深堀り、安全保証体制の強化に取組みます。
(2) 資本の財源及び資金の流動性
4つの基本戦略の取組みにより、3ヵ年中期経営計画にて予定した3年間で約100,000百万円の営業キャッシュ・フローは、3年間で約97,000百万円と計画に近い水準となります。
また、当社グループの3ヵ年中期経営計画にて予定した設備投資の進捗につきましては、「第3 設備の状況 2.主要な設備の状況」及び「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
なお、これらの設備投資につきましては、全て自己資金を充当する予定であります。

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