有価証券報告書-第73期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/24 10:36
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1.経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にありました。先行きにつきましては、感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルが引き上げられていく中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直していくことが期待されますが、感染の動向が内外経済に与える影響や金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
このような状況の中、当社グループは「Smiles for All.すべては、笑顔のために。」という企業スローガンの下で「食を通じて社会に貢献する」「お客様に安全で安心な食品とサービスを提供する」ことを責務と考え取り組むとともに、厳しい販売競争に対応するため、より一層のコスト削減並びに積極的な営業活動を推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は417,511百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益は36,460百万円(前年同期比28.6%増)、経常利益は38,697百万円(前年同期比23.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は29,070百万円(前年同期比24.3%増)となりました。
なお、当連結会計年度の為替換算レートは110.71円/米ドル(前連結会計年度は、108.81円/米ドル)であります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 水産食品事業
水産食品事業は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策としての外出自粛等による内食化傾向の影響を受け、一部のスーパーマーケット、食品宅配事業向けの需要が高まり販売が伸長しましたが、コンビニエンスストア、外食、ホテル向け需要が減退し、全体として販売数量が減少しました。また、主力商品である鮭鱒の市況価格の下落や前浜事業の漁獲不振の影響により減収となりました。その結果、売上高は25,681百万円(前年同期比14.0%減)、セグメント利益は、連結子会社において加工用設備の投資を行ったことにより、人件費、減価償却費の増加はありましたが、前連結会計年度における棚卸資産の評価見直しの影響や適正価格での販売を進めたこと等により15百万円(前年同期はセグメント損失671百万円)となりました。
② 海外即席麺事業
海外即席麺事業は、米国では新型コロナウイルス感染症の拡大により即席麺の需要が高まったことで、主力商品の袋麺「Ramen」シリーズ、カップ麺「Instant Lunch」シリーズが堅調に推移し、増収となりました。メキシコではペソ安の影響はありましたが、袋麺が好調に推移し、また主力商品であるカップ麺も堅調に推移したため増収となりました。その結果、売上高は94,002百万円(前年同期比5.6%増)、セグメント利益は、物流費や人件費の増加はありましたが、販売促進費の抑制等により16,103百万円(前年同期比32.1%増)となりました。
③ 国内即席麺事業
国内即席麺事業は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策としての外出自粛等による影響で、家庭での喫食機会が増加したことで需要が高まりました。カップ麺では「赤いきつねうどん」「緑のたぬき天そば」等の和風シリーズに加え、「ごつ盛り」シリーズ、新商品を積極的に投入した「MARUCHAN QTTA」シリーズが堅調に推移しましたが、カップ麺全体では減収となりました。袋麺では「マルちゃん正麺」シリーズを中心に好調に推移し、増収となりました。その結果、売上高は133,426百万円(前年同期比0.1%増)、セグメント利益は、人件費等の増加はありましたが、販売促進費、広告宣伝費、原材料費等の減少により13,310百万円(前年同期比20.1%増)となりました。
④ 低温食品事業
低温食品事業は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策としての外出自粛等による影響で、外食向け等の業務用商品の販売が縮小しましたが、家庭での喫食機会が増加したことで市販用商品の需要が高まりました。生麺では「マルちゃん焼そば3人前」シリーズを始め、うどん、ラーメン類等の主力商品を中心に好調に推移しました。また、発売4年目を迎えた「パリパリ無限」シリーズも好調に推移しました。チルド食品類では市販用商品を中心に好調に推移しましたが、冷凍食品類では業務用商品の需要縮小により、前年を下回りました。その結果、売上高は76,229百万円(前年同期比5.4%増)、セグメント利益は、売上高の増加、原材料費の減少等により6,824百万円(前年同期比22.1%増)となりました。
⑤ 加工食品事業
加工食品事業は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策としての外出自粛等による影響で、家庭での喫食機会が増加したことや備蓄食料として需要が高まりました。米飯では「あったかごはん」等の白飯シリーズ、「ふっくらお赤飯」等の味付けごはんシリーズ、「玄米ごはん」等の健康系シリーズ、フリーズドライ商品では5食入り袋スープ「素材のチカラ」シリーズ等が好調に推移しました。その結果、売上高は25,609百万円(前年同期比5.9%増)、セグメント損失は、売上高の増加、原材料費の減少等で641百万円改善し、666百万円(前年同期はセグメント損失1,307百万円)となりました。
⑥ 冷蔵事業
冷蔵事業は、新型コロナウイルス感染症拡大等の影響により冷蔵倉庫で取扱う業務用商品の荷動きが低調となりましたが、首都圏においては市販用商品の取扱い増加に加え、運送等の取扱いも堅調に推移しました。その結果、売上高は21,112百万円(前年同期比2.8%増)、セグメント利益は、新冷蔵庫稼働に伴う減価償却費や人件費等の増加により1,239百万円(前年同期比1.9%減)となりました。
⑦ その他
その他は、主に弁当・惣菜事業であります。売上高は41,448百万円(前年同期比11.6%減)、セグメント利益は519百万円(前年同期比40.4%減)となりました。
また、当連結会計年度における経営成績の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 為替変動の影響
前連結会計年度からの為替レートの変動により、当連結会計年度の売上高は1,613百万円の増加、営業利益は229百万円の増加と試算されます。ただし、この試算は、当連結会計年度の外貨建の売上高、売上原価、販売費及び一般管理費を前連結会計年度末の直物為替相場により円貨に換算して算出したものであり、為替変動に対応した販売価格の変更の影響は考慮されておりません。
② 売上高
連結売上高は、前連結会計年度に比べ0.4%増収の417,511百万円となりました。これは主に、海外即席麺事業、低温食品事業が増収となったことによるものであります。
③ 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、原材料価格が安定してきたことにより、前連結会計年度に比べ3.7%減少し、252,261百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、運送費及び保管費、販売促進費が増加したこと等から前連結会計年度に比べ2.4%増加し、128,790百万円となりました。
④ 営業利益
営業利益は、上記のとおり、主に売上原価が減少した結果、前連結会計年度に比べ28.6%増益の36,460百万円となりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益は、受取利息が減少したこと等から前連結会計年度に比べ25.6%減少し、2,641百万円となりました。
営業外費用は、雑損失が減少したこと等から前連結会計年度に比べ26.0%減少し、404百万円となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、補助金収入が増加したこと等から前連結会計年度に比べ7.5%増加し、2,044百万円となりました。
特別損失は、関係会社株式評価損が増加したこと等から前連結会計年度に比べ181.3%増加し、1,832百万円となりました。
⑦ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ24.3%増益の29,070百万円となりました。
これにより、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の228.92円に対し、当連結会計年度は284.64円となりました。
(2) 財政状態の状況
当社グループの当連結会計年度末における総資産は426,071百万円で、前連結会計年度末に比べ23,462百万円(5.8%)増加しました。
当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 流動資産
流動資産は、前連結会計年度末に比べ19,766百万円(9.2%)増加し、235,398百万円となりました。これは主に、有価証券が19,000百万円増加したことによるものであります。
② 固定資産
固定資産は、前連結会計年度末に比べ3,696百万円(2.0%)増加し、190,672百万円となりました。これは主に、建物及び構築物が2,004百万円、投資有価証券が2,150百万円増加したことによるものであります。
③ 流動負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,386百万円(2.4%)減少し、55,270百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が705百万円減少したことによるものであります。
④ 固定負債
固定負債は、前連結会計年度末に比べ476百万円(1.7%)減少し、27,481百万円となりました。これは主に、リース債務が214百万円減少したことによるものであります。
⑤ 純資産
純資産は、前連結会計年度末に比べ25,325百万円(8.0%)増加し、343,319百万円となりました。これは主に、利益剰余金が20,899百万円増加したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べ10,564百万円減少し、32,832百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ90百万円増加し、47,783百万円となりました。これは主に、たな卸資産の増加により資金が減少しましたが、売上債権の減少により資金が増加したことによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ31,530百万円増加し、49,985百万円となりました。これは主に、有価証券の売却及び償還による収入が減少したことによるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ321百万円減少し、8,591百万円となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出が減少したことによるものであります。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
水産食品事業8,98989.50
海外即席麺事業77,700103.46
国内即席麺事業106,138102.64
低温食品事業49,298105.29
加工食品事業26,054108.24
その他34,10086.70
合計302,281101.17

(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
その他27,30884.303706.78
合計27,30884.303706.78

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 当社製品は主として見込生産によって製造されております。
3 受注生産を行っている主な連結子会社は、㈱フレッシュダイナー、ミツワデイリー㈱、㈱シマヤであります。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
水産食品事業25,68186.00
海外即席麺事業94,002105.63
国内即席麺事業133,426100.09
低温食品事業76,229105.44
加工食品事業25,609105.89
冷蔵事業21,112102.84
その他41,44888.44
合計417,511100.36

(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
三井物産㈱109,06826.22115,48627.66

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を売上高、営業利益としており、3ヵ年中期経営計画の最終年度である2022年3月期において、売上高450,000百万円、営業利益31,500百万円を目指しております。
なお、2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用しますが、上記の指標は当該会計基準等を適用する前の金額となっております。
3ヵ年中期経営計画の2年目である2021年3月期の達成・進捗状況は次のとおりであります。
売上高は計画比8,488百万円減の417,511百万円、営業利益は計画比1,960百万円増の36,460百万円となりました。高いハードルと考えていた第4四半期につきましても、新型コロナウイルス感染症第一波の急激な需要増からの反動を受けたものの、計画以上の利益を確保することができ、年間を通じて増収増益となり、売上高・各段階利益で過去最高の数字を達成することができました。
なお、新型コロナウイルス感染症による当社グループの売上高への影響につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策としての外出自粛等による影響で、家庭での喫食機会が増加したこと等により、業務用水産食品、業務用冷凍食品、弁当・惣菜事業(ベンダー事業)、海外即席麺(製造)、カップ麺では向かい風となっておりますが、袋麺、生麺、海外即席麺(需要)、トレー入り米飯、フリーズドライスープ、市販用冷凍食品では追い風となっております。
また、3ヵ年中期経営計画の当連結会計年度における達成・進捗状況をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
① 売上高
セグメントの名称2021年3月期計画(百万円)2021年3月期実績(百万円)2021年3月期計画比(百万円)
水産食品事業30,00025,681△4,318
海外即席麺事業91,90094,0022,102
国内即席麺事業134,500133,426△1,073
低温食品事業76,00076,229229
加工食品事業26,50025,609△890
冷蔵事業21,60021,112△487
その他45,50041,448△4,051
合計426,000417,511△8,488

② 営業利益
セグメントの名称2021年3月期計画(百万円)2021年3月期実績(百万円)2021年3月期計画比(百万円)
水産食品事業20015△184
海外即席麺事業13,90016,1032,203
国内即席麺事業13,80013,310△489
低温食品事業6,4006,824424
加工食品事業△900△666233
冷蔵事業1,5001,239△260
その他400519119
調整額△800△886△86
合計34,50036,4601,960

(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、3ヵ年中期経営計画において、3ヵ年合計で約24,000百万円以上の株主還元、約30,000百万円の更新投資、約37,000百万円の成長投資等を予定しております。その所要資金については、3ヵ年合計で115,000百万円を計画している営業キャッシュ・フロー等の自己資金を充当する予定であります。
なお、セグメント別の成長投資の考え方は次のとおりであります。
① 水産食品事業
加工度を高めた水産食品投入に向けた投資を行うとともに、バリューチェーン効率化等により資産(在庫)を圧縮します。
② 海外即席麺事業
需要増に応じた増産体制と人件費・物流費上昇に対する最適生産体制構築に向けた投資を行います。
③ 国内即席麺事業
新たなる食文化創造に向けた新ライン投入と生産・物流効率向上を見据えた投資を行います。
④ 低温食品事業
生麺の安定供給・生産・物流効率向上を目的とした投資、冷凍麺の需要拡大に対応した能力増強投資を検討します。
⑤ 加工食品事業
米飯、フリーズドライの商品供給能力向上を目的とした投資を行います。
⑥ 冷蔵事業
物流型冷蔵庫の需要増に対応した設備の増強と環境に配慮した自然冷媒への切り替えを目的とした投資を行います。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

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