有価証券報告書-第48期(2025/04/01-2026/03/31)
(2)シナリオ分析
① 手法
シナリオ分析では、気温上昇が1.5℃に抑えられた世界、気温上昇が4℃に進む世界などを想定し、各シナリオにおいて、気候変動が企業の財務に与えるリスクと機会を分析いたしました。
分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)、国連気候変動政府間パネル(IPCC)の設定するシナリオを参照いたしました。各シナリオにおいて、産業ごとに、短期(1年未満)、中期(1~3年)、長期(3~10年)におけるリスクと機会の有無を判断し、当該産業が当社の調達・売上額に占める割合から、リスクや機会の大きさを高、中、低の3段階で評価しました。
② シナリオ分析結果 – 移行リスク(1.5℃シナリオ: NZE2050 )
・現行の規制、新規制においては、カーボンプライシング制度(炭素税、GX-ETSなど)の導入が進み、時間の経過とともにCO2排出権の価格高騰、規制強化などが進むと予測されていることから、食品業界と商業を含む各業界で調達価格の高騰などが起こる可能性があるため、中長期的影響が高くなると考えます。
・法規制リスクにおいては、低炭素電力などの導入が各社で進み脱炭素への対応が進むと考えられますが、当社の調達先として取引金額が大きいガス・電力会社や運輸業界等、排出量が大きい業界では依然として脱炭素関連の訴訟リスク等が高くなることが予想されるため、中長期的影響が高くなりました。
・技術リスクについては、当社の主な取引先である商業・飲食料品業では低炭素製品や技術へのシフトが進み、投資コストの上昇の可能性があるため調達・売上ともに中長期的な影響度が高くなりました。
・市場・評判リスクにおいては、技術開発の遅延により、当社の主な調達・売上先である商業や飲食料品業では消費者の嗜好面でのリスク、顧客や株主からの信用低下リスクが上がることも考えられることから影響度が中程度となりました。
③ シナリオ分析結果 – 機会(1.5℃シナリオ: NZE2050)
・市場:中長期的に、民間金融機関による支援制度などのインセンティブ制度が充実し、飲食料品業、商業分野で新たな市場への参入が促進されると予想されることから、当社にとっても機会が生まれると考えられます。
・レジリエンス:省エネ対策や再エネプログラムへの参加が中長期的に進むと予想されることから、飲食料品業や商業分野など使用エネルギー量の高い関係者にはメリットとなり、当社の財務に良い影響を及ぼすと考えられます。
・資源の効率性:中長期的には効率的建物への移行が進み、様々な業界において活動費が抑えられます。また飲食料品業や商業においては、中長期的に生産や輸送手段の効率化のメリットが進むと予想されるため、当社の財務にも機会が生まれると予想されます。具体例として、産廃処理の「抽出残渣」の一部をバイオマス発電資源に流用する取組があげられ、廃棄物減容と化石燃料由来電力の抑制に資するものと考えます。
・エネルギー源:低排出エネルギー源や新技術の活用には時間がかかると予想されるため、短期の機会は低いものの、エネルギーに関する政策インセンティブの利用や炭素市場への参画は中長期的に進むと予想されることから、結果的に調達・売上への影響力は中となりました。
・製品・サービス:上記同様、低排出製品・サービスの開発には時間がかかると予想されるため短期の機会は小さいが、中長期的には、低排出製品等の新製品やサービスの開発が進むため、中長期での機会は高いと判断されました。既に、大豆を原料としたマヨネーズタイプの調味料等、環境負荷の少ない植物性素材への切替え・商品化にも積極的に取組んでいます。
④ シナリオ分析結果 – 物理リスク(4℃シナリオ:RCP8.5)
・急性
干ばつ、熱波、竜巻、地滑り、地盤沈下、山火事など多様な項目の影響を考慮した結果、多くの産業分野において、短期的な影響は大きくないという分析結果となりました。一方、洪水、台風、熱波、大雨などは製造や農産物に対して長期的に負の影響を及ぼすことが想定されます。近年では気候変動による洪水や台風の激甚化・頻発化が深刻化していることもあり、当社の調達先のうち商業や飲食料品業に中長期的に負の影響を及ぼし、当社の調達に中程度のリスクをもたらすと考えられます。
・慢性リスク
温度変化、降水パターンの変化、海面上昇、熱ストレス、海洋の酸性化など多様な項目の影響を考慮した結果、短中期的には急激な変化は起きませんが、長期的には変化が起こり、産業によっては負の影響があると考えられました。上記の急性リスクと同様、当社の顧客のうち、商業や飲食料品業は慢性的リスクの影響を受けるため、長期的には当社の調達にも中程度の影響が及ぶと考えられます。
(3)GHG排出量の算定と目標設定
2024年度グローバル・グロスベースでのScope1、Scope2の算定結果は以下となります。Scope3に関しては、現在算定の整備を進めております。(2026年度内にホームページなどでの開示を予定)
① 2024年度 Scope1・2排出量の算定
2024年度における温室効果ガス排出量は、Scope1,2の総計で非化石証書削減を含まない場合は73,004.1t-CO₂(Scope1が54%/Scope2が46%)、非化石証書削減を含んだ場合は53,784.9t-CO₂(Scope1が74%/Scope2が26%)です。
・Scope1(直接排出)エネルギー別排出量
・Scope2(間接排出:電気使用)
・Scope2は、他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出に該当します。当社の場合、該当するのは他社から供給された電気のみとなります。
・Scope2の排出量は14,040.0t-CO₂(非化石証書削減含む)/33,259.1t-CO₂(非化石証書削減含まない)です。
② CHG削減目標設定
・削減目標の設定
目標設定のグローバルスタンダードであるSBTiの基準を参考に2025年度目標設定を行いました。
SBTiでは、2022年7月以降、Scope1&2について、1.5℃目標への準拠が必須となっています。
1.5℃目標に準拠し、基準となる2023年度から2030年までに42%以上削減することを目標設定の目安とします。
・目標値
Scope1,2のグローバルの排出量を基準年2023年度比、43%超の削減を行い、GHG排出量を2030年度には4万tに抑えることを目標といたします。
③ 具体的削減策
Scope1に対しては、排出係数の低い素材・燃料への切替えが主となります。具体的には、SAF燃料やバイオ燃料の利用や、GHG排出量が少ない代替フロンへの切替え、またScope1排出割合が高いヨーロッパ地区の工場の稼働に伴う燃料使用を一部電化する等の取組が考えられます。
また、継続的取組としては、従前からの製造工程の省エネ・省エネ化があげられます。食品製造業として、安全・衛生面が第一優先順位であることに変わりはありませんが、これらを満たした上で、引続きエネルギーの効率化にも取り組んで参ります。
Scope2に対しては、使用電力の再エネ化、それが難しい場合は非化石証書等の活用による実質再エネ化により、全体の排出量を落としてまいります。尚、国内工場の稼働に伴う電力に対しては、既に非化石証書の購入により実質電力再エネ化を実現しており、この取組みは継続しながら、蓄電施設の導入等で電力の適切・効率的使用を更に進めます。国外拠点では、2024年度からインドネシア工場で、また2026年度からベルギー工場でソーラーパネルの設置を実施しております。排出量の大きい中国・台湾・インドネシアでの対応が実効性も高いため、優先して冷凍・冷蔵設備、空調設備、チラーなどインバーターやスケジュール管理が出来る設備への更新が有効と考えます。

④ 今後の取組に向けて
2025年度も前年同様、TCFD提言に沿った開示・報告を継続・深化しておりますが、環境経営に対する取組にはゴールはなく、全社をあげた不断の取組が必要と考えています。当社は、天然素材を使用した食品メーカーであることから、水資源を始め、自然環境に依存する割合いは極めて高いと認識しています。従前以上に自然環境に配慮した事業展開を図っていく所存でございます。
水使用については、社内で具体的削減目標を設定することも計画中です。
(4)事業活動とサステナビリティを調和させた成長戦略
「21世紀の食文化クリエーターとして、笑顔あふれるサステナブルな食の未来を築く」をミッションとして、事業活動とサステナビリティを調和させた成長を図り、2030年度には連結で1,000億円の売上を目指します。
「マテリアリティ特定プロセス」
関連する「社内外の課題」「リスクおよび機会」「ステークホルダーのニーズと期待」の3つの視点から課題を抽出し、その中からマテリアリティ(重要課題)を特定し、管理項目を設定いたしました。
「マテリアリティ(重要課題)」
① 天然素材の健康で安全性の高い特性を活かした高品質の製品を安定的に供給します。サプライチェーン全体を通じて、持続可能性の追求に取組みます。
② 健康志向、少子高齢化、食の個別化、気候変動リスクの低減、資源の有効活用など、社会環境の変化に対応した製品の開発、提供を行います。
③ 限られた資源を有効に活用し、省エネルギー、省資源、リサイクルの推進及び温室効果ガス、食品ロス、プラスチック等の廃棄物の削減を推進します。
④ 社員の人格、多様性を尊重し、一人ひとりの能力を発揮できる場と社員の成長の機会を提供し、創造的で活力のある環境作りに努めます。
⑤ ガバナンスを強化し公正な経営体制を築くとともに、積極的かつ適正なコミュニケーションを図り、ステークホルダーの期待、信頼に応えてまいります。
「サステナビリティに関する重要なリスク及び機会」
特定したマテリアリティを踏まえ、重要なリスク及び機会を具体的に抽出し、管理項目を設定いたしました。
① 事業活動によるサステナビリティへの貢献
天然調味料事業そのものが循環型社会の構築に貢献する機会と捉え、更なる販売拡大を図ります。
・天然調味料及びその関連製品である既存カテゴリー製品群の拡販
・大豆や野菜を原料とするプラントベースの新規カテゴリーの製品の開発、製造及び販売
② 気候変動リスクの低減
事業活動からの二酸化炭素発生による気候変動へ与える影響を大きなリスクと捉え、GHG排出量の削減を最重要課題として取り組んでおります。
・再生可能エネルギー電力への転換
・太陽光発電の導入
・LNG気化器の空温式への変更
・廃熱の回収、再利用
・高効率・省エネ設備への更新
③ 資源の保全と有効活用
生産に使用する原材料、水による資源の枯渇をリスクとして、また、未利用資源の活用による新規製品の開発、製造を機会と捉え、以下の取組みを推進しております。(動植物性資源の残渣活用等のアップサイクルの取組)
・水の回収と循環再利用
・未利用野菜・タンパク質などの回収と有効利用
・浄化槽浮上廃オイルなどの回収と燃料化利用
・食品系産業廃棄物の削減と、バイオマス発電への一部利用
「人材育成及び社内環境整備に関する方針」
2030年度連結売上1,000億円という目標を踏まえた持続的な企業価値向上に向け、競争優位を支えイノベーションを通じて新たな市場を創出・獲得する上での原動力となる人材の確保・育成、イノベーションを生み出す環境の整備を計画的に実施いたします。また、従業員の人格、個性を尊重し、一人ひとりの能力を発揮できる場と従業員の成長の機会を提供し、創造的で活力のある職場環境づくりに取組みます。
社内環境整備については、エンゲージメントの向上・心理的安全の推進を目的として、社内啓蒙活動に加え、社外講師による講演や社内勉強会などの開催を予定しております。
① 人材育成
成長戦略を踏まえ、目標の達成に必要な人材を明確にし、現状人材とのギャップを埋める人材の確保および育成を行います。求めるスキル獲得に必要なキャリアプランに沿った教育の展開、自己啓発の支援等を積極的に進めます。
・職制および将来期待する役割に応じた教育プログラムの実施
・次世代幹部育成研修の実施
・集合研修の実施
・専門職を中心とした中途社員の積極雇用と中核人材への登用、育成
② 社内環境整備
自由で前向きな議論が新たな価値創造へ繋がるよう、多様性を尊重すると共に、心理的安全性が保て個性や能力を発揮でき、成果とともに働きがいとやりがいが高まる環境整備を行います。
・心理的安全性の浸透を目的とした管理職研修の実施
・エンゲージメントのモニタリング(2023年度より)
・人事評価制度の再構築(2023年度より3ヶ年計画)
・女性活躍の推進
・働き方の拡大、働きやすい仕組み作り
・障がい者の積極雇用
・安全対策室安全課・安全衛生委員会を中心とした健康経営の推進
① 手法
シナリオ分析では、気温上昇が1.5℃に抑えられた世界、気温上昇が4℃に進む世界などを想定し、各シナリオにおいて、気候変動が企業の財務に与えるリスクと機会を分析いたしました。
分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)、国連気候変動政府間パネル(IPCC)の設定するシナリオを参照いたしました。各シナリオにおいて、産業ごとに、短期(1年未満)、中期(1~3年)、長期(3~10年)におけるリスクと機会の有無を判断し、当該産業が当社の調達・売上額に占める割合から、リスクや機会の大きさを高、中、低の3段階で評価しました。
② シナリオ分析結果 – 移行リスク(1.5℃シナリオ: NZE2050 )
・現行の規制、新規制においては、カーボンプライシング制度(炭素税、GX-ETSなど)の導入が進み、時間の経過とともにCO2排出権の価格高騰、規制強化などが進むと予測されていることから、食品業界と商業を含む各業界で調達価格の高騰などが起こる可能性があるため、中長期的影響が高くなると考えます。・法規制リスクにおいては、低炭素電力などの導入が各社で進み脱炭素への対応が進むと考えられますが、当社の調達先として取引金額が大きいガス・電力会社や運輸業界等、排出量が大きい業界では依然として脱炭素関連の訴訟リスク等が高くなることが予想されるため、中長期的影響が高くなりました。
・技術リスクについては、当社の主な取引先である商業・飲食料品業では低炭素製品や技術へのシフトが進み、投資コストの上昇の可能性があるため調達・売上ともに中長期的な影響度が高くなりました。
・市場・評判リスクにおいては、技術開発の遅延により、当社の主な調達・売上先である商業や飲食料品業では消費者の嗜好面でのリスク、顧客や株主からの信用低下リスクが上がることも考えられることから影響度が中程度となりました。
③ シナリオ分析結果 – 機会(1.5℃シナリオ: NZE2050)
・市場:中長期的に、民間金融機関による支援制度などのインセンティブ制度が充実し、飲食料品業、商業分野で新たな市場への参入が促進されると予想されることから、当社にとっても機会が生まれると考えられます。・レジリエンス:省エネ対策や再エネプログラムへの参加が中長期的に進むと予想されることから、飲食料品業や商業分野など使用エネルギー量の高い関係者にはメリットとなり、当社の財務に良い影響を及ぼすと考えられます。
・資源の効率性:中長期的には効率的建物への移行が進み、様々な業界において活動費が抑えられます。また飲食料品業や商業においては、中長期的に生産や輸送手段の効率化のメリットが進むと予想されるため、当社の財務にも機会が生まれると予想されます。具体例として、産廃処理の「抽出残渣」の一部をバイオマス発電資源に流用する取組があげられ、廃棄物減容と化石燃料由来電力の抑制に資するものと考えます。
・エネルギー源:低排出エネルギー源や新技術の活用には時間がかかると予想されるため、短期の機会は低いものの、エネルギーに関する政策インセンティブの利用や炭素市場への参画は中長期的に進むと予想されることから、結果的に調達・売上への影響力は中となりました。
・製品・サービス:上記同様、低排出製品・サービスの開発には時間がかかると予想されるため短期の機会は小さいが、中長期的には、低排出製品等の新製品やサービスの開発が進むため、中長期での機会は高いと判断されました。既に、大豆を原料としたマヨネーズタイプの調味料等、環境負荷の少ない植物性素材への切替え・商品化にも積極的に取組んでいます。
④ シナリオ分析結果 – 物理リスク(4℃シナリオ:RCP8.5)
・急性干ばつ、熱波、竜巻、地滑り、地盤沈下、山火事など多様な項目の影響を考慮した結果、多くの産業分野において、短期的な影響は大きくないという分析結果となりました。一方、洪水、台風、熱波、大雨などは製造や農産物に対して長期的に負の影響を及ぼすことが想定されます。近年では気候変動による洪水や台風の激甚化・頻発化が深刻化していることもあり、当社の調達先のうち商業や飲食料品業に中長期的に負の影響を及ぼし、当社の調達に中程度のリスクをもたらすと考えられます。
・慢性リスク
温度変化、降水パターンの変化、海面上昇、熱ストレス、海洋の酸性化など多様な項目の影響を考慮した結果、短中期的には急激な変化は起きませんが、長期的には変化が起こり、産業によっては負の影響があると考えられました。上記の急性リスクと同様、当社の顧客のうち、商業や飲食料品業は慢性的リスクの影響を受けるため、長期的には当社の調達にも中程度の影響が及ぶと考えられます。
(3)GHG排出量の算定と目標設定
2024年度グローバル・グロスベースでのScope1、Scope2の算定結果は以下となります。Scope3に関しては、現在算定の整備を進めております。(2026年度内にホームページなどでの開示を予定)
① 2024年度 Scope1・2排出量の算定
2024年度における温室効果ガス排出量は、Scope1,2の総計で非化石証書削減を含まない場合は73,004.1t-CO₂(Scope1が54%/Scope2が46%)、非化石証書削減を含んだ場合は53,784.9t-CO₂(Scope1が74%/Scope2が26%)です。
![]() | Scope1グローバル排出量: 約40千トンCO2-eq Scope2グローバル排出量: 約33千トンCO2-eq |
・Scope1(直接排出)エネルギー別排出量
![]() | ![]() | |
| ・Scope1の排出量は39,745.0t-CO₂でした。 ・最大の排出源は、国内のLNG使用が17,652t-CO₂とScope1の44%、次にベルギーでのLNG使用が5,356t-CO₂でScope1の13%、フランスでのLNG使用が4,801t-CO₂でScope1の12%を占める結果となりました。 |
・Scope2(間接排出:電気使用)
![]() | ![]() |
・Scope2は、他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出に該当します。当社の場合、該当するのは他社から供給された電気のみとなります。
・Scope2の排出量は14,040.0t-CO₂(非化石証書削減含む)/33,259.1t-CO₂(非化石証書削減含まない)です。
② CHG削減目標設定
・削減目標の設定
目標設定のグローバルスタンダードであるSBTiの基準を参考に2025年度目標設定を行いました。
SBTiでは、2022年7月以降、Scope1&2について、1.5℃目標への準拠が必須となっています。
1.5℃目標に準拠し、基準となる2023年度から2030年までに42%以上削減することを目標設定の目安とします。
・目標値
Scope1,2のグローバルの排出量を基準年2023年度比、43%超の削減を行い、GHG排出量を2030年度には4万tに抑えることを目標といたします。
③ 具体的削減策
Scope1に対しては、排出係数の低い素材・燃料への切替えが主となります。具体的には、SAF燃料やバイオ燃料の利用や、GHG排出量が少ない代替フロンへの切替え、またScope1排出割合が高いヨーロッパ地区の工場の稼働に伴う燃料使用を一部電化する等の取組が考えられます。
また、継続的取組としては、従前からの製造工程の省エネ・省エネ化があげられます。食品製造業として、安全・衛生面が第一優先順位であることに変わりはありませんが、これらを満たした上で、引続きエネルギーの効率化にも取り組んで参ります。
Scope2に対しては、使用電力の再エネ化、それが難しい場合は非化石証書等の活用による実質再エネ化により、全体の排出量を落としてまいります。尚、国内工場の稼働に伴う電力に対しては、既に非化石証書の購入により実質電力再エネ化を実現しており、この取組みは継続しながら、蓄電施設の導入等で電力の適切・効率的使用を更に進めます。国外拠点では、2024年度からインドネシア工場で、また2026年度からベルギー工場でソーラーパネルの設置を実施しております。排出量の大きい中国・台湾・インドネシアでの対応が実効性も高いため、優先して冷凍・冷蔵設備、空調設備、チラーなどインバーターやスケジュール管理が出来る設備への更新が有効と考えます。

④ 今後の取組に向けて
2025年度も前年同様、TCFD提言に沿った開示・報告を継続・深化しておりますが、環境経営に対する取組にはゴールはなく、全社をあげた不断の取組が必要と考えています。当社は、天然素材を使用した食品メーカーであることから、水資源を始め、自然環境に依存する割合いは極めて高いと認識しています。従前以上に自然環境に配慮した事業展開を図っていく所存でございます。
水使用については、社内で具体的削減目標を設定することも計画中です。
(4)事業活動とサステナビリティを調和させた成長戦略
「21世紀の食文化クリエーターとして、笑顔あふれるサステナブルな食の未来を築く」をミッションとして、事業活動とサステナビリティを調和させた成長を図り、2030年度には連結で1,000億円の売上を目指します。
「マテリアリティ特定プロセス」
関連する「社内外の課題」「リスクおよび機会」「ステークホルダーのニーズと期待」の3つの視点から課題を抽出し、その中からマテリアリティ(重要課題)を特定し、管理項目を設定いたしました。
「マテリアリティ(重要課題)」
① 天然素材の健康で安全性の高い特性を活かした高品質の製品を安定的に供給します。サプライチェーン全体を通じて、持続可能性の追求に取組みます。
② 健康志向、少子高齢化、食の個別化、気候変動リスクの低減、資源の有効活用など、社会環境の変化に対応した製品の開発、提供を行います。
③ 限られた資源を有効に活用し、省エネルギー、省資源、リサイクルの推進及び温室効果ガス、食品ロス、プラスチック等の廃棄物の削減を推進します。
④ 社員の人格、多様性を尊重し、一人ひとりの能力を発揮できる場と社員の成長の機会を提供し、創造的で活力のある環境作りに努めます。
⑤ ガバナンスを強化し公正な経営体制を築くとともに、積極的かつ適正なコミュニケーションを図り、ステークホルダーの期待、信頼に応えてまいります。
「サステナビリティに関する重要なリスク及び機会」
特定したマテリアリティを踏まえ、重要なリスク及び機会を具体的に抽出し、管理項目を設定いたしました。
① 事業活動によるサステナビリティへの貢献
天然調味料事業そのものが循環型社会の構築に貢献する機会と捉え、更なる販売拡大を図ります。
・天然調味料及びその関連製品である既存カテゴリー製品群の拡販
・大豆や野菜を原料とするプラントベースの新規カテゴリーの製品の開発、製造及び販売
② 気候変動リスクの低減
事業活動からの二酸化炭素発生による気候変動へ与える影響を大きなリスクと捉え、GHG排出量の削減を最重要課題として取り組んでおります。
・再生可能エネルギー電力への転換
・太陽光発電の導入
・LNG気化器の空温式への変更
・廃熱の回収、再利用
・高効率・省エネ設備への更新
③ 資源の保全と有効活用
生産に使用する原材料、水による資源の枯渇をリスクとして、また、未利用資源の活用による新規製品の開発、製造を機会と捉え、以下の取組みを推進しております。(動植物性資源の残渣活用等のアップサイクルの取組)
・水の回収と循環再利用
・未利用野菜・タンパク質などの回収と有効利用
・浄化槽浮上廃オイルなどの回収と燃料化利用
・食品系産業廃棄物の削減と、バイオマス発電への一部利用
「人材育成及び社内環境整備に関する方針」
2030年度連結売上1,000億円という目標を踏まえた持続的な企業価値向上に向け、競争優位を支えイノベーションを通じて新たな市場を創出・獲得する上での原動力となる人材の確保・育成、イノベーションを生み出す環境の整備を計画的に実施いたします。また、従業員の人格、個性を尊重し、一人ひとりの能力を発揮できる場と従業員の成長の機会を提供し、創造的で活力のある職場環境づくりに取組みます。
社内環境整備については、エンゲージメントの向上・心理的安全の推進を目的として、社内啓蒙活動に加え、社外講師による講演や社内勉強会などの開催を予定しております。
① 人材育成
成長戦略を踏まえ、目標の達成に必要な人材を明確にし、現状人材とのギャップを埋める人材の確保および育成を行います。求めるスキル獲得に必要なキャリアプランに沿った教育の展開、自己啓発の支援等を積極的に進めます。
・職制および将来期待する役割に応じた教育プログラムの実施
・次世代幹部育成研修の実施
・集合研修の実施
・専門職を中心とした中途社員の積極雇用と中核人材への登用、育成
② 社内環境整備
自由で前向きな議論が新たな価値創造へ繋がるよう、多様性を尊重すると共に、心理的安全性が保て個性や能力を発揮でき、成果とともに働きがいとやりがいが高まる環境整備を行います。
・心理的安全性の浸透を目的とした管理職研修の実施
・エンゲージメントのモニタリング(2023年度より)
・人事評価制度の再構築(2023年度より3ヶ年計画)
・女性活躍の推進
・働き方の拡大、働きやすい仕組み作り
・障がい者の積極雇用
・安全対策室安全課・安全衛生委員会を中心とした健康経営の推進




