有価証券報告書-第46期(令和3年3月1日-令和4年2月28日)

【提出】
2022/05/26 15:03
【資料】
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【項目】
136項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は「おいしくて安全、安心な商品を消費者にお届けし、同時に地球環境に配慮した企業経営を目指します」を経営理念とし、
① 安全でおいしい製品を作るための品質管理
② 地球環境に配慮した企業経営
③ 従業員のモラルアップと安全・健康を第一とした職場づくり
を経営方針としております。
この方針に則り、食品安全の規格であるFSSC22000及びJFS-B並びに環境管理の国際規格であるISO14001を取得してまいりました。また、人事制度、教育制度等の充実を図り、従業員教育に力を注いでまいりました。更に、サステナビリティ委員会を設置し、SDGsへの取り組みを行っております
今後ともこの方針を基に企業活動を行うことで、「安全・安心」な食品の提供という、食品会社の基本姿勢を貫き、消費者からの信頼獲得と社会への貢献を果たしてまいります。
(2)経営環境
当社グループの主力製品は、浅漬、キムチ及び惣菜であります。安全・安心でおいしい商品を提供し、消費者の健康的な生活の実現に貢献することで、社会とともに持続的な成長を目指します。
浅漬は、野菜の旬の時期に合わせた製品を販売しています。キムチは、リンゴの甘みと魚介の旨みが特長の「ご飯がススムキムチ」や、健康志向に応えた機能性表示食品のキムチなどの商品を販売しております。「安全・安心」な食品の提供を重視し、浅漬・キムチの主要原料の白菜、胡瓜等は国産を使用しております。食の多様化によるコメの消費量の減少や少子高齢化等により、1990年代をピークに漬物市場全体は縮小傾向にあります。しかしながら、近年の健康志向の高まりや新型コロナウイルス感染症拡大による巣ごもり消費等の影響により、キムチの需要は増加傾向でありましたが、巣ごもり消費の落ち着きに伴い反動減の影響も出てきております。
惣菜は、ナムルやサラダなど、野菜を主材とした製品を販売しております。近年は、消費者が節約志向を強めて外食を控え、惣菜を買って家庭内で食事をする中食の傾向が強まっているほか、高齢者・単身者世帯や共働き世帯の増加により食事のスタイルが変化しており、惣菜の需要は今後も拡大が見込まれています。
このような状況のもと、当社グループは、「全国を網羅した生産・物流体制」、「食の安全・安心への取り組み」、「独自性の高い製品開発力」、「販売先のニーズに対応するベンダー機能」及び「環境保全活動の推進」などの強みを活かし、コンビニエンスストアや全国の量販店に製品を販売しております。
なお、新型コロナウイルス感染症につきましては、当社グループの商品に対する需要の大きな減少や原料野菜、調味料や包装材料などの原材料調達に支障が出るなどの影響はありません。また、当社グループにおいては、感染拡大により工場の生産を停止するなどの事態も生じておらず、業績に与える影響は限定的であります。
(3)経営戦略等
当社グループは、中長期的な取り組みとして次の諸施策を推進してまいります。
① 商品開発強化
商品開発については、個食、中食や健康志向等の多様化するニーズに対応した浅漬、キムチ、惣菜の新商品開発やリニューアルを行います。更に、当社独自の乳酸菌Pne-12(ピーネ12)などを活用した様々な新商品開発を進めます。
② 販売エリア拡大
販売エリア拡大については、2017年に稼働を開始した㈱ピックルスコーポレーション西日本の佐賀工場、㈱ピックルスコーポレーション関西の京都工場及び広島工場、並びに㈱手柄食品の供給力を活かして、近畿地区、中国・四国地区、九州地区など、シェア拡大余地が比較的大きい西日本エリアにおける販売を強化します。
③ 販売先拡大
販売先拡大については、近年、食料品の販売を強化しているドラッグストア、量販店の豆腐売場や納豆売場などの新たな売場、高齢者向け等の配食事業者などに注力します。
④ 新規事業への取り組み
新規事業については、当社独自の乳酸菌Pne-12(ピーネ12)を活用した商品及び本格的な漬物を販売するEC事業、2019年3月に設立した子会社㈱OHによる外食・小売事業並びに海外進出などに取り組みます。なお、外食・小売事業においては、新型コロナウイルス感染症の状況を考慮しながら、事業を進めてまいります。更に、2022年3月に設立した㈱ピックルスファームによる農業事業にも取り組んでまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、継続的な成長を実現するため、連結売上高、連結営業利益を経営指標に設定しております。
中期経営計画の最終年度である2025年2月期は連結売上高42,000百万円、連結営業利益2,600百万円を目標としております。その目標を実現するため、全国の製造・販売拠点の活用や製品開発強化による売上高拡大、コスト削減及び業務効率化による利益拡大に取り組んでまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
食品業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化や、原油価格や原材料の高騰が続くなど、引き続き厳しい経営環境が続いております。加えて、少子高齢化などの影響等から市場規模は大きな成長が見込めないなか、消費者の安全・安心への関心は高い状況が続くと考えられ、品質管理の取り組み強化が求められております。
このような状況のもと、当社グループは以下のことに取り組んでまいります。
① 全国の製造・販売拠点の活用による売上拡大
全国に製品を供給できる漬物メーカーとして、当社グループの力を最大限に活用し、営業、広告宣伝活動等を積極的に行い、新規取引先の開拓と既存得意先の深耕を図ります。特に、㈱ピックルスコーポレーション西日本の佐賀工場及び㈱手柄食品により生産体制が強化された西日本エリアの売上拡大に積極的に取り組んでまいります。
② 製品開発の強化
高付加価値を訴求した製品及び浅漬・キムチなどの既存製品以外にも、漬物や惣菜売場以外の売場に展開できるような新たな分野の製品の開発に取り組み、売上拡大及びブランド力の向上につなげてまいります。
③ コスト削減の推進
原料野菜の契約栽培の拡大、資材調達方法の見直し、省力化機械の導入及び生産・物流体制の見直し等によるコスト削減を進めてまいります。
④ 食の安全・安心の追求
お客様に安心して食べていただける製品づくりを行うため、食品安全の規格であるFSSC22000及びJFS-Bを活用し、各事業所における品質管理レベルの向上を図るとともに、意図的な異物混入等を防ぐため、フードディフェンスの取り組みを強化してまいります。
⑤ 新規事業の確立
当社独自の乳酸菌Pne-12(ピーネ12)を活用した商品及び本格的な漬物を販売するEC事業並びに外食事業及び小売事業などの新規事業に取り組み、収益拡大につなげてまいります。また、㈱ピックルスファームにおいて、当社グループで使用する野菜の生産を行うとともに、農業を通じた雇用の創出、地域活性化などに取り組んでまいります。
⑥ 経営基盤の強化
将来にわたって成長力、収益力のある企業体質を確立するために、優秀な人材の採用・育成が不可欠と考えております。そのため、目標管理制度、教育プログラムを活用すると共に、福利厚生制度や人事制度などの充実に努めてまいります。また、企業の持続的発展には、ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが不可欠と考えており、事業を通じた社会課題の解決に取り組んでまいります。