有価証券報告書-第193期(2022/12/01-2023/11/30)
有報資料
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
ニッケグループは、長期安定的に企業価値を向上させるために、「経営理念」「経営方針」に則り、株主をはじめとする多様なステークホルダーの皆さまから信頼される経営を目指しております。
<経営理念>”人と地球に「やさしく、あったかい」企業グループとして、
わたしたちは情熱と誇りをもってチャレンジして行きます。”
・未開の分野に目を向け、「高機能商品」「地域NO.1サービス」の開発と提供へ挑戦し、みらい生活創造企業を目指します。
<経営方針>・「全員がチャレンジ精神を持ち」「人が育つ」、生命力あふれた会社を目指します。
・お客様の声と研究開発から、独自性のある商品・サービスで市場を創造します。
・常に未来を見つめ、グローバルな視点に立ち、世界に広がるお客様と社会の発展に貢献します。
・多くの市場で勝ち抜くために、広く人財を求め、多様な「知」を結集して、事業を革新・発展させます。
・お客様や株主様、社員、取引先、地域社会をはじめとした様々なステークホルダーとの永続的な信頼関係を築くことにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。
(2) 経営環境
新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、行動制限や海外からの入国制限が緩和され経済・社会活動の正常化が進んでいますが、依然としてその影響が色濃く残る事業分野もあります。加えて、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫、資源・エネルギー価格の高騰や為替の変動にともなう物価上昇など、以前にも増して先行きが不透明な状況が続いております。また、中国における不動産市況の悪化等に伴う景気減速も、各事業分野にその影響が表れております。国内では賃上げ等による個人消費の持ち直しはあるものの、まだ力強さは感じられません。
ニッケグループもこのような事業環境に大きく影響を受けておりますが、中長期的・グローバルな目線で変化を捉え、リスクに対処するとともに「チャンス」も認識し、次の第3次中期経営計画を推し進めてまいります。
当社グループにおける環境認識は以下のとおりです。
<衣料繊維事業>・日本では少子化よる学生数の減少は続いていく。海外市場への取り組みは必須である。
・世界の衣料市場は回復していく。国内生産による優位性と海外展開が鍵となる。
・国内産地の疲弊が進み、バリューチェーンの再構築が必要となる。
・SDGsに謳われる持続可能な社会の実現、環境配慮型素材や機能素材、多様性がキーワードとなる。
<産業機材事業>・自動車関連分野は、中国市況の影響を受けるも回復基調であり、EV化などの技術発展によるビジネスチャンスは引き続き期待できる。
・環境関連分野では、各地で規制強化が進みビジネスは拡大すると見込む。
・家電・OA分野は、海外での拡大を見込む。
・リサイクルビジネスなどSDGsを意識した市場の拡大が見込まれる。
<人とみらい開発事業>・地域密着型ショッピングセンターは堅調に推移する。不動産開発分野では省エネビルなど資産価値を高めた物件の引き合いが増える。
・ライフサポート分野では、介護・保育関連市場は引き続き拡大していくものの、アフター・コロナにおける運営手法やサービスの構築が必要である。
<生活流通事業>・Eコマース市場の盛り上がりは、アフター・コロナにおいて落ち着きを見せるものの、その利便性から拡大基調は変わらない。
・一方で、Eコマースによるボーダレス化から、海外勢やメーカー直販も含め競合が増加する。仕入品価格や物流費、広告宣伝費用の上昇基調も続く。
<メディカル関連事業>・国内外において、医療機器・医薬用品業界は拡大していく。
・長期的には再生医療分野の市場が拡大していく。
(3) 対処すべき課題
①「RN130第2次中期経営計画(2021~2023年度)」の総括
※1 2021年1月14日公表
※2 2023年1月13日公表
(a)業績
ニッケグループは、中長期ビジョン「RN130ビジョン」において、今後10年間の目指す方向性、企業像、経営戦略を再構築し、更なる中長期的な企業価値の向上を目指すことを掲げております。2021年1月14日に公表した「RN130 第2次中期経営計画」は、RN130ビジョンへ向けて加速していく3年間と位置付け、新型コロナウイルスの影響を注視しながら着実に業績を回復させ、過去最高の売上利益を更新することを目指しました。そのための基本戦略を、①成長事業や新規事業、合理化への資源の重点配分、②海外ビジネスの拡大、③資本効率の改善、④事業部内再編によるシナジー効果の創出、として各種施策に取り組んでまいりました。
結果、3期連続の増収・営業利益増益となり、第2次中期経営計画の目標の一つである「2019年度に達成した過去最高の営業利益を更新する」については中期経営計画2年目(2022年度)に前倒しで達成することができました。中期経営計画最終年度(2023年度)については、計画数値である「連結売上高1,270億円以上、連結営業利益115億円以上、親会社株主に帰属する当期純利益78億円以上」に対して未達となりましたが、2023年1月13日に公表した期初の業績予想を各利益において上回ることができました。
急激な環境変化のなかで事業ごとに好調な年もあれば不調な年もありますが、これらが相互補完することにより営業利益は継続して100億円台を維持し、安定した収益基盤の構築が進んでおります。衣料繊維事業では利益率の高いアイテムへの絞り込みと省力化・効率化への取り組みから営業利益率は大幅に向上し、筋肉質な経営体制を構築してきました。産業機材事業では株式会社フジコーのグループ化によるシナジー創出から、2022年度には過去最高の営業利益を更新することができました。人とみらい開発事業は事業再編を進めるとともに、ショッピングセンターや保有不動産の付加価値向上と低効率資産の処分を進め、2023年度には過去最高の営業利益を更新しました。生活流通事業はコロナ禍のなかでEコマース事業は好調でしたが、今後の競争激化を見据え再構築を進めております。メディカル関連事業は開発品の上市が遅れたものの、利益率の高い商品の拡販やコスト削減に努め黒字が定着しました。
(b) 「RN130 第2次中期経営計画」における基本戦略の進捗
(ⅰ) 成長事業や新規事業・合理化への資源の重点配分および海外ビジネスの拡大
・衣料繊維事業における成長ドライバーの育成は、コロナ禍における行動制限から、特に海外事業の進捗が遅れました。中国事業では、学生服について市場環境の変化から戦略を見直し、ビジネスユニフォームやテキスタイルの展開に取り組みました。また、ニッケ独自の「糸」技術を活用したニット製品事業の取り組みも進めました。製造分野においては、省エネ・省人・自動化への取り組みを進め、製造コストの上昇を抑えることができました。
・産業機材事業においては、環境関連分野の更なる拡大として、高機能フィルター「アドミレックス」の生産拠点として中国での生産設備を増強しました。販売活動については順調に推移したものの、新工場の本格稼働が遅れたため、2024年度以降の業績貢献を見込んでおります。グループ化した株式会社フジコーとは、生産体制の統合や海外拠点の活用など連携を進め、不織布事業強化への体制を整えました。
・人とみらい開発事業においては、商業施設運営分野ではニッケコルトンプラザのリニューアルを実施し好調を維持しました。不動産開発分野では低収益不動産の再開発を進め、東京ビルの建て替えも進行しております。ライフサポート分野の拡大としては介護施設5拠点、保育施設1拠点を新規開設し、その安定運営と収益向上に取り組んでおります。また、通信及び新規サービス分野では事業ポートフォリオの見直しによる事業再編に取り組みました。
・生活流通事業においては、コロナ禍におけるEコマース市場の拡大により業績を大きく拡大してまいりましたが、競合の増加や仕入品価格・物流費・広告宣伝費用の上昇基調が続いており、今後の競争激化を見据え再構築を進めております。M&Aについては、独自性と商品拡充、販売・調達ルートの多様化を目的として3件(株式会社ワイワイ、サンコー株式会社、株式会社インテリアオフィスワン)を実行しました。
・メディカル関連事業においては、ニッケグループの繊維技術を活用した開発を進め、生体吸収性シート「Pawdre」が薬事承認されましたが、当初計画からは遅れ、2024年度以降の業績貢献を見込んでおります。
(ⅱ) 資本効率の改善
・製造分野においては、省エネ・生産工程のシンプル化に向けた設備投資などを行ってまいりました。
・不動産開発分野においては、既存施設・遊休施設の再開発・再々開発の実行、次のビジョンへ向けた施策を進めております。
・事業の選別を徹底し、非効率な事業の撤退や分離を推進してまいりました。
・政策保有株式については第2次中期経営計画3ヶ年において42銘柄を売却し22.4億円(簿価ベース)の縮減を実施しました。また、自己株式取得については2022年度において3百万株、2023年度において約2百万株を実施し、自己株式の消却については2022年度に8百万株を実行、2024年度には約2百万株の消却を予定しております。
・ROEについては継続して7%程度となり、2021年度には8%超を達成しました。更なる資本効率の改善に取り組み、ROE8%以上を継続的に達成できる経営体質の構築に取り組んでまいります。
(ⅲ) 事業部内再編によるシナジー効果の創出
・衣料繊維事業においては、連携強化と更なる効率化を目的としてテキスタイル・ヤーン事業の再編やユニフォーム事業の再編を実施しました。
・産業機材事業においては、グループ化した株式会社フジコーとの連携による不織布事業の強化や海外拠点の活用を進めました。
・人とみらい開発事業においては、健康志向の高まりへの対応とスクール事業の強化を目的として、スポーツ事業会社(ゴルフ・テニス事業)を統合しました。
・生活流通事業においては、Eコマース会社の統合やグループ各社の物流機能の集約を進め、商材の拡充や販売ルートの共有、経営効率化を図りました。
②「RN130第3次中期経営計画(2024~2026年度)」について
2024年1月12日に公表した「RN130第3次中期経営計画」は、RN130ビジョンの最終フェーズとして、未開の分野に目を向け、「高機能商品」「地域NO.1サービス」の開発と提供へ挑戦し、各事業が描く「みらい生活創造企業」の具現化を目指すことを掲げております。着実に「前年よりも成長」し、過去最高の売上・各利益の更新を目標といたします。
(a) 第3次中期経営計画における基本戦略
下記の基本戦略を実現するために、「3つの投資」を実行してまいります。
<3つの投資>・商品開発・合理化・省エネ設備への投資
・顧客拡大のための投資
・人財投資
(ⅰ) 成長事業や新規事業、合理化(省エネ・省人・自動化)への資源の重点配分
<衣料繊維事業>・成長ドライバーの育成(海外テキスタイル、ニット製品)
・製造強化(省エネ・省人・自動化)
・バリューチェーンデジタル化による生産性向上
・製造バリューチェーンの強化(国内モノづくりの強化と海外リスク分散)
<産業機材事業>・自動車関連(EV対応)、環境関連(高機能フィルター「アドミレックス」)の更なる拡大
・不織布事業の収益強化
・海外ビジネスの拡大(海外拠点の設備投資、海外販売の拡大)
・リサイクルビジネス(古着反毛)への本格参入
<人とみらい開発事業>・不動産開発事業の推進(東京ビル再開発、神戸ビル改修、一宮遊休地・伊丹土地・コルトンプラザ南側開発など)
・商業施設や保有不動産のリニューアルによる顧客満足・資産価値の向上
・不採算物件の見直し(撤退、再開発もしくは処分)
・ライフサポート事業における運営体制の強化
<生活流通事業>・Eコマースビジネスの強化(物価高騰・競争激化への対応、海外Eコマース、商材拡充)
・SPA(製造小売り)のバリューチェーン構築
・Eコマース事業に適した物流基盤の構築
<メディカル関連事業>・新製品の投入と拡販(生体吸収性シート「Pawdre」、腹腔鏡手術用マルチポート「DomePort」などの製品開発と拡販)
・再生医療分野への挑戦(細胞培養用ゼラチン繊維基材「Genocel」、PGAシートなどの用途拡大)
(ⅱ) 海外ビジネスの拡大
・モノづくりは国内強化と地政学リスクも鑑みた再構築、販売は海外での拡販を推進
地政学リスク、特に中国景況を注視しながら進める
・衣料繊維事業におけるテキスタイル・ニット製品事業の拡大
・産業機材事業における海外事業拡大(「アドミレックス」「ヒメロン」の拡販、海外拠点の設備投資実行)
・生活流通事業における協業を含めた越境Eコマースの取り組み
(ⅲ) 資本効率の改善
・低収益不動産の再開発・再々開発、切り離し。
・事業の選択と集中を徹底し、構造改善や撤退・分離、投下資本の組み換えを推進。
(ⅳ) 事業部内・事業部間におけるシナジー効果の創出
グループ全社戦略としては、シナジー効果創出によるグループ経営の強化、内からの成長(設備投資・研究開発投資)と外からの成長(M&A戦略)のバランスのとれた資源配分、資本効率の改善(投資基準としてROIC目標8%・最低5%を設定)、人的資本の価値向上と健康経営の推進、研究開発戦略(既存事業領域の一歩先を行く成長分野、既存事業とは異なる新規事業開拓)などに引き続き取り組んでまいります。
(b)数値計画
※ 2024年1月12日公表
着実に「前年よりも成長」し、過去最高の売上・各利益の更新を目標といたします。また、資本収益性を意識した経営を推進し、ROE8%目標の達成とPBR1倍超を目指してまいります。
(c)成長投資と株主還元
(ⅰ)成長投資と安定的な株主還元のバランスを志向します。
(ⅱ)成長投資については、研究開発投資、M&A投資、設備投資、人財投資など、中長期的な企業価値向上の観点から積極的に実行します。
(ⅲ)株主還元
・配当性向については、現行の30%程度から順次切り上げ、第3次中期経営計画最終年度での35%を目標とします。
・投資の進捗も鑑み機動的な自己株式取得を行い、総合的な株主還元を充実させてまいります。
現在の不確実な事業環境下においても、足元の状況のみに左右されず中長期的・グローバルな目線で変化を捉え、リスクに対処するとともに「チャンス」も認識することが大切だと考えております。第3次中期経営計画においては、RN130ビジョンの具現化を目指すとともに、その先のビジョンに向けた「ありたい姿」も描きながら成長投資を加速させ、魅力的な事業の創造に取り組んでまいります。
(1) 経営方針
ニッケグループは、長期安定的に企業価値を向上させるために、「経営理念」「経営方針」に則り、株主をはじめとする多様なステークホルダーの皆さまから信頼される経営を目指しております。
<経営理念>”人と地球に「やさしく、あったかい」企業グループとして、
わたしたちは情熱と誇りをもってチャレンジして行きます。”
・未開の分野に目を向け、「高機能商品」「地域NO.1サービス」の開発と提供へ挑戦し、みらい生活創造企業を目指します。
<経営方針>・「全員がチャレンジ精神を持ち」「人が育つ」、生命力あふれた会社を目指します。
・お客様の声と研究開発から、独自性のある商品・サービスで市場を創造します。
・常に未来を見つめ、グローバルな視点に立ち、世界に広がるお客様と社会の発展に貢献します。
・多くの市場で勝ち抜くために、広く人財を求め、多様な「知」を結集して、事業を革新・発展させます。
・お客様や株主様、社員、取引先、地域社会をはじめとした様々なステークホルダーとの永続的な信頼関係を築くことにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。
(2) 経営環境
新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、行動制限や海外からの入国制限が緩和され経済・社会活動の正常化が進んでいますが、依然としてその影響が色濃く残る事業分野もあります。加えて、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫、資源・エネルギー価格の高騰や為替の変動にともなう物価上昇など、以前にも増して先行きが不透明な状況が続いております。また、中国における不動産市況の悪化等に伴う景気減速も、各事業分野にその影響が表れております。国内では賃上げ等による個人消費の持ち直しはあるものの、まだ力強さは感じられません。
ニッケグループもこのような事業環境に大きく影響を受けておりますが、中長期的・グローバルな目線で変化を捉え、リスクに対処するとともに「チャンス」も認識し、次の第3次中期経営計画を推し進めてまいります。
当社グループにおける環境認識は以下のとおりです。
<衣料繊維事業>・日本では少子化よる学生数の減少は続いていく。海外市場への取り組みは必須である。
・世界の衣料市場は回復していく。国内生産による優位性と海外展開が鍵となる。
・国内産地の疲弊が進み、バリューチェーンの再構築が必要となる。
・SDGsに謳われる持続可能な社会の実現、環境配慮型素材や機能素材、多様性がキーワードとなる。
<産業機材事業>・自動車関連分野は、中国市況の影響を受けるも回復基調であり、EV化などの技術発展によるビジネスチャンスは引き続き期待できる。
・環境関連分野では、各地で規制強化が進みビジネスは拡大すると見込む。
・家電・OA分野は、海外での拡大を見込む。
・リサイクルビジネスなどSDGsを意識した市場の拡大が見込まれる。
<人とみらい開発事業>・地域密着型ショッピングセンターは堅調に推移する。不動産開発分野では省エネビルなど資産価値を高めた物件の引き合いが増える。
・ライフサポート分野では、介護・保育関連市場は引き続き拡大していくものの、アフター・コロナにおける運営手法やサービスの構築が必要である。
<生活流通事業>・Eコマース市場の盛り上がりは、アフター・コロナにおいて落ち着きを見せるものの、その利便性から拡大基調は変わらない。
・一方で、Eコマースによるボーダレス化から、海外勢やメーカー直販も含め競合が増加する。仕入品価格や物流費、広告宣伝費用の上昇基調も続く。
<メディカル関連事業>・国内外において、医療機器・医薬用品業界は拡大していく。
・長期的には再生医療分野の市場が拡大していく。
(3) 対処すべき課題
①「RN130第2次中期経営計画(2021~2023年度)」の総括
| (単位:百万円) | ||||||||
| 第2次中期経営計画(2021年度~2023年度)※1 | ||||||||
| 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |||||
| 実績 | 中期計画 | 実績 | 中期計画 | 実績 | 中期計画 | 業績予想 ※2 | 実績 | |
| 売上高 | 104,915 | 107,000 | 106,619 | 114,000 | 109,048 | 127,000 | 121,000 | 113,497 |
| 営業利益 | 9,048 | 8,600 | 9,900 | 9,500 | 10,707 | 11,500 | 11,000 | 11,016 |
| 経常利益 | 12,655 | 8,200 | 9,784 | 9,700 | 11,715 | 11,700 | 11,400 | 11,634 |
| 親会社株主に 帰属する当期純利益 | 7,121 | 4,000 | 8,308 | 6,500 | 7,283 | 7,800 | 7,300 | 7,643 |
※1 2021年1月14日公表
※2 2023年1月13日公表
(a)業績
ニッケグループは、中長期ビジョン「RN130ビジョン」において、今後10年間の目指す方向性、企業像、経営戦略を再構築し、更なる中長期的な企業価値の向上を目指すことを掲げております。2021年1月14日に公表した「RN130 第2次中期経営計画」は、RN130ビジョンへ向けて加速していく3年間と位置付け、新型コロナウイルスの影響を注視しながら着実に業績を回復させ、過去最高の売上利益を更新することを目指しました。そのための基本戦略を、①成長事業や新規事業、合理化への資源の重点配分、②海外ビジネスの拡大、③資本効率の改善、④事業部内再編によるシナジー効果の創出、として各種施策に取り組んでまいりました。
結果、3期連続の増収・営業利益増益となり、第2次中期経営計画の目標の一つである「2019年度に達成した過去最高の営業利益を更新する」については中期経営計画2年目(2022年度)に前倒しで達成することができました。中期経営計画最終年度(2023年度)については、計画数値である「連結売上高1,270億円以上、連結営業利益115億円以上、親会社株主に帰属する当期純利益78億円以上」に対して未達となりましたが、2023年1月13日に公表した期初の業績予想を各利益において上回ることができました。
急激な環境変化のなかで事業ごとに好調な年もあれば不調な年もありますが、これらが相互補完することにより営業利益は継続して100億円台を維持し、安定した収益基盤の構築が進んでおります。衣料繊維事業では利益率の高いアイテムへの絞り込みと省力化・効率化への取り組みから営業利益率は大幅に向上し、筋肉質な経営体制を構築してきました。産業機材事業では株式会社フジコーのグループ化によるシナジー創出から、2022年度には過去最高の営業利益を更新することができました。人とみらい開発事業は事業再編を進めるとともに、ショッピングセンターや保有不動産の付加価値向上と低効率資産の処分を進め、2023年度には過去最高の営業利益を更新しました。生活流通事業はコロナ禍のなかでEコマース事業は好調でしたが、今後の競争激化を見据え再構築を進めております。メディカル関連事業は開発品の上市が遅れたものの、利益率の高い商品の拡販やコスト削減に努め黒字が定着しました。
(b) 「RN130 第2次中期経営計画」における基本戦略の進捗
(ⅰ) 成長事業や新規事業・合理化への資源の重点配分および海外ビジネスの拡大
・衣料繊維事業における成長ドライバーの育成は、コロナ禍における行動制限から、特に海外事業の進捗が遅れました。中国事業では、学生服について市場環境の変化から戦略を見直し、ビジネスユニフォームやテキスタイルの展開に取り組みました。また、ニッケ独自の「糸」技術を活用したニット製品事業の取り組みも進めました。製造分野においては、省エネ・省人・自動化への取り組みを進め、製造コストの上昇を抑えることができました。
・産業機材事業においては、環境関連分野の更なる拡大として、高機能フィルター「アドミレックス」の生産拠点として中国での生産設備を増強しました。販売活動については順調に推移したものの、新工場の本格稼働が遅れたため、2024年度以降の業績貢献を見込んでおります。グループ化した株式会社フジコーとは、生産体制の統合や海外拠点の活用など連携を進め、不織布事業強化への体制を整えました。
・人とみらい開発事業においては、商業施設運営分野ではニッケコルトンプラザのリニューアルを実施し好調を維持しました。不動産開発分野では低収益不動産の再開発を進め、東京ビルの建て替えも進行しております。ライフサポート分野の拡大としては介護施設5拠点、保育施設1拠点を新規開設し、その安定運営と収益向上に取り組んでおります。また、通信及び新規サービス分野では事業ポートフォリオの見直しによる事業再編に取り組みました。
・生活流通事業においては、コロナ禍におけるEコマース市場の拡大により業績を大きく拡大してまいりましたが、競合の増加や仕入品価格・物流費・広告宣伝費用の上昇基調が続いており、今後の競争激化を見据え再構築を進めております。M&Aについては、独自性と商品拡充、販売・調達ルートの多様化を目的として3件(株式会社ワイワイ、サンコー株式会社、株式会社インテリアオフィスワン)を実行しました。
・メディカル関連事業においては、ニッケグループの繊維技術を活用した開発を進め、生体吸収性シート「Pawdre」が薬事承認されましたが、当初計画からは遅れ、2024年度以降の業績貢献を見込んでおります。
(ⅱ) 資本効率の改善
・製造分野においては、省エネ・生産工程のシンプル化に向けた設備投資などを行ってまいりました。
・不動産開発分野においては、既存施設・遊休施設の再開発・再々開発の実行、次のビジョンへ向けた施策を進めております。
・事業の選別を徹底し、非効率な事業の撤退や分離を推進してまいりました。
・政策保有株式については第2次中期経営計画3ヶ年において42銘柄を売却し22.4億円(簿価ベース)の縮減を実施しました。また、自己株式取得については2022年度において3百万株、2023年度において約2百万株を実施し、自己株式の消却については2022年度に8百万株を実行、2024年度には約2百万株の消却を予定しております。
・ROEについては継続して7%程度となり、2021年度には8%超を達成しました。更なる資本効率の改善に取り組み、ROE8%以上を継続的に達成できる経営体質の構築に取り組んでまいります。
(ⅲ) 事業部内再編によるシナジー効果の創出
・衣料繊維事業においては、連携強化と更なる効率化を目的としてテキスタイル・ヤーン事業の再編やユニフォーム事業の再編を実施しました。
・産業機材事業においては、グループ化した株式会社フジコーとの連携による不織布事業の強化や海外拠点の活用を進めました。
・人とみらい開発事業においては、健康志向の高まりへの対応とスクール事業の強化を目的として、スポーツ事業会社(ゴルフ・テニス事業)を統合しました。
・生活流通事業においては、Eコマース会社の統合やグループ各社の物流機能の集約を進め、商材の拡充や販売ルートの共有、経営効率化を図りました。
②「RN130第3次中期経営計画(2024~2026年度)」について
2024年1月12日に公表した「RN130第3次中期経営計画」は、RN130ビジョンの最終フェーズとして、未開の分野に目を向け、「高機能商品」「地域NO.1サービス」の開発と提供へ挑戦し、各事業が描く「みらい生活創造企業」の具現化を目指すことを掲げております。着実に「前年よりも成長」し、過去最高の売上・各利益の更新を目標といたします。
(a) 第3次中期経営計画における基本戦略
下記の基本戦略を実現するために、「3つの投資」を実行してまいります。
<3つの投資>・商品開発・合理化・省エネ設備への投資
・顧客拡大のための投資
・人財投資
(ⅰ) 成長事業や新規事業、合理化(省エネ・省人・自動化)への資源の重点配分
<衣料繊維事業>・成長ドライバーの育成(海外テキスタイル、ニット製品)
・製造強化(省エネ・省人・自動化)
・バリューチェーンデジタル化による生産性向上
・製造バリューチェーンの強化(国内モノづくりの強化と海外リスク分散)
<産業機材事業>・自動車関連(EV対応)、環境関連(高機能フィルター「アドミレックス」)の更なる拡大
・不織布事業の収益強化
・海外ビジネスの拡大(海外拠点の設備投資、海外販売の拡大)
・リサイクルビジネス(古着反毛)への本格参入
<人とみらい開発事業>・不動産開発事業の推進(東京ビル再開発、神戸ビル改修、一宮遊休地・伊丹土地・コルトンプラザ南側開発など)
・商業施設や保有不動産のリニューアルによる顧客満足・資産価値の向上
・不採算物件の見直し(撤退、再開発もしくは処分)
・ライフサポート事業における運営体制の強化
<生活流通事業>・Eコマースビジネスの強化(物価高騰・競争激化への対応、海外Eコマース、商材拡充)
・SPA(製造小売り)のバリューチェーン構築
・Eコマース事業に適した物流基盤の構築
<メディカル関連事業>・新製品の投入と拡販(生体吸収性シート「Pawdre」、腹腔鏡手術用マルチポート「DomePort」などの製品開発と拡販)
・再生医療分野への挑戦(細胞培養用ゼラチン繊維基材「Genocel」、PGAシートなどの用途拡大)
(ⅱ) 海外ビジネスの拡大
・モノづくりは国内強化と地政学リスクも鑑みた再構築、販売は海外での拡販を推進
地政学リスク、特に中国景況を注視しながら進める
・衣料繊維事業におけるテキスタイル・ニット製品事業の拡大
・産業機材事業における海外事業拡大(「アドミレックス」「ヒメロン」の拡販、海外拠点の設備投資実行)
・生活流通事業における協業を含めた越境Eコマースの取り組み
(ⅲ) 資本効率の改善
・低収益不動産の再開発・再々開発、切り離し。
・事業の選択と集中を徹底し、構造改善や撤退・分離、投下資本の組み換えを推進。
(ⅳ) 事業部内・事業部間におけるシナジー効果の創出
グループ全社戦略としては、シナジー効果創出によるグループ経営の強化、内からの成長(設備投資・研究開発投資)と外からの成長(M&A戦略)のバランスのとれた資源配分、資本効率の改善(投資基準としてROIC目標8%・最低5%を設定)、人的資本の価値向上と健康経営の推進、研究開発戦略(既存事業領域の一歩先を行く成長分野、既存事業とは異なる新規事業開拓)などに引き続き取り組んでまいります。
(b)数値計画
| (単位:百万円) | ||||
| 第2次中期 経営計画 | 第3次中期経営計画(2024年度~2026年度)※ | |||
| 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 2026年度 | |
| 実績 | 計画 | 計画 | 計画 | |
| 売上高 | 113,497 | 111,000 | 120,000 | 130,000 |
| 営業利益 | 11,016 | 11,000 | 12,000 | 13,000 |
| 経常利益 | 11,634 | 11,600 | 12,400 | 13,400 |
| 親会社株主に 帰属する当期純利益 | 7,643 | 7,700 | 7,800 | 8,800 |
※ 2024年1月12日公表
着実に「前年よりも成長」し、過去最高の売上・各利益の更新を目標といたします。また、資本収益性を意識した経営を推進し、ROE8%目標の達成とPBR1倍超を目指してまいります。
(c)成長投資と株主還元
(ⅰ)成長投資と安定的な株主還元のバランスを志向します。
(ⅱ)成長投資については、研究開発投資、M&A投資、設備投資、人財投資など、中長期的な企業価値向上の観点から積極的に実行します。
(ⅲ)株主還元
・配当性向については、現行の30%程度から順次切り上げ、第3次中期経営計画最終年度での35%を目標とします。
・投資の進捗も鑑み機動的な自己株式取得を行い、総合的な株主還元を充実させてまいります。
現在の不確実な事業環境下においても、足元の状況のみに左右されず中長期的・グローバルな目線で変化を捉え、リスクに対処するとともに「チャンス」も認識することが大切だと考えております。第3次中期経営計画においては、RN130ビジョンの具現化を目指すとともに、その先のビジョンに向けた「ありたい姿」も描きながら成長投資を加速させ、魅力的な事業の創造に取り組んでまいります。