有価証券報告書-第68期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)
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連結財務諸表注記事項(US GAAP)
連結財務諸表に関する注記
1 連結会計方針
A 連結財務諸表作成の基準
(1)当社の連結財務諸表は、米国預託証券の発行に関して要請された、米国において一般に認められた会計基準による用語・様式及び作成方法(以下「米国会計原則」という)に準拠して作成しております。したがって「連結財務諸表規則」及び「連結財務諸表等の作成基準」に準拠して作成する場合とはその内容が異なっております。
当社は、SECに米国預託証券を発行登録し、昭和52年1月には同証券を米国店頭市場(NASDAQ)に登録しました。したがって、当社は米国証券取引法(1934年法)第13条の規定により、米国において一般に公正妥当と認められている会計原則に基づいて作成された連結財務諸表を含めた様式20-F(FORM20-F)を、年次報告書としてSECに定期的に提出しておりましたが、平成25年4月25日にSECへの登録廃止申請を行い、平成25年7月24日に登録廃止となっております。
(2)会計基準上の主要な相違の内容
イ 有価証券及び投資
個別財務諸表上は、「金融商品に関する会計基準」を適用しております。連結財務諸表上は、米国財務会計基準審議会会計基準書320「投資-負債及び持分証券」の規定に準拠して、市場性のある有価証券及び投資を「満期保有目的有価証券」及び「売却可能有価証券」に分類しております。「満期保有目的有価証券」は償却原価により測定し、満期まで保有する意思のある有価証券を分類しております。「売却可能有価証券」は公正価値により測定し、未実現の保有損益は実現するまで資本の部のその他の包括損益累計額に区分表示しております。市場性のある有価証券及び投資の売却損益は移動平均法による取得原価に基づいて算出しております。
また、市場性のない有価証券及び投資の評価基準及び評価方法は移動平均法による原価法によっております。
有価証券及び投資の価値の下落が一時的であるかどうかについて下落の期間や程度、発行体の財政状態や業績の見通し、及び公正価値の回復が予想される十分な期間にわたって保有する意思等をもとに判断し、一時的でないと判断された場合には、帳簿価額と公正価値の差を評価損として認識しております。
ロ 土地等圧縮記帳
個別財務諸表上、買換資産等について直接減額の方法により圧縮記帳した額については、連結財務諸表上は土地等の取得価額に加算し、かつ税効果調整後の金額を利益剰余金に計上しております。
ハ 長期性資産の減損
個別財務諸表上は、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」)及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」を適用しております。
連結財務諸表上は、米国財務会計基準審議会会計基準書360「有形固定資産」の規定に準拠して、減損の兆候を示す事象や状況の変化が生じていると判断される場合には、帳簿価額が公正価値を上回る額を減損損失として認識しております。
平成27年3月期において、認識すべき減損損失は発生しておらず、平成28年3月期の減損損失は256百万円であり、販売費及び一般管理費に計上しております。
ニ のれん及びその他の無形固定資産
取得価額が取得した事業の純資産価額を超える部分については、のれんとして計上しております。耐用年数が確定できないのれん及びその他の無形固定資産については、少なくとも1年に一回、又は減損の判定が必要となる兆候が発生した場合に減損の判定を行っております。のれんは主にそれが含まれる事業が属するオペレーティング・セグメント等の報告単位に配分され、減損の判定が行われます。減損の判定に際しては、報告単位の帳簿価額を公正価値と比較しております。のれんが減損していると判断した場合には、帳簿価額が公正価値を上回る金額について減損損失として認識しております。
また、耐用年数が確定できないその他の無形固定資産の減損の判定に際しては、その帳簿価額を公正価値と比較しております。その他の無形固定資産が減損していると判断した場合には、帳簿価額が公正価値を上回る金額について減損損失として認識しております。
耐用年数が見積り可能なその他の無形固定資産は、主にブランド、顧客関係及びソフトウェアから構成されており、見積耐用年数にわたり定額法により償却を行っております。
見積耐用年数は次のとおりであります。
ホ 未使用有給休暇
連結財務諸表においては、米国財務会計基準審議会会計基準書710「報酬」の規定に準拠して、従業員の期末現在における未使用有給休暇に対応する人件費負担相当額を未払計上しております。
ヘ 資産除去債務
個別財務諸表上は「資産除去債務に関する会計基準」を適用しておりますが、連結財務諸表上は、米国財務会計基準審議会会計基準書410「資産除去債務」の規定に準拠して、固定資産の除去及び原状回復に関する法的債務について、公正価値により長期債務として認識しております。資産除去債務はリース契約の開始時点において、過去の実績をもとに期待現在価値法により認識しており、連結貸借対照表のその他の固定負債として計上しております。また当初の測定以降については、除去費用の見積り金額の変更に伴い調整しております。見積り将来キャッシュ・フローと現時点の資産除去債務の価額との差異は、当該リース契約期間にわたって、時の経過に伴う負債の増加として計上されます。当該資産除去費用については、関連する長期性資産の帳簿価額の一部として資産化され、耐用年数にわたって償却されます。
なお、契約終了時点における自動更新条項を含む一部のリース契約については、契約の終了時点を合理的に見積り、資産除去債務の計算を行っております。
ト 退職給付に係る負債
個別財務諸表上は「退職給付に関する会計基準」を適用しておりますが、連結財務諸表上は、米国財務会計基準審議会会計基準書715「報酬-退職給付」に規定する金額を計上しております。なお、数理差異については、平均残存勤務年数で定率償却しており、過去勤務債務については、平均残存勤務年数で定額償却しております。
一会計期間のすべての清算費用の合計が純期間年金費用の中の勤務費用と利息費用の合計額を超えない場合には、年金債務の清算に係る損益を認識しておりません。
チ 新株予約権付社債
新株予約権付社債は、新株予約権が社債と分離可能であるため、米国財務会計基準審議会会計基準書470「負債」の規定に基づいて新株予約権の公正価値を社債から減額して税効果調整後の金額を資本剰余金に計上しております。また、この減額された金額は、社債発行差金とみなされるため発行期間にわたって償却し、支払利息に計上しております。
リ 新株発行費用
個別財務諸表上、新株発行費用は発行時に全額費用処理しておりますが、連結財務諸表上は、新株発行費用は資本取引により発生する費用とみなされ株式払込剰余金の控除項目とされているため、税効果調整後、資本剰余金から控除しております。
ヌ 社債発行費用
個別財務諸表上、転換社債発行費用は発行時に全額費用処理しておりますが、連結財務諸表上は株式に転換した部分に対応する未償却残高の税効果調整後の金額を資本剰余金から控除しております。
ル 企業結合
連結財務諸表上は、米国財務会計基準審議会会計基準書805「企業結合」の規定に準拠して、取得法により会計処理を行っております。取得日において、識別可能な無形資産を含む取得資産と引受負債の公正価値を見積り、取得価額を配分しております。取得価額のうち、取得した純資産の公正価値を超過した部分については、のれんとして計上しております。
(3)その他の主要な相違の内容
イ 個別財務諸表上、特別損益として表示される固定資産除売却損益及び固定資産減損損失は、連結財務諸表上は営業費用として表示し、投資有価証券売却損益等は、その他の収益・費用に表示しております。
ロ 連結損益計算書の下段に普通株式1株当たりの当社株主に帰属する当期純利益及び現金配当を表示しております。なお、1株当たりの純資産額の開示は「米国会計原則」では要求されておりませんが、「連結財務諸表規則」に基づく額は、平成27年3月期1,624.93円、平成28年3月期1,592.90円であります。なお、1株当たり純資産額は連結貸借対照表の資本合計から非支配持分を控除した金額を普通株式の発行済株式総数から自己株式数を控除した株式数で除して算出しております。
B 連結の範囲
連結子会社の数は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ56社及び58社であります。
なお、主要な連結子会社名は、以下のとおりであります。
C 持分法の適用
持分法適用の関連会社の数は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ10社及び9社であります。
なお、主要な持分法適用関連会社名は、以下のとおりであります。
(注) ※和江留投資股份有限公司が50%を保有する会社であります。
D 子会社の事業年度
WACOAL HONG KONG CO.,LTD.等在外子会社11社の決算日は12月31日であります。これらの子会社については、各社の決算日の財務諸表を用いて連結財務諸表を作成しております。
これらの子会社の決算日と連結決算日である3月31日との差異期間に発生した、財政状態及び経営成績に重要な影響を与える事象は適切に調整されております。
E 見積りの使用
当社は米国において一般に認められた会計基準に準拠して連結財務諸表を作成しており、資産及び負債、収益及び費用、並びに偶発資産及び債務の金額に影響を与える経営者による仮定と見積りを使用しております。実際の結果がこれらの見積りと異なることがあります。
F 会計処理基準
連結財務諸表の作成にあたって採用した主要な会計処理基準は「注記A-(2)会計基準上の主要な相違の内容」に記載した事項を除き次のとおりであります。
(1)返品調整引当金
返品調整引当金は、過去の返品率、販売状況、業界全般の状況等を勘案して見積りを行っております。
(2)貸倒引当金
売上債権等の貸倒損失の発生に備えるため、一般債権に対しては貸倒実績率により、貸倒懸念債権等については個別に回収可能性を見積り、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。
(3)たな卸資産
原材料については先入先出法による低価法で、製品・商品及び仕掛品については総平均法による低価法で評価しております。売上原価には、原材料、製造に係る人件費・経費、関税等を含んでおります。
(4)有形固定資産
有形固定資産は取得原価で評価しております。減価償却費はその資産の見積耐用年数(資産計上されたリース資産については、そのリース期間)をもとに主として定率法で算出しております。ただし、平成10年4月1日以降取得した国内の建物(建物附属設備を除く)については、定額法によっております。
各資産区分での見積耐用年数は次のとおりであります。
平成27年3月期及び平成28年3月期の減価償却費は、それぞれ3,356百万円及び3,278百万円であります。
また、売却目的保有資産として旧名古屋店跡地である土地295百万円が「連結貸借対照表」のⅠ 流動資産 8 その他の流動資産に含まれております。当該資産については、報告セグメントのうちワコール事業(国内)の資産に含まれております。なお、当該資産の譲渡取引については、「注記2-U 後発事象」に記載しております。
(5)リース
特定の解約不能リースについてはキャピタル・リースに分類し、当該リース資産については有形固定資産の一部に含めております。その他のリースについてはオペレーティング・リースに分類し、資産計上はしておりません。また、オペレーティング・リースに係るリース料は定額法により認識し、費用として計上しております。
(6)自己株式
自己株式は取得原価で評価しており、連結財務諸表上、資本の部に計上しております。
(7)収益認識
当社グループの卸売販売、カタログ販売及びインターネット販売についての収益認識は、①有効な売買契約が存在すること ②財貨の引渡しが終了していること ③販売価格が固定されている又は決定しうること ④代価の回収が合理的に確証できることという要件を満たした場合に行っております。また委託販売については、商品が最終消費者に販売された時点で収益の認識を行っております。直営店舗における小売販売についても同様に、商品が最終消費者に販売された時点で収益の認識を行っております。
(8)物流費
物流費は発生時に費用計上し、販売費及び一般管理費に含めて処理しております。平成27年3月期及び平成28年3月期の物流費は、それぞれ5,487百万円及び5,560百万円であります。顧客から受領した物流費は売上高に含めて処理しております。
(9)広告宣伝費
広告宣伝費は発生時に費用計上し、販売費及び一般管理費に含めて処理しております。平成27年3月期及び平成28年3月期の広告宣伝費は、それぞれ13,103百万円及び13,167百万円であります。
(10)研究開発費
研究開発費は発生時に費用計上し、販売費及び一般管理費に含めて処理しております。平成27年3月期及び平成28年3月期の研究開発費は、それぞれ869百万円及び839百万円であります。
(11)消費税等の会計処理
消費税等の会計処理は税抜方式によっております。
(12)在外子会社等の財務諸表項目の換算
在外子会社等の財務諸表は、米国会計基準審議会会計基準書830「外貨」に従って、資産・負債項目は決算日の為替相場、損益項目は期中平均為替相場によって換算しております。その結果生じた外貨換算差額等は、資本の部のその他の包括損益累計額として表示しております。また外貨建取引や外貨建資産及び負債の換算から生じる為替差損益(純額)は、その他の損益(純額)に含めて表示しております。平成27年3月期及び平成28年3月期の為替差損益(純額)はそれぞれ、300百万円及び△519百万円であります。
(13)法人税等
一時差異及び繰越欠損金に関しては、米国財務会計基準審議会会計基準書740「法人税等」に従って、資産・負債法により税効果を認識しております。繰延税金資産の一部又は全部につき将来における回収可能性が見込めない場合には評価性引当金を計上しております。また、米国財務会計基準審議会会計基準書740「法人税等」に従い、税務ポジションの技術的な解釈に基づき、税務当局による調査においても税務ポジションが維持される可能性が50%を超える場合にのみ、税務ベネフィットを認識しております。税務ベネフィットは税務当局との解決により、50%を超える可能性で実現が予想される最大の金額で計上しております。
(14)株式報酬制度
株式報酬費用は付与日における公正価値で測定し、受給権確定期間にわたって費用配分しております。また公正価値についてはブラック・ショールズ・モデルを使用して見積りを行っております。
(15)金融派生商品
米国財務会計基準審議会会計基準書815「デリバティブ及びヘッジ」を適用しており、当社が保有する金融派生商品はヘッジ取引に該当しないため、公正価値の変動は当期の損益として計上しております。
(16)現金及び現金同等物の範囲
当初の満期までの期間が3ヶ月以内の定期預金は現金及び現金同等物に含めております。
(17)新会計基準
収益認識
平成26年5月に、米国財務会計基準審議会は、顧客との契約から生じる収益に関する規定を公表しました。この規定は、企業は顧客との契約で引き渡した財またはサービスとの交換で得られると見込まれる金額を収益として認識するという原則を基礎とするものであります。この規定は、収益認識に関する包括的なガイダンスを提供するとともに、財務諸表の利用者が、顧客との契約から生じる収益とキャッシュ・フローの性質、取引量、取引のタイミング、そして取引の不確実性を理解するのに有用な、定量的、定性的な開示を要求しております。
平成27年8月に、米国財務会計基準審議会は、上記規定の適用時期について1年の延長を公表しました。また、平成28年5月に、上記規定の適用初年度に潜在的に起こりうる実務上の取扱いの差異や、適用初年度及びその後の継続適用時の費用と複雑性を低減するするための規定を公表しました。
この規定は、平成29年12月15日より後に開始する連結会計年度及びその連結会計年度に含まれる四半期より適用になります。この規定が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響は現在検討しております。
非経常項目
平成27年1月に、米国財務会計基準審議会は、非経常項目に関する規定を公表しました。この規定は、非経常項目の概念を削除するものであります。これにより(1)経常的事業の結果から非経常項目を分離して開示すること、(2)損益計算書上、継続事業の税引後利益の後に非経常項目を別個に表示すること、(3)非経常項目に適用される法人所得税及び一株当たり利益を開示することが要求されなくなります。この規定は、平成27年12月15日より後に開始する連結会計年度及びその連結会計年度に含まれる四半期より適用になります。この規定は、開示に関連するものであり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響はありません。
公正価値測定の開示
平成27年5月に、米国財務会計基準審議会は、公正価値測定の開示に関する規定を公表しました。この規定により、一株当たり純資産価額等にて公正価値を測定している投資については、クラス別の公正価値の開示及びそれに付随する開示をすることが要求されなくなります。この規定は、平成27年12月15日より後に開始する連結会計年度及びその連結会計年度に含まれる四半期より適用になります。この規定は、開示に関するものであり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響はありません。
たな卸資産の評価
平成27年7月に、米国財務会計基準審議会は、たな卸資産の評価の簡素化に関する規定を公表しました。この規定は、たな卸資産について原価または正味実現可能価額のいずれか低い方の金額で評価することを要求するものであります。この規定は、平成28年12月15日より後に開始する連結会計年度及びその連結会計年度に含まれる四半期より適用になります。この規定が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響は現在検討しております。
繰延税金の貸借対照表上の分類
平成27年11月に、米国財務会計基準審議会は、繰延税金の貸借対照表上の分類に関する規定を公表しました。この規定は、繰延税金資産及び繰延税金負債を非流動項目として貸借対照表に表示することを要求するものであります。この規定は、平成28年12月15日より後に開始する連結会計年度及びその連結会計年度に含まれる四半期より適用になります。この規定が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響は現在検討しております。
金融商品の認識と測定
平成28年1月に、米国財務会計基準審議会は、金融商品の認識と測定に関する規定を公表しました。この規定は、持分投資(持分法投資及び連結される投資を除く)を公正価値で評価し、その変動を純損益において認識すること並びにこれに係る開示の変更等を要求するものであります。この規定は、平成29年12月15日より後に開始する連結会計年度及びその連結会計年度に含まれる四半期より適用になります。この規定が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響は現在検討しております。
リース
平成28年2月に、米国財務会計基準審議会は、リースに関する規定を公表しました。この規定は、現行の米国基準においてオペレーティングリースに分類されるリース取引について、一部の例外を除いて、貸借対照表上にリース資産、リース負債を認識することを要求しております。この規定は、平成30年12月15日より後に開始する連結会計年度及びその連結会計年度に含まれる四半期より適用になります。この規定が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響は現在検討しております。
持分法
平成28年3月に、米国財務会計基準審議会は、持分法会計の簡素化に関する規定を公表しました。この規定は、所有持分の増加の結果、持分法を適用する場合に、投資者が遡及的に持分法の会計処理を適用することを求める規定を削除するものであります。また、この規定は、保有する売却可能有価証券について持分法を適用する時点において、その他の包括損益累計額に計上されていた未実現損益を損益として認識することを要求しております。この規定は、平成28年12月15日より後に開始する連結会計年度及びその連結会計年度に含まれる四半期より適用になり、早期適用が可能です。当社グループは当連結会計年度からこの規定を早期適用しておりますが、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響は軽微であります。
(18)後発事象
米国財務会計基準審議会会計基準書855「後発事象」に基づき、有価証券報告書の提出日である平成28年6月29日までの後発事象について評価を行っております。
(19)表示方法の変更
当連結会計年度の表示方法に一致させるため、過年度の連結財務諸表等の一部について組替を行っております。
2 主な科目の内訳及び内容の説明
A 有価証券及び投資
満期保有目的及び売却可能有価証券
満期保有目的及び売却可能有価証券は負債証券及び市場性のある持分証券で構成されており、平成27年3月31日及び平成28年3月31日における市場の公表価格に基づいて評価しております。平成27年3月31日及び平成28年3月31日における満期保有目的及び売却可能有価証券の種類ごとの取得価額、総未実現利益及び損失、公正価値は以下のとおりであります。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、公正価値が帳簿価額を継続的に下回っている期間が12ヶ月以上の満期保有目的の公正価値及び未実現損失は以下のとおりであります。なお、売却可能有価証券はありません。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、公正価値が帳簿価額を継続的に下回っている期間が12ヶ月未満の満期保有目的及び売却可能有価証券の公正価値及び未実現損失は以下のとおりであります。
平成28年3月31日において、未実現損失の状態が継続している売却可能有価証券の銘柄数は、株式3銘柄、社債2銘柄、投資信託1銘柄で、これらの売却可能有価証券の下落率は25.0%以下であります。当社グループは公正価値が帳簿価額を下回っている期間や下落の程度、発行体の財政状態や業績の見通し、及び公正価値の回復が予想される十分な期間にわたって保有する意思と能力を含めた基準により、一時的でない減損が発生しているかどうかを判断しております。上記の未実現損失が生じている満期保有目的及び売却可能有価証券のうち、当社の減損の認識基準に該当するものはありません。したがって、平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、未実現損失が生じている満期保有目的及び売却可能有価証券について、一時的でない減損が発生しているものはないと判断しております。
平成28年3月31日において、売却可能有価証券として区分された負債証券及び投資信託の満期情報は以下のとおりであります。なお、償還期限のない売却可能有価証券は含んでおりません。
平成28年3月31日において、満期保有目的有価証券として区分された負債証券の満期情報は以下のとおりであります。
平成27年3月期及び平成28年3月期における売却可能有価証券の売却収入額及び総実現利益は以下のとおりであります。なお、総実現損失はいずれも発生しておりません。
株式交換においては、交換された株式をその公正価値で評価し、交換損益を認識しております。交換損益は、平成27年3月期において1百万円であり、平成28年3月期においては、発生しておりません。
公正価値の下落が一時的でないと判断された売却可能有価証券の評価損は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ4百万円及び20百万円であります。
市場性のない有価証券及び投資
市場性のない有価証券及び投資は、公正価値を容易に算定することができないため取得原価で計上しており、平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、それぞれ合計で1,295百万円及び1,288百万円となります。これらについては、毎年、又は必要となる事象が生じた場合に、一時的でない減損かどうかの判定を行っております。市場性のない有価証券及び投資の評価損は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ10百万円及び0百万円であります。
B 引当金の増減表
平成27年3月期及び平成28年3月期における貸倒引当金及び返品調整引当金に係る情報は以下のとおりであります。
C たな卸資産
平成27年3月31日及び平成28年3月31日におけるたな卸資産の内訳は以下のとおりであります。
D 関連会社投資
投資先に対して、重要な影響を及ぼすことができる投資については、持分法による会計処理を行っております。持分法による会計処理が妥当であるかどうかを決定するにあたっては他の要因も考慮されますが、一般的に当社グループが20%以上50%以下の議決権のある株式を所有している会社については、重要な影響力が存在するとみなしております。この要件を満たす投資先については、連結貸借対照表上“関連会社投資”と表記し、持分法による会計処理を行っております。持分法においては、各社の最新の財務諸表を基に持分比率に応じた損益を計上しております。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における主要な関連会社とその持分比率は以下のとおりであります。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における関連会社に対する投資のうち市場性のある株式の連結貸借対照表計上額及び公正価額の合計はそれぞれ以下のとおりであります。
平成27年3月31日における持分法として会計処理を行った関連会社の貸借対照表と平成27年3月期における損益計算書を要約した結果は以下のとおりであります。なお、平成28年3月31日において、持分法として会計処理を行った関連会社については、重要性がないため開示しておりません。
関連会社からの配当金は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ678百万円及び763百万円であります。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における連結貸借対照表の利益剰余金に含まれる関連会社の未分配の利益は、それぞれ14,948百万円及び15,226百万円であります。
E 企業結合
当社の子会社である㈱Aiは、平成27年4月1日に、㈱三愛及び㈱三愛スタイルより水着事業及び下着事業を譲り受けました。その際、取得に際し引渡した対価から識別可能な取得資産及び引受負債を詳細に調査及び分析をした上で見積もった公正価値を差し引いた差額の173百万円を負ののれん発生益として連結損益計算書上、一括計上しております。
なお、取得日より後に新たに入手した情報に基づき、取得日における資産と負債の公正価値を修正しました。当該調整は、取得日に遡及して反映しております。
当社の子会社である㈱ワコールが、平成27年11月13日付で合弁契約を締結し、タイ王国においてA Tech Textile Co.,Ltd.(以下、A Tech社)及びG Tech Material Co.,Ltd.(以下、G Tech社)を平成28年1月に設立いたしました。なお、平成28年1月27日付で、当該子会社2社とTextile Prestige Public Company Limited(以下、TPC社)及びErawan Textile Company Limited(以下、ETC社)との間でそれぞれ事業譲受契約を締結し、平成28年2月1日に材料事業を譲り受けました。
当該事業譲受に伴う、資産・負債の購入価格としてA Tech社はTPC社に対し、2,350百万円(704百万THB)を見込んでおり、G Tech社はETC社に対し693百万円(208百万THB)にて合意しております。
当社グループは、当該子会社2社を設立することにより、今後の発展・成長が見込めるASEAN域内にてグローバルな材料・製品供給体制を築き、グループ全体の製造品質とコスト競争の向上を実現するとともに、将来にわたって世界のワコールグループとお客様に付加価値の高い材料・製品を安定供給することを目指してまいります。
なお、当該子会社2社の決算日は12月31日でありますが、連結決算日である3月31日との差異期間に発生した財政状態及び経営成績に与える重要な影響を考慮し、当連結会計年度において、当該子会社2社の設立と事業の譲受を反映させております。
A Tech社及びG Tech社の投資価額を配分した結果、それぞれ246百万円及び223百万円ののれんを認識し、連結貸借対照表に計上しております。のれんについては税務上損金とはなりません。
取得日において、A Tech社及びG Tech社が譲り受けた事業の資産と負債の暫定的な公正価値は以下のとおりであります。
なお、決算日後の平成28年5月31日において、資産・負債の購入価格としてA Tech社はTPC社に対し、2,334百万円(699百万THB)にて合意しました。その結果、のれんの金額は230百万円となり、16百万円の減額が必要となりました。当該修正については、測定期間内の修正として平成29年3月期第1四半期連結会計期間に反映いたします。
F のれん及びその他の無形固定資産
のれん
平成27年3月期及び平成28年3月期におけるオペレーティング・セグメント別ののれんの帳簿価額の変動は以下のとおりであります。
「ピーチ・ジョン事業」ののれんについて、平成27年3月期において、4,845百万円を「のれん減損損失」として計上しており、「ピーチ・ジョン事業」の営業費用に含めております。公正価値の測定については、「注記2-S 公正価値の測定」に記載しております。
その他の無形固定資産
平成27年3月31日及び平成28年3月31日におけるのれんを除く無形固定資産の内訳は以下のとおりであります。
平成28年3月期に取得したその他の無形固定資産は1,432百万円であります。主なものはソフトウェアであり、見積耐用年数は5年であります。
なお、ブランドについては為替換算調整額が含まれております。
㈱ピーチ・ジョンの商標権について、平成27年3月31日において、再評価を行った結果、1,176百万円を「その他の無形固定資産減損損失」に計上しており、「ピーチ・ジョン事業」の営業費用に含めております。なお、平成28年3月期においては、減損損失を認識しておりません。公正価値の測定については、「注記2-S 公正価値の測定」に記載しております。
その他の無形固定資産に係る平成27年3月期及び平成28年3月期における償却費の総額と翌期以降の償却費に計上される見込額は以下のとおりであります。
G 短期借入金及び長期債務
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における短期借入金の内訳は以下のとおりであります。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における短期借入金の加重平均利率はいずれも0.4%であります。平成27年3月31日及び平成28年3月31日における短期銀行借入に係る未使用の信用枠は、それぞれ25,189百万円及び24,779百万円であります。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における長期債務の内訳は以下のとおりであります。
平成28年3月31日における長期債務の年度別返済予定額は以下のとおりであります。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における一部の子会社が担保に供している資産は以下のとおりであります。
日本における慣行として、短期及び長期の借入金については、貸主である銀行と一般的な取引約定書を締結しており、この約定のもとでは、銀行からの要求があれば、現在及び将来の債務に対し、担保や保証の提供を行うことがあります。また銀行は支払期限の到来した債務と銀行預金とを相殺し、また、債務不履行の場合には全ての債務と相殺する権利を有しております。
H リース取引
当社グループは、オペレーティング・リース契約により、大部分の直営店舗やその他の設備等を賃借しております。大部分のリース契約は自動更新条項を含んでおり、リース契約開始時の取り決めに従い、当初のリース期間を延長することが可能となっております。
平成28年3月31日における解約不能のオペレーティング・リースに係る最低賃借料は以下のとおりであります。
オペレーティング・リース賃借料総額は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ6,476百万円及び7,902百万円であり、販売費及び一般管理費に計上しております。
I 資産除去債務
当社グループは、リース契約の終了時におけるリース物件の原状回復費用に係る法的債務について、公正価値により資産除去債務として計上しております。
平成27年3月期及び平成28年3月期における資産除去債務の変動は以下のとおりであります。
J 退職金及び退職年金
従業員退職年金制度
当社及び一部の子会社は、ほぼすべての従業員を対象として退職金及び退職年金制度を有しております。その金額は従業員の勤務年数、会社での職責及び成果に基づいて決められております。退職が自己都合によるもの以外又は死亡による場合は、通常自己都合の場合よりも多い金額を受け取ることができます。
当社及び一部の子会社はいくつかの退職金制度を有しており、確定給付企業年金制度及び外部拠出のない退職一時金制度等が採用されております。
確定給付企業年金制度のもとでは、退職金は、定年や早期退職の場合は一括で支給されますが、一定の条件で年金とすることもできます。
その他の年金制度は、退職一時金の支給と一定の条件での年金支給のどちらかとなりますが、従業員が定年に達する前に退職する場合は、通常、一括で支給されます。
確定給付年金制度
保険数理計算に基づいて算定された将来支給予測額の現価額、年金資産の公正価値の増減及び関連情報は以下のとおりであります。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における連結貸借対照表での認識額は以下のとおりであります。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日におけるその他包括損益累計額での認識額は以下のとおりであります。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における確定給付年金制度の累積給付債務残高は以下のとおりであります。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における予測給付債務が年金資産の公正価値を上回る退職給付制度の予測給付債務残高と年金資産の公正価値及び累積給付債務が年金資産の公正価値を上回る退職給付制度の累積給付債務残高と年金資産の公正価値は以下のとおりであります。
平成27年3月期及び平成28年3月期における純期間年金費用は以下の項目から構成されております。
数理差異と過去勤務債務の未償却残高については、12年の平均残存勤務年数にわたって、それぞれ定率法及び定額法により償却しております。
平成27年3月期及び平成28年3月期におけるその他包括損益に認識された年金資産及び退職給付債務の変動は以下のとおりであります。
翌期においてその他包括損益累計額から償却されると見込まれる金額は、以下のとおりであります。
当社及び一部の子会社は3月31日を退職給付債務の測定日としております。平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、退職給付債務及び純期間年金費用の算定に用いた前提条件は以下のとおりであります。
当社及び一部の子会社は、国内社債の利回りに基づいて割引率を設定しております。具体的には割引率は平成28年3月31日における国内社債のうち満期までの期間が予想される将来の給付支払の時期までの期間と同じ銘柄の利回りを基礎としております。
当社及び一部の子会社はポイント制を採用しているため、退職給付債務の算定に際して、昇給率を使用しておりません。
長期期待運用収益率は、持分証券及び負債証券等の投資対象資産グループ別の長期期待運用収益に基づいて設定しております。各投資対象資産の長期期待運用収益率は、時系列データに基づいた経済成長率並びにインフレ率についての予測に基づいて決定しております。長期期待運用収益率は持分証券26.0%、負債証券54.0%、生保一般勘定18.0%及び短期資金2.0%の資産構成を前提として算定しております。
当社及び一部の子会社の投資政策は、実際のポートフォリオを目標となる資産構成の予定範囲内で維持していくことであります。投資は、多様化されており、主に持分証券や負債証券で構成されております。当社及び一部の子会社は、退職年金の見積り支給時期別の支給額に対して適切なポートフォリオを設定していると考えております。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における当社及び一部の子会社の年金資産の構成は以下のとおりであります。
目標となる年金資産の構成は、年金委員会で検討し承認されております。平成27年3月31日及び平成28年3月31日における年金資産の構成が想定と異なるのは、年金委員会が関与していない持分証券の追加拠出によるものであります。㈱ワコールと従業員との間の契約に基づき、㈱ワコールは一定の持分証券を年金資産として追加拠出しております。したがって、年金資産全体に対する持分証券の実際に占める割合は想定より高くなっており、同様に、年金資産に負債証券等が実際に占める割合は想定より低くなっております。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における公正価値のレベルによって区分した当社及び一部の子会社の年金資産の内訳は以下のとおりであります。なお、各レベルの内容については「注記2-S 公正価値の測定」に記載しております。
(注)1 持分証券の合同運用信託は、約25%を国内株式、約75%を外国株式に投資しております。
2 負債証券の合同運用信託は、約28%を国債、約3%を地方債、約33%を外国国債、約36%を社債に投資しております。
3 ヘッジファンドは、すべて負債証券のロング・ショートファンドとなっております。
4 その他の合同運用信託は、約58%を社債、約2%を国内株式、約10%を海外株式、約18%を不動産、約12%を短期資金に投資しております。
(注)1 持分証券の合同運用信託は、約32%を国内株式、約68%を外国株式に投資しております。
2 負債証券の合同運用信託は、約27%を国債、約4%を地方債、約36%を外国国債、約33%を社債に投資しております。
3 ヘッジファンドは、すべて負債証券のロング・ショートファンドとなっております。
4 その他の合同運用信託は、約39%を社債、約2%を国内株式、約8%を海外株式、約27%を不動産、約24%を短期資金に投資しております。
持分証券と負債証券のうちレベル1に区分されるものは、主に同一商品の公表価格により評価しております。レベル2に区分される持分証券又は負債証券の合同運用信託とヘッジファンドは、それらを構成する商品と同一商品の活発な市場又は活発でない市場における公表価格をもとにした運用機関の評価を使用しております。生保一般勘定は契約時に定められた元本及び利息が保証されており、元本と予定利率に基づき評価をしております。
当社及び一部の子会社は、日本の税法で認められた方法に基づいて計算された金額の拠出を年金資産への拠出の基本的な方針としております。当社及び一部の子会社は平成29年3月31日終了連結会計年度において、退職年金制度に対して640百万円の拠出を見込んでおります。
将来にわたる予想給付額は以下のとおりであります。
確定拠出年金制度
一部の子会社は確定拠出年金制度を採用しております。平成27年3月期及び平成28年3月期において、費用として計上された確定拠出年金制度への拠出額はそれぞれ、203百万円及び219百万円であります。
選択定年退職加算金制度
当社及び一部の子会社は選択定年退職加算金制度を有しており、対象となる従業員には退職時年齢加算金を支給しております。退職時年齢加算金は退職金規定における退職金に加算して支給され、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ114百万円及び125百万円を支給しており、販売費及び一般管理費に計上しております。
役員退職慰労金制度
当社及び一部の子会社は役員に対する退職慰労金制度を有しております。役員退職慰労金は退任時に一括して支払われ、支払前に株主総会の承認が必要となります。平成17年6月に当社は株主総会の承認を得て、この役員退職慰労金制度を廃止しました。各個人に対する退職金は平成17年6月29日付で固定され、それぞれの役員が退任するまで凍結されます。平成27年3月31日及び平成28年3月31日における当社及び一部の子会社の当該負債の残高は、それぞれ399百万円及び340百万円であり、これらはその他の固定負債に計上しております。その他一部の子会社については、引き続き退職慰労金制度を有し、米国財務会計基準審議会会計基準書715「報酬-退職給付」に従い、役員が期末において退任した場合の要支給額を退職給付に係る負債として計上しておりましたが、平成28年3月期において当該制度は廃止されております。なお、平成27年3月31日における役員退職慰労金の残高は218百万円でしたが、平成28年3月31においては残高はありません。
K 契約債務及び偶発債務
当社は、平成26年10月20日に京都市南区に新設する事務所建物新築工事に関連し、63億95百万円の工事管理契約及び工事請負契約を締結しました。
平成27年3月31日における当該契約に係る契約債務は57億63百万円であります。なお、平成28年3月31日においては当該契約債務の残存期間が1年以内となったことから、契約債務の金額は記載しておりません。
L 株式報酬制度
当社は、当社及び当社子会社である㈱ワコールの取締役(社外取締役は除く)を対象に、株価上昇によるメリットのみならず株価下落によるリスクまでも株主の皆様と共有し、株価上昇及び企業価値向上への貢献意欲を一層高めること等を目的として、新株予約権を割り当てる株式報酬型ストックオプション制度を採用しております。付与対象者は、新株予約権を行使することにより株式1株当たりの払込金額を1円とした新株予約権1個当たり当社の普通株式1,000株の交付を受けることができます。株式報酬費用は、付与日の公正価値で見積もられ、受給権確定期間にわたって費用配分しております。
新株予約権は、取締役委任期間1年間で比例的に確定し、当社及び㈱ワコールの取締役、監査役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日より5年が経過する日と付与日から20年を経過する日のいずれか早く到来する日までの間行使可能であります。
なお、当期に付与した公正価値の見積りには、ブラック・ショールズ・モデルを用いており、その見積りに使用した基礎数値は次のとおりであります。見積り配当率は、当社の過去1年間の実績配当金及び付与日における当社株式の終値に基づいております。見積りボラティリティは、当社の見積り権利行使期間に対応した過去の日次株価のボラティリティに基づいております。リスク・フリー利子率は、見積り権利行使期間に対応した日本国債の付与日時点の利率に基づいております。見積り権利行使期間は、対象となる取締役が内規で定められた退職年齢まで取締役として勤務し、地位喪失と同時に権利行使すると仮定した場合の全取締役の平均残存勤務期間に基づいております。
平成28年3月期におけるストックオプションの増減は以下のとおりであります。
平成27年3月期及び平成28年3月期において、行使されたストックオプションの本源的価値総額は、それぞれ6百万円及び31百万円であります。
販売費及び一般管理費に計上された株式報酬費用及び繰延税額は、平成27年3月期において、それぞれ60百万円及び21百万円、平成28年3月期において、それぞれ67百万円及び21百万円であります。
平成27年3月期及び平成28年3月期において、付与されたストックオプションの付与日における公正価値の加重平均は、それぞれ937円及び1,419円であります。
平成28年3月31日において、権利が確定していない新株予約権に関連する未認識費用は13百万円であり、この費用は今後3ヶ月にわたって認識される予定です。
M 資本
平成27年3月期及び平成28年3月期における当社株主に帰属する当期純利益及び非支配持分株主との資本取引による資本剰余金の変動額の内訳は以下のとおりであります。
N その他の包括損益
平成27年3月期及び平成28年3月期におけるその他の包括損益累計額の変動額は以下のとおりであります。
(注)1.未実現有価証券評価損益の再組替調整額(税引前)は、有価証券・投資売却及び交換損益(純額)、有価証券・投資評価損に含まれております。
2.年金債務調整勘定の再組替調整額(税引前)は、期間純年金費用として売上原価と販売費及び一般管理費に含まれております。
O 法人税等
税引前当期純利益と法人税等の国内と国外の内訳は以下のとおりであります。
わが国における法人所得税は、法人税、住民税及び事業税からなっており、これらわが国における税金の法定税率を基礎として計算した法定実効税率は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ35.6%及び33.1%であります。また、海外子会社に対しては、その所在国における法人所得税が課せられます。
連結損益計算書上の法人税等負担率は、以下の事由により法定実効税率と相違しております。
「所得税法等の一部を改正する法律」(平成27年法律第9号)及び「地方税法等の一部を改正する法律」(平成27年法律第2号)が平成27年3月31日に公布され、平成27年4月1日以後に開始する連結会計年度から法人税率等の引下げ等が行われることとなりました。これに伴い、当連結会計年度から、当社及び主たる国内子会社において、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率は、従来の35.6%から平成27年4月1日に開始する連結会計年度に解消が見込まれる一時差異については、33.1%に、平成28年4月1日に開始する連結会計年度以降に解消が見込まれる一時差異については32.3%となります。
この税率変更により、平成27年3月期において、繰延税金資産及び繰延税金負債の取り崩しが行われ、繰延税額は1,209百万円減少しております。
「所得税法等の一部を改正する法律」(平成28年法律第15号)及び「地方税法等の一部を改正する等の法律」(平成28年法律第13号)が平成28年3月29日に国会で成立し、平成28年4月1日以後に開始する連結会計年度から法人税率等の引下げ等が行われることとなりました。これに伴い、当社及び主たる国内子会社において、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率は、前連結会計年度の計算において使用した32.3%から平成28年4月1日に開始する連結会計年度及び平成29年4月1日に開始する連結会計年度に解消が見込まれる一時差異については30.9%に、平成30年4月1日に開始する連結会計年度以降に解消が見込まれる一時差異については30.6%となります。
この税率変更により、平成28年3月期において、繰延税金資産及び繰延税金負債の取り崩しが行われ、繰延税額は454百万円減少しております。
繰延税金資産・負債を構成する一時差異と繰越欠損金の内訳は以下のとおりであります。
平成27年3月期及び平成28年3月期における評価性引当金の変動額はそれぞれ1,481百万円及び175百万円の減少であります。
当社は、平成26年11月28日において、平成27年4月1日付で当社の子会社である㈱ルシアンの事業を新設会社へ継承させる会社分割を行うこと、また、㈱ルシアンを㈱ワコールへ吸収合併することを決議しました。
これに伴い、㈱ルシアンにおいて、回収不能と判断していた繰延税金資産の内、㈱ワコールへ引き継がれる繰延税金資産を回収可能と判断し、1,398百万円の税効果を認識しております。
また、平成27年3月期及び平成28年3月期において、繰越欠損金をそれぞれ811百万円及び189百万円使用し、246百万円及56百万円の便益を認識しております。
平成28年3月31日における一部の子会社の税務上の繰越欠損金使用期限別残高は以下のとおりであり、将来の課税所得と相殺されます。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、永久的に再投資すると考えている海外子会社及び海外合弁会社の未分配利益はありません。
平成27年3月期及び平成28年3月期における未認識税務ベネフィットの期首残高と期末残高の調整は次のとおりであります。
未認識税務ベネフィットのうち、認識された場合、実効税率に影響を与える金額は平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、それぞれ312百万円及び300百万円であります。
当社グループは、未認識税務ベネフィットに関連する利息と課徴金については連結損益計算書における法人税等に含めております。平成27年3月期及び平成28年3月期において、連結損益計算書で認識された利息及び課徴金の金額には重要性はありません。
当社グループは、日本及び海外各国の税務当局に法人税の申告をしております。日本では、平成26年度以前の連結会計年度について、いくつかの例外を除いて、税務当局の通常の税務調査が終了しております。他の国においては、平成22年度以前の連結会計年度について、いくつかの例外を除いて、税務当局の通常の税務調査が終了しております。また、国内及び米国の一部の子会社において、それぞれ平成19年度及び平成22年度までの移転価格税制の調査が終了しております。
P 関連当事者との取引
当社グループは、国内外の関連会社から商品供給を受けております。関連会社からの製品仕入額は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ2,581百万円及び2,468百万円であり、平成27年3月31日及び平成28年3月31日における買掛金残高はそれぞれ142百万円及び188百万円であります。
さらに、当社グループは、関連会社に材料及び製品を供給しております。関連会社への製品の売上額は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ386百万円及び335百万円であり、平成27年3月31日及び平成28年3月31日における売掛金残高はそれぞれ70百万円及び97百万円であります。
当社グループは、関連会社よりワコールブランドのロイヤルティを受け取っております。平成27年3月期及び平成28年3月期において、当該ロイヤルティ収益はそれぞれ288百万円及び266百万円であります。また平成27年3月31日及び平成28年3月31日における連結貸借対照表のその他の流動資産に含まれる関連会社に対する未収金はそれぞれ219百万円及び225百万円であります。
Q 1株当たり情報
1株当たりの当社株主に帰属する当期純利益は、発行済の普通株式の加重平均株式数に基づき算出しております。なお、潜在株式調整後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益については、ストックオプションが行使され発行済株式数が増加した場合の希薄化への影響を考慮して算出しております。
R 金融商品及びリスクの集中
公正価値
市場性のない有価証券及び投資は、公正価値を容易に算定することができません。詳細は「注記2-A 有価証券及び投資」に記載しております。その他の金融商品は、残存期間が短いため、連結貸借対照表計上額と公正価値とは概ね等しくなっております。
為替予約
当社グループは、外国為替の変動に伴うリスクにさらされており、これらのリスクを管理するために為替予約契約を使用しております。これらの為替予約契約をヘッジとして指定していないため、公正価値の変動は当期の損益として計上しております。
有価証券及び投資
満期保有目的有価証券は、平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、有価証券及び投資に分類しております。これらの満期保有目的有価証券の公正価値は、レベル1に基づいて測定しております。その他の有価証券及び投資については、「注記2-A 有価証券及び投資」及び「注記2-S 公正価値の測定」に記載しております。
長期債務
当社グループの長期債務の公正価値は、新たに同一残存期間の借入を同様の条件の下で行う場合に適用される利率を使用し、将来の見積りキャッシュ・フローを割引くことにより算定しております。これらの公正価値はレベル2に基づいて測定しております。
見積りの使用
公正価値の見積りは、関連する市場や金融商品についての情報をもとに、特定の時点において行われております。これらの見積りは当社が実施しており、不確実性と見積りに係る当社の重要な判断を含んでいるため、精緻に計算することはできません。前提条件の変更により、当該見積りに重要な影響を与える可能性があります。
リスクの集中
当社グループの事業は、主として日本の小売業界における多数の取引先に対する婦人下着の販売によって構成されており、その取引先には大手の百貨店、量販店及びその他の一般小売店等が含まれます。なお、取引先1社で売上高の10%以上を構成する販売先はありません。
S 公正価値の測定
米国財務会計基準審議会会計基準書820「公正価値による測定及び開示」は、公正価値を「測定日における市場参加者の間での通常の取引において、資産を売却して受け取る、又は負債を移転するために支払う価格」と定義し、公正価値をその測定のために使用するインプットの内容に応じて3つのレベルに区分することを規定しております。各レベルの内容は以下のとおりであります。
・レベル1・・・測定日現在において入手可能な活発な市場における同一の資産又は負債の公表価格
・レベル2・・・レベル1に含まれる公表価格以外で、直接的又は間接的に観察可能なインプット
・レベル3・・・観察不能なインプット
平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、当社グループが保有する継続的に公正価値で評価を行っている金融資産及び負債の内訳は以下のとおりであります。
有価証券及び投資のうちレベル1に区分されるものは、十分な取引量と頻度のある活発な市場における公表価格を調整せずに用いて評価しております。またレベル2に区分される債券については、活発でない市場における同一商品の公表価格、投資信託については、これを構成する商品と同一商品の活発な市場又は活発でない市場における公表価格をもとにした金融機関の評価を使用しております。「注記2-A 有価証券及び投資」に記載のとおり、有価証券及び投資の公正価値の下落が一時的でないと判断された場合に、評価損を計上しております。
レベル2の為替予約は、金融機関から入手した時価により評価しております。当社が保有する為替予約についてはヘッジとして指定していないため、公正価値の変動は損益として計上しております。平成27年3月期及び平成28年3月期における評価損益はそれぞれ192百万円及び△506百万円であり、その他の損益(純額)として計上しております。また当社は、連結貸借対照表上、金融派生商品を公正価値で評価した金額を計上しており、平成27年3月31日において、その他の流動資産に209百万円計上し、平成28年3月31日おいては、その他の流動負債に297百万円計上しております。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、非継続的に公正価値で測定される資産は以下のとおりであります。
平成28年3月期において、所有する一部の資産グループについて、外部賃貸資産となったため固定資産の減損を判定した結果、公正価値が帳簿価額を下回っていると判断されたため、帳簿価額366百万円の土地を公正価値の133百万円まで、帳簿価額8百万円の建物及び構築物を公正価値の0百万円まで減損しております。公正価値の測定にあたっては不動産鑑定評価額等に基づき正味売却価額により測定しております。この結果生じた減損損失241百万円については、ワコール事業(国内)の営業費用に含めております。
平成27年3月期において、帳簿価額9,170百万円ののれんについて、公正価値の4,325百万円で評価するとともに減損損失を4,845百万円認識しております。これは市況の悪化に伴い、消費の低迷が続いたことが主な要因となっております。公正価値の測定にあたっては、期待現在価値法を使用し、測定日において市場参加者が公正価値の測定に使用するであろう仮定に関する当社の見積りを反映した、将来キャッシュ・フローや信用リスク調整後の割引率などの観察不能なインプットを考慮しております。
平成27年3月期において、帳簿価額3,170百万円のその他の無形固定資産として計上されている商標権について、公正価値の1,994百万円で評価するとともに減損損失を1,176百万円認識しております。これは市況の悪化に伴い、消費の低迷が続いたことが主な要因となっております。公正価値の測定にあたっては、ロイヤリティ免除法を使用し、測定日において市場参加者が公正価値の測定に使用するであろう仮定に関する当社の見積りを反映した、将来キャッシュ・フロー、ロイヤリティ率、信用リスク調整後の割引率など観測不能なインプットを考慮しております。将来キャッシュ・フローは今後5年間の当社グループの予測に基づくキャッシュ・フロー、5年経過後は永続成長率を0%として見積もられたキャッシュ・フローに基づいております。キャッシュ・フローの予測には、報告単位ごとの期待収益成長率、利益率、運転資本比率が含まれております。ロイヤリティ率は、通常の取引で使用される割合に基づいて算出される価値を見積もって算定しております。リスク調整後割引率は、資本資産評価モデルにより決定した、加重平均資本コストに商標権に固有のリスクを調整したものを使用しております。
評価プロセス
レベル3に分類される資産、負債について、社内で承認された公正価値測定に係る評価方法を含む評価方針及び手続に従い、経理担当者又は資産評価担当者が各対象資産、負債の評価方法を決定し、公正価値を測定しております。一定金額を超える対象資産については、外部の評価専門家を利用し、その評価結果は経理担当者又は資産評価担当者がレビューしております。公正価値測定の結果は外部者評価結果を含め、帳簿計上前に経理及び資産評価部門管理者がレビューを行い、承認しております。
レベル3に分類される資産に関する定量的情報
平成27年3月期において、公正価値で測定されたレベル3に分類される資産の評価技法及び重要な観察不能なインプットに係る情報は、以下のとおりであります。
T セグメント情報
会計基準書280は、企業のオペレーティング・セグメントに関する情報の開示を規定しており、企業の最高経営意思決定者が経営資源の配分に関する意思決定や業績評価を行うために区分した企業の構成単位に関する情報を開示することを要求しております。当社グループの報告セグメントは、ワコール事業(国内)、ワコール事業(海外)、ピーチ・ジョン事業及びその他であります。各報告セグメントで採用されている会計方針は、「注記1 連結会計方針」に記載されているものと同様であります。
(1)オペレーティング・セグメント情報
前連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
当連結会計年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)
(注)1 各事業の主な製品
ワコール事業(国内)……インナーウェア(ファンデーション、ランジェリー、ナイトウェア、リトルインナー)、アウターウェア、スポーツウェア、レッグニット他
ワコール事業(海外)……インナーウェア(ファンデーション、ランジェリー、ナイトウェア、リトルインナー)、アウターウェア、スポーツウェア、レッグニット他
ピーチ・ジョン事業………インナーウェア(ファンデーション、ランジェリー、ナイトウェア)、アウターウェア、その他繊維関連商品他
その他………………………インナーウェア(ファンデーション、ランジェリー、ナイトウェア、リトルインナー)、アウターウェア、その他繊維関連商品、マネキン人形、店舗設計・施工他
2 報告セグメントの営業利益の合計については、連結損益計算書の営業利益と一致しております。なお、営業利益から税引前当期純利益までの調整については「連結損益計算書」のⅢ その他の収益・費用(△)に記載のとおりです。
3 セグメント間取引は、原価に利益を加算した金額で行われております。営業利益(損失)については、売上高から営業費用を控除して算出しております。
(2)製品別売上情報
(3)地域別情報
前連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
当連結会計年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)
(注)1 国又は地域の区分の方法は地理的近接度によっております。
2 本邦以外の区分に属する主な国又は地域
アジア・オセアニア……東アジア、東南アジア及び西アジア諸国、オーストラリア
欧米………北米及びヨーロッパ諸国
3 売上高は連結会社を所在地別に分類したものであります。
4 長期性資産は有形固定資産であります。
U 後発事象
固定資産の譲渡
当社は、平成28年1月29日開催の取締役会において、以下のとおり固定資産(土地)の譲渡について決議し、平成28年4月27日に物件の引渡しを行いました。
1.譲渡の理由
当該資産は旧名古屋支店跡地であり、今後事業に使用する見込みがないことから、経営資源の有効活用を図るため譲渡することといたしました。
2.譲渡資産の内容
3.譲渡先の概要
株式会社日本セレモニー
4.譲渡の日程
5.業績への影響
当該固定資産の譲渡に伴い、平成29年3月期第1四半期会計期間において、固定資産売却益約38億円を計上いたします。
自己株式の取得
当社は、平成28年5月27日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条第1項の規定に基づき、自己株式を取得すること及びその具体的な取得方法について決議いたしました。
1.理由
資本効率の向上と経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行を可能とするため
2.取得する株式の種類
普通株式
3.取得する株式の総数
2,300,000株(上限)
4.取得する期間
平成28年6月2日~平成28年9月30日
5.取得価額の総額
3,000百万円(上限)
6.取得方法
信託方式による市場買付
剰余金の配当
平成28年5月9日開催の取締役会におきまして、平成28年3月31日現在の当社株主に対して現金配当4,648百万円(1株につき33円)を実施することが決議されました。
1 連結会計方針
A 連結財務諸表作成の基準
(1)当社の連結財務諸表は、米国預託証券の発行に関して要請された、米国において一般に認められた会計基準による用語・様式及び作成方法(以下「米国会計原則」という)に準拠して作成しております。したがって「連結財務諸表規則」及び「連結財務諸表等の作成基準」に準拠して作成する場合とはその内容が異なっております。
当社は、SECに米国預託証券を発行登録し、昭和52年1月には同証券を米国店頭市場(NASDAQ)に登録しました。したがって、当社は米国証券取引法(1934年法)第13条の規定により、米国において一般に公正妥当と認められている会計原則に基づいて作成された連結財務諸表を含めた様式20-F(FORM20-F)を、年次報告書としてSECに定期的に提出しておりましたが、平成25年4月25日にSECへの登録廃止申請を行い、平成25年7月24日に登録廃止となっております。
(2)会計基準上の主要な相違の内容
イ 有価証券及び投資
個別財務諸表上は、「金融商品に関する会計基準」を適用しております。連結財務諸表上は、米国財務会計基準審議会会計基準書320「投資-負債及び持分証券」の規定に準拠して、市場性のある有価証券及び投資を「満期保有目的有価証券」及び「売却可能有価証券」に分類しております。「満期保有目的有価証券」は償却原価により測定し、満期まで保有する意思のある有価証券を分類しております。「売却可能有価証券」は公正価値により測定し、未実現の保有損益は実現するまで資本の部のその他の包括損益累計額に区分表示しております。市場性のある有価証券及び投資の売却損益は移動平均法による取得原価に基づいて算出しております。
また、市場性のない有価証券及び投資の評価基準及び評価方法は移動平均法による原価法によっております。
有価証券及び投資の価値の下落が一時的であるかどうかについて下落の期間や程度、発行体の財政状態や業績の見通し、及び公正価値の回復が予想される十分な期間にわたって保有する意思等をもとに判断し、一時的でないと判断された場合には、帳簿価額と公正価値の差を評価損として認識しております。
ロ 土地等圧縮記帳
個別財務諸表上、買換資産等について直接減額の方法により圧縮記帳した額については、連結財務諸表上は土地等の取得価額に加算し、かつ税効果調整後の金額を利益剰余金に計上しております。
ハ 長期性資産の減損
個別財務諸表上は、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」)及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」を適用しております。
連結財務諸表上は、米国財務会計基準審議会会計基準書360「有形固定資産」の規定に準拠して、減損の兆候を示す事象や状況の変化が生じていると判断される場合には、帳簿価額が公正価値を上回る額を減損損失として認識しております。
平成27年3月期において、認識すべき減損損失は発生しておらず、平成28年3月期の減損損失は256百万円であり、販売費及び一般管理費に計上しております。
ニ のれん及びその他の無形固定資産
取得価額が取得した事業の純資産価額を超える部分については、のれんとして計上しております。耐用年数が確定できないのれん及びその他の無形固定資産については、少なくとも1年に一回、又は減損の判定が必要となる兆候が発生した場合に減損の判定を行っております。のれんは主にそれが含まれる事業が属するオペレーティング・セグメント等の報告単位に配分され、減損の判定が行われます。減損の判定に際しては、報告単位の帳簿価額を公正価値と比較しております。のれんが減損していると判断した場合には、帳簿価額が公正価値を上回る金額について減損損失として認識しております。
また、耐用年数が確定できないその他の無形固定資産の減損の判定に際しては、その帳簿価額を公正価値と比較しております。その他の無形固定資産が減損していると判断した場合には、帳簿価額が公正価値を上回る金額について減損損失として認識しております。
耐用年数が見積り可能なその他の無形固定資産は、主にブランド、顧客関係及びソフトウェアから構成されており、見積耐用年数にわたり定額法により償却を行っております。
見積耐用年数は次のとおりであります。
ブランド | 20年~25年(主として25年) |
顧客関係 | 7年 |
ソフトウェア | 5年 |
ホ 未使用有給休暇
連結財務諸表においては、米国財務会計基準審議会会計基準書710「報酬」の規定に準拠して、従業員の期末現在における未使用有給休暇に対応する人件費負担相当額を未払計上しております。
ヘ 資産除去債務
個別財務諸表上は「資産除去債務に関する会計基準」を適用しておりますが、連結財務諸表上は、米国財務会計基準審議会会計基準書410「資産除去債務」の規定に準拠して、固定資産の除去及び原状回復に関する法的債務について、公正価値により長期債務として認識しております。資産除去債務はリース契約の開始時点において、過去の実績をもとに期待現在価値法により認識しており、連結貸借対照表のその他の固定負債として計上しております。また当初の測定以降については、除去費用の見積り金額の変更に伴い調整しております。見積り将来キャッシュ・フローと現時点の資産除去債務の価額との差異は、当該リース契約期間にわたって、時の経過に伴う負債の増加として計上されます。当該資産除去費用については、関連する長期性資産の帳簿価額の一部として資産化され、耐用年数にわたって償却されます。
なお、契約終了時点における自動更新条項を含む一部のリース契約については、契約の終了時点を合理的に見積り、資産除去債務の計算を行っております。
ト 退職給付に係る負債
個別財務諸表上は「退職給付に関する会計基準」を適用しておりますが、連結財務諸表上は、米国財務会計基準審議会会計基準書715「報酬-退職給付」に規定する金額を計上しております。なお、数理差異については、平均残存勤務年数で定率償却しており、過去勤務債務については、平均残存勤務年数で定額償却しております。
一会計期間のすべての清算費用の合計が純期間年金費用の中の勤務費用と利息費用の合計額を超えない場合には、年金債務の清算に係る損益を認識しておりません。
チ 新株予約権付社債
新株予約権付社債は、新株予約権が社債と分離可能であるため、米国財務会計基準審議会会計基準書470「負債」の規定に基づいて新株予約権の公正価値を社債から減額して税効果調整後の金額を資本剰余金に計上しております。また、この減額された金額は、社債発行差金とみなされるため発行期間にわたって償却し、支払利息に計上しております。
リ 新株発行費用
個別財務諸表上、新株発行費用は発行時に全額費用処理しておりますが、連結財務諸表上は、新株発行費用は資本取引により発生する費用とみなされ株式払込剰余金の控除項目とされているため、税効果調整後、資本剰余金から控除しております。
ヌ 社債発行費用
個別財務諸表上、転換社債発行費用は発行時に全額費用処理しておりますが、連結財務諸表上は株式に転換した部分に対応する未償却残高の税効果調整後の金額を資本剰余金から控除しております。
ル 企業結合
連結財務諸表上は、米国財務会計基準審議会会計基準書805「企業結合」の規定に準拠して、取得法により会計処理を行っております。取得日において、識別可能な無形資産を含む取得資産と引受負債の公正価値を見積り、取得価額を配分しております。取得価額のうち、取得した純資産の公正価値を超過した部分については、のれんとして計上しております。
(3)その他の主要な相違の内容
イ 個別財務諸表上、特別損益として表示される固定資産除売却損益及び固定資産減損損失は、連結財務諸表上は営業費用として表示し、投資有価証券売却損益等は、その他の収益・費用に表示しております。
ロ 連結損益計算書の下段に普通株式1株当たりの当社株主に帰属する当期純利益及び現金配当を表示しております。なお、1株当たりの純資産額の開示は「米国会計原則」では要求されておりませんが、「連結財務諸表規則」に基づく額は、平成27年3月期1,624.93円、平成28年3月期1,592.90円であります。なお、1株当たり純資産額は連結貸借対照表の資本合計から非支配持分を控除した金額を普通株式の発行済株式総数から自己株式数を控除した株式数で除して算出しております。
B 連結の範囲
連結子会社の数は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ56社及び58社であります。
なお、主要な連結子会社名は、以下のとおりであります。
名称 | 住所 | 名称 | 住所 |
㈱ワコール | 京都市南区 | ㈱ピーチ・ジョン | 東京都渋谷区 |
㈱ルシアン | 京都市南区 | 九州ワコール製造㈱ | 長崎県雲仙市 |
㈱トリーカ | 大阪府茨木市 | ㈱七彩 | 京都市南区 |
WACOAL AMERICA,INC. | 米国 ニューヨーク州 | WACOAL INTERNATIONAL CORP. | 米国 ニューヨーク州 |
WACOAL EUROPE LTD. | 英国 ノーサンプトンシャー州 | WACOAL INTERNATIONAL HONG KONG CO.,LTD. | 香港 |
WACOAL EUROPE SAS. | フランス サンドニ市 | WACOAL HONG KONG CO.,LTD. | 香港 |
華歌爾(中国)時装有限公司 | 中国 北京市 | 和江留投資股份有限公司 | 台湾 台北市 |
A TECH TEXTILE CO.,LTD. | タイ バンコク市 |
C 持分法の適用
持分法適用の関連会社の数は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ10社及び9社であります。
なお、主要な持分法適用関連会社名は、以下のとおりであります。
名称 | 住所 | 名称 | 住所 |
㈱新栄ワコール | 韓国 ソウル市 | 台湾華歌爾股份有限公司※ | 台湾 桃園市 |
THAI WACOAL PUBLIC CO.,LTD. | タイ バンコク市 |
(注) ※和江留投資股份有限公司が50%を保有する会社であります。
D 子会社の事業年度
WACOAL HONG KONG CO.,LTD.等在外子会社11社の決算日は12月31日であります。これらの子会社については、各社の決算日の財務諸表を用いて連結財務諸表を作成しております。
これらの子会社の決算日と連結決算日である3月31日との差異期間に発生した、財政状態及び経営成績に重要な影響を与える事象は適切に調整されております。
E 見積りの使用
当社は米国において一般に認められた会計基準に準拠して連結財務諸表を作成しており、資産及び負債、収益及び費用、並びに偶発資産及び債務の金額に影響を与える経営者による仮定と見積りを使用しております。実際の結果がこれらの見積りと異なることがあります。
F 会計処理基準
連結財務諸表の作成にあたって採用した主要な会計処理基準は「注記A-(2)会計基準上の主要な相違の内容」に記載した事項を除き次のとおりであります。
(1)返品調整引当金
返品調整引当金は、過去の返品率、販売状況、業界全般の状況等を勘案して見積りを行っております。
(2)貸倒引当金
売上債権等の貸倒損失の発生に備えるため、一般債権に対しては貸倒実績率により、貸倒懸念債権等については個別に回収可能性を見積り、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。
(3)たな卸資産
原材料については先入先出法による低価法で、製品・商品及び仕掛品については総平均法による低価法で評価しております。売上原価には、原材料、製造に係る人件費・経費、関税等を含んでおります。
(4)有形固定資産
有形固定資産は取得原価で評価しております。減価償却費はその資産の見積耐用年数(資産計上されたリース資産については、そのリース期間)をもとに主として定率法で算出しております。ただし、平成10年4月1日以降取得した国内の建物(建物附属設備を除く)については、定額法によっております。
各資産区分での見積耐用年数は次のとおりであります。
建物及び構築物 | 2~50年(主として38年) |
機械装置・車両運搬具及び工具器具備品(一部の絵画除く) | 2~20年(主として5年) |
平成27年3月期及び平成28年3月期の減価償却費は、それぞれ3,356百万円及び3,278百万円であります。
また、売却目的保有資産として旧名古屋店跡地である土地295百万円が「連結貸借対照表」のⅠ 流動資産 8 その他の流動資産に含まれております。当該資産については、報告セグメントのうちワコール事業(国内)の資産に含まれております。なお、当該資産の譲渡取引については、「注記2-U 後発事象」に記載しております。
(5)リース
特定の解約不能リースについてはキャピタル・リースに分類し、当該リース資産については有形固定資産の一部に含めております。その他のリースについてはオペレーティング・リースに分類し、資産計上はしておりません。また、オペレーティング・リースに係るリース料は定額法により認識し、費用として計上しております。
(6)自己株式
自己株式は取得原価で評価しており、連結財務諸表上、資本の部に計上しております。
(7)収益認識
当社グループの卸売販売、カタログ販売及びインターネット販売についての収益認識は、①有効な売買契約が存在すること ②財貨の引渡しが終了していること ③販売価格が固定されている又は決定しうること ④代価の回収が合理的に確証できることという要件を満たした場合に行っております。また委託販売については、商品が最終消費者に販売された時点で収益の認識を行っております。直営店舗における小売販売についても同様に、商品が最終消費者に販売された時点で収益の認識を行っております。
(8)物流費
物流費は発生時に費用計上し、販売費及び一般管理費に含めて処理しております。平成27年3月期及び平成28年3月期の物流費は、それぞれ5,487百万円及び5,560百万円であります。顧客から受領した物流費は売上高に含めて処理しております。
(9)広告宣伝費
広告宣伝費は発生時に費用計上し、販売費及び一般管理費に含めて処理しております。平成27年3月期及び平成28年3月期の広告宣伝費は、それぞれ13,103百万円及び13,167百万円であります。
(10)研究開発費
研究開発費は発生時に費用計上し、販売費及び一般管理費に含めて処理しております。平成27年3月期及び平成28年3月期の研究開発費は、それぞれ869百万円及び839百万円であります。
(11)消費税等の会計処理
消費税等の会計処理は税抜方式によっております。
(12)在外子会社等の財務諸表項目の換算
在外子会社等の財務諸表は、米国会計基準審議会会計基準書830「外貨」に従って、資産・負債項目は決算日の為替相場、損益項目は期中平均為替相場によって換算しております。その結果生じた外貨換算差額等は、資本の部のその他の包括損益累計額として表示しております。また外貨建取引や外貨建資産及び負債の換算から生じる為替差損益(純額)は、その他の損益(純額)に含めて表示しております。平成27年3月期及び平成28年3月期の為替差損益(純額)はそれぞれ、300百万円及び△519百万円であります。
(13)法人税等
一時差異及び繰越欠損金に関しては、米国財務会計基準審議会会計基準書740「法人税等」に従って、資産・負債法により税効果を認識しております。繰延税金資産の一部又は全部につき将来における回収可能性が見込めない場合には評価性引当金を計上しております。また、米国財務会計基準審議会会計基準書740「法人税等」に従い、税務ポジションの技術的な解釈に基づき、税務当局による調査においても税務ポジションが維持される可能性が50%を超える場合にのみ、税務ベネフィットを認識しております。税務ベネフィットは税務当局との解決により、50%を超える可能性で実現が予想される最大の金額で計上しております。
(14)株式報酬制度
株式報酬費用は付与日における公正価値で測定し、受給権確定期間にわたって費用配分しております。また公正価値についてはブラック・ショールズ・モデルを使用して見積りを行っております。
(15)金融派生商品
米国財務会計基準審議会会計基準書815「デリバティブ及びヘッジ」を適用しており、当社が保有する金融派生商品はヘッジ取引に該当しないため、公正価値の変動は当期の損益として計上しております。
(16)現金及び現金同等物の範囲
当初の満期までの期間が3ヶ月以内の定期預金は現金及び現金同等物に含めております。
(17)新会計基準
収益認識
平成26年5月に、米国財務会計基準審議会は、顧客との契約から生じる収益に関する規定を公表しました。この規定は、企業は顧客との契約で引き渡した財またはサービスとの交換で得られると見込まれる金額を収益として認識するという原則を基礎とするものであります。この規定は、収益認識に関する包括的なガイダンスを提供するとともに、財務諸表の利用者が、顧客との契約から生じる収益とキャッシュ・フローの性質、取引量、取引のタイミング、そして取引の不確実性を理解するのに有用な、定量的、定性的な開示を要求しております。
平成27年8月に、米国財務会計基準審議会は、上記規定の適用時期について1年の延長を公表しました。また、平成28年5月に、上記規定の適用初年度に潜在的に起こりうる実務上の取扱いの差異や、適用初年度及びその後の継続適用時の費用と複雑性を低減するするための規定を公表しました。
この規定は、平成29年12月15日より後に開始する連結会計年度及びその連結会計年度に含まれる四半期より適用になります。この規定が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響は現在検討しております。
非経常項目
平成27年1月に、米国財務会計基準審議会は、非経常項目に関する規定を公表しました。この規定は、非経常項目の概念を削除するものであります。これにより(1)経常的事業の結果から非経常項目を分離して開示すること、(2)損益計算書上、継続事業の税引後利益の後に非経常項目を別個に表示すること、(3)非経常項目に適用される法人所得税及び一株当たり利益を開示することが要求されなくなります。この規定は、平成27年12月15日より後に開始する連結会計年度及びその連結会計年度に含まれる四半期より適用になります。この規定は、開示に関連するものであり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響はありません。
公正価値測定の開示
平成27年5月に、米国財務会計基準審議会は、公正価値測定の開示に関する規定を公表しました。この規定により、一株当たり純資産価額等にて公正価値を測定している投資については、クラス別の公正価値の開示及びそれに付随する開示をすることが要求されなくなります。この規定は、平成27年12月15日より後に開始する連結会計年度及びその連結会計年度に含まれる四半期より適用になります。この規定は、開示に関するものであり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響はありません。
たな卸資産の評価
平成27年7月に、米国財務会計基準審議会は、たな卸資産の評価の簡素化に関する規定を公表しました。この規定は、たな卸資産について原価または正味実現可能価額のいずれか低い方の金額で評価することを要求するものであります。この規定は、平成28年12月15日より後に開始する連結会計年度及びその連結会計年度に含まれる四半期より適用になります。この規定が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響は現在検討しております。
繰延税金の貸借対照表上の分類
平成27年11月に、米国財務会計基準審議会は、繰延税金の貸借対照表上の分類に関する規定を公表しました。この規定は、繰延税金資産及び繰延税金負債を非流動項目として貸借対照表に表示することを要求するものであります。この規定は、平成28年12月15日より後に開始する連結会計年度及びその連結会計年度に含まれる四半期より適用になります。この規定が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響は現在検討しております。
金融商品の認識と測定
平成28年1月に、米国財務会計基準審議会は、金融商品の認識と測定に関する規定を公表しました。この規定は、持分投資(持分法投資及び連結される投資を除く)を公正価値で評価し、その変動を純損益において認識すること並びにこれに係る開示の変更等を要求するものであります。この規定は、平成29年12月15日より後に開始する連結会計年度及びその連結会計年度に含まれる四半期より適用になります。この規定が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響は現在検討しております。
リース
平成28年2月に、米国財務会計基準審議会は、リースに関する規定を公表しました。この規定は、現行の米国基準においてオペレーティングリースに分類されるリース取引について、一部の例外を除いて、貸借対照表上にリース資産、リース負債を認識することを要求しております。この規定は、平成30年12月15日より後に開始する連結会計年度及びその連結会計年度に含まれる四半期より適用になります。この規定が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響は現在検討しております。
持分法
平成28年3月に、米国財務会計基準審議会は、持分法会計の簡素化に関する規定を公表しました。この規定は、所有持分の増加の結果、持分法を適用する場合に、投資者が遡及的に持分法の会計処理を適用することを求める規定を削除するものであります。また、この規定は、保有する売却可能有価証券について持分法を適用する時点において、その他の包括損益累計額に計上されていた未実現損益を損益として認識することを要求しております。この規定は、平成28年12月15日より後に開始する連結会計年度及びその連結会計年度に含まれる四半期より適用になり、早期適用が可能です。当社グループは当連結会計年度からこの規定を早期適用しておりますが、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響は軽微であります。
(18)後発事象
米国財務会計基準審議会会計基準書855「後発事象」に基づき、有価証券報告書の提出日である平成28年6月29日までの後発事象について評価を行っております。
(19)表示方法の変更
当連結会計年度の表示方法に一致させるため、過年度の連結財務諸表等の一部について組替を行っております。
2 主な科目の内訳及び内容の説明
A 有価証券及び投資
満期保有目的及び売却可能有価証券
満期保有目的及び売却可能有価証券は負債証券及び市場性のある持分証券で構成されており、平成27年3月31日及び平成28年3月31日における市場の公表価格に基づいて評価しております。平成27年3月31日及び平成28年3月31日における満期保有目的及び売却可能有価証券の種類ごとの取得価額、総未実現利益及び損失、公正価値は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | ||||
取得原価(百万円) | 総未実現利益 (百万円) | 総未実現損失 (百万円) | 公正価値(百万円) | |
売却可能有価証券 | ||||
有価証券 | ||||
国債・地方債 | 10 | - | - | 10 |
社債 | 500 | 1 | - | 501 |
投資信託 | 1,104 | 291 | 5 | 1,390 |
計 | 1,614 | 292 | 5 | 1,901 |
投資 | ||||
株式 | 23,587 | 34,461 | 0 | 58,048 |
計 | 23,587 | 34,461 | 0 | 58,048 |
満期保有目的有価証券 | ||||
有価証券 | ||||
社債 | 486 | 0 | 1 | 485 |
計 | 486 | 0 | 1 | 485 |
投資 | ||||
社債 | 620 | 0 | 3 | 617 |
計 | 620 | 0 | 3 | 617 |
平成28年3月31日 | ||||
取得原価(百万円) | 総未実現利益 (百万円) | 総未実現損失 (百万円) | 公正価値(百万円) | |
売却可能有価証券 | ||||
有価証券 | ||||
国債・地方債 | 10 | 0 | - | 10 |
社債 | 395 | - | 0 | 395 |
投資信託 | 1,083 | 279 | 1 | 1,361 |
計 | 1,488 | 279 | 1 | 1,766 |
投資 | ||||
株式 | 23,592 | 30,336 | 3 | 53,925 |
計 | 23,952 | 30,336 | 3 | 53,925 |
満期保有目的有価証券 | ||||
有価証券 | ||||
社債 | 114 | - | 1 | 113 |
計 | 114 | - | 1 | 113 |
投資 | ||||
社債 | 808 | 0 | 3 | 805 |
計 | 922 | 0 | 4 | 918 |
平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、公正価値が帳簿価額を継続的に下回っている期間が12ヶ月以上の満期保有目的の公正価値及び未実現損失は以下のとおりであります。なお、売却可能有価証券はありません。
平成27年3月31日 | 平成28年3月31日 | |||
公正価値(百万円) | 総未実現損失 (百万円) | 公正価値(百万円) | 総未実現損失 (百万円) | |
満期保有目的有価証券 | ||||
有価証券 | ||||
社債 | - | - | 114 | 1 |
計 | - | - | 114 | 1 |
投資 | ||||
社債 | - | - | 345 | 3 |
計 | - | - | 345 | 3 |
平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、公正価値が帳簿価額を継続的に下回っている期間が12ヶ月未満の満期保有目的及び売却可能有価証券の公正価値及び未実現損失は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | 平成28年3月31日 | |||
公正価値(百万円) | 総未実現損失 (百万円) | 公正価値(百万円) | 総未実現損失 (百万円) | |
売却可能有価証券 | ||||
有価証券 | ||||
社債 | - | - | 395 | 0 |
投資信託 | 295 | 5 | 480 | 1 |
計 | 295 | 5 | 875 | 1 |
投資 | ||||
株式 | 1 | 0 | 102 | 3 |
計 | 1 | 0 | 102 | 3 |
満期保有目的有価証券 | ||||
有価証券 | ||||
社債 | 242 | 1 | - | - |
計 | 242 | 1 | - | - |
投資 | ||||
社債 | 375 | 3 | 232 | 0 |
計 | 375 | 3 | 232 | 0 |
平成28年3月31日において、未実現損失の状態が継続している売却可能有価証券の銘柄数は、株式3銘柄、社債2銘柄、投資信託1銘柄で、これらの売却可能有価証券の下落率は25.0%以下であります。当社グループは公正価値が帳簿価額を下回っている期間や下落の程度、発行体の財政状態や業績の見通し、及び公正価値の回復が予想される十分な期間にわたって保有する意思と能力を含めた基準により、一時的でない減損が発生しているかどうかを判断しております。上記の未実現損失が生じている満期保有目的及び売却可能有価証券のうち、当社の減損の認識基準に該当するものはありません。したがって、平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、未実現損失が生じている満期保有目的及び売却可能有価証券について、一時的でない減損が発生しているものはないと判断しております。
平成28年3月31日において、売却可能有価証券として区分された負債証券及び投資信託の満期情報は以下のとおりであります。なお、償還期限のない売却可能有価証券は含んでおりません。
取得原価 (百万円) | 公正価値 (百万円) | |
1年内 | 395 | 394 |
5年内 | 482 | 481 |
10年内 | - | - |
10年超 | 279 | 289 |
計 | 1,156 | 1,164 |
平成28年3月31日において、満期保有目的有価証券として区分された負債証券の満期情報は以下のとおりであります。
取得原価 (百万円) | 公正価値 (百万円) | |
1年内 | 114 | 113 |
5年内 | 808 | 805 |
計 | 922 | 918 |
平成27年3月期及び平成28年3月期における売却可能有価証券の売却収入額及び総実現利益は以下のとおりであります。なお、総実現損失はいずれも発生しておりません。
平成27年3月期 | 平成28年3月期 | ||
売却収入額 | 3,499百万円 | 102百万円 | |
総実現利益 | 1,516 | 90 |
株式交換においては、交換された株式をその公正価値で評価し、交換損益を認識しております。交換損益は、平成27年3月期において1百万円であり、平成28年3月期においては、発生しておりません。
公正価値の下落が一時的でないと判断された売却可能有価証券の評価損は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ4百万円及び20百万円であります。
市場性のない有価証券及び投資
市場性のない有価証券及び投資は、公正価値を容易に算定することができないため取得原価で計上しており、平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、それぞれ合計で1,295百万円及び1,288百万円となります。これらについては、毎年、又は必要となる事象が生じた場合に、一時的でない減損かどうかの判定を行っております。市場性のない有価証券及び投資の評価損は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ10百万円及び0百万円であります。
B 引当金の増減表
平成27年3月期及び平成28年3月期における貸倒引当金及び返品調整引当金に係る情報は以下のとおりであります。
平成27年3月期 | ||||
期首残高 (百万円) | 当期増加額 (百万円) | 当期減少額 (百万円) | 期末残高 (百万円) | |
貸倒引当金 | 201 | 45 | 48 | 198 |
返品調整引当金 | 2,120 | 2,211 | 2,120 | 2,211 |
平成28年3月期 | ||||
期首残高 (百万円) | 当期増加額 (百万円) | 当期減少額 (百万円) | 期末残高 (百万円) | |
貸倒引当金 | 198 | 110 | 112 | 196 |
返品調整引当金 | 2,211 | 2,033 | 2,211 | 2,033 |
C たな卸資産
平成27年3月31日及び平成28年3月31日におけるたな卸資産の内訳は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | 平成28年3月31日 | ||
製品及び商品 | 36,935百万円 | 37,689百万円 | |
仕掛品 | 3,625 | 4,056 | |
原材料 | 2,333 | 2,700 | |
計 | 42,893 | 44,445 |
D 関連会社投資
投資先に対して、重要な影響を及ぼすことができる投資については、持分法による会計処理を行っております。持分法による会計処理が妥当であるかどうかを決定するにあたっては他の要因も考慮されますが、一般的に当社グループが20%以上50%以下の議決権のある株式を所有している会社については、重要な影響力が存在するとみなしております。この要件を満たす投資先については、連結貸借対照表上“関連会社投資”と表記し、持分法による会計処理を行っております。持分法においては、各社の最新の財務諸表を基に持分比率に応じた損益を計上しております。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における主要な関連会社とその持分比率は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | 平成28年3月31日 | ||
THAI WACOAL PUBLIC CO.,LTD. | 34% | 34% | |
㈱新栄ワコール | 25 | 25 | |
PT.INDONESIA WACOAL | 42 | 42 | |
台湾華歌爾股份有限公司 | 50 | 50 | |
㈱ハウス オブ ローゼ | 24 | 24 |
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における関連会社に対する投資のうち市場性のある株式の連結貸借対照表計上額及び公正価額の合計はそれぞれ以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | 平成28年3月31日 | ||
連結貸借対照表計上額 | 14,155百万円 | 13,522百万円 | |
公正価額 | 12,107 | 11,561 |
平成27年3月31日における持分法として会計処理を行った関連会社の貸借対照表と平成27年3月期における損益計算書を要約した結果は以下のとおりであります。なお、平成28年3月31日において、持分法として会計処理を行った関連会社については、重要性がないため開示しておりません。
平成27年3月31日 | |
流動資産 | 45,218百万円 |
固定資産 | 45,317 |
資産合計 | 90,535 |
流動負債 | 10,262 |
固定負債 | 9,678 |
資本 | 70,595 |
負債・資本合計 | 90,535 |
平成27年3月期 | |
売上高 | 62,459 |
売上総利益 | 31,519 |
税引前当期純利益 | 2,848 |
当期純利益 | 2,196 |
関連会社からの配当金は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ678百万円及び763百万円であります。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における連結貸借対照表の利益剰余金に含まれる関連会社の未分配の利益は、それぞれ14,948百万円及び15,226百万円であります。
E 企業結合
当社の子会社である㈱Aiは、平成27年4月1日に、㈱三愛及び㈱三愛スタイルより水着事業及び下着事業を譲り受けました。その際、取得に際し引渡した対価から識別可能な取得資産及び引受負債を詳細に調査及び分析をした上で見積もった公正価値を差し引いた差額の173百万円を負ののれん発生益として連結損益計算書上、一括計上しております。
なお、取得日より後に新たに入手した情報に基づき、取得日における資産と負債の公正価値を修正しました。当該調整は、取得日に遡及して反映しております。
当社の子会社である㈱ワコールが、平成27年11月13日付で合弁契約を締結し、タイ王国においてA Tech Textile Co.,Ltd.(以下、A Tech社)及びG Tech Material Co.,Ltd.(以下、G Tech社)を平成28年1月に設立いたしました。なお、平成28年1月27日付で、当該子会社2社とTextile Prestige Public Company Limited(以下、TPC社)及びErawan Textile Company Limited(以下、ETC社)との間でそれぞれ事業譲受契約を締結し、平成28年2月1日に材料事業を譲り受けました。
当該事業譲受に伴う、資産・負債の購入価格としてA Tech社はTPC社に対し、2,350百万円(704百万THB)を見込んでおり、G Tech社はETC社に対し693百万円(208百万THB)にて合意しております。
当社グループは、当該子会社2社を設立することにより、今後の発展・成長が見込めるASEAN域内にてグローバルな材料・製品供給体制を築き、グループ全体の製造品質とコスト競争の向上を実現するとともに、将来にわたって世界のワコールグループとお客様に付加価値の高い材料・製品を安定供給することを目指してまいります。
なお、当該子会社2社の決算日は12月31日でありますが、連結決算日である3月31日との差異期間に発生した財政状態及び経営成績に与える重要な影響を考慮し、当連結会計年度において、当該子会社2社の設立と事業の譲受を反映させております。
A Tech社及びG Tech社の投資価額を配分した結果、それぞれ246百万円及び223百万円ののれんを認識し、連結貸借対照表に計上しております。のれんについては税務上損金とはなりません。
取得日において、A Tech社及びG Tech社が譲り受けた事業の資産と負債の暫定的な公正価値は以下のとおりであります。
平成28年2月1日 | |||
A Tech社 | G Tech社 | ||
現金及び現金同等物 | 210百万円 | -百万円 | |
売掛債権 | 557 | 150 | |
たな卸資産 | 608 | 101 | |
その他の流動資産 | 18 | 4 | |
有形固定資産 | 1,243 | 342 | |
のれん | 246 | 223 | |
その他の固定資産 | - | 1 | |
資産合計 | 2,882 | 821 | |
流動負債 | 281 | 82 | |
その他の固定負債 | 251 | 46 | |
負債合計 | 532 | 128 | |
株主資本合計 | 2,350 | 693 |
なお、決算日後の平成28年5月31日において、資産・負債の購入価格としてA Tech社はTPC社に対し、2,334百万円(699百万THB)にて合意しました。その結果、のれんの金額は230百万円となり、16百万円の減額が必要となりました。当該修正については、測定期間内の修正として平成29年3月期第1四半期連結会計期間に反映いたします。
F のれん及びその他の無形固定資産
のれん
平成27年3月期及び平成28年3月期におけるオペレーティング・セグメント別ののれんの帳簿価額の変動は以下のとおりであります。
平成27年3月期 | |||||
ワコール事業(海外) | ピーチ・ジョン事業 | 合計 | |||
期首残高 | |||||
取得価額 | 13,553百万円 | 11,203百万円 | 24,756百万円 | ||
減損損失累計額 | - | △2,033 | △2,033 | ||
帳簿価額 | 13,553 | 9,170 | 22,723 | ||
減損損失 | - | △4,845 | △4,845 | ||
為替換算調整額 | 872 | - | 872 | ||
期末残高 | |||||
取得価額 | 14,425 | 11,203 | 25,628 | ||
減損損失累計額 | - | △6,878 | △6,878 | ||
帳簿価額 | 14,425 | 4,325 | 18,750 |
平成28年3月期 | |||||
ワコール事業(海外) | ピーチ・ジョン事業 | 合計 | |||
期首残高 | |||||
取得価額 | 14,425百万円 | 11,203百万円 | 25,628百万円 | ||
減損損失累計額 | - | △6,878 | △6,878 | ||
帳簿価額 | 14,425 | 4,325 | 18,750 | ||
当期中の取得 | 469 | - | 469 | ||
為替換算調整額 | △1,308 | - | △1,308 | ||
期末残高 | |||||
取得価額 | 13,586 | 11,203 | 24,789 | ||
減損損失累計額 | - | △6,878 | △6,878 | ||
帳簿価額 | 13,586 | 4,325 | 17,911 |
「ピーチ・ジョン事業」ののれんについて、平成27年3月期において、4,845百万円を「のれん減損損失」として計上しており、「ピーチ・ジョン事業」の営業費用に含めております。公正価値の測定については、「注記2-S 公正価値の測定」に記載しております。
その他の無形固定資産
平成27年3月31日及び平成28年3月31日におけるのれんを除く無形固定資産の内訳は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | 平成28年3月31日 | ||||||
取得価額 | 償却累計額及び減損損失累計額 | 取得価額 | 償却累計額及び減損損失累計額 | ||||
償却対象 | |||||||
ブランド | 7,440百万円 | 999百万円 | 6,766百万円 | 1,212百万円 | |||
ソフトウェア | 8,271 | 5,035 | 8,034 | 4,597 | |||
その他 | 1,570 | 605 | 1,646 | 633 | |||
計 | 17,281 | 6,639 | 16,446 | 6,442 |
非償却対象 | |||||||
商標権 | 5,316 | 3,322 | 5,316 | 3,322 | |||
その他 | 103 | - | 114 | - | |||
計 | 5,419 | 3,322 | 5,430 | 3,322 |
平成28年3月期に取得したその他の無形固定資産は1,432百万円であります。主なものはソフトウェアであり、見積耐用年数は5年であります。
なお、ブランドについては為替換算調整額が含まれております。
㈱ピーチ・ジョンの商標権について、平成27年3月31日において、再評価を行った結果、1,176百万円を「その他の無形固定資産減損損失」に計上しており、「ピーチ・ジョン事業」の営業費用に含めております。なお、平成28年3月期においては、減損損失を認識しておりません。公正価値の測定については、「注記2-S 公正価値の測定」に記載しております。
その他の無形固定資産に係る平成27年3月期及び平成28年3月期における償却費の総額と翌期以降の償却費に計上される見込額は以下のとおりであります。
償却費総額 | |
平成27年3月期 | 1,536百万円 |
平成28年3月期 | 1,537 |
償却費見込額 | |
平成29年3月期 | 1,355 |
平成30年3月期 | 1,273 |
平成31年3月期 | 1,042 |
平成32年3月期 | 783 |
平成33年3月期 | 499 |
計 | 4,952 |
G 短期借入金及び長期債務
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における短期借入金の内訳は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | 平成28年3月31日 | ||
無担保銀行借入金 | 10,038百万円 | 11,759百万円 |
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における短期借入金の加重平均利率はいずれも0.4%であります。平成27年3月31日及び平成28年3月31日における短期銀行借入に係る未使用の信用枠は、それぞれ25,189百万円及び24,779百万円であります。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における長期債務の内訳は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | 平成28年3月31日 | ||
担保付銀行借入金 | 271百万円 | 231百万円 | |
固定利率:1.5%~1.8% | |||
最終返済期日:平成34年3月期 | |||
無担保銀行借入金 | 3,957 | - | |
変動利率:1.0% | |||
最終返済期日:平成28年3月期 | |||
無担保銀行借入金 | 551 | 157 | |
固定利率:0.2%~1.5% | |||
最終返済期日:平成34年3月期 | |||
計 | 4,779 | 388 | |
1年内返済予定額 | △534 | △293 | |
差引 | 4,245 | 95 |
平成28年3月31日における長期債務の年度別返済予定額は以下のとおりであります。
平成29年3月期 | 293百万円 |
平成30年3月期 | 20 |
平成31年3月期 | 20 |
平成32年3月期 | 20 |
平成33年3月期 | 20 |
平成34年3月期以降 | 15 |
計 | 388 |
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における一部の子会社が担保に供している資産は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | 平成28年3月31日 | ||
帳簿価額 | 帳簿価額 | ||
土地 | 150百万円 | 150百万円 | |
建物 | 258 | 236 | |
計 | 408 | 386 |
日本における慣行として、短期及び長期の借入金については、貸主である銀行と一般的な取引約定書を締結しており、この約定のもとでは、銀行からの要求があれば、現在及び将来の債務に対し、担保や保証の提供を行うことがあります。また銀行は支払期限の到来した債務と銀行預金とを相殺し、また、債務不履行の場合には全ての債務と相殺する権利を有しております。
H リース取引
当社グループは、オペレーティング・リース契約により、大部分の直営店舗やその他の設備等を賃借しております。大部分のリース契約は自動更新条項を含んでおり、リース契約開始時の取り決めに従い、当初のリース期間を延長することが可能となっております。
平成28年3月31日における解約不能のオペレーティング・リースに係る最低賃借料は以下のとおりであります。
平成29年3月期 | 716百万円 |
平成30年3月期 | 566 |
平成31年3月期 | 344 |
平成32年3月期 | 102 |
平成33年3月期 | 81 |
平成34年3月期以降 | 89 |
計 | 1,898 |
オペレーティング・リース賃借料総額は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ6,476百万円及び7,902百万円であり、販売費及び一般管理費に計上しております。
I 資産除去債務
当社グループは、リース契約の終了時におけるリース物件の原状回復費用に係る法的債務について、公正価値により資産除去債務として計上しております。
平成27年3月期及び平成28年3月期における資産除去債務の変動は以下のとおりであります。
平成27年3月期 | 平成28年3月期 | ||
期首残高 | 728百万円 | 777百万円 | |
増加費用 | 8 | 20 | |
当期発生 | 66 | 157 | |
当期決済 | △32 | △74 | |
為替変動による影響 | 7 | △2 | |
期末残高 | 777 | 878 |
J 退職金及び退職年金
従業員退職年金制度
当社及び一部の子会社は、ほぼすべての従業員を対象として退職金及び退職年金制度を有しております。その金額は従業員の勤務年数、会社での職責及び成果に基づいて決められております。退職が自己都合によるもの以外又は死亡による場合は、通常自己都合の場合よりも多い金額を受け取ることができます。
当社及び一部の子会社はいくつかの退職金制度を有しており、確定給付企業年金制度及び外部拠出のない退職一時金制度等が採用されております。
確定給付企業年金制度のもとでは、退職金は、定年や早期退職の場合は一括で支給されますが、一定の条件で年金とすることもできます。
その他の年金制度は、退職一時金の支給と一定の条件での年金支給のどちらかとなりますが、従業員が定年に達する前に退職する場合は、通常、一括で支給されます。
確定給付年金制度
保険数理計算に基づいて算定された将来支給予測額の現価額、年金資産の公正価値の増減及び関連情報は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | 平成28年3月31日 | ||
退職給付債務の現価額の増減 | |||
退職給付債務の現価額の期首残高 | 33,712百万円 | 34,085百万円 | |
勤務費用 | 1,021 | 1,074 | |
利息費用 | 417 | 321 | |
従業員負担の拠出額 | 66 | 66 | |
保険数理計算に基づく数理差異 | 1,001 | 1,893 | |
年金資産からの年金給付額 | △908 | △950 | |
年金資産からの一時金給付額 | △1,075 | △850 | |
会社からの一時金給付額 | △149 | △100 | |
為替変動による影響 | - | △6 | |
連結範囲変更に伴う増加額 | - | 244 | |
退職給付債務の現価額の期末残高 | 34,085 | 35,777 | |
年金資産の公正価値の増減 | |||
年金資産の期首残高 | 37,738 | 43,137 | |
年金資産の実際運用収益 | 5,565 | △516 | |
会社負担の年金拠出額 | 1,751 | 1,275 | |
従業員負担の拠出額 | 66 | 66 | |
年金給付額 | △908 | △950 | |
一時金給付額 | △1,075 | △850 | |
為替変動による影響 | - | △6 | |
年金資産の期末残高 | 43,137 | 42,156 | |
積立状況 | 9,052 | 6,379 |
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における連結貸借対照表での認識額は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | 平成28年3月31日 | ||
前払年金費用 | 10,577百万円 | 8,145百万円 | |
未払費用 | △63 | △63 | |
退職給付に係る負債 | △1,462 | △1,703 | |
計 | 9,052 | 6,379 |
平成27年3月31日及び平成28年3月31日におけるその他包括損益累計額での認識額は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | 平成28年3月31日 | ||
数理差異 | 2,573百万円 | △1,264百万円 | |
過去勤務債務 | 1,098 | 607 | |
計 | 3,671 | △657 |
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における確定給付年金制度の累積給付債務残高は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | 平成28年3月31日 | ||
累積給付債務 | 34,085百万円 | 35,777百万円 |
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における予測給付債務が年金資産の公正価値を上回る退職給付制度の予測給付債務残高と年金資産の公正価値及び累積給付債務が年金資産の公正価値を上回る退職給付制度の累積給付債務残高と年金資産の公正価値は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | 平成28年3月31日 | ||
予測給付債務が年金資産の公正価値を上回る退職給付制度 | |||
予測給付債務 | 2,342百万円 | 2,659百万円 | |
年金資産の公正価値 | 817 | 893 | |
累積給付債務が年金資産の公正価値を上回る退職給付制度 | |||
累積給付債務 | 2,342 | 2,659 | |
年金資産の公正価値 | 817 | 893 |
平成27年3月期及び平成28年3月期における純期間年金費用は以下の項目から構成されております。
平成27年3月期 | 平成28年3月期 | ||
勤務費用 | 1,021百万円 | 1,074百万円 | |
利息費用 | 417 | 321 | |
年金資産の長期期待運用収益 | △865 | △967 | |
数理差異の償却額 | 220 | △461 | |
過去勤務債務の償却額 | △492 | △491 | |
純期間年金費用 | 301 | △524 |
数理差異と過去勤務債務の未償却残高については、12年の平均残存勤務年数にわたって、それぞれ定率法及び定額法により償却しております。
平成27年3月期及び平成28年3月期におけるその他包括損益に認識された年金資産及び退職給付債務の変動は以下のとおりであります。
平成27年3月期 | 平成28年3月期 | ||
数理差異の当期発生額 | 3,699百万円 | △3,376百万円 | |
数理差異の償却額 | 220 | △461 | |
過去勤務債務の償却額 | △492 | △491 | |
計 | 3,427 | △4,328 |
翌期においてその他包括損益累計額から償却されると見込まれる金額は、以下のとおりであります。
数理差異 | 216百万円 |
過去勤務債務 | △486 |
当社及び一部の子会社は3月31日を退職給付債務の測定日としております。平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、退職給付債務及び純期間年金費用の算定に用いた前提条件は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | 平成28年3月31日 | ||
前提条件 | |||
保険数理上の前提条件-退職給付債務 | |||
割引率 | 1.0% | 0.5% | |
保険数理上の前提条件-純期間年金費用 | |||
割引率 | 1.3% | 1.0% | |
給与水準の予想上昇率 | 7.6 | 5.3 | |
年金資産の長期期待運用収益率 | 2.5 | 2.5 |
当社及び一部の子会社は、国内社債の利回りに基づいて割引率を設定しております。具体的には割引率は平成28年3月31日における国内社債のうち満期までの期間が予想される将来の給付支払の時期までの期間と同じ銘柄の利回りを基礎としております。
当社及び一部の子会社はポイント制を採用しているため、退職給付債務の算定に際して、昇給率を使用しておりません。
長期期待運用収益率は、持分証券及び負債証券等の投資対象資産グループ別の長期期待運用収益に基づいて設定しております。各投資対象資産の長期期待運用収益率は、時系列データに基づいた経済成長率並びにインフレ率についての予測に基づいて決定しております。長期期待運用収益率は持分証券26.0%、負債証券54.0%、生保一般勘定18.0%及び短期資金2.0%の資産構成を前提として算定しております。
当社及び一部の子会社の投資政策は、実際のポートフォリオを目標となる資産構成の予定範囲内で維持していくことであります。投資は、多様化されており、主に持分証券や負債証券で構成されております。当社及び一部の子会社は、退職年金の見積り支給時期別の支給額に対して適切なポートフォリオを設定していると考えております。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における当社及び一部の子会社の年金資産の構成は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | 平成28年3月31日 | ||
持分証券 | 49.4% | 46.4% | |
負債証券 | 29.8 | 30.6 | |
生保一般勘定 | 12.0 | 12.2 | |
不動産 | 1.4 | 3.9 | |
短期資金 | 7.4 | 6.9 |
目標となる年金資産の構成は、年金委員会で検討し承認されております。平成27年3月31日及び平成28年3月31日における年金資産の構成が想定と異なるのは、年金委員会が関与していない持分証券の追加拠出によるものであります。㈱ワコールと従業員との間の契約に基づき、㈱ワコールは一定の持分証券を年金資産として追加拠出しております。したがって、年金資産全体に対する持分証券の実際に占める割合は想定より高くなっており、同様に、年金資産に負債証券等が実際に占める割合は想定より低くなっております。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日における公正価値のレベルによって区分した当社及び一部の子会社の年金資産の内訳は以下のとおりであります。なお、各レベルの内容については「注記2-S 公正価値の測定」に記載しております。
平成27年3月31日 | |||||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||
持分証券 | |||||||
国内株式 | 9,424百万円 | -百万円 | -百万円 | 9,424百万円 | |||
合同運用信託 | - | 11,552 | - | 11,552 | |||
負債証券 | |||||||
外国国債 | 17 | - | - | 17 | |||
合同運用信託 | - | 9,717 | - | 9,717 | |||
生保一般勘定 | - | 5,164 | - | 5,164 | |||
その他 | |||||||
ヘッジファンド | - | 1,194 | - | 1,194 | |||
合同運用信託 | - | 3,301 | - | 3,301 | |||
短期資金 | - | 2,768 | - | 2,768 | |||
9,441 | 33,696 | - | 43,137 |
(注)1 持分証券の合同運用信託は、約25%を国内株式、約75%を外国株式に投資しております。
2 負債証券の合同運用信託は、約28%を国債、約3%を地方債、約33%を外国国債、約36%を社債に投資しております。
3 ヘッジファンドは、すべて負債証券のロング・ショートファンドとなっております。
4 その他の合同運用信託は、約58%を社債、約2%を国内株式、約10%を海外株式、約18%を不動産、約12%を短期資金に投資しております。
平成28年3月31日 | |||||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||
持分証券 | |||||||
国内株式 | 9,508百万円 | -百万円 | -百万円 | 9,508百万円 | |||
合同運用信託 | - | 9,397 | - | 9,397 | |||
負債証券 | |||||||
外国国債 | 25 | - | - | 25 | |||
合同運用信託 | - | 9,139 | - | 9,139 | |||
生保一般勘定 | - | 5,135 | - | 5,135 | |||
その他 | |||||||
ヘッジファンド | - | 1,273 | - | 1,273 | |||
合同運用信託 | - | 6,288 | - | 6,288 | |||
短期資金 | - | 1,391 | - | 1,391 | |||
9,533 | 32,623 | - | 42,156 |
(注)1 持分証券の合同運用信託は、約32%を国内株式、約68%を外国株式に投資しております。
2 負債証券の合同運用信託は、約27%を国債、約4%を地方債、約36%を外国国債、約33%を社債に投資しております。
3 ヘッジファンドは、すべて負債証券のロング・ショートファンドとなっております。
4 その他の合同運用信託は、約39%を社債、約2%を国内株式、約8%を海外株式、約27%を不動産、約24%を短期資金に投資しております。
持分証券と負債証券のうちレベル1に区分されるものは、主に同一商品の公表価格により評価しております。レベル2に区分される持分証券又は負債証券の合同運用信託とヘッジファンドは、それらを構成する商品と同一商品の活発な市場又は活発でない市場における公表価格をもとにした運用機関の評価を使用しております。生保一般勘定は契約時に定められた元本及び利息が保証されており、元本と予定利率に基づき評価をしております。
当社及び一部の子会社は、日本の税法で認められた方法に基づいて計算された金額の拠出を年金資産への拠出の基本的な方針としております。当社及び一部の子会社は平成29年3月31日終了連結会計年度において、退職年金制度に対して640百万円の拠出を見込んでおります。
将来にわたる予想給付額は以下のとおりであります。
平成29年3月期 | 1,928百万円 |
平成30年3月期 | 1,951 |
平成31年3月期 | 2,032 |
平成32年3月期 | 1,951 |
平成33年3月期 | 1,896 |
平成34年3月期以降 | 9,342 |
確定拠出年金制度
一部の子会社は確定拠出年金制度を採用しております。平成27年3月期及び平成28年3月期において、費用として計上された確定拠出年金制度への拠出額はそれぞれ、203百万円及び219百万円であります。
選択定年退職加算金制度
当社及び一部の子会社は選択定年退職加算金制度を有しており、対象となる従業員には退職時年齢加算金を支給しております。退職時年齢加算金は退職金規定における退職金に加算して支給され、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ114百万円及び125百万円を支給しており、販売費及び一般管理費に計上しております。
役員退職慰労金制度
当社及び一部の子会社は役員に対する退職慰労金制度を有しております。役員退職慰労金は退任時に一括して支払われ、支払前に株主総会の承認が必要となります。平成17年6月に当社は株主総会の承認を得て、この役員退職慰労金制度を廃止しました。各個人に対する退職金は平成17年6月29日付で固定され、それぞれの役員が退任するまで凍結されます。平成27年3月31日及び平成28年3月31日における当社及び一部の子会社の当該負債の残高は、それぞれ399百万円及び340百万円であり、これらはその他の固定負債に計上しております。その他一部の子会社については、引き続き退職慰労金制度を有し、米国財務会計基準審議会会計基準書715「報酬-退職給付」に従い、役員が期末において退任した場合の要支給額を退職給付に係る負債として計上しておりましたが、平成28年3月期において当該制度は廃止されております。なお、平成27年3月31日における役員退職慰労金の残高は218百万円でしたが、平成28年3月31においては残高はありません。
K 契約債務及び偶発債務
当社は、平成26年10月20日に京都市南区に新設する事務所建物新築工事に関連し、63億95百万円の工事管理契約及び工事請負契約を締結しました。
平成27年3月31日における当該契約に係る契約債務は57億63百万円であります。なお、平成28年3月31日においては当該契約債務の残存期間が1年以内となったことから、契約債務の金額は記載しておりません。
L 株式報酬制度
当社は、当社及び当社子会社である㈱ワコールの取締役(社外取締役は除く)を対象に、株価上昇によるメリットのみならず株価下落によるリスクまでも株主の皆様と共有し、株価上昇及び企業価値向上への貢献意欲を一層高めること等を目的として、新株予約権を割り当てる株式報酬型ストックオプション制度を採用しております。付与対象者は、新株予約権を行使することにより株式1株当たりの払込金額を1円とした新株予約権1個当たり当社の普通株式1,000株の交付を受けることができます。株式報酬費用は、付与日の公正価値で見積もられ、受給権確定期間にわたって費用配分しております。
新株予約権は、取締役委任期間1年間で比例的に確定し、当社及び㈱ワコールの取締役、監査役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日より5年が経過する日と付与日から20年を経過する日のいずれか早く到来する日までの間行使可能であります。
なお、当期に付与した公正価値の見積りには、ブラック・ショールズ・モデルを用いており、その見積りに使用した基礎数値は次のとおりであります。見積り配当率は、当社の過去1年間の実績配当金及び付与日における当社株式の終値に基づいております。見積りボラティリティは、当社の見積り権利行使期間に対応した過去の日次株価のボラティリティに基づいております。リスク・フリー利子率は、見積り権利行使期間に対応した日本国債の付与日時点の利率に基づいております。見積り権利行使期間は、対象となる取締役が内規で定められた退職年齢まで取締役として勤務し、地位喪失と同時に権利行使すると仮定した場合の全取締役の平均残存勤務期間に基づいております。
平成27年3月期 | 平成28年3月期 | ||
公正価値見積りの基礎数値 | |||
見積り配当率 | 3.2% | 2.0% | |
見積りボラティリティ | 18.7% | 20.9% | |
リスク・フリー利子率 | 0.1% | 0.0% | |
見積り権利行使期間 | 3.1年 | 2.6年 |
平成28年3月期におけるストックオプションの増減は以下のとおりであります。
株数 (株) | 加重平均 行使価格 (円) | 加重平均 残存期間 (年) | 本源的 価値総額 (百万円) | ||||
期首現在未行使残高 | 404,000 | 1 | |||||
当期付与 | 49,000 | 1 | |||||
当期権利行使 | 22,000 | 1 | |||||
期末現在未行使残高 | 431,000 | 1 | 13.99 | 578 | |||
期末現在行使可能残高 | 84,000 | 1 | 3.77 | 113 |
平成27年3月期及び平成28年3月期において、行使されたストックオプションの本源的価値総額は、それぞれ6百万円及び31百万円であります。
販売費及び一般管理費に計上された株式報酬費用及び繰延税額は、平成27年3月期において、それぞれ60百万円及び21百万円、平成28年3月期において、それぞれ67百万円及び21百万円であります。
平成27年3月期及び平成28年3月期において、付与されたストックオプションの付与日における公正価値の加重平均は、それぞれ937円及び1,419円であります。
平成28年3月31日において、権利が確定していない新株予約権に関連する未認識費用は13百万円であり、この費用は今後3ヶ月にわたって認識される予定です。
M 資本
平成27年3月期及び平成28年3月期における当社株主に帰属する当期純利益及び非支配持分株主との資本取引による資本剰余金の変動額の内訳は以下のとおりであります。
平成27年3月期 | 平成28年3月期 | ||
当社株主に帰属する当期純利益 | 8,444百万円 | 11,159百万円 | |
非支配持分株主との資本取引に伴う資本剰余金の変動額 | |||
追加持分の取得 | 0 | - | |
当社株主に帰属する当期純利益及び 非支配持分株主との資本取引に伴う資本剰余金の変動額 | 8,444 | 11,159 |
N その他の包括損益
平成27年3月期及び平成28年3月期におけるその他の包括損益累計額の変動額は以下のとおりであります。
平成27年3月期 | |||||
為替換算調整勘定 | 未実現有価証券 評価損益 (注)1 | 年金債務調整勘定 (注)2 | |||
期首残高(税引後) | 2,310百万円 | 11,606百万円 | △227百万円 | ||
当期発生額 | |||||
税引前 | 9,019 | 15,809 | 3,651 | ||
税金費用 | △348 | △5,593 | △1,319 | ||
税引後 | 8,671 | 10,216 | 2,332 | ||
再組替調整額 | |||||
税引前 | - | △1,513 | △272 | ||
税金費用 | - | 539 | 96 | ||
税引後 | - | △974 | △176 | ||
非支配持分に帰属する その他の包括損益(税引後) | △150 | △27 | 5 | ||
期末残高(税引後) | 10,831 | 20,821 | 1,934 |
平成28年3月期 | |||||
為替換算調整勘定 | 未実現有価証券 評価損益 (注)1 | 年金債務調整勘定 (注)2 | |||
期首残高(税引後) | 10,831百万円 | 20,821百万円 | 1,934百万円 | ||
当期発生額 | |||||
税引前 | △5,890 | △4,169 | △3,418 | ||
税金費用 | 220 | 1,336 | 1,091 | ||
税引後 | △5,670 | △2,833 | △2,327 | ||
再組替調整額 | |||||
税引前 | - | △70 | △952 | ||
税金費用 | - | 23 | 308 | ||
税引後 | - | △47 | △644 | ||
非支配持分に帰属する その他の包括損益(税引後) | 16 | 25 | 2 | ||
期末残高(税引後) | 5,177 | 17,966 | △1,035 |
(注)1.未実現有価証券評価損益の再組替調整額(税引前)は、有価証券・投資売却及び交換損益(純額)、有価証券・投資評価損に含まれております。
2.年金債務調整勘定の再組替調整額(税引前)は、期間純年金費用として売上原価と販売費及び一般管理費に含まれております。
O 法人税等
税引前当期純利益と法人税等の国内と国外の内訳は以下のとおりであります。
平成27年3月期 | 平成28年3月期 | ||
税引前当期純利益 | |||
国内 | 19,902百万円 | 24,002百万円 | |
国外 | △8,560 | △9,045 | |
計 | 11,342 | 14,957 |
法人税等 | 平成27年3月期 | 平成28年3月期 | |
当期税額 | |||
国内 | 3,852百万円 | 1,666百万円 | |
国外 | 1,371 | 1,776 | |
小計 | 5,223 | 3,442 |
繰延税額 | |||
国内 | △1,983 | 1,483 | |
国外 | 63 | △195 | |
小計 | △1,920 | 1,288 | |
合計 | 3,303 | 4,730 |
わが国における法人所得税は、法人税、住民税及び事業税からなっており、これらわが国における税金の法定税率を基礎として計算した法定実効税率は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ35.6%及び33.1%であります。また、海外子会社に対しては、その所在国における法人所得税が課せられます。
連結損益計算書上の法人税等負担率は、以下の事由により法定実効税率と相違しております。
平成27年3月期 | 平成28年3月期 | ||
法定実効税率 | 35.6% | 33.1% | |
増加(△減少)の理由 | |||
損金不算入費用 | 3.6 | 2.8 | |
評価性引当金 | △9.4 | 1.1 | |
関係会社の未分配利益 | △0.5 | 0.1 | |
海外子会社の税率差 | △3.3 | △1.2 | |
税額控除 | △0.1 | △0.2 | |
未認識税務ベネフィット | 0.0 | △0.1 | |
のれん減損損失 | 15.2 | - | |
税率変更による影響 | △10.7 | △3.0 | |
その他 | △1.4 | △1.0 | |
法人税等負担率 | 29.0 | 31.6 |
「所得税法等の一部を改正する法律」(平成27年法律第9号)及び「地方税法等の一部を改正する法律」(平成27年法律第2号)が平成27年3月31日に公布され、平成27年4月1日以後に開始する連結会計年度から法人税率等の引下げ等が行われることとなりました。これに伴い、当連結会計年度から、当社及び主たる国内子会社において、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率は、従来の35.6%から平成27年4月1日に開始する連結会計年度に解消が見込まれる一時差異については、33.1%に、平成28年4月1日に開始する連結会計年度以降に解消が見込まれる一時差異については32.3%となります。
この税率変更により、平成27年3月期において、繰延税金資産及び繰延税金負債の取り崩しが行われ、繰延税額は1,209百万円減少しております。
「所得税法等の一部を改正する法律」(平成28年法律第15号)及び「地方税法等の一部を改正する等の法律」(平成28年法律第13号)が平成28年3月29日に国会で成立し、平成28年4月1日以後に開始する連結会計年度から法人税率等の引下げ等が行われることとなりました。これに伴い、当社及び主たる国内子会社において、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率は、前連結会計年度の計算において使用した32.3%から平成28年4月1日に開始する連結会計年度及び平成29年4月1日に開始する連結会計年度に解消が見込まれる一時差異については30.9%に、平成30年4月1日に開始する連結会計年度以降に解消が見込まれる一時差異については30.6%となります。
この税率変更により、平成28年3月期において、繰延税金資産及び繰延税金負債の取り崩しが行われ、繰延税額は454百万円減少しております。
繰延税金資産・負債を構成する一時差異と繰越欠損金の内訳は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | 平成28年3月31日 | ||||||
繰延税金資産 | 繰延税金負債 | 繰延税金資産 | 繰延税金負債 | ||||
返品調整引当金 | 737百万円 | -百万円 | 638百万円 | -百万円 | |||
貸倒引当金 | 43 | - | 17 | - | |||
未払金 | 136 | - | 139 | - | |||
在庫の評価減 | 1,058 | - | 964 | - | |||
賞与引当金 | 1,067 | - | 1,038 | - | |||
有価証券・投資評価損 | 1,273 | - | 1,118 | - | |||
固定資産圧縮記帳 | - | 1,200 | - | 1,126 | |||
関係会社の未分配利益 | - | 2,731 | - | 2,564 | |||
有価証券・投資の未実現損益 | - | 11,411 | - | 9,395 | |||
投資の交換益 | - | 961 | - | 818 | |||
長期前払費用 | 215 | - | 167 | - | |||
事業税 | 204 | - | 86 | - | |||
有給休暇の未払 | 771 | - | 743 | - | |||
資産除去債務 | 253 | - | 277 | - | |||
前払年金費用 | - | 2,825 | - | 1,872 | |||
退職給付に係る負債 | 430 | - | 415 | - | |||
減価償却超過及び減損損失 | 1,214 | - | 1,439 | - | |||
繰越欠損金 | 3,300 | - | 2,017 | - | |||
無形固定資産 | - | 2,276 | - | 2,017 | |||
その他の一時差異 | 974 | 62 | 577 | 203 | |||
小計 | 11,675 | 21,466 | 9,635 | 17,995 | |||
評価性引当金 | △2,535 | - | △2,360 | - | |||
合計 | 9,140 | 21,466 | 7,275 | 17,995 |
平成27年3月期及び平成28年3月期における評価性引当金の変動額はそれぞれ1,481百万円及び175百万円の減少であります。
当社は、平成26年11月28日において、平成27年4月1日付で当社の子会社である㈱ルシアンの事業を新設会社へ継承させる会社分割を行うこと、また、㈱ルシアンを㈱ワコールへ吸収合併することを決議しました。
これに伴い、㈱ルシアンにおいて、回収不能と判断していた繰延税金資産の内、㈱ワコールへ引き継がれる繰延税金資産を回収可能と判断し、1,398百万円の税効果を認識しております。
また、平成27年3月期及び平成28年3月期において、繰越欠損金をそれぞれ811百万円及び189百万円使用し、246百万円及56百万円の便益を認識しております。
平成28年3月31日における一部の子会社の税務上の繰越欠損金使用期限別残高は以下のとおりであり、将来の課税所得と相殺されます。
平成29年3月期 | 351百万円 |
平成30年3月期 | 321 |
平成31年3月期 | 543 |
平成32年3月期 | 786 |
平成33年3月期 | 95 |
平成34年3月期 | 4 |
平成35年3月期 | - |
平成36年3月期 | 42 |
平成37年3月期 | 330 |
平成38年3月期以降 | 4,159 |
計 | 6,631 |
平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、永久的に再投資すると考えている海外子会社及び海外合弁会社の未分配利益はありません。
平成27年3月期及び平成28年3月期における未認識税務ベネフィットの期首残高と期末残高の調整は次のとおりであります。
平成27年3月期 | 平成28年3月期 | ||
期首残高 | 296百万円 | 312百万円 | |
当期の税務ポジションに関連する増加 | 16 | 1 | |
前期以前の税務ポジションに関連する減少 | - | △13 | |
期末残高 | 312 | 300 |
未認識税務ベネフィットのうち、認識された場合、実効税率に影響を与える金額は平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、それぞれ312百万円及び300百万円であります。
当社グループは、未認識税務ベネフィットに関連する利息と課徴金については連結損益計算書における法人税等に含めております。平成27年3月期及び平成28年3月期において、連結損益計算書で認識された利息及び課徴金の金額には重要性はありません。
当社グループは、日本及び海外各国の税務当局に法人税の申告をしております。日本では、平成26年度以前の連結会計年度について、いくつかの例外を除いて、税務当局の通常の税務調査が終了しております。他の国においては、平成22年度以前の連結会計年度について、いくつかの例外を除いて、税務当局の通常の税務調査が終了しております。また、国内及び米国の一部の子会社において、それぞれ平成19年度及び平成22年度までの移転価格税制の調査が終了しております。
P 関連当事者との取引
当社グループは、国内外の関連会社から商品供給を受けております。関連会社からの製品仕入額は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ2,581百万円及び2,468百万円であり、平成27年3月31日及び平成28年3月31日における買掛金残高はそれぞれ142百万円及び188百万円であります。
さらに、当社グループは、関連会社に材料及び製品を供給しております。関連会社への製品の売上額は、平成27年3月期及び平成28年3月期において、それぞれ386百万円及び335百万円であり、平成27年3月31日及び平成28年3月31日における売掛金残高はそれぞれ70百万円及び97百万円であります。
当社グループは、関連会社よりワコールブランドのロイヤルティを受け取っております。平成27年3月期及び平成28年3月期において、当該ロイヤルティ収益はそれぞれ288百万円及び266百万円であります。また平成27年3月31日及び平成28年3月31日における連結貸借対照表のその他の流動資産に含まれる関連会社に対する未収金はそれぞれ219百万円及び225百万円であります。
Q 1株当たり情報
1株当たりの当社株主に帰属する当期純利益は、発行済の普通株式の加重平均株式数に基づき算出しております。なお、潜在株式調整後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益については、ストックオプションが行使され発行済株式数が増加した場合の希薄化への影響を考慮して算出しております。
平成27年3月期 | 平成28年3月期 | ||
純利益(分子) | |||
当社株主に帰属する当期純利益 | 8,444百万円 | 11,159百万円 | |
株式数(分母) | |||
基本的1株当たり純利益算定のための 加重平均株式数 | 140,839,059株 | 140,842,184株 | |
ストックオプションの付与による 希薄化の影響 | 364,939 | 413,057 | |
希薄化後の1株当たり純利益算定の ための加重平均株式数 | 141,203,998 | 141,255,241 |
R 金融商品及びリスクの集中
公正価値
平成27年3月31日 | |||
帳簿価額 | 公正価値 | ||
資産 | |||
有価証券(注記2-A,S) | 2,387百万円 | 2,386百万円 | |
投資(注記2-A,S) | 58,668 | 58,665 | |
為替予約(注記2-S) | 209 | 209 | |
資産合計 | 61,264 | 61,260 | |
負債 | |||
長期債務(1年内返済予定含む) | △4,779 | △4,780 | |
負債合計 | △4,779 | △4,780 |
平成28年3月31日 | |||
帳簿価額 | 公正価値 | ||
資産 | |||
有価証券(注記2-A,S) | 1,880百万円 | 1,879百万円 | |
投資(注記2-A,S) | 54,733 | 54,730 | |
資産合計 | 56,613 | 56,609 | |
負債 | |||
為替予約(注記2-S) | △297 | △297 | |
長期債務(1年内返済予定含む) | △388 | △389 | |
負債合計 | △685 | △686 |
市場性のない有価証券及び投資は、公正価値を容易に算定することができません。詳細は「注記2-A 有価証券及び投資」に記載しております。その他の金融商品は、残存期間が短いため、連結貸借対照表計上額と公正価値とは概ね等しくなっております。
為替予約
当社グループは、外国為替の変動に伴うリスクにさらされており、これらのリスクを管理するために為替予約契約を使用しております。これらの為替予約契約をヘッジとして指定していないため、公正価値の変動は当期の損益として計上しております。
有価証券及び投資
満期保有目的有価証券は、平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、有価証券及び投資に分類しております。これらの満期保有目的有価証券の公正価値は、レベル1に基づいて測定しております。その他の有価証券及び投資については、「注記2-A 有価証券及び投資」及び「注記2-S 公正価値の測定」に記載しております。
長期債務
当社グループの長期債務の公正価値は、新たに同一残存期間の借入を同様の条件の下で行う場合に適用される利率を使用し、将来の見積りキャッシュ・フローを割引くことにより算定しております。これらの公正価値はレベル2に基づいて測定しております。
見積りの使用
公正価値の見積りは、関連する市場や金融商品についての情報をもとに、特定の時点において行われております。これらの見積りは当社が実施しており、不確実性と見積りに係る当社の重要な判断を含んでいるため、精緻に計算することはできません。前提条件の変更により、当該見積りに重要な影響を与える可能性があります。
リスクの集中
当社グループの事業は、主として日本の小売業界における多数の取引先に対する婦人下着の販売によって構成されており、その取引先には大手の百貨店、量販店及びその他の一般小売店等が含まれます。なお、取引先1社で売上高の10%以上を構成する販売先はありません。
S 公正価値の測定
米国財務会計基準審議会会計基準書820「公正価値による測定及び開示」は、公正価値を「測定日における市場参加者の間での通常の取引において、資産を売却して受け取る、又は負債を移転するために支払う価格」と定義し、公正価値をその測定のために使用するインプットの内容に応じて3つのレベルに区分することを規定しております。各レベルの内容は以下のとおりであります。
・レベル1・・・測定日現在において入手可能な活発な市場における同一の資産又は負債の公表価格
・レベル2・・・レベル1に含まれる公表価格以外で、直接的又は間接的に観察可能なインプット
・レベル3・・・観察不能なインプット
平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、当社グループが保有する継続的に公正価値で評価を行っている金融資産及び負債の内訳は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | |||||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||
資産 | |||||||
有価証券 | |||||||
地方債 | -百万円 | 10百万円 | -百万円 | 10百万円 | |||
社債 | - | 501 | - | 501 | |||
投資信託 | - | 1,390 | - | 1,390 | |||
小計 | - | 1,901 | - | 1,901 | |||
投資 | |||||||
株式 | 58,048 | - | - | 58,048 | |||
金融派生商品 | |||||||
為替予約 | - | 209 | - | 209 | |||
資産合計 | 58,048 | 2,110 | - | 60,158 | |||
平成28年3月31日 | |||||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||
資産 | |||||||
有価証券 | |||||||
地方債 | -百万円 | 10百万円 | -百万円 | 10百万円 | |||
社債 | - | 395 | - | 395 | |||
投資信託 | - | 1,361 | - | 1,361 | |||
小計 | - | 1,766 | - | 1,766 | |||
投資 | |||||||
株式 | 53,925 | - | - | 53,925 | |||
資産合計 | 53,925 | 1,766 | - | 55,691 | |||
負債 | |||||||
金融派生商品 | |||||||
為替予約 | - | △297 | - | △297 | |||
負債合計 | - | △297 | - | △297 |
有価証券及び投資のうちレベル1に区分されるものは、十分な取引量と頻度のある活発な市場における公表価格を調整せずに用いて評価しております。またレベル2に区分される債券については、活発でない市場における同一商品の公表価格、投資信託については、これを構成する商品と同一商品の活発な市場又は活発でない市場における公表価格をもとにした金融機関の評価を使用しております。「注記2-A 有価証券及び投資」に記載のとおり、有価証券及び投資の公正価値の下落が一時的でないと判断された場合に、評価損を計上しております。
レベル2の為替予約は、金融機関から入手した時価により評価しております。当社が保有する為替予約についてはヘッジとして指定していないため、公正価値の変動は損益として計上しております。平成27年3月期及び平成28年3月期における評価損益はそれぞれ192百万円及び△506百万円であり、その他の損益(純額)として計上しております。また当社は、連結貸借対照表上、金融派生商品を公正価値で評価した金額を計上しており、平成27年3月31日において、その他の流動資産に209百万円計上し、平成28年3月31日おいては、その他の流動負債に297百万円計上しております。
平成27年3月31日及び平成28年3月31日において、非継続的に公正価値で測定される資産は以下のとおりであります。
平成27年3月31日 | |||||||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | 減損額 | |||||
のれん(注記2-F) | -百万円 | -百万円 | 4,325百万円 | 4,325百万円 | △4,845百万円 | ||||
商標権(注記2-F) | - | - | 1,994 | 1,994 | △1,176 | ||||
△6,021 |
平成28年3月31日 | |||||||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | 減損額 | |||||
土地 | -百万円 | -百万円 | 133百万円 | 133百万円 | △233百万円 | ||||
建物及び構築物 | - | - | 0 | 0 | △8 | ||||
機械装置・車両運搬具 及び工具器具備品 | - | - | 0 | 0 | △15 | ||||
△256 |
平成28年3月期において、所有する一部の資産グループについて、外部賃貸資産となったため固定資産の減損を判定した結果、公正価値が帳簿価額を下回っていると判断されたため、帳簿価額366百万円の土地を公正価値の133百万円まで、帳簿価額8百万円の建物及び構築物を公正価値の0百万円まで減損しております。公正価値の測定にあたっては不動産鑑定評価額等に基づき正味売却価額により測定しております。この結果生じた減損損失241百万円については、ワコール事業(国内)の営業費用に含めております。
平成27年3月期において、帳簿価額9,170百万円ののれんについて、公正価値の4,325百万円で評価するとともに減損損失を4,845百万円認識しております。これは市況の悪化に伴い、消費の低迷が続いたことが主な要因となっております。公正価値の測定にあたっては、期待現在価値法を使用し、測定日において市場参加者が公正価値の測定に使用するであろう仮定に関する当社の見積りを反映した、将来キャッシュ・フローや信用リスク調整後の割引率などの観察不能なインプットを考慮しております。
平成27年3月期において、帳簿価額3,170百万円のその他の無形固定資産として計上されている商標権について、公正価値の1,994百万円で評価するとともに減損損失を1,176百万円認識しております。これは市況の悪化に伴い、消費の低迷が続いたことが主な要因となっております。公正価値の測定にあたっては、ロイヤリティ免除法を使用し、測定日において市場参加者が公正価値の測定に使用するであろう仮定に関する当社の見積りを反映した、将来キャッシュ・フロー、ロイヤリティ率、信用リスク調整後の割引率など観測不能なインプットを考慮しております。将来キャッシュ・フローは今後5年間の当社グループの予測に基づくキャッシュ・フロー、5年経過後は永続成長率を0%として見積もられたキャッシュ・フローに基づいております。キャッシュ・フローの予測には、報告単位ごとの期待収益成長率、利益率、運転資本比率が含まれております。ロイヤリティ率は、通常の取引で使用される割合に基づいて算出される価値を見積もって算定しております。リスク調整後割引率は、資本資産評価モデルにより決定した、加重平均資本コストに商標権に固有のリスクを調整したものを使用しております。
評価プロセス
レベル3に分類される資産、負債について、社内で承認された公正価値測定に係る評価方法を含む評価方針及び手続に従い、経理担当者又は資産評価担当者が各対象資産、負債の評価方法を決定し、公正価値を測定しております。一定金額を超える対象資産については、外部の評価専門家を利用し、その評価結果は経理担当者又は資産評価担当者がレビューしております。公正価値測定の結果は外部者評価結果を含め、帳簿計上前に経理及び資産評価部門管理者がレビューを行い、承認しております。
レベル3に分類される資産に関する定量的情報
平成27年3月期において、公正価値で測定されたレベル3に分類される資産の評価技法及び重要な観察不能なインプットに係る情報は、以下のとおりであります。
非継続的に公正価値で 測定される資産 | 公正価値 (百万円) | 評価技法 | 主な観察不能なインプット | 範囲 |
商標権 | 1,994 | ロイヤリティ免除法 | 割引率 ロイヤリティ率 期待収益成長率(5年内) 永続成長率(5年超) | 7.3~11.3% 3.0~4.0% 2.3~5.3% 0% |
T セグメント情報
会計基準書280は、企業のオペレーティング・セグメントに関する情報の開示を規定しており、企業の最高経営意思決定者が経営資源の配分に関する意思決定や業績評価を行うために区分した企業の構成単位に関する情報を開示することを要求しております。当社グループの報告セグメントは、ワコール事業(国内)、ワコール事業(海外)、ピーチ・ジョン事業及びその他であります。各報告セグメントで採用されている会計方針は、「注記1 連結会計方針」に記載されているものと同様であります。
(1)オペレーティング・セグメント情報
前連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
ワコール 事業 (国内) (百万円) | ワコール 事業 (海外) (百万円) | ピーチ・ ジョン 事業 (百万円) | その他 (百万円) | 計 (百万円) | 消去 (百万円) | 連結 (百万円) | |
Ⅰ 売上高及び営業損益 | |||||||
(1)外部顧客に対する売上高 | 112,203 | 48,107 | 11,626 | 19,829 | 191,765 | - | 191,765 |
(2)セグメント間の内部売上高又は振替高 | 1,906 | 8,592 | 650 | 5,046 | 16,194 | (16,194) | - |
計 | 114,109 | 56,699 | 12,276 | 24,875 | 207,959 | (16,194) | 191,765 |
営業費用 | 102,789 | 50,444 | 12,080 | 24,469 | 189,782 | (16,194) | 173,588 |
減価償却費 | 2,876 | 1,479 | 471 | 248 | 5,074 | - | 5,074 |
のれん減損損失 (注記2-F) | - | - | 4,845 | - | 4,845 | - | 4,845 |
その他の無形固定資産減損損失(注記2-F) | - | - | 1,176 | - | 1,176 | - | 1,176 |
営業費用計 | 105,665 | 51,923 | 18,572 | 24,717 | 200,877 | (16,194) | 184,683 |
営業利益(△損失) | 8,444 | 4,776 | △6,296 | 158 | 7,082 | - | 7,082 |
Ⅱ 資産及び資本的支出 | |||||||
資産 | 261,467 | 78,143 | 11,748 | 20,789 | 372,147 | (71,875) | 300,272 |
資本的支出 | 3,338 | 742 | 300 | 98 | 4,478 | - | 4,478 |
当連結会計年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)
ワコール 事業 (国内) (百万円) | ワコール 事業 (海外) (百万円) | ピーチ・ ジョン 事業 (百万円) | その他 (百万円) | 計 (百万円) | 消去 (百万円) | 連結 (百万円) | |
Ⅰ 売上高及び営業損益 | |||||||
(1)外部顧客に対する売上高 | 120,570 | 51,869 | 11,190 | 19,288 | 202,917 | - | 202,917 |
(2)セグメント間の内部売上高又は振替高 | 1,427 | 8,595 | 775 | 6,102 | 16,899 | (16,899) | - |
計 | 121,997 | 60,464 | 11,965 | 25,390 | 219,816 | (16,899) | 202,917 |
営業費用 | 110,144 | 54,711 | 11,442 | 24,839 | 201,136 | (16,899) | 184,237 |
減価償却費 | 3,043 | 1,320 | 265 | 187 | 4,815 | - | 4,815 |
営業費用計 | 113,187 | 56,031 | 11,707 | 25,026 | 205,951 | (16,899) | 189,052 |
営業利益 | 8,810 | 4,433 | 258 | 364 | 13,865 | - | 13,865 |
Ⅱ 資産及び資本的支出 | |||||||
資産 | 254,269 | 80,580 | 11,959 | 18,866 | 365,674 | (72,820) | 292,854 |
資本的支出 | 6,977 | 1,694 | 245 | 62 | 8,978 | - | 8,978 |
(注)1 各事業の主な製品
ワコール事業(国内)……インナーウェア(ファンデーション、ランジェリー、ナイトウェア、リトルインナー)、アウターウェア、スポーツウェア、レッグニット他
ワコール事業(海外)……インナーウェア(ファンデーション、ランジェリー、ナイトウェア、リトルインナー)、アウターウェア、スポーツウェア、レッグニット他
ピーチ・ジョン事業………インナーウェア(ファンデーション、ランジェリー、ナイトウェア)、アウターウェア、その他繊維関連商品他
その他………………………インナーウェア(ファンデーション、ランジェリー、ナイトウェア、リトルインナー)、アウターウェア、その他繊維関連商品、マネキン人形、店舗設計・施工他
2 報告セグメントの営業利益の合計については、連結損益計算書の営業利益と一致しております。なお、営業利益から税引前当期純利益までの調整については「連結損益計算書」のⅢ その他の収益・費用(△)に記載のとおりです。
3 セグメント間取引は、原価に利益を加算した金額で行われております。営業利益(損失)については、売上高から営業費用を控除して算出しております。
(2)製品別売上情報
製品の品種の名称 | 前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) (百万円) |
インナーウェア | ||
ファンデーション・ランジェリー | 142,681 | 151,166 |
ナイトウェア | 9,514 | 10,098 |
リトルインナー | 1,373 | 1,386 |
小計 | 153,568 | 162,650 |
アウターウェア・スポーツウェア | 16,227 | 19,074 |
レッグニット | 2,437 | 2,178 |
その他の繊維製品及び関連製品 | 7,616 | 7,161 |
その他 | 11,917 | 11,854 |
合計 | 191,765 | 202,917 |
(3)地域別情報
前連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
日本 (百万円) | アジア・オセアニア (百万円) | 欧米 (百万円) | 連結 (百万円) | |
Ⅰ 売上高 | ||||
外部顧客に対する売上高 | 143,250 | 16,261 | 32,254 | 191,765 |
Ⅱ 長期性資産 | 43,200 | 2,998 | 2,990 | 49,188 |
当連結会計年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)
日本 (百万円) | アジア・オセアニア (百万円) | 欧米 (百万円) | 連結 (百万円) | |
Ⅰ 売上高 | ||||
外部顧客に対する売上高 | 150,673 | 17,906 | 34,338 | 202,917 |
Ⅱ 長期性資産 | 46,136 | 4,490 | 3,312 | 53,938 |
(注)1 国又は地域の区分の方法は地理的近接度によっております。
2 本邦以外の区分に属する主な国又は地域
アジア・オセアニア……東アジア、東南アジア及び西アジア諸国、オーストラリア
欧米………北米及びヨーロッパ諸国
3 売上高は連結会社を所在地別に分類したものであります。
4 長期性資産は有形固定資産であります。
U 後発事象
固定資産の譲渡
当社は、平成28年1月29日開催の取締役会において、以下のとおり固定資産(土地)の譲渡について決議し、平成28年4月27日に物件の引渡しを行いました。
1.譲渡の理由
当該資産は旧名古屋支店跡地であり、今後事業に使用する見込みがないことから、経営資源の有効活用を図るため譲渡することといたしました。
2.譲渡資産の内容
資産の内容 | 土地(1,370㎡) |
所在地 | 愛知県名古屋市中区栄5丁目15番地 |
現況 | 駐車場用地として賃貸 |
譲渡資産の簿価 | 295百万円 |
譲渡価額 | 4,149百万円 |
3.譲渡先の概要
株式会社日本セレモニー
4.譲渡の日程
取締役会決議日 | 平成28年1月29日 |
契約締結日 | 平成28年2月12日 |
物件引渡日 | 平成28年4月27日 |
5.業績への影響
当該固定資産の譲渡に伴い、平成29年3月期第1四半期会計期間において、固定資産売却益約38億円を計上いたします。
自己株式の取得
当社は、平成28年5月27日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条第1項の規定に基づき、自己株式を取得すること及びその具体的な取得方法について決議いたしました。
1.理由
資本効率の向上と経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行を可能とするため
2.取得する株式の種類
普通株式
3.取得する株式の総数
2,300,000株(上限)
4.取得する期間
平成28年6月2日~平成28年9月30日
5.取得価額の総額
3,000百万円(上限)
6.取得方法
信託方式による市場買付
剰余金の配当
平成28年5月9日開催の取締役会におきまして、平成28年3月31日現在の当社株主に対して現金配当4,648百万円(1株につき33円)を実施することが決議されました。